(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6203640
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】マグネトロン電源リードのフィルタ
(51)【国際特許分類】
H01F 17/06 20060101AFI20170914BHJP
H01J 23/34 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
H01F17/06 D
H01F17/06 F
H01J23/34 B
【請求項の数】9
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-553025(P2013-553025)
(86)(22)【出願日】2012年2月9日
(65)【公表番号】特表2014-506732(P2014-506732A)
(43)【公表日】2014年3月17日
(86)【国際出願番号】GB2012050281
(87)【国際公開番号】WO2012107763
(87)【国際公開日】20120816
【審査請求日】2015年2月6日
(31)【優先権主張番号】1102459.3
(32)【優先日】2011年2月11日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】504351600
【氏名又は名称】イー2ヴイ テクノロジーズ (ユーケイ) リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】リチャードソン ロバート
(72)【発明者】
【氏名】オズボーン カール
【審査官】
小池 秀介
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭50−080072(JP,A)
【文献】
特開平07−230915(JP,A)
【文献】
特開平09−321482(JP,A)
【文献】
特表昭60−501236(JP,A)
【文献】
特開平06−104081(JP,A)
【文献】
特開2000−331878(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F17/00−27/02
27/06−27/08
27/23
27/28−27/29
27/36
27/42
38/42
H01J23/00−25/78
H03H1/00−3/00
5/00−7/13
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マグネトロン電源リードのための誘導性フィルタにおいて、
電気絶縁チューブ手段と;
前記電気絶縁チューブ手段と実質的に同軸的に、前記電気絶縁チューブ手段内に部分的に配置されて、マグネトロン電源からマグネトロンへ電力を供給するための電力リード手段と;
前記電気絶縁チューブ手段に同軸的に配置された第1の磁気材料の複数の第1の磁気コア手段と;
前記電気絶縁チューブ手段に同軸的に配置された第2の磁気材料の複数の第2の磁気コア手段と;
前記第1の磁気コア手段及び第2の磁気コア手段と少なくとも同じ外径であり且つ各第1の磁気コア手段と各第2の磁気コア手段との間に置かれた前記電気絶縁チューブ手段に同軸的に配置された複数の絶縁ディスク手段と;
を備え、滑りばめを形成するように、前記絶縁ディスク手段、前記第1の磁気コア手段および前記第2の磁気コア手段の内径は各々実質的に前記電気絶縁チューブ手段の外径と等しく、第1の所定の周波数帯域における電気的ノイズ及びその第1の所定の周波数帯域より高い又は低い第2の所定の周波数帯域における電気的ノイズを、前記電力リード手段に沿って伝送されないよう実質的にフィルタリングすると共に、前記電力リード手段に沿って伝送される所定の過渡電圧を吸収するように構成された、誘導性フィルタ。
【請求項2】
前記電気絶縁チューブ手段に同軸的に配置された第3の磁気材料の複数の第3の磁気コア手段と;前記第1の磁気コア手段、前記第2の磁気コア手段及び前記第3の磁気コア手段と少なくとも同じ外径の更に別の複数の絶縁ディスク手段と;を備え、この更に別の複数の絶縁ディスク手段は、前記第2の磁気コア手段の各々と前記第3の磁気コア手段の各々との間で前記電気絶縁チューブ手段に同軸的に配置され、更に、前記第1の磁気コア手段は、前記第1の所定の周波数帯域における電気的ノイズを実質的にフィルタリングするように構成され、前記第2の磁気コア手段は、前記第2の所定の周波数帯域における電気的ノイズを実質的にフィルタリングするように構成され、そして前記第3の磁気コア手段は、所定の過渡電圧を、前記電力リード手段に沿って伝送されないよう吸収するように構成された、請求項1に記載の誘導性フィルタ。
【請求項3】
前記磁気コア手段及び前記絶縁ディスク手段は、前記絶縁チューブ手段に沿って互いに接近している、請求項1から2のいずれかに記載の誘導性フィルタ。
【請求項4】
前記絶縁ディスク手段は、一連の磁気コア手段の表面を横切ってトラッキング電流を招く電圧破壊を防止するように構成される、請求項1から3のいずれかに記載の誘導性フィルタ。
【請求項5】
前記電力リード手段は、同軸ケーブルの内部導体である、請求項1から4のいずれかに記載の誘導性フィルタ。
【請求項6】
前記誘導性フィルタは、EMCスクリーニング手段内に配置され、そして前記同軸ケーブルの外部電気導体は、そのスクリーニング手段に電気的に接続される、請求項5に記載の誘導性フィルタ。
【請求項7】
マグネトロンの電源リードをフィルタリングする方法において、
a.電気絶縁チューブ手段内に部分的に同軸的に配置されて、マグネトロン電源からマグネトロンへ電力を供給するための電力リード手段を準備する段階;及び
b.電気絶縁チューブ手段と実質的に同軸的に電気絶縁チューブ手段に配置された第1の磁気材料の複数の第1の磁気コア手段及び複数の第2の磁気材料の第2の磁気コア手段を使用して、第1の所定の周波数帯域における電気的ノイズ及びその第1の所定の周波数帯域より高い又は低い第2の所定の周波数帯域における電気的ノイズを、電力リード手段に沿って伝送されないようフィルタリングすると共に、電力リード手段に沿って伝送される所定の過渡電圧を吸収する段階;
を備え、
滑りばめを形成するように、前記第1の磁気コア手段および前記第2の磁気コア手段の内径は各々実質的に前記電気絶縁チューブ手段の外径と等しい方法。
【請求項8】
a.前記第1の磁気コア手段を使用して、前記第1の所定の周波数帯域における電気的ノイズをフィルタリングし、
b.前記第2の磁気コア手段を使用して、前記第2の所定の周波数帯域における電気的ノイズをフィルタリングし、及び
c.前記電気絶縁チューブ手段に同軸的に配置された第3の磁気材料の複数の第3の磁気コア手段を使用して、前記電力リード手段に沿って伝送される所定の過渡電圧を吸収する、
ことを含む請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の磁気コア手段及び前記第2の磁気コア手段と少なくとも同じ外径で且つそれら磁気コア手段間の前記電気絶縁チューブ手段に同軸的に配置された絶縁ディスク手段を使用して、一連の磁気コア手段の表面を横切ってトラッキング電流を招く電圧破壊を防止し、滑りばめを形成するように、前記絶縁ディスク手段の内径は各々実質的に前記電気絶縁チューブ手段の外径と等しい、請求項7又は8に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マグネトロン電源リードのフィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
図1を参照すれば、充分に高い電圧定格をもつ標準同軸ケーブル50の外側接続、及び高電圧接続用のPL259又はタイプNのようなコネクタ60の外側部分を使用することが知られている。内部導体と外部導体との間の電圧クリープを適当に一掃するために同軸ケーブルの外部層51が内部絶縁体52から後方に充分に剥離され、そしてコネクタ60の外側部分が同軸ケーブルの編組に電気的及び機械的に接続される。同軸内部導体の端には、負荷装置へ接続するために適当なコネクタ61が取り付けられる。
図1は、そのような既知の4mmピン同軸コネクタの使用を示す。
【0003】
マグネトロンは、その高電圧端子から電気的ノイズを発生する。典型的なマグネトロンでは、この広帯域ノイズは、〜100MHzから〜600MHzの周波数範囲をカバーする。マグネトロンを付勢するのに使用される整流器に関連した整流器転換ノイズは、通常、〜1MHzから〜20MHzの周波数範囲である。
【0004】
インダクタは、望ましい周波数範囲にわたり望ましインダクタンスを得るために導体上のスリップ磁気コアという簡単な手段により形成できることが良く知られている。しかしながら、単一のインダクタが上述した2つのノイズ源の2つの周波数範囲にわたって有効であることはあり得ない。これらの異なる周波数範囲のノイズをフィルタリングしそしてこれらの異なる周波数範囲で減衰するのに最適なインダクタを形成するため、各々インダクタンスLa及びLbを有する2つの異なるインダクタコアが直列に使用される。各磁気コアについて、インダクタンス及びQは、適当な周波数範囲をカバーするようにコアに対して適当な材料を選択することにより最適なものにされる。
【0005】
GB1487583号及びUS3,922,612号は、VHF及びUHF干渉を放射するマグネトロンのためのローパスフィルタを含むチョーク回路であって、各ヒータリードと電源入力端子との間に一対のチョーク部材が接続され、各チョーク部材は、例えば、10kΩ・cmの高い固有抵抗率の第1のフェライトコアを含む少なくとも1つのチョーク素子と、例えば、30Ω・cmの低い固有抵抗率の少なくとも1つの第2のチョーク素子とで構成され、2つのチョーク部材が直列に接続されたチョーク回路を開示している。チョーク部材には、直列接続されたコイル及びコアが挿入される。チョークは、シールドエンクロージャーに配置される。チョーク部材を設けることで、不愉快なマイクロ波ノイズの漏れが実質的に防止される。低い抵抗率のコアと高い抵抗率のコアとの間に金属シールドプレートを挿入して、コア間に磁気分離を得、マイクロ波ノイズを更に有効に吸収することができる。一実施形態では、リードごとに3つのチョークが直列に使用される。或いは又、チョーク部材がリードの周りに2つのフェライトビードを直列に含み、第1のフェライトビードは、高い固有抵抗率のもので、第2のフェライトビードは、低い固有抵抗率のもので、その各々は、2本のヒータワイヤを受け入れるための2つのボアを有している。チョーク部材は、交互に低抵抗率及び高抵抗率のフェライトコアの複数のグループを有する。
【0006】
GB1436928号は、マイクロ波減衰フェライトビードをもつカソードリードを有するマグネトロンを開示している。
【0007】
US4,163,175号は、フェライトビードのような電磁エネルギー吸収器がカソードホルダの周りに巻かれたマグネトロンが良く知られているが、フェライトビードは、電磁エネルギーの吸収により及びホットカソードから過熱し、フェライトビードが大量のガスを発生させることを示唆している。フェライトインダクタのそのような過熱を防止するためにカソードホルダの付近に熱導体に接触するリング状HFエネルギー吸収器が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、マグネトロンは、アークも発生し、即ち非常に急速に短絡を生じる。この状況では、典型的に、20kVのマグネトロンの全作用電圧がインダクタにまたがって瞬間的に印加される。そのような高い電圧は、磁気コアに使用される磁気材料にダメージを及ぼす。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様によれば、マグネトロン電源リードのための誘導性フィルタにおいて、電気絶縁チューブ手段と;この電気絶縁チューブ手段と実質的に同軸的に、この電気絶縁チューブ手段内に部分的に配置されて、マグネトロン電源からマグネトロンへ電力を供給するための電力リード手段と;電気絶縁チューブ手段に同軸的に配置された第1の磁気材料の第1の磁気コア手段と;電気絶縁チューブ手段に同軸的に配置された第2の磁気材料の第2の磁気コア手段と;第1の磁気コア手段及び第2の磁気コア手段と少なくとも同じ外径であり且つ第1の磁気コア手段と第2の磁気コア手段との間で電気絶縁チューブ手段に同軸的に配置された絶縁ディスク手段と;を備え、第1の所定の周波数帯域における電気的ノイズ及びその第1の所定の周波数帯域より高い又は低い第2の所定の周波数帯域における電気的ノイズを、電力リード手段に沿って伝送されないよう実質的にフィルタリングすると共に、電力リード手段に沿って伝送される所定の過渡電圧を吸収するように構成された誘導性フィルタが提供される。
【0010】
便利なことに、誘導性フィルタは、更に、電気絶縁チューブ手段に同軸的に配置された第3の磁気材料の第3の磁気コア手段と;第1の磁気コア手段、第2の磁気コア手段及び第3の磁気コア手段と少なくとも同じ外径の更に別の絶縁ディスク手段;を備え、この更に別の絶縁ディスク手段は、第2の磁気コア手段と第3の磁気コア手段との間で電気絶縁チューブ手段に同軸的に配置され、第1の磁気コア手段は、第1の所定の周波数帯域における電気的ノイズを実質的にフィルタリングするように構成され、第2の磁気コア手段は、第2の所定の周波数帯域における電気的ノイズを実質的にフィルタリングするように構成され、そして第3の磁気コア手段は、所定の過渡電圧を、電力リード手段に沿って伝送されないよう吸収するように構成される。
【0011】
好都合なことに、誘導性フィルタは、上述した磁気コア手段及び絶縁ディスク手段の複数のセットを含む。
【0012】
便利なことに、磁気コア手段及び絶縁ディスク手段は、絶縁チューブ手段に沿って互いに接近している。
【0013】
好都合なことに、絶縁ディスク手段は、一連の磁気コア手段の表面を横切ってトラッキング電流を招く電圧破壊を防止するように構成される。
【0014】
便利なことに、電力リード手段は、同軸ケーブルの内部導体である。
【0015】
便利なことに、誘導性フィルタは、EMCスクリーニング手段内に配置され、そして同軸ケーブルの外部電気導体は、そのスクリーニング手段に電気的に接続される。
【0016】
本発明の第2の態様によれば、マグネトロンの電源リードをフィルタリングする方法において、電気絶縁チューブ手段と実質的に同軸的に、電気絶縁チューブ手段内に部分的に配置されて、マグネトロン電源からマグネトロンへ電力を供給するための電力リード手段を準備する段階;及び電気絶縁チューブ手段に同軸的に配置された第1の磁気材料の第1の磁気コア手段及び第2の磁気材料の第2の磁気コア手段を使用して、第1の所定の周波数帯域における電気的ノイズ及びその第1の所定の周波数帯域より高い又は低い第2の所定の周波数帯域における電気的ノイズを、電力リード手段に沿って伝送されないようフィルタリングすると共に、電力リード手段に沿って伝送される所定の過渡電圧を吸収する段階;を備えた方法が提供される。
【0017】
便利なことに、第1の磁気コア手段は、第1の所定の周波数帯域における電気的ノイズをフィルタリングし、第2の磁気コア手段は、第2の所定の周波数帯域における電気的ノイズをフィルタリングし、そして電気絶縁チューブ手段に同軸的に配置された第3の磁気材料の第3の磁気コア手段は、電力リード手段に沿って伝送される所定の過渡電圧を吸収する。
【0018】
便利なことに、第1の磁気コア手段及び第2の磁気コア手段と少なくとも同じ外径であり且つそれら磁気コア手段間で電気絶縁チューブ手段に同軸的に配置された絶縁ディスク手段は、一連の磁気コア手段の表面を横切ってトラッキング電流を招く電圧破壊を防止する。
【0019】
好都合なことに、前記方法は、上述した磁気コア手段及び絶縁ディスク手段の複数のセットを使用することを含む。
【0020】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図2A】マグネトロンへ電力を供給するために同軸ケーブルの中心絶縁体の周りに本発明による直列の3つのタイプの磁気コアインダクタのセットを示す断面図である。
【
図2B】
図2Aに示す直列の3つの磁気コアインダクタのセットによって与えられるインダクタンス及び抵抗の等価回路図である。
【
図3】
図2Aの内部導体及び磁気コアの実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図2Aを参照すれば、本発明の一実施形態による磁気コアインダクタ10は、異なるインダクタンスLa、Lb及びLcを各々有する3つの磁気コア101、102、103のセットが直列に配置されたものより成る。マグネトロン(図示せず)へ電力を供給するためのEHT電源(図示せず)からの同軸ケーブル20の外部導体21は、安全及びEMCの目的で全アッセンブリをシールドする導電性バルクヘッド30に電気的に接触する同軸ケーブル外部コネクタ31に電気的及び機械的に接続される。同軸ケーブル20の内部導体22をマグネトロンのカソードに接続するために、外部導体21及び外部絶縁体をもたない内部導体22及び内部絶縁体23の一部分が細長い直線的な電気絶縁チューブ105に通される。細長い直線的チューブ105の中央部分1051の周りに同軸的に配置されているのは、第1の環状磁気コア101、第1の絶縁ディスク104、第2の環状磁気コア102、第2の絶縁ディスク104、第3の環状磁気コア103、及び第3の絶縁ディスク104の繰り返しパターンである。第1の環状磁気コア101、第2の環状磁気コア102及び第3の環状磁気コア103は、異なる磁気材料であるが、実質的に同じ寸法である。第1、第2及び第3の絶縁ディスク104は、互いに実質的に同一である。環状磁気コア101、102、103、及び絶縁ディスク104は、実質的に同じ外径を有すると共に、絶縁チューブ105上に滑りばめ(sliding fit)を形成する内径を有する。磁気コア101、102、103、及び絶縁ディスク104のこのパターンは、チューブ105の中央部分1051に沿って繰り返される。バルクヘッド接続部31に最も近い磁気コア101は、磁気コア又は絶縁ディスクをもたない細長い直線的チューブ105の第1の端部1052によりそこから離間されている。バルクヘッド接続部31から最も遠い絶縁ディスク104は、バルクヘッド接続部31から最も遠いチューブ105の端から、磁気コア又は絶縁ディスクをもたない細長い直線的チューブ105の(第1の端部とは逆の)第2の端部1053により離間されている。同軸ケーブルの内部絶縁体23の一部分は、同軸ケーブルの内部導体22をマグネトロン(図示せず)へ接続するために、細長い直線的チューブ105の遠方端を越えて延びる。
【0023】
第1及び第2の磁気コア101、102の各インダクタンスLa及びLbは、各々、マイクロメタルMix12又は17のような磁気材料を使用して〜100MHzから〜600MHzの、及びマイクロメタルMix4、6又は7のような磁気材料を使用して〜1MHzから〜20MHzの典型的な周波数範囲を有するマグネトロンノイズ及び整流器転換ノイズをフィルタリングするために選択され、この規範的な磁気材料は、USA 92807CA、アナハイム、5615E.La Palma Avenueのマイクロメタル・インクから入手できる。インダクタンスLcの第3の磁気コア103には、第3の磁気材料が使用される。このコア材料は、マイクロメタルMix26のような磁気材料を使用して100kHz未満の低い周波数において高い透磁率及び高い磁束密度の両方について選択される。インダクタンスLcの磁気コアは、例えば、
図2Aの点AとBとの間の一連のインダクタの長さにわたって過渡的に現れる電圧が、磁気コア101、102及び103の各々にまたがる電圧の割合が個々の磁気コアの電圧定格内となるようなレベルへ減少されることを保証するように実験により設計される。
【0024】
従って、本発明の特徴は、異なる磁気コア材料を使用して、かなり異なる各機能を遂行することである。
図2Aに示す実施形態では、同じ磁気材料の2つ以上のコアが各機能に使用され、且つそれらが繰り返しパターンでインターリーブされることが明らかである。直列なコアの複数のセットを使用するにも関わらず、直列な磁気コアの等価電気回路は、
図2Bに示すように、実質的に、一連の3対の直列インダクタンス及び抵抗La及びRa、Lb及びRb、Lc及びRcであることが示されている。
【0025】
更に、各インダクタンスLa、Lb及びLcを伴う磁気コアの分布性は、マグネトロンにアークが生じたとき、一連のコアの長さAからBにわたって過渡的な高い電圧が均一に分布することを保証する。距離A−Bは、使用する磁気コアの数によって決定されるが、電圧クリープを防止するに必要な最小距離より長くなければならない。クリープ距離に関する情報は、規格EN60950及びIEC664−1に見ることができる。
【0026】
同軸ケーブル20を使用してマグネトロンのような負荷に定常DC電圧を供給するときには、ケーブルのDC電圧定格は、マグネトロンのアーク発生中に生じるような急速な過渡状態を電圧が受けるときの方が、一定の電圧をケーブルが受けるときより著しく低い。過渡状態のもとで電圧定格が充分であるように保証するため、磁気コア101、102、103をサポートするのに使用されるチューブ105は電気絶縁性である。磁気コア間に配置される電気絶縁ディスク104は、磁気コアに使用される典型的な磁気材料が導電性であるから、
図2Aの点AとBとの間の一連の磁気コアにまたがる高い電圧が磁気コアの表面を横切ってトラッキングすることがないよう保証する。
【0027】
図3は、本発明の典型的な具現化を示すもので、電気絶縁チューブにアッセンブルされた磁気コアを示している。同軸ケーブルの内部導体及び内部絶縁体は、チューブを通して高電圧変圧器整流器ユニット(HVTRU)の20kVDC出力へ送られて示されている。磁気コア及びチューブアッセンブリは、標準ケーブルクリートで固定される。同軸コネクタは、安全性及びEMCの目的で装置をシールドする導電性ケースで見えない。そのようなインダクタは、整流器の負の端子と、例えば、WO2008/149133に述べられたマグネトロンヒータ変圧器との間の電源リードの周りに配置される。
【0028】
ある状況においては、上述したように、異なる各インダクタンスLa、Lb及びLcを伴う3つの異なるタイプの磁気コア101、102、103は、マグネトロンのノイズをフィルタリングし、整流器転換ノイズをフィルタリングし、及びマグネトロンのアークに適応させるという3つの目的で便利に使用されることが理解される。しかしながら、例えば、コアLb及びLcがそれらの機能の2つを遂行でき、そしてLb及びLcの組み合わせで第3の機能を遂行できる場合には、2つのタイプの磁気コアしか必要とされないが、磁気コアの同じ機械的配列及び分布を、
図2Aの3つのタイプの磁気コアに使用される2つの異なるタイプの磁気コアとして使用することが想像される。
【0029】
更に、本発明のフィルタは、整流器からのノイズがマグネトロンに到達しないようフィルタリングすると共に、マグネトロンからのノイズが、整流器を含む電源回路に到達しないようフィルタリングすることも理解される。更に、従来技術とは対照的に、フィルタが電源リードに配置され、マグネトロン内にないことに注意されたい。これは、マグネトロンの設計及び構造を簡単にする。
【0030】
本発明は、マグネトロンのノイズフィルタリングに関連して説明したが、当業者であれば、本発明は、他の状況、特に、2つの異なる周波数帯域におけるノイズフィルタリング及び過渡電圧保護が望まれる場合にも適用できることが理解されよう。
【0031】
本明細書の説明及び請求の範囲全体にわたり、「備える(comprise)」、「含む(contain)」の語及びそれらの変形は、「含むが、それに限定されない」を意味し、そしてそれらは、他の部分、添加物、成分、整数又はステップを含むことは意図されない(それらを含まない)。本明細書の説明及び請求の範囲全体にわたり、単数は、特に指示のない限り、複数も意味する。特に、不定の物品が使用される場合は、特に指示のない限り、複数及び単数を意図するものと理解されたい。
【0032】
本発明の特定の態様、実施形態又は実施例に関して述べる特徴、整数、特性、化合物、化学的部分又はグループは、それに非適合でない限り、ここに述べる他の態様、実施形態又は実施例に適用できると理解されたい。本明細書(特許請求の範囲、要約書及び添付図面を含む)に開示する全ての特徴、及び/又はそこに開示する方法又はプロセスの全てのステップは、そのような特徴及び/又はステップの少なくとも幾つかが相互に排他的である組み合わせを除き、いかなる組み合わせで結合されてもよい。本発明は、上述した実施形態の細部に限定されない。本発明は、本明細書(特許請求の範囲、要約書及び添付図面を含む)に開示する特徴の、新規な1つ、又は新規な組み合わせ、或いはそこに開示する方法又はプロセスのステップの、新規な1つ又は新規な組み合わせへと拡張される。
【0033】
読者の注意は、本出願と同時に或いは本出願に関連して本明細書以前に提出された及び本明細書と共に公開される全ての書類及び文書に向けられ、従って、そのような全ての書類及び文書が参考としてここに援用される。
【符号の説明】
【0034】
10:磁気コアインダクタ
20:同軸ケーブル
21:外部導体
22:内部導体
23:内部絶縁体
30:バルクヘッド
31:同軸ケーブル外部コネクタ
50:同軸ケーブル
51:外部層
52:内部絶縁体
60:コネクタ
61:適当なコネクタ
101:第1の環状磁気コア
102:第2の環状磁気コア
103:第3の環状磁気コア
104:第1、第2及び第3の絶縁ディスク
105:細長い直線的電気絶縁チューブ
1051:中央部分
1052:第1の端部
1053:第2の端部