(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6203651
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】管設置具
(51)【国際特許分類】
E03C 1/02 20060101AFI20170914BHJP
【FI】
E03C1/02
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-14631(P2014-14631)
(22)【出願日】2014年1月29日
(65)【公開番号】特開2015-140593(P2015-140593A)
(43)【公開日】2015年8月3日
【審査請求日】2016年8月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000243803
【氏名又は名称】未来工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079968
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 光司
(72)【発明者】
【氏名】広瀬 賢
(72)【発明者】
【氏名】井川 一久
(72)【発明者】
【氏名】栗原 桃子
【審査官】
七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−207200(JP,A)
【文献】
特開平11−210030(JP,A)
【文献】
特開2002−138532(JP,A)
【文献】
特開2002−372174(JP,A)
【文献】
国際公開第2007/053087(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03C 1/00−1/10
F16L 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁裏に配管される可撓性を有する管を、壁に形成された貫通孔から壁表に引き出して設置するための管設置具であって、
壁裏に配置される設置具本体と、壁表に配置されて前記貫通孔を介して前記設置具本体に固定される覆い体とを備え、
前記覆い体は、前記貫通孔を覆う覆い部と、前記管が引き出される引出口とを有し、
前記引出口は、その向く方向が前記壁の壁面に対して傾斜して設けられ、
前記覆い体は、前記引出口の向く傾斜方向を変更すべく、前記壁に沿う方向に回動した複数位置の一つまたは任意位置を選択して前記設置具本体に固定可能である、管設置具。
【請求項2】
前記覆い体は、裏面から突出する嵌合凸部を備え、前記設置具本体は、前記嵌合凸部が、前記壁に沿う方向に回動した複数位置または任意位置で嵌合する被嵌合部を備える、請求項1に記載の管設置具。
【請求項3】
前記被嵌合部は、複数の凹部を有し、それら凹部のいずれかが選択されて、その選択された凹部に前記嵌合凸部が嵌合する、請求項2に記載の管設置具。
【請求項4】
前記嵌合凸部には、前記覆い体を前記設置具本体に固定するために、壁裏側からビスが螺合するビス螺合部が設けられる、請求項2または3に記載の管設置具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、可撓性を有する管を、壁に形成された貫通孔から引き出して設置するための、管設置具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、壁裏に配管された管を、壁の貫通孔から壁表に引き出して設置するために、管設置具が用いられた(例えば、特許文献1参照)。
図12に示すように、この管設置具24は、壁21に形成された貫通孔21aに挿入されて内部を通水管23が通る本体25を備えていた。そして、この本体25は、壁表22側に、傾斜した筒体部26を有し、その筒体部26には、引出部材27が組み付けられた。この引出部材27は、二本の通水管23、23を個別に引き出すために、筒体部26の延びる方向を向く二つの引出口28、28を有していた。そして、この引出部材27は、二本の通水管23、23を曲げて配管する際、それら二本の通水管23、23がその曲がりの法線方向に重なり合うことのないよう、筒体部26の軸心26aを中心として回動可能に形成されて、二つの引出口28、28の並びの方向を変えることができるようになっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−207200号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記従来の管設置具24においては、引出口28、28の傾斜方向を変えることはできず、引出口28の近傍に障害物があると、通水管(管)23を急激に曲げて配管しなければならなかったり、通水管23を曲げたとしても障害物を避けることができなかったりした。特に、ユニットバス回りにあっては、壁と浴槽との間が狭く、限られたスペースでの設置は、非常に困難を伴うものとなっていた。
【0005】
この発明は、上記した従来の欠点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、壁の貫通孔から引き出される管の配管作業性を向上させることができる管設置具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る管設置具は、前記目的を達成するために、次の構成からなる。すなわち、
請求項1に記載の発明に係る管設置具は、壁裏に配管される可撓性を有する管を、壁に形成された貫通孔から壁表に引き出して設置するための管設置具である。この管設置具は、壁裏に配置される設置具本体と、壁表に配置されて前記貫通孔を介して前記設置具本体に固定される覆い体とを備える。ここで、前記覆い体は、前記貫通孔を覆う覆い部と、前記管が引き出される引出口とを有する。この引出口は、その向く方向が前記壁の壁面に対して傾斜して設けられる。そして、前記覆い体は、前記引出口の向く傾斜方向を変更すべく、前記壁に沿う方向に回動した複数位置の一つまたは任意位置を選択して前記設置具本体に固定可能である。
【0007】
この管設置具によると、壁裏には、設置具本体が配置され、壁表には、壁の貫通孔を覆う覆い体が配置される。この覆い体は、壁面に対して傾斜する、管の引出口を有している。そこで、覆い体を、壁に沿う方向に回動した複数位置の一つまたは任意位置を選択して設置具本体に固定することで、覆い体の引出口の向く傾斜方向が変更される。したがって、引出口の近傍に障害物があったとしても、覆い体の回動位置を選択することで、引出口の向く傾斜方向を、障害物のある方向を避けた方向に向けることができる。このため、引出口から引き出された管を、急激に曲げることもなく、容易に配管することができる。また、引出口の向く傾斜方向を変更することで、引出口から引き出された管を、作業者の位置に応じた作業のし易い方向に向けることもできる。
【0008】
また、請求項2に記載の発明に係る管設置具は、請求項1に記載の管設置具において、前記覆い体は、裏面から突出する嵌合凸部を備える。一方、前記設置具本体は、前記嵌合凸部が、前記壁に沿う方向に回動した複数位置または任意位置で嵌合する被嵌合部を備える。
【0009】
また、請求項3に記載の発明に係る管設置具は、請求項2に記載の管設置具において、前記被嵌合部は、複数の凹部を有し、それら凹部のいずれかが選択されて、その選択された凹部に前記嵌合凸部が嵌合する。
【0010】
また、請求項4に記載の発明に係る管設置具は、請求項2または3に記載の管設置具において、前記嵌合凸部には、前記覆い体を前記設置具本体に固定するために、壁裏側からビスが螺合するビス螺合部が設けられる。
【発明の効果】
【0011】
この発明に係る管設置具によれば、覆い体の引出口を、壁面に対して傾斜するように設けるとともに、覆い体を、壁に沿う方向に回動した複数位置の一つまたは任意位置を選択して設置具本体に固定可能とすることで、引出口の向く方向を変更して、管の急激な曲げを避けて障害物を回避したり、管を作業者の位置に応じた作業のし易い方向に向けたりすることができ、壁の貫通孔から引き出される管の配管作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】この発明の一実施の形態の、管設置具の斜視図である。
【
図4】同じく、管設置具を壁に設けた全体図である。
【
図8】同じく、覆い体を回動したときの、壁表側から見た図である。
【
図9】同じく、覆い体を回動したときの、壁裏側から見た図である。
【
図10】同じく、管設置具を浴室の壁に用いた、全体図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、この発明に係る管設置具を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
【0014】
図1〜
図11は、本発明の一実施の形態を示す。図中符号1は、建物等の壁を示す。2は、前記壁1の表側である壁表を示し、3は、壁1の裏側である壁裏を示す。4は、通水管等の可撓性を有する管を示す。5は、管設置具を示す。
【0015】
この管設置具5は、壁裏3に配管される可撓性を有する管4を、壁1に形成された貫通孔1aから壁表2に引き出して設置するためのものである。この管設置具5は、壁裏3に配置される設置具本体6と、壁表2に配置されて前記貫通孔1aを介して設置具本体6に固定される覆い体7とを備える。ここで、覆い体7は、貫通孔1aを覆う覆い部7aと、管4が引き出される引出口7bとを有する。そして、この引出口7bは、その向く方向が壁1の壁面1bに対して傾斜して設けられる。また、覆い体7は、引出口7bの向く方向(傾斜方向)を変更すべく、壁1に沿う方向に回動した(つまり、壁面1bに垂直な軸心回りに回動した)複数位置の一つまたは任意位置(図示実施の形態においては、複数位置の一つ)を選択して設置具本体6に固定可能となっている。
【0016】
詳細には、覆い体7は、裏面から突出する嵌合凸部7cを備える。その一方で、設置具本体6は、覆い体7の嵌合凸部7cが、壁1に沿う方向に回動した複数位置または任意位置(図示実施の形態においては、複数位置)で嵌合する被嵌合部6aを備える。より詳細には、被嵌合部6aは、複数の凹部6b、6bを有し、それら凹部6b、6bのいずれかが選択されて、その選択された凹部6bに前記嵌合凸部7cが嵌合する。
【0017】
具体的には、壁1は、浴室の壁、例えば、ユニットバスの壁からなる。管4は、水や湯が通る通水管であって、水や湯を供給するための管とか、追焚き用の管とかからなる。
【0018】
管設置具5においては、設置具本体6は、案内筒部6cを備える。この案内筒部6cは壁裏3において、壁1に沿う方向から、前方に湾曲して形成され、その内部を、壁裏3に配管された管4が通ることで、管4は、壁1に沿う方向から貫通孔1aを通るように案内される。ここで、案内筒部6cは、壁1に沿う側の端部に、リング状の鞘管取付部6dが設けられており、この鞘管取付部6dに、管4を壁裏3側で収容保護する鞘管8が取り付けられる。
【0019】
そして、設置具本体6は、案内筒部6cの前端から鍔状に張り出すフランジ6eを備えており、このフランジ6eが、壁1の裏側の面に当接する。そして、このフランジ6eには、設置具本体6を壁1に固定するためのビス(図示せず)が挿入される取付孔6fがあけられている。
【0020】
また、設置具本体6は、フランジ6eから後方に突出するようにして、前述した被嵌合部6aを備える。この被嵌合部6aには、左右のそれぞれに、弧状に並ぶようにして複数(図示実施の形態においては、三つ)、前述した凹部6bが設けられる。この凹部6bは、フランジ6eを貫通して後方に深穴状に延びるように形成され、また、側方に開口するように(詳しくは、フランジ6eの後方にて、側方に開口するように)形成される。そして、凹部6bは、その延びる方向に直交する断面形状が、側方に開口する側が、幅広となる平行な直線形状に形成され、その奥側が、半円形状に形成された、略U字形状となっている(
図7、
図9参照)。そこで、左右各一の凹部6bが選択されて、その選択された凹部6bに覆い体7の嵌合凸部7cが嵌合する。また、凹部6bは、後方が閉塞し、その閉塞した底部6gには、ビス9が通るビス孔6hがあけられている。ここで、
図4〜
図7は、左右の各側において、中央の凹部6bが選択されて嵌合凸部7cが嵌合した状態を示し、引出口7bは、壁面1bに直交するところの鉛直面に沿った方向を向く。そして、
図8〜
図9は、左右の各側において、壁裏3側から見た図(
図9)で左回り(反時計回り)の位置にある凹部6bが選択されて嵌合凸部7cが嵌合した状態を示し、引出口7bは、壁表2側から見た図(
図8)で右回り方向(時計回り方向)に振れた方向を向く。また、図示を省略するが、左右の各側において、壁裏3側から見て右回り(時計回り)の位置にある凹部6bが選択されて嵌合凸部7cが嵌合すれば、引出口7bは、壁表2側から見て左回り方向(反時計回り方向)に振れた方向を向く。こうして、引出口7bを右にも左にも振れた方向を向かせることができ、このため、後述の
図10および
図11においては、管設置具5を左側の壁1に適用したが、右側の壁に適用することもできる。
【0021】
覆い体7は、覆い体本体10と引出部材11とロックナット12とを備える。覆い体本体10は、壁裏3側から貫通孔1aを通って壁表2側に引き出される管4が通る筒部10aを有し、この筒部10aは、斜め前方に突出して形成される。そして、覆い体本体10は、筒部10aの後端から側方に張り出す鍔部10bを備え、この鍔部10b(図示実施の形態においては、鍔部10bにパッキン10cが設けられ、そのパッキン10c)が、壁1の表側の面に当接する。
【0022】
また、覆い体本体10は、鍔部10bから後方に突出するようにして、前述した嵌合凸部7cを備える。この嵌合凸部7cは、後方に棒状に延びるように形成され、その延びる方向に直交する断面形状は、凹部6bに対応して、一方側が、幅広となる平行な直線形状に形成され、他方側が、半円形状に形成された、略U字形状となっている(
図7、
図9参照)。そして、嵌合凸部7cは、設置具本体6における左右の凹部6bに対応して二つ設けられる。ところで、この嵌合凸部7cが長く形成され、そして、対応する凹部6bが深く形成されており、管設置具5は、幅広い壁1の厚み(壁厚)に対応することができる。
【0023】
また、各嵌合凸部7cには、覆い体7を設置具本体6に固定するために、壁裏3側からビス9が螺合するビス螺合部7d(図示実施の形態においては、ナット)が設けられる。そして、嵌合凸部7cは、ビス螺合部7d(ナット)よりも先端側(つまり、後方)に、ビス9が通る通し孔10dがあけられ、ビス螺合部7d(ナット)よりも基端側(つまり、前方)に、ビス9を逃がす、側方に開口した逃がし孔10eがあけられる(
図3、
図4参照)。そこで、ビス9は、設置具本体6におけるビス孔6h(詳しくは、ビス孔6hおよび通し孔10d)に挿入されて、ビス螺合部7dにねじ込まれることで、覆い体7は、設置具本体6に固定される。そして、このとき、嵌合凸部7cは、壁裏3側に向かって引き込まれて、壁1は、覆い体7(詳しくは、鍔部10b)と、設置具本体6(詳しくは、フランジ6e)とで挟持される。なお、図中符号13は、嵌合凸部7cが挿入されない凹部6bに嵌められるキャップを示し、このキャップ13により、凹部6bは、フランジ6eを貫通する部分が、その後方から塞がれる(
図4、
図7参照)。
【0024】
引出部材11は、覆い体本体10の前端の開口を塞ぐ塞ぎ部11aと、その塞ぎ部11aに設けられる前述の引出口7bとを備える。そこで、この引出部材11における塞ぎ部11aと、覆い体本体10とで、前述の覆い部7aが形成される。そして、引出口7bは、塞ぎ部11aから筒状に突出して形成され、前述したように、その向く方向が、壁1の壁面1b(つまりは、鍔部10b(パッキン10cを含む)の面)に対して傾斜している。なお、図示実施の形態においては、引出口7bは、三つ設けられているが、一つとか二つ、あるいは四つ以上設けられてもよい。
【0025】
ロックナット12は、覆い体本体10に、引出部材11を取り付けるためのものであり、引出部材11を押えるために内側に張り出した押え部12aを有する。そして、このロックナット12は、覆い体本体10における筒部10aの前端部分にねじ込まれて組み付けられる。
【0026】
図10および
図11は、管4が浴室の壁1を貫通し、その貫通する部分にこの管設置具5を設けた例を示す。ここで、符号14は、浴槽を示し、この浴槽14(障害物)を避けるために、管4が壁表2において図の手前側を向く方向に引き出されるように、覆い体7が設置具本体6に固定される。なお、これら図においては、覆い体7における引出部材11およびロックナット12は、省略してある。
【0027】
次に、以上の構成からなる管設置具5の作用効果について説明する。この管設置具5によると、壁裏3には、設置具本体6が配置され、壁表2には、壁1の貫通孔1aを覆う覆い体7が配置される。この覆い体7は、壁面1bに対して傾斜する、管4の引出口7bを有している。そこで、覆い体7を、壁1に沿う方向に回動した複数位置の一つまたは任意位置(図示実施の形態においては、複数位置の一つ)を選択して設置具本体6に固定することで、覆い体7の引出口7bの向く傾斜方向が変更される。
【0028】
したがって、引出口7bの近傍に障害物があったとしても、覆い体7の回動位置を選択することで、引出口7bの向く傾斜方向を、障害物のある方向を避けた方向に向けることができる。このため、引出口7bから引き出された管4を、急激に曲げることもなく、容易に配管することができる。また、引出口7bの向く傾斜方向を変更することで、引出口7bから引き出された管4を、作業者の位置に応じた作業のし易い方向に向けることもできる。すなわち、この管設置具5によれば、覆い体7の引出口7bを、壁面1bに対して傾斜するように設けるとともに、覆い体7を、壁1に沿う方向に回動した複数位置の一つまたは任意位置(図示実施の形態においては、複数位置の一つ)を選択して設置具本体6に固定可能とすることで、引出口7bの向く方向を変更して、管4の急激な曲げを避けて障害物を回避したり、管4を作業者の位置に応じた作業のし易い方向に向けたりすることができ、壁1の貫通孔1aから引き出される管4の配管作業性を向上させることができる。そして、このことは、ユニットバスのような配管スペースとか作業スペースの限られた場所において、その効果が顕著となる。
【0029】
また、設置具本体6の被嵌合部6aにおける凹部6bは、側方に開口している。そこで、覆い体7を設置具本体6に固定するにあたって、壁裏3にて、ビス螺合部7dに、ビス9を螺合させる際に、凹部6bに挿入された嵌合凸部7cを、凹部6bの側方への開口を通して、作業者が指などで支えることで、ビス螺合部7dへのビス9の掛かりを支障なく行うことができ、ひいては、覆い体7を設置具本体6に固定する作業を容易に行うことができる。
【0030】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるわけではなく、その他種々の変更が可能である。例えば、壁1は、ユニットバスの壁等、建物に配備される設備の壁でなくとも、建物そのものを構成する壁であってもよい。
【0031】
また、管4は、通水管でなくとも、排水管であってもよく、また、広く流体管、あるいは、電線管等、その他の管であってもよい。
【0032】
また、壁裏3では、管4が鞘管8に収容されるが、鞘管8が設けられることなく、管4が露出した状態で、壁裏3に配管されてもよい。そして、この場合には、設置具本体6における鞘管取付部6dとか案内筒部6cは、設けられなくともよい。
【0033】
また、この管配置具5にあっては、設置具本体6と覆い体7のうち、覆い体7にビス螺合部7dが設けられて、そのビス螺合部7dに壁裏3側からビス9が螺合されるが、反対に、設置具本体6にビス螺合部を設けて、そのビス螺合部に壁表2側からビスが螺合するようにしてもよい。
【0034】
また、覆い体7を設置具本体6に固定するにあたって、一つの嵌合凸部7cに対し、複数(図示実施の形態においては、三つ)の凹部6b、6bを有して、それら凹部6b、6bの一つが選択されて、その選択された凹部6bに嵌合凸部7cが嵌合するが、複数の凹部6b、6bに替えて、例えば、円弧状に延びる長孔状の凹部を設けることで、嵌合凸部7cが、壁1に沿う方向に回動した任意位置でその凹部(被嵌合部)に嵌合するようにしてもよい。すなわち、覆い体7を、壁1に沿う方向に回動した任意位置を選択して設置具本体6に固定するものであってもよい。
【0035】
また、覆い体7は、引出部材11を覆い体本体10に取り付けるにあたって、ロックナット12が設けられるが、覆い体本体10と引出部材11とを一体に形成することで、ロックナット12をなくしてもよい。
【符号の説明】
【0036】
1 壁
1a 貫通孔
1b 壁面
2 壁表
3 壁裏
4 管
5 管設置具
6 設置具本体
6a 被嵌合部
6b 凹部
7 覆い体
7a 覆い部
7b 引出口
7c 嵌合凸部
7d ビス螺合部
9 ビス