【実施例1】
【0016】
図1から
図5は本発明の電動アシスト自転車のバッテリーボックスの第1実施例を示す
。
図2に示すように、図示省略のバッテリーを内部に収納するバッテリーボックス1は、
深皿状の前後一対の前部2および後部3とを、合せ面23に形成された適宜の複数の係止
部同士を係合させたり、ビス止め等により合体させて一体化して構成される。バッテリー
ボックス1の前部2における前面4の上部には傾斜面14が形成され、該傾斜面14の左
右を跨いで把手13が設けられる。バッテリーボックス1の前面4と把手13とはほぼ面
一に構成されるとよい。把手13に関しては、前記前面4から前方へ突出していたほうが
摘み易いものであるが、搭乗に際して把手13に搭乗者の足等が邪魔される虞れをなくす
には、前面4と把手13とをほぼ面一に抑えておく方が、把手13の摘み易さと搭乗のし
易さとを両立させる上で最適である。また、前記把手13の下面に形成される傾斜面14
は、把手13を摘む際の広さの確保と円滑なガイド機能として作用する。
【0017】
バッテリーボックス1の前部2における前面4の一方側(図示の例では右側)には、電
池残量表示部11が設けられる。該電池残量表示部11は、図示省略の表示部(電池残量
に応じて複数個が表示される上下に並ぶ複数の表示灯や、残量に応じて長さで表示される
上下方向に配置される連続表示灯等)と、最上部の確認ボタン12とから構成される。前
記バッテリーボックス1の前部2における側面5の下部には、側方に向けて後述する自転
車の車体適宜部位に取り付けられた台座7の支持体受部9、9に装着支持されることにな
る装着支持体6、6が突出形成される。本実施例では、後述する
図1に示すように、台座
7の両側壁8、8にそれぞれ設けられた支持体受部9、9内に収容して装着するためと、
同様に後述するように、装着および離型方向がバッテリーボックス1の側方である装着支
持体6の形成方向と一致するスライド金型による成型を容易とするために、装着支持体6
、6はバッテリーボックス1における前部2の側面5の下部に形成されるを好適とするが
、設計上許容されるなら、後部3の側面下部や、前部2の前面両側下部あるいは後部3の
後面両側下部等に下方に突設して一体成型されることも排除しない。装着支持体6が台座
7上で適切に揺動装着されることが可能であればよい。
【0018】
図1に示すように、本実施例ではバッテリーボックス1は台座7に対して揺動装着させ
る形式が採用される。図示の例では、自転車車体との関連が明確ではないが、様々な形態
にて揺動装着が可能である。本実施例では、シートパイプに沿ってその後方に車体側方か
らバッテリーボックス1を揺動装着するように構成している。つまり、台座7における両
側壁8、8の前部側(車体に関しては最左側)に形成された支持体受部9、9に、バッテ
リーボックス1の側面5の下部に突出形成された例えば長楕円形の装着支持体6、6を上
方から挿入係止させた後、支持体受部9、9内にて前後に(車体に関しては左右に)揺動
させることで、バッテリーボックス1の例えば左側面等に設置したロック機構24をシー
トパイプ等に設置したロック部等に装着ロックさせることで、その装着が完了する。本実
施例では、車体側方から台座7に対してバッテリーボックス1を揺動装着するように構成
されるが、装着支持体6を台座7の例えば上方からのみ受け入れる形状の支持体受部9に
上方からスライドさせて装着するような構成にも適用できる。あるいは、装着支持体6を
台座7の支持体受部9に車体側方から水平方向にスライド装着するような構成のものに適
用することも可能である。
【0019】
本発明の最も重要な点は、前記バッテリーボックス1の台座7への装着を可能にするた
めにバッテリーボックス1の側面下部に突出形成された装着支持体6にその突出方向に水
抜き孔10を穿設したことにある。
図3に示すように、バッテリーボックス1の前部2に
おける側面5の下部に側方(
図3の紙面手前)に向けて前部2の下面21より下方にオフ
セットSだけ突出させて、装着支持体6が側方に移動するスライド金型等によりバッテリ
ーボックス1の前部2と一体成型される。その際、同時に水抜き孔10も穿設される。こ
のように、装着支持体6をバッテリーボックス1の側面下部に(側方に向けて)突出形成
した場合は、スライド金型等の装着および離型方向がバッテリーボックス1の側方方向と
一致するので成型が容易かつ簡便となる。また、
図1に示すように、バッテリーボックス
1が台座7に装着支持された状態では、前記装着支持体6における水抜き孔10の側方は
台座7の側壁8にて閉塞された状態にあり、水抜き孔10を通じて外部からの風雨や塵埃
の侵入がほぼ確実に防止される。
【0020】
図1に示すように、バッテリーボックス1の側面下部に突出形成される装着支持体6、
6は、台座7における支持体受部9、9内での揺動支持を円滑にするために、例えば、長
楕円形に形成される。
図4に示すように、装着支持体6は長楕円形の周リブ15とそれら
の長軸および短軸上を連結する縦リブ16および横リブ17からなる補強リブがそれぞれ
形成される。これらの縦横リブ16、17により装着支持体6自体の強度が向上してバッ
テリーボックス1の台座7上での揺動装着が安定して安全かつ確実に行われることはもと
より、水抜き孔10が穿設されたことによる強度低下を補うものとなる。前記水抜き孔1
0は、図示の例では装着支持体6の下部側で、前記縦リブ16の下側のものを切除する形
態にて穿設される。このように、装着支持体6の下部側に水抜き孔10を穿設することで
、前記
図3に示したように、装着支持体6の下端部をバッテリーボックス1の下面21か
らオフセットSさせたことと相俟って、後述するように、可及的に水抜き孔10をバッテ
リーボックス1の内部底面に近接させることを可能にする。
【0021】
図5は水抜き孔近傍のバッテリーボックスの内部側の要部斜視図である。
図3にて前述
したように、装着支持体6の下端部をバッテリーボックス1の下面21から適宜量にオフ
セットSさせたことと、装着支持体6の下部側の適宜位置に水抜き孔10を穿設すること
とを選択することで、
図5に明示されるように、水抜き孔10の下端部をバッテリーボッ
クス1の内部底面22に近接させることができ、好適にはほぼ面一に構成することができ
る。これにより、円滑な水分の排出が促進される。言うまでもないが、水抜き孔10の下
端部の位置がバッテリーボックス1の内部底面22より低位にあってもよい。なお、
図5
において符号19や20はバッテリーや電装品の支持部材等を示している。
【0022】
以上、本発明の実施例について説明してきたが、本発明の趣旨の範囲内で、内部に収納
するバッテリーの形状、形式およびそのバッテリーボックスへの収納形態、台座への装着
支持部の装着形態、また、バッテリーボックスの台座への装着時の電気的接続形態(装着
時に、バッテリーからのアシスト動力や制御信号に関する電気的な端子同士が接続される
ように構成されるとよい)、台座における支持体受部の形状(実施例の、装着支持体を揺
動支持できるような扇形の他、側方あるいは上方からのみ装着支持体を受け入れるストレ
ート溝形状等も採用可能である)、形式およびその車体への取付形態(車体におけるハン
ガー部やチェーンステー上、あるいはハンガー部とチェーンステーとの間に台座取付部材
を介設することも考えられるし、それらの車体への取付けについても、溶接、ビス止め等
適宜採用できる)、装着支持体の形状(好適には、実施例の、揺動装着を可能にする側面
視で縦長の長楕円形とされるが、縦長あるいは横長の長方形、円形、柱状体、ドーム型等
も採用され得る)、形式およびバッテリーボックスにおける形成形態(側方に向いた側面
下部を好適とするが、後部の側面下部や、前部の前面両側下部あるいは後部の後面両側下
部等に下方に突設して一体成型されることも排除しない)、装着支持体における補強リブ
の形成形態(実施例の、十字形の縦リブおよび横リブの下部側の縦リブに水抜き孔を穿設
してもよいし、十字形のリブを残した状態のリブ間に水抜き孔を穿設したり、リブの形状
も十字形に限ることはない)、水抜き孔の形状(方形の他、円形等適宜採用される)、形式および成型方向(装着支持体の突出方向を好適とする)、装着支持体のバッテリーボックス下面からのオフセット量、水抜き孔下端部とバッテリーボックスの内部底面との面一形態(面一の他、バッテリーボックスの内部底面より水抜き孔下端部を低位としてもよい)等については適宜採用できる。また、実施例に記載の諸元はあらゆる点で単なる例示に過ぎず限定的に解釈してはならない。