(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6203664
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】充電器
(51)【国際特許分類】
H01M 10/46 20060101AFI20170914BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
H01M10/46 101
H02J7/00 301B
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-35710(P2014-35710)
(22)【出願日】2014年2月26日
(65)【公開番号】特開2015-162297(P2015-162297A)
(43)【公開日】2015年9月7日
【審査請求日】2016年8月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】特許業務法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田賀 秀行
(72)【発明者】
【氏名】田渕 泰弘
(72)【発明者】
【氏名】酒井 守
【審査官】
高野 誠治
(56)【参考文献】
【文献】
特開平08−227732(JP,A)
【文献】
特開2012−050174(JP,A)
【文献】
特開2007−209131(JP,A)
【文献】
特開2012−091293(JP,A)
【文献】
特開2011−097508(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0019719(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/42 − 10/48
H02J 7/00 − 7/12
H02J 7/34 − 7/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリパックを充電するための充電器であって、本体ハウジングの上面に前記バッテリパックを取り付けるためのバッテリ取り付け部を備えており、
前記本体ハウジングの前面又は後面に、直流電源出力用の電源コネクタを備えており、
前記バッテリ取り付け部は前記バッテリパックを前記本体ハウジングの上面に沿って移動させて取り付け、取り外しする取り付け構造を備えており、
前記バッテリ取り付け部に対する前記バッテリパックの取り付け方向が前記本体ハウジングの前面側へ向けた方向に設定されており、かつ前記バッテリパックの前記バッテリ取り付け部に対する取り付け、取り外しのための移動範囲が前記本体ハウジングの前面よりも後面側に設定されており、当該移動範囲の下方を避けて前記電源コネクタが配置された充電器。
【請求項2】
請求項1に記載した充電器であって、前記電源コネクタの前記本体ハウジングの前面における左右方向の位置について、前記本体ハウジングから引き出された交流電源供給用の電源コードに位置合わせした充電器。
【請求項3】
請求項1又は2に記載した充電器であって、前記本体ハウジングは、上側の上ハウジングと下側の下ハウジングに二分される半割り構造を備えており、前記電源コネクタを前記上ハウジングと前記下ハウジングの半割り結合部に配置した充電器。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか1項に記載した充電器であって、前記電源コネクタを水密に塞ぐ防水キャップを備えた充電器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば充電式のねじ締め機等の電動工具の電源として用いるバッテリパック(二次電池)を充電するための充電器に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のバッテリパックは、電動工具から取り外して別途用意した充電器で充電することにより繰り返し使用することができる。この充電器については、その機能を向上させ、あるいは使い勝手を高めるために従来より様々な工夫が施されている。例えば、下記の特許文献1には、バッテリパックに加えて携帯電話を充電できる機能を備えた充電器が記載されている。また、特許文献1には、充電器の側部に商用の交流100V電源を出力するためのコンセントを備えた構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−97508号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の充電器では、直流電源出力用のコネクタの位置について改善すべき点があった。この種の充電器には、本体ハウジングの上面にバッテリパックを取り付けるためのバッテリ取り付け部を備え、このバッテリ取り付け部がバッテリパックを本体ハウジングの上面に沿ってスライドさせて取り付け、取り外しするスライド取り付け形式の取り付け構造を備えるものが提供されている。係るスライド取り付け形式のバッテリ取り付け部を備える充電器では、外部電源出力用の電源コネクタの位置について工夫を加えることにより当該充電器の使い勝手を一層高めることができる。本発明は、充電器の使い勝手(取り扱い性)をより高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題は以下の各発明により解決される。
第1の発明は、バッテリパックを充電するための充電器であって、本体ハウジングの上面にバッテリパックを取り付けるためのバッテリ取り付け部を備えており、このバッテリ取り付け部に対するバッテリパックの取り付け、取り外し方向について本体ハウジングのバッテリ取り付け側の側面またはバッテリ取外し側の側面に直流電源出力用の電源コネクタを備えた充電器である。第1の発明によれば、通常使用者はバッテリパックの取り付け、取外し方向について本体ハウジングのバッテリ取り付け側の側面またはバッテリ取外し側の側面に位置する。このため、電源コネクタがバッテリパックの取り付け、取外し方向について本体ハウジングのバッテリ取り付け側の側面またはバッテリ取外し側の側面に配置されることにより当該電源コネクタに対する外部機器の接続、切り離しを楽に行うことができ、この点で当該充電器の使い勝手(取り扱い性)を高めることができる。
【0006】
第2の発明は、第1の発明において、バッテリ取り付け部はバッテリパックを本体ハウジングの上面に沿って移動させて取り付け、取り外しする取り付け構造を備え、移動方向を本体ハウジングの前後方向に設定した充電器である。第2の発明によれば、使用者はバッテリパックをバッテリ取り付け部に対して前後方向に移動させることにより取り付け、取り外しすることができ、この点でバッテリパック取り付け、取り外し時の取り扱い性(操作性)を高めることができる。
【0007】
第3の発明は、第2の発明において、バッテリ取り付け部に対するバッテリパックの取り付け方向を本体ハウジングの前面側へ向けた方向に設定した充電器である。第3の発明によれば、使用者はバッテリパックを手前側へスライドさせてバッテリ取り付け部に取り付けることができる。また、電源コネクタが使用者に最も近くて目視しやすい前面に位置することにより、当該電源コネクタに対する外部機器の接続、切り離しを楽に行うことができ、この点で当該充電器の使い勝手(取り扱い性)を高めることができる。
【0008】
第4の発明は、第1〜第3の何れか一つの発明において、電源コネクタの本体ハウジングの前面における左右方向の位置について、本体ハウジングから引き出された交流電源供給用の電源コードに位置合わせした充電器である。第4の発明によれば、電源コードを商用の交流100V電源コンセントに接続して当該充電器に電源が供給される。本体ハウジングの前面における外部電源出力用の電源コネクタをこの電源コードにより近い部位に位置合わせすることにより、電源コードが接続された電源回路に対して電源コネクタを最短距離で接続することができ、この点で電源コネクタの配線取り回しの簡略化を図ることができる。例えば、本体ハウジングの右側部に電源コードが引き込まれている場合には、電源コネクタを本体ハウジングの前面の右端寄りに配置することにより、配線を極力短くしてその取り回しの簡略化を図ることができる。
【0009】
第5の発明は、第1〜第4の何れか一つの発明において、本体ハウジングは、上側の上ハウジングと下側の下ハウジングに二分される半割り構造を備えており、前記電源コネクタを前記上ハウジングと前記下ハウジングの半割り結合部に配置した充電器である。第5の発明によれば、本体ハウジングに対する電源コネクタの組み付け作業の簡略化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態に係る充電器の全体斜視図である。本図では、2口充電器が例示されている。
【
図2】上ハウジングを取り外した状態の充電器の斜視図である。
【
図3】上ハウジングを取り外した状態の充電器の平面図である。
【
図4】電源コネクタ及びその周辺の斜視図である。本図では、上ハウジングを取り外した状態が示されている。
【
図5】
図1中(V)-(V)線断面矢視図であって、充電器の縦断面図である。
【
図6】電源コネクタ及びその周辺の斜視図である。本図では、防水キャップを装着した状態が示されている。
【
図7】電源コネクタ及びその周辺の斜視図である。本図では、防水キャップの本体部を電源コネクタから外した状態が示されている。
【
図8】防水キャップ単体の斜視図である。本図は、前面側から見た状態を示している。
【
図9】防水キャップ単体の斜視図である。本図は、後面側から見た状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明の実施形態を
図1〜
図9に基づいて説明する。
図1に示すように本実施形態で例示する充電器1は、2つのバッテリパックB,Bを同時に充電できる2口タイプの充電器である。
図1において使用者はこの充電器1の手前側に位置する。以下、使用者を基準にして前後、左右及び上下の各方向を用いる。また、使用者から見て手前側を正面(前側)、その反対側を背面(後ろ側)ともいう。
【0012】
充電器1の上面には、2組のバッテリ取り付け部10,10が左右に並列に配置されている。左右のバッテリ取り付け部10,10は、相互に同じ構成を備えている。左右のバッテリ取り付け部10,10には、それぞれスライド取り付け形式のバッテリパックBを取り付けることができる。各バッテリ取り付け部10は、左右一対のレール11,11を備えている。
図1中白抜き矢印で示すように左右のレール11,11に沿ってバッテリパックを前方へスライドさせることにより当該バッテリパックBをバッテリ取り付け部10に取り付けることができる。
【0013】
両レール11,11間には、端子カバー12が前後方向にスライド可能に設けられている。端子カバー12は、後方にスライドする方向(閉じ方向)にばね付勢されている。このばね付勢力に抗して端子カバー12が開かれると、バッテリパックBに対する端子(図では見えていない)が露出される。バッテリパックBをレール11,11に沿って前方へスライドさせると、この端子カバー12がバッテリパックBに押されて前方へ開放される。端子カバー12を前方へ開放しつつバッテリパックBを
図1中白抜き矢印で示すバッテリ取り付け方向(前方)へスライドさせると、露出された端子がバッテリパックBのプラス端子とマイナス端子に電気的に接続される。
【0014】
充電器1は、概ね偏平箱体形状の本体ハウジング2を有している。本体ハウジング2は、上側の上ハウジング3と下側の下ハウジング4を結合した半割り構造を備えている。図では、上ハウジング3と下ハウジング4の結合部(半割り結合部)に符号Jが付されている。上ハウジング3に上記バッテリ取り付け部10,10が設けられている。下ハウジング4の下面四隅には、設置用の脚部4a〜4aが設けられている。本体ハウジング2の前面右端部寄りに電源コネクタ20が装備されている。この電源コネクタ20に、例えば携帯音楽プレーヤや携帯電話等の外部機器(図示省略)の電源コードを接続してこれら外部機器を利用することができ、またその充電をすることができる。本実施形態の充電器1は、外部機器に対して直流の電源(例えば直流5V)を供給できる機能を備えている。本実施形態では、電源コネクタ20として、USB(ユニバーサルシリアルバス)のA雌端子が装備されている。本実施形態は、電源コネクタ20の防水構造に特徴を有している。係る防水構造の詳細は後述する。
【0015】
図2及び
図3は、上ハウジング3を取り外して内部の全体が見える状態を示している。下ハウジング4内には、バッテリ取り付け部10,10用の充電制御部13,13が収容されている。充電制御部13,13は、それぞれ各種のデバイスを搭載した制御基板13aを備えている。下ハウジング4の右側部からは電源コード6が引き込まれている。この電源コード6を経て当該充電器1に商用100V電源が供給される。本実施形態において充電制御部13については特に変更を要しないことから、その詳細な説明を省略する。
【0016】
図4及び
図5に示すように電源コネクタ20は、コネクタ本体21と外部電源出力用の電源回路基板22を備えている。本実施形態では、コネクタ本体21と電源回路基板22は、分離されて配置されている。コネクタ本体21と電源回路基板22は、図示省略した配線により電気的に接続されている。コネクタ本体21は、防水壁部5と下ハウジング4の側壁により区画された平面視ほぼ矩形のコネクタエリア5A内に取り付けられている。コネクタ本体21は、コネクタ基板7上に固定されている。コネクタ基板7はコネクタエリア5A内に固定されている。コネクタ本体21の差し込み口は、本体ハウジング2の正面右端部寄りにおいて結合部Jの上下に跨って設けた矩形の開口部2aに嵌め込まれて固定されている。
【0017】
防水壁部5は、下ハウジング4に一体に成形されている。防水壁部5は、下ハウジング4の底面から上方へ張り出す状態に設けられている。図示するように防水壁部5は、下ハウジング4の右前角部において、右側部から前面部に跨ってL字形に形成されている。防水壁部5は結合部Jよりも上方へ延びる高さで形成されている。この防水壁部5により、コネクタエリア5Aと回路基板エリア5Bは、相互に水密に区画されている。防水壁部5の左上部には配線を挿通するための凹部5aが設けられている。また、コネクタエリア5A内において、下ハウジング4の底部には排水孔5bが設けられている。コネクタ本体21若しくは開口部2aを経て外部からコネクタエリア5A内に侵入した水は、この排水孔5bを経て外部に排水される。
【0018】
図5に示すように下ハウジング4の防水壁部5に対応して、上ハウジング3にも防水壁部9が一体に成形されている。上ハウジング3側の防水壁部9は、当該上ハウジング3の天板部から下方へ張り出す状態に設けられている。図では示されていないが、この防水壁部9は、上ハウジング3の右前角部において、その右側部から前面部に跨ってL字形に形成されている。下ハウジング4側の防水壁部5を同じく、この防水壁部9によっても上ハウジング3の右前角部に平面視ほぼ矩形のコネクタエリア5Aが形成される。
【0019】
図5に示すように上ハウジング3側の防水壁部9は、下ハウジング4側の防水壁部5に対して高さ方向にオーバーラップしている。このため、
図5に示すように、上ハウジング3側の防水壁部9の下部は、下ハウジング4側の防水壁部5の上部に対して前側(コネクタ本体21側)に張り出している。すなわち、前側から、コネクタ本体21、上ハウジング3側の防水壁部9、下ハウジング4側の防水壁部5の順に配置されている。下ハウジング4側の防水壁部5の上部と上ハウジング3側の防水壁部9の下部が高さ方向にオーバーラップしていることにより、本体ハウジング2の右前角部に形成されるコネクタエリア5Aとその周囲の主として回路基板エリア5Bとの間の高い水密性(防水性)が確保されている。
【0020】
電源回路基板22は、コネクタエリア5Aの外側後方の回路基板エリア5B内に配置されている。防水壁部5と防水壁部9により区画されたコネクタエリア5Aの後方及び左方にも複数の区画壁部8〜8が設けられている。各区画壁部8も、下ハウジング4の底部から上方へ張り出す状態に設けられている。回路基板エリア5Bは、防水壁部5の後方に設けた区画壁部8によりコネクタエリア5Aの後方に隣接して設けられている。電源回路基板22は、この回路基板エリア5B内において、その面方向を上方に沿わせた起立状態に配置されている。
【0021】
以上のように構成した本実施形態の充電器1によれば、本体ハウジング2の前面右寄りにUSB接続方式の電源コネクタ20を備えている。この電源コネクタ20に、例えば携帯音楽プレーヤ等の外部機器(図示省略)の電源コードを接続することにより、当該充電器1から外部機器に直流電源が供給される。主として電動工具のバッテリを充電するための充電器1に、従来にない直流電源出力機能を持たせることにより、当該充電器1の使い勝手をより高めることができる。しかも、電源コネクタ20が使用者にとって最も近くで目視しやすい本体ハウジング2の前面に配置されていることから、使用者は電源コネクタ20に対して外部機器の電源コードを楽に接続し、切り離すことができ、この点で当該充電器1の使い勝手を一層高めることができる。
【0022】
また、商用の交流100V電源を供給するための電源コード6が本体ハウジング2の右側部に引き込まれている。上記したように電源コネクタ20が本体ハウジング2の前面右寄りの位置に配置されることにより、当該電源コネクタ20を最短距離で電源回路に接続することができることから、電源コネクタ20と電源回路との間において配線取り回しの簡略化を図ることができる。
【0023】
また、電源コネクタ20のコネクタ本体21が本体ハウジング2の半割り結合部Jであって上ハウジング3と下ハウジング4との間に挟まれるようにして配置されている。このため、当該充電器1の組み立ての手間を簡略化することができる。また、本体ハウジング2を成形するための金型の簡略化を図ることができ、この点で当該充電器1の製作コストの低減を図ることができる。
【0024】
以上説明した実施形態には種々変更を加えることができる。
図6及び
図7は、コネクタ本体21を取り付けた開口部2aに防水キャップ30を追加装備した構成が示されている。この防水キャップ30は、適度な弾性を有するゴムを素材として一体に成形されたもので、
図8及び
図9に示すようにそれぞれ矩形平板形状を有する本体部31と支持部32を備えている。支持部32は、本体部31の一方の長辺側(下端縁)に沿ってL字形に張り出す状態に設けられている。本体部31の上部には使用者が指先で摘むためのつまみ部31aが設けられている。本体部31の後面には、コネクタ本体21の差し込み口に嵌め込むためのシール部31bが一体に設けられている。このシール部31bがコネクタ本体21の差し込み口に弾性的に嵌め込まれることにより当該コネクタ本体21の差し込み口を経たコネクタエリア5A内への水の浸入が防止される。また、コネクタ本体21の差し込み口にシール部31bが嵌め込まれることにより、その周囲(当該本体部31の後面)が本体ハウジング2の開口部2aに弾性的に押し当てられて当該開口部2aが水密に塞がれる。
【0025】
開口部2aの下側には、スリット孔形状の支持孔2cが形成されている。この支持孔2cに防水キャップ30の支持部32が挿入されている。本体ハウジング2の支持孔2cに支持部32が挿入されて、本体部31がコネクタ本体21の差し込み口に対して開閉可能に支持されている。支持部32には、それぞれ棒形状をなす2つのシール部32a,32bが一体に設けられている。前側のシール部32aは、本体部31との結合部付近に沿って上側に盛り上がる状態に設けられている。後ろ側のシール部32bは、前側のシール部32aに対して一定の間隔をおいて平行に設けられている。後ろ側のシール部32bは、支持部32の上下両面にそれぞれ断面半円形に盛り上がる状態に設けられている。前側のシール部32aと後ろ側のシール部32bとの間の間隔は、支持孔2cの深さ(下ハウジング4の肉厚)よりもやや小さな寸法に設定されている。
【0026】
後ろ側のシール部32bを弾性変形させつつ支持孔2c内に押し込んで、支持部32が支持孔2c内に挿入されている。支持部32が支持孔2c内に挿入されて当該防水キャップ30が本体ハウジング2の前面右側に支持されている。支持部32は、前後のシール部32a,32b間に当該支持孔2cの口元を位置させた状態で挿入されている。この挿入状態で前側のシール部32aが支持孔2cの口元に対して外側から押圧され、後ろ側のシール部32bが支持孔2cの口元に対して内側から押圧されて、当該支持孔2cのシールがなされる。
【0027】
シール部32a,32bが弾性的に押圧される支持孔2cの口元には、断面半円形の凹部が当該口元に沿って設けられている。この凹部にシール部32a,32bがそれぞれより大きな面積で弾性的に押圧されることにより、支持孔2cの内外間におけるシール(防水、防塵)がより確実になされるようになっている。
【0028】
支持部32を介して支持された本体部31は、上方に回動させてそのシール部31bをコネクタ本体21の差し込み口に弾性的に嵌め込めば
図6に示すように閉じられる。
図6に示すように防水キャップ30が閉じられることにより、コネクタ本体21若しくは開口部2aを経てコネクタエリア5A内に外部から水や粉塵等が浸入することが防止される。
【0029】
つまみ部31aを摘んで本体部31を下方へ回動させることにより本体部31を
図7に示すように開くことができる。
図7に示すように防水キャップ30の本体部31を開くことにより、コネクタ本体21に外部電源コードを接続することができ、これにより当該充電器1から外部機器に対して電源供給可能な状態となる。
【0030】
以上説明した実施形態にはさらに変更を加えることができる。電源コネクタ20を本体ハウジング2の前面右端寄りに配置した構成を例示したが、本体ハウジングの前面左端寄りの位置、あるいは左右方向中央に配置する構成としてもよい。
【0031】
外部電源供給用の電源コネクタ20としてUSB接続形式のコネクタを例示したが、その他様々な形態のコネクタについて例示した構成を適用することにより同様の作用効果を得ることができる。
【0032】
2つのバッテリパックB,Bを同時に充電することができる二口タイプの充電器1を例示したが、1口タイプあるいは3つ以上のバッテリパックを同時に充電することができる多口タイプの充電器について例示した直流電源供給用の電源コネクタを適用することができる。
【0033】
本体部31を上下に回動させて開閉する上下開閉式の防水キャップ30を例示したが、これに代えて本体部を左右に回動させて開閉する左右開閉式の防水キャップを電源コネクタに併設してもよい。
【0034】
電源コネクタ20の電源回路基板22を充電制御部13とは切り離して配置した構成を例示したが、係る電源コネクタの電源回路を充電制御部13に実装して基板を共通化した構成としてもよい。
【符号の説明】
【0035】
1…充電器
2…本体ハウジング、2a…開口部
J…半割り結合部
3…上ハウジング
4…下ハウジング、4a…脚部
5…防水壁部(下ハウジング側)、5a…凹部、5b…排水孔
5A…コネクタエリア
5B…回路基板エリア
6…電源コード
7…コネクタ基板
8…区画壁部
9…防水壁部(上ハウジング側)
B…バッテリパック
10…バッテリ取り付け部
11…レール
12…端子カバー
13…充電制御部
20…電源コネクタ
21…コネクタ本体
22…電源回路基板
30…防水キャップ
31…本体部、31a…つまみ部、31b…シール部
32…支持部,32a…シール部(前側)、32b…シール部(後ろ側)