(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明に係る法面補強体、法面構造、及び法面構造工法について、図面を参照して説明する。
【0035】
<法面補強体>
第一及び第二実施形態の法面補強体について、
図1乃至
図21を参照して説明する。
【0036】
図1乃至
図3、及び
図11乃至
図15において、第一及び第二実施形態の法面補強体X1,X2は、崩落した河川護岸等の復旧(仮復旧又は本復旧)、及び法面構造を構築するために用いられる(
図22乃至
図27参照)。
第一及び第二実施形態の法面補強体X1,X2は、河川護岸等及び法面構造に対し、補強する構造体となる。
【0037】
<1>第一実施形態:
第一実施形態の法面補強体X1について、
図1乃至
図10を参照して説明する。
【0038】
図1乃至
図3において、第一実施形態の法面補強体X1(以下、「法面補強体X1」という)は、複数の円筒金網籠1,1,…、複数の結束チェーン2,2、複数のチェーン締付具3,3及び連結チェーン4,4を備えてなる。
【0039】
複数の円筒金網籠1,1,…は、割栗石等の中詰材(図示しない)を充填し、隣接して並設される。
各円筒金網籠1,1,…は、
図4乃至
図6に示すように、円筒金網11、複数の金網蓋12,13(上下金網蓋)及び複数の吊下げ金具14,14を備えてなる。
【0040】
円筒金網11は、複数本の縦金属線材11A,11A,…及び複数本の横金属線材11B,11B,…にて円筒に構成される。
各縦金属線材11A,11A,…は、金網目間隔P(線材間ピッチ)を隔てて並列され、例えばアルミ合金線材、鋼線、鉄線で形成される。
各横金属線材11B,11B,…は、円形を形成し、例えばアルミ合金線材、鋼線材、鉄線材で形成される。鉄線材を使用する場合、腐蝕等防止するため鉄線材表面に、例えば溶解亜鉛10%以上のアルニウムめっき処理(表面処理)を施す。各横金属線材11B,11B,…は、円筒金網11の軸方向Gに金網間隔Pを隔てて並列され、各縦金属線材1A,1A,…に交差する。
各縦金属線材11A,11A,…は、各横金属線材11B,11B,…円周方向E(円筒金網籠1円周方向E)に金網目間隔P(線材間ピッチ)を隔てて並列される。
各縦金属線材11A,11A,…及び横金属線材11B,11B,…は、各線材交差点にて溶接等で固定され、複数の金網目11C,11C,…を形成する。
円筒金網11は、
図7に示すように、例えば、複数(一対)の半円筒金網16,16で構成される。各半円筒金網16,16は、各縦金属線材11AR,11AR同士、及び金属線材11AL,11AL同士を複数のコイル線材17,17で連結される。各縦金属線材11AR,11AR,11AL,11ALは、各半円筒金網16,16の円周方向E両端の各縦金属線材である。
各コイル線材17,17は、例えばアルミ合金線材、鋼線材、鉄線材で形成される。各コイル線材17,17は、
図5及び
図6に示すように、円筒金網籠1,1,…(円筒金網11)の軸方向Gに渡って各縦金属線材11AR,11ARに巻付けられ、及び各縦金属線材11AL,11ARに巻付けられる。
これにより、円筒金網11は、各半円筒金網16,16を各コイル線材17,17にて連結して構成できる。
【0041】
各金網蓋12,13は、円筒金網11の軸方向Gの両端に配置され、円筒金網11両端開口を閉塞する。
各金網蓋12,13は、
図8(a)に示すように、円形金属線材18及び複数本の金属線材19A,19A,…を備えてなる。
【0042】
円形金属線材18は、円筒金網11の籠直径D(
図4参照)と略同一直径を有して形成れる。円形金属線材18は、例えばアルミ合金線材、鋼線材、鉄線材で形成される。
【0043】
複数本の金属線材19A,19A…は、円形金属線材18内側に配置され、溶接等にて線材両端側を円形金属線材18に固定される。
各金属線材19A,19A,…は、円形金属線材18円周方向に渡って金網目間隔P(各線材間ピッチ)を隔てて配置され、各線材交差点で交差する。各金属線材19A,19A,…は、複数の金網目19C,19C,…を形成する。
各金属線材19A,19A,…は、例えばアルミ合金線材、鋼線材、鉄線材で形成される。
【0044】
金網蓋12は、円筒金網11の軸方向G一端(上端)に配置され、円筒金網11の一端開口(上端開口)を閉塞する。金網蓋12は、上金網蓋(以下、「上金網蓋12」という)となる。
金網蓋13は、円筒金網11の軸方向G他端(下端)に配置され、円筒金網11の他端開口(下端開口)を閉塞する。金網蓋13は、下金網蓋(以下、「下金網蓋13」という)となる。
上下金網蓋12,13は、
図6に示すように、複数のコイル線材20,21にて円筒金網11に固定される。
【0045】
コイル線材20は、
図6及び
図7に示すように、上金網蓋12の円形金属線材18及び円筒金網11の軸方向G上端の横金属線材11BUに巻付けられる。コイル線材20は、円筒金網11の円周方向E(上金網蓋12円周方向)に渡って巻付けられ、上金網蓋12を円筒金網11の軸方向G上端に固定する。
【0046】
コイル線材21は、
図6に示すように、下金網蓋13の円形金属線材18及び円筒金網11の軸方向G下端の横金属線材11BDに巻付けられる。コイル線材21は、円筒金網11の円周方向E(下金網蓋13円周方向)に渡って巻付けられ、下金網蓋13を円筒金網11の軸方向G下端に固定する。
これにより、上下金網蓋12,13及び円筒金網11は、円筒金網体23に組立てられ、円筒金網体23内に充填空間Uを形成する。充填空間Uは、円筒金網11の各金網目11C,11C,…及び上下金網蓋12,13の各金網目19C,19C,…を通して円筒金網体23外部に連通される。
【0047】
各吊下げ具14,14は、
図8(b)に示すように、金属線材枠24、複数本の補強金属線材24A,24A,…、及び複数(一対)の吊下げ金属線材25,25を備えてなる。
【0048】
金属線材枠24は、例えば矩形に形成される。金属線材枠24は、長手方向Lに長寸法LN、及び幅方向Hに幅寸法HNを有し、長寸法LNは円筒金網11の籠直径D(円筒金網体23の籠直径D)より長くされる。
金属線材枠24において、幅寸法HNは円筒金網11の籠直径Dより短い幅にされる。
金属線材枠24は、例えばアルミ合金線材、鋼線材、鉄線材で形成される。
【0049】
各補強金属線材24A,24A,…は、金属線材枠24内に配置され、金属線材枠24の幅方向Hに延在される。
各補強金属線材24A,24A,…は、金属線材枠24の長手方向LNに間隔を空けて配置され、線材両端側を溶接等にて金属線材枠24に固定する。
各補強金属線材24A,24A,…は、例えばアルミ合金線材、鋼線材、鉄線材で形成される。
【0050】
各吊下げ金属線材25,25は、金属線材枠24の長手方向L両端に夫々に配置される。
各吊下げ金属線材25,25は、例えば逆V字形に形成され、線材両端を溶接等にて金属線材枠24に固定する。
各吊下げ金属線材25,25は、金属線材枠24の長手方向L及び幅方向Hに直交する方向に延在される。各吊下げ金属線材25,25は、例えばアルミ合金線材、鋼線材、鉄線材で形成される。
【0051】
各吊下げ具14,14は、
図4乃至
図6に示すように、金属線材枠24を円筒金網体23の下金網蓋13下方に位置し、円筒金網体23の
円周方向Eに間隔を空けて配置される。
各吊下げ具14,14は、金属線材枠24を下金網蓋13にコイル線材等(図示しない)にて固定される。
これにより、各吊下げ具14,14は、金属線材枠24を上下に交差して位置し、円筒金網体23円周方向Eに所定角度(例えば、角度90度)を持って配置される。
各吊下げ金属線材25,25は、円筒金網体23外側に配置され、円筒金網体23円周に隣接される。各吊下げ金属線材25,25は、円筒金網体23の軸方向Gに配置され、下金網蓋13から上金網蓋12側(円筒金網11上端開口側)まで延在される。
【0052】
円筒金網11及び上下金網蓋12,13を固定して円筒金網体23を構成し、円筒金網体23に各吊下げ具14,14を固定して、各円筒金網籠1,1,…を構成する。
各円筒金網籠1,1,…の充填空間Uには、中詰材、例えば割栗石(図示しない)が充填される。主な割栗石は、各円筒金網籠1,1,…の各金網目11C,19Cより大形状とする。
【0053】
法面補強体X1において、複数の円筒金網籠1,1,…は、
図1乃至
図3に示すように、円筒金網体23円周を隣接して並設され、例えば隣接して一列に配列される。即ち、各円筒金網籠1,1,…は、円筒金網体23の軸心aを平行にして並設される。
各円筒金網籠1,1,…は、軸方向G下端に下金網蓋13及び各吊下げ具14,14の金網線材枠24を配置して並設される。
各円筒金網籠1,1,…は、一列の配列数NをN=3,4,5,…(N:自然数)とし、例えば奇数の配列数N=7(円筒金網籠:7個)とする(
図1乃至
図3参照)。
【0054】
各結束チェーン2,2は、
図1乃至
図3示すように、隣接する一の円筒金網籠1を共用し、及び共用円筒金網籠1Aを含む複数の円筒金網群1,1,…でなる金網籠群A,Aを隣接して複数区画する。
各円筒金網籠1,1,…において、一列の配列数N=7であると、
図1乃至
図3に示すように、列中央の円筒金網籠1を共用円筒金網籠1Aとする。
各結束チェーン2,2は、共用円筒金網籠1Aを含み、共通円筒金網籠1Aを基準とする列両端側に隣接する同数(3個)の円筒金網籠1,1,…でなる金網籠群A,Aを隣接して区画する。
各結束チェーン2,2は、円筒金網籠1の軸方向G中央に配置され、例えばアルミ合金、鋼、鉄でなる金属チェーンである。
【0055】
各結束チェーン2,2は、隣接する金網籠群A,A外縁周に巻回される。各金網籠群A,A外縁周は、各金網籠群A,Aの共用円筒金網群1A及び各円筒金網籠1,1,…の円筒金網体23円周でなる(
図1及び
図3参照)。
各結束チェーン2,2は、隣接する金網籠群A,Aの共通円筒金網籠1A及び列一端(又は列他端)の円筒金網籠1,1間にて巻回される。
各結束チェーン2,2は、共通円筒金網籠1Aの円筒金網体23円周及び列一端(又は列他端)の円筒金網籠1,1の円筒金網体23円周にて巻回方向を変更され、共用円筒金網籠1A又は列一端(又は列他端)の円筒金網籠1,1に向けて巻返される。
各結束チェーン2,2は、共用円筒金網籠1Aにおいて、隣接する金網籠群A,Aにオーバーラップして巻回される。
これにより、各結束チェーン2,2は、連結チェーン4,4として兼用され、各金網籠群A,Aを連結して、各円筒金網籠1,1,…を一体化する。
【0056】
各チェーン締付具3,3は、
図2及び
図3に示すように、各金網籠群A,Aに配置され、例えばターンハックル(以下、「ターンバックル3,3」という)でなる。
各ターンバックル3,3は、各金網籠群A,A外縁周に巻回した結束チェーン2,2両端側に連結され、操作によって各結束チェーン2,2を締付け、各結束チェーン2,2にて各金網籠群A,Aの共用円筒金網籠1Aを含む複数の円筒金網籠1,1,…を緊縛(結束)する。
各チェーン締付具3,3は、シャックル及びレバーブロック(登録商標)(図示しない)で構成でき、シャックルを各金網籠群A,A外縁周に巻回した結束チェーン2,2両端側に固定し、各シャックルにレバーブロックを連結する。レバーブロックを操作して、各結束チェーン2,2を締付け、各結束チェーン2,2にて各金網籠群A,Aの共用円筒金網籠1A及び各円筒金網籠1,1,…を緊縛(結束)する。
【0057】
このように、法面補強体X1は、各結束チェーン2,2を隣接する金網籠群A,A外縁周に巻回することで、隣接する金網籠群A,Aの各円筒金網籠1,1,…を一体化する。
また、法面補強体X1は、各金網籠群A,A外縁周に巻回した結束チェーン2,2を各チェーン締付具3,3にて締付けることで、各金網籠群A,Aの各円筒金網籠1,1,…を緊縛(結束)する。
【0058】
法面補強体X1では、
図9(a)に示すように、隣接する複数の円筒金網籠1,1,…でなる3以上の金網籠群A,A,…を複数の結束チェーン2,2,…にて隣接区画し、各結束チェーン2,2,…を各金網籠群A,A,…外縁周に巻回することで、3以上の隣接する金網籠群A,A,…を連結して一体化する構成も採用できる。各検束チェーン2,2,…は、
図1乃至
図3で説明したと同様、複数のチェーン締付具3,3にて締付けられ、各金網籠群A,A,…の各円筒金網籠1,1,…を緊縛(結束)する。
【0059】
法面補強体X1では、
図9(b)に示すように、一列の配列数Nを例えば偶数のN=6とし、列中心両端の円筒金網籠1,1を共用金網籠1A,1Aとする構成の採用できる。
各結束チェーン2,2は、複数の共用円筒金網籠1A,1Aを含む、複数の円筒金網籠1,1,…でなる金網籠群A,Aを隣接区画する。
また、各結束チェーン2,2は、複数の共用円筒金網籠1A,1Aを含む各金網籠群A,A外縁周に巻回され、隣接する金網籠群A,Aを連結して各円筒金網籠1,1,…を一体化する。各検束チェーン2,2,…は、
図1乃至
図3で説明したと同様、各チェーン締付具3,3にて締付けられ、各金網籠群A,Aの各円筒金網籠1,1,…を緊縛(結束)する。
【0060】
法面補強体X1では、
図9(c)に示すように、複数の円筒金網籠1,1,…を隣接して複数列、例えば二列に配列する構成も採用できる。
各列中央の円筒金網籠1,1を共用円筒金網籠1A,1Aとする。
各結束チェーン2,2は、各列の共用円筒金網籠1A,1Aを含み、各共用円筒金網籠1A,1Aを基準とする各列両端側に隣接する複数の円筒金網籠1,1,…でなる金網籠群A,Aを隣接区画する。各結束チェーン2,2は、各列の共用円筒金網籠1A,1Aを含む各金網籠群A,A外縁周に巻回され、各金網籠群を連結して各円筒金網籠1,1,…を一体化する。各結束チェーン2,2,…は、
図1乃至3で説明したと同様、各チェーン締付具3,3にて締付けられ、各金網籠群の各円筒金網籠1,1,…を緊縛(結束)する。
【0061】
法面補強体X1では、
図10に示すように、一の金網籠群Aに複数本の結束チェーン2,2,…を巻回する構成も採用できる。
図10において、複数本の結束チェーン2,2,…は、例えば3本とし、円筒金網籠1の円筒金網体23の軸方向Gに間隔を隔てて配置される。例えば、3本の結束チェーン2,2,…は、円筒金網体23の軸方向G中央、及軸方向G中央から間隔Qを隔てて円筒金網籠1両端開口側(上下開口側)に配置し、一の金網籠群A外縁周に巻回する。
複数のチェーン締付具3,3,…は、一の金網籠群A外縁周に巻回した各結束チェーン2,2,…両端側に連結され、一の金網籠群A外縁周に巻回した3本の結束チェーン2,2,…を締付ける。
【0062】
<2>第二実施形態:
第二実施形態の法面補強体X2について、
図11乃至
図21を参照して説明する。
図11乃至
図21において、
図1乃至
図10と同一符号は、同一部材、同一構成であるので、その詳細な説明は省略する。
【0063】
図11乃至
図13において、第二実施形態の法面補強体X2(以下、「法面補強体X2」という)は、複数の円筒金網籠1,1,…、複数の結束チェーン2,2、複数のチェーン締付具3,3、連結チェーン34、及び第一及び第二分割円筒金網籠31,32を備えてなる。
【0064】
第一及び第二分割円筒金網籠31,32は、積載され、各結束チェーン2,2及び連結チェーン34を挟持する。
第一及び第二分割円筒金網31,32は、割栗石等の中詰材を充填してなる。
【0065】
第一及び第二分割円筒金網籠31,32は、
図16乃至
図19に示すように、円筒金網51、複数の金網蓋12,13(上下金網蓋)、及び複数の吊下げ具14,14を備えてなる。
【0066】
円筒金網51は、
図16乃至
図19に示すように、複数本の縦金属線材51A,51A,…及び複数本の横金属線材51B,51B,…にて円筒に構成される。
円筒金網51は、例えば、網直径Dを円筒金網11と同一にする。
各縦金属線材51A,51A,…は、金網目間隔P(線材間ピッチ)を隔てて並列され、例えばアルミ合金線材、鋼線材、鉄線材で形成される。
各横金属線材51B,51B,…は、円形を形成し、例えばアルミ合金線材、鋼線材、鉄線材で形成される。鉄線材を使用する場合、腐蝕等防止するため鉄線材表面に、例えば溶解亜鉛10%以上のアルニウムめっき処理(表面処理)を施す。各横金属線材51B,51B,…は、円筒金網51の軸方向Gに金網間隔P(線材間ピッチ)を隔てて並列される。
各縦金属線材51A,51A,…は、各横金属線材51B,51B,…円周方向E(円筒金網51円周方向)に金網目間隔Pを隔てて並列され、各横金属線材51B,51Bに交差する。
各縦金属線材51A,51A,…及び各横金属線材51B,51B,…は、線材交差点にて溶接等で固定され、複数の金網目51C,51C,…を形成する。
円筒金網51は、
図2に示すように、例えば、複数(一対)の半円筒金網56,56で構成される。各半円筒金網56,56は、各縦金属線材51AR,51AR同士、及び各縦金属線材51AL,51AL同士を複数のコイル線材57,57で連結される。各縦金属線材51AR,51AR,51AL,51ALは、半円筒金網51の周方向E両端の各縦金属線材である。
コイル線材57,57は、例えばアルミ合金線材、鋼線材、鉄前材で形成される。各コイル線材57,57は、
図18及び
図19に示すように、円筒金網51の軸方向Gに渡って各縦金属線材51AR,51ARに巻付けられ、及び各縦金属線材51AL,51ALに巻付けられる。
これにより、円筒金網51は、各半円筒金網56,56を各コイル線材57,57にて連結して構成できる。
【0067】
金網蓋12は、円筒金網51の軸方向G一端(上端)に配置され、円筒金網51の一端開口(上端開口)を閉塞する。金網蓋12は、上金網蓋(以下。「上金網蓋12」という)となる。
金網蓋13は、円筒金網51の軸方向G他端(下端)に配置され、円筒金網51の他端開口(下端開口)を閉塞する。金網蓋13は、下金網蓋(以下、「下金網蓋13」という)となる。
上下金網蓋12,13は、
図19に示すように、複数のコイル線材60,61にて円筒金網51に固定される。
【0068】
コイル線材60は、
図19に示すように、上金網蓋12の円形金属線材18及び円筒金網51の軸方向G上端の横金属線材51BUに巻付けられる。コイル線材60は、円筒金網51の円周方向E(上金網蓋12円周方向)に渡って巻付けられ、上金網蓋13を円筒金網51の軸方向G上端に固定する。
【0069】
コイル線材61は、
図19及び
図20に示すように、下金網蓋13の円形金属線材18及び円筒金網51の軸方向G下端の横金属線材51BDに巻付けられる。コイル線材61は、円筒金網51の円周方向Eに渡って巻付けられ、下金網蓋13を円筒金網51の軸方向G下端に固定する。
これにより、上下金網蓋12,13を円筒金網51に固定することで、円筒金網体63に組立てられ、円筒金網体63内に充填空間U1を形成する。充填空間U1は、円筒金網51の各金網目51C,51C,…、及び上下金網蓋12,13の各金網目19C,19C,…を通して円筒金網体63外部に連通される。
【0070】
各吊下げ具14,14は、
図16及び
図19に示すように、金属線材枠24を円筒金網体63の下金網蓋13下方に位置し、円筒金網体63の円周方向Eに間隔を隔てて配置される。
各吊下げ具14,14は、金属線材枠24を下金網蓋13にコイル線材(図示しない)にて固定する。
これにより、各吊下げ具14,14は、金属線材枠25を上下に交差して、円筒金網体63円周方向Eに所定角度(例えば、角度90度)を持って配置される。
各吊下げ金属線材25,25は、円筒金網体63外側に配置され、円筒金網体63円周に隣接する。各吊下げ金属線材25,25は、円筒金網体63の軸方向Gにおいて、下金網蓋13から上金網蓋12上方に延在される。
【0071】
円筒金網51及び上下金網蓋12,13を固定して円筒金網体63を構成し、円筒金網体63に各吊下げ具14,14を固定して、第一及び第二分割円筒金網籠31,32を構成する。
第一及び第二分割円筒金網籠31,の充填空間U1には、中詰材、例えば割栗石(図示しな)を充填する。主な割栗石は、第一及び第二分割円筒金網籠31,32の各金網目51C,51C,…及び上下金網蓋12,13の各金網目19C,19C,…より大形状とする。
【0072】
第二分割円筒金網籠32は、
図16及び
図17に示すように、下金網蓋13から第一分割円筒金網籠31の上金網蓋12に積載される。第二分割円筒金網籠32は、第一分割円筒金網籠32の各吊下げ金属線材25,25,…内側に配置され、第一分割円筒金網籠31と同心に積載される。
積載した各分割円筒金網籠31,31は、
図16に示すように、軸方向Gの籠高寸法GHを円筒金網籠1の軸方向GHの籠高寸法GH(
図4参照)と略同一である。
第一及び第二分割円筒金網籠31,32は、
図17に示すように、二分割自在にされ、各分割円筒金網籠31,32の軸方向Gの籠高寸法GH1は円筒金網籠1の籠高寸法GHの略半分となる。
【0073】
法面補強体X2において、複数の円筒金網籠1,1,…及び第一分割円筒金網籠31は、
図11乃至
図13に示すように、各円筒金網体23,63円周を隣接して並設され、第一列R1に配列される。即ち、第一列R1において、各円筒金網籠1,1,…及び第一分割円筒金網籠31は、各円筒金網体23,63の軸心aを平行にして並設される。
第一列R1において、各円筒金網籠1,1,…及び第一分割円筒金網籠31は、軸方向G下方に下金網蓋13及び各吊下げ具14,14の金属線材枠24を配置して並設される。
第一列R1の円筒金網籠1,1,…及び第一分割円筒金網籠31は、第一列の配列数N1をN1=3,4,5,…(N:自然数)とする(但し、第一分割円筒金網籠31の配列数:1個)。
第一列R1の配列数N1は、
図11、
図12及び
図15に示すように、例えば第一列R1の配列数N1=5(但し、円筒金網籠:4及び第一分割円筒金網籠:1個)とする。
第一列R1の各円筒金網籠1,1,…は、第一分割円筒金網籠31を基準とする第一列R1両端側の夫々に一又は複数隣接して並設される。
第一列R1の配列数N=5であると、各円筒金網籠1,1,…は、第一分割円筒金網籠31を基準とする第一列R1両端側の夫々に同数(3個)を隣接して並設される。
【0074】
また、複数の円筒金網籠1,1,…は、円筒金網体23円周を隣接して並列され、第二列R2に配列される。即ち、第二列R2の各円筒金網籠1,1,…は、円筒金網体23軸心aを平行にして並設する。
第二列R2の各円筒金網籠1,1,…は、円筒金網体23の軸方向G下方に下金網蓋13及び各吊下げ具14,14の金属線材枠24を配置して並設する。
第二列R2の各円筒金網籠1,1,…は、第二列R2の配列数N2をN2=N1+1とする。第二列R2の配列数N2は、
図11、
図12及び
図15に示すように、例えば第一列R1の配列数N1=5であると、N2=6とする。
【0075】
第一及び第二列R1,R2において、各円筒金網籠1,1,…及び第一分割円筒金網籠31は、各円筒金網体23,63円周を隣接して並設され、例えば第一及び第二列R1,R2の各円筒金網籠1,1,…及び第一分割円筒金網籠31を隣接して千鳥配列する(
図11乃至
図15参照)。
これにより、第一列R1の各円筒金網籠1,1,…及び第一分割円筒金網籠31は、
図11乃至
図15に示すように、第二列R2の各円筒金網籠1,1,…間に配置され、第二列R2の隣接する各円筒金網籠1,1は、各円筒金網籠1,1間に配置される第一列R1の各円筒金網籠1,1,…及び第一分割円筒金網籠31に隣接される。
【0076】
第二分割円筒金網籠32は、第一列R1の第一分割円筒金網籠31に積載され、積載した各分割円筒金網籠31,32の籠高寸法GHは円筒金網籠1と略同一となる。
第二分割円筒金網籠32は、円筒金網体63円周を各列R1,R2の各円筒金網籠1,1,…円周に隣接して並設される。第二分割円筒金網籠32は、第一分割円筒金網籠31に同心に積載される。
【0077】
各結束チェーン2,2は、
図11乃至
図15に示すように、第一分割円筒金網籠31を基準とする各列R1,R2両端側にて、各列R1,R2で隣接する複数の円筒金網籠1,1,…でなる第一及び第二金網籠群B1,B2を隣接区画する。
第一金網籠群B1は、第一分割円筒金網籠31を基準とする第一列R1一端側の複数(2個)の円筒金網籠1,1、及び第二列R2一端側の複数(3個)の円筒金網籠1,1,…でなる。
第二金網籠群B2は、第一分割円筒金網籠31を基準とする第一列R1他端側の複数(2個)の円筒金網籠1,1、及び第二列R2他端側の複数(3個)の円筒金網籠1,1,…でなる。
【0078】
各結束チェーン2,2は、各列R1,R2の円筒金網籠1,1,…の軸方向G中央に配置される。各結束チェーン2,2は、第一及び第二金網籠群B1,B2外縁周に巻回される。
各金網籠群B1,B2外縁周は、各金網籠群B1,B1の各円筒金網籠1,1,…の円筒金網体23円周でなる。
これにより、第一及び第二分割円筒金網籠31,32は、隣接する各金網籠群B1,B2間にて、各円筒金網籠1,1,…の円筒金網体23円周に隣接して並設される。
【0079】
各結束チェーン2,2は、
図12乃至
図15に示すように、各分割円筒金網籠31,32側の一部を積載した各分割円筒金網籠31,32にて挟持される。
これにより、各結束チェーン2,2の一部(各分割円筒金網籠31,32側の一部)は、第一分割円筒金網籠31に積載した第二分割円筒金網籠32の重量、即ち第二分割円筒金網籠32及び第二分割円筒金網籠32に充填した割栗石(中詰材)等の重量にて固定される。
【0080】
各ターンバックル3,3(チェーン締付具)は、第一及び第二金網籠群B1,B2外縁周に巻回した結束チェーン2両端側に連結される。各ターンバックル3,3は、操作によって各結束チェーン2,2を締付け、各結束チェーン2,2にて各金網籠群B1,B1の各円筒金網群1,1,…を緊縛(結束)する。
なお、チェーン締付具3,3は、法面補強体X1と同様、シャックル及びレバーブロック(図示いない)で構成できる。
【0081】
連結チェーン34は、
図11乃至
図15に示すように、積載した第一及び第二分割円筒金網籠31,32間に配置され、各分割円筒金網籠31,32にて挟持される。
これにより、連結チェーン34は、第一分割円筒金網籠31に積載した第二分割円筒金網籠32の重量、即ち第二分割円筒金網籠32及び第二分割円筒金網籠32に充填した割栗石(中詰材)の重量によって固定される。連結チェーン34は、例えば、アルミ合金、鋼、鉄でなる金属チェーンである。
【0082】
連結チェーン34は、積載した第一及び第二分割円筒金網籠31,32間にて、各金網籠群B1,B2外縁周に巻回した結束チェーン2,2の夫々に連結される。連結チェーン34は、例えば、各結束チェーン2,2のシャックル(図示しない)に取付けられ、各金網籠群B1,B2を連結して、各円筒金網籠1,1,…を一体化する。
【0083】
このように、法面補強体X2は、各結束チェーン2,2を各金網籠群B1,B2外縁周に巻回し、連結チェーン34を各金網籠群B1,B2外縁周に巻回した結束チェーン2,2に連結することで、隣接する各金網籠群B1,B2を連結して、各円筒金網籠1,1,…を一体化する。
また、法面補強体X2は、各チェーン締付具3,3にて各金網籠群B1,B2外縁周に巻回した結束チェーン2,2を締付けることで、各結束チェーン2,2にて各金網籠群B1,B2の各円筒金網籠1,1,…を緊縛(結束)する。
【0084】
法面補強体X2では、
図21(a)に示すように、各列R1,R2で隣接する複数の円筒金網籠1,1,…でなる3以上の金網籠群B1,B2,…を複数の結束チェーン2,2,…にて隣接区画し、各結束チェーン2,2,…を各金網籠群B,B,…外縁周に巻回することで、3以上の隣接する金網籠群B1,B2,…連続して区画する構成も採用できる。各結束チェーン2,2,…は、
図11乃至
図15で説明したと同様、複数のチェーン締付具3,3,…にて締付けられ、各金網籠群B1,B2,…の各円筒金網籠1,1,…を緊縛(結束)する。
【0085】
法面補強体X2は、
図21(b)に示すように、一の金網籠群B1(又はB2)に複数本の結束チェーン2を巻回する構成も採用できる。
図21(b)において、複数本の結束チェーン2,2,…は、例えば3本とし、円筒金網籠1の円筒金網体23の軸方向Gに間隔を隔てて配置される。例えば、3本の結束チェーン2,2,…は、円筒金網体23の軸方向G中央、及び軸方向G中央から間隔を隔てて円筒金網籠1両端開口側(上下開口端側)に配置し、一の金網籠群B1(又はB2)外縁周に巻回される。
複数のチェーン締付具3,3,…は、一の金網籠群B外縁周に巻回した各結束チェーン2,2両端側に連結され、各チェーン締付具3,3,…にて一の金網籠群B1(又はB2)外縁周に巻回した3本の結束チェーン2,2,…を締付ける。
【0086】
法面補強体X1,X2では、複数の結束チェーン2,2に代えて、金属ワイヤ、針金等の結束金属線材とする構成も採用できる。各結束金属線材は、
図1乃至
図3、及び
図11乃至
図15で説明したと同様、各金網籠群A,A又は各金属籠群B1,B2に区画し、各金属金網群A,A,B1,B2外縁周に巻回する。各金網籠群A,A,B1,B2外縁周に巻回した各結束金属線材両端側に線材締付具を連結する、各線材締付具は、
図1乃至
図3、及び
図11乃至
図15で説明したと同様、例えばターンバックル、又シャックル及びレバーブロックにて構成する。
各金網籠群A,A,B1,B2外縁周に巻回した各結束金属線材の線材両端側に環状線材部を形成し、両端側の環状線材部にターンバックルを連結する。各ターンバックルを操作して、各結束金属線材を締付けることで、各結束金属線材にて各金網籠群A,A,B1,B2の各円筒金網籠1,1,…を緊縛(結束)する。
法面補強体X2では、連結チェーン3に代えて、金属ワイヤ、針金等の連結金属線材とする構成も採用できる。連結金属線材は、
図11乃至
図15で説明したと同様、各金網籠群B1,B2外縁周に巻回した各結束金属線材(又は各結束チェーン2,2)に夫々連結される。
また、連結金属線材は、積載した各分割円筒金網籠にて挟持され、第二分割円筒金網籠及び第二円筒金網籠に充填した割栗石(中詰材)の重量によって固定される。
【0087】
<法面構造>
次に、第一及び第二実施形態の法面構造について、図面を参照して説明する。
【0088】
<A>第一実施形態:
第一実施形態の法面構造について、
図1乃至
図3、及び
図22乃至
図24等を参照して説明する。
なお、
図22乃至
図24において、
図1乃至
図10と同一符号は同一部材、同一構成であるの、その詳細な説明は省略する。
【0089】
図22乃至
図24において、第一実施形態の法面構造Y1(以下、「法面構造Y1」という)は、複数の円筒金網籠1,1,…、複数の結束チェーン2,2,…、複数のチェーン締付具3,3(ターンバックル)、及び盛土Nを備えてなる。
【0090】
複数の円筒金網籠1,1,…は、地盤Mに複数段積載し、及び各段にて複数隣接して並設される。複数の円筒金網籠1,1,…を積載する段数は、
図22乃至
図24に示すように、例えば三段D1〜D3とする。各円筒金網籠1,1,…は、割栗石(中詰材)を充填してなる。
各段D1〜D3において、各円筒金網籠1,1,…は、配列数N=3,4,5,…(N:自然数)とし、例えば配列数N=7(円筒金網籠1:7個)とする。
【0091】
第一段目D1において、各円筒金網籠1,1,…は、下金網蓋13を地盤M上に載置し、円筒金網体23円周を隣接して並設する。即ち、第一段目D1において、各円筒金網籠1,1,…は、円筒金網体23の軸心aを平行にして並設される。
各円筒金網籠1,1,…は、地盤M上に隣接して一列に配列される。
【0092】
第一段目D1を除く、各段D2,D3において、各円筒金網籠1,1,…は、例えば一段下の各円筒金網籠1,1,…に積載される。
各円筒金網籠1,1,…は、下金網蓋13を一段下の各円筒金網籠の上金網蓋13上に載置し、円筒金網体23円周を隣接して並設される。即ち、各段D2,D3において、各円筒金網籠1,1,…は、円筒金網体23の軸心aを平行にして並設される。
各円筒金網籠1,1,…は、一段下の円筒金網籠1,1,…と同方向に隣接して一列に配列される。
第一段目D1を除く、各段D2,D3において、各円筒金網籠1,1,…は、一段下の各円筒金網籠1,1,…に対し、背面側に所定量ずらして配置される。
【0093】
各結束チェーン2,2,…は、各段D1〜D3に複数配置される。
【0094】
各段D1〜D3において、複数の結束チェーン2,2は、
図1乃至
図3で説明したと同様、隣接する一又は複数の円筒金網籠1を共用し、及び共用円筒金網1Aを含む複数の円筒金網籠1,1,…でなる金網籠群A,A,…を隣接して複数区画する。
各段D1〜D3において、円筒金網籠1の一列の配列数N=7であると、列中央の円筒金網籠1を共用円筒金網籠1Aとする。各結束チェーン2,2は、円筒金網籠1の配列数N=7において、共用円筒金網籠1Aを含み、共用円筒金網籠1Aを基準とする列両端側の夫々に隣接する同数(3つ)の円筒金網籠1,1,…でなる金網籠群A,Aを隣接して区画する。
【0095】
各段D1〜D3において、各結束チェーン2,2は、隣接する金網籠群A,A外縁周に巻回される。各金網籠群A,A外縁周は、各金網籠群A,Aの共用円筒金網籠1A及び各円筒金網籠1,1,…の円筒金網体23円周でなる。
各段D1〜D3において、各結束チェーン2,2は、共用円筒金網籠1A及び列一端(又は列他端)の円筒金網籠1,1間に巻回される。各結束チェーン2,2は、共用円筒金網籠1Aの円筒金網体23円周、及び列一端(又は列他端)の各円筒金網籠1,1の円筒金網体23円周にて巻回方向を変更され、共用円筒金網籠1A又は列一端(又は列他端)の各円筒金網籠1,1に向けて巻返される。
各段D1〜D3において、各結束チェーン2,2は、隣接する金網籠群A,Aの共用円筒金網籠1Aにオーバーラップして巻回される。
これにより、各段D1〜D3において、各結束チェーン2,2は、各金網籠群A,Aを連結して、各円筒金網籠1,1,…を一体化する。
【0096】
各チェーン締付具3,3,…は、各段D1〜D3に複数配置され、例えばターンバックルでなる。
【0097】
各段D1,D2,D3において、各ターンバックル3,3,…は、各金網籠群A,A外縁周に巻回した結束チェーン2,2両端側に連結される。各ターンバックル3,3は、操作によって各結束チェーン2,2を締付け、各結束チェーン2,2にて各金網籠群A,A,…の各円筒金網籠1,1,…を緊縛(結束)する。
【0099】
各段D1,D2,D3において、盛土Nは、各金網籠群A,A,…(各円筒金網籠1,1,…)背面に施される。盛土Nは、各円筒金網籠1,1,…の軸方向Gにおいて、上下金網蓋12,13に渡って施される。
第一段目D1において、盛土Nは地盤Mに配置され、各段D2,D3において、盛土Nは一段下の盛土Nに積載して配置される。
盛土Nは、砂、砂礫、割栗石等で構成され、例えば河川護岸等の水域では吸出防砂材を用いる(以下、同様)。
【0100】
このように、法面構造Y1は、各段D1,D2,D3において、法面補強体X1(
図1乃至
図10参照)を構成し、各法面補強体X1背面(共通円筒金網籠1A及び各円筒金網籠1,1,…背面)に盛土Nを施してなる。
これにより、法面構造Y1は、法面補強体X1を地盤M上に複数段積載して構成されることになる。
【0101】
法面構造Y1では、
図9(a)で説明したと同様、法面構造の規模に応じ、各段D1〜D3において、3以上の金網籠群A,A,…となる構成も採用できる。
また、法面構造Y1では、
図9(b)、(c)で説明したと同様、各段D1〜D3において、複数の共通金網籠1A,1A,…の構成、第一及び第二列の構成を採用できる。
【0102】
法面構造Y1では、複数の円筒金網籠1,1,…を複数段積載する際に、各偶数段(第二段目、第4段目,・・・)の各円筒金網籠1,1,…は、各奇数段(第一段目、第三段目,・・・)の各円筒金網籠1,1,…に対し、列方向に円筒金網籠1,1,…の半径(半径=1/2×D)だけずらして千鳥配列する構成も採用できる。
【0104】
図25乃至
図27において、第二実施形態の法面構造Y2(以下、「法面構造Y」という)は、複数の円筒金網籠1,1,…、複数の結束チェーン2,2,…、複数のチェーン締付具3,3,…、複数の連結チェーン34,34、複数の第一及び第二分割円筒金網籠31,32、及び盛土Nを備えてなる。
【0105】
複数の円筒金網籠1,1,…、第一及び第二分割円筒金網籠31,32は、地盤Mに複数段積載し、及び各段にて隣接して並設される。複数の円筒金網籠1,1,…を積載する段数は、
図25乃至
図27に示すように、例えば三段D1,D2,D3とする。各円筒金網籠1,1,…、第一及び第二分割円筒金網籠31,32は、割栗石(中詰材)を充填してなる。
【0106】
各段D1〜D3において、複数の円筒金網籠1,1,…は、隣接して第一及び第二列R1,R2に配列される。各円筒金網籠1,1,…は、下金網蓋13を地盤Mに載置する。各円筒金網籠1,1,…は、円筒金網体23円周を隣接して並設される。即ち、各列R1,R2にて、各円筒金網籠1,1,…は、円筒金網体23の軸心aを平行にして並設される。
各段D1〜D3において、各列R1,R2の各円筒金網籠1,1,…は、同方向に隣接して配列される。
【0107】
各段D1〜Dにおいて、第一分割円筒金網籠31,31,…は、第一列R1に配列される。第一分割円筒金網籠31は、下金網蓋13を地盤Mに載置する。第一分割円筒金網籠31,31,…は、円筒金網体63円周を各列R1,R2の各円筒金網籠1,1,…の円筒金網体23円周に隣接して並設される。即ち、第一分割円筒金網籠31は、円筒金網体63の軸心aを各列R1,R2の各円筒金網籠1,1,…の円筒金網体23の軸心aに平行して並設される。
各段D1〜D3において、第一列R1の各円筒金網籠1,1,…及び第一分割円筒金網籠31は、第一列の配列数N1をN1=3,4,5,…(N:自然数)とする。
第一列R1の配列数N1は、
図25乃至
図27に示すように、例えば配列数N1=5(但し、各円筒金網籠1:4個、第一分割円筒金網籠31:1個)とする。
各段D1〜D3において、第一列R1の各円筒金網籠1,1,…は、第一分割円筒金網籠31を基準とする第一列R1両端側の夫々に一又は複数隣接して並設される。各円筒金網籠1,1,…は、第一列R1の配列数N1=5であると、第一分割円筒金網籠31を基準とする第一列R1両端側の夫々に同数(2個)を隣接して並設される。
【0108】
各段D1〜D3において、第二列R2の各円筒金網籠1,1,…は、第二列R2の配列数N2をN2=N1+1とする。
第二列R2の配列数N2は、
図25乃至
図27に示すように、例えば第一列R1の配列数N1=5であると、N2=6とする。
【0109】
第一及び第二列R1,R2において、各円筒金網籠1,1,…及び第一分割円筒金網31は、円筒金網体23,63円周を隣接して並設され、例えば第一及び第二列R1,R2の各円筒金網籠1,1,…及び第一分割円筒金網籠31を隣接して千鳥配列する。
これにより、各段D1〜D3において、第一列R1の各円筒金網籠1,1,…及び第一分割円筒金網籠31は、
図25乃至
図27に示すように、第二列R2の各円筒金網籠1,1,…間に配置され、第二列R2の隣接する各円筒金網籠1,1は、各円筒金網籠1,1間に配置される第一列R1の各円筒金網籠1,1,…及び第一分割円筒金網籠31に隣接される。
【0110】
第一段目D1において、第一列R1の各円筒金網籠1,1,…及び第一分割円筒金網籠31は、下金網蓋13を地盤Mに載置して、各列R1,R2に配列される。
第一段目D1を除く、各段D2,D3において、各円筒金網籠1,1,…及び第一分割円筒金網籠31は、下金網蓋31を一段下の各円筒金網籠1,1,…の上金網蓋12上に載置し、各列R1,R2に配列される。
第一段目D1を除く、各段D2,D3において、各列R1,R2の各円筒金網籠1,1,…及び第一分割円筒金網籠31は、例えば、一段下の各円筒金網籠1,1,…及び第一分割円筒金網籠31に対し、背面側にずらして配置される。
【0111】
各結束チェーン2,2,…は、各段D1〜D3に複数配置される。
【0112】
各段D1〜D3において、各結束チェーン2,2は、
図11乃至
図15で説明したと同様、第一分割円筒金網籠31を基準とする各列R1,R2両端側の夫々にて、各列R1,R2で隣接する複数の円筒金網籠1,1,…でなる第一及び第二金網籠群B1,B2を隣接して区画する(
図25乃至
図27参照)。
第一及び第二金網籠群B1,B2は、
図25及び
図26に示すように、第一列R1の2個の円筒金網籠1,1及び第二列Rの3個の円筒金網籠1,1,…でなる。
【0113】
各段D1〜D3において、各結束チェーン2,2は、各円筒金網籠1,1,…の円筒金網体23の軸方向G中央に配置される。各結束チェーン2,2は、隣接する第一及び第二金網籠群B1,B2外縁周に巻回される。
各金網籠群B1,B2外縁周は、各金網籠群B1,B2の各円筒金網籠1の円筒金網体23円周でなる。
各段D1〜D3において、各結束チェーン2,2は、
図12乃至
図15で説明したと同様、第一分割円筒金網顎31側の一部を第一分割円筒金網籠31の上金網籠31に配置される。
【0114】
各チェーン締付具3,3,…は、各段D1〜D3に複数配置され、例えばターンバックルでなる、なお、各チェーン締付具3,3,…は、
図11乃至
図15で説明したと同様、シャックル及びレバーブロック(図示しない)で構成できる。
【0115】
各段D1〜D3において、各ターンバックル3,3は、各金網籠群B1,B2外縁周に巻回した結束チェーン2両端側に連結される。各ターンバックル3,3は、操作によって各結束チェーン2,2を締付け、各結束チェーン2,2にて各金網籠群B1,B2の各円筒金網籠1,1,…を緊縛(結束)する。
【0116】
各連結チェーン34,34,…は、各段D1〜Dに配置される。
【0117】
各段D1〜D3において、各連結チェーン34は、
図11乃至
図15で説明したと同様、第一分割円筒金網31の上金網蓋12上に配置される。各連結チェーン34は、隣接する第一及び第二金網籠群B1,B2外縁周に巻回した結束チェーン2の夫々に連結される(
図26参照)。
これにより、連結チェーン34は、隣接する第一及び第二金網群B1,B2を連結し、各円筒金網籠1,1を一体化する。
【0118】
各段D1〜D3において、第二分割円筒金網籠32は、
図11乃至
図15で説明したと同様、第一分割円筒金網籠31に積載される。
第二分割金網籠32は、下金網蓋12を第一分割円筒金網籠31の上金網蓋12上に載置し、第一分割金網籠1と同心に配置される。
各段D1〜D3において、積載した第二分割円筒金網籠32は、第一分割円筒金網籠31とでレ連結チェーン34を挟持する。
積載した各分割円筒金網籠31,32は、隣接する第一及び第二金網籠群B1,B2外縁周に巻回した結束チェーン2,2の一部(各分割円筒金網籠31,32側)を挟持する。
これにより、連結チェーン34、及び各結束チェーン2,2の一部は、第一分割円筒金網籠31に積載した第二分割円筒金網籠32の重量、即ち、第二分割円筒金網籠32及び第二分割円筒金網籠32に充填した割栗石(中詰材)の重量によって固定される。
第二段目D2において、第一及び第二分割円筒金網籠31,32の重量は、第一段目D1の第二分割円筒金網籠32に作用し、第一段目D1の連結チェーン34及び各結束チェーン2,2の一部を固定するために役立つ。
第三段目D3において、第一及び第二分割円筒金網籠31,32の重量は、第二段目D2の第一分割円筒金網籠32に作用し、第一及び第二段目D1,D2の連結チェーン34及び各結束チェーン2,2の一部を固定するために役立つ。
なお、最上段(例えば三段目D3)において、第一分割円筒金網籠31に積載した第二分割円筒金網32は、
図27に示すように、各吊下げ金属線材25,15を円筒金網体63から上金網蓋12上方に配置する。このとき、最上段において、各吊下げ金網線材25,25を切断して除去し、又は上金網蓋12に向けて折曲げる。
【0119】
盛土Nは、各段D1〜D3に施される。
【0120】
各段D1〜D3において、盛土Nは、第一列R1の各金網籠群B1,B2の各円筒金網籠1,1,…の背面及び積載した各分割円筒金網籠31,32背面に施される。盛土Nは、各円筒金網籠1,1,…及び積載した各分割円筒金網籠31,32の軸方向Gにおいて、上下金網蓋12,13に渡って施される。
第一段目D1において、盛土Nは地盤Mに配置され、各段D2,D3において、盛土Nは一段下の盛土Nに積載して配置される。
【0121】
このように、法面構造Y2は、各段D1,D2,D3において、法面補強体X2(
図11乃至
図20参照)を構成し、各法面補強体X2背面(第一列R1の各円筒金網籠1,1,…及び積載した分割円筒金網籠31,32背面)に盛土Nを施してなる。
これにより、法面構造Y2は、法面補強体X2を地盤M上に複数段積載して構成されることになる。
【0122】
法面構造Y2では、
図21(a)で説明したと同様、法面構造の規模に応じて、各段D1〜Dにおいて、3以上の金網籠群B1,B2,…を連続して区画する構成も採用できる。
法面構造Y2では、
図21(b)で説明したと同様、一の金網籠群A外縁周に複数本の結束チェーン2,2,…を巻回する構成も採用できる。
【0123】
〈法面構造工法〉
第一及び第二実施形態の法面構造工法について、図面を参照して説明する。
【0125】
図28乃至
図32において、第一実施形態の法面構造工法Z1(以下、「法面構造工法Z1」という)は、金網籠組立工程、金網籠据付工程、チェーン巻回工程、金網籠緊縛工程、及び盛土工程を含み、金網籠据付工程、チェーン巻回工程、金網籠緊縛工程及び盛土工程を繰返して、複数の円筒金網籠1,1,…を地盤Mに複数段積載してなる法面構造(
図22乃至
図24参照)を構築する。
複数の円筒金網籠1,1,…を積載する段数は、例えば三段D1,D2,D3とする。
【0126】
〈金網籠組立工程〉
金網籠組立工程では、複数の円筒金網籠1,1,…を組立てつつ、各円筒金網籠1,1,…に割栗石(中詰材)を充填する。
【0127】
図28(a)、(b)において、複数(一対)の半円筒金網16,16を円筒金網11に組立てる。
円筒金網11は、各半円筒金網16,16を複数のコイル線材17,17にて連結して構成される。
各コイル線材17,17は、各半円筒金網16,16の縦金属線材11AR,11AR、及び縦金網線材11AL,11ALに巻付けられる。
各コイル線材17,17は、円筒金網11の軸方向Gに渡って巻付けられ、各半円筒金網16,16を連結して円筒金網11とする。
【0128】
図28(c)、(d)において、金網蓋13を円筒金網11に固定する。
金網籠13は、円筒金網11一端に配置され、円筒金網11の一端開口を閉塞する。金網蓋13及び円筒金網11は、コイル線材21にて固定される。
コイル線材21は、金網蓋13の円形金属線材18及び円筒金網11の横金属線材11BUに巻付けられる。
コイル線材21は、円筒金網11円周方向Eに渡って巻付けられ、金網蓋13を円筒金網11一端に固定する。
【0129】
図28(e)、(f)において、各吊下げ具14,14を円筒金網11の金網蓋13に固定する。
各吊下げ具14,14は、金網線材枠24を円筒金網11の金網蓋13上に配置する。各吊下げ具14,14は、円筒金網11の円周方向Eに間隔、例えば90度の角度を隔てて配置される。
各吊下げ具14,14の金網金属枠24は、金網蓋13に固定される。
各吊下げ金属線材25,25は、円筒金網11外側に配置され、円筒金網11円周に隣接する。各吊下げ金属線材25,25は、円筒金網11の軸方向Gにおいて、金属蓋13から円筒金網11他端開口側に延在する。
これにより、円筒金網11、金網蓋13及び各吊下げ具14,14を固定してなる半組立籠75とする。
【0130】
図29(a)において、半組立籠75を反転し、金網蓋13を地盤Mに載置する。これにより、金網蓋13は下金網蓋となる。
バックホウ等の土木建機(図示しない)を使用し、半組立籠75上端開口から割栗石(中詰材)を半組立籠75に充填する。
【0131】
図29(b)、(c)において、上金網蓋12を半組立籠75に固定する。
上金網蓋12は、半組立籠75上端に配置され、半組立籠75上端開口を閉塞する。上金網蓋12及び半組立籠75は、コイル線材20にて固定される。
コイル線材20は、上金網蓋12の円形金属線材18及び半組立籠75(円筒金網11)の横金属線材11BUに巻付けられる。
コイル線材20は、円筒金網11の円周方向Eに渡って巻付けられ、上金網蓋12を半組立籠75に固定し、円筒金網籠1に組立てる。
複数の円筒金網籠1,1,…は、円筒金網体23の充填空間Uに割栗石(中詰材)を充填してなる。
【0132】
〈金網籠据付工程:第一段目D1〉
図30(a)において、複数の円筒金網籠1,1,…を地盤Mに隣接して並設し、第一段D1の各円筒金網籠1,1,…を構築する。
第一段目D1において、各円筒金網籠1,1,…は、円筒金網体23円周を隣接して並設される。即ち、第一段目D1において、各円筒金網籠1,1,…は、円筒金網体23の軸心aを平行にして並設される。
各円筒金網籠1,1,…において、各吊下げ具14,14の各吊下げ金属線材25,25には、
図29(d)に示すように、吊下げワイヤ71,71,…を取付ける。各吊下げワイヤ71,71,…を吊下げビーム72に固定し、吊下げビーム72をクレーン、バックホウ等の土木建機(図示しない)に連結する。
各円筒金網籠1,1,…は、クレーン、バックホウ等の土木建機(図示しない)にて吊下げ搬送られ、地盤Mに載置される。このとき、各円筒金網籠1,1,…は、下金網蓋13を各吊下げ具14,14の金属線材枠24,24にて支持され、下金網蓋12,13を軸方向G上下に水平にして吊下げられる。
各円筒金網籠1,1,…では、円筒金網体23の充填空間Uに割栗石(中詰材)を充填しているので、クレーン等の土木建機(図示しない)にて吊下げ搬送(上下金網籠12,13を水平にして吊下げ搬送)しても割栗材の重量が円筒金網体23内で偏って作用することなく、円筒金網体23円周方向Eに均等に分布することになり、割栗石(中詰材)による円筒金網体23の変形を抑えることができる。従って、円筒金網籠1では、吊下げ搬送時の変形を防止する固定枠等を必要とせず、作業性を向上できる。
【0133】
第一段目D1において、複数の円筒金網籠1,1,…は、隣接して一列に配列される。各円筒金網籠1,1,…は、一列の配列数NをN=3,4,5,…(N:自然数)とする。第一段目D1において、各円筒金網籠1,1,…の配列数Nは、
図30(a)に示すように、例えばN=7とする。
【0134】
〈チェーン巻回工程:第一段目D1〉
第一段目D1において、
図1乃至
図3で説明したと同様、隣接する一又は複数の円筒金網籠1を共用し、及び共用円筒金網籠1Aを含む複数の円筒金網籠1,1,…でなる金網籠群A,Aを複数の結束チェーン2,2にて隣接して複数区画する[
図31(a)参照]。
第一段目D1において、
図30(b)に示すように、各円筒金網籠1の一列配列数N=7であると、列中央の円筒金網籠1を共用円筒金網籠1Aとする。
各結束チェーン2,2は、円筒金網籠1の配列数N=7であると、共用円筒金網籠1Aを含み、共用円筒金網籠1Aを基準とする列両端側の夫々にて、隣接する同数(3個)の円筒金網籠1,1,…でなる金網籠群A,Aを隣接して区画する[
図31(b)、
図2及び
図3参照]。
第一段目D1において、各結束チェーン2,2を円筒金網籠1の軸方向G中央に配置し、各金網籠群A,A外縁周に巻回する[
図31(b)、
図2及び
図3参照]。
第一段目D1において、各結束チェーン2,2は、共用円筒金網籠1A及び列両端(又は列他端)の円筒金網籠1間に配置される。
各結束チェーン2,2は、共用円筒金網籠1Aの円筒金網体23円周、及び列一端(又は列他端)の円筒金網籠1の円筒金網体23円周にて巻回方向を変更され、共用円筒金網籠1又は列一端(又は列他端)の円筒金網籠1に向けて巻返えされる。
第一段目D1において、各結束チェーン2,2は、隣接する金網籠群A,Aの共用円筒金網籠1Aにオーバーラップして巻回される。
なお、各結束チェーン2,2の巻回において、各金網籠群A,A外縁周に巻回した結束チェーン2,2及び円筒金網体23の軸方向G中央の横金属線材11Bに複数の結束バンドを巻付けて、各結束チェーン2,2を円筒金網体23に仮止する。
これにより、第一段目D1において、各結束チェーン2,2は、隣接する金網籠群A,Aを連結して、各円筒金網籠1,1,…を一体化する。
【0135】
〈金網籠緊縛工程:第一段目D1〉
第一段目D1において、
図1及び
図3で説明したと同様、各金網籠群A,A外縁周に巻回した結束チェーン2,2両端側にチェーン締付具3,3を連結する(
図2及び
図3参照)。各チェーン締付具3,3を操作して、各結束チェーン2,2を締付け、各結束チェーン2,2にて各金網籠群A,Aの各円筒金網籠1,1,…を緊縛(結束)する。
なお、チェーン締付具3,3は、ターンバックルで構成し、又はシャンクル及びレバーブロックで構成できる。
【0136】
〈盛土工程:第一段目D1〉
第一段目D1において、各金網籠群A,A(各円筒金網籠1,1,…)背面に盛土Nを施す(
図31参照)。盛土Nは、円筒金網籠1の軸方向Gにおいて、上下金網蓋12,13に渡って施される。
第一段目D1において、盛土Nは、地盤Mに配置される。
【0137】
〈金網籠据付工程:第二段目D2〉
図32において、複数の円筒金網籠1,1,…を第一段目D1(一段下)の各円筒金網籠1,1…に積載し、第二段目D2の各円筒金網籠1,1,…を構築する。
第二段目D2において、各円筒金網籠1,1,…は、下金網蓋13を第一段目D1の各円筒金網籠1,1,…の上金網蓋12上に隣接して並設される。即ち、第二段目D2において、各円筒金網籠1,1,…は、円筒金網体23の軸心aを平行にして並設される。
第二段目D2において、各円筒金網籠1,1,…は、第一段目D1の各円筒金網籠1,1,…と同方向において、隣接して一列に配列される。各円筒金網籠1,1,…は、
図32に示すように、一列の配列数Nを例えばN=7とする。
第二段目D2において、各円筒金網籠1,1,…は、例えば第一段目D1の各円筒金網籠1,1,…に対し、背面側(盛土N側)にずらして配置される。
【0138】
〈チェーン巻回工程:第二段目D2〉
第二段目D2において、第一段目D1と同様、隣接する金網籠群A,Aを複数の結束チェーン2,2にて隣接して複数区画する(
図32、
図2及び
図3参照)。
第二段目D2において、第一段目D1と同様、各結束チェーン2,2を各金網籠群A,A外縁周に巻回する。
【0139】
〈金網籠緊縛工程:第二段目D2〉
第二段目D2において、
図1乃至
図3で説明したと同様、各金網籠群A,A外縁周に巻回した結束チェーン2,2両端側にチェーン締付具3,3を連結する。各チェーン締付具3,3を操作して、各結束チェーン2,2を締付け、各結束チェーン2,2にて各金網籠群A,Aの各円筒金網籠1,1,…を緊縛(結束)する(
図2及び
図3参照)。
【0140】
〈盛土工程:第二段目D2〉
第二段目D2において、
図32に示すように、各金網籠群A,A(各円筒金網籠1,1,…)背面に盛土Nを施す。盛土Nは、円筒金網籠1の軸方向Gにおいて、上下金網蓋12,13に渡って施される。
第二段目D2において、盛土Nは、第一段目D1(一段下)の盛土Nに積載して配置される。
【0141】
〈金網籠据付工程:第三段目D3〉
図22乃至
図24において、複数の円筒金網籠1,1,…を第二段目D2(一段下)の各円筒金網籠1,1,…に積載し、第三段目D3の各円筒金網籠1,1,…を構築する。
第三段目D3において、各円筒金網籠1,1,…は、下金網蓋13を第三段目D3の各円筒金網籠1,1,…の上金網蓋12上に隣接して並設される。
第三段目D3において、各円筒金網籠1,1,…は、第二段目D2の各円筒金網籠1,1,…と同方向において、隣接して一列に配列される。各円筒金網籠1,1,…は、
図22乃至
図24に示すように、一列の配列数Nを例えばN=7とする。
第三段目D3において、各円筒金網籠1,1,…は、例えば第二段目D2の各円筒金網籠1,1,…に対し、背面側(盛土N側)にずらして配置される。
【0142】
〈チェーン巻回工程:第三段目D3〉
第三段目D3において、第一段目D1と同様、隣接する金網籠群A,Aを複数の結束チェーン2,2にて隣接して複数区画する(
図23及び
図24、
図2及び
図3参照)。
第三段目D3において、第一段目D1と同様、各結束チェーン2,2を各金網籠群A,A外縁周に巻回する。
【0143】
〈金網籠緊縛工程:第三段目D3〉
第三段目D3において、
図1乃至
図3で説明したと同様、各金網籠群A,A外縁周に巻回した結束チェーン2,2両端側にチェーン締付具3,3を連結する(
図26、
図2及び
図3参照)。各チェーン締付具3,3を操作して、各結束チェーン2,2を締付け、各結束チェーン2,2にて各金網籠群A,Aの各円筒金網籠1,1,…を緊縛(結束)する。
【0144】
〈盛土工程:第三段目D3〉
第三段目D3において、
図22乃至
図25に示すように、各金網籠群A,A(各円筒金網籠1,1,…)背面に盛土Nを施す。盛土Nは、円筒金網籠1の軸方向Gにおいて、上下金網蓋12,13に渡って施される
第三段目D3において、盛土Nは、第二段目D2(一段下)の盛土Nに積載して配置される。
【0145】
このように、法面構造工法Z1は、各段D1,D2,D3において、法面補強体X1(
図1乃至
図10参照)を構成し、各法面補強体X1(各円筒金網籠1,1,…及び共用円筒金網籠1A)背面に盛土Nを施してなる。
これにより、法面構造工法Y1では、法面補強体X1を複数段積載して、法面構造X1を構築する。
【0146】
法面構造Y工法Z1では、
図9(a)で説明したと同様、法面構造の規模に応じ、各段D1〜D3において、3以上の金網籠群A,A,…を連続して区画する構成も採用できる。
また、法面構造工法Z1では、
図9(b)、(c)で説明したと同様、各段D1〜D3にて、複数の共通金網籠1A,1A,…の構成、第一及び第二列の構成を採用できる。
【0147】
法面構造工法Z1では、金網籠据付工程において、各偶数段(第二段目、第4段目,・・・)の各円筒金網籠1,1,…を各奇数段(第一段目、第三段目,・・・)の各円筒金網籠1,1,…に対し、列方向に円筒金網籠1,1,…の半径(半径=1/2×D)だけずらして千鳥配列する構成も採用できる。
【0149】
図33乃至
図37において、第二実施形態の法面構造工法Z2(以下、「法面構造工法Z2」という)は、金網籠組立工程、分割金網籠組立工程、金網籠据付工程、チェーン巻回工程、金網籠緊縛工程、チェーン連結工程、チェーン挟持工程及び盛土工程を含み、金網籠据付工程、チェーン巻回工程、金網籠緊縛工程、チェーン連結工程、チェーン挟持工程及び盛土工程を繰返して、複数の円筒金網籠1,1,…、第一及び第二分割円筒金網籠31,32を地盤Mに複数段積載してなる法面構造(
図25乃至
図27参照)を構築する。
複数の円筒金網籠1,1,…及び各分割円筒金網籠31,32を積載する段数は、
図25乃至
図27に示すように、例えば三段D1,D2,D3とする。
【0150】
〈金網籠組立工程〉
金網籠組立工程では、法面構造工法Z1の
図28及び
図29で説明したと同様、複数の円筒金網籠1,1,…を組立てつつ、各円筒金網籠1,1,…に割栗石(中詰材)を充填する。
【0151】
〈分割金網籠組立工程〉
分割金網籠組立工程では、複数の第一及び第二分割円筒金網籠31,32を組立てつつ、各分割円筒金網籠31,32に割栗石(中詰材)を充填する。
【0152】
図33(a)、(b)において、複数(一対)の半円筒金網56,56を円筒金網51に組立てる。
円筒金網51は、各半円筒金網56,56を複数のコイル線材57,57にて連結して構成される。
各コイル線材57,57は、各半円筒金網56,56の縦金属線材51AR,51AR、及び縦金属線材51AL,51ALに巻付けられる。
各コイル線材57,57は、円筒金網51の軸方向Gに渡って巻付けられ、各半円筒金網56,56を連結して円筒金網51とする。
【0153】
図33(c)、(d)において、金網蓋13を円筒金網51に固定する。
金網蓋13は、円筒金網51一端に配置され、円筒金網51一端開口を閉塞する。金網蓋13及び円筒金網51は、コイル線材61にて固定される。
コイル線材61は、金網籠13の円形金属線材18及び円筒金網51の横金属線材51BDに巻付けられる。
コイル線材61は、円筒金網51円周方向Eに渡って巻付けられ、金網蓋13を円筒金網51一端に固定する。
【0154】
図33(e)、(f)において、各吊下げ具14,14を円筒金網51の金網蓋13に固定する。
各吊下げ具14,14は、金属線材枠24を円筒金網51の金網蓋13上に配置する。各吊下げ具14,14は、円筒金網51円周方向Eに間隔、例えば90度の角度を隔てて配置される。
各吊下げ具14,14の金属線材枠24は、金網蓋13に固定される。
各吊下げ金属線材25,25は、円筒金網51外側に配置され、円筒金網51円周に隣接される。各吊下げ金属線材25,25は、円筒金網51の軸方向Gにおいて、金網籠13から円筒金網51他端開口の上方に延出する。
これにより、円筒金網51、金網蓋13及び各吊下げ具14,14を固定してなる半組立分割籠85とする。
【0155】
図34(a)において、半組立分割籠85を反転し、金網蓋13を地盤Mに載置する。これにより、金網籠13は下金網蓋となる。
バックホウ等の土木建機(図示しない)を使用し、半組立分割籠85上端開口から割栗石(中詰材)を半組立分割籠85に充填する。
【0156】
図34(b)、(c)において、上金網蓋12を半組立分割籠85に固定する。
上金網蓋12は、半組立分割籠85上端に配置され、半組立分割籠85上端開口を閉塞する。上金網蓋12及び半組立分割籠85は、コイル線材60にて固定する。
コイル線材60は、上金網蓋12の円形金属線材18及び半組立分割籠85(円筒金網51)の横金属線材51BUに巻付けられる。
コイル線材60は、円筒金網51円周方向Eに渡って巻付けられ、上金網蓋12を半組立分割籠85に固定し、第一及び第二分割円筒金網籠31,32に組立てる。
複数の第一及び第二分割円筒金網籠31,32は、円筒金網体63の充填空間U1に割栗石(中詰材)を充填してなる。
【0157】
〈金網籠据付工程:第一段目D1〉
図35(a)において、複数の円筒金網籠1,1,…及び第一分割円筒金網籠31を地盤Mに隣接して並設し、第一段目D1について第一列R1の各円筒金網籠1,1,…及び第一分割円筒金網籠31を構築する。
複数の円筒金網籠1,1,…及び第一分割円筒金網籠31を隣接して第一列R1に配列する。
【0158】
第一段目D1において、第一列R1の各円筒金網籠1,1,…及び第一分割円筒金網籠31は、下金網籠13を地盤Mに載置する。第一列R1の各円筒金網籠1,1,…及び第一分割円筒金網籠31は、円筒金網体23,63円周を隣接して並設される。即ち、第一段目D1において、第一列R1の各円筒金網籠1,1,…及び第一分割円筒金網籠31は、円筒金網体23,63の軸心aを平行にして並設される。
【0159】
第一段目D1において、第一列R1の各円筒金網籠1,1,…及び第一分割円筒金網籠31は、第一列の配列数N1をN1=3,4,5,…(N:自然数)とする。
第一列R1の配列数N1は、
図35(a)に示すように、例えば配列数N1=5(但し、円筒金網籠1:4個、第一分割円筒金網籠31:1個)とする。
【0160】
第一段目D1において、第一分割円筒金網籠31を基準とする第一列R1両端側の夫々に一又は複数の円筒金網籠1,1,…を隣接して並設する。各円筒金網籠1,1,…は、第一列の配列数N=5であると、
図35(a)に示すように、第一分割円筒金網籠31を基準とする第一列両端側の夫々に同数(2個)隣接して並設される。
【0161】
第一段目D1において、複数の円筒金網籠1,1,…を地盤Mに隣接して並設し、第二段目D2について第二列R2の各円筒金網籠1,1,…を構築する。第二列R2の各円筒金網籠1,1,…は、第二列の配列数N2をN2=N1+1とする。第二列R2の配列数N2は、
図35(a)に示すように、第一列の配列数N1=5であると、N2=6とする。
【0162】
第二列R2の各円筒金網籠1,1,…は、円筒金網体23円周を隣接して並設される。即ち、各円筒金網籠1,1,…は、円筒金網体23の軸心aを平行にして並設される。
第一段目D1において、第二列R2の各円筒金網籠1,1,…は、第一列R1の各円筒金網籠1,1,…と同方向に隣接して配列される。
【0163】
第一段目D1において、第一及び第二列R1,R2の各円筒金網籠1,1,…及び第一分割円筒金網籠31を隣接して並設し、例えば第一及び第二列R1,R2の各円筒金網籠1,1,…及び第一分割円筒金網籠31を隣接して千鳥配列する。
これにより、第一段目D1において、第一列R1の各円筒金網籠1,1,…及び第一分割円筒金網籠31は、
図35(a)に示すように、第二列R2の各円筒金網籠1,1間に配置され、第二列R2の各円筒金網籠1,1,…は、各円筒金網籠1,1間に配置された第一列R1の各円筒金網籠1,1,…及び第一分割円筒金網籠31に隣接される。
【0164】
各円筒金網籠1,1,…は、
図29(d)で説明したと同様、クレーン、バックホウ等の土木建機(図示しない)にて吊下げ搬送され、地盤Mに載置される。
【0165】
第一分割円筒金網籠31において、各吊下げ具14,14の各吊下げ金属線材25,25には、
図34(d)に示すように、吊下げワイヤ71,71,…を取付ける。各吊下げワイヤ71,71,…を吊下げビーム72に固定し、吊下げビーム72をクレーン、バックホウ等の土木建機(図示しない)に連結する。
第一分割円筒金網籠31は、クレーン、バックホウ等の土木建機(図示しない)にて吊下げ搬送され、地盤Mに載置される。このとき、第一分割円筒金網籠31は、下金網籠13を各吊下げ具14,14の各金属線材枠24,24にて支持され、上下金網蓋12,13を軸方向G上下に水平にして吊下げられる。
第一分割円筒金網籠31では、円筒金網籠1と同様、円筒金網体63の充填空間U1に割栗石(中詰材)を充填しているので、クレーン等の土木建機(図示しない)にて吊下げ搬送(上下金網籠12,13を水平にして吊下げ搬送)しても割栗材の重量が円筒金網体63内で偏って作用することなく、円筒金網体63円周方向Eに均等に分布することになり、割栗石(中詰材)による円筒金網体63の変形を抑えることができる。従って、第一分割円筒金網籠31では、吊下げ搬送時の変形を防止する固定枠等を必要とせず、作業性を向上できる。
【0166】
〈チェーン巻回工程:第一段目D1〉
第一段目D1において、
図35(b)に示すように、第一分割円筒金網籠31を基準とする各列R1,R2両端側の夫々にて、各列R1,R2で隣接する複数の円筒金網籠1,1,…でなる第一及び第二金網群B1,B2を複数の結束チェーン2,2にて隣接区画する。
第一及び第二金網籠群B1,B2は、
図11乃至
図15で説明したと同様、第一列R1の2個の円筒金網籠1,1、及び第二列R2の3個の円筒金網籠1,1,…でなる。
【0167】
第一段目D1において、各結束チェーン2,2を円筒金網体23の軸方向G中央に配置し、各金網籠群B1,B2外縁周に巻回する。各金網籠群B1,B2外縁周は、各金網籠群B1,B2の各円筒金網籠1,1,…の円筒金網体23円周でなる。
第一段目D1において、各金網籠群B1,B2外縁周に巻回した各結束チェーン2,2は、
図11乃至
図15で説明したと同様、第一分割円筒金網籠31側を第一分割円筒金網籠31の上金網蓋12に配置される(
図14参照)。
なお、各結束チェーン2,2の巻回において、各金網籠群A,A外縁周に巻回した結束チェーン2,2及び円筒金網体23の軸方向G中央の横金属線材11Bに複数の結束バンドを巻付けて、各結束チェーン2,2を円筒金網体23に仮止する。
【0168】
〈金網籠緊縛工程:第一段目D1〉
第一段目D1において、
図11乃至
図15で説明したと同様、各金網籠群B1,B2外縁周に巻回した結束チェーン2,2両端側にチェーン締付具3,3を連結する(
図12及び
図15参照)。各チェーン締付具3,3を操作して、各結束チェーン2,2を締付け、各結束チェーン2,2にて各金網籠群B1,B2の各円筒金網籠1,1,…を緊縛(結束)する。
なお、チェーン締付具3は、ターンバックルで構成し、シャックル及びレバーブロックで構成できる。
【0169】
〈チェーン連結工程:第一段目D1〉
第一段目D1において、
図11乃至
図15で説明したと同様、第一分割円筒金網籠31の上金網蓋12上に連結チェーン34を配置する(
図12及び
図14参照)。
第一段目D1において、連結チェーン34を第一及び第二金網籠群B1,B3外縁周に巻回した結束チェーン34の夫々に連結する。
連結チェーン34は、第一分割円筒金網籠31の上金網蓋12上に配置した各結束チェーン2,2の一部(第一分割円筒金網籠31側の一部)に連結される(
図14参照)。
これにより、連結チェーン34は、隣接する第一及び第二金網籠群B1,B2を連結し、各円筒金網籠1,1,…を一体化する。
【0170】
〈チェーン挟持工程:第一段目D1〉
第一段目D1において、
図36(a)に示すように、第一列R1の第一分割円筒金網籠31に第二分割円筒金網籠32を積載する。
第二分割円筒金網籠32は、下金網蓋13を第一分割円筒金網籠31の上金網籠12上に載置し、第一分割円筒金網籠31と同心に配置される。
第二分割円筒金網籠32は、
図34(d)で説明したと同様、各吊下げ金具14,14の各吊下げ金属線材25,25に吊下げワイヤ71,71,…を取付け、クレーン、バックホウ等の土木建機(図示しない)にて吊下げ搬送され、地盤Mに載置される。
第二分割円筒金網籠32では、第一分割円筒金網籠31と同様、割栗石(中詰材)による円筒金網体63の変形を抑えることができる。従って、第二分割円筒金網籠32では、吊下げ搬送時の変形を防止する固定枠等を必要とせず、作業性を向上できる。
【0171】
第一段目D1において、第一分割円筒金網籠31に積載した第二分割円筒金網籠32は、第一分割円筒金網籠31とで連結チェーン34、及び各結束チェーン2,2の一部を挟持する。
これにより、連結チェーン34、及び各結束チェーン2,2の一部は、第二分割円筒金網籠32の重量、即ち、第二分割円筒金網籠32及び第二分割円筒金網籠32に充填した割栗石(中詰材)の重量にて固定される。
【0172】
〈盛土工程:第一段目D1〉
第一段目D1において、
図36(b)に示すように、第一列R1の各金網籠群B1,B2の各円筒金網籠1,1,…背面、及び積載した各分割円筒金網籠31,32背面に盛土Nを施す。盛土Nは、地盤Mに配置され、各円筒金網籠1,1,…の及び積載した各分割円筒金網籠31,32の軸方向Gにおいて、上下金網蓋13,14に渡って施される。
第一段目D1において、盛土Nは地盤Mに配置される。
【0173】
〈金網籠据付工程:第二段目D2〉
図37において、複数の円筒金網籠1,1,…及び第一分割円筒金網籠31を第一段目D1の第一列R1の各円筒金網籠1,1,…及び第一分割円筒金網籠31に積載し、第二段目D2について第一列R1の各円筒金網籠1,1,…及び第一分割円筒金網籠31を構築する。
第二段目D2において、第一列R1の各円筒金網籠1,1,…及び第一分割円筒金網籠を第一段目D1と同方向において、隣接して第一列R1に配列する。
第二段目D2において、第一列R1の各円筒金網籠1,1,…及び第一分割円筒金網籠31は、第一段目D1と同様、第一列の配列数N1=5とする。第一列R1の各円筒金網籠1,1,…は、第一段目D1と同様、第一分割円筒金網籠31を基準とする第一列両端側の夫々に同数(2個)隣接して並設される。
第二段目D2において、第一列R1の各円筒金網籠1,1,…及び第一分割円筒金網籠31は、円筒金網体23,61円周を隣接して並設される。即ち、第二段目D2において、第二列R2の各円筒金網籠1,1,…及び第一分割円筒金網籠31は、円筒金網体23,62の軸心aを平行にして隣接される。
【0174】
図37において、複数の円筒金網籠1,1,…を第一段目D1(一段下)の第二列R2の各円筒金網籠1,1,…に積載し、第二段目R2について第二列R2の各円筒金網籠1,1,…を構築する。
第二段目D2において、各円筒金網籠1,1,…を第一段目D1の第二列R2と同方向において、隣接して第二列R2に配列する。
第二段目D2において、第二列R2の各円筒金網籠1,1,…は、第一段目D1と同様、第二列の配列数N2=6とする。第二列R2の各円筒金網籠1,1,…は、円筒金網体23円周を隣接して並設される。即ち、第二段目D2において、第二列R2の各円筒金網籠1,1,…は、円筒金網体23の軸心aを平行にして隣接する。
【0175】
第二段目D2において、第一及び第二列R1,R2の各円筒金網籠1,1,…及び第一分割円筒金網籠31は、第一段目D1と同様、例えば隣接して千鳥配列される。
第二段目D2において、各列R1,R2の各円筒金網籠1,1,…及び第一分割円筒金網籠31は、第一段目D1の各円筒金網籠1,1,…及び第一分割円筒金網籠31に対し、背面側(盛土N側)にずらして配置される。
【0176】
〈チェーン巻回工程:第二段目D2〉
第二段目D2において、第一段目D1と同様、第一及び第二金網籠群B1,B2を複数の結束チェーン2,2にて隣接区画する(
図37、
図12及び
図15参照)。
第二段目D2において、第一段目D1と同様、各結束チェーン2,2を各金網籠群B1,B2外縁周に巻回する(
図37、
図12及び
図15参照)。
各結束チェーン2,2の一部は、第一段目D1と同様、第一分割円筒金網籠31の上金網蓋12上に配置される(
図14参照))。
【0177】
〈金網籠緊縛工程:第二段目D2〉
第二段目D2において、
図11乃至
図15で説明したと同様、各金網籠群B1,B2外縁周に巻回した結束チェーン2,2両端側にチェーン締付具3,3を連結する。各チェーン締付具3,3を操作して、各結束チェーン2,2を締付け、各結束チェーン2,2にて各金網籠群B1,B2の各円筒金網籠1,1,…を緊縛(結束)する。
【0178】
〈チェーン連結工程:第二段目D2〉
第二段目D2において、第一段目D1と同様、第一分割円筒金網籠31の上金網蓋12上に連結チェーン34を配置する(
図12乃至
図14参照)。
第二段目D2において、連結チェーン34を第一及び第二金網籠群B1,B2外縁周に巻回した結束チューン2,2の夫々に連結する。連結チェーン34は、第一分割円筒金網籠31の上金網蓋12上の各結束チェーン2,2の一部に連結される。
これにより、第二段目D2において、連結チェーン34は、各金網籠群B1,B2を連結し、各円筒金網群1,1,…を一体化する。
【0179】
〈チェーン挟持工程:第二段目D2〉
第二段目D2において、
図37に示すように、第一列R1の第一分割円筒金網籠31に第二分割円筒金網籠32を積載する。
第二分割円筒金網籠31は、第一段目D1と同様、第一分割円筒籠31に同心に配置される。
第二分割円筒金網籠31は、
図36(a)で説明したと同様、第一分割円筒金網籠31とで連結チェーン34及び各結束チェーン2の一部を挟持する。
これにより、第二段目D2において、連結チェーン34及び結束チェーン2,2の一部は、第二分割円筒金網籠32の重量、即ち、第二分割円筒金網籠32及び第二分割円筒金網籠32に充填した割栗石(中詰材)等の重量にて固定される。
第二段目D2の第一及び第二分割円筒金網籠31,32の重量は、第一段目D1の第二分割円筒金網籠32に作用し、第一段目D1の連結チェーン34及び各結束チェーン2,2の一部を固定するのに役立つ。
【0180】
〈盛土工程:第二段目D2〉
第二段目D2において、
図37に示すように、第一列R1の各金網籠群B1,B2の各円筒金網籠1,1,…背面、及び積載した各分割円筒金網籠31,32背面に盛土Nを施す。盛土Nは、第一段目D1の盛土Nに積載され、各円筒金網籠1,1,…及び積載した各分割円筒金網籠31,32の軸方向Gにて、上下金網蓋12,13に渡って配置される。
【0181】
〈金網籠据付工程:第三段目D3〉
図25乃至
図27において、複数の円筒金網籠1,1,…及び第一分割円筒金網籠31を第二段目D2の第一列R1の各円筒金網籠1,1,…及び第一分割円筒金網籠31に積載し、第三段目D3について第一列R1の各円筒金網籠1,1,…及び第一分割円筒金網籠31を構築する。
第三段目D3において、第一列R1の各円筒金網籠1,1,…及び第一分割円筒金網籠を第二段目D2と同方向において、隣接して第一列R1に配列する。
第三段目D3において、第一列R1の各円筒金網籠1,1,…及び第一分割円筒金網籠31は、第一段目D1と同様、第一列の配列数N1=5とする。第一列R1の各円筒金網籠1,1,…は、第一段目D1と同様、第一分割円筒金網籠31を基準とする第一列両端側に同数(2個)隣接して並設される。
第三段目D3において、第一列R1の各円筒金網籠1,1,…及び第一分割円筒金網籠31は、円筒金網体23,61円周を隣接して並設される。即ち、第三段目D3において、第一列R1の各円筒金網籠1,1,…及び第一分割円筒金網籠31は、円筒金網体23,62の軸心aを平行にして隣接される。
【0182】
図25及び
図27において、複数の円筒金網籠1,1,…を第二段目D2(一段下)の第二列R2の各円筒金網籠1,1,…に積載し、第三段目D3について第二列R2の各円筒金網籠1,1,…を構築する。
第三段目D3において、各円筒金網籠1,1,…を第二段目D2の第二列R2と同方向において、隣接して第二列R2に配列する。
第三段目D3において、第二列R2の各円筒金網籠1,1,…は、第一段目D1と同様、第二列の配列数N2=6とする。第二列R2の各円筒金網籠1,1,…は、円筒金網体23円周を隣接して並設される。即ち、第三段目D3において、第二列R2の各円筒金網籠1,1,…は、円筒金網体23の軸心aを平行にして隣接する。
【0183】
第三段目D3において、第一及び第二列R1,R2の各円筒金網籠1,1,…及び第一分割円筒金網籠31は、第一段目D1と同様、例えば隣接して千鳥配列される。
第三段目D3において、各列R1,R2の各円筒金網籠1,1,…及び第一分割円筒金網籠31は、第二段目D2の各円筒金網籠1,1,…及び第一分割円筒金網籠31に対し、背面側(盛土N側)にずらして配置される。
【0184】
〈チェーン巻回工程:第三段目D3〉
第三段目D3において、第一段目D1と同様、第一及び第二金網籠群B1,B2を複数の結束チェーン2,2にて隣接区画する(
図25乃至
図37、
図12及び
図15参照)。
第三段目D3において、第一段目D1と同様、各結束チェーン2,2を各金網籠群B1,B2外縁周に巻回する(
図25乃至
図27、
図12及び
図15参照)。
なお、各結束チェーン2,2の一部は、第一段目D1と同様、第一分割円筒金網籠31の上金網蓋12上に配置される(
図14参照)。
【0185】
〈金網籠緊縛工程:第三段目D3〉
第三段目D3において、
図11乃至
図15で説明したと同様、各金網籠群B1,B2外縁周に巻回した結束チェーン2,2両端側にチェーン締付具3,3を連結する。各チェーン締付具3,3を操作して、各結束チェーン2,2を締付け、各結束チェーン2,2にて各金網籠群B1,B2の各円筒金網籠1,1,…を緊縛(結束)する。
【0186】
〈チェーン連結工程:第三段目D3〉
第三段目D3において、第一段目D1と同様、第一分割円筒金網籠31の上金網蓋12上に連結チェーン34を配置する(
図12乃至
図14参照)。
第三段目D3において、連結チェーン34を第一及び第二金網籠群B1,B2外縁周に巻回した結束チューン2,2の夫々に連結する。連結チェーン34は、第一分割円筒金網籠31の上金網蓋12上の各結束チェーン2,2の一部に連結される。
これにより、第三段目D3において、連結チェーン34は、各金網籠群B1,B2を連結し、各円筒金網群1,1,…を一体化する。
【0187】
〈チェーン挟持工程:第二三段目D3〉
第三段目D3において、
図25乃至
図27に示すように、第一列R1の第一分割円筒金網籠31に第二分割円筒金網籠32を積載する。
第二分割円筒金網籠31は、第一段目D1と同様、第一分割円筒籠31に同心に配置される。
第二分割円筒金網籠31は、
図36(a)で説明したと同様、第一分割円筒金網籠31とで連結チェーン34及び各結束チェーン2の一部を挟持する。
これにより、第三段目D3において、連結チェーン34及び結束チェーン2,2の一部は、第二分割円筒金網籠32の重量、即ち、第二分割円筒金網籠32及び第二分割円筒金網籠32に充填した割栗石(中詰材)の重量にて固定される。
第三段目D3の第一及び第二分割円筒金網籠31,32の重量は、第二段目D2の第二分割円筒金網籠32に作用し、第一及び第二段目D1,D2の連結チェーン34及び各結束チェーン2,2の一部を固定するのに役立つ。
また、第三段目D3(最上段)において、第一分割円筒金網籠31に積載した第二分割円筒金網32は、
図27に示すように、各吊下げ金属線材25,15を円筒金網体63から上金網蓋12上方に配置する。このとき、最上段において、各吊下げ金網線材25,25を切断して除去し、又は上金網蓋12に向けて折曲げる。
【0188】
〈盛土工程:第三段目D3〉
第三段目D3において、
図25乃至
図27に示すように、第一列R1の各金網籠B1,B2の各円筒金網籠1,1,…背面及び積載した各分割円筒金網籠31,32の背面に盛土Nを施す。盛土Nは、第二段目D2の盛土Nに積載され、各円筒金網籠1,1,…及び積載した各分割円筒金網籠31,32の軸方向Gにおいて、上下金網蓋12,13に渡って施される。
【0189】
このように、法面構造工法Z2は、各段D1,D2,D3において、法面補強体X2(
図11乃至
図20参照)を構成し、各法面補強体X2(第一列R1の各円筒金網籠1,1,…及び積載した各分割円筒金網籠31,12)背面に盛土Nを施してなる。
これにより、法面構造工法Z2は、法面補強体X2を地盤M上に複数段積載し、法面構造X2を構築する。
【0190】
法面構造工法Z2において、
図21(a)で説明したと同様、法面構造の規模に応じて、各段D1〜Dにおいて、3以上の金網籠群B1,B2,…を連結する構成も採用できる。
法面構造工法Z2において、
図21(b)で説明したと同様、一の金網籠群A外縁周に複数本の結束チェーン2,2,…を巻回する構成も採用できる。