(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、ねじ部のねじ山の高さが高すぎる場合、ガスケットの自由度を奪う結果、スパークプラグが円滑に取り付けられないことがある。一方、ねじ山の高さが低すぎる場合、ガスケットが脱落する虞や、ガスケットがねじ山に引っかかったとしても、ガスケットが傾いた状態でスパークプラグに取り付けられる虞がある。また、スパークプラグのねじ山を形成する際に繊維状の金属片が発生し、その金属片がガスケットの上面や下面に噛みこまれることにより、スパークプラグとシリンダヘッドとのシール性が確保できない場合がある。このような課題は、スパークプラグに限らず、例えば、プラグやセンサにおける共通の課題である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することができる。
本発明の第1の形態は、
先端側から後端側へと延びた胴部と、
前記胴部の側壁に、前記先端側から前記後端側へと螺旋状に延びたねじ山と、
前記胴部の後端側に配置されるガスケットと、を備える金具であって、
最も後端側のねじ山を第1のねじ山とし、
前記第1のねじ山より1ねじピッチ分、先端側のねじ山を第2のねじ山とし、
前記ねじ山の中で前記第1のねじ山と前記第2のねじ山を除いた最もねじ山の高さが高いねじ山を第3のねじ山とすると、
前記第3のねじ山の高さに対して、
前記第1のねじ山の高さは75%以上であり、
前記第2のねじ山の高さは90%以上であり、
前記第1のねじ山の高さが、前記第3のねじ山の高さに対して94%以下であり、
前記第3のねじ山の高さが、前記第2のねじ山の高さより高く、前記第2のねじ山の高さが、前記第1のねじ山の高さより高い、金具である。また、本発明は、以下の形態としても実現できる。
【0007】
(1)本発明の一形態によれば、金具が提供される。金具は、先端側から後端側へと延びた胴部と、前記胴部の側壁に、前記先端側から前記後端側へと螺旋状に延びたねじ山と、前記胴部の後端側に配置されるガスケットと、を備える金具であって、最も後端側のねじ山を第1のねじ山とし、前記第1のねじ山より1ねじピッチ分、先端側のねじ山を第2のねじ山とし、前記ねじ山の中で前記第1のねじ山と前記第2のねじ山を除いた最もねじ山の高さが高いねじ山を第3のねじ山とすると;前記第3のねじ山の高さに対して、前記第1のねじ山の高さは75%以上であり、前記第2のねじ山の高さは90%以上である。この形態の金具によれば、金具が取り付けられる際に、ガスケットの傾きを抑制できる。
【0008】
(2)上記形態の金具において、前記第1のねじ山の高さが、前記第3のねじ山の高さに対して94%以下であるとしてもよい。この形態の金具によれば、第1のねじ山の高さが第3のねじ山の高さに対して100%の場合と比べて、第1のねじ山の高さが低いため、ガスケットの自由度が増す。このため、金具が取り付けられる際に、ガスケットを良好に回転させることができ、取り付け作業を円滑に遂行できる。
【0009】
(3)上記形態の金具において、前記第1のねじ山の高さが、前記第3のねじ山の高さに対して85%以上であるとしてもよい。この形態の金具によれば、金具が取り付けられる際のガスケットの傾きをより抑制できる。
【0010】
(4)上記形態の金具において、前記第1のねじ山の高さが、前記第3のねじ山の高さに対して85%以上87%以下であるとしてもよい。この形態の金具によれば、ねじ山を製造する際に発生する繊維状の金属片の発生を抑制できる。
【0011】
(5)本発明の他の形態によれば、スパークプラグが提供される。スパークプラグは、上記形態の金具を備える。この形態のスパークプラグによれば、スパークプラグが取り付けられる際のガスケットの傾きを抑制できる。
【0012】
(6)本発明の他の形態によれば、センサが提供される。センサは、上記形態の金具を備える。この形態のセンサによれば、センサが取り付けられる際のガスケットの傾きを抑制できる。
【0013】
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、金具の製造方法、金具が取り付けられる点火システム等の態様で実現することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
A.実施形態:
A−1.スパークプラグの構成:
図1は、スパークプラグ10の部分断面を示す説明図である。
図1には、スパークプラグ10の軸心である軸線CA1を境界として、紙面右側にスパークプラグ10の外観形状を図示し、紙面左側にスパークプラグ10の断面形状を図示した。なお、本図において、技術の理解を容易にするために、中心電極100と接地電極400は、断面形状ではなく外観形状で図示する。本実施形態の説明では、スパークプラグ10における
図1の紙面下側を「先端側」といい、
図1の紙面上側を「後端側」という。本実施形態における「主体金具300」が、課題を解決するための手段における「金具」に相当する。
【0016】
スパークプラグ10は、中心電極100と、絶縁体200と、主体金具300と、接地電極400とを備える。本実施形態では、スパークプラグ10の軸線CA1は、中心電極100、絶縁体200および主体金具300の各部材における軸心でもある。
【0017】
スパークプラグ10は、中心電極100と接地電極400との間に形成された間隙SGを先端側に有する。スパークプラグ10の間隙SGは、火花ギャップとも呼ばれる。スパークプラグ10は、間隙SGが形成された先端側を燃焼室920の内壁910から突出させた状態で内燃機関90に取り付け可能に構成されている。スパークプラグ10を内燃機関90に取り付けた状態で例えば2万〜3万ボルトの高電圧を中心電極100に印加した場合、間隙SGに火花放電が発生する。間隙SGに発生した火花放電は、燃焼室920における混合気に対する着火を実現する。
【0018】
図1には、相互に直交するXYZ軸を図示した。
図1のXYZ軸は、後述する他の図におけるXYZ軸に対応する。
【0019】
図1のXYZ軸のうち、Z軸は、軸線CA1に沿った軸である。Z軸に沿ったZ軸方向(軸線方向)のうち、+Z軸方向は、スパークプラグ10の後端側から先端側に向かう方向であり、−Z軸方向は、+Z軸方向の逆方向である。+Z軸方向は、中心電極100が絶縁体200と共に軸線CA1に沿って主体金具300の先端側から突出する方向である。
【0020】
図1のXYZ軸のうち、Y軸は、接地電極400が軸線CA1に向けて屈曲する方向に沿った軸である。Y軸に沿ったY軸方向のうち、−Y軸方向は、接地電極400が軸線CA1に向けて屈曲する方向であり、+Y軸方向は、−Y軸方向の逆方向である。
【0021】
図1のXYZ軸のうち、X軸は、Y軸およびZ軸に直交する軸である。X軸に沿ったX軸方向のうち、+X軸方向は、
図1の紙面奥から紙面手前に向かう方向であり、−X軸方向は、+X軸方向の逆方向である。
【0022】
スパークプラグ10の中心電極100は、導電性を有する部材である。中心電極100は、軸線CA1を中心に延びた棒状を成す。本実施形態では、中心電極100は、ニッケル(Ni)を主成分とするニッケル合金(例えば、インコネル(登録商標)600)から成る。中心電極100の外側面は、絶縁体200によって外部から電気的に絶縁される。中心電極100の先端側は、絶縁体200の先端側から突出する。中心電極100の後端側は、絶縁体200の後端側へと電気的に接続される。本実施形態では、中心電極100の後端側は、シール体160と、セラミック抵抗170と、シール体180と、端子金具190とを介して、絶縁体200の後端側へと電気的に接続される。
【0023】
スパークプラグ10の接地電極400は、導電性を有する部材である。接地電極400は、主体金具300から軸線CA1に対して平行に一旦延びた後に軸線CA1に向けて屈曲した形状を成す。接地電極400の基端部は、主体金具300に溶接されている。接地電極400の先端部は、中心電極100との間に間隙SGを形成する。本実施形態では、接地電極400は、ニッケル(Ni)を主成分とするニッケル合金(例えば、インコネル(登録商標)600又は601)から成る。
【0024】
スパークプラグ10の絶縁体200は、電気絶縁性を有する碍子である。絶縁体200は、軸線CA1を中心に延びた筒状を成す。本実施形態では、絶縁体200は、絶縁性セラミックス材料(例えば、アルミナ)を焼成することによって作製される。
【0025】
絶縁体200は、軸線CA1を中心に延びた貫通孔である軸孔290を有する。絶縁体200の軸孔290には、絶縁体200の先端側(+Z軸方向側)から突出させた状態で中心電極100が軸線CA1上に保持される。
【0026】
スパークプラグ10の主体金具300は、導電性を有する金属体である。主体金具300は、軸線CA1を中心に延びた筒状を成す。本実施形態では、主体金具300は、筒状に成形された低炭素鋼にニッケルめっきを施した部材である。他の実施形態では、主体金具300は、亜鉛めっきを施した部材であっても良いし、めっきを施していない部材(無めっき)であっても良く、更に、亜鉛めっきにクロメート処理を施した部材であってもよい。
【0027】
主体金具300は、中心電極100から電気的に絶縁された状態で絶縁体200の外側面に加締めによって固定される。主体金具300は、先端側から後端側へと延びた胴部320と、胴部320の側壁に、先端側から後端側へとらせん状に延びたねじ山330と、胴部320の後端側に配置されるガスケット500とを備える。さらに、主体金具300は、端面310と、鍔部340と、溝部350と、工具係合部360と、加締め蓋380とを備える。
【0028】
主体金具300の端面310は、主体金具300の先端側(+Z軸方向側)を構成する面である。本実施形態では、端面310は、X軸およびY軸に沿った平面であって、+Z軸方向を向いた平面である。本実施形態では、端面310は、中空円状の平面である。端面310には、接地電極400が溶接される。端面310の中央からは、中心電極100と共に絶縁体200が+Z軸方向に向けて突出する。
【0029】
主体金具300の鍔部340は、溝部350よりも外周方向に張り出した鍔状の部位である。スパークプラグ10を内燃機関90に取り付けた状態で、鍔部340と内燃機関90との間にはガスケット500が圧縮される。なお、鍔部340の先端側(+Z軸方向側)を構成する面を端面345とする。端面345は、ガスケット500と接する面である。
【0030】
ガスケット500は、ステンレス鋼又は低炭素鋼から形成された環状の部材である。ガスケット500は、スパークプラグ10を内燃機関に取り付けた状態における気密性を確保するために設けられている。
【0031】
主体金具300の溝部350は、加締めによって主体金具300を絶縁体200に固定する際に外周方向に膨出した円筒状の部位である。溝部350は、鍔部340と工具係合部360との間に位置する。
【0032】
主体金具300の工具係合部360は、溝部350よりも外周方向へ多角形状に張り出した鍔状の部位である。工具係合部360は、スパークプラグ10を内燃機関90に取り付けるための工具(図示しない)に係合する形状を成す。本実施形態では、工具係合部360の外形は、六角形状である。
【0033】
主体金具300の加締め蓋380は、主体金具300の後端側を絶縁体200に向けて屈曲した部位である。加締め蓋380は、加締めによって主体金具300を絶縁体200に固定する際に成形される。
【0034】
主体金具300の胴部320は、ねじ山が外側面に形成されている円筒状の部位である。本実施形態では、胴部320のねじ山330を内燃機関90のねじ孔930に螺合させることによって、スパークプラグ10を内燃機関90に取り付けることが可能である。本実施形態では、胴部320の呼び径は、M10である。他の実施形態では、胴部320の呼び径は、M10より小さくても良いし(例えば、M8)、M10より大きくても良い(例えば、M12、M14、M18)。ねじ山330は、転造が実行されることにより形成される。ねじ山の高さは、転造の際の時間や荷重、主体金具300の素材の硬さなどを調整することにより制御できる。
【0035】
図2は、ねじ山330を示す模式図である。紙面左側が工具係合部360側(後端側)であり、紙面右側が端面310側(先端側)である。最も後端側のねじ山を第1のねじ山332とし、第1のねじ山332より1ねじピッチp分、先端側のねじ山を第2のねじ山334とする。なお、第1のねじ山より後端側の突起部分を便宜的に第0のねじ山331と呼ぶ。ねじピッチとは、隣り合うねじ山同士の距離をいう。本実施形態において、胴部320の呼び径はM10であるため、1ねじピッチpは1mmである。なお、呼び径がM8である場合の1ねじピッチpは1mmであり、呼び径がM12やM14である場合の1ねじピッチpは1.25mmであり、呼び径がM18である場合の1ねじピッチpは1.5mmである。
【0036】
ねじ山の高さは、軸線CA1に垂直な方向における谷底から山頂までの距離とする。換言すると、ねじ山の高さは、ねじ外径からねじ谷径を引いたものの半分の値である。なお、ねじ谷径は一定である。
【0037】
ねじ山の高さは、鍔部340の端面345(
図1参照)である長さ寸法基準位置sから、1ねじピッチp+1mmの位置にねじ谷がくる位相の断面で評価される。
図2において、第1のねじ山332の高さは高さh1であり、第2のねじ山334の高さは高さh2である。
【0038】
ねじ山330の中で、第1のねじ山332と第2のねじ山334を除いた最もねじ山の高さが高いねじ山を第3のねじ山336とする。
図2のように、第3のねじ山336の山頂は、凹凸形状ではなく、頂点が一つに定まる。第3のねじ山336の高さは高さh3である。
【0039】
本発明者らは、第3のねじ山336の高さh3に対して、第1のねじ山332の高さh1が75%以上であり、第2のねじ山334の高さh2が90%以上である場合、主体金具300を内燃機関90のねじ孔930に螺合させた場合に、ガスケット500の傾きを抑制できることを発見した。つまり、第3のねじ山336の高さh3に対して、第1のねじ山332の高さh1が75%以上であり、かつ、第3のねじ山336の高さh3に対して、第2のねじ山334の高さh2が90%以上であるため、ガスケット500が傾いていない状態から、鍔部340の端面345と第2のねじ山334との間に存在するガスケット500が傾き始めたときに、第1のねじ山332及び第2のねじ山334の存在によって傾きが制限されるため、第2のねじ山334よりも先端側へ傾くことを抑制できる。
【0040】
また、第3のねじ山336の高さh3に対して、第1のねじ山332の高さh1が94%以下である場合、第1のねじ山332の高さh1が100%の場合と比べて、第1のねじ山332の高さh1が低いため、ガスケット500の自由度が増す。転造前において、転造によって第0のねじ山331になる部分と転造によって第1のねじ山332になる部分の間にある主体金具300の金属が、転造によって移動し、第0のねじ山331と第1のねじ山332を形成する。第1のねじ山332が適度な高さとなるため、言い換えれば、転造前において、転造によって第0のねじ山331になる部分と転造によって第1のねじ山332になる部分の間にある主体金具300の金属が第1のねじ山332が適度な高さとなる程度にしか存在しないため、第0のねじ山331も適度な高さとなる。つまり、第1のねじ山332の高さh1が適度な高さとなる結果、第0のねじ山331の厚み(
図2における紙面の横幅)が太くなりすぎず、ガスケットが適度に移動可能となるため、ガスケット500の自由度が増すと考えられる。このため、主体金具300を内燃機関90のねじ孔930に螺合させた場合に、ガスケット500を良好に回転させることができ、取り付け作業を円滑に遂行できることを発明者らは発見した。
【0041】
第3のねじ山336の高さh3に対して、第1のねじ山332の高さh1が85%以上である場合、主体金具300を内燃機関90のねじ孔930に螺合させた場合に、ガスケット500の傾きをより抑制できることを発明者らは発見した。
【0042】
また、第3のねじ山336の高さh3に対して、第1のねじ山332の高さh1が85%以上87%以下である場合、ねじ山を製造する際に発生する繊維状の金属片の発生を抑制できることを発明者らは発見した。なお、繊維状の金属片の発生メカニズムとして、転造時において、第0のねじ山331が生じる部分と第1のねじ山332が生じる部分との間に力がかかる結果、第0のねじ山331と第1のねじ山332が形成されるところ、この力に偏りがある場合に繊維状の金属片が発生すると考えられる。つまり、第3のねじ山336の高さh3に対して、第1のねじ山332の高さh1が85%以上87%以下に制御することにより、転造時の力の偏りが抑制される結果、繊維状の金属片の発生を抑制できると考えられる。その結果、主体金具300を内燃機関90のねじ孔930に螺合させた場合の気密性の低下を抑制できる。
【0043】
A−2.主体金具300の評価:
図3は、試作品におけるねじ山の高さとガスケット500の傾きなどとの関係を評価した結果を示す表である。(i)第1のねじ山332の高さh1(「第1山高さ」と図示)と、(ii)第2のねじ山334の高さh2(「第2山高さ」と図示)と、(iii)主体金具300が取り付けられた場合におけるガスケット500の傾き(「傾き」と図示)と、(iv)ガスケット500の自由度(「自由度」と図示)と、(v)金属片の発生(「金属片」と図示)との関係を
図3は示す。なお、第1のねじ山332の高さh1および第2のねじ山334の高さh2は、高さ別にクラス分けを行なった結果を示す。
【0044】
主体金具300が取り付けられた場合におけるガスケット500の傾きは、以下のように評価した。ガスケット500を主体金具300に取り付けた場合に、ガスケット500の一部が第2のねじ山334まで傾いた場合は「×」とし、ガスケット500の一部が第1のねじ山332まで傾いた場合は「○」とし、ガスケット500が傾かない場合は「◎」とした。ガスケット500の一部が傾いた場合、主体金具300が取り付けられた際に気密性を低下させる虞がある。このため、ガスケット500は傾かないほうが好ましい。
【0045】
主体金具300が取り付けられた場合におけるガスケット500の自由度は、10本の主体金具300を用いて、以下のように評価した。主体金具300を一本ずつ内燃機関90のねじ孔930に螺合させた際に、10本中の10本においてトルク変動が起こる場合を「×」とし、10本中の1本から9本においてトルク変動が起こる場合を「△」とし、10本中の10本においてトルク変動が起こらない場合を「○」とした。トルク変動が起こらないということは、ガスケット500を良好に回転させることができ、取り付け作業を円滑に遂行できることを意味する。
【0046】
金属片とは、ねじ山を製造する際に発生する繊維状の金属片を意味する。金属片の発生の項目の値は、金属片の長さ(mm)を示す。なお、試験数は1とした。この値が小さいほど、金属片の発生が抑制される。この結果、主体金具300を内燃機関90のねじ孔930に螺合させた場合の気密性低下を抑制できる。
【0047】
図4は、比較例としての従来品と、本発明の実施例としての試作品を示す図である。比較例は、
図3の一番上の結果aを示す図であり、実施例は、
図3における下から6番目の結果bを示す図である。
図4に示すとおり、第1のねじ山332の高さh1と第2のねじ山334の高さh2とに違いがあることがわかる。
【0048】
図3の結果から、以下のことがわかる。第1のねじ山332の高さh1が高いほど、ガスケット500の傾きが小さいことがわかる。一方、第1のねじ山332の高さh1が低いほど、ガスケット500の自由度が大きくなることがわかる。また、金属片の発生は、第3のねじ山336の高さh3に対して、第1のねじ山332の高さh1が、85%以上87%以下の場合に抑制できることがわかる。
【0049】
B.他の実施形態:
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部または全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部または全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【0050】
上述の実施形態において、金具として主体金具300の形態を説明した。しかし、本発明はこれに限られない。金具としては、例えば、センサの主体金具でもよく、螺子やボルトでもよい。なお、センサの主体金具としては、例えば、特開2014−52254号公報を参照できる。また、金具の胴部は、主体金具300のような中心に空洞がある円筒状でもよく、中心に空洞のない円柱上でもよい。