(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1幅(w1)が、前記下部分から前記上部分まで少なくとも30パーセント狭くなっており、前記第2幅(w2)が、前記下部分から前記上部分まで少なくとも30パーセント狭くなっており、前記第1ギャップ(G)を規定することを特徴とする請求項1に記載のブレードヒューズ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の開示は、ブレードヒューズ、より詳細には自動車用途で使用されるブレードヒューズに関する。自動車メーカーは、さらにより小さいパッケージにおいてさらに高い定格を有するヒューズを探索している。本明細書で記載されるヒューズは、これら必要性を取り組むことを試みる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一形態において、ブレードヒューズは、一対の端子部と、ヒューズ素子とを有する。端子部は、それらの内縁部において所定部分で狭くなっており、端子部がそうでなければなっていたであろうよりも端子部及び素子を組み合わせた全体幅が狭くなることを可能としながら、特定のヒューズ素子がその所望幅を維持することを可能とする。これは、全体的により狭いヒューズが提供されることを可能とし、空間を節約する。一形態において、ギャップは、端子部の内縁部間に形成されており、端子部のヒューズ取付部分の下縁部における端子部の全体幅の少なくとも50パーセントである。ギャップは、例えば端子部の内縁部の少なくとも35パーセントを切欠くことによって得られる。切欠部における端子部の他の部分は、筐体をヒューズの端子部分にかしめることを可能とするカシメ穴部を受け入れるまたは形成するのに十分に広い。
【0009】
端子部の切欠部分は、端子部の頂縁部まで延在してもよく、ヒューズ素子に取り付けるために必要な部分のみに切り欠かれてもよい。切欠部分は、端子部によって必要に応じて互いに並べられ、またはオフセットされてもよい。あるいは、切り欠かれた縁部は、ヒューズを通る中心線に対して対称であってもよく、対称でなくてもよい。さらに、端子部の外縁部は、必要に応じて、直線状であってもよく、または1以上の
張出部を有してもよい。
【0010】
本明細書で述べられる素子は、切欠部によって形成される広げられたギャップ内に適合するさまざまな形状を有する。形状は、U字状、S字状、V字状、蛇行状あるいは湾曲状であってもよい。また、素子は、例えば端子部に対して対角線上に配置された直線状であってもよい。
【0011】
端子部の取付部分すなわち下部分は、直線状である。一形態における下部分間のギャップに対する下端子部分の幅は、幅がギャップよりも大きいように構成されている。これは、端子部の内縁部から内側に向けて延在する突出部の追加によって達成または補助される。このような構造は、例えば筐体によって保護されている第2のヒューズが損傷する搬送中において端子部が第2のヒューズの筐体内に上向きに延在することを防止する。このような構造は、筐体の内側を保護しながら、ヒューズの筐体が端子部間で折り畳む底部のタブを有する必要がないことを可能とする。
【0012】
他の第1形態において、ヒューズは、3つの端子部を有し、中心の端子部は、共通またはバス端子部である。外側端子部は、それぞれ内側のバス端子部に別個のヒューズ素子を介して接続される。このため、ヒューズ全体は、2つのヒューズを形成する。3つの端子部の内縁部は、先と同様に、切り欠かれており、このような切欠部が形成されていない場合にもたらされるよりも全体的に狭いヒューズを形成しながら、素子が必要に応じて広く形成されるようになることを可能とする。また、3つの端子部のヒューズの端子部における下部分すなわち取付部分は、端子部間に形成されるギャップよりも大きい幅を有し、先と同様に1つのヒューズの端子部は、他のヒューズの端子部間にかつ2つのヒューズ素子を覆う他のヒューズの筐体内に延在しない。このような構造は、先と同様に、筐体がこの場合において2つの下側のタブであって3つの端子部間で上に曲がって下面または筐体を保護するタブを有さないことを可能とする。
【0013】
3つの端子部のヒューズにおけるヒューズ素子は、同様のまたは異なる形状及び定格を有してもよい。素子は、2つの端子部のヒューズについて本明細書で述べられた任意の形状を有してもよい。さらに、素子は、端子部の内縁部の上部分に形成された切欠部が位置合わせされ、ずらされ、連続的であり、非連続的であり上端部または端子部の表面を介して延在されまたは延在されないように構造化されてもよい。
【0014】
したがって、本開示の有利点は、改良されたブレードヒューズを提供することである。
【0015】
本開示の他の有利点は、狭められたブレードヒューズを提供することである。
【0016】
本開示のさらなる有利点は、複数素子、3段の端子部のヒューズであって2段の同様に分離したヒューズよりも全体的に狭い外形をもたらす複数素子を提供することである。
【0017】
さらに、本開示の有利点は、ヒューズの端子部の下部分を構造化し、望まずにヒューズが互いに押し込まれる場合において輸送中に下部分が他のヒューズの同様の下部分間に挿入されないことである。
【0018】
またさらに、本開示の有利点は、ヒューズの端子部間に折り曲げられた下部のフラップを必要としない筐体を有するブレードヒューズを提供することである。
【0019】
さらなる特徴及び有利点は、本明細書で説明され、以下の発明の詳細な説明及び図面から明確になる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
ここで、図面、特に
図1から
図11を参照すると、本開示におけるヒューズ10の一実施形態が示されている。ヒューズ10は、導電性または金属部分20と絶縁筐体50とを有する。導電性または金属部分20は、金属のような任意の適切な導電性金属で形成されている。さまざまな実施形態において、導電性部分20は、銅、アルミニウム、亜鉛、ニッケル、錫、金、銀及び任意の合金またはこれらの組合せで形成されている。別の実施形態において、導電性部分20またはそのセクションは、1以上の金属または導電性メッキを用いてメッキされている。さまざまな実施形態において、導電性部分20は、打ち抜かれて(切断されかつ形を整えられて)かつ圧印加工されて(薄く形成され)、ワイヤ放電加工(「EDM」)切断されかつ圧延され、レーザ切断されかつ圧延されまたは電気エッチングされている。
【0022】
絶縁筐体50は、任意の適切なプラスチックまたは非導電性金属で形成されている。例えば、筐体50は、任意の以下の材料、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、アクリル樹脂、ナイロン、フェノール樹脂、ポリサルフォン及び任意の組み合わせまたはこれらの誘導体で形成されうる。一実施形態における筐体50は、射出成形または押出成形されている。
【0023】
図1及び
図4に示すように、金属部分20は、一対の端子部22及び24を有する。端子部22及び24は、ヒューズ盤、例えば自動車のヒューズ盤から延在する一対の雌型の端子部(図示略)と適切に結合されるサイズ及び形状にされる。端子部22は、内縁部26a、外縁部28a、上縁部30a及び下縁部32aを有する。同様に、端子部24は、内縁部26b、外縁部28b、上縁部30b及び下縁部32bを有する。上縁部30a及び30bは、端子部22及び24を電気的に連結するヒューズ素子40の一体性を検出するユーザのためのプローブ点として機能する。
【0024】
上述のように、導電性部分20は、端子部22及び24を電気的に接続するヒューズ素子すなわちヒューズ連結部40を有する。ヒューズ素子すなわち連結部40は、反転した「U」または「V」字状の部分42であって「U」字の端部が端子部22及び24それぞれに導電性接触面44a及び44bを介して接続される部分42を有するように
図4、
図7及び
図8に示されている。
図9から
図11は、ヒューズ連結部40の部分42が蛇行状、「S」字状、「N」字状、直線状などのような所望の別の形状を有することを示している。
【0025】
図6において最もよく示されるように、素子40は、所望の電気開放特性を有するヒューズ10を製造するために必要に応じて、薄くされかつ/または形作られている。素子40は、一面または側面が圧印加工され、圧延されまたは別の方法で加工され、素子40は、
図6において最もよく示されているように、端子部22及び24の一面に近接して存在している。素子すなわち連結部40と端子部22及び24とは、別の実施形態において、共通の中央面を共有する。
【0026】
ヒューズ素子40は、端子部22及び24のように同一タイプまたは異なるタイプで形成されてもよい。ヒューズ素子40ひいてはヒューズ10は、それに応じて好ましいアンペア数で定格化される。例えば、自動車用途について、素子40及びヒューズ10は、短絡回路及び低い過電流の事象(例えばヒューズ定格の135%である事象)に対して1アンプから約80アンプまでの定格となりうる。自動車以外の用途について、ヒューズ10及び素子40は、所望に応じて異なるアンペア数の定格を有してもよい。
【0027】
端子部22は、上開口部34a及び下開口部36aを形成する。端子部24は、上開口部34b及び下開口部36bを形成する。開口部34a、34b、36a及び36bは、
カシメ用穴部であり、筐体50を本明細書に記載されるように導電性部分20にかしめることを可能とする。
【0028】
図1から
図3に示すように、図示された筐体50は、頂部52及び本体部54を有する。頂部52は、プローブ開口部56を形成する。筐体50の本体部54は、素子40と端子部22及び24の前面または後面の少なくとも一部とを覆う。
図2に示されるように、図示された実施形態における筐体50は、端子部22及び24の外縁部28a及び28bを覆う。あるいは、ヒューズの筐体50の表面がコールドまたはホットステーキング(cold or hot staking)によって導電性部分20に強固に取り付けられているため、筐体50は、端子部22及び24の外縁部28a及び28bを覆う必要がない。
【0029】
(両側の)本体部54は、外方に延在する突出部60を有するまたは形成する。各突出部60は、筐体50の側面において絶縁フランジ部分62a及び62bから外方に突出して延在している。フランジ部分62aは、端子部22の前面及び後面の外部分を覆う。同様に、フランジ部分62bは、端子部24の前面及び後面の外部分を覆う。フランジ部分62a及び62bは、それぞれカシメ領域64a、66a、64b及び66bを有する。これらカシメ領域は、一実施形態において、筐体の両側面に設けられている。領域64a、66a、64b及び66bは、コールドステーキングされている。あるいは、領域は、ホットステーキングのために筐体50の絶縁すなわちプラスチック材料を溶融または変形させるのに十分な温度まで加熱される。(コールドステーキングまたは加熱された)絶縁材料は、端子部22及び24それぞれの開口部34a、34b、36a及び36b内に向けて延在する。コールドまたはホットステーキングされた材料は、端子部分20及び筐体50の間の機械的な取り付けをもたらす。
【0030】
かしめは、筐体50及び導電性部分20を共に保持し、筐体50の頂部52に対する本体部54の表面における外方への回動を防止する傾向がある。図示のかしめは、各端子部22及び24について複数個所で行われる。また、かしめは、
端子部よりも薄く弱い素子40
がうっかり曲がることを防止する傾向があ
る。さらに、かしめは、端子部22及び24が互いに対して平行移動することと、端子部分20の幅広面(
図4)及び幅狭面(
図6)から垂直に延在する複数の軸回りで内側に向けてまたは外側に向けて回動することと、を防止する。
【0031】
図示のように、一実施形態において筐体50は、その底部において、本体部54の面間において本体部54にある底部の開口部にわたって延在するフラップを有していない。他のブレードヒューズに見られるこのようなタブの1つの重要な目的は、輸送中あるいはヒューズが共に漫然と配置されているときに、一のヒューズの端子部が他のヒューズの筐体内で引っ掛かることを防止することである。
図4に示されるように、端子部22及び24の幅w1及びw2それぞれは、(双方の端子部について同一であり、)端子部22及び24間のギャップ距離「g」よりも広い。これは、一のヒューズ10の端子部22及び24が他のヒューズの端子部間に任意の角度で押し込められることを防止する。すなわち、ヒューズ10に対して任意の角度における他のヒューズの同等の幅は、ギャップ距離「g」より広い。
【0032】
また、
図2、
図4、
図7及び
図8は、ヒューズ10の端子部分20が突出部72a及び72bを有することが示されており、突出部は、端子部22及び24の内縁部26a及び26bそれぞれから内側に向けて突出する。突出部72a及び72bは、筐体50に上向きに曲がって筐体の底部を閉鎖する上述したフラップを設けることを必要とせずに、一のヒューズ10の端子部22及び24が他のヒューズ10の筐体50内に押し込まれることを防止する。
【0033】
図4は、製造の中間段階におけるヒューズ10の金属部分20を示す。ここで、タブ74は、金属部分20のさまざまな部品が打ち抜かれてかつ圧印加工されながら(あるいは形成されながら)、端子部22を端子部24に接続して端子部22及び24を共に保持する。タブ74は、端子部22及び24がこのような処理工程中に曲げられまたは変形されることを防止する。タブ74は、最終的には、打ち抜かれ(あるいは取り外され)、
図1に示すように端子部22及び24を分離する。
図1及び
図4に示すように、端子部22及び24それぞれの外縁部28a及び28bは、それぞれ
張出部76a及び76bを有し、
張出部は、筐体50を金属部分20に位置付けることを容易にする。
【0034】
図1から
図11のヒューズ10は、それが従来使用されているヒューズの基準全体幅よりも小さい
図4に示すような基準全体幅wを有する端子部分20を有しているため、一態様において有利である。一実施形態において、基準全体幅wは、
図2に示されるように7.8mmであり、端子部22及び24それぞれの幅w1及びw2は、同一であって約2.8mmである。端子部22及び24間の小さいギャップ幅gは、約2.2mmである。出願人は、他の寸法が使用可能であるが、上記寸法が約5mmである端子部22及び24間の中心間距離をもたらし、出願人がこの寸法が特に自動車市場において望ましいと感じていることを指摘する。
【0035】
より狭いヒューズ10を提供しようとする試みにおける1つの制約は、より大きいギャップ幅Gとして
図4に示される素子40の幅が素子40の湾曲部分42のための十分な空間を残して必要な長さを有しかつ湾曲部分42の幅及び形成技術の制約によりもたらされる必要な曲げを形成することである。湾曲部分42の曲げは、素子が有するはずであるいかなる定格に対して素子40の全長が十分であるように形成される。したがって、ヒューズ10は、端子部22及び24にある切欠部46a及び46bそれぞれを有し、切欠部46a及び46bは、端子部の上部分を狭くする。
【0036】
図示のように、一例において、端子部は、底部における約2.8mmから頂部における約1.8mmまで狭められている。端子部が約35パーセント以上狭められて素子40についての所望のギャップ幅Gを形成しながら全体の幅を所望の狭い幅で維持することは、予想される。図示された場合において、端子部22及び24を2.8mmから1.8mmまで約35.7パーセント狭めることと、全体基準幅を7.8mmで維持することとは、約4.2mmの大きいギャップ幅Gをもたらし、この大きいギャップ幅Gは、
図4、
図7及び
図8に示すように異なる素子40をもたらすのに十分である。したがって、素子40についてのギャップ幅Gは、ヒューズ10の全体(基準)幅Wの少なくとも50パーセントであってもよい。図示の例において、端子部のギャップ幅Gは、全体基準幅Wの約54パーセントである。ギャップ幅Gは、必要に応じて全体幅Wのより大きい割合であってもよい。
【0037】
大きなギャップ幅Gがどのようにあるか制限する1つの制約は、端子部22及び24それぞれの上幅t1及びt2が
カシメ用穴部34a、34b、36a及び36bそれぞれを支持するのに十分大きいことが必要であることである。これら穴部は、レーザ切断、ワイヤEDM、パンチ、打ち抜きあるいは機械加工されており、穴部の外径の回りに十分な量の材料を必要とし、端子部22及び24の上部分は、
カシメ用穴部34a、34b、36a及び36bの形成及びそのカシメ処理において、曲がらず、破れずあるいは変形しない。なお、一実施形態において、端子部22及び24それぞれの上部分の厚さは、ヒューズ素子40よりも厚い。
【0038】
図7及び
図8は、
図4と関連して示されるギャップ幅G内に形成される素子40の異なる例を示している。
図7及び
図8における各素子40は、取付部分44a及び44bを有し、取付部分44a及び44bは、互いに少なくともほぼ一直線上になっている。したがって、切欠部46a及び46bは、同様に互いに一直線上になっている。
図1から
図8に示す実施形態において、切欠部46a及び46bは、切欠部の底部から端子部22及び24それぞれの頂部30a及び30bまで直線状である。しかしながら、切欠部が以下で詳細に示されるように直線状である必要がないことは、理解すべきである。
【0039】
図7において、素子40は、きつく曲がったU字状部分42を有し、U字の脚部は、ほぼ垂直、ほぼ平行であるがU字状部分42の頂部における曲げは、実際には100度よりもわずかに大きい。接続部分44a及び44bは、丸められており、薄い湾曲部分42よりも強固に形成されている。素子40の幅は、約0.5mmである。
図7における素子40は、約5アンペアの定格を有する。
【0040】
図8は、よりV字状である素子40を示しており、素子40は、
図7の素子よりも幅広である。例えば、素子は、1mm幅である。
図8の素子40は、約30アンペアの定格を有する。したがって、約4.2mmのギャップ幅Gは、あらゆる種類のヒューズ素子の定格に対して十分な余地を形成する。
【0041】
図10は、別の切欠部46a及び46bを示しており、切欠部46a及び46bは、直角よりはむしろ傾斜した切欠部を有する。さらに、端子部22の接続部分44aは、端子部24の接続部分44bの上方に位置しており、接続部分及び関連する切欠部は、互いに一直線上となるまたは対称となる必要がないことが示されている。
図10の端子部24は、切欠部46bが端子部の頂部30bまでずっとは延在していないことを示している。
【0042】
図11は、一実施形態における素子40が直線状であることを示している。ここで、必要な長さを実現するため、素子40は、上側の接続部分44aから下側の接続部分44bまで対角線上に配置されている。切欠部46は、端子部24の頂部30bまでずっとは延在していない。
図10及び
図11双方において、切欠部46aは、切欠部46bよりも上の点(elevation point)で開始している。
【0043】
図9は、
図4、
図7及び
図8の素子と同様の逆U字状の素子40を示している。しかしながら、ここで、
図10及び
図11に示すように、切欠部46aは、切欠部46bよりも上方に位置している。接続部分44aは、上方に位置しており、接続部分44bと一直線上になっていない。さらに、切欠部46bは、端子部24の頂部30bまでは延在してない。
【0044】
次に、
図12から
図18を参照すると、ヒューズ110は、本開示における狭められたヒューズの他の実施形態を示している。ヒューズ110は、上述したヒューズ10のような複数の同一部材を有する。ヒューズ110は、金属部分120及び筐体150を有する。金属部分20及び筐体50について上述した任意の金属は、二重の素子140a及び140bを含むヒューズ110の金属部分120及び筐体150に同様に適用される。
【0045】
図示のように、ヒューズ110は、2つの外側端子部122及び124と中間端子部148とを有する。外側端子部122は、外縁部128a、内縁部126a、上縁部130a及び底縁部132aを有する。外側端子部124は、同様に、内縁部126b、外縁部128b、上縁部130b及び底縁部132bを有する。中間端子部148は、2つの内縁部126c及び126dと、上縁部130cと、底縁部132cとを有する。
【0046】
第1の外側端子部122及び中間端子部148は、第1のヒューズ素子140aを介して電気的に接続されている。中間端子部148及び第2の外側端子部124は、第2のヒューズ素子140bを介して電気的に接続されている。
図12において、端子部122、124及び148それぞれは、
カシメ用穴部134a、134b、136a、136b、138a及び138bを有するまたは形成する。
カシメ用穴部それぞれは、ヒューズ10のカシメ作業について上述したように、筐体150のカシメ部分164a、164b、166a、166b、168a及び168bを収容する。
【0047】
図13から
図15は、筐体150の若干別の実施形態を示している。ここで、筐体150における単一のカシメ部分164、166及び168は、各端子部に形成されている。
図16から
図18に示すように、各端子部は、単一の
カシメ用穴部134、136及び138を有する。
カシメ用穴部の周囲の金属部分は、カシメ穴部を考慮に入れて強化されている。素子140a及び140bは、
カシメ用穴部134、136及び138の上方に位置する。
【0048】
各実施形態において、筐体150は、頂部152及び本体部154を有する。図示の実施形態において、本体部154は、部分120の頂部において導電性部分120を完全に閉塞しており、導電性部分120の頂部において端子部122及び124の外縁部128a及び128bを露出しない。ヒューズ110が、あるいは端子部122及び124の外縁部128a及び128bを露出してもよいことは理解すべきである。本体部154は、本体部54と同様に底部において開口している。これは、端子部122、148及び124それぞれのギャップg1及びg2が端子部122、124及び148それぞれの幅w1、w2及びw3よりも小さいためである。このため、端子部122、124及び148は、搬送中においてギャップg1及びg2内に押し込まれない。
【0049】
また、中間端子部148は、突出部172a及び172bを有し、突出部172a及び172bは、他のヒューズの端子部が筐体150の本体部154の内側に詰め込まれることを、筐体がこのような詰め込みを防止するために端子部間に上向きに曲げられた2段のタブを有する必要なく、さらに防止する。また、
図16は、製造の中間段階における金属部分120を示しており、金属部分120は、端子部122、148及び124の間それぞれにタブ174a及び174bを有する。タブ174a及び174bは、機械加工安定性のために設けられており、ついには
図13に示すように取り除かれて分離した端子部122、148及び124を露出する。
【0050】
図13、
図16及び
図18の実施形態において示されるように、筐体150の導電性部分120へのかしめは、素子140a及び140bの下方で行われる。ここで、端子部122、124及び148の中間部分には、
カシメ用穴部が形成されている。この構造は、
図15に示すように幅t1、t2及びt3を有する端子部の上部分が、これら部分が
カシメ用穴部を支持する必要がないため、必要に応じて狭くなることを可能とする。あるいはまたはさらに、1以上の
カシメ用穴部は、端子部122、124及び/または148の頂部の近傍に形成されている。筐体150の導電性部分120へのかしめは、ヒューズ10について上述した利点それぞれをもたらす。
【0051】
また、幅t2は、t1及びt3と比較して太くされており、中央の端子部148の上部分は、ヒューズについての共通バスとして機能する。一実施形態において、素子140a及び140bの湾曲部分142a及び142bの中央は、端子部122、148及び124の底部の中心線の間の中央に揃えられていない。すなわち、端子部122及び148と148及び124との中心が5mm間隔をあけられている場合、湾曲部分142a及び142bの中心は、端子部122及び148と148及び124との中心間で2.5mm間隔をあけられていない。それどころか、湾曲部分142a及び142bの中心は、例えば外方に移動されており、中央の太さt2を太くすることの原因となっている。
【0052】
図12及び
図15は、筐体150が3つのプローブ開口部156、158及び160を形成し、端子部それぞれの上縁部130a、130b及び130cそれぞれがアクセスされてこの場合において2つの分離したヒューズの一体性を測定することを示している。図示の実施形態において、中間端子部148は、外側端子部122及び124双方についての共通バスである。このため、素子140aの一体性を試験するため、操作者は、縁部130a及び130cを試験する。同様に、素子140cの一体性を試験するため、操作者は、プローブ点130b及び130cを試験する。中間端子部148を2つのヒューズ間の共通の端子部またはバス端子部とすることは、素子140a及び140bが端子部122及び148の間と端子部148及び124の間とのそれぞれに配置されることを可能とし、導電性部分120によって費やされる全体の空間は、最小化される。
【0053】
ヒューズ10は、実際には、2つの独立して動作するヒューズを形成する。ヒューズ全体の導電性幅は、ヒューズ10について上述した同一の開口部を介して狭められる。特に、(縁部126aから126dをまとめて称される)内縁部126に沿って設けられた端子部122、124及び148の上部分は、切欠部146a、146b、146c及び146dそれぞれにおいて切り欠かれている。このような切欠部は、素子140a及び140bが必要に応じて大きさに合わせて作られることを可能とする一方、全体(基準)幅Wは、このような切欠部が形成されていない場合に幅Wがどの程度でなければならないかに対して狭められることを可能とする。さらに、素子140a及び140bは、
図10に関連して示される任意の構造を有してもよい。また、ヒューズ10についての対応する接続点及び切欠部について上述した(取付部分144aから144dをまとめて称される)取付部分144と(切欠部146aから146dをまとめて称される)切欠部146とについての任意の別の実施形態は、ヒューズ110について適用される。
【0054】
また、実施形態におけるヒューズ110は、5mmの中心間距離を有する端子部122、124及び148を形成する。すなわち、一実施において、端子部122及び端子部148間の中心間距離は、5mmであり、端子部148及び端子部124間の中心間距離は、同様に5mmである。一実施形態において、基準全体幅Wは、12.8mmである。端子部の幅w1、w2及びw3それぞれは、同一であり、2.8mmである。端子部のギャップg1及びg2は、同一であり、それぞれ一実施において2.2mmである。外側端子部122及び124の外面128a及び128bは、
図12及び
図16に示すように、それぞれ張出部176a及び176bそれぞれを示しており、張出部176a及び176bは、筐体150を金属部分120に位置付けることに役立つ。
【0055】
実施形態において、幅t1及びt2は、同一である。幅t3は、上述のように太く、大きさに合わせて作られており、素子のギャップGそれぞれがヒューズ110全体に含まれるヒューズの対の双方について約4.2mmであることを可能とする。あるいは、素子140aについてのギャップGは、素子140bについてのギャップGと異なる。
【0056】
本明細書で述べられた任意の実施形態において、金属部分20または120は、亜鉛のような金属原料から始まる。そして、原料は、例えば銅またはニッケルそして銀または錫でメッキされる。金属部分20または120の素子領域(40、140)は、削りだされ、例えば素子領域(40、140)における亜鉛のような裸のベース金属及びメッキされた端子部を残しながら、例えば銅/銀の被覆、銅/錫の被覆、ニッケル/銀の被覆またはニッケル/錫の被覆を除去して不要な被覆を除去する。そして、金属部分20または120は、例えば圧印加工(薄肉化)かつ打抜(金属除去)工程の繰返しを介して本明細書で述べられたように形成される。
【0057】
本明細書で述べられた現在好ましい実施形態へのさまざまな変更及び改良が当業者にとって明白であることは、理解すべきである。このような変更及び改良は、本主題の精神及び範囲から逸脱することなくかつその意図された有利点を損なうことなくなされる。そのため、このような変更及び改良が添付の特許請求の範囲によって保護されていることを目的とする。