特許第6203689号(P6203689)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6203689
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】自動直管化装置
(51)【国際特許分類】
   B21D 3/10 20060101AFI20170914BHJP
【FI】
   B21D3/10 A
   B21D3/10 E
   B21D3/10 J
【請求項の数】19
【外国語出願】
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-170102(P2014-170102)
(22)【出願日】2014年8月25日
(65)【公開番号】特開2015-51460(P2015-51460A)
(43)【公開日】2015年3月19日
【審査請求日】2016年5月25日
(31)【優先権主張番号】14/019,975
(32)【優先日】2013年9月6日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】100086380
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 稔
(74)【代理人】
【識別番号】100103078
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100130650
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 泰光
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100161274
【弁理士】
【氏名又は名称】土居 史明
(74)【代理人】
【識別番号】100168044
【弁理士】
【氏名又は名称】小淵 景太
(74)【代理人】
【識別番号】100168099
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 伸太郎
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン ピー・ヒル
(72)【発明者】
【氏名】ロナルド ロバート ラーモ
(72)【発明者】
【氏名】アルバート エル・ハメットナー
【審査官】 石川 健一
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭61−255720(JP,A)
【文献】 実開昭57−160817(JP,U)
【文献】 特開2003−260514(JP,A)
【文献】 特開昭59−056923(JP,A)
【文献】 特開昭52−073164(JP,A)
【文献】 特開平01−278915(JP,A)
【文献】 特開2004−322185(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21D 3/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャフトを収容できる寸法とされた間隙を有するフレームと、間隙に隣接してフレーム
に設けられた2つの保持ユニットと、を備えてなり、
保持ユニットは、当該保持ユニットから伸長可能で且つ当該保持ユニットに向かって収縮可能なロッドを有し、当該ロッドは、保持ユニットから間隙内に伸長することにより、間隙に配置されたシャフトに係合し、ロッドが係合する部分でシャフトを支持することができるように構成されており、
間隙に隣接してフレームに設けられた近接センサをさらに備え、近接センサは、間隙に配置され且つ前記2つの保持ユニットのロッドによって支持されたシャフトまでの当該近接センサからの距離を検知し、検知距離を示す信号を出力するように構成されており、
フレームにおける間隙を隔てて2つの保持ユニットの反対側に設けられた2つのアクチュエータユニットをさらに備え、アクチュエータユニットは、2つのアクチュエータユニットのいずれか1つから伸長可能で且つ当該アクチュエータユニットに向かって収縮可能なラムを有し、ラムは、2つのアクチュエータユニットのいずれか1つから間隙内に伸長することにより、間隙に配置され且つ2つの保持ユニットのロッドによって支持されたシャフトに係合することができるように構成されており、ラムは、さらに、シャフトを間隙内で所定距離移動させて前記シャフトを曲げるように構成されており、近接センサは、ラムによって間隙内で前記シャフトが移動させられた距離を検知し、
アクチュエータユニットにおける互いに隣接するラムは、互いに異なる軸長を有する、シャフト直管化装置。
【請求項2】
つの保持ユニットは、フレームにおける間隙を隔ててアクチュエータユニットのいずれか1つの反対側に位置しており、
アクチュエータユニットのいずれか1つは、フレームのこれらの2つの保持ユニットの間に位置している、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
近接センサは、フレーム上のアクチュエータユニットに隣接した位置で、且つ、間隙を
隔てて2つの保持ユニットの反対側に位置している、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
間隙に隣接してフレームに設けられた回転ユニットをさらに備え、回転ユニットは、間
隙に配置されたャフトを回転させるように構成されている、請求項1〜3のいずれか1つに記載の装置。
【請求項5】
保持ユニットはシリンダを有し、ロッドは、シリンダから伸長可能で且つシリンダ内に
収縮可能である、請求項1〜4のいずれか1つに記載の装置。
【請求項6】
アクチュエータユニットのいずれか1つはシリンダを有し、ラムは、シリンダから伸長可能で且つシリ
ンダ内に収縮可能である、請求項1〜5のいずれか1つに記載の装置。
【請求項7】
近接センサと通信することにより近接センサからの信号出力を受信するように構成され
たコントローラと、コントローラと通信可能に接続されたディスプレイ画面とをさらに備
え、
ディスプレイ画面は、近接センサが検知した距離を視覚的に表示するように構成され
ている、請求項1〜6のいずれか1つに記載の装置。
【請求項8】
2つの保持ユニットは、フレームにおける間隙の第1方側に並んで配置された3以上の同様の保持ユニットのつであり、
アクチュエータユニットは、フレームにおける間隙の第1方側とは反対の第2方側に並んで配置された複数の同様のアクチュエータユニットの1つである、請求項1〜7のいずれか1つに記載の装置。
【請求項9】
近接センサは、フレームにおける間隙の第2方側に並んで配置された複数の同様の近接
センサの1つである、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
シャフトを収容できる寸法とされた間隙を有するフレームと、間隙に隣接してフレーム
に設けられた複数の保持ユニットと、を備えてなり、
各保持ユニットは、端面を有するロッドを備えており、ロッドは、ロッド端面が間隙内に移動することにより間隙に配置されたシャフトに係合し、且つ、ロッド端面でシャフトを支持するロッド伸長位置と、ロッド端面が間隙外に移動するロッド収縮位置との間で、当該ロッドの軸方向に往復移動可能であり、
フレームにおける間隙を隔てて複数の保持ユニットの反対側に設けられた複数のアクチュエータユニットをさらに備え、各アクチュエータユニットは、端面を有するラムを備えており、ラムは、ラム端面が、間隙内に移動することにより、間隙内でロッド端面によって支持されているシャフトに係合し、当該シャフトを曲げ、間隙内でシャフトを所定距離移動させるラム伸長位置と、ラム端面がシャフトとの係合が外れて間隙外に移動するラム収縮位置との間で当該ラムの軸方向に往復移動可能であり、
間隙に隣接してフレームに設けられた複数の近接センサをさらに備え、各近接センサは、複数のアクチュエータユニットのラム端面の1つであって、間隙内に移動しシャフトに係合してシャフトを曲げるラム端面によって、間隙内でシャフトが移動させられた距離を検知するように構成されており、
アクチュエータユニットにおける互いに隣接するラムは、互いに異なる軸長を有する、シャフト直管化装置。
【請求項11】
複数の近接センサは、各近接センサが複数のアクチュエータユニットの1つに隣接した
状態で、フレームに配置されている、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
間隙に隣接してフレームに設けられた回転ユニットをさらに備え、回転ユニットは、間
隙に配置されたシャフトに連結可能であり、回転ユニットは間隙内でシャフトを回転させ
るように構成されている、請求項10又は11に記載の装置。
【請求項13】
複数の保持ユニットは同一平面内に並んで配置されており、複数のアクチュエータユニ
ットは同一平面内に並んで配置されている、請求項10〜12のいずれか1つに記載の装
置。
【請求項14】
各ロッドの軸線はラムの軸線と同軸状である、請求項10〜13のいずれか1つに記載
の装置。
【請求項15】
複数の保持ユニットのロッドの軸線は、互いに平行であり、同一平面内にある、請求項
10〜14のいずれか1つに記載の装置。
【請求項16】
複数のアクチュエータユニットのラムの軸線は、互いに平行であり、同一平面内にある
、請求項10〜15のいずれか1つに記載の装置。
【請求項17】
複数の近接センサと通信することにより各近接センサからの信号出力を受信するように
構成されたコントローラと、コントローラと通信可能に接続されたディスプレイ画面とを
さらに備え、
ディスプレイ画面は、複数の近接センサが検知した距離を視覚的に表示するように構成されている、請求項10〜16のいずれか1つに記載の装置。
【請求項18】
フレームと、フレームに設けられた複数の保持ユニットと、を備えてなり、
各保持ユニットは、端面を有するロッドを備えており、ロッドは、ロッド端面が当該端面でシャフトを支持するように配置されるロッド伸長位置と、ロッド収縮位置との間で、当該ロッドの軸方向に往復移動可能であり、
フレームに設けられた複数のアクチュエータユニットをさらに備え、各アクチュエータユニットは、ロッド端面に対向する端面を有するラムを備えており、ラムは、ラム端面が、移動することにより、ロッド端面によって支持されているシャフトに係合し、当該シャフトを曲げ、シャフトを所定距離移動させるラム伸長位置と、ラム端面がシャフトとの係合から外れるラム収縮位置との間で当該ラムの軸方向に往復移動可能であり、
フレームに設けられた回転ユニットをさらに備え、回転ユニットは、ロッド端面で支持されたシャフトに連結可能であり、回転ユニットはシャフトを回転させるように構成されており、
アクチュエータユニットにおける互いに隣接するラムは、互いに異なる軸長を有する、シャフト直管化装置。
【請求項19】
シャフトを直管化する方法であって、
シャフトを収容できる寸法となるようにフレームに設けられた間隙にシャフトを配置し、
フレーム間隙に隣接してフレームに設けられた第1の保持ユニットの伸長・収縮可能な第1のロッドを第1の保持ユニットから伸長させ、
第1のロッドがフレーム間隙内のシャフトに係合するまで第1のロッドをフレーム間隙内に伸長させ、
フレーム間隙内に伸長しシャフトに係合した第1のロッドで、シャフトをフレーム間隙内で支持し、
フレーム間隙に隣接して前記フレームに設けられた第2の保持ユニットの伸長・収縮可能な第2のロッドを第2の保持ユニットから伸長させ、
第2のロッドがフレーム間隙内の前記シャフトに係合するまで第2のロッドをフレーム間隙内に伸長させ、
フレーム間隙内に伸長しシャフトに係合した第2のロッドで、シャフトをフレーム間隙内で支持し、
フレーム間隙に隣接してフレームに設けられた近接センサを作動させ、
近接センサを作動させることにより、フレーム間隙内に伸長された第1および第2のロッドに支持されたシャフトまでの近接センサからの距離を検知して、検知距離を表す信号を近接センサから出力し、
フレームにおけるフレーム間隙を隔てて第1および第2の保持ユニットの反対側に設けられたアクチュエータユニットの伸長・収縮可能なラムをアクチュエータユニットの各々から伸長させ、
ラムがフレーム間隙内のシャフトを支持する第1のロッドと第2のロッドとの間で、シャフトに係合するまでラムをアクチュエータユニットのいずれか1つからフレーム間隙内に伸長させ、
ラムをフレーム間隙内に伸長し続け、ラムを伸長し続けることによって、シャフトを曲げ、フレーム間隙内でシャフトを所定距離変位させ、
近接センサを作動させることにより、伸長されたラムによってフレーム間隙内でシャフトが変位させられた距離を検知する、ことを含み、
アクチュエータユニットにおける互いに隣接するラムは、互いに異なる軸長を有する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、シャフト直管化又は管状体直管化装置に関し、当該装置は、金属管状体の直線形状を正確に測定し、当該管状体の長軸に沿う理想的な中心線に対する管状体形状の大小さまざまなずれを修正するものである。より詳細には、本開示は、装置内に配置された金属管状体の直線形状を正確に測定するように構成された自動直管化装置に関する。装置内で管状体を回転させることによって、当該管状体形状における一対の低い点と1つの高い点とを特定する。装置内において管状体をこの一対の低い点で支持し、高い点を管状体の金属の降伏点を超えて変位させることにより、管状体を永久的に曲げて管状体の形状を修正する。
【背景技術】
【0002】
直径が1〜31/2インチ(2.5〜8.9cm)、長さが29〜169インチ(0.74〜4.29メートル)のアルミニウムやステンレス鋼のシャフト及び/又は管状体は、しばしば熱処理され、このため1つまたは複数の面内で変形することがある。このような管状体の変形には、管状体の長軸に沿った単純な湾曲から、管状体の長軸が複雑にねじれるものまで、様々なものがある。変形の範囲は、管状体の全長のうち4インチ(10.1cm)のものから、全長にわたるものまである。1つの管状体で多数の変形が起こる場合もある。
【0003】
管状体の変形または「ずれ(run out)」の修正は、現在のところ、ダイヤルゲージ、ハンドプレス、及び、管状体を支持するための2つの支持具を用いて、手作業で行われており、これらの支持具を、必要に応じて管状体の長手方向に移動させている。修正を行う際は、まず管状体の長手形状を分析し、どの箇所で修正が必要かを判断する。次に、これを考慮して管状体を支持具に載置し、ハンドプレスのラムを用いて管状体を変位させ、管状体のずれを減らし管状体を直管化する。ハンドプレスのオペレータは、まず、プレスのラムを管状体の高い点に位置合わせし、次に、ラムの力を取り除いた後の管状体のスプリングバックを予測した上で、ラムを所定の距離伸長させることによって管状体を変位させ、当該高い点における測定されたずれを修正する。許容し得るずれ量は、管状体の全長にわたって、1インチの5/1000(0.127mm)である。このような、手作業による管状体の変形の修正は、労力を要し、直管化の経験を積んだオペレータを必要とする。この作業は、ドライブシャフトやアクチュエータのロッド用の管状体の製造を行う航空宇宙産業において、大きな障害の1つである。
【発明の概要】
【0004】
本発明のシャフト又は管状体直管化装置は、オペレータ制御による又は完全に自動化されたシステムを提供するものであり、当該システムは、手作業による管状体の直管化をシミュレートしたものである。
【0005】
当該装置は、装置を直立姿勢に支持するフレームを備える。当該フレームは、中央に間隙が設けられており、この間隙は、当該装置による直管化作業の対象であるシャフト又は管状体を収容できる寸法とされている。
【0006】
フレームには、複数の保持シリンダ又は保持ユニットが支持されている。これらの保持ユニットは、間隙の下方に並んでフレームに配置されている。各保持ユニットは、端面を有するロッドを備えており、このロッド端面は、当該端面が係合する管状体の一部を保持するための保持具として構成されている。各ロッドは、保持ユニットから伸長した位置と、保持ユニットに対して収縮した位置との間で、ロッドの軸方向に往復移動可能である。ロッド伸長位置では、ロッド端面はフレーム間隙内に移動しており、間隙に配置されている管状体と係合し、当該ロッド端面で管状体を支持する。
【0007】
当該装置は、さらに、フレームに支持された複数のアクチュエータラムシリンダ又はアクチュエータユニットを備える。これらのアクチュエータユニットは、フレームにおける間隙を隔てて複数の保持ユニットの反対側に、並んで配置されている。各アクチュエータユニットは、ラムを有しており、当該ラムは、アクチュエータユニットから伸長した位置と、アクチュエータユニット対して収縮した位置との間で、軸方向に往復移動可能である。各ラムは、フレーム間隙に配置された管状体の一部に係合し当該部分に力を付与するように構成された端面を有する。ラム伸長位置では、ラムの端面はフレーム間隙内に移動しており、間隙内に伸長した少なくとも2つの保持ユニットのロッド端面で支持されている管状体に係合する。このように、伸長されたラムの端面が、フレーム間隙に支持された管状体に係合することによって、管状体が曲げられる。管状体を曲げる際、ラム端面は、管状体の曲げられつつある部分を間隙内で所定距離変位させる。
【0008】
フレームには、複数の近接センサも支持されている。これらの近接センサは、フレーム間隙を隔てて複数の保持ユニットの反対側に、複数のアクチュエータユニットに隣接して並んで配置されている。各近接センサは、管状体が当該管状体に係合するアクチュエータユニットのラムによって曲げられる際に、管状体がフレーム間隙内で変位した距離を検知するように構成されている。
【0009】
当該装置は、さらに、フレームに支持された回転ユニットを有する。回転ユニットは、フレーム間隙に隣接して、複数の保持ユニットと複数のアクチュエータユニットとの間に設けられている。回転ユニットは、フレーム間隙に配置された管状体に連結可能であり、間隙内で管状体を回転させるように構成されている。
【0010】
当該装置は、さらにコントローラを備え、このコントローラは、複数の保持ユニット、複数のアクチュエータユニット、複数の近接センサ、回転ユニットと通信する。当該コントローラは、当該コントローラと通信するオペレータ画面又はディスプレイ画面を備える。ディスプレイ画面は、各近接センサが検知した距離を視覚的に表示するように構成されており、ここでの距離とは、フレーム間隙内の管状体の当該近接センサが対向する部分までの距離である。
【0011】
装置を操作する際は、まず、当該装置による直管化作業の対象である管状体を、フレーム間隙に配置する。次に、複数の保持ユニットのロッドを、保持ユニットの精密ハードストップ(precision hard stops)まで伸長させる。精密ハードストップは、ロッドの伸長位置を制御するものである。これによって、管状体が、ロッド端面で支持される。回転ユニットを管状体の端部に連結し、管状体がフレーム間隙内で回転しないように保持する。複数の近接センサを作動させて、近接センサに対向する管状体の面に倣わせる(float)。各近接センサは、この管状体の面からの距離を検知し、近接センサがコントローラに送ったデータ信号から、一平面内における管状体の形状が判定される。近接センサのデータは、ディスプレイ画面に表示される。表示されたデータに基づいて、管状体の形状における最大誤差が検出されるまで、管状体を回転させる。管状体形状の所望の修正を行えるように、管状体形状の2つの低い点で管状体を支持するのに最適な保持ユニットを特定する。選択した2つの支持ロッドの間にある他の保持ユニットのロッドは、すべて収縮させて、これらの2つの支持ロッドの間で管状体の変位を行えるようにする。
【0012】
ディスプレイ画面のセンサデータ表示から、管状体形状における1つの高い点も特定することができる。そして、この高い点に位置するアクチュエータユニットのラムを伸長させ、この管状体の高い点に当該ラムを係合させる。当該ラム端面が管状体の高い点に係合することによって、管状体が曲がり始め、管状体が間隙内で所定距離移動させられる。ラム端面が管状体を曲げる際に管状体が間隙内で移動した距離は、この伸長されたラムのアクチュエータユニットに関連付けられた近接センサによって検知される。アクチュエータユニットからのラムの伸長量は、管状体形状のずれ量に基づいて、管状体の高い点の部分を曲げてフレーム間隙内で当該部分を所定距離移動させるように制御される。管状体の曲げ量は、コントローラが、近接センサのデータを用いて観測する。管状体が所望の距離変位すると、アクチュエータユニットのラムを収縮させる。こうして得られた管状体の形状を、複数の近接センサ及びコントローラによって評価し、必要であれば、再び形状修正を行う。管状体の形状を適切に修正し終えると、回転ユニットを作動させることによってフレーム間隙内で管状体を回転させ、管状体の次の変形箇所を特定し、同様の工程によって修正を行う。この作業を、管状体のずれが設計上の許容範囲になるまで、繰り返す。
【0013】
装置及び関連する方法のさらなる特徴を、下記の装置の説明及び図面において詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】管状体直管化装置の斜視図である。
図2図1に示した装置の変形例の一部を示す立面図である。
図3】装置のディスプレイ画面の図である。
図4図3のディスプレイ画面と同様の画面であり、装置の操作方法の一工程を示した図である。
図5】装置の操作方法の別の工程を示す、ディスプレイ画面の図である。
図6図5のディスプレイ画面と同様の画面であり、装置の操作方法の別の工程を示した図である。
図7】装置の制御論理ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、自動直管化装置10の斜視図を表している。以下に説明するように、当該装置10は、オペレータ制御による又は完全に自動化されたシステムを提供するものであり、当該システムは、手作業による管状体の直管化をシミュレートしたものである。
【0016】
装置10は、当該装置を略直立姿勢に支持するフレーム12を備える。図1に示したフレーム12は、平らで略矩形のパネルとして表されている。ただし、フレーム12は、装置10の部品を以下に述べる相対位置に固定支持するものであれば、どのような構造のものであってもよい。フレーム12は、中央に間隙14が設けられており、以下に説明する装置の部品がこの間隙の両側に配置されている。間隙14は、当該装置による直管化作業の対象であるシャフト又は管状体16を収容できる寸法とされている。以下に述べる装置10及びその操作方法は、管状体16を直管化する装置についてであるが、装置10の概念は、シャフトやロッドなど、他の同様の構造物を直管化する際にも採用することができる。
【0017】
フレーム12には、複数の保持ユニット18、20、22、24、26、28、30が支持されている。図1に示した装置10の典型例においては、各保持ユニット18、20、22、24、26、28、30は、保持シリンダ18c、20c、22c、24c、26c、28c、30c、及び、各シリンダから突出するロッド18r、20r、22r、24r、26r、28r、30rを備える。装置の他の実施形態においては、保持ユニットは、例えば、空気圧シリンダ、油圧シリンダ、モータ駆動送りねじクチュエータ(motor and screw actuator)など、他の同様のタイプのリニアアクチュエータであってもよい。各ロッドは保持ユニットから伸長した位置と、保持ユニットに対して収縮した位置との間で、ロッドの軸方向に往復移動可能である。
【0018】
図1に示すように、保持ユニット18、20、22、24、26、28、30は、フレーム間隙14の下方に並んでフレーム12に配置されている。ロッド18r、20r、22r、24r、26r、28r、30rは、軸線が互いに平行となるように配置されている。各ロッド18r、20r、22r、24r、26r、28r、30rは、対応する保持シリンダからの遠位端部に、端面18s、20s、22s、24s、26s、28s、30sを有する。ロッドが各シリンダに対して収縮位置にある状態では、すべてのロッド端面18s、20s、22s、24s、26s、28s、30sは実質的に同一平面内に位置し、且つ、フレーム間隙14の下方に位置する。各ロッド18r、20r、22r、24r、26r、28r、30rは、対応する保持シリンダに、精密ハードストップ(precision hard stop)を備えている。精密ハードストップは、対応するシリンダからのロッドの伸長量を制限するものである。各ロッドが精密ハードストップまで伸長された状態では、すべてのロッド端面18s、20s、22s、24s、26s、28s、30sは実質的に同一平面内に位置し、且つ、フレーム間隙14内に位置する。各ロッド端面18s、20s、22s、24s、26s、28s、30sは、当該ロッド端面が係合する管状体16の一部を保持するための保持具として構成とされている。ロッド伸長位置においては、ロッド端面18s、20s、22s、24s、26s、28s、30sはフレーム間隙14内に移動することによって、当該間隙内に配置されている管状体16に係合し、ロッド端面のうちの少なくとも2つで管状体を支持する。
【0019】
装置10は、フレーム12に支持された複数のアクチュエータユニット32、34、36、38、40、42、44をさらに含む。図1に示した装置10の典型的な実施形態では、各アクチュエータユニット32、34、36、38、40、42、44は、アクチュエータシリンダ32c、34c、36c、38c、40c、42c、44cと、各シリンダから突出するラム32r、34r、36r、38r、40r、42r、44rとを備える。各ラムは、アクチュエータユニットから伸長した位置と、アクチュエータユニットに対して収縮した位置との間で、軸方向に往復移動可能である。ラム32r、34r、36r、38r、40r、42r、44rの往復移動軸は、すべて互いに平行であり、且つ、保持ユニットのロッド18r、20r、22r、24r、26r、28r、30rの往復移動軸と同軸状である。アクチュエータユニット32、34、36、38、40、42、44は、フレーム12におけるフレーム間隙14を隔てて保持ユニット18、20、22、24、26、28、30の反対側に、並んで配置されている。
【0020】
図1に示した典型的な実施形態では、隣接するラム32r、34r、36r、38r、40r、42r、44rの間の距離は、各アクチュエータシリンダの直径寸法によって制限される。例えば、仮に各アクチュエータシリンダ32c、34c、36c、38c、40c、42c、44cの直径が4インチ(10.16cm)とすると、隣接するロッド32r、34r、36r、38r、40r、42r、44r間の距離は、最小で、4インチ(10.16cm)となり得る。ただし、図2に示した装置の変形例では、アクチュエータシリンダ32c、34c、36c、38c、40c、42c、44cを互い違いに配置し、軸長の異なるラムを有するアクチュエータユニットを1つ置きに設けることによって、隣接するラム32r、34r、36r、38r、40r、42r、44rの間の距離を、図1に示した装置の実施形態の場合に比べて、実質的に半分にすることができる。
【0021】
再び図1を参照して述べると、各ラム32r、34r、36r、38r、40r、42r、44rは、対応するアクチュエータシリンダからの遠位端部に、端面32s、34s、36s、38s、40s、42s、44sを有する。これらのラムが収縮位置にある状態では、すべてのラム端面32s、34s、36s、38s、40s、42s、44sが、フレーム間隙14の上方で、実質的に同一平面内に位置する。各ラム端面32s、34s、36s、38s、40s、42s、44sは、フレーム間隙14に配置された管状体16の一部に係合し当該部分に力を付与するように構成されている。ラムの伸長位置では、ラム端面32s、34s、36s、38s、40s、42s、44sは、フレーム間隙14内に移動することによって、フレーム間隙14内に伸長した少なくとも2つの保持ユニットのロッド端面18s、20s、22s、24s、26s、28s、30sに支持されている管状体16に係合する。各ラム端面は、選択的にフレーム間隙14内に移動させられることによって、フレーム開口部内に支持された管状体に係合し、管状体を曲げる。管状体を曲げる際、ラム端面は、管状体の曲げられつつある部分を間隙14内で所定距離移動させる。
【0022】
フレーム12には、複数の近接センサ46、48、50、52、54、56、58も支持されている。これらの近接センサは、例えば、約0.0001インチ(0.00254mm)までを正確に測定することができる。近接センサとしては、例えば、誘電近接センサや、他の同様のタイプのセンサを用いることができる。近接センサ46、48、50、52、54、56、58は、各アクチュエータユニット32、34、36、38、40、42、44に隣接して、フレーム間隙14を隔てて各保持ユニット18、20、22、24、26、28、30の反対側に配置されている。図2に示すように、各近接センサ46、48、50、52、54、56は、管状体の位置に追従する各ターゲット46t、48t、50t、52t、54t、56t側を向いており、近接センサからフレーム間隙14内の管状体16の一部までの距離を検知するように構成されている。従って、管状体の一部に隣接するラムが係合してこれを曲げる際、隣接するアクチュエータユニットのラム32r、34r、36r、38r、40r、42r、44rによって管状体が曲げられている間、各近接センサ46、48、50、52、54、56、58は、管状体16のセンサに対向する部分がフレーム間隙14内で移動した距離を検知することができる。
【0023】
装置10は、フレーム12に支持された回転ユニット60をさらに有する。図1に示すように、回転ユニット60は、フレーム12上で、フレーム間隙14に隣接して、複数の保持ユニット18、20、22、24、26、28、30と複数のアクチュエータユニット32、34、36、38、40、42、44との間に設けられている。回転ユニット60は、クランプ62を有しており、当該クランプは、フレーム間隙14内に配置された管状体16の端部に選択的に連結可能である。回転ユニット60は、管状体16に連結された状態では、フレーム間隙14内で管状体16を回転させるように構成されている。
【0024】
当該装置は、プログラマブルロジックコントローラ66をさらに備え、当該コントローラは、複数の保持ユニット18、20、22、24、26、28、30、複数のアクチュエータユニット32、34、36、38、40、42、44、複数の近接センサ46、48、50、52、54、56、58及び回転ユニット60と通信を行う。コントローラ66は、当該コントローラと通信するオペレータ画面又はディスプレイ画面68を備える。ディスプレイ画面68は、各近接センサ46、48、50、52、54、56、58が検知した距離を視覚的に表示するように構成されており、ここでの距離とは、フレーム間隙14内の管状体16における、当該近接センサが対向する部分までの距離である。従って、ディスプレイ画面68は、フレーム間隙14内に回転ユニット60によって保持された特定の配向状態における管状体16の形状を、視覚的に表示することができる。管状体の上面すなわち近接センサに対向する面の位置が表示され、これによって、理想のゼロ基準点よりも上方にある管状体の上面の位置が視覚的に表示される。コントローラ66は、両側に設けられた一対のジョイスティック72、74を有する。一方のジョイスティック72、すなわち、図3における左側のジョイスティックは、先端にサムホイール(thumb wheel)76が設けられており、他方のジョイスティック、すなわち、図3における右側のジョイスティックは、先端にトリガー(trigger)78が設けられている。装置10の手動モードでは、オペレータは、左側のジョイスティック72を用いて、管状体の支持を行うのに適した一対の低い点と、変位を行うのに適した1つの高い点とがディスプレイ画面68に表示されるまで、管状体16を並進移動又は回転させることができる。
【0025】
装置10を操作する際は、まず、当該装置による直管化作業の対象である管状体16を、フレーム間隙14に配置する。管状体16の一端を、回転ユニット60のクランプ62によって確実に保持する。次に、プログラマブルロジックコントローラ66のオペレータによって、保持ユニットロッド18r、20r、22r、24r、26r、28r、30rを伸長させる。この際、保持ユニット18、20、22、24、26、28、30の精密ハードストップまで、ロッドを伸長させる。この状態では、ロッドの先端面18s、20s、22s、24s、26s、28s、30sは、実質的に同一平面内に位置している。管状体16は、形状がゆがんでいるため、これらのロッド端面のうちの少なくともいくつかによって支持される。
【0026】
次に、オペレータが、オペレータ画面68で回転ユニット60を作動させて、フレーム間隙14内で管状体16を回転させる。回転ユニット60によって管状体16を回転させる際、各近接センサ46、48、50、52、54、56、58が、管状体のセンサに対向する面の部分までの距離を検知し、当該距離を表す信号を生成する。これらの信号が、プログラマブルロジックコントローラに送られ、これを受けて、当該コントローラが、ディスプレイ画面68を制御し、各センサから管状体の当該センサに対向する部分までの距離を視覚的に表示させる。オペレータは、コントローラ66の左側のジョイスティック72を用いて、近接センサに対向する管状体の面の目的とする湾曲形状がディスプレイ画面68に表示されるまで、フレーム間隙14内における管状体16の並進移動及び回転を制御する。
【0027】
図3は、ディスプレイ画面68上の管状体16の形状を表している。図3を参照すると、ディスプレイ画面68上の検知距離表示82、84は、管状体の2つの低い点に位置している保持ユニット18、30にそれぞれ対向する近接センサ46、58からの検知距離を表している。ジョイスティック74を左右に動かすことによって、オペレータは、管状体16を支持する保持ユニットとして、画面68上でこれらの保持ユニット18、30を選択する。この状態を図4に示す。残りの保持ユニット20、22、24、26、28のロッド20r、22r、24r、26r、28rは収縮させる。これによって、2つの支持用の保持ユニット18、30の間に、管状体16の変位作業を行うための空間が形成される。
【0028】
また、ディスプレイ画面には、管状体形状における高い点に対向する近接センサ50からの検知距離表示86も示されている。次に、オペレータは、右側のジョイスティック74を用いて、画面68で、近接センサ50によって検知された管状体形状における最も高い部分に対向するアクチュエータユニット36を選択する。図4にはこの状態も示されている。手動モードにおいては、次に、図5に示すように、コントローラ66及びディスプレイ画面68が、右側のサムホイール76を用いて変位距離を選択するようにオペレータに促す。装置を手動で操作する際は、管状体を降伏点を超えて曲げ、その後管状体が所望の状態までスプリングバックするためには、どれだけの変位距離が必要かをオペレータが推定し、適切な変位値を入力する。この場合は、何度も修正を行って試行錯誤を重ね、各所を直管化する必要がある。しかしながら、通常の操作においては、プログラマブルコントローラが、管状体の肉厚、直径、使用材料のヤング率、2つの保持ユニットの間の距離、曲げのための第2慣性モーメント、測定された誤差、応力ひずみ曲線の形態、いくつかの近似法、に基づいて、数学的計算を行う。そして、これに基づいて、必要な変位距離を計算する。図6には、選択された変位距離が示されている。次に、選択されたアクチュエータユニット36のラム36rが、所定の制御速度で、管状体面の選択されたアクチュエータユニット36に対向する部分にラム端面36sが接触するまで、伸長される。次に、オペレータによって選択された、あるいは、プログラマブルコントローラ66によって算出された所望距離だけ、アクチュエータラム36rを動かし続けることにより、フレーム間隙14内で管状体16を変位させて曲げる。プログラマブルコントローラ66は、近接センサ46、48、50、52、54、56、58から受信した信号に基づいて、管状体の変位を動的に観測する。管状体16が指示された変位距離だけ変位すると、選択されていたアクチュエータユニット36の作動を終了する。
【0029】
こうして得られた管状体16の形状は、プログラマブルロジックコントローラ66が近接センサ46、48、50、52、54、56、58から受信したデータに基づいて評価され、必要であれば、再び修正作業を行う。管状体の形状を適切に修正し終えると、オペレータがプログラマブルコントローラ66を操作することにより回転ユニット60を再び作動させ、これによりフレーム間隙内で管状体を回転させ、管状体の次の変形箇所を特定し、同様の工程によって修正を行う。この作業を、管状体16のずれが設計上の許容範囲になるまで、繰り返す。
【0030】
本開示は、以下の付記による実施形態を含む。
【0031】
付記1 シャフトを収容できる寸法とされた間隙を有するフレームと、間隙に隣接してフレームに設けられた保持ユニットと、を備えてなり、保持ユニットは、当該保持ユニットから伸長可能で且つ当該保持ユニットに向かって収縮可能なロッドを有し、当該ロッドは、保持ユニットから間隙内に伸長することにより、間隙に配置されたシャフトに係合し、ロッドが係合する部分でシャフトを支持することができるように構成されており、間隙に隣接してフレームに設けられた近接センサをさらに備え、近接センサは、間隙に配置され且つ前記保持ユニットのロッドによって支持されたシャフトまでの当該近接センサからの距離を検知し、検知距離を示す信号を出力するように構成されており、フレームにおける間隙を隔てて保持ユニットの反対側に設けられたアクチュエータユニットをさらに備え、アクチュエータユニットは、当該アクチュエータユニットから伸長可能で且つ当該アクチュエータユニットに向かって収縮可能なラムを有し、ラムは、アクチュエータユニットから間隙内に伸長することにより、間隙に配置され且つ保持ユニットのロッドによって支持されたシャフトに係合することができるように構成されており、ラムは、さらに、シャフトを間隙内で所定距離移動させて前記シャフトを曲げるように構成されており、近接センサは、ラムによって間隙内で前記シャフトが移動させられた距離を検知する、シャフト直管化装置。
【0032】
付記2 保持ユニットは、フレームに設けられた2つの保持ユニットの1つであり、これらの2つの保持ユニットは、フレームにおける間隙を隔ててアクチュエータユニットの反対側に位置しており、アクチュエータユニットは、フレームのこれらの2つの保持ユニットの間に位置している、付記1に記載の装置。
【0033】
付記3 近接センサは、フレーム上のアクチュエータユニットに隣接した位置で、且つ、間隙を隔てて保持ユニットの反対側に位置している、付記1に記載の装置。
【0034】
付記4 間隙に隣接してフレームに設けられた回転ユニットをさらに備え、回転ユニットは、間隙に配置された記シャフトを回転させるように構成されている、付記1に記載の装置。
【0035】
付記5 保持ユニットはシリンダを有し、ロッドは、シリンダから伸長可能で且つシリンダ内に収縮可能である、付記1に記載の装置。
【0036】
付記6 アクチュエータユニットはシリンダを有し、ラムは、シリンダから伸長可能で且つシリンダ内に収縮可能である、付記1に記載の装置。
【0037】
付記7 近接センサと通信することにより近接センサからの信号出力を受信するように構成されたコントローラと、コントローラと通信可能に接続されたディスプレイ画面とをさらに備え、ディスプレイ画面は、近接センサが検知した距離を視覚的に表示するように構成されている、付記1記載の装置。
【0038】
付記8 保持ユニットは、フレームにおける間隙の第1方側に並んで配置された複数の同様の保持ユニットの1つであり、アクチュエータユニットは、フレームにおける間隙の第1方側とは反対の第2方側に並んで配置された複数の同様のアクチュエータユニットの1つである、付記1記載の装置。
【0039】
付記9 近接センサは、フレームにおける間隙の第2方側に並んで配置された複数の同様の近接センサの1つである、付記8に記載の装置。
【0040】
付記10 シャフトを収容できる寸法とされた間隙を有するフレームと、間隙に隣接してフレームに設けられた複数の保持ユニットと、を備えてなり、各保持ユニットは、端面を有するロッドを備えており、ロッドは、ロッド端面が間隙内に移動することにより間隙に配置されたシャフトに係合し、且つ、ロッド端面でシャフトを支持するロッド伸長位置と、ロッド端面が間隙外に移動するロッド収縮位置との間で、当該ロッドの軸方向に往復移動可能であり、フレームにおける間隙を隔てて複数の保持ユニットの反対側に設けられた複数のアクチュエータユニットをさらに備え、各アクチュエータユニットは、端面を有するラムを備えており、ラムは、ラム端面が、間隙内に移動することにより、間隙内でロッド端面によって支持されているシャフトに係合し、当該シャフトを曲げ、間隙内でシャフトを所定距離移動させるラム伸長位置と、ラム端面がシャフトとの係合が外れて間隙外に移動するラム収縮位置との間で当該ラムの軸方向に往復移動可能であり、間隙に隣接してフレームに設けられた複数の近接センサをさらに備え、各近接センサは、複数のアクチュエータユニットのラム端面の1つであって、間隙内に移動しシャフトに係合してシャフトを曲げるラム端面によって、間隙内でシャフトが移動させられた距離を検知するように構成されている、シャフト直管化装置。
【0041】
付記11 複数の近接センサは、各近接センサが複数のアクチュエータユニットの1つに隣接した状態で、フレームに配置されている、付記10に記載の装置。
【0042】
付記12 間隙に隣接してフレームに設けられた回転ユニットをさらに備え、回転ユニットは、間隙に配置されたシャフトに連結可能であり、回転ユニットは間隙内でシャフトを回転させるように構成されている、付記10に記載の装置。
【0043】
付記13 複数の保持ユニットは同一平面内に並んで配置されており、複数のアクチュエータユニットは同一平面内に並んで配置されている、付記10記載の装置。
【0044】
付記14 各ロッドの軸線はラムの軸線と同軸状である、付記10に記載の装置。
【0045】
付記15 複数の保持ユニットのロッドの軸線は、互いに平行であり、同一平面内にある、付記10に記載の装置。
【0046】
付記16 複数のアクチュエータユニットのラムの軸線は、互いに平行であり、同一平面内にある、付記10に記載の装置。
【0047】
付記17 複数の近接センサと通信することにより各近接センサからの信号出力を受信するように構成されたコントローラと、コントローラと通信可能に接続されたディスプレイ画面とをさらに備え、ディスプレイ画面は、複数の近接センサが検知した距離を視覚的に表示するように構成されている、付記10記載の装置。
【0048】
付記18 フレームと、フレームに設けられた複数の保持ユニットと、を備えてなり、各保持ユニットは、端面を有するロッドを備えており、ロッドは、ロッド端面が当該端面でシャフトを支持するように配置されるロッド伸長位置と、ロッド収縮位置との間で、当該ロッドの軸方向に往復移動可能であり、フレームに設けられた複数のアクチュエータユニットをさらに備え、各アクチュエータユニットは、ロッド端面に対向する端面を有するラムを備えており、ラムは、ラム端面が、移動することにより、ロッド端面によって支持されているシャフトに係合し、当該シャフトを曲げ、シャフトを所定距離移動させるラム伸長位置と、ラム端面がシャフトとの係合から外れるラム収縮位置との間で当該ラムの軸方向に往復移動可能であり、フレームに設けられた回転ユニットをさらに備え、回転ユニットは、ロッド端面で支持されたシャフトに連結可能であり、回転ユニットはシャフトを回転させるように構成されている、シャフト直管化装置。
【0049】
付記19 シャフトを直管化する方法であって、シャフトを収容できる寸法となるようにフレームに設けられた間隙にシャフトを配置し、フレーム間隙に隣接してフレームに設けられた第1の保持ユニットの伸長・収縮可能な第1のロッドを第1の保持ユニットから伸長させ、第1のロッドがフレーム間隙内のシャフトに係合するまで第1のロッドをフレーム間隙内に伸長させ、フレーム間隙内に伸長しシャフトに係合した第1のロッドで、シャフトをフレーム間隙内で支持し、フレーム間隙に隣接してフレームに設けられた近接センサを作動させ、近接センサを作動させることにより、フレーム間隙内に伸長された第1のロッドに支持されたシャフトまでの近接センサからの距離を検知して、検知距離を表す信号を近接センサから出力し、フレームにおけるフレーム間隙を隔てて第1の保持ユニットの反対側に設けられたアクチュエータユニットの伸長・収縮可能なラムをアクチュエータユニットから伸長させ、ラムがフレーム間隙内のシャフトに係合するまでラムをアクチュエータユニットからフレーム間隙内に伸長させ、ラムをフレーム間隙内に伸長し続け、ラムを伸長し続けることによって、シャフトを曲げ、フレーム間隙内でシャフトを所定距離変位させ、近接センサを作動させることにより、伸長されたラムによってフレーム間隙内でシャフトが変位させられた距離を検知する、ことを含む、方法。
【0050】
付記20 フレーム間隙に隣接して前記フレームに設けられた第2の保持ユニットの伸長・収縮可能な第2のロッドを第2の保持ユニットから伸長させ、第2のロッドがフレーム間隙内の前記シャフトに係合するまで第2のロッドをフレーム間隙内に伸長させ、フレーム間隙内に伸長しシャフトに係合した第2のロッドで、シャフトをフレーム間隙内で支持し、シャフトを支持する第1のロッドと第2のロッドとの間で、ラムをアクチュエータユニットから伸長させて、シャフトにラムを係合させる、ことをさらに含む、付記19に記載の方法。
【0051】
装置及びその使用方法を、装置の特定の実施形態について述べたが、添付のクレームの意図した範囲から逸脱することなく、当該装置及び方法に様々な変更を行うことができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7