(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
検体中の低密度リポ蛋白中のコレステロール(LDL-C)を、コレステロールエステル加水分解酵素及びコレステロール酸化酵素を用いる酵素反応により過酸化水素に導き、生成した過酸化水素をペルオキシダーゼの存在下、酸化発色型色原体と反応させ、呈色した反応液の吸光度を測定することによりLDL-Cを測定する方法において、検体と脂肪酸若しくはその塩とをコレステロールエステル加水分解酵素及びコレステロール酸化酵素の非存在下に反応させた後、当該反応の反応液にコレステロールエステル加水分解酵素及びコレステロール酸化酵素を添加し、検体中のLDL-Cとコレステロールエステル加水分解酵素及びコレステロール酸化酵素とを反応させることを特徴とする、LDL-Cの測定方法。
炭素数8〜24の飽和又は不飽和脂肪酸が、オクタン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エイコサトリエン酸、アラキドン酸、イコサン酸、エイコサテトラエン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサン酸、ドコサヘキサエン酸、テトラドコサン酸、及び、テトラコサペンタエン酸からなる群より選ばれる脂肪酸である請求項2記載の測定方法。
検体中の低密度リポ蛋白中のコレステロール(LDL-C)を、コレステロールエステル加水分解酵素及びコレステロール酸化酵素を用いる酵素反応により過酸化水素に導き、生成した過酸化水素をペルオキシダーゼの存在下、酸化発色型色原体と反応させ、呈色した反応液の吸光度を測定することによりLDL-Cを測定する方法に用いるキットにおいて、脂肪酸若しくはその塩を含有する第1試薬と、コレステロールエステル加水分解酵素及びコレステロール酸化酵素を含有する第2試薬とを含むことを特徴とする、LDL-C測定用キット。
炭素数8〜24の飽和又は不飽和脂肪酸が、オクタン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エイコサトリエン酸、アラキドン酸、イコサン酸、エイコサテトラエン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサン酸、ドコサヘキサエン酸、テトラドコサン酸、及び、テトラコサペンタエン酸からなる群より選ばれる脂肪酸である請求項5記載の測定用キット。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の検体中の測定対象成分の測定方法は、検体中の測定対象成分を酵素反応により過酸化水素に導き、生成した過酸化水素をペルオキシダーゼの存在下、酸化発色型色原体と反応させ、呈色した反応液の吸光度を測定することにより測定対象成分を測定する方法において、脂肪酸若しくはその塩を共存させることを特徴とする方法である。
【0010】
本発明における脂肪酸は、本発明の測定方法を可能とする脂肪酸であれば特に制限はなく、例えば炭素数8〜24の飽和又は不飽和脂肪酸が挙げられ、炭素数8〜18の飽和又は不飽和脂肪酸が好ましい。炭素数8〜24の飽和又は不飽和脂肪酸としては、例えばオクタン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エイコサトリエン酸、アラキドン酸、イコサン酸、エイコサテトラエン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサン酸、ドコサヘキサエン酸、テトラドコサン酸、テトラコサペンタエン酸等が挙げられる。また、本発明における脂肪酸は塩であってもよく、塩としては例えばリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等が挙げられる。本発明においては、脂肪酸を二種以上組み合わせて使用することもできる。本発明の測定方法における脂肪酸の濃度は、本発明の測定方法を可能とする濃度であれば特に制限はなく、通常、0.1〜15 mmol/Lであり、0.2〜10 mmol/Lが好ましい。
【0011】
本発明における検体は、本発明の測定方法を可能とする検体であれば特に制限はなく、例えば全血、血漿、血清等が挙げられ、血漿及び血清が好ましい。
【0012】
本発明における測定対象成分は、酵素反応によって導かれる過酸化水素を測定することにより、測定される測定対象成分であれば特に制限はなく、例えば総コレステロール(TC)、高密度リポ蛋白中のコレステロール(HDL-C)、低密度リポ蛋白中のコレステロール(LDL-C)、超低密度リポ蛋白中のコレステロール(VLDL-C)、レムナント様リポ蛋白中のコレステロール(RLP-C)、グルコース、尿酸、トリグリセリド(TG)、リン脂質、コリン、クレアチン、クレアチニン、乳酸、ピルビン酸等の基質の他、コリンエステラーゼ、グアナーゼ等の酵素等が挙げられる。
【0013】
本発明において、測定対象成分は酵素反応により過酸化水素に導かれるが、測定対象成分と、測定対象成分を酵素反応により過酸化水素に導く成分との組み合わせとしては、例えば以下の組み合わせが挙げられる。
・TC, HDL-C, LDL-C, VLDL-C, RLP-C:コレステロールエステル加水分解酵素、及び、コレステロール酸化酵素
・グルコース:グルコース酸化酵素
・尿酸:ウリカーゼ
・TG:リポプロテインリパーゼ、グリセロールキナーゼ、及び、グリセロール−3−リン酸酸化酵素
・リン脂質:ホスホリパーゼD、及び、コリン酸化酵素
・コリン:コリン酸化酵素
・クレアチン:クレアチナーゼ、及び、ザルコシン酸化酵素
・クレアチニン:クレアチニナーゼ、クレアチナーゼ、及び、ザルコシン酸化酵素
・乳酸:乳酸酸化酵素
・ピルビン酸:ピルビン酸酸化酵素
・コリンエステラーゼ:2,4-ジメトキシベンゾイルコリン、及び、コリン酸化酵素
・グアナーゼ:グアニン、キサンチンオキシダーゼ、及び、ウリカーゼ
【0014】
本発明におけるペルオキシダーゼは、本発明の測定方法を可能とするペルオキシダーゼであれば特に制限はなく、例えば動物、植物、微生物由来のペルオキシダーゼの他、遺伝子工学的手法により作製されたペルオキシダーゼ等が挙げられる。本発明の測定方法におけるペルオキシダーゼの濃度としては、通常、1〜100 kU/Lである。
【0015】
本発明における酸化発色型色原体は、本発明の測定方法を可能とする酸化発色型色原体であれば特に制限はなく、例えばロイコ型色原体、酸化カップリング発色型色原体等が挙げられる。ロイコ型色原体は、過酸化水素及びペルオキシダーゼの存在下、単独で色素へ変換される物質であり、テトラメチルベンジジン、o-フェニレンジアミン、10-N-カルボキシメチルカルバモイル-3,7-ビス(ジメチルアミノ)-10H-フェノチアジン(CCAP)、10-N-メチルカルバモイル-3,7-ビス(ジメチルアミノ)-10H-フェノチアジン(MCDP)、N-(カルボキシメチルアミノカルボニル)-4,4’-ビス(ジメチルアミノ)ジフェニルアミン ナトリウム塩(DA-64)、10-N-(カルボキシメチルアミノカルボニル)-3,7-ビス(ジメチルアミノ)-10H-フェノチアジン ナトリウム塩(DA-67)、4,4’-ビス(ジメチルアミノ)ジフェニルアミン、ビス〔3-ビス(4-クロロフェニル)メチル-4-ジメチルアミノフェニル〕アミン(BCMA)等が挙げられる。
【0016】
酸化カップリング発色型色原体は、過酸化水素及びペルオキシダーゼの存在下、2つの化合物が酸化的カップリングして色素を生成する物質である。2つの化合物の組み合わせとしては、カプラーとアニリン類との組み合わせ、カプラーとフェノール類との組み合わせ等が挙げられる。
【0017】
カプラーとしては、例えば4-アミノアンチピリン(4-AA)、3-メチル-2-ベンゾチアゾリノンヒドラゾン等が挙げられる。
【0018】
アニリン類としては、N-(3-スルホプロピル)アニリン、N-エチル-N-(2-ヒドロキシ-3-スルホプロピル)-3-メチルアニリン(TOOS)、N-エチル-N-(2-ヒドロキシ-3-スルホプロピル)-3,5-ジメチルアニリン(MAOS)、N-エチル-N-(2-ヒドロキシ-3-スルホプロピル)-3,5-ジメトキシアニリン(DAOS)、N-エチル-N-(3-スルホプロピル)-3-メチルアニリン(TOPS)、N-(2-ヒドロキシ-3-スルホプロピル)-3,5-ジメトキシアニリン(HDAOS)、N,N-ジメチル-3-メチルアニリン、N,N-ジ(3-スルホプロピル)-3,5-ジメトキシアニリン、N-エチル-N-(3-スルホプロピル)-3-メトキシアニリン、N-エチル-N-(3-スルホプロピル)アニリン、N-エチル-N-(3-スルホプロピル)-3,5-ジメトキシアニリン、N-(3-スルホプロピル)-3,5-ジメトキシアニリン、N-エチル-N-(3-スルホプロピル)-3,5-ジメチルアニリン、N-エチル-N-(2-ヒドロキシ-3-スルホプロピル)-3-メトキシアニリン、N-エチル-N-(2-ヒドロキシ-3-スルホプロピル)アニリン、N-エチル-N-(3-メチルフェニル)-N’-サクシニルエチレンジアミン(EMSE)、N-エチル-N-(3-メチルフェニル)-N’-アセチルエチレンジアミン、N-エチル-N-(2-ヒドロキシ-3-スルホプロピル)-4-フルオロ-3,5-ジメトキシアニリン(F-DAOS)等が挙げられる。
【0019】
フェノール類としては、フェノール、4-クロロフェノール、3-メチルフェノール、3-ヒドロキシ-2,4,6-トリヨード安息香酸(HTIB)等が挙げられる。
【0020】
本発明の測定方法における酸化発色型色原体の濃度は、過酸化水素の測定に適した濃度であれば特に制限はないが、通常、0.01〜10 g/Lである。
【0021】
本発明における測定対象成分の測定は、通常、pH4.0〜10.0の水性媒体中で行われ、pH6.0〜8.0の水性媒体中で行われることが好ましい。水性媒体としては、例えば脱イオン水、蒸留水、緩衝液等が挙げられ、緩衝液が好ましい。緩衝液としては、例えばリン酸緩衝液、クエン酸緩衝液、ホウ酸緩衝液、炭酸緩衝液、グッド緩衝液等が挙げられる。グッド緩衝液に使用される緩衝剤としては、例えば2−モルホリノエタンスルホン酸(MES)、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(Tris)、ビス(2−ヒドロキシエチル)イミノトリス(ヒドロキシメチル)メタン(Bis-Tris)、N−(2−アセトアミド)イミノ二酢酸(ADA)、ピペラジン−N,N’−ビス(2−エタンスルホン酸)(PIPES)、N−(2−アセトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸(ACES)、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸(BES)、3−モルホリノプロパンスルホン酸(MOPS)、N−〔トリス(ヒドロキシメチル)メチル〕−2−アミノエタンスルホン酸(TES)、2−〔4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル〕エタンスルホン酸(HEPES)、ピペラジン−N,N’−ビス(2−ヒドロキシプロパンスルホン酸)(POPSO)、N−〔トリス(ヒドロキシメチル)メチル〕グリシン(Tricine)、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン(Bicine)、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−3−アミノプロパンスルホン酸(TAPS)、N−シクロヘキシル−2−アミノエタンスルホン酸(CHES)、N−シクロヘキシル−3−アミノプロパンスルホン酸(CAPS)等が挙げられる。
【0022】
また、本発明の測定方法においては、界面活性剤、防腐剤等を共存させてもよい。界面活性剤としては、例えば非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。防腐剤としては、例えばアジ化物、キレート剤、バイオエース(BioAce)等が挙げられる。アジ化物としては、例えばアジ化ナトリウム等が挙げられる。キレート剤としては、例えばエチレンジアミン四酢酸(EDTA)もしくはその塩等が挙げられる。塩としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩等が挙げられる。この他、ビリルビンの影響抑制剤として知られているフェロシアン化物やウシ血清アルブミン(BSA)等の蛋白質を共存させてもよい。
【0023】
本発明の検体中の測定対象成分の測定用試薬は、本発明の測定方法に使用される試薬であり、測定対象成分、測定対象成分を酵素反応により過酸化水素に導く成分、ペルオキシダーゼ、酸化発色型色原体、及び、脂肪酸若しくはその塩を含む。測定対象成分、測定対象成分を酵素反応により過酸化水素に導く成分、ペルオキシダーゼ、酸化発色型色原体、及び、脂肪酸若しくはその塩としては、例えばそれぞれ、前述の測定対象成分、測定対象成分を酵素反応により過酸化水素に導く成分、ペルオキシダーゼ、酸化発色型色原体、及び、脂肪酸若しくはその塩等が挙げられる。
【0024】
本発明の測定用試薬は、凍結乾燥状態でも液状でもよく、凍結乾燥状態の試薬の場合には、水性媒体で溶解して測定に使用することができる。水性媒体としては、例えば前述の水性媒体等が挙げられる。また、本発明の測定用試薬は、キットの形態を取ることもでき、キットとしては、例えば2試薬系キット、3試薬系キット等が挙げられる。
【0025】
本発明の測定用試薬において、脂肪酸は、本発明の測定方法が可能となる濃度となる含量で含まれていれば特に制限はなく、水性媒体で溶解された状態での濃度が、通常、0.1〜60 mmol/Lとなる含量で含まれ、0.2〜40 mmol/Lとなる含量で含まれることが好ましい。
【0026】
本発明の測定用試薬において、ペルオキシダーゼは、本発明の測定方法が可能となる濃度となる含量で含まれていれば特に制限はなく、水性媒体で溶解された状態での濃度が、通常、0.01〜40 g/Lとなる含量で含まれる。
【0027】
本発明の測定用試薬において、酸化発色型色原体は、本発明の測定方法が可能となる濃度となる含量で含まれていれば特に制限はなく、水性媒体で溶解された状態での濃度が、通常、0.01〜40 g/Lとなる含量で含まれる。
【0028】
本発明の測定用試薬には、前述の界面活性剤、防腐剤等が含まれていてもよい。この他、ビリルビンの影響抑制剤として知られているフェロシアン化物やウシ血清アルブミン(BSA)等の蛋白質が含まれていてもよい。
【0029】
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、これらは本発明の範囲を何ら限定するものではない。尚、本実施例、比較例及び試験例においては、下記メーカーの試薬及び酵素を使用した。
【0030】
MOPS(同仁化学研究所社製)、酢酸ナトリウム・3水和物(関東化学社製)、EMSE(ダイトーケミックス社製)、4−AA(アクテック社製)、ホウ酸(和光純薬工業社製)、アジ化ナトリウム(和光純薬工業社製)、ノニオンHS−210(日油社製)、EDTA・2Na(同仁化学研究所社製)、デキストラン硫酸ナトリウム(分子量50万)(PKケミカルズ社製)、硫酸ナトリウム(関東化学社製)、BSA(ミリポア社製)、エマルゲンL−40(花王社製)、プルロニックL121(ADEKA社製)、フェロシアン化カリウム(FCK;関東化学社製)、テトラデシルトリメチルアンモニウム クロリド(和光純薬工業社製)、オクタン酸ナトリウム(東京化成社製)、デカン酸ナトリウム(東京化成社製)、ラウリン酸ナトリウム(東京化成社製)、オレイン酸ナトリウム(東京化成社製)、リノール酸ナトリウム(東京化成社製)、リノレン酸(東京化成社製)、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS;和光純薬工業社製)、ペルオキシダーゼ(POD;東洋紡績社製)、アスコルビン酸オキシダーゼ(AOD;旭化成社製)、ウリカーゼ(東洋紡績社製)、LPL311(リポプロテインリパーゼ;東洋紡績社製)、CHO−CE(コレステロールオキシダーゼ;キッコーマン社製)。
【実施例1】
【0031】
以下の第1試薬及び第2試薬からなる尿酸測定用キット(キットA1〜A6)を調製した。
第1試薬
MOPS(pH7.0) 20 mmol/L
酢酸ナトリウム・3水和物 15 g/L
EMSE 0.2 g/L
ホウ酸 0.1 g/L
アジ化ナトリウム 0.2 g/L
ノニオンHS−210 1 g/L
POD 5 kU/L
AOD 3 kU/L
脂肪酸(第1表参照)
第2試薬
MOPS(pH7.0) 20 mmol/L
酢酸ナトリウム・3水和物 12.5 g/L
4−AA 0.35 g/L
EDTA・2Na 0.5 g/L
ノニオンHS−210 0.5 g/L
アジ化ナトリウム 0.2 g/L
POD 10 kU/L
ウリカーゼ 0.75 kU/L
【0032】
[比較例1]
以下の第1試薬及び第2試薬からなる尿酸測定用キット(キットa1)を調製した。
第1試薬
MOPS(pH7.0) 20 mmol/L
酢酸ナトリウム・3水和物 15 g/L
EMSE 0.2 g/L
ホウ酸 0.1 g/L
アジ化ナトリウム 0.2 g/L
ノニオンHS−210 1 g/L
POD 5 kU/L
AOD 3 kU/L
第2試薬
MOPS(pH7.0) 20 mmol/L
酢酸ナトリウム・3水和物 12.5 g/L
4−AA 0.35 g/L
EDTA・2Na 0.5 g/L
ノニオンHS−210 0.5 g/L
アジ化ナトリウム 0.2 g/L
POD 10 kU/L
ウリカーゼ 0.75 kU/L
【0033】
[比較例2]
以下の第1試薬及び第2試薬からなる尿酸測定用キット(キットa2)を調製した。
第1試薬
MOPS(pH7.0) 20 mmol/L
酢酸ナトリウム・3水和物 15 g/L
EMSE 0.2 g/L
ホウ酸 0.1 g/L
アジ化ナトリウム 0.2 g/L
ノニオンHS−210 1 g/L
POD 5 kU/L
AOD 3 kU/L
SDS 1 mmol/L
第2試薬
MOPS(pH7.0) 20 mmol/L
酢酸ナトリウム・3水和物 12.5 g/L
4−AA 0.35 g/L
EDTA・2Na 0.5 g/L
ノニオンHS−210 0.5 g/L
アジ化ナトリウム 0.2 g/L
POD 10 kU/L
ウリカーゼ 0.75 kU/L
【実施例2】
【0034】
実施例1のキットA1を用いて、以下の手順により、検体中の尿酸を測定した。
(1)検量線の作成
標準液として生理食塩水(尿酸濃度:0 mg/dL)及び液状コントロール血清IIワコー(尿酸濃度:9.4 mg/dL;和光純薬工業社製)を、キットとして実施例1のキットA1を用いて、日立7170S形自動分析装置により以下の反応を行い、当該反応により得られた2つの吸光度(E1及びE2)を基に、尿酸濃度と「吸光度」(E2からE1を差し引いて得られた値)との間の関係を示す検量線を作成した。
【0035】
反応セルへ標準液(3.1μL)と第1試薬(0.15 mL)とを添加し37℃で5分間加温し、反応液の吸光度(E1)を主波長600 nm、副波長700 nmで測定し、次いで、この反応液に第2試薬(0.05 mL)を添加しさらに37℃で5分間加温し、反応液の吸光度(E2)を主波長600 nm、副波長700 nmで測定した。
【0036】
(2)測定用検体の調製
生化学コントロール血清「QAPトロール2X」(シスメックス社製)220μLにビリルビン濃度500 mg/dLの干渉チェック・Aプラス−ビリルビンC(シスメックス社製)30μLを混合し、ビリルビン濃度60 mg/dLのビリルビン添加検体を調製した。同様に、ビリルビン濃度500 mg/dLの干渉チェック・Aプラス−ビリルビンCの代わりに、干渉チェック・Aプラス−ビリルビンC(ブランク)(シスメックス社製)を用いてビリルビン濃度0 mg/dLの対照検体を調製した。
【0037】
(3)検体と実施例1の各キットとの反応による当該検体における「吸光度」の測定
上記(1)の検量線の作成において用いた標準液の代わりに、上記(2)で調製した測定用検体、すなわち、ビリルビン添加検体及び対照検体の各検体を用いる以外は(1)の「吸光度」の算出方法と同様の方法により、当該検体に対する「吸光度」を測定した。
【0038】
(4)測定用検体中の尿酸濃度の決定
上記(3)で測定した「吸光度」と、上記(1)で作成した検量線とから、各検体中の尿酸濃度を決定した。対照検体中の尿酸濃度を100としたときのビリルビン添加検体中の尿酸濃度の相対値を第1表に示す。
【0039】
キットとして、キットA1の代わりにキットA2〜A6の各キットを用いる以外は上記(1)〜(4)と同様の方法により、ビリルビン添加検体中の尿酸濃度の相対値を決定した。結果を第1表に示す。
【0040】
[比較例3]
実施例2のキットA1の代わりに比較例1のキットa1を用いる以外は実施例2と同様の方法により、ビリルビン添加検体中の尿酸濃度の相対値を決定した。結果を第1表に示す。
【0041】
[比較例4]
実施例2のキットA1の代わりに比較例2のキットa2を用いる以外は実施例2と同様の方法により、ビリルビン添加検体中の尿酸濃度の相対値を決定した。結果を第1表に示す。
【0042】
【表1】
【0043】
尿酸濃度の相対値は、対照検体中の尿酸濃度を100とした場合のビリルビン添加検体中の尿酸濃度を示し、値が低い程、ビリルビンの影響を受けていることになる。第1表に、キットaを用いた場合の尿酸濃度の相対値を基準にしたときの、各キットにおける尿酸濃度の相対値の差をΔ相対値として示した。第1表から明らかなように、脂肪酸の代わりに、脂肪酸と同様に陰イオン性の基を有するSDSを含むキットを用いた場合には、SDS及び脂肪酸を含まないキットを用いた場合よりもビリルビンの影響を受けるのに対して、SDSを含まず、脂肪酸を含むキットを用いた場合には、SDS及び脂肪酸を含まないキットを用いた場合よりもビリルビンの影響を受け難かった。この結果から、脂肪酸を用いる本発明の測定方法は、ビリルビンの影響が抑制された方法であることが分かる。
【実施例3】
【0044】
以下の第1試薬及び第2試薬からなるLDL−C測定用キット(キットB1〜B3)を調製した。
第1試薬
MOPS(pH7.0) 20 mmol/L
デキストラン硫酸ナトリウム(分子量50万) 0.5 g/L
硫酸ナトリウム 2 g/L
EMSE 0.3 g/L
BSA 4.5 g/L
POD 10 kU/L
脂肪酸(第2表参照)
第2試薬
MOPS(pH7.0) 20 mmol/L
エマルゲンL40 7 g/L
プルロニックL121 3 g/L
テトラデシルトリメチルアンモニウム クロリド 0.06g/L
4−AA 0.5 g/L
BSA 4.5 g/L
FCK 0.02 g/L
POD 20 kU/L
LPL311 1.5 kU/L
CHO−CE 1 kU/L
【0045】
[比較例5]
以下の第1試薬及び第2試薬からなるLDL−C測定用キット(キットb)を調製した。
第1試薬
MOPS(pH7.0) 20 mmol/L
デキストラン硫酸ナトリウム 0.5 g/L
硫酸ナトリウム 2 g/L
EMSE 0.3 g/L
BSA 4.5 g/L
POD 10 kU/L
第2試薬
MOPS(pH7.0) 20 mmol/L
エマルゲンL40 7 g/L
プルロニックL121 3 g/L
テトラデシルトリメチルアンモニウム クロリド 0.06g/L
4−AA 0.5 g/L
BSA 4.5 g/L
FCK 0.02 g/L
POD 20 kU/L
LPL311 1.5 kU/L
CHO−CE 1 kU/L
【実施例4】
【0046】
実施例3のキットB1を用いて、以下の手順により、検体中のLDL−Cを測定した。
(1)検量線の作成
標準液として生理食塩水(LDL−C濃度:0 mg/dL)及びデタミナー標準血清HDL・LDL−C測定用(協和メデックス社製)を、キットとして実施例3のキットB1を用いて、日立7170S形自動分析装置により以下の反応を行い、当該反応により得られた2つの吸光度(E1及びE2)を基に、LDL−C濃度と「吸光度」(E2からE1を差し引いて得られた値)との間の関係を示す検量線を作成した。
【0047】
反応セルへ標準液(3.0μL)と第1試薬(0.15 mL)とを添加し37℃で5分間加温し、反応液の吸光度(E1)を主波長600 nm、副波長700 nmで測定し、次いで、この反応液に第2試薬(0.05 mL)を添加しさらに37℃で5分間加温し、反応液の吸光度(E2)を主波長600 nm、副波長700 nmで測定した。
【0048】
(2)測定用検体の調製
プール血清352μLにビリルビン濃度500 mg/dLの干渉チェック・Aプラス−ビリルビンC(シスメックス社製)48μLを混合し、ビリルビン濃度60 mg/dLのビリルビン添加検体を調製した。同様に、ビリルビン濃度500 mg/dLの干渉チェック・Aプラス−ビリルビンCの代わりに、干渉チェック・Aプラス−ビリルビンC(ブランク)(シスメックス社製)を用いてビリルビン濃度0 mg/dLの対照検体を調製した。
【0049】
(3)検体と実施例1の各キットとの反応による当該検体における「吸光度」の測定
上記(1)の検量線の作成において用いた標準液の代わりに、上記(2)で調製した測定用検体、すなわち、ビリルビン添加検体及び対照検体の各検体を用いる以外は(1)の「吸光度」の算出方法と同様の方法により、当該検体に対する「吸光度」を測定した。
【0050】
(4)測定用検体中のLDL−C濃度の決定
上記(3)で測定した「吸光度」と、上記(1)で作成した検量線とから、各検体中のLDL−C濃度を決定した。対照検体中のLDL−C濃度を100としたときのビリルビン添加検体中のLDL−C濃度の相対値を第2表に示す。
【0051】
キットとして、キットB1の代わりにキットB2〜B3の各キットを用いる以外は上記(1)〜(4)と同様の方法により、ビリルビン添加検体中のLDL−C濃度の相対値を決定した。結果を第2表に示す。
【0052】
[比較例6]
実施例3のキットB1の代わりに比較例5のキットbを用いる以外は実施例4と同様の方法により、ビリルビン添加検体中のLDL−C濃度の相対値を決定した。結果を第2表に示す。
【0053】
【表2】
【0054】
LDL−C濃度の相対値は、対照検体中のLDL−C濃度を100とした場合のビリルビン添加検体中のLDL−C濃度を示し、値が低い程、ビリルビンの影響を受けていることになる。第2表に、キットbを用いた場合のLDL−C濃度の相対値を基準にしたときの、各キットにおけるLDL−C濃度の相対値の差をΔ相対値として示した。第2表から明らかなように、脂肪酸を含むキットを用いた場合には、脂肪酸を含まないキットの場合によりもビリルビンの影響を受け難かった。この結果から、脂肪酸を用いる本発明の測定方法は、ビリルビンの影響が抑制された方法であることが分かる。