(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6203717
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】モーター及びその回転子
(51)【国際特許分類】
H02K 1/27 20060101AFI20170914BHJP
H02K 1/22 20060101ALI20170914BHJP
H02K 21/14 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
H02K1/27 501A
H02K1/27 501K
H02K1/27 501M
H02K1/22 A
H02K21/14 M
【請求項の数】7
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-523163(P2014-523163)
(86)(22)【出願日】2011年8月29日
(65)【公表番号】特表2014-525232(P2014-525232A)
(43)【公表日】2014年9月25日
(86)【国際出願番号】CN2011079060
(87)【国際公開番号】WO2013020311
(87)【国際公開日】20130214
【審査請求日】2014年1月31日
【審判番号】不服2016-4143(P2016-4143/J1)
【審判請求日】2016年3月17日
(31)【優先権主張番号】201110224395.X
(32)【優先日】2011年8月5日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】512306405
【氏名又は名称】グリー エレクトリック アプライアンシーズ インク オブ ズーハイ
【氏名又は名称原語表記】GREE ELECTRIC APPLIANCES, INC. OF ZHUHAI
(73)【特許権者】
【識別番号】514027919
【氏名又は名称】グリー グリーン リフリジレーション テクノロジー センター カンパニー リミテッド オブ ズーハイ
【氏名又は名称原語表記】GREE GREEN REFRIGERATION TECHNOLOGY CENTER CO., LTD. OF ZHUHAI
(74)【代理人】
【識別番号】100080001
【弁理士】
【氏名又は名称】筒井 大和
(72)【発明者】
【氏名】フワン,フュイ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,ウェンミン
(72)【発明者】
【氏名】シャオ,ヨン
(72)【発明者】
【氏名】チェン,シュエイン
(72)【発明者】
【氏名】チェン,フアジエ
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ドンスオ
(72)【発明者】
【氏名】フ,ユ―シェン
【合議体】
【審判長】
堀川 一郎
【審判官】
矢島 伸一
【審判官】
久保 竜一
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−044860(JP,A)
【文献】
特開2002−078259(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 1/22 , 1/27 , 21/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄心(10)と、前記鉄心(10)の内部に設けられた永久磁石(20)とを備えるモーター回転子であって、
前記鉄心(10)に前記鉄心(10)の周方向に沿って複数組の装着溝(30)が設けられ、各組の前記装着溝(30)はそれぞれ、前記鉄心(10)の径方向に不連続的に設けられた2つ又は2つ以上の装着溝(30)を含み、前記鉄心はけい素鋼板を重ね合わせてなり、
前記永久磁石(20)は複数組あり、各組の前記永久磁石(20)の中の各永久磁石(20)は各組の装着溝(30)の各前記装着溝(30)に対応して嵌め込まれ、各組の前記永久磁石(20)のうち、隣り合う2つの永久磁石間に、けい素鋼板からなり、一定の幅を有する磁束経路があり、
個々の前記装着溝(30)において、前記鉄心(10)の軸方向に垂直な永久磁石(20)の断面において、前記永久磁石(20)の前記鉄心(10)の中心から遠ざかる側の両端点間の距離を永久磁石の長さLとし、前記永久磁石(20)の前記鉄心(10)の中心から遠ざかる側の両端点間の接続線と前記永久磁石(20)の前記鉄心(10)の中心に近寄る側の中心点との間の距離を永久磁石の幅Hとすると、H/L≧3/10であることを特徴とするモーター回転子。
【請求項2】
各組の前記装着溝(30)は、第1の装着溝(31a)と、第2の装着溝(32a)と、を含み、前記第1の装着溝(31a)と前記第2の装着溝(32a)に嵌め込まれる前記永久磁石(20)はそれぞれ、第1の永久磁石(21a)と第2の永久磁石(22a)であって、前記第1の永久磁石(21a)の永久磁石長さと永久磁石幅をそれぞれLa1とHa1とすると、3/10≦Ha1/La1≦7/10であることを特徴とする請求項1に記載のモーター回転子。
【請求項3】
前記第2の永久磁石(22a)の永久磁石長さと永久磁石幅をそれぞれLa2とHa2とすると、3/10≦Ha2/La2≦7/10であることを特徴とする請求項2に記載のモーター回転子。
【請求項4】
各組の前記装着溝(30)は、第1の装着溝(31b)と、第2の装着溝(32b)と、第3の装着溝(33b)と、を含み、前記第1の装着溝(31b)、前記第2の装着溝(32b)、及び前記第3の装着溝(33b)に嵌め込まれる前記永久磁石(20)はそれぞれ、第1の永久磁石(21b)、第2の永久磁石(22b)、及び第3の永久磁石(23b)であり、前記第1の永久磁石(21b)の永久磁石長さと永久磁石幅をそれぞれLb1とHb1とすると、3/10≦Hb1/Lb1≦1/2であることを特徴とする請求項1に記載のモーター回転子。
【請求項5】
前記第2の永久磁石(22b)の永久磁石長さと永久磁石幅をそれぞれLb2とHb2とすると、3/10≦Hb2/Lb2≦1/2であることを特徴とする請求項4に記載のモーター回転子。
【請求項6】
前記第3の永久磁石(23b)の永久磁石長さと永久磁石幅をそれぞれLb3とHb3とすると、3/10≦Hb3/Lb3≦1/2であることを特徴とする請求項4に記載のモーター回転子。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一つに記載のモーター回転子を備えることを特徴とするモーター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モーター分野に関し、具体的に、モーター回転子及びそれを備えるモーターに関する。
【背景技術】
【0002】
永久磁石同期モーター(IPM)は、回転子の内側に一層の永久磁石を設けて、主に永久磁石トルクを利用し、リラクタンストルクを補助とするモーターである。
【0003】
リラクタンストルクと永久磁石トルクとの合成式は、
である。
ここで、Tはモーターの出力トルクで、Tの値を増加させると、モーターの性能が向上させることができ、Tの後ろの等式中の一番目の項はリラクタンストルクで、二番目の項は永久磁石トルクで、Ψ
PMはモーターの永久磁石による固定子と回転子のカップリング磁束の最大値で、mは固定子導体の相数で、L
d、L
qはそれぞれ、d軸とq軸のインダクタンスで、その中、d軸は主磁極軸線と重なる軸を指し、q軸は主磁極軸線に垂直な軸を指し、ここで、垂直とは電気角を言い、i
d、i
qはそれぞれ電機子電流のd軸、q軸方向における量である。上記合成式から、二番目の項である永久磁石トルクの追加及びモーターのd軸とq軸のインダクタンス差の増加によって、モーターの出力トルクTを増加できることが分かった。
【0004】
従来、主に、永久磁石の性能を向上させることによってモーターの性能を向上させ、即ち、永久磁石トルクを増加させる方法で、合成トルクの値を増加し、モーターの効率を向上させており、これに対して、一般的な対応策は希土類永久磁石を内蔵することである。しかし、希土は非再生資源で、且つ、価格もかなり高いので、このようなモーターの更なる汎用が制限されている。そして、回転子の体積の制限によって、回転子の各極での永久磁石の占有率に極限値が存在し、永久磁石の使用量を増加する方法でモーターの出力トルクを向上させることが難しく、モーターの効率の向上を制限してしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、永久磁石の利用率を向上させることによってモーターの回転子の性能を高めることができるモーター回転子及びそれを備えるモーターを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明では、鉄心と、鉄心の内部に設けられた永久磁石とを含み、鉄心に、鉄心の周方向に沿って複数組の装着溝が設けられ、各組の装着溝は鉄心の径方向に不連続的に設けられた2つ又は2つ以上の装着溝を含み、永久磁石は複数組あり、各組の永久磁石の中の各永久磁石は各組の装着溝の各装着溝に対応して嵌め込まれ、鉄心の軸方向に垂直な永久磁石の断面において、永久磁石の鉄心の中心から遠ざかる側の両端点間の距離を永久磁石の長さLとし、永久磁石の鉄心の中心から遠ざかる側の両端点間の接続線と永久磁石の鉄心の中心に近寄る側の中心点との間の距離を永久磁石の幅Hとすると、
であるモーター回転子を提供する。
【0007】
また、各組の装着溝は第1の装着溝と第2の装着溝とを含み、第1の装着溝と第2の装着溝に嵌め込まれる永久磁石はそれぞれ、第1の永久磁石と第2の永久磁石で、第1の永久磁石の永久磁石長さと永久磁石幅をそれぞれ、La1とHa1とすると、
である。
【0008】
また、第2の永久磁石の永久磁石長さと永久磁石幅をそれぞれ、La2とHa2とすると、
である。
【0009】
また、各組の装着溝は第1の装着溝と、第2の装着溝と、第3の装着溝と、を含み、第1の装着溝、第2の装着溝、及び第3の装着溝に嵌め込まれる永久磁石はそれぞれ、第1の永久磁石、第2の永久磁石、及び第3の永久磁石であって、第1の永久磁石の永久磁石長さと永久磁石幅をそれぞれ、Lb1とHb1とすると、
である。
【0010】
また、第2の永久磁石の永久磁石長さと永久磁石幅をそれぞれ、Lb2とHb2とすると、
である。
【0011】
また、第3の永久磁石の永久磁石長さと永久磁石幅をそれぞれ、Lb3とHb3とすると、
である。
【0012】
本発明の一態様によると、上述のモーター回転子を備えるモーターが提供される。
【発明の効果】
【0013】
本発明のモーター回転子及びそれを備えるモーターによれば、永久磁石の鉄心の中心から遠ざかる側の両端点間の距離を永久磁石の長さLとし、永久磁石の鉄心の中心から遠ざかる側の両端点間の接続線と永久磁石の鉄心の中心に近寄る側の中心点との間の距離を永久磁石の幅Hとし、テスト結果によると、永久磁石の長さLとHとの間の関係を調整することによって、永久磁石の周囲の空気中の磁界強度を有効に高め、永久磁石のエア・ギャップ磁束密度を増加させることができ、即ち、回転子のd軸とq軸方向の永久磁石の磁束を有効に増加させることで、永久磁石の使用量を増加せずに永久磁石の利用率及びモーター回転子の性能を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
ここで説明する図面は本発明を理解させるためのもので、本発明の一部を構成し、本発明における実施例と共に本発明を解釈し、本発明を不当に限定するものではない。
【
図1】
図1は、本発明に係るモーター回転子の一実施例の構造を示す図である。
【
図2】
図2は、本発明に係るモーター回転子の一実施例の永久磁石長さLと永久磁石幅Hを示す図である。
【
図3】
図3は、本発明に係るモーター回転子の一実施例のH/Lとモーター効率との関係を示す図である。
【
図4】
図4は、本発明に係るモーター回転子の他の実施例の構造及び永久磁石長さLと永久磁石幅Hを示す図である。
【
図5】
図5は、本発明に係るモーター回転子の他の実施例のH/Lとモーター効率との関係を示す図である。
【
図6】
図6は、本発明に係るモーター回転子のH/Lとエア・ギャップ磁束密度との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しつつ実施例に関して本発明を詳しく説明する。
本発明において、モーター回転子の装着溝20に配置した永久磁石20の内弧の装着溝まで伸びた両端点間の距離と、同一の永久磁石20の外弧面の中心点からd軸方向に沿って内弧の両端点の接続線の中心点までの距離との関係を検討し、永久磁石20の使用量が一定である場合に永久磁石トルクの利用を向上させる方法を提供し、即ち、永久磁石のサイズを最適化することによって、モーターの合成トルクTの最大化を図り、モーターの効率を向上させる。
【0016】
図1に示すように、本発明によれば、鉄心10と、鉄心10の内部に設けられる永久磁石20とを含み、鉄心10に、鉄心10の周方向に沿って複数組の装着溝30が設けられ、各組の装着溝30は鉄心10の径方向に不連続的に設けられた2つ又は2つ以上の装着溝30を含み、永久磁石20は複数組あり、各組の永久磁石20の中の各永久磁石20は各組の装着溝30の各装着溝30に対応して嵌め込まれ、鉄心10の軸方向に垂直な永久磁石20の断面において、永久磁石20の鉄心10の中心から遠ざかる側の両端点間の距離を永久磁石の長さLとし、永久磁石20の鉄心10の中心から遠ざかる側の両端点間の接続線と永久磁石20の鉄心10の中心に近寄る側の中心点との間の距離を永久磁石の幅Hとすると、
であるモーター回転子を提供する。
【0017】
図1に示すように、本発明のモーター回転子は、少なくともけい素鋼板を積層してなる鉄心10と、鉄心10に嵌め込まれる永久磁石20とを含む。モーター回転子の鉄心10は、鉄心10を貫通する複数組の装着溝30を含み、各組の装着溝30は鉄心を隔てた2層以上の装着溝30を含む。永久磁石20は装着溝30に嵌め込まれ、嵌め込む場合、同組の永久磁石20がモーター回転子の外周方向に向けて同一の極性を有しなければならなく、例えば、
図1に示すように、d軸方向に2層の永久磁石が全てS極をなし、同時に、隣り合う二組の永久磁石20の磁性が逆になり、各組の永久磁石20は外へ向けて円周方向に沿ってNS極の順で交互に分布されている。永久磁石30を装着溝30に設けた後、装着溝30の両端には一定の隙間が形成され、その中に空気又は非透磁媒体が充填される。モーター回転子の同組の永久磁石20のうち、隣り合う2つの永久磁石間に、けい素鋼板からなり、一定の幅を有する磁束経路があり、モーター回転子の隣り合う二組の装着溝30間に、けい素鋼板からなり、幅が不一定である接続リブがある。
【0018】
装着溝30に永久磁石20を設けた場合、当該回転子はリラクタンストルクを提供できる。d軸方向に複数層の永久磁石20が設けられ、且つ永久磁石20自体のリラクタンスが大きく、空気の透磁率に相当するので、d軸方向のインダクタンスL
dは小さくなり、一方、q軸方向は鉄心10自体が高い透磁率を有するので、q軸方向のインダクタンスL
qが大きくなり、これにより、モーター回転子のリラクタンストルクを増加させることで、モーターの出力トルクを増加させ、さらにモーターの効率を向上させる。このような方法でモーターの効率を向上させるため、希土類永久磁石を追加してモーターの効率を向上させる方法の替わりに用いられることができ、希土の使用量を低減し、エネルギーを節約できる一方、環境負担を低減でき、また、コストを引き下げ、製品の競争力を高めることが可能となる。
【0019】
そして、永久磁石20を挿入したので、当該回転子も永久磁石トルクを提供できる。永久磁石20の鉄心10の中心から遠ざかる側の両端点間の距離を永久磁石の長さLとし、永久磁石20の鉄心10の中心から遠ざかる側の両端点間の接続線と永久磁石20の鉄心10の中心に近寄る側の中心点との間の距離を永久磁石の幅Hとする場合、テスト結果によると、永久磁石の長さLとHとの間の関係を調整することによって、永久磁石のエア・ギャップ磁束密度(エア・ギャップ磁束密度とは、空気中の磁気強度を指し、エア・ギャップ磁束密度が大きいほど、磁界の強度が大きく、永久磁石のトルクが大きい)を有効に増加させることができ、即ち、回転子のd軸とq軸方向の永久磁石の磁束を有効に増加させることで、永久磁石の使用量を増加せずに永久磁石の利用率及びモーター回転子の性能を向上させることができる。
図5に示すように、
である場合、エア・ギャップ磁束密度は緩やかに増加する段階に進入する。
【0020】
本発明に係る第1の実施例によれば、
図2に示すように、各組の装着溝30は、第1の装着溝31aと、第2の装着溝32aと、を含み、第1の装着溝31aと第2の装着溝32aに嵌め込まれる永久磁石20はそれぞれ、第1の永久磁石21aと第2の永久磁石22aで、第1の永久磁石21aの永久磁石長さと永久磁石幅をそれぞれLa1とHa1とすると、
である。また、第2の永久磁石22aの永久磁石長さと永久磁石幅をそれぞれLa2とHa2とすると、
であることが好ましい。
【0021】
図2に示すように、21と22はそれぞれ、第1の装着溝31aと第2の装着溝32aに挿入される第1層の永久磁石と第2層の永久磁石である。回転子の各極がいずれも一定の扇形の面積を有するので、構造上、挿入される弧形の永久磁石の曲率と弧形深さは任意であってもよい。しかし、テスト結果によると、関係式
を満たすように、永久磁石の内弧21a1が両側へ装着溝31aまで伸びて交差する両端点間の距離と、永久磁石の外弧21a2の中心点からd軸方向に沿って内弧21a1の両端点の接続線からなる仮想直線までの距離Hを調整した場合、永久磁石20の体積が一定すると、永久磁石の磁束を増加できる。
図3に示すH/Lとモーターの効率の曲線は、区間内の複数組のテストデータの平均値であり、H/Lが関係式
を満たす場合、モーターの効率は当該関係式を満たさない場合より高く、当該関係式による効果は、モーターが低速で動作する時に一層著しい。好ましくは、第2の装着溝32a中の第2の永久磁石22aの永久磁石長さLa2と永久磁石幅Ha2との関係が
を満たす場合、モーターの効率を一層向上させることができる。
【0022】
本発明に係る第2の実施例によれば、
図4に示すように、各組の装着溝30が、第1の装着溝31bと、第2の装着溝32bと、第3の装着溝33bと、を含み、第1の装着溝31b、第2の装着溝32b、及び第3の装着溝33bに嵌め込まれる永久磁石20がそれぞれ、第1の永久磁石21b、第2の永久磁石22b、及び第3の永久磁石23bであり、第1の永久磁石21bの永久磁石長さと永久磁石幅をそれぞれLb1とHb1とすると、
である。また、第2の永久磁石22bの永久磁石長さと永久磁石幅をそれぞれ、Lb2とHb2とすると、
であることが好ましい。また、第3の永久磁石23bの永久磁石長さと永久磁石幅をそれぞれLb3とHb3とすると、
であることが好ましい。
【0023】
上記の関係式は好適に2層の永久磁石20による回転子に適用し、その永久磁石20の組数は
図2に示す6極に限定されず、4極、8極の回転子の場合にも適用する。
【0024】
図4に示すように、本実施例において、各組の装着溝30は、それぞれ第1の装着溝31b、第2の装着溝32b、第3の装着溝33bである3層の装着溝を含む。テスト結果によると、関係式
を満たすように、永久磁石21bの内弧が両側へ装着溝31bまで伸びて交差する両端点間の距離と、永久磁石21bの外弧の中心点からd軸方向に沿って内弧の両端点の接続線からなる仮想直線までの距離Hを調整した場合、永久磁石の体積が一定すると、永久磁石の磁束を増加でき、これにより、モーターの永久磁石トルクを高め、最終的に、モーターの効率を向上させる目的を達成できる。
図5に示すH/Lとモーターの効率曲線は、区間内の複数組のテストデータの平均値であって、H/Lが関係式
を満たす場合、モーターの効率は関係式を満たさない場合より高く、当該関係式による効果はモーターが低速で動作するときに一層著しい。好ましくは、第2の装着溝32b中の第2の永久磁石22bの永久磁石長さLb2と永久磁石幅Hb2との関係が
を満たす場合、モーターの効率を一層向上させることができる。好ましくは、第3の装着溝33b中の第2の永久磁石23bの永久磁石長さLb3と永久磁石幅Hb3との関係が
を満たす場合、モーターの効率を一層向上させることができる。
【0025】
本実施例における関係式は好適に3層の永久磁石20による回転子に適用し、その永久磁石20の組数は
図4に示す4極に限定されず、6極、8極の回転子にも適用する。
【0026】
本発明のモーター回転子における嵌め込まれる永久磁石と貫通溝の形態を、同厚さの弧形に設計してもよいし、中央が厚く両側が薄い、厚さが不均一な弧形に設計してもよい。
【0027】
本発明は、さらに、上記のモーター回転子を備えるモーターを提供する。
本発明のモーターによれば、永久磁石の長さとその幅との間の関係を限定することによって、永久磁石の体積が一定である場合に永久磁石の磁束利用率及びモーターの永久磁石トルクを向上させ、最終的に、モーターの効率を向上させる目的を達成できる。本発明のモーターがエアコンの圧縮機、電気自動車及び送風機システムに適用できることは言うまでもない。
【0028】
上述のように、本発明の上記の実施例は、以下の効果を実現できる。
本発明のモーター回転子及びそれを備えるモーターによれば、永久磁石の使用量が一定である場合、モーター回転子の永久磁石トルクの利用率を上げ、モーターの効率を向上させる目的を達成でき、或いは、モーターの効率を不変にする場合、永久磁石の使用量を低減でき、材料を節約し、モーターのコストを低減する目的を達成できる。
【0029】
以上は、本質的に好ましい例示であって、本発明を限定するものではない。当業者であれば本発明に様々な修正や変形が可能である。本発明の精神や原則内での如何なる修正、置換、改良なども本発明の保護範囲内に含まれる。