特許第6203718号(P6203718)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6203718
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】エネルギー節減ポンプ
(51)【国際特許分類】
   F04F 1/04 20060101AFI20170914BHJP
   F04B 9/00 20060101ALI20170914BHJP
   F22D 11/00 20060101ALI20170914BHJP
   F22D 5/00 20060101ALI20170914BHJP
   F22D 1/34 20060101ALI20170914BHJP
   F04B 9/123 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
   F04F1/04
   F04B9/00 C
   F22D11/00 C
   F22D5/00 A
   F22D1/34
   F04B9/123
【請求項の数】2
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-524931(P2014-524931)
(86)(22)【出願日】2012年8月8日
(65)【公表番号】特表2014-529703(P2014-529703A)
(43)【公表日】2014年11月13日
(86)【国際出願番号】KR2012006324
(87)【国際公開番号】WO2013022276
(87)【国際公開日】20130214
【審査請求日】2015年8月7日
(31)【優先権主張番号】10-2011-0078771
(32)【優先日】2011年8月8日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2011-0080932
(32)【優先日】2011年8月13日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2012-0045063
(32)【優先日】2012年4月30日
(33)【優先権主張国】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】514034157
【氏名又は名称】イム,チュ−ヒョク
【氏名又は名称原語表記】YIM,Joo−hyuk
(74)【代理人】
【識別番号】100131657
【弁理士】
【氏名又は名称】奥田 律次
(72)【発明者】
【氏名】イム,チュ−ヒョク
【審査官】 岩田 健一
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−073098(JP,A)
【文献】 実開昭58−108300(JP,U)
【文献】 特開2001−123808(JP,A)
【文献】 特開平11−148327(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04F 1/04
F04B 9/00
F22D 11/00
F22D 5/00
F22D 1/34
F04B 9/123
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸気発生器で発生した蒸気が伝達されるように設置されたポンプ本体部と、
ポンプ本体部と蒸気発生器との間の管路を開閉する蒸気伝達手段と、
ポンプ本体部と使用先との間の管路を開閉する給水手段と、
ポンプ本体部の水位、温度または圧力を含む内部状態を感知するポンプ本体感知部と、
蒸気伝達手段及び給水手段を開閉させる制御部とを含み、
蒸気伝達手段及び給水手段を開放して使用先に給水すること、
前記ポンプ本体部と蒸気発生器との間の管路に形成された蒸気チャンバをさらに含み、
蒸気伝達手段及び給水手段を開放して使用先に給水する過程で、
前記蒸気チャンバを通過した蒸気を利用して給水することを特徴とするエネルギー節減ポンプ。
【請求項2】
蒸気発生器で発生した蒸気が伝達されるように設置されたポンプ本体部と、
ポンプ本体部と蒸気発生器との間の管路を開閉する蒸気伝達手段と、
ポンプ本体部と使用先との間の管路に形成された小容量ポンプと、
ポンプ本体部の水位、温度または圧力を含む内部状態を感知するポンプ本体感知部と、
蒸気伝達手段及び小容量ポンプを駆動させる制御部とを含み、
前記蒸気発生器の蒸気が基準値より小さいか、蒸気発生器の内部の水位がポンプ本体部の内部の水位より高い場合に、前記蒸気伝達手段を開放して使用先に給水し、前記小容量ポンプを駆動することを特徴とするエネルギー節減ポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蒸気発生器から蒸気が伝達されるように設置されたポンプ本体部と、ポンプ本体部と蒸気発生器との間の管路を開閉する蒸気伝達手段と、ポンプ本体部と使用先との間の管路を開閉する給水手段とを含み、蒸気伝達手段及び給水手段を開放して使用先に給水することを特徴とする、エネルギー節減ポンプ及び上記ポンプの制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ポンプは原動機から機械エネルギーを受けて、このエネルギーを取り扱う液体に伝達することによって、液体を低圧部から高圧部に送る装置である。従来の大部分のポンプは、揚水のために、液体の中にポンプ本体を入れて、原動機の機械エネルギーを利用してピストンまたはインペラを駆動する構造である。
【0003】
一方、蒸気発生装置は水を暖めたり沸かして蒸気を発生させる機械装置で、発電用、産業用、暖房用、食品加工、農工業及びその他の分野において生活全般に使われている。
【0004】
ところが、大部分の蒸気発生装置には高圧の給水ポンプが予備用を含んで2つ以上装着されている。また、発電所の場合、高圧の給水ポンプが備えられていても高温によるキャビテーション現象で、高圧ポンプのポンピングがまともに行われていない状況である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は蒸気発生装置の蒸気エネルギーを活用することによって使用先に給水し、何れの水源から水を吸入することができるエネルギー節減ポンプ及び上記ポンプの制御システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明においては、蒸気発生器で蒸気が伝達されるように設置されたポンプ本体部と、ポンプ本体部と蒸気発生器との間の管路を開閉する蒸気伝達手段と、ポンプ本体部と使用先との間の管路を開閉する給水手段とを含み、蒸気伝達手段及び給水手段を開放して使用先に給水することを特徴とするエネルギー節減ポンプ及び上記ポンプの制御システムを提供することで、上述の技術的課題を解決する。
【0007】
また、ポンプ本体部と水源と間の管路を開閉する吸入手段を含み、蒸気伝達手段を開閉して蒸気を受けた後、吸入手段を開放して水源の水を吸入することを特徴とするエネルギー節減ポンプ及び上記ポンプの制御システムを提供することで、上述の技術的課題を解決しようとする。
【発明の効果】
【0008】
本発明のエネルギー節減ポンプ及び上記ポンプの制御システムは、蒸気発生器で発生する高圧の蒸気エネルギーを使って、別途の追加エネルギーなしにまたは最小限のエネルギーだけでポンプ本体部の水を使用先に給水したり何れの水源からポンプ本体部に自動に吸入して給水することができる顕著な效果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1実施形態によるエネルギー節減ポンプの主要構成である。
図2】本発明の第2実施形態によるエネルギー節減ポンプの主要構成である。2
図3】本発明の第3実施形態によるエネルギー節減ポンプの主要構成である。
図4】本発明の第4実施形態によるエネルギー節減ポンプの主要構成である。
図5】本発明の第5実施形態によるエネルギー節減ポンプの主要構成である。
図6】本発明の第1〜第5実施形態によるエネルギー節減ポンプの制御システムの主要構成である。
図7】本発明の第6実施形態による蒸気発生装置に採用されたエネルギー節減ポンプの主要構成である。
図8】本発明の第7実施形態による蒸気発生装置に採用されたエネルギー節減ポンプの主要構成である。
図9】本発明の第8実施形態による蒸気発生装置に採用されたエネルギー節減ポンプの主要構成である。
図10】本発明の第9実施形態による蒸気発生装置に採用されたエネルギー節減ポンプの主要構成である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は本発明の第1実施形態によるエネルギー節減ポンプを記述するために概略的に示した図面である。本発明の第1実施形態によるエネルギー節減ポンプは、主にポンプ本体部100、蒸気伝達手段200、吸入手段300及び給水手段400を含む。ここで、蒸気発生器は火力または原子力エネルギー源などの多様なエネルギー源を利用して水を沸して蒸気を発生させる手段であり、水源は各種水槽設備または河川などのように水を提供することができるすべての源泉を含む。また、使用先は何れの使用先で、蒸気発生器が使用先として使われることもできる。
【0011】
ポンプ本体部100は、密閉された容器またはタンクの構成を有し、内部に一定水位の水を備えたり空いている状態で維持され、各状況に合わせてポンプが運用されるように設計される。また、ポンプ本体部100は、耐圧機能を有するように設計されるが、それは蒸気発生器で高圧の蒸気エネルギーを受け入れるためである。一例として、ポンプ本体部100の全ての面は角のないラウンド状に形成される。例えば円筒状や球形に設計される。
【0012】
ポンプ本体部100は、蒸気発生器と蒸気伝達ケーブルで連結され、水源方向には吸入ケーブルが設置され、給水使用先方向には給水ケーブルが設置される。
【0013】
蒸気伝達手段200は、蒸気発生器の蒸気をポンプ本体部100に伝達するための開閉手段で、一例として電動バルブが用いられることができ、同じ機能を果たす他の手段が採用されることもできる。
【0014】
吸入手段300は、ポンプ本体部に水源の水が吸入されて給水されるための開閉手段で、一例として電動バルブまたはチェックバルブまたは上記二つのバルブの並列構造などが用いられることができ、同じ機能を果たす他の手段が採用されることもできる。
【0015】
給水手段400は、ポンプ本体部から使用先に給水するための開閉手段で、一例として電動バルブまたはチェックバルブまたは上記二つのバルブの並列構造などが用いられることができ、同じ機能を果たす他の手段が採用されることもできる。
【0016】
図1の動作過程を概略的に説明すれば、まず、使用先へ給水するために、蒸気伝達手段200がオンになると、高圧の蒸気エネルギーがポンプ本体部100に伝達されて使用先に給水される。
【0017】
給水手段400がチェックバルブであれば自動的に給水が行われ、電動バルブであれば条件によって駆動制御されることによって給水が行われる。即ち蒸気伝達手段200をオンにし、ポンプ本体部100の状態を判断した後、給水が行われるように駆動制御することができる。
【0018】
次に、水源からポンプ本体部100に吸入されて給水が行われる場合を説明すれば、ポンプ本体部100の内部の蒸気の凝縮程度が真空や真空に近い場合、吸入手段300をオンにし、何れの水源からポンプ本体部100の内部に吸入して給水が行われるようにする。
【0019】
図2は本発明の第2実施形態のエネルギー節減ポンプの主要構成を示した図面である。
【0020】
大気圧形成手段500はポンプ本体部100の内部の気体を排出する機能を果たし、本体部の内部を大気圧に形成したり、真空度を調節する機能を果たす開閉手段である。設計条件によって、大気圧形成手段500はポンプ本体部100に別途の管路を設置して、この管路に設置することができ、または水源に連結される管路に設置されることもできる。また、大気圧形成手段500は手動または自動に駆動されることができる手段として機能するように構成されることができる。一例として、電動バルブが用いられることができ、同じ機能を果たす他の手段が採用されることもできる。
【0021】
大気圧形成手段500が用いられる場合を説明すれば、まず、水源がポンプ本体部100より高い位置に形成されている場合、条件によって開閉される。即ち、水源とポンプ本体部100の相互位置にかかわらず吸入されて給水が行われることができるが、水源がポンプ本体部100より高く位置する場合、大気圧形成手段500を開放して本体部の内部を大気圧に形成した後再び吸入手段300を開放すれば位置エネルギーの差によって本体部の内部へ給水が行われる。
【0022】
次に、ポンプ本体部100の内部の真空度を調節する必要性がある場合、条件によって開閉される。即ち、本体部100の内部の真空が過度に形成されている場合には、ポンプを安定的に駆動するために、大気圧形成手段500をしばらく開閉(ON/OFF)して真空度を調節することができる。例えば、本体部100の内部の真空が過度に形成される場合、大気圧形成手段500をしばらく開閉して真空状態を一部解消することで水源からの吸入速度または給水水位を調節する。
【0023】
図3は本発明の第3実施形態によるエネルギー節減ポンプの主要構成を示した図面である。蒸気チャンバ600は使用先への給水が円滑に行われるようにする構成で、管路の直径より大きい直径を有し、所定空間が形成されている構成である。例えば、拡管パイプを利用して管路に連結するか嵌め込むことができ、または、所定空間を有して管路に連結されることができる構成であれば可能である。設計条件によって、蒸気チャンバ600は蒸気発生器とポンプ本体部100とが連結される管路の何れの所に設置可能であるが、好ましくは、ポンプ本体部100と連結される管路の入口に近接して設置されるように構成される。また、条件によっては蒸気チャンバ600を保温手段で囲むようにして確保された蒸気の圧力が低下されないようにする。
【0024】
蒸気チャンバ600は、蒸気発生器で発生する高圧の蒸気エネルギーを利用して使用先に給水する時より円滑に給水が行われるようにする構成である。即ち、ポンプ本体部100の内部に蒸気エネルギーが伝達される時、内部に含まれた水との接触面積がある程度確保されてこそ円滑に駆動されるが、場合によって、本体部の内部が満水位になる場合があるからである。
【0025】
従って、蒸気チャンバ600に蒸気がある程度確保されながら本体部の内部に提供されると、接触面積が小さくても密度の高い蒸気が提供されて、給水が円滑に行われることができる。
【0026】
図4は本発明の第4実施形態によるエネルギー節減ポンプの主要構成を示した図面である。小容量ポンプ700はポンプ本体部100から使用先へ円滑に給水するために形成され、設計条件によっては、給水手段400と並列に連結されるか、または給水手段400を取り替えるように構成される。給水手段400と並列に連結される場合には、需要によって、給水手段400はチェックバルブ及び/または電動バルブが用いられることができる。
【0027】
小容量ポンプ700が用いられる場合を説明すれば、まず、蒸気発生器で発生される蒸気エネルギーの圧力が十分でない場合、ポンプ本体部100の水を使用先に円滑に供給する機能を果たす。即ち、蒸気エネルギーの圧力を利用するので、小容量ポンプが利用されても使用先へ円滑に給水される。
【0028】
次に、蒸気発生器の内部タンクの水位が本体部100の内部水位より高い場合、条件によっては、使用先へ円滑に給水することができない場合があり、この場合に使われるように駆動される。また、即時に給水が必要であったり、蒸気発生器で発生される蒸気エネルギーの圧力を全く使うことができないなどの非常時に予備用として用いられることができる。
【0029】
図5は本発明の第5実施形態によるエネルギー節減ポンプの主要構成を示した図面である。恒温手段800はポンプ本体部100を恒温状態に維持するための手段で、ポンプ本体部100の内部を周辺環境と関係なく安定的に制御駆動するための手段である。好ましくは、恒温手段800は冷却手段、加熱手段を含むように構成され、設計条件によって冷却剤を投入することができる手段を含んでもよい。
【0030】
恒温手段800が冷却機能を有するように構成される場合、ポンプ本体部100の内部の凝縮作用(液化)を促進したり調節するための機能を果たすことができる。
【0031】
図6は本発明の第1〜第5実施形態によるエネルギー節減ポンプの制御システムの主要構成を説明するために示した図面である。ポンプ本体感知部110はポンプ本体部100の内部状態を感知して制御部900に伝達する機能を果たし、水位センサー、温度センサー及び圧力センサーを含む。
【0032】
温度センサー210は蒸気伝達ケーブルの末端に設置されて、蒸気発生器の温度を計測して制御部900に伝送する機能を果たす。設計条件によって、蒸気発生器に既に各種センサーが設置されていて、その値を利用することができる状況であれば、温度センサー210は設置しなくてもよい。
【0033】
制御部900はポンプ動作を全般的に制御するための構成で、ポンプ本体部100に含まれて構成されるか及び/またはリモートコントロールが可能な端末機形態に構成されることができる。
【0034】
制御部900はポンプ本体感知部110及び温度センサー210の信号を利用して、蒸気発生器で発生される蒸気の状態及びポンプ本体部の内部の状態などを総合的に判断した後、蒸気伝達手段200、吸入手段300、給水手段400、大気圧形成手段500、小容量ポンプ700及び恒温手段800を制御駆動する。
【0035】
制御部900は真空及び給水判断部910及び駆動制御部920を含み、真空及び給水判断部910は蒸気エネルギー判断モジュール及びポンプ内部判断モジュールを含み、駆動制御部920はバルブ開放調節モジュール、大気圧形成モジュール、小容量ポンプ駆動モジュール及び恒温モジュールを含むように構成される。
【0036】
蒸気エネルギー判断モジュールは、温度センサー210の感知値及び/または蒸気発生器に既に設置されている各種センサーの感知値などによって蒸気発生器で発生される蒸気の状態を判断する。ポンプ内部判断モジュールはポンプ本体感知部110に含まれたセンサーの感知値によってポンプ本体部100の内部状態を判断する。
【0037】
駆動制御部920は蒸気エネルギー判断モジュール及びポンプ内部判断モジュールの値を利用して、蒸気伝達手段200、吸入手段300、給水手段400、大気圧形成手段500、小容量ポンプ700及び恒温手段800を駆動制御する。設計条件によって、蒸気及びポンプの内部の状態によって駆動される制御パターンが別途のメモリーに記録され、駆動制御部920がこれを利用して動作するように構成されることもできる。
【0038】
バルブ開放調節モジュールは、蒸気伝達手段200、吸入手段300、給水手段400、大気圧形成手段500の開放を調節するモジュールである。ここで、バルブ開放調節モジュールの適用対象になるためには、蒸気伝達手段200、吸入手段300、給水手段400及び大気圧形成手段500には電動バルブが採用されることができ、または瞬間的なオン/オフ以外に漸進的にオン/オフすることができる手段であれば採用可能である。
【0039】
一例として、ボールバルブ形態の電動バルブであれば、開閉動作を繰り返し的に駆動することによって開放速度を調節することができる。即ち、蒸気発生器、ポンプ本体部100、水源、使用先の間の管路にある開閉手段の開放速度を調節することによって、ポンプ本体部100の使用先への給水及びポンプ本体部100の内部への吸入給水動作を場合によって安定的に行うことができる。設計条件によって、管路のオリフィスを調節することができる機能の手段であれば採用可能である。
【0040】
大気圧形成モジュールはバルブ開放調節モジュールと連動して大気圧形成手段500を駆動制御する機能を果たす。即ち、水源がポンプ本体部100より高い位置に形成されている場合、初めから吸入して給水をしないで本体部の内部に大気圧が形成されるようにした後、吸入手段300を開放することができ、または吸入して給水する途中に条件によって駆動されることができる。また、真空及び給水判断部910の信号によってポンプ本体部100の内部の真空度を調節する必要性がある時に、大気圧形成モジュールが大気圧形成手段500を駆動制御する。
【0041】
小容量ポンプ駆動モジュールは小容量ポンプ700を駆動制御する。蒸気発生器で発生される蒸気エネルギーの圧力が十分でない場合、真空及び給水判断部910の信号によって小容量ポンプ700を駆動制御してポンプ本体部100の水を使用先に供給する。また、蒸気発生器の内部の水位が高かったり非常時にも小容量ポンプ700を駆動制御して使用先に供給するようにする。
【0042】
恒温モジュールは真空及び給水判断部910の信号によってポンプ本体部100の周辺を恒温にしようとする時恒温手段800を駆動する。また、恒温手段800が冷却手段を含む場合、ポンプ本体部100の内部の凝縮作用を促進したり調節するために恒温手段800を駆動することができる。
【0043】
以下、本発明によるエネルギー節減ポンプの動作過程を説明する。
まず、ポンプ本体部100から使用先に給水される過程を説明する。
【0044】
制御部900はポンプ本体部100の水位が蒸気発生器に含まれた蒸気発生タンクの水位より高いか否かを判断し、また、蒸気の温度値を利用して蒸気圧力のエネルギーを判断する。
【0045】
第一に、ポンプ本体部100の水位が蒸気発生タンクの水位より高く、蒸気エネルギーの状態が基準値より高い場合、制御部900は蒸気伝達ケーブルに連結された蒸気伝達手段200をONにする。ここで、基準値はポンプ本体部100の容量及び水の量などによって予め設定された値で、設計条件によって変動されることができる。
【0046】
蒸気伝達手段200がONになると、高圧の蒸気エネルギーがポンプ本体部100に伝達され、給水手段400が制御されることによって使用先に給水される。即ち、ポンプ本体部100の水位が蒸気発生器に含まれた蒸気発生タンクの水位より高いので、高圧の蒸気エネルギーを利用すれば、エネルギーを追加する必要なく、または最小限のエネルギーだけで給水が可能になる。
【0047】
第二に、ポンプ本体部100の水位が蒸気発生タンクの水位と同一であるか低く、蒸気エネルギーの状態が基準値より高い場合、制御部900は蒸気伝達ケーブルに連結された蒸気伝達手段200をONにする。ここで、基準値はポンプ本体部100の容量及び水の量などによって予め設定された値で、ポンプ本体部100の水位が高い時の基準値と同一であるか異なる値で、設計条件によって変動されることもできる。この場合に、給水手段400は小容量ポンプで取り替えられるか、または給水手段400と小容量ポンプ700とが並列に連結された構造が採用されることができ、蒸気伝達手段200がONになると、高圧の蒸気エネルギーがポンプ本体部100に伝達されることによって、給水手段400を駆動する最小限のエネルギーだけで給水可能になる。即ち、伝達される蒸気エネルギーを除いて必要な水の量と蒸気エネルギーを補正することができるエネルギーだけ必要であるので、小容量ポンプだけで給水可能になる。
【0048】
第三に、蒸気エネルギーの状態が基準値より低い場合、小容量ポンプ駆動モジュールは小容量ポンプ700を駆動制御し、ポンプ本体部100の水を使用先に円滑に供給するようにする。この場合にも伝達される蒸気エネルギーを除いて、必要な水の量と蒸気エネルギーを補正することができるエネルギーだけ必要であるので、小容量ポンプだけで給水が可能になる。
【0049】
次に、水源からポンプ本体部100に吸入されて給水される過程を説明する。
【0050】
吸入給水は使用先へ給水が行われた後施行されるかまたは給水されてなくても吸入給水を単独に行うことができることを明らかにしておく。また、ポンプ本体部100に水があってもなくても吸入給水が行われることができることを明らかにしておく。第一に、使用先へ給水が行われた後である場合、ポンプ本体部100に流入された高温の蒸気は迅速に凝縮(液化)され、この時、ポンプ本体部100の内部は真空または真空に近い状態になる。即ち、給水が行われた後であれば、ポンプ本体部100の内部は満水位でなく、また蒸気伝達手段200はOFF状態で、既にポンプ本体部100に流入された高温の蒸気が迅速に凝縮されることができる条件であるからである。制御部900がポンプ本体部100の内部蒸気の凝縮程度が真空や真空に近いと判断すれば、吸入手段300をONにし、何れの水源からポンプ本体部100の内部に吸入給水が行われる。条件によって、制御部900は、迅速な凝縮のために、本体部100を冷却させるか蒸気を一部排出することもできる。
【0051】
第二に、使用先への給水とは関係なく、制御部900は蒸気伝達ケーブルに連結された蒸気伝達手段をONにして高温の蒸気がポンプ本体部100の内部に伝達されるようにし、ポンプ本体部100の内部状態(水位、温度、圧力など)を感知して、所定条件になると蒸気伝達手段200をOFFにする。この場合もポンプ本体部100の内部に所定空間があることを前提にして、水が全くない状況でも適用されることができることを明らかにしておく。蒸気伝達手段200がOFFになった後、制御部900はポンプ本体部100の内部の温度及び圧力を感知して内部蒸気の凝縮程度を判断する。制御部900がポンプ本体部100の内部蒸気の凝縮程度が真空または真空に近いと判断すれば、水源に設置された吸入ケーブルに連結された吸入手段300をONにして、水源からポンプ本体部100に自動に吸入給水されるようにする。
【0052】
第三に、水源の位置がポンプ本体部100より上にある場合、大気圧形成手段500をONにして、本体部の内部圧力を大気圧に形成した後、吸入手段300をONにして水源から本体部に給水されるようにすることができる。
【0053】
図7は本発明の第6実施形態による蒸気発生装置に採用されたエネルギー節減ポンプの主要構成を示した図面である。まず、第6実施形態によるエネルギー節減ポンプの主要構成は給水タンク200’、定水位タンク300’、蒸気伝達手段410’、給水手段420’及び吸入手段430’を含む。
【0054】
第1〜第5実施形態のポンプと比べて見ると、使用先への給水は蒸気発生タンク100’への給水になり、水源からの吸入は定水位タンク300’からの吸入になる。従って、上記で図1図6を利用して説明した内容の中で蒸気発生装置に本発明を採用しても適用されるものは上述したのと同じである。
【0055】
まず、蒸気発生タンク100’、給水タンク200’及び定水位タンク300’を設置する時の相互間の高さは任意に設定することができることを明らかにしておく。即ち、蒸気発生タンク100’と給水タンク200’が同等な位置にあるか、または何れか一つのタンクが他のタンクより高い位置に設置されることができる。これは給水タンク200’と定水位タンク300’でも同じく適用される。言い換えれば、本発明における蒸気発生タンク100’及び給水タンク200’との間、給水タンク200’と定水位タンク300’との間の流体伝達は相互の間の位置に制限されないように構成される。
【0056】
蒸気発生タンク100’は火力または原子力エネルギー源などの多様なエネルギー源を利用して水を沸して蒸気を発生させる手段で、発生された蒸気は蒸気排出手段(図示省略)を通じて排出されるように設計される。
【0057】
給水タンク200’は蒸気発生タンク100’の蒸気圧を受ける機能と蒸気発生タンク100’に水を供給する機能を果たす。
【0058】
蒸気発生タンク100’の内部圧力を給水タンク200’に伝達するために、二つのタンクの管路には蒸気伝達手段410’が具備され、また、給水タンク200’の水を蒸気発生タンク100’に伝達して給水するために、二つのタンクのまた他の管路には給水手段420’が具備される。ここで、蒸気伝達手段410’及び給水手段420’に対する説明は蒸気伝達手段200及び給水手段400に対する説明と同じである。
【0059】
定水位タンク300’は給水タンク200’に補充水を提供したり、または給水タンク200’の蒸気圧を受ける機能を果たす。設計条件によって、定水位タンク300’は水道管に連結されたり、または凝縮水回収管路に連結されるように構成され、または別途の水源で取り替えられることもできる。
【0060】
給水タンク200’の圧力を伝達したり定水位タンク300’の水を伝達するために、二つのタンクの管路には吸入手段430’が具備される。ここで、吸入手段430’に対する説明は吸入手段300に対する説明と同じである。
【0061】
真空調節手段500’は定水位タンク300’から給水タンク200’に吸入給水される過程で、給水タンク200’の内部の状態を調節するために具備される。即ち、給水タンク200’の内部蒸気の凝縮程度が真空に近い場合、定水位タンク300’から給水タンク200’に吸入が行われる。この吸入給水速度、吸入が完了された後の給水タンク200’の内部状態などを考慮して、真空調節手段500’が機能されるようにする。一例として、空気を一部提供することによって、真空を調節することができる機能を有する手段が採用されることができ、設計条件によって、同一機能を果たす他の手段が採用されることもできる。また、設計条件によって、真空調節手段500’が含まれないように構成されることもできる。
【0062】
図8は本発明の第7実施形態による蒸気発生装置に採用されたエネルギー節減ポンプの主要構成を示した図面である。図7において、給水タンク200’は外部の蒸気発生器と連結される管路をさらに含み、この管路を開閉する手段として外部圧力伝達手段411’が採用されている。
【0063】
外部圧力伝達手段411’は管路を開閉する機能を果たす手段で、一例として電動バルブが用いられることができ、設計条件によって、同じ機能を果たす他の手段が採用されることもできる。
【0064】
図9は本発明の第8実施形態による蒸気発生装置に採用されたエネルギー節減ポンプの主要構成を示した図面である。冷却手段600’は給水タンク200’を冷却する手段で、給水タンク200の内部蒸気が迅速に凝縮されるようにする機能を果たす。図5の恒温手段800の一例として記述される。
【0065】
図10は本発明の第9実施形態による蒸気発生装置に採用されたエネルギー節減ポンプの主要構成を示した図面である。給水タンク201’〜20n’は複数が備えられることができ、定水位タンク301’〜30n’も複数備えられることができる。
【0066】
本発明の第6〜第9実施形態によるエネルギー節減ポンプの制御システムは、基本的に図6の主要構成を含むように構成する。ただ、蒸気発生タンク100’及び定水位タンク300’の水位、温度及び/または圧力を感知して制御部900に伝送することができるように、各タンクにセンサーが追加されることができる。設計条件によって、各タンクは、水位、温度及び圧力センサーを全部含むことができ、または選択的に含むように構成されることができる。また、真空調節手段500’が採用される場合には、この手段を制御部900が制御することができるようにする構成が追加されることができる。また、外部圧力伝達手段411’が採用される場合には、この手段を制御部900が制御することができるようにする構成が追加されることができる。
【0067】
給水タンク200’から蒸気発生タンク100’への給水制御機能について説明すれば、エネルギー源が蒸気発生タンク100’を加熱することによって蒸気が発生し、蒸気排出手段を通じて使用先に送られると、蒸気発生タンク100’の水が減少するので、給水タンク200’から蒸気発生タンク100’へ給水が行われる。
【0068】
好ましくは、制御部900は給水タンク200’の水位が蒸気発生タンク100’の水位より高くても低くても、蒸気発生タンク100’に給水が必要な場合には、給水手段420’がONになるように駆動する。
【0069】
第一に、蒸気発生タンク100’の水位が感知されて制御部900に伝達されると、制御部900は現在水位が基準水位より低いか否かを判断する。基準水位より低い場合、制御部900は蒸気伝達手段410’をONにして蒸気発生タンク100’の圧力を給水タンク200’に伝達することによって給水が行われる。
【0070】
ここで、給水タンク200’の水位が蒸気発生タンク100’の水位より高い場合には、位置エネルギー差によって給水手段420’が自動にONになって、給水タンク200’から蒸気発生タンク100’へ給水が行われ、この場合、給水手段420’は逆流防止用チェックバルブとしての機能を果たす。
【0071】
第二に、給水タンク200’の水位にかかわらず給水手段420’をONにして給水することもできるが、この場合には、給水手段420’が超小型軽量ポンプの機能を果たす。これは蒸気伝達手段410’をONにして蒸気発生タンク100’の内部圧力が給水タンク200’に伝達されながら、給水タンク200の給水機能が円滑に供給されることができるようになる原理に起因する。
【0072】
第三に、外部蒸気発生器との管路構成が可能な場合には、外部圧力伝達手段411’を利用して給水を行うこともできる。一例として、蒸気発生タンク100’から給水タンク200’に伝達される圧力が円滑に給水するのに不足であれば、外部蒸気発生器の圧力を追加的に利用することができる。この場合、制御部900は蒸気発生タンク100’及び給水タンク200’の状況によって外部圧力伝達手段411’を制御する。
【0073】
圧力、吸入及び冷却制御機能について説明すれば、蒸気発生タンクに備えられたセンサーで蒸気発生タンクの水位が指定水位に到達したのかを感知して、制御部900に信号を送れば、制御部900は蒸気伝達手段410’をOFFして給水タンク200’への圧力伝達を遮断する。また、制御部900は給水タンク200’の温度、圧力及び水位の信号を受信して、給水タンク200’の内部蒸気の凝縮程度を判断する。これは蒸気発生タンク100’の温度が給水タンク200’の温度より高いことから、給水タンク200’に流入された蒸気が迅速に凝縮(液化)される点を利用するしたのである。
【0074】
給水タンク200’の内部の凝縮作用(液化)を迅速に行うように促進したり調節するために、冷却手段600’をさらに含んで給水タンク200’を冷却するように設計されることができる。
【0075】
制御部900が蒸気の凝縮程度が真空に近く、給水タンク200’の水位が低くなったことを感知すれば、吸入手段430’をONにして、定水位タンク300’から給水タンク200’に自動に吸入給水されるように制御する。ここで、定水位タンク300’は水を供給することができる水源であれば本発明に合わせて採用されることができることは勿論である。
【0076】
また、蒸気の凝縮程度が真空に近くないが、給水タンク200’の水位が低く、圧力を一部排出する必要性があれば、吸入手段430’をONにして、圧力を定水位タンク300’に伝達する。
【0077】
即ち、圧力が定水位タンク300’に伝達された後、給水タンク200’の内部は真空状態に近くなり、この時、自動的に給水タンク200’の方へ吸入給水が行われる。
【0078】
ここで、吸入給水の速度及び吸入後の給水タンク200’の内部の好ましい状態を考慮して、給水タンク200’の内部を調節する真空調節手段500’をさらに具備することもできる。好ましくは、制御部900は蒸気発生タンク100’、給水タンク200’及び定水位タンク300’などの容量及び内部状態による給水、圧力、吸入及び冷却制御が行われるための参照データベースをさらに含むように設計される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10