特許第6203726号(P6203726)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6203726自動車用の電気加熱装置ならびに関連付けられた空調および/または加熱ユニット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6203726
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】自動車用の電気加熱装置ならびに関連付けられた空調および/または加熱ユニット
(51)【国際特許分類】
   B60H 1/22 20060101AFI20170914BHJP
【FI】
   B60H1/22 611Z
   B60H1/22 671
【請求項の数】17
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-528890(P2014-528890)
(86)(22)【出願日】2012年9月4日
(65)【公表番号】特表2014-525372(P2014-525372A)
(43)【公表日】2014年9月29日
(86)【国際出願番号】EP2012003686
(87)【国際公開番号】WO2013034275
(87)【国際公開日】20130314
【審査請求日】2015年8月17日
(31)【優先権主張番号】11/02698
(32)【優先日】2011年9月6日
(33)【優先権主張国】FR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】505113632
【氏名又は名称】ヴァレオ システム テルミク
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100141830
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 卓久
(72)【発明者】
【氏名】フレデリック、ピエロン
(72)【発明者】
【氏名】ローラン、テリエ
(72)【発明者】
【氏名】ジョゼ、ルボルニュ
【審査官】 金丸 治之
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/054970(WO,A1)
【文献】 米国特許第03835294(US,A)
【文献】 特表2007−501506(JP,A)
【文献】 米国特許第01766068(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60H 1/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車のための電気液体加熱装置であって、
前記液体を加熱するための少なくとも1つのモジュールを備え、
前記少なくとも1つの加熱モジュールは、
−前記液体を加熱するための少なくとも1つの手段(114)を有するとともに加熱されるべき前記液体を案内するための回路(15、115、215)を規定する略円筒形状の筐体(13、113、213)と、
−前記円筒形状の筐体(13、113、213)の一端に面して位置決めされた、前記少なくとも1つの加熱手段(114)の制御手段(9、109、209)と、
を有し、
前記液体を案内するための前記回路(15、115、215)と連通する少なくとも1つの液体入口流路(23、123、223)および少なくとも1つの液体出口流路(25、125、225)を備え、
前記液体入口流路および前記液体出口流路は、当該装置において、前記円筒形状の筐体(13、113、213)の縦軸(A)に対して略直角に設けられ
前記少なくとも1つの加熱モジュール(7)は、当該コア(11)と前記円筒形状の筐体(13)との間に前記液体を案内するための回路(15)を規定するように当該円筒形状の筐体(13)の内部に位置決めされたコア(11)を有し、
前記コア(11)は、前記加熱された液体のための保存部としておよび拡張管として作用するために前記案内する回路(15)と連通する内部空洞を有する
ことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記円筒形状の筐体(13、213)は、前記制御手段(9、209)に接続された少なくとも1つの抵抗トラックを有する
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記コア(11)は、略円筒形状の全体形状を有する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記コア(11)は、前記円筒形状の筐体に面し、略らせん形状または円形状を有する少なくとも1つの外部溝(17)を有する
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の装置。
【請求項5】
前記円筒形状の筐体(113)は、前記少なくとも1つの加熱手段(114)が位置決めされた少なくとも1つの開口(139)を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記入口流路(123)および出口流路(125)は、前記液体を案内するための回路(115)内に通じており、当該回路は、前記円筒形状の筐体(113)の回りに規定されている
ことを特徴とする請求項に記載の装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つの加熱手段(114)は、正の温度係数を有する加熱要素を有することを特徴とする請求項またはに記載の装置。
【請求項8】
前記円筒形状の筐体(113)は、当該円筒形状の筐体(113)と一体に製造された、前記制御手段(109)のための支持部(135)を有する
ことを特徴とする請求項乃至のいずれかに記載の装置。
【請求項9】
前記円筒形状の筐体(213)の内部に延びるパーティション(243)を備えた
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記入口流路(223)および出口流路(225)は、前記円筒形状の筐体(213)の内部に通じている
ことを特徴とする請求項に記載の装置。
【請求項11】
前記パーティション(243)は、前記制御手段(209)のための支持部(235)と一体に製造されている
ことを特徴とする請求項または10に記載の装置。
【請求項12】
前記入口流路(23、123、223)および出口流路(25、125、225)は、前記円筒形状の筐体(13、113、213)に対して略径方向に延びている
ことを特徴とする請求項2乃至11のいずれかに記載の装置。
【請求項13】
前記入口流路(23、123、223)および出口流路(25、125、225)は、前記加熱モジュール(7、107、207)に対して突出部を形成するように位置決めされている
ことを特徴とする請求項2乃至12のいずれかに記載の装置。
【請求項14】
前記入口流路(23、123、223)および出口流路(25、125、225)は、前記加熱モジュール(7、107、207)の2つの対向する側面上に対向するように位置決めされている
ことを特徴とする請求項2乃至13のいずれかに記載の装置。
【請求項15】
前記制御手段(9、109、209)のための保護カバー(33、133、233)を備えた
ことを特徴とする請求項2乃至14のいずれかに記載の装置。
【請求項16】
前記制御手段(9、109、209)のための前記保護カバー(33、133、233)と前記支持部(35、135、235)との間にシール手段(37、137、237)を備えた
ことを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項17】
請求項1乃至16のいずれかに記載の少なくとも1つの加熱装置(5、105、205)を備えたことを特徴とする、自動車用の加熱および/または空調ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用の電気加熱装置に関連する。本発明は、より詳しくは、自動車用の加熱および/または空調ユニットに適用する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車の客室を加熱すること、ならびに曇りを除くことおよび霜を取ること、を目的として空気を加熱することは、熱交換器を通る空気の流れの通過によって、より正確には空気の流れと液体との間の熱の交換によって、行われる。
【0003】
一般的に、これは、熱機関の場合、クーラントである。
【0004】
しかしながら、この加熱のモードは、車の客室の迅速かつ効率的な加熱を保証するのに、特に車が非常に寒い環境において使用される前あるいは温度の非常に迅速な増加が望まれる時に客室を加熱するのにまたは曇りを除くことまたは霜を取ることを保証するのに、不適切または不十分であると判明し得る。
【0005】
電気自動車の場合、加熱機能は、もはや、熱交換器におけるクーラントの循環によって実現されない。
【0006】
水回路が、客室を加熱するために設けられている。
【0007】
この加熱のモードは、車の客室の迅速かつ効率的な加熱を保証するのに不適切または不十分であることが判明し得る。
【0008】
さらに、追加的な水回路の空間要求およびコストを低減するために、電気自動車に対しては、ヒートポンプモードにおいて動作する空調ループを使用することも知られている。したがって、クーラント流体を用いて従来のやり方で空気の流れを冷却するための空調ループは、この場合、空気の流れを加熱するために使用される。この目的のために、空調ループの蒸発器を凝縮器として使用することが適切である。
【0009】
しかしながら、この加熱のモードも、不適切または不十分であると判明し得る。これは、ヒートポンプモードにおける空調ループの性能が外部の気候条件に依存するためである。すなわち、この場合、過度に低い温度における外気は、熱エネルギーの源として使用され得ない。
【0010】
従来技術におけるこれらの欠点を軽減するために、既知の解決法は、熱交換器または水回路あるいは空調ループに追加的な電気加熱装置を追加することから構成されている。
【0011】
そのような電気加熱装置は、熱機関用のクーラント、または電気自動車の客室を加熱するための水回路用の水、あるいは空調ループのクーラント流体のような、液体の上流加熱のために適切であり得る。
【0012】
しかしながら、既知の電気加熱装置は、大きな損失水頭を有し得る。
【発明の概要】
【0013】
したがって、本発明の目的は、減少された空間要求を有するとともに損失水頭を低減することを可能にする電気加熱装置を提案することである。
【0014】
この目的のために、本発明の主題は、自動車用の電気液体加熱装置であり、当該加熱装置は、前記液体を加熱するための少なくとも1つのモジュールを備え、当該少なくとも1つの加熱モジュールは、
−前記液体を加熱するとともに加熱されるべき液体を案内するための回路を規定するための少なくとも1つの手段を有する略円筒形状の筐体と、
−前記円筒形状の筐体の一端に面して位置決めされた、前記少なくとも1つの加熱手段の制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0015】
加熱装置は、また、1つまたは2つ以上の以下の特徴を、個別にまたは組み合わせて挙げられて、備え得る:
−前記装置は、前記液体を案内するための前記回路と連通する少なくとも1つの液体入口流路および少なくとも1つの液体出口流路を有し、当該流路は、当該装置において、前記円筒形状の筐体の縦軸に対して略直角に設けられている。
【0016】
−前記円筒形状の筐体は、前記制御手段に接続された少なくとも1つの抵抗トラックを有する。
【0017】
−前記少なくとも1つの加熱モジュールは、当該コアと前記円筒形状の筐体との間に前記液体を案内するための回路を規定するように当該円筒形状の筐体の内部に位置決めされたコアを有する。
【0018】
−前記コアは、略円筒形状の全体形状を有する。
【0019】
−前記コアは、前記円筒形状の筐体に面し、例えば略らせん形状または円形状を有する、少なくとも1つの外部溝を有する。
【0020】
−前記コアは、前記加熱された液体のための保存部としておよび拡張管として作用するために前記案内する回路と連通する内部空洞を有する。
【0021】
−前記円筒形状の筐体は、前記少なくとも1つの加熱手段が位置決めされた少なくとも1つの開口を有する。
【0022】
−前記入口流路および出口流路は、前記液体を案内するための回路内に通じており、当該回路は、前記円筒形状の筐体の回りに規定されている。
【0023】
−前記少なくとも1つの加熱手段は、正の温度係数を有する加熱要素を有する。
【0024】
−前記円筒形状の筐体は、当該円筒形状の筐体と一体に製造された、前記制御手段のための支持部を有する。
【0025】
−当該装置は、前記円筒形状の筐体の内部に延びるパーティションを備える。
【0026】
−前記入口流路および出口流路は、前記円筒形状の筐体の内部に通じている。
【0027】
−前記パーティションは、前記制御手段のための支持部と一体に製造されている。
【0028】
−前記入口流路および出口流路は、前記円筒形状の筐体に対して略径方向に延びている。
【0029】
−前記入口流路および出口流路は、前記加熱モジュールに対して突出部を形成するように位置決めされている。
【0030】
−前記入口流路および出口流路は、前記加熱モジュールの2つの対向する側面上に対向するように位置決めされている。
【0031】
−当該装置は、前記制御手段のための保護カバーを備える。
【0032】
−当該装置は、前記制御手段のための前記保護カバーと前記支持部との間にシール手段を備える。
【0033】
本発明は、また、前記に規定された電気加熱装置を備えたことを特徴とする、自動車用の加熱および/または空調ユニットに関連する。
【0034】
本発明のさらなる特徴および利点は、非限定的かつ説明に役立つ例により与えられた以下の説明を読むことから、および添付の図面から、より明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1図1は、追加的な電気加熱装置を備えた自動車用の加熱ユニットを単純化されたやり方で概略的に示している。
図2図2は、第1の実施の形態による加熱装置の断面図である。
図3図3は、流体の入口および出口に対する第2の実施の形態による加熱装置の断面図である。
図4図4は、第3の実施の形態による加熱装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
これらの図面において、実質的に同一の要素は同じ符号を有している。
【0037】
図2における要素に対応する図3および図4における要素は、それぞれ100および200だけ増加された同じ符号を有している。
【0038】
図1は、電気自動車の客室を加熱するための水加熱回路3を備えた、自動車の加熱および/または空調ユニット1の一部を概略的に示している。
【0039】
この加熱ユニットは、水加熱回路3の上流において、水が加熱回路3に入る前に当該水を加熱するための追加的な電気加熱装置5を備えている。
【0040】
ここに示されているのは、電気自動車の客室を加熱するための水回路の場合である。
【0041】
もちろん、クーラント流体を加熱するために、ヒートポンプモードにおいて動作可能な空調ループの蒸発器の上流に配置されるべき電気加熱装置5を提供することも可能である。
【0042】
熱機関のクーラントを熱伝達液体として使用する熱交換機の上流にそのような電気加熱装置5を設けることも可能であり得る。
【0043】
電気またはハイブリッド自動車のための、バッテリーパックとして知られていることもある、電気エネルギー保存装置を熱的に制御することを目的とされた熱交換器の上流にそのような電気加熱装置5を設けることも可能であり得る。
【0044】
図2を参照して、この電気加熱装置5の第1の実施の形態がここにより詳しく説明されよう。
【0045】
加熱装置5は、
−加熱モジュール7と、
−加熱モジュール7の制御手段9と、
を備えている。
【0046】
加熱モジュール7は、加熱装置5の関連付けられたハウジング内に収容されている。
【0047】
加熱モジュール7は、中央コア11と、略円筒形状を有する筐体13と、を有しており、当該筐体13は、加熱手段を有するとともに中央コア11を取り囲んでいる。
【0048】
中央コア11と筐体13とは、当該中央コア11と筐体13との間において加熱されるべき液体を案内するための回路15を規定している。
【0049】
したがって、中央コア11の外部表面および筐体13の内部表面は、加熱されるべき液体の循環量を規定している。案内回路15における液体の流れを乱すための要素が、当該液体と筐体13との間の熱交換を増加させるために設けられ得る。
【0050】
中央コア11は、中空体の形状に製造され得る。
【0051】
コア11の内部空洞12としても知られるこの中空は、有利には、拡張管として作用する。そのような内部空洞12は、この液体の加熱から生じる液体の体積における変化を吸収することを可能にする。
【0052】
詳しくは、中央コア11の内部空洞12は、加熱された液体または熱伝導流体を蓄えるための保存部または手段を形成する。この目的のために、中央コア11は、液体を案内するための回路15と中央コア11の内部における空洞12との間の連通路16を有する。
【0053】
また、図2に示すように、この加熱された液体を蓄えるための手段は、そのような加熱装置5を有する流体回路が加熱された流体の膨張を吸収することを可能にする。
【0054】
より詳しくは、内部空洞12は、その上方部分において空気を含み、この空気は、水の膨張の効果の下に圧縮されることができる。内部空洞12の上方部分は、図2を参照して、点線により概略的かつ単純化されたやり方で画定されている。
【0055】
コア11は、また、膨張制御手段を有し得る。
【0056】
この制御手段は、たとえば、それを通って熱伝達流体が循環することができる少なくとも1つの調整された通路のタイプであり得る。この変形例によれば、図示されていないが、この目的のために、固定されたパーティションをコア11の端部に設け、これにより、拡張管の内部体積を規定するとともにそれを通って熱伝達流体が循環可能である少なくとも1つの調整通路が設けられる、ということが可能である。
【0057】
別の変形例によれば、図示されていないが、膨張制御手段は、流体の膨張によりコア11の内部空洞12に沿ってスライド可能である移動可能なパーティションを有し得る。
【0058】
さらに、たとえば、約0.4〜0.5Lの加熱された液体の保存部を設けることが可能である。
【0059】
中央コア11は、例えば、略円筒形状を有している。
【0060】
コア11が略一定あるいはそれに反して変化する部分を有する、という規定を設けることもあり得る。
【0061】
中央コア11の略一定の部分により、液体は案内回路15を通って一定速度において流れる。
【0062】
対照的に、変化する部分により、流れの速度は案内回路15に沿って変化する。
【0063】
さらに、図示された実施の形態によれば、コア11は、その外部表面において、すなわち筐体13の内部表面に面して、略らせん形状の外部溝17を有する。このらせん状の溝17のために、案内回路15は略らせん形状の経路を規定する。
【0064】
もちろん、変形例として、縦軸Aと平行な軸方向案内回路を規定するように、コア11の外部表面が溝無しである、という規定を設けることもあり得る。
【0065】
さらに別の変形例によれば、図示されていないが、コア11は、その外部表面上に複数の環状の溝を有し得る。この場合、コア11の内部が案内回路15と連通するように連通孔が各環状溝の領域に設けられる。したがって、加熱モジュール7内に入る液体は、コア11の内側およびコア11の周りを環状に流れる。
【0066】
その部分に対して、もちろん、中央コア11が筐体13の内部に受けられるように、筐体13は中空体の形状で製造されている。
【0067】
中央コア11および筐体13は同心状であり得る。
【0068】
前述のように、筐体13は、筐体13と案内回路15において循環する液体との間の熱交換により液体を加熱するための制御手段により制御される加熱要素を有している。
【0069】
筐体13は、たとえば、加熱モジュール7の制御手段に接続された少なくとも1つの抵抗トラックを有している。
【0070】
抵抗トラックは、たとえば、筐体13の外部表面上に、すなわち中央コア11に面する筐体13の表面に対向して、スクリーン印刷により製造されている。
【0071】
また、筐体13は、当該筐体13の端部の領域に位置決めされたシール手段18を有し得る。
【0072】
この例としての実施の形態に関して、筐体13の加熱手段は、例えば、適用に応じて、約2、3、4、あるいは6kWの電力のために構成されている。
【0073】
加熱装置5は、また、液体が加熱モジュール7内を流れることを可能にするために案内回路15と連通する少なくとも1つの液体入口19および少なくとも1つの液体出口21を有している。
【0074】
この入口19および出口21は、たとえば、それぞれ、入口管19および出口管21の形状で製造されている。
【0075】
入口管19および出口管21は、たとえば、それぞれ、加熱装置5に対して突き出すように位置決めされている。図示された例では、この入口流路23および出口流路25は、また、加熱モジュール7を収容している加熱装置5の本体に対する突出部を形成している。
【0076】
入口管19は、液体の流入のための入口流路23を有する。同様に、出口管21は、液体の排出のための出口流路25を有する。
【0077】
入口流路23および出口流路25は、たとえば、それぞれ、円筒形状の筐体13の縦軸Aに対して直角に、装置5の本体に設けられ得る。
【0078】
図示された例によれば、入口流路23および出口流路25は、それぞれ、加熱モジュール7の縦軸に対して直角に、装置5の本体に設けられている。
【0079】
入口流路23および出口流路25は、たとえば、円筒形状の筐体23およびコア11に対して、したがって、この例では、加熱モジュール7に対して、略径方向に延びている。
【0080】
さらに、入口流路23および出口流路25は、加熱モジュールの2つの対向する側面上に位置決めされ得る。入口流路23および出口流路25は、また、図2における例のように、対向するように、すなわち装置5の2つの対向する端部に、位置決めされ得る。
【0081】
さらに、その部分に対して、制御手段9は、プリント回路基盤、PCB、27のような少なくとも1つの電気回路支持部と、当該支持部27により保持された電子部品および/または電気部品を有し得る。これらの電子部品および/または電気部品は、たとえば、筐体13の抵抗トラックに接続されたマイクロコントローラおよび電気接点を有し得る。たとえば、電気接点は、たとえばマイクロコントローラを保持する表面に対向するPCB支持部27の表面により保持されている。
【0082】
支持部27は、また、少なくとも1つの電力および信号コネクタ31を保持し得る。
【0083】
加熱装置5は、また、制御手段9のための保護カバー33を有し得る。このカバー33は、コネクタ31が通過するための開口を有している。
【0084】
制御手段9は、加熱手段を保持する円筒形状の筐体13の縦方向の端部に配置されている。
【0085】
この場合、制御手段9は、加熱モジュール7を収容する加熱装置5のハウジングの端部の領域に位置決めされている。装置5は、したがって、加熱モジュール7を収容するこのハウジングを閉じるように位置決めされた制御手段9のための支持部35を有している。
【0086】
制御手段9のための支持部35は、図2における例が図示しているように、加熱モジュール7のコア11に支えられるように位置決めされ得る。
【0087】
また、制御手段9のための保護カバー33は、制御手段9のためのこの支持部35に固定されている。
【0088】
制御手段9のための保護カバー33と制御手段9のための支持部35との間のシール手段37が、また、設けられ得る。これは、たとえば、オーリング37である。
【0089】
そのように製造された加熱装置5は、損失水頭を制限しながら、従来技術からのいくつかの解決策と比較して低減された空間要求を有する。
【0090】
図3に概略的に示された、第2の実施の形態の加熱装置105は、加熱装置107が円筒状筐体113により取り囲まれた中央コアをもはや有していないという点で、第1の実施の形態とは異なっている。
【0091】
対照的に、第2の実施の形態では、筐体113は、加熱手段114が位置決めされる少なくとも1つの開口139を有している。
【0092】
入口流路123および出口流路125は、筐体113の回りの加熱装置105に通じている。したがって、筐体113は、加熱手段114を収容する筐体113の回りに液体を案内するための回路を規定する。
【0093】
この場合、加熱された液体の保存部は、筐体113の回りにある。
【0094】
さらに、この第2の実施の形態では、加熱手段114は、正の温度係数を有する加熱要素を有し得る。これらは、PTC加熱要素として知られている。
【0095】
これらのPTC加熱要素は、過加熱または過電流から保護される。
【0096】
PTC加熱要素の数は、応用に従って要求される電力に応じて選択される。PTC加熱要素は、たとえば、約500W〜1kWの電力のために構成され得る。
【0097】
各加熱手段114は、PTC加熱要素を制御手段109を介して電位に接続するための2つの端子141を有している。
【0098】
したがって、加熱は、PTC加熱要素の浸漬により生じる。
【0099】
さらに、制御手段109のための支持部135は、たとえば、円筒状筐体113と一体に製造されている。
【0100】
この第2の実施の形態によれば、加熱モジュール107の筐体113は、したがって、同時に、
−加熱手段114を収容するという機能、
−加熱モジュール107を収容する装置105のハウジングを閉じるという機能、および、
−加熱モジュール107の制御手段109を支持するという機能、
を実行する。
【0101】
このように製造された加熱装置105は、損失水頭をさらに低減することを可能にし、熱エネルギーの伝達が増加される。
【0102】
最後に、第3の実施の形態の加熱装置205が、図4において単純化されたやり方で図示されている。
【0103】
この第3の実施の形態は、加熱モジュール207が、また、コアと筐体との間の案内回路を規定するように円筒形状の筐体213により取り囲まれた中央コアを有していない、という点で、第1の実施の形態とは異なっている。
【0104】
対照的に、この第3の実施の形態では、円筒形状の筐体213は、たとえば、装置205の本体の内壁に支えられており、入口流路223および出口流路245は、円筒形状の筐体213の内部に通じている。
【0105】
案内回路215は、したがって、円筒形状の筐体213の内部において規定されている。
【0106】
装置205は、また、円筒形状の筐体213の内部において延びているパーティション243を有している。
【0107】
筐体213の内部に延びることにより、パーティション243は、加熱されるべき液体の流れにおける乱流を生成する。この乱流は、熱交換を改善することを可能にする。
【0108】
また、このパーティション243は、制御手段209のための支持部235と一体に製造され得る。
【0109】
この場合、支持部235は、したがって、同時に、
−加熱モジュール207の制御手段を支持するという機能、
−加熱モジュール207を収容する装置205のハウジングを閉じるという機能、および、
−案内回路215における液体の流れを乱すという機能、
を実行する。
【0110】
この第3の実施の形態に従って製造された加熱装置205は、第1および第2の実施の形態と比べて、損失水頭をさらに低減することを可能にする。
【0111】
さらに、円筒状筐体213の内部における加熱された液体の保存部は、第2の実施の形態より大きな容積を有する。
【0112】
最後に、熱エネルギーの伝達は、また、第2の実施の形態と比べて改善される。
【0113】
したがって、前記されたような1つまたは2つ以上の加熱モジュール7、107、207を有する前記された実施の形態のいずれかに従って製造された加熱装置5、105、205は、加熱モジュール7、107、207の内部に案内回路を規定することを可能にし、損失水頭を制限することを可能にしながら、低減された空間要求を有する。
図1
図2
図3
図4