特許第6203728号(P6203728)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6203728保管および取り出しシステムのケースユニット検出
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6203728
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】保管および取り出しシステムのケースユニット検出
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/00 20060101AFI20170914BHJP
【FI】
   B65G1/00 511H
   B65G1/00 501C
【請求項の数】21
【全頁数】40
(21)【出願番号】特願2014-529958(P2014-529958)
(86)(22)【出願日】2012年9月10日
(65)【公表番号】特表2014-526426(P2014-526426A)
(43)【公表日】2014年10月6日
(86)【国際出願番号】US2012054513
(87)【国際公開番号】WO2013036963
(87)【国際公開日】20130314
【審査請求日】2015年8月25日
(31)【優先権主張番号】61/533,048
(32)【優先日】2011年9月9日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/608,877
(32)【優先日】2012年9月10日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513150764
【氏名又は名称】シムボティック エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】特許業務法人朝日奈特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100098464
【弁理士】
【氏名又は名称】河村 洌
(74)【代理人】
【識別番号】100149630
【弁理士】
【氏名又は名称】藤森 洋介
(74)【代理人】
【識別番号】100179257
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 勝利
(74)【代理人】
【識別番号】100184826
【弁理士】
【氏名又は名称】奥出 進也
(72)【発明者】
【氏名】サリバン、ロバート
(72)【発明者】
【氏名】トーベス、ステファン シー
【審査官】 筑波 茂樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−023320(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/118412(WO,A1)
【文献】 特開2009−179454(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/00 − 1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケース保管室のケース用の自動保管および取り出しシステムであって、前記自動保管および取り出しシステムは、
ケースユニットを支持するように構成される保管ラックを備える保管構造と、
各ケースユニットが、前記保管ラック上の前記ケースユニットが設置される所定の保管位置を有し、前記所定の保管位置を判定するように構成される制御装置と、
前記保管構造内の前記ケースユニットへのアクセスを提供するように構成される取り出し通路と、
前記取り出し通路を行き来し、前記保管構造内の少なくとも1つのケースユニットの設置位置を識別するように構成される自動のケースマッパーと
を備え、前記制御装置はさらに、
前記ケースマッパーから受け取った、前記少なくとも1つのケースユニットの識別された前記設置位置を、前記少なくとも1つのケースユニットの前記所定の位置と比較して、前記少なくとも1つのケースユニットの識別された前記設置位置と前記所定の位置との間の変化を識別し、
変化の種類に基づいて、ケースユニットの位置補正用の情報とともに命令を生成し、
異なる変化の種類に応じて、ケースユニットの位置補正の異なる命令を生成するように構成される自動保管および取り出しシステム。
【請求項2】
前記制御装置はさらに、前記保管構造内の各ケースユニットの前記所定の位置を動的に割り当てるように構成される請求項1記載の自動保管および取り出しシステム。
【請求項3】
前記制御装置はさらに、各ケースユニットの、識別された前記設置位置のそれぞれを用いて、前記少なくとも1つのケースユニットの前記所定の位置を動的に更新することによって、前記少なくとも1つのケースユニットの位置の補正をもたらすように構成される請求項1記載の自動保管および取り出しシステム。
【請求項4】
前記ケースマッパーは、前記保管構造内の保管場所でケースユニットを取り出しおよび配置するように構成される自律搬送車両を備える請求項1記載の自動保管および取り出しシステム。
【請求項5】
前記制御装置はさらに、前記少なくとも1つのケースユニットの手動での除去または再位置付けのために、前記少なくとも1つのケースユニットの場所を前記保管および取り出しシステムのオペレータに提供することによって、前記少なくとも1つのケースユニットの位置の補正をもたらすように構成される請求項1記載自動保管および取り出しシステム。
【請求項6】
自律搬送車両をさらに備え、前記制御装置はさらに、前記自律搬送車両に、前記少なくとも1つのケースユニットをそれぞれの保管場所で取り出しおよび再配置するように、または前記少なくとも1つのケースユニットをそれぞれ別の保管場所へ移動させるように命令することによって、前記少なくとも1つのケースユニットの位置の補正をもたらすように構成される請求項1記載の自動保管および取り出しシステム。
【請求項7】
前記制御装置は、前記少なくとも1つのケースユニットがそれぞれ別の保管場所へ移動されている場合に、ケース位置のデータベースを動的に更新するように構成される請求項6記載の自動保管および取り出しシステム。
【請求項8】
自律搬送車両をさらに備え、前記制御装置は、前記自律搬送車両に、前記保管構造の外への搬送の目的で、前記保管構造から前記少なくとも1つのケースユニットを取り出すための全体的な取り出し操作を行うように命令することによって、前記少なくとも1つのケースユニットの位置の補正をもたらすように構成される請求項1記載の自動保管および取り出しシステム。
【請求項9】
前記保管構造に設けられ、前記保管構造のそれぞれの部分の移動を検出するように構成される少なくとも1つの移動検出デバイスをさらに備え、前記制御装置はさらに、前記移動検出デバイスからの移動検出信号を受信し、前記保管構造内の前記ケースユニットの位置を識別するように、前記ケースマッパーに命令を発するように構成される請求項1記載の自動保管および取り出しシステム。
【請求項10】
ケースユニットを支持するように構成される保管ラックを備える保管構造と、
各ケースユニットが、前記保管ラック上の前記ケースユニットが設置される所定の保管位置を有し、前記所定の保管位置を判定するように構成される制御装置と、
前記保管構造内の前記ケースユニットへのアクセスを提供するように構成される取り出し通路と、
前記取り出し通路を行き来し、前記少なくとも1つのケースユニットの前記保管構造内の設置位置を識別するように構成される自動のケースマッパーと
を備えた自動保管および取り出しシステムを設けること、
前記制御装置により、前記ケースマッパーから受け取った、前記少なくとも1つのケースユニットの識別された前記設置位置を、前記少なくとも1つのケースユニットの前記所定の位置と比較し、前記少なくとも1つのケースユニットの前記識別された設置位置と前記所定の位置との間の変化を識別すること、および、
異なる変化の種類に応じて、ケースユニットの位置補正の異なる命令を生成するように構成される前記制御装置により、変化の種類に基づいて、ケースユニットの位置補正用の情報とともに命令を生成すること
を含む方法。
【請求項11】
前記制御装置を用いて、前記保管構造内の各ケースユニットの前記所定の位置を動的に割り当てることをさらに含む請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記制御装置を用いて、各ケースユニットの、識別された前記設置位置のそれぞれを用いて、前記少なくとも1つのケースユニットの前記所定の位置を動的に更新することによって、前記少なくとも1つのケースユニットの位置の補正をもたらすことをさらに含む請求項10記載の方法。
【請求項13】
前記ケースマッパーは、前記保管構造内の保管場所でケースユニットを取り出しおよび配置するように構成される自律搬送車両を備える請求項10記載の方法。
【請求項14】
前記制御装置を用いて、前記少なくとも1つのケースユニットの手動での除去または再位置付けのために、前記少なくとも1つのケースユニットの場所を前記保管および取り出しシステムのオペレータに提供することによって、前記少なくとも1つのケースユニットの位置の補正をもたらすことをさらに含む請求項10記載の方法。
【請求項15】
自律搬送車両を備えること、および、
前記制御装置により、前記自律搬送車両に、前記少なくとも1つのケースユニットをそれぞれの保管場所で取り出しおよび再配置するように、または前記少なくとも1つのケースユニットをそれぞれ別の保管場所へ移動させるように命令することによって、前記少なくとも1つのケースユニットの位置の補正をもたらすこと
をさらに含む請求項10記載の方法。
【請求項16】
前記制御装置により、前記少なくとも1つのケースユニットがそれぞれ別の保管場所へ移動されている場合に、ケース位置のデータベースを動的に更新することをさらに含む請求項15記載の方法。
【請求項17】
自律搬送車両を備えること、および、
前記制御装置により、前記自律搬送車両に、前記保管構造の外への搬送の目的で、前記保管構造から前記少なくとも1つのケースユニットを取り出すための全体的な取り出し操作を行うように命令することによって、前記少なくとも1つのケースユニットの位置の補正をもたらすこと
をさらに含む請求項10記載の方法。
【請求項18】
前記保管構造に設けられ、前記保管構造のそれぞれの部分の移動を検出するように構成される少なくとも1つの移動検出デバイスを備えること、および、
前記制御装置により、前記移動検出デバイスからの移動検出信号を受信し、前記保管構造内の前記ケースユニットの位置を識別するように、前記ケースマッパーに命令を発すること
をさらに含む請求項10記載の方法。
【請求項19】
ケース保管室のケース用の自動保管および取り出しシステムであって、前記自動保管および取り出しシステムは、
保管ラックを備える保管構造であって、前記保管ラックは、各ケースユニットの位置が前記保管ラック上の各保管場所に対して非確定的であるケースユニットを支持するように構成される設置面を有する保管構造と、
各ケースユニットが、前記ケースユニットが前記保管ラック上に設置される所定の保管位置を有し、前記所定の保管位置を判定するように構成される制御装置と、
前記保管構造内の前記ケースユニットへのアクセスを提供するように構成される取り出し通路と、
地震的障害復元システムとを備え、前記地震的障害復元システムが、
前記保管ラック内で別個の監視エリアを確定するように前記保管ラック上に設けられる地震的障害動作センサ、
前記地震的障害動作センサと通信し、地震的障害を識別し、識別された地震的障害に対応する前記別個の監視エリアの1つまたは2つ以上を識別するように構成される地震的障害制御モジュール、および
前記取り出し通路を行き来するように構成され、前記保管構造の識別された前記別個の監視エリアの1つまたは2つ以上の内部の少なくとも1つのケースユニットの設置位置を識別するために前記地震的障害制御モジュールと通信し、前記地震的障害制御モジュールによって初期化される自動のケースマッパー
を含む、自動保管および取り出しシステム。
【請求項20】
前記地震的障害制御モジュールはさらに、
前記ケースマッパーから受け取った、前記少なくとも1つのケースユニットの識別された前記設置位置を、前記少なくとも1つのケースユニットの前記所定の位置と比較し、前記少なくとも1つのケースユニットの識別された前記設置位置と前記所定の位置との間の変化を識別し、
変化の種類に基づいて、ケースユニットの位置補正に関する情報とともに命令を生成するように構成される請求項19記載の自動保管および取り出しシステム。
【請求項21】
前記ケースユニットは、前記保管ラックに密集した間隔で配置される請求項19記載の自動保管および取り出しシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
例示的な実施形態は、一般に、物品運搬システムに関し、特に自動保管および取り出しシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ケースユニットを保管するための倉庫は、一般に、例えば、保管ラックの間または保管ラックに沿った通路内を移動できる、フォークリフト、カートおよびエレベーターなどの搬送デバイスにより、または他のリフトデバイスおよび搬送デバイスによりアクセス可能な一連の保管ラックを備え得る。これらの搬送デバイスは、自動または手動で駆動され得る。
【発明の概要】
【0003】
開示される実施形態の上述の態様および他の特徴を、以下の記載において、添付の図面に関連して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】開示される実施形態の一態様による、例示的な保管および取り出しシステムの概略図である。
図2A】開示される実施形態の一態様によるコンベヤシステムの概略図である。
図2B】開示される実施形態の一態様によるコンベヤシステムの概略図である。
図2C】開示される実施形態の一態様によるコンベヤシステムの概略図である。
図2D】開示される実施形態の一態様によるコンベヤシステムの概略図である。
図3】開示される実施形態の一態様によるコンベヤシステムの概略図である。
図4】開示される実施形態の一態様による移送ステーションの概略図である。
図5】開示される実施形態の一態様による搬送ロボットを示す図である。
図6】開示される実施形態の一態様による、図5の搬送ロボットの部分概略図である。
図7A】開示される実施形態の一態様による、図5の搬送ロボットの移送アームの部分を示す図である。
図7B】開示される実施形態の一態様による、図5の搬送ロボットの移送アームの部分を示す図である。
図8】開示される実施形態の一態様による、図7の搬送ロボットの制御システムの概略図である。
図9】開示される実施形態の態様にもとづき、異なる構成を有する保管および取り出しシステムの概略平面図である。
図10】開示される実施形態の態様にもとづき、異なる構成を有する保管および取り出しシステムの概略平面図である。
図11】開示される実施形態の態様にもとづき、異なる構成を有する保管および取り出しシステムの概略平面図である。
図12】開示される実施形態の一態様による、保管および取り出しシステムの構造部分を示す図である。
図13A】開示される実施形態の一態様による保管棚を示す図である。
図13B】開示される実施形態の一態様による保管棚を示す図である。
図13C】開示される実施形態の一態様による、自律搬送車両および保管棚の一部の概略図である。
図13D】開示される実施形態の一態様によるセンサ出力信号の概略図である。
図13E】開示される実施形態の一態様による、保管棚の一部およびセンサのビームの概略図である。
図13F】開示される実施形態の一態様によるフロー図である。
図13G】開示される実施形態の一態様による、ケースマップの概略図である。
図14】Aは、従来の、保管ベイでの品物保管の機構を示す図であり、Bは、開示される実施形態の一態様による、保管ベイでのケースユニットの機構を示す図であり、Cは、図14Aの品物保管と図14Bの品物保管との間で、未使用の保管スペースを比較する図である。
図15】開示される実施形態の一態様による、例示的な方法のフロー図である。
図16】開示される実施形態の態様による、保管および取り出しシステムの一部を示す図である。
図17】開示される実施形態の一態様による、例示的な方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0005】
図1は、開示される実施形態の一態様による、保管室に保管されるケース用の自動保管および取り出しシステム100(以下、「保管および取り出しシステム」という)を一般的に概略的に示す。開示される実施形態は図面に関して説明されるが、開示される実施形態の態様は、多くの代替的な形式で実施できるということが理解されるべきである。また、あらゆる適切なサイズ、形状または種類の要素または材料を使用することができる。
【0006】
図示されるシステムにおいて、自動保管および取り出しシステム100は、障害識別および復元システム107(以下でより詳細に記載する)を含んでいる。ケースユニットは、自動保管および取り出しシステム100に保管ラック上で保管でき、保管ラックは、保管ラックにおける制限されない各ケースユニットの配置をもたらすために、任意の適切な方法で、保管ラックの設置面に沿ったあらゆる場所へのケースユニットの非確定的な(nondeterministic)位置決めまたは配置(例えば、動的な配置)を可能にするように構成されている(後に説明する)。ケースユニットの非確定的な位置決めにより、ケースユニット(例えば、個別またはグループ単位で保管されており、後に記載するピックフェース(pickface)ともいう)は、保管ラック内で密集した間隔を有することができ、これはピックフェース間で、約3.0以下の量の保管場所間の流動的な隙間をもたらす場合がある一方で、他の態様においては、流動的な隙間はピックフェース間で約1.0以下である場合もある(2つ以上のケースで形成される各ピックフェース内のケースは、隙間なく接触している場合もある)。ケースユニットをラック上に保持する力は、重力、慣性力および/または摩擦力のみであり得ることに留意する。例えば、地震的な事象(例えば、地震)や、別の方法で保管ラックの移動を引き起こし、さらにケースユニットの移動を引き起こすおそれのある動的力を与える、他の事象(例えば、衝突)などの障害の間に、ケースユニットは保管ラックに対して移動する場合がある(例えば、所定の保管場所、すなわち、例えば障害前の場所から)。例えば、保管ラックの移動によるケースの移動は、搬送デバイスによって取り出されるべき、および/または、搬送されるべきケースユニットの能力に影響するおそれがある。
【0007】
変位したケースユニットが保管および取り出しシステム内で再位置付け可能なように、地震的または他の事象(例えば、搬送車両と保管構造との間の衝突による衝撃)の後に、変位したケースユニットを検出するように構成されている保管および取り出しシステムを有することが有利であるだろう。
【0008】
一般に、地震的事象の間、保管および取り出しシステム内でケースユニットの移動が起こり得る。ケースの移動量(またはケースの加速度、および/または、各ケースの場所での保管ラックの面積)は、例えば、保管構造の動的モデルおよび/または物理シミュレーション(まとめて、以下、移動モデルという)を用いて、任意の適切な方法で、例えば最悪の事態(または他のあらゆるマグニチュード)の地震的な事象の間、推測され得る。ケースユニットの移動は、例えば、局所化した動的挙動により、保管構造の他のエリアはケースの移動を経験し得る一方で、保管構造のいくつかのエリアにおいては制限されるか、実質的に存在しない場合もある。
【0009】
例えば、地震的な事象によってケースの移動が生じた場合、ケースは、以下により詳細に記載するようにスキャンまたはマッピングされ、例えば、ボットの移動経路に位置するケース、実質的に移動しておらず依然としてボットが取り出すことのできる(すなわち、依然としてボットにより使用可能である)ケース、保管ラック上で移動またはずれているが、既知の状態にあり、ボットにより使用可能であるケースユニット、および、不明な状態に移動もしくは、ずれているか、使用可能な方法でボットがケースを取り出すことができないように実質的に移動しているケースを識別する。
【0010】
開示される実施形態の一態様によれば、保管および取り出しシステム100は、保管所や倉庫などの小売り流通センターにおいて、例えば、小売店から受けたケースユニットに関するオーダーを満たすために作動し得る(本明細書において使用される場合、ケースユニットは、トレイ内、トート上またはパレット上に保管されていない、例えば収容されていないケースユニットを意味する)。ケースユニットは、ケースユニットのケース(例えば、スープ缶のケース、シリアルの箱など)またはパレットから降ろしたりまたはパレット上に置いたりするように適合された個別のケースユニットも含んでもよいことに留意する。開示される実施形態の態様によれば、配送ケースまたはケースユニット(例えば、カートン、樽、箱、枠箱(crate)、ジャグ(jug)またはケースユニットを保持するのに適切なあらゆる他のデバイスなど)は、サイズが変更可能であってよく、配送においてケースユニットを保持するために使用することができ、配送のためにパレットに載置可能なように構成されていてもよい。例えば、ひとまとまりのケースユニットまたはケースユニットのパレットが保管および取り出しシステムに到着した際、各パレットの内容物は、同一であってもよく(例えば、各パレットが所定数の同一の品物を保持する:1つのパレットがスープを保持し、別のパレットがシリアルを保持する)、パレットが保管および取り出しシステムから出ていく際に、パレットが、適切な数でかつ異なるケースユニットの組み合わせを含んでいてもよい(例えば、各パレットが、様々な種類のケースユニットを保持してもよい:1つのパレットがスープおよびシリアルの組み合わせを保持する)ことに留意する。他の態様において、本明細書に記載される保管および取り出しシステムは、ケースユニットの保管および取り出しがなされるあらゆる環境に適用されてもよい。
【0011】
保管および取り出しシステム100は、例えば、既存の倉庫構造に導入されるように構成されてもよいし、新しい倉庫構造に適合するようにされてもよい。開示される実施形態の一態様において、保管および取り出しシステムは、インフィードおよびアウトフィード移送ステーション170、160、マルチレベル垂直コンベヤ150A、150B、保管構造130、および複数の自律車両型搬送ロボット110(本明細書においては「ボット」という)を含んでいてもよい。別の態様において、保管および取り出しシステムは、ボット110とマルチレベル垂直コンベヤ150A、150Bとの間のインタフェースを提供できるロボットまたはボット移送ステーション140(図4)も含んでいてもよい。保管構造130は、複数のレベルの保管ラックモジュールを含んでいてもよく、各レベルはそれぞれ、取り出し通路130A、および、保管構造130の任意の保管エリアと任意のマルチレベル垂直コンベヤ150A、150Bの任意の棚との間でケースユニットを移送するための、移送デッキ130Bを含んでいる。取り出し通路130A、および移送デッキ130Bもまた、ボットが、ケースユニットを取り出しストック内に配置し、オーダーされたケースユニットを取り出すことを可能にする。他の態様において、各レベルが、それぞれボット移送ステーション140を含んでいてもよい。ボット110は、上述の小売商品などのケースユニットを、保管構造130の1つまたは2つ以上のレベルにおける取り出しストック内に配置し、その後オーダーされたケースユニットを、例えば店または他の適切な場所に搬送するために選択的に取り出すように構成されてもよい。ボット110は、ピックフェースと呼ばれる、1つまたは2つ以上のケースのセットに、ケースユニットを配置し得る。保管構造の保管エリアまたは保管スペースは、図面に示すように実質的にオープン構造を有し、これは以下でより詳細に説明される。収容されていないケースユニットは、要望に応じて、実質的に制約されない方法で、保管用の保管構造の設置面上に配置され得る。本明細書においては収容されていないケースに関して記載しているが、記載されない限りは、ラック棚の、拘束されず、位置が非確定的な面に、搬送され、取り出され、配置される、トートまたはトレイ(1つまたは2つ以上のケースのセットを保持している)上に、ケースユニットが保持されてもよい。インフィード移送ステーション170およびアウトフィード移送ステーション160は、保管構造130の1つまたは2つ以上のレベルへ、また1つまたは2つ以上のレベルから、ケースユニットを双方向に移送するために、それらそれぞれのマルチレベル垂直コンベヤ150A、150Bと共に作動してもよい。マルチレベル垂直コンベヤは、入庫(inbound)専用のコンベヤ150Aおよび出庫(outbound)専用のコンベヤ150Bとして説明されているが、代替的な実施形態において、コンベヤ150A、150Bのそれぞれは、保管および取り出しシステムからのケースユニット/ケースユニットの入庫および出庫移送の両方に使用されてもよいことに留意する。
【0012】
マルチレベル垂直コンベヤは、「LIFT INTERFACE FOR STORAGE AND RETRIEVAL SYSTEMS(保管および取り出しシステムのためのリフトインタフェース)」という名称で2010年4月9日に出願された米国特許出願第12/757,354号明細書に記載されているものと実質的に同様であってもよいことに留意し、この出願の開示内容は、それら全体を参照することによって本明細書に組み込まれる。例えば、図2A〜3を参照すると、インプットマルチレベル垂直コンベヤ150Aおよび関連するインフィード移送ステーション170が記載されているが、アウトフィードマルチレベル垂直コンベヤ150Bおよびアウトフィード移送ステーション160は、物品の流れの方向が保管および取り出しシステム100の中へ向かってではなく、保管および取り出しシステム100の外へ向かっているということ以外は、以下に記載されるインフィード側の対応物と実質的に同様であってもよいということに留意する。マルチレベル垂直コンベヤは、本明細書においては、継続的に動く垂直ループ型のコンベヤとして記載されているが、別の態様において、マルチレベル垂直コンベヤは、保管レベル間でボットを移送するために、ボットがマルチレベル垂直コンベヤ上で駆動できるように、停止してもよいことに留意する。さらに別の態様において、マルチレベル垂直コンベヤは、保管レベル間でボット(ケースユニットを運んでいるものでもよい)を搬送するか、および/または、ケースユニットが所定の保管レベル上でボットにより取り除かれている場合、保管レベル間でケースユニットを搬送するように構成される、往復型のコンベヤまたはエレベーターであってもよい。理解されるように、保管および取り出しシステム100は、収容されていないか、または格納容器のない(例えば、ケースユニットはトレイに密閉されていない)1つまたは2つ以上のケースユニットが、マルチレベル垂直コンベヤ150A、150Bから各レベル上の各保管スペースへ、そして各保管スペースから各レベル上のマルチレベル垂直コンベヤ150A、150Bのいずれかへ移送され得るように、例えば、保管および取り出しシステム100の各レベル上のボット110によりアクセス可能な、複数のインフィードおよびアウトフィードマルチレベル垂直コンベヤ150A、150Bを含んでいてもよい。ボット110は、保管スペースとマルチレベル垂直コンベヤとの間で、収容されていないケースユニットを一度の取り出しで(例えば、実質的に保管スペースとマルチレベル垂直コンベヤとの間で直接)移送するように構成されてもよい。さらなる例として、指定のボット110は、収容されていないケースユニットをマルチレベル垂直コンベヤの棚から取り出し、収容されていないケースユニットを保管構造130の所定の保管エリアに搬送し、そして所定の保管エリアに収容されていないケースユニットを置く(その逆も同様である)。
【0013】
マルチレベル垂直コンベヤ150A、150Bは、例えば制御サーバ120などのサーバ、または他の任意の適切な制御装置によって制御されてもよい。1つまたは2つ以上の適切なコンピュータワークステーション700は、一例として、在庫管理、マルチレベル垂直コンベヤの機能性および制御、ならびに顧客のオーダー履行を提供するために、任意の適切な態様(例えば、有線接続または無線接続)で、マルチレベル垂直コンベヤ150A、150Bおよびサーバ120に接続されてもよい。理解されるように、コンピュータワークステーション700および/またはサーバ120は、インフィードおよび/またはアウトフィードコンベヤシステムを制御するようにプログラムされてもよい。別の態様において、コンピュータワークステーション700および/またはサーバ120は、移送ステーション140を制御するようにプログラムされてもよい。開示される実施形態の一態様において、ワークステーション700および制御サーバ120の1つまたは2つ以上は、制御キャビネット、プログラム可能な論理制御装置、およびマルチレベル垂直コンベヤ150A、150Bを駆動するための可変周波数駆動装置を含んでいてもよい。別の態様において、ワークステーション700および/または制御サーバ120は、任意の適切な構成要素および構成を有していてもよい。開示される実施形態の一態様において、ワークステーション700は、インフィードおよび/またはアウトフィードコンベヤシステムにおける異常または欠陥を、実質的にオペレータの補助なしに修正し、欠陥回復のシナリオを制御サーバ120に伝えるように構成されてもよく、および/またはその逆も同様である。
【0014】
次に図3を参照すると、上述の、コンベヤ150Aなどのマルチレベル垂直コンベヤは、インフィード移送ステーション170(図1)からケースユニット1000を供給される。上述のように、インフィード移送ステーション170は、パレットからの取り外しを行う作業ステーション210(図9および10)、コンベヤ240、コンベヤインタフェース/ボット積載物アキュムレータ1010A、1010Bおよびコンベヤ機構1030のうちの1つまたは2つ以上を含み得る。開示される実施形態のこの態様において、アキュムレータ1010A、1010Bは、マルチレベル垂直コンベヤ150A上の位置A−Dに載せる前に、収容されていないケースユニット1000を個別のボットピックフェース750〜753に形成するように構成されている。本明細書で用いられる「ピックフェース」は、顧客のオーダーを達成するために取り出し処理で用いられる、保管棚の保管スペースまたは保管エリアで前後に配置されている1つまたは2つ以上の商品ケースユニットであってもよいことに留意する。開示される実施形態の一態様において、コンピュータワークステーション700および/または制御サーバ120は、ピックフェース750〜753を形成するために、適切な命令を提供するか、所定数のケースユニットを積み上げてピックフェースを形成するためのアキュムレータ1010A、1010B(および/またはインフィード移送ステーション170の他の構成部品)を適切に制御し得る。アキュムレータ1010A、1010Bは、任意の適切な方法でケースユニットを配列して(例えば、ケースユニットの1つまたは2つ以上の側部を同一平面とするなど)、例えば、ケースユニット同士を当接させてもよい。アキュムレータ1010A、1010Bは、ピックフェース750〜753をそれぞれの棚位置A〜Dに移送するために、ピックフェース750〜753をそれぞれのコンベヤ機構1030に移送するように構成されてもよい。
【0015】
ボットは、「AUTONOMOUS TRANSPORTS OR STORAGE AND RETRIEVAL SYSTEM(保管および取り出しシステムのための自律搬送)」という名称で2010年4月9日に出願された米国特許出願第12/757,312号明細書に記載されるものと実質的に同様であってもよく、この出願の開示内容は、それら全体を参照することによって本明細書に組み込まれる。例えば、次に図5、6、7Aおよび7Bを参照すると、例えば、マルチレベル垂直コンベヤ150A、150Bと保管構造130の各レベルの保管棚との間で積載物を移送するボット110が記載される。一態様において、ボット110は、実質的に継続的な動作のために構成され得る。例示のみを目的として、ボット110は、約95パーセントのデューティーサイクルを有していてもよい。別の態様においてボットは、任意の適切なデューティーサイクルおよび動作期間を有していてもよい。
【0016】
図5からわかるように、ボット110は、一般に、フレーム1200、駆動システム1210、制御システム1220、および積載エリア1230を含んでいる。駆動システム1210および制御システム1220は、任意の適切な方法でフレームに取り付けられ得る。フレームは、積載エリア1230を形成でき、移送アームまたはエフェクタ1235をボット110に移動可能に取り付けるように構成されてもよい。
【0017】
移送アーム1235は、例えば、積載エリア1230内で、フレーム1200に動作可能に取り付けられてもよい。積載エリア1230および移送アーム1235は、保管および取り出しシステム100においてケースを搬送するように、適切なサイズにされてもよいことに留意する。例えば、積載エリア1230および移送アーム1235の幅Wは、保管棚600の奥行D(図13B)と実質的に同じであってもよいし、それより大きくてもよい。別の態様において、積載エリア1230および移送アーム1235の長さLは、品物の長さが、ボット110の長手軸1470(図6)に沿った方向である場合、システム100を通して移送される最も大きい品物の長さと同じであってもよいし、それより大きくてもよい。
【0018】
また図6を参照すると、この例示的な実施形態において、移送アーム1235は、フィンガー1235Aの配列、1つまたは2つ以上のプッシャーバー1235Bおよびフェンス1235Fを含んでいてもよい。他の態様において移送アームは、任意の適切な構成および/または構成要素を有していてもよい。移送アーム1235は、ボット110へ、およびボット110から積載物を移送するために、積載エリア1230から延伸および後退するように構成されてもよい。開示される実施形態の一態様において、移送アーム1235は、例えば、ボットの信頼性を向上させる一方で、ボットの複雑性およびコストを減少させるために、ボットの長手軸1470に対して片側に動作または延伸(例えば、ボットの一方側から方向1471に延伸)するように構成され得る。移送アーム1235がボット110の一方側だけに動作可能である場合、ボットの動作可能な側が積載物の配置または取り出しのために所望の場所に面しているように、駆動端部1298または駆動端部1299の一方が移動方向に面している状態で、取り出し通路130Aおよび/または移送エリア295に入るよう、ボットは自身を方向付けるように構成され得ることに留意する。別の態様においてボット110は、移送アーム1235がボットの長手軸1470に対して、双方向に動作可能または延伸可能(例えば、ボットの両側から、方向1471および1472に延伸可能)であるように構成されてもよい。本明細書に記載されるボットの構成は、例示的な性質のものであって、別の態様において、ボットは任意の適切な構成を有してもよいことに留意する。また、ボットの移送アームは、ラックの表面に沿ったあらゆる場所からケースユニットの取り出しおよび/または配置を行ってもよいことにも留意する。
【0019】
移送アーム1235は、移送アーム1235が延伸/後退する面に対して略垂直な方向に移送アーム1235を移動させるように構成される、任意の適切なリフトデバイス1235Lを含んでいてもよい。
【0020】
また図7A〜7Bを参照すると、一例において、積載物(実質的にピックフェース750〜753と同じ)は、例えば、移送アーム1235のフィンガー1235Aを、保管棚600の支持脚620L1、620L2の間、および棚600上に位置する1つまたは2つ以上の目標のケースユニット1500の下のスペース620S内に延伸することによって、保管棚600から取得される。移送アームリフトデバイス1235Lは、1つまたは2つ以上の目標のケースユニット1500(例えば、ピックフェース)を棚600から持ち上げるために、移送アーム1235を持ち上げるように適切に構成される。フィンガー1235Aは、1つまたは2つ以上の目標のケースユニットがボット110の積載エリア1230の上方に配置されるように後退する。リフトデバイス1235Lは、移送アーム1235を下降させ、1つまたは2つ以上の目標のケースユニットがボット110の積載エリア1230へと降下する。別の態様において、保管棚600は、目標のケースユニットを上昇および下降させるためのリフトモータを用いて構成されていてもよく、この場合ボット110の移送アーム1235は、リフトデバイス1235Lを含んでいない。また、一態様において、移送アーム1235の延伸は、ケースユニットの配列から所定の数のケースユニットを取り出すために制御されてもよいことに留意する。例えば、図7Bのフィンガー1235Aは、品物1502Aのみが取り出され、品物1502Bは棚1550上に残るように延伸されてもよい。別の態様において、フィンガー1235Aは、例えば、棚の前(例えば、取り出し通路に隣接している)に位置する一番目の品物が取り出され、一番目の品物の後ろの、棚の後ろに位置する二番目の品物が棚の上に残るように、棚600内に途中まで部分的に(例えば、棚600の奥行D未満の量)のみ延伸されてもよい。
【0021】
次に図8を参照すると、ボットの例示的な制御システム1220が示されている。制御システム1220は、通信、監視制御、ボットの位置特定、ボットの操縦および動作制御、ケースの検知、ケースの移送およびボットの動力管理を提供するように構成することができる。別の態様において制御システム1220は、ボット110に任意の適切なサービスを提供するように構成されてもよい。制御システム1220は、本明細書に記載するボット操作を行うために構成される、任意の適切なプログラムまたはファームウェアを含んでいてもよい。制御システム1220は、ボットの遠隔(例えば、ネットワークを介した)デバッグを可能にするように構成されてもよい。一例において、ボットのファームウェアは、例えば、ネットワーク180を介して通信され得るファームウェアのバージョン番号をサポートしてもよいので、ファームウェアは適切に更新されてもよい。制御システム1220は、それぞれのボット110に固有のボット識別番号を割り当てることを可能にしてもよく、例えば、状態、位置、またはボット110に関する他の任意の適切な情報を追跡するために、識別番号はネットワーク180(図1)を介して通信される。一例において、ボット識別番号が電力障害を経ても存在し続け、一方で変更可能であるように、ボット識別番号は制御システム1220の場所で記憶され得る。
【0022】
開示される実施形態の一態様において、制御システム1220は、任意の適切なサブシステム1702、1705を有する、フロントエンド1220F(図5)およびバックエンド1220B(図5)に分割されてもよい。制御システム1220は、例えば、プロセッサ、揮発性および不揮発性メモリ、オンボード制御サブシステム1702、1705と通信するための通信ポートおよびハードウェアインタフェースポートを有する、オンボードコンピュータ1701を含んでいてもよい。サブシステムは、動作制御サブシステムおよび入力/出力サブシステム1702を含んでいてもよい。別の態様において、ボット制御システム1220は、任意の適切な数の部分/サブシステムを含み得る。
【0023】
フロントエンド1220Fは、制御サーバ120との任意の適切な通信(例えば、ボット命令、状態報告などに関する、同期または非同期の通信)のために構成されてもよい。ボットフロントエンド1220Fは、一組のステートマシンとして構成されてもよく、ここでステートマシンの1つ目はフロントエンド1220Fと制御サーバ120との間の通信を操作し、ステートマシンの2つ目はフロントエンド1220Fとバックエンド1220Bとの間の通信を操作する。別の態様においてフロントエンド1220Fは、任意の適切な構成を有していてもよい。バックエンド1220Bは、例えば、フロントエンド1220Fから受信したプリミティブに基づき、上述のボットの機能(例えば、キャスターの降下、フィンガーの延伸、モータの駆動など)をもたらすように構成されてもよい。一例において、バックエンド1220Bは、これらに限定されないが、ボットの位置および速度を含むボットのパラメータを監視および更新し、これらのパラメータをボットフロントエンド1220Fに送信してもよい。フロントエンド1220Fは、ボット110の移動を追跡し、ボットのタスクの進行を判定するために、このパラメータ(および/または他の任意の適切な情報)を用い得る。フロントエンド1220Fは、例えば、ボットプロキシ2680に更新情報を送信して、制御サーバ120がボット動作およびタスクの進行、および/または他の任意の適切なボットの活動を追跡できるようにしてもよい。
【0024】
動作制御サブシステム1705は、バックエンド1220Bの一部であってもよく、例えば、ボット110の駆動モータの動作をもたらすように構成されてもよい。動作制御サブシステム1705は、例えば、動作制御サブシステム1705にあるサーボモータ(または他の任意の適切なモータ制御装置)、また続いてそのそれぞれの駆動モータの動作に関する制御命令を受信するために、コンピュータ1701に操作可能に接続されてもよい。
【0025】
入力/出力サブシステム1702も、バックエンド1220Bの一部であってもよく、コンピュータ1701とボット110の1つまたは2つ以上のセンサ1710〜1716との間にインタフェースを提供するように構成されていてもよい。センサはボットに、その環境および外部オブジェクトの認識だけでなく、内部サブシステムの監視および制御も提供するように構成されてもよい。例えば、センサは、ボット110の動作において使用するための、案内情報、積載情報または他の任意の適切な情報を提供してもよい。例示のみを目的として、センサは、すでに参照により本明細書に組み込まれている、米国特許出願第12/757,312号明細書に記載されているような、バーコードスキャナ1710、スラット(薄板)センサ1711、ラインセンサ1712、ケースの突出部センサ1713、アーム近接センサ1714、レーザー(および/または赤外線センサ、および/または、他の光学走査センサ)センサ1715および超音波センサ1716を含んでいてもよい。
【0026】
一態様において、レーザー(および/または赤外線センサ、および/または、他の光学走査センサ)センサ1715および超音波センサ1716(集合的にケースセンサという)は、例えば、保管棚600および/またはマルチレベル垂直コンベヤ(または積載物の取り出しに適切な、他の任意の場所)からケースユニットが取り出される前に、ボット110が、ボット110により運ばれる積載物を形成する各ケースユニットに対して自身を位置決めできるように構成されてもよい。また、ケースセンサにより、ボットは、ケースユニットを空の保管場所に配置するために自身を空の保管場所に対して位置決めでき、および/または、例えば、制御サーバ120または後述のような他の任意の適切な場所に保管されるケースユニットの、記憶されたマップとの比較のために、保管構造内のケースユニットの場所をマッピングできる。この、取り出されるべきケースユニット、および/または、ケースユニットを配置するための空の保管場所に対するボットの場所は、ボットの位置特定(localization)と呼ばれ得る。またケースセンサにより、ボット110は、ボットにより運ばれる積載物が、例えば保管スロットに置かれる前に、保管スロット(または他の積載物配置場所)が空になっていることを確認できる。一例において、レーザーセンサ1715は、ボット110に(またはボット110から)移送されるべき品物のエッジを検出するために、適切な場所でボットに取り付けられてもよい。レーザー(および/または赤外線センサ、および/または、他の光学走査センサ)センサ1715は、例えば棚600の後面に位置する、例えば、再帰反射テープ(または他の適切な反射面、塗装または材料)と共に機能して、センサが保管棚600の後面の端までを「見る」ことができるようにしてもよい。保管棚の後面に位置する反射テープにより、レーザーセンサ1715は、棚600の上に位置する品物の色、反射性、丸さまたは他の適切な特性による影響を実質的に受けない。超音波センサ1716は、ボット110が取り出し奥行(例えば、棚600から品物を取り出すために、フィンガー1235Aが棚600内に移動する距離)を判定できるように、ボット110から、棚600の所定の保管エリアの1つ目の品物までの距離を測定するように構成されてもよい。1つまたは2つ以上のケースセンサにより、例えば、ボット110が取り出されるべきケースユニットに隣接して停止するときの、ボット110と、取り出されるべきケースユニットの前面との間の距離を測定することによって、ケースの向き(例えば、保管棚600内のケースの傾斜)が検出できる。ケースの向きの検出により、保管構造の移動を引き起こす地震的な事象または他の事象などの障害の後、ケースユニットが所定の向きに向けられていること(例えば、ケースユニットの移動を引き起こすおそれのある地震的な事象または他の事象の後などに、ケースユニットが保管棚の上の所定の向きから傾斜しているかどうか)を確認できる。ケースセンサは、例えば、棚の上に配置された後のケースユニットをスキャンすることによって、例えば、棚600上の、ケースユニットの配置を確認できる。またボットは、1つまたは2つ以上の経路センサ1717を含んでいてもよく、これはケースセンサと実質的に同様であってもよいが、経路センサ1717は、ボットの前後に配置されてもよく、例えば、取り出し通路や移送デッキなどにおける、ボットの経路内に位置するあらゆる障害を検出するように構成されてもよい。ボットはさらに、ボット110が、保管および取り出しシステム内での自身の場所を判定できるように、および/または、保管棚の上のケースユニットの場所をマッピングするためにケースユニットをスキャン、案内、撮像、あるいは検出できるように、他の任意の適切なセンサを含んでいてもよい。
【0027】
再び図1を参照すると、上述のように、保管構造130は、複数のレベルの保管ラックモジュールを含んでいてもよく、各レベルは、保管スペースのアレイ(複数のレベル上に整列され、各レベルの複数の列に整列される)、保管スペースの列の間に形成される取り出し通路130A、および移送デッキ130Bを含んでいる。取り出し通路130Aおよび移送デッキ130Bは、ケースユニットを取り出しストック内に配置するため、およびオーダーされたケースユニットを取り出すために、ボット110が保管構造130のそれぞれのレベルを行き来できるように配置されている。ボット110は、上述の小売商品などのケースユニットを、保管構造130の1つまたは2つ以上のレベルにある取り出しストック内に配置し、その後、オーダーされたケースユニットを、例えば、店舗や他の適切な場所に搬送するために、オーダーされたケースユニットを選択的に取り出すように構成されてもよい。理解されるように、保管および取り出しシステムは、以下により詳細に記載するように、保管スペースへのランダムなアクセスを可能にする。例えば、保管構造130からの/保管構造130への、ケースユニットの取り出しおよび配置において、どの保管スペースを用いるべきかを判定する時、保管構造130内の全ての保管スペースは、充分な大きさのあらゆる保管スペースがケースユニットを保管するために用いられ得るように、実質的に等しく扱われてもよい。開示される実施形態のこの態様の保管構造130は、保管構造の垂直方向または水平方向でのアレイの分割がないように構成されてもよい。任意のボット110が各保管スペースにアクセスでき、任意のマルチレベル垂直コンベヤ150A、150Bが任意のレベル上の任意の保管スペースからケースユニットを取り出せるように、例えば、各マルチレベル垂直コンベヤ150A、150Bは、全ての保管スペース(例えば、保管スペースの配列)に共通しているので、保管スペースのアレイ内の複数のレベルが実質的に単一のレベル(例えば、垂直方向の分割がない)として機能し得る。マルチレベル垂直コンベヤ150A、150Bは、保管構造130の任意のレベル上の任意の保管スペースから、ケースユニットを受け取ることも可能である(例えば、水平方向の分割がない)。
【0028】
保管および取り出しシステム100のボット110および他の適切な機構は、例えば、任意の適切なネットワーク180を通して、例えば、1つまたは2つ以上の中央システム制御コンピュータ(例えば、制御サーバ)120により制御されてもよい。ネットワーク180は、有線ネットワーク、無線ネットワークまたは任意の適切な種類および/または数の通信プロトコルを用いた無線および有線ネットワークの組み合わせであってもよい。開示される実施形態の一態様において、システム制御サーバ120は、保管および取り出しシステム100の全体の動作を管理および調整し、例えば、同様に倉庫設備を全体として管理する倉庫管理システムと連動するように構成されてもよいことに留意する。制御サーバ120は、例えば、「CONTROL SYSTEM FOR STORAGE AND RETRIEVAL SYSTEMS(保管および取り出しシステムのため制御システム)」という名称で2010年4月9日に出願された、米国特許出願第12/757,337号明細書に記載されているものと実質的に同様のものであってもよく、この出願の開示内容は、参照により本明細書にその全体が組み込まれている。例えば、制御サーバ120は、保管および取り出しシステム100を管理するように構成されている、実質的に同時に実行するプログラムの一群を含んでいてもよく、これは例示のみを目的として、全てのアクティブな構成要素のアクティビティの制御、スケジューリング、および監視、在庫およびピックフェースの管理、ならびに倉庫管理システム2500との連動を含んでいる。一例において、所定のピックフェースを形成する全てのケースユニットは、同一の在庫維持ユニット(SKU)からのものであり、もとは同一のパレットからのものである。別の態様において、各ピックフェースは、任意の適切なケースユニットを含んでいてもよい。各ピックフェースは、ボット搭載物(例えば、保管エリアへ、および保管エリアから、各ボット110によって運ばれる積載物)の全てまたは一部に対応してもよい。反対に、ボット積載物は、ピックフェースの判定に基づき構築されてもよい。理解されるように、ピックフェースの判定は、保管および取り出しシステム内で可変であるので、ピックフェースのサイズおよび場所が動的に変更可能であってもよい。また、倉庫管理システムとの連動により、制御サーバ120は、パレットのオーダーを受信および実行でき、また補充のオーダーを送信および実行できることに留意する。アクティブなシステム構成要素は、保管され、取り出されるべきケースユニット上で作用する、物理エンティティであってもよい。アクティブなシステム構成要素には、非制限的な例として、ボット、インフィードおよびアウトフィードステーション、マルチレベル垂直コンベヤ、ネットワークおよびユーザインタフェース端末が含まれる。別の態様において、アクティブなシステム構成要素は、移送ステーションも含んでいてもよい。制御サーバ120は、オーダーの達成に加えて、任意の適切な目的のために、保管および取り出しシステムからのケースユニットの除去を命令するように構成されてもよく、これは例えば、ケースユニットが損傷またはリコールされたり、ケースユニットの有効期限が切れたりするときである。
【0029】
理解されるように、同じ種類のケースユニットは保管構造130内の異なる場所に保管されてもよいので、その種類の少なくとも1つの品物が、その種類の他の品物がアクセスできない状態で取り出され得る。また保管および取り出しシステムは、各保管場所(例えば、ピックフェース)への複数のアクセス経路またはルートを提供するように構成されてもよく、ボットが、例えば、保管場所への第1経路が塞がれている場合には第2経路を用いて各保管場所に到達してもよい。制御サーバ120およびボット110上の1つまたは2つ以上のセンサは、保管および取り出しシステム100の補充の間などに、搬入される品物を収納するために、ピックフェースの割り当ておよび予約が可能であることに留意する。開示される実施形態の一態様において、保管スロット/スペースが保管構造130において利用可能になると、制御サーバ120は、仮想の品物(例えば、空のケース)を空の保管スロットに割り当ててもよい。保管構造内に隣接する空のスロットがある場合、隣接する保管スロットの空のケースは、保管棚上の空のスペースを埋めるために組み合わせられてもよい。理解されるように、スロットのサイズは、棚のスペースを動的に割り当てる時などに可変であってもよい。例えば、図14A〜14Cも参照すると、保管棚5001上の所定の保管エリアにケースユニット5011および5012を配置する代わりに、保管スロットは、ケース5011、5012がケースユニット5010のサイズを有する3つのケースによって置換されるように、動的に割り当てられてもよい。例えば、図14Aは、従来の保管システムで行われているように、保管スロットS1〜S4に分割された保管ベイ5000を示す。保管スロットS1〜S4のサイズは、保管ベイ5000の棚600上で保管される、最も大きな品物(例えば、品物5011)の大きさに応じた、固定サイズであってもよい。図14Aからわかるように、品物5011よりも小さい、異なる寸法のケースユニット5010、5012、5013は、それぞれの保管スロットS1、S2、S4に配置され、影付きのボックスによって示されるように、保管ベイの容量のかなりの部分が未使用のままである。開示される実施形態の態様にしたがって、図14Bは、保管ベイ5000と実質的に同様の寸法を有する保管ベイ5001を示す。図14Bにおいて、ケースユニット5010〜5016は、動的な割り当てを用いて所定の保管位置で棚600の上に配置されており、空の保管スロットが実質的に連続的にサイズを変更されて、収容されていないケースユニットが保管棚の上に配置される(例えば、保管スロットは、保管棚の上で所定のサイズおよび/または場所を有していない)。図14Bからわかるように、保管スペースを動的に割り当てることにより、ケースユニット5010〜5013(これらは上述の保管ベイ5000に配置されているケースユニットと同一である)に加えて、ケースユニット5014〜5016を棚600上に配置することができ、斜線ボックスによって示される、未使用の保管スペースは、図14Aの、固定のスロットを用いる未使用の保管スペースよりも少ない。図14Cは、上述の、固定のスロットおよび動的な割り当ての保管に関する、未使用の保管スペースを並べて比較する図である。動的な割り当てを用いるベイ5001の未使用の保管スペースは、ケースユニット5010〜5016の間のスペース量を減少させることによってさらに減少でき、これは棚600上への付加的なケースユニットの配置を可能にし得ることに留意する。理解されるように、ケースユニットが保管構造内に配置されると、開放している保管スペースは、例えば、制御サーバ120によって分析され得るので、制御サーバ120は、各品物の配置の後、所定の保管位置を判定する。制御サーバ120は、開放している保管スペースの変更されたサイズにしたがって、開放している保管スペースを動的に再び割り当て得るので、再び割り当てられた保管スペースの大きさに相当する(またはこれよりも小さい)サイズを有する付加的なケースユニットが、再び割り当てられた保管スペースに配置され得る。別の態様において、保管スロットは、しばしば一緒に取り出されるケースユニットが互いに対して隣に位置するように割り当てられてもよい。所定のピックフェースが運ばれている品物に対して予約されると、他の搬入されるケースユニットが所定のピックフェースに割り当てられることを防ぐために、品物が配置されるべき場所にある空のケースの少なくとも一部は、運ばれている品物の特徴(例えば、サイズなど)を有する仮想の品物によって置き換えられる。置き換えている空のケースよりも、この品物が小さい場合、保管棚の未使用の部分を埋めるために、空のケースは、サイズを変更されるか、より小さい空のケースによって置き換えることができる。別の品物はその後、サイズを変更されたより小さな空のケースなどに対応して、保管スロット内に配置されてもよい。
【0030】
個別のケースユニットに対してオーダーがなされると、要求されたケースユニットの保管レベル上の任意のボット110は、保管構造130の指定の保管エリアから対応するケースユニットを取り出す(図15、ブロック2300)。ボット110は、マルチレベル垂直コンベヤ150Bのいずれかの、任意の所望の棚730(図2A)にアクセスするために、ケースユニットが保管されていた取り出し通路130Aおよび移送通路130Bを行き来する(図15、ブロック2310)。オーダーを含むケースユニットは、任意の順番でボットによって取り出されてもよいことに留意する。例えば、第1のボット110のケースユニットの前に他のボットのケースユニットがマルチレベル垂直コンベヤに運ばれるべき場合、例えば、他のボットがそのオーダーの各ケースユニットを取り出し、それらケースユニットをマルチレベル垂直コンベヤ150Bに運ぶことができるように、第1のボット110は、例えば、任意の適切な時間量だけ移送デッキ130Bを行き来してもよい。本明細書に記載されるように、ケースユニットは、例えば、ケースユニットの第1のソートにおける所定のシーケンスにしたがって、所定の時にマルチレベル垂直コンベヤへ運ばれてもよい(図15、ブロック2320)。ボット110は、上述のように、マルチレベル垂直コンベヤの所望の棚へケースユニットを移送する(図15、ブロック2330)。代替的な実施形態において、ボットは、保管構造130のレベル上に位置するボット移送ステーション140へケースユニットを提供してもよく、オーダーされたケースユニットはそこから取り出される。マルチレベル垂直コンベヤ150Bは、例えば、ケースユニットの第2のソートにおける所定のシーケンスにしたがって、所定の時に個別のオーダーされたケースユニットをアウトフィード移送ステーション160へ搬送する(図15、ブロック2340)。マルチレベル垂直コンベヤ150Bは、オーダーを達成するためにケースユニットが、例えば任意の適切な時にアウトフィード移送ステーションに移動され得るように、ケースユニットがコンベヤループの周りを継続的に回転できるように構成され得ることに留意する。例えば、第1のケースユニットはマルチレベル垂直コンベヤ150Bの第1の棚の上に配置され、第2のケースユニットはマルチレベル垂直コンベヤ150Bの第2の棚の上に配置されており、ここで第1の棚は、マルチレベル垂直コンベヤ150Bの一連の棚において、第2の棚の前に位置付けられており、第2のケースユニットは、第1のケースユニットよりも前にアウトフィード移送ステーション160に提供されなければならない。第1の棚(第1のケースユニットを保持)は、第2のケースユニットを第2の棚から取り除くことができるように、第1のケースユニットを降ろさずにアウトフィード移送ステーションを通過することが可能であってもよいことに留意する。ゆえに、ケースユニットは、任意の順番でマルチレベル垂直コンベヤ150Bの棚の上に配置されてもよい。アウトフィード移送ステーション160は、所望の時にマルチレベル垂直コンベヤの所望の棚からケースユニットを取り除く(図15、ブロック2350)ので、個別のケースユニットは、コンベヤ230(図9)によってパレット載置(palletizing)作業ステーション220(図9)へ搬送され、そこで個別のケースユニットは、顧客への搬送のための混合パレットを形成するために、例えば所定の順序で、搬出パレット(または他の適切なコンテナ状の搬送支持体)上に配置される。アウトフィード移送ステーション160およびパレット載置作業ステーション220は、集合的に、オーダーアセンブリステーションと呼ばれ得る。ケースユニットが搬出コンテナに移送される物品運搬システムの他の例は、2004年8月28日に出願された米国特許出願第10/928,289号明細書、および2007年12月14日に出願された米国特許出願第12/002,309号明細書に見られ、これら出願の開示内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。理解されるように、本明細書に記載される保管および取り出しシステムは、保管構造130へ、および保管構造130から、例えば、ケースユニットのトレイ、トートまたはパレット全体を取り出したり搬送したりする必要なしに、任意の適切な量の混合したケースユニットのオーダーを可能にする。
【0031】
次に図9〜11を参照すると、保管および取り出しシステム100の例示的な構成が、開示される実施形態の態様にしたがって示されている。図9からわかるように、保管および取り出しシステム200は、システム200の一方の側のみが移送セクションまたはデッキ130Bを有する、シングルエンド取り出し構造として構成されている。シングルエンド取り出し構造は、例えば、建造物の一方の側のみに配される積み込みドックを有する建造物または他の構造物において使用されてもよい。図9からわかるように、移送デッキ130Bおよび取り出し通路130Aにより、ボット110は、任意の適切な保管場所/取り出し通路130Aと任意の適切なマルチレベル垂直コンベヤ150A、150Bとの間でケースユニットを搬送するために、ボット110が位置付けられている保管構造130のレベル全体を行き来することができる。この例示的な実施形態において、保管および取り出しシステム200は、並んで位置付けられている第1および第2の保管セクション230A、230Bを含んでいるので、各セクションの取り出し通路は、互いに対して略平行であり、同一の方向(例えば、移送デッキ130Bの方)を向いている。
【0032】
図10は、例えば、建造物の両側に積み込みドックを有する建造物または他の構造物における使用のために、両側の取り出し構造を有する保管および取り出しシステム300を示す。図10において、保管および取り出しシステム300は2つの保管セクション340A、340Bを含んでおり、これらは、保管セクション340A、340Bのそれぞれの取り出し通路130Aが互いに平行である一方で、対向する移送デッキ330A、330Bの間に実質的に連続する取り出し通路が形成されるように対向する方向を向いているように配置されている。理解されるように、取り出し通路130A内で可能な速度よりも速い速度で移送デッキ330A、330Bの間をボット110が通行できるように、対向する移送デッキ330A、330Bの間には高速移動レーン335が位置付けられてもよい。また理解されるように、図10の取り出し構造の各レベル上のボット110は、ボット110が2つの保管セクション340A、340Bのあらゆる場所、ならびにそれぞれの搬入(input)および搬出(output)作業ステーションへ、および作業ステーションから、ケースユニットを搬送するように機能できるように、そのそれぞれのレベル全体を行き来してもよい。
【0033】
図11は、保管および取り出しシステム300と実質的に同様の保管および取り出しシステム400を示す。しかしながら、保管および取り出しシステム400は、一例として、人間および/またはサービス機器が、保管および取り出しシステム400への保守および/または修理を行うために、保管および取り出しシステムに入ることができるための、保守アクセスゲートウェイ410A、410B、410Cを示す。また保管および取り出しシステムは、保管および取り出しシステム100内で保守が行われている時に、保管および取り出しシステム100の1つまたは2つ以上のエリアにある、保管および取り出しシステムの1つまたは2つ以上のボット110、コンベヤまたは他の任意の適切な機構の動作を停止させるために、適切な機構を用いて構成されてもよい。一例において、制御サーバ120は、保管および取り出しシステムの機構の動作を停止させる/可能にするように構成されてもよい。
【0034】
図9〜11に関して上述した保管および取り出しシステムなどの、保管および取り出しシステムは、例えば、システムにおける停止の場合に、保管および取り出しシステムの実質的に全てのエリアへの実質的に妨げられないアクセスを可能にするように構成され得るので、システムが、スループットのロスが実質的にまったくないか最小限のロスで作動を継続する。システムにおける停止には、これらに限定されないが、取り出し通路内または移送デッキ上でのボット110の動作停止、マルチレベル垂直コンベヤ150A、150Bの動作停止、および/またはインフィードまたはアウトフィード移送ステーション160、170の動作停止が含まれ得る。理解されるように、保管および取り出しシステム200、300、400は、取り出し通路130A内の保管場所のそれぞれへの、実質的に重複するアクセスを可能にするように構成されてもよい。例えば、保管構造130内の各レベル/保管スペースへケースユニットを搬送できる、複数の搬入マルチレベル垂直コンベヤ150Aが存在しているので、1つの搬入マルチレベル垂直コンベヤ150Aが失われても、保管スペースやスループットは実質的に失われ得ない。別の例として、保管スペースのいずれかと、マルチレベル垂直コンベヤ150A、150Bのいずれかとの間でケースユニットを移送できる、複数のボット110が各レベル上に存在しているので、取り出し通路を出る1つのボットが失われても、保管スペースやスループットは実質的に失われ得ない。さらに別の例として、取り出し通路内の1つのボット110が失われても、取り出し通路の一部のみが遮断されるだけで、また、保管および取り出しシステムは、保管スペースまたは保管スペース内のケースユニットの種類のそれぞれに、複数の移動経路を提供するように構成され得るので、保管スペースやスループットは実質的に失われ得ない。さらに別の例として、保管構造130内の各レベル/保管スペースからケースユニットを搬送できる、複数の搬出マルチレベル垂直コンベヤ150Bが存在しているので、1つの搬出マルチレベル垂直コンベヤ150Bが失われても、保管スペースやスループットは実質的に失われ得ない。例示的な実施形態においては、保管および取り出しシステムを通して、保管容量またはケースユニットのスループットのいずれかに実質的に単一の欠陥点がないように、ケースユニットの搬送(例えば、マルチレベル垂直コンベヤおよびボットを介する)は、保管容量およびケースユニットの分配から実質的に独立しており、その逆も同様である(例えば、保管容量およびケースユニットの分配は、ケースユニットの搬送から実質的に独立している)。
【0035】
制御サーバ120は、任意の適切な方法で、保管および取り出しシステムの、ボット110、マルチレベル垂直コンベヤ150A、150B、インフィードまたはアウトフィード移送ステーション160、170、および他の適切な機構/構成部品と通信するように構成されていてもよい。ボット110、マルチレベル垂直コンベヤ150A、150Bおよび移送ステーション160、170はそれぞれ、例えば、それぞれの動作状態、場所(ボット110の場合)または他の任意の適切な情報を伝達および/または受信するために、制御サーバ120と通信するそれぞれの制御装置を含んでいてもよい。制御サーバは、ボット110、マルチレベル垂直コンベヤ150A、150Bおよび移送ステーション160、170によって送信された情報を、例えば、オーダーの達成や補充タスクの計画において用いるために、記録してもよい。
【0036】
図1および9〜11に示す保管および取り出しシステムは、例示的な構成を有しているだけであって、他の態様において保管および取り出しシステムは、本明細書に記載されるケースユニットを保管するおよび取り出すために、任意の適切な構成および構成要素を有していてもよい。例えば、他の態様において保管および取り出しシステムは、任意の適切な数の保管セクション、任意の適切な数の移送デッキ、および対応する搬入および搬出作業ステーションを有していてもよい。一例として、例示的な実施形態による保管および取り出しシステムは、例えば、建造物の様々な面に配置される積み込みドックを供給するように、保管セクションの3つまたは4つの面に位置付けられる、搬送デッキおよび対応する搬入および搬出ステーションを含んでいてもよい。
【0037】
また図12、13Aおよび13Bを参照して、保管構造130がより詳細に説明される。開示される実施形態の一態様によれば、保管構造130は、例えば、任意の適切な数の垂直支持体612および任意の適切な数の水平支持体610、611、613を含んでいる。垂直および水平という語は例示のみを目的として用いられており、保管構造130の支持体は任意の適切な空間的配向を有していてもよいことに留意する。開示される実施形態のこの態様において、垂直支持体612および水平支持体610、611、613は、保管ベイ510、511を有する保管モジュール501、502、503のアレイを形成してもよい。水平支持体610、611、613は、保管棚600(以下で記載する)だけでなく、通路スペース130A用のフロア130Fも支持するように構成されてもよく、これはボット110用のトラックを含んでいてもよい。水平支持体610、611、613は、水平支持体610、611、613の間の接合部の数、すなわち、例えばボット110のタイヤなどの、衝突する接合部の数を最小限にするように構成されてもよい。例示のみを目的として、通路のフロア130Fは、例えば、シートメタルの薄板に挟まれた木製のコアを有する、プライメタルパネルで構成された堅固なフロアであってもよい。他の態様においてフロア130Fは、任意の適切な層状、薄板状、堅固または他の構造物を有していてもよく、これらに限定されないが、プラスチック、木材および複合材料を含む任意の適切な材料で構成されてもよい。さらに別の代替的な実施形態において、通路のフロア130Fは、ハニカム構造、または他の適切な軽量であるが実質的に堅固な構造で構成されてもよい。通路のフロア130Fは、耐摩耗材料で被覆または処理されてもよいし、破れたときに交換され得る交換可能なシートまたはパネルを含んでいてもよい。ボット110用のトラック1300(図11)は、ボット110が保管構造130内を移動している間、ボット110を実質的にまっすぐなラインまたは移動経路で案内するために、通路のフロア130Fに組み込まれるか、あるいは取り付けられている。トラック1300の適切な例は、すでに参照により組み込まれている、米国特許出願第12/757,312号明細書に記載されている。フロア130Fは、これに限定されないが、ボルトおよび溶接を含む任意の適切な留め具を用いるなどして、任意の適切な方法で、例えば、垂直および平行な支持体(または他の任意の適切な支持構造)の1つまたは2つ以上に取り付けられてもよい。開示される実施形態の一態様において、トラック1300は、ボットが取り出し通路を行き来するために隣接するトラック1300にまたぐように、任意の適切な方法で保管構造の1つまたは2つ以上の垂直支持体に固定されてもよい。取り出し通路の1つまたは2つ以上は、フロアによって実質的に垂直方向に遮られていなくてもよい(例えば、取り出し通路はフロアを有さない)。各取り出しレベルの上にフロアがないことにより、保守担当者が取り出し通路を歩くことができ、また別の方法では各保管レベルの間の高さにより、保守担当者が取り出し通路を行き来することを実質的に防ぐ。
【0038】
保管ベイ510、511のそれぞれは、取り出し通路130Aにより分離されている保管棚600上で取り出しストックを保持してもよい。1つの例示的な実施形態において、垂直支持体612および/または水平支持体610、611、613は、保管棚および/または通路のフロア130Fの高さまたは上昇を、例えば、互いに対して、および保管および取り出しシステムが位置付けられる施設のフロアに対して調整することができるように構成されてもよいことに留意する。別の態様において、保管棚およびフロアは、高さが固定されてもよい。図12からわかるように、保管モジュール501は、例えば、他の保管モジュール502、503の約半分の幅を有するエンドモジュールとして構成されている。一例として、エンドモジュール501は、一方の側に位置する壁と、反対側に位置する取り出し通路130Aとを有していてもよい。エンドモジュール501の奥行D1は、モジュール501上の保管棚600へのアクセスが、保管モジュール501の一方の側にのみ位置する取り出し通路130Aによって達成されるような奥行である一方で、モジュール502、503の保管棚600は、モジュール502、503の両側に位置する取り出し通路130Aによってアクセスされてもよく、これは一例として、保管モジュール501の奥行D1の実質的に2倍の奥行を有する保管モジュール502、503を可能にする。図面から理解されるように、保管棚600の構成は、オープン構造と呼ばれ得るものを提供し、収容されていないケースは、棚の面に実質的に制限されない方法で、要望に応じて棚の設置面上に配置されてもよい。オープン構造は、以下にさらに記載するように、保管されるケースの動的なスペース割り当ておよび位置決めを容易にする。同様のオープン構造は、制限なしに、例えば慣性力の影響下で、ケースが棚の上で位置を変えることを可能にする。保管棚600は、例えば、水平支持体610、611、613から延びる、1つまたは2つ以上の支持脚620L1、620L2を含んでいてもよい。支持脚は、任意の適切な方法で、水平支持体610、611、613上に設置されてもよい。支持脚がどのようにして水平支持体上に設置されるかを示す1つの適切な例は、2010年12月15日に出願された米国仮特許出願第61/423,206号明細書に見ることができ、この出願の開示内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。支持脚620L1、620L2は任意の適切な構成を有することができ、例えば、脚がチャネル部分620Bを通して互いに接続されるように、略U字状のチャネル620の一部であってもよい。チャネル部分620Bは、チャネル620と1つまたは2つ以上の水平支持体610、611、613との間に取り付け点を提供してもよい(図13Aも参照)。別の態様において、各支持脚620L1、620L2は、個別に水平支持体610、611、613に取り付けられるように構成されてもよい。開示される実施形態のこの態様において、各支持脚620L1、620L2は、棚600上に保管されるケースユニットを支持するように構成される、適切な表面エリアを有する折曲部620H1、620H2を含んでいる。折曲部620H1、620H2は、棚の上に保管されるケースユニットの変形を実質的に防ぐように構成されてもよい。別の態様において脚部620H1、620H2は、棚の上に保管されるケースユニットを支持するために、適切な厚さを有していてもよいし、他の任意の適切な形状および/または構成を有していてもよい。図13A、13Bからわかるように、支持脚620L1、620L2またはチャネル620は、スラットのある棚構造または波形の棚構造を形成してもよく、例えば、支持脚620L1、620L2の間のスペース620Sにより、ボット110のアームまたはフィンガーは、棚へ、および棚からケースユニットを移送するために棚に到達でき、および、例えばボット110は、以下に記載するように保管ラック構造内の自身の位置を追跡することができる。棚600の支持脚620L1、620L2は、隣接するケースユニットが互いに対して任意の適切な距離だけ離間されているケースユニットを保管するように構成されてもよいことに留意する。例えば、矢印698の方向における、支持脚620L1、620L2の間のピッチまたは間隔は、例えば、ケースユニットがボット110によって棚に配置されるか、または棚から取り除かれるときの、ケースユニット間の接触を最小限にするために、ケースユニットが、ケースユニット間の距離が約1ピッチで棚600上に配置されるようなものであり得る。例示のみを目的として、互いに対して隣接して位置付けられるケースユニットは、例えば方向698において、約2.54cmの距離だけ離間されてもよい。別の態様において棚の上のケースユニットの間の間隔は、任意の適切な間隔であってもよい。また、マルチレベル垂直コンベヤ150A、150Bへの、およびそれらからのケースユニットの移送は(移送が直接的、またはボット110によって間接的に行われていても)、保管棚600に関して上述した方法と実質的に同様の方法でなされてもよいことに留意する。
【0039】
ボットの位置決めのためにスラットが用いられ得る開示される実施形態の態様において、スラット620Lは、ケースユニットの取り出しおよび保管棚600への配置の間、ボットの場所を特定するために距離620S(例えば、スラット間のスペース)がスラット620Lを既知の増分(increment)130Aで配置するように、保管棚600に取り付けられてもよい。一例において、スラット620Lの間の間隔620Sは、増分ボット位置決めシステムを提供するように配置され得る(例えば、間隔620Sはスラット620Lの全ての間で実質的に同一であり、ボットの場所は、取り出し通路130Aの端部などの基準点または参照点から追跡される)。別の態様において、支持脚620L1、620L2の間の間隔620Sは、絶対ボット位置決めシステムを提供するように配置されてもよい(例えば、間隔620Sは所定のパターンにしたがうので、各スペースは、ボットによって検出されると、取り出し通路内のボットの固有の識別可能な場所を提供する)一方で、依然として、ボット110のフィンガー1235Aは、保管棚600からケースユニットを取り出し、また配置するために、スラット620Lの間に挿入できる。開示される実施形態の態様においては、実質的に同一の絶対エンコーダスラットパターンが取り出し通路のそれぞれに用いられてもよいが、別の態様において、取り出し通路のそれぞれは、通路だけでなく通路内のボット場所も識別するために、固有の絶対エンコーダスラットパターンを有していてもよい。開示される実施形態において、棚600上のスラット620L間の間隔は、例えば、増分および絶対位置決めスケールの組み合わせなどの、ボットの場所を判定するための任意の適切な測定スケールを提供する任意の適切な間隔であってよいことが理解されるべきである。以下により詳細に記載されるように、ボットの位置は、保管棚上のケースの「マップ」または「フィンガープリント」を用いても判定されてもよい。実施形態によれば、ボットの位置決めは、他の適切な機構(例えば、増分および/または絶対特性をエンコードされたテープやストリップ、またはボットの通路により構造に対して検出されたマーク)を介して定められてもよい。また、マルチレベル垂直コンベヤ150A、150Bへの、およびそれらからのケースユニットの移送は(移送が直接的、またはボット110によって間接的に行われていても)、保管棚600に関して上述した方法と実質的に同様の方法でなされてもよいことに留意する。
【0040】
次に図13Aおよび13Cを参照すると、スラット620L(保管棚上に設けられている)を検出または感知するための任意の適切な数のセンサが、ボット110上に設けられていてもよい(図13F、ブロック17900および17910)。実施形態においてボット110は、例示のみを目的として2つのセンサ17700、17701を含んでおり、これらは上述のケースセンサ1715、1716と実質的に同様であってもよい。開示される実施形態の態様において、センサ17700、17701は、発光部および受光部を含むビームセンサとして記載されている。各センサ17700、17701の発光部および受光部は、単一のセンサケーシングに収容されてもよいし、それぞれのセンサ17700、17701の分離したセンサケーシングに収容されてもよい。センサ17700、17701は、これらに限定されないが、ビームセンサならびに磁気センサ、静電容量センサ、インダクタンスセンサなどの近接センサなどを含む、任意の適切な種類のセンサであってもよいことが理解されるべきである。センサ17700は、ボット110の前方に向かって配置でき、センサ17701は、ボット110の後方に向かって配置できる。「前方」および「後方」という用語は相対的な用語であり、ボット110は、任意の方向で取り出し通路130Aを移動するように構成されてもよいので、ボットの移動方向に対するボットの前方および後方が逆になる場合もあることから、ここでは例示的な目的でのみ用いていることが理解されるべきである。1つまたは2つ以上のセンサは、例えば、ボット110の任意の適切な側の任意の適切な長さに沿って、ボット上の任意の適切な位置に位置付けられてもよいことが理解されるべきである。センサ17700、17701は、ボット110構造のシャーシまたは任意の他の部分など、任意の適切な方法でボット110に取り付けられてもよい。
【0041】
例えば、取り出し通路130Aまたは保管および取り出しシステム100内の他の任意の適切な場所のボットの場所を判定するために、例えば、増分(または絶対)位置エンコーダおよび離散(discrete)位置エンコーダを提供する目的で、センサ17700、17701は、スラット620Lを検出あるいは感知するようにボット110に取り付けられてもよい(図13F、ブロック17920)。センサ17700、17701は、それぞれのスラット620Lが感知されると信号を生成するために、例えば、ボットのシャーシおよび/またはスラット620Lの面620LFに対して、任意の適切な角度θ(図13Cに誇張して示す)で取り付けられてもよい。角度θにより、例えば、以下に示すように、センサから発せられたビームが、例えばスラット620Lで反射され、センサの受光部によって受光されることが可能であることに留意する。理解されるように、発光部がセンサハウジングに対して角度を持つように構成されてもよく、ビームセンサの発光部は、ハウジングがボットの1つまたは2つ以上の構造的機構に対して、略水平および/または略垂直に取り付けられてもよい。また理解されるように、使用されるセンサが近接センサである場合、スラットは、例示のみを目的とするが、静電容量、誘電率または磁場の変化を通じて検出されるので、センサに角度をもたせなくてもよい。センサは、スラットを検出し、ボットの位置を判定するために、スラットに対して任意の適切な配置/構成を有していてもよいことに留意する。単に非制限的な例として、棚の背面は反射防止性となっており、これによりセンサは、反射型のセンサのセンサビームがスラットの長手軸に対して略平行である(例えば、スラットに対して角度を有さない)ように配置されてもよい。
【0042】
また図13Eを参照して、ボットが取り出し通路130Aを通って、例えば矢印799の方向に移動すると、センサ17700の発光部から発せられたビーム17700Bは、スラット620の側面620LSに当たり、反射してセンサから遠ざかる(例えば、ビームはセンサ17700の受光部へ戻らない)。ボットが矢印799の方向に移動し続けると、ビーム17700Bは、スラット620Lの面620LFに当たって、センサ17700の受光部へ反射して戻るので、センサはスラット620Lの存在を示す出力信号を作り出す。ボット110の、例えば矢印799の方向への継続した移動の間、ビーム17700Bはスラット620Lの面620LFを掃引し、ビーム17700Bがセンサ17700の受光部へ反射して戻り続ける。センサ17700の受光部がビーム17700Bを受光すると、センサ17700は、例えば、ボット110の任意の適切な制御装置1220(または制御サーバ120などの保管および取り出しシステム100)へ、実質的に一定の出力信号を供給する。ボットが、例えば矢印799の方向に移動し続けると、ビーム17700Bはスラット面620LFを外れ、もはやセンサ17700の受光部へ反射して戻らなくなるので、センサは、実質的に一定の出力信号の出力を中断し、スラットが存在しないことを示す。理解されるように、ボットが連続するスラット620Lを過ぎて移動すると、センサ17700により生成された出力信号(例えば、スラットが存在する、スラットは存在しない、スラットが存在する、など)は、図13Dに示すように「オン/オフ」信号S700により形成され、ここでオン/オフ出力信号は、スラットのピッチP(または間隔)に対応する(図13F、ブロック17930)。この例において、信号S700は方形波として示されているが、任意の適切な波形/形状を有していてもよい。センサ17701はセンサ700に関して上述した方法と同じ方法で作動でき、センサ17701からのビーム17701Bは、スラット面620LFから反射して、別の「オン/オフ」信号S701を作り出す。理解されるように、この「オン/オフ」信号は、近接センサを用いる同様の方法で生成でき、信号は、スラットがセンサに近接しているときに「オン」となり(例えば、スラットの存在が検出される)、スラットの存在が検出されないときには「オフ」となる。
【0043】
それぞれのセンサ17700、17701により生成された2つの信号S700、S701は、例えば、取り出し通路130A内のボットの位置を判定するために、制御装置1220によって解釈されてもよく、例えば、増分エンコーダパターン(例えば、スラット間のピッチが実質的に等しい)を形成する。すでに検出されている取り出し通路130Aのスラットから独立して、ボットの場所を判定するために、制御装置1220によって解釈されてもよい、絶対エンコーダパターンを提供する目的で、スラット間のピッチは、固有の形で変化してもよい(ただし、ボット110のフィンガー1235Aが、保管棚600からケースユニットを取り出しおよび配置するためにスラット間に挿入されるための、充分な空間を残している)ことに留意する。
【0044】
センサ17700、17701の精度または分解能は、例えば、センサ間の距離または異なるセンサの角度により、センサの少なくとも1つが所定の分数量だけスラットピッチPからオフセットし、より細かな分解能を生じるためにボットにより検出されるスラットの数を効果的に増やすように、センサ17700、17701をボット110上に配置することによって向上され得る。例えば、センサ間の距離Lは、以下に示すものであってもよい:
L=mP+w
【0045】
式中、mは整数、wはピッチPの所定の分数(例えば、P/2、P/4、・・・P/x)である。保管棚600内のスラット620Lの場所は、例えば、保管構造の垂直支持体612に対して、所定の構成で位置付けられてもよいことに留意する。一例において、垂直支持体612はスラットを有していなくてもよく、より高い位置での分解能がボットの場所の確認を補助するので、例えば、保管棚600からケースユニットを取り出し/配置する間、ボット110のフィンガー1235A(図13A)は垂直支持体612または支持スラット612Lと接触しない。別の例において、垂直支持体612は、すでに参照により組み込まれている米国仮特許出願第61/423,206号明細書に記載されているものと実質的に同様の方法で、その上に置かれる偽(false)スラットを有し得る。さらに別の例において、ボット位置は、保管および取り出し構造物の全体を通して取り付けられている、RFIDタグまたはバーコードラベルを用いて判定され得る。この例においてボット110は任意の適切なRFIDまたはバーコード読み取り機を含んでいてもよいので、RFIDタグおよび/またはバーコードは、ボット110が保管および取り出しシステムの全体を通して移動するときに読み取られてもよい。さらに別の例において、ボットの場所は、以下に記載されるように、走行距離情報、ボットの駆動モータからのフィードバック、およびボットが乗っているか、または向かう表面との相互作用に基づいて判定することができる。以上の特徴の任意の適切な組合せもボットの場所を判定するために使用できることが理解されるべきである。理解されるように、例えば、任意の適切なボット場所の判定(本明細書に記載するボットの場所の判定など)と、ケースユニットの感知との組み合わせにより、ボットは、ボットが取り出し通路を通って移動するときに、保管棚上に位置するケースユニットの場所および向きをマッピングできる。
【0046】
ボット110の制御装置1220は、保管および取り出しシステムの構造ファイルへのアクセスを有してもよい。構造ファイルは、各スラット620Lのそのそれぞれの取り出し通路130A内での位置を含む、保管および取り出しシステムの各構造機構の場所を含み得る。構造ファイルは、制御装置1220によってアクセス可能な任意の適切なメモリに位置してもよい。一例において、構造ファイルは、ボット110のメモリ1221に常駐してもよい。他の例において、構造ファイルは例えば、制御サーバ120のメモリに常駐してボット110によりアクセスされてもよいし、ボット110の場所が判定されているときに、ボットメモリにアップロードされてもよい。構造ファイルにより特定されたスラットの場所は、例えば取り出し通路130A内のボット110の位置を判定するために、スラットの場所の特定を補助してもよい。例えば、ボットがセンサ17700、17701を用いて保管棚600のスラット620L1などのスラットを特定すると、ボットの制御装置1220は、構造ファイルの情報により特定されているようなスラット620L1の場所を用いてスラット620L1が検出される瞬間に、ボットの走行距離(例えば、後述するエンコーダホイール720から得られる)を用いて推定されるボット110の場所を比較する(図13F、ブロック17940および17950)。推定されたボットの場所と、構造ファイルからのスラットの場所との間の比較が、所定の許容範囲内で一致する場合、ボット(およびスラットを感知するセンサ)の場所は、ボット110が取り出し通路130A内の自身の正確な場所を知るように、スラットを用いて特定される。センサ17700、17701は、例えば、ボット110のエフェクタまたはアーム1235(図7)の場所に対して所定の距離で位置付けられ得るので、アーム1235は、ボット110と保管棚600との間で容器を移送する目的で、アーム1235のフィンガー1235Aをスラット間に挿入するために、センサの、保管スラット620Lに対して判定された場所に基づいて配置されてもよいことに留意する。また、制御装置1220は、保管および取り出しシステム内のボットの位置を判定するときに、ボット110の状態(加速、速度、方向など)を判定するだけでなく、ホイールのスリップも考慮するように構成されてもよいということにも留意する。これは、例えば「BOT HAVING HIGH SPEED STABILITY(高速安定性を有するボット)」と題され2010年12月15日に出願された、代理人整理番号が1127P014266−US(−#1)の米国仮特許出願に記載されており、この出願の開示内容は、その全体を参照することにより本明細書に組み込まれている。
【0047】
スラット620L1、620L2の間のエリアにおいて、ボット110は、ボット110の推定位置を継続的に更新するために、ボット110のホイールエンコーダ720から走行距離情報を取得するように構成されてもよい(例えば、ボットのホイールの1つまたは2つ以上の回転から判定されるボットの移動距離を、ボットが最後に特定された位置またはボットの他の任意の適切なすでに判定されている位置に加えることによって)。ボット110の推定位置は、例えば、ボット110によって検出および特定された最後のスラット620L1の位置(例えば、この場所は構造ファイルとの比較を通して確認される)に基づいてもよい(図13F、ブロック17960)。例えば、取り出し通路130Aを通る移動方向799において、ボット110が次のスラット620L2に遭遇すると、ボット110は、すでに検出されたスラット620L1の確認された位置およびホイールエンコーダ720からの情報を用いて、その推定位置を算出する。ボット110は、この推定位置を、構造ファイルに含まれるスラット620L2に関するスラット位置情報に対して比較し、この2つの場所(すなわち、ボットの推定位置、および構造ファイルから得られたスラット620L2の位置)が所定の許容範囲内で一致する場合、ボット110は、取り出し通路130A内のどこに位置付けられているかを実質的に正確に把握し、取り出し通路130A内のボットの位置は、例えば、ボット制御装置1220によって更新される。ボット110の推定される場所(センサが次のスラット620L2を感知した場合)が構造ファイル内の情報を用いて確認されると、スラット/ボットの場所が特定される。一致または確認がない場合、センサ17700、17701の1つまたは2つ以上からの信号出力は無視され、ボットの実質的に正確な位置は更新されず、むしろ、ボットの制御装置1220は、次に感知されたスラットの場所が確認/特定されるまで、ホイールエンコーダ720から得られた推定位置を使用し続ける。開示される実施形態の態様において、ボットの走行距離はスラット位置が特定されるたびにリセットされてもよいことに留意する。ボットの走行距離をリセットすることにより、例えばホイールエンコーダ720により発生する、構築されるあらゆる公差、または他の累積された追跡エラーを実質的に消去してもよい。代替的には、ボットの走行距離は、各スラットが特定されたときにリセットされなくてもよく、保管および取り出しシステムのボット制御装置または他の任意の適切な制御装置は、スラットの場所を特定し、ボットの位置を判定するときに、ホイールエンコーダ720におけるあらゆる公差または累積された追跡エラーを考慮するように構成されてもよい。
【0048】
再び図13Aを参照すると、開示される実施形態の態様において、ボット110は、棚600上にそれぞれの設置位置で保管されるケースユニット101を感知するよう構成された、上述のもののような1つまたは2つ以上の適切なケースセンサ1715、1716も含んでいてもよい。ケースユニットセンサの非制限的ないくつかの例は、例えば、参照により本明細書にすでに組み込まれている米国特許出願第12/757,312号明細書に見ることができる。ケースセンサ1715、1716は、ボットが取り出し通路に沿って移動するときに、ボット110が各ケースユニット101を感知できるように構成されてもよい。ケースセンサ1715、1716は、ボット110の場所判定を補助するためにケースユニット101のパターンまたは順序が認識され得るように、例えば、制御サーバ120および/またはボット制御装置1220などの、任意の適切な制御装置に接続されてもよい。例えば、制御サーバ120は、各取り出し通路に関して、ケースユニットの「マップ」または「フィンガープリント」(それぞれのサイズ、位置、ケースユニットとの間隔などを含む)を含んでいてもよい。ボット110が取り出し通路を通って移動すると、制御サーバ120(またはボット制御装置1220)などの制御装置は、例えばサイズ、およびボットが通過しているケースユニット101の相対位置を示す、ケースセンサ1715、1716からの信号を受信および解釈できる。例えば、どの通路にボットがあるか、および通路のどの部分にボットがあるか(例えば、通路内のボットの場所)を判定するために、制御サーバ120は、例えば、これらの信号をケースユニットのマップ/フィンガープリント(例えば、制御装置によって判定されている各ケースユニットの所定位置)と比較してもよい。一例において、ボット110が取り出し通路を下ると、ケースユニット101が感知され、制御サーバ120は、感知されたケースユニットに基づき、ボット110が正しい通路内にあるかどうかを判定してもよい。ケースは追加されたり、棚600から取り外されたりするので、ケースのフィンガープリントは動的であってよいことに留意する。
【0049】
上で記したように、保管および取り出しシステムは、障害識別および復元システム107(図1)を含んでおり、これは、障害制御モジュール107DCM(制御サーバ120であってもよいし、制御サーバ120内に組み込まれていてもよく、別の態様において障害制御モジュールは、制御サーバ120およびボット制御装置1220の1つまたは2つ以上に組み込まれていてもよく、障害制御モジュールは、制御サーバ120および/またはボット制御装置1220とは分離しているが、それらと通信していてもよい)と、例えば、ラック通路130Aに沿って保管スペースをマッピングするケースマッパー110Mと、ケース位置復元システム107CRS(ボット110およびボットのそれぞれのケース検出センサの1つまたは2つ以上であってもよい)と、1つまたは2つ以上の障害センサ(図1、11および16のセンサ131など)とを含んでいる。例示のみを目的として、障害制御モジュール107DCMは、制御サーバ120に組み込まれているものとして記載される。しかしながら別の態様において、障害制御モジュール107DCMは、制御サーバ120および/またはボット制御装置1220から遠隔に存在していてもよく、任意の適切なネットワークインタフェース107NI(図1)を通して、制御サーバ120および/またはボット制御装置1220の1つまたは2つ以上と、リンクまたは通信されてもよい。
【0050】
通常の倉庫管理システム2500および制御サーバ120(図1を参照)による自動の取り出しのために、制御サーバ120は、障害を識別し、障害前の位置を含む適切な位置/向きにケースユニットを復元するように構成され得る(例えば、本明細書に記載する復元タスクを行うための、任意の適切なプログラミングまたは構造を含んでいる)。例えば、制御サーバ120(例えば、障害制御モジュール107DCM)は、上述のような位置の障害への動的(動作)応答を表す任意の適切なモデルを含んでいてもよく、これは、障害の間、保管ラック設置面および他の支持構造(例えば、保管ラック、取り出し通路、移送デッキ、マルチレベル垂直コンベヤなど)の応答(例えば、変位、速度、加速など)を形成する適切なテーブルまたは適切なアルゴリズムを含んでいてもよい。制御サーバ120は、保管構造の動作を識別するために、例えば、任意の適切な障害センサ131(例えば、加速度計および/または他の動作センサ)と任意の適切な方法で通信してもよい(図17、ブロック2200)。例えば、障害センサ131と制御サーバ120との間の通信により、制御サーバ120は、保管および取り出しシステム内の障害の大きさ、方向および/または場所(例えば、障害により影響を受ける保管構造の1つまたは2つ以上の領域)を識別できる。例えば、保管ラック構造の、所望の部分における動作の範囲または程度を識別するか、あるいは判定するために、制御サーバ120は、移動モデルおよび障害センサ131からの情報に基づき構成される。また制御サーバ120は、移動モデルおよび障害センサ131からの情報に基づき、障害の種類またはカテゴリ(例えば、局所的な事象、ボットの衝突、地震的な事象など)を判定するように構成されてもよい(図17、ブロック2210)。続いて制御サーバ120は、保管ラック構造の所望の位置における保管場所での、各ケースユニットの移動量(例えば、予測される変化)を判定するか、あるいは推定してもよい(図17、ブロック2220)。
【0051】
障害の検出時に、制御サーバ120は、影響を受けた領域内のボット110、マルチレベル垂直コンベヤおよび/または保管および取り出しシステム100の他のアクティブな構成部品のシャットダウンを命令するように構成されてもよい(図17、ブロック2230)。障害が地震的な障害(例えば、地震など)であると判定された場合、制御サーバ120は、保管および取り出しシステム内の全てのオートメーションのシャットダウンを命令するように構成されてもよい。障害が弱まった後、制御サーバ120は、任意の適切な方法で保管および取り出しシステム100を初期化するように構成されてもよい(図17、ブロック2240)。一態様において、保管および取り出しシステム100の初期化は、自動であってもよいし、別の態様において初期化は、手動またはオペレータの入力を含んでいてもよい。ボット110の初期化は、保管ラックの保管スペース(例えば、保管ラックスペースの基準フレーム)に対するボットの場所判定(例えば、本明細書に記載されるようなボット上のセンサを用いる)を含んでいてもよいことに留意する。一態様において制御サーバ120は、保管および取り出しシステムの、エリアDR1、DR2、DR3、DR4(図9〜11)などの異なるエリアにおける障害の大きさを監視するように構成されてもよく、これは、障害が所定の閾値を下回るエリアが、通常の動作(例えば、オーダーの達成または保管ラックの補充)に戻り得る一方で、障害が所定の閾値を上回るエリアが、復元動作を指定され得るようにするためである。任意の適切な方法で定められる、任意の適切な数の監視エリアがあってもよいことに留意する。例えば、監視エリアは、1つまたは2つ以上の保管レベルSL1、SL2、SL3、1つまたは2つ以上の保管レベルの部分、または保管構造の構成要素の任意の適切な地理的な(例えば、水平方向および/または垂直方向の)グループ分けに対応してもよい。
【0052】
再び図13Aを参照すると、ケースマッパー110A(図11および16)は、保管スペース内のケースユニットの有無をマッピングできるあらゆる装置であってもよい。以下に記載するように、図16に示すケースマッパー110Mは、ボット110内に組み込まれてもよい。ケースマッパー110Mを組み込むボット110は、荷下ろしされた状態で示されているが、他の態様においてボット110は、積載された状態(例えば、1つまたは2つ以上のケースユニットを搬送する)であってもよい。一態様において、積載されたボット110は、その積載物をマルチレベル垂直コンベヤ150に移送するために移動する間、ケースユニットをマッピングしてもよい。ボット110に組み込まれているマッパー110Mにより、ボットは、取り出し/配置の目的地へ進むときにマッピングを行うために、積載物を持ち上げるように命令することが可能になる。ケースマッパー110Mは、上述のボットセンサの1つまたは2つ以上などのケースセンサを有するケーススキャンシステムと、以下に記載するように、ケースユニットおよび/またはピックフェースの所定の保管場所を、実際のケースユニットおよび/またはピックフェースの場所と比較する、制御サーバ120(および/またはボット制御装置1220)などの制御装置とを含み得る。別の態様において、ケースマッパー110Mは、保管構造またはその中に位置付けられるあらゆる対象物の任意の適切な機構の場所をマッピングすることが可能であり得る。ケーススキャンシステムは、実際のケースユニットおよび/またはピックフェースの場所を用いて保管および取り出しシステムを更新するように構成されてもよく、ユニット/ピックフェースの変化が、例えば所定の閾値を下回る場合、ケースユニット/ピックフェースは操作/再配置を必要としない。行方不明のケースは、任意の適切な復元動作のために識別およびマークされ得る(例えば、保管および取り出しシステムのオペレータおよび/または自動の通路スキャンに、行方不明のケースについて知らせる)。
【0053】
一態様においては、上述のように、ケースマッパー110Mは、保管構造内のケースユニットの場所を、連続して、または要求に応じてスキャンできる、保管構造を行き来する1つまたは2つ以上のボット110であってもよい(通常動作の進行中、ボットが偶然に障害により影響をうけたエリアを通って移動したときに、その機会ごとに、または、保管ラックの所定のエリアをスキャンするために、ケースマッパー/ボットに関する命令などを用いて、計画的に)。さらに別の態様において、ケースマッパーは、指定のケースマッパーデバイスまたはマッピングボットに含まれていてもよい。一態様において、ケースマッパーは、制御サーバ120と通信していてもよく、制御サーバ120は、ケースユニット/ピックフェースの予測される変化、保管および取り出しシステムの異なるエリアにおける障害の大きさ(例えば、所定の障害の大きさの閾値に基づく)、および複数のケースユニットを有するピックフェースが保管されるエリアなどの所定の基準に基づいて、保管および取り出しシステム100の場所をマッピングするために、1つまたは2つ以上のケースマッパーをキューに入れる(図17、ブロック2250)。制御サーバ120は、複数のケースマッパーに、並列/隣接の取り出し通路を実質的に同時にマッピングするように命令し、および/または、複数のケースマッパーに、共通の取り出し通路(例えば、2つ以上のケースマッパーが同時に1つの取り出し通路内にある)をマッピングするように命令してもよいことに留意する。
【0054】
開示される実施形態の一態様において、ケースマッパーは、ケースユニットおよびケースユニットにより形成されるピックフェースの場所および/または向きをマッピングするために、任意の適切な数または種類のケースセンサ(例えば、ケースセンサ17701、17700、1717、1715、1716などのセンサの、光学センサ、レーザー、カメラ)を含んでいてもよい。ケースセンサは例えば、ボット110が、ラック通路130A内に保管されるケースユニットおよびボット110がラック通路130Aに沿って移動するときに、ボットの経路内に位置するあらゆるケースユニットをマッピング(そのそれぞれのサイズ、位置、向き、ケースユニット間の間隔などを含む)できるようにしてもよい。開示される実施形態の一態様において、ケースセンサは、ボット110がボットの様々なセンサを用いて、およびケースユニットのスキャンおよびボットの場所判定に関して上述した方法で、ラックスペースを上下するときに、所定のラック通路(外形を、グラフを用いて示す図13Gを参照、ただしマップは、表形式、ビットマップなどの任意の適切なフォーマットで具体化されてもよい)の棚上にあるケース(1つまたは2つ以上であってもよい)のラック通路(またはその少なくとも一部)のマップを作り出すように構成されてもよい。ラック通路またはケースユニットのマップは、一実施形態において、ケースの積載を取り出すためまたは配置するために、ラック通路130Aをボットが行き来するのと同時に作り出されてもよい。別の態様において、ラック通路のマップは、例えば、地震的な事象が生じた後など、ラック通路のマップがシステムによって要求されるときにいつでも作り出されてもよい。次に図13Gを参照すると、ラック通路のマップは、ケースユニットおよびスロットまたはスペースの外形、ならびに所定のラック通路内でのそれらそれぞれの配置を含んでいてもよい。制御サーバ120(図1)やボット制御装置1220などの任意の適切な制御装置(保管および取り出しシステムの任意の適切なメモリを通して保管システムのマップにアクセスできる)は、上述のように、保管システムの各ケースユニットの所定の保管場所/位置および/または向きを含む、保管システムのマップを含んでいてもよい。ボット110または指定のケースマッパーによって生じられたケースマップ(少なくとも1つのケースユニットの測定された設置位置を含む)は、ボット110(または指定のケースマッパー)の場所を判定するだけでなく、障害による影響を受ける保管構造内のケースユニットの場所および向きを確認するために、例えば、制御サーバ120内に保管されるマップ(障害前の少なくとも1つのケースユニットに対応する所定の保管位置を含む)と、任意の適切な方法で比較されてもよい(図17、ブロック2260)。理解されるように、制御サーバ120は、少なくとも1つのケースユニットの予測される設置位置(例えば、移動モデルおよび障害センサのデータによって判定された障害後の位置)と、所定の位置との間の予測変化を識別し、変化の種類(後述する)に基づきケースユニットの位置補正に関する情報を用いて命令を作り出すために、最大の変位または変位の範囲を判定(例えば、移動モデルおよび/または障害センサのデータを用いて)するように構成されてもよい。この変化は、個別のケースユニット、ピックフェースおよび/またはピックフェース内の個別のケースユニットに関して判定されてもよいことに留意する。また理解されるように、制御サーバ120は、復元動作が開始できる場所を識別(例えば、モデルおよびセンサデータに基づいて)するように構成されてもよい。例えば、制御サーバ120は、復元動作の順序を定めるための基準を含んでいてもよく、例えば、障害による影響が最も少なかったエリアは、障害によってより多くの範囲が影響を受けたエリアよりも前に復元され、その逆も同様である。別の態様において、障害により影響を受けたエリアは、任意の適切な順序または方法で、復元動作に関して優先順位を付けられてもよい。
【0055】
理解され、また上に記したように、ケースユニットのマップを作り出すために、他の任意の適切なボット位置決め方法(上述のようなもの)がケースのスキャンと共に用いられ得る。一態様において、保管構造のケースユニットのマップは、ケースが保管および取り出しシステムから誘導または取り外されるにつれて、例えば制御サーバ120によって継続的に更新されることに留意する。別の態様において、ケースユニットのマップは、ボットが保管および取り出しシステムを通って移動するときに、ボット110がケースユニットをスキャンするのにつれてボット110により提供される情報を用いて、制御サーバによって更新されてもよい。別の態様において、ケースユニットのマップは、任意の適切な方法で生じられてもよい。
【0056】
上述のように、保管構造の移動を引き起こす、地震的な事象や他の事象などの障害の後、制御サーバ120は、ケースユニット/ピックフェースの測定された設置位置と所定の位置との間の測定された変化(例えば、ケースマッパーからのマッパーデータおよびケースユニット/ピックフェースの所定の場所に基づき、制御サーバ120によって判定される変化)を識別あるいは判定するために、保管構造内のケースユニットの初期化を行い(上述のように)、ここで変化は、ボット110の移動経路に位置するケース(すなわち、取り出し通路や移送デッキ、またはボットが移動する他のエリアを実質的に遮る)、保管ラック上で実質的に移動しておらず依然としてボット110により使用可能であるケースユニット、保管ラック上で実質的に移動しておらず依然としてボット110により使用可能であるケースユニット、保管ラック上で移動またはずれているが、既知の状態にあり、ボットにより使用可能であるケースユニット、および、未知の状態に移動しているか、所定の場所から移動していたり、ケースユニットの向きがケースユニットの所定の向きから移動していたりする、ケースユニットがボットにより使用不可であるケースユニットを含んでいる。後述するように、その所定の保管場所を所定の量だけ外れているケースは、保管棚から取り出され、保管棚上に再び揃えられ/再配置され、取り出されて所定の場所に再配置されるか、保管ラックから取り外されてもよいことに留意する。また、制御サーバ120は、移動モデルを更新して次に判定される予測される変化の精度を向上させるために、測定された変化を予測された変化と比較するように構成されてもよいことにも留意する。
【0057】
制御サーバ120は、保管および取り出しシステムに、ケースユニットのマッピングの結果に応じて是正あるいは復元動作を行うよう命令するように構成されてもよい(図17、ブロック2270)。ケースユニットのマッピングの結果に応じて保管および取り出しシステムによって行われる是正あるいは復元動作は、例えば、ケースユニットの配置(例えば、変化の種類)によって決まる。例えば、ケースユニットがボット110の移動経路内に位置する場合、制御サーバ120やボット制御装置1220などの制御装置は、ブロック移動経路の場所を保管および取り出しシステムのオペレータに伝達するように構成されてもよいので、ケースユニットは、オペレータによって任意の適切な方法で、移動経路から手動で取り除かれてもよい。別の態様において保管および取り出しシステムは、移動経路からケースユニットを取り出し、保管および取り出しシステムの外への搬送のためにケースユニットを、例えば搬出マルチレベル垂直コンベヤへ搬送するように構成されるボットを含んでいてもよい。
【0058】
ケースユニットが保管構造内で実質的に移動していない場合、ボット110は、制御サーバ120やボット制御装置1220などの制御装置によって、保管場所からケースユニットを取り出し、ケースユニットを保管棚上の同一の保管場所に再配置する(例えば、プッシャやフェンスなどの、例えば上述のようなボット積載の配列機能を用いて)ように命令および構成されてもよい。別の態様において、ボットは保管場所からケースユニットを取り出し、ケースユニットを新しい保管場所に搬送してもよい。ケースユニットが新しい保管場所へ移動される場合、ケースユニットの位置は、保管および取り出しシステムにおける各ケースユニットの場所を識別する、例えば制御サーバ120(例えば、ケースユニットの場所のマスターに記憶されたマップ)のデータベースにおいて動的に更新されてもよいことに留意する。
【0059】
ケースユニットが、保管ラック上で移動しているが、既知の状態にあり、ボットにより使用可能である場合、任意の適切な制御装置は、移動したあらゆるケースユニットの新しい位置または次の位置を反映させるために、マスターに記憶されたマップを動的に更新するように構成されてもよい。ここでケースユニットは、例えば、地震的または他の事象のケースユニットへの影響により、保管棚上のそれぞれの所定位置から、所定位置とは異なる新しいまたは次の位置へと移動し得る。ここでボット110または指定のケースマッパーは、上述のようにケースユニットをスキャンし、マッピングされたケースユニットに関する情報を、制御サーバ120などの任意の適切な制御装置へ伝達することができる。制御装置120は、ケースユニットの場所のマスターに記憶されたマップを動的に更新するように構成され得るので、それぞれのケースの新しいまたは次の位置(例えば、地震的または他の事象の結果としてケースユニットが移動した位置)は、記憶されたケースユニットマップにおける所定位置に取って代わり、保管および取り出しシステムは、移動した任意のケースユニットの次の位置に基づき動作する。理解されるように、ボット110は、新しいまたは次の保管場所からケースユニットを取り出し、ケースユニットを同様に保管棚上の新しいまたは次の場所へ再配置し得る(例えば、プッシャやフェンスなどの、例えば上述のようなボット積載の配列機能を用いて)。
【0060】
ケースユニットが、不明の状態に移動しているか、ボットにより使用不能である場合、ボット110は、特定の場所で保管ラックから外れ得る全てのものを把持することによって、「全体的な(gross)」取り出しを実行し、「全体的な」取り出し動作によって取り出されたケースユニットを、保管および取り出しシステムの外への搬送のために、搬出マルチレベル垂直コンベヤへ搬送するように構成され得る。「全体的な」取り出し動作によって取り外されたケースは、例えば、保管ラック上に残っているケースをスキャンし、これらのマッピングされたケースを制御サーバ120に記憶されたマップと比較することによって判定され得るので、保管および取り出しシステムにおけるケースユニットの場所は、動的に更新され得る。別の態様においてボットは、「全体的な」取り出し動作によって取り外されたケースユニットに関する、それらのケースを識別するためのバーコードまたは他の識別の印を、ケースユニットマップを動的に更新するために、例えば制御サーバ120へスキャンするように構成されてもよい。ボット110が「全体的な」取り出し動作を行うことができない場合、制御サーバ120や制御装置1220などの任意の適切な制御装置は、再配置が必要なときに、ケースユニットの場所を保管および取り出しシステムのオペレータに伝達するように構成され得るので、オペレータは必要に応じて保管構造内にケースユニットを再配置できる。理解されるように、ケースユニットの再配置の後、ボット110は、オペレータによって調整されたケースユニットをスキャンし、例えば制御サーバのケースユニットデータベースを更新するために、各ピックフェースまたはケースユニットのSKUおよび/またはバーコードだけでなく、ケースの位置(例えば、エンコーダの読み取り値または他のボットの位置識別センサに基づく)も記録し得る。手動で操作されるバーコード読み取り機は、例えば、各ピックフェースまたはケースユニットのSKUおよび/またはバーコードと、ケース位置とを同時に記録し、ケースユニットデータベースを更新するために、ボット110のスキャン機能と並行して用いられてもよいことに留意する。また、バーコード、および各ケースユニットの整合的な場所における他のケースユニットを識別する印により、完全に自動化される(例えば、実質的に手動の介入なしに)在庫(例えば、ケースユニット)のデータベースの更新を可能にできることに留意する。
【0061】
理解されるように、保管および取り出しシステムのケースユニットの移動を引き起こし得る地震的または他の事象の後に、上述の状態(例えば、変化の種類)の1つまたは2つ以上が存在する場合があり得る。上述の是正動作の任意の適切な組み合わせが、ケースユニットデータベースを更新するため、および/または、保管および取り出しシステムのケースユニットを再配置するために、任意の適切な方法で用いられ得ることが理解されるべきである。
【0062】
理解されるように、保管および取り出しシステムは、保管構造内でのケースユニットの移動を引き起こし得る地震的事象および/または他の保管構造の動作を検出するように構成される、加速度計または他の動作検出デバイスなどの障害センサ131(図1)を含んでいてもよい。制御サーバ120または制御装置1220などの任意の適切な制御装置は、これらの障害センサ131から信号を受信し、この信号の受信に応じて、1つまたは2つ以上のボット110(または指定のスキャンボット)に、保管構造のマッピングを行うよう命令するように構成されてもよいので、所定の位置および/または向きから移動した任意のケースユニットは、上述の方法で、保管および取り出しシステムから取り外されるか、保管および取り出しシステム内に再配置されてもよい。理解されるように、1つまたは2つ以上のボットへの命令は、マッピングが地震的な事象の最中に生じないように、加速度計からの信号が受信されてから所定時間の後に発せられ得る。別の態様において、地震的な事象または他の保管構造の移動の後の、保管構造のマッピングは、任意の適切な方法で開始されてもよい。保管および取り出しシステムから取り外されたケースユニットは、例えば新しい在庫の品物として、任意の適切な方法でシステム内に再び誘導されてもよいことに留意する。
【0063】
本明細書に記載される保管および取り出しシステムの、構造130などの構造は、通常の使用、および、例示のみを目的とするが、地方および連邦規則により定められるような地震などの事象において、構造に加わる所定の負荷に耐えるように構成され得る。一例として、これらの負荷は、構造の自重、構造に保管され、構造を通して移送される在庫、ボット110、地震的負荷、熱膨張およびボットの制御および配置に充分な剛性を含み得る。また保管および取り出しシステム100の構造は、組み立て、保守アクセス、モジュール化、および効率的で経済的な材料の使用を容易にしてもよい。構造が従うように構成される規則の非制限的な例には、ASCE7、AISC鋼構造規格(Manual of Steel Construction)、構築物および橋梁に関する実施基準(Standard Practice for Steel Buildings and Bridges)、RMI(Rack Manufacturers Institute(棚製造業協会))、米国マテリアルハンドリング工業会(Material Handling Industry of America)のAISC規則であってもよい。本明細書に記載される保管および取り出しシステムの構造部品(例えば、垂直方向/水平方向の支持体、フロアなど)はさらに、例えば、塗料および亜鉛メッキなどの表面処理を含む、耐摩耗および/または耐腐食コーティングを含んでいてもよい。一例において、コーティングは、トップコーティングのあらゆる摩耗が容易に目に見えるように、ベースコーティングと対照的なトップコーティングとを含んでいてもよい。代替的な実施形態においてコーティングおよび表面処理は、摩耗が容易に識別できるように、任意の適切な構成および色を有していてもよい。
【0064】
保管構造130は、「ボトムアップ構造(bottom-up construction)」(例えば、各レベルは連続して構成され、順序において下側のレベルは順序において上側のレベルの前に実質的に完了するように構成される)でフィールドに容易に組立ておよび設置されるように構成され得る。例えば、垂直支持体612および/または水平支持体610、611、613(および/または保管構造130の任意の他の構成要素)は、前もってドリルまたはパンチで孔を開けられるか、組立孔を用いて予備成型されていてもよい。垂直支持体612のそれぞれを支持し、垂直支持体612をフロアに固定するためのベースプレートは、それぞれの垂直支持体612上に前もって設置されてもよい。ベースプレートを固定するためのアンカーボルトをフロアに位置付けるために、梁受けが設けられてもよい。垂直支持体612は、水平支持体610、611、613を収容し、少なくとも部分的に固定するために、ブラケットを備えて構成されてもよい。水平支持体の予備成型された孔も、例えば、水平支持体を垂直支持体にボルトで留めるか、あるいは固定するために用いられ得る。棚600は、前もって仕上げられている構成要素から現地組立され、例えば、任意の適切な方法で水平支持体610、611、613に取り付けられてもよい。水平支持体610、611、613を固定するために、枕木などの分離したブレースも設けられてもよい。移送デッキ130Bは、前述の方法と実質的に同様の方法で設置されてもよい。保管構造130のフロアおよび敷板は、例えば、固定具を用いるなどして、任意の適切な方法で水平支持体に取り付けられてもよい。フロアおよび敷板を水平支持体に固定できるように、フロアおよび敷板は、設置孔を予備成型されてもよい。ボット110用のトラック1300(図11)は、例えば、予備成型された孔や、梁受けなどの他の設置ガイドを用いて、通路のフロア上またはフロア内に前もって設置されるか、フィールド上に設置され得る。代替的な実施形態において、保管構造130は任意の適切な方法で構成および組立てられてもよいということに留意する。
【0065】
開示される実施形態の1つまたは2つ以上の態様によれば、自動保管および取り出しシステムが提供される。保管および取り出しシステムは、ケースユニットを支持するように構成される保管ラックを備える保管構造、制御装置、および保管構造内のケースユニットにアクセスを提供するように構成される取り出し通路を含んでいる。各ケースユニットは、ケースユニットが保管ラック上に設置される所定の保管位置を有しており、この所定の保管位置は、制御装置によって判定される。自動のケースマッパーは、取り出し通路を行き来するように構成され、また、少なくとも1つのケースユニットの保管構造内での設置位置を識別するように構成される。制御装置は、ケースマッパーから受け取った、少なくとも1つのケースユニットの識別された設置位置を、少なくとも1つのケースユニットの所定の位置と比較し、少なくとも1つのケースユニットの識別された設置位置と所定の位置との間の差異を識別し、差異の種類に基づくケースユニットの位置補正に関する情報とともに命令を生じるように構成される。
【0066】
開示される実施形態の1つまたは2つ以上の態様によれば、制御装置は、各ケースユニットの所定位置を保管構造内に動的に割り当てるように構成されている。
【0067】
開示される実施形態の1つまたは2つ以上の態様によれば、制御装置は、各ケースユニットの、それぞれ識別された設置位置を用いて、1つまたは2つ以上のケースユニットの所定の位置を動的に更新することによって、1つまたは2つ以上のケースユニットの位置の補正をもたらすように構成されている。
【0068】
開示される実施形態の1つまたは2つ以上の態様によれば、ケースマッパーは、保管構造内の保管場所でケースユニットを取り出しおよび配置するように構成される自律搬送車両を備える。
【0069】
開示される実施形態の1つまたは2つ以上の態様によれば、制御装置は、1つまたは2つ以上のケースユニットの手動での除去または再配置のために、1つまたは2つ以上のケースユニットの場所を保管および取り出しシステムのオペレータに提供することによって、1つまたは2つ以上のケースユニットの位置の補正をもたらすように構成されている。
【0070】
開示される実施形態の1つまたは2つ以上の態様によれば、保管および取り出しシステムは自律搬送車両をさらに含み、制御装置は、自律搬送車両に、1つまたは2つ以上のケースユニットをそのそれぞれの保管場所で取り出しおよび再配置するように、または1つまたは2つ以上のケースユニットを他の保管場所へ移動させるように命令することによって、1つまたは2つ以上のケースユニットの位置の補正をもたらすように構成されている。さらなる態様において制御装置は、1つまたは2つ以上のケースユニットが他の保管場所へ移動される場合にケース位置のデータベースを動的に更新するように構成されている。
【0071】
開示される実施形態の1つまたは2つ以上の態様によれば、保管および取り出しシステムは自律搬送車両をさらに含み、制御装置は、自律搬送車両に、保管構造の外への搬送の目的で、保管構造から1つまたは2つ以上のケースユニットを取り出すための全体的な取り出し操作を行うように命令することによって、1つまたは2つ以上のケースユニットの位置の補正をもたらすように構成されている。
【0072】
開示される実施形態の1つまたは2つ以上の態様によれば、保管および取り出しシステムは、保管構造に置かれ、保管構造のそれぞれの部分の移動を検出するように構成される少なくとも1つの移動検出デバイスをさらに含み、制御装置はさらに、移動検出デバイスからの移動検出信号を受信し、保管構造内のケースユニットの位置を識別するために、ケースマッパーに命令を発するように構成されている。
【0073】
開示される実施形態の1つまたは2つ以上の態様によれば、方法が提供される。この方法は、ケースユニットを支持するように構成される保管ラックを備える保管構造と、制御装置であって、各ケースユニットは、保管ラック上のケースユニットが設置される所定の保管位置を有し、制御装置は、所定の保管位置を判定するように構成される制御装置と、保管構造内のケースユニットへのアクセスを提供するように構成される取り出し通路と、取り出し通路を行き来し、少なくとも1つのケースユニットの保管構造内の設置位置を識別するように構成される自動のケースマッパーとを備える自動保管および取り出しシステムを提供することを含んでいる。またこの方法は、制御装置を用いて、ケースマッパーから受け取った、少なくとも1つのケースユニットの識別された設置位置を、少なくとも1つのケースユニットの所定の位置と比較すること、少なくとも1つのケースユニットの識別された設置位置と所定の位置との間の差異を識別すること、および、制御装置を用いて、差異の種類に基づくケースユニットの位置補正に関する情報とともに命令を生じることを含んでいる。
【0074】
開示される実施形態の1つまたは2つ以上の態様によれば、この方法は、制御装置を用いて、保管構造内の各ケースユニットの所定の位置を動的に割り当てることを含んでいる。
【0075】
開示される実施形態の1つまたは2つ以上の態様によれば、この方法は、制御装置を用いて、各ケースユニットの、それぞれ識別された設置位置を用いて少なくとも1つのケースユニットの所定の位置を動的に更新することによって、少なくとも1つのケースユニットの位置の補正をもたらすことを含んでいる。
【0076】
開示される実施形態の1つまたは2つ以上の態様によれば、ケースマッパーは、保管構造内の保管場所でケースユニットを取り出しおよび配置するように構成される自律搬送車両を備える。
【0077】
開示される実施形態の1つまたは2つ以上の態様によれば、この方法は、制御装置を用いて、少なくとも1つのケースユニットの手動での除去または再位置決めのために、少なくとも1つのケースユニットの場所を保管および取り出しシステムのオペレータに提供することによって、少なくとも1つのケースユニットの位置の補正をもたらすことを含んでいる。
【0078】
開示される実施形態の1つまたは2つ以上の態様によれば、この方法は、自律搬送車両を備えること、および、制御装置を用いて、自律搬送車両に、少なくとも1つのケースユニットをそれぞれの保管場所で取り出しおよび再配置するように、または少なくとも1つのケースユニットをそれぞれ別の保管場所へ移動させるように命令することによって、少なくとも1つのケースユニットの位置の補正をもたらすことを含んでいる。
【0079】
開示される実施形態の1つまたは2つ以上の態様によれば、この方法は、制御装置を用いて、少なくとも1つのケースユニットがそれぞれ別の保管場所へ移動されている場合にケース位置のデータベースを動的に更新することを含んでいる。
【0080】
開示される実施形態の1つまたは2つ以上の態様によれば、この方法は、自律搬送車両を備えること、および、制御装置を用いて、自律搬送車両に、保管構造の外への搬送の目的で、保管構造から少なくとも1つのケースユニットを取り出すための全体的な取り出し操作を行うように命令することによって、少なくとも1つのケースユニットの位置の補正をもたらすことを含んでいる。
【0081】
開示される実施形態の1つまたは2つ以上の態様によれば、この方法は、保管構造に置かれ、保管構造のそれぞれの部分の移動を検出するように構成される少なくとも1つの移動検出デバイスを備えること、および、制御装置を用いて、移動検出デバイスからの移動検出信号を受信し、保管構造内のケースユニットの位置を識別するように、ケースマッパーに命令を発することを含んでいる。
【0082】
開示される実施形態の1つまたは2つ以上の態様によれば、ケース保管室のケース用の自動保管および取り出しシステムが提供される。この自動保管および取り出しシステムは、保管ラックを備える保管構造であって、保管ラックは、各ケースユニットの位置が保管ラック上の各保管場所に対して非確定的であるケースユニットを支持するように構成される設置面を有する保管構造と、制御装置であって、各ケースユニットは、ケースユニットが保管ラック上に設置される所定の保管位置を有し、制御装置は、所定の保管位置を判定するように構成される制御装置と、保管構造内のケースユニットへのアクセスを提供するように構成される取り出し通路と、地震的障害復元システムであって、保管ラック上に置かれる地震的障害動作センサ、地震的障害動作センサと通信し、地震的障害を識別するように構成される地震的障害制御モジュール、および取り出し通路を行き来するように構成され、保管構造内の少なくとも1つのケースユニットの設置位置を識別するために地震的障害制御モジュールと通信し、地震的障害制御モジュールによって初期化される自動のケースマッパーを含む地震的障害復元システムとを含んでいる。
【0083】
開示される実施形態の1つまたは2つ以上の態様によれば、地震的障害制御モジュールはさらに、ケースマッパーから受け取った、少なくとも1つのケースユニットの識別された設置位置を、少なくとも1つのケースユニットの所定位置と比較し、少なくとも1つのケースユニットの識別された設置位置と所定位置との間の差異を識別し、変化の種類に基づくケースユニットの位置補正に関する情報とともに命令を生じるように構成されている。
【0084】
開示される実施形態の1つまたは2つ以上の態様によれば、ケースユニットは、保管ラックに密集した間隔で配置されている。
【0085】
本明細書に記載される実施形態は、個別に、または任意の適切な組み合わせで用いられ得ることを理解されたい。また、上記記載は、開示される実施形態の態様の単なる例示であることも理解されたい。様々な変更および修正は当業者によって、開示される実施形態の態様を逸脱することなく考案され得る。したがって、開示される実施形態の態様は、添付の請求項の範囲内の全ての変更、修正および変化を包含することを意図されている。相互に異なる独立請求項または従属請求項において、異なる特徴が列挙されているというだけの事実は、これらの特徴が有利に組み合わせて用いられ得ないということを示すのではなく、組み合わせも本発明の態様の範囲内にとどまる。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B
図13C
図13D
図13E
図13F
図13G
図14
図15
図16
図17