(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
内部流通路と出口オリフィスとを有する押出ダイであって、前記内部流通路は、長手方向を有する前記出口オリフィスにつながっており、横軸は前記出口オリフィスの前記長手方向と平行であって、外部ディッケル組立体は、ディッケルベースと、シール面を有するシール部材と、前記シール面に対して傾斜したウェッジ表面を有するウェッジと、前記ウェッジ表面に当接し、前記ディッケルベース上に転動可能に載置される第1の支点カム部材とを備え、前記シール部材は、開放位置とシール位置との間で可動であり、前記シール部材は、前記シール位置にある場合、前記出口オリフィスに押し当たって保持され、前記開放位置にある場合、前記出口オリフィスから離間しているか、または前記シール位置にある場合よりも小さな力によって前記出口オリフィスに当接して保持され、前記ウェッジは、第1の方向または第2の方向における前記横軸に沿って可動であり、前記シール部材は、前記第1の方向における前記横軸に沿った前記ウェッジの移動に応じて前記シール位置まで移動し、前記シール部材は、前記第2の方向における前記横軸に沿った前記ウェッジの移動に応じて前記開放位置まで移動し、前記第1の方向または前記第2の方向への前記ウェッジの移動により前記第1の支点カム部材の前記ウェッジ表面上の位置が変化する押出ダイ。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、内部
ディッケル組立体および/または外部
ディッケル組立体を有する押出ダイに関する多数の有利な技術および特徴を提供する。以下の開示は、外部ディッケル組立体自体を説明することによって開始され、次いで、押出ダイと組み合わせた外部
ディッケル組立体を説明する。
図1から
図4Bは、
ディッケルベース(すなわち、「
ディッケルヨーク」)50と、シール部材90と、ウェッジ95と、カム部材555とを備える外部
ディッケル組立体を有する押出ダイ100の1つの実施形態を示す。シール部材90は、張出し位置と後退位置との間で可動である。
図1、
図2、
図4、
図4A、および
図4Bに示されているように、シール部材90は、その張出し位置にある場合、ダイ100の出口オリフィス850に押し当たって着座するように構成される。したがって、シール部材90は、その張出し位置にある場合、ダイ100のオリフィス850の所望の横方向範囲をシールするように構成される。
図4、
図4A、および
図4Bを参照することによっておそらくは最もよく理解されるように、シール部材90は、第1の方向におけるウェッジ95の移動に応じて張出し位置まで移動し、また、第2の方向におけるウェッジの移動に応じて後退位置まで移動する。ウェッジ95は、カム部材555上に乗るウェッジ表面99を有し、カム部材555は、任意選択的には、第1の方向および第2の方向におけるウェッジの移動中の支点カム部材とすることができる。第1の方向および第2の方向におけるこの移動は、
図1、
図4B、
図10、および
図16に示されているように、横軸5に沿うか、または横軸5に対して平行とすることができる。
【0011】
図1から
図4および
図8は、そのようなウェッジ作動式の外部
ディッケルの1つの実施形態を示す。
図2では、外部
ディッケル組立体は、押出ダイ上に動作可能に取り付けられる前に分離して示されている。
図10から
図15は、ウェッジ作動式の外部
ディッケルの別の実施形態を示す。
図10では、外部
ディッケル組立体は分離して示されている。
図16から
図19は、ウェッジ作動式の外部
ディッケルの更に別の実施形態を示す。
図16では、外部
ディッケル組立体は分離して示されている。これらの実施形態は、外部ディッケルがダイ100の一方の側面にのみ取り付けられるかまたは取り付けられるように構成される、片側片持ち梁型の外部
ディッケルを伴う。しかしながら、これらの実施形態では、ウェッジ作動式の外部ディッケルは代替的には、外部
ディッケルがダイの両側面に取り付けられる既知のボート型構成を有することができる。ウェッジシステムは、多種多様な外部
ディッケル内へ有益には組み込むことができることが理解されるであろう。
【0012】
図2、
図3、
図4、
図10から
図13、並びに
図17および
図18に示されているように、
ディッケルベース50は、アーム部54およびベース部52を備える。ベース部52は、ハウジングすなわちブロックを備える。
ディッケルベース50のベース部52は、ウェッジ95およびシール部材90を担持する。
図3、
図11から
図13、および
図18に示されているように、
ディッケルベース50のベース部52はチャネル565を有する(任意選択的には、ベース部52のブロックすなわちハウジングがチャネル565を画定する)。ウェッジ95およびシール部材90は、外部
ディッケルが動作可能に組み付けられるときにチャネル565内に取外し可能に取り付けられる。これは、シール
部材90、ウェッジ95、およびカム部材555の容易な分解、取外し、および交換を促進するという点で有利である。
【0013】
図3、
図11から
図13、および
図18に示されているように、チャネル565は、横方向に細長い。ウェッジ95はチャネル565内に収められる。ウェッジ自体は、シール部材90が任意選択的には内部に取外し可能に取り付けられることによって収められる横方向に細長いチャネルを画定する。しかしながら、これらの詳細は単なる例示であり、本発明を限定しない。
【0014】
図4A、
図4B、
図10から
図12、
図14、
図16、および
図17では、シール部材90およびウェッジ95は、分離した別個の部材である。しかしながら、これは厳密には必須ではない。例えば、シール部材90およびウェッジ95は、代替的には、単一の一体的な部材によって画定することができる。いくつかの場合では、ウェッジは、シール部材の一部である。これは、図示されているかまたは本明細書に記載されている任意の実施形態に当てはまることができる。
【0015】
ディッケルベース50のアーム部54は、ハウジングすなわちブロックを備える。
図1から
図3、
図8、
図10から
図13、および
図15から
図17では、アーム部54は、1つまたは複数の調整シャフト500に取り付けられている。1つまたは複数の調整シャフト500は、外部
ディッケル組立体がダイに動作可能に取り付けられると、
ディッケルベース50が
ディッケル組立体の静止した端部プレート70に対しておよび/またはダイ100の出口オリフィス850に対して横方向に移動することを可能にする。しかしながら、これは必須ではない。本ウェッジ特徴部は、多くの異なる設計の外部
ディッケルに対して有益に用いることができる。例えば、ウェッジシステムは、米国特許第5,830,391号に示されているような従来のT形材上に乗る外部
ディッケル内に組み込むことができる。さらに、外部
ディッケルは、ボート型であることができ、したがって、
ディッケルベースは、ダイの概ね対向している2つの側面にそれぞれ取り付けられる2つのアーム部を有することができる。
【0016】
図4、
図10、および
図18に示されているように、
ディッケルベース50のアーム部54およびベース部52は、互いに対して一体になる(任意選択的には、単一の部材によって画定される)こともでき、または互いに対して強固に接続している、分離した部材とすることもできる。
図4、
図10、および
図18では、アーム部54は、鈍角α(
図4を参照のこと)をなしてベース部52から延びる。ベース部52は、横方向に細長いハウジング部分すなわちブロック部分を含み、アーム部54も、横方向に細長いハウジング部分すなわちブロック部分を含む。しかしながら、上述したように、
ディッケルベース50に関して様々な構成を用いることができる。
【0017】
図4Bを参照すると、ウェッジ表面99とカム部材555との間には、本質的には線接触のみが存在することができる。これは、種々の方法で達成することができる。例えば、ウェッジ表面99は、細長いカム部材555のアール面588の上に乗る(アール面588とカム運動する(cam with)および/またはアール面588上を転がる)ことができる。いくつかの場合では、カム部材555は、ピンまたはロッド等の細長い部材を含む。カム部材555は、例えば、ピン、ローラー、または円筒形の構成を有する別の部材とすることができる。
【0018】
図2から
図4Bに示されている外部
ディッケル組立体は、第2の支点カム部材555(
図4Aおよび
図4Bを参照のこと)を含み、ウェッジ95は、2つの離間したウェッジ表面99を有する細長いウェッジバーを含む。2つの離間したウェッジ表面99は、第1の方向および第2の方向におけるウェッジの移動中に第1の支点カム部材555および第2の支点カム部材555上にそれぞれ乗る。ウェッジバーは、横方向に、すなわち、ダイ100のオリフィス850の長さに対して平行に細長い。
図4Aおよび
図4Bでは、細長いウェッジバーは、第1の方向および第2の方向におけるウェッジの移動中にそれぞれの支点カム部材555上に乗る一連のウェッジ表面99を有する。同じことが、
図10から
図12および
図14に示されているウェッジ95に、また
図16および
図17に示されているウェッジ95に当てはまる。
図4Aおよび
図4Bでは、各ウェッジ表面99は、シール部材90の頂部シール面91に対して傾斜している傾斜ランプ(angled ramp)を画定する。各ランプは、シール部材90の頂部シール面91に対して好ましくは30度未満の鋭角をなしている。傾斜ランプは、ウェッジ95が横方向に移動することによって、シール部材90が後退位置と張出し位置との間で移動するとき、割込み(wedging)作用をもたらすようにそれぞれのカム部材555上に乗る(それぞれのカム部材555とカム運動するおよび/またはそれぞれのカム部材555上を転がる)。
【0019】
したがって、ウェッジ95と
ディッケルベース50のベース部52との横方向の相対移動によって、シール部材90は、ダイ100のオリフィス850に向かって移動(当接する)か、またはダイ100のオリフィス850から離れるように移動する(離間する)。この横方向移動は、ダイ100のオリフィス850の長さに対して概ね平行に方向付けられる。
【0020】
図3、
図4A、
図4B、
図11、
図13、
図15、および
図18に示されているように、カム部材555は、
ディッケルベース50上の複数の離間した箇所に取り付けられている分離した部材である。カム部材555は、任意選択的には、ピンとすることができる。
図3、
図4A、および
図4Bに示されているように、各ピンは、
ディッケルベース50のベース部52によって画定される半円筒形の凹部内に位置決めすることができる。これらの場合、各ピンは、任意選択的には、(そのピンの長軸の回りで)自由に回転することができる。したがって、ウェッジ95がピンに対して横方向に移動するとき、結果として得られる割込み作用は、各ピンが、ピンに当接するウェッジ表面99の下で回転する、および/またはそのウェッジ表面99とカム運動することを伴うことができる。しかしながら、ピンまたは他のカム部材が自由に回転することは必須ではない。さらに、本明細書において用いられているようなカム部材という用語は、ピン、球体、または他の同様の部材がウェッジの横方向移動に対応するように単純に回転する状況を含む。ウェッジ表面およびカム部材のカム運動は、存在しても存在しなくてもよい。
【0021】
図10から
図15、および
図16から
図19の実施形態では、カム部材555は、
ディッケルベース50上の複数の離間した箇所に取り付けられる球体である。
図11、
図13、
図15、および
図18において最もよく見てとれるように、各球体は、
ディッケルベース50のベース部52によって画定される半球形の凹部内に位置決めすることができる。これらの場合、各球体は、任意選択的には、自由に回転することができる。したがって、ウェッジ95が球体に対して横方向に移動するとき、結果として得られる割込み作用は、各球体が、そのような球体に当接するウェッジ表面99の下で回転する、および/またはそのウェッジ表面99とカム運動することを伴うことができる。しかしながら、球体が自由に回転することは必須ではない。例えば、球体は、
ディッケルベース50のベース部52に固定するか、またはベース部52に一体にすることができる。他の場合、球体は、摩擦推力によって、球体が
ディッケルベース50上に取り付けられる方法によって、またはその双方によって回転を防止することができる。さらに、球体、ピン、および/または他のタイプのカム部材の組合せを用いることができる。
【0022】
各カム部材555は、アール付ベアリング面を有することが好ましい。対応するウェッジ表面99は、ウェッジ95の横方向移動中にアール付ベアリング面上に乗る。したがって、カム部材555は、有利にはアールが付いていることができる。2つの例示的なカム部材構成には、上述した球体およびピンが挙げられる。多くの他のカム部材の構成を用いることができる。
【0023】
図4A、
図4B、および
図15において最もよく見てとれるように、各カム部材555は、支点カム部材であるのが好ましい。これらの場合、各カム部材555は、対応するウェッジ表面99の限られた横方向範囲に当接する。限られた横方向範囲は、30%未満であるのが好ましい。いくつかの場合では、傾いたウェッジ表面がカム部材に沿って乗っているとき、各支点カム部材555と対応するウェッジ表面99との間には実質的には線接触のみが存在することができる。
【0024】
カム部材555は、アールが付いている必要はない。例えば、正方形または三角形のピンを用いることができる。さらに、各支点カム部材555のカム運動面は、任意選択的には、鋭利な角または縁によって画定することができる。
【0025】
図3、
図11、
図13、および
図18では、カム部材555は、取外し可能で交換可能な部品であることを理解することができる。図示のピンおよび球体は、交換可能な摩耗部品である。いくつかの場合では、ピンおよび球体は、十分に摩耗するかまたは損傷すると容易に取り外して交換することができるブロンズピンまたは玉軸受とすることができる。代替的には、そのようなピンまたは玉軸受は、鋼から形成することができ、はるかによりゆっくりと摩耗することができる。
【0026】
図3、
図11、
図13、および
図18を引き続き参照すると、図示の
ディッケルベース50のベース部52は、チャネル565を有する。チャネル565内には、カム部材555、ウェッジ95、およびシール部材90が動作可能にかつ取外し可能に取り付けられる。カム部材555のうちの1つまたは複数を取り外して交換することが必要または所望である場合、操作者は、(ウェッジ部分組立体を
ディッケルベースに接続する締結具を取り外してから)ウェッジ部分組立体536(
図11および
図12を参照されたい)をチャネル565から取り外して、カム部材へのアクセスを提供することができる。ウェッジ組立体をチャネル565から取り外すことによって、全てのカム部材555へのアクセスが提供されるのが好ましい。次いで、摩耗したカム部材(複数の場合もある)を交換することができ、その後、ウェッジ部分組立体536を、チャネル565内のその動作位置に組み付け直すことができる。
【0027】
図1から
図4B、
図8、および
図10から
図19に示されている実施形態は、より広範な実施形態群を表しており、これらの実施形態では、外部
ディッケルは、(任意選択的には、単一の一体的な部材の部分とすることができる)ウェッジおよびシール部材を含むウェッジ部分組立体を備える。この場合、ウェッジおよびシール部材は、ベース部のチャネル内に動作可能に組み付けられると、外部
ディッケルのベース部に対してともに横方向に可動である。また、この場合、ウェッジ部分組立体は、複数のカム部材へのアクセスを操作者に提供するように一体となってチャネルから取り外されるように構成される。上述したように、カム部材はチャネルに対して露出しており、それによって、容易に取外し可能とすることができる。
【0028】
図1から
図4A、
図4B、
図10から
図12、および
図16では、外部
ディッケル組立体は、ウェッジ95と動作可能に結合されるアクチュエーター590を有しており、そのため、このアクチュエーターを用いて(作動させて)、ウェッジを第1の方向および第2の方向に移動させることができる。アクチュエーター590は調整部材535を備える。調整部材535は、一方向に回転するとウェッジ95を第1の方向に移動させ、また別の方向に回転するとウェッジを第2の方向に移動させる。
【0029】
図2、
図3、
図4A、
図4B、および
図10から
図12において最もよく見てとれるように、アクチュエーター590は、任意選択的には、ウェッジ95に取り付けられる調整ボルト等の細長い締結具515と螺嵌されて回転可能な調整部材535を備えることができる。図示の調整部材535は雌ねじ付きであり、細長い締結具515は雄ねじ付きである。
図4Aを参照すると、雄ねじ付き締結具AMは、ピン586によってウェッジ95に固定される。ピン586は、締結具515がウェッジに対して回転するのを防止する。調整部材535は、リテーナーブロック等のリテーナー545によって
ディッケルベース50の端部上に回転可能に取り付けられる。調整部材535を回転させることによって、細長い締結具AMは、横軸5に沿って軸方向に強制的に移動する。これは、回転する雌ねじ付き調整部材535と、回転しない調整ねじAMとの間で、螺嵌による係合することによって生じる。結果として生じる、細長い締結具515の軸方向移動は、強制的にウェッジ95を横軸5に沿って移動させ、それによって、ウェッジは、カム部材555とカム運動する(および/またはカム部材555上を転がる)。ウェッジ表面99の傾いた(すなわち「傾斜した」)構成によって、結果として生じるカム運動動作および/または転がり動作によって、シールバー90はその後退位置と張出し位置との間で移動する。
図10から
図15の実施形態には、
図10から
図12において最もよく見てとれるように、この同じタイプのアクチュエーターシステムが設けられている。
図16から
図19の実施形態にも、
図16において最もよく見てとれるように、このタイプのアクチュエーターシステムが設けられている。
【0030】
他の場合、(調整ボルト等の)雄ねじ付き調整部材がウェッジに取り付けられ、その結果、その調整部材はウェッジに対してその調整部の軸の回りで自由に回転し、その一方で、
ディッケルベースに回転不可能に取り付けられた雌ねじ付き部材は、雄ねじ付き調整部材に騾合される。これらの場合、雄ねじ付き調整部材を回転させることによって、上述した割込み作用を引き起こし、ウェッジを横軸に沿って強制的に移動させ、したがって、ウェッジがカム部材とカム運動する、および/またはカム部材上を転がる。この結果、ウェッジ表面の傾いた構成に起因して、シールバーがその後退位置と張出し位置との間で移動する。
【0031】
図4A、
図4B、
図12、
図14、および
図15において示されているように、ウェッジ95は、第1の方向および第2の方向におけるウェッジの移動中にそれぞれのカム部材555上に乗る一連のウェッジ表面99を有する細長いウェッジバーを含む。シール部材90は、好ましくはウェッジバー95に取外し可能に取り付けられる細長いシールバーである。シール部材90は、真鍮、カーボンテフロン、または、ダイリップにかき傷をつけないかまたは別様に損傷を与えない別の材料から形成することができる。
【0032】
図4A、
図4B、
図10、および
図15から
図17に示されているように、ウェッジバー95は、
ディッケルベース50の底壁589とシール部材90の間に位置している。アクチュエーターの調整部材535を回転させることによって、ウェッジバーおよびシールバーは、
ディッケルベース50の底壁589に対して第1の方向または第2の方向に一体となってともに移動する。
ディッケルベース50は、細長いウェッジバー95およびカム部材555が内部に取外し可能に取り付けられるチャネル565を画定する。図示の実施形態は、ウェッジバーおよびシール部材を別個の部材として示しているが、これは必須ではない。例えば、ウェッジバー自体が、頂部シール面91を画定することができる。
【0033】
図1および
図8は、押出ダイ100に動作可能に取り付けられている外部
ディッケル組立体を示す。ダイ100は、当業者には既知であるように、様々な従来の形態で提供することができる。外部
ディッケル組立体は、様々な異なるダイとともに用いることができる。ダイ自体の詳細は本発明を限定しない。
【0034】
図9Aおよび
図9Bに示されているように、押出ダイ100は、出口オリフィス850につながっている内部流通路801を有する。
図1および
図8を参照すると、ダイ100は、ダイ100のオリフィス850の調整可能な範囲を覆う(すなわち、「塞ぐ」)ようにそのオリフィスに対して可動であるように取り付けられる
ディッケルベース50を備える外部
ディッケル組立体を有する。
ディッケルベース50は、開放位置とシール位置との間で可動であるシール部材90を担持する。シール部材90は、シール位置にある場合、ダイ100のオリフィス850に押し当たって保持され、開放位置にある場合、オリフィスから離間しているか、またはシール位置にある場合よりも少ない力によってオリフィスに当接して保持される。シール部材90は、第1の方向におけるウェッジ95の移動に応じてシール部材のシール位置まで移動し、また、第2の方向におけるウェッジの移動に応じてシール部材の開放位置まで移動する。ウェッジ95は、第1の方向および第2の方向におけるウェッジの移動中に第1のカム部材555上に乗るウェッジ表面99を有する。図示のウェッジ95は、ウェッジの横方向移動中に横方向に離間した複数のカム部材555上にそれぞれ乗る、横方向に離間した複数のウェッジ表面99を有する。
【0035】
ディッケルベース50は、ダイ100のオリフィス850の所望の範囲を塞ぐように、そのオリフィスに対して横軸5に沿って移動することができる。上述したように、外部
ディッケルは、好ましくは、ウェッジ95に動作可能に結合されるアクチュエーター590を有しており、そのため、アクチュエーターを用いて(作動させて)ウェッジを横軸5に沿って移動させることができる。アクチュエーター590は、調整部材535を備えることができる。調整部材535は、一方向に回転されるとウェッジ95を第1の方向に移動させ、また別の方向に回転されるとウェッジを第2の方向に移動させる。調整部材535を適切な方向に回転させることによって、ウェッジ95は、結果として得られるウェッジの割込み作用によってシール部材90がダイ100のオリフィス850に押し当たるように移動し、それによってオリフィスの所望の横方向範囲をシールするように、カム部材555とカム運動するおよび/またはカム部材555に沿って転がるように横方向に移動させられる。反対に、シール部材90をその開放位置まで移動させることが望ましい場合、調整部材535を逆方向に回転し、それによって、ウェッジ95を横方向に逆方向に戻すよう移動させる。これは、ウェッジ表面99の構成に起因して、シール部材がオリフィスから離れるのを可能にする。
【0036】
図4Aおよび
図4Bでは、ウェッジ95は、ウェッジの横方向長さに沿って連続的に位置する一連のランプを画定するように構成される複数の傾斜したウェッジ表面(すなわち「傾いた平面」)99を含む底壁を有する。段によって、1つのランプが次のランプにつながる。したがって、図示の一連のランプは、概ね鋸刃状の構成を有する。しかしながら、これは必須ではない。
【0037】
別のウェッジ95の設計が、
図10から
図15、および
図16から
図19に示されている。ウェッジ95は、横方向に離間した複数の溝405を有する。各溝405は、一方の端部において比較的浅く、他方の端部において比較的深い。各溝405の底部を画定する傾いた表面は、ウェッジ表面99の少なくとも一部を形成する。これは、
図12、
図14、および
図15において最もよく見てとれる。カム部材555は、動作可能に組み付けられるときに溝405内に収められる、玉軸受等の球体を含む。各溝405は、ウェッジ95と
ディッケルベース50のベース部52との横方向相対移動中にその溝内に収められる球体上に乗る、横方向に細長い傾いたトラックを画定することができる。
【0038】
別の実施形態群において、本発明は、外部
ディッケルを搬送するのに有利な位置合わせシャフトシステムを有する外部
ディッケル組立体を提供する。これらの実施形態のいくつかは、2つの位置合わせシャフト500(好ましくは、横軸5に対して概ね平行である)と、横軸に沿って可動である
ディッケルベース50とを備える、片側片持ち梁型の外部
ディッケルシステムを提供する。
【0039】
図1および
図8は、押出ダイ100上に動作可能に取り付けられている外部
ディッケルシステムを含む
ディッケルシステム10の1つの実施形態を示す。ここで、
ディッケルベース(すなわち、「
ディッケルヨーク」)50の一部分を貫通して、またベアリングブロック550を貫通して(例えば、ブロックのハウジングを貫通して)延びる2つの細長い位置合わせシャフト500を備える
ディッケルシステム10が示されている。図示のベアリングブロック550は、ダイ100に取り付けられており、ブシュ520を有する通路を含む(例えば、その通路を画定する)。ブシュ520は、そのブシュを貫通して延びる位置合わせシャフト500の摺動移動を促進する。この特定の実施形態では、
ディッケルベース50は、任意選択的には止めねじ575によって、位置合わせシャフト500に(例えば、強固に)取り付けられる。したがって、
ディッケルベース50および位置合わせシャフト500は、ベアリングブロック550を通って摺動する位置合わせシャフト500によって、ベアリングブロック550に対して横軸に沿って(例えば、
図1の矢印5によって示されるいずれかの横方向において)一体となって(すなわち、一体化して)ともに移動するように構成される。これは、上述され
図1および
図8に示されている方法と同じ方法で押出ダイに動作可能に取り付けられる場合、
図10の外部
ディッケル組立体にも当てはまる。
【0040】
図1、
図8、および
図10の実施形態では、
ディッケルベース50は、位置合わせシャフト500の、ベアリングブロック550から遠位にあるシャフト500の端部の近位に取り付けられて示されている。しかしながら、
ディッケルベース50は、位置合わせシャフト500上のいかなる特定の箇所にも位置決めされる必要はない。さらに、
ディッケルシステム10は2つの位置合わせシャフト500とともに示されているが、これは厳密には必須ではない。代替的な実施形態では、
ディッケルシステムは1つの位置合わせシャフトしか有しない。しかしながら、好ましい実施形態では、
ディッケルシステムは、2つの位置合わせシャフトを備える。したがって、3つ以上の位置合わせシャフトを用いることができる。
【0041】
いくつかの実施形態では、位置合わせシャフト500は、概ね円筒形であり、任意選択的には、円形の断面を有する。これは、例えば、
図1、
図8、
図10、および
図16において示されている。他の実施形態では、位置合わせシャフトは、楕円形、多角形、または別の幾何学形状である断面を有する。
【0042】
図1から
図3、および
図8の実施形態では、ベアリングブロック550は、
ディッケルベース50から遠位に位置決めすることができ、任意選択的な係止ブロック560は、
ディッケルベース50の近位にある位置合わせシャフト500に(締結具540によって)取り付けることができる。図示されている実施形態では、係止ブロック560は、
ディッケルベース50および位置合わせシャフト500と一体となってともに移動するように構成される。係止ブロック560は、位置合わせシャフト500の遠位端部に近接して取り付けられて示されているが、これは必ずしも当てはまる必要はない。実際に、いくつかの場合では、係止ブロックは省略することができる。
【0043】
図1、
図8、
図10、および
図16の実施形態では、
ディッケルシステム(すなわち、
ディッケル組立体)10は、可動式
ディッケルキャリア(または「調整アーム」)120を備える。
ディッケルベース50は、(1以上の内部ディッケルの横方向移動を引き起こすことができる)
ディッケルキャリアの横方向移動が、横軸5に沿った、例えば、ダイ100に対する
ディッケルベース50の位置を調整するように、
ディッケルキャリア120に(直接的にまたは間接的に)取り付けられる。
図8は、
図1に示されている位置に比べて、ダイ100に対して内方に移動された後の、1つの実施形態の外部
ディッケルを示す。
【0044】
ディッケルキャリア120は、設けられる場合、ダイ100に対して(例えば、選択的に離接して)、および/または
ディッケル組立体10の端部プレート80に対して横方向に移動するように構成されるのが好ましい。図示される実施形態では、
ディッケルキャリア120は、横方向に延びる複数の細長い支持ビーム(すなわち、支持シャフト)140に沿って横方向に移動するように取り付けられている。ここで、ビーム140は、ダイ100に取り付けられるように構成される第1の端部プレート80と、
ディッケルシステムが動作可能に組み付けられるときにダイ100から遠位にある第2の遠位端部プレート70との間に延びる。好ましくは、これらの端部プレート70、80は、
ディッケルキャリア120の移動中は静止したままである固定部材である。図示の支持ビーム140は、互いに対して平行でありかつ端部プレート70および80に対して垂直であるが、これは必ずしも当てはまらない場合がある。図示のビーム140は円筒形であるが、これも必須ではない。他の実施形態では、支持ビームは、楕円形、多角形、または別の幾何学形状である断面を有する。
【0045】
図1および
図8は、2つの異なる位置にある
ディッケルキャリア(すなわち、「調整アーム」)120を示す。
図8では、
ディッケルキャリア120は、
図1に示されている位置に比べて、ダイに対して更に内方に移動している。
【0046】
ディッケルキャリア120は、設けられる場合、任意の従来の油圧式駆動システムまたは機械的駆動システム400によって横方向に移動することができる。いくつかの実施形態では、駆動システム400は、従来のギヤボックス、従来のモーター、またはその双方を備える。
【0047】
したがって、
ディッケルキャリア120の横方向移動は、ダイ100に対するおよび/またはディッケル組立体の静止した端部プレートに対する
ディッケルベース50の位置を調整する(例えば、
ディッケルベース50の移動を引き起こす)のが好ましい。したがって、外部
ディッケルは、ダイのオリフィスの所望の範囲をシールするように位置決めすることができる。外部
ディッケルは、例えば、ダイのオリフィス850に押し当たって着座するように構成されるシールバー90を担持することができる。したがって、本外部
ディッケル組立体は、ダイのオリフィス850の調整可能な範囲を塞ぐようにすることができる。本教示から明らかとなるように、ダイ100に向かう
ディッケルキャリア120の横方向移動は、同じ方向における(例えば、ブロック592またはブロック550に向かう)ディッケルベース50の横方向移動を引き起こすのが好ましい。そのような移動は、ダイのオリフィスのシール範囲を増大させ(すなわち、
ディッケルベース50によってシールされるオリフィスの範囲を増大させ)、ダイのオリフィスの開放範囲を減少させる(オリフィスの「開放範囲」は、外部
ディッケルによってシールされない)。図示の実施形態では、ダイ100から離れる
ディッケルキャリア120の横方向移動は、ブロック592またはブロック550から離れる
ディッケルベース50の横方向移動を引き起こす。そのような移動は、ダイのオリフィスのシール範囲を減少させ、ダイのオリフィスの開放範囲を増大させる。
【0048】
したがって、いくつかの実施形態では、(例えば、押出物が通過して自由に出ることができる)オリフィス850の覆われていない横方向範囲は、
ディッケルベース50をオリフィス対して移動させることによって調整可能である。
図1、
図8、
図10、および
図16が参照される。
【0049】
(
図2から
図4を参照する場合に)より詳細に上述されたように、
ディッケルベース50は、任意選択的には、開放位置とシール位置との間で移動するように構成されるシール部材90を備えることができる。シール部材90は、シール位置にある場合、ダイ100のオリフィス850に押し当たって保持され、開放位置にある場合、出口オリフィスから離間しているかまたはシール位置にある場合よりも小さな力によって出口オリフィスに当接して保持される。この性質のいくつかの実施形態は、作動されると、シール部材90をシール位置と開放位置との間で移動させる調整部材535を提供する。
【0050】
図16から
図19に示されている実施形態のような実施形態では、外部
ディッケル組立体は、1つまたは複数の(任意選択的には、2つ以上の)位置合わせシャフト500を備える。
ディッケルベース50は、位置合わせシャフト500に沿って(例えば、摺動可能に)移動するように構成される。ここで、組立体は、ダイ上の固定位置に取り付けられるように構成される第1の取付けブロック592を備える。
図16および
図17に示されている位置合わせシャフト500は、第1の取付けブロック592に対して摺動可能ではなく、むしろこのブロックにしっかりと固定されている。同様に、ここでは位置合わせシャフト500は、係止ブロック560にしっかりと固定されている。この特定の例では、係止ブロック560は、外端部プレート70の組立体の静止した構成要素の固定位置に取り付けられている。したがって、
図16の実施形態では、位置合わせシャフト500は、ダイに対して静止して取り付けられている。したがって、そのような実施形態における2つ以上の位置合わせシャフト500は、
ディッケルベース50が位置合わせシャフトに沿って横方向に摺動するときに位置合わせシャフトがダイに対して静止したままであるように、押出ダイ100上にしっかりと取り付けることができる。
【0051】
理解することができるように、本発明のいくつかの実施形態は、(互いに対して、横軸5に対して、またはその双方に対して概ね平行であるのが好ましい)2つの位置合わせシャフト500と、横軸に沿って可動である
ディッケルベース50とを備える片側片持ち梁型の外部
ディッケルシステムを提供する。
図1、
図2、
図10、および
図16が参照される。2つの位置合わせシャフト500のぞれぞれは、概ね円筒形の構成を有して示されている。しかしながら、これは厳密には必須ではない。
ディッケルベース50は、有益には、2つの位置合わせシャフト500上に取り付けることができる。好ましい例では、
ディッケルベース50は、アーム部54およびベース部52を備え、アーム部は2つの位置合わせシャフト500上に取り付けられ、ベース部は、開放位置とシール位置との間で移動するように構成されるシール部材90を担持する。シール部材は、シール位置にある場合、ダイ100の出口オリフィス850に押し当たって保持され、開放位置にある場合、出口オリフィスから離間しているかまたはシール位置にある場合よりも小さな力によって出口オリフィスに当接して保持される。これらの任意選択的な特徴は既に述べられている。
【0052】
図16から
図19に示されている設計は、より広範な実施形態群を表しており、この実施形態群では、複数の位置合わせシャフト500が、任意選択的には、シャフトの長さの少なくとも50%、少なくとも75%にわたって、または実質的に全体にわたって機械的に連結されている(例えば、間をつなげられている(bridged))。位置合わせシャフト500を、任意選択的には広範な(major)長さにわたって連続的に連結することの1つの利益は、より大きな剛性および撓み抵抗(deflection resistance)を提供することができることである。したがって、いくつかの実施形態は、それぞれがブリッジ部材591に強固に取り付けられる概ね平行な複数の位置合わせシャフト500を提供する。ブリッジ部材591は、任意選択的には、そのブリッジ部材が位置合わせシャフト500に当接して(任意選択的には、直接当接して)担持されるように、それらのシャフトに強固に取り付けることができる。ブリッジ部材591は、有益には、(例えば、上記の範囲のうちの任意の1つまたは複数によって指定されるような)シャフトのかなりの長さにわたって、位置合わせシャフト500に当接して担持されることができる。
【0053】
ブリッジ部材591は、設けられる場合、例えば、横方向に細長い複数の凹部(任意選択的には、半円形の凹部)596、597を画定することができる。それぞれの位置合わせシャフト500は、凹部596、597内に収められる(例えば、ブリッジ部材に強固に接合されるようにしっかりと収められる)。
図17および
図19が参照される。ここで、複数の締結具(例えば、ボルト)が、各位置合わせシャフト500をブリッジ部材591に強固に固定する。
図19に示されているように、ブリッジ部材591は、単一の一体の部材によって形成される横方向に細長いバーを含む(例えば、そのバーである)ことができる。しかしながら、これは必須ではない。例えば、一連の別個のブリッジ部材が、代替的には、位置合わせシャフトに取り付けることができる。
【0054】
図16から
図19の実施形態のような実施形態では、間をつなげられた位置合わせシャフト500は、上述したように、ダイに対する(例えば、ダイ上の)静止位置に取り付けられる。そのような実施形態の外部
ディッケルベース50は、間をつなげられた位置合わせシャフト500に沿って横方向に移動する(例えば、摺動する)ように構成される。これらの実施形態における
ディッケルベース50は、間をつなげられた位置合わせシャフト500に沿って摺動するように構成されると仮定すると、上述した性質を有することができる(例えば、上述した構成および任意の特徴を有することができる)。
図16から
図18では、
ディッケルベース50のアーム部54は、横方向に細長い2つの半円形の凹部593、594を有する(例えば、凹部593、594を画定する)。これらの凹部593、594は、そのような各凹部内に収められる位置合わせシャフト500の外周の広範な(すなわち、50%よりも大きい)範囲の周りに延びる壁によって画定される。このように、
ディッケルベース50は、位置合わせシャフト500上に保持されるが、それらのシャフトに沿って横方向に自由に摺動する。
【0055】
図16から
図19に示されている外部
ディッケル組立体のような外部
ディッケル組立体を用いる場合、
ディッケルベース50は、
ディッケル組立体の横方向に可動なディッケルキャリア120に(直接的にまたは間接的に)取り付けられるのが好ましい。
図1および
図8は、1つのそのような
ディッケルキャリア120を示す。
図16から
図19に示されている性質の外部
ディッケルシステムが(例えば、ダイ上に)動作可能に組み付けられると、
ディッケルベース50は、横方向に移動する
ディッケルキャリア120に応じて(例えば、
ディッケルキャリア120とともに)、(位置合わせシャフトに対して)横方向に移動するように構成されるのが好ましい。上述したように、
ディッケルキャリア120の横方向移動は、1つまたは複数の内部
ディッケル部材の横方向移動を駆動することもできる。
【0056】
別の実施形態では、本発明は、有利な
ディッケルロッド支持システムを有する内部
ディッケル組立体を有する押出ダイを提供する。以下の開示は、内部
ディッケル組立体自体を説明することによって開始され、次いで、押出ダイと組み合わせた内部
ディッケル組立体を説明する。
図5および
図6は、
ディッケルロッド支持システムを有する内部
ディッケル組立体を有する押出ダイを示す。内部
ディッケル組立体は、
ディッケル組立体10の一部である。内部
ディッケル組立体は、押出ダイ100に取り付けられるように構成される端部プレート組立体805を備える。内部
ディッケル組立体は、
ディッケルロッド40を保持し、可動式
ディッケルキャリア(すなわち、「調整アーム」)120を備える。
ディッケルキャリア120は、端部プレート組立体805に対して、および/または1つまたは複数の支持ビーム140に対して横方向に移動するように構成される。
ディッケルキャリアは支持ビーム140に沿って移動する。内部
ディッケル組立体は、本明細書では
ディッケルロッドの「支持される長さ」と称される所望の長さにわたって
ディッケルロッド40と係合される横方向に細長い支持部300を備える。支持部300は、
ディッケルロッド40の支持される長さを屈曲させないよう抑えるように構成される。好ましくは、支持部300は、(任意選択的には、隣接した内部
ディッケル部材30と組み合わせて)、支持される長さにわたって
ディッケルロッドの大幅な屈曲を一切防止する。
図5および
図6では、支持部300は、
ディッケルキャリア120が端部プレート組立体805に対して横方向に移動するときに、その支持部は横方向に移動せず、むしろ固定した横方向位置に保持されるように取り付けられる。
【0057】
支持部300は横方向に細長い。したがって、支持部300は、
ディッケルロッド40の大幅な長さにわたってそのロッドに対する支持を提供する。いくつかの場合では、支持部300の(横方向の)長さは、
ディッケルロッド40の長さの70%よりも大きい。上述したように、支持部300は、
ディッケルロッド40の支持される長さにわたってそのロッドの実質的な屈曲を一切防止するように、(任意選択的には、隣接した内部
ディッケル部材30と組み合わせて)構成されるのが好ましい。いくつかの場合では、支持される長さは、
ディッケルロッド40の長さの50%よりも大きい。支持される長さは、所与の時間におけるダイに対する
ディッケルロッドの横方向位置に基づいて変わる。
【0058】
図5および
図6では、支持部300は、支持シャフトを含む。図示の支持シャフトは、概ね円筒形の構成を有する。しかしながら、これは必須ではない。例えば、シャフトは、代替的には、正方形、三角形、または別の多角形である断面を有することができる。シャフトは、鋼等の金属を含むことができる。
【0059】
図7Aおよび
図7Bでは、支持部300は、
ディッケルロッド40が収められる細長い溝331を有する。図示の溝331は、支持部300の全長に沿って延びる。溝331のサイズは、i)
ディッケルロッド40が溝内で軸方向に自由に摺動することができるように、また、ii)溝内の
ディッケルロッドの長さが、
ディッケルロッドが支持シャフトに対して軸方向に摺動するときに、実質的に屈曲するのを(任意選択的には、支持部300および隣接する内部
ディッケル部材30の双方によって)防止されるように選択されるのが好ましい。
ディッケルロッド40は、或る特定の直径を有することができ、支持シャフトの溝331は、ロッドの直径の2倍以下の大きさである内径を有することができる。いくつかの場合では、溝331の内径は、
ディッケルロッド40の外径と実質的に等しい(
ディッケルロッド40の外径よりも20%以下しか大きくない)。
【0060】
図5においておそらくは最もよく理解されるように、溝331は、
ディッケルロッドの長さの70%よりも多くを収めるように構成することができる。したがって、支持部300は、
ディッケルロッド40をかなりの長さにわたって支持するように構成され、それによって特に効果的な屈曲抑制部として機能を果たすことができる。
【0061】
支持部30は様々な形態をとることができる。支持部は、単一の細長い部材であるのではなく、むしろ
ディッケルロッドを所望の長さにわたって集合的に支持するように協働する一連の部材を備えることができる。所望の場合、そのような一連の部材は、
ディッケルロッドを屈曲させないように依然として抑える配置にして離間することができる。しかしながら、より好ましくは、支持部30は、
ディッケルロッド40の支持される長さ全体にわたって(任意選択的には、その長さ全体を包囲することによって)連続的な支持を提供する。支持部は、伸縮式支持シャフト、例えば、
ディッケルキャリアとともに移動する1つの支持シャフトと、
ディッケルキャリアの移動中に固定した横方向位置にとどまる別の支持シャフトとを含むことができる。多くの他の支持部構成が可能である。
【0062】
図5および
図6では、
ディッケルキャリア120は、支持部300が摺動可能に収められる開口部363を有する。
ディッケルキャリア120が、端部プレート組立体805に対して内方に移動すると、図示の支持部300は、その固定した横方向位置に保持され、開口部363を通って摺動する。図示の開口部363は、
ディッケルキャリア120に取り付けられるリテーナーブロック340上のブシュ360(任意選択的には、ブロンズブシュ)によって画定される。
ディッケルキャリア120が内方に移動すると、ブシュ360は支持シャフトに沿って摺動する。これは、
図5および
図6を比較することによって理解することができる。
図6は、
図5に示されている
ディッケルキャリアの位置と比べて、
ディッケルキャリア120がダイ100に対して更に内方に移動した後の支持部300を示す。支持部300は、
図6の位置にあるとき、上記の開口部363を貫通して延び、支持部の遠位の長さは、開口部363を越えて横方向に外方に(ダイから離れるように)突出する。
【0063】
図5および
図6では、支持部300は一方の端部領域が、端部プレート組立体805に固定された取付け部377によって支持される。より一般的には、支持部300のダイ側の端部領域は、
ディッケル組立体10またはダイ100の任意の固定した構成要素(
ディッケルキャリアの移動中に横方向に移動しない構成要素)に取り付けることができる。
図5および
図6では、支持部300はまた、
ディッケルキャリア120によって支持される。支持シャフトは、
ディッケルキャリア120によって担持されるブシュ360内に摺動可能に配設される。
【0064】
ロッド支持システムは、様々な異なる
ディッケルシステム内へ組み込むことができる。
図5および
図6では、内部
ディッケル組立体は、第1の内部
ディッケル部材20を備える。第1の内部
ディッケル部材20は、第1の内部
ディッケル部材の横方向位置を、端部プレート組立体805に対しておよび/または
ディッケルキャリアが移動する際に沿う1つまたは複数の支持ビーム140に対して横方向に
ディッケルキャリアを移動させることによって調整することができるように、
ディッケルキャリア120によって担持される。第1の内部
ディッケル部材20は一部が、ダイマニホールド800(
図9Bを参照のこと)内に配設されるように構成されるクイルである。
図5および
図6では、内部
ディッケル組立体は第2の内部
ディッケル部材30も備える。第2の内部
ディッケル部材30は、第2の内部
ディッケル部材の横方向位置を、端部プレート組立体805に対しておよび/または
ディッケルキャリアが移動する際に沿う1つまたは複数の支持ビーム140に対して横方向に
ディッケルキャリアを移動させることによって調整することができるように、
ディッケルキャリア120によって担持される。第2の内部
ディッケル部材30は一部が、マニホールド800(
図9Bを参照のこと)から下流の内部流路810内に配設されるように構成される副フラッグである。しかしながら、内部
ディッケル部材の数、タイプ、および構成を様々な用途に対応するように変更することができることを理解するべきである。
【0065】
図5、
図6、および
図7Bでは、
ディッケルシステムは、
ディッケルロッド40と並んで担持される後縁(下流縁)32を有する内部
ディッケル部材30を備える。
ディッケルロッド40は、内部
ディッケル部材30と支持部300との間に(任意選択的には、内部
ディッケル部材30および支持部300の双方と摺動接触するように、内部
ディッケル部材30と支持部300との間に直接)位置決めされる。
図7Bに示されているように、
ディッケルロッド40は、任意選択的には、内部
ディッケル部材30および支持部300によって集合的に、実質的に完全に囲むことができる。
【0066】
図7Bでは、支持部300は、内部
ディッケル組立体が動作可能に組み付けられるときに内部
ディッケル部材30の後端部領域32が収められる溝(または他の凹部すなわち空間)331を有する。溝331は、
ディッケルロッド40が溝内に動作可能に位置決めされる場合であっても、内部
ディッケル部材30の後端部領域32が溝(または他の凹部すなわち空間)内へ突出するほど十分に深い。
【0067】
図7Bでは、
ディッケルロッド40は、支持部300および内部
ディッケル部材30によって集合的に、屈曲しないように支持される(任意選択的には、一切の屈曲を受けることが防止される)。
【0068】
本ロッド支持システムは、
図1から
図4B、
図10から
図15、または
図16から
図19を参照して上述した特徴のうちのいずれかを有する外部
ディッケル組立体とともに用いることができる。したがって、ロッド支持システムは、任意選択的には、i)上述したウェッジ作動式の外部
ディッケル、ii)上述した外部
ディッケル位置合わせシャフト搬送システム、またはi)およびii)の双方を有する外部
ディッケル組立体と組み合わせて提供することができる。
【0069】
いくつかの場合では、ロッド支持システムは、片側片持ち梁型の外部
ディッケル組立体とともに用いられる。例えば、この片持ち梁型の外部
ディッケルは、
図1から
図4B、
図8、
図10から
図15、または
図16から
図19において示されているタイプとすることができる。他の場合、この外部
ディッケルは、例えば、米国特許第5,830,391号に示されている性質の、またはより有利には、
図9Aおよび
図9Bを参照して以下に記載されている性質のT形材上に乗る。ロッド支持システムは、既知のボート型構成の外部
ディッケルを有する
ディッケル組立体において用いることができる。したがって、ロッド支持システムは、外部
ディッケルを有しない
ディッケル組立体を含め、多種多様な
ディッケル組立体に組み込むことができることが理解されるであろう。
【0070】
図5および
図6は、内部
ディッケル組立体が取り付けられる押出ダイ100を示す。上述したように、内部
ディッケル組立体は、ダイ100に対して横方向に移動するように構成される
ディッケルロッド40および
ディッケルキャリア120を備える。内部
ディッケル組立体は、
ディッケルロッド40の所望の長さ(「支持される長さ」)にわたって
ディッケルロッドと係合される横方向に細長い支持部300を備える。支持部300は、
ディッケルロッド40の支持される長さを屈曲させないよう抑える。支持部300は、
ディッケルキャリア120がダイ100に対して横方向に移動するときに、その支持部は横方向に移動せず、むしろ固定した横方向位置に保持されるように取り付けられるのが好ましい。
【0071】
ディッケルロッド40の支持される長さは、ダイ100の外側に配置される
ディッケルロッドの実質的に全範囲とすることができる。しかしながら、支持される長さは、
ディッケルキャリア120がどの程度内方に移動されるかに応じて変わる。上述したように、支持部300は、有利には、
ディッケルロッド40が収められる細長い溝331を有する支持シャフトを含むことができる。いくつかの場合では、ダイ100の外側の
ディッケルロッド40の実質的に全範囲が支持部300の溝331内に収められる。
【0072】
ここで、1つの非限定的な実施例が
図5、
図6、
図7Aおよび
図7Bを参照して説明される。
ディッケルロッドは、5/32インチの直径を有する。支持部300は、1/2インチの外径を有するとともに3/16インチの内径を有する円筒形の溝を画定する、鋼から形成された細長い概ね円筒形の支持シャフトである。シャフトはそのダイ側端部が、
図7Aおよび
図7Bにおいて示されている構成の取付け部377に取り付けられる。取付け部377は、取付け部のプレート375の部分から端部プレート組立体805まで延びる2つのアーム370を備える。これは、支持シャフトを端部プレート組立体に強固に固定する剛性の取付け組立体を形成する。支持シャフトの遠位端部領域は、1/2インチの内径を有するとともに取付けブロック340によって調整アーム120に取り付けられるブロンズブシュ360内に、摺動可能に収められる。支持ブロック330は、
ディッケルロッド40が支持ブロックに対して自由に回転するようにロッドの遠位端部に当接して担持される突出部333を有する。突出部333は、
ディッケルキャリア120がダイに対して内方に移動すると、突出部が
ディッケルロッドの遠位端部に押し当たり、それによってロッドをダイに対して内方に移動させるように、
ディッケルロッドの遠位端部に当接する。これらの詳細は、決して必須ではない。これらは例示でしかない。
【0073】
更に別の実施形態群において、本発明は、ダイに固定されるT形材上に乗る片側(例えば、片持ち梁型の)外部
ディッケル組立体を有する押出ダイを提供する。上述したように、米国特許第5,830,391号は、従来のT形材16上に乗る外部
ディッケル21を示している。上記の’391号特許の
図2を参照することによって理解することができるように、外部
ディッケル21をそのような従来のT形材16から取り外すには、T形材の最端部を越えるまで外部
ディッケルを摺動することが必要である。本実施形態は、外部
ディッケルをT形材からより容易に取り外すことを可能にするダイ側端部領域を有するT形材を提供する。
【0074】
図9Aおよび
図9Bを参照すると、T形材1100が、押出ダイ100に(例えば、ダイの片側に)固定されている。ここで、図示のT形材1100は、T形材からダイ内へ延びる(ボルトまたは他のねじ付き締結具等の)複数の締結具540によってダイ100に固定されている。T形材1100は、ダイ端部1151と遠位端部1105との間に延びる横方向に細長い長さを有する。T形材1100は、概ねT字型形状の断面形状を有する。T形材1100の横方向に細長いベース部1120が、ダイ100に当接して保持される(例えば、ダイ100に取り付けられる)。ダイ100から離間している2つのレール部(すなわち、フランジ部)1130が、ベース部1120とは反対方向に延びる。トラックスペース1177が各レール部1130とダイ100との間に画定される。
【0075】
図示のT形材1100は、T形材上への外部
ディッケルの取付けおよびT形材からの外部
ディッケルの取外しを容易にする遠位端部領域1157を有する。したがって、図示のT形材1100は、その遠位端部領域1157において取付け構造部(または、取付け構成部)1150を有する。図示の取付け構造部1150は、T形材の遠位端部1105に達するまで延びる(とともにT形材の遠位端部1105を画定する)T形材のベース部1120によって画定され、その一方で2つのレール部1130は、T形材の遠位端部1105に達するまで延びるのではなく、むしろT形材の遠位端部領域1157において開放した取付け構成部を画定するように、遠位端部1105から離間した箇所において終端する。したがって、図示のT形材1100の遠位端部領域1157は、ベース部1120の遠位端部部分によって画定され、この端部部分は、T形材上への外部
ディッケルの取付けおよびT形材からの外部
ディッケルの取外しを容易にするランプを形成するように、ダイに近づくにつれて離れていく、2つの傾斜面(例えば、ノッチ)1153を有する。
【0076】
上述したように、組み合わせた
ディッケル組立体10およびダイ100を伴う実施形態では、ダイは、当業者には既知である様々な従来の形態の任意の形態で提供することができる。
図9Bに示されているように、ダイ100は、マニホールド800と、先行ランドチャネル810と、最終ランドチャネル825と、オリフィス850とを有することができる。これらの場合、移行ゾーン820が、先行ランドチャネル810および最終ランドチャネル825を共通接続する。移行ゾーン820は、先行ランドチャネル810の下流端部領域から最終ランドチャネル825の上流端部領域へ延びることができる。移行ゾーン820は、2つの対面するアールが付いたまたは別様にテーパー状の壁部分を含み、任意選択的には、(最終ランドチャネル825よりも幅広である先行ランドチャネル810を画定することができる)対面する上流のプリランド壁部分から、対面する下流の最終ランド壁部分まで延びることができる。
ディッケルロッド40は、動作可能に組み付けられると、移行ゾーン820内に配設することができる。本
ディッケルシステム/本
ディッケル構成品は、様々な異なる押出ダイとともに用いることができる。ダイ自体の詳細は本発明を限定しない。本段落に記載されている特徴を有する押出ダイ100は、上述した任意の
ディッケルシステムすなわち
ディッケル組立体(任意の開示されている内部
ディッケル組立体、外部
ディッケル組立体、またはその双方)と組み合わせて提供することができる。
【0077】
或る特定の好ましい実施形態が説明されているが、本発明の精神および添付の特許請求の範囲から逸脱することなくそれらの実施形態において種々の変形、改変、および変更を行うことができることを理解するべきである。