(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6203753
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】サポートおよび熱制御のためのシステム
(51)【国際特許分類】
A47C 21/04 20060101AFI20170914BHJP
A61G 7/05 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
A47C21/04 A
A47C21/04 B
A61G7/05
【請求項の数】26
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-552712(P2014-552712)
(86)(22)【出願日】2013年1月18日
(65)【公表番号】特表2015-504741(P2015-504741A)
(43)【公表日】2015年2月16日
(86)【国際出願番号】IB2013000443
(87)【国際公開番号】WO2013108128
(87)【国際公開日】20130725
【審査請求日】2015年12月10日
(31)【優先権主張番号】61/588,784
(32)【優先日】2012年1月20日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513219500
【氏名又は名称】ハントレイ テクノロジー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Huntleigh Technology Limited
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】特許業務法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】ヴァーザリック,ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ホン,ケイズ
(72)【発明者】
【氏名】ピカリング,マシュー
【審査官】
大谷 謙仁
(56)【参考文献】
【文献】
特表2009−536860(JP,A)
【文献】
特開2001−258688(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3124141(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 21/04
A47C 27/00
A61G 7/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サポート面冷却装置において、
エアムーバと、
第1の導管と、
蒸気透過素材を備える第1層と、
スペーサ素材を備える第2層と、
第3層とを備え、
前記第2層は前記第1層と前記第3層との間にあり、
前記第1の導管は前記第2層および前記エアムーバと流体連通し、
前記エアムーバは前記スペーサ素材を通って前記エアムーバに向かう空気流を生成するように構成され、
前記第1層、第2層、および第3層は、患者とサポートマットレスとの間に配置されるように構成されるサポート部の構成部材であり、
前記サポート面冷却装置が、
前記サポートマットレスで支えられる患者を覆うように構成されるカバー部と、
前記サポート部と前記カバー部との間のエアスペースと流体連通する第2の導管とをさらに備えることを特徴とするサポート面冷却装置。
【請求項2】
請求項1に記載のサポート面冷却装置において、前記第1の導管は、前記第2層に組み込まれることを特徴とするサポート面冷却装置。
【請求項3】
請求項1に記載のサポート面冷却装置において、前記エアムーバは、約5標準立方フィート毎分〜約50標準立方フィート毎分の空気流を提供するように構成されることを特徴とするサポート面冷却装置。
【請求項4】
請求項1に記載のサポート面冷却装置において、前記空気流は約10標準立方フィート毎分〜50標準立方フィート毎分であることを特徴とするサポート面冷却装置。
【請求項5】
請求項1に記載のサポート面冷却装置において、前記空気流は約20標準立方フィート毎分〜50標準立方フィート毎分であることを特徴とするサポート面冷却装置。
【請求項6】
請求項1に記載のサポート面冷却装置において、前記エアムーバは、前記第1層に隣接する患者の皮膚を伝導冷却するのに十分な空気流を生成するように構成されることを特徴とするサポート面冷却装置。
【請求項7】
請求項1に記載のサポート面冷却装置において、前記スペーサ素材は、オープンセルフォーム、天然または人工のポリマー粒子、繊維または紐、綿繊維、ポリエステル繊維、可撓性の金属および金属合金、形状記憶金属および金属合金、ならびに形状記憶プラスチック樹脂のうちの一つを備えることを特徴とするサポート面冷却装置。
【請求項8】
請求項1に記載のサポート面冷却装置において、前記エアムーバの近くに抗菌装置をさらに備えることを特徴とするサポート面冷却装置。
【請求項9】
請求項1に記載のサポート面冷却装置において、前記エアムーバは遠心ファンであることを特徴とするサポート面冷却装置。
【請求項10】
請求項1に記載のサポート面冷却装置において、前記エアムーバの近くに抗菌装置をさらに備えることを特徴とするサポート面冷却装置。
【請求項11】
請求項1に記載のサポート面冷却装置において、前記サポート面冷却装置は、前記スペーサ素材の上に横たわる人を支えている間に、前記スペーサ素材を通って30標準立方フィート毎分の空気が流れるように構成されることを特徴とするサポート面冷却装置。
【請求項12】
請求項1に記載のサポート面冷却装置において、前記サポート部および前記カバー部は、結合機構によって一緒に結合されることを特徴とするサポート面冷却装置。
【請求項13】
請求項12に記載のサポート面冷却装置において、前記結合機構は、ジッパー、ボタン、留め金、またはステッチからなる群から選択されることを特徴とするサポート面冷却装置。
【請求項14】
請求項1に記載のサポート面冷却装置において、前記第2層および前記エアムーバと流体連通する複数の導管をさらに備えることを特徴とするサポート面冷却装置。
【請求項15】
サポート面冷却装置において、
エアムーバと、
蒸気透過素材を備える第1層と、
スペーサ素材を備える第2層と、
第3層とを備え、
前記第2層は前記第1層と前記第3層との間にあり、
前記エアムーバは前記スペーサ素材を通って前記エアムーバに向かう空気流を生成するように構成され、
前記エアムーバは、約5標準立方フィート毎分〜約50標準立方フィート毎分の空気流を提供するように構成され、
前記第1層、第2層、および第3層は、患者とサポートマットレスとの間に配置されるように構成されるサポート部の構成部材であり、
前記サポート面冷却装置が、
前記サポートマットレスで支えられる患者を覆うように構成されるカバー部と、
前記サポート部と前記カバー部との間のエアスペースと流体連通する第2の導管とをさらに備えることを特徴とするサポート面冷却装置。
【請求項16】
請求項15に記載のサポート面冷却装置において、前記空気流は約10標準立方フィート毎分〜50標準立方フィート毎分であることを特徴とするサポート面冷却装置。
【請求項17】
請求項15に記載のサポート面冷却装置において、前記空気流は約20標準立方フィート毎分〜50標準立方フィート毎分であることを特徴とするサポート面冷却装置。
【請求項18】
請求項15に記載のサポート面冷却装置において、前記エアムーバは、前記第1層に隣接する患者の皮膚を伝導冷却するのに十分な空気流を生成するように構成されることを特徴とするサポート面冷却装置。
【請求項19】
請求項15に記載のサポート面冷却装置において、前記第2層および前記エアムーバと流体連通する第1の導管をさらに備え、前記第1の導管は、前記第2層に組み込まれることを特徴とするサポート面冷却装置。
【請求項20】
請求項15に記載のサポート面冷却装置において、前記スペーサ素材は、オープンセルフォーム、天然または人工のポリマー粒子、繊維または紐、綿繊維、ポリエステル繊維、可撓性の金属および金属合金、形状記憶金属および金属合金、ならびに形状記憶プラスチック樹脂のうちの一つを備えることを特徴とするサポート面冷却装置。
【請求項21】
請求項15に記載のサポート面冷却装置において、前記エアムーバの近くに抗菌装置をさらに備えることを特徴とするサポート面冷却装置。
【請求項22】
請求項15に記載のサポート面冷却装置において、前記エアムーバは遠心ファンであることを特徴とするサポート面冷却装置。
【請求項23】
請求項15に記載のサポート面冷却装置において、前記エアムーバの近くに抗菌装置をさらに備えることを特徴とするサポート面冷却装置。
【請求項24】
請求項15に記載のサポート面冷却装置において、前記サポート面冷却装置は、前記スペーサ素材の上に横たわる人を支えている間に、前記スペーサ素材を通って30標準立方フィート毎分の空気が流れるように構成されることを特徴とするサポート面冷却装置。
【請求項25】
請求項15に記載のサポート面冷却装置において、前記サポート部および前記カバー部は、結合機構によって一緒に結合されることを特徴とするサポート面冷却装置。
【請求項26】
請求項25に記載のサポート面冷却装置において、前記結合機構は、ジッパー、ボタン、留め金、またはステッチからなる群から選択されることを特徴とするサポート面冷却装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、参照によりその全体が本願に組み込まれる2012年1月20日に出願された米国仮特許出願第61/588,784号明細書の優先権を主張する。
【0002】
本開示は一般に、独立して使用、またはベッドや他の支持台とともに使用するサポート面に関するものであり、より詳細には、褥瘡性潰瘍の阻止、低減、および/または治療、ならびに身体からの水分および/または熱の移動に有用なサポート面に関するものであるが、これに限定されるものではない。
【背景技術】
【0003】
長期間ベッドに制限される患者および他の人は、褥瘡性潰瘍を生ずる危険性を有する。褥瘡性潰瘍(褥瘡、床ずれ、圧迫潰瘍などとして公知)は、皮膚組織の下の毛細血管への血液の供給が皮膚に対する外圧によって遮断されるときに形成され得る。この圧力は毛細血管内の内部の血圧よりも大きくなり得、したがって、毛細血管を塞ぎ、圧力が作用する皮膚の領域に酸素および栄養分が達するのを阻止する。さらに、人の水分および熱、ならびに人の周囲の水分および熱が、他の関連する問題の中でとりわけ皮膚をふやけさせることにより潰瘍を悪化させることがある。
【発明の概要】
【0004】
本開示に係る例示的な実施形態は、患者の皮膚温の低下、褥瘡性潰瘍の形成の阻止、および/またはこのような潰瘍形成の治療の促進に有用な装置、システム、および方法を対象とする。
【0005】
さまざまな実施形態において、サポートシステム冷却装置(SSCD)は、層を通り、エアムーバに向かって空気が流れるように構成される複数の層を備える。例示的な実施形態は、約1.0立方フィート毎分(CFM)から約50CFMの空気流を提供するように構成されるエアムーバを組み込む。このような空気流は、高い蒸気移動速度、たとえば500gm/m2/hrを超える蒸気移動速度を提供することができる。さらに、患者の近くのより高い空気流速度により、患者の皮膚温が、華氏約88度まで低下するように計算されている。
【0006】
ある実施形態において、SSCDは、患者の下にサポート部を備え、一方、他の実施形態において、SSCDは、患者を覆うように構成されるカバー部も備える。サポート部(および、任意選択で、カバー部)は、患者から水分を除去し、患者の皮膚を伝導冷却するのに十分な空気流を可能とする複数の導管を介して、エアムーバに結合される。
【0007】
ある実施形態は、エアムーバと、第1の導管と、蒸気透過素材を備える第1層と、スペーサ素材を備える第2層と、第3層とを備えるサポート面冷却装置を備える。特定の実施形態において、第2層は第1層と第3層との間にあり、第1の導管は第2層およびエアムーバと流体連通し、エアムーバはスペーサ素材を通ってエアムーバに向かう空気流を生成するように構成される。ある実施形態において、第1の導管は、第2層に組み込まれる。
【0008】
ある実施形態は、エアムーバと、蒸気透過素材を備える第1層と、スペーサ素材を備える第2層と、第3層とを備えるサポート面冷却装置を備え、第2層は第1層と第3層との間にあり、エアムーバはスペーサ素材を通ってエアムーバに向かう空気流を生成するように構成され、エアムーバは、約5標準立方フィート毎分〜約50標準立方フィート毎分の空気流を提供するように構成される。
【0009】
具体的な実施形態において、エアムーバは、約5標準立方フィート毎分〜約50標準立方フィート毎分の空気流を提供するように構成される。ある実施形態において、空気流は約10標準立方フィート毎分〜50標準立方フィート毎分であり、一方、特定の実施形態において、空気流は約20標準立方フィート毎分〜50標準立方フィート毎分である。
【0010】
ある実施形態において、エアムーバは、第1層に隣接する患者の皮膚を伝導冷却するのに十分な空気流を生成するように構成される。特定の実施形態において、スペーサ素材は、オープンセルフォーム、天然または人工のポリマー粒子、繊維または紐、綿繊維、ポリエステル繊維、可撓性の金属および金属合金、形状記憶金属および金属合金、ならびに形状記憶プラスチック樹脂のうちの一つを備える。また、具体的な実施形態は、エアムーバの近くに抗菌装置を備えてもよい。特定の実施形態において、エアムーバは遠心ファンである。ある実施形態は、エアムーバの近くに抗菌装置を備えてもよい。
【0011】
特定の実施形態において、サポート面冷却装置は、スペーサ素材の上に横たわる人を支えている間に、スペーサ素材を通って30標準立方フィート毎分の空気が流れるように構成される。ある実施形態において、第1層、第2層、および第3層は、患者とサポートマットレスとの間に配置されるように構成されるサポート部の構成部材である。具体的な実施形態は、サポートマットレスで支えられる患者を覆うように構成されるカバー部を備えてもよい。また、特定の実施形態は、サポート部とカバー部との間のエアスペースと流体連通する第2の導管を備えてもよい。具体的な実施形態において、サポート部およびカバー部は、結合機構によって一緒に結合される。特定の実施形態において、結合機構は、ジッパー、ボタン、留め金、またはステッチからなる群から選択される。具体的な実施形態は、第2層およびエアムーバと流体連通する複数の導管を備える。
【0012】
また、特定の実施形態は、患者の皮膚温を低下させる方法を含み、ここで、この方法は、エアムーバと、導管と、蒸気透過層と、蒸気透過層に隣接するスペーサ素材とを備えるサポート面冷却装置を提供するステップを備え、導管は、エアムーバおよびスペーサ素材と流体連通する。また、ある実施形態は、患者の皮膚表面に隣接する蒸気透過層を配置するステップと、エアムーバを作動させ、スペーサ素材および導管を通ってエアムーバに向かう空気流を生成するステップと、患者の皮膚温を低下させるステップとを備える。特定の実施形態において、空気流は、約5標準立方フィート毎分〜30標準立方フィート毎分、または約10標準立方フィート毎分〜30標準立方フィート毎分、または約20標準立方フィート毎分〜30標準立方フィート毎分である。
【0013】
ある実施形態において、蒸気透過層およびスペーサ素材は、患者とサポートマットレスとの間に配置される。特定の実施形態において、蒸気透過層およびスペーサ素材は、患者の上部に配置される。具体的な実施形態において、蒸気透過層およびスペーサ素材は、患者の上部、および患者とサポートマットレスとの間の両方に配置される。ある実施形態において、スペーサ素材は、オープンセルフォーム、天然または人工のポリマー粒子、繊維または紐、綿繊維、ポリエステル繊維、可撓性の金属および金属合金、形状記憶金属および金属合金、ならびに形状記憶プラスチック樹脂のうちの一つを備える。特定の実施形態において、患者の皮膚温は、伝導冷却によって低下する。
【0014】
本発明の例示的な実施形態が以下に詳細に図示および説明されているが、当業者であれば、本発明の範囲から逸脱することなく変更および修正が可能であることは明らかであろう。このため、以下の説明および添付図面に示されているものは、説明のために提供されており、限定するものではない。本発明の実際の範囲は、このような特許請求の範囲に与えられるすべての均等な範囲とともに、以下の特許請求の範囲により規定されることを目的としている。
【0015】
さらに、当業者であれば、本開示を読解することにより、ここで説明する本発明の他の変更例が本発明の範囲内に含まれることは明らかであろう。たとえば、図示および説明するサポートシステムの一部は、従来のマットレスまたはサポート素材と組み合わせてもよい。他の実施形態は、これらには限定されないが、車椅子、椅子、リクライニングチェア、ベンチ等を含む椅子の応用においてサポートシステムを利用してもよい。
【0016】
開示された実施形態の以下の詳細な説明では、本開示を促進するために、さまざまな特徴がいくつかの実施形態で組み合わされている。本開示に係る方法は、本発明の例示的な実施形態が各請求項に明確に列挙された特徴よりも多くの特徴を必要とすることを意図していると解釈すべきではない。むしろ、以下の請求項が示すように、本発明の対象は、開示された一実施形態のすべての特徴よりも少ない。したがって、以下の特許請求の範囲は、本明細書において、各請求項自体が個別の実施形態として独立しつつ、開示されている実施形態の詳細な説明に組み込まれている。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、サポート面冷却装置および人を支えるサポートマットレスの第1の例示的な実施形態の側面図を示す。
【
図2】
図2は、
図1の装置の線2−2における断面端面図を示す。
【
図3】
図3は、皮膚表面に隣接するサポート面冷却装置の詳細な断面図を示す。
【
図4】
図4は、予測される皮膚温対空気流のグラフを示す。
【
図5】
図5は、サポート面冷却装置および人を支えるサポートマットレスの第2の例示的な実施形態の側面図を示す。
【
図6】
図6は、サポート面冷却装置および人を支えるサポートマットレスの第3の例示的な実施形態の側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本開示に係る例示的な実施形態は、褥瘡性潰瘍の形成を阻止し、および/またはこのような潰瘍形成の治療を促進するのに有用な装置、システム、および方法を対象とする。たとえば、さまざまな実施形態において、皮膚温の低下、潰瘍形成の阻止、および/または褥瘡性潰瘍の治療は、サポート面冷却装置を利用することにより実現できる。装置の例示的な実施形態は、患者から水分、蒸気、および熱を吸収および/または分散させる表面を提供することにより、患者表面の接触面の近くおよび近傍ならびに患者周囲の環境の水分、蒸気、および熱の除去を促進するのに利用できる。さらに、装置の例示的な実施形態は、患者と患者が配置される装置との間の接触面の圧力を軽減する多数のサポート面または支持台と組み合わせて利用できる。この軽減された接触面の圧力は、褥瘡性潰瘍の形成の阻止を支援できる。
【0019】
さまざまな例示的な実施形態において、サポート面冷却装置は、多数の層を含んでもよい。各層は、さまざまな特性を示す多くの種々の素材で形成してもよい。これらの特性は、表面の摩擦またはせん断のレベル、蒸気、気体、液体、および/または固体の透過性、蒸気、気体、および固体のさまざまな層、ならびに他の特性を含んでもよい。
【0020】
たとえば、例示的な実施形態において、サポート面冷却装置は、低い空気損失の特徴を有する素材を含んでもよく、ここで、1つまたは複数の層は、さまざまな空気、蒸気、および液体の透過特性を示し、および/または、1つまたは複数の層は接着または一緒に密閉される。本明細書で使用するとき、サポート面冷却装置の低い空気損失の特徴には、複層の装置の内部環境と外部環境との間で蒸気の分圧が異なる第1層を空気および蒸気が通過可能な複層の装置と、複層の装置の内部環境と外部環境との間で蒸気の分圧に違いがない第1層を空気および蒸気が通過可能な複層の装置と、1つまたは複数の層の開口を通じて空気および蒸気が複層の装置の内側および/または外側に移動可能な複層の装置とが含まれるが、これらに限定されない。
【0021】
他の例示的な実施形態において、複層の装置は、実質的に空気を流さない素材を含むことができ、1つまたは複数の層は空気を透過しない特性を含み、および/または、層はスペーサ素材を備える層に接着または一緒に密閉される。このような例示的な実施形態において、この構成は、外側から内側(たとえば、複層の装置の吸気口の陰圧源の影響下)への空気の移動方向を制御してもよい。ある例示的な実施形態は、空気が第1層を通過するのを阻止するまたは実質的に阻止するが、蒸気が第1層を通過するのを可能にする装置と、装置は、複層の装置の内部環境と外部環境との間で蒸気の分圧が異なる第1層を空気が通過するのを阻止するまたは実質的に阻止するが、蒸気が第1層を通過するのを可能にする装置と、装置の特定の層を形成する素材を介して複層の装置から空気が移動するのを阻止するまたは実質的に阻止するが、1つまたは複数の層で開口を通って空気が移動可能な装置とを含む多層装置を備えるが、これらに限定されない。
【0022】
さまざまな例示的な実施形態において、褥瘡性潰瘍の形成を阻止し、患者から水分および/または熱を除去する多くの構成部材を含むことが可能なシステムが提供される。たとえば、システムは、膨張可能なマットレス、フォームマットレス、ジェルマットレス、ウォーターマットレス、または病院ベッドの流体マットレスなどのさまざまなサポート面と組み合わせて使用することができるサポート面冷却装置(SSCD)を含むことができる、このような例示的な実施形態において、SSCDの特徴は、患者から水分および熱を除去するのを支援し、患者とSSCDの表面との間の接触面の圧力を低下させるのを支援する一方、膨張可能またはフォームマットレスの特徴は、たとえば患者の踵および尻部分の骨が隆起している部分など外部の圧力が通常高い皮膚部分の接触面の圧力をさらに低下させることにより、褥瘡性潰瘍の阻止および/または治療を促進できる。他の例示的な実施形態において、システムは、椅子または他の支持台とともに使用するSSCDを含むことができる。
【0023】
ここで
図1を参照すると、サポート面冷却装置(SSCD)500の例示的な実施形態は、サポートマットレス560の上および患者180の下に配置されて示される。本実施形態において、SSCD500は、水蒸気を通す第1層510を有するサポート部505と、スペーサ素材を備える中間層520と、第3層530とを備える。示された実施形態において、第1層510は患者180の近くにあり、一方、第3層530は患者180の遠くにある。
【0024】
本実施形態において、サポート部505は、中間層520からエアムーバ540に相当な空気流541を流すことができる複数の導管545を介して、エアムーバ540にも結合する。ある実施形態において、導管545は、中間層520に組み込まれてもよい。他の例示的な実施形態において、エアムーバ541は、導管を使用せずに、中間層520に空気流541を提供するように構成することが可能である。たとえば、エアムーバ541をサポート部505に直接結合して、空気流541を中間層520に導いてもよい。ある実施形態において、エアムーバ540は、サポート部505とエアムーバ540との間で、約5〜50標準立方フィート毎分(SCFM)の空気流を提供することが可能である。特定の実施形態において、エアムーバ540は、サポート部505とエアムーバ540との間で、約10SCFM〜50SCFMまたは約20SCFM〜50SCFMの空気流を提供することが可能である。以下で一層詳細に説明するが、このような空気流は、患者の皮膚温を低下させるのに十分な蒸気移動速度を提供することが可能である。
【0025】
この例示的な実施形態の一般的な動作原理を最初に説明し、続いて、個々の構成部材および動作原理をより詳細に説明する。一般に、水蒸気116は、患者180から第1層510を通って中間層520に含まれる空気に移動する。例示的な実施形態において、エアムーバ540は、中間層520を通して(たとえば、導管545を介して)空気を引き寄せ、中間層520に含まれる空気から水蒸気116を除去することができる。さらに、空気流541は患者の皮膚の温度を低下させる。掛け布団に室温の空気を吸い込む陰圧の使用により、患者180からの水蒸気を蒸発させる。これにより、サポート部505内の空気を冷却でき、患者180に誘導的な冷却を提供することができる。さらに、中間層520の空気流541を患者180の皮膚温より低い温度とすることができ、それにより、患者180を伝導冷却することができる。
【0026】
ある実施形態において、第1層510は、液体および空気を通さず、蒸気を通すまたは蒸気を通さない素材で構成される。このような蒸気を通すことができる素材は、商標名GoreTex(商標)で販売されている。GoreTex(商標)は、蒸気を通すことができ、液体を通さないが、空気を通してもよくまたは空気を通さなくてもよい。このような蒸気を通さない素材の例には、ビニールシートまたはウレタンシートが含まれる。示された実施形態において、中間層520は、第1層510と第3層530を分離するスペーサ素材を備える。本開示で使用するとき、用語「スペーサ素材」(および関連する語)は、素材の内部に大量の空気を含み、空気が素材を通過可能な任意の素材が含まれるように広く解釈すべきである。例示的な実施形態において、スペーサ素材は、人がこの素材の上に横たわっているときに空気がこの素材を通ることができるとともに、この素材はマットレスによって支えられる。このようなスペーサ素材の例には、オープンセルフォーム、ポリマー粒子、およびTytexが商標名AirX(商標)で販売する素材が含まれる。
【0027】
示された例示的な実施形態において、第3層530は、蒸気を通さず、空気を通さず、液体を通さない素材を備える。このような素材の例には、ビニールシートプラスチック樹脂またはポリウレタンシート素材が含まれる。第1層510および第3層530は、ある実施形態において、同じ素材で構成されてもよい。
【0028】
サポートマットレス560は、人180を支えるために、本分野で知られている構成にすることができる。たとえば、ある例示的な実施形態において、サポートマットレス560は、代替的な圧力パッドタイプのマットレス、あるいは、空気を利用してマットレス内のセルまたはチャンバを膨張または加圧させる他のタイプのマットレスでもよい。他の例示的な実施形態において、サポートマットレス560は、人180を支えるために空気を利用せず、たとえば、フォーム、ジェル、水、またはその他の好適なサポート素材を備えてもよい。
【0029】
さらに
図1を参照すると、サポートマットレス560およびサポート部505は、人180を支え、人180とサポート部505との間の接触面の近くおよび近傍の水分、蒸気、および熱の除去を促進する。
図1の例示的な実施形態において、SSCD500は、エアムーバ540および中間層520のスペーサ素材の両方と流体連通する複数の導管545を備える。作動中、
図1に示すエアムーバ540は、サポート部505内の圧力を低下させ、中間層520を通ってエアムーバ540に導く陰圧または排出空気流541を引き起こすように作動する。
【0030】
ここで
図2を参照すると、サポート部の断面端面図は、複数の層を示す。SSCD500の作動中、水蒸気116は、人180(および人180の近くの空気)から、第1層510を通って、中間層520のスペーサ素材内のエアポケットに移動する。水蒸気116は、スペーサ素材522内のエアポケットに移動し続け、一方、エアポケットは、人180の近くの空気よりも相対湿度が低い。エアポケットの相対湿度が人180の近くの相対湿度まで増加し、これに達すると、水蒸気116の移動率が減少する。したがって、中間層520内のエアポケットの相対湿度を、人180の近くの空気の相対湿度よりも低く維持することが好ましい。水蒸気116が中間層520内のエアポケットに移動する場合、エアポケットから水蒸気を除去し、中間層520内の空気の相対湿度を低くすることが好ましい。中間層520内の空気の相対湿度は、周囲の環境の相対湿度まで低下させることができる。中間層520内の空気から水蒸気116を除去することにより、人180からの水蒸気116の移動率を一定のレベルに維持することができる。
【0031】
図1および
図2に示す例示的な実施形態において、空気流541は中間層520内のエアポケットを通って流れ、水蒸気116のエアポケットからの除去を支援する。これにより、エアポケットの相対湿度が低下し、水蒸気116の移動率が長時間維持される。
図1および
図2に示すように、空気流541を、中間層520を通ってエアムーバ540に向けて吸い込むまたは引き寄せることができる。以下にさらに詳細に説明するように、SSCD500の作動中、患者180の皮膚温を低下させることができる。
【0032】
ここで
図3を参照すると、サポート部505の詳細な断面図が、患者180の皮膚の近くに示される。理論に束縛されるものではないが、患者180の皮膚温は、以下の式で計算できる(発汗せず、皮膚が乾燥していると仮定)。
ここで、
T
skinは、患者の体外の皮膚温である。
T
coreは、患者のスキンコア温度(37℃/98.6°F)である。
T
ambientは、周囲温度(25℃/77°F)である。
R
systemは、熱の移動に対するSSCDの抵抗である。
R
skinは、熱の移動に対する皮膚の抵抗(0.05m
2°K/W)である。
【0033】
空気を流す陰圧の使用により、室温の空気をSSCD500に流すことが可能となり、周囲の空気と患者180の皮膚との間の温度差がより大きくなる。さらに、陰圧は中間層520のスペーサ素材に対して、第1層510および第3層530を吸い込む。これにより、中間層520を通して空気流541を導くことができ、空気流541の空気速度をより速くし、水蒸気116の蒸発を促進する。その代わりとして陽圧(たとえば、エアムーバ540から離れるように導かれる空気流541)が利用される場合、それは第1層510または第3層530を中間層520から引き離す。第1層510または第3層530のこのうねりにより、空気流541にスペーサ中間層520を迂回させ、中間層520内の空気流541の速度を低下させることができる。空気流速度が低下することにより、患者180から水蒸気を除去し、患者180の皮膚温を下げるSSCDの能力も低下する。
【0034】
ここで
図4を参照すると、グラフはSSCD500を使った患者の予測される皮膚温を示す。
図4に示すように、予測される皮膚温は、空気流がない場合の約97.5°Fから、約30立方フィート毎分(CFM)の最大空気流の場合の約88°Fまで低下する。さまざまなサイズのエアムーバが、テストにおいて使用された。このテスト例において、100CFMを超える最大空気流を発生したエアムーバは、Ametek(登録商標)モデル119103−00タイプH、8アンペア、50/60Hz、120Vであった。
【0035】
当業者であれば、蒸気および空気が、細菌、ウイルス、および他の潜在的に有害な病原体などの生物を運び得ることは明らかであろう。このため、また本明細書で以下にさらに詳細に説明するように、本開示のいくつかの実施形態において、1つまたは複数の抗菌性の装置、薬剤等が提供され、バクテリア、ウイルス、カビ、ウドンコ病菌、家ダニ、菌類、微生物の胞子、バイオスライム、原生動物、原生動物の胞子などの微生物を含む潜在的に有害な病原生物を阻止し、破壊し、弱め、撃退し、妨げ、および/または抑制し、したがって、これらを患者および患者の周辺環境から拡散および除去される空気および蒸気から除去する。さらに、さまざまな実施形態において、SSCD500は、抗菌作用を有するさまざまな層を含むことができる。いくつかの実施形態において、たとえば、第1層510、中間層520、および第3層530は、銀および/または他の抗菌物質で形成された粒子、繊維、糸等を含むことができる。
【0036】
さまざまな例示的な実施形態において、中間層520は、本明細書で説明するように、さまざまな素材から形成でき、多くの構成および形状を有することができる。いくつかの実施形態において、素材は可撓性がある。このような例示的な実施形態において、可撓性の素材は、圧縮に抵抗する特性を含むことができ、たとえば、サポート部505上に横たわる患者の重量により可撓性の素材が圧縮されるとき、可撓性の素材はその元の形状に戻る傾向を有し、その結果、サポート部505に支持する機能を与える。また、可撓性の素材は、圧縮荷重の下でも、可撓性の素材内の空気の横方向の移動を可能とする特性を含むことができる。
【0037】
中間層520を形成するのに使用可能な素材の例には、粒子状、フィラメント状、紐状、フォーム(たとえば、オープンセルフォーム)状などの天然および合成の高分子、ならびに、綿繊維、ポリエステル繊維等の天然および合成の素材が含まれるが、これらに限定されない。他の素材は、可撓性の金属および合金、形状記憶金属および合金、形状記憶プラスチック樹脂を含むことができる。これらの素材は、弾性、超弾性、線形弾性、および/または可撓性の素材が曲がりおよび湾曲して、さまざまな状況(たとえば、圧縮、緊張、温度等)で変化する形状を形成可能な形状記憶特性を含むことができる。
【0038】
さまざまな例示的な実施形態において、SSCD500は、1回使用の装置または複数回使用の装置でありえる。本明細書で使用するとき、1回使用の装置は、使い捨て可能であり、および/または高価でなく、および/または製造され、および/または低コストで組み立てられた蒸気、空気、および液体を通すことができる素材で形成される1人の患者の用途のための装置であり、1時間または数時間、1日、あるいは複数日または数週間などの短期間に、1人の患者のために使用することが意図されている。本明細書で使用するとき、複数回使用の装置は、再利用可能で、洗濯可能である、蒸気を通し、液体を通さず、および空気を通すまたは空気を通さない素材で通常形成された複数の患者に使用する装置であり、さまざまな技術(たとえば、オートクレーブ、漂白など)を使用して消毒でき、1回使用の装置よりも一般に高品質で細工において優れており、複数日、複数週、複数月、および/または複数年などの一定期間にわたって1人または複数の患者により使用することが意図されている。さまざまな例示的な実施形態において、複数回使用の装置の製造および/またはアセンブリは、1回使用の装置よりも複雑で高価な方法を必要とすることができる。1回使用の装置を形成するのに使用される素材の例には不織の紙が含まれるが、これに限定されない。再利用可能な装置を形成するのに使用される素材の例には、Gore−Tex(登録商標)および織物にラミネートされたウレタンが含まれるが、これらに限定されない。
【0039】
ここで
図5を参照すると、ある実施形態において、SSCD600は、患者180とサポートマットレス560との間のサポート部620に加えて、患者180を覆うように構成されるカバー部610を備えてもよい。ある例示的な実施形態において、サポート部620はSSCD500と同等に構成され、カバー部610は反転されたSSCD500と同等に構成される。たとえば、カバー部610は、第1層510と同等の患者180に近い第1層、中間層520と同等の中間層、および第3層530と同等の周囲に近い第3層を含む3つの層を備えてもよい。
【0040】
SSCD600は、エアムーバ540ならびにカバー部610およびサポート部620と流体連通する複数の導管645も備える。作動中、SSCD600は、先に説明したSSCD500と通常同等の方法で水蒸気を除去し、患者180の皮膚温を低下させるように機能することもできる。しかし、SSCD600は、患者180の下にサポート部を含むだけである実施形態より多くの患者180の皮膚表面領域を覆うことにより、より効果的に水蒸気を除去し、皮膚温を低下させることができる。
【0041】
ここで
図6を参照すると、ある実施形態において、SSCD700は、サポート部720に結合するカバー部710を備えてもよい。特定の実施形態において、カバー部710は、結合機構730によってサポート部720に結合してもよい。具体的な実施形態において、結合機構730は、1つまたは複数のジッパー、ボタン、留め金、または他の好適な装置を備えてもよい。他の実施形態において、カバー部710とサポート部は、寝袋と同様の単一構成部材を形成するように、一緒に縫われても、または綴じられてもよい。先に説明した実施形態と同様に、この実施形態は、エアムーバ540ならびにカバー部710およびサポート部720と流体連通する複数の導管645を備える。さらに、この実施形態は、カバー部710とサポート部720との間のエアスペースに導かれる導管755を備える。作動中、導管755は、カバー部710とサポート部720との間のエアスペースの圧力を低下させることができ、患者180およびサポート部720に向けてカバー部を吸い込むことができる。作動中、SSCD700は、先に説明したSSCD600と通常同等の方法で、水蒸気を除去し、患者180の皮膚温を低下させるように機能することもできる。