特許第6203758号(P6203758)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6203758
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】投薬アセンブリの寿命制限
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/24 20060101AFI20170914BHJP
   A61M 5/20 20060101ALI20170914BHJP
   A61M 5/34 20060101ALI20170914BHJP
   A61M 5/50 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
   A61M5/24 530
   A61M5/20 560
   A61M5/34 510
   A61M5/50 530
【請求項の数】9
【全頁数】33
(21)【出願番号】特願2014-553765(P2014-553765)
(86)(22)【出願日】2013年1月31日
(65)【公表番号】特表2015-504749(P2015-504749A)
(43)【公表日】2015年2月16日
(86)【国際出願番号】EP2013051901
(87)【国際公開番号】WO2013113818
(87)【国際公開日】20130808
【審査請求日】2016年1月22日
(31)【優先権主張番号】12153382.2
(32)【優先日】2012年1月31日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】397056695
【氏名又は名称】サノフィ−アベンティス・ドイチュラント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【弁理士】
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル・キャスパース
(72)【発明者】
【氏名】イロナ・エッゲルト
【審査官】 杉▲崎▼ 覚
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2010/073452(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0154192(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 3/00− 9/00
A61M 31/00
A61M 39/00−39/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの薬作用物質を送達するための医療デバイスであって、
センサ(43、43a、43b、316、600)と、
制御ユニット(302、350)とからなり、
前記センサ(43、43a、43b、316)は、前記医療デバイス(10)への投薬アセンブリ(200、1200)の取付けを検出するように構成され、
前記制御ユニット(302、350)は、前記センサ(43、43a、43b、316、600)が投薬アセンブリ(200、1200)の取付けを示したときにタイマを始動させるように構成され、ここでタイマの始動は、以前に取り付けられた投薬アセンブリ(200、1200)によりすでに動作しているタイマをリセットすることを含む、
前記制御ユニット(302、350)は、前記センサ(43、43a、43b、316)からの信号に少なくとも基づいて、前記投薬アセンブリ(200、1200)の寿命に達しているかどうかを判定するように構成され、
前記医療デバイス(10)は、前記投薬アセンブリ(200、1200)の前記寿命の終わりを示すように構成される
ことを特徴とする、前記医療デバイス。
【請求項2】
前記制御ユニット(302、350)は、前記投薬アセンブリ(200、1200)の前記寿命の終わりに達している場合に、それ以上の前記医療デバイス(10)の使用を阻止するように構成される、
請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項3】
前記センサ(43、43a、43b、316、600)は、前記医療デバイス(10)からの前記投薬アセンブリ(200、1200)の取外しを検出するように構成される、請求項1または2に記載の医療デバイス。
【請求項4】
前記医療デバイス(10)はさらに、第1の流体(92)を収容する第1のリザーバと、第2の流体(102)を収容する第2のリザーバ(100)とを少なくとも備える、
請求項1〜3のいずれかに記載の医療デバイス。
【請求項5】
前記投薬アセンブリ(200、1200)は、前記医療デバイス(10)への前記投薬アセンブリ(200、1200)の再取付けを阻止するための機械的ロック・アウト機構(2600)を備える、
請求項1〜4のいずれかに記載の医療デバイス。
【請求項6】
医療デバイスへの、具体的には請求項1〜5のいずれかに記載の医療デバイスへの、投薬アセンブリの取付けを検出する工程と、
前記投薬アセンブリが取り付けられたときにタイマを始動し、ここでタイマの始動は、以前に取り付けられた投薬アセンブリによりすでに動作しているタイマをリセットすることを含む、工程と、
前記投薬アセンブリの前記寿命の終わりに達しているかどうかを判定する工程と、
投薬アセンブリの寿命の終わりを示す工程と
を含む方法。
【請求項7】
前記投薬アセンブリの寿命の終わりに達している場合に、それ以上の医療デバイスの使用を阻止する
工程をさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
プログラム(342)がプロセッサ(302)で実行されたとき、請求項6または7に記載の方法を実行するためのプログラム・コード(344)
を含むプログラム。
【請求項9】
プログラムを有する可読媒体であって、
前記プログラム(342)がプロセッサ(302)で実行されたとき、請求項6または7に記載の方法を実行するプログラム・コード(344)
を含む前記可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許出願は、少なくとも1つの薬作用物質、具体的には別々のリザーバから2つの薬作用物質を送達するための医療デバイスに関する。このような薬作用物質は、第1および第2の薬剤を含むことができる。この医療デバイスは、薬作用物質を使用者が自動または手動で送達するための用量設定機構を含む。
【背景技術】
【0002】
医療デバイスは、注射器(例えば手持ち式注射器、特にペン型注射器)とすることができ、これは、1つまたはそれ以上の多用量カートリッジから医薬品を注射によって投与するタイプの注射器である。詳細には、本発明は、使用者が容量を設定できる注射器に関する。
【0003】
薬作用物質は、独立の(単一薬物化合物)薬作用物質、または混合済み(同時に処方された多薬物化合物)薬作用物質をそれぞれが含む、2つ以上の多用量のリザーバ、容器またはパッケージ内に収容することができる。
【0004】
ある特定の病状には、1つまたはそれ以上の異なる薬剤を用いた治療が必要とされる。いくつかの薬物化合物は、最適治療用量を送達するために、互いに特定の関係で送達される必要がある。本特許出願は、併用療法が望ましいが、(それだけには限らないが)安定性、損なわれる治療効果、および毒性などの理由で単一製剤では不可能な場合に特に有益である。
【0005】
例えば、場合によっては、長時間作用型インスリン(第1薬剤または1次薬剤と呼ばれることもある)をGLP−1またはGLP−1類似物(第2薬剤または2次薬剤と呼ばれることもある)などのグルカゴン様ペプチド−1と共に用いて糖尿病を治療することが有利でありうる。
【0006】
したがって、薬物送達デバイスの複雑な物理的操作を伴わない、使用者にとって実施するのが簡単な単一の注射工程または送達工程で、2つ以上の薬剤を送達するためのデバイスを提供する必要がある。提案される薬物送達デバイスでは、2つ以上の活性薬作用物質のために別々の収納容器またはカートリッジ保持器を提供する。次いで、これらの活性薬作用物質は、単一の送達手順中に組み合わされ、および/または患者に送達される。これらの活性作用物質は、併用量として一緒に投与することができ、または別法として、これらの活性作用物質は、逐次的に1つずつ併用することもできる。
【0007】
薬剤送達デバイスではまた、薬剤の量を変える機会を与えることができる。例えば、1つの流体の量は、注射デバイスの特性を変更することによって変えることができる(例えば、使用者可変用量を設定する、またはデバイスの「固定」用量を変更する)。第2薬剤の量は、様々な2次薬物収容パッケージを製造することによって変更することができ、それぞれの変形物が、異なる量および/または濃度の2次活性作用物質を収容する。
【0008】
薬物送達デバイスは、単一の投薬インターフェースを有することができる。このインターフェースは、少なくとも1つの薬作用物質を含む薬剤の1次リザーバおよび2次リザーバとの流体連通が得られるように構成することができる。薬物投薬インターフェースは、2つ以上の薬剤がシステムを退出し患者に送達されることを可能にする、ある種の出口とすることができる。
【0009】
別々のリザーバからの化合物の組合せは、両頭ニードル・アセンブリを介して身体に送達することができる。これは併用薬物注射システムになり、このシステムは、使用者の見地からは、標準的なニードル・アセンブリを使用する現在使用可能な注射デバイスに厳密に適合する形で薬物送達を実現する。1つの実現可能な送達手順は、以下の工程を含むことができる:すなわち、
1.投薬インターフェースを電気機械的注射デバイスの遠位端に取り付ける。この投薬インターフェースは、第1および第2の近位針を備える。第1および第2の針はそれぞれ、1次化合物を収容する第1のリザーバ、および2次化合物を収容する第2のリザーバを穿孔する。
2.両頭ニードル・アセンブリなどの用量ディスペンサを投薬インターフェースの遠位端に取り付ける。このようにして、ニードル・アセンブリの近位端が1次化合物および2次化合物の両方と流体連通する。
3.注射デバイスからの1次化合物の所望の用量を、例えばグラフィカル・ユーザ・インターフェース(GUI)によって、ダイヤルを回して選択/設定する。
4.使用者が1次化合物の用量を設定した後、マイクロプロセッサによって制御される制御ユニットは、2次化合物の用量を決定または計算することができ、好ましくは、この第2の用量を以前に記憶された治療用量プロファイルに基づいて決定または計算することができる。次に使用者によって注射されるのは、この計算された薬剤の組合せである。治療用量プロファイルは、使用者選択可能とすることができる。別法として使用者は、2次化合物の所望の用量を、ダイヤルを回して選択または設定することができる。
5.場合により、第2の用量が設定された後、デバイスは作動可能状態(armed condition)にすることができる。任意選択の作動可能状態は、制御パネル上の「OK」または「作動可能」ボタンを押す、かつ/または保持することによって実現することができる。この作動可能状態は、デバイスを使用して併用量を投薬することができる所定の期間に対し得ることができる。
6.次に、使用者は、用量ディスペンサの遠位端(例えば、両頭ニードル・アセンブリ)を所望の注射部位に挿入または当てる。1次化合物と2次化合物(および場合により3次薬剤)の併用の用量は、注射ユーザ・インターフェース(例えば、注射ボタン)を起動することによって投与することができる。
【0010】
両方の薬剤を1つの注射針または用量ディスペンサによって、1つの注射工程で送達することができる。これには、別々の2つの注射薬を投与することに比べて使用者工程が低減されるという点で、使用者にとって好都合な利点がある。
【0011】
上述のように、投薬インターフェースが、投薬されるべき流体の流体チャネルの少なくとも一部を提供するので、投薬インターフェースは一方で、医療デバイスの少なくとも1つのリザーバと流体連通しており、したがって1つまたはそれ以上の薬物作用物質と流体連通している。他方で、投薬インターフェースに取り付けられた、またはそれに組み込まれたニードル・アセンブリを介して、投薬インターフェースはまた、外気、患者の皮膚、および/または患者の血液と接触している。しかし、投薬インターフェースがこれら後者の滅菌されていない、または汚染された流体、気体および/または粒子と直接接触することには問題がある。
【0012】
一般に、投薬されるべき流体の一部は、投薬インターフェースの流体チャネルの中に残留する。時間の経過と共に、残留流体が汚染される確率が増大する。さらに、ある一定時間後には微生物増殖が起こりうる。
【0013】
加えて、流体チャネルの品質が時間の経過と共に劣化する可能性があり、かつ/または、投薬インターフェースの流体チャネルに使用された材料中に存在する特定の物質が、投薬インターフェース内部の残留流体の中に移動する可能性がある。
【0014】
投薬インターフェース内の残留流体があまりに高い度合いで汚染する可能性は、薬作用物質中に存在する保存剤によって低減することができる。しかし、これらの保存剤は効果を失うことがあり、あるいは時間の経過と共に、投薬インターフェースの材料によって吸収されることがある。
【0015】
しかし、後の投薬工程で医療デバイスの使用者に、これらの汚染された残留流体を自分の体に注射させることは、それが危険を生じさせると共に使用者の健康に有害な恐れがあるので、望ましくない。
【0016】
投薬インターフェースのチャネルが、投薬インターフェース内の乾燥および/または凝固したチャネルに起因して塞がれることもまた起こりうる。これは、医療デバイスの動作不良を招く可能性がある。特にこの動作不良により、送達された用量がないにもかかわらず一定の用量が送達されたと使用者が信じることになる可能性がある。したがって、生命を脅かす状況さえも起こりうる。
【0017】
これらの危険が生じないようにするために、使用者は、薬剤の一部を無駄にしながら流体チャネルを苦労して洗浄し、あるいは医療デバイスがなお流体を射出するかどうかを何とかして調べなければならない。しかしその場合でも、使用者は、両方の薬剤が送達されること、あるいは送達される流体が十分に滅菌されていることを確信することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
上記に鑑みて、本発明は、上述の危険を最小限にする医療デバイスを提供するという技術的問題に取り組む。特に、本発明の目的は、デバイスの安全性の向上を示し、安全使用を促進する医療デバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
技術的問題は、センサ、制御ユニット、および取付け可能な投薬アセンブリを備える、少なくとも1つの薬作用物質を送達するための医療デバイスによって解決され、センサは、医療デバイスへの投薬アセンブリの取付けを検出するように構成され、制御ユニットは、少なくともセンサからの信号に基づいて投薬アセンブリの寿命の終わりに達したかどうかを判定するように構成され、医療デバイスは、投薬アセンブリの寿命の終わりを示すように構成される。投薬アセンブリの寿命の終わりは、例えば、投薬アセンブリが取り付けられるときに始動されるタイマが切れることによって決定することができる。
【0020】
本発明による医療デバイスを提供することによって、投薬アセンブリの耐用寿命の始まりは、投薬アセンブリが取り付けられる時点を利用して投薬アセンブリの耐用寿命の始まりを確定することによって検出される。投薬アセンブリの寿命または耐用寿命の終わりに達したとき、医療デバイスは投薬アセンブリの寿命の終わりを示し、使用者は、投薬アセンブリが劣化した可能性があるかどうか、または微生物増殖などにより汚染されているかどうかを心配しなくてよい。その結果、医療デバイスはデバイスの安全性の向上を示し、安全使用を促進する。
【0021】
医療デバイスの取付けの時点を利用して投薬アセンブリの寿命の終わりを決定し、寿命の終わりを示すと、あまりに高度に汚染された流体が投薬される危険を確実に最小限にすることができる。
【0022】
本発明による投薬アセンブリは、例えば主本体またはカートリッジ・ホルダである、医療デバイスのその他のものとは別の要素であると理解されたい。この投薬アセンブリは特に、医療デバイスの流体を使用者の体まで導くことができる1つまたはそれ以上のチャネルを示す。投薬アセンブリはすでに、使用者の皮膚を穿孔するための適切な注射針またはカニューレを示すことができる。しかしながら、注射針は、投薬アセンブリとは別の要素として設計されるとも考えられる。後者の場合、投薬アセンブリは一般に、取付け可能な針またはカニューレを有する投薬インターフェースと呼ばれる。投薬アセンブリは特に、デバイスの安全性をさらに向上させ、チャネル内の望ましくない流体の量を低減するために、マニホールドおよび弁を備えることができる。
【0023】
次に、主本体またはカートリッジ・ホルダは、投薬アセンブリを受けるように構成される。主本体への投薬アセンブリの取付けは、様々な方法で実現することができる。例えば投薬アセンブリは、嵌合または圧入によって取り付けることができ、具体的には投薬アセンブリは、主本体に掛止またはねじ止めすることができる。このようにして、迅速で確実な取付けを実現することができる。
【0024】
制御ユニットは、好ましくは医療デバイスの主本体またはカートリッジ・ホルダ内に位置し、センサからの信号を受けるように構成される。制御ユニットは、例えば、任意の種類のマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラであるか、またはこれらを含むと理解されたい。
【0025】
センサは、様々に設計することができる。投薬アセンブリが取り付けられたときに起動する機械スイッチを設けることが可能である。センサはまた、投薬アセンブリが取り付けられるとすぐに電流または電圧を検出できるように、電気接点として設計することもできる。さらに、センサを光学機器として設計することも考えられる。このセンサは、光バリア、カメラ、バーコード・リーダ、近接センサなどとすることができる。安全性および/または機能性をさらに向上させるために、複数の同一または異なるセンサを設けることができる。
【0026】
センサからの信号に少なくとも一部は基づいて投薬アセンブリの寿命の終わりを決定することによって、センサの信号、したがって例えば投薬アセンブリの取付けの時点が、投薬アセンブリの寿命の終わりに影響することになる。例えば、投薬アセンブリが取り付けられたときにタイマを始動させ、その時間を投薬アセンブリの寿命の終わりに達したかどうかの単一の判断基準として用いることができる。
【0027】
別法として、または加えて、別の情報を用いること、例えば、投薬アセンブリが取り付けられてから温度が特定の限度を超えて上昇したかどうか、または投薬アセンブリが取り付けられてからどのくらいの頻度で投薬アセンブリが使用されたかの情報を用いることもまた可能である。このため、それぞれに追加の温度センサまたはカウンタが必要になる。これらの判断基準の組合せも同様に実施可能である。
【0028】
センサの信号は電気パルスまたは一定信号とすることができる。パルスは、投薬アセンブリの取付けおよび/または取外しの時点を示すことができ、一定信号は、投薬アセンブリが依然として取り付けられているかどうかを常に示すことができる。
【0029】
投薬アセンブリは、投薬アセンブリの寿命の終わりをいくつかの期間内に、かつ/または各送達の前に決定するように構成することができる。
【0030】
最後に、投薬アセンブリの寿命の終わりを示すことによって、使用者に、その投薬アセンブリはもはや使用すべきでないこと、または使用できないことについて気付かせることができる。このような表示は、例えば、表示装置を介して医療デバイスによって、または音声信号によって提示することができる。投薬アセンブリの寿命の終わりは、医療デバイスの使用を阻止することによって、暗黙的に示すこともまた可能である。
【0031】
本発明による医療デバイスの好ましい一実施形態によれば、制御ユニットは、投薬アセンブリの寿命の終わりに達した場合に、医療デバイスのそれ以上の使用を阻止するように構成される。このようにして医療デバイスの特別な安全使用を実現することができる。というのは使用者は、投薬アセンブリが寿命の終わりに達した医療デバイスを偶発的または意図的に使用することができないからである。
【0032】
使用阻止は、例えば、いかなる投薬動作の実行も許可しないソフトウェアによって実現することができる。医療デバイスからの流体の投薬を一切阻止するために、デバイスを機械的にロックすることもまた可能である。
【0033】
好ましくはデバイスの表示装置上の表示と組み合わせて、デバイスの投薬機能だけを無効にすることも実現可能である。したがってデバイスは、デバイスに保存された以前の投薬履歴などの情報にアクセスするためには、依然として使用することできる。
【0034】
しかしながら特に好ましいのは、使用者が、例えば「投薬インターフェース期限切れ」および/または「投薬インターフェースを取り外してください」などと表示された情報によって、投薬アセンブリの交換手順全体を通して案内されること、ならびにこの交換手順の間、使用者はデバイスについてのそれ以上のいかなる情報にもアクセスできないことである。
【0035】
医療デバイスの使用は、新しい投薬アセンブリが取り付けられるまでのみ阻止される。同じ投薬アセンブリが2度取り付けられないことを確実にするために、例えばバーコード・リーダを用いて医療デバイスで読み取ることができる識別タグを投薬アセンブリに備えることが考えられる。したがって、同じ投薬アセンブリを再度取り付けることによって投薬機能が再起動することにはならない。
【0036】
制御ユニットは、投薬アセンブリの取付けをセンサが示したときにタイマを始動させるように構成されることがさらに好ましい。タイマがある特定の制限時間に達するか、または越えると、投薬アセンブリはその寿命の終わりに達している。このタイマは、投薬アセンブリの寿命の終わりを決定するのに特に容易で実現可能な手段である。このような期間は、例えば数日または数週間でありうる。この制限時間は、例えばあらかじめ決定することができる。タイマは、例えば制御ユニット内に実装することができる。
【0037】
投薬アセンブリの寿命の終わりを決定するために取付けの合計時間が使用されることは、寿命の終わりの決定をさらに改善するために他の要因を使用できることを意味しない。例えば、すでに上述したように、投薬の回数または温度などのさらなる情報は、寿命の終わりに達したときの時点を修正するために使用することができる。
【0038】
様々なタイプの投薬アセンブリがある場合、使用される投薬アセンブリによって寿命の終わりに達するまでの制限時間を修正することも考えられる。この目的のために、投薬アセンブリ上の識別タグにより、寿命の終わりに対する制限時間を推定できる情報を得ることができる。
【0039】
しかし、投薬アセンブリの寿命の終わりを決定するには、固定制限時間のみを使用することが経済的であり、また十分である可能性がある。
【0040】
新しい投薬アセンブリが取り付けられるときにタイマがなお動作している場合には、タイマは、停止させ再び始動させること、または単純にリセットすることができる。
【0041】
本発明による医療デバイスの次の実施形態によれば、センサは、医療デバイスからの投薬アセンブリの取外しを検出するように構成される。これにより、医療デバイスの安全使用が促進される。というのは、新しい投薬アセンブリを取り付けるように使用者に明確に指示することが、例えば医療デバイスの表示装置によってできるからである。取外しもまた、医療デバイスのタイマをリセットするのに用いることができる。
【0042】
使用されるセンサの種類に応じて、投薬アセンブリの取外しは、例えば、スイッチの第2の作動で、または電気接点を切り離すことで、センサによって実現することができる。
【0043】
医療デバイスは、少なくとも第1の流体を収容する第1のリザーバ、および第2の流体を収容する第2のリザーバをさらに備えることが好ましい。その場合に投薬アセンブリは、両方のリザーバに流体連結される。しかし、2つのリザーバの間の互いの流体連結を低減または除去するために弁を設けることができる。これらの流体の少なくとも一方、好ましくは両方が薬作用物質であり、薬剤を含む。
【0044】
特に複数の流体を収容する医療デバイスに関しては、本発明によるデバイスは安全性を改善し、安全使用を促進することができる。通常は別々のリザーバに収納する必要がある2つの流体は、投薬アセンブリ内で互いに接触する。投薬アセンブリ内に残留している混合物は、投薬アセンブリの汚染、微生物増殖または凝固をさらに助長する可能性がある。
【0045】
投薬アセンブリが、医療デバイスへの投薬アセンブリの再取付けを阻止するために機械的ロック・アウト機構を備えるならば有利である。これにより、投薬アセンブリが簡単な機械的手段によって1度だけ取り付けられることが可能になる。投薬アセンブリが初めて取り外された後に、ロック・アウト機構は、いかなる再取付けも阻止する状態になる。投薬アセンブリの2回目の使用がないことを保証するための、バーコード・リーダおよび投薬アセンブリ上の識別タグなどの高価なシステムは不要である。寿命の終わりを示すことと、同じ投薬アセンブリの再取付けを機械的ロック・アウト機構で阻止することを組み合わせることには、デバイスの安全な取扱いを促進する特に安全な医療デバイスを提供するという効果がある。
【0046】
ロック・アウト機構は一般に、投薬アセンブリによって与えられるいくつかのロック要素によって実現することができ、これらのロック要素は、投薬アセンブリを医療デバイスから取り外すときにインターフェース位置に入れられる。ロック・アウト機構は、例えば、投薬アセンブリ内に組み込まれたロック・アウトばねによって実施することができる。このばねは、投薬アセンブリの取付けをまず可能にするように構成される。次に、この取付けにより、ロック・アウトばねのばねアームが、投薬アセンブリを取り外すときに2回目の取付けを阻止する位置に動くようにして、ロック・アウトばねを作動または湾曲させることができる。
【0047】
本発明による医療デバイスは、医療デバイスが携帯型薬物送達デバイスである場合に特に有利である。携帯型デバイスは、様々な状況および場所で使用されるように設計され、意図されている。これにより携帯型薬物送達デバイスは、投薬アセンブリ内で流体が特に汚染されやすくなる。
【0048】
本発明の第2の態様によれば、技術的問題はさらに、投薬アセンブリの医療デバイスへの取付け、特に本発明による医療デバイスへの取付けを検出する工程と、投薬アセンブリの寿命の終わりに達したかどうかを判定する工程と、投薬アセンブリの寿命の終わりを示す工程とを含む方法によって解決される。
【0049】
本発明による方法を提供することによって、投薬アセンブリの耐用寿命の始まりは、投薬アセンブリが取り付けられる時点を利用して投薬アセンブリの耐用寿命の始まりを確定することによって検出される。投薬アセンブリの寿命または耐用寿命の終わりに達したとき、この方法により投薬アセンブリの寿命の終わりを示すことが可能になり、使用者は、投薬アセンブリが劣化した可能性があるかどうか、または微生物増殖などにより汚染されているかどうかを心配しなくてもよい。その結果、医療デバイスはデバイスの安全性の向上を示し、安全使用を促進する。
【0050】
医療デバイスの取付けの時点を利用して投薬アセンブリの寿命の終わりを決定し、寿命の終わりを示すと、あまりに高度に汚染された流体が投薬される危険を確実に最小限にすることができる。
【0051】
取付けの検出はセンサによって実現でき、投薬アセンブリの寿命の終わりの表示は、好ましくは、このような情報を医療デバイスのスクリーン上に表示することによって実現される。
【0052】
投薬アセンブリの寿命の終わりに達したかどうかの判定は、例えば、常に、定期的に、かつ/または投薬が行われる前に実行することができる。
【0053】
本発明による方法はさらに、投薬アセンブリの寿命の終わりに達した場合に、それ以上の医療デバイスの使用を阻止する工程を含むことが好ましい。
【0054】
それ以上の使用を阻止することは、例えば投薬アセンブリが交換されない限り、流体のそれ以上のいかなる投薬も阻止する制御ユニットによって実現することができる。
【0055】
本発明による方法はさらに、投薬アセンブリが取り付けられたときにタイマを始動させる工程を含むことがさらに好ましい。
【0056】
こうして、投薬アセンブリの寿命の終わりは、投薬アセンブリがどれだけ長く医療デバイスに取り付けられているかによって決定することができる。投薬アセンブリ・タイマの始動は、投薬アセンブリの取付けを知らせるセンサからの信号によって始められる。固定でも調整可能でもよい特定の制限時間に達すると、またはそれを超えると、投薬アセンブリの寿命の終わりが示される。
【0057】
本発明による方法のさらなる利点および好ましい実施形態に関しては、本発明による医療デバイスについての説明を参照されたい。
【0058】
本発明の第3の態様によれば、プログラム・コードを含むプログラムがさらに開示され、このプログラムは、プロセッサ上でプログラムが実行されたとき、本発明とそのすべての例示的実施形態とによる方法を実施する。
【0059】
プログラムは例えば、ネットワーク(例えばインターネットなど)を介して配布することができる。プログラムは例えば、可読媒体(例えば、コンピュータ可読またはプロセッサ可読の媒体)上で記憶または符号化することができる。この可読媒体は例えば、電気、磁気、電磁、光または他の記憶媒体として具現化することができ、着脱媒体とすること、または装置もしくはデバイス内に固定して装着される媒体とすることができる。可読媒体は例えば、有形の媒体(例えば有形の記憶媒体)とすることができる。
【0060】
本発明の様々な態様の上記ならびに他の利点は、添付の図面を適切に参照して以下の詳細な説明を読むことにより、当業者には明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0061】
図1】本発明による送達デバイスの、デバイスの端部キャップが取り外されている例示的な実施形態の斜視図である。
図2】カートリッジを示す、送達デバイス遠位端の斜視図である。
図3図1に示された送達デバイスの、1つのカートリッジ保持器が開位置にある斜視図である。
図4】投薬インターフェースの例示的な実施形態と、図1に示された送達デバイスの遠位端に取外し可能に取り付けることができる用量ディスペンサの例示的な実施形態とを示す図である。
図5図1に示された送達デバイスの遠位端に取り付けられている、図4に示された投薬インターフェースおよび用量ディスペンサを示す図である。
図6】送達デバイスの遠位端に取り付けることができるニードル・アセンブリの1つの配置を示す図である。
図7図4に示された投薬インターフェースの斜視図である。
図8図4に示された投薬インターフェースの別の斜視図である。
図9図4に示されたものと類似の投薬インターフェースの別の実施形態の断面図である。
図10図4に示された投薬インターフェースの分解組立図である。
図11図1に示されたデバイスと類似の薬物送達デバイスに取り付けられた投薬インターフェースおよびニードル・アセンブリの別の例示的な実施形態の断面図である。
図12】a〜cは、取付け可能な投薬インターフェースおよびセンサの例示的な実施形態の断面図である。
図13図1に示された薬物送達デバイスを動作させるための制御ユニットの機能説明ブロック図である。
図14図1に示された薬物送達デバイスのプリント回路基板アセンブリを示す図である。
図15】本発明による有形の記憶媒体の例示的な実施形態を概略的に示す図である。
図16】機械的ロック・アウト機構を有する投薬インターフェースの別の例示的な実施形態の断面図である。
図17図16に示された投薬インターフェースのロック・アウトばねの斜視図である。
図18】薬物送達デバイスに取り付けられようとしている図16に示された投薬インターフェースの斜視図である。
図19】薬物送達デバイス上の半ば着座させた位置にある、図16に示された投薬インターフェースの斜視図である。
図20】薬物送達デバイス上の完全に着座させた位置にある、図16に示された投薬インターフェースの斜視図である。
図21】薬物送達デバイスから半ば取り外された位置にある、図16に示された投薬インターフェースの斜視図である。
図22】本発明による方法の例示的な実施形態を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0062】
図1に示された、本発明による医療デバイスの例示的な実施形態としての薬物送達デバイスは、近位端16から遠位端15まで延びる主本体14を備える。遠位端15に、着脱可能端部キャップまたはカバー18が提供される。この端部キャップ18と主本体14の遠位端15は、一緒に機能してスナップ嵌合し、または嵌合連結を形成し、その結果、カバー18が主本体14の遠位端15の上まで摺動されると、このキャップと主本体外面20の間の摩擦嵌合により、カバーが主本体から不注意で脱落しないようになる。
【0063】
主本体14は、マイクロプロセッサ制御ユニット、電気機械駆動トレイン、および少なくとも2つの薬剤リザーバを含む。端部キャップまたはカバー18をデバイス10から取り除くと(図1に示す)、投薬インターフェース200が主本体14の遠位端15に取り付けられており、用量ディスペンサ(例えばニードル・アセンブリ)がそのインターフェースに取り付けられている。薬物送達デバイス10は、第2の薬剤(2次薬物化合物)の計算された用量と、第1の薬剤(1次薬物化合物)の可変用量とを両頭ニードル・アセンブリなどの単一ニードル・アセンブリを介して投与するのに使用することができる。
【0064】
駆動トレインは、第1および第2の薬剤の各用量を排出するために、各カートリッジの栓それぞれに圧力を及ぼすことができる。例えば、ピストン・ロッドがカートリッジの栓を前方に、薬剤の単一用量に対する既定量だけ押すことができる。カートリッジが空の場合、空のカートリッジを取り外し、新しいカートリッジを挿入することができるように、ピストン・ロッドは主本体14の内部で完全に後退させられる。
【0065】
制御パネル領域60が、主本体14の近位端の近くに設けられる。好ましくは、この制御パネル領域60はデジタル表示装置80を、組合せ用量を設定および注射するために使用者が操作できる複数のヒューマン・インターフェース要素と共に備える。この配置において、制御パネル領域は、第1の用量設定ボタン62、第2の用量設定ボタン64、および記号「OK」で示された第3のボタン66を備える。「戻る」ボタンなどの別のボタンを同様に設けることができる。加えて、主本体の最も近位端に沿って、注射ボタン74もまた設けられる(図1の斜視図では見えない)。
【0066】
この場合カートリッジ・ホルダ40は、主本体14に着脱可能に取り付けることができ、少なくとも2つのカートリッジ保持器50および52を収容することができる。各保持器は、ガラス・カートリッジなどの1つの薬剤リザーバを収容するように構成される。好ましくは、各カートリッジはそれぞれ異なる薬剤を収容する。
【0067】
加えて、カートリッジ・ホルダ40の遠位端において、図1に示された薬物送達デバイスは、投薬アセンブリの例示的な実施形態として投薬インターフェース200を含む。投薬インターフェース200は、カートリッジ・ホルダ40に取付け可能である。図4に関連して説明するように、1つの配置において、この投薬インターフェース200は、カートリッジ・ホルダ40の遠位端42に着脱可能に取り付けられる主外側本体212を含む。図1で分かるように、投薬インターフェース200の遠位端214は、好ましくはニードル・ハブ216を備える。このニードル・ハブ216は、従来のペン型注射ニードル・アセンブリなどの用量ディスペンサを薬物送達デバイス10に着脱可能に取り付けることが可能になるように構成することができる。投薬インターフェース200と用量ディスペンサはまた、一体化したものとして設計することもできる。
【0068】
デバイスの電源が入れられると、図1に示されたデジタル表示装置80は明るくなり、使用者に特定のデバイス情報(好ましくは、カートリッジ・ホルダ40内に収容された薬剤に関連する情報)を提供する。例えば、使用者には、1次薬剤(薬物A)と2次薬剤(薬物B)の両方に関連する特定の情報が提供される。
【0069】
図3に示されるように、第1および第2のカートリッジ保持器50、52は、ヒンジ式カートリッジ保持器とすることができる。これらのヒンジ式保持器により、使用者がカートリッジにアクセスすることが可能になる。図3は、図1に示されたカートリッジ・ホルダ40の斜視図を示すが、第1のヒンジ式カートリッジ保持器50が開位置にある。図3は、使用者が、第1の保持器50を開いて第1のカートリッジ90にアクセスすることによって、第1のカートリッジ90にアクセスする方法を示す。
【0070】
図1について論じたときに上述したように、投薬インターフェース200は、カートリッジ・ホルダ40の遠位端に連結される。図4は、カートリッジ・ホルダ40の遠位端に連結されていない投薬インターフェース200の平面図を示す。インターフェース200と共に使用できる用量ディスペンサまたはニードル・アセンブリもまた図示されており、外側保護キャップ420の中に提供される。
【0071】
図4はまた、カートリッジ・ホルダ40の遠位端42にあるセンサ43を示す。センサは、例えば、光バリア、カメラ、バーコード・リーダまたは近接センサとすることができる。センサ43は、好ましくは、カートリッジ・ホルダ40に取り付けられている投薬インターフェース200によってのみ実質的に作動させることができるような設計である。センサ43は、この目的のために凹部に位置するスイッチとすることができ、このスイッチは、スイッチの凹部に適合された投薬インターフェース200上の掛け金によって起動させることができるが、使用者が直接、偶発的に押したり起動させたりする恐れはない。
【0072】
図5に、図4に示された投薬インターフェース200がカートリッジ・ホルダ40に連結されて示されている。投薬インターフェース200とカートリッジ・ホルダ40の間の軸方向取付け手段は、スナップ・ロック、スナップ嵌合、スナップ・リング、キー付きスロット(keyed slot)、およびこのような連結の組合せを含む、当業者には知られている任意の軸方向取付け手段とすることができる。投薬インターフェースとカートリッジ・ホルダの間の連結または取付けにはまた、特有のハブが適合薬物送達デバイスに対してのみ取付け可能であることを保証する連結器、止め具、スプライン、リブ、溝、ピップ、クリップおよび同様の設計機能などの追加機能(図示せず)が含まれうる。このような追加機能は、不適切な2次カートリッジが不適合注射デバイスに挿入されないようにする。
【0073】
投薬インターフェース200は、ここでデバイス10のカートリッジ・ホルダ40に適切に取り付けられるので、センサ43は、例えばマイクロコントローラ302(図13および図14参照)である制御ユニットに信号を送る。マイクロコントローラ302は、これから先の投薬インターフェース200の寿命の終わりを決定できるようにするために、例えばタイマを始動させることができる。既定の制限時間に達した場合、医療デバイスは、投薬インターフェースの寿命の終わりを例えば表示装置80上に表示する。使用者に、投薬インターフェース200を取り外すように要求することができる。投薬インターフェースの寿命の終わりに達した後のそれ以上の使用を一切阻止するために、マイクロコントローラ302は、それ以上の用量送達を一切阻止することができる。
【0074】
投薬インターフェース200が取り外されたことをセンサ43が検出すると、使用者に、未使用の投薬インターフェース200を取り付けるように要求することができる。センサがバーコード・リーダであり、識別情報を含むバーコードを投薬インターフェースが備えている場合、それ以上のデバイスの使用を許可する前に、バーコードを読み取り、新しい投薬インターフェースが取り付けられたかどうかを調べることによって、同じ投薬インターフェースの再使用を阻止することが可能である。
【0075】
図5はまた、投薬インターフェース200の遠位端に連結されたニードル・アセンブリ400および保護カバー420を示し、これらはインターフェース200のニードル・ハブに螺着することができる。図6は、図5の投薬インターフェース200に取り付けられた両頭ニードル・アセンブリ402の断面図を示す。
【0076】
図6に示されたニードル・アセンブリ400は、両頭針406およびハブ401を含む。両頭針または両頭カニューレ406は、ニードル・ハブ401内に固定して取り付けられる。このニードル・ハブ401は円板形要素を備え、この要素は、その周辺に沿って外周垂下スリーブ(circumferential depending sleeve)403を有する。このハブ部材401の内壁に沿って、ねじ山404が設けられる。このねじ山404により、ニードル・ハブ401は、好ましい一実施形態において、対応する外側ねじ山を遠位ハブに沿って備える投薬インターフェース200に螺着されることが可能になる。ハブ要素401の中心部に突起402が設けられる。この突起402は、ハブからスリーブ部材の反対方向に突出する。両頭針406は、突起402およびニードル・ハブ401の中心を貫通して取り付けられる。この両頭針406は、両頭針の第1または遠位の穿孔端405が、注射部位(例えば、使用者の皮膚)を穿孔するための注射部材を形成するように取り付けられる。
【0077】
同様に、ニードル・アセンブリ400の第2または近位の穿孔端407は円板の反対側から、スリーブ403によって同心円状に取り囲まれるように突出する。1つのニードル・アセンブリ配置では、第2または近位の穿孔端407はスリーブ403よりも短くすることができ、その結果このスリーブは、バック・スリーブのとがらせた端をある程度保護することになる。図4および図5に示された針カバー・キャップ420は、ハブ401の外面403を取り囲む嵌合をする。
【0078】
次に図8〜11を参照して、このインターフェース200の好ましい1つの配置についてここで論じる。この好ましい1つの配置において、このインターフェース200は:
a.主外側本体210、
b.第1の内側本体220、
c.第2の内側本体230、
d.第1の穿孔針240、
e.第2の穿孔針250、
f.弁封止260、および
g.セプタム270
を含む。
【0079】
主外側本体210は、主本体近位端212および主本体遠位端214を備える。外側本体210の近位端212において、連結部材が、投薬インターフェース200をカートリッジ・ホルダ40の遠位端に取り付けることが可能になるように構成される。好ましくは、この連結部材は、投薬インターフェース200を取外し可能にカートリッジ・ホルダ40に連結することが可能になるように構成される。好ましい1つのインターフェース配置では、インターフェース200の近位端は、少なくとも1つの凹部を有する上向きに延びる壁218で構成される。例えば、図8から分かるように、上向きに延びる壁218は、少なくとも第1の凹部217および第2の凹部219を備える。
【0080】
好ましくは、第1および第2の凹部217、219は、薬物送達デバイス10のカートリッジ・ホルダ40の遠位端近くに置かれた外向き突出部材と協働するように、この主外側本体壁の中に位置する。例えば、カートリッジ・ホルダのこの外向き突出部材48は、図4および図5に見ることができる。第2の類似の突出部材が、カートリッジ・ホルダの反対側に設けられる。そのため、インターフェース200がカートリッジ・ホルダ40の遠位端を越えて軸方向に摺動されると、外向き突起部材は第1および第2の凹部217、219と協働して、締まりばめ、嵌合、またはスナップ・ロックを形成する。別法として、また当業者には理解されるように、投薬インターフェースとカートリッジ・ホルダ40を軸方向に連結することを可能にする他の任意の類似の連結機構を同様に使用することもできる。
【0081】
主外側本体210とカートリッジ・ホルダ40の遠位端とは、カートリッジ・ホルダの遠位端に軸方向に摺動させることができる軸方向係合スナップ・ロック配置またはスナップ嵌合配置を形成する働きをする。1つの代替配置では、投薬インターフェース200は、不注意な投薬インターフェース混成使用を阻止するように符号化機能を備えることができる。すなわち、ハブの内側本体は、1つまたはそれ以上の投薬インターフェースの不注意な混成使用を阻止するような幾何学的構成にすることができる。
【0082】
図8、9および10からさらに分かるように、投薬インターフェース200は、図4に示されたセンサ43と相互に関連することができる領域201を備える。このような特異的に適合された領域201は、例えばバーコードを備えることができ、このバーコードは、投薬インターフェース200の取付けを検出するために、または投薬インターフェース200がすでに使用されているかどうかを検出するために、センサ43によって読み取られる。このような領域201はまた、例えば導電領域とすることもできる。この場合、センサ43は2つの電気接点とすることができ、これらの接点は、センサ43の2つの接点間の電流または電圧を検出できるときに投薬インターフェース200の取付けを検出するが、この検出は、導電領域がセンサ43の両方の電気接点に接触するときに可能になる。投薬インターフェースが取り外され、センサ43の接点が遮断されると、投薬インターフェース200の分離を検出することができる。
【0083】
取付けハブが、投薬インターフェース200の主外側本体210の遠位端に設けられる。このような取付けハブは、ニードル・アセンブリに解放可能に連結されるように構成することができる。単なる一例として、この連結手段216は、図6に示されたニードル・アセンブリ400などのニードル・アセンブリのニードル・ハブの内壁面に沿って設けられた内側ねじ山と係合する、外側ねじ山を備えることができる。スナップ・ロック、ねじ山によって解放されるスナップ・ロック、バヨネット・ロック、嵌合、または他の同様な連結配置など、代替の解放可能連結器もまた設けることができる。
【0084】
投薬インターフェース200はさらに、第1の内側本体220を備える。この内側本体の特定の細部が図8〜11に示されている。好ましくは、この第1の内側本体220は、主外側本体210の延長壁218の内面215に連結される。より好ましくは、この第1の内側本体220は、リブと溝の嵌合配置によって外側本体210の内面に連結される。例えば、図9から分かるように、主外側本体210の延長壁218には、第1のリブ213aおよび第2のリブ213bが設けられる。この第1のリブ213aは図10にも示されている。これらのリブ213aおよび213bは、外側本体210の壁218の内面215に沿って位置し、協働する第1の内側本体220の溝224aおよび224bとの嵌合係合またはスナップ・ロック係合を作る。好ましい配置では、これらの協働する溝224aおよび224bは、第1の内側本体220の外面222に沿って設けられる。
【0085】
加えて、図8〜10で分かるように、第1の内側本体220の近位端近くの近位面226は、近位穿孔端部244を備える少なくとも第1の近位に位置する穿孔針240を有して構成することができる。同様に、第1の内側本体220は、近位穿孔端部254を備える第2の近位に位置する穿孔針250を有して構成される。第1の針240も第2の針250も、第1の内側本体220の近位面226に堅固に取り付けられる。
【0086】
好ましくは、この投薬インターフェース200はさらに弁配置を備える。このような弁配置は、第1および第2のリザーバにそれぞれ収容された第1と第2の薬剤の相互混入を防止するように構成することができる。好ましい弁配置はまた、第1と第2の薬剤の逆流および相互混入を防止するように構成することもできる。
【0087】
1つの好ましいシステムでは、投薬インターフェース200は、弁封止260の形の弁配置を含む。このような弁封止260は、保持チャンバ280を形成するように、第2の内側本体230によって画成された空洞231の内部に設けることができる。好ましくは、空洞231は、第2の内側本体230の上面に沿って存在する。この弁封止は、第1の流体溝264と第2の流体溝266の両方を画成する上面を備える。例えば、図9は、第1の内側本体220と第2の内側本体230の間に着座させた弁封止260の位置を示す。注射工程の間、この封止弁260は、第1の経路内の1次薬剤が第2の経路内の2次薬剤まで移動しないようにする助けになり、また第2の経路内の2次薬剤が第1の経路内の1次薬剤まで移動しないようにもする。好ましくは、この封止弁260は、第1の逆止め弁262および第2の逆止め弁268を備える。そのため、第1逆止め弁262は、第1の流体経路264(例えば、封止弁260の溝)に沿って移動する流体がこの経路264の中に戻らないようにする。同様に、第2の逆止め弁268は、第2の流体経路266に沿って移動する流体がこの経路266の中に戻らないようにする。
【0088】
第1の溝264と第2の溝266は共に、それぞれ逆止め弁262および268の方に互いに近寄ってから、出力流体路または保持チャンバ280になる。この保持チャンバ280は内側チャンバによって画成され、この内側チャンバは、穿孔可能セプタム270に加えて第2の内側本体の遠位端、第1の逆止め弁262と第2の逆止め弁268の両方によって画成される。図示のように、この穿孔可能セプタム270は、第2の内側本体230の遠位端部と、主外側本体210のニードル・ハブによって画成された内面との間に位置する。
【0089】
保持チャンバ280は、インターフェース200の排出ポートで終端する。この排出ポート290は、好ましくはインターフェース200のニードル・ハブ内の中心に置かれ、穿孔可能封止270を固定位置に維持する助けになる。そのため、両頭ニードル・アセンブリがインターフェースのニードル・ハブに取り付けられる場合(図6に示された両頭針など)、出力流体路が、両方の薬剤がその取り付けられたニードル・アセンブリと流体連通することを可能にする。
【0090】
ハブ・インターフェース200はさらに、第2の内側本体230を備える。図9から分かるように、この第2の内側本体230は、凹部を画成する上面を有し、弁封止260はこの凹部の中に位置する。したがって、インターフェース200が図9に示されるように組み立てられると、第2の内側本体230は、外側本体210の遠位端と第1の内側本体220との間に位置することになる。第2の内側本体230と主外側本体が一緒になって、セプタム270を適所に保持する。内側本体230の遠位端はまた、弁封止の第1の溝264とも第2の溝266とも流体連通するように構成できる空洞または保持チャンバを形成することができる。
【0091】
薬物送達デバイスの遠位端を越えて主外側本体210を軸方向に摺動させると、投薬インターフェース200が多目的デバイスに取り付けられる。このようにして、第1のカートリッジの1次薬剤および第2のカートリッジの2次薬剤がそれぞれ伴う第1の針240と第2の針250の間に流体連通を生じさせることができる。
【0092】
図11は、図1に示された薬物送達デバイス10のカートリッジ・ホルダ40の遠位端42に取り付けられた後の投薬インターフェース200を示す。両頭針400もまた、このインターフェースの遠位端に取り付けられる。カートリッジ・ホルダ40は、第1の薬剤を収容する第1のカートリッジ、および第2の薬剤を収容する第2のカートリッジを有するものとして図示されている。
【0093】
インターフェース200がまず、カートリッジ・ホルダ40の遠位端を覆って取り付けられると、第1の穿孔針240の近位穿孔端244は、第1のカートリッジ90のセプタムを穿孔し、それによって、第1のカートリッジ90の1次薬剤92と流体連通の状態になる。第1の穿孔針240の遠位端もまた、弁封止260によって画成された第1の流体路溝264と流体連通することになる。
【0094】
同様に、第2の穿孔針250の近位穿孔端254は、第2のカートリッジ100のセプタムを穿孔し、それによって、第2のカートリッジ100の2次薬剤102と流体連通の状態になる。第2の穿孔針250の遠位端もまた、弁封止260によって画成された第2の流体路溝266と流体連通することになる。
【0095】
図11は、薬物送達デバイス10の主本体14の遠位端15と連結されている、このような投薬インターフェース200の好ましい配置を示す。好ましくは、このような投薬インターフェース200は、薬物送達デバイス10のカートリッジ・ホルダ40に取外し可能に連結される。
【0096】
図11に示されるように、投薬インターフェース200はカートリッジ・ホルダ40の遠位端に連結される。このカートリッジ・ホルダ40は、1次薬剤92を収容する第1のカートリッジ90と、2次薬剤102を収容する第2のカートリッジ100とを収容するものとして図示されている。カートリッジ・ホルダ40に連結されると、投薬インターフェース200は本質的に、第1および第2のカートリッジ90、100から共通保持チャンバ280までの流体連通路を得るための機構を提供する。この保持チャンバ280は、用量ディスペンサと流体連通しているとして図示されている。ここでは、図示のように、この用量ディスペンサは両頭ニードル・アセンブリ400を備える。図示のように、両頭ニードル・アセンブリはチャンバ280と流体連通している。
【0097】
1つの好ましい配置では、投薬インターフェースは、1つの方向でしか主本体に取り付けられないように、すなわち一方向にのみ嵌合されるように構成される。図11に示されるように、投薬インターフェース200がカートリッジ・ホルダ40に取り付けられると、1次針240は、第1のカートリッジ90の1次薬剤92との流体連通にしか使用することができず、インターフェース200は、1次針240が次に第2のカートリッジ100の2次薬剤102との流体連通に使用できるようにホルダ40に再度取り付けられることが阻止される。このような一方向連結機構は、2つの薬剤92と102の間で起こりうる相互混入を低減する助けになりうる。
【0098】
図11からさらに分かるように、医療デバイス10のカートリッジ・ホルダ40はさらに、その遠位端42にセンサとして2つのスイッチ43aおよび43bを備える。投薬インターフェース200がカートリッジ・ホルダ40に取り付けられるとき、スイッチ43a、43bが起動し、この場合には、それぞれリザーバ90および100の方に押される。両方のスイッチ43a、43bが起動し、取付けを検出することができ、かつ信号を制御ユニット(例えば、マイクロコントローラ302)へ送ることができる場合、スイッチ43a、43bは、投薬インターフェース200が適正に取り付けられたことを示す。投薬インターフェースが再び取り外された場合、スイッチは、例えば、ばね(図示せず)の力によって、カートリッジから離れた状態にすぐに戻ることができる。こうして、スイッチ43a、43bは、投薬インターフェース200の次の取付けを直ちに検出することができる。
【0099】
図12a〜cは、取付け可能な投薬アセンブリの完全な取付けを検出するためのセンサまたは機構の別の実施形態を示しており、投薬インターフェース200を薬物送達デバイス10に取り付けている断面図が示されている。薬物送達デバイス10は、プッシュ・ロッド601を含む配置600を検出する形のセンサを備える。例えば、検出配置600は、カートリッジ・ホルダ40によって形成された空洞内に少なくとも部分的に配置される。
【0100】
プッシュ・ロッド601が薬物送達デバイス10内に弾性的に保持され、薬物送達デバイス内で少なくとも縦方向に可動になるように、カートリッジ・ホルダ40に連結されているばね602が、プッシュ・ロッド601の近位端に配置される。
【0101】
検出配置600はさらに、空洞43の側壁に縦方向に配置されている第1のスイッチ603および第2のスイッチ604を備える。ここで、第1のスイッチ603は、カートリッジ・ホルダ40の、第2のスイッチよりも遠位端42の近くに配置される。言い換えると、第1のスイッチ603は薬物送達デバイス10の遠位に位置し、第2のスイッチ604は近位に位置する。第1のスイッチ603および第2のスイッチ604は、第1および第2の検出ユニットを形成する圧力起動式スイッチである。具体的には、第1のスイッチ603および第2のスイッチ604は、圧力がそれぞれのスイッチに加えられたときにだけ起動し、それ以外では不起動状態になる。各スイッチは、薬物送達デバイス10の、図13のマイクロコントローラ302などのマイクロプロセッサ制御ユニットに接続されて、起動および不起動をマイクロプロセッサ制御ユニットに論理的に信号で伝えることができる。
【0102】
第1のスイッチ603および第2のスイッチ604の方に向けられたプッシュ・ロッド601の側面は、2つの平行面部分605、606および傾斜面部分607の3つの部分から形成される。傾斜面部分607は、プッシュ・ロッドの近位端で平行面部分605が後退するように、平行面部分605、606の間に配置される。ロッド608が、プッシュ・ロッド601の遠位端に配置される。
【0103】
図12aで、投薬インターフェース200は薬物送達デバイス10に取り付けられていない。詳細には、ロッド608と投薬インターフェース200の面226との間に接触がない。したがって、ばね602は緩和しており、プッシュ・ロッド601は、薬物送達デバイス10内の第1の位置に保持されている。薬物送達デバイス10内のプッシュ・ロッド601のこの第1の位置では、第1のスイッチ603および第2のスイッチ604は、それぞれ後退平行面部分605およびばね602と向き合う。詳細には、プッシュ・ロッド601の側面と第1のスイッチ603および第2のスイッチ604との間に接触がない。両方のスイッチが不起動状態になっている。
【0104】
図12bでは、投薬インターフェース200が、カートリッジ・ホルダ40の遠位端42と心合わせされ、薬物送達デバイス10の方に押されて、薬物送達デバイス10のカートリッジ・ハウジング40の遠位端42を越えて軸方向に摺動されるように、投薬インターフェース200を薬物送達デバイス10に取り付けることが開始されている。それによって、ロッド608の遠位端は、投薬インターフェース200の面226に存在し、さらに薬物送達デバイス10の方に押され、その結果、投薬インターフェース200を薬物送達デバイス10に取り付けている間、薬物送達デバイスに向かう投薬インターフェース200の動きが、対応するプッシュ・ロッド601の動き、およびばね602の圧縮を推進することになる。
【0105】
プッシュ・ロッド601が対応して動かされるとき、第1のスイッチ603および第2のスイッチ604は、プッシュ・ロッド601の側面の傾斜面部分607に沿って平行面部分606の方に摺動し、それによって、増大する圧力がスイッチに加えられる。圧力閾値を乗り越えると、例えば、第1のスイッチ603および第2のスイッチ604が起動されるが、これらのスイッチは、平行面部分606(すなわち、プッシュ・ロッドの起動部分)上に存在するときに起動する。その遠位の位置により、第1のスイッチ603は平行面部分606に、第2のスイッチ604がそこに存在する前に存在し、したがって先に起動される。図12に示されるように取付けが開始されたときに、第1のスイッチ603は平行面部分606に存在しており、起動される。
【0106】
図12cでは、薬物送達デバイス10への投薬インターフェース200の取付けが完了しており、その結果、投薬インターフェースは、第1のカートリッジ90の1次薬剤92および第2のカートリッジ100の2次薬剤102と流体連通して存在することになる。さらに、カートリッジ・ハウジングの突起部材(例えば、突起部材48)は、投薬インターフェース200の第1および第2の凹部217、219と協働して、スナップ・ロックなどの固定された機械的連結部を形成する。
【0107】
薬物送達デバイス10への投薬インターフェース200の取付けが図12cに示されるように完了したとき、第2のスイッチ604もまた平行面部分606に存在しており、起動される。ばね602は圧縮され、プッシュ・ロッドは第2の位置にある。
【0108】
この位置で投薬インターフェース200は、カートリッジ・ハウジング40に完全に取り付けられたとみなされ、投薬インターフェース200の寿命を測定するためのタイマを始動させることができる。
【0109】
投薬インターフェース200が薬物送達デバイス10から解放されると、圧縮されたばね602は緩和し、プッシュ・ロッド601を元の第1の位置まで動かし、場合により投薬インターフェース200を逆止め位置(すなわち、図12bに示された位置)まで動かす。それによって、まず第2のスイッチ604、次に第1のスイッチ603が傾斜面部分607に沿って後退平行面605の方へ摺動し、続いて不起動状態になる。
【0110】
第1および/または第2のスイッチが停止状態であるとき、投薬インターフェースを完全に取り外すために、また新しい投薬インターフェース200の取付けが強要されるように、
【0111】
図13は、図1に示された薬物送達デバイスを動作させ制御するための制御ユニットの機能ブロック図を示す。図14は、図13に示された制御ユニットの特定の部分を備えることができるプリント回路基板(PCB)またはプリント回路基板アセンブリ(PCBA)350の1つの配置を示す。以下で説明する構成要素はまた、別個の回路基板によって提供することもできる。
【0112】
次に図13図14の両方を参照すると、制御ユニット300はマイクロコントローラ302を備えることが分かる。マイクロコントローラは、薬物送達デバイス10の電子システムを制御するのに使用される。
【0113】
制御ユニットはさらに、マイクロコントローラ302および他の回路要素に連結された電力管理モジュール304を備える。電力管理モジュール304は、電池306などの主電源から供給電圧を受け、この供給電圧を、制御ユニット300の他の回路構成要素で必要とされる複数の電圧へと調整する。
【0114】
電池306は、制御ユニット300に電力を供給するが、好ましくは、単一のリチウムイオン・セルまたはリチウムポリマー・セルから電力を得る。このセルは、過熱、過充電および過放電に対し保護するための安全回路を含む電池パック内に封入することができる。電池充電器308を電池306に連結することができる。
【0115】
好ましくは、制御ユニットはさらに複数のスイッチ316を備える。図示の配置では、制御ユニット300は2つのスイッチ316を備えることができ、これらのスイッチはデバイスのまわりに分散させることができる。これらのスイッチ316を使用して、特に、投薬インターフェース200が適切に薬物送達デバイス10に取り付けられたかどうかを検出および/または確認することができる。このようなスイッチは、図11に例示的に示されている。取外し可能キャップ18が薬物送達デバイス10の主本体20に適切に取り付けられたかどうか、第1のカートリッジ90用のカートリッジ・ホルダ40の第1のカートリッジ保持器50が適切に閉じられたかどうか、第2のカートリッジ100用のカートリッジ・ホルダ40の第2のカートリッジ保持器52が適切に閉じられたかどうかを検出および/または確認するために、あるいは第1のカートリッジ90および/または第2のカートリッジ100が存在することを検出するために、追加のスイッチがさらにありうる。
【0116】
投薬インターフェース200が薬物送達デバイス10に適切に取り付けられたかどうかを検出するために、別法として、またはスイッチに加えて、別のセンサ(例えば、光バリア、カメラ、バーコード・リーダ、近接センサなど)を設けることもできる。
【0117】
これらのスイッチおよび/またはセンサ316は、マイクロコントローラ302のデジタル入力部(例えば、汎用デジタル入力部)に接続される。好ましくは、これらのデジタル入力部は、必要な入力ラインの数を減らすために多重化することができる。スイッチ状態の変化に適時に応答することを確実にするために、割り込み回線もまたマイクロコントローラ302に対し適切に使用することができる。
【0118】
加えて、また上記でより詳細に説明したように、制御ユニットはまた、複数のヒューマン・インターフェース要素すなわち押しボタン318に動作可能に連結することもできる。1つの好ましい配置では、制御ユニット300は8つの押ボタン318を備え、これらは、様々な使用者入力機能に対し使用者が入力するためにデバイス上で使用される。
【0119】
これらのボタン318は、マイクロコントローラのデジタル入力部(例えば、汎用デジタル入力部)に接続される。やはり、これらのデジタル入力部は、必要な入力ライン数を減らすために多重化することができる。スイッチ状態の変化に適時に応答することを確実にするために、割り込み回線がマイクロコントローラに対し適切に使用される。例示的な一実施形態では、1つまたはそれ以上のボタンの機能をタッチ・スクリーンに置き換えることができる。
【0120】
加えて、制御ユニット300はリアル・タイム・クロック320を備える。リアル・タイム・クロック320は、シリアル周辺インターフェースまたは類似物を使用してマイクロコントローラ302と通信することができる。リアル・タイム・クロックは、例えば、投薬インターフェースの寿命の終わりを決定するためのタイマとして使用することができる。このために、投薬インターフェース200が医療デバイス10に取り付けられたときの時間が、例えばメモリ・デバイス324に保存される。現在の時間と保存された時間の差により、投薬インターフェースの取付け期間が得られる。リアル・タイム・クロックは、別法としてマイクロコントローラ302に組み込むこともできる。こうすると、投薬アセンブリの寿命を測定するタイマを実現するための空間および構成要素がさらに節減される。
【0121】
デバイスのデジタル表示装置モジュール322は、好ましくはLCDまたはOLED技術を使用し、例えば表示装置80の使用者に視覚信号を提供する。表示装置モジュールは、表示装置自体および表示装置ドライバ集積回路を内蔵する。この回路は、シリアル周辺インターフェースまたは並列バスを使用してマイクロコントローラ302と通信する。投薬インターフェース200の寿命の終わりは、表示装置によって示すことができる。使用者にはまた、現在の投薬インターフェース200を取り外すこと、または新しい投薬インターフェース200を取り付けることを要求することもできる。
【0122】
前述のように、音響器330もまた、薬物送達デバイス10に設けることができる。提案されている音響器を使用して可聴信号を使用者に提供することができる。投薬インターフェースの寿命の終わりに関する視覚信号の代わりに、またはそれに加えて、可聴情報を同じ理由で提供することができる。
【0123】
制御ユニット300はさらに、第1のモータ・ドライバ332および第2のモータ・ドライバ334を備える。例えば、モータ・ドライブがステップ・モータ・ドライブを備える場合、このドライブは、汎用デジタル出力部を使用して制御することができる。あるいは、モータ・ドライブがブラシレスDCモータ・ドライブを備える場合、このドライブは、パルス幅変調(PWM)デジタル出力部を使用して制御することができる。これらの信号は、モータ巻線を通る電流をスイッチングする電力段を制御する。電力段は、継続的な電気コミュテーションを必要とする。これにより、例えば、デバイス安全性を向上し、誤った薬物送達の可能性を低下させることができる。
【0124】
モータ・ドライバ332、334はまた、マイクロコントローラ302と通信する別のモータ・ドライブ・マイクロコントローラ(図示せず)によって制御することもできる。
【0125】
電力段は、ステップ・モータごとのデュアルHブリッジ、またはブラシレスDCモータごとの3つの半ブリッジから構成することができる。これらは、個別半導体部材またはモノリシック集積回路を使用して実施することができる。
【0126】
制御ユニット300はさらに、第1および第2のモータ336、338それぞれを備えることができる。第1のモータ336は、第1のカートリッジ90内のストッパ(図示せず)を動かすのに使用することができる。同様に、第2のモータ338は、第2のカートリッジ内のストッパ(図示せず)を動かすのに使用することができる。これらのモータは、ステップ・モータ、ブラシレスDCモータ、または他の任意の種類の電気モータとすることができる。モータの種類により、使用されるモータ・ドライブ回路の種類を決めることができる。デバイスの電子回路は、1つの剛性の主回路基板アセンブリを、例えばモータ巻線およびスイッチに接続する必要に応じて、場合により追加の小さい可撓性の部分と共に用いて実装することができる。
【0127】
デバイスを使用させないようにするには、マイクロプロセッサ302は、例えば、信号がモータ・ドライバ332、334に送られることを不可能にすることによって、デバイス10を使用させないようにすることができる。このようにして、デバイスはなお、投薬以外の処置に使用可能である。
【0128】
図15は、本発明による有形の記憶媒体340の例示的な実施形態を概略的に示す。有形の記憶媒体340は、例えば、医療デバイス(特に本発明による医療デバイス)への投薬アセンブリの取付けを検出し、投薬インターフェースの寿命の終わりに達したかどうかを判定し、かつ投薬アセンブリの寿命の終わりを示すためのプログラム・コード344を有する、コンピュータ・プログラム342を記憶することができる。有形の記憶媒体340は、可読媒体(例えば、コンピュータ可読またはプロセッサ可読媒体)である。したがって、有形の記憶媒体340に記憶されたコンピュータ・プログラム342は、コンピュータまたはプロセッサによって実行可能なものとすることができる。有形の記憶媒体340は、例えば、電気、磁気、電磁、光または他の有形の記記憶媒体として具現化することができ、着脱可能媒体とすること、または、例えば図1の医療デバイス10などの、装置もしくはデバイス内に固定して装着される媒体とすることができる。
【0129】
図16は、投薬インターフェース1200の別の実施形態の断面を示す。この投薬インターフェースもまた、投薬インターフェース200に関連して論じたセンサを起動するように適合させることができる。
【0130】
図16から分かるように、投薬インターフェース1200は、投薬インターフェース・ロック・アウト部材の形の機械的ロック・アウト機構をロック・アウトばね2600の形でさらに備える。図17は、このようなロック・アウト部材2600の初期の付勢されていない、または応力がかけられていない状態における、このような1つの配置の斜視図を示す。図1に示されたインターフェース200などの投薬インターフェースにロック・アウト部材が組み込まれうる1つの理由は、投薬インターフェースが薬物送達デバイスから取り外された後に、投薬インターフェースを再度取り付けて2回使用することを確実に不可能にするためである。再取付けを阻止することは、薬剤が投薬インターフェース1200の中にいつまでも存在し、患者に送達される薬物が汚染されることを確実に不可能にするのに役立つ。こうすることは、投薬インターフェースの寿命制限と組み合わせて特に有利である。
【0131】
図16および図17に示された配置では、ロック・アウトばねは、第1の位置すなわち初期位置にある。図示のように、ロック・アウトばね2600は、遠位ばね端2604から近位ばね端2610へ延びる。ロック・アウトばね2600は、その遠位端2604近くに、ばね先端部2620を備える。このばね先端部2620は、凹部2624を画成するタブ2622を備える。
【0132】
ロック・アウトばね2600は、その近位端2610近くに、第1のばねアーム2630および第2のばねアーム2340を備える。例えば、第1のばねアーム2630は、ばね2600の第1のピボット点2632から近位に延びる。同様に、第2のばねアーム2640は、ばね2600の第2のピボット点2642から近位に延びる。図16に示された初期のばね位置では、第1および第2のばねアーム2630、2640の両方が応力のかかっていない状態にある。すなわち、アームは両方とも半径方向に外向きに、第1のばねアーム2630と第2のばねアーム2640の間に作り出された口の初期距離DM1 2644(図17参照)を規定する間隔量だけ互いに遠ざかって曲がっている。ばね2600が応力のかかった状態に置かれると(ばねをロック・アウトして再取付けを阻止するように)、第1のばねアーム2630と第2のばねアーム2640は、それぞれ第1および第2のピボット点2632、2642で互いの方に曲がる。こうして曲がることにより、アーム2630、2640は、口の初期距離DM1をそれより小さい第2の口距離DM2まで低減する。
【0133】
図18は、図18の薬物送達デバイス1150などの薬物送達デバイスの遠位端に取り付けられようとしている、図16に示された投薬インターフェース1200を示す。この取付け前の図では、投薬インターフェース1200の中に収容されたロック・アウトばねは、図16に示された第1の位置すなわち初期位置にある。
【0134】
図19は、投薬インターフェースを第1の取付け位置まで動かした後の、図18に示された投薬インターフェース1200を示す。説明を容易にするために、投薬インターフェース1200の外側本体1210などのいくつかの構成要素部材が、ロック・アウトばねの様々な構成を図示および/または説明できるように取り除かれている。例えば、この図示された初期取付け位置では、投薬インターフェース1200の外側本体1210は、ロック・アウトばね2600を示すために、また薬物送達デバイス1150への投薬インターフェースの取付け時にロック・アウトばねがどのように状態を変えるかを示すために、取り除かれている。図示のように、第1および第2のばねナックル2650、2660の両方が薬物送達デバイスの遠位端1152に入っており、カートリッジ・ホルダの面と接触している。例えば、第1のばねナックル2650は、第1のカートリッジ・ホルダ面1175bと接触し、第2のばねナックル2660は、第2のカートリッジ・ホルダ面1175aと接触している。また図示のように、ロック・アウトばねアーム2630、264
0の両方が、薬物送達デバイスの遠位端に入っており、デバイスの外側本体とカートリッジ・ホルダの間にある。しかし、投薬インターフェースがこの図示の初期位置から近位方向に動き続けるにつれ、カートリッジ・ホルダ面1175a、bは、第1および第2のばねナックル2650、2660に圧力を及ぼし始める。この及ぼされた圧力により、第1および第2のばねアーム2630、2640が口の初期直径DM1を低減するように内向きに、互いの方に曲げられる傾向がある。
【0135】
投薬インターフェース1200の近位端が薬物送達デバイス1150の遠位端に入った後、投薬インターフェースの内側本体2000に取り付けられるときに、ばね先端部2620は、内側本体2000上に設けられた保持リブに取り付けられる。例えば、図19は、第1の位置すなわち初期位置で内側本体2000に取り付けられるロック・アウトばね2600を示す。この初期位置では、ばね先端部2620は、内側本体2000上の保持リブ2090の上に存在する。加えて、ばね先端部2620の底部平坦面2622は、内側本体2000の第1の外側突起2006の平坦遠位面に隣接して存在する。
【0136】
この初期状態のとき、ばねのアームは、ばねアセンブリの中心から遠ざかって外向きに曲がるように配置されている。そのため、投薬インターフェース1200が薬物送達デバイスの遠位端の上に嵌合されると、デバイスの遠位面はロック・アウトばね2600を押して、ばねを遠位方向に強制的に動かす。ばね2600のこの軸方向の動きにより、ばねは、そのばねアーム2630、2640付近で曲がることになる。これらのアームが、薬物送達デバイスのカートリッジ扉が存在することによって回転しないようになっているので、ばねは遠位方向に摺動する。この遠位の動きは、ばね先端部2622が内側本体2000上の保持リブ2090を越えてカチッと留まるまで行われる。
【0137】
図20は、図19に示された投薬インターフェース1200を、完全に着座させた位置で示す。図示のように、この完全に着座させた位置では、第1および第2のばねアーム2630、2640の両方が今ではカートリッジ・ホルダの外面に沿って存在し、それによって、これらのカートリッジに対して内向きに向けられた圧力を及ぼす。加えて、第1のピボット点2632と第1のナックル2650の間に存在する第1のばね部分は、第1のカートリッジ・ホルダ面1175bに沿って平らになる。同様に、第2のピボット点と第2のナックル2660の間に存在する第2のばね部分もまた、第2のカートリッジ・ホルダ面1175aに沿って平らになる。ばね先端部2620が内側本体2000の保持リブ2090を越えてカチッと留まると、ばね先端部2620は、ばね先端部2620が保持リブ2090を越えて戻ることができるように近位方向に後退することが容易にできない。そのため、第1および第2のばねアーム2630、2640は、デバイスから投薬インターフェースが取り外されるときまでカートリッジ・ホルダに押し付けられているので、ばね力が第1および第2のばねアーム2630、2640の中に蓄積される。
【0138】
薬物送達デバイス上の解放ボタン(図示せず)は、取り付けられた投薬インターフェース1200を使用者が取り外すことができるように押すこと、または手動で起動することができる。図21は、第1の位置の投薬インターフェース1200を、それが薬物送達デバイス1150の遠位端から取り外されているときに示す。投薬インターフェース1200がデバイスから取り外されるとき、カートリッジ扉の遠位端は、内向きに付勢された第1および第2のばねアーム2630、2640との係合から脱して動く。そのため、両方のばねアーム2630、2640は、緩和するときに回転し、互いの方へ逆に曲がることができる。
【0139】
ばね2600のばねアーム2630、2640が回転すると、これらは、図21に示される干渉位置にある。例えば、この干渉位置では、投薬インターフェース1200を薬物送達デバイス1150に再取付けしようとしても、ばねアーム2630、2640が、もはや図19に示された大きい口距離DM1だけ離れて間隔があいていなく、小さい口距離DM2だけ離れて間隔があいているので、ばねアーム2630、2640が薬物送達デバイスのカートリッジ・ホルダの遠位端と干渉することになる。そのため、投薬インターフェース1200は、薬物送達デバイスに再取付けされないようになり、それによって、この投薬インターフェース1200のさらなる取付けがロック・アウトすなわち阻止される。内側本体2000の形状、およびそれがばねに付与する支持は、投薬インターフェースを元の薬物送達デバイスに再嵌合させようとする使用者が、ロック・アウトばね2600を不適当に押し付ける、または押すことが容易にはできないことを確実にする助けになる。
【0140】
図22は、本発明による方法の例示的な一実施形態を流れ図で示す。工程350で、医療デバイスへの投薬インターフェースの取付けを検出する。これは、例えば、センサ43、43aおよび/または43bによって実現することができる。対応するセンサが信号を制御ユニット(例えば、マイクロコントローラ302)へ送ると、タイマが始動される。以前に取り付けられた投薬インターフェースまたはアセンブリによりタイマがすでに動作している場合には、タイマをリセットする。
【0141】
次に、工程354および356は、1つまたはそれ以上の薬剤を投薬するためのデバイスの使用時の、本発明による医療デバイスの例示的な実施形態の挙動を示す。投薬されるべき用量を使用者が要求するたびに、工程354でマイクロコントローラは、投薬インターフェースの寿命の終わりに達しているか、またはすでに達したかどうかを判定するために、タイマが依然として、取り付けられている投薬インターフェースの寿命「タイマmax」の最大許可期間未満であるかどうかを調べる。加えて、または別法として、この判定基準が、デバイスの使用または薬剤の投与とは関係なく、定期的に調べられることが考えられる。タイマが依然として最大許可時間未満である場合、工程356で薬剤の投与を実行することができる。使用者は、タイマが最大許可時間未満である限り、同じ投薬インターフェースを継続して使用することができる。
【0142】
タイマが最大許可時間未満ではない場合、投薬インターフェース内に残っている流体が使用者に無害であることを保証することができないので、工程358で医療デバイスは、それ以上のデバイスの使用を阻止する。それ以上の使用を阻止することは、それ以上の薬剤の投与を一切阻止することだけを意味しうる。このことはまた、デバイスへそれ以上の入力をすることを使用者は一切阻止されることを意味しうる。
【0143】
工程360で、表示装置を介して、使用者による投薬インターフェースの取外しが要求される。センサが投薬インターフェースの取外しを検出すると、タイマをリセットすることが可能になる。タイマを動作したままにして、工程352でタイマをリセットすることもまた可能である。
【0144】
使用者が使用済み投薬インターフェースを取り外し、新しい投薬インターフェースを取り付けた場合、この方法は工程350から再開する。
【0145】
本明細書で使用する用語「薬物」または「薬剤」は、少なくとも1つの薬学的に活性な化合物を含む医薬製剤を意味し、
ここで、一実施形態において、薬学的に活性な化合物は、最大1500Daまでの分子量を有し、および/または、ペプチド、タンパク質、多糖類、ワクチン、DNA、RNA、酵素、抗体もしくはそのフラグメント、ホルモンもしくはオリゴヌクレオチド、または上述の薬学的に活性な化合物の混合物であり、
ここで、さらなる実施形態において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病、または糖尿病性網膜症などの糖尿病関連の合併症、深部静脈血栓塞栓症または肺血栓塞栓症などの血栓塞栓症、急性冠症候群(ACS)、狭心症、心筋梗塞、がん、黄斑変性症、炎症、枯草熱、アテローム性動脈硬化症および/または関節リウマチの処置および/または予防に有用であり、
ここで、さらなる実施形態において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病または糖尿病性網膜症などの糖尿病に関連する合併症の処置および/または予防のための少なくとも1つのペプチドを含み、
ここで、さらなる実施形態において、薬学的に活性な化合物は、少なくとも1つのヒトインスリンもしくはヒトインスリン類似体もしくは誘導体、グルカゴン様ペプチド(GLP−1)もしくはその類似体もしくは誘導体、またはエキセンジン−3もしくはエキセンジン−4もしくはエキセンジン−3もしくはエキセンジン−4の類似体もしくは誘導体を含む。
【0146】
インスリン類似体は、例えば、Gly(A21),Arg(B31),Arg(B32)ヒトインスリン;Lys(B3),Glu(B29)ヒトインスリン;Lys(B28),Pro(B29)ヒトインスリン;Asp(B28)ヒトインスリン;B28位におけるプロリンがAsp、Lys、Leu、Val、またはAlaで置き換えられており、B29位において、LysがProで置き換えられていてもよいヒトインスリン;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28−B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリン、およびDes(B30)ヒトインスリンである。
【0147】
インスリン誘導体は、例えば、B29−N−ミリストイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−パルミトイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−ミリストイルヒトインスリン;B29−N−パルミトイルヒトインスリン;B28−N−ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン;B28−N−パルミトイル−LysB28ProB29ヒトインスリン;B30−N−ミリストイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B30−N−パルミトイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29−N−(N−パルミトイル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(N−リトコリル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)−des(B30)ヒトインスリン、およびB29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンである。
【0148】
エキセンジン−4は、例えば、H−His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−Met−Glu−Glu−Glu−Ala−Val−Arg−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Pro−Ser−NH2配列のペプチドであるエキセンジン−4(1−39)を意味する。
【0149】
エキセンジン−4誘導体は、例えば、以下のリストの化合物:
H−(Lys)4−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)5−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);または
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
(ここで、基−Lys6−NH2が、エキセンジン−4誘導体のC−末端に結合していてもよい);
【0150】
または、以下の配列のエキセンジン−4誘導体:
H−(Lys)6−desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
desAsp28Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
H−desAsp28Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
desMet(O)14,Asp28Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2;
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Lys6−desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
H−desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(S1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2;
または前述のいずれか1つのエキセンジン−4誘導体の薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物
から選択される。
【0151】
ホルモンは、例えば、ゴナドトロピン(フォリトロピン、ルトロピン、コリオンゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロピン(ソマトロピン)、デスモプレシン、テルリプレシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、ロイプロレリン、ブセレリン、ナファレリン、ゴセレリンなどの、Rote Liste、2008年版、50章に列挙されている脳下垂体ホルモンまたは視床下部ホルモンまたは調節性活性ペプチドおよびそれらのアンタゴニストである。
【0152】
多糖類としては、例えば、グルコサミノグリカン、ヒアルロン酸、ヘパリン、低分子量ヘパリン、もしくは超低分子量ヘパリン、またはそれらの誘導体、または上述の多糖類の硫酸化形態、例えば、ポリ硫酸化形態、および/または、薬学的に許容されるそれらの塩がある。ポリ硫酸化低分子量ヘパリンの薬学的に許容される塩の例としては、エノキサパリンナトリウムがある。
【0153】
抗体は、基本構造を共有する免疫グロブリンとしても知られている球状血漿タンパク質(約150kDa)である。これらは、アミノ酸残基に付加された糖鎖を有するので、糖タンパク質である。各抗体の基本的な機能単位は免疫グロブリン(Ig)単量体(1つのIg単位のみを含む)であり、分泌型抗体はまた、IgAなどの2つのIg単位を有する二量体、硬骨魚のIgMのような4つのIg単位を有する四量体、または哺乳動物のIgMのように5つのIg単位を有する五量体でもありうる。
【0154】
Ig単量体は、4つのポリペプチド鎖、すなわち、システイン残基間のジスルフィド結合によって結合された2つの同一の重鎖および2本の同一の軽鎖から構成される「Y」字型の分子である。それぞれの重鎖は約440アミノ酸長であり、それぞれの軽鎖は約220アミノ酸長である。重鎖および軽鎖はそれぞれ、これらの折り畳み構造を安定化させる鎖内ジスルフィド結合を含む。それぞれの鎖は、Igドメインと呼ばれる構造ドメインから構成される。これらのドメインは約70〜110個のアミノ酸を含み、そのサイズおよび機能に基づいて異なるカテゴリー(例えば、可変すなわちV、および定常すなわちC)に分類される。これらは、2つのβシートが、保存されたシステインと他の荷電アミノ酸との間の相互作用によって一緒に保持される「サンドイッチ」形状を作り出す特徴的な免疫グロブリン折り畳み構造を有する。
【0155】
α、δ、ε、γおよびμで表される5種類の哺乳類Ig重鎖が存在する。存在する重鎖の種類により抗体のアイソタイプが定義され、これらの鎖はそれぞれ、IgA、IgD、IgE、IgGおよびIgM抗体中に見出される。
【0156】
異なる重鎖はサイズおよび組成が異なり、αおよびγは約450個のアミノ酸を含み、δは約500個のアミノ酸を含み、μおよびεは約550個のアミノ酸を有する。各重鎖は、2つの領域、すなわち定常領域(C)と可変領域(V)を有する。1つの種において、定常領域は、同じアイソタイプのすべての抗体で本質的に同一であるが、異なるアイソタイプの抗体では異なる。重鎖γ、α、およびδは、3つのタンデム型のIgドメインと、可撓性を加えるためのヒンジ領域とから構成される定常領域を有し、重鎖μおよびεは、4つの免疫グロブリン・ドメインから構成される定常領域を有する。重鎖の可変領域は、異なるB細胞によって産生された抗体では異なるが、単一B細胞またはB細胞クローンによって産生された抗体すべてについては同じである。各重鎖の可変領域は、約110アミノ酸長であり、単一のIgドメインから構成される。
【0157】
哺乳類では、λおよびκで表される2種類の免疫グロブリン軽鎖がある。軽鎖は2つの連続するドメイン、すなわち1つの定常ドメイン(CL)および1つの可変ドメイン(VL)を有する。軽鎖のおおよその長さは、211〜217個のアミノ酸である。各抗体は、常に同一である2本の軽鎖を有し、哺乳類の各抗体につき、軽鎖κまたはλの1つのタイプのみが存在する。
【0158】
すべての抗体の一般的な構造は非常に類似しているが、所与の抗体の固有の特性は、上記で詳述したように、可変(V)領域によって決定される。より具体的には、各軽鎖(VL)について3つおよび重鎖(HV)に3つの可変ループが、抗原との結合、すなわちその抗原特異性に関与する。これらのループは、相補性決定領域(CDR)と呼ばれる。VHドメインおよびVLドメインの両方からのCDRが抗原結合部位に寄与するので、最終的な抗原特異性を決定するのは重鎖と軽鎖の組合せであり、どちらか単独ではない。
【0159】
「抗体フラグメント」は、上記で定義した少なくとも1つの抗原結合フラグメントを含み、そのフラグメントが由来する完全抗体と本質的に同じ機能および特異性を示す。パパインによる限定的なタンパク質消化は、Igプロトタイプを3つのフラグメントに切断する。1つの完全なL鎖および約半分のH鎖をそれぞれが含む2つの同一のアミノ末端フラグメントが、抗原結合フラグメント(Fab)である。サイズが同等であるが、鎖間ジスルフィド結合を有する両方の重鎖の半分の位置でカルボキシル末端を含む第3のフラグメントは、結晶可能なフラグメント(Fc)である。Fcは、炭水化物、相補結合部位、およびFcR結合部位を含む。限定的なペプシン消化により、Fab片とH−H鎖間ジスルフィド結合を含むヒンジ領域の両方を含む単一のF(ab’)2フラグメントが得られる。F(ab’)2は、抗原結合に対して二価である。F(ab’)2のジスルフィド結合は、Fab’を得るために切断することができる。さらに、重鎖および軽鎖の可変領域は、縮合して単鎖可変フラグメント(scFv)を形成することもできる。
【0160】
薬学的に許容される塩は、例えば、酸付加塩および塩基性塩である。酸付加塩としては、例えば、HClまたはHBr塩がある。塩基性塩は、例えば、アルカリまたはアルカリ土類金属、例えば、Na+、またはK+、またはCa2+から選択されるカチオン、または、アンモニウムイオンN+(R1)(R2)(R3)(R4)(式中、R1〜R4は互いに独立に:水素、場合により置換されたC1〜C6アルキル基、場合により置換されたC2〜C6アルケニル基、場合により置換されたC6〜C10アリール基、または場合により置換されたC6〜C10ヘテロアリール基を意味する)を有する塩である。薬学的に許容される塩のさらなる例は、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」17版、Alfonso R.Gennaro(編)、Mark Publishing Company、Easton、Pa.、U.S.A.、1985およびEncyclopedia of Pharmaceutical Technologyに記載されている。
【0161】
薬学的に許容される溶媒和物は、例えば、水和物である。
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