特許第6203759号(P6203759)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6203759
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】LEDチップの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/54 20100101AFI20170914BHJP
   H01L 33/60 20100101ALI20170914BHJP
   H01L 33/58 20100101ALI20170914BHJP
   H01L 33/50 20100101ALI20170914BHJP
【FI】
   H01L33/54
   H01L33/60
   H01L33/58
   H01L33/50
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-556150(P2014-556150)
(86)(22)【出願日】2013年1月15日
(65)【公表番号】特表2015-507371(P2015-507371A)
(43)【公表日】2015年3月5日
(86)【国際出願番号】IB2013050363
(87)【国際公開番号】WO2013118002
(87)【国際公開日】20130815
【審査請求日】2016年1月12日
(31)【優先権主張番号】61/597,366
(32)【優先日】2012年2月10日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(74)【代理人】
【識別番号】100087789
【弁理士】
【氏名又は名称】津軽 進
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【弁理士】
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(72)【発明者】
【氏名】ビールハイゼン セルフェ ヨエル アルマンド
【審査官】 高椋 健司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−047832(JP,A)
【文献】 特表2007−523483(JP,A)
【文献】 特開2011−009572(JP,A)
【文献】 特開2006−148147(JP,A)
【文献】 特開2008−205462(JP,A)
【文献】 特開2011−258676(JP,A)
【文献】 特開2011−258671(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0049545(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00−33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の発光ダイオード(LED)チップを形成するステップであって、各LEDチップが、複数の半導体層と、少なくとも1つの半導体層に電気的に接触するように、各LEDチップの底面に形成される少なくとも1つの金属電極を有し、前記少なくとも1つの金属電極は、上面と、前記上面とは反対側にある底面とを有し、前記少なくとも1つの金属電極の上面は前記LEDチップの底面に形成される、ステップと、
一時的な支持構造に前記複数のLEDチップを装着するステップと、
前記LEDチップの少なくとも上面及び側面をカプセル化し、前記LEDチップの各々の上面の上にレンズを形成する一体的な材料を、前記LEDチップ上に成形するステップであって、前記一体的な材料は、前記少なくとも1つの金属電極の底面を被覆せず、前記一体的な材料は前記LEDチップの複数の側面に沿って延び、前記一時的な支持基板まで及び前記LEDチップの底面まで下方に延びる、ステップと、
前記一体的な材料を硬化させて、前記LEDチップを互いに力学的に接続するステップと、
前記支持構造から前記発光LEDチップ及び前記一体的な材料を除去するステップと、
前記一体的な材料を単体化し、前記LEDチップを単体化して、個々のパッケージ化されたLEDチップを生成し、以て、前記少なくとも1つの金属電極は、前記レンズの形成後に他の電極に結合するために露出されたままである、ステップと、
を有する、パッケージ化されたLEDチップを製造する方法。
【請求項2】
前記一体的な材料に蛍光体が注入される、請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記一時的な支持構造に前記複数のLEDチップを装着するステップの後に、前記一時的な支持構造に射層を形成するステップを更に有し、前記一体的な材料は、前記支持構造から前記LEDチップ及び前記一体的な材料を除去するステップの間、前記反射層に接着され、前記反射層備えた前記パッケージ化されたLEDチップが得られる、請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記パッケージ化されたチップはリードフレームを含まず、前記少なくとも1つの金属電極、支持構造の金属のパッドに接着されるよう構成される、請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記一体的な材料は、単に前記チップの上に限りレンズを形成する、請求項に記載の方法。
【請求項6】
各々のパッケージ化されたLEDチップは、幅及び長さの寸法を持ち、前記パッケージ化されたLEDチップの幅及び長さの寸法は、それぞれ前記LEDチップの幅及び長さの寸法の3倍よりも小さい、請求項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオード(LED)の処理、特にチップスケールのLEDパッケージを形成するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的なフリップチップLEDは、該LEDの底面にそれぞれp及びn接点を持ち、これら接点は、LEDチップよりもかなり大きな堅固なサブマウントにおける接着パッドに直接に接続される。該LEDにより生成された光は、主にLED表面の上面を通して発せられる。このようにして、光を遮断する上部接点はなく、ワイヤボンドは必要とされない。
【0003】
製造の間、サブマウントウェハは、LEDチップのアレイを配置される。LEDチップの底面に形成される電極は、サブマウントウェハの上面におけるパッドに接合され、これらパッドが、印刷回路基板に対する接合のためのサブマウントウェハの底面上のより堅固なパッドに導く。サブマウントウェハ上のLEDチップは次いでさらに、ウェハ上のバッチとして処理される。斯かるウェハスケール処理は任意に、LEDチップの上面から成長基板を除去し、LEDチップ上に蛍光体を堆積させ、LEDチップをカプセル化し、各LED上にレンズを形成し得る。最終的に、サブマウントウェハは、例えば別箇のパッケージ化されたLEDを形成するように切断することにより単体化される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ウェハスケール処理は効率的である。しかしながら、薄く脆弱なLEDチップを力学的に支持するサブマウントウェハ又はその他の支持層は、コストを増大させる。更に、セラミック又は金属のような、一般的な支持層のための単体化工程は、破損、金属のばり及びその他の問題を回避するためには、かなり複雑となる。
【0005】
上述の欠点が回避されたLEDパッケージ化のための手法が必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
同時にLEDチップをカプセル化し、LEDチップ上にレンズを形成し、LEDチップのためのチップスケールパッケージを形成する、ウェハスケール処理が記載される。チップスケールパッケージは一般的に、チップ自体よりも面積が僅かに大きいのみである。
【0007】
実施例においてフリップチップLEDを用いた本発明が記載されるが、上部ワイヤボンド電極を持つLEDのような、いずれのタイプのLEDも本発明を利用し得る。
【0008】
最初に、本発明の一実施例においては、サファイア成長基板に半導体LEDのアレイが形成される。斯かるLEDは一般的である。これらLEDは次いで単体化され、LEDチップを形成する。サブマウントウェハ上にLEDチップを装着する先行技術の方法とは異なり、これらLEDチップは、接着面を持つ支持構造に一時的に貼着される。該支持構造は、いずれのサイズのものであっても良く、これらLEDチップは、行列又は交互配列のような、いずれの配列で配置されても良い。
【0009】
任意にレーザリフトオフ処理又はその他の手段を用いることによりサファイア基板を除去し、光抽出を増大させるために露出したn型層を薄くし及び粗化し、LEDチップ上に蛍光体を堆積させるといった、従来のウェハスケール処理が次いでLEDチップに実行されても良い。他の実施例においては、サファイア基板は残され、増大させられた光抽出のため(TIRを減少させるため)パターン化される。斯かる処理は一般的なものであり、付加的なウェハスケール処理が実行されても良い。
【0010】
次いで、支持構造が、LEDチップに対して望ましいカプセル化及びレンズ特性を持つシリコーン又はその他の適切な材料を含む金型と接触させられる。該金型は、シリコーンが各LEDチップ上にレンズを形成しつつ、各LEDチップの周りの堅固な構造をも形成するように形成される。LEDチップの底面は支持構造に貼着されるため、LEDチップの底部電極はシリコーンにより被覆はされない。
【0011】
次いでシリコーンが硬化され、支持構造が該金型から除去される。該支持構造は次いで、硬化されたシリコーンから除去される。その結果の構造が、次いで単体化される。該単体化は、該シリコーンを切断することにより容易に実現される。単一の成型ステップが各LEDチップをカプセル化し、LEDチップ上にレンズを形成し、単一の一体的な成型材料を用いて各LEDチップについてのチップスケールパッケージを形成する。その結果のパッケージ化されたLEDチップは、印刷回路基板又はその他の基板のパッドに対してのような、いずれの適切な構造に(例えば超音波で又ははんだで)接着された底部電極を持っても良い。
【0012】
同一又は同等である要素は、同一の番号を付される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】一般的に種々のLEDの領域を示すLEDウェハの簡略化された上から見た図である。
図2】単体化されたLEDチップのアレイが装着された一時的な支持基板の簡略化された上から見た図である。
図3】支持構造に装着された2つのLEDチップを示す、図2の線3−3に沿った断面図である。
図4】LEDチップがカプセル化のためシリコーンに浸され、同時にシリコーンがLEDチップのためのレンズ及びチップスケールパッケージを形成する、シリコーンを含む金型に対する支持構造を示す。
図5】金型からの除去の後の、また硬化されたシリコーンから支持構造が除去された後の、カプセル化されたLEDチップを示す。
図6】金型からの除去の後のLEDチップの構成のタイプの1つを示す。
図7】LEDチップのパッキング密度を増大させるための、金型からの除去の後のLEDチップの構成の交互配列されたタイプを示す。
図8】レンズがどのように非対称とされ得るかを示す。
図9】印刷回路基板のような基板のパッドに装着された底部電極を持つ単体化されたLEDを示す。
図10】底部反射層を備えた図5の構造を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、数千のLED領域12を含む従来のLEDウェハ10を上から見た図である。LED領域12は、単体化の後のLEDチップを表す。用いられる例においては、LEDは、青色光を生成するための、AlInGaN又はInGaNのLEDのような、GaNベースのLEDである。一般に、従来の手法を用いて、サファイア成長基板上に、比較的厚いn型GaN層が成長させられる。該比較的厚いn型GaN層は一般に、低温核形成層及び1つ以上の付加的な層を含み、n型クラッド層及び活性層のための低欠損格子構造を提供する。次いで、該厚いn型層の上に1つ以上のクラッド層が形成され、活性層、1つ以上のp型クラッド層、及びp型接触層(金属化のため)により後続される。
【0015】
フリップチップについては、p層及び活性層の一部が、金属化のためn層を露出するようにエッチングされる。このようにして、p接点とn接点とが、チップの同じ側となる。n金属接点からの電流は、最初にn層を横方向に流れる。LED底部電極は、典型的には反射性金属から形成される。
【0016】
本発明において使用されることができる他のタイプのLEDは、赤色乃至黄色範囲における光を生成することができる、AlInGaPのLEDを含む。非フリップチップLEDが使用されても良い。
【0017】
サファイア成長基板は、化学的機械的研磨、エッチング、レーザリフトオフ又はその他の処理のような、従来の処理を用いて、ウェハ10から除去されても良い。露出させられた半導体層は次いで、光抽出を増大させるため、粗化されても良い。他の実施例においては、該成長基板は残され、光抽出を増大させるためにパターン化される。LEDの発光面の上に蛍光体が堆積させられても良い。
【0018】
LEDは、ウェハ10にある間に、性能を試験され、カテゴライズされる(ビニングされる)。
【0019】
次いで、従来の処理を用いて、ウェハ10が単体化され、個々のLEDを分離する。
【0020】
次いで、従来のピックアンドプレース(pick and place)機械が、図2に示されるように、一時的な支持構造に個々のLEDチップを配置する。図2は、LEDチップ16が配置された支持構造14の、上から見た図である。
【0021】
支持構造14は、いずれのサイズ及び形状のものであっても良い。一実施例においては、支持構造14は粘着性の表面又はその他のタイプの接着面を持ち、LEDチップの電極が該接着面に向く。支持構造14は、薄く伸縮可能な粘着性の膜であっても良い。該接着面は、熱、紫外線、溶解物、又はその他の手法の適用により非接着性となる、剥離可能な層であっても良い。支持構造14におけるLEDチップ16のピッチは、各LEDチップ16の上にレンズが形成されることを可能とするのに十分なものである。
【0022】
図3は、図2の線3−3に沿ったLEDチップ16及び支持構造14の簡略化された断面図である。LEDチップの例16A及び16B(LED16と示される)は一般的に、エピタキシャル成長された半導体N型層18、半導体活性層20、及び半導体P型層24を有する。フリップチップについては、P型層24及び活性層20の一部が、N型層18を露出させるためにエッチングされ、N電極26が堆積させられN型層18に接触する。P電極28は、P型層24に接触する。他の実施例においては、LED電極26/28は、より均一な電流拡散のため、LEDチップの底面におけるドットとして分散させられる。図3においては、成長基板がN型層18から除去されたものとして示されているが、代わりに配置されていても良い。
【0023】
一実施例においては、LEDはAlInGaNであり、青色乃至アンバー色の光を発する。
【0024】
青色光を例えば白色光に変換するため、少なくともN型層18の表面の上に、蛍光体層が存在していても良い。
【0025】
次いで成型工程が、図4に示されるように実行される。金型32は、各LEDチップ16の上のレンズの望ましい形状に対応する窪みを持つ。金型32は、好適には金属で形成される。金型32は、薄い剥離層を用いても良いし、又は必要であれば、硬化した成型材料が表面に粘着することを防止するため、非粘着性の表面を持っても良い。金型32はまた、支持構造14の周縁部に対する封止として機能し、且つLEDチップ16の側面の周りの成型材料を成型してカプセル化するためのスペーサとしても機能する、側壁36を持つ。金型32は、単体化の間、レンズに対する損傷の可能性を低減させる、切断構造37を含んでも良い。
【0026】
図4において、金型の窪み34及び側壁36間の領域は、熱硬化性液体レンズ材料40で満たされている。レンズ材料40は、シリコーン、エポキシ、又はシリコーン/エポキシ混成物のような、いずれの適切な光学的に透明な材料であっても良い。整合した熱膨張係数(CTE)を達成するための混成物が使用されても良い。シリコーン及びエポキシは、レンズとして機能すると同時に、AlInGaN又はAlInGaPのLEDからの光抽出を大きく改善するのに、十分に高い屈折率(1.4よりも大きい)を持つ。或るタイプのシリコーンは、1.76の屈折率を持つ。
【0027】
各LEDチップ16が液体レンズ材料40に挿入され、レンズ材料40が圧力を受けるように、支持構造14の周縁部と金型の側壁36との間に真空封止が形成される。
【0028】
次いで金型32は、摂氏約150度(又はその他の適切な温度)にまで一時加熱され、レンズ材料40を硬化させる。このとき、LEDチップ16は、硬化されたレンズ材料40により共に力学的に結合され、単一のユニットとして取り扱われることができる。
【0029】
次いで、支持構造14が金型32から分離され、カプセル化されたLEDチップ16を金型32から除去する。カプセル化されたLEDチップ16は次いで、例えば硬化されたレンズ材料40を支持構造14から引き離すことにより、又は接着層をレンズ材料40から離すことにより、支持構造14から取り外される。支持構造14は、再利用されても良い。
【0030】
他の実施例においては、レンズ材料40は、青色光を白色光を含む他の色に変換するための、蛍光体又はその他の波長材料を注入される。拡散粒子がレンズ材料40に注入されても良い。
【0031】
発光を成形するため、レンズ材料40の上に1つ以上の更なるシリコーンレンズが成型されても良い。
【0032】
図5は、各LEDチップ16上に成型されたレンズ44を持つ、結果の構造を示す。一実施例においては、成型されたレンズ44は、1mmと5mmとの間の直径である。レンズ44は、いずれのサイズ又は形状のものであっても良い。LEDチップ16は、レンズ材料40によりカプセル化され、レンズ材料40は、カプセル化材料及びレンズと一体化した各チップ16についてのチップスケールパッケージを形成する。LED電極26/28は、パッケージの底部を通して露出され、それにより、基板又は印刷回路基板のパッドに接着(例えば超音波で又ははんだで)され得る。図5に示された2つのチップ16についてのチップスケールパッケージは、破線46に沿ってセグメント化される。これらパッケージは、切断ではなく割ることによりセグメント化され得る。割ることは、セグメント化線に沿って、下向きのナイフの刃を単に当てることである。このことは、非常に制御された切断をもたらし、不要な粉に帰着しない。
【0033】
一実施例においては、レンズ44は半球体である。他の実施例においては、レンズ44は、側面発光レンズ、フレネルレンズ等のような、いずれの形状のものであっても良い。
【0034】
レンズ44は、LEDチップ16の上面と略同じ高さに示されているが、パッケージ同士を接続するレンズ材料40の厚さは、硬化させられたシリコーンの場合において容易な分離を可能とするいずれの厚さであっても良い。
【0035】
従って、パッケージ、カプセル化材及びレンズは、シリコーンのような1つのタイプの材料を用いて、単一の成型ステップにより形成される。リードフレーム、ヒートシンク又はプラスチック筐体のような、パッケージのための付加的な支持構造は必要とされず、パッケージのコストを大きく削減する。任意に、発光を成形するため、レンズ44の上に、1つ以上の付加的なシリコーンのレンズが成型されても良く、又は接着材を用いて装着されても良い。
【0036】
図6及び7は、セグメント化に先立つ、LEDチップ16の種々のとり得る配置を示す。支持構造14におけるLEDチップの配置は、最大のパッキング密度を提供し得る。図6は、図2に類似する行列配置を示す。該配置は、単体化線が直線であるため、単体化の容易化をもたらす。図7は交互配列を示し、半球レンズ44のまわりにあまり空間がないため、増大したパッキング密度をもたらす。単体化は、複雑な切断を必要とする。
【0037】
図8は、望ましい発光パターンを実現するために、成型されたレンズ50が、非対称であっても良く、又は他のいずれの形状をとっても良いことを示す。
【0038】
図9は、基板60又は印刷回路基板の金属パッド56/58に装着されたLEDチップ電極26/28を持つ、単体化されたパッケージ54を示す。パッド56/58は最終的には、電源からの伝導電流に電気的に結合される。一実施例においては、パッケージ54全体の幅及び長さの寸法は、チップ16自体のそれぞれの寸法の3倍よりも小さい。典型的なチップ16のサイズは約1×1mm以下であり、パッケージ54全体のサイズは3×3mmよりも小さくなる。他の実施例においては、パッケージ54は、LEDチップ16のサイズの2倍よりも小さい。
【0039】
LEDパッケージ54を基板(例えばFR4、MCPCB、セラミック等)にはんだ付けする場合、チップ16の周りの領域の反射性(透明なシリコーンのカプセル化材を通した)は、装着/はんだ付けされる該基板に依存する。反射性を改善するため、以下の任意の処理ステップが実行されても良く、底部反射層64を持つ図10の構造に帰着し得る。チップ16を図3における支持構造14(伸長可能な接着性の膜であっても良い)に置いた後、反射性TiO2粒子を注入されたシリコーン(又はゾルゲル)が、チップ16の上を除く、基板14の表面上に供給され、硬化させられる。スクリーンがマスクを含む、単純なスクリーン印刷工程が利用されても良い。チップ16の側面への接触が望ましい。図4の成型ステップの後、シリコーン/TiO2反射層64(図10)がシリコーンレンズ44の底部に接着され、レンズ44と共に基板14から剥離されることができる。反射層64はこのときパッケージ54の一部となり、顧客の基板反射性とは独立して、パッケージ(チップ16全体)の反射性を効果的に増大させる。
【0040】
代替としては、成型ではなく、LEDチップのアレイ上にレンズを形成する方法は、支持構造14上の各チップ16の上にシリコーンの小滴を供給することによる。チップ上のチキソトロピックシリコーン材料を用い、低粘着性の(例えばテフロン(登録商標))基板14の表面を備えることにより、シリコーンの表面張力が自然に、該供給の後にドーム型形状を形成する。次いでシリコーンが硬化され、レンズを硬化させる。
【0041】
本発明の特定の実施例が示され説明されたが、より広い態様における本発明から逸脱することなく、変形及び変更がなされ得ることは当業者には明らかであり、それ故、添付される請求項は、本発明の真の精神及び範囲内である限り、斯かる変形及び変更の全てを範囲内に包含する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10