特許第6203786号(P6203786)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6203786
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】パッド、衣服、および補助具
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/05 20060101AFI20170914BHJP
   A41D 13/06 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
   A41D13/05 143
   A41D13/06 105
   A41D13/05 175
【請求項の数】11
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2015-131010(P2015-131010)
(22)【出願日】2015年6月30日
(65)【公開番号】特開2017-14645(P2017-14645A)
(43)【公開日】2017年1月19日
【審査請求日】2016年6月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005935
【氏名又は名称】美津濃株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】串田 啓介
【審査官】 藤井 眞吾
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−136812(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3156790(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0121600(US,A1)
【文献】 実開平02−006083(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3065529(JP,U)
【文献】 実開平01−070817(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3138002(JP,U)
【文献】 特開2015−033398(JP,A)
【文献】 特開2010−121236(JP,A)
【文献】 特開2002−102021(JP,A)
【文献】 特開2004−024572(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3080308(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D 13/05
A41D 13/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の主面と、前記第1の主面と反対側に位置する第2の主面とを有する板状部と、
前記第2の主面上に前記第1の主面が位置する側と反対の方向に凸状に設けられ、弾性を有する凸部とを備え、
前記第1の主面は、前記第2の主面が位置する側と反対の方向に凸状である曲面を含み、
前記第1の主面に垂直な方向における前記凸部および前記板状部の合計厚みが、前記板状部において前記凸部が位置していない領域での前記板状部の前記垂直な方向における厚みよりも厚い、パッド。
【請求項2】
前記凸部のアスカーF硬度が95以下である、請求項1に記載のパッド。
【請求項3】
直径20mmのプローブを含み、質量が3kgである錘を、前記プローブが前記凸部に接触した状態で5秒間前記凸部上に載せた後、前記錘を除荷してから前記プローブ痕が消えるまでの時間が、3秒以内である、請求項1または請求項2に記載のパッド。
【請求項4】
前記板状部および前記凸部を構成する材料は、発泡体、ラバー、およびゲルからなる群から選択される少なくとも1つである、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のパッド。
【請求項5】
前記板状部および前記凸部を覆うように設けられているカバーをさらに備え、
前記第1の主面の前記曲面は、前記カバーにより前記第1の主面が押圧されることにより形成されている、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のパッド。
【請求項6】
前記凸部は、前記第2の主面の少なくとも1つの端部からの距離が3cm以上7cm以下である、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のパッド。
【請求項7】
前記板状部は、前記凸部から離れるにつれて厚みが薄くなっている、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のパッド。
【請求項8】
前記板状部が、前記第2の主面上における少なくとも一方向において前記凸部の両側に延びるように形成されている請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の前記パッドと、
前記一方向において前記パッドの両側に連なるように設けられ、前記パッドと反対側に位置する端部が互いに接続可能に構成されている第1および第2の固定部とを備える、補助具。
【請求項9】
第1の主面と前記第1の主面と反対側に位置する第2の主面とを有する板状部と、前記第2の主面上に前記第1の主面が位置する側と反対の方向に凸状に設けられ、弾性を有する凸部とを含む、パッドと、
前記パッドを収容可能に設けられているポケット部材とを備え、
前記第1の主面は、前記第2の主面が位置する側と反対の方向に凸状である曲面を含み

前記第1の主面に垂直な方向における前記凸部および前記板状部の合計厚みが、前記板状部において前記凸部が位置していない領域での前記板状部の前記垂直な方向における厚みよりも厚い、衣服。
【請求項10】
装着者の腰の位置から足首の位置まで延びる足部をさらに備え、
前記ポケット部材は、前記足部の後身における長手方向の中間部に配置されている、請求項9に記載の衣服。
【請求項11】
装着者の腰の位置から膝の位置まで延びる足部をさらに備え、
前記ポケット部材は、前記足部の後身における装着者の膝が位置する側の端部に配置されている、請求項9に記載の衣服。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パッド、衣服、および補助具に関し、特に装着時に装着者の膝裏に配置されるパッド、当該パッドを収容して当該パッドを膝裏に配置可能とする衣服、および当該パッドを膝裏に固定可能とする補助具に関する。
【背景技術】
【0002】
膝の屈伸動作を多く行うと、立ち上がり動作により疲労感が蓄積されて、屈伸動作がスムーズに行うことが困難となる。このような問題に対し、膝の屈伸動作をアシストするための道具として、野球のキャッチャー用のクッション(たとえば美津濃株式会社製ニークッション)が知られている。
【0003】
ニークッションは、野球のキャッチャーが膝を曲げた状態において上腿と下腿との間に挟むように使用される。ニークッションを使用することにより、装着者は立ち上がり動作を楽に行うことができるとともに、膝が屈曲状態にあるときの姿勢を楽に保つことができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】美津濃株式会社公式オンラインショップ、ニークッション(2YL905)、[平成27年6月18日検索]インターネット(URL:http://products.mizuno.jp/c/item/2YL9059/001008006)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のような野球用のニークッションは、大きく、目立つものである。そのため、使用可能な場面は制限される。
【0006】
たとえば、介護者は、腰痛の発症を防止する観点から、高齢者や患者等の介護を行う中で腰を曲げる姿勢よりも膝を曲げる姿勢(しゃがみ姿勢)を取ることが推奨される。しかし、介護者は介護をスムーズに行う上で、野球用のニークッションを使用することは困難である。介護者は、膝の屈伸動作の頻度が多くなると、それによる疲労感からしゃがみ姿勢を取りがちになり、介護者は腰を痛めやすいという問題があった。
【0007】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものである。本発明の主たる目的は、装着者の立ち上がり動作をアシストすることができ、かつ、使用可能な場面の制限が少ない、パッド、衣服、および補助具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るパッドは、第1の主面と、第1の主面と反対側に位置する第2の主面とを有する板状部と、第2の主面上に第1の主面が位置する側と反対の方向に凸状に設けられ、弾性を有する凸部とを備える。第1の主面は、第2の主面が位置する側と反対の方向に凸状である曲面を含む。第1の主面に垂直な方向における凸部および板状部の合計厚みが、板状部において凸部が位置していない領域での板状部の垂直な方向における厚みよりも厚い。
【発明の効果】
【0009】
本発明に依れば、装着者の立ち上がり動作をアシストすることができ、かつ、使用可能な場面の制限が少ない、パッド、衣服、および補助具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態1に係るパッドを説明するための正面図である。
図2】実施の形態1に係るパッドを説明するための側面図である。
図3】実施の形態1に係るパッドの変形例を説明するための正面図である。
図4】実施の形態1に係るパッドの他の変形例を説明するための正面図である。
図5】実施の形態1に係るパッドのさらに他の変形例を説明するための正面図である。
図6】実施の形態1に係るパッドのさらに他の変形例を説明するための正面図である。
図7】実施の形態1に係るパッドのさらに他の変形例を説明するための正面図である。
図8】実施の形態1に係るパッドのさらに他の変形例を説明するための正面図である。
図9】実施の形態1に係るパッドのさらに他の変形例を説明するための正面図である。
図10】実施の形態1に係るパッドのさらに他の変形例を説明するための正面図である。
図11】実施の形態1に係るパッドのさらに他の変形例を説明するための正面図である。
図12】実施の形態1に係る衣服を説明するための背面図である。
図13】実施の形態1に係る衣服の変形例を説明するための背面図である。
図14】実施の形態1に係る衣服の他の変形例を説明するための背面図である。
図15】実施の形態2に係るパッドを説明するための側面図である。
図16】実施の形態3に係る補助具を説明するための側面図である。
図17】実施の形態3に係る補助具が備えるパッドを説明するための正面図である。
図18】実施の形態3に係る補助具が備えるパッドの変形例を説明するための正面図である。
図19】実施の形態3に係る補助具が備えるパッドの他の変形例を説明するための正面図である。
図20】実施の形態3に係る補助具が備えるパッドのさらに他の変形例を説明するための正面図である。
図21】実施の形態3に係る補助具が備えるパッドのさらに他の変形例を説明するための正面図である。
図22】実施の形態3に係る補助具が備えるパッドのさらに他の変形例を説明するための正面図である。
図23】実施の形態3に係る補助具が備えるパッドのさらに他の変形例を説明するための正面図である。
図24】実施の形態3に係る補助具が備えるパッドのさらに他の変形例を説明するための正面図である。
図25】実施の形態4に係る補助具を説明するための側面図である。
図26】膝を屈曲させた状態において膝裏に印加される圧力分布を説明するための図である。
図27】膝を屈曲させた状態において膝裏に印加される圧力分布を説明するための拡大図である。
図28】実施の形態1に係るパッドのさらに他の変形例を説明するための側面図である。
図29】実施の形態1に係るパッドのさらに他の変形例を説明するための側面図である。
図30】実施の形態2に係るパッドのさらに他の変形例を説明するための側面図である。
図31】実施の形態3に係る補助具が備えるパッドのさらに他の変形例を説明するための側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰返さない。
【0012】
(実施の形態1)
図1および図2を参照して、実施の形態1に係るパッド10について説明する。図1はパッド10の平面図であり、図2はパッド10の側面図である。パッド10は、板状部1と凸部2とを備える。
【0013】
板状部1は、第1の主面1Aと第1の主面1Aと反対側に位置する第2の主面1Bとを有している。板状部1の平面形状は、たとえば略長方形状である。板状部1は、短手方向における一端および他端(以下、いずれも端部1Eという)と、長手方向における一端および他端(以下、いずれも端部1Dという)とを有しており、4隅に位置する角1Cは角丸である。
【0014】
板状部1を構成する材料は、クッション性を有する任意の材料とすればよいが、好ましくはアスカーF硬度が95以下の材料であり、より好ましくはアスカーF硬度が90以下の材料であり、より好ましくはアスカーF硬度が85以下の材料である。板状部1を構成する材料は、後述する凸部2を構成する材料と同一であってもよい。板状部1を構成する材料は、たとえば発泡体、ラバー、およびゲルからなる群から選択される少なくとも1つである。板状部1の第1の主面1Aは、第2の主面1Bが位置する側と反対の方向に凸状である曲面1Rを含む。言い換えると、第1の主面1Aにおいて後述する凸部2と重ならない領域(板状部1の短手方向に伸びる両端部1Dを含み、長手方向において凸部2を挟んで互いに間隔を隔てている領域)は、第2の主面1Bが位置する側に湾曲している曲面1Rを有している。板状部1の端部1D,1Eは、第1の主面1Aおよび第2の主面1Bに接続されている4つの側面により構成されている。板状部1の端部1Eは、第1の主面1Aおよび第2の主面1Bに交差する方向に伸びる面(たとえば第1の主面1Aに垂直な面)として形成されている。板状部1の端部1Dは、第1の主面1Aおよび第2の主面1Bに交差する方向に伸びる面(たとえば曲面1Rに垂直な面)として形成されている。
【0015】
板状部1の端部1Eの長さは、装着者の膝部の幅方向における長さ(身体の身長方向と交差する方向における膝部の幅)と同等以下に設けられており、たとえば100mm以上210mm以下である。板状部1の端部1Dの長さは、たとえば30mm以上120mm以下である。板状部1の第1の主面1Aに垂直な方向における厚みは、たとえば2mm以上30mm以下である。板状部1の当該厚みは、たとえば一定である。
【0016】
凸部2は、板状部1の第2の主面1B上に第1の主面1Aが位置する側と反対の方向に凸状に設けられている。凸部2は、弾性を有している。凸部2を構成する材料は、弾性を有する任意の材料とすればよいが、好ましくはアスカーF硬度が95以下の材料であり、より好ましくはアスカーF硬度が90以下の材料であり、より好ましくはアスカーF硬度が85以下の材料である。板状部1と凸部2とは、任意の方法により固定されていればよいが、たとえば両面テープにより接着されている。
【0017】
凸部2は、第2の主面1Bと接している面の反対側に位置する第3の主面2Bを有している。第3の主面2Bの面積は、第2の主面1Bの面積よりも小さい。凸部2の平面形状は、たとえば略正方形状であり、4隅に位置する角2Cは角丸である。凸部2は、板状部1の短手方向に沿った方向における一端および他端(以下、いずれも端部2Eという)と、板状部1の長手方向に沿った方向における一端および他端(以下、いずれも端部2Dという)とを有している。凸部2の端部2D,2Eは、第2の主面1Bおよび第3の主面2Bに交差する方向に伸びる面として形成されている。
【0018】
板状部1の短手方向に沿った方向における凸部2の一端(端部2E)は、板状部1の短手方向における一端(端部1E)と間隔(距離L1)を隔てるように設けられている。板状部1の短手方向に沿った方向における凸部2の他端(端部2E)は、板状部1の短手方向における他端(端部1E)と連なるように設けられている。板状部1の長手方向に沿った方向における凸部2の一端および他端(端部2D)は、板状部1の長手方向における一端および他端(端部1D)とそれぞれ間隔(距離L2)を隔てるように設けられている。つまり、凸部2は、板状部1の長手方向において板状部1の中央部に設けられている。凸部2の端部2Eと板状部1の端部1Eとの距離L1は、3cm以上7cm以下であるのが好ましい。凸部2の端部2Dと板状部1の端部1Dとの距離L2は、4cm以上8cm以下であるのが好ましい。
【0019】
凸部2の端部2Dの長さは、たとえば20mm以上50mm以下である。凸部2の端部2Eの長さは、たとえば20mm以上50mm以下である。凸部2の第1の主面1Aに垂直な方向における厚みは、たとえば2mm以上20mm以下である。
【0020】
パッド10において、第1の主面1Aに垂直な方向における凸部2および板状部1の合計厚みが、板状部1において凸部2が位置していない領域での板状部1の当該垂直な方向における厚みよりも厚い。言い換えると、第1の主面1Aに垂直な方向において積層している凸部2と板状部1との合計の厚みは、当該垂直な方向における板状部1の厚みよりも厚い。パッド10は、凸部2が位置している領域において、高い復元性(反発性)を有している。直径が20mmの接触面を有するプローブを含み質量が3kgである錘を、プローブの接触面が凸部2の第3の主面2Bに接触した状態で5秒間当該凸部2上に載せる。このとき、錘を除荷してからパッド10からプローブ痕が消えるまでの時間は、3秒以内であるのが好ましい。より好ましくは、錘を除荷してからパッド10からプローブ痕が消えるまでの時間は2秒以内であり、より好ましくは錘を除荷してからパッド10からプローブ痕が消えるまでの時間は1秒以内である。
【0021】
次に、パッド10の使用方法について説明する。図12図14を参照して、パッド10は、膝裏に配置されて使用される。パッド10は、たとえば衣服15,16,17に固定されることにより、当該衣服15,16,17を装着した装着者の膝裏に配置される。衣服15はスラックス、衣服16はハーフパンツ、衣服17はソックスとしてそれぞれ構成されている。図12に示されるように、スラックスとして構成されている衣服15は、装着者の腰から足首の位置まで延びる足部30と、パッド10を収容可能に設けられているポケット部材31とを備える。ポケット部材31は、足部30の後身における長手方向(身長方向)の中間部に設けられている。たとえば、ポケット部材31は、衣服15を装着した装着者の足首が位置する側(下方)のポケット部材31の端部(下方端部)と、該装着者の膝の曲げ中心C1とが、立位時に装着者の身長方向において重なるように設けられている。すなわち、ポケット部材31は、膝の曲げ中心C1よりも上方(足部30における上腿側)に設けられている。この場合、図12に示されるように、パッド10は、板状部1の短手方向が衣服15の身長方向に沿うように配置される。さらにパッド10は、板状部1において凸部2の端部2E(図1参照)から距離L1を隔てて設けられている端部1Eがポケット部材31の上記下方端部に面するように、ポケット部材31に収容される。これにより、凸部2は、装着者の膝の曲げ中心C1から上記距離L1(図1参照)の位置に配置される。衣服15において、ポケット部材31は2つの足部30の少なくともいずれか一方に設けられていればよいが、たとえばポケット部材31は両方の足部30に設けられている。
【0022】
なお、ポケット部材31は、衣服15を装着した装着者の腰が位置する側(上方)のポケット部材31の端部(上方端部)と、該装着者の膝の曲げ中心C1とが、立位時に装着者の身長方向において重なるように設けられていてもよい。すなわち、ポケット部材31は、膝の曲げ中心C1よりも下方(足部30における下腿側)に設けられていてもよい。この場合には、パッド10は、板状部1の短手方向が衣服15の身長方向に沿うとともに、板状部1において凸部2の端部2E(図1参照)から距離L1を隔てて設けられている端部1Eがポケット部材31の上記上方端部に面するように、ポケット部材31に収容される。これにより、凸部2は、装着者の膝の曲げ中心C1から上記距離L1(図1参照)の位置に配置される。
【0023】
また、ポケット部材31は、立位時において、ポケット部材31の下方端部が該装着者の膝の曲げ中心C2(図12参照)よりも下方に位置するとともに、ポケット部材31の上方端部が当該曲げ中心C2よりも上方に位置するように設けられていてもよい。つまり、パッド10は、板状部1が曲げ中心C2と重なるように配置されていてもよい。このようにしても、パッド10は、膝の屈曲時において、板状部1の短手方向における端部1Eが膝の曲げ中心C2と重なる位置まで上方に移動する。そのため、凸部2は、装着者の膝の曲げ中心C1から上記距離L1(図1参照)の位置に配置され得る。
【0024】
また、図13に示されるように、ハーフパンツとして構成されている衣服16は、装着者の腰から膝の位置まで延びる足部30と、パッド10を収容可能に設けられているポケット部材31とを備える。このとき、ポケット部材31は、衣服16を装着した装着者の膝が位置する側(下方)のポケット部材31の端部(下方端部)と、該装着者の膝の曲げ中心C1とが、立位時に装着者の身長方向において重なるように設けられているのが好ましい。この場合、ポケット部材31は、たとえば足部30の後身における長手方向(身長方向)の装着者の膝が位置する側の端部に設けられている。パッド10は、板状部1の短手方向が衣服16の長手方向(身長方向)に沿うとともに、板状部1において凸部2の端部2E(図1参照)から距離L1を隔てて設けられている端部1Eがポケット部材31の上記下方端部に面するように、ポケット部材31に収容される。このようにしても、凸部2は、装着者の膝の曲げ中心C1から上記距離L1(図1参照)の位置に配置される。
【0025】
また、図14に示されるように、ソックスとして構成されている衣服17は、装着者の足先から膝の位置まで延びる足部30と、パッド10を収容可能に設けられているポケット部材31とを備える。このとき、ポケット部材31は、ポケット部材31の上方端部と、該装着者の膝の曲げ中心C1とが、立位時に装着者の身長方向において重なるように設けられているのが好ましい。この場合、ポケット部材31は、足部30の後身における長手方向の装着者の膝が位置する側の端部に設けられている。パッド10は、板状部1の短手方向が衣服17の長手方向(身長方向)に沿うとともに、板状部1において凸部2の端部2E(図1参照)と連なるように設けられていない側の端部1Eがポケット部材31の上記上方端部に面するように、ポケット部材31に収容される。このようにしても、凸部2は、装着者の膝の曲げ中心C1から上記距離L1(図1参照)の位置に配置される。
【0026】
図12図14に示される衣服15〜17において、ポケット部材31は、パッド10を出し入れ可能に設けられているのが好ましい。このようにすれば、たとえばパッド10が劣化した場合に、パッド10のみを交換して衣服15〜17を継続使用することが可能となる。
【0027】
次に、パッド10の作用効果について説明する。本願発明者は鋭意研究の結果、立ち上がり動作の際に膝裏に印加される圧力には、大小の分布が形成されていることを確認した。図26および図27は、膝を屈曲させた状態において膝裏に印加される圧力分布を説明するための図である。なお、図26及び図27における圧力分布は、実際の測定された圧力値を3つの数値範囲に振り分けることにより3つの領域として図示したものである。図26および図27に示されるように、屈曲時に最も大きな力が付与される膝裏の領域A1は、身長方向において膝の曲げ中心Cから3cm以上7cm以下離れていた。また、当該領域A1は、幅方向において膝の中央部に形成されていた。領域A1は、身長方向および幅方向における幅が4cm平方であった。領域A1よりも付与される圧力が小さい膝裏の領域A2は、領域A1を囲むように形成されており、さらに領域A2よりも付与される圧力が小さい膝裏の領域A3は、領域A2を囲むように形成されていた。
【0028】
立ち上がり動作時には、膝を屈曲させた状態において膝裏に付与されている圧力に逆らう向きに当該圧力以上の大きさの力が必要になる。本願発明者は、このような立ち上がり動作をアシストするための力(反発力)に膝裏に付与するという着想のもと、大きな反発力を付与すべき領域は図27に示される領域A1であることを見出した。また、本願発明者は、官能試験により膝裏全体に大きな反発力を付与した場合に、装着者が膝の屈伸動作時に違和感や痛みを感じる傾向にあることを確認した。本願発明者は、装着者の立ち上がり動作をアシストすることができ、また装着時の違和感や痛みが抑制されており、使用可能な場面の制限が少ないパッドとして、実施の形態1に係るパッド10を創作した。
【0029】
実施の形態1に係るパッド10は、板状部1と凸部2とを備える。板状部1は、第1の主面と、第1の主面1Aと反対側に位置する第2の主面1Bとを有する。凸部2は、第2の主面1B上に第1の主面1Aが位置する側と反対の方向に凸状に設けられ、弾性を有する。第1の主面1Aは第2の主面1Bが位置する側と反対の方向に凸状である曲面を含む。第1の主面1Aに垂直な方向における凸部2および板状部1の合計厚みが、板状部1において凸部2が位置していない領域での板状部1の当該垂直な方向における厚みよりも厚い。
【0030】
このようにすれば、パッド10は、凸部2が図27に示される領域A1に面するように装着者の膝裏に配置され得る。装着者の膝裏に配置されたパッド10において、上記垂直な方向に積層している凸部2および板状部1には膝の屈曲時に大きな圧力が付与される。そのため、立ち上がり時において凸部2および板状部1は膝裏の上記領域A1に対し、膝を伸長させる方向に作用する大きな反発力を付与することができる。その結果、パッド10は、装着者に対し、膝を屈曲させた状態からの立ち上がり動作をアシストすることができる。
【0031】
このとき、パッド10は、上記のような構成を有しているため、板状部1の長手方向における長さを装着者の膝部の幅方向における長さ(身体の身長方向と交差する方向における膝部の幅)と同等以下とすることができる。また、第1の主面1Aは、端部1Dに連なる部分において、第2の主面1Bが位置する側と反対の方向に凸状である曲面1Rを含むため、パッド10が装着者の膝裏に装着されたときに外側に面するように配置される第1の主面1Aが装着者の膝裏の形状(身長方向に垂直な面における膝裏形状)に沿うように配置される。これにより、パッド10は、従来のキャッチャー用ニークッションと比べて小型化が可能であり、当該ニークッションと比べて装着したときに目立ちにくくすることができる。また、着用感を向上させることも可能である。そのため、パッド10は、使用可能な場面の制限が少なく、たとえば腰ではなく膝の屈伸動作が推奨される場面(たとえば介護など)において特に好適である。
【0032】
また、パッド10において、凸部2は、第2の主面1B上に凸状に設けられており、かつ、第1の主面1Aに垂直な方向において積層している凸部2および板状部1の垂直な方向における厚みが、垂直な方向における板状部1の厚みよりも厚い。つまり、パッド10を平面視したときに、板状部1は、凸部2と板状部1とが積層している部分に隣接して設けられている。
【0033】
このようにすれば、凸部2が図27に示される領域A1に面するようにパッド10を装着者の膝裏に配置したときに、板状部1は図27に示される領域A2において少なくとも領域A1に隣接する部分に面するように配置される。さらにこのとき、板状部1は、領域A3において領域A2に隣接する部分に面するように配置され得る。これにより、領域A2,A3には領域A1に付与されるほどの大きな反発力は付与されず、また、領域A2,A3において少なくとも領域A1に隣接する部分にはクッション性を有する板状部1が接触するため、装着者が屈伸動作時に違和感や痛みを感じることを防止することができる。
【0034】
上記パッド10は、凸部2のアスカーF硬度が95以下である。
このようにすれば、装着者が膝を曲げて凸部2が膝裏の領域A1に押し付けられている状態においても、装着者が痛みを感じることを防止することができる。凸部2のアスカーF硬度が90以下とすれば、装着者が膝を曲げて凸部2が膝裏の領域A1に押し付けられている状態においても、装着者が痛みを感じることをより防止することができる。凸部2のアスカーF硬度が85以下とすれば、装着者が膝を曲げて凸部2が膝裏の領域A1に押し付けられている状態においても、装着者が痛みを感じることをさらに防止することができる。
【0035】
上記パッド10において、凸部2は、第2の主面1Bの少なくとも1つの端部1Eからの距離L1が3cm以上7cm以下である。
【0036】
このようにすれば、板状部1の端部1Eを膝の曲げ中心C1(図12図26および図27参照)と重なるように配置することにより、図27に示される膝裏の領域A1に凸部2を容易に当接させることができる。このようなパッド10は、たとえば図12図14に示される衣服15,16,17のポケット部材31に収容されることにより、板状部1の端部1Eを膝の曲げ中心C1と重なるように配置され、凸部2が装着者の膝裏の領域A1と当接する位置に容易に配置され得る。その結果、立ち上がり時において凸部2および板状部1は膝裏の上記領域A1に対し、膝を伸長させる方向に作用する大きな反発力を付与することができる。また、このようにすれば、図27に示される膝裏の領域A2,A3に凸部2が当接することを抑制することができる。そのため、装着者が膝の屈伸動作時に違和感や痛みを感じることを抑制することができる。
【0037】
なお、実施の形態1に係るパッド10は、図1および図2に示させるものに限られない。図3図11を参照して、パッド10の変形例について説明する。
【0038】
図3に示されるパッド10は、基本的には図1および図2に示されるパッド10と同様の構成を備えているが、凸部2が板状部1の短手方向における両端部1E間に延びるように形成されている点で異なる。凸部2の平面形状は、たとえば略長方形状である。板状部1の短手方向に沿った方向における凸部2の一端および他端(端部2E)は、板状部1の短手方向における一端および他端(端部1E)と連なるように設けられている。板状部1の長手方向に沿った方向における凸部2の一端および他端(端部2D)は、板状部1の長手方向における一端および他端(端部1D)とそれぞれ間隔を隔てるように設けられている。このようなパッド10は、図12図14に示されるような衣服15,16,17のポケット部材31に収容されて使用され得る。これにより、図27に示される領域A1に対して凸部2および凸部2と積層している板状部1により大きな反発力を付与することができる。このときポケット部材31の上記下方端部が装着者の膝の曲げ中心C1(図26および図27参照)と重なるように設けられているのが好ましい。このようにすれば、図27に示される膝裏の領域A2,A3に凸部2が当接することを抑制することができるため、装着者が膝の屈伸動作時に違和感や痛みを感じることを抑制することができる。
【0039】
図4に示されるように、パッド10は、板状部1の4隅に位置する角1Cが角丸でなく角であってもよい。このような構成を備えるパッド10は、図1および図2に示されるパッド10と同様の効果を奏することができる。
【0040】
図5に示されるように、パッド10は、板状部1の長手方向に伸びる端部1Eの中央部が、その両端部(角1C)よりも板状部1の短手方向に凹んでいてもよい。また、板状部1の短手方向に伸びる端部1Dの中央部が、その両端部(角1C)よりも板状部1の長手方向に凹んでいてもよい。板状部1の短手方向に沿った方向における凸部2の一端および他端(端部2E)は、板状部1の短手方向における一端および他端(端部1E)とそれぞれ間隔を隔てるように設けられていてもよい。凸部2の端部2Eの中央部は、その両端部(角2C)よりも板状部1の短手方向に凹んでいてもよい。このような構成を備えるパッド10は、図1および図2に示されるパッド10と同様の効果を奏することができる。
【0041】
図6および図7は、パッド10の変形例としてのパッド11を説明するための図である。図6および図7に示されるパッド11は、基本的には図1および図2に示されるパッド10と同様の構成を備えているが、板状部1の第2の主面1B上に第1の主面1Aが位置する側と反対の方向に凸状に設けられている中間層部3をさらに備えている点で異なる。
【0042】
中間層部3は、板状部1の第2の主面1Bと接している面と反対側に位置する第4の主面3Bを有している。凸部2は、中間層部3の第4の主面3B上に第1の主面1Aが位置する側と反対の方向に凸状に設けられている。中間層部3の平面形状は、たとえば略長方形状である。中間層部3の第4の主面3Bの面積は、板状部1の第2の主面1Bの面積よりも小さく、凸部2の第3の主面2Bよりも大きい。中間層部3の4隅に位置する角3Cは、たとえば角丸に設けられている。中間層部3は、板状部1の短手方向に沿った方向における一端および他端(以下、いずれも端部3Eという)と、板状部1の長手方向に沿った方向における一端および他端(以下、いずれも端部3Dという)とを有している。
【0043】
板状部1の短手方向に沿った方向における中間層部3の一端(端部3E)は、板状部1の短手方向における一端(端部1E)および凸部2の一端(端部2E)と連なるように設けられている。板状部1の短手方向に沿った方向における中間層部3の他端(端部3E)は、板状部1の短手方向における他端(端部1E)と凸部2の他端(端部2E)との間に位置するように設けられている。板状部1の長手方向に沿った方向における中間層部3の一端および他端(端部3D)は、板状部1の長手方向における一端および他端(端部1D)とそれぞれ間隔を隔てているとともに、凸部2の一端および他端(端部2D)ともそれぞれ間隔を隔てて設けられている。
【0044】
中間層部3を構成する材料は、クッション性を有する任意の材料とすればよいが、好ましくはアスカーF硬度が95以下の材料であり、より好ましくはアスカーF硬度が90以下の材料であり、より好ましくはアスカーF硬度が85以下の材料である。中間層部3を構成する材料は、板状部1または凸部2を構成する材料と同一であってもよい。中間層部3を構成する材料は、たとえば発泡体、ラバー、およびゲルからなる群から選択される少なくとも1つである。
【0045】
このようなパッド11は、凸部2が弾性を有している。また、パッド11において、第1の主面1Aに垂直な方向において積層している凸部2、中間層部3および板状部1の当該垂直な方向における厚みが、当該垂直な方向における板状部1の厚みまたは中間層部3および板状部1の厚みよりも厚い。また、板状部1の第1の主面1Aは、第2の主面1Bが位置する側と反対の方向に凸状である曲面1Rを含んでいる。そのため、図6および図7に示されるパッド11は、図1および図2に示されるパッド10と同様の効果を奏することができる。
【0046】
図8に示されるように、パッド11は、凸部2および中間層部3が板状部1の長手方向に伸びる両端部1E間に延びるように形成されていてもよい。凸部2および中間層部3の平面形状は、たとえば略長方形状である。板状部1の短手方向に沿った方向における中間層部3の一端および他端(端部3E)は、板状部1の短手方向における一端および他端(端部1E)、並びに凸部2の一端および他端(端部2E)と連なるように設けられている。板状部1の長手方向に沿った方向における中間層部3の一端および他端(端部3D)は、板状部1の長手方向における一端および他端(端部1D)、並びに凸部2の一端および他端(端部2D)とそれぞれ間隔を隔てるように設けられている。このような構成を備えるパッド11は、図6および図7に示されるパッド11と同様の効果を奏することができ、図1および図2に示されるパッド10と同様の効果を奏することがでる。
【0047】
図9に示されるように、パッド11は、4隅に位置する角1Cが角丸でなく角であってもよい。このような構成を備えるパッド11は、図6および図7に示されるパッド11と同様の効果を奏することができ、図1および図2に示されるパッド10と同様の効果を奏することがでる。
【0048】
図10に示されるように、パッド11は、板状部1の長手方向に伸びる端部1Eの中央部が、その両端部(角1C)よりも板状部1の短手方向に凹んでいてもよい。また、板状部1の短手方向に伸びる端部1Dの中央部が、その両端部(角1C)よりも板状部1の長手方向に凹んでいてもよい。
【0049】
板状部1の短手方向に沿った方向における中間層部3の一端および他端(端部3E)は、板状部1の短手方向における一端および他端(端部1E)とそれぞれ間隔を隔てているとともに、凸部2の一端および他端(端部2E)とそれぞれ間隔を隔てて設けられていてもよい。中間層部3の端部3Eの中央部は、その両端部(角3C)よりも板状部1の短手方向に凹んでいてもよい。凸部2は、端部2Eが中間層部3の端部3Eと間隔を隔てて設けられていてもよい。凸部2の端部2Eの中央部は、その両端部(角2C)よりも板状部1の短手方向に凹んでいてもよい。このような構成を備えるパッド11は、図6および図7に示されるパッド11と同様の効果を奏することができ、図1および図2に示されるパッド10と同様の効果を奏することがでる。
【0050】
図11は、パッド10,11の変形例としてのパッド12を説明するための図である。図11に示されるパッド12は、基本的には図1および図2に示されるパッド10と同様の構成を備えているが、凸部2の端部2D,2Eに形成されている4つの側面のうち、少なくとも1つの側面が第3の主面2Bに対して鈍角を成すとともに第2の主面1Bに対して鋭角を成すように形成されている点で異なる。図11に示されるように、第3の主面2Bを挟んで互いに対向する端部2Dを構成する2つの側面が、それぞれ第3の主面2Bに対して鈍角を成すとともに第2の主面1Bに対して鋭角を成すように形成されていてもよい。また、図1に示されるように凸部2の一方の端部2Eが板状部1の一方の端部1Eと連なるように設けられている場合には、凸部2において板状部1の端部1Eと連なるように形成されていない他方の端部2Eを構成する側面が、端部2Dを構成する2つの側面と同様に、第3の主面2Bに対して鈍角を成すとともに第2の主面1Bに対して鋭角を成すように形成されていてもよい。このような構成を備えるパッド12は、第1の主面1Aに垂直な方向において積層している凸部2および板状部1の当該垂直な方向における厚みが、当該垂直な方向における板状部1の厚みよりも徐々に厚くなるように設けられている。そのため、このようなパッド12によれば、図1に示されるパッド10と比べて装着者が膝の屈伸動作時に違和感や痛みをより感じ難くすることができる。
【0051】
また、図6図10に示される凸部2の端部2D,2Eを形成している4つの側面についても、そのうちの少なくとも1つの側面が第3の主面2Bに対して鈍角を成すとともに第2の主面1Bに対して鋭角を成すように形成されていてもよい。このようにしても、パッド12は、第1の主面1Aに垂直な方向において積層している凸部2および板状部1の当該垂直な方向における厚みが、当該垂直な方向における板状部1の厚みよりも徐々に厚くなるように設けられている。そのため、このようなパッド12によれば、図1に示されるパッド10と比べて装着者が膝の屈伸動作時に違和感や痛みをより感じ難くすることができる。また、中間層部3の端部3D,3Eを形成している4つの側面についても、そのうちの少なくとも1つの側面が第4の主面3Bに対して鈍角を成すとともに第2の主面1Bに対して鋭角を成すように形成されていてもよい。このようにしても、第1の主面1Aに垂直な方向において積層している中間層部3および板状部1の当該垂直な方向における厚みが、当該垂直な方向における板状部1の厚みよりも徐々に厚くなるように設けられている。そのため、このようなパッド12によれば、装着者が膝の屈伸動作時に違和感や痛みをより感じ難くすることができる。
【0052】
(実施の形態2)
次に、図15を参照して、実施の形態2に係るパッド13について説明する。パッド13は、基本的には実施の形態1に係るパッド10と同様の構成を備えているが、板状部1および凸部2を覆うように設けられているカバー4をさらに備えている点で異なる。
【0053】
カバー4は、板状部1の第1の主面1Aに面している第1の部分4Aと、板状部1の第2の主面1Bと凸部2の第3の主面2Bに面している第2の部分4Bとを有している。第1の部分4Aおよび第2の部分4Bは、互いに接続されている。第1の部分4Aには、板状部1の長手方向において板状部1の中央部側に向かう張力が付与されている。第2の部分4Bは、第1の部分4Aに付与されている当該張力を受けて、第1の部分4A側に向かって引っ張られている。第1の部分4Aおよび第2の部分4Bは、第1の部分4Aおよび第2の部分4Bに対して上述のような張力を付与し得る限りにおいて任意の構成を有していればよい。たとえば第1の部分4Aおよび第2の部分4Bを構成する材料は、それぞれ同一とする。板状部1の長手方向に沿った第1の部分4Aの長さは、板状部1の長手方向に沿った第2の部分4Bの長さよりも短く設けられている。このような第1の部分4Aの周囲と第2の部分4Bの周囲とがパッド10を挟んだ状態で接続される(たとえば縫い合わされる)ことにより、板状部1の第1の主面1Aはカバー4により押圧されている。カバー4を構成する材料は、伸縮性を有する任意の材料であればよいが、好ましくは吸湿性を有する材料または肌当たりの良い材料の少なくともいずれか1つを含む。カバー4の第1の部分4Aおよび第2の部分4Bは、たとえば1つの布状物が折り返されることにより構成されていてもよい。また、カバー4の第1の部分4Aおよび第2の部分4Bは、それぞれ異なる布状物により構成されていてもよい。
【0054】
このような構成を備えるパッド13によれば、カバー4により板状部1の第1の主面1Aを押圧することができるため、板状部1の単体の形状によらず第1の主面1Aに所定の曲率を有する曲面1Rを形成することができる。また、カバー4の第1の部分4Aに所定の曲率を有する曲面部4Rを形成することができる。つまり、パッド13において、板状部1は、単体としては直方体状に形成されていてもよい。このようにしても、直方体状の板状部1には、第1の主面1Aがカバー4により押圧されることにより、第1の主面1Aにおいて板状部1の端部1Dに連なる部分には曲面1Rが形成される。カバー4の第1の部分4Aには、第1の主面1Aの曲面1Rに沿って曲げられている曲面部4Rが形成される。第1の主面1Aおよびカバー4の第1の部分4Aは、パッド10が装着者の膝裏に装着されたときに外側に面するように配置される。
【0055】
そのため、パッド13は、板状部1の単体の形状によらずに、従来のキャッチャー用ニークッションと比べて小型化が可能であり、当該ニークッションと比べて装着したときに目立ちにくくすることができ、また着用感を向上させることができる。また、パッド13は、カバー4を構成する材料が吸湿性を有する材料または肌当たりの良い材料の少なくともいずれか1つを含む場合には、着用感をさらに向上させることができる。
【0056】
(実施の形態3)
次に、図16および図17を参照して、実施の形態3に係る補助具20について説明する。補助具20は、パッド21と、第1および第2の固定部5,6を備えている。パッド21は、実施の形態1または実施の形態2に係るパッド10〜13と同様の構成を備えていればよく、たとえば図3に示されるパッド10と基本的に同様の構成を備えている。パッド10〜13は衣服15〜17に設けられたポケット部材31に収容されることにより、装着者の膝裏に配置され得るが、補助具20におけるパッド21は第1および第2の固定部5,6により装着者の膝裏に配置される。
【0057】
第1および第2の固定部5,6は、パッド21の板状部1の長手方向に沿って延びるように形成されている。第1および第2の固定部5,6の延在方向における一方の端部は、凸部2の端部2Dから間隔を隔てて設けられている板状部1の端部1Dまたはその近傍に位置する部分に、それぞれ任意の方法により接続されている。第1および第2の固定部5,6の延在方向における他方の端部には、互いに接触したときに固定可能に設けられている第1固定部材50および第2固定部材60がそれぞれ設けられている。第1固定部材50および第2固定部材60は、互いに固定可能に設けられている限りにおいて任意の構成を備えていればよく、たとえば、磁石、マジックテープ(登録商標)、ホック・ボタン等であってもよい。第1固定部材50および第2固定部材60は、任意の方法により第1および第2の固定部5,6上にそれぞれ設けられていればよいが、たとえば第1および第2の固定部5,6に縫着されている。また、第1固定部材50および第2固定部材60は、第1および第2の固定部5,6の延在方向に互いに間隔を隔てて複数設けられていてもよい。
【0058】
このような構成を備える補助具20によれば、パッド21をポケット部材31に収容させた衣服15〜17を装着することなく、第1および第2の固定部5,6によってパッド21を装着者の膝裏に配置することができる。また、補助具20によれば、膝裏に対してパッド21を位置合わせする際の自由度が衣服15〜17と比べて大きいため、装着者は自身にとって適当な位置にパッド21を位置合わせすることが可能となる。つまり、補助具20によれば、装着者が第1および第2の固定部5,6による固定位置を調整することにより、凸部2を図27に示される膝裏の領域A1に容易に当接させることができる。
【0059】
なお、第1および第2の固定部5,6の延在方向における一方の端部は、凸部2の端部2Dから間隔を隔てて設けられている板状部1の端部1Dまたはその近傍に位置する部分に、それぞれ着脱可能に接続されていてもよい。
【0060】
なお、実施の形態3に係る補助具20におけるパッド21は、図16および図17に示させるものに限られない。図18図23を参照して、パッド21の変形例について説明する。図18図23は、パッド21の変形例を説明するための平面図である。
【0061】
図18に示されるように、パッド21は、板状部1の平面形状が楕円形状であり、凸部2の平面形状が円形状であってもよい。凸部2は、たとえば、平面視したときに板状部1に内接するように設けられている。この場合、第1および第2の固定部5,6は、たとえば楕円の円周に沿って設けられている板状部1の端部1Eにおいて凸部2から最も離れた位置にそれぞれ接続されている。このような構成を有するパッド21を備える補助具20は、図16に示される補助具20と同様の効果を奏することができる。
【0062】
図19に示されるように、パッド21は、板状部1の4隅に位置する角1Cが角丸でなく角であってもよい。このような構成を有するパッド21を備える補助具20は、図16に示される補助具20と同様の効果を奏することができる。
【0063】
図20に示されるように、パッド21は、板状部1の長手方向に伸びる端部1Eの中央部が、その両端部(角1C)よりも板状部1の短手方向に凹んでいてもよい。また、板状部1の短手方向に伸びる端部1Dの中央部が、その両端部(角1C)よりも板状部1の長手方向に凹んでいてもよい。板状部1の短手方向に沿った方向における凸部2の一端および他端(端部2E)は、板状部1の短手方向における一端および他端(端部1E)とそれぞれ間隔を隔てるように設けられていてもよい。凸部2の端部2Eの中央部は、その両端部(角2C)よりも板状部1の短手方向に凹んでいてもよい。このような構成を有するパッド21を備える補助具20は、図16に示される補助具20と同様の効果を奏することができる。
【0064】
図21図24は、補助具20におけるパッド21の変形例としてのパッド22を説明するための図である。図21図24に示されるパッド22は、基本的には図16および図17に示されるパッド21と同様の構成を備えているが、板状部1の第2の主面1B上に第1の主面1Aが位置する側と反対の方向に凸状に設けられている中間層部3をさらに備えている点で異なる。
【0065】
図21に示されるように、パッド22は、凸部2および中間層部3が板状部1の長手方向に伸びる両端部1E間に延びるように形成されていてもよい。凸部2および中間層部3の平面形状は、たとえば略長方形状である。凸部2の端部2Eおよび中間層部3の端部3Eは板状部1の端部1Eと連なるように設けられており、中間層部3の端部3Dは、板状部1の端部1Dと凸部2の端部2Dとの間に位置するように設けられている。このような構成を備えるパッド22は、図16および図17に示されるパッド21と同様の効果を奏することができる。その結果、このようなパッド22を備える補助具は、図16に示される補助具20と同様の効果を奏することができる。
【0066】
図22に示されるように、パッド22は、板状部1の平面形状が楕円形状であり、凸部2の平面形状が円形状であってもよい。凸部2は、たとえば、平面視したときに板状部1に内接するように設けられている。この場合、第1および第2の固定部5,6は、たとえば楕円の円周に沿って設けられている板状部1の端部1Eにおいて凸部2から最も離れた位置にそれぞれ接続されている。このような構成を備えるパッド22は、図16および図17に示されるパッド21と同様の効果を奏することができる。その結果、このようなパッド22を備える補助具は、図16に示される補助具20と同様の効果を奏することができる。
【0067】
図23に示されるように、パッド22は、4隅に位置する角1Cが角丸でなく角であってもよい。このような構成を備えるパッド22は、図16および図17に示されるパッド21と同様の効果を奏することができる。その結果、このようなパッド22を備える補助具は、図16に示される補助具20と同様の効果を奏することができる。
【0068】
図24に示されるように、パッド22は、板状部1の長手方向に伸びる端部1Eの中央部が、その両端部(角1C)よりも板状部1の短手方向に凹んでいてもよい。また、板状部1の短手方向に伸びる端部1Dの中央部が、その両端部(角1C)よりも板状部1の長手方向に凹んでいてもよい。中間層部3の端部3Eの中央部は、その両端部(角3C)よりも板状部1の短手方向に凹んでいてもよい。凸部2の端部2Eの中央部は、その両端部(角2C)よりも板状部1の短手方向に凹んでいてもよい。このような構成を備えるパッド22は、図16および図17に示されるパッド21と同様の効果を奏することができる。その結果、このようなパッド22を備える補助具は、図16に示される補助具20と同様の効果を奏することができる。
【0069】
(実施の形態4)
次に、図25を参照して、実施の形態5に係る補助具23について説明する。補助具23は、基本的には実施の形態3に係る補助具20と同様の構成を備えているが、パッド21を覆うように設けられているカバー4をさらに備えている点で異なる。
【0070】
カバー4は、基本的には実施の形態2におけるカバー4と同様の構成を備えていればよい。このようにすれば、補助具23におけるパッド21は、実施の形態2に係るパッド12と同様の効果を奏することができる。
【0071】
補助具23において、第1および第2の固定部5,6はカバー4に任意の方法により接続されていればよい。第1および第2の固定部5,6の延在方向における一方の端部51,61が、カバー4に設けられている接続部41,42に、たとえば縫着によりそれぞれ接続されていてもよい。カバー4の接続部41,42は、任意の方法により形成されていればよいが、カバー4の第1の部分4Aおよび第2の部分4Bが1つの布状物が折り返されることにより構成されている場合には、接続部41はたとえばカバー4における折り返し部分として形成されていてもよい。また、カバー4の第1の部分4Aおよび第2の部分4Bがそれぞれ異なる布状物により構成されている場合には、接続部41,42はたとえば異なる布状物が縫着されている部分として形成されていてもよい。
【0072】
上述したパッド10〜13,21〜22は、いずれも板状部1、凸部2、中間層部3がそれぞれ別体として構成されているが、これに限られるものでは無い。板状部1、凸部2、および中間層部3の少なくとも2つが、一体物として成形されていてもよい。このように構成されたパッドは、上述したパッド10〜13,21〜22と同様の効果を奏することができる。
【0073】
また、上述したパッド10〜13,21〜22において、板状部1、凸部2、および中間層部3は、それぞれ第1の主面1Aに垂直な方向における厚みが徐々に変化するように設けられていてもよい。たとえば、板状部1および中間層部3は、凸部2と重ならない領域(凸部2が位置していない領域)での当該厚みが、凸部2と重なる領域(凸部2が位置している領域)での当該厚みよりも凸部2から離れるにつれて徐々に薄くなるように設けられていてもよい。言い換えると、パッド10〜13,21〜22が上述のように配置されたときに図26および図27に示される膝裏の領域A3に当接される板状部1または中間層部3の領域の上記厚みは、このとき図26および図27に示される膝裏の領域A2に当接される板状部1または中間層部3の領域の上記厚みよりも薄く設けられていてもよい。このように構成されたパッド10〜13,21〜22であっても、装着者の立ち上がり動作をアシストすることができ、装着者が屈伸動作時に違和感や痛みを感じることを防止することができる。
【0074】
図28図31を参照して、上述したパッド10〜13,21〜22において、凸部2は第1の主面1A上において第2の主面1Bが位置する側と反対の方向に凸状に設けられていてもよい。図28は、パッド10,11の変形例としてのパッド14を説明するための図である。図29は、パッド12の変形例としてのパッド18を説明するための図である。図30は、パッド13の変形例としてのパッド19を説明するための図である。図31は、補助具20の変形例(パッド21の変形例としてのパッド24)を説明するための図である。凸部2は、曲面1Rよりも第1の主面1Aの中央に位置する面上において、第2の主面1Bが位置する側と反対の方向に凸状に設けられていてもよい。凸部2は、第1の主面1Aと接している面の反対側に位置する第5の主面2Aを有している。この場合、凸部2および板状部1は、立ち上がり時において、装着された上腿または下腿と膝を挟んで対向する下腿または上腿の上記領域A1に第5の主面2Aが当接することにより、当該領域A1に対し膝を伸長させる方向に作用する大きな反発力を付与可能に設けられている。このとき、パッド14,18,19,24は、凸部2が装着者の後身に向かって凸状となるように上腿または下腿に装着される。このような構成を備えるパッド14,18,19,24は、それぞれ上述したパッド10〜13,21〜22と同様の作用効果を奏することができる。
【0075】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0076】
1 板状部、1A 第1の主面、1B 第2の主面、1C,2C,3C 角、1D,1E,2D,2E,3D,3E 端部、1R 曲面、2 凸部、2B 第3の主面、3 中間層部、3B 第4の主面、4 カバー、4A 第1の部分、4B 第2の部分、4R 曲面部、5,6 第2の固定部、10,11,12,13,14,18,19,21,22,24 パッド、15,16,17 衣服、20,23 補助具、30 足部、31 ポケット部材、41,42 接続部、50 第1固定部材、60 第2固定部材。
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