特許第6203820号(P6203820)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許620382015−PGDH活性を調節する組成物および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6203820
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】15−PGDH活性を調節する組成物および方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/4365 20060101AFI20170914BHJP
   A61K 31/519 20060101ALI20170914BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20170914BHJP
   A61P 37/06 20060101ALI20170914BHJP
   A61P 19/08 20060101ALI20170914BHJP
   A61P 19/10 20060101ALI20170914BHJP
   A61P 1/00 20060101ALI20170914BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20170914BHJP
   A61P 7/00 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
   A61K31/4365
   A61K31/519
   A61P43/00 111
   A61P43/00 107
   A61P37/06
   A61P19/08
   A61P19/10
   A61P1/00
   A61P1/16
   A61P7/00
【請求項の数】16
【全頁数】189
(21)【出願番号】特願2015-507115(P2015-507115)
(86)(22)【出願日】2013年4月16日
(65)【公表番号】特表2015-514770(P2015-514770A)
(43)【公表日】2015年5月21日
(86)【国際出願番号】US2013036790
(87)【国際公開番号】WO2013158649
(87)【国際公開日】20131024
【審査請求日】2016年4月12日
(31)【優先権主張番号】61/624,670
(32)【優先日】2012年4月16日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】597138069
【氏名又は名称】ケース ウエスタン リザーブ ユニバーシティ
(73)【特許権者】
【識別番号】505359366
【氏名又は名称】ボード オブ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティー オブ テキサス システム
(73)【特許権者】
【識別番号】514263757
【氏名又は名称】ユニバーシティ オブ ケンタッキー
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】マルコウィッツ,サンフォード
(72)【発明者】
【氏名】ウィルソン,ジェームズ,ケー.ブイ.
(72)【発明者】
【氏名】ポスナー,ブルース,エー.
(72)【発明者】
【氏名】レディ,ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,ヨンギョウ
(72)【発明者】
【氏名】タイ,シン−シウン
(72)【発明者】
【氏名】モス,メリッサ
(72)【発明者】
【氏名】アントザク,モニカ
(72)【発明者】
【氏名】ガーソン,スタントン
(72)【発明者】
【氏名】キ,ベオム バエ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,スン イエウン
(72)【発明者】
【氏名】デサイ,アマー
【審査官】 伊藤 基章
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2011/0269954(US,A1)
【文献】 Steroids, 1994, vol.59, p.136-141
【文献】 Cancer Science, 2010, vol.101, No.2, p.550-558
【文献】 J. Med. Chem., 2011, vol.54, p.5260-5264
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00
A61K 45/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
15−PGDH酵素活性の阻害において使用する化合物およびその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物であって、
前記化合物が、式:
【化1】
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を持ち、
式中
nは0−2であり;
はNまたはCHであり
はC1−8アルキルであり、これは直鎖、分枝、または環状であり、これは非置換であり、または置換され;
およびRは任意的であり、存在する場合、同じかまたは異なり、各々、下記からなる群より選択される:H、F、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CHn1OR’(式中、n1=1、2、または3である)、CF、CH−CHX、O−CH−CHX、CH−CH−CHX、O−CH−CHX(式中、X=F、Cl、Br、またはIである)、CN、(C=O)−R’、N(R’)、NO、(C=O)N(R’)、O(CO)R’、OR’、SR’、COOR’(式中、R’はHまたは低級アルキル基である);置換もしくは非置換アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、またはヘテロシクリル
であり、
前記置換はハロ、ヒドロキシル、シリル、スルフヒドリル、C−C24アルコキシ、C−C24アルケニルオキシ、C−C24アルキニルオキシ、C−C20アリールオキシ、アシル、C−C24アルキルカルボニル、C−C20アリールカルボニル、アシルオキシ、C−C24アルコキシカルボニル、C−C20アリールオキシカルボニル、CーC24アルキルカルボナト、CーC20アリールカルボナト、カルボキシ、カルボキシラト、カルバモイル、モノ−(C−C24アルキル)−置換カルバモイル、ジ−(C−Cアルキル)−置換カルバモイル、モノ−置換アリールカルバモイル、チオカルバモイル、カルバミド、シアノ、イソシアノ、シアナト、イソシアナト、イソチオシアナト、アジド、ホルミル、チオホルミル、アミノ、モノ−およびジ−(C−C24アルキル)−置換アミノ、モノ−およびジ−(C−C20アリール)−置換アミノ、C−C24アルキルアミド、C−C20アリールアミド、イミノ、アルキルイミノ、アリールイミノ、ニトロ、ニトロソ、スルホ、スルホナト、C−C24アルキルスルファニル、アリールスルファニル、C−C24アルキルスルフィニル、C−C20アリールスルホニル、ホスホノ、ホスホナト、ホスフィナト、ホスホ、およびホスフィノ;ならびにヒドロカルビル部分C−C24アルキル、C−C24アルケニル、C−C24アルキニル、C−C20アリール、C−C24アルカリル、およびC−C24アラルキルを含む、
医薬組成物。
【請求項2】
nは1であり、およびXはCHである、請求項に記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記化合物は下記式およびその薬学的に許容される塩を有する、請求項1に記載の医薬組成物:
【化2】
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【請求項4】
記式を有する化合物およびその薬学的に許容される塩から本質的に構成される、請求項に記載の医薬組成物:
【化3】
[この文献は図面を表示できません]
【請求項5】
前記組成物は、99重量%超の化合物のR(+)異性体および1重量%未満の化合物のS(−)異性体を含む、請求項に記載の医薬組成物。
【請求項6】
細胞移植、臓器移植、組織移植片生着、臓器再生、組織再生、組織修復、創傷治癒、細胞成長および/または増殖の増強において使用する、請求項1〜5のいずれかに記載の医薬組成物
【請求項7】
被験体の組織中の組織幹細胞を増加させるのに使用するための、請求項1〜のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項8】
ドナー骨髄移植片またはドナー造血幹細胞移植片の適応度を増加させるのに使用するための、請求項1〜のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項9】
被験体中の幹細胞、および/またはドナー移植片としての骨髄の適応度、および/または骨髄の再生の少なくとも1つを増加させるのに使用するための、請求項1〜のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項10】
ドナー移植片としての幹細胞調製物の適応度を増加させる、および/または移植に要求される幹細胞の単位数を減少させるのに使用するための、請求項1〜のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項11】
細胞、幹細胞、骨髄、臓器、および/または組織移植片拒絶の緩和、および/または細胞、幹細胞、骨髄、および/または組織移植片生着の増強において使用するための、請求項1〜のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項12】
骨密度を増加させ、骨粗鬆症を治療し、骨折の治癒を促進し、または骨の治癒を促進するのに使用するための、請求項1〜のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項13】
腸管損傷の治癒または防止において使用するための、請求項1〜のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項14】
放射線への曝露または化学療法の毒性または致命的効果、あるいは炎症性腸疾患からの損傷に抵抗性および/または治癒を与えるのに使用するための、請求項1〜のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項15】
肝臓手術、または肝臓損傷、または肝臓移植後を含む設定における肝臓再生を促進するのに使用するための、請求項1〜のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項16】
好中球数、および/または血小板数、および/または赤血球数、および/またはヘマトクリット、および/またはヘモグロビンレベル、および/または骨髄幹細胞を増加させるのに使用するための、請求項1〜のいずれかに記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は2012年4月16日に出願された米国仮特許出願第61/624,670号(その対象物はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)の優先権を主張する。
【0002】
政府出資
この発明は、国立衛生研究所により与えられた認可番号第R01CA127306号、R01CA127306−03S1号、および5P50CA150964号の下、政府支援によりなされた。米国政府は本発明に対し一定の権利を有し得る。
【背景技術】
【0003】
15−ヒドロイキシ(hydroyxy)−プロスタグランジンデヒドロゲナーゼ(15−PGDH)は多くの活性プロスタグランジン、ロイコトリエンおよびヒドロキシエイコサテトラエン酸(HETE)の不活性化(例えば、PGEの15−ケト−プロスタグランジンE2、15k−PGEへの酸化を触媒することによる)における重要な酵素を表す。ヒト酵素は、HPGD遺伝子によりコードされ、29kDaのサイズのサブユニットを有するホモ二量体から構成される。酵素は短鎖デヒドロゲナーゼ/レダクターゼ酵素(SDR)の進化的に保存されたスーパーファミリーに属し、ヒト酵素に対し最近承認された命名法によれば、SDR36C1と命名される。これまで、2つの型の15−PGDH、NAD+依存性I型15−PGDHおよびII型NADP依存性15−PGDH(カルボニルレダクターゼ1(CBR1、SDR21C1)としても知られている)が同定されている。しかしながら、CBR1のNADPに対する優先性およびほとんどのプロスタグランジンに対するCBR1の高いKm値により、インビボ活性のほとんどがI型15−PGDHに起因し得ることが示唆される。
【0004】
最近の研究により、15−PGDHの阻害剤および15−PGDHの活性化剤は、治療的に価値があるであろうことが示唆される。15−PGDHノックアウトマウスモデルにおいて結腸腫瘍の発生率が増加することが示されている。より最近の研究はトロンビン媒介細胞死の保護における15−PGDH発現の増加を示す。15−PGDHはプロスタグランジンE2(PGE)(COX−2代謝の下流生成物である)の不活性化に関与することがよく知られている。PGEは、インビトロおよびインビボの両方で神経毒性であることが見出されており;よってPGE放出を減少させるCOX−2特異阻害剤は、神経保護効果を示す。PGEはまた、様々な生物学的プロセス、例えば頭髪密度、皮膚創傷治癒、および骨形成において有益であることが示されている。
【発明の概要】
【0005】
本明細書で記載される実施形態は、15−PGDH活性を調節する、組織プロスタグランジンレベルを調節する、および/または15−PGDH活性および/またはプロスタグランジンレベルを調節することが所望される疾患、障害または病状を治療する化合物および方法に関する。
【0006】
いくつかの実施形態では、15−PGDH阻害剤は組織中のプロスタグランジンレベルを増加させるのに有効な量で被験体の組織に投与することができる。15−PGDH阻害剤は式(I)およびその薬学的に許容される塩を含むことができる:
【化1】
[この文献は図面を表示できません]
式中、nは0−2であり;
はC1−8アルキルであり、これは直鎖、分枝、または環状であり、これは非置換であり、または置換され(例えば、RはC2−6アルキル、C2−4アルキル、またはCアルキルとすることができ、これは直鎖、分枝、または環状であり、これは非置換であり、または置換される);
およびRは同じかまたは異なり、各々、下記からなる群より選択され:H、低級アルキル基、(CHn1OR’(式中、n1=1、2、または3である)、CF、CH−CHX、O−CH−CHX、CH−CH−CHX、O−CH−CHX(式中、X=F、Cl、Br、またはIである)、CN、(C=O)−R’、(C=O)N(R’)、O(CO)R’、COOR’(式中、R’はHまたは低級アルキル基である);
およびRは同じかまたは異なり、各々、下記からなる群より選択され:水素、C−C24アルキル、C−C24アルケニル、C−C24アルキニル、C−C20アリール、C−C24アルカリル、C−C24アラルキル、ハロ、シリル、ヒドロキシル、スルフヒドリル、C−C24アルコキシ、C−C24アルケニルオキシ、C−C24アルキニルオキシ、C−C20アリールオキシ、アシル(C−C24アルキルカルボニル(‐−CO−アルキル)およびC−C20アリールカルボニル(−CO−アリール)を含む)、アシルオキシ(−O−アシル)、C−C24アルコキシカルボニル(−(CO)−O−アルキル)、C−C20アリールオキシカルボニル(−(CO)−O−アリール)、C−C24アルキルカルボナト(−O−(CO)−O−アルキル)、C−C20アリールカルボナト(−O−(CO)−O−アリール)、カルボキシ(−COOH)、カルボキシラト(−COO)、カルバモイル(−(CO)−NH)、C−C24アルキル−カルバモイル(−(CO)−NH(C−C24アルキル))、アリールカルバモイル(−(CO)−NH−アリール)、チオカルバモイル(−(CS)−NH)、カルバミド(−NH−(CO)−NH)、シアノ(−CN)、イソシアノ(−N)、シアナト(−O−CN)、イソシアナト(−O−N=C)、イソチオシアナト(−S−CN)、アジド(−N=N=N)、ホルミル(−−(CO)−−H)、チオホルミル(−−(CS)−−H)、アミノ(−−NH)、C−C24アルキルアミノ、C−C20アリールアミノ、C−C24アルキルアミド(−NH−(CO)−アルキル)、C−C20アリールアミド(−NH−(CO)−アリール)、イミノ(−CR=NH、式中、Rは水素、C−C24アルキル、C−C20アリール、C−C24アルカリル、C−C24アラルキル、などである)、アルキルイミノ(−CR=N(アルキル)、式中、R=水素、アルキル、アリール、アルカリル、アラルキル、などである)、アリールイミノ(−CR=N(アリール)、式中、R=水素、アルキル、アリール、アルカリル、などである)、ニトロ(−NO)、ニトロソ(−NO)、スルホ(−SO−OH)、スルホナト(−SO−O−)、C−C24アルキルスルファニル(−S−アルキル;「アルキルチオ」とも呼ばれる)、アリールスルファニル(−S−アリール;「アリールチオ」とも呼ばれる)、C−C24アルキルスルフィニル(−(SO)−アルキル)、C−C20アリールスルフィニル(−(SO)−アリール)、C−C24アルキルスルホニル(−SO−アルキル)、C−C20アリールスルホニル(−SO−アリール)、ホスホノ(−P(O)(OH))、ホスホナト(−P(O)(O)、ホスフィナト(−P(O)(O))、ホスホ(−PO)、ホスフィノ(‐−PH)、それらの組み合わせ、ここで、RおよびRは連結され、環状または多環状環を形成してもよく、ここで、環は置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換シクロアルキル、および置換もしくは非置換ヘテロシクリルである。
【0007】
他の実施形態では、15−PGDH阻害剤は、i)2.5μΜ濃度では、70を超えるルシフェラーゼ出力レベルまで(100の値がベースラインに対するレポーター出力の倍加を示すスケールを用いる)、15−PGDHルシフェラーゼ融合コンストラクトを発現するVaco503レポーター細胞系を刺激する;ii)2.5μΜ濃度では、75を超えるルシフェラーゼ出力レベルまで、15−PGDHルシフェラーゼ融合コンストラクトを発現するV9mレポーター細胞系を刺激する;iii)7.5μΜ濃度では、70を超えるルシフェラーゼ出力レベルまで、15−PGDHルシフェラーゼ融合コンストラクトを発現するLS174Tレポーター細胞系を刺激することができ;iv)7.5μΜ濃度では、20を超えるレベルまで、TK−ウミシイタケルシフェラーゼレポーターを発現する陰性対照V9m細胞系を活性化せず;ならびにv)1μΜ未満のIC50で組換え15−PGDHタンパク質の酵素活性を阻害する。
【0008】
他の実施形態では、15−PGDH阻害剤は、i)2.5μΜ濃度では、ルシフェラーゼ出力を増加させるように、15−PGDHルシフェラーゼ融合コンストラクトを発現するVaco503レポーター細胞系を刺激する;ii)2.5μΜ濃度では、ルシフェラーゼ出力を増加させるように、15−PGDHルシフェラーゼ融合コンストラクトを発現するV9mレポーター細胞系を刺激する;iii)7.5μΜ濃度では、ルシフェラーゼ出力を増加させるように、15−PGDHルシフェラーゼ融合コンストラクトを発現するLS174Tレポーター細胞系を刺激することができ;iv)7.5μΜ濃度では、バックグラウンドより20%を超えるルシフェラーゼレベルまで、TK−ウミシイタケルシフェラーゼレポーターを発現する陰性対照V9m細胞系を活性化せず;ならびにv)1μΜ未満のIC50で組換え15−PGDHタンパク質の酵素活性を阻害する。
【0009】
他の実施形態では、15−PGDH阻害剤は1μΜ未満のIC50で、または好ましくは250nM未満のIC50で、またはより好ましくは50nM未満のIC50で、またはより好ましくは5nM未満のIC50で、組換え15−PGDHの酵素活性を阻害することができる。
【0010】
さらに他の実施形態では、15−PGDH阻害剤は、皮膚の色素沈着および/または発毛および/または脱毛阻止を促進および/または刺激するために、被験体の皮膚に適用することができる。15−PGDH阻害剤はまた、創傷治癒を促進し、組織を再生し、および/または、口腔潰瘍、潰瘍性大腸炎、胃腸潰瘍、炎症性腸疾患、血行障害、大腸炎、レイノー病、バージャー病、糖尿病性ニューロパチー、肺動脈高血圧、心血管疾患、糖尿病性潰瘍、腎疾患、および勃起不全の少なくとも1つを治療するために、被験体に投与することができる。15−PGDH阻害剤はさらに、プロスタグランジン応答性病状においてアゴニストの治療効果を増強する目的でプロスタノイドアゴニストと組み合わせて被験体に投与することができる。
【0011】
いくつかの実施形態では、15−PGDH阻害剤は、組織幹細胞を増加させるために被験体の組織に投与することができる。15−PGDH阻害剤はまた、ドナー骨髄移植片またはドナー造血幹細胞移植片の適応度を増加させるために、骨髄移植片ドナーまたは造血幹細胞ドナーに投与することができる。15−PGDH阻害剤は、被験体内の幹細胞を増加させるために被験体の骨髄に投与することができる。15−PGDH阻害剤はさらに、ドナー移植片としての骨髄の適応度を増加させるために、被験体の骨髄に投与することができる。
【0012】
他の実施形態では15−PGDH阻害剤は、ドナー移植片としての幹細胞調製物の適応度を増加させるために、被験体の造血幹細胞の調製物に投与することができる。15−PGDH阻害剤はまた、ドナー移植片としての幹細胞調製物の適応度を増加させるために、被験体の末梢血造血幹細胞の調製物に投与することができる。15−PGDH阻害剤はさらに、ドナー移植片としての幹細胞調製物の適応度を増加させるために、臍帯幹細胞の調製物に投与することができる。
【0013】
さらに他の実施形態では、15−PGDH阻害剤は、骨髄移植片拒絶を緩和させるために、骨髄移植片生着を増強するために、および/または造血幹細胞移植片、もしくは臍帯幹細胞移植片の生着を増強するために、被験体に投与することができる。
【0014】
さらに他の実施形態では、15−PGDH阻害剤は、移植片拒絶を緩和させるため、または移植片生着を増強するために、被験体または被験体の組織移植片に投与することができる。
【0015】
他の実施形態では、15−PGDH阻害剤は、放射線への曝露の毒性または致命的効果に対する抵抗性を与えるために、被験体または被験体の組織に投与することができる。
【0016】
他の実施形態では、15−PGDH阻害剤は、骨粗鬆症、骨折の治療、あるいは骨損傷または関節置換後の治癒の促進のために、被験体に投与することができる。
【0017】
別の例では、15−PGDH阻害剤は、肝臓切除後または肝臓への毒性損傷後の、肝臓再生を促進するために、被験体または被験体の肝臓に投与することができる。1つの事例では、肝臓への毒性損傷は、アセトアミノフェンまたは関連肝毒性化合物の過剰投与により引き起こされ得る。
【0018】
本出願のさらに他の実施形態では、15−PGDH活性化剤は、組織中の15−PGDHレベルを増加させ、プロスタグランジンレベルを減少させるのに有効な量で、被験体の組織に投与することができる。15−PGDH活性化剤は、式(IV)およびその薬学的に許容される塩を含むことができる:
【化2】
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式中、XおよびYは独立してCまたはSOであり;
UはOR”(式中、R”はH、置換もしくは非置換アルキル基、または置換もしくは非置換アリール基である)または
【化3】
[この文献は図面を表示できません]
であり;
、R、R10、R11、およびR12はそれぞれ下記からなる群より選択され:H、F、Cl、Br、I、アルキル基、(CHn1OR’(式中、n1=1、2、または3である)、CF、CH−CHX、O−CH−CHX、CH−CH−CHX、O−CH−CHX(式中、X=F、Cl、Br、またはIである)、CN、(C=O)−R’、N(R’)、NO、(C=O)N(R’)、O(CO)R’、OR’、SR’、COOR’(式中、R’はHまたは低級アルキル基である)、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクリル、ならびにRおよびRは連結され、環状または多環状環を形成してもよい。
【0019】
いくつかの実施形態では、活性化剤は、i)7.5μΜ濃度では、50を超えるルシフェラーゼ出力レベルまで(100の値がベースラインに対するレポーター出力の倍加を示すスケールを用いる)、15−PGDHルシフェラーゼ融合コンストラクトを発現するVaco503レポーター細胞系を刺激する;ii)7.5μΜ濃度では、50を超えるルシフェラーゼ出力レベルまで、15−PGDHルシフェラーゼ融合コンストラクトを発現するV9mレポーター細胞系を刺激する;iii)7.5μΜ濃度では、50を超えるルシフェラーゼ出力レベルまで、15−PGDHルシフェラーゼ融合コンストラクトを発現するLS174Tレポーター細胞系を刺激することができ;iv)7.5μΜ濃度では、25を超えるレベルまで、TK−ウミシイタケルシフェラーゼレポーターを発現する陰性対照V9m細胞系を活性化せず;ならびにv)組換え15−PGDHタンパク質に対しては、化合物は2.5μΜ以上の15−PGDH酵素活性を阻害するためのIC50濃度を示す。
【0020】
いくつかの実施形態では、活性化剤は、i)7.5μΜ濃度では、ルシフェラーゼ出力を増加させるように、15−PGDHルシフェラーゼ融合コンストラクトを発現するVaco503レポーター細胞系を刺激する;ii)7.5μΜ濃度では、ルシフェラーゼ出力を増加させるように、15−PGDHルシフェラーゼ融合コンストラクトを発現するV9mレポーター細胞系を刺激する;iii)7.5μΜ濃度では、ルシフェラーゼ出力を増加させるように、15−PGDHルシフェラーゼ融合コンストラクトを発現するLS174Tレポーター細胞系を刺激することができ;iv)7.5μΜ濃度では、25%を超えるルシフェラーゼレベルまで、TK−ウミシイタケルシフェラーゼレポーターを発現する陰性対照V9m細胞系を活性化せず;ならびに、v)組換え15−PGDHタンパク質に対しては、化合物は2.5μΜ以上の15−PGDH酵素活性を阻害するためのIC50濃度を示す。
【0021】
他の実施形態では、15−PGDH活性化剤は、新生物、例えば、結腸新生物を治療するために被験体に投与することができる。15−PGDH活性化剤はまた、新生物、例えば結腸新生物を防止するために、被験体に投与することができる。15−PGDH活性化剤はまた、炎症および/または疼痛を低減するために被験体に投与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】(A−C)様々な濃度の化合物SW033291、SW054384、およびSW145753で処理した、15−PGDHの最後のコードエキソンへのウミシイタケルシフェラーゼの標的遺伝子ノックインにより作成された、15−PGDHルシフェラーゼ融合コンストラクトを発現する細胞のルシフェラーゼ活性を表すグラフを示す。活性は、全て15−PGDH−ルシフェラーゼ融合物を含むように操作された、3つの異なる結腸癌細胞系において証明される。これらの細胞系はVaco−9m(V9m)、LS174T、Vaco503(V503)である。
図2】7.5μΜのSW033291、SW054384、およびSW145753で48時間処理した細胞系V9M、LS174T、およびV503における15−PGDHタンパク質のレベルを証明するウエスタンブロットを示す。未処理FET細胞は15−PGDH発現に対する陽性対照を提供する。
図3】(A−C)SW124531で処理した結腸細胞系における15−PGDHタンパク質レベルを証明するウエスタンブロットを示す(TGF−β(10ng/mlで48時間)で処理したFET細胞が、ある一定のパネルでは、15−PGDH発現に対する陽性対照として使用される)。
図4】5μΜのSW124531で処理したV400−S3−2−32細胞においてcDNA発現ベクターから発現される15−PGDHタンパク質(wt−PGDH)のレベル、およびSW124531で処理したV400−M3−2−72細胞においてcDNA発現ベクターから発現される、触媒的に死んでいる変異15−PGDH(mu−PGDH)のタンパク質レベルを証明するウエスタンブロットを示す。
図5】(A−B)免疫蛍光法(上2列)およびウエスタンブロット(下パネル)によりアッセイされた、SWl24531で処理したV503細胞における15−PGDHタンパク質レベルを示す。
図6】(A−F)SW033291で処理した結腸癌細胞系における15−PGDH mRNAレベルを表すグラフを示す。
図7】(A−C)SW033291で処理した結腸癌細胞系における15−PGDH mRNAレベルを表すグラフを示す。
図8】(A−C)SW054384およびSW145753で処理した結腸癌細胞系における15−PGDH mRNAレベルを表すグラフを示す。
図9】(A−I)5μΜのSW124531で処理した結腸癌細胞系における15−PGDH mRNAレベルを表すグラフを示す。
図10】(A−C)SW033291、SW054384、およびSW145753で処理した細胞系における15−PGDH活性を表すグラフを示す。活性はpmol PGE/min/100万個細胞として測定される。
図11】(A−D)様々な濃度の試験化合物と共にインキュベートした組換え15−PGDHタンパク質(15−PGDH−GST融合タンパク質)の活性を表す表およびプロットを示す。
図12】(A−D)SW033291およびSW054384で処理した組換え15−PGDHタンパク質の活性を表すプロットを示し、パネル12AおよびCは、放射標識されたPGE2基質からのトリチウムの移行を測定し、パネル12BおよびDは、蛍光によるNADHの生成を測定する。
図13】SW124531で処理した細胞における(上パネル)およびSW124531で処理した組換え15−PGDHタンパク質における(下パネル)、放射標識されたPGE2基質からのトリチウムの移行後に測定された15−PGDH活性を表す表およびプロットを示す。
図14】(A−B)タンパク質の融解温度のシフトにより測定される異なる化合物の組換え15−PGDHタンパク質に直接結合する能力を表す融解曲線および表を示す。
図15】(A−B)試験化合物で処理した触媒的に不活性な変異15−PGDHタンパク質の融解曲線温度を示す。
図16】(A−B)IL1−βにより23時間、試験化合物と共に刺激された、A549細胞の培地中でアッセイされたPGEレベルを表すグラフを示す。
図17】IL1−β処理A549細胞からのPGE産生に対するSW033291の用量応答効果を表すグラフを示す。
図18】(A−B)Vaco−503細胞の培地中へのPGEの添加後のPGEレベルに反映される、化合物(2.5μΜ)によるPGDH活性のインビボ調節を表すグラフを示す。
図19】48時間の処理にわたって観察される、HaCaT細胞の単層における引っ掻き傷から構成されるモデル創傷の治癒の加速における、SW033291の活性を表す画像を示す。
図20】対照、SW033291(2.5μΜ)処理細胞、およびTGF−β(1ng/ml)処理細胞における、0および48時間での引っ掻き傷幅の定量を表すグラフを示す。
図21】(A−B)下記を表すプロットを示す:(A)異なる15−PGDH濃度で実行した15−PGDH阻害剤SW033291の滴定を用いるPGDHのパーセント阻害;および(B)15−PGDH阻害剤SW033291のIC50対15−PGDH濃度。
図22】(A−B)15−PGDHおよびSW033291混合物の透析前後に測定される、(A)15−PGDH酵素阻害活性および(B)SW033291による活性のパーセント阻害を表すグラフを示す。
図23】(A−B)様々な濃度のSW033291での15−PGDHの反応速度および相対反応速度を表すプロットを示す。
図24】(A−B)下記を表すプロットを示す:(A)PGE−2の存在下でのSW033291による15−PGDHの阻害;および(B)15−PGDHに対するSW033291のIC50対PGE2濃度。
図25】SW033291の類似体の構造活性関係対それらの15−PGDHに対するIC50を表す概略図を示す。
図26】SW033291の追加の類似体を表す概略図を示す。
図27】(A−C)2.5μΜおよび7.5μΜの、図26の化合物で処理した、結腸癌細胞系V503、LS174T、およびV503のルシフェラーゼ活性を表すグラフを示す。
図28図26の化合物による、15−PGDH活性のパーセント阻害を表すグラフを示す。
図29】(A−B)SW033291およびSW0206980の15−PGDHに対するIC50を表すプロットを示す。
図30】(A−B)15−PGDHに結合するSW0206890およびSW033291の融解プロファイルを表すプロットを示す。
図31】(A−C)SW033291、SW206980、およびSW206992による15−PGDH活性のパーセント阻害を表すプロットを示す。
図32】(A−C)様々な濃度のSW033291で処理した結腸癌細胞系V503、LS174T、およびV503のルシフェラーゼ活性を表すグラフを示す。
図33】(A−C)様々な濃度のSW0206980で処理した結腸癌細胞系V503、LS174T、およびV503のルシフェラーゼ活性を表すグラフを示す。
図34】(A−C)様々な濃度のSW0206992で処理した結腸癌細胞系V503、LS174T、およびV503のルシフェラーゼ活性を表すグラフを示す。
図35】(A−B)15−PGDHに結合するSW206992、SW0206890およびSW033291の融解プロファイルを表すプロットを示す。
図36】(A−B)15−PGDHに結合するSW206992、SW0206890およびSW033291の融解プロファイルを表すプロットを示す。
図37】(A−C)IL1−βで刺激したA549細胞におけるPGE−2の制御に対するSW206992、SW0206890およびSW033291の効果を表すグラフを示す。
図38】(A−C)IL1−βで刺激した後のA549細胞中の細胞数に対するSW206992、SW0206890およびSW033291の効果を表すグラフを示す。
図39】SW033291の追加の類似体の概略図を示す。
図40】(A−C)2.5μΜおよび7.5μΜの図39の化合物で処理した結腸癌細胞系V9M、LS174T、およびV503のルシフェラーゼ活性を表すグラフを示す。
図41図40の化合物による、15−PGDH活性のパーセント阻害を表すグラフを示す。
図42図40の化合物による、15−PGDH活性のパーセント阻害を表すグラフを示す。
図43】SW033291、SW208064、SW208065、SW208066、およびSW208067の、V9m細胞系バックグラウンドにおける15−PGDH−ルシフェラーゼ融合遺伝子レポーターの誘導に対する用量反応曲線を示す。
図44】IL1−βで刺激したA549細胞の培地中での、PGE2レベルに対する効果を測定するアッセイにおける15−PGDH阻害剤化合物の滴定曲線を示す。
図45】SW033291で処置したFVBマウスの体重変化を表すプロットを示す。
図46】(A−C)下記を表すグラフを示す:(A)総骨髄細胞充実性;(B)野生型対PGDH−/−マウスのSKL集団;および(C)野生型対PGDH−/−マウス(PGDH−/−またはPGDHのいずれかとして指定)における平均CFUカウント。
図47】SW033291およびPGE−2で処置した野生型骨髄におけるCFUカウントを表すグラフを示す。
図48】(A−C)下記を表すグラフを示す:(A)SW033291で処置したマウスの骨髄細胞充実性;(B)SW033291で処置したマウスの全骨髄中のSKL%;および(C)SW033291で処置したマウスにおけるCFUカウント。
図49】(A−B)下記を示す:(A)SW033291またはビヒクルで処置したドナーマウスからの骨髄移植で救済された、致死的に照射されたC57BL/6JマウスにおけるCD45.2抗原標識細胞を追跡した概略図;および(B)そのような処置後の、ドナーB細胞、骨髄細胞、およびT細胞のキメラ化を表すグラフ。
図50】C57BL/61マウスに第0日に11GYを照射し、続いて、SW033291で処置する研究のスキーマを表す概略図を示す。
図51】部分肝切除の概略図を示す。
図52】(A−D)マウス肝臓の手術前および手術後観察を表す写真を示す。
図53】(A−D)マウス肝臓の肝切除後観察(左側)および手術後第7日でのマウス肝臓の再生(右側)を表す写真を示す。
図54】(A−B)SW033291および対照ビヒクルを投与したマウスの肝切除後マウス肝臓の顕微鏡写真を示し、矢印は有糸分裂図を指定する。
図55】SW033291処置マウス対対照マウスの肝臓における有糸分裂を表すグラフを示す。
図56】対照対SW033291処置C57B1/6Jマウスにおける、部分肝切除後に得られる肝臓対体重比を表すグラフを示す。
図57】対照対SW033291の1日2回処置C57B1/6Jマウスにおける、部分肝切除後に得られる肝臓対体重比を表すグラフを示す。
図58】対照対SW033291処置C57B1/6Jマウスにおける、部分肝切除後に得られる肝臓対体重比を再現するグラフを示す。
図59】(A−B)1匹のマウス対照対SW033291で処置した1匹のマウスにおける、部分肝切除後のALTレベルを表すグラフおよびプロットを示す。
図60】対照マウスおよびSW033291で処置したマウスにおける、部分肝切除後の血清ビリルビンレベルを表すグラフを示す。
図61】対照対SW033291処置FVBマウスにおける、部分肝切除後に得られる肝臓対体重比を表すグラフを示す。
図62】対照対SW033291処置FVBマウスにおける、手術前体重を表すグラフを示す。
図63】SW033291またはビヒクル対照のいずれかで処置し、肝臓再生に対してアッセイしたマウス由来の切除した肝臓セグメントの重量を表すグラフを示す。
図64】SW033291および対照マウスにおける、部分肝切除後に得られた肝臓重量を表すグラフを示す。
図65】SW033291処置および対照マウスにおける、部分肝切除後に得られた肝臓対体重比を表すグラフを示す。
図66】手術後第4日での、SW033291処置および対照FVBマウスの部分肝切除後の肝臓対体重比を比較する「箱ひげ」プロットを示す。
図67】手術後第7日での、SW033291処置および対照FVBマウスの部分肝切除後の肝臓対体重比を比較する「箱ひげ」プロットを示す。
図68】手術後第4日での、SW033291処置および対照FVBマウスの部分肝切除後の肝臓対体重比を比較する「箱ひげ」プロットを示す。
図69】SW033291処置およびビヒクル処置対照マウスの肝臓における、手術後第2日での部分肝切除後のS期細胞の写真を示す。
図70図69の研究から得られる代表的な視野の強拡大(40X)観察を表す写真を示す。
図71】部分肝切除後の手術後第2日での、SW033291処置対ビヒクル対照処置マウスの肝臓におけるBrdU陽性細胞のパーセントを比較する「箱ひげ」プロットを示す。
図72】対照対SW033291処置マウス(全て飲料水中に含まれる2%デキストラン硫酸ナトリウム(DSS)で処置した)のコホートのベースライン重量からの平均変化を表すグラフを示す。
図73】対照対SW033291処置マウス(全て飲料水中に含まれる2%DSSで処置した)のコホートの毎日の疾患活性指数のグラフを示す。
図74】対照ビヒクル対SW033291を摂取したDSS処置マウスのコホートのベースライン重量からの平均変化を表すグラフを示す。
図75】(A−B)下記を示す:(A)対照ビヒクル対SW033291を摂取したDSS処置マウスの結腸中の潰瘍の数を表すグラフ;および(B)対照(左)またはSW033291(右)を摂取したDSS処置マウスの潰瘍を表す写真。
図76】DSS処置マウスの第15日での潰瘍負荷の定量を表すグラフを示す。
図77】(A−B)対照ビヒクルまたはSW033291を摂取したDSS処置マウスに対する、大腸内視鏡所見を表す写真および大腸炎重症度(MEIC)のマウス内視鏡指数を示す。
図78】対照ビヒクルまたはSW033291を摂取したDSS処置マウスのMEICSスコアを表すグラフを示す。
図79】対照マウス、SW033291処置マウス(処置)および15−PGDHノックアウトマウス(KO)由来の、DSSプロトコルの第8日での中央結腸からの強拡大視野の顕微鏡写真ならびにDSS処置プロトコルの第1日、第8日、および第15日での、対照(Cn)、SW033219処置マウス(Tx)、および15−PGDHノックアウトマウス(KO)の遠位+中央結腸における、BrdU陽性細胞の平均数の合計/陰窩を表すグラフを示す。
図80】対照ビヒクルまたはSW033291を摂取したDSS処置マウスの、第22日での結腸長を表すグラフを示す。
図81】SW054384の類似体の概略図を示す。
図82】(A−C)2.5μΜおよび7.5μΜの、図81の化合物で処理した結腸癌細胞系V9M、LS174T、およびV503のルシフェラーゼ活性を表すグラフを示す。
図83図74の化合物による15−PGDH活性のパーセント阻害を表すグラフを示す。
図84】(A−C)下記を示す:(A)図81の化合物を用いた、IL1−βを使用する処置によりPEG2を産生するように刺激されたA549細胞の培地中のPGE2レベルを低下させる際の活性を表すグラフ;(B)図81の化合物が投与されたA549細胞の毒性を表すグラフ;ならびに(C)図81の化合物で処置したA549細胞の写真。
図85】マウス肝臓S9ミクロソームとのインキュベーションによる、SW054384の代謝安定性を表すプロットを示す。
図86】マウス肝臓S9ミクロソームとのインキュベーションによるSW0125991の代謝安定性を表すプロットを示す。
図87】SW054384の類似体の概略図を示す。
図88】2.5μΜおよび7.5μΜの、図87の化合物で処理した結腸癌細胞V9mのルシフェラーゼ活性を表すグラフを示す。
図89】2.5μΜおよび7.5μΜの、図87の化合物で処理した結腸癌LS174T細胞のルシフェラーゼ活性を表すグラフを示す。
図90】2.5μΜおよび7.5μΜの、図87の化合物で処理した結腸癌細胞V503のルシフェラーゼ活性を表すグラフを示す。
図91図87の化合物による15−PGDHのパーセント阻害を表すグラフを示す。
図92】15−PGDH活性化剤、SW054384、SW125991、SW207997、SW207998、およびSW207999の構造を表す略図を示す。
図93】2.5μΜの各化合物で、2.5ng/mlのIL1−β添加と共に処理したA549細胞の培地中のPGE2レベルを低下させる際のSW054384、SW125991、SW207997、SW207998、SW207999の活性を表すグラフを示す。
図94】IL1−βで刺激したA549細胞の培地中のPGE2レベルへの効果を測定するアッセイにおける15−PGDH活性化剤化合物の滴定曲線を示す。
図95】A549細胞、Vaco9M(V9m)細胞、LS174T細胞、およびVaco503(V503)細胞のコロニー形成に対する用量増加の効果を試験することによる、SW125991の毒性の評価を表す写真を示す。
図96】A549細胞、Vaco9M(V9m)細胞、LS174T細胞、およびVaco503(V503)細胞のコロニー形成に対する用量増加の効果を試験することによる、SW207997の毒性の評価を表す写真を示す。
図97】A549細胞、Vaco9M(V9m)細胞、LS174T細胞、およびVaco503(V503)細胞のコロニー形成に対する用量増加の効果を試験することによる、SW207998の毒性の評価を表す写真を示す。
図98】A549細胞、Vaco9M(V9m)細胞、LS174T細胞、およびVaco503(V503)細胞のコロニー形成に対する用量増加の効果を試験することによる、SW207999の毒性の評価を表す写真を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
便宜上、明細書、実施例、および添付の特許請求の範囲で使用されるある一定の用語をここでまとめておく。別に規定されない限り、本明細書で使用される全ての技術および科学用語は本出願が属する分野の当業者により普通に理解されるものと同じ意味を有する。
【0024】
冠詞「一(aおよびan)」は、1つの、または1つを超える(すなわち、少なくとも1つの)、その冠詞の文法的対象を示すために本明細書で使用される。例として、「一要素」は、1つの要素または1を超える要素を意味する。
【0025】
「含む」「含んでいる」「含有する」「含有している」「有する」および「有している」という用語は追加の要素が含まれ得ることを意味する包括的な開かれた感覚で使用される。本明細書で使用される「など」、「例えば」という用語は非限定的であり、例示目的にすぎない。「含む」および「含むが、それらに限定はされない」は同じ意味で使用される。
【0026】
「または」という用語は、本明細書では、文脈により明確に別記されない限り、「および/または」を意味すると理解されるべきである。
【0027】
出願の化合物のいくつかは不斉(キラル)炭素原子を含むことに気が付くであろう。したがって、別記されない限り、そのような不斉性から生じる異性体が本明細書に含まれることが理解されるべきである。そのような異性体は、古典的な分離技術により、および立体化学的に制御された合成により実質的に純粋な形態で得ることができる。本出願の化合物は立体異性体型で存在することができ、そのため、個々の立体異性体として、また混合物として生成させることができる。
【0028】
「異性」という用語は、同一の分子式を有するが、それらの原子の結合の性質もしくは順序またはそれらの原子の空間における配列が異なる化合物を意味する。それらの原子の空間における配列が異なる異性体は「立体異性体」と呼ばれる。お互いの鏡像ではない立体異性体は「ジアステレオ異性体」と呼ばれ、重ね合わせることができない鏡像である立体異性体は「鏡像異性体」、または時として光学異性体と呼ばれる。4つの同一でない置換基に結合された炭素原子は「キラル中心」と呼ばれる。
【0029】
「キラル異性体」という用語は、少なくとも1つのキラル中心を有する化合物を意味する。それは反対のキラリティーの2つの鏡像異性体型を有し、個々の鏡像異性体として、あるいは鏡像異性体の混合物として存在し得る。等しい量の反対のキラリティーの個々の鏡像異性体型を含む混合物は「ラセミ混合物」と呼ばれる。1を超えるキラル中心を有する化合物は2n−1の鏡像異性体対を有し、ここで、nはキラル中心の数である。1を超えるキラル中心を有する化合物は、個々のジアステレオマーとして、または、「ジアステレオマー混合物」と呼ばれるジアステレオマーの混合物として存在することができる。1つのキラル中心が存在する場合、立体異性体はそのキラル中心の絶対配置(RまたはS)により特徴付けられ得る。あるいは、1つ以上のキラル中心が存在する場合、立体異性体は(+)または(−)として特徴付けられ得る。絶対配置は、キラル中心に付着された置換基の空間配列を示す。検討中のキラル中心に付着された置換基は、Cahn、IngoldおよびPrelogの順位規則に従いランクづけされる(Cahn et al, Angew. Chem. Inter. Edit. 1966, 5, 385; errata 511 ; Cahn et al., Angew. Chem. 1966, 78, 413; Cahn and Ingold, J Chem. Soc. 1951 (London), 612; Cahn et al., Experientia 1956, 12, 81 ; Cahn, J., Chem. Educ. 1964, 41, 116)。
【0030】
「幾何異性体」という用語は、それらの存在が二重結合周りの回転障害に起因するジアステレオマーを意味する。これらの立体配置は、それらの名称において、接頭辞cisおよびtrans、またはZおよびEにより識別され、これらは、基が、Cahn−Ingold−Prelog規則に従い、分子中の二重結合の同じまたは反対側に存在することを示す。さらに、本出願で記載される構造および他の化合物はその全てのアトロプ異性体を含む。
【0031】
「アトロプ異性体」という用語は、2つの異性体の原子が空間で異なって配列される立体異性体の型である。アトロプ異性体の存在は、中心結合周りの大きな基の回転障害により引き起こされる回転制限に起因する。そのようなアトロプ異性体は典型的には、混合物として存在するが、しかしながら、クロマトグラフィー技術の最近の進歩の結果として、限定された場合に、2つのアトロプ異性体の混合物を分離することが可能になっている。
【0032】
「結晶多形」または「多形」または「結晶形」という用語は、化合物(またはその塩もしくは溶媒和物)が異なる結晶充填配列(全て、同じ元素組成を有する)で結晶化できる結晶構造を意味する。異なる結晶形は通常、異なるX線回折パターン、赤外スペクトル、融点、密度硬度、結晶形状、光学および電気特性、安定性および溶解度を有する。再結晶溶媒、結晶化速度、貯蔵温度、および他の因子は、1つの結晶形を優先させ得る。化合物の結晶多形は、異なる条件下で結晶化することにより調製することができる。
【0033】
「誘導体」という用語は、共通のコア構造を有し、本明細書で記載される様々な基で置換された化合物を示す。
【0034】
「バイオアイソスター」という用語は、1つの原子または原子の一群の別の、広義に同様な、原子または原子の一群との交換により得られる化合物を示す。生物学的等価性置換の目的は、親化合物と同様の生物学的特性を有する新規化合物を作成することである。生物学的等価性置換は、物理化学またはトポロジーに基づいてもよい。カルボン酸バイオアイソスターの例としては、アシルスルホンイミド、テトラゾール、スルホネート、およびホスホネートが挙げられる。例えば、Patani and LaVoie, Chem. Rev. 96, 3147−3176 (1996)を参照されたい。
【0035】
「非経口投与」および「非経口的に投与され」という句は当該技術分野において承認されている用語であり、経腸および局所投与以外の投与様式、例えば、注射を含み、限定はされないが、静脈内、筋肉内、胸膜内、血管内、心膜内、動脈内、くも膜下腔内、関節内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、嚢下、くも膜下、脊髄内および胸骨内(intrastemal)注射ならびに注入が挙げられる。
【0036】
「治療する」という用語は当該技術分野において承認されており、被験体において疾患、障害または病状を阻害する、例えば、その進行を妨害する;および疾患、障害または病状を軽減する、例えば、疾患、障害および/または病状の退行を引き起こすことを含む。疾患または病状を治療することは、根底にある病態生理が影響を受けなくても、特定の疾患または病状の少なくとも1つの症状を寛解させることを含む。
【0037】
「防止する」という用語は当該技術分野において承認されており、疾患、障害および/または病状に罹る可能性があるが、まだ、それを有すると診断されていない疾患、障害または病状が被験体において起こるのを中止させることを含む。疾患に関連する病状を防止することは、疾患が診断されされた後、病状が診断される前に、その病状が起こらないように中止させることを含む。
【0038】
「医薬組成物」という用語は、被験体への投与に好適な形態の、開示された化合物を含む製剤を示す。好ましい実施形態では、医薬組成物はばらでまたは単位剤形で存在する。単位剤形は様々な形態のいずれかであり、例えば、カプセル、IVバッグ、錠剤、エアロゾル吸入器上の単一ポンプ、またはバイアルが挙げられる。単位用量の組成物中の活性成分(例えば、開示された化合物またはその塩の製剤)の量は、有効量であり、関連する特定の治療に従い変動する。当業者は、患者の年齢および状態によって投与量にルーチン的な変化を与えることが時として必要であることを認識するであろう。投与量はまた、投与経路に依存する。様々な経路が企図され、経口、肺、直腸、非経口、経皮、皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内、鼻腔内、吸入、などが挙げられる。本明細書で記載される化合物の局所または経皮投与のための剤形としては、粉末、噴霧剤、軟膏剤、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、溶液、パッチ、噴霧化化合物、および吸入薬が挙げられる。好ましい実施形態では、活性化合物は無菌条件下で薬学的に許容される担体と、および要求される任意の保存剤、緩衝剤、または噴射剤と混合される。
【0039】
「フラッシュドーズ(flash dose)」という用語は、迅速に剤形を分散する化合物製剤を示す。
【0040】
「即時放出」という用語は、比較的短い期間の、一般に約60分までの剤形からの化合物の放出として規定される。「改良放出」という用語は、遅延放出、持続放出、およびパルス放出を含むように規定される。「パルス放出」という用語は、剤形からの薬物の一連の放出として規定される。「徐放」または「持続放出」という用語は、長期にわたる、剤形からの化合物の連続放出として規定される。
【0041】
「薬学的に許容される」という句は当該技術分野において承認されている。ある一定の実施形態では、その用語は、健全な医学的判断の範囲内で、ヒトおよび動物の組織と接触させて、過剰の毒性、刺激作用、アレルギー応答、または他の問題もしくは合併症なしで使用するのに好適で、妥当な利益/リスク比に見合った、組成物、ポリマおよび他の材料および/または剤形を含む。
【0042】
「薬学的に許容される担体」という句は、当該技術分野において承認されており、例えば、任意の対象組成物を1つの器官、または身体の一部から別の器官、または身体の一部へ運搬または輸送するのに関与する、薬学的に許容される材料、組成物またはビヒクル、例として液体もしくは固体フィラー、希釈剤、賦形剤、溶媒または封入材料を含む。各担体は、対象組成物の他の材料成分と適合し、患者に有害ではないという意味で、「許容され」なければならない。ある一定の実施形態では、薬学的に許容される担体は非発熱性である。薬学的に許容される担体として機能し得る材料のいくつかの例としては、下記があげられる:(1)糖類、例えばラクトース、グルコースおよびスクロース;(2)デンプン、例えばトウモロコシデンプンおよびジャガイモデンプン;(3)セルロース、およびその誘導体、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよび酢酸セルロース;(4)トラガント末;(5)麦芽;(6)ゼラチン;(7)タルク;(8)賦形剤、例えばカカオバターおよび坐薬ろう;(9)油類、例えばピーナッツ油、綿実油、ひまわり油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油および大豆油;(10)グリコール、例えばプロピレングリコール;(11)ポリオール、例えばグリセリン、ソルビトール、マンニトールおよびポリエチレングリコール;(12)エステル、例えばオレイン酸エチルおよびラウリン酸エチル;(13)寒天;(14)緩衝剤、例えば水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム;(15)アルギン酸;(16)発熱物質を含まない水;(17)等張食塩水;(18)リンガー液;(19)エチルアルコール;(20)リン酸緩衝溶液;および(21)医薬製剤で使用される他の無毒性適合物質。
【0043】
本出願の化合物はさらに塩を形成することができる。これらの形態もまた全て本明細書で企図される。
【0044】
化合物の「薬学的に許容される塩」は、薬学的に許容され、親化合物の所望の薬理活性を有する塩を意味する。例えば、塩は酸付加塩とすることができる。酸付加塩の1つの実施形態は塩酸塩である。薬学的に許容される塩は、塩基性または酸性部分を含む親化合物から、従来の化学的方法により合成することができる。一般に、そのような塩は、これらの化合物の遊離酸または塩基形態を化学量論量の適切な塩基または酸と、水中または有機溶媒中、あるいはその2つの混合物中で反応させることにより調製することができ;一般に、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、またはアセトニトリルのような非水媒体が好ましい。塩のリストは、Remington’s Pharmaceutical Sciences, 18th ed.(Mack Publishing Company, 1990)において見出される。
【0045】
本明細書で記載される化合物はまた、エステル、例えば薬学的に許容されるエステルとして調製することができる。例えば、化合物中のカルボン酸官能基は、その対応するエステル、例えば、メチル、エチル、または他のエステルに変換することができる。また、化合物中のアルコール基は、その対応するエステル、例えば、アセテート、プロピオネート、または他のエステルに変換することができる。
【0046】
本明細書で記載される化合物はまた、プロドラッグ、例えば薬学的に許容されるプロドラッグとして調製することができる。「プロ−ドラッグ」および「プロドラッグ」という用語は本明細書では同じ意味で使用され、活性親薬物をインビボで放出する任意の化合物を示す。プロドラッグは医薬品の多くの望ましい品質を増強することが知られているので(例えば、溶解度、バイオアベイラビリティ、製造、など)、化合物は、プロドラッグ形態で送達させることができる。よって、本明細書で記載される化合物は、ここで特許請求される化合物のプロドラッグ、これを送達する方法およびこれを含む組成物を含むことが意図される。「プロドラッグ」は、そのようなプロドラッグが被験体に投与された場合、活性親薬物をインビボで放出する、任意の共有結合された担体を含むことが意図される。プロドラッグは、修飾がルーチン操作またはインビボで開裂されて親化合物になるように、化合物中に存在する官能基を修飾することにより調製される。プロドラッグとしては、ヒドロキシ、アミノ、スルフヒドリル、カルボキシ、またはカルボニル基が、インビボで開裂されて、それぞれ、遊離ヒドロキシル、遊離アミノ、遊離スルフヒドリル、遊離カルボキシまたは遊離カルボニル基を形成することができる任意の基に結合された化合物が挙げられる。
【0047】
プロドラッグの例としては下記が挙げられるが、それらに限定されない:式Iの化合物中の、ヒドロキシ官能基のエステル(例えば、アセテート、ジアルキルアミノアセテート、ホルマート、ホスフェート、スルフェート、およびベンゾエート誘導体)およびカルバメート(例えば、Ν,Ν−ジメチルアミノカルボニル)、カルボキシル官能基のエステル基(例えば、エチルエステル、モルホリノエタノールエステル)、アミノ官能基のN−アシル誘導体(例えば、N−アセチル)N−マンニッヒ塩基、シッフ塩基およびエナミノン、ケトンおよびアルデヒド官能基のオキシム、アセタール、ケタールおよびエノールエステル、など、Bundegaard, H. “Design of Prodrugs” p1−92, Elesevier, New York−Oxford (1985)を参照されたい。
【0048】
「保護基」という用語は、分子中の反応基に付着されると、反応性をマスクし、低減し、または防止する原子の一群を示す。保護基の例は、Green and Wuts, Protective Groups in Organic Chemistry, (Wiley, 2.sup.nd ed. 1991); Harrison and Harrison et al., Compendium of Synthetic Organic Methods, Vols. 1−8 (John Wiley and Sons, 1971−1996);およびKocienski, Protecting Groups, (Verlag, 3rded. 2003)において見出すことができる。
【0049】
「アミン保護基」という用語は、アミン、アミド、または他の窒素含有部分を特定の化学反応の条件に対し実質的に不活性な異なる化学基に変換する官能基を意味することが意図される。アミン保護基は好ましくは、容易にかつ選択的に良好な収率で分子の他の官能基に影響を与えない条件下で除去される。アミン保護基の例としては下記が挙げられるが、それらに限定されない:ホルミル、アセチル、ベンジル、t−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジフェニルシリル、t−ブチルオキシカルボニル(Boc)、p−メトキシベンジル、メトキシメチル、トシル、トリフルオロアセチル、トリメチルシリル(TMS)、フルオレニル−メチルオキシカルボニル、2−トリメチルシリル−エチオキシ(ethyoxy)カルボニル、1−メチル−1−(4−ビフェニリル)エトキシカルボニル、アリルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル(CBZ)、2−トリメチルシリル−エタンスルホニル(SES)、トリチルおよび置換トリチル基、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(FMOC)、ニトロ−ベラトリルオキシカルボニル(NVOC)、など。当業者は、他の好適なアミン保護基を同定することができる。
【0050】
代表的なヒドロキシ保護基としては、ヒドロキシ基がアシル化またはアルキル化されたもの、例えばベンジル、およびトリチルエーテルならびにアルキルエーテル、テトラヒドロピラニルエーテル、トリアルキルシリルエーテルおよびアリルエーテルが挙げられる。
【0051】
加えて、本明細書で記載される化合物の塩は、水和または未水和(無水)形態で、または他の溶媒分子との溶媒和物として存在することができる。水和物の非限定的な例としては一水和物、二水和物、などが挙げられる。溶媒和物の非限定的な例としては、エタノール溶媒和物、アセトン溶媒和物、などが挙げられる。
【0052】
「溶媒和物」という用語は、化学量論量または非化学量論量のいずれかの溶媒を含む溶媒付加形態を意味する。いくつかの化合物は結晶固体状態中に一定モル比の溶媒分子をトラップする傾向を有し、よって溶媒和物を形成する。溶媒が水である場合、形成された溶媒和物は水和物であり、溶媒がアルコールである場合、形成された溶媒和物はアルコラートである。水和物は、1つ以上の水分子を物質の1つと組み合わせることにより形成され、この場合、水は、HOとしてのその分子状態を保持し、そのような組み合わせは、1つ以上の水和物を形成することができる。
【0053】
本明細書で記載される化合物、塩およびプロドラッグはいくつかの互変異性体型、例えばエノールおよびイミン型、ならびにケトおよびエナミン型、ならびに幾何異性体およびそれらの混合物で存在することができる。互変異性体は溶液中で互変異性体セットの混合物として存在する。固体形態では、通常1つの互変異性体が優位を占める。1つの互変異性体が記載されている場合であっても、本出願は本化合物の全ての互変異性体を含む。互変異性体は、平衡で存在し、1つの異性体型からもう一方の異性型に容易に変換される2つ以上の構造異性体の1つである。この反応によって、隣接する共役二重結合のスイッチに伴って起こる水素原子の形式的な移動がもたらされる。互変異性化が可能な溶液では、互変異性体の化学平衡に到達するであろう。互変異性体の正確な比は温度、溶媒およびpHを含むいくつかの因子に依存する。互変異性化によって相互交換可能である互変異性体の概念は互変異性と呼ばれる。
【0054】
可能である互変異性の種々の型のうち、2つが一般に観察される。ケト−エノール互変異性では、電子と水素原子の同時シフトが起こる。
【0055】
互変異性化は塩基については:1.脱プロトン化;2.非局在化アニオンの形成(例えば、エノラート);3.アニオンの異なる位置でのプロトン化により;酸については:1.プロトン化;2.非局在化カチオンの形成;3.カチオンに隣接した異なる位置での脱プロトン化により触媒することができる。
【0056】
「類似体」という用語は、もう1つと構造的に類似するが、組成がわずかに異なる化学化合物を示す(1つの原子の異なる元素の原子による、または特定の官能基の存在下での置換、あるいは1つの官能基の別の官能基による置換などの場合)。よって、類似体は、参照化合物と、機能および外観が同様または同等であるが、構造または起源がそうでない化合物である
【0057】
対象方法により治療される「患者」、「被験体」、または「宿主」は、ヒトまたは非ヒト動物、例えば哺乳類、魚、鳥類、爬虫類、または両生類のいずれかを意味することができる。よって、本明細書で開示される方法の被験体はヒト、非ヒト霊長類、ウマ、ブタ、ウサギ、イヌ、ヒツジ、ヤギ、雌ウシ、ネコ、モルモットまたは齧歯類とすることができる。この用語は、特定の年齢または性別を示さない。よって、成体および新生被験体、ならびに胎児が、雄雌関係なく、含まれることが意図される。1つの態様では、被験体は哺乳類である。患者は、疾患または障害に苦しむ被験体を示す。
【0058】
「予防的」または「治療的」処置は当該技術分野において承認されており、宿主への対象組成物の1つ以上の投与を含む。望まれない病状(例えば、宿主動物の疾患または他の望まれない状態)の臨床徴候前に投与される場合、処置は予防的であり、すなわち、これは、宿主を望まれない病状の発症に対し保護し、一方、望まれない病状の徴候後に投与される場合、処置は治療的である(すなわち、既存の望まれない病状またはその副作用を減弱、寛解、または安定化させることが意図される)。
【0059】
「治療薬」、「薬物」、「薬剤」および「生理活性物質」という用語は当該技術分野において承認されており、患者または被験体において疾患または病状を治療するように局所的または全身的に作用する、生物学的に、生理的に、または薬理学的に活性な物質である分子および他の作用物質を含む。これらの用語は、限定はされないが、その薬学的に許容される塩およびプロドラッグを含む。そのような作用物質は酸性、塩基性、または塩であってもよく;それらは水素結合することができる中性分子、極性分子、または分子複合体であってもよく;それらは、患者または被験体に投与されると生物学的に活性化される、エーテル、エステル、アミドなどの形態のプロドラッグであってもよい。
【0060】
「治療的有効量」または「薬学的有効量」は当該技術分野において承認されている用語である。ある一定の実施形態では、その用語は、任意の医学的処置に適用可能な妥当な利益/リスク比でいくらかの所望の効果を生成させる治療薬の量を示す。ある一定の実施形態では、その用語は、特定の治療レジメンの標的を排除、低減または維持するのに必要なまたは十分なその量を示す。有効量は、治療される疾患または病状、投与される特定の標的コンストラクト、被験体のサイズあるいは疾患または病状の重症度などの因子によって変動し得る。当業者は経験的に、過度の実験を必要とすることなく、特定の化合物の有効量を決定することができる。ある一定の実施形態では、インビボ使用のための治療薬の治療的有効量はおそらく、下記を含む多くの因子に依存するであろう:ポリママトリクスからの作用物質の放出速度(これは一部、ポリマの化学および物理的特性に依存するであろう);作用物質のアイデンティティ;投与の様式および方法;および作用物質に加えてポリママトリクスに組み込まれる任意の他の材料。
【0061】
「ED50」という用語は当該技術分野において承認されている。ある一定の実施形態では、ED50は、その最大応答または効果の50%を生成させる薬物の用量、あるいは、試験被験体または標本の50%において予め決められた応答を生成させる用量を意味する。「LD50」という用語は当該技術分野において承認されている。ある一定の実施形態では、LD50は、試験被験体の50%において致死的である薬物の用量を意味する。「治療指数」という用語は当該技術分野において承認されている用語であり、これは、LD50/ED50として規定される、薬物の治療指数を示す。
【0062】
「IC50」という用語または「50%阻害濃度」は、生物学的プロセス、またはプロセスの構成成分、例えばタンパク質、サブユニット、小器官、リボヌクレオタンパク質、などの50%阻害に要求される物質(例えば、化合物または薬物)の濃度を示すことが意図される。
【0063】
任意の化学化合物に関しては、本出願は、本化合物において起こる、原子の全ての同位体を含むことが意図される。同位体としては、同じ原子番号を有するが、異なる質量数を有するそれらの原子が挙げられる。一般的な例としては、限定はされないが、水素の同位体はトリチウムおよび重水素を含み、炭素の同位体はC−13およびC−14を含む。
【0064】
置換基への結合が、環中の2つの原子を連結する結合を横切るように表されている場合、そのような置換基は、環中の任意の原子に結合され得る。置換基が、そのような置換基が、与えられた式の化合物の残りに、それを介して結合される原子を示さずに列挙される場合、そのような置換基は、そのような置換基内の任意の原子を介して結合させることができる。置換基および/または変数の組み合わせは、そのような組み合わせにより安定な化合物が得られる場合にのみ許容される。
【0065】
原子または化学部が下付き文字の数値範囲を伴う場合(例えば、C1−6)、範囲内の各数字ならびに全ての中間範囲を含むことが意味される。例えば、「C1−6アルキル」は、1、2、3、4、5、6、1−6、1−5、1−4、1−3、1−2、2−6、2−5、2−4、2−3、3−6、3−5、3−4、4−6、4−5、および5−6個の炭素を有するアルキル基を含むことが意味される。
【0066】
「アルキル」という用語は、分枝(例えば、イソプロピル、tert−ブチル、イソブチル)、直鎖、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル)の両方、およびシクロアルキル(例えば、脂環式)基(例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル)、アルキル置換シクロアルキル基、およびシクロアルキル置換アルキル基を含むことが意図される。そのような脂肪族炭化水素基は特定数の炭素原子を有する。例えば、C1−6アルキルは、C、C、C、C、C、およびCアルキル基を含むことが意図される。本明細書では、「低級アルキル」は、炭素鎖の骨格中に1〜6個の炭素原子を有するアルキル基を示す。「アルキル」はさらに、1つ以上の炭化水素骨格炭素原子にとって代わる酸素、窒素、硫黄またはリン原子を有するアルキル基を含む。ある一定の実施形態では、直鎖または分枝鎖アルキルは、その骨格内に6個以下の炭素原子(例えば、直鎖ではC−C、分枝鎖ではC−C)、例えば4個以下を有する。同様に、ある一定のシクロアルキルは、それらの環構造内に3〜8個の炭素原子、例えば環構造内に5または6個の炭素を有する。
【0067】
「置換アルキル」という用語は、炭化水素骨格の1つ以上の炭素上の水素にとって代わる置換基を有するアルキル部分を示す。そのような置換基としては、例えば、下記が挙げられる:アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホナト、ホスフィナト、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、およびアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、スルフェート、アルキルスルフィニル、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、または芳香族もしくはヘテロ芳香族部分。シクロアルキルはさらに、例えば、上記置換基で置換することができる。「アルキルアリール」または「アラルキル」部分はアリールで置換されたアルキルである(例えば、フェニルメチル(ベンジル))。別に示されない限り、「アルキル」および「低級アルキル」という用語は、それぞれ、直鎖、分枝、環状、非置換、置換、および/またはヘテロ原子含有アルキルまたは低級アルキルを含む。
【0068】
「アルケニル」という用語は、少なくとも1つの二重結合を含む、2〜約24個の炭素原子の直鎖、分枝または環状炭化水素基、例えばエテニル、n−プロペニル、イソプロペニル、n−ブテニル、イソブテニル、オクテニル、デセニル、テトラデセニル、ヘキサデセニル、エイコセニル、テトラコセニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロオクテニル、などを示す。一般に、これまた必ずではないが、アルケニル基は2〜約18個の炭素原子、より特定的には2〜12個の炭素原子を含むことができる。「低級アルケニル」という用語は、2〜6個の炭素原子のアルケニル基を示し、「シクロアルケニル」という特定の用語は、好ましくは5〜8個の炭素原子を有する環状アルケニル基を意図する。「置換アルケニル」という用語は、1つ以上の置換基で置換されたアルケニルを示し、「ヘテロ原子含有アルケニル」および「ヘテロアルケニル」という用語は、少なくとも1つの炭素原子がヘテロ原子で置換された、アルケニルまたはヘテロシクロアルケニル(例えば、ヘテロシクロヘキセニル)を示す。別に示されない限り、「アルケニル」および「低級アルケニル」という用語は、それぞれ、直鎖、分枝、環状、非置換、置換、および/またはヘテロ原子含有アルケニルおよび低級アルケニルを示す。
【0069】
「アルキニル」という用語は、少なくとも1つの三重結合を含む、2〜24個の炭素原子の直鎖または分枝炭化水素基、例えばエチニル、n−プロピニル、などを示す。一般に、これまた必ずではないが、アルキニル基は2〜約18個の炭素原子を含むことができ、より特定的には2〜12個の炭素原子を含むことができる。「低級アルキニル」という用語は、2〜6個の炭素原子のアルキニル基を意図する。「置換アルキニル」という用語は、1つ以上の置換基で置換されたアルキニルを示し、「ヘテロ原子含有アルキニル」および「ヘテロアルキニル」という用語は、少なくとも1つの炭素原子がヘテロ原子で置換されたアルキニルを示す。別に示されない限り、「アルキニル」および「低級アルキニル」という用語は、それぞれ、直鎖、分枝、非置換、置換、および/またはヘテロ原子含有アルキニルおよび低級アルキニルを含む。
【0070】
「アルキル」、「アルケニル」、および「アルキニル」という用語は、ジラジカルである、すなわち、2つの付着点を有する部分を含むことが意図される。ジラジカルであるそのようなアルキル部分の非限定的例は−−CHCH−−、すなわち、各末端炭素原子を介して分子の残り共有結合されるCアルキル基である。
【0071】
「アルコキシ」という用語は、単一の末端エーテル結合を介して結合されるアルキル基を示し;すなわち、「アルコキシ」基は、−−O−アルキルとして表すことができ、ここで、アルキルは上記で規定される通りである。「低級アルコキシ」基は1〜6個の炭素原子を含むアルコキシ基を意図し、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、t−ブチルオキシ、などが挙げられる。本明細書で「C−Cアルコキシ」または「低級アルコキシ」として規定される好ましい置換基は1〜3個の炭素原子を含み、特に好ましいそのような置換基は1または2個の炭素原子を含む(すなわち、メトキシおよびエトキシ)。
【0072】
「アリール」という用語は、単一の芳香環または、共に縮合され、直接結合され、または間接的に結合された(よって、異なる芳香環が共通の基、例えば、メチレンまたはエチレン部分に結合される)複数の芳香環を含む芳香族置換基を示す。アリール基は5〜20個の炭素原子を含むことができ、特に好ましいアリール基は、5〜14個の炭素原子を含むことができる。アリール基の例としては、下記が挙げられる:ベンゼン、フェニル、ピロール、フラン、チオフェン、チアゾール、イソチアゾール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、およびピリミジン、など。さらに、「アリール」という用語は多環状アリール基、例えば、三環、二環、例えば、ナフタレン、ベンゾキサゾール、ベンゾジオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチオフェン、メチレンジオキシフェニル、キノリン、イソキノリン、ナフトリジン(napthridine)、インドール、ベンゾフラン、プリン、ベンゾフラン、デアザプリン、またはインドリジンを含む。環構造内にヘテロ原子を有するそれらのアリール基はまた、「アリール複素環」、「複素環」、「ヘテロアリール」または「ヘテロ芳香族」と呼ぶことができる。芳香環は、1つ以上の環位で、以上で記載される置換基、例えば、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アラルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アラルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、ホスフェート、ホスホナト、ホスフィナト、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、およびアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、スルフェート、アルキルスルフィニル、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、または芳香族もしくはヘテロ芳香族部分で置換することができる。アリール基はまた、脂環式環または複素環(芳香族ではない)と縮合または架橋させることができ、多環状系(例えば、テトラリン、メチレンジオキシフェニル)が形成される。別に示されない限り、「アリール」という用語は、非置換、置換、および/またはヘテロ原子含有芳香族置換基を含む。
【0073】
「アルカリル」という用語は、アルキル置換基を有するアリール基を示し、「アラルキル」という用語は、アリール置換基を有するアルキル基を示し、ここで、「アリール」および「アルキル」は上記で規定される通りである。例示的なアラルキル基は6〜24個の炭素原子を含み、特に好ましいアラルキル基は6〜16個の炭素原子を含む。アラルキル基の例としては、限定はされないが、下記が挙げられる:ベンジル、2−フェニル−エチル、3−フェニル−プロピル、4−フェニル−ブチル、5−フェニル−ペンチル、4−フェニルシクロヘキシル、4−ベンジルシクロヘキシル、4−フェニルシクロヘキシルメチル,
4−ベンジルシクロヘキシルメチル、など。アルカリル基としては、例えば、下記が挙げられる:p−メチルフェニル、2,4−ジメチルフェニル、p−シクロヘキシルフェニル、2,7−ジメチルナフチル、7−シクロオクチルナフチル、3−エチル−シクロペンタ−l,4−ジエン、など。
【0074】
「ヘテロシクリル」または「複素環基」は閉環構造、例えば、3〜10、または4〜7員環を含み、これらは1つ以上のヘテロ原子を含む。「ヘテロ原子」は、炭素または水素以外の任意の元素の原子を含む。ヘテロ原子の例としては、窒素、酸素、硫黄およびリンが挙げられる。
【0075】
ヘテロシクリル基は飽和もしくは不飽和とすることができ、ピロリジン、オキソラン、チオラン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、ラクトン、ラクタム、例えばアゼチジノンおよびピロリジノン、スルタム、およびスルトンが挙げられる。ピロールおよびフランなどの複素環基は芳香族特性を有することができる。それらは、縮合環構造、例えばキノリンおよびイソキノリンを含む。複素環基の他の例としては、ピリジンおよびプリンが挙げられる。複素環は1つ以上の位置で例えば下記のような、以上で記載される置換基で置換することができる:ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホナト、ホスフィナト、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、およびアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、スルフェート、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、または芳香族もしくはヘテロ芳香族部分。複素環基はまた、1つ以上の構成原子で、例えば、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルコキシ、低級アルキルチオ、低級アルキルアミノ、低級アルキルカルボキシル、ニトロ、ヒドロキシル、−−CF、または‐ーCN、などで置換することができる。
【0076】
「ハロ」または「ハロゲン」という用語は、フルオロ、クロロ、ブロモ、およびヨードを示す。「対イオン」は、小さな、負電荷を持つ種、例えばフッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、水酸化物、アセテート、およびスルフェートを表すために使用される。
【0077】
「置換アルキル」「置換アリール」などにおいて見られるような「置換」という用語は、前記定義のいくつかにおいて示唆されるように、アルキル、アリール、または他の部分においては、炭素(または他の)原子に結合された少なくとも1つの水素原子が1つ以上の非水素置換基にとって代わられることを意味する。そのような置換基の例としては、下記が挙げられるが、それらに限定されない:官能基、例えばハロ、ヒドロキシル、シリル、スルフヒドリル、CーC24アルコキシ、CーC24アルケニルオキシ、CーC24アルキニルオキシ、CーC20アリールオキシ、アシル(CーC24アルキルカルボニル(ーCOーアルキル)およびCーC20アリールカルボニル(ーCOーアリール)を含む)、アシルオキシ(ーOーアシル)、CーC24アルコキシカルボニル(ー(CO)ーOーアルキル)、CーC20アリールオキシカルボニル(ー(CO)ーOーアリール)、CーC24アルキルカルボナト(ーOー(CO)ーOーアルキル)、CーC20アリールカルボナト(ーOー(CO)ーOーアリール)、カルボキシ(ーCOOH)、カルボキシラト(ーCOOー)、カルバモイル(ー(CO)ーNH)、モノー(CーC24アルキル)ー置換カルバモイル(ー(CO)ーNH(CーC24アルキル))、ジー(CーCアルキル)ー置換カルバモイル(ー(CO)ーーN(CーC24アルキル))、モノー置換アリールカルバモイル(ー(CO)ーNHーアリール)、チオカルバモイル(ー(CS)ーNH)、カルバミド(ーNHー(CO)ーNH)、シアノ(ーCN)、イソシアノ(ーN)、シアナト(ーOーーCN)、イソシアナト(ーON)、イソチオシアナト(ーSーCN)、アジド(ーN=N=Nー)、ホルミル(ー(CO)ーーH)、チオホルミル(ー(CS)ーH)、アミノ(ーNH)、モノーおよびジー(CーC24アルキル)ー置換アミノ、モノーおよびジー(CーC20アリール)ー置換アミノ、CーC24アルキルアミド(ーNHー(CO)ーアルキル)、CーC20アリールアミド(ーNHー(CO)ーアリール)、イミノ(ーCR=NH、式中、R=水素、CーC24アルキル、CーC20アリール、CーC24アルカリル、CーC24アラルキル、など)、アルキルイミノ(ーCR=N(アルキル)、式中、R=水素、アルキル、アリール、アルカリル、など)、アリールイミノ(ーCR=N(アリール)、式中、R=水素、アルキル、アリール、アルカリル、など)、ニトロ(ーNO)、ニトロソ(ーNO)、スルホ(ーSOーOH)、スルホナト(ーSOーO)、CーC24アルキルスルファニル(ーSーアルキル;「アルキルチオ」とも呼ばれる)、アリールスルファニル(ーSーアリール;「アリールチオ」とも呼ばれる)、CーC24アルキルスルフィニル(ーー(SO)ーアルキル)、CーC20アリールスルフィニル(ー(SO)ーアリール)、CーC24アルキルスルホニル(ーSOーアルキル)、CーC20アリールスルホニル(ーSOーアリール)、ホスホノ(ーP(O)(OH))、ホスホナト(ーP(O)(O)、ホスフィナト(ーP(O)(O))、ホスホ(ーPO)、およびホスフィノ(ーPH);ならびにヒドロカルビル部分CーC24アルキル、CーC24アルケニル、CーC24アルキニル、CーC20アリール、CーC24アルカリル、およびCーC24アラルキル。
【0078】
加えて、前記官能基は、特定の基が許容した場合、さらに1つ以上の追加の官能基または1つ以上のヒドロカルビル部分、例えば以上で特定的に列挙されたもので置換することができる。類似して、上記ヒドロカルビル部分はさらに、1つ以上の官能基または追加のドロカルビル部分、例えば特定的に列挙されたもので置換することができる。
【0079】
「置換」という用語が可能な置換基のリストの前に現れた場合、その用語はその群の全てのメンバーに適用されることが意図される。例えば、「置換アルキル、アルケニル、およびアリール」という句は、「置換アルキル、置換アルケニル、および置換アリール」として解釈されるべきである。類似して、「ヘテロ原子含有」という用語が可能なヘテロ原子含有基のリストの前に現れた場合、その用語はその群の全てのメンバーに適用されることが意図される。例えば、「ヘテロ原子含有アルキル、アルケニル、およびアリール」という句は、「ヘテロ原子含有アルキル、置換アルケニル、および置換アリール」として解釈されるべきである。
【0080】
「任意的な」または「任意で」は、その後に記載される状況が起きても起こらなくてもよく、よって、その記載はその状況が起きた場合および起きなかった場合を含む。例えば、「任意で置換された」という句は、非水素置換基が所定の原子上に存在してもしなくてもよいことを意味し、よってその記載は非水素置換基が存在する構造および非水素置換基が存在しない構造を含む。
【0081】
「安定な化合物」および「安定な構造」という用語は、単離、および必要に応じて、反応混合物からの精製、および有効な治療薬への製剤化を生き残るのに十分強固である化合物を示すことが意味する。
【0082】
「遊離化合物」という用語は、非結合状態にある化合物を記載するために本明細書で使用される。
【0083】
記載を通して、組成物が特定の構成成分を有する、含有する、または含むものとして記載される場合、組成物はまた、列挙された構成成分から本質的構成される、または、これらから構成されることが企図される。同様に、方法またはプロセスが、特定のプロセス工程を有する、含有する、または含むように記載される場合、プロセスはまた、列挙されたプロセス工程から本質的に構成される、またはこれらから構成される。さらに、工程の順序またはある一定の行為を実施する順序は、本明細書で記載される組成物および方法が動作可能である限り重要でないことが理解されるべきである。その上、2つ以上の工程または行為は同時に実施することができる。
【0084】
「小分子」という用語は当該技術分野において承認されている用語である。ある一定の実施形態では、この用語は、約2000amu未満、または約1000amu未満、さらには約500amu未満の分子量を有する分子を示す。
【0085】
本明細書で使用される全てのパーセンテージおよび比は、別記されない限り、重量である。
【0086】
「新生物」という用語は、新生物形成の結果としての細胞または組織の任意の異常な塊を示す。新生物は、良性、潜在的に悪性(前癌性)、または悪性(癌性)であり得る。腺腫は新生物の一例である。
【0087】
「腺腫」、「結腸腺腫」および「ポリープ」という用語は、結腸の任意の前癌性新生物を説明するために本明細書で使用される。
【0088】
「結腸」という用語は、本明細書では、右結腸(盲腸を含む)、横行結腸、左結腸および直腸を含むことが意図される。
【0089】
「結腸直腸癌」および「結腸癌」という用語は、結腸(以上で規定されるように直腸を含む)の任意の癌性新生物を示すために、本明細書では同じ意味で使用される。
【0090】
「遺伝子発現」または「タンパク質発現」という用語は、試料中に存在する遺伝子転写物またはタンパク質の量に関する任意の情報、ならびに遺伝子またはタンパク質が生成され、または蓄積し、または分解される速度についての情報(例えば、レポーター遺伝子データ、核ランオフ(nuclear runoff )実験からのデータ、パルスチェイスデータなど)を含む。ある一定の種類のデータは、遺伝子およびタンパク質発現の両方と関連すると考えられ得る。例えば、細胞中のタンパク質レベルは、タンパク質のレベルならびに転写のレベルを反映し、そのようなデータは、「遺伝子またはタンパク質発現情報」という句に含まれることが意図される。そのような情報は、単位のない測定値で表された、量/細胞、対照遺伝子またはタンパク質に対する量などの形態で与えることができ;「情報」という用語は、表現の任意の特定の意味に限定されず、関連情報を提供する任意の表現を意味することが意図される。「発現レベル」という用語は、データが遺伝子転写物蓄積またはタンパク質蓄積またはタンパク質合成速度、などに向けられたものであるかどうかに関係なく、遺伝子またはタンパク質発現データで反映される、またはこれから誘導することができる量を示す。
【0091】
「健康な」および「正常な」という用語は、疾患状態を欠く(少なくとも検出限界まで)被験体または特定の細胞もしくは組織を示すために、本明細書では同じ意味で使用される。
【0092】
「核酸」という用語は、ポリヌクレオチド、例えばデオキシリボ核酸(DNA)、適切な場合には、リボ核酸(RNA)を示す。その用語はまた、ヌクレオチド類似体から作製されたRNAまたはDNAのいずれかの類似体、および、記載される実施形態に適用可能なように、一本鎖(例えばセンスまたはアンチセンス)および二本鎖ポリヌクレオチドを含むと理解されるべきである。いくつかの実施形態では、「核酸」は、阻害核酸を示す。阻害核酸化合物のいくつかのカテゴリは、アンチセンス核酸、RNAiコンストラクト、および触媒核酸コンストラクトを含む。そのような核酸のカテゴリは当技術分野でよく知られている。
【0093】
本明細書で記載される実施形態は、15ーPGDH活性を調節する、組織プロスタグランジンレベルを調節する、および/または15ーPGDH活性および/またはプロスタグランジンレベルを調節することが所望される疾患、障害または病状を治療する化合物および方法に関する。15ーPGDH発現または15ーPGDH活性の「阻害剤」「活性化剤」および「モジュレーター」は、それぞれ、15ーPGDH発現または15ーPGDH活性についてインビトロおよびインビボアッセイを用いて同定された阻害、活性化、または調節分子、例えば、リガンド、アゴニスト、アンタゴニスト、ならびにそれらの相同体および模倣物を示すために使用される。「モジュレーター」という用語は阻害剤および活性化剤を含む。阻害剤は、例えば、15ーPGDHの発現を阻害するまたは、15ーPGDHに結合する、部分的にまたは全体として刺激をブロックする、活性化を減少させる、防止する、遅延させる、不活性化する、脱感作する、または活性を下方制御する作用物質、例えば、アンタゴニストである。活性化剤は例えば、15ーPGDHの発現を誘導もしくは活性化する、または15ーPGDHに結合する、刺激する、安定化させる、増加させる、開放する、活性化する、促進する、または活性化を増強する、感作させるもしくは活性を上方制御する作用物質、例えば、アゴニストである。モジュレーターは天然起源および合成リガンド、小化学分子、などを含む。
【0094】
本明細書で記載される15ーPGDH阻害剤は、組織中のプロスタグランジンレベルを上昇させるための薬理学的方法を提供することができる。プロスタグランジンの公知の活性は、発毛を促進すること、皮膚色素沈着を促進すること、および皮膚暗色化または皮膚黒化の出現を促進することを含む。プロスタグランジンの公知の活性はまた、肺動脈高血圧を寛解させることを含む。本明細書で記載される15ーPGDH阻害剤はまた、放射線による組織損傷に対する抵抗性を増加させる、放射線への環境曝露に対する抵抗性を増加させる、骨髄または他の型の移植の適応度を増加させるために幹細胞数を増加させる(移植組織の収集前に幹細胞数を増加させるための本明細書で記載される15ーPGDH阻害剤へのインビボ曝露、またはレシピエント宿主への移植前の収集組織のエクスビボ曝露のいずれかを介する)ことを含むであろう目的のために組織幹細胞数を増加させるために使用されてもよい。本明細書で記載される15ーPGDH阻害剤はまた、肝臓再生、例えば肝臓切除後の肝臓再生、および毒性傷害(例えば、アセトアミノフェン過剰投与の毒性傷害であり得る)後の肝臓再生を促進することを含むであろう目的のために使用されてもよい。プロスタグランジンシグナル伝達はまた、創傷治癒を促進し、胃を潰瘍形成から保護し、胃および腸の潰瘍の治癒を促進することが知られている。加えて、本明細書で記載される15ーPGDH阻害剤は、ケラチノサイト細胞の培養物を横切る引っ掻き傷の「治癒」においてヒトケラチノサイトの活性を促進することができる。よって、本明細書で記載される15ーPGDH阻害剤は、他の組織、例えば、限定はされないが皮膚の潰瘍、例えば、限定はされないが、糖尿病性潰瘍を治癒させるためにも使用され得る。さらに、本明細書で記載される15ーPGDH阻害剤は勃起不全の治療のために使用され得る。
【0095】
本明細書で記載される15ーPGDH活性化剤は細胞中の15ーPGDHタンパク質のレベルを増加させることができ、細胞中の15ーPGDH酵素活性のレベルを増加させることができる。15ーPGDHの組織レベルの増加は、プロスタグランジンの組織レベルを減少させることができる。組織プロスタグランジンを減少させる化合物と関連する活性は、ヒト腫瘍の発症を減少させること、特にヒト結腸腫瘍の発症を減少させることを含む。したがって、組織15ーPGDH活性を増加させる化合物は、結腸腫瘍および他の腫瘍の発症のリスクを低下させることができる。15ーPDGH活性を増加させる化合物はまた、結腸腫瘍および他の腫瘍を治療するために使用することができる。15ーPDGHを増加させる化合物は、単独で与えられた場合、あるいはシクロオキシゲナーゼー1および/またはシクロオキシゲナーゼー2酵素の阻害剤と組み合わせて与えられた場合、あるいは他の治療薬と組み合わせて与えられた場合、腫瘍を治療または防止するために使用することができる。
【0096】
本明細書で記載される15ーPGDH阻害剤および活性化剤は、推定モジュレーター化合物が、15ーPGDHを発現する細胞に適用され、その後、15ーPGDH活性に対する機能的効果が決定されるアッセイを用いて同定することができる。可能性のある活性化剤、阻害剤、またはモジュレーターで処理される15ーPGDHを含む試料またはアッセイは、阻害剤、活性化剤、またはモジュレーターなしの対照試料と比較され、効果の程度が調査される。対照試料(モジュレーターによる処理なし)には、100%の相対15ーPGDH活性値が割り当てられる。対照に対する15ーPGDH活性値が約80%、任意で50%または25%、10%、5%または1%になると、15ーPGDHの阻害が達成される。対照に対する15ーPGDH活性または発現値が105%、任意で110%、任意で125%、任意で150%、任意で200%、300%、400%、500%、または1000ー3000%あるいはそれ以上になると、15ーPGDHの活性化が達成される。
【0097】
15ーPGDHのモジュレーターとして試験される作用物質は任意の小化学分子または化合物とすることができる。典型的には、試験化合物は小化学分子、天然産物、またはペプチドである。アッセイは、アッセイ工程を自動化し、任意の好都合な起源由来の化合物をアッセイに提供することにより大きな化合物ライブラリーをスクリーニングするように設計され、これらは、典型的には並行して実行される(例えば、ロボットアッセイにおけるマイクロタイタープレート上でのマイクロタイターフォーマットにおいて)。モジュレーターはまた、15ーPGDH mRNAのレベルまたはmRNAからの翻訳のレベルを増加させるように設計された作用物質を含む。
【0098】
いくつかの実施形態では、15ーPGDHのモジュレーターは下記式(I)を有する化合物、およびその薬学的に許容される塩を含む15ーPGDH阻害剤とすることができる:
【化4】
[この文献は図面を表示できません]
式中、nは0ー2であり;
はC1ー8アルキルでありこれは直鎖、分枝、または環状であり、これは非置換であり、または置換され(例えば、RはC2ー6アルキル、C2ー4アルキル、またはCアルキルとすることができ、これは直鎖、分枝、または環状であり、これは非置換であり、または置換される);
およびRは同じかまたは異なり、各々、下記からなる群より選択され:H、低級アルキル基、(CHn1OR’(式中、n1=1、2、または3である)、CF、CHーCHX、OーCHーCHX、CHーCHーCHX、OーCHーCHX(式中、X=F、Cl、Br、またはIである)、CN、(C=O)ーR’、(C=O)N(R’)、O(CO)R’、COOR’(式中、R’はHまたは低級アルキル基である);
およびRは同じかまたは異なり、各々、下記からなる群より選択され:水素、CーC24アルキル、CーC24アルケニル、CーC24アルキニル、CーC20アリール、CーC24アルカリル、CーC24アラルキル、ハロ、シリル、ヒドロキシル、スルフヒドリル、CーC24アルコキシ、CーC24アルケニルオキシ、CーC24アルキニルオキシ、CーC20アリールオキシ、アシル(CーC24アルキルカルボニル(‐ーCOーアルキル)およびCーC20アリールカルボニル(ーCOーアリール)を含む)、アシルオキシ(ーOーアシル)、CーC24アルコキシカルボニル(ー(CO)ーOーアルキル)、CーC20アリールオキシカルボニル(ー(CO)ーOーアリール)、CーC24アルキルカルボナト(ーOー(CO)ーOーアルキル)、CーC20アリールカルボナト(ーOー(CO)ーOーアリール)、カルボキシ(ーCOOH)、カルボキシラト(ーCOO)、カルバモイル(ー(CO)ーーNH)、CーC24アルキルーカルバモイル(ー(CO)ーNH(CーC24アルキル))、アリールカルバモイル(ー(CO)ーNHーアリール)、チオカルバモイル(ー(CS)ーNH)、カルバミド(ーNHー(CO)ーNH)、シアノ(ーCN)、イソシアノ(ーN)、シアナト(ーOーCN)、イソシアナト(ーOーN=C)、イソチオシアナト(ーSーCN)、アジド(ーN=N=N)、ホルミル(ーー(CO)ーーH)、チオホルミル(ーー(CS)ーーH)、アミノ(ーーNH)、CーC24アルキルアミノ、CーC20アリールアミノ、CーC24アルキルアミド(ーNHー(CO)ーアルキル)、CーC20アリールアミド(ーNHー(CO)ーアリール)、イミノ(ーCR=NH、式中、Rは水素、CーC24アルキル、CーC20アリール、CーC24アルカリル、CーC24アラルキル、などである)、アルキルイミノ(ーCR=N(アルキル)、式中、R=水素、アルキル、アリール、アルカリル、アラルキル、などである)、アリールイミノ(ーCR=N(アリール)、式中、R=水素、アルキル、アリール、アルカリル、などである)、ニトロ(ーNO)、ニトロソ(ーNO)、スルホ(ーSOーOH)、スルホナト(ーSOーO)、CーC24アルキルスルファニル(ーSーアルキル;「アルキルチオ」とも呼ばれる)、アリールスルファニル(ーSーアリール;「アリールチオ」とも呼ばれる)、CーC24アルキルスルフィニル(ー(SO)ーアルキル)、CーC20アリールスルフィニル(ー(SO)ーアリール)、CーC24アルキルスルホニル(ーSOーアルキル)、CーC20アリールスルホニル(ーSOーアリール)、ホスホノ(ーP(O)(OH))、ホスホナト(ーP(O)(O)、ホスフィナト(ーP(O)(O))、ホスホ(ーPO)、ホスフィノ(‐ーPH)、それらの組み合わせ、ここで、RおよびRは連結され、環状または多環状環を形成してもよく、ここで、環は置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換シクロアルキル、および置換もしくは非置換ヘテロシクリルである。
【0099】
他の実施形態では、15ーPGDH阻害剤は、下記式(II)を有する化合物、およびその薬学的に許容される塩を含むことができる:
【化5】
[この文献は図面を表示できません]
式中、nは0ー2であり;
はC1ー8アルキルであり、これは直鎖、分枝、または環状であり、これは非置換であり、または置換され;
およびRは同じかまたは異なり、各々、下記からなる群より選択され:H、低級アルキル基、(CHn1OR’(式中、n1=1、2、または3である)、CF、CHーCHX、OーCHーCHX、CHーCHーCHX、OーCHーCHX(式中、X=F、Cl、Br、またはIである)、CN、(C=O)ーR’、(C=O)N(R’)、O(CO)R’、COOR’(式中、R’はHまたは低級アルキル基である);
はNR’、OまたはSであり(式中、R’はHまたは低級アルキル基である);
およびYは同じかまたは異なり、各々、下記からなる群より選択され:水素、CーC24アルキル、CーC24アルケニル、CーC24アルキニル、CーC20アリール、CーC24アルカリル、CーC24アラルキル、ハロ、シリル、ヒドロキシル、スルフヒドリル、CーC24アルコキシ、CーC24アルケニルオキシ、CーC24アルキニルオキシ、CーC20アリールオキシ、アシル(CーC24アルキルカルボニル(‐ーCOーアルキル)およびCーC20アリールカルボニル(ーCOーアリール)を含む)、アシルオキシ(ーOーアシル)、CーC24アルコキシカルボニル(ー(CO)ーOーアルキル)、CーC20アリールオキシカルボニル(ー(CO)ーOーアリール)、CーC24アルキルカルボナト(ーOー(CO)ーOーアルキル)、CーC20アリールカルボナト(ーOー(CO)ーOーアリール)、カルボキシ(ーCOOH)、カルボキシラト(ーCOO)、カルバモイル(ー(CO)ーーNH)、CーC24アルキルーカルバモイル(ー(CO)ーNH(CーC24アルキル))、アリールカルバモイル(ー(CO)ーNHーアリール)、チオカルバモイル(ー(CS)ーNH)、カルバミド(ーNHー(CO)ーNH)、シアノ(ーCN)、イソシアノ(ーN)、シアナト(ーOーCN)、イソシアナト(ーOーN=C)、イソチオシアナト(ーSーCN)、アジド(ーN=N=N)、ホルミル(ーー(CO)ーーH)、チオホルミル(ーー(CS)ーーH)、アミノ(ーーNH)、CーC24アルキルアミノ、CーC20アリールアミノ、CーC24アルキルアミド(ーNHー(CO)ーアルキル)、CーC20アリールアミド(ーNHー(CO)ーアリール)、イミノ(ーCR=NH、式中、Rは水素、CーC24アルキル、CーC20アリール、CーC24アルカリル、CーC24アラルキル、などである)、アルキルイミノ(ーCR=N(アルキル)、式中、R=水素、アルキル、アリール、アルカリル、アラルキル、など)、アリールイミノ(ーCR=N(アリール)、式中、R=水素、アルキル、アリール、アルカリル、など)、ニトロ(ーNO)、ニトロソ(ーNO)、スルホ(ーSOーOH)、スルホナト(ーSOーO)、CーC24アルキルスルファニル(ーSーアルキル;「アルキルチオ」とも呼ばれる)、アリールスルファニル(ーSーアリール;「アリールチオ」とも呼ばれる)、CーC24アルキルスルフィニル(ー(SO)ーアルキル)、CーC20アリールスルフィニル(ー(SO)ーアリール)、CーC24アルキルスルホニル(ーSOーアルキル)、CーC20アリールスルホニル(ーSOーアリール)、ホスホノ(ーP(O)(OH))、ホスホナト(ーP(O)(O)、ホスフィナト(ーP(O)(O))、ホスホ(ーPO)、ホスフィノ(‐ーPH)、それらの組み合わせ、ここで、XおよびYは連結され、環状または多環状環を形成してもよく、ここで、環は置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換シクロアルキル、および置換もしくは非置換ヘテロシクリルである。
【0100】
式(I)または(II)を有する15ーPGDH阻害剤の例としては、下記化合物、およびその薬学的に許容される塩が挙げられる:
【化6】
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【0101】
ある一定の実施形態では、ia)2.5μΜ濃度では、70を超えるルシフェラーゼ出力レベルまで(100の値がベースラインに対するレポーター出力の倍加を示すスケールを用いる)、15ーPGDHルシフェラーゼ融合コンストラクトを発現するVaco503レポーター細胞系を刺激する;iia)2.5μΜ濃度では、75を超えるルシフェラーゼ出力レベルまで、15ーPGDHルシフェラーゼ融合コンストラクトを発現するV9mレポーター細胞系を刺激する;iiia)7.5μΜ濃度では、70を超えるルシフェラーゼ出力レベルまで、15ーPGDHルシフェラーゼ融合コンストラクトを発現するLS174Tレポーター細胞系を刺激することができ;ならびにiva)7.5μΜ濃度では、20を超えるレベルまで、TKーウミシイタケルシフェラーゼレポーターを発現する陰性対照V9m細胞系を活性化せず;ならびにva)1μΜ未満のIC50で組換え15ーPGDHタンパク質の酵素活性を阻害する、式(I)または(II)を有する15ーPGDH阻害剤を選択することができる。
【0102】
他の実施形態では、15ーPGDH阻害剤は、ib)2.5μΜ濃度では、ルシフェラーゼ出力を増加させるように、15ーPGDHルシフェラーゼ融合コンストラクトを発現するVaco503レポーター細胞系を刺激する;iib)2.5μΜ濃度では、ルシフェラーゼ出力を増加させるように、15ーPGDHルシフェラーゼ融合コンストラクトを発現するV9mレポーター細胞系を刺激する;iiib)7.5μΜ濃度では、ルシフェラーゼ出力を増加させるように、15ーPGDHルシフェラーゼ融合コンストラクトを発現するLS174Tレポーター細胞系を刺激することができ;ivb)7.5μΜ濃度では、バックグラウンドより20%を超えるルシフェラーゼレベルまで、TKーウミシイタケルシフェラーゼレポーターを発現する陰性対照V9m細胞系を活性化せず;ならびにvb)1μΜ未満のIC50で組換え15ーPGDHタンパク質の酵素活性を阻害する。
【0103】
他の実施形態では、15ーPGDH阻害剤は、ic)1μΜ未満のIC50で、好ましくはiic)250nM未満のIC50で、より好ましくはiiic)50nM未満のIC50で、より好ましくはiv)5nM未満のIC50で組換え15ーPGDHの酵素活性を阻害することができる。
【0104】
上記判断基準(iaーva)を満たす式(I)を有する15ーPGDH阻害剤の一例は式(III)を有する化合物を含み:上記判断基準(ibーvb)を満たす式(I)を有する15ーPGDH阻害剤の一例は式(III)を有する化合物を含み:上記判断基準icおよび/またはiic、およびまたはiiic、およびまたはivcを満たす式(I)を有する15ーPGDH阻害剤の一例は式(III)を有する化合物を含み:さらに他の実施形態では、15ーPGDH阻害剤は下記式(III)を有する化合物、およびその薬学的に許容される塩を含むことができる:
【化7】
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式中、nは0ー2であり;
はC1ー8アルキルであり、これは直鎖、分枝、または環状であり、これは非置換であり、または置換され;
およびRは同じかまたは異なり、各々、下記からなる群より選択され:H、低級アルキル基、(CHn1OR’(式中、n1=1、2、または3である)、CF、CHーCHX、OーCHーCHX、CHーCHーCHX、OーCHーCHX(式中、X=F、Cl、Br、またはIである)、CN、(C=O)ーR’、(C=O)N(R’)、O(CO)R’、COOR’(式中、R’はHまたは低級アルキル基である);
はNR’、OまたはSであり(式中、R’はHまたは低級アルキル基である);
はNまたはCであり;
およびRは任意的であり、存在する場合、同じかまたは異なり、各々、下記からなる群より選択される:H、F、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CHn1OR’(式中、n1=1、2、または3である)、CF、CHーCHX、OーCHーCHX、CHーCHーCHX、OーCHーCHX(式中、X=F、Cl、Br、またはIである)、CN、(C=O)ーR’、N(R’)、NO、(C=O)N(R’)、O(CO)R’、OR’、SR’、COOR’(式中、R’はHまたは低級アルキル基である);置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換シクロアルキル、および置換もしくは非置換ヘテロシクリル。
【0105】
式(III)を有する15ーPGDH阻害剤は、下記のように合成することができる:
【化8】
[この文献は図面を表示できません]
【0106】
上記調製プロセスでは、反応に関与しない限り、任意の反応溶媒を使用することができる。例えば、反応溶媒としては、エーテル、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフランおよびジオキサン;ハロゲン化炭化水素、例えばジクロロメタンおよびクロロホルム;アミン、例えばピリジン、ピペリジンおよびトリエチルアミン;アルキルケトン、例えばアセトン、メチルエチルケトンおよびメチルイソブチル;アルコール、例えばメタノール、エタノールおよびプロパノール;非プロトン極性溶媒、例えばΝ,Νージメチルホルムアミド、N,Nージメチルアセトアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシドおよびヘキサメチルリン酸トリアミドが挙げられる。有機合成において通常使用される非反応性有機溶媒の中で、好ましい溶媒は反応中に生成した水がディーン・スターク・トラップにより除去できるものである。そのような溶媒の例としては、ベンゼン、トルエン、キシレンなどが挙げられるが、それらに限定されない。このように得られた反応生成物は、凝縮、抽出など(有機合成の分野で通常、実施される)により、所望であれば、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより単離および精製され得る。式IIIを有するPGDH阻害剤の個々の鏡像異性体は、分取HPLCにより、キラル固定相を含むクロマトグラフィーカラムを使用して分離することができる。
【0107】
さらに、本出願の実施形態は、以上で記載される15ーPGDH阻害剤の調製方法に対する任意の改変を含む。これに関連して、調製方法の任意の工程から得られる任意の中間生成物は、他の工程における開始材料として使用することができる。そのような開始材料は、インサイチューで、ある一定の反応条件下にて形成させることができる。反応試薬はまた、それらの塩または光学異性体の形態で使用することができる。
【0108】
15ーPGDH阻害剤の調製において使用される置換基の種類、ならびに選択される中間生成物および調製方法によって、新規15ーPGDH阻害剤は、任意の可能な異性体、例えば実質的に純粋な幾何(cisおよびtrans)異性体、光学異性体(鏡像異性体)およびラセミ体の形態で存在することができる。
【0109】
いくつかの実施形態では、式(III)を有する15ーPGDH阻害剤は、下記式を有する化合物、およびその薬学的に許容される塩を含むことができる:
【化9】
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【0110】
便宜的に、式(III)を有する15ーPDGH阻害剤は、i)1nM濃度で、組換え15ーPGDHを阻害する;ii)100nM濃度で、細胞系において15ーPGDHを阻害する、iii)細胞系によるPGE産生を増加させる;iv)水溶液中、広いpH範囲にわたって化学的に安定である;v)肝細胞抽出物とインキュベートした場合、化学的に安定である、vi)肝細胞系とインキュベートした場合、化学的に安定である;vii)マウスにIP注射されると253分血漿半減期を示す;ならびにviii)マウスに0.6μmole/一匹マウスおよび1.2μmole/一匹マウスでIP注射されると24時間にわたり即時毒性を示さず、およびまた、マウスに0.3μmole/一匹マウスで、1日2回21日間IP注射されると毒性を示さないことが見出された。
【0111】
他の実施形態では、式(III)を有する15ーPGDH阻害剤は下記式を有する化合物、およびその薬学的に許容される塩を含むことができる:
【化10】
[この文献は図面を表示できません]
【0112】
さらに他の実施形態では、式(III)を有する15ーPGDH阻害剤は下記式を有する化合物、およびその薬学的に許容される塩を含むことができる:
【化11】
[この文献は図面を表示できません]
【0113】
他の実施形態では、15ーPDHG阻害剤は式(III)を有する15ーPGDH阻害剤の(+)もしくは(ー)光学異性体を含むことができる。さらに他の実施形態では、15ーPDHG阻害剤は式(III)を有する15ーPGDH阻害剤の(+)もしくは(ー)光学異性体の少なくとも1つの混合物を含むことができる。例えば、15ーPGDH阻害剤は、下記の混合物を含むことができる:50重量%未満の式(III)を有する15ーPGDH阻害剤の(ー)光学異性体および50重量%超の式(III)を有する15ーPGDH阻害剤の(+)光学異性体、25重量%未満の式(III)を有する15ーPGDH阻害剤の(ー)光学異性体および75重量%超の式(III)を有する15ーPGDH阻害剤の(+)光学異性体、10重量%未満の式(III)を有する15ーPGDH阻害剤の(ー)光学異性体および90重量%超の式(III)を有する15ーPGDH阻害剤の(+)光学異性体、1重量%未満の式(III)を有する15ーPGDH阻害剤の(ー)光学異性体および99重量%超の式(III)を有する15ーPGDH阻害剤の(+)光学異性体、50重量%超の式(III)を有する15ーPGDH阻害剤の(ー)光学異性体および50重量%未満の式(III)を有する15ーPGDH阻害剤の(+)光学異性体、75重量%超の式(III)を有する15ーPGDH阻害剤の(ー)光学異性体および25重量%未満の式(III)を有する15ーPGDH阻害剤の(+)光学異性体、90重量%超の式(III)を有する15ーPGDH阻害剤の(ー)光学異性体および10重量%未満の式(III)を有する15ーPGDH阻害剤の(+)光学異性体、または99重量%超の式(III)を有する15ーPGDH阻害剤の(ー)光学異性体および約1重量%未満の式(III)を有する15ーPGDH阻害剤の(+)光学異性体。
【0114】
さらに別の実施形態では、15ーPDGH阻害剤は、式(III)を有する15ーPGDH阻害剤の(+)光学異性体から本質的に構成することができ、またはから構成することができる。さらに別の実施形態では、PDGH阻害剤は式(III)を有する15ーPGDH阻害剤の(ー)光学異性体から本質的に構成することができ、またはから構成することができる。
【0115】
本明細書で記載される15ーPGDH阻害剤は、15ーPGDHおよび/または減少したプロスタグランジンレベルと関連する疾患の防止または治療のために、および/または被験体においてプロスタグランジンレベルを増加させることが望ましい場合に、使用することができる。例えば、上記のように、プロスタグランジンは発毛において重要な役割を果たすことが知られている。特定的には、毛包またはそれらの隣接する皮膚環境の様々なコンパートメントにおける様々な型(A、F2a、E)のプロスタグランジンの内部貯蔵が、毛髪密度を維持し、増加させるのに必須であることが示されている(Colombe L et. al, 2007, Exp. Dermatol, 16(9), 762ー9)。プロスタグランジンの分解に関与する15ーPGDHは毛包皮膚乳頭中に存在し、プロスタグランジン、とりわけ、PGF2aおよびPGEを不活性化し、頭皮ダメージおよび脱毛症を引き起こすことが報告されている(Michelet J F et.al.,2008, Exp.Dermatol, 17(10), 821ー8)。よってプロスタグランジンを分解する15ーPGDHに対して抑制または阻害活性を有する本明細書で記載される化合物は、頭皮ダメージを改善し、脱毛症を防止し、発毛を促進することができ、脱毛症の防止および発毛の促進のための医薬組成物において使用することができる。
【0116】
他の実施形態では、本明細書で記載される15ーPGDH阻害剤は、皮膚および/または皮膚付属器の色素沈着促進するおよび/または誘導するおよび/または刺激するのための医薬組成物において、ならびに/あるいは皮膚および/または皮膚付属器の色素脱失および/または白化を防止するおよび/または制限する作用物質として、特にしらがを防止するおよび/または制限するための作用物質として使用することができる。
【0117】
さらに他の実施形態では、本明細書で記載される15ーPGDH阻害剤は、心血管疾患および/または血行障害の疾患、例えばレイノー病、バージャー病、糖尿病性ニューロパチー、および肺動脈高血圧の防止または治療のための医薬組成物において使用することができる。体内で産生されるプロスタグランジン同族体を含むプロスタグランジンは、血管壁の適正な作用を維持する、とりわけ血流のための血管拡張に寄与する、血小板凝集を防止する、および血管壁を取り囲む平滑筋の増殖を調節することが知られている(Yan. Cheng et. al., 2006, J. Clin., Invest)。加えて、プロスタグランジン産生の阻害またはそれらの活性の損失は血管壁内の内皮の変性、血小板凝集および平滑筋における細胞メカニズムの機能障害を引き起こす。とりわけ、血管におけるプロスタグランジンの産生は、肺動脈高血圧を含む高血圧患者において減少することが示された。
【0118】
他の実施形態では、本明細書で記載される15ーPGDH阻害剤は、口腔および/または胃腸疾患、例えば口腔潰瘍、歯周病、胃炎、大腸炎、潰瘍性大腸炎、および胃潰瘍の防止または治療のための医薬組成物において使用することができる。胃腸疾患の代表である胃炎および胃潰瘍は、胃腸粘液膜が胃酸により消化され、潰瘍が形成される状態として規定される。一般に粘膜、粘膜下層、筋肉層および漿膜からなる胃壁では、胃潰瘍はさらに粘膜下層および筋肉層にダメージを与え、一方、胃炎は粘膜のみにダメージを与える。胃炎および胃潰瘍の罹患率は比較的高いが、その理由はまだ明らかになっていない。これまで、それらは攻撃因子と防御因子の間の不均衡により引き起こされることが知られており、すなわち、攻撃因子の増加、例えば胃酸またはペプシン分泌の増加、または防御因子の減少、例えば胃粘液膜の構造または形態的欠損、粘液および重炭酸イオン分泌の減少、プロスタグランジン産生の減少、などである。
【0119】
胃炎および胃潰瘍のための現在入手可能な治療薬は、防御因子を強化するための様々な薬物、例えば制酸薬(これは、胃酸分泌に影響を与えないが、すでに産生された胃酸を中和する)、胃酸分泌の阻害剤、プロスタグランジン分泌の促進剤、および胃壁のためのコーティング剤を含む。とりわけ、プロスタグランジンは、胃粘液膜を保護および防御するためのメカニズムを維持するのに必須であることが知られている(Wallace J L., 2008, Physiol Rev., 88(4), 1547ー65, S. J. Konturek et al., 2005, Journal of Physiology and Pharmacology, 56(5))。上記を考慮すると、本明細書で記載される15ーPGDH阻害剤は、15ーPGDH(胃粘液膜を保護するプロスタグランジンを分解する)に対し抑制または阻害活性を示すので、それらは胃腸疾患、とりわけ、胃炎および胃潰瘍の防止または治療に有効となり得る。
【0120】
腎臓では、プロスタグランジンは腎血流を調節し、腎血管および細尿管効果の両方による尿形成を制御するように作用し得る。臨床研究では、PGEは慢性腎疾患を有する患者におけるクレアチニンクリアランスを改善する、腎臓移植患者における移植片拒絶およびシクロスポリン毒性を防止する、糖尿病性腎症を有する患者において尿中アルブミン排出速度およびNーアセチルーβーDーグルコサミニダーゼレベルを低減させるために使用されてきた(Porter, Am., 1989, J. Cardiol., 64: 22Eー26Eを参照されたい)。加えて、米国特許第5,807,895号は、プロスタグランジン、例えばPGE、PGEおよびPGIの静脈内投与により腎臓機能障害を防止する方法を開示する。さらに、プロスタグランジンは腎臓において血管拡張薬として機能し、よって、腎臓におけるプロスタグランジン産生の阻害により腎機能障害となることが報告されている(Hao. C M, 2008, Annu Rev Physiol, 70, 357.about.77)。
【0121】
よって、本明細書で記載される15ーPGDH阻害剤は、プロスタグランジンを分解する15ーPGDHに対する抑制または阻害活性を有し、腎機能障害と関連する腎疾患の防止または治療において有効であり得る。
【0122】
「腎機能障害」という用語は、本明細書では下記のような徴候を含む:正常クレアチニンクリアランスより低い、正常遊離水クリアランスより低い、正常血中尿素、窒素、カリウムおよび/またはクレアチニンレベルより高い、腎臓酵素、例えばγグルタミルシンテターゼ、アラニンホスファチダーゼ、NーアセチルーβーDーグルコサミニダーゼ、またはβーwーミクログロブリンの変化した活性;およびマクロアルブミン尿の正常レベルを超える増加。
【0123】
PGE、PGEおよびPGF2aを含むプロスタグランジンはまた、骨吸収および骨形成を刺激し、骨の容積および強度を増加させることが示されている(H. Kawaguchi et. al., Clinical Orthop. Rel. Res., 313, 1995; J. Keller et al., Eur. Jr. Exp. Musculoskeletal Res., 1, 1992, 8692)。以上で言及されるように、15ーPGDHがプロスタグランジンの活性を阻害することを考慮すると、15ーPGDH活性の阻害により、15ーPGDHにより阻害される骨吸収および骨形成の促進が得られ得る。よって、本明細書で記載される15ーPGDH阻害剤は、15ーPGDH活性を阻害することにより、骨吸収および骨形成の促進に有効である可能性がある。15ーPGDH阻害剤はまた、骨密度を増加させ、骨粗鬆症を治療し、骨折の治癒を促進し、あるいは骨手術または関節置換後の治癒を促進するために使用することができる。
【0124】
さらに他の実施形態では、本明細書で記載される15ーPGDH阻害剤は、15ーPGDHを発現する癌を治療するするのに有効であり得る。15ーPGDHの阻害は、15ーPGDHを発現する癌の成長、増殖、および転移を阻害することができる。
【0125】
さらに他の実施形態では、本明細書で記載される15ーPGDH阻害剤は創傷治癒に有効であり得る。様々なプロスタグランジンな中で、PGEは創傷治癒のためのメディエーターとして機能することが知られている。よって、皮膚が創傷または熱傷により損傷された場合、15ーPGDH活性の阻害により、創傷または熱傷のPGEによる治療効果が生成され得る。
【0126】
加えて、上記のように、プロスタグランジンレベルの増加は、増加したβカテニンに媒介される転写活性によりWntシグナル伝達経路を介するシグナル伝達を刺激することが示されている。Wntシグナル伝達は、組織幹細胞により使用される重要な経路であることが知られており、PGEシグナル伝達の増加は、モデル生物にて、造血幹細胞の数を増加させることが示されている。ここで、本明細書で記載される15ーPGDH阻害剤は、放射線による組織損傷に対する抵抗性を増加させる、放射線への環境曝露に対する抵抗性を増加させる、骨髄または他の型の移植の適応度を増加させるために幹細胞数を増加させる(移植組織の収集前に幹細胞数を増加させるための本明細書で記載される15ーPGDH阻害剤へのインビボ曝露、またはレシピエント宿主への移植前の収集組織のエクスビボ曝露、または移植片の受け取り前、中または後のいずれかでのレシピエント宿主の処置のいずれかを介する)ことを含むであろう目的のために、組織幹細胞数を増加させるために使用されてもよい。
【0127】
いくつかの実施形態では、15ーPGDH阻害剤は、ドナー骨髄移植片またはドナー造血幹細胞移植片の適応度を増加させるために、骨髄移植片ドナーまたは造血幹細胞ドナーに投与することができる。
【0128】
他の実施形態では、15ーPGDH阻害剤はまた、被験体内の幹細胞を増加させるために、またはドナー移植片としての骨髄の適応度を増加させるために、被験体の骨髄に投与することができる。
【0129】
さらに他の実施形態では、15ーPGDH阻害剤は、ドナー移植片としての幹細胞調製物の適応度を増加させるために、または移植に要求される臍帯血液の単位数を減少させるために、被験体の造血幹細胞、末梢血造血幹細胞、または臍帯幹細胞の調製物に投与することができる。
【0130】
さらに他の実施形態では、15ーPGDH阻害剤は、骨髄移植片拒絶を緩和させるために、骨髄移植片生着を増強するために、造血幹細胞移植片、もしくは臍帯幹細胞移植片の生着を増強するために、造血幹細胞移植片、もしくは臍帯幹細胞移植片の生着を増強するために、および/または被験体への移植に要求される臍帯血液の単位数を減少させるために、被験体に投与することができる。投与は、例えば、放射線療法、化学療法、または免疫抑制療法による被験体または被験体の骨髄の治療後とすることができる。
【0131】
他の実施形態では、15ーPGDH阻害剤は、他の治療または成長因子の投与を減少させるために、骨髄移植、造血幹細胞移植、または臍帯幹細胞移植のレシピエントに投与することができる。
【0132】
さらなる実施形態では、15ーPGDH阻害剤は、移植片拒絶を緩和させるため、移植片生着を増強するため、放射線療法、化学療法、または免疫抑制療法による被験体または被験体の骨髄の治療後の、移植片生着を増強するため、放射線への曝露の毒性または致命的効果への抵抗性を与える、シトキサンの毒性効果、フルダラビンの毒性効果、化学療法の毒性効果、または免疫抑制療法の毒性効果に抵抗性を与えるため、感染を減少させるため、および/または放射線由来の肺毒性を減少させるために、被験体または被験体の組織移植片に投与することができる。
【0133】
加えて、モデル生物では、PGEシグナル伝達は、肝毒性(hepatoxic)作用物質、例えばアセトアミノフェンへの曝露後に、肝臓再生を刺激し、生存を増加させる。よって、本明細書で記載される15ーPGDH阻害剤は、肝臓切除後の肝臓再生を増加させるため、または肝毒性作用物質、例えば、限定はされないが、アセトアミノフェンおよび同様の化合物への曝露後、肝臓再生を増加させ、生存を増加させるために使用され得る。
【0134】
PGE1類似体はまた、勃起不全の治療において使用されてきた。したがって、いくつかの実施形態では、本明細書で記載される15ーPGDH阻害剤は、勃起不全の治療のために、単独で、または、プロスタグランジンと組み合わせて使用することができる。
【0135】
本明細書で記載される15ーPGDH阻害剤は、治療される病理学的または美容的状態または障害によって、医薬組成物または化粧品組成物で提供することができる。活性成分として本明細書で記載される15ーPGDH阻害剤を含む医薬組成物は、従来の方法にしたがい、誘導体を薬学的に許容される担体(複数可)もしくは賦形剤(複数可)と混合すること、または15ーPGDH阻害剤を希釈剤(複数可)で希釈することにより製造され得る。医薬組成物はさらに、フィラー、粘着防止剤、潤滑剤、湿潤剤、香味剤、乳化剤、保存剤などを含み得る。医薬組成物は、当業者に知られている方法にしたがい、好適な製剤に製剤化することができ、よって、哺乳類に投与された後、15ーPGDH阻害剤の即時、制御または持続放出を提供することができる。
【0136】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、非経口または経口剤形に製剤化することができる。経口投与のための固体剤形は、賦形剤を、必要に応じて、バインダー、崩壊剤、潤滑剤、着色剤、および/または香味剤と共に、15ーPGDH阻害剤に添加し、得られた混合物を錠剤、糖衣丸薬、顆粒、粉末またはカプセルの形態に成形することにより製造することができる。組成物中に添加することができる添加物は、当技術分野において普通のものであってもよい。例えば、賦形剤の例としては、下記が挙げられる:ラクトース、スクロース、塩化ナトリウム、グルコース、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、微結晶セルロース、シリケートなど。例示的なバインダーとしては下記が挙げられる:水、エタノール、プロパノール、甘味シロップ、スクロース溶液、デンプン溶液、ゼラチン溶液、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルデンプン、メチルセルロース、エチルセルロース、シェラック、ホスホン酸カルシウムおよびポリピロリドン。崩壊剤の例としては、下記が挙げられる:乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム(sodium arginate)、寒天粉末、重炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリドおよびラクトース。さらに、精製タルク、ステアレート、ホウ酸ナトリウム、およびポリエチレングリコールが、潤滑剤として使用され得;ならびにスクロース、橙皮、クエン酸、酒石酸が、香味剤として使用され得る。いくつかの実施形態では、医薬組成物は吸入により投与するためのエアロゾル製剤(例えば、それらは、噴霧化することができる)にすることができる。
【0137】
本明細書で記載される15ーPGDH阻害剤は、従来の方法にしたがい、香味剤、緩衝剤、安定化剤、などと組み合わせることができ、経口液体剤形、例えば溶液、シロップまたはエリキシル剤に組み入れることができる。緩衝剤の1つの例はクエン酸ナトリウムであり得る。安定化剤の例としては、トラガント、アラビアゴムおよびゼラチンが挙げられる。
【0138】
いくつかの実施形態では、本明細書で記載される15ーPGDH阻害剤は、これに、pH調整剤、緩衝剤、安定化剤、弛緩薬、局所麻酔薬を添加することにより、例えば、皮下、筋肉内または静脈内経路のための注射剤形に組み入れることができる。pH調整剤および緩衝剤の例としては、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウムおよびリン酸ナトリウムが挙げられる。安定化剤の例としては、ピロ亜硫酸ナトリウム、EDTA、チオグリコール酸およびチオ乳酸が挙げられる。局所麻酔薬は、プロカインHCl、リドカインHClなどとしてもよい。弛緩薬は塩化ナトリウム、グルコースなどとしてもよい。
【0139】
他の実施形態では、本明細書で記載される15ーPGDH阻害剤は、従来の方法にしたがい、これに、当技術分野で知られている薬学的に許容される担体、例えば、ポリエチレングリコール、ラノリン、カカオバターまたは脂肪酸トリグリセリドを、必要に応じて、界面活性剤、例えばTweenと共に添加することにより、坐薬に組み入れることができる。
【0140】
医薬組成物は、上記のように様々な剤形に製剤化することができ、その後、経口、吸入、経皮、皮下、静脈内または筋肉内経路を含む様々な経路を介して投与され得る。投与量は薬学的有効量とすることができる。薬学的有効量は、脱毛症、心血管疾患、胃腸疾患、創傷、および腎疾患を治療または改善する15ーPGDH阻害剤の量とすることができる。化合物の薬学的有効量は、治療される疾患の種類および重症度、治療される患者の年齢、性別、体重および身体状態、投与経路、療法の持続期間などによって適切に決定される。一般に、化合物の有効量は、経口投与では約1〜1,000mg、静脈内投与では約0.1〜500mg、直腸投与では約5〜1,000mgの範囲であり得る。一般に、成人に対する1日投与量は、約0.1〜5,000mg、好ましくは約〜1,000mgの範囲にあるが、均一に決定することができない。というのも、これは、治療される患者の年齢、性別、体重および身体状態によるからである。製剤は、1日1回または1日数回分割量で投与され得る。
【0141】
15ーPGDH阻害剤を含む化粧品組成物は、排他的にまたは主に、それらを清浄にする、それらに芳香を与える、またはそれらの外観を改変するおよび/または体臭を修正するおよび/またはそれらを保護するまたはそれらを良好な状態に維持する目的で、ヒト身体の様々な表在部分(表皮、体毛および毛髪系、爪、唇および外性器)と、または歯もしくは頬粘膜と接触させられることが意図される任意の物質または調製物を含むことができる。
【0142】
化粧品組成物は、水または水と親水性有機溶媒、親油性有機溶媒、両親媒性有機溶媒、およびそれらの混合物の中から選択される少なくとも1つの溶媒の混合物とすることができる、美容的に許容される媒体を含むことができる。
【0143】
局所適用のために、化粧品組成物は、水性、アルコール性、水性ーアルコール性または油性溶液もしくは懸濁液の、または、脂肪相の水相中での分散(O/W)またはその逆(W/O)により得られる、ローションもしくはセラム形態の分散物、液体または半液体稠度を有する、もしくはペースト状であるエマルジョン、もしくは多重エマルジョンの、生理的に許容される媒体に組み込まれた、もしくは組み込まれるように使用される遊離または圧縮粉末の、あるいはマイクロカプセルもしくは微小粒子の、またはイオン性および/または非イオン性型の小胞分散物の形態で投与することができる。よって、これは、軟膏、チンキ、ミルク、クリーム、軟膏剤、粉末、パッチ、含浸パッド、溶液、エマルジョンまたは小胞分散物、ローション、水性もしくは無水ゲル、スプレー、懸濁液、シャンプー、エアロゾルまたはフォームの形態であってもよい。これは無水または水性であってもよい。これはまた、セッケンまたはクレンジングケーキを構成する固体調製物を含んでもよい。
【0144】
化粧品組成物は、特に、ヘアケア組成物、特にシャンプー、セットローション、トリートメントローション、スタイリングクリームもしくはゲル、髪のためのリストラクチャリングローション、マスク、などを含み得る。化粧品組成物はクリーム、ヘアーローション、シャンプーまたはコンディショナーとすることができる。これらは、特に、その後のリンスがあるか、もしくはない塗布を使用するトリートメント、あるいはシャンプーの形態で使用することができる。フォームの形態、あるいはスプレーもしくはエアロゾルの形態の組成物(よって、加圧下の噴射剤を含む)もまた、意図される。よって、ローション、セラム、ミルク、クリーム、ゲル、軟膏、軟膏剤、粉末、バルム、パッチ、含浸パッド、ケーキまたはフォームの形態とすることができる。
【0145】
特に、頭皮または毛髪への適用のための組成物は、ヘアケアローション(例えば毎日、もしくは1週間に2回の適用のため)の、シャンプーの、またはヘアーコンディショナー(特に1週間に2回または毎週の適用のため)の、毎日の適用のための頭皮を清浄にするための液体もしくは固体セッケンの、ヘアスタイル成形製品(ラッカー、ヘアセット製品またはスタイリングゲル)の、トリートメントマスクの、または毛髪を清浄にするためのフォーミングゲルもしくはクリームの形態とすることができる。これらはまた、ブラシまたは櫛で適用される染毛剤またはマスカラの形態であってもよい。
【0146】
その上、まつげまたは体毛への局所適用のために、組成物は、ブラシでまつげあるいは顎髭もしくは口ひげに適用される着色または非着色マスカラの形態であってもよい。注射による組成物投与では、組成物は水性ローションまたは油性懸濁液の形態であってもよい。経口用途では、組成物は、カプセル、顆粒、経口シロップまたは錠剤の形態であってもよい。特定の実施形態によれば、組成物はヘアークリームもしくはヘアーローション、シャンプー、ヘアーコンディショナーまたは毛髪またはまつげのためのマスカラの形態である。
【0147】
既知の様式では、化粧品組成物はまた、化粧品分野では普通であるアジュバント、例えば親水性もしくは親油性ゲル化剤、親水性もしくは親油性添加物、保存剤、抗酸化剤、溶媒、芳香、フィラー、UV遮断薬、匂い吸収剤および色素を含み得る。これらの様々なアジュバントの量は、化粧品分野で従来使用されるものであり、例えば、組成物の総重量の0.1%〜20%、特に10%以下である。それらの性質によって、これらのアジュバントは脂肪相、水相および/または脂質小球中に導入することができる。
【0148】
いくつかの実施形態では、15ーPGDH阻害剤は、15ーPGDH阻害剤と1つ以上の追加の活性剤の投与を含む、コンビナトリアル療法または併用療法において投与することができる。「コンビナトリアル療法」または「併用療法」という句は、15ーPGDH阻害剤、および1つ以上の治療薬の投与を、これらの治療薬の共作用からの有益な効果を提供することが意図される特定の治療レジメンの一部として包含する。組み合わせたこれらの治療薬の投与は典型的には、規定された期間(通常、選択した組み合わせによって分、時間、日、週)にわたって実施される。「コンビナトリアル療法」または「併用療法」はこれらの治療薬の連続様式での投与を含むことが意図され、すなわち、各治療薬は異なる時間に投与され、ならびにこれらの治療薬、または治療薬の少なくとも2つの投与は、実質的に同時様式である。実質的同時投与は、例えば、被験体に、一定比の各治療薬を有する個々の用量を、または複数に分けて、治療薬の各々に対する個々の用量を投与することにより達成することができる。各治療薬の連続または実質的同時投与は、任意の適切な経路、例えば、限定はされないが、経口経路、静脈内経路、筋肉内経路、および粘膜組織を介する直接吸収により実施することができる。治療薬は同じ経路または異なる経路により投与することができる。治療薬が投与される順序は、辛うじて重要ではない。
【0149】
いくつかの実施形態では、追加の活性剤は特に、下記から選択することができる:EP648488号で記載されるリポキシゲナーゼ阻害剤、特にEP845700号で記載されるブラジキニン阻害剤、プロスタグランジンおよびそれらの誘導体、特にWO98/33497号、WO95/11003号、JP97ー100091号、JP96ー134242号で記載されるもの、プロスタグランジンのための受容体のアゴニストまたはアンタゴニスト、ならびにEP1175891号およびEP1175890号、WO01/74307号、WO01/74313号、WO01/74314号、WO01/74315号またはWO01/72268号で記載されるプロスタグランジンの非プロスタン酸系類似体。
【0150】
他の実施形態では、15ーPGDH阻害剤は、活性剤、例えば血管拡張薬、プロスタノイドアゴニスト、抗アンドロゲン薬、シクロスポリンおよびそれらの類似体、抗菌薬、トリテルペン(単独、または混合物として)と組み合わせて投与することができる。血管拡張薬はカリウムチャネルアゴニストを含むことができ、ミノキシジルおよびその誘導体、アミネキシルおよび米国特許第3,382,247号、5,756,092号、5,772,990号、5,760,043号、5,466,694号、5,438,058号、4,973,474号に記載される化合物、クロマカリン(chromakalin)およびジアゾキシドが挙げられる。抗アンドロゲン薬としては5.α.ーレダクターゼ阻害剤、例えばフィナステリドおよび米国特許第5,516,779号に記載される化合物、酢酸シプロステロン(cyprosterone)、アゼライン酸、その塩およびその誘導体、および米国特許第5,480,913号で記載される化合物、フルタミドおよび米国特許第5,411,981号、5,565,467号および4,910,226号で記載される化合物が挙げられる。抗菌化合物としては、セレン誘導体、ケトコナゾール、トリクロカルバン、トリクロサン、ジンクピリチオン、イトラコナゾール、アジアティック酸、ヒノキチオール、ミピロシン、およびEP680745号で記載される化合物、クリニシン(clinycine)塩酸塩、過酸化ベンゾイルまたはベンジルおよびミノサイクリンが挙げられる。抗炎症薬としては、Coxー2に特異的な阻害剤、例えば、例としてNSー398およびDuPー697(B. Batistini et al., DN&P 1994; 7(8):501ー511)および/またはリポキシゲナーゼ、特に5ーリポキシゲナーゼの阻害剤、例えば、例としてジロートン(F. J. Alvarez & R. T. Slade, Pharmaceutical Res. 1992; 9(11): 1465ー1473)が挙げられる。
【0151】
医薬および/または化粧品組成物中に存在することができる他の活性化合物としては、下記が挙げられる:アミネキシルおよびその誘導体、60ー[(9Z,12Z)オクタデクー9、12ージエノイル]ヘキサピラノース、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、フェノール、エストラジオール、マレイン酸クロルフェニラミン、クロロフィリン誘導体、コレステロール、システイン、メチオニン、ニコチン酸ベンジル、メンソール、ペパーミント油、パントテン酸カルシウム、パンテノール、レゾルシノール、タンパク質キナーゼC阻害剤、プロスタグランジンHシンターゼ1またはCOXー1活性化剤、またはCOXー2活性化剤、グリコシダーゼ阻害剤、グリコサミノグリカナーゼ阻害剤、ピログルタミン酸エステル、六糖酸(hexosaccharidic acid)もしくはアシル六糖酸(acylhexosaccharic acid)、置換エチレンアリール、Nーアシル化アミノ酸、フラボノイド、アスコマイシンの誘導体および類似体、ヒスタミンアンタゴニスト、トリテルペン、例えばウルソール酸および米国特許第5,529,769号、米国特許第5,468,888号、米国特許第5,631,282号で記載される化合物、サポニン、プロテオグリカナーゼ阻害剤、エストロゲンのアゴニストおよびアンタゴニスト、シュードプテリン(pseudopterin)、サイトカインおよび成長因子促進剤、ILー1またはILー6阻害剤、ILー10促進剤、TNF阻害剤、ビタミン、例えばビタミンD、ビタミンB12の類似体およびパントテノール(panthotenol)、ヒドロキシ酸、ベンゾフェノン、エステル化脂肪酸、およびヒダントイン。
【0152】
本明細書で記載される15ーPGDH阻害剤を含む医薬および/または化粧品組成物は、加えて、例えば、下記から選択される少なくとも1つの化合物を含むことができる:プロスタグランジン、特にプロスタグランジンPGE、PGE、それらの塩、それらのエステル、それらの類似体およびそれらの誘導体、特にWO98/33497号、WO95/11003号、JP97ー100091号、JP96ー134242号で記載されるもの、特にプロスタグランジン受容体のアゴニスト。これは特に、少なくとも1つの化合物、例えば、プロスタグランジンFα受容体のアゴニスト(酸形態または前駆体の形態、特にエステル形態)、例えば、例としてラタノプロスト、フルプロステノール、クロプロステノール、ビマトプロスト、ウノプロストン、プロスタグランジンE受容体のアゴニスト(およびそれらの前駆体、特にエステル、例えばトラボプロスト)、例えば17ーフェニルPGE、ビプロストール、ブタプロスト、ミソプロストール、スルプロストン、16,16ージメチルPGE、11ーデオキシPGE、1ーデオキシPGE、プロスタサイクリン(IP)受容体のアゴニストおよびそれらの前駆体、特にエステル、例えばシカプロスト、イロプロスト、イソカルバサイクリン、ベラプロスト、エポプロステノール、トレプロスチニル、プロスタグランジンD受容体のアゴニストおよびそれらの前駆体、特にエステル、例えばBW245C((4S)ー(3ー[(3R,S)ー3ーシクロヘキシルー3ーイソプロピル]ー2,5ージオキソ)ー4ーイミダゾリジンヘプタン酸)、BW246C((4R)ー(3ー[(3R,S)ー3ーシクロヘキシルー3ーイソプロピル]ー2,5ージオキソ)ー4ーイミダゾリジンヘプタン酸)、トロンボキサンA2(TP)のための受容体のアゴニストおよびそれらの前駆体、特にエステル、例えばIーBOP([1Sー[1a,2a(Z)、3b(1E,3S),4a]]ー7ー[3ー[3ーヒドロキシー4ー[4ー(ヨードフェノキシ)ー1ーブテニル]ー7ーオキサビシクロー[2.2.1]ヘプトー2ーイル]ー5ーヘプテン酸)を含み得る。
【0153】
便宜的に、組成物は、少なくとも1つの、以上で規定される15ーPGDH阻害剤および少なくとも1つのプロスタグランジンまたはプロスタグランジン誘導体、例えば、例として、シリーズ2のプロスタグランジン、例えば特に生理食塩水形態、または前駆体の形態、特にエステル(例えばイソプロピルエステル)のPGF2αおよびPGE、それらの誘導体、例えば16,16ージメチルPGE、17ーフェニルPGEおよび16,16ージメチルPGF2α17ーフェニルPGF2α、シリーズ1のプロスタグランジン、例えば生理食塩水またはエステル形態の11ーデオキシプロスタグランジンE1、1ーデオキシプロスタグランジンE1、それらの類似体、特にラタノプロスト、トラボプロスト、フルプロステノール、ウノプロストン、ビマトプロスト、クロプロステノール、ビプロストール、ブタプロスト、ミソプロストール、それらの塩またはそれらのエステルを含むことができる。
【0154】
本出願の別の態様によれば、15ーPGDHのモジュレーターは15ーPGDHの活性を促進または刺激することができる15ーPGDH活性化剤とすることができる。ある一定の実施形態では、15ーPDGH活性化剤は式(IV)を有する化合物、およびその薬学的に許容される塩を含むことができ:
【化12】
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式中、XおよびYは独立してCまたはSOであり;
UはOR”(式中、R”はH、置換もしくは非置換アルキル基、または置換もしくは非置換アリール基である)または
【化13】
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であり;
、R、R10、R11、およびR12は各々、下記からなる群より選択され:H、F、Cl、Br、I、アルキル基、(CHn1OR’(式中、n1=1、2、または3である)、CF、CHーCHX、OーCHーCHX、CHーCHーCHX、OーCHーCHX(式中、X=F、Cl、Br、またはIである)、CN、(C=O)ーR’、N(R’)、NO、(C=O)N(R’)、O(CO)R’、OR’、SR’、COOR’(式中、R’はHまたは低級アルキル基である)、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクリル、ならびにRおよびRは連結され、環状または多環状環を形成してもよい。
【0155】
他の実施形態では、15ーPDGH活性化剤は式(V)を有する化合物、およびその薬学的に許容される塩を含むことができ:
【化14】
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式中、UはOR”(式中、R”はH、置換もしくは非置換アルキル基、または置換もしくは非置換アリール基である)または
【化15】
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であり;
、R、R10、R11、およびR12は各々、下記からなる群より選択され:H、F、Cl、Br、I、アルキル基、(CHn1OR’(式中、n1=1、2、または3である)、CF、CHーCHX、OーCHーCHX、CHーCHーCHX、OーCHーCHX(式中、X=F、Cl、Br、またはIである)、CN、(C=O)ーR’、N(R’)、NO、(C=O)N(R’)、O(CO)R’、OR’、SR’、COOR’(式中、R’はHまたは低級アルキル基である)、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクリル、ならびにRおよびRは連結され、環状または多環状環を形成してもよい。
【0156】
ある一定の実施形態では、下記である、式(IV)または(V)を有する15ーPGDH活性化剤を選択することができる:ia)7.5μΜ濃度では、50を超えるルシフェラーゼ出力レベルまで(100の値がベースラインに対するレポーター出力の倍加を示すスケールを用いる)、15ーPGDHルシフェラーゼ融合コンストラクトを発現するVaco503レポーター細胞系を刺激することができ;iia)7.5μΜ濃度では、50を超えるルシフェラーゼ出力レベルまで、15ーPGDHルシフェラーゼ融合コンストラクトを発現するV9mレポーター細胞系を刺激することができ;iiia)7.5μΜ濃度では、50を超えるルシフェラーゼ出力レベルまで、15ーPGDHルシフェラーゼ融合コンストラクトを発現するLS174Tレポーター細胞系を刺激することができ;iva)7.5μΜ濃度では、25を超えるレベルまで、TKーウミシイタケルシフェラーゼレポーターを発現する陰性対照V9m細胞系を活性化せず;ならびにva)組換え15ーPGDHタンパク質に対しては、化合物は2.5μΜを超える、15ーPGDH酵素活性を阻害するためのIC50濃度を示す。
【0157】
ある一定の実施形態では、下記である、式(IV)または(V)を有する15ーPGDH活性化剤を選択することができる:ib)7.5μΜ濃度では、ルシフェラーゼ出力を増加させるように、15ーPGDHルシフェラーゼ融合コンストラクトを発現するVaco503レポーター細胞系を刺激することができ;iib)7.5μΜ濃度では、ルシフェラーゼ出力を増加させるように、15ーPGDHルシフェラーゼ融合コンストラクトを発現するV9mレポーター細胞系を刺激することができ;iiib)7.5μΜ濃度では、ルシフェラーゼ出力を増加させるように、15ーPGDHルシフェラーゼ融合コンストラクトを発現するLS174Tレポーター細胞系を刺激することができ;ivb)7.5μΜ濃度では、25%を超えるルシフェラーゼレベルまで、TKーウミシイタケルシフェラーゼレポーターを発現する陰性対照V9m細胞系を活性化せず;ならびにvb)組換え15ーPGDHタンパク質に対しては、化合物は2.5μΜ以上の15ーPGDH酵素活性を阻害するためのIC50濃度を示す。
【0158】
他の実施形態では、上記判断基準(iaーva)を満たすおよび/または上記判断基準(ibーvb)を満たす、式(IV)または(V)を有する15ーPGDH活性化剤は、式(VI)を有する化合物、およびその薬学的に許容される塩を含む:
【化16】
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【0159】
他の実施形態では、15ーPGDH活性化剤は式(VI)を有する化合物の類似体とすることができる。そのような類似体は下記式(VII)、およびその薬学的に許容される塩を有することができ:
【化17】
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式中、UはOR”(式中、R”はH、置換もしくは非置換アルキル基、または置換もしくは非置換アリール基である)または
【化18】
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であり;
およびRは各々、下記からなる群より選択され:H、F、Cl、Br、I、アルキル基、(CHn1OR’(式中、n1=1、2、または3である)、CF、CHーCHX、OーCHーCHX、CHーCHーCHX、OーCHーCHX(式中、X=F、Cl、Br、またはIである)、CN、(C=O)ーR’、N(R’)、NO、(C=O)N(R’)、O(CO)R’、OR’、SR’、COOR’(式中、R’はHまたは低級アルキル基である)、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクリル、ならびにRおよびRは連結され、環状または多環状環を形成してもよい。
【0160】
式(VII)を有する15ーPGDH活性化剤の例としては、下記、およびその薬学的に許容される塩が挙げられる:
【化19】
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【0161】
式(VII)を有する化合物の他の例としては、下記、およびその薬学的に許容される塩が挙げられる:
【化20】
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【0162】
他の実施形態では、15ーPGDH活性化剤は下記式(VIII)、およびその薬学的に許容される塩を有する化合物(VI)の類似体とすることができ:
【化21】
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式中、R10は、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換シクロアルキル、および置換もしくは非置換ヘテロシクリルからなる群より選択される。
【0163】
式(VIII)を有する15ーPGDH活性化剤の例としては、下記、およびその薬学的に許容される塩が挙げられる:
【化22】
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【0164】
式(VIII)を有する化合物のさらに他の例としては、下記、およびその薬学的に許容される塩が挙げられる:
【化23】
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【0165】
さらに他の実施形態では、15ーPGDH活性化剤は、式(IX)を有する化合物(VI)、およびその薬学的に許容される塩の類似体とすることができ:
【化24】
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式中、R11はH、F、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CHn1OR’(式中、n1=1、2、または3である)、CF、CHーCHX、OーCHーCHX、CHーCHーCHX、OーCHーCHX(式中、X=F、Cl、Br、またはIである)、CN、(C=O)ーR’、N(R’)、NO、(C=O)N(R’)、O(CO)R’、OR’、SR’、COOR’(式中、R’はHまたは低級アルキル基である)、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換シクロアルキル、および置換もしくは非置換ヘテロシクリルである。
【0166】
式(IX)を有する15ーPGDH活性化剤の例としては、下記、およびその薬学的に許容される塩が挙げられる:
【化25】
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【0167】
式(IX)を有する化合物のさらに他の例としては、下記、およびその薬学的に許容される塩が挙げられる:
【化26】
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【0168】
他の実施形態では、15ーPGDH活性化剤は、下記式を有する式(IV)の化合物、およびその薬学的に許容される塩の類似体とすることができる
【化27】
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【0169】
本明細書で記載される15ーPGDH活性化剤は、15ーPGDHレベルの減少および/またはプロスタグランジンレベルの増加と関連する疾患の防止または治療のために使用することができる。15ーPGDHの組織レベルが増加すると、プロスタグランジンの組織レベルを減少するはずである。組織プロスタグランジンを減少させる化合物と関連する活性は、ヒト腫瘍の発症を減少させることを含む。例えば、15ーPGDH活性化剤の投与を使用して、結腸新生物、例えば、結腸癌または結腸腺腫を有する患者を治療する、または結腸新生物歴を有する患者における新規疾患を治療および防止する、または新生物療法もしくは新生物防止療法のためのNSAID療法に対する抵抗を逆転させることができる。さらに、本明細書で記載される15ーPGDH活性化剤の投与を使用して、NSAID応答状態を有する被験体を治療することができる。ある一定の実施形態では、15ーPGDH活性化剤は、NSAID治療に対して比較的無応答性である被験体におけるNSAIDー応答性を増強させる。
【0170】
本明細書で記載される15ーPGDH活性化剤はまた、任意のNSAID応答状態を治療する方法において使用することができる。NSAID応答状態は、NSAID抵抗性である被験体またはNSAID療法に抵抗性であることが決定された被験体に適用される。方法では、治療的有効量の15ーPGDH活性化剤は、単独で、または有効な有効量の15ーPGDHタンパク質、cDNA、またはその活性断片と組み合わせて投与することができる。患者は、結腸新生物を発症するリスクのある(例えば、家族歴に基づく)被験体、または結腸腺腫再発のリスクのある被験体であってもよいが、NSAID療法に抵抗性である疑いがある。さらに、患者は、任意のNSAID応答状態のためのNSAID療法を受けている、またはこれを受けようとしているが、NSAID抵抗性を経験している任意の被験体であってもよい。
【0171】
本明細書で記載される15ーPGDH活性化剤は、薬学的に許容される担体を含む医薬組成物で提供することができる。いくつかの実施形態では、15ーPGDH活性化剤は、単独で、または他の構成成分(例えば、NSAID)と組み合わせて提供することができ、吸入により投与するために、エアロゾル製剤にすることができる(すなわち、「噴霧化する」ことができる)。15ーPGDH活性化剤はまた、単独で、または他の構成成分と組み合わせて、水性および非水性溶液、等張滅菌溶液(抗酸化剤、緩衝剤、静菌薬、および製剤を等張にする溶質を含むことができる)、ならびに水性および非水性滅菌懸濁液(懸濁剤、可溶化剤、増粘剤、安定剤、および保存剤を含むことができる)中で提供することができる。15ーPGDH活性化剤を含む組成物は、例えば、経口的に、経鼻的に、局所的に、静脈内、腹腔内に、またはくも膜下腔内に投与することができる。製剤は、単位用量または複数回用量密閉容器、例えばアンプルおよびバイアルで提供することができる。溶液および懸濁液は、前に記載した種類の滅菌粉末、顆粒、および錠剤から調製することができる。モジュレーターはまた、調理済み食品または薬物の一部として投与することができる。
【0172】
患者へ投与される用量は、被験体において時間と共に有益な応答を誘導するのに十分でなければならない。任意の患者に対する最適用量レベルは、使用する特定のモジュレーターの効力、患者の年齢、体重、身体活動、および食事を含む様々な因子、他の薬物との可能な組み合わせ、および糖尿病の症例の重症度に依存するであろう。15ーPGDH活性化剤の1日投与量は各個々の患者に対し当業者により決定することができることが推奨される。用量のサイズはまた、特定の被験体における、特定の化合物の投与に付随する任意の有害な副作用の存在、性質および程度により決定されるであろう。
【0173】
いくつかの実施形態では、15ーPGDH活性化剤は併用療法で投与することができ、15ーPGDH活性化剤および1つ以上の追加の活性剤を含む単一の医薬投与製剤の投与、ならびにその独自の別々の医薬投与製剤中での15ーPGDH活性化剤および各活性剤の投与が含まれる。例えば、15ーPGDH活性化剤およびセレコキシブは、ヒト被験体に、単一の経口投与組成物、例えば錠剤またはカプセル中で一緒に投与することができ、または各作用物質は、別々の経口投与製剤中で投与することができる。他の実施形態では、NSAID、例えば、セレコキシブまたはアスピリンは、有効量の15ーPGDH活性化剤と共に投与することができる。別々の投与製剤が使用される場合、15ーPGDH活性化剤および1つ以上の追加の活性剤は、本質的に同じ時間に(すなわち、同時に)、または別々にずらした時間で(すなわち、連続して)投与することができる。併用療法は全てのこれらのレジメンを含むことが理解される。
【0174】
発明はさらに下記実施例により説明され、実施例は、特許請求の範囲を制限することを意図しない。
【0175】
実施例1
この実施例は、酵素15ープロスタグランジンデヒドロゲナーゼ(15ーPGDH)(遺伝子HPGDによりコードされる)に関する4つの化合物の活性を説明する。化合物はSW033291、SW054384、SW124531、SW145753であり、下記式を有する:
【化28】
[この文献は図面を表示できません]
【0176】
図1は、SW033291、SW054384、およびSW145753は全て、15ーPGDHの最後のコードエキソンへのウミシイタケルシフェラーゼの標的遺伝子ノックインにより作成された15ーPGDHルシフェラーゼ融合コンストラクトを発現する、細胞のルシフェラーゼ活性を増加させることを示す。活性は、全て、15ーPGDHールシフェラーゼ融合物を含むように操作された、3つの異なる結腸癌細胞系において証明される。これらの細胞系はVacoー9m(V9m)、LS174T、Vaco503(V503)である。SW054384は一般に最も良好なインデューサーであり、6.25μΜで最大活性を示す。Y軸上の1.0の値は薬物を含まないDMSOビヒクルで処理された細胞中でのレポーター活性の基礎レベルである。
【0177】
図2はSW033291、SW054384、およびSW145753は全て、7.5μΜの化合物で48時間処理した細胞系V503、LS174T、およびV503において、15ーPGDHタンパク質のレベルを増加させることを証明するウエスタンブロットを示す。未処理FET細胞は15ーPGDH発現に対する陽性対照を提供する。
【0178】
図3は、SW124531はまた、結腸細胞系において15ーPGDHタンパク質レベルを増加させることを証明するウエスタンブロットを示す(TGFーβ(10ng/ml)で48時間処理したFET細胞が、ある一定のパネルでは、15ーPGDH発現に対する陽性対照として使用される)。
【0179】
図4は、5μΜのSW124531は、V400ーS3ー2ー32細胞において、cDNA発現ベクターから発現された15ーPGDHタンパク質(wtーPGDH)のレベルを増加させ、ならびにまた、V400ーM3ー2ー72細胞において、cDNA発現ベクターから発現された触媒的に死んでいる変異15ーPGDH(muーPGDH)のタンパク質レベルも増加させることを証明するウエスタンブロットを示す。これらのタンパク質は、異種CMVプロモーターから発現されるので、所見は、化合物が15ーPGDHタンパク質の安定化に直接作用することを示唆する。化合物は関連酵素、17ーβーエストラジオールーデヒドロゲナーゼのレベルには効果を示さない。
【0180】
図5は、免疫蛍光法(上2列)およびウエスタンブロット(下パネル)によりアッセイした、SWl24531で処理したV503細胞における15ーPGDHタンパク質レベルの増加を示す。
【0181】
図6ー9はSW033291、SW054384、SW145753、およびSW124531は、リアルタイムPCRにより評価されるように、処理された結腸癌細胞系において、一般に15ーPGDH mRNAレベルを変化させないことを示す。唯一の例外は、SW033291で処理したV503細胞における15ーPGDH mRNAのわずかな増加であり、これは、SW033291で処理されたV503細胞において見られる15ーPGDHタンパク質ならびに15ーPGDHールシフェラーゼレポーターレベルの誘導より低い。これらの研究では、親細胞系(15ーPGDHールシフェラーゼレポーターを含まない)が使用される。
【0182】
図10は、化合物で処理した細胞系における総15ーPGDH活性に対する3つの化合物の効果を示す。細胞系を化合物で、7.5μΜにて48時間処理し、その後、ペレット化した。ペレットを溶解させ、総15ーPGDH活性を測定し、1,000,000インプット細胞/ペレットに対し正規化した。(ChiX,Freeman BM, Tong M, Zhao Y, Tai HH.15ーヒドロキシプロスタグランジンデヒドロゲナーゼ(15ーPGDH)は、ヒト結腸癌HT29細胞において、フルルビプロフェンおよび他の非ステロイド性抗炎症薬により上方制御される(15ーHydroxyprostaglandin dehydrogenase (15ーPGDH) is upーregulated by flurbiprofen and other nonーsteroidal antiーinflammatory drμgs in human colon cancer HT29 cells.)Arch Biochem Biophys. 2009;487(2): 139ー45)に記載されるように、15ーPGDHをグルタミン酸デヒドロゲナーゼとカップリングさせることにより、トリチウムの15(S)ー[15ー3H]PGEからグルタミン酸への移行を測定することにより、15ーPGDH活性をアッセイした。活性をpmolPGE/min/100万個細胞として測定する。図示されるように、SW033291は、試験した細胞系の3つ全てにおいて顕著に15ーPGDH活性を阻害する。我々は、SW033291は、細胞において総15ーPGDHタンパク質レベルを増加させるが、これはまた、15ーPGDH酵素活性を不活性化すると結論付ける。
【0183】
対照的に、15ーPGDH酵素活性はSW054384で処理した細胞およびSW145753で処理した細胞で増加する。
【0184】
図11は様々な濃度の試験化合物と共にインキュベートした組換え15ーPGDHタンパク質(15ーPGDHーGST融合タンパク質)の活性に対する効果を示し、ある範囲の化合物濃度にわたる15ーPGDH活性を表に記録し、対応するグラフに表示する。図示されるように、SW033291は15ーPGDH活性の強力な阻害剤であり、IC50は<1.25nMである。これは、Cayman Chemicalから入手可能な市販の15ーPGDH阻害剤(Caymanカタログ項目10638、Cayman Chemical番号13695)に対して測定される25nMー62.5nMの間のIC50と対照的である。
【0185】
図11はまた、非常に高い濃度ではSW054384は組換え15ーPGDH活性を阻害することができることを示し、IC50は5μΜー50μΜの間である。我々は、SW054384は7.5μΜの化合物で処理した細胞において総15ーPGDHレベルおよび活性を増加させるが、5μΜー50μΜの化合物を用いたインビトロアッセイでは、インビトロで組換え15ーPGDHタンパク質を阻害することができると結論付ける。
【0186】
図11はまた、SW145753は、12ー6.25nMの間のIC50で、インビトロアッセイにおいて組換え15ーPGDH酵素の活性を阻害することができることを示す。これにより、15ーPGDH活性を増加させるか阻害するSW145753の活性は、細胞対インビトロアッセイでは一致しない可能性があり(おそらく、細胞の洗浄時の薬物の洗い流しによる)、または濃度依存性となる可能性があることが示唆される。
【0187】
図12はインビトロで試験した組換え15ーPGDHタンパク質の活性に対するSW033291およびSW054384の効果の繰り返し試験を示す。アッセイは、左側で示される、トリチウムの15(S)ー[15ー3H]PGEからグルタミン酸への移行を測定することにより(1μΜのPGE基質)(パネルA、C)、または右側で示される、15ーPGDHによるNADH生成の直接蛍光モニタリングにより(20μΜPGE基質で実施)(パネルB、D)実施した。SW033291は再び、非常に強力な15ーPGDH阻害剤であると確認され、IC50は、トリチウムアッセイで測定すると0.7nM、IC50は蛍光アッセイで測定すると1.6nMである。基質濃度に対するIC50の相対的な非感受性は、SW033291が15ーPGDHの非競合的阻害剤であることを示唆する。
【0188】
SW054384は非常に弱い阻害活性を示し、IC50がSW033291のもの(それぞれ、トリチウムおよび蛍光に基づくアッセイで8.4μΜおよび11μΜ)より10,000倍高い。これは、結局、細胞において15ーPGDHタンパク質レベルおよび酵素活性を増加させるSW054384の活性と一致する。
【0189】
図13はSW124531で処理した細胞(上パネル)およびSW124531で処理した組換え15ーPGDHタンパク質(下パネル)における、トリチウム方法を用いた15ーPGDH活性のアッセイの結果を示す。SW124531はほとんどの細胞系で15ーPGDH活性の増加において活性を示すが、この活性は基礎15ーPGDH活性が>10単位である細胞系において最も良好である。SW124531はまた、15ーPGDH組換えタンパク質の活性を、50nMのIC50で阻害する。
【0190】
図14は、タンパク質の融解温度をシフトさせることにより測定される、異なる化合物の、組換え15ーPGDHタンパク質に直接結合する能力に対するアッセイを示す。タンパク質の融解後に、染料が、タンパク質が融解するにつれ曝露される疎水性残基に結合するのに伴い増加する、SYPROオレンジ染料(Sigma#S5692)の蛍光を測定する。左上のグラフは、15ーPGDHの融解曲線を示し、異なる化合物の存在下で実施されるアッセイを全て、互いに重ね合わせた。右上のグラフは、左側で示される曲線の各々に対する蛍光対温度の負の導関数をプロットし、融点は、負のピークの温度(すなわち、蛍光対温度プロットにおいて最も急激に変化する点)として測定される。結果を下記表において表形態で示す。ラパチニブを陰性対照として使用する。酵素補因子(NADまたはNADHのいずれか)がない場合、いずれの薬物の結合もない。NADまたはNADHのいずれかの存在下、SW033291は融解曲線において2つのピークを生成し、これらのピークの1つは15℃だけずれ、SW033291の15ーPGDHへの直接結合と一致する。SW124531およびSW145753もまた、15ーPGDHへの直接結合の証拠を示す。このアッセイでは、SW054384は、15ーPGDHに結合することを証明することができない。SW054384は15ーPGDHに結合するが、その結合は弱く、15ーPGDHタンパク質の融解温度より低い温度で、融解して離れてしまう可能性がある。アッセイは、10μΜおよび100μΜ補因子の両方で実施し(NADおよびNADHの両方を試験)、これは、15.8μΜのNADの公開されたKmとよく匹敵する。
【0191】
図15は、試験した4つの化合物のいずれも、触媒的に不活性な変異15ーPGDHタンパク質の融解温度のシフトを誘導しないことを示す。我々はSW124531による15ーPGDH変異タンパク質の誘導を、SW124531はおそらく、変異15ーPGDHに弱く結合し、これは37℃ではタンパク質を安定化させることができるが、薬物はタンパク質の融解温度である50℃より低い温度で融解して離れてしまうことを示唆するものとして解釈する。
【0192】
図16は、IL1ーβにより23時間刺激し、化合物を最後の5時間添加したA549細胞の培地中でアッセイしたPGEレベルで反映される15ーPGDH活性の化合物によるインビボ調節を示す(青色バー)。PGEレベルの増加は、SW033291(ならびにSW145753、SW124531、およびCayman Chemicalからの市販の15ーPGDH阻害剤)の添加による、細胞における15ーPGDH活性の明らかな阻害を示す。追加の反復では(赤色バー)(2)、SW054384をIL1ーβの添加前開始24時間に添加し、その後、次の26時間の間、IL1ーβの存在下で維持した。生成したより低いレベルのPGEは、これらの細胞では、SW054384が15ーPGDH活性を増加させたことを支持する。左側のパネルは生データを示し;一方、右側のパネルは、実験の終わりに存在する細胞数に対し正規化されたデータを示す。PGEレベルをELISAによりアッセイする。
【0193】
図17は、IL1ーβにより24時間刺激され、SW033291が最後の8時間の間添加されたA549細胞の培地中でアッセイされたPGEレベルで反映される、IL1ーβ処理A549細胞からのPGE産生に対するSW033291の効果の用量応答を示す。
【0194】
図18は、PGEのVacoー503細胞の培地への添加後の、PGEレベルで反映される、15ーPGDH活性の2.5μΜの化合物によるインビボ調節を示す。この研究では、細胞を化合物で24時間処理し、その後、PGEを培地に添加する。添加24時間後、培地中に残っているPGEレベルをELISAによりアッセイする。「培地」と表示されたデータは、対照レーンであり、PGEが細胞がない培地のみに添加される。DMSOと表示されたデータは対照であり、この場合、細胞はDMSO(化合物のための希釈剤)のみで処理される。「培地」レーンと「DMSO」レーンの間の違いは、PGEの15ーPGDHによる細胞依存分解を表す。PGE分解の遮断により反映される、2.5μΜのSW033291の添加による15ーPGDH活性のほぼ完全な遮断が重ねて証明される。加えて、PGEの分解の増加により反映される、SW054384による15ーPGDH活性の刺激が証明される。
【0195】
図19は、48時間の処理にわたって観察される、HaCaT細胞の単層における引っ掻き傷から構成されるモデル創傷の治癒の促進における2.5μΜのSW033291の活性を示す。TGFーβはアッセイにおいて陽性対照として機能する。
【0196】
図20は、対照、2.5μΜのSW033291処理細胞、およびTGFーβ(1ng/ml)処理細胞における、0および48時間での引っ掻き傷の幅の定量を示す。
【0197】
実施例2
リード化合物SW033291、15ーPGDH阻害剤の類似体の分析
この実施例はSW033291の一群の構造類似体に関するデータを提供する。提供したデータは、レポーターを含むように操作され、2.5μΜまたは7.5μΜのいずれかの化合物で処理された、3つの結腸癌細胞系、V9m、V503、およびLS174Tにおける、基礎レベルに対するルシフェラーゼ活性の増加%として報告される、15ーPGDHールシフェラーゼ融合遺伝子レポーターの誘導のレベルを含む(すなわち、値は100がベースラインレベルに対するルシフェラーゼ活性の倍加を示すスケールで記録される)。インビトロアッセイにおいて、組換え15ーPGDHの酵素活性を阻害するための各化合物のIC50もまた、記録される。
【表1】
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【0198】
我々は最初に、SW033291の15ーPGDH阻害活性は、異性体AおよびBと指定される、この化合物の2つの光学異性体の1つの活性のために、少なくとも98%であることを指摘する。異性体A対異性体Bの構造割り当てはまだ、確立されていない。
【0199】
組換え15ーPGDHをインビトロで阻害するためのIC50については、SW033291の炭素側鎖の長さに関する重要な効果が存在する。SW033291(4個の炭素)と比較して:SW208080(5個の炭素)は1.5倍高いIC50を有し、SW208081(6個の炭素)は10倍高いIC50を有し、およびSW208079(1個の炭素)は、60倍高いIC50を有し、細胞系レポーターを誘導するのに著しい活性損失がある。
【0200】
スルホキシド基は、重要な置換基であると考えられ、というのも、スルホキシドの不活性置換は対応する:ケトン(SW206976)、アミド(SW206977)、エステル(SW206978)、およびカルボン酸(SW206979)を含むからである。しかしながら、阻害活性は、スルホン類似体で観察される。
【0201】
SW033291(SW206980)上のフェニル基の欠失はIC50を半分だけ低下させる。SW206980は、2.5μΜ濃度でレポーター細胞系に適用された場合、レポーター誘導の高い活性化合物であり続ける。
実施例3
【0202】
下記実施例は、SW033291およびその類似体の合成を説明し、ならびに構造の質量分析NMR確認を提供する。
【化29】
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【化30】
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【0203】
SW033291 2ー(ブチルスルフィニル)ー4ーフェニルー6ー(チオフェンー2ーイル)チエノ[2,3ーb]ピリジンー3ーアミンをKaluginにより説明された手順を用いて調製した。4ー(((ブチルチオ)メチル)スルフィニル)ー2,6ージフェニルピリミジンー5ーカルボニトリル(0.53mmol、220mg)を含むDMF(0.25M)/EtOH(0.5M)の溶液にKOH(0.32mmol、18mg、0.6equiv.、0.1M水溶液)を添加した。反応混合物を35℃で40min撹拌した。完了した時点で、反応物をEtOAcで希釈し、酸性酸の10%水溶液で洗浄し、有機相を分離し、水層を2回EtOAcで抽出し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、211mgのSW033291 2ー(ブチルスルフィニル)ー4ーフェニルー6ー(チオフェンー2ーイル)チエノ[2,3ーb]ピリジンー3ーアミンを得た(96%)。H NMR(400MHz、CDCl)δ7.67ー7.60(m、1H)、7.57ー7.35(m、7H)、7.10(dd、J=5.0、3.7Hz、1H)、4.54(s、2H)、3.26(ddd、J=12.8、9.1、6.0Hz、1H)、3.09(ddd、J=12.8、9.1、6.6Hz、1H)、1.83ー1.61(m、2H)、1.53ー1.38(m、2H)、0.93(t、J=7.3Hz、3H)。ESIーMS(m/z):413[M+H]
【化31】
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【0204】
2ー(((ブチルチオ)メチル)スルフィニル)ー4ーフェニルー6ー(チオフェンー2ーイル)ニコチノニトリル.酢酸(900μL)および過酸化水素(0.57mmol、1.5equiv.、30%水溶液)を、2ー(((ブチルチオ)メチル)スルフィニル)ー4ーフェニルー6ー(チオフェンー2ーイル)ニコチノニトリル(0.38mmol、150mg)を含むクロロホルム(900μL)の溶液に添加した。反応混合物を32℃で45min撹拌した。反応物をその後、EtOAcで希釈し、飽和NaHCO溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、153mgの設計された生成物を得た(98%)。H NMR(400MHz、CDCl)δ7.75(dd、7=3.8、1.1Hz、1H)、7.66ー7.57(m、2H)、7.58ー7.51(m、4H)、7.47(s、1H)、7.16(dd、7=5.0、3.8Hz、1H)、4.74(d、7=13.0Hz、1H)、4.41(d、7=13.0Hz、1H)、2.97(dt、7=13.0、8.2Hz、1H)、2.81(dt、7=12.9、7.3Hz、1H)、1.94ー1.76(m、2H)、1.53ー1.38(m、2H)、0.94(t、7=7.4Hz、3H)。ESIーMS(m/z):413[M+H]
【化32】
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【0205】
2ー(((ブチルチオ)メチル)チオ)ー4ーフェニルー6ー(チオフェンー2ーイル)ニコチノニトリル.4ーフェニルー6ー(チオフェンー2ーイル)ー2ーチオキソー1,2ージヒドロピリジンー3ーカルボニトリル(0.34mmol、101mg)、ブチル(クロロメチル)スルファン(0.34mmol、48mg、1.0equiv.)およびEtN(0.51mmol、72μL、1.5equiv.)の混合物を、乾燥CHCN(350μL)中で20min還流させた。反応混合物をその後、EtOAcおよび水で希釈した。有機相を分離し、水層を2回、EtOAcで抽出した。抽出物を合わせ、飽和NaCl溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、124mgの設計された生成物を得た(92%)。H NMR(400MHz、CDCl)δ7.70(dd、7=3.8、1.1Hz、1H)、7.64ー7.56(m、1H)、7.55ー7.47(m、5H)、7.40(d、7=1.1Hz、1H)、7.14(dd、7=5.0、3.8Hz、1H)、4.53(s、2H)、2.74(t、J=8.0Hz、2H)、1.72ー1.57(m、2H)、1.49ー1.34(m、2H)、0.90(t、J=7.4Hz、3H)。ESIーMS(m/z):397[M+H]
【化33】
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【0206】
4ーフェニルー6ー(チオフェンー2ーイル)ー2ーチオキソー1,2ージヒドロピリジンー3ーカルボニトリル.3ーフェニルー1ー(チオフェンー2ーイル)プロプー2ーエンー1ーオン(2.34mmol、500mg)およびシアノチオアセトアミド(7.0mmol、717mg、3.0equiv.)を含むエタノール(7mL)の溶液に、数滴のピペリジンを添加した。反応物を3h還流させた。形成した固体を回収し、酢酸から再結晶化させ、設計された生成物を46%の単離収率で得た。H NMR(400MHz、DMSOーd)δ8.17(d、J=3.8Hz、1H)、7.96(d、J=5.0Hz、1H)、7.74ー7.62(m、2H)、7.54(dd、J=5.1、2.0Hz、3H)、7.31ー7.19(m、1H)、7.01(s、1H)。ESIーMS(m/z):295[M+H]
【化34】
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【化35】
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【0207】
3ーフェニルー1ー(チオフェンー2ーイル)プロプー2ーエンー1ーオンを、ベンズアルデヒドおよび1ー(チオフェンー2ーイル)エタノンから、アルドール縮合により、スキーム2で示されるAzamにより説明された手順を用いて調製した。H NMR(400MHz、CDCl)δ7.88ー7.80(m、2H)、7.67(dd、J=4.9、1.1Hz、1H)、7.66ー7.59(m、2H)、7.47ー7.34(m、4H)、7.18(dd、7=5.0、3.8Hz、1H)。ESIーMS(m/z):215[M+H]
【化36】
[この文献は図面を表示できません]
【0208】
3ーフェニルー1ー(チアゾールー2ーイル)プロプー2ーエンー1ーオンを、Wittig反応により、スキーム2で示されるMerinoにより説明された手順を用いて調製した。H NMR(400MHz、クロロホルムーd)δ8.06(d、J=3.0Hz、1H)、7.99(s、1H)、7.96(s、1H)、7.75ー7.67(m、3H)、7.44ー7.38(m、3H)。ESIーMS(m/z):216[M+H]
【化37】
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【0209】
SW208079ー1ーA 2ー(メチルスルフィニル)ー4ーフェニルー6ー(チオフェンー2ーイル)チエノ[2,3ーb]ピリジンー3ーアミンを、類似体SW033291の調製のために説明され、スキーム1および2に示された合成手順を使用することにより調製した。H NMR(500MHz、CDCl)δ7.67ー7.50(m、5H)、7.50ー7.36(m、3H)、7.16ー7.09(m、1H)、4.58(s、2H)、2.99(s、3H)。ESIーMS(m/z):371[M+H]
【化38】
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【0210】
SW208080ー1ーA 2ー(ペンチルスルフィニル)ー4ーフェニルー6ー(チオフェンー2ーイル)チエノ[2,3ーb]ピリジンー3ーアミンを、類似体SW033291の調製のために説明され、スキーム1および2に示された合成手順を使用することにより調製した。H NMR(500MHz、CDCl)δ7.98ー7.36(m、8H)、7.33ー6.85(m、1H)、4.47(s、2H)、3.28ー3.15(m、1H)、3.09ー2.99(m、1H)、1.81ー1.59(m、2H)、1.50ー1.25(m、4H)、0.88(t、J=7.2Hz、3H)。ESIーMS(m/z):427[M+H]
【化39】
[この文献は図面を表示できません]
【0211】
SW208081ー1ーA 2ー(ヘキシルスルフィニル)ー4ーフェニルー6ー(チオフェンー2ーイル)チエノ[2,3ーb]ピリジンー3ーアミンを、類似体SW033291の調製のために説明され、スキーム1および2に示された合成手順を使用することにより調製した。H NMR(500MHz、CDCl)δ7.78ー7.66(m、1H)、7.63ー7.46(m、7H)、7.27ー7.02(m、1H)、4.11(s、2H)、3.43ー3.20(m、1H)、3.11(ddd、J=13.8、9.4、6.4Hz、1H)、1.89ー1.63(m、2H)、1.58ー1.39(m、4H)、1.40ー1.21(m、2H)、0.91(d、J=6.8Hz、3H)。ESIーMS(m/z):441[M+H]
【化40】
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【0212】
SW208066、2ー(ブチルスルフィニル)ー4ーフェニルー6ー(チアゾールー2ーイル)チエノ[2,3ーb]ピリジンー3ーアミンを、類似体SW033291の調製のために説明され、スキーム1および2に示された合成手順を使用することにより調製した。H NMR(400MHz、CDCl)δ8.06(s、1H)、7.92(d、J=3.2Hz、1H)、7.65ー7.39(m、6H)、4.63(s、2H)、3.28(ddd、J=12.8、9.0、6.2Hz、1H)、3.11(ddd、J=12.8、9.0、6.8Hz、1H)、1.85ー1.63(m、2H)、1.56ー1.42(m、2H)、0.94(t、J=7.3Hz、3H)。ESIーMS(m/z):414[M+H]
【化41】
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【0213】
SW206980、2ー(ブチルスルフィニル)ー6ー(チオフェンー2ーイル)チエノ[2,3ーb]ピリジンー3ーアミンを、類似体SW033291の調製のために説明され、スキーム1および2に示された合成手順を使用することにより調製した。H NMR(400MHz、CDCl)δ7.79(d、J=8.5、1H)、7.65ー7.49(m、2H)、7.39(dt、J=5.1、0.7Hz、1H)、7.06(dd、J=5.0、3.7、Hz、1H)、5.20(s、2H)、3.26(ddd、J=12.8、9.0、6.2Hz、1H)、3.10(ddd、J=12.8、9.1、6.6Hz、1H)、1.78ー1.60(m、2H)、1.55ー1.39(m、2H)、0.92(t、J=7.3Hz、3H)。ESIーMS(m/z):337[M+H]
【化42】
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【0214】
SW206992、2ー(ブチルスルフィニル)ー6ー(チアゾールー2ーイル)チエノ[2,3ーb]ピリジンー3ーアミンを、類似体SW033291の調製のために説明され、スキーム1および2に示された合成手順を使用することにより調製した。H NMR(400MHz、CDCl)δ8.15(d、J=8.5Hz、1H)、7.95(d、J=8.5Hz、1H)、7.90(d、J=3.2Hz、1H)、7.44(d、J=3.2Hz、1H)、3.29(ddd、J=12.7、9.0、6.2Hz、1H)、3.13(ddd、J=12.8、9.0、6.7Hz、1H)、1.83ー1.61(m、2H)、1.59ー1.38(m、2H)、0.92(t、J=7.3Hz、3H)。ESIーMS(m/z):338[M+H]
【化43】
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【0215】
SW208064、2ー(ブチルスルフィニル)チエノ[2,3ーb]ピリジンー3ーアミンを、類似体SW033291の調製のために説明され、スキーム1に示された合成手順を使用することにより調製した。H NMR(400MHz、CDCl)δ8.61(dd、J=4.7、1.6Hz、1H)、7.89(dd、J=8.1、1.6Hz、1H)、7.33(dd、J=8.1、4.6Hz、1H)、3.39ー3.18(m、1H)、3.20ー3.03(m、1H)、1.74(p、J=7.6Hz、2H)、1.63ー1.38(m、2H)、0.94(t、J=7.3Hz、3H)。ESIーMS(m/z):255[M+H]
【化44】
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【0216】
SW208078ー1ーA 2ー(ブチルスルホニル)ー4ーフェニルー6ー(チオフェンー2ーイル)チエノ[2,3ーb]ピリジンー3ーアミン.酢酸(50μL)および過酸化水素(0.036mmol、1.5equiv.、30%水溶液)を、SW033291 2ー(ブチルスルフィニル)ー4ーフェニルー6ー(チオフェンー2ーイル)チエノ[2,3ーb]ピリジンー3ーアミン(0.024mmol、10mg)を含むクロロホルム(50μL)の溶液に添加した。反応混合物を32℃で4h撹拌した。反応物をEtOAcで希釈し、飽和NaHCO溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、粗2ー(ブチルスルホニル)ー4ーフェニルー6ー(チオフェンー2ーイル)チエノ[2,3ーb]ピリジンー3ーアミンを得、これを、8%の単離収率で、フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。H NMR(400MHz、CDCl)δ7.71(d、J=3.8Hz、1H)、7.64ー7.54(m、3H)、7.53ー7.42(m、4H)、7.15(dd、J=5.0、3.7Hz、1H)、5.09(s、2H)、3.38ー3.02(m、2H)、1.92ー1.67(m、2H)、1.52ー1.28(m、2H)、0.92(t、J=7.4Hz、3H)。ESIーMS(m/z):429[M+H]
【化45】
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【0217】
SW033290ー2ーA 2ー(メチルスルホニル)ー4ーフェニルー6ー(チオフェンー2ーイル)チエノ[2,3ーb]ピリジンー3ーアミンを、類似体SW208078ー1ーAの調製のために説明され、スキーム1および2に示された合成手順を使用することにより調製した。H NMR(500MHz、CDCl)δ7.78ー7.68(m、1H)、7.64ー7.54(m、3H)、7.53ー7.45(m、4H)、7.18ー7.10(m、1H)、5.08(s、2H)、3.14(s、3H)。ESIーMS(m/z):387[M+H]
【化46】
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【0218】
SW208065、6ー(ブチルスルフィニル)ー2,4ージフェニルチエノ[2,3ーd]ピリミジンー5ーアミン.4ー(((ブチルチオ)メチル)スルフィニル)ー2,6ージフェニルピリミジンー5ーカルボニトリル(0.07mmol、30mg)を含むDMF(0.25M)の溶液にKOH(0.035mmol、2mg、0.5equiv.、0.1M水溶液)を添加した。反応混合物を室温で20min撹拌した。完了した時点で、反応物をEtOAcで希釈し、酸性酸の5%水溶液で洗浄した。有機相を分離し、水層を2回、EtOAcで抽出し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、粗生成物を得、これを、70%の単離収率で、フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。H NMR(400MHz、CDCl)δ8.73ー8.37(m、2H)、7.78ー7.68(m、2H)、7.66ー7.55(m、3H)、7.53ー7.40(m、3H)、4.83(s、2H)、3.30(ddd、J=12.7、8.9、6.3Hz、1H)、3.21ー3.01(m、1H)、1.87ー1.66(m、2H)、1.57ー1.41(m、2H)、0.95(t、J=7.3Hz、3H)。ESIーMS(m/z):408[M+H]
【化47】
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【0219】
4ー(((ブチルチオ)メチル)スルフィニル)ー2,6ージフェニルピリミジンー5ーカルボニトリル.酢酸(600μL)および過酸化水素(0.37mmol、1.5equiv.、30%水溶液)を、4ー(((ブチルチオ)メチル)チオ)ー2,6ージフェニルピリミジンー5ーカルボニトリル(0.25mmol、98mg)を含むクロロホルム(900μL)の溶液に添加した。反応混合物を、32℃で45min撹拌した。完了した時点で、反応物をEtOAcで希釈し、飽和NaHCO溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、88mgの設計された生成物を得た(98%)。H NMR(400MHz、CDCl)δ8.57(dt、J=7.7、1.2Hz、2H)、8.28ー8.05(m、2H)、7.80ー7.40(m、6H)、4.82(d、J=13.2Hz、1H)、4.49(d、J=13.3、1H)、2.95(dt、J=13.0、8.1Hz、1H)、2.84(dt、J=13.0、7.3Hz、1H)、1.91ー1.74(m、2H)、1.56ー1.40(m、2H)、0.95(t、J=7.4Hz、3H)。ESIーMS(m/z):408[M+H]
【化48】
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【0220】
4ー(((ブチルチオ)メチル)チオ)ー2,6ージフェニルピリミジンー5ーカルボニトリル.4,6ージフェニルー2ーチオキソー1,2ージヒドロピリジンー3ーカルボニトリル(0.35mmol、101mg)、ブチル(クロロメチル)スルファン(0.35mmol、48mg、1.0equiv.)およびEtN(0.87mmol、2.5equiv.)の混合物を、乾燥CHCN(200μL)中で20min還流させた。反応物をEtOAcおよび水で希釈した。有機相を分離し、水層を2回、EtOAcで抽出した。抽出物を合わせ、飽和NaCl溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をその後、フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、59mgの設計された生成物を得た(75%)。H NMR(400MHz、CDCl)δ8.75ー8.36(m、2H)、8.35ー7.91(m、2H)、7.71ー7.41(m、6H)、4.59(s、2H)、2.74(t、J=7.5Hz、2H)、1.75ー1.58(m、2H)、1.49ー1.34(m、2H)、0.91(t、J=7.3Hz、3H)。ESIーMS(m/z):392[M+H]
【化49】
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【0221】
4,6ージフェニルー2ーチオキソー1,2ージヒドロピリジンー3ーカルボニトリルをSotoにより説明された手順に従い、調製した。NaOiPr(1.5mmol、1.0equiv.、ナトリウムおよび乾燥iPrOHからインサイチューで調製)、ベンゾチオアミド(1.5mmol、205mg、1.0equiv.)および2ー(エトキシ(フェニル)メチレン)マロノニトリル(1.5mmol、297mg、1.5equiv.)を含むiPrOH(75mL)の混合物を5h、室温で撹拌した。反応物をその後、濃HClで酸性化し、一晩撹拌し、蒸発させ、得られた固体を酢酸から再結晶化させ、265mgの4,6ージフェニルー2ーチオキソー1,2ージヒドロピリジンー3ーカルボニトリルを得た(61%)。H NMR(400MHz、DMSOーd)δ8.23ー8.12(m、2H)、8.07ー7.91(m、2H)、7.74ー7.49(m、6H)。ESIーMS(m/z):290[M+H]
【化50】
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【0222】
SW208067、6ー(ブチルスルフィニル)ー4ーフェニルー2ー(チオフェンー2ーイル)チエノ[2,3ーd]ピリミジンー5ーアミンを、類似体SW208065の調製のために説明され、スキーム3に示された合成手順を使用することにより調製した。H NMR(400MHz、CDCl)δ8.10(dd、J=3.7、1.3Hz、1H)、7.74ー7.65(m、2H)、7.62ー7.53(m、3H)、7.50(dd、J=5.0、1.2Hz、1H)、7.14(dd、J=5.0、3.7Hz、1H)、4.79(s、2H)、3.28(ddd、J=12.8、9.0、6.2Hz、1H)、3.11(ddd、J=12.8、9.0、6.7Hz、1H)、1.84ー1.63(m、2H)、1.54ー1.41(m、2H)、0.94(t、J=7.3Hz、3H)。ESIーMS(m/z):414[M+H]
【化51】
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【化52】
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【0223】
SW206976ー1、1ー(3ーアミノー4ーフェニルー6ー(チオフェンー2ーイル)チエノ[2,3ーb]ピリジンー2ーイル)ペンタンー1ーオン.2ー((2ーオキソヘキシル)チオ)ー4ーフェニルー6ー(チオフェンー2ーイル)ニコチノニトリル(0.13mmol、50mg)を含むエタノール(500μL)の溶液にKOH(0.13mmol、2mg、1.0equiv.)を添加した。反応混合物を50℃で30min撹拌した。完了した時点で、反応物をEtOAcで希釈し、10%HCl水溶液で洗浄した。有機相を分離し、水層を2回、EtOAcで抽出し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、設計された生成物を98%収率で得た。
【0224】
H NMR(400MHz、CDCl)δ7.65(dd、J=3.8、1.1Hz、1H)、7.62ー7.56(m、2H)、7.55ー7.48(m、4H)、7.40(s、1H)、7.13(dd、J=5.0、3.8Hz、1H)、4.13(s、2H)、2.72(t、J=7.4Hz、2H)、1.72ー1.56(m、2H)、1.42ー1.25(m、2H)、0.88(t、J=7.3Hz、3H)。ESIーMS(m/z):393[M+H]
【化53】
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【0225】
2ー((2ーオキソヘキシル)チオ)ー4ーフェニルー6ー(チオフェンー2ーイル)ニコチノニトリル.4ーフェニルー6ー(チオフェンー2ーイル)ー2ーチオキソー1,2ージヒドロピリジンー3ーカルボニトリル(0.068mmol、20mg)、EtN(0.11mmol、15μL、1.6equiv.)および2ーブチルオキシラン(0.11mmol、11mg、1.6equiv.)を含むMeOH(500μL)の混合物を、室温で撹拌した。TLCにより判断して、反応が完了した時に、反応混合物を蒸発させ;DCMおよびDMPに溶解したベタベタする生成物(0.10mmol、1.5equiv.)を0℃で添加した。反応混合物を室温で2h撹拌し、その後、20%Na/NaHCO溶液の1:1混合物の添加により反応停止させた。有機層を分離し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、溶媒を減圧下で除去した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、設計された生成物を72%収率で得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ8.02(s、1H)、7.97(d、J=3.1Hz、1H)、7.71ー7.59(m、2H)、7.55(d、J=3.2Hz、1H)、7.55ー7.46(m、4H)、4.52(s、2H)、2.75(t、J=7.8Hz、2H)、1.73ー1.54(m、2H)、1.51ー1.26(m、2H)、0.91(t、J=7.3Hz、3H)。ESIーMS(m/z):393[M+H]
【化54】
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【0226】
SW206977、3ーアミノー4ーフェニルーNープロピルー6ー(チオフェンー2ーイル)チエノ[2,3ーb]ピリジンー2ーカルボキサミド.4ーフェニルー6ー(チオフェンー2ーイル)ー2ーチオキソー1,2ージヒドロピリジンー3ーカルボニトリル(0.12mmol、35mg)、2ークロローNープロピルアセトアミド(0.12mmol、16mg、1.0equiv.)およびEtONa(0.19mmol、1.6equiv.)を含むエタノール(1mL)の混合物を、50℃で撹拌した。TLCにより判断して、反応が完了した時に、反応物をEtOAcで希釈し、10%HCl水溶液で洗浄した。有機相を分離し、水層を2回、EtOAcで抽出し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、設計された生成物を61%収率で得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ7.65(d、J=3.7、1H)、7.58ー7.49(m、3H)、7.49ー7.38(m、4H)、7.10(dd J=4.9、3.7Hz、1H)、5.75(s、2H)、5.59ー5.38(m、1H)、3.35(td J=7.0、5.9Hz、1H)、1.64ー1.58(m、2H)、0.96(t、J=7.4Hz、3H)。ESIーMS(m/z):394[M+H]
【化55】
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【0227】
SW206978、エチル3ーアミノー4ーフェニルー6ー(チオフェンー2ーイル)チエノ[2,3ーb]ピリジンー2ーカルボキシレート.4ーフェニルー6ー(チオフェンー2ーイル)ー2ーチオキソー1,2ージヒドロピリジンー3ーカルボニトリル(0.34mmol、100mg)、2ークロロ酢酸エチル(0.54mmol、1.6equiv.)およびEtONa(0.54mmol、1.6equiv.)を含むエタノール(1mL)の混合物を、還流しながら撹拌した。TLCにより判断して、反応が完了した時に、反応物をEtOAcで希釈し、10%HCl水溶液で洗浄した。有機相を分離し、水層を2回、EtOAcで抽出し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、設計された生成物を79%収率で得た。H NMR(400MHz、DMSOーd)δ8.01(d、J=3.7Hz、1H)、7.87ー7.67(m、2H)、7.56(d、J=6.5Hz、5H)、7.36ー6.90(m、1H)、5.73(s、2H)、4.23(q、J=7.1Hz、2H)、1.25(t、J=7.0Hz、3H)。ESIーMS(m/z):381[M+H]
【化56】
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【0228】
SW206979、3ーアミノー4ーフェニルー6ー(チオフェンー2ーイル)チエノ[2,3ーb]ピリジンー2ーカルボン酸.ーフェニルー6ー(チオフェンー2ーイル)ー2ーチオキソー1,2ージヒドロピリジンー3ーカルボニトリル(0.34mmol、100mg)および2ークロロ酢酸エチル(0.54mmol、1.6equiv.)を含むエタノール(1mL)の溶液に、EtN(0.54mmol、1.6equiv.)を添加した。反応物を20min還流させた。反応物をその後、EtOAcおよび水で希釈した。有機相を分離し、水層を2回、EtOAcで抽出した。抽出物を合わせ、飽和NaCl溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、設計された生成物を得た。エチル2ー((3ーシアノー4ーフェニルー6ー(チオフェンー2ーイル)ピリジンー2ーイル)チオ)アセテートをその後、DMFに溶解し、1M NaOH水溶液で50℃にて処理し、SW206979、3ーアミノー4ーフェニルー6ー(チオフェンー2ーイル)チエノ[2,3ーb]ピリジンー2ーカルボン酸を63%収率で得た。H NMR(400MHz、DMSOーd)δ8.00(dd、J=3.7、1.1Hz、1H)、7.79ー7.64(m、2H)、7.55(dt、J=7.6、3.2Hz、5H)、7.16(dd、J=5.0、3.7Hz、1H)、5.72(s、2H)。ESIーMS(m/z):353[M+H]
【化57】
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【化58】
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【0229】
SW208068、2ー(ブチルチオ)ピリジンー3ーアミン.ブタンー1ーチオール(7.0mmol、628mg、1.1equiv.)を含むTHF(30mL)の溶液にNaH(6.6mmol、158mg、1.05equiv.)を0℃で添加した。反応混合物を室温で30min撹拌した後、2ークロロー3ーニトロピリジン(6.33mmol、1.0g)を少しずつ添加し、撹拌しながら、室温で2h放置した。水をその後、反応混合物に添加し、得られた混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を、塩化ナトリウムの飽和水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、粗生成物を得た。精製が難しいため、不純な2ー(ブチルチオ)ー3ーニトロピリジンを直接、次の工程のために使用した。ニトロピリジン(0.47mmol、100mg)を酢酸(3.3ml)および濃塩酸(130μL)の混合溶媒中に溶解し、亜鉛(5.7mmol、370mg)を少しずつ、氷で冷却しながら添加した。混合物を30分撹拌した後、反応混合物を濾過し、濾液をNaHCOの水溶液で中和し、DCMで抽出した。有機層を水、その後、塩化ナトリウムの飽和水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。その後、溶媒を蒸発させ、2ー(ブチルチオ)ピリジンー3ーアミンを淡黄色油として得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ7.94(dd、J=4.1、2.0Hz、1H)、7.05ー6.51(m、2H)、3.84(s、2H)、3.51ー2.95(m、2H)、1.72ー1.60(m、2H)、1.56ー1.36(m、2H)、0.91(t、J=7.4Hz、3H)。ESIーMS(m/z):183[M+H]
【化59】
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【0230】
SW208069、2ー(ブチルスルフィニル)ー3ーニトロピリジン.ブタンー1ーチオール(7.0mmol、628mg、1.1equiv.)を含むTHF(30mL)の溶液にNaH(6.6mmol、158mg、1.05equiv.)を0℃にて添加した。反応混合物を室温で30min撹拌した後、2ークロロー3ーニトロピリジン(6.33mmol、1.0g)を少しずつ添加し、撹拌しながら室温で2h放置した。水をその後、反応混合物に添加し、得られた混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を塩化ナトリウムの飽和水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、粗生成物を得た。精製が難しいため、不純な2ー(ブチルチオ)ー3ーニトロピリジンを直接、次の工程のために使用した。ニトロピリジン(0.47mmol、100mg)を酢酸(1.2ml)およびクロロホルム(1.2mL)の混合溶媒に溶解し、過酸化水素(0.7mmol、1.5equiv.、30%水溶液)を添加した。混合物を45分、32℃で撹拌した後、反応物をEtOAcで希釈し、飽和NaHCO溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、2ー(ブチルスルフィニル)ー3ーニトロピリジンを得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ9.14(dd、J=4.6、1.5Hz、1H)、8.54(dd、J=8.2、1.5Hz、1H)、7.67(dd、J=8.2、4.6Hz、1H)、3.18(ddd、J=12.7、9.3、7.2Hz、1H)、3.00(ddd、J=12.7、9.1、4.9Hz、1H)、2.17ー1.92(m、1H)、1.91ー1.70(m、1H)、1.68ー1.35(m、2H)、0.96(t、7=7.3Hz、3H)。ESIーMS(m/z):229[M+H]
【化60】
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【0231】
SW208070、2ー(ブチルスルフィニル)ピリジンー3ーアミンを、類似体SW208069の調製のために説明され、スキーム4で示された合成手順を使用することにより調製した。H NMR(400MHz、CDCl)δ7.90(dd、J=4.4、1.4Hz、1H)、7.09(dd、J=8.3、4.4Hz、1H)、6.93(dd、J=8.3、1.4Hz、1H)、5.30(s、2H)、3.24(ddd、J=13.0、9.5、5.4Hz、1H)、3.03(ddd、J=13.0、9.8、6.3Hz、1H)、1.95ー1.61(m、2H)、1.55ー1.35(m、2H)、0.93(t、J=7.3Hz、3H)。ESIーMS(m/z):199[M+H]
【0232】
実施例4
SW033291および関連化合物による15ーPGDH阻害のメカニズムの分析
下記実施例は、SW033291が15ーPGDHを阻害する作用メカニズムに関するデータを提供する。
【0233】
15ーPGDH阻害剤(SW033291)の2つ組の滴定を、4つの異なる濃度の15ーPGDH(24nM、12nM、6nM、3nM)で実行した。反応物は、示された濃度の酵素、250μΜのNAD(+)、25μΜのPGEー2を含み、これらを構築し、室温で3分インキュベートした。
【0234】
図21(AーB)は、酵素濃度変化に伴うIC50値のシフトを示す。結果により、阻害剤の絶対濃度ではなく、むしろ酵素:阻害剤化学量論に依存する阻害のタイトバインディング様式が示される。全ての場合において、IC50値は酵素濃度より低く、nM薬物は、酵素によりほとんど完全に結合されることが示される。
【0235】
図22(AーB)は、SW033291は15ーPGDHの不可逆的阻害剤に非常によく似た挙動をし、15ーPGDHタンパク質から効率的に透析することができないことを示す。
【0236】
SW033291が可逆阻害剤であるかどうかの試験は下記により進行させる:
(i)15ーPGDHストック(8mg/mL 15ーPGDHを含む500μLの15ーPGDHアッセイ緩衝液)からとった8μlのアリコート(4nmol 15ーPGDH、4μΜ 15ーPGDH)を、氷上で下記と共にインキュベートした:(a)5μLの100mM NAD(+)の添加+3.2μLの2.5mM SW033291ストックの添加、その後、1Lの緩衝液に対し12時間透析し、続いて新たに、1Lの緩衝液に対しさらに12時間透析した;または(b)5μL、100mM NAD(+)の添加+3.2μLDMSOの添加、その後、1Lの緩衝液に対し12時間透析し、1Lの緩衝液をさらに12時間透析した。
(ii)透析前、1μLを除去し、200μLのアッセイ緩衝液(20nM)で希釈し、その後、15ーPGDH活性を測定する。
(iii)透析後、24hrで、1μLを除去し、200μLのアッセイ緩衝液(20nM)で希釈し、その後、15ーPGDH活性を測定する。
【0237】
透析緩衝液は50mM Tris pH7.4、40mM NaCl、0.1mM DTT、0.01% Tweenー20である。
【0238】
アッセイの条件下では、SW033291は透析前91%の15ーPGDH、透析後85%の15ーPGDH活性を阻害しーすなわち、透析は15ーPGDHの阻害を逆転させなかった。SW033291なしで透析された対照15ーPGDHタンパク質は完全に活性なままであった。
【0239】
図23(AーB)は、(A)右上は、濃度増加の段階的な組のSW033291の存在下での、15ーPGDHに対する反応速度を示す。右上のグラフでは、Pは15ーケトーPGE2に対する代用物としてのNADH濃度である。(P+S)は、20μΜの開始PGE2濃度である。アッセイは、10nΜの組換え15ーPGDHの存在下で実施した。左下のグラフでは(B)、VoはSW033291なしでの、反応の初速度であり、Viは、対応する濃度のSW033291の存在下での反応の初速度である。線は、データをMorrison式にフィッティングさせることにより作成された曲線を示す。曲線フィッティングにより、0.1015nMの計算されたKiAppの値が得られる。点線はX軸と8.5nMで交差する。これは酵素調製物が85%活性酵素を含むことを示す[阻害剤]=[活性酵素]の点を表す。Morrison式では、Kiは阻害剤の結合親和性であり;[S]は基質濃度であり;Kmは酵素活性が最大半量となる基質の濃度である。IC50は阻害剤の機能的強度であることに留意されたい。化合物に対するIC50値は実験条件によって実験間で変動する可能性があるが、Kiは絶対値である。Kiは薬物に対する阻害定数;リガンドが存在しない場合の受容体の50%を占める競合アッセイにおける競合リガンドの濃度である。
【0240】
図24(AーB)は6つの異なる濃度のPGE2(1.25μΜー40μΜ)で実行した、15ーPGDH阻害剤(SW033291)の2つ組の滴定を示す。上のグラフでは、Y軸はSW033291による反応の%阻害である。X軸はnMで表したSW033291の濃度である。反応物は5.0nMの添加された15ーPGDH、250μΜのNAD(+)、および示された濃度のPGEー2を含み、構築して、室温で60分インキュベートした。PGE2に対するKmはおよそ5μΜであり、5μΜ未満のPGE2濃度を用いて実行した反応は非常にゆっくり進み、SW033291による阻害を定量するのは困難である。しかしながら、5μΜー40μΜの濃度のPGE2との反応では、SW033291に対するIC50はPGE2濃度の増加に影響されず、阻害は非競合的であることが示される。
【0241】
図25はSW033291の類似体対組換え15ーPGDHに対するそれらのIC50の構造活性関係を示す。SW033291の2つの異性体、AおよびBへの構造の割り当ては、活性異性体(異性体B)の構造が決定されていないので、任意である。SW033291の光学異性体を分取HPLCにより10mmx250mmのChiralcel ODHカラム、5%イソプロパノールを含むヘキサン、1mL/minを使用して分離した。「A」異性体はより速く溶離する異性体である。「B」異性体はより遅く溶離する異性体である。
【0242】
類似体ファミリーは、4個炭素側鎖を有するSW033291は、SW208080(5個炭素側鎖)より2倍より強力、SW208081(6個炭素側鎖)より15倍強力、SW208079(1個炭素側鎖)より100倍強力であることを示す。SW033291はまた、SW208078、スルホキシド基をスルホンに変換した類似体よりも20倍強力である。
【0243】
図26はスルホキシド基をケトン、アミド、エステル、またはカルボン酸に変換する追加のSW033291類似体の構造を示す。SW033291からフェニル環が欠失した構造SW206980もまた、示す。
【0244】
図27(AーC)は、3つの異なる試験細胞系バックラウンド、V9m、LS174T、およびV503における、15ーPGDHールシフェラーゼ融合レポーターを誘導する化合物の活性のレベルを表すグラフを示す。各化合物を2つの濃度、2.5μΜ、および7.5μΜで試験した。Y軸はルシフェラーゼ活性である。
【0245】
2.5μΜー7.5μΜでは、SW033291のフェニル基が欠失したSW206980は、3つのレポーター系全てにおいて、SW033291と同等の活性を示す。
【0246】
スルホキシド基をケトン、アミド、エステル、またはカルボン酸に変換させた構造は、レポーターの誘導において大きな活性損失を示す。
【0247】
図28は、5つの試験化合物の各々により、2.5μΜおよび7.5μΜで阻害された15ーPGDH酵素活性のパーセントを表すグラフを示す。SW033291のフェニル基が欠失したSW206980は、これらの濃度で、15ーPGDH活性の阻害においてSW03291に類似する効力を示す。
【0248】
スルホキシド基をケトン、アミド、エステル、またはカルボン酸に変換させた構造は15ーPGDH阻害剤としての大きな活性損失を示す。
【0249】
図29(AーB)は、SW033291およびSW0206980の異なる濃度での、15ーPGDH酵素活性のパーセント阻害をプロットする滴定曲線を示す。同一のアッセイ条件下では、SW206980はわずかに低いIC50を示す。
【0250】
図30(AーB)は、SW206980は15ーPGDHに直接結合し、その融解曲線を著しくシフトさせることを示す。疎水性染料SYPROオレンジの蛍光により反映される、15ーPGDHの融解曲線が左側に示される。融解曲線の負の一次導関数が右側に示される。
【0251】
3つの条件、10μΜ 15ーPGDH、10μΜ 15ーPGDH+10μΜ SW206980、および10μΜ 15ーPGDH+125μΜ NADH+10μΜ SW206980をプロットする。右側の曲線の屈曲点により反映される融解温度は、SW206980およびNADHの存在下、48度から68度まで20℃だけシフトし、SW206980は、NADH補因子の存在を要求する様式で、15ーPGDHの三次構造に直接結合し、著しく安定化させることを反映する。
【0252】
図31(AーC)は、SW033291フェニル環の除去(SW206980)は活性を保持したという前の所見に基づき構築されたSW033291のさらなる類似体を示す。新規類似体(SW206992)は窒素を左側の環に追加する。
【0253】
表3はSW033291、SW206980、およびSW206992の特性の比較を提供する。
【表2】
[この文献は図面を表示できません]
【0254】
阻害までの時間は、薬物が反応混合物に添加された瞬間からの、15ーPGDHによるNADHの生成を阻害するのに必要とされる時間を示す。ΔTmは、薬物の存在下(補因子NADHもまた存在する)での、組換え15ーPGDHの融解温度のシフトを示す。完全な細胞系レポーター誘導の濃度は、ルシフェラーゼアッセイにより測定される、15ーPGDHールシフェラーゼ遺伝子融合レポーターカセットの最大誘導を達成するために、レポーター細胞系に添加される必要がある薬物の濃度を示す。肝細胞安定性は、培養中の肝細胞の存在下での化合物の半減期を示す。毒性は、細胞培養アッセイにおける、細胞数を減少させるのに必要とされる化合物の濃度を示す。
【0255】
図32(AーC)は、3つの異なる細胞系バックラウンドにおける、15ーPGDHールシフェラーゼ遺伝子融合レポーターの、SW033291による誘導の滴定を示す。一般に24時間の、80ー160nMの間のSW033291曝露が、最大レポーター誘導を誘導するために必要とされる。
【0256】
図33(AーC)は3つの異なる細胞系バックラウンドにおける、15ーPGDHールシフェラーゼ遺伝子融合レポーターの、SW206980による誘導の滴定を示す。一般に24時間の、≧300nMのSW206980曝露が、最大レポーター誘導を誘導するために必要とされる。
【0257】
図34(AーC)は3つの異なる細胞系バックラウンドにおける、15ーPGDHールシフェラーゼ遺伝子融合レポーターの、SW206992による誘導の滴定を示す。一般に24時間の、≧1000nMのSW206992曝露が、最大レポーター誘導を誘導するために必要とされる。
【0258】
図35(AーC)は、補因子NAD(+)(100μΜ)の存在下での、20μΜのSW033291、SW206980、およびSW206992による、組換え15ーPGDHタンパク質(10μΜ)の融解曲線のシフトを示す。対照融解温度は49セ氏温度である。SW033291は融解温度を63度にシフトさせる。SW206980は融解温度を61度にシフトさせる。SW206992は融解温度を59度にシフトさせる。よって、3つの化合物は全て直接、15ーPGDHに結合し、タンパク質の融解温度を著しく増加させ、温度シフトの順序はSW033291>SW206980>SW206992である。
【0259】
図36(AーB)は、補因子NADH(100μΜ)の存在下での、20μΜのSW033291、SW206980、およびSW206992による、組換え15ーPGDHタンパク質(10μΜ)の融解曲線におけるシフトを示す。対照融解温度は55セ氏温度である。SW033291は融解温度を74度にシフトさせる。SW206980は融解温度を70.5度にシフトさせる。SW206992は融解温度を68.5度にシフトさせる。よって、3つの化合物は全て直接、15ーPGDHに結合し、タンパク質の融解温度を著しく増加させ、温度シフトの順序はSW033291>SW206980>SW206992である。
【0260】
図37(AーC)は、IL1ーβで刺激したA549細胞の培地におけるPGE2レベルに対する効果を測定するアッセイにおける、15ーPGDH阻害剤化合物の滴定曲線を示す。最高PGE2レベル、3000pg/mlがSW033291で達成され、2.5μΜの化合物で、最大効果が得られる。次の最高PGE2レベル、2500pg/mlは、SW206980で達成され、7.5μΜの化合物で、最大効果が得られる。2100pg/ml PGE2への最低誘導がSW206992で達成され、2.5μΜで、最大効果が得られる。これらの反応では、A549細胞を、10%ウシ胎仔血清(FBS)および50μg/mLゲンタマイシンが補充されたF12K培地において、5%COを含む加湿雰囲気中、37℃で維持した。細胞を24ウェルプレート(0.5mL/ウェル)に、約100,000細胞/ウェルにて2つ組で蒔き、24h増殖させ、その後、ILー1β(1ng/mL)で一晩(16h)刺激し、PGE2を生成させた。SW033291およびその類似体を示された濃度で添加し、インキュベーションを8h続けた。培地を回収し、PGE2のレベルを酵素イムノアッセイにより分析した。データを3つの独立した実験の結果から分析した。
【0261】
図38(AーC)は、CellTiterーGlo測定によりアッセイされた15ーPGDH阻害剤の24時間でのA549細胞に対する細胞毒性のアッセイを示す。10μΜまでのSW033291、SW206980、およびSW2206992の濃度による、CellTitreーGloレベルへの影響は見られない。
【0262】
図39は7つのSW033291類似体、SW208064、SW208065、SW208066、SW208067、SW208068、SW208069、SW208070の構造を示す。
【0263】
表4は、4つの類似体、SW208064、SW208065、SW208066、SW208067の特性の表にまとめた概要を提供し、特にこれら4つの化合物の各々の2.5nMの組換え15ーPGDHに対するIC50を列挙する。
【表3】
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【0264】
阻害までの時間は、薬物が反応混合物に添加された瞬間からの、15ーPGDHによるNADHの生成を阻害するのに必要とされる時間を示す。ΔTmは、薬物の存在下(補因子NADHもまた存在する)での、組換え15ーPGDHの融解温度のシフトを示す。完全な細胞系レポーター誘導の濃度は、ルシフェラーゼアッセイにより測定される、15ーPGDHールシフェラーゼ遺伝子融合レポーターカセットの最大誘導を達成するために、レポーター細胞系に添加される必要がある薬物の濃度を示す。肝細胞安定性は、培養中の肝細胞の存在下での化合物の半減期を示す。毒性は、細胞培養アッセイにおける、細胞数を減少させるのに必要とされる化合物の濃度を示す。
【0265】
図40は、3つの異なる結腸癌細胞系、V9m、LS174T、およびV503に導入された15ーPGDHールシフェラーゼ融合遺伝子レポーターを誘導する際の、化合物の各々の活性を表すグラフで示した概要を提供する。結果は、細胞を2.5μΜまたは7.5μΜのいずれかの化合物濃度の化合物に曝露した後の、ルシフェラーゼ活性のアッセイにより測定する。
【0266】
図41は、化合物を2.5μΜおよび7.5μΜで添加した場合の、組換え15ーPGDH酵素の酵素活性の阻害における化合物の各々の活性を表すグラフで示した概要を提供する。100%阻害は酵素の完全阻害に対応する。
【0267】
図42は、ある範囲の濃度のSW208064、SW208065、SW208066、およびSW208067にわたってインキュベートした場合の、2.5nMの組換え15ーPGDHを阻害するためのICの測定を示す。各グラフのY軸は15ーPGDH酵素活性のパーセント阻害を記録する。100%阻害は酵素の完全阻害に対応する。各グラフのX軸はnMで表した阻害剤濃度のlogを記録する。
【0268】
実施例5
SW033291の毒性の分析
表5は、SW033291の毒性に対して評価した対照またはSW033291処置群における一群の8ー12週齢雄FVBマウスの概要を示し、研究の各群に6匹のマウスである。
【表4】
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【0269】
図43はSW033291、SW208064、SW208065、SW208066、およびSW208067のV9m細胞系バックグラウンドにおける、15ーPGDHールシフェラーゼ融合遺伝子レポーターの誘導に対する用量反応曲線を示す。
【0270】
図44は、図37に対して説明した同じ実験設計において、IL1ーβで刺激したA549細胞の培地におけるPGE2レベルに対する効果を測定するアッセイにおける、15ーPGDH阻害剤化合物の滴定曲線を示す。100nΜ濃度の薬物では、培地中の最高レベルのPGE2が、SW208066で、またはSW208067で細胞を処理することにより達成され、その後、培地中の次の最高レベルのPGE2が、細胞をSW033291で処理することにより達成される。
【0271】
図45はビヒクルまたはSW033291でIPにて、5mg/kgで1日2回、21日間処置した一群の8ー12週齢FVBマウスの毎日の体重を示す。SW033291を10%エタノール、5%クレモフォールEL、85%D5Wのビヒクル中、125μg/200μlの濃度で投与した。図示されるように、ビヒクルおよび薬物処置マウスのどちらも21日の期間中等しい体重増加を示し、SW033291がマウス体重を低減させる証拠はない。SW033291処置群およびビヒクル処置群の両方においてN=6マウス。
【0272】
実施例6
骨髄機能に対するSW033291の効果の分析
この実施例はSW033291の骨髄機能に対する効果を示す。
【0273】
図46(AーC)は野生型マウス対15ーPGDHに対しホモ接合遺伝子ノックアウトであるマウス(PGDHー/ーマウス)の骨髄の分析を示す。総骨髄細胞充実性および系統陰性(SKL)細胞におけるSca1+/cーKit+細胞のパーセントは両方の組のマウスにおいて同じである。しかしながら、15ーPGDHー/ーマウス由来の骨髄は、骨髄をメチルセルロース(methylcelluose)中に蒔くと生成される造血コロニーの数においておよそ50%の増加を示す。実験条件を図に示す。15ーPGDHノックアウトマウスは、ラベルPGDHー/ーおよびラベル15ーPGDHにより示される。
【0274】
図47は、骨髄を、野生型マウスから収集し、エクスビボで氷上にて、2時間、SW033291(0.5μΜ)、または1μΜのPGE2または1μΜの16,16ージメチルPGE2(dmPGE2)のいずれかと共にインキュベートしたアッセイを示す。処理した骨髄を再び、その後、造血コロニーの計数のためにメチルセルロースに蒔く。SW033291処理した骨髄は再び、生成されたコロニーから誘導された骨髄の数においておよそ50%の増加を示す。これらの条件下では、PGE2で処理した骨髄では、より少ない増加が見られ、dmPGE2で処理した骨髄では、わずかに大きな増加が見られる。
【0275】
図48(AーC)は、10%エタノール、5%クレモフォールEL、85%D5Wのビヒクル中で、5mg/kgまたは20mg/kgの用量にて投与されたIP SW033291で処置したC57BL/6Jマウスの研究を示す。パネルAはマウス骨髄細胞充実性、白血球数(wbc)、赤血球数(rbc)および血小板数を示す。パネルBは、系統陰性(SKL)細胞中のSca1+/cーKit+細胞のパーセントは、SW033291処置マウスでは変化しないことを示す。パネルCは、SW033291処置マウス由来の骨髄は、骨髄をメチルセルロース(methylcelluose)中に蒔くと生成される造血コロニーの数においておよそ30%の増加を生じさせることを示す。実験条件を図に示す。
【0276】
図49(AーB)は、SW033291で5mg/kg IPにて毎日、3回用量に対し、10%エタノール、5%クレモフォールEL、85%D5Wのビヒクル中にて処置したまたはビヒクル単独で処置した、CD45.2抗原標識C57BL/6Jマウス由来の骨髄の分析を示す。第3日に、マウスを屠殺し、骨髄をフラッシングし、1:1比でビヒクル処理CD45.1骨髄と混合した。200万個の全BM細胞を致死的に照射されたCD45.1マウスの尾部静脈に注入し、パーセントキメラ化をフローサイトメトリーにより8、12、16週に測定した。図示されるように、12および16週に、CD45.2標識細胞のパーセント血液キメラ化は、ビヒクル対照処置ドナーマウスとは対照的に、CD45.2標識骨髄をSW033291処置ドナーマウスから収集したレシピエントマウスにおいて著しく増加した。言い換えれば、SW033291処置マウス由来の骨髄は、対照骨髄との競合において、長期適応度増加を証明した。特に、16週では、SW033291処置マウスから収集したCD45.2は、BおよびT細胞集団への寄与の著しい増加を示し、SW033291処置マウス由来の骨髄がリンパ球集団のより早い再構成および免疫能力へのより早い回復を促進することが示唆される。
【0277】
追加の研究では、C57BL/6Jマウスに11Gyを第0日に照射し、続いて、SW033291 5mg/kgでIPにて1日2回(bid)、10%エタノール、5%クレモフォールEL、85%D5Wのビヒクル中で、またはビヒクルのみで、21日間処置する。ビヒクルまたはSW033291で処置したマウスは全て、ドナーC57BL/6Jマウス由来の骨髄の同種移植片を100,000細胞、200,000細胞、500,000細胞のいずれかの用量で受ける。3匹の対照および3匹のSW033291マウスを、各条件で評価する。実験設計を、図50に示す。
【0278】
表6は、研究の最初の19日にわたる各コホートにおける生存マウスの数を示す。この研究中のマウスコロニーの条件下で、100,000ー500,000細胞を受ける対照マウスは全て、研究の第4ー13日の間に死亡している。対照的に、500,000細胞を受けた2匹のSW033291処置マウスは、研究の第19日に生き続け、完全造血再構成を有すると推定される。よって、15ーPGDH阻害剤SW033291による処置は、骨髄移植を受けたマウスの生存を促進し、この知見は、SW033291は、移植されたマウスにおいてより迅速で完全な造血再構成を可能にすることと一致する。SW033291と同様の活性を有する他の15ーPGDH阻害剤は、造血再構成のサポートにおいて、同様の活性を有すると予測されるであろう。SW033291による処置はまた、マウスに、標準的に必要とされる1,000,000細胞よりも、少ないドナー骨髄の接種材料をうまく移植させることができた。これらの知見は、SW033291、ならびに他の同様の15ーPGDH阻害剤は、より少ない数のドナー幹細胞の移植の成功をサポートすることができることを示唆する。そのような活性は、ドナー細胞数が制限される、臍帯幹細胞の移植などの設定において特に有用であろう。SW033291で処置した、移植を受けたマウスの生存の改善は、骨髄、造血幹細胞、および臍帯血幹細胞移植片を受ける患者のサポートにおいて普通に使用される他の処置または成長因子にとって代わるものとしての、またはその使用を減少させる際での、SW033291、および同様の15ーPGDH阻害剤の効力を示唆する。SW033291で処置した、移植を受けたマウスの生存の改善は、SW033291、およびさらに広げて、他の同様の15ーPGDH阻害剤が、移植されたマウスにおける感染症を低減させる、および/またはマウス腸の放射線によるダメージからの回復を促進する、および/または放射線からの肺毒性を低減させるのに活性を有することと一致する。
【表5】
[この文献は図面を表示できません]
【0279】
実施例7
放射線生存に対するSW033291の効果の分析
この実施例は、全身照射を受けたマウスにおけるSW033291の効果の研究を示す。
【0280】
表7は、7Gy、9Gy、まらは11Gyが照射され、毎日、SW033291 5mg/kgをIPにて、10%エタノール、5%クレモフォールEL、85%D5Wのビヒクル中、7回用量に対して受け、またはビヒクルのみを受けた15週齢C57BL/6J雌マウスの研究の結果を示す。表は、連続する研究日でのマウス生存数を示す。この実験中のマウスコロニーの条件下では、致死的線量の11Gyを受けたマウスは、SW033291で処置された場合、ビヒクル対照を受けた場合に比べ、48時間長く生存し、対照マウスは全て第8日に死亡し;一方、SW033219処置マウスは全て第10日に死亡した。
【表6】
[この文献は図面を表示できません]
【0281】
表8は、ビヒクル対照または、10%エタノール、5%クレモフォールEL、85%D5Wのビヒクル中のSW033291 IPのいずれかで処置した、11Gyで処置したマウスの連続する研究日でのマウス生存数を示し、SW033291は、5mg/kgを毎日7日間、5mg/kgを毎日研究を通して、または5mg/kgを1日2回7日間のいずれかで投与した。また、これらの投与スケジュールのいずれでも、SW033291で処置したマウスは、ビヒクル対照を受けたマウスよりも平均1ー2日長く生存する。放射線の毒性効果に対する抵抗性を促進する際のSW033291の活性は、他の同様の毒性傷害、例えば、限定はされないが、シトキサン、フルダラビン、化学療法および免疫抑制療法に対する抵抗性を促進する際のSW033291および他の同様の15ーPGDH阻害剤まで拡大し得る。
【表7】
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【0282】
実施例8
部分肝切除後の肝臓再生に対するSW033291の効果の分析
この実施例は部分肝切除後のマウスにおける肝臓再生に対するSW033291の効果を評価する研究を示す。
【0283】
図51はマウス肝臓の解剖およびMitchell et al., Nature Protocols, 3, 1167ー1170 (2008)において記載される部分肝切除手順の図を示し、この場合、中葉および左側葉が切除され、その後、肝臓再生が残りの右葉および尾状葉の肥大により観察される。総切除はマウス肝臓質量のおよそ70%である。これらの研究ではマウスは、二酸化炭素吸入を用いて安楽死させた。マウスの身体を、その全体として秤量した。肝臓をマウスから除去し;外科的切除に由来する壊死性残遺物を整え;再生した肝臓を秤量した。
【0284】
図52(AーD)は、マウス肝臓の解剖観察を示す。左側の写真は、手術前観察であり、右側の写真は切除後観察である。上2つの写真は、肝臓の前側観察を示し、左側は、中葉および側葉の一部を表示する。下の2つの写真は、肝臓の下側の観察を示し、左側は側葉を表示する。部分肝切除手順では、中葉および側葉は右側に図示されるように切除される。
【0285】
左側の図53(AーD)はマウス肝臓の肝切除直後観察の写真を繰り返し、上には前側観察が、下には下側観察が示される。右上の図は手術後第(POD)10日での、再生した肝臓のインサイチュー観察を示し、残遺右葉および尾状葉の肥大が示される。右下の写真は、マウス身体から除去した後の再生肝臓の前側観察を示す。右上肝臓縁の白っぽい領域は、切除由来の壊死性断端であり、秤量前に整える。
【0286】
第1の研究を毎日、10%エタノール、5%クレモフォールEL、85%D5Wのビヒクル中のSW033291を5mg/kgでIPにて、対ビヒクルのみを受けた10週齢雄C57BL/6Jマウスで実施し、毎日、各時間点で屠殺した5匹の対照および5匹のSW033291レシピエントマウスを用いて、肝臓再生について評価した。この研究では、ケタミン麻酔を使用した。
【0287】
図54(AーB)は、手術後第3日(POD3)での、SW033291処置マウス対対照マウスにおける、ヘマトキシリンおよびエオシン染色肝臓の顕微鏡写真を示し、有糸分裂像が左側のSW033291処置マウス肝臓では黄色の矢印により、右側の対照マウス肝臓では緑色の矢印により示される。
【0288】
図55は、手術後2〜5日(2Dー5D)でのSW033291処置対対照マウスの肝臓における強拡大視野あたりの有糸分裂の数のグラフを示す。有糸分裂像を5個の肝臓/SW033291または対照マウス/日の各々由来の10個の強拡大視野(40X)でカウントした。SW033291処置マウスは、第3および4日に、対照に比べ、著しく増加した肝臓有糸分裂を証明した。
【0289】
表9は、手術後2〜5日(2Dー5D)での、対照対SW033291処置マウスの肝臓においてカウントしたランダムな強拡大視野あたりの有糸分裂の数を示す。SW033291処置マウスは、手術後、第3および4日に、有糸分裂肝細胞の著しく増加した数を示す。
【表8】
[この文献は図面を表示できません]
【0290】
図56は対照対、5mg/kgのSW033291がIPにて毎日(qd)手術後第0日から開始して、期間中ずっと継続して注射された、SW033291処置C57Bl/6jマウスにおける部分肝切除後に得られる肝臓対体重比を示す。グラフは手術後第2ー7日(POD2ー7)の値を表示する。マウスのSW033291 qd注射群は、手術後第4ー7日から、より高い肝臓対体重比を達成し、増加は手術後第4日および第7日に統計的に有意である。
【0291】
追加のマウス群はSW0332915mg/kgを1日2回(bid)受け、手術後第3日に分析し、データをPOD3bとしてグラフ化した。このマウス群もまた、対照マウスに比べ、肝臓対体重比の統計的に有意な増加を示した。
【0292】
5mg/kgをIPにて1日2回(bid)与えられるSW033291の、C57BL/6Jマウスにおける肝臓再生に対する効果を試験する別の研究を実施した。研究の各時間点の分析のために、10匹のマウスを対照で、10匹のマウスを薬物処置群で使用した。研究はまた、毎日、10%エタノール、5%クレモフォールEL、85%D5Wのビヒクル中のSW033291を5mg/kgでIPにて、対ビヒクルのみを受けた10週齢雄マウスを使用し、10匹の薬物処置および10匹の対照マウスを毎日、比較のために屠殺した。この研究ではケタミン麻酔を使用した。
【0293】
図57は、対照対、5mg/kgのSW033291がIPで1日2回(bid)、手術後1時間に開始して、期間中ずっと継続して注射された、SW033291処置C57BL/6Jマウスにおいて、部分肝切除後に得られた肝臓対体重比のグラフを示す。グラフは、手術後第2ー7日(POD2ー7)の値を表示する。マウスのSW033291 bid注射群は、手術後第3、4、および7日に、対照マウスに対し、統計的に有意なより高い肝臓対体重比を示す。
【0294】
図58は、対照マウス対sw033291 5mg/kgでIPにて1日2回処置したマウスにおける、部分肝切除後に得られた肝臓対体重比のグラフを繰り返す。ブルーボックス内に含まれるデータでは、薬物は手術後1時間に開始し、肝臓対体重比の著しい増加が手術後第(POD)3日からずっと、薬物処置マウスにおいて見られる。レッドボックス内に含まれるデータでは、sw033291の最初の用量が手術前1時間に開始して送達され、肝臓対体重比の著しい増加が、早くも手術後第1日、手術の次の日に見られる。
【0295】
図59(AーB)は、1匹の対照マウス対、sw033291で5mg/kg IPにて1日2回(bid)処置した1匹のマウスにおける、部分肝切除後の血清ALTレベルのグラフを示す。手術後第1日の値を左側で比較し、手術後第2ー7日の値を右側で比較する。ALT値は薬物処置マウスでより低い。
【0296】
図60は、1匹の対照マウス対、SW033291で5mg/kg IPにて1日2回(bid)、手術後第(POD)1ー7日に処置した1匹のマウスにおける、部分肝切除後の血清ビリルビンレベルのグラフを示す。
【0297】
別の研究では、SW033291を、SW033291 5mg/kgがIPにて1日2回(bid)投与され、10%エタノール、5%クレモフォールEL、85%D5Wのビヒクル中で投与されたFVBマウス系統を使用する部分肝切除モデルにおいて、手術後第(POD)1ー7日の各時間点での分析のために、5匹の処置マウス対、ビヒクルのみで処置した5匹の対照マウスを用いて試験した。この研究ではケタミン麻酔を使用した。
【0298】
図61は、5mg/kg IP SW033291で処置したFVBマウス対ビヒクルのみで処置した対照マウスにおいて、部分肝切除後に得られた肝臓対体重比のグラフを示す。SW033291処置マウスは、手術後第2ー7日に肝臓対体重比の増加を示し、増加はPOD、2,3、4および7で統計的に有意である。
【0299】
別の研究では、SW033291を、SW033291 5mg/kg IPを1日2回(bid)、手術前1時間に開始して投与したFVBマウス系統を使用する部分肝切除モデルにおいて試験した。10週齢雄マウスを使用し、10匹の処置マウスおよび10匹の対照マウスを手術後第(POD)1ー7日の各時間点での分析のために使用した。この研究ではイソフルラン麻酔を使用した。ビヒクル処置15ーPGDHノックアウト(KO)マウスもまた、追加の比較体として使用した。
【0300】
図62は手術後第2、3、4および7日に肝臓再生の分析のために使用されるFVBマウスの手術前体重を表すグラフを示す。各々の日に使用されるSW033291および対照処置マウスは、よく一致している。
【0301】
図63は、SW033291またはビヒクル対照のいずれかで処置し、手術後第(POD)2、3、4、および7日に肝臓再生に対してアッセイされたマウスから切除した肝臓セグメントの重量(切除したLWt)を表すグラフを示す。切除した肝臓の重量は、第7日を除く各々の日に、対照および薬物処置マウス間で、よく一致し、第7日には、切除した肝臓の重量が、対照マウスよりもSW033291処置マウスにおいて大きかった。
【0302】
図64は、手術後第2、3、4および7日(POD2、3、4、7)に、SW033291および対照マウスにおいて、部分肝切除後に得られた肝臓重量(再生した_LWt)を表すグラフを示す。SW033291処置マウスは全ての時間点で、対照マウスよりも著しく大きな肝臓重量を示し、SW033291処置マウスは、手術後第7日に、対照マウスよりもおよそ25%大きな肝臓重量を有する。
【0303】
図65は、SW033291および対照マウスにおいて、手術後第2、3、4および7日(POD2、3、4、7)に、部分肝切除後に得られた肝臓対体重比(LBWR)を表すグラフを示す。SW033291処置マウスは、全ての時間点で、対照マウスよりも著しく大きな肝臓対体重比を示し、SW033291処置マウスは、手術後第7日に、対照マウスよりもおよそ20%大きな肝臓対体重比を有する。
【0304】
図66は、1日2回、SW033291 5mg/kgまたはビヒクル対照で処置したFVBマウスの部分肝切除後の、手術後第4日での肝臓対体重比を比較する「箱ひげ」プロットを示し、各群10匹のマウスである。太線は母集団中央値を示す。上ボックスマージンは上四分位値の下境界を示す。下ボックスマージンは、下四分位値の上境界を示す。SW033291処置マウスは、P=0.004にて著しく増加した肝臓対体重比を示す。
【0305】
図67は、1日2回、SW033291 5mg/kgまたはビヒクル対照で処置したFVBマウスの部分肝切除後の、手術後第7日での肝臓対体重比を比較する「箱ひげ」プロットを示し、各群10匹のマウスである。太線は母集団中央値を示す。上ボックスマージンは上四分位値の下境界を示す。下ボックスマージンは、下四分位値の上境界を示す。SW033291処置マウスは、P=0.001にて著しく増加した肝臓対体重比を示す。
【0306】
図68は、1日2回、SW033291 5mg/kgまたはビヒクル対照で処置したFVBマウスの部分肝切除後の、手術後第4日での肝臓対体重比を比較する「箱ひげ」プロットを示し、各群10匹のマウスである。ビヒクルのみで処置した15ーPGDHノックアウトマウス(PGDHーKO)の、手術後第4日での肝臓対体重比もまた、示す。太線は母集団中央値を示す。上ボックスマージンは上四分位値の下境界を示す。下ボックスマージンは、下四分位値の上境界を示す。SW033291処置マウスは、P=0.001にて著しく増加した肝臓対体重比を示す。15ーPGDHノックアウトマウスもまた、ビヒクル処置15ーPGDH野生型マウスよりも大きな肝臓対体重比を示し、SW033291の肝臓再生活性が、15ーPGDHの阻害により媒介されることを支持する。15ーPGDH遺伝子ノックアウトのより大きな効果は、SW033291の効果のさらなる増加は、投与スケジュールおよび送達の追加の改変により達成することができることを示唆する。
【0307】
図69はSW033291処置およびビヒクル処置対照マウスの肝臓における、手術後第2日での、部分肝切除後のS期細胞の可視化を示す。マウスにBrdUを50mg/kgでIPにて、屠殺2時間前に注射し、その後、肝臓をDNAに組み込まれたBrdUを検出する抗体で染色することにより、S期細胞を可視化した。10X倍率での代表的な視野はSW033291処置肝臓におけるBrdU陽性細胞の数の明確な増加を示す。
【0308】
図70図69の研究からの代表的な視野の強拡大(40X)観察を示す。
【0309】
図71は、部分肝切除後の、手術後第2日での、SW033291処置対ビヒクル対照処置マウスの肝臓におけるBrdU陽性細胞のパーセントを比較する「箱ひげ」プロットを示す。10匹の薬物処置マウスの各々および10匹の対照ビヒクル処置マウスの各々由来の10個の視野としてカウントした、100のランダム強拡大視野(40X倍率)からのパーセントBrdU陽性細胞を、各群においてプロットする。黒い太線は各分布の中央値を示す。上ボックスマージンは上四分位値の下境界を示す。下ボックスマージンは、下四分位値の上境界を示す。SW033291は、手術後第2日にS期細胞中央値の、2倍を超える増加を示す(P<0.05)。
【0310】
実施例9
アセトアミノフェン(タイレノール)過剰投与後の生存に対するSW033291の効果の分析
この実施例は、致死量の肝臓毒素アセトアミノフェン(タイレノール)に対する抵抗性の媒介におけるSW033291の効果を示すデータを提供する。
【0311】
研究では、11週齢雌C57BL/6Jマウスに、600mg/kgのLD50用量で投与される、アセトアミノフェンを含むリン酸緩衝生理食塩水の懸濁液をIP注射する。
【0312】
表10は、すべて、600mg/kgのLD50用量でIP投与される、アセトアミノフェン(タイレノール)を含むリン酸緩衝生理食塩水で処置した、6匹のマウスの最初のコホートからのマウス生存数の表にまとめた概要を提供する。
【表9】
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【0313】
試験マウスはさらに、10%エタノール、5%クレモフォールEL、85%D5Wのビヒクル中のSW033291 5mg/kgでIPにて、アセトアミノフェン直後に開始し、1日1回、または1日2回で継続して処置する。対照マウスはさらに、ビヒクルのみで1日1回または1日2回処置する。生存を、アセトアミノフェンの投与の0時間点から、その後の120時間を通して記録する。SW033291処置および対照マウスの生存間では違いは顕著でない。
【0314】
表11は、すべて、600mg/kgのLD50用量でIP投与される、アセトアミノフェン(タイレノール)を含むリン酸緩衝生理食塩水で処置した12匹の11週齢C57BL/6J雌マウスの最初のコホートからのマウス生存数の概要を示す。マウスはさらに、SW033291またはビヒクル対照のいずれかで処置する。
【表10】
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【0315】
SW033291 5mg/kgを、10%エタノール、5%クレモフォールEL、85%D5Wのビヒクル中で1日2回(bid)、アセトアミノフェン注射前48時間に開始し、アセトアミノフェン注射後48時間継続して、合計9用量に対してIP投与した。アセトアミノフェン注射後120時間で、12匹のマウスのうち10匹が、SW033291処置コホートで生存し、対して、ビヒクル対照処置コホートでは、12匹のマウスのうち5匹が生存し、片側フィッシャー直接確率法ではP=0.045である。よって、SW033291の前投与はアセトアミノフェンの致死的肝毒性から保護する。
【0316】
表12は600mg/kgのLD50用量でIP投与される、アセトアミノフェン(タイレノール)を含むリン酸緩衝生理食塩水で処置した6匹の11週齢C57BL/6J雌マウスの最初のコホートからのマウス生存数の概要を示す。
【表11】
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【0317】
マウスをさらに、SW033291またはビヒクル対照のいずれかで処置する。SW033291 5mg/kgを、10%エタノール、5%クレモフォールEL、85%D5Wのビヒクル中で1日2回(bid)、アセトアミノフェン注射前3時間に開始して、アセトアミノフェン注射後0〜48時間継続して、合計6用量に対してIP投与した。アセトアミノフェン注射後120時間で、SW033291処置コホートでは6匹のマウスのうち3匹が生存し、対して、ビヒクル対照処置コホートでは、6匹のマウスのうち2匹が生存した。
【0318】
表13は、600mg/kgのLD50用量でIP投与される、アセトアミノフェン(タイレノール)を含むリン酸緩衝生理食塩水で処置した、7匹のC57BL/6J 25週齢雌15ーPGDH野生型(WT)または7匹のC57BL/6J 25週齢雌15ーPGDHノックアウト(KO)マウスの最初のコホートからのマウス生存数の概要を示す。
【表12】
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【0319】
アセトアミノフェン注射後120時間で、7匹のノックアウトマウスのうち6匹が生存し、対して、7匹の野生型マウスのうち3匹が生存した。15ーPGDHノックアウトマウスの生存の増加は、SW033291の生存利益が、15ーPGDHの阻害に媒介されることと一致する。
【0320】
実施例10
デクスタン(dextan)硫酸ナトリウム(DSS)誘導大腸炎に対するSW033291の効果の分析
この実施例は、デキストラン硫酸ナトリウム(DSS)処置マウスにおける大腸炎の誘導の防止に対するSW033291の効果の研究からのデータを提供する。研究では、8ー12週齢FVB雄マウスに、2%DSSを含む飲料水を第1ー7日間与え、その後、第8日に開始して正常飲料水に切り換え、第22日まで継続した。マウスを1日2回、125μg/200μlの、10%エタノール、5%クレモフォールEL、85%D5Wのビヒクル中のSW033291 5mg/kgでIPにて、対してビヒクルのみで処置する。臨床スコアリング(体重、直腸出血、便の硬さ)を毎日記録し、内視鏡スコアリング(潰瘍数、粘膜肥厚、および血管パターン)を、第8、11、15日に評価する。マウスを、第1、8、15および22日に、結腸長、結腸重量、潰瘍数、潰瘍面積、および陰窩ダメージの評価のために屠殺する。
【0321】
表14は、研究で使用される、24匹のSW033291処置マウスおよび24匹の対照群マウスの齢および体重のベースライン特性の概要を示す。比較群として使用される4匹のFVB雄15ーPGDHノックアウト(KO)マウスのベースライン特性もまた、提供される。
【表13】
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【0322】
図72は、研究の22日にわたる、対照対SW033291処置マウスのコホートのベースライン重量からの平均変化のグラフを示す。SW033291処置マウスは、全ての時間点でより大きな体重を示し、特に、DSSの洗い流し後に、対照マウスよりもより速い体重増加を示す、P=0.001。
【0323】
図73は、研究の22日にわたる、対照対SW033291処置マウスのコホートの毎日の疾患活性指数(DAI)のグラフを示す。疾患活性指数は、ベースライン重量からの変化、便の硬さ、および直腸出血の存在の均等加重平均として計算され、各成分は同一の数値範囲に及ぶように正規化される。SW033291処置マウスは、研究の各々の日に、対照よりも低い疾患活性指数を示す、P<0.001。
【0324】
図74は、脾弯曲部までの左結腸の大腸内視鏡検査を、生存マウスで、第8、11および15日に、イソフルラン麻酔下で実施した、研究設計を示す。加えて、全結腸の死後大腸内視鏡検査を、2匹のSW033291処置および2匹の対照処置マウスに対し、第15日に実施し、所見により、DSSに誘導された潰瘍形成は、脾弯曲部より遠位の下行結腸に主に限定されることが確認された。
【0325】
図75(AーB)は左下に粘膜血管パターンの損失および肉眼的潰瘍形成を示すDSS処置対照マウスの大腸内視鏡検査中に可視化された結腸を示す。右下には、SW033291を摂取したDSS処置マウスの大腸内視鏡所見が示され、小さな潰瘍のみが存在し、それ以外では正常粘膜血管パターンが維持される。上のグラフは、第8、11、および15日に、対照対SW033291処置マウスにおいて存在する潰瘍数を示す。SW033291処置は3分の2の潰瘍形成を防止する。15ーPGDHノックアウトマウスの追加の研究は、15ーPGDH遺伝子ノックアウトは95%の結腸潰瘍形成を防止することを示す。これらの所見は、SW033291の大腸炎防止活性は、その15ーPGDH阻害剤としての活性を介して媒介されることを支持し、薬物投与および送達のさらなる改変は、追加の大腸炎防止を提供し得ることを示唆する。
【0326】
図76は、マウスのホルマリン固定結腸の全長をパラフィンブロックに包埋し、その後、潰瘍粘膜の可視化および測定のための全結腸長に沿ったランダム5μm切片の顕微鏡検査により決定される、DSS処置マウスの第15日での潰瘍負荷の定量を示す。グラフは、潰瘍粘膜の平均長は対照マウス(N=9マウス)では4.48mm/結腸切片であり、SW033291(薬物)処置マウス(N=6マウス)では1.74mmの長さ/結腸切片に61%だけ低減することを示す、P=0.045。また、15ーPGDH遺伝子ノックアウト(KO)は、結腸潰瘍形成を防止するのに非常に有効であり、SW033291の治療効果が、15ーPGDHの阻害により媒介されることが支持される。
【0327】
図77(AーB)は、大腸炎重症度のマウス内視鏡指数(MEICS)(Becker C. et al. Gut 2005; 54: 950ー954)による、マウス結腸粘膜のスコアリングの例を示す。上の(A)では、SW033291を摂取したDSS処置マウスに対する大腸内視鏡所見およびMEICSスコアリングが示される。下の(B)では、ビヒクルのみを摂取したDSS処置マウスの大腸内視鏡所見およびMEICSスコアリングが示される。
【0328】
図78は、SW033291(処置)対ビヒクル(対照)を摂取したDSS処置マウスに対するMEICSスコアのグラフを示す。MEICSスコアは、研究の第8、11および15日に、SW033291処置マウスにおいて著しく低い大腸炎活性を示す。
【0329】
肉眼的目視検査およびMEICS指数による大腸炎活性のスコアリングに加えて、マウスの全長結腸をホルマリン固定して、パラフィン包埋し、陰窩ダメージの顕微鏡スコアリングをCooper HS. Et al., Lab Invest. 1993;69:238ー249の0ー4重症度スケールを用いて実施した。この分析のために、結腸を近位、中央、および遠位結腸、各々およそ1.6cmの長さの3つのセグメントに分割し、各セグメントをさらに各々およそ4mmの長さの4つの切片に分割した。各切片に対し、陰窩ダメージ重症度スコアに、ダメージ領域のmmで表した長さをかけ、0ー16陰窩炎重症度指数を生成させた。平均陰窩炎重症度指数を、各セグメント(近位、中央、および遠位結腸)に対し計算し、合計した全結腸陰窩炎重症度指数を、0ー48のスケールに基づき、各マウス結腸に対して決定した。視覚的MEICSスコアと並行して、DSSプロトコルの第8日での顕微鏡的陰窩炎重症度指数は、SW033291処置マウス(3.16の値)に比べ、対照マウス(9.49の値)において著しく大きかった、P<0.05(データは記載するが、図には示さない)。
【0330】
図79はDSS処置マウスの結腸粘膜における、DNA合成の維持に対するSW033291の効果の評価を示す。マウスに、BrdUを100mg/kgでIPにて、屠殺3時間前に注射し、その後、全長結腸をホルマリン固定し、パラフィンに包埋させた。BrdUをDNAに組み入れたS期細胞を、5μmの厚さの切片のBrdUを検出する抗体を用いた免疫蛍光染色により可視化させた。結腸陰窩を、上皮マーカーEーカドヘリンに対する抗体を用いた免疫蛍光染色により可視化させた。写真挿入図は、DSSプロトコルの第8日での、対照マウス、SW033291処置マウス(処置)および15ーPGDHノックアウトマウス(KO)由来の中央結腸から取った強拡大視野の顕微鏡写真を示す。赤色免疫蛍光は、BrdU陽性核を同定し、緑色免疫蛍光はEーカドヘリン陽性結腸細胞を同定する。BrdU陽性細胞の数/陰窩は、二重標識赤色および緑色細胞の数/平均陰窩をカウントすることにより決定する。S期にない緑色のみの細胞はカウントせず、おそらく陰窩の外のストロマ細胞である赤色のみの細胞もまたカウントしない。示される顕微鏡写真では、陰窩は、対照およびSW033291処置マウスでは垂直に配向するものとして表示され、陰窩は、15ーPGDHノックアウトマウスでは水平に配向するものとして表示される。写真では、S期細胞の数は対照マウスで最も少なく、SW033291処置マウスで増加し、ノックアウトマウスでさらに増加する。図示される特定の写真では、対照マウス由来の陰窩はどちらもS期細胞を欠如しており、また、視覚的に高さが減少しており;一方、陰窩高さは、SW033291処置マウスから示された陰窩では増加し、陰窩高さは、15ーPGDHノックアウトマウスから示される陰窩では、さらに増加する。グラフは、DSS処置プロトコルの第1日、第8日、および第15日での、対照(Cn)、SW033219処置(Tx)、および15ーPGDHノックアウトマウス(KO)の、遠位結腸におけるBrdU陽性細胞の平均数/陰窩+中央結腸におけるBrdU陽性細胞の平均数/陰窩の合計を示す。第8日では、SW033291処置マウスは、対照マウスよりも5.7倍大きなBrdU陽性細胞数を証明し、対照マウスはBrdU陽性細胞/陰窩の第1日の値の85%を損失した。15ーPGDHノックアウトマウスは、第8日で、陰窩中のBrdU陽性細胞の損失を示さず、SW033291の保護効果が15ーPGDHの阻害により媒介されることと一致する。
【0331】
表15は、SW033291処置マウス、対ビヒクル処置対照マウス、対15ーPGDHノックアウト(KO)マウスにおける、第8、15および22日に屠殺されたDSS処置マウスにおける結腸長(cmで表す)の概要を示し、ここで、結腸の短縮は疾患活性の測定値である。
【表14】
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【0332】
ビヒクル処置対照マウスは、第22日にSW033291処置マウスに対して著しく大きな結腸短縮を示す、P=0.012。この比較をまた、図80でグラフにより示す。
【0333】
表16は、SW033291またはビヒクル対照を摂取したDSS処置マウスに対する、屠殺日でのマウス体重(gm)および結腸長(cm)の概要を示す。
【表15】
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【0334】
第22日に、SW033291処置マウスは、より大きな体重およびより大きな結腸長を示し、DSS誘導大腸炎に対する保護におけるSW033291の治療効果を示す。
【0335】
実施例11:リード化合物SW054384、15ーPGDH活性化剤の類似体の分析
この実施例は、SW054384の一群の構造類似体に関するデータを提供する。表17上のデータは、Cincinnati大学と共有される化学ライブラリからCase Western Reserve大学により得られた類似体を特徴付ける。表18のデータは商業的供給源から注文した類似体である。表19のデータは、化合物ライブラリーに保持された、または発明者らのグループのメンバーにより、Texas SouthWestern大学で合成された類似体である。
【表16】
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【表17】
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【表18】
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【0336】
提供したデータは、レポーターを含むように操作され、2.5μΜまたは7.5μΜのいずれかの化合物で処理された、3つの結腸癌細胞系、V9m、V503、およびLS174Tにおける、基礎レベルに対するルシフェラーゼ活性の%誘導として記録される、15ーPGDHールシフェラーゼ融合遺伝子レポーターの誘導のレベルを含む。いくつかの化合物に対し、2.5μΜまたは7.5μΜの化合物で処理された組換え15ーPGDHタンパク質の酵素活性の阻害もまた、記録される。いくつかの化合物に対し、インビトロアッセイにおいて組換え15ーPGDHの酵素活性を阻害するための各化合物のIC50もまた、記録される。加えて、選択された化合物では、ILー1βで刺激された、化合物処理A549細胞の培地では、PGE2レベルの減少が記録される。加えて、選択された化合物では、CellTiterーGloアッセイにより測定されたA549細胞生存率に対する効果、およびA549細胞コロニー形成に対する化合物の効果が記録される。
【0337】
我々は最初に、SW054384におけるペプチド結合に関与するアミノ基は、化合物MCDー03ー025において図示されるように修飾することができること、誘導化合物はレポーター細胞系において15ーPGDHールシフェラーゼレポーターの発現を活性化する能力を保持し、実際、親化合物SW054384よりも、試験管において、2μΜでは組換え15ーPGDHのより低い阻害を示すことに注目した。
【0338】
我々はまた、SW054384のフェニル環へのフッ素(SW203736)または臭素(SW203737)の付加は、良好な耐容性を示し、細胞系において15ーPGDHールシフェラーゼレポーター活性を誘導するのに活性である化合物が得られ、2.5μΜでは組換え15ーPGDHを最小に阻害するという点で、親SW054383に比べ、同様であり、もしくは改善され、ならびに、ILー1βで刺激された、化合物処理A549細胞の培地では、PGE2レベルを減少させるという点で、親SW054384に対し同様であり、もしくは改善されることに注目した。SW054384のフェニル環はまた、メトキシ基(SW202940)の付加に耐用性を示し、これにより、細胞系において15ーPGDHールシフェラーゼレポーター活性を誘導するのに活性であり、2.5μΜでは組換え15ーPGDHを阻害しないという点で親SW054384と同様である化合物が得られる。
【0339】
我々はまた、SW054384ペプチド結合中の窒素を(アリール)ーNHー基から環状アミンに変換した、SW125991とも呼ばれる化合物SW125591の有利な特性に注目した。この化合物は15ーPGDHールシフェラーゼレポーターアッセイの誘導において活性を保持する。これは、高い化合物濃度で、リード酵素活性化剤SW054384よりも低い15ーPGDHの阻害を示す。SW125991はIL1ーβ刺激A549細胞において、PGE2レベルを低減させるのにSW054384と同様の活性を示す。SW125991は、24時間で実施したCellTiterーGloアッセイに対する効果により評価すると毒性を示さない。その上、SW125991は代謝安定性において、著しい改善を示す。
【0340】
我々はまた化合物SW207997、SW207998、およびSW207998の有利な特性に注目した。これらの3つの化合物は、SW125991のように、全て、SW054384ペプチド結合中の窒素を(アリール)ーNHー基から環状アミンに変換している。加えて、SW207997、SW207998、およびSW207998は全て、SW054384中のフェニル環にメトキシ基を付加している。SW207997、SW207998、およびSW207998は全て、15ーPGDHールシフェラーゼ遺伝子融合レポーターコンストラクトを誘導するのに、SW054384と同じ、またはいくつかのアッセイでは、これより大きな活性を示し、全て、2.5μΜおよび7.5μΜで、SW054384よりもずっと小さな15ーPGDHの酵素活性阻害を示す。
【0341】
実施例12
下記実施例は、SW054384およびその類似体の合成を説明し、ならびに構造の質量分析NMR確認を提供する。
一般手順1:
【化61】
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手順
【0342】
(ヘテロ)アリールアミンを、DMF/ジオキサンの1:1混合物に溶解し(アミンに基づき1.215M)、0℃まで冷却した。ブロモアセチルブロミド(1.26equiv)を一滴ずつ添加し、室温まで一晩温めさせた。ジオキサンおよび過剰の酸臭化物を減圧下で除去し、2,5ージメトキシアニリン(3.5equiv)を添加した。粗材料を、120℃まで3時間加熱した。反応物を室温まで冷却し、EtOAcで希釈し、セライトに通して濾過した。濾液を水(3×)、重炭酸ナトリウム、およびブラインで洗浄した。有機相を、MgSO4で乾燥させ、濃縮して、粗アミド(1)を得た。生成物を、フラッシュクロマトグラフィーによりさらに精製して、純粋Nーアリールグリシンアミド1を得た。
【0343】
Nーアリールグリシンアミド(1)を、CHCl(1M)に溶解した。ピリジン(4.9equiv)およびスルホニルクロリド(2)を添加し(1.3equiv)、反応物を一晩撹拌した。溶液をEtOAcで希釈し、水(3×)およびブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗スルホンアミド3を得た。生成物をフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。
一般手順2:
【化62】
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手順
【0344】
アニリン4(1equiv)を、CHClに溶解した(4に基づいて1M)。DMAP(0.3equiv)およびピリジン(4.9equiv)を添加し、続いてスルホニルクロリド2(1equiv)を添加した。反応物を36時間撹拌し、CHClで希釈し、水、HCl(1M)、重炭酸ナトリウム、およびブラインで洗浄した。有機層をMgSO4上で乾燥させ、溶媒を減圧下で除去して、5を得た。
【0345】
精製なしで、二級スルホンアミド5(1equiv)を、DMF(0.1M)およびブロモ酢酸エチル(4equiv)の溶液に溶解した。この溶液を、水素化ナトリウムに0℃で一滴ずつ添加した。バブリングを中止した後、反応物を室温まで温め、一晩撹拌させた。12ー18時間後、水を添加し、水相をCHClで3回抽出した。有機抽出物を合わせ、再び水で、続いてブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、減圧下で濃縮して、油を得た。ヘキサンの添加により、粗生成物の沈殿が得られ、これを濾過により単離し、精製なしで使用した。
【0346】
エステル6を、3:3:1比のMeOH:THF:水に溶解した。水酸化リチウムを添加し、反応物を完了するまで撹拌した(1ー3hr)。反応を減圧下で濃縮し、その後、CHClで希釈した。酸(7)を飽和重炭酸ナトリウム中に抽出した。水層を1M HCl(pH約5)で中和し、CHClで抽出して7を得、これを精製なしで使用した。
【0347】
一般手順2A
酸7(1equiv)を、EtOAc(2vol)に溶解した。ピリジン(1vol)および二級アミン(1.1equiv)を添加し、続いてT3P(2equiv、50%EtOAc溶液)を添加し、反応物を一晩撹拌した。反応を、HCl(0.5M、3vol)で停止させ、混合物をEtOAcで希釈し、水、重炭酸塩、およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。化合物8Aをフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。
【0348】
一般手順2B
一級アミン(1equiv)、DMAP(0.3equiv)およびEDCI(1.3equiv)を、酸7(1equiv)を含むCHCl(0.5M)の溶液に添加した。反応バイアルを窒素でパージし、12ー24h撹拌した。反応混合物をCHClで希釈し、ブライン、水、HCl(1M)、重炭酸ナトリウムおよび再びブラインで洗浄した。有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、8Bを得た。必要なら、化合物をフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。
【0349】
一般手順2C:
アルコール(4equiv)、DMAP(0.3equiv)およびEDCI(1.1equiv)を、酸7(1equiv)を含むCHCl(0.5M)の溶液に0℃にて添加した。5分後、反応物を室温まで温め、完了するまで撹拌した。反応混合物をCHClで希釈し、ブライン、HCl(1M)、および水で洗浄した。有機相を、MgSO4で乾燥させ、濃縮して、純粋エステル8Cを得た。
一般手順3
【化63】
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【0350】
手順:ピリジン(1.1equiv)を二級アミン9を含むTHF(0.5M)の溶液に添加し、反応混合物を0℃まで冷却した。ブロモアセチルブロミド(1equiv)をその後、一滴ずつ添加し、反応物を室温まで温めた。反応物を2時間、この温度で撹拌し、その後、EtOAcで希釈し、水で洗浄した。有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、ブロモアセトアミド10を得、これをシリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。
【0351】
一般手順3A:アミド10を含むDMF(0.075M)の溶液を、スルホンアミド12(1.5equiv;手順2におけるスルホンアミド5と同一の合成)、炭酸カリウム(2equiv)、およびDMF(0.075M)の溶液に添加した。反応物を一晩撹拌し、その後、EtOAcで希釈し、水およびブラインで洗浄した。EtOAcを減圧下で除去して、粗12を得、これをシリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。
【0352】
一般手順3B:アミド10を含むDMF(0.075M)の溶液をアニリン、炭酸カリウム(2equiv)、およびDMF(0.075M)の溶液に添加した。反応物を一晩撹拌し、その後EtOAcで希釈し、水およびブラインで洗浄し、アミド粗11を得、これを精製なしで使用した。
【0353】
DMAP(0.3equiv)、ピリジン(4.9equiv)およびその後、スルホニルクロリド(1equiv)を、アミド11を含むCHCl(1M)の溶液に添加した。反応物を12ー24時間撹拌し、CHClで希釈し、水、HCl(1M)、重炭酸ナトリウム、およびブラインで洗浄した。有機層をMgSO4上で乾燥させ、化合物を減圧下で濃縮して、スルホンアミド12を得、これをフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。
【0354】
実施例13:リード化合物SW054384、15ーPGDH活性化剤の選択した類似体の特性
この実施例はSW054384の選択した類似体の特性に関するデータを提供する。
【0355】
図81はSW054384の選択した類似体の構造を示す。
【0356】
図82(AーC)は、3つの異なる試験細胞系バックラウンド、V9m、LS174T、およびV503において、15ーPGDHールシフェラーゼ融合レポーターを誘導する際の活性レベルを表すグラフを示す。各化合物を2つの濃度、2.5μΜ、および7.5μΜで試験した。Y軸はルシフェラーゼ活性である。15ーPGDHールシフェラーゼレポーターを誘導するのに活性な化合物としては、SW20370、SW203704、SW125991、SW203736、SW203737が挙げられる。
【0357】
図83は、2.5μΜおよび7.5μΜの高い濃度で試験した時の、組換えl5ーPGDHの酵素活性を阻害する際の試験化合物の活性を示す。SW125991およびSW203736は、高い濃度で、リード15ーPGDH活性化剤、SW054384よりも低い阻害活性を示す。これらの濃度のSW203737は、SW054384と同様の、組換え15ーPGDHに対する阻害活性を示す。
【0358】
図84(AーC)は、左側(84A)で、IL1ーβによる処置によりPGE2を産生するように刺激された、A549細胞の培地においてPGE2レベルを低下させる際の活性を示す。SW054384、SW203703、SW125991、SW203736、およびSW203737を含む、試験した化合物は全て、PGE2を低下させるのに活性を示し、15ーPGDH活性のインデューサーとしてのそれらのインビボでの作用と一致する。図84Bは、右側で、試験した化合物のいずれも、処置の24時間でのCellTitreーGloアッセイレベルにより評価される、A549細胞に対する毒性を証明しないことを示す。図84Cは、下に、右上のCellTitreーGloデータのグラフ表示と同じ順で左から右へ整理された、CellTitreーGloアッセイで試験したA549細胞の写真を示す。
【0359】
図85は、マウス肝臓S9ミクロソームとのインキュベーションによる、SW054384の代謝安定性の測定を示す。測定された半減期は21.72分である。SW054384(2mM DMSO溶液)をマウスS9(Lot KWB)画分および第I相(NADPH再生系)補因子と0ー240分インキュベートした。反応を1mL(1:1)のMeOH/(+)IS/0.2%ギ酸で停止させ、15秒間ボルテックスし、RTで10分インキュベートし、5分間2400rpmで回転させた。上清(1mL)をその後、エッペンドルフチューブに移し、卓上で回転させ、5分間、13.2Krpmで冷却遠心分離した。上清(800μL)をHPLCバイアル(インサートなし)に移し、HPLC/MSにより分析した。A:dHO+0.1%FA B:MeOH+0.1%FA
【0360】
図86は、マウス肝臓S9ミクロソームとのインキュベーションによる、SW125991の代謝安定性の測定を示す。測定された半減期は、204分である。SW125991(2mM DMSO溶液)をマウスS9(Lot KWB)画分および第I相(NADPH再生系)補因子と0ー240分インキュベートした。反応を、1mL(1:1)の、0.2%ギ酸を含むメタノールおよび100ng/ml IS(IS最終濃度=50ng/ml)で停止させた。試料を15秒間ボルテックスし、RTで10分インキュベートし、5分間2400rpmで回転させた。上清(1mL)をその後、エッペンドルフチューブに移し、卓上で回転させ、5分間、13.2Krpmで冷却遠心分離した。上清(800μL)をHPLCバイアル(インサートなし)に移した。Qtrap3200質量分析計により分析した。
【0361】
図87は、SW054384の追加の類似体の構造を示す。
【0362】
図88ー90は、3つの異なる試験細胞系バックラウンド、V9m、LS174T、およびV503において、15ーPGDHールシフェラーゼ融合レポーターを誘導する際の活性のレベル表すグラフを示す。各化合物を2つの濃度、2.5μΜ、および7.5μΜで試験した。Y軸はルシフェラーゼ活性である。15ーPGDHールシフェラーゼレポーターを誘導するのに活性な化合物としては、(限定はされないが)下記が挙げられる:SW207997、SW207998、およびSW207999。
【0363】
図91は、2.5μΜおよび7.5μΜの高い濃度で試験した時の、15ーPGDHの酵素活性を阻害する際の試験化合物の活性を示す。SW207997、SW207998、およびSW207999は、高い濃度で、リード15ーPGDH活性化剤、SW054384よりも低い阻害活性を示す。
【0364】
図92は、15ーPGDH活性化剤SW054383、SW125991、SW207997、SW207998、SW207999の構造を繰り返す。
【0365】
図93は、2.5μΜの各化合物で24時間処理し、インキュベーションの最後の16時間2.5ng/mlのIL1ーβを添加し、その後、収集し、24時間の時間点の培地中のPGE2濃度のアッセイを実施した、A549細胞の培地中でPGE2レベルを低下させる際のSW054383、SW125991、SW207997、SW207998、SW207999の活性のグラフ表示を示す。IL1ーβ刺激A549細胞における15ーPGDHを低下させる際の化合物の活性は、これらの化合物が細胞内15ーPGDHを活性化することと一致する。
【0366】
図94は、図93に対して説明した同じ実験設計で、IL1ーβで刺激したA549細胞の培地中のPGE2レベルに対する効果を測定するアッセイにおける、15ーPGDH活性化剤化合物の滴定曲線を示す。100nM濃度の薬物で、培地中のPGE2のレベルの最大低減は、細胞をSW207997またはSW207998で処理することにより達成され、続いて、SW125991である。SW054384およびSW207999は0.5μΜー1.0μΜの間の用量で、培地中、同等レベルのPGE2の低減を達成する。
【0367】
図95は、A549細胞、Vaco9M(V9m)細胞、LS174T細胞、およびVaco503(V503)細胞のコロニー形成に対する用量増加の効果を試験することによる、SW125991の毒性の評価を示す。コロニー形成活性の低減は7.5μΜまでの化合物の用量では見られない。
【0368】
図96は、A549細胞、Vaco9M(V9m)細胞、LS174T細胞、およびVaco503(V503)細胞のコロニー形成に対する用量増加の効果を試験することによる、SW207997の毒性の評価を示す。コロニー形成活性の低減は7.5μΜまでの化合物の用量では見られない。
【0369】
図97は、A549細胞、Vaco9M(V9m)細胞、LS174T細胞、およびVaco503(V503)細胞のコロニー形成に対する用量増加の効果を試験することによる、SW207998の毒性の評価を示す。コロニー形成活性の低減は7.5μΜまでの化合物の用量では見られない。
【0370】
図98は、A549細胞、Vaco9M(V9m)細胞、LS174T細胞、およびVaco503(V503)細胞のコロニー形成に対する用量増加の効果を試験することによる、SW207999の毒性の評価を示す。コロニー形成活性の低減は7.5μΜまでの化合物の用量では見られない。
【0371】
この発明について、その好ましい実施形態を参照して特定的に図示し、記載してきたが、その中で、形態および細部において様々な変更が添付の特許請求の範囲に包含される発明の範囲から逸脱せずに可能であることが当業者には理解されるであろう。前記明細書において引用される全ての特許、刊行物および参考文献は、本明細書で、その全体が参照により組み込まれる。

図1
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図2
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図3
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図4
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図5
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図6
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図7
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図8
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図9
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図10
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図11
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図12
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図13
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図14
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図15
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図16
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図20
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図21
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図22
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図23
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図24
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図25
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図26
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図27
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図28
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図29
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図30
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図31
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図32
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図33
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図34
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図35
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図36
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図37
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図38
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図39
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図40
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図41
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図42
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図43
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図44
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図45
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図46
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図47
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図50
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図55
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