特許第6203832号(P6203832)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6203832デバイスツーデバイス通信およびプロキシミティサービスのためにデバイス間の距離を決定するための方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6203832
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】デバイスツーデバイス通信およびプロキシミティサービスのためにデバイス間の距離を決定するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 64/00 20090101AFI20170914BHJP
   G01S 11/08 20060101ALI20170914BHJP
   H04W 92/18 20090101ALI20170914BHJP
【FI】
   H04W64/00 140
   G01S11/08
   H04W92/18
【請求項の数】38
【全頁数】40
(21)【出願番号】特願2015-514073(P2015-514073)
(86)(22)【出願日】2013年5月17日
(65)【公表番号】特表2015-525503(P2015-525503A)
(43)【公表日】2015年9月3日
(86)【国際出願番号】US2013041680
(87)【国際公開番号】WO2013176999
(87)【国際公開日】20131128
【審査請求日】2016年4月19日
(31)【優先権主張番号】61/650,951
(32)【優先日】2012年5月23日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/797,790
(32)【優先日】2013年3月12日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595020643
【氏名又は名称】クゥアルコム・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100194814
【弁理士】
【氏名又は名称】奥村 元宏
(72)【発明者】
【氏名】エッジ、スティーブン・ウィリアム
【審査官】 松野 吉宏
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/061251(WO,A1)
【文献】 特開2011−172113(JP,A)
【文献】 特表2010−504051(JP,A)
【文献】 国際公開第2005/122483(WO,A1)
【文献】 Kwan-Ho Kim(Korea Electrotechnology Research Institute(KERI)),Enhancement of Ranging & Positioning by Combining TOA & TDOA,IEEE 802.15-05/0461r0,米国,IEEE mentor,2005年 7月21日,slides 11,12
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 − 7/26
H04W 4/00 − 99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のデバイスと第2のデバイスとの間の距離を決定するための方法であって、前記方法は、プロセッサが実行し、前記方法は、
前記第1のデバイスを介して前記第2のデバイスに送られた第1の基地局からの第1の信号についての第1の到着時間を決定することと、
第2の基地局から前記第2のデバイスに直接送られた第2の信号についての第2の到着時間を決定することと、
前記第1の到着時間および前記第2の到着時間を使用して、前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの間の前記距離を決定することと
を備える方法。
【請求項2】
前記第1の基地局は、前記第1のデバイスをサービスする、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の基地局および前記第2の基地局は、同一の基地局であり、
前記同一の基地局は、前記第1のデバイスおよび前記第2のデバイスをサービスし、
前記同一の基地局は、前記第1のデバイスおよび前記第2のデバイスのタイミングを、共通サービング基地局時間にアラインする、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第2の基地局は、前記第2のデバイスをサービスする、
請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の基地局および前記第2の基地局は、同期され、前記第1のデバイスおよび前記第2のデバイスのタイミングは、共通サービング基地局時間にアラインされる、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のデバイスを介して前記第2のデバイスに送られた前記第2の基地局からの第3の信号についての第3の到着時間を決定することと、
前記第1の基地局から前記第2のデバイスに直接送られた第4の信号についての第4の到着時間を決定することと、
前記第1、第2、第3、および第4の到着時間を使用して、前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの間の前記距離を決定することと
をさらに備える、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の基地局および前記第2の基地局は、同期されない、
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの間の前記距離を決定することは、前記第1の到着時間と前記第4の到着時間との間、および、前記第2の到着時間と前記第3の到着時間との間の差分を取得することを備える、
請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの間の前記距離を決定することは、前記第1の到着時間と前記第2の到着時間との間の差分を取得することを備える、
請求項1に記載の方法。
【請求項10】
信号の送受信に使用されるメッセージングプロトコルは、LPP(Long Term Evolution Positioning Protocol)、LPPe(LPP Extensions)、および無線リソース制御(RRC)プロトコルのうちの1つである、
請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの間の前記距離が、閾値よりも低いか高いかを決定することと、
デバイスツーデバイスモードを使用する前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの間の通信をそれぞれ可能または不能にすることと
をさらに備え、前記デバイスツーデバイスモードは、前記第1のデバイスおよび前記第2のデバイスが、前記第1の基地局または前記第2の基地局を通してデータを送ることなく互いに通信することを備える、
請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの間の前記距離が閾値よりも低いと決定することと、
前記第1のデバイスおよび前記第2のデバイスの各々にとって関心のある1つ以上のプロキシミティサービスに関して、前記第1のデバイスおよび前記第2のデバイスの各々に、他方のデバイスに近接していることを知らせることと
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
デバイスであって、
第2のデバイスを介して前記デバイスに送られた第1の基地局からの第1の信号を受信し、
第2の基地局から前記デバイスに直接送られた第2の信号を受信する
ように構成されたトランシーバと、
前記第1の信号についての第1の到着時間を決定し、
前記第2の信号についての第2の到着時間を決定し、
前記第1の到着時間および前記第2の到着時間を使用して、前記デバイスと前記第2のデバイスとの間の距離を決定する
ように構成されたプロセッサと
を備えるデバイス。
【請求項14】
前記第1の基地局は、前記第2のデバイスをサービスする、
請求項13に記載のデバイス。
【請求項15】
前記第1の基地局および前記第2の基地局は、同一の基地局であり、
前記同一の基地局は、前記デバイスおよび前記第2のデバイスをサービスし、
前記同一の基地局は、前記デバイスおよび前記第2のデバイスのタイミングを、共通サービング基地局時間にアラインする、
請求項14に記載のデバイス。
【請求項16】
前記第2の基地局は、前記デバイスをサービスする、
請求項14に記載のデバイス。
【請求項17】
前記第1の基地局および前記第2の基地局は、同期され、前記デバイスおよび前記第2のデバイスのタイミングは、共通サービング基地局時間にアラインされる、
請求項16に記載のデバイス。
【請求項18】
前記トランシーバは、
前記第2のデバイスを介して前記デバイスに送られた前記第2の基地局からの第3の信号を受信し、
前記第1の基地局から前記デバイスに直接送られた第4の信号を受信する
ようにさらに構成され、
前記プロセッサは、
前記第3の信号についての第3の到着時間を決定し、
前記第4の信号についての第4の到着時間を決定し、
前記第1、第2、第3、および第4の到着時間を使用して、前記デバイスと前記第2のデバイスとの間の前記距離を決定する
ようにさらに構成される、請求項16に記載のデバイス。
【請求項19】
前記第1の基地局および前記第2の基地局は、同期されない、
請求項18に記載のデバイス。
【請求項20】
前記プロセッサが、前記デバイスと前記第2のデバイスとの間の前記距離を決定することは、前記第1の到着時間と前記第4の到着時間との間、および、前記第2の到着時間と前記第3の到着時間との間の差分を取得することを備える、
請求項18に記載のデバイス。
【請求項21】
前記デバイスと前記第2のデバイスとの間の前記距離を決定することは、前記第1の到着時間と前記第2の到着時間との間の差分を取得することを備える、
請求項13に記載のデバイス。
【請求項22】
信号の送受信に使用されるメッセージングプロトコルは、LPP(Long Term Evolution Positioning Protocol)、LPPe(LPP Extensions)、および無線リソース制御(RRC)プロトコルのうちの1つである、
請求項13に記載のデバイス。
【請求項23】
前記プロセッサは、
前記デバイスと前記第2のデバイスとの間の前記距離が、閾値よりも低いか高いかを決定し、
デバイスツーデバイスモードを使用する前記デバイスと前記第2のデバイスとの間の通信をそれぞれ可能または不能にする、
ようにさらに構成され、
前記デバイスツーデバイスモードは、前記デバイスおよび前記第2のデバイスが、前記第1の基地局または前記第2の基地局を通してデータを送ることなく互いに通信することを備える、
請求項13に記載のデバイス。
【請求項24】
前記プロセスは、
前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの間の前記距離が閾値よりも低いと決定し、
前記第1のデバイスおよび前記第2のデバイスの各々にとって関心のある1つ以上のプロキシミティサービスに関して、前記トランシーバを使用して、前記第1のデバイスおよび前記第2のデバイスの各々に、他方のデバイスに近接していることを知らせる
ようにさらに構成される、請求項13に記載のデバイス。
【請求項25】
非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、プロセッサによって実行可能な命令を備え、前記命令は、
第1のデバイスを介して第2のデバイスに送られた第1の基地局からの第1の信号についての第1の到着時間を決定し、
第2の基地局から前記第2のデバイスに直接送られた第2の信号についての第2の到着時間を決定し、
前記第1の到着時間および前記第2の到着時間を使用して、前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの間の距離を決定する
ための命令を備える、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項26】
プロセッサによって実行可能な前記命令は、
前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの間の前記距離が、閾値よりも低いか高いかを決定し、
デバイスツーデバイスモードを使用する前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの間の通信をそれぞれ可能または不能にする、
ための命令をさらに備え、
前記デバイスツーデバイスモードは、前記第1のデバイスおよび前記第2のデバイスが、前記第1の基地局または前記第2の基地局を通してデータを送ることなく互いに通信することを備える、
請求項25に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項27】
デバイスであって、
第2のデバイスを介して前記デバイスに送られた第1の基地局からの第1の信号についての第1の到着時間を決定するための手段と、
第2の基地局から前記デバイスに直接送られた第2の信号についての第2の到着時間を決定するための手段と、
前記第1の到着時間および前記第2の到着時間を使用して、前記デバイスと前記第2のデバイスとの間の距離を決定するための手段と
を備えるデバイス。
【請求項28】
前記第1の基地局は、前記第2のデバイスをサービスする、
請求項27に記載のデバイス。
【請求項29】
前記第1の基地局および前記第2の基地局は、同一の基地局であり、
前記同一の基地局は、前記デバイスおよび前記第2のデバイスをサービスし、
前記同一の基地局は、前記デバイスおよび前記第2のデバイスのタイミングを、共通サービング基地局時間にアラインする、
請求項28に記載のデバイス。
【請求項30】
前記第2の基地局は、前記デバイスをサービスする、
請求項28に記載のデバイス。
【請求項31】
前記第1の基地局および前記第2の基地局は、同期され、前記デバイスおよび前記第2のデバイスのタイミングは、共通サービング基地局時間にアラインされる、
請求項30に記載のデバイス。
【請求項32】
前記第2のデバイスを介して前記デバイスに送られた前記第2の基地局からの第3の信号についての第3の到着時間を決定するための手段と、
前記第1の基地局から前記デバイスに直接送られた第4の信号についての第4の到着時間を決定するための手段と、
前記第1、第2、第3、および第4の到着時間を使用して、前記デバイスと前記第2のデバイスとの間の前記距離を決定するための手段と
をさらに備える、請求項30に記載のデバイス。
【請求項33】
前記第1の基地局および前記第2の基地局は、同期されない、
請求項32に記載のデバイス。
【請求項34】
前記デバイスと前記第2のデバイスとの間の前記距離を決定することは、前記第1の到着時間と前記第4の到着時間との間、および、前記第2の到着時間と前記第3の到着時間との間の差分を取得するための手段を備える、
請求項32に記載のデバイス。
【請求項35】
前記デバイスと前記第2のデバイスとの間の前記距離を決定することは、前記第1の到着時間と前記第2の到着時間との間の差分を取得するための手段を備える、
請求項27に記載のデバイス。
【請求項36】
信号の送受信に使用されるメッセージングプロトコルは、LPP(Long Term Evolution Positioning Protocol)、LPPe(LPP Extensions)、および無線リソース制御(RRC)プロトコルのうちの1つである、
請求項27に記載のデバイス。
【請求項37】
前記デバイス前記第2のデバイスとの間の前記距離が閾値よりも低いか高いかを決定するための手段と、
デバイスツーデバイスモードを使用する前記デバイスと前記第2のデバイスとの間の通信をそれぞれ可能または不能にするための手段と
をさらに備え、
前記デバイスツーデバイスモードは、前記デバイスおよび前記第2のデバイスが、前記第1の基地局または前記第2の基地局を通してデータを送ることなく互いに通信することを備える、
請求項27に記載のデバイス。
【請求項38】
前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの間の前記距離が閾値よりも低いと決定するための手段と、
前記第1のデバイスおよび前記第2のデバイスの各々にとって関心のある1つ以上のプロキシミティサービスに関して、前記第1のデバイスおよび前記第2のデバイスの各々に、他方のデバイスに近接していることを知らせるための手段と、
をさらに備える、請求項27に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[0001]本開示の態様は、コンピューティングおよび通信技術に関する。とりわけ、本開示の態様は、複数のデバイス間で通信するための、および、2つ以上のデバイスがいつ互いに近接しているかを決定するためのシステム、方法、装置、およびコンピュータ可読媒体のようなモバイルコンピューティングデバイス技術に関する。
【0002】
[0002]デバイス間の通信を可能にする現在の技術は、典型的に、この通信を容易にするために高機能ネットワークに頼る。携帯電話、タブレット、スマートフォン、ラップトップ、等のユーザ機器エンドポイントデバイスの利用の増加、および、通信のためのネットワークへの排他的な依存に伴い、デバイスをサービスするためにネットワークにかかる圧力は高まっている。その結果、デバイス間の通信は、これらのデバイスのうちの1つがネットワークのカバレッジ範囲外にある状況、または、ネットワークリソース(例えば、シグナリングおよび/または処理をサポートする)が、多数のデバイスの需要により輻輳状態である場合、妨害または制限されうる。ひいては、デバイス間の直接的なピアツーピア通信は、これらのデバイス、それらの関連アプリケーションとユーザに対して、および、ネットワークに対して有益でありうる。しかしながら、そのような直接的なピアツーピア通信は、デバイスが互いの近くにいる(例えば、いくつかのシナリオでは互いの500メートル以内である)場合にのみ可能でありうる。直接的なピアツーピア通信に加えて、特定のアプリケーションおよびサービス−例えば、特定の他のユーザ(例えば、友人、同僚、または親戚)あるいは関心地点(例えば、特定の店舗)に近接している場合にユーザに警告するサービス−もまた、互いの近くにいるデバイスに依存しうるかまたは関連している可能性がある。ゆえに、デバイスが互いに近接しているとの決定をサポートおよび強化すること、ならびに、近接しているデバイス間の直接的な通信をサポートすることは有益でありうる。
【発明の概要】
【0003】
[0003]デバイスからデバイスに通信するためのさまざまなシステム、方法、装置、およびコンピュータ可読媒体が説明される。多くの場合、2つのデバイスは、1つ以上のネットワークを介して互いに通信するものであり、本明細書ではこれをネットワークモードと呼ぶ。デバイスツーデバイス(D2D)通信は、本明細書でD2Dモードとも呼ばれ、デバイスが互いに通信可能な程度近接している(in communicable proximity)場合、ネットワークの利用を省きうる(bypass)。すでにD2Dモードであるか、いまだD2DモードではないがD2Dモードを使用する能力があるデバイスの相対的な位置についての知識は有益でありうる。例えば、いまだD2Dモードでないデバイスは、それらの間の距離が何らかの閾値を下回った場合、互いにリッスン(listen)するように構成されうる。同様に、D2Dモードをすでに使用しているデバイスは、それらの間の距離が何らかの閾値を超えた場合のネットワークモードへのハンドオーバの実行に備えて、近くのネットワーク基地局またはアクセスポイントを探索するように構成されうる。2つ以上のデバイスの相対的な位置についての知識は、そのような近接度に依存するか、または、それを前提とする他のサービスおよびアプリケーション(D2D通信以外)をサポートするために、デバイスがいつ互いに近接しているかを決定する際により一層有益でありうる。そのようなプロキシミティサービス(proximity service)の例は、特定の他のユーザ(例えば、友人、同僚、親戚)または特定の関心地点(例えば、特定の店舗またはレストラン)のいずれかに近接しているときに、モバイルデバイスのユーザに知らせることを含みうる。デバイスが互いに近接していることに依存するD2D通信自体が、現状のままで、ある特定のタイプのプロキシミティサービスとみなされうることに留意されたい。したがって、一般に(in a general sense)、デバイスを位置特定(locate)し、それらの近接度の度合いを決定する能力は、すべてのプロキシミティサービスに対して有益である可能性があるとみなされうる。
【0004】
[0004]支援型全地球的航法衛星システム(A−GNSS)のような、モバイルデバイスを位置特定する既存の方法は、例えば、典型的に、絶対的な位置(例えば、緯度座標および経度座標)を取得するために開発されており、それは、バッテリ集約型であり、特定のネットワークサポートの利用性に依存し、および/または、特定の環境(例えば、室内)では信頼性がない可能性がある。相対的な位置および/またはデバイス間の距離を取得するために、デバイスのペアまたはグループに適用可能な位置特定方法(location method)は、D2D通信に必要な近接度条件を決定するため、および/または、特定のプロキシミティサービスをサポートするために、特定の条件下で(例えば、室内環境において)、より適切であり、既存の方法の制限のうちのいくつかを回避しうる。
【0005】
[0005]第1のデバイスと第2のデバイスとの間の距離を決定するための例示的な方法は、第1のデバイスを介して第2のデバイスに送られた第1の基地局からの第1の信号についての第1の到着時間を決定することと、第2の基地局から第2のデバイスに直接送られた第2の信号についての第2の到着時間を決定することと、第1の到着時間および第2の到着時間を使用して第1のデバイスと第2のデバイスとの間の距離を決定することとを含みうる。一態様では、信号の送受信に使用されるメッセージングプロトコルは、LPP(Long Term Evolution Positioning Protocol)、LPPe(LPP Extensions)、および無線リソース制御(RRC)プロトコルのうちの1つである。
【0006】
[0006]例示的な方法のいくつかの実現では、方法は、第1のデバイスと第2のデバイスとの間の距離が閾値よりも低いか高いかを決定することと、デバイスツーデバイスモードを使用する第1のデバイスと第2のデバイスとの間の通信をそれぞれ可能または不能することとをさらに含み、デバイスツーデバイスモードは、第1の基地局または第2の基地局を通してデータを送ることなく第1のデバイスおよび第2のデバイスが互いに通信することを備える。方法の他の実現において、方法は、第1のデバイスと第2のデバイスとの間の距離が閾値よりも低いと決定することと、第1のデバイスおよび第2のデバイスの各々にとって関心のある1つ以上のプロキシミティサービスに関して、第1のデバイスおよび第2のデバイスの各々に、他方のデバイスに近接していることを知らせることとをさらに含む。
【0007】
[0007]いくつかの例示的な実施形態では、第1の基地局は、第1のデバイスをサービスする。一態様では、第1の基地局および第2の基地局は、同一の基地局であり、この同一の基地局は、第1のデバイスおよび第2のデバイスをサービスし、この同一の基地局は、第1のデバイスおよび第2のデバイスのタイミングを、共通サービング基地局時間にアラインする。別の態様では、第1のデバイスと第2のデバイスとの間の距離を決定することは、第1の到着時間と第2の到着時間との間の差分を取得することを備える。
【0008】
[0008]他の例示的な実施形態では、第2の基地局は、第2のデバイスをサービスしうる。一実現では、第1の基地局および第2の基地局は、同期され、第1のデバイスおよび第2のデバイスのタイミングは、共通サービング基地局時間にアラインされる。別の実現では、第1の基地局および第2の基地局は、同期されない。第1の基地局および第2の基地局が同期されないそのような実現では、一実現において、方法は、第1のデバイスを介して第2のデバイスに送られた第2の基地局からの第3の信号についての第3の到着時間を決定することと、第1の基地局から第2のデバイスに直接送られた第4の信号についての第4の到着時間を決定することと、第1、第2、第3、および第4の到着時間を使用して、第1のデバイスと第2のデバイスとの間の距離を決定することとをさらに備えうる。一態様では、第1のデバイスと第2のデバイスとの間の距離を決定することは、第1の到着時間と第4の到着時間との間、および、第2の到着時間と第3の到着時間との間の差分を取得することを備える。
【0009】
[0009]第1のデバイスと第2のデバイスとの間の距離を決定するための例示的なデバイスは、ここで、例示的なデバイスとは第1のデバイスまたは第2のデバイスでありうる、第1のデバイスを介して第2のデバイスに送られた第1の基地局からの第1の信号についての第1の到着時間を決定し、第2の基地局から第2のデバイスに直接送られた第2の信号についての第2の到着時間を決定し、第1の到着時間および第2の到着時間を使用して第1のデバイスと第2のデバイスとの間の距離を決定するためのプロセッサを含みうる。一態様では、信号の送受信に使用されるメッセージングプロトコルは、LPP(Long Term Evolution Positioning Protocol)、LPPe(LPP Extensions)、および無線リソース制御(RRC)プロトコルのうちの1つである。
【0010】
[0010]例示的なデバイスのいくつかの実現では、プロセッサは、第1のデバイスと第2のデバイスとの間の距離が閾値よりも低いか高いかを決定し、デバイスツーデバイスモードを使用する第1のデバイスと第2のデバイスとの間の通信をそれぞれ可能または不能にするようにさらに構成され、デバイスツーデバイスモードは、第1のデバイスおよび第2のデバイスが、第1の基地局または第2の基地局を通してデータを送ることなく互いに通信することを備える。デバイスの他の実現では、プロセッサは、第1のデバイスと第2のデバイスとの間の距離が閾値よりも低いと決定し、第1のデバイスおよび第2のデバイスの各々にとって関心のある1つ以上のプロキシミティサービスに関して、第1のデバイスおよび第2のデバイスの各々に、他方のデバイスに近接していることを知らせるようさらに構成される。
【0011】
[0011]いくつかの例示的な実施形態では、第1の基地局は、第1のデバイスをサービスする。一態様では、第1の基地局および第2の基地局は、同一の基地局であり、この同一の基地局は、第1のデバイスおよび第2のデバイスをサービスし、この同一の基地局は、第1のデバイスおよび第2のデバイスのタイミングを、共通サービング基地局時間にアラインする。別の態様では、プロセッサが、第1のデバイスと第2のデバイスとの間の距離を決定することは、第1の到着時間と第2の到着時間との間の差分を取得することを備える。
【0012】
[0012]他の例示的な実施形態では、第2の基地局は、第2のデバイスをサービスしうる。一実現では、第1の基地局および第2の基地局は、同期され、第1のデバイスおよび第2のデバイスのタイミングは、共通サービング基地局時間にアラインされる。別の実現では、第1の基地局および第2の基地局は、同期されない。第1の基地局および第2の基地局が同期されないそのような実現では、一実現において、デバイスは、第1のデバイスを介して第2のデバイスに送られた第2の基地局からの第3の信号についての第3の到着時間を決定し、第1の基地局から第2のデバイスに直接送られた第4の信号についての第4の到着時間を決定し、第1、第2、第3、および第4の到着時間を使用して、第1のデバイスと第2のデバイスとの間の距離を決定するためのプロセッサをさらに備える。一態様では、プロセッサが、第1のデバイスと第2のデバイスとの間の距離を決定することは、第1の到着時間と第4の到着時間との間、および、第2の到着時間と第3の到着時間との間の差分を取得することを備える。
【0013】
[0013]例示的な非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、プロセッサによって実行可能な命令を備え、命令は、第1のデバイスと第2のデバイスとの間の距離を決定するための命令を備え、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、第1のデバイスを介して第2のデバイスに送られた第1の基地局からの第1の信号についての第1の到着時間を決定することと、第2の基地局から第2のデバイスに直接送られた第2の信号についての第2の到着時間を決定することと、第1の到着時間および第2の到着時間を使用して第1のデバイスと第2のデバイスとの間の距離を決定することとを含みうる。一態様では、信号の送受信に使用されるメッセージングプロトコルは、LPP(Long Term Evolution Positioning Protocol)、LPPe(LPP Extensions)、および無線リソース制御(RRC)プロトコルのうちの1つである。
【0014】
[0014]非一時的コンピュータ可読記憶媒体のいくつかの実現では、命令は、第1のデバイスと第2のデバイスとの間の距離が閾値よりも低いか高いかを決定し、デバイスツーデバイスモードを使用する第1のデバイスと第2のデバイスとの間の通信をそれぞれ可能または不能にするようにさらに構成され、デバイスツーデバイスモードは、第1のデバイスおよび第2のデバイスが第1の基地局または第2の基地局を通してデータを送ることなく互いに通信することを備える。デバイスの他の実現では、命令は、第1のデバイスと第2のデバイスとの間の距離が閾値よりも低いと決定し、第1のデバイスおよび第2のデバイスの各々にとって関心のある1つ以上のプロキシミティサービスに関して、第1のデバイスおよび第2のデバイスの各々に、他方のデバイスに近接していることを知らせるためのステップをさらに含む。
【0015】
[0015]いくつかの例示的な実施形態では、第1の基地局は、第1のデバイスをサービスする。一態様では、第1の基地局および第2の基地局は、同一の基地局であり、この同一の基地局は、第1のデバイスおよび第2のデバイスをサービスし、この同一の基地局は、第1のデバイスおよび第2のデバイスのタイミングを、共通サービング基地局時間にアラインする。別の態様では、第1のデバイスと第2のデバイスとの間の距離を決定することは、第1の到着時間と第2の到着時間との間の差分を取得するための命令を備える。
【0016】
[0016]他の例示的な実施形態では、第2の基地局は、第2のデバイスをサービスしうる。一実現では、第1の基地局および第2の基地局は、同期され、第1のデバイスおよび第2のデバイスのタイミングは、共通サービング基地局時間にアラインされる。別の実現では、第1の基地局および第2の基地局は、同期されない。第1の基地局および第2の基地局が同期されないそのような実現では、一実現において、デバイスは、第1のデバイスを介して第2のデバイスに送られた第2の基地局からの第3の信号についての第3の到着時間を決定し、第1の基地局から第2の基地局に直接送られた第4の信号についての第4の到着時間を決定し、第1、第2、第3、および第4の到着時間を使用して、第1のデバイスと第2のデバイスとの間の距離を決定するための命令をさらに備える。一態様では、第1のデバイスと第2のデバイスとの間の距離を決定することは、第1の到着時間と第4の到着時間との間、および、第2の到着時間と第3の到着時間との間の差分を取得するための命令を備える。
【0017】
[0017]第1のデバイスと第2のデバイスとの間の距離を決定するための別の例示的なデバイスは、第1のデバイスまたは第2のデバイスでありえ、この例示的なデバイスは、第1のデバイスを介して第2のデバイスに送られた第1の基地局からの第1の信号についての第1の到着時間を決定するための手段と、第2の基地局から第2のデバイスに直接送られた第2の信号についての第2の到着時間を決定するための手段と、第1の到着時間および第2の到着時間を使用して第1のデバイスと第2のデバイスとの間の距離を決定するための手段とを含みうる。一態様では、信号の送受信に使用されるメッセージングプロトコルは、LPP(Long Term Evolution Positioning Protocol)、LPPe(LPP Extensions)、および無線リソース制御(RRC)プロトコルのうちの1つである。
【0018】
[0018]例示的なデバイスのいくつかの実現では、デバイスは、第1のデバイスと第2のデバイスとの間の距離が閾値よりも低いか高いかを決定するための手段と、デバイスツーデバイスモードを使用する第1のデバイスと第2のデバイスとの間の通信をそれぞれ可能または不能するための手段とをさらに含み、デバイスツーデバイスモードは、第1のデバイスおよび第2のデバイスが第1の基地局または第2の基地局を通してデータを送ることなく互いに通信することを備える。デバイスの他の実現では、デバイスは、第1のデバイスと第2のデバイスとの間の距離が閾値よりも低いと決定するための手段と、第1のデバイスおよび第2のデバイスの各々にとって関心のある1つ以上のプロキシミティサービスに関して、第1のデバイスおよび第2のデバイスの各々に、他方のデバイスに近接していることを知らせるための手段をさらに備える。
【0019】
[0019]いくつかの例示的な実施形態では、第1の基地局は、第1のデバイスをサービスする。一態様では、第1の基地局および第2の基地局は、同一の基地局であり、この同一の基地局は、第1のデバイスおよび第2のデバイスをサービスし、この同一の基地局は、第1のデバイスおよび第2のデバイスのタイミングを、共通サービング基地局時間にアラインする。別の態様では、第1のデバイスと第2のデバイスとの間の距離を決定するための手段は、第1の到着時間と第2の到着時間との間の差分を取得するための手段を備える。
【0020】
[0020]他の例示的な実施形態では、第2の基地局は、第2のデバイスをサービスしうる。一実現では、第1の基地局および第2の基地局は、同期され、第1のデバイスおよび第2のデバイスのタイミングは、共通サービング基地局時間にアラインされる。別の実現では、第1の基地局および第2の基地局は、同期されない。第1の基地局および第2の基地局が同期されないそのような実現では、一実現において、デバイスは、第1のデバイスを介して第2のデバイスに送られた第2の基地局からの第3の信号についての第3の到着時間を決定するための手段と、第1の基地局から第2のデバイスに直接送られた第4の信号についての第4の到着時間を決定するための手段と、第1、第2、第3、および第4の到着時間を使用して、第1のデバイスと第2のデバイスとの間の距離を決定するための手段をさらに備えうる。一態様では、第1のデバイスと第2のデバイスとの間の距離を決定するための手段は、第1の到着時間と第4の到着時間との間、および、第2の到着時間と第3の到着時間との間の差分を取得するための手段を備える。
【0021】
[0021]前述は、次に続く詳細な説明がより一層理解されうることができるように、例の特徴および技術的利点をどちらかといえば幅広く概説している。追加の特徴および利点が以下に説明されるだろう。開示される概念および具体的な例は、本開示と同じ目的を実行するために、他の構造を改良または設計するための基礎として容易に利用されうる。このような等価な構成体(construction)は、添付の特許請求の範囲の精神および有効範囲から逸脱しない。本明細書に開示される概念の特徴であると考えられる特性は、関連する利点とともに、それらの構成および動作の方法の両方に関して、添付の図に関連して検討された場合、以下の説明からより一層理解されるであろう。これらの図の各々は、例証および説明の目的でのみ提供され、特許請求の範囲の限定の定義として提供されるものではない。
【0022】
[0022]本開示の態様は、例として例証されうる。以下の説明は、同じ参照番号が全体を通して同じ要素を指すために使用される複数の図面を参照して提供される。1つ以上の技法のさまざまな詳細が本明細書で説明されるが、他の技法もまた可能である。いくつかの事例では、さまざまな技法の説明を容易にするために、周知の構造およびデバイスがブロック図形式で示される。
【0023】
[0023]本開示によって提供される例の性質および利点についてのさらなる理解は、図面および本明細書の残りの部分を参照することで実現されることができ、ここで、類似した構成要素を指すために、同じ参照番号がいくつかの図面の全体にわたって使用される。いくつかの事例では、複数の類似した構成要素のうちの1つを示すために、サブラベルが参照番号に関連付けられる。既存のサブラベルの指定なしに参照番号への言及がなされる場合、その参照番号は、そのような類似した構成要素すべてを指す。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図1は、ワイヤレス電気通信システムの概念図である。
図2図2は、図1で説明されるワイヤレス通信システムの態様をさらに説明する。
図3図3は、全地球的航法衛星システム(GNSS)システムおよび/またはインターネットに接続されている例示的なデバイスを例証する。
図4図4は、本発明の実施形態に係る、例示的なD2Dグループを描写する。
図5図5は、デュプレックスシグナリングを使用してD2Dラウンドトリップ時間を測定するための例示的な実施形態を例証する。
図6図6は、シンプレックスシグナリングを使用してD2Dラウンドトリップ時間を測定するための例示的な実施形態を例証する。
図7図7は、本発明の実施形態を実行するための方法を例証したフロー図である。
図8図8は、シンプレックスシグナリングを使用してD2Dラウンドトリップ時間を測定するための別の例示的な実施形態を例証する。
図9図9は、本発明の実施形態を実行するための方法を例証する別のフロー図である。
図10図10は、シンプレックスシグナリングを使用してD2Dラウンドトリップ時間を測定するためのさらに別の例示的な実施形態を例証する。
図11図11は、本発明の実施形態を実行するための方法を例証する別のフロー図である。
図12図12は、本発明の実施形態で使用される例示的なコンピュータシステムである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
[0036]デバイス間で広域にわたって通信を可能にする現在の技術は、通信を容易にするために、ほぼ例外なく高機能ネットワークに依存する。携帯電話、タブレット、スマートフォン、ラップトップ、等のユーザ機器エンドポイントデバイスの利用の増加、および、通信のためのネットワークへの排他的な依存に伴い、デバイスをサービングするためにネットワークにかかる圧力は高まっている。その結果、デバイス間の通信は、これらのデバイスのうちの1つがネットワークのカバレッジ範囲外にある状況、または、ネットワークリソース(例えば、シグナリングおよび/または処理をサポートする)が、多数のデバイスの需要により輻輳状態である場合、妨害または制限されうる。ひいては、デバイス間の直接的なピアツーピア通信は、デバイス、それらの関連アプリケーションとユーザに対して、および、ネットワークに対して有益でありうる。しかしながら、そのような直接的なピアツーピア通信は、デバイスが互いの近くにいる(例えば、いくつかのシナリオでは互いの500メートル以内である)場合にのみ可能でありうる。直接的なピアツーピア通信に加えて、特定のアプリケーションおよびサービス−例えば、特定の他のユーザ(例えば、友人、同僚、または親戚)あるいは関心地点(例えば、特定の店舗)に近接している場合にユーザに警告するサービス−もまた、互いの近くにいるデバイスに依存しうるかまたは関連している可能性がある。ゆえに、デバイスが互いに近接しているとの決定をサポートおよび強化すること、ならびに、近接しているデバイス間の直接的な通信をサポートすることは有益でありうる。
【0026】
[0037]直接的なデバイスツーデバイス(D2D)通信は、デバイスが互いに通信可能な程度近接している場合、ネットワークの利用を省きうる。1つの例示的な実現では、通信可能な近接度(communicable proximity)についての距離閾値は、雨、信号フェーディング、見通し線、等の環境要因に基づいて設定可能(configurable)でありうる。例えば、距離閾値は、200から10000メートルの間隔で設定可能でありうる。他の実現では、D2D通信に対する距離閾値は、信頼できるD2D通信に必要な距離の控えめな推定値に基づいて、ある時間期間にわたって一定でありうる。さらに別の実現では、距離閾値は、直接、2つのデバイス間の信号品質に基づきうる。D2Dモードは、近くのデバイス間での直接的なシグナリングおよび/またはデータ転送を、例えば、無線アクセスネットワーク(RAN)のようなネットワークの支援なくサポートしうる。D2D通信は、ポイントツーポイントであるか、または、例えば、1つのデバイスから他の複数のデバイスへのブロードキャストなどのポイントツーマルチポイントでありうる。いくつかの実施形態では、VPLMN(Visited Public Land Mobile Network)またはホームPLMN(HPLMN)は、例えば、通信リンクの確立を助けること、ネットワークモードに対するD2Dモードの使用を制御すること、および/または、セキュリティサポートを提供することで、D2D通信を調整しうる。
【0027】
[0038]いくつかの実施形態では、デバイス間の近接度のレベルについての知識は、特定のプロキシミティサービスおよび関連アプリケーションに有益でありうるかまたは、不可欠でありうる。例えば、特定の友人、同僚、または親戚がいつ近くにいるかを、または、何らかの関心地点(例えば、特定の店舗、レストラン、ファーストフードキオスク、または空いている駐車スペース)がいつユーザの近くにあるかを関連ユーザに知らせる特定のアプリケーションによってサポートされるサービスは、D2D通信に従事する能力を決定するために採用されるものに類似しているかまたはそれと同一の、何らかの近接度の閾値を決定することに依存しうる。したがって、プロキシミティサービスとD2D通信の両方をサポートするために近接度を決定することは、特定のシナリオで、有益でありうるかまたは不可欠でありうる。
【0028】
[0039]すでにD2Dモードであるか、いまだD2DモードではないがD2Dモードを使用する能力があるデバイスの相対的な位置についての知識が有益でありうる。例えば、いまだD2Dモードでないデバイスは、それらの間の距離が何らかの所定の閾値を下回った場合に、互いにリッスンするように構成されうる。同様に、D2Dモードをすでに使用しているデバイスは、それらのデバイス間の距離が何らかの閾値を超えた場合のネットワークモードへのハンドオーバの実行に備えて、近くのネットワーク基地局またはアクセスポイントを探索するように構成されうる。2つ以上のデバイスの相対的な位置についての知識は、上述されたように、D2D通信以外のプロキシミティサービスをサポートするために、2つ以上のデバイスがいつ互いに近接しているかを決定するのにより一層有益でありうる。
【0029】
[0040]いくつか例を挙げれば、支援型全地球的航法衛星システム(A−GNSS)、観察到着時間差(OTDOA)、アドバンスド順方向リンク三辺測量(AFLT)、エンハンスドセルID(E−CID)のような、モバイルワイヤレスデバイスのための既存の位置特定方法は、個々のデバイスを位置特定するために、3GPPおよび3GPP2のような団体によって開発されている。これらの位置特定方法は、(i)バッテリ集約型でありうるか、(ii)特定のネットワークサポート(例えば、ネットワーク位置特定サーバ(location server)からの支援データ、および/あるいは、位置が正確に知られているいくつかのネットワーク基地局またはアクセスポイントから無線信号を受信する能力)の利用性に依存しうるか、および/または、(iii)特定の環境(例えば、室内)および/または特定のシナリオ(例えば、ネットワークカバレッジが大半または完全になくなる事件または災害局面)では信頼性がない可能性がある。相対的な位置および/またはデバイス間の距離を取得するためにデバイスのペアまたはグループに適用可能な位置特定方法は、D2D用途に対してより適切でありえ、既存の方法の制限のうちのいくつかを回避しうる。
【0030】
[0041]本明細書で説明されるように、D2Dモードは、2つ以上のデバイス間の直接的な(すなわち、ネットワークを介さない)ピアツーピア通信を指しうる。ネットワークモードは、ネットワークを介した(例えば、サービングネットワークを介した)2つ以上のデバイス間の通信を指しうる。自律的な動作は、2つ以上のデバイスがD2Dモードを自律的に(ほとんどまたはまったくネットワーク制御または支援なく)確立する動作を指しうる。ネットワーク支援型動作は、2つ以上のデバイスがD2Dモードに入るようにネットワーク(例えば、サービングネットワーク)が支援する動作を指し、ここで、ネットワークモードが可能であるかどうかは分からない。ネットワークベースの動作は、ネットワーク(例えば、サービングネットワーク)がD2Dモードへのエントリを制御し、ネットワークモードをサポートし、D2Dモードとネットワークモードとの間でのハンドオーバをサポートする動作を指しうる。D2Dグループは、D2Dモードを使用して互いに通信する2つ以上のデバイスからなるグループを指しうる。D2Dペアは、D2Dモードに従事する2つのデバイスからなるグループを指しうる。D2D中継器は、例えば、あるデバイスAおよび他のデバイスBがD2D通信を直接的に使用することができず、しかしながら、中継器RとはD2D通信状態にあるシナリオで、デバイスAとデバイスBとの間の通信を中継することによって、他のデバイス間のD2Dモードをサポートするために中継器として機能するデバイスRを指しうる。
【0031】
[0042]D2Dモードは、近くのデバイス間での直接的なシグナリングおよびデータ転送をサポートしうる。D2D通信は、ポイントツーポイントでまたはポイントツーマルチポイント(例えば、1つのデバイスから他の複数のデバイスへのブロードキャスト、マルチキャスト、またはナローキャスト)でありうる。PLMN(public land mobile network)のようなネットワークは、D2D通信を調整しうる。例えば、GSM(登録商標)ネットワークのようなPLMNでは、ホームPLMN(HPLMN)または訪問先PLMN(VPLMN)のいずれかが、通信リンクの確立、ネットワークモードに対するD2Dモードの使用の制御、および/または、セキュリティサポートの提供を助けうる。
【0032】
[0043]本明細書では、デバイス、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、端末、モバイル端末、およびユーザ機器(UE)という用語は、本発明の有効範囲を変えることなく、交換可能に使用されうる。例えば、デバイスツーデバイス通信は、2つのUE間の通信を指しうる。デバイスまたはUEは、セルラ式または他のワイヤレス通信デバイス、パーソナル通信システム(PCS)デバイス、パーソナルナビゲーションデバイス、個人情報マネジャ(PIM)、携帯情報端末(PDA)、ラップトップ、タブレット、追跡デバイス、あるいはワイヤレス通信を受信する能力のある他の適切なモバイルデバイスのようなモバイル局を指す。「デバイス」または「UE」という用語はまた、衛星信号受信、支援データ受信、および/または位置関連処理が、デバイスで行われるかPNDで行われるかに関わらず、例えば、短距離ワイレス、赤外線、ワイヤライン接続、または他の接続を介してパーソナルナビゲーションデバイス(PND)と通信するデバイスを含むことが意図されている。また、「デバイス」または「UE」は、ワイヤレス通信デバイス、コンピュータ、ラップトップ、等を含むすべてのデバイスを含むことができ、それらは、衛星信号受信、支援データ受信、および/または位置関連処理が、デバイスで行われるか、サーバで行われるか、ネットワークに関連付けられた別のデバイスで行われるかに関わらず、例えば、インターネット、WiFi、または他のネットワークを介してサーバと通信する能力がある。上記のうちの任意の動作可能な組み合わせもまた、「デバイス」または「UE」と考えられる。さらに、図12に関してさらに詳細に説明されるコンピュータシステムの構成要素は、「デバイス」または「UE」と考えられるべき任意の動作可能な組み合わせで使用されうる。
【0033】
[0044]図1に関して、ワイヤレス通信システム100は、ユーザ機器112[a−m](UE)、セル116[a−c]内に配置(disposed)されたトランシーバ基地局(BTS)114[a−c]、および基地局コントローラ(BSC)118のようなさまざまなデバイスを含みうる。システム100は、多数のキャリア(異なる周波数の波形信号)上での動作をサポートしうる。マルチキャリア送信機は、多数のキャリア上で変調信号を同時に送信することができる。各変調信号は、符号分割多元接続(CDMA)信号、時分割多元接続(TDMA)信号、直交周波数分割多元接続(OFDMA)信号、単一キャリア周波数分割多元接続(SC−FDMA)信号、等でありうる。各変調信号は、異なるキャリア上で送られ、パイロット、オーバヘッド情報、データ、等を搬送することができる。
【0034】
[0045]BTS 114は、アンテナ1255(図1ではなく図12に示される)を介してUE 112とワイヤレスに通信することができる。BTS 114の各々は、基地局、アクセスポイント、アクセスノード(AN)、ノードB、発展型ノードB(eNB)、等とも呼ばれうる。BTS 114は、多数のキャリアを介してBSC 118の制御下でUE 112と通信するように構成される。BSC 118は、無線ネットワークコントローラ(RNC)とも呼ばれうる。いくつかのワイヤレス技術(例えば、LTE)の場合、BSC 118は、必要とされない可能性があり、各BTS 114(例えば、LET eNBの形式である)は、モビリティ管理エンティティ(MME)のようなコアネットワーク内のエンティティに直接接続しうる。BTS 114の各々は、それぞれの地理的エリア、本明細書ではそれぞれのセル116、に対して、通信カバレッジを提供することができる。BTS 114のセル116の各々は、基地局アンテナの関数として、多数のセクタへと分割されうる。いくつかの実施形態では、BTS 114のうちの1つ以上は、図2で説明されるように、無線アクセスネットワーク(RAN)で実現される。UE 112は、また、アンテナ1255(図1ではなく図12に示される)を使用して互いに通信するように構成されうる。さらに、以下で説明される図2−12のエレメントは、システム100に含まれうる。いくつかの実施形態では、1つ以上のネットワークは、図1に例証されたエレメントのうちの少なくとも2つを区別し、および/または、図1で例証されたエレメントを以下で説明されるエレメントと区別する。
【0035】
[0046]システムは、マクロ基地局114のみを含みうるか、それは、例えば、マクロ、ピコ、および/またはフェムト基地局、等、異なるタイプの基地局114か、あるいは、そもそも基地局114ではなく代わりに例えばWiFiアクセスポイント(AP)を有しうる。マクロ基地局は、比較的大きい地理的エリア(例えば、半径数キロメートル)をカバーすることができ、サービスに加入している端末による無制限アクセスを可能にしうる。ピコ基地局は、比較的小さい地理的エリア(例えば、数百メートル以下のカバレッジを有するピコセル)をカバーすることができ、サービスに加入している端末による制限付きアクセスを可能にしうる。フェムトまたはホーム基地局は、比較的小さい地理的エリア(例えば、100メートル以下のカバレッジを有するフェムトセル)をカバーすることができ、このフェムトセルに関連付けられた端末(例えば、ホーム内のユーザのための端末)による制限付きアクセスを可能にしうる。
【0036】
[0047]BTS 114によってサポートされる1つの無線アクセス技術または複数の無線アクセス技術は、モバイル通信のためのグローバルシステム(GSM)、符号分割多元接続(CDMA)、高速パケットデータ(HRPD)、広帯域CDMA(WCDMA(登録商標))、ロングタームエボリューション(LTE)、LTEアドバンスド(LTE−A)、WiFi、WiMax、および/または1つ以上の他の通信技術を含みうる。GSM、WCDMA、LTE、およびLTE−Aは、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)として知られている団体による公文書で定義された技術を指す。CDMAおよびHRPDは、第3世代パートナーシッププロジェクト2(3GPP2)として知られている組織による公文書で定義された技術を指す。WiFiおよびWiMaxは、IEEE(電気電子技術者協会)による公文書で定義された技術を指す。
【0037】
[0048]UE 112は、セル116全体にわたって、または、カバレッジエリアの外側に分散されうる。図1では、UE 112[a−e]およびルータ112fは、セル116a内に分散しており、BTS 114aに通信できるように(communicatively)接続される。UE 112[g−i]は、セル116b内に分散しており、BTS 114bに通信できるように接続される。さらにUE 112[j−m]は、セル116c内に分散しており、BTS 114cに通信できるように接続される。さらに、UE 112hと112i、112iと112k、および112gと112eは、D2D通信モードで動作している。UE 112jは、BTS 114bおよびBTS 114cの両方に通信できるように接続される。
【0038】
[0049]UE 112は、端末、モバイル局、モバイルデバイス、ユーザ機器(UE)、加入者ユニット、等と呼ばれうる。図1に示されるUE 112は、モバイル電話、携帯情報端末(PDA)、および車両ナビゲーションおよび/または通信システムを含むが、それはまた、ワイヤレスルータ、他のハンドヘルドデバイス、ネットブック、ノートブックコンピュータ、等を含むことができる。
【0039】
[0050]図2は、ワイヤレス通信システム100をさらに説明する。一実現では、1つ以上のBSC 118、BTS 114、およびアクセスポイント(AP)が無線アクセスネットワーク(RAN)の一部として実現されうる。この1つのRANまたは複数のRANは、基地局(BTS)と、使用される場合にはBSCとを通して、UEをコアネットワーク202に接続しうる。図2に関して、RAN 206aは、BTS 114aおよびBTS 114bを備えるかまたは制御し、RAN 206bは、BTS 114cを備えるかまたは制御する。RAN 206aおよびRAN 206bは、コアネットワーク202に通信できるように接続される。RAN 206aおよび206bは、同一のワイヤレス技術または異なるワイヤレス技術をサポートすることができ、異なる地理的エリア(例えば、隣接する地理的エリア)、同一のエリア、または、部分的に重複している複数のエリアに対してワイヤレスカバレッジを提供しうる。いくつかの実現では、RAN 206aおよび206bは、同一のRANでありうる。コアネットワーク202は、RAN 206によって接続されたUE 112にさまざまなサービスを提供するワイヤレス通信ネットワークの中心部分である。主要機能のうちの1つは、UEが、位置を移動および変更する間、ワイヤレスカバレッジを受信し続けることができるように、UE 112の可動性をサポートすることでありうる。別の機能は、PSTN(Public Switched Telephone Network)のような公共有線ネットワークまたはインターネットを通じて音声およびデータ呼ならびにセッションをルーティングすることでありうる。コアネットワーク202はまた、さまざまなRAN 206、BTS 114、および従って異なるUE 112の間での情報(例えば、シグナリングおよびデータ)の交換のための経路を提供する。
【0040】
[0051]コアネットワーク202はまた、位置特定サービス(location service)をUEに提供するために、位置特定サーバ204を備えるか、または、リモート位置特定サーバ204へのアクセスを提供しうる。本明細書で説明される本発明の実施形態は、さまざまなプロトコルメッセージを使用しうる。位置特定サーバ204による位置特定サービスは、(例えば、位置を使用して近くのUEを発見または確認することによって)D2Dモードおよび他のプロキシミティサービスを支援するかまたは可能にするために使用されうる。さらに、位置特定サービスは、(例えば、1つのUEによって送信されたD2D信号を、位置特定されているUEについての追加の位置特定測定値のソースとして使用することによって、および/または、1つのUEを、他の何らかのUEについての支援データのソースとして使用することによって)2つ以上のUEがD2Dモードを使用する場合、強化されうる。D2Dモードでの位置特定サービスは、また、ネットワークの関与なく位置特定をサポートすることによって、低減されたネットワーク負荷をサポートしうる。
【0041】
[0052]図3は、全地球的航法衛星システム(GNSS)システムにアクセスし、および/または、インターネットに接続されている例示的なデバイス(または、UE)を例証する。図3のデバイスは、図1および図2の1つ以上のUE 112でありうる。図1および図2のUEのうちのいくつかまたはすべてがGNSSにアクセスしている、および/または、インターネットに接続されているか、あるいは、それらのいずれもが、GNSSにアクセスしておらず、および/または、インターネットに接続されない。図3は、グローバルカバレッジに自律的な地理空間測位を提供するGNSSに属する衛星302[a−c]のシステムを描写する。GNSSの例には、米国の全地球測位システム(GPS)、ヨーロッパのガリレオシステム、およびロシアのGLONASSシステムが含まれる。GNSSは、UE 112のような小型電子受信機が、GNSSに属する衛星ビークル(SV)から無線機によって見通し線に沿って送信された時間信号を使用して、それらの位置(経度、緯度、および高度)を数メートルのところまで決定できるようにする。いくつかの実現では、UE 112は、GNSS SVからの信号を測定し、UE 112についての位置を計算するために、これらの測定値を位置特定サーバ204のような位置特定サーバに提供しうる。他の実現では、UE 112は、GNSS SVからの信号を測定すること、および、GNSS SVから受信される、および/または位置特定サーバ204によって提供される支援データ(例えば、SVオービット、SVタイミング、および大気信号遅延に関する)を使用して、これらの測定値からその位置を計算することの両方を行いうる。GNSS SVとの通信によって導き出される位置情報は、本発明の実施形態を実行する際に使用されうる。追加的に、UE 112は、WiFiアクセスポイント304へのワイヤレス接続あるいはその他の適切なワイヤードまたはワイヤレス通信を使用してインターネット306に接続されうる。
【0042】
[0053]UEの位置は、相対的または絶対的でありうる。絶対的な位置の場合、各UEの絶対的な位置座標が取得される。これは、支援型GNSS(A−GNSS)、OTDOA、およびAFLTのような測位方法(position method)によって可能にされうる。相対的な位置の場合、ペアのUE間の距離が取得されることができ、これは、各UEの位置がグループ内の他のUEに対して知られているが、UEのグループの絶対的な位置および方向は知られていない可能性のある、D2Dグループの既知の位置構造に導く。
【0043】
[0054]例示的な実現では、D2D通信を使用することは、ネットワーク負荷を低減させるのに有利でありうる。その後、偶然互いに近くにいる通信中のUEのグループは、互いに十分近い場合には、ネットワークによってD2Dモードに置かれ、それらの間隔が十分に増加した場合には、このモードから外されうる。図1に戻って参照するが、本発明の実施形態によれば、UE 112iおよびUE 112kは、偶然にもそれらが互いに直接通信するのに十分に互いの近くにいるため、それらが異なるセルに属している場合であってもD2Dモードでありうる。その後、UEの位置およびサービングセルIDは、D2Dモードがいつ再度利用可能となりうるかについて決定するのを助けるために使用されうる。例えば、2つのUEが同一のサービングセルを共有するか、あるいは、隣接の、または、部分的または完全に重複しているサービングセルを有する場合、十分小さいサービングセルエリアにとって、UEは、D2D通信の使用を試みるのに互いに十分に近くにいると考えられうる。IPマルチメディアサブシステム(IMS)通信の場合、2つのUE(例えば、UE 112iおよび112k)の間の媒体経路は、ネットワークを介したIMS通信のためのシグナリング経路を使用し続けならが、D2Dモードを使用しうる。
【0044】
[0055]相対的なUE位置は、D2Dモード(例えば、2つのUE間の距離)のトリガを助けるために、ネットワークベースの動作およびネットワーク支援型動作で使用されうる。相対的なUE位置はまた、2つのUEが、他のタイプのプロキシミティサービスをサポートするために近接しているか否かを決定するために使用されうる。一実現では、サービングセルIDは、近似値として代わりに使用されうる。例えば、D2Dモード(または、他の何らかのプロキシミティサービスに関する近接度の決定)は、セルサービングエリアが小さい(例えば、直径1キロメートル以下である)場合、同一のサービングセルを有するか、または、隣接のサービングセルを有する2つのUEについて可能でありうる。また、いくつかの実現では、強化セルID(E−CID)測位は、測位遅延およびリソースを低減するために、A−GNSSまたは観察到着時間差(OTDOA)というよりはむしろ、UE位置を決定するのに十分な解像度を有しうる。相対的な位置に加え、D2D通信リンクの信号強度/品質の周期的なモニタリングは、D2Dモードからネットワークモードへのハンドオフをトリガするために使用されうる。
【0045】
[0056]本発明の実施形態は、また、自律的なD2D動作に使用されうる。自律的な動作では、D2D通信の初期の発見および確立は、UE間で直接信号を転送する能力に基づきうる。代替的に、D2Dモードをサポートしないが、D2Dモードが許可されているネットワークに接続されたUEの場合、UEは、このネットワークを介して接続し、サービングセルおよび位置情報を交換して、可能なD2Dモードを決定しうる。一度D2Dモードが進行中になると、UEは、それらの相対的な位置、および、UEのグループをモニタリングし、相対的な位置に基づいて中継器の役目を割り当てるおよび再度割り当てうる。
【0046】
[0057]通常、VPLMNは、例えば、特定のUEだけがD2D通信に従事することを許可および可能にするように、D2D通信を調整および管理することが期待されうる。しかしながら、いくつかの状況では、D2D通信は、ほとんどまたはまったくネットワークサポートなく、自律的に行われる必要がありうる。例えば、自律的なD2D通信は、(i)障害状況において第1の応答者(および、被害者)間の通信をサポートするために、(ii)発呼UEがネットワークにアクセスすることができないが、別のUEにアクセスすることができる緊急呼に対して、(iii)UEのペアまたはグループが、任意の潜在的なサービングネットワークのカバレッジ外で通信を望む場合に、および/または(iv)サービングネットワークまたはネットワークの一部が、重度の輻輳状態にあり、そのカバレッジエリア内の近くのユーザ(例えば、競技場の観客)が通信することを望む場合に、必要とされうるか、または、有益でありうる。
【0047】
[0058]自律的なD2D通信を可能にするために、本発明の実施形態は、自律的な動作のために、アクセス可能なサービングネットワークがないことまたはサービングネットワーク許可の確認、近くのD2D対応UEの発見、通信する意欲または意図の確認、D2D通信のネゴシエーションおよび確立を実行しうる。
【0048】
[0059]いくつかの実現では、通信を望む近くのD2D対応UEまたは他の共通プロキシミティサービスをサポートする他のUEのいずれかの発見は、UEが連続的または周期的に識別信号をブロードキャストすることを含むことができ、ブロードキャストの任意の周期性は、アクセス可能な場合、サービングネットワークによって構成または定義されうる(ポイントツーポイントで、またはブロードキャストを介して)。UEブロードキャスト信号は、基地局またはフェムトによってブロードキャストされる情報の何らかの小さいサブセットを含みうるか、または、WiFiビーコンチャネルに基づきうる。ブロードキャスト情報は、通信特性(例えば、周波数)、D2D能力、および必要なプロキシミティサービス(例えば、緊急、選択的な非緊急)を含みうる。情報は、また、一時的なUE疑似IDおよび1つ以上のプロキシミティサービスIDのリストを含みうる。プロキシミティサービスIDは、UEにおいてハードコーディングまたは構成されたIDでありうるか、または、ユーザによって入力されたIDであり、それは、(i)同一のサービスIDに関連付けられた他の近くのUEとD2DグループまたはD2Dペアを確立しようとするUEによる意欲、あるいは、(ii)近くの友人、同僚、親戚、または関心地点を知らせることのような、D2D通信を要求しない他の何らかのプロキシミティサービスをサポートすることに対する関心を識別する。
【0049】
[0060]必要な場合には、D2D通信のネゴシエーションおよび確立、または、2つのUEが共通のプロキシミティサービスを共有するとの決定は、主体のUEが、サポートされるサービスIDを含む、別のUEからのブロードキャストを受信することであって、その後に、主体のUEは、例えば、最初にシグナリングリンクを確立することによって、直接通信に応答しうること、を含みうる。さらに、2つのUEの間での相互認証が2つのステップで行われる。第1のステップでは、UEでリザーブまたは構成されるか、あるいは、ユーザによって入力された共有のシークレットキーに基づいて、挑戦/応答メッセージの交換が各方向で行われうる。第2のステップでは、UEパブリックユーザ識別情報(例えば、モバイル加入者総合デジタルネットワーク番号(MSISDN))またはユーザ名に関連付けられたクライアント側の証明書が、送る側のUEを認証するために、一方のUEから他方のUEに送られうる。
【0050】
[0061]D2D通信に従事するデバイスは、グループに編成されうる。最も一般的なD2Dグループは、音声、ビデオ、テキスト、および/またはデータを通信するUEのペアを備えうる。D2Dグループはまた、1つのUEから、P2Pグループ内のいくつかまたはすべての他のUEへのブロードキャストをサポートするピアツーピア(P2P)グループの一部でありうる。D2Dグループは、例えば、ネットワーク負荷が低減されうるため、P2P通信をサポートする効率的な手段を提供しうる。P2Pアプリケーションレベルで走る分散アルゴリズムは、送受信機能を制御しうる。例えば、任意の時間に、どのUEが音声/ビデオ/テキストを他のUEに送信することを許可されるかを決定する。しかしながら、ネットワークから異なるD2Dグループへの送信能力の割振および再割振は、動的な干渉条件に起因して複雑な問題でありうる。
【0051】
[0062]サービスID(または、プロキシミティサービスID)は、D2Dモードでの通信を管理し、他のプロキシミティサービスのサポートを助けるために使用されうる。サービスIDは、サービスタイプおよびグループIDから構成されうる。一実現では、サービスタイプは、1つのレベル値または値の構造化されたセットでありうる。例えば、第1のレベルは、例えば、緊急事態、広告、または友人/家族に関する広いカテゴリのサービスを示し、第2のレベルは、音声呼、音声/ビデオ呼、またはテキスト/IMといった、選好タイプの通信を示しうる。グループIDは、特定のセットのUE(例えば、友人、親戚、または同じ会社の従業員からなるグループに属するUE)を示しうるか、あるいは、どのUEに対してもオープンでありうる。UEによるサービスIDのブロードキャストは、同一のサービスIDをサポートする他の近くのUEとのD2D通信に従事したいという意欲、または、他の何らかの特定のプロキシミティサービスをサポートすることに対する関心のいずれかを示しうる。サービスIDは、(例えば、ユーザ、ホームオペレータ、またはUE上のアプリケーションによって)UEにおいて構成されうる。
【0052】
[0063]いくつかのグループIDは、緊急サービスのようなサービスのための、リザーブ済みグループIDでありえ、世界的または全国的に一意的でありうる。オペレータ構成グループIDは、世界的な一意性を確実にするための、オペレータMCC(mobile country)および/またはモバイルネットワーク(MNC)インターナショナルコードを含みうる。アプリケーション割当グループIDは、例えば、それらが、関連オペレータMCC−MNCコード、一意的なオペレーティングシステム(OS)コード、および/または一意的なベンダコードを含む場合、一意的でありうる。ユーザ割当グループIDは、一意的ではない可能性がある(例えば、共有の名称および/またはユーザ割当番号に基づく場合)。しかしながら、認証プロセスは、通常、同一のグループIDを使用する異なるグループのメンバ間の無効な通信をフィルタリング除去しうる。
【0053】
[0064]いくつかの実現では、グループIDは、認証が必要とされうる。グループIDのユーザまたはデバイスメンバーシップを認証するために、個別の共有シークレットキーが、特定のグループについてのユーザ、ホームオペレータ、またはアプリケーションによって入力または構成されうる。(i)ユーザ名、(ii)MSISDNまたはIMSI(International Mobile Subscriber Identity)のようなパブリックユーザ識別情報、および/または、(iii)IMEI(Mobile Equipment Identity)のようなモバイルデバイス識別情報に関連付けられたクライアント側の証明書に基づいた認証もまた使用されうる。一実施形態では、D2D接続を最初に確立するか、2つのUE、UE1およびUE2、が同一のプロキシミティサービスをサポートすることを確認するためのプロシージャは、UE1が、D2DグループAに属する共有シークレットキーKにリンク付けられたグループID Aおよびランダム値V1を含むサービスIDをブロードキャストすることと、UE2が、V1およびKに基づいた値V2、ランダム値V3、および、UE1とUE2との間の信号伝搬遅延を示す時間差D2(例えば、本明細書で後に図5に関連して説明される時間差Tx2−Rx1)を用いて応答することとを含みうる。UE2からの応答の一部またはすべては、KおよびV1に基づいて暗号化されうる。UE1は、グループAにおけるUE2のメンバーシップを最初に認証するために、V2(および暗号化)を使用し、UE1とUE2との間の信号伝搬遅延を示す時間差D1(例えば、本明細書で後に図5に関連して説明される時間差Tx1−Rx2)を測定し、D1およびD2を使用して、UE1とUE2との間のラウンドトリップ信号伝搬時間(RTT)を計算し(例えば、図5について後述されるようにD1+D2としてRTTを計算し)、時間差D1と、V3およびKに基づいた値V4とともにD2Dモードを使用してUE2に応答しうる。UE2は、V4を使用して、グループAにおけるUE1のメンバーシップを最初に認証し、UE1についてのRTTを取得しうる(例えば、D1とD2との合計として)。その後、証明書を使用した他方のUEによる各UEの認証は、好ましい場合、進みうる。例えば、UE証明書を使用した認証が、TLSセッションを確立することの一環として行われるUE1からUE2への通信をすべて搬送するために、トランスポート層セキュリティ(TLS)セッションオーバTCP/IPが、D2Dモードを使用して確立されうる。
【0054】
[0065]図4は、本発明の実施形態にしたがって例示的なD2Dグループを描写する。図4は、図1および図2で説明されたワイヤレス通信システムの拡張を描写する。前の図1と現在の図4で見られるように、UE 112mは、通信セル116c内にあり、BTS 114cに通信できるように接続される。UE 112n、112o、および112pは、BTS 114cまたはその他のBTSの通信可能な範囲内にない。他のシナリオでは、UE 112n、112o、および112pがBTS 114cの通信可能な範囲内にある場合であっても、それらは、依然として、契約上の制約、UEおよびBTSによって使用される通信プロトコルの違い、またはその他の理由に起因して、BTS 114cによってサービスされない可能性がある。UE 112pは、WiFiアクセスポイント304を通してインターネットに接続され、インターネット306を通して緊急情報を接続および通信することができる。
【0055】
[0066]図4に示されるように、UE 112m、112n、112p、おおよび112nは、互いの通信可能な範囲内にあり、グループIDを使用してD2D通信グループを形成しうる。グループメンバは、上述されたように、グループに参加する前に互いまたはグループを認証しうる。緊急の状況では、UE 112nは、いずれのBTSまたはインターネットにも直接接続されないが、中継UEとして機能する他のグループメンバを通して、例えば、UE 112mからBTS 114cにかけてまたはUE 112pからインターネットにかけて、緊急サービスタイプを使用して緊急メッセージを送ることができる。さらに、通常の動作中、UE 112m、112n、112pおよび112nは、また、ネットワークに負荷をかけることなく、それらのそれぞれのユーザ間での音声通信を可能にするか、またはミュージックおよびビデオのようなデータを共有する目的で、互いと直接通信しうる。これは、ネットワークを、追加の帯域幅必要性から解放し、ネットワークを使用して音声およびデータトラフィックを転送するための、各UEのユーザのコストを節約する可能性がる。
【0056】
[0067]D2D通信および他のプロキシミティサービスをサポートするために、UEは、他のUEからの信号を測定しうる。D2Dおよび/または他のプロキシミティサービスがどのようにサポートされるかに依存して、この測定値は、オペレータへの周波数割当がFDD(周波数分割複信)に基づく場合、DL(ダウンリンク)またはUL(アップリンク)割当周波数のうちのいずれかを使用して、他のUEによって送信された信号でありうる。別のUEによって測定されうるターゲットUEからの信号は、測定を実行するネットワークまたはUEのいずれかへのデータおよびシグナリング、ブロードキャスト信号(UEがブロードキャストすることが許可された場合)、および/または、位置測定をサポートすることを目的とした一時的な信号(例えば、高度に検出可能なパイロット(HDP)または測位基準信号(PRS))を含みうる。例えば、これらの信号の送信および測定は、関与するUEによって、または、ネットワークによって調整または同期されうる。いくつかの実施形態では、3GPPによって定義されたLTE測位プロトコル(LPP)およびOMAによって定義されたLPP拡張(LPPe)のような既存のプロトコルに対する新たな位置関連または位置支援プロトコルまたは改良版が、例えば、新しいタイプの信号測定をサポートするために開発されうる。
【0057】
[0068]D2Dグループ内のUEを位置特定する場合、例えば、UEのペアが、それらのUE自体の間のラウンドトリップ信号伝搬時間(RTT)を測定することを可能にするために、RTT方法が使用されうる。一度UEのペア間のRTTが取得されうると、これらのUE間の直線距離が、値(c*RTT/2)として取得され、ここで、cは、信号速度(典型的に、光の速度)でありうる。その後、D2Dグループ内のUEのペア間のRTTを取得することは、UEの相対的な位置を決定するために使用されうる。測定値を取得し、精度を高めるために、新しいD2Dベースプロトコルが定義されうる。RTT算出は、多数のスキームを使用して実行され、以下で説明される実施形態の有効範囲が限定されるわけではない。例えば、2つのデバイス間の推定済みRTT時間は、これらのデバイス上で動作するプロセッサ1210(図12で説明される)によって、2つのデバイス間の1つの信号または多数の信号を使用して算出されうる。さらに、RTTは、また、システム内の基地局および他のデバイスのような他のエンティティによって可能にされる支援タイムスタンプを使用してプロセッサ1210によって算出されうる。OTDOA位置特定方法では、UEは、他のUEのペア間、または、UEと基地局(例えばeNB)との間の観察タイミング差(OTD)を測定し、相対的なUE位置を決定するためにOTDを使用しうる。分散型GNSS位置特定方法では、RTTまたはOTDOAのような方法を使用して、相対的なUE位置が、最初に取得されうる。その後、D2Dグループ内のいくつかのUEは、SVのGNSS測定値を取得しうる。いくつかの実施形態では、すべてのUEからの全部で7つのGNSS測定値は、すでに知られている相対的なUE位置を想定して(1つのそのような実施形態では、相対的なUE位置が取得された後、グループの絶対的な位置および方向だけが知られていない可能性があるため)、グループ内の各UEを位置特定するのに十分でありうる。HRPDについて3GPP2によって定義された高度に検出可能なパイロット(HDP)方法は、ネットワーク許可を用いていくつかの実施形態で使用されうる。そのような方法は、UEが、高度に検出可能なパイロット信号を準同期された方法でブロードキャストすることを含みうる。他のUEは、これらのHDP信号を使用して、UEのペア間の改善されたOTDを測定しうる。キャリアまたはコード位相ストリーミング方法では、UEは、GNSSコード位相またはキャリア位相測定値を別のUEに周期的に送りうる。他のUEは、類似したGNSSコード位相またはキャリア位相測定値を取得し、GNSS測定値の両方のセットを使用して第1のUE(または、それ自体)の相対的な位置を導き出しうる。
【0058】
[0069]例示的な実施形態は、例えば、本明細書で説明されるように、分散位置サポートに対して使用されうる。いくつかの実施形態では、UEは、周期的または連続的にブロードキャストして、他のUEによる位置測定(例えば、RTT、OTD、および信号強度に関連した測定、または、それらの測定)を可能にし、さらに、他のUEによるUEの発見を可能にし、そして、UEについての、および、可能であれば他のUEについての情報(例えば、識別情報、位置、位置測定値)の配布を可能にしうる。いくつかの実現では、シグナリングおよび情報転送は、代わりに、または、加えて、暗号化または時間調整された送受信を用いて、D2Dグループに制限され、グループの外のUEには利用不可能でありうる。UEの相対的な位置または絶対的な位置は、他のUEの各UEで測定を行うことと、測定値をグループ内の他のUEに転送することと、それによって、各UEが、他のUEの絶対的な位置または相対的な位置を独立して導き出すことを可能にすることを用いて、D2Dグループ内のすべてのUEにおいて周期的に更新されうる。その後、導き出された位置は、他のUEに転送され、それによって、いくつかのUEは、その後、他のUEの位置をほとんどまたはまったく導き出さないことを可能にする。UEは、その相対的な位置の変化(例えば、センサまたは他の手段から導き出されたような)を他のUEにさらに転送して、他のUEが、そのUEについてのそれらの位置推定値を更新することを可能にしうる。
【0059】
[0070]OMAによって定義されたSUPL(Secure User Plane Location)ソリューションまたは3GPPおよび3GPP2によって定義された制御プレーン位置特定ソリューションのような既存の標準的な位置特定ソリューションは、典型的に、(i)ネットワーク側の位置特定サーバ204から、または、その支援を受けてクライアントUE 112がその位置を取得するか、または、(ii)位置特定サーバ204に問い合わせることによって、ネットワークの外側のクライアントがターゲットUEの位置を取得するか、のいずれかであるクライアント−サーバモデルに基づく。対照的に、本明細書の実施形態で説明された分散位置特定ソリューションの場合、UEは、(通常の)UEまたは位置特定サーバの役割を担うことができる。サーバの役割を担っているとき、UE Aは、位置が望ましい別のUE Bからの位置測定値を要求し、ここで、UE Bによって取得された測定値は、基地局、WiFi AP、他の何らかのUE C、または要求側のUE A自体によって送信された信号である。サーバの役割を担っているとき、UE Aは、UE Bが位置測定を実行すること、および、可能であればそれ自体の位置を計算することを支援するために、別のUE Bに支援データ(例えば、UE Bの略位置、GNSS、またはBSタイミングデータ、GNSSナビゲーションデータ)を提供しうる。サーバの役割を担っているとき、UE Aは、また、UE Bに代わって、UE Aおよび/またはUE Bによって行われた測定に基づきUE Bの位置を計算しうる。いくつかの実施形態では、新しい測位プロトコルおよび位置特定ソリューションを定義および実現することを回避するために、既存の標準的な測位プロトコルおよび位置特定ソリューション(LPP/LPPe、SURL)が再使用されうるが、他の実施形態では、サーバ/クライアント役割のUE間の改良済み認証およびネゴシエーションをサポートするために、既存の測位プロトコルおよび位置特定ソリューションに対する変更が実現されうる。本明細書で説明される特定の実施形態は、2つ以上のUEが、位置特定サーバを使用することなく、位置特定サービス(例えば、測位、支援データの受信)を受信および提供する分散位置特定技術を含む。
【0060】
[0071]分散位置特定モデルは、UE A上にあるクライアント(例えば、ユーザまたはアプリケーション)が別のUE Bの位置を要求すると、起動されうる。UE Aは、UE BがUE Aと同一のD2Dグループ内にある場合、D2Dシグナリングを介して分散位置特定サービスを起動しうる。D2Dグループ内のUEの位置は、位置および/または測定値の交換を介して位置が周期的に更新される場合、いくらかの精度で、すでに知られている(あるいは、まさに知られようとしている)可能性がある。ゆえに、追加のD2D位置特定起動は、より高い精度を達成するためにのみ、または、D2Dグループ内の位置の更新の周期性が低い場合に必要とされうる。任意のUE Bの位置についてのUE Aによる要求がUE AについてのローカルD2Dグループ内のUEに対応する可能性は低いが、D2Dグループが、UE間の(および、UEユーザの拡張による)通信をサポートするために確立されうるという事実は、例えば、1人のユーザが、別のユーザに会うことを望む場合、そのような整合がかなりの頻度で生じることに帰着しうる。分散位置は、また、ネットワークにわたってUE間でアプリケーションプロトコルを使用して、ネットワークモードでサポートされうるが、測位は、他のUEのUE測定を伴わない可能性がある。
【0061】
[0072]ネットワークモードに対してD2Dモードがいつ適しているかを決定するめに、および、特定のプロキシミティサービスに関してUEがいつ近接たしているかを決定するために、UE−UE距離がメトリックとして使用されうる。UEのペアが、互いからの信号を受信(および測定)することができない場合、各UEを個別に位置特定し、距離を算出することによって距離が取得されうる。UEが、互いからの信号を受信(および測定)することができる場合、UE−UE距離は、UE−UE RTTから決定されうる。UEのペアに関するそのような距離決定についての例示的な方法は、以下にリストされ、続いてさらに詳細に説明される。これらの例は、直接的にLTE無線技術に適用されうるが、他の無線技術にも適用されうる。方法は、次の通りである。
【0062】
[0073]A:各UEで、UE−UE信号のTx−Rxを測定する。
【0063】
[0074]B:各UEで、共通サービングeNBタイミングを測定する。
【0064】
[0075]C:異なるが同期されているeNBsを有する各UEで、サービングeNBのタイミングを測定する。
【0065】
[0076]D:異なり、かつ、同期されていないeNBsを有する各UEで、両方のサービングeNBのタイミングを測定する。
【0066】
[0077]一実現において、上でおよび次の図で説明されるeNBは、図1−4で説明されたBTSに対応しうる。方法Aは、両方のUEが互いにシグナリングする場合(例えば、D2Dモードで)に使用されうる。方法B、C、およびDは、例えば、ネットワークモードにおいて、一方のUEだけが他方のUEにシグナリングすることができる場合に使用されうる。よって、これらの方法のいくつかは、UEが他方のUEから直接信号を受信することができるが、応答することができない場合(例えば、通信が事実上一方向である場合)、いずれかのUEによって2つのUE間の距離を測定するために使用されうる。そのような方法は、いつD2Dモードが可能であるかを決定し、D2Dモードに入る試みのような関連アクションをトリガするために、UEのペアによって使用されうる。そのような方法はまた、D2D通信および/または他のプロキシミティサービスをサポートするためのUE近接度の発見の一環として使用されうる。例えば、UEは、D2Dモードまたは共通の関心を有する他の何らかのプロキシミティサービスをサポートする他のUEを、それらの他のUEからの直接的な信号を受信することによって発見することができ、また、発見された各UEへの距離を決定することができる。
【0067】
[0078]図5は、デュプレックスシグナリングを使用してUE−UEラウンドトリップ時間(RTT)を測定するための例示的な実施形態を例証する。図5は、上述された方法Aの実施形態を説明する。図5で説明されるUEは、図1−4で説明されたUEに類似しており、図12で説明されるコンピューティングデバイスの構成要素を使用して実現されうる。第1のデバイスは、ユーザ機器1(UE1)502として描写され、第2のデバイスは、ユーザ機器2(UE2)504として描写される。図5では、Tは、UE1 502とUE2 504との間の伝搬遅延である。信号は、図12のUE 1200に結合されたトランシーバ1250を使用して送信および受信されうる。各UEによって送信される信号は、信号の送信時間および受信時間を測定するために使用されうる暗示的または明示的な時間情報を搬送しうる。例えば、信号は、GSMではフレームおよびビットへと、または、LTEでは、フレームおよびサブフレームへと構造化されうる。Tx1は、UE1 502において送られた信号送信時間であり、Tx2は、UE2 504において送られた信号送信時間である。Rx1は、UE2 504によって受信されるUE1 502の信号送信時間であり、Rx2は、UE1 502によって受信されるUE2 504の信号送信時間である。例証される実施形態では、時間Rx1およびRx2は、伝搬時間Tにより、同一の絶対的な時点で、それぞれ時間Tx1およびTx2からT遅れている。
【0068】
[0079]一実現では、UE1 502は、それ自体の信号送信時間Tx1と、UE2 504から受信される信号送信時間Rx2との差分Tx1−Rx2を測定し、この測定値をD2Dモードを介してUE2 504に送りうる。UE2 504は、それ自体の信号送信時間Tx2と、UE1 502から受信される信号送信時間Rx1との差分Tx2−Rx2を測定し、この測定値を、D2Dモードを介してUE1 502に送りうる。両方のUEが、同一の時間単位を採用し、かつ、等しいまたはほぼ等しい周波数ソース(例えば、多くのワイヤレス規格によって定められているような)を有する場合、測定された時間差は、UE間の距離が同じでありつつける限り、いつ測定されたかに関係なく、一定(または、ほぼ一定)であり続けるだろう。よって、UE1、502でのTx1は、UE2 504でのTx2と同一の絶対時間定数ATで測定されるものと想定され、これは、時間ATにUE1 502によってUE2 504から受信された時間Rx2が、Tx2−Tとなり、UE1 502からUE2 504によって受信された時間Rx1が、Tx1−Tとなることを意味する。したがって、ラウンドトリップ時間は、以下の式で示されるように決定されうる。
(Tx1−Rx2)+(Tx2−Rx1)=(Tx1−Rx1)+(Tx2−Rx2)=2T=RTT (1)
ゆえに、時間差測定値のペアは合算されて、片道の距離が取得されうるラウンドトリップ伝播時間が与えられる。この方法は、また、UE1 502での(Tx1−RX2)測定およびUE2 504での(Tx1−RX2)測定が、共通サーバ(例えば、位置特定サーバまたはeNB)に、あるいは、これら測定値を後に交換する異なるeNBに送られる場合、UE−UE RTTを測定するためにeNB(例えば、ネットワークモードの)のようなサーバノードによって使用されうる。
【0069】
[0080]図6は、シンプレックスシグナリングを使用してUE−UEラウンドトリップ時間を測定するための例示的な実施形態を例証する。図6に示されるUEは、図1−4で説明されたUEに類似しており、図12で説明されるコンピューティングデバイスの1つ以上の構成要素を使用して実現されうる。信号は、図12のUE 1200に結合されたトランシーバ1250を使用して送信および受信されうる。図6は、上述された方法Bの実施形態を説明する。
【0070】
[0081]図6では、T、T1、およびT2は、示された経路上の信号伝搬遅延である。図6において、eNB 606は、両方のUE(602および604)のためのサービングeNBでありうる。TA1およびTA2は、それぞれ、GSMまたはLTEといった無線技術によって使用されるようなUE1 602およびUE2 604についてのタイミングアドバンス値であり、そこでは、サービング基地局から各UEによって受信された送信タイミングに対してそのUEの送信タイミングをタイミングアドバンスに等しい量ぶん進めるようにUEに命令することで、サービング基地局(例えば、GSMのBTSまたはLTEのeノードB)は、この基地局から見て、サービスされる異なるUEの送信タイミングを同一の値に同期させる。eNB 606が、このeNBから見て、UE1 602およびUE2 604送信タイミングをアラインするためにTA1およびTA2を使用する場合、信号伝搬遅延およびタイミングアドバンスは、以下の通り関連している:
2*T1−TA1=2*T2−TA2 (2)
【0071】
[0082]したがって、T1とT2との間の差分は、以下のように表せられうる:
T1−T2=(TA1−TA2)/2 (3)
【0072】
[0083]式(3)は、この式が適用されるLTEのような無線技術についてRTTを決定することを助けるために各UEによって使用されうる。これを可能にするために、UE1 602は、UE1 602におけるeNB 606信号送信時間のUE1 602信号送信時間への関連付けを測定し、この関連付けをUE2 604に送り、UE2 604は、同じことを逆に行いうる。例えば、UE1 602は、特定の時間瞬間でのeNB 606の送信タイミング(例えば、UE1 602での)を測定し、この値を、同一の時間瞬間でのUE1 602の送信タイミングおよびそのタイミングアドバンスTA1とともにUE2 604に送りうる。UE2 604は、UE1 602ではなくUE2 604だけがRTT値を取得することとなる場合には必要ではないが、その観点から同じことを行いうる。図6では、UE1 602送信時間は、eNB 606に向けられた送信ではなく、UE2 604に向けられたUE1 602送信を指す。UE2 604へのUE1 602送信は、いくつかの暗示的または明示的なローカルタイミングデータを含みうる。代替的な実施形態では、UE1 602は、転送により被るUE1 602の内部での追加の遅延とともに、eNB送信時間をUE2 604に転送しうる。
【0073】
[0084]UE2 604は、UE1 602信号送信時間を(例えば、UE1 602からそれが受信する信号上で直接的に)見て、UE1 602から受信されたeNB 606送信時間へのUE1 602送信時間の関連付けを使用して、eNB 606からUE2 604へのUE1 602を介した送信経路(伝搬遅延T1+Tを有する)上で見られるであろうeNB 606送信時間Taを推論する。UE2 604は、eNB 606からの直接経路(伝搬遅延T2を有する)上のeNB 606送信時間Tbを見る。同一の瞬間にUE2 604によって見られるeNB 606送信時間の間の差分は、以下のように表されうる:
Tb−Ta=T+T1−T2=T+(TA1−A2)/2 (4)
【0074】
[0085]その後、UE2 602は、式(4)と、TA1およびTA2の既知の値と、Tb−Taについての測定された値とを使用してTを算出しうる。UE1 602は、T+T2−T1を、そこからTを取得するために類似したステップを実行することができる。これにより、UE−UE RTTは、シンプレックス(例えば、ブロードキャスト)通信だけを使用して、かつ、ネットワークからの特別なサポートなく、各UEによって取得されることができる(値2×Tとして)。この方法では、RTTの決定は、いくつかの実施形態では、例えば、これらのUEのうちの1つ以上から受信されたシグナリングによって決定されたような複数のUEの各々のタイミングアドバンスについての知識を用いて算出されうる。よって、UEは、UEが他方のUEからの通信に応答できない場合であっても、サービングネットワークからの介入または支援なく、別のUEへのRTTを決定しうる。
【0075】
[0086]図7は、本発明の実施形態を実行するための方法を例証する別のフロー図である。方法700におけるシグナリングは、ハードウェア(回路、専用論理、等)、ソフトウェア(汎用コンピューティングシステムまたは専用マシンで走るもののような)、ファームウェア(埋め込み式ソフトウェア)、あるいは、それらの任意の組み合わせを備える処理論理(processing logic)によって実行される。一実施形態では、方法700は、図12で説明されるような1つ以上のコンピュータシステム1200によって実行される。一実施形態では、以下で説明される受信および送信ステップは、図12で説明されるトランシーバ1250を利用して容易にされうる。
【0076】
[0087]図7において、本発明の実施形態によって実行される方法は、図6で説明されるように、第1のデバイスと第2のデバイスとの間の距離を決定しうる。ステップ702で、プロセッサ1210は、第1のデバイスを介して第2のデバイスに送られた第1の基地局からの第1の信号についての第1の到着時間を決定する。一実施形態では、第1の基地局は、第1のデバイスおよび第2のデバイスの両方をサービスする。第1のデバイス、第2のデバイス、および第1の基地局は、トランシーバ1250およびアンテナ1255を使用して互いにメッセージを送受信しうる。図6に戻って参照するが、図7の方法を説明する間、第1のデバイスはUE1 602を表し、第2のデバイスはUE2 604を表し、第1の基地局はeNB 606を表しうる。
【0077】
[0088]ステップ704で、プロセッサ1210は、第1の基地局から第2のデバイスに直接送られた第2の信号についての第2の到着時間を決定する。ステップ706で、プロセッサ1210は、第1の到着時間および第2の到着時間を使用して、第1のデバイスと第2のデバイスとの間の距離を決定する。一実現では、プロセッサ1210は、図6および式(2)、(3)、(4)に関連して上で例示されたように、第1の到着時間と第2の到着時間との間の差分を取得することによって、第1のデバイスと第2のデバイスとの間の距離を決定しうる。
【0078】
[0089]ステップ708で、プロセッサ1210は、第1のデバイスと第2のデバイスとの間の距離が閾値よりも低いと決定する。ステップ710で、プロセッサ1210は、デバイスツーデバイスモードを使用する第1のデバイスと第2のデバイスとの間の通信を可能にし、ここにおいて、デバイスツーデバイスモードは、第1のデバイスおよび第2のデバイスが、第1の基地局または第2の基地局を通してデータを送ることなく互いに通信することを備える。代替的に、ステップ710で(図7には示されない)、プロセッサ1210は、何らかのプロキシミティサービスに関連して、第1のデバイスおよび/または第2のデバイスに、それらが近接していることを知らせる。別の実施形態(図7には示されない)では、プロセッサ1210は、ステップ708で、第1のデバイスと第2のデバイスとの間の距離が閾値よりも高いと決定し、ステップ710で、プロセッサ1210は、デバイスツーデバイスモードを使用する第1のデバイスと第2のデバイスとの間の通信を不能にし、代わりに、デバイスがネットワークを用いて通信するネットワークモードにデバイスを置く。
【0079】
[0090]第1のデバイス、第2のデバイス、および第1の基地局によって信号を送受信するために使用されるメッセージングプロトコルは、一実施形態ではLPP/LPPeでありえ、また、別の実施形態では、LTE無線リソース制御(RRC)プロトコルでありうる。しかしながら、他のプトロコルが通信に対して使用されうる。
【0080】
[0091]本発明の実施形態にしたがって、図7で例証される特定のステップが、動作モードを切り替える特定の方法を提供することは認識されるべきである。それに応じて、代替的な実施形態では、他のシーケンスのステップもまた実行されうる。例えば、本発明の代替的な実施形態は、上で概説されたステップを異なる順序で実行しうる。例証するために、ユーザは、第3の動作モードから第1の動作モードに、第4のモードから第2のモードに、または、それらの間の任意の組み合わせで変化することを選びうる。さらに、図7に例証される個々のステップは、個々のステップに適切なようにさまざまなシーケンスで実行されうる多数のサブステップを含みうる。さらに、追加のステップは、特定のアプリケーションに依存して、追加または除去されうる。当業者は、方法700の多くの変形例、改良例、および代替例を把握および認識するだろう。
【0081】
[0092]図8は、シンプレックスシグナリングを使用してUE−UEラウンドトリップ時間を測定するための別の例示的な実施形態を例証する。図8は、上述された方法Cの実施形態を説明する。T、T1、およびT2は、示された経路上の信号伝搬遅延である。eNB1 806がUE1 802をサービスし、eNB2 808がUE2 804をサービスしうる。TA1およびTA2は、それぞれ、UE1 802およびUE2 804についてのタイミングアドバンス値である。eNB1 806およびeNB2 808が同期され(例えば、GPSを使用して)、TA1およびTA2を使用して各サービングeNBでUE1 802およびUE2 804送信タイミングを同一の(同期された)eNB時間にアラインする場合、信号伝搬遅延およびタイミングアドバンスは、式2で示されたように関連しており、T1とT2との間の差分は、式3で示されたように表されうる。
【0082】
[0093]UE1 802は、UE1 802におけるeNB1 806信号送信時間のUE1 802信号送信時間への関連付けを測定し、この関連付けおよびそのタイミングアドバンスTA1をUE2 804に送りうる。同様に、UE2 804は、UE1 802ではなくUE2 804だけがRTT値を取得することとなる場合には必要ではないが、eNB2 808信号送信時間に関して逆の動作を行いうる。UE2 804は、UE1 802信号送信時間を(例えば、UE1 802からそれが受信する信号上で直接的に)見て、UE1 802から受信されたeNB1 806信号送信時間へのUE1 802信号送信時間の関連付けを使用して、eNB1 806からUE2 804へのUE1 802介した送信経路(伝搬遅延T1+Tを有する)上で見られるであろうeNB1 806信号送信時間Taを推論する。UE2 804はまた、直接経路(伝搬遅延T2を有する)上のeNB2 808信号送信時間Tbを見る。eNBが同期されているため、同一の瞬間にUE2 804から見たeNB信号送信時間の間の差分は、式4で示されたように表されうる。UE2 804はその後、式(4)、TA1およびTA2の既知の値、およびTb−Taについての測定された値を使用してTを算出しうる。その後、RTTは(2*T)として、UE間の距離は(c*T)として取得されることができ、ここで、cは、信号速度(例えば、光の速度)でありうる。
【0083】
[0094]UE1 802は、T+T2−T1を、そこからTとRTTとを取得するために類似した方法を実行しうる。これにより、UE−UE RTTは、シンプレックス(例えば、ブロードキャスト)通信だけを使用し、かつ、ネットワークからの特別なサポートなく、各UEによって取得されることができる。しかしながら、eNBは、同期されることと、サービングeNBで受信されたUE信号タイミングを共通eNB時間にアラインすることに基づいて、タイミングアドバンス値をUEに割り当てることとが必要ありうる。代替的な実施形態では、eNBは、非同期であり、eNBのペア(eNB1 806とeNB2 808のような)の異なる信号送信時間間のリアルタイム差(RTD)がUEに提供されうる(例えば、eNBによって、または、位置特定サーバによって)。この方法では、UE間のRTTの決定は、いくつかの実施形態では、例えば、UEが異なるノードによってサービスされている場合であっても、これらのUEのうちの1つ以上から受信されたシグナリングによって決定されたような複数のUEの各々のタイミングアドバンスの知識を用いて算出されうる。
【0084】
[0095]図9は、本発明の実施形態を実行するための方法を例証する別のフロー図である。方法900におけるシグナリングは、ハードウェア(回路、専用論理、等)、ソフトウェア(汎用コンピューティングシステムまたは専用マシンで走るもののような)、ファームウェア(埋め込み式ソフトウェア)、あるいは、それらの任意の組み合わせを備える処理論理によって実行される。一実施形態では、方法900は、図12で説明されるような1つ以上のコンピュータシステム1200によって実行される。一実施形態では、以下で説明される受信および送信ステップは、図12で説明されるトランシーバ1250を利用して容易にされうる。
【0085】
[0096]図9において、本発明の実施形態によって実行される方法は、図8で説明されるように、第1のデバイスと第2のデバイスとの間の距離を決定しうる。ステップ902で、プロセッサ1210は、第1のデバイスを介して第2のデバイスに送られた第1の基地局からの第1の信号についての第1の到着時間を決定する。一実施形態では、第1の基地局は、第1のデバイスをサービスする。
【0086】
[0097]ステップ904で、プロセッサ1210は、第2の基地局から第2のデバイスに直接送られた第2の信号についての第2の到着時間を決定する。第2の基地局は、第2のデバイスをサービスする。第1の基地局および第2の基地局は、同期され、第1のデバイスおよび第2のデバイスの信号送信タイミングを共通サービング基地局時間にアラインする。
【0087】
[0098]第1のデバイス、第2のデバイス、第1の基地局、および第2基地局は、トランシーバ1250およびアンテナ1255を使用して互いにメッセージを送受信しうる。図8に戻って参照するが、図9の方法を説明する間、第1のデバイスはUE1 802を表し、第2のデバイスはUE2 804を表し、第1の基地局はeNB1 806を表し、第2の基地局はeNB2 808を表しうる。
【0088】
[0099]ステップ906で、プロセッサ1210は、第1の到着時間および第2の到着時間を使用して、第1のデバイスと第2のデバイスとの間の距離を決定する。一実現では、プロセッサ1210は、図8および式(2)、(3)、および(4)に関して上に例示されたように、第1の到着時間および第2の到着時間の間の差分を取得することによって、第1のデバイスと第2のデバイスとの間の距離を決定しうる。
【0089】
[00100]ステップ908で、プロセッサ1210は、第1のデバイスと第2のデバイスとの距離が閾値よりも低いと決定する。ステップ910で、プロセッサ1210は、デバイスツーデバイスモードを使用する第1のデバイスと第2のデバイスとの間の通信を可能し、ここにおいて、デバイスツーデバイスモードは、第1のデバイスおよび第2のデバイスが、第1の基地局または第2の基地局を通してデータを送ることなく互いに通信することを備える。代替的にステップ910で(図9には示されない)、プロセッサ1210は、何らかのプロキシミティサービスに関連して、第1のデバイスおよび/または第2のデバイスに、それらが近接していることを知らせる。別の実施形態では(図9には示されない)、プロセッサ1210は、ステップ908で、第1のデバイスと第2のデバイスとの距離が閾値よりも高いと決定し、ステップ910で、プロセッサ1210は、デバイスツーデバイスモードを使用する第1のデバイスと第2のデバイスとの間の通信を不能にし、代わりに、デバイスを、デバイスがネットワークを用いて通信するネットワークモードに置く。
【0090】
[00101]第1のデバイス、第2のデバイス、第1の基地局、および第2の基地局によって信号を送受信するために使用されるメッセージングプロトコルは、一実施形態ではLPP/LPPeでありえ、また、別の実施形態では、LTE無線リソース制御(RRC)プロトコルでありうる。しかしながら、他のプトロコルが通信に対して使用されうる。
【0091】
[00102]本発明の実施形態にしたがって、図9で例証される特定のステップが、動作モードを切り替える特定の方法を提供することは認識されるべきである。それに応じて、代替的な実施形態では、他のシーケンスのステップもまた実行されうる。例えば、本発明の代替的な実施形態は、上で概説されたステップを異なる順序で実行しうる。例証するために、ユーザは、第3の動作モードから第1の動作モードに、第4のモードから第2のモードに、または、それらの間の任意の組み合わせで変化することを選びうる。さらに、図9に例証される個々のステップは、個々のステップに適切なようにさまざまなシーケンスで実行されうる多数のサブステップを含みうる。さらに、追加のステップは、特定のアプリケーションに依存して、追加または除去されうる。当業者は、方法900の多くの変形例、改良例、および代替例を把握および認識するだろう。
【0092】
[00103]図10は、シンプレックスシグナリングを使用してUE−UEラウンドトリップ時間を測定するためのさらに別の例示的な実施形態を例証する。図10は、2つのデバイス間の距離を算出するための上述された方法Dの実施形態を説明する。図10では、T、T1、T1*、T2、およびT2*は、示された経路上の信号伝搬遅延である。Lは、eNB1 1006とeNB2 1008との間の直線である。図10では、eNB1 1006がUE1 1002をサービスし、eNB2 1008がUE2 1004をサービスしうる。さらに、αは、eNB1 1006から見て、UE1 1002の方向である(例えば、ここで、αは、北から時計周りに測定される)。同様に、α*は、eNB2 1008からみて、UE2 1004の方向である。各UE、両方のeNB(サービングおよび非サービング)からの信号を受信(および測定)しうる。一実施形態では、UE1 1002は、(i)UE1 1002におけるeNB1 1006信号送信時間のUE1 1002信号送信時間への関連付け、および(ii)UE1 1002におけるeNB2 1008信号送信時間のUE1 1002信号送信時間への関連付けを測定し、測定値の両方のセットをUE2 1004に送る。上述されたように、図10では、UE1 1002信号送信時間は、eNB1 1006ではなくUE2 1004に向けられたUE1 1002送信を指す。UE2 1004は、UE1 1002、eNB1 1006、およびeNB2 1008信号送信時間を測定し、これらの測定値と、図6に関して前述された方法とを用いて、下記関係を決定するために、UE1 1002から受信された測定値がUE2 1004によって使用されうる。
M1=T−Ta=T+T1−T2 (5)
M2=Tb*−Ta*=T+T1*−T2* (6)
【0093】
[00104]UE2 1004は、上記測定値M1およびM2をeNB2 1008(そのサービングeNB)に送る。長さLは、eNB1 1006およびeNB2 1008の固定位置から知られ(または、決定され)、T1およびT2*は、各々が、それぞれUE1 1002(eNB1 1006に関する)およびUE2 1004(eNB2 1008に関する)のタイミングアドバンスから決定されることができる。代替的に、および、本明細書より詳細に説明されるように、T1およびT2*は各々、Tが、互いの信号送信についてのUE1 1002およびeNB1 1006によってなされたTxおよびRx測定から取得され、かつ、T2*が、互いの信号送信についてのUE2 1004およびeNB2 1008によってなされたTxおよびRx測定から取得される図5に関して説明された方法を適用することによって決定されうる。図10のUE1 1002、UE2 1004、eNB1 1006、およびeNB2 1008の位置によって作り出されたジオメトリを使用して、所与のT1(および、既知数L)に対して、T1*は、αの関数となる。同様に、所与のT2*(および、既知数L)に対して、T2は、α*の関数となる。同様に、所与のT1およびT2(および、既知数L)に対して、Tは、αおよびα*の関数となる。その後、M1およびM2に関連付けられた式は、αおよびα*について解かれ、その後に、αおよびα*の値からTが取得されうる。いくつかの実施形態では、UE位置は、例えば、Lを中心とした(about)対称性のため非一意的に決定されうる(例えば、図10は、いくつかの実施形態では、UE位置には変更があるが測定値には変更なくLを中心に180度回転されうる)。Tの決定および、それに伴った、UE1 1002とUE2 1004との間の距離の決定は、(i)UE2 1004によって転送された測定値M1およびM2と、(ii)eNB2 1008で取得されたT2*の値と、(iii)eNB1 1006で取得され、かつ、eNB2 1008に転送されたT1の値と、(iv)eNB1 1006およびeNB2 1008の位置についての既知の(例えば、構成された)情報またはそれらの間の既知の距離(すなわち、長さL)とを使用して、eNB2 1008で行われうる。代替的に、Tの決定は、この情報(M1、M2、T2*、T1、長さL)が必要に応じてUE2 1004または何らかのエンティティ(例えば、位置特定サーバ)に転送される場合にこのエンティティで行われうる。
【0094】
[00105]方法は、eNB2 1008で見られるUE2 1004信号送信タイミングと、eNB2 1004信号送信タイミングとの間の差分(eNB Tx−Rx)をさらに測定しうる。その後、UE2 1004は、例えば、LTE RRCプロコルによってサポートされるように、UE2 1004で見られるeNB2 1004信号送信タイミングと、UE2 1004信号送信タイミングとの間の時間差分(UE Tx−Rx)を測定することおよび送ることを要求されうる。上記UE2 1004信号送信タイミングは、eNB2 1008へのUE2 1004送信を指す。
【0095】
[00106]T2*を取得するために、図5に関して導かれたような下記式が使用されうる。
T2*=((eNBTx−Rx)+(UE Tx−Rx))/2 (7)
【0096】
[00107]eNB1 1006は、上のようなUE1 1002への伝搬遅延T1を決定し、この遅延をeNB2 1008に送りうる(例えば、eNB2 1008からの要求を介して、または、ネットワークモードの開始時にMMEによって構成されたように)。eNB2 1008は、eNB1−1006までの距離で構成されうる(または、eNB位置で構成されうる)。その後、eNB2 1008は、UE−UE RTTおよび距離(Tに関連付けられた)を取得しうる。図10に関連付けられた方法は、eNBが同期されない場合、UE送信時間が共通eNB送信時間とアラインされない場合、および、1つのUEだけが別のUEから信号を受信している場合に有効でありうる。
【0097】
[00108]図11は、本発明の実施形態を実行するための方法を例証する別のフロー図である。方法1100におけるシグナリングは、ハードウェア(回路、専用論理、等)、ソフトウェア(汎用コンピューティングシステムまたは専用マシンで走るもののような)、ファームウェア(埋め込み式ソフトウェア)、あるいは、それらの任意の組み合わせを備える処理論理によって実行される。一実施形態では、方法1100は、図12で説明されるような1つ以上のコンピュータシステム1200によって実行される。一実施形態では、以下で説明される受信および送信ステップは、図12で説明されるトランシーバ1250を利用して容易にされうる。
【0098】
[00109]図11において、本発明の実施形態によって実行される方法は、図10で説明されるような、第1のデバイスと第2のデバイスとの間の距離を決定しうる。ステップ1102で、プロセッサ1210は、第1のデバイスを介して第2のデバイスに送られた第1の基地局からの第1の信号についての第1の到着時間を決定する。一実施形態では、第1の基地局は第1のデバイスをサービスする。
【0099】
[00110]ステップ1104で、プロセッサ1210は、第2の基地局から第2のデバイスに直接送られた第2の信号についての第2の到着時間を決定する。一実施形態では、第2の基地局は第2のデバイスをサービスする。第1の基地局および第2の基地局は、同期されない可能性があり、第1のデバイスおよび第2のデバイスのタイミングは、それらのそれぞれのサービング基地局時間にアラインされない可能性がある。
【0100】
[00111]第1のデバイス、第2のデバイス、第1の基地局、および第2基地局は、トランシーバ1250およびアンテナ1255を使用して互いにメッセージを送受信しうる。図10に戻って参照するが、図11の方法を説明する間、第1のデバイスはUE1 1002を表し、第2のデバイスはUE2 1004を表し、第1の基地局はeNB1 1006を表し、第2の基地局はeNB2 1008を表しうる。
【0101】
[00112]ステップ1106で、プロセッサ1210は、第1のデバイスを介して第2のデバイスに送られた、第2の基地局からの第3の信号についての第3の到着時間を決定する。ステップ1108で、プロセッサ1210は、第1の基地局から第2のデバイスに直接送られた、第4の信号についての第4の到着時間を決定する。
【0102】
[00113]ステップ1110で、プロセッサ1210は、第1、第2、第3、および第4の到着時間を使用して、第1のデバイスと第2のデバイスとの間の距離を決定する。一実現では、プロセッサ1210は、図10に関連して上で例示されたように、第1の到着時間と第4の到着時間との間、および、第2の到着時間と第3の到着時間との間の差分を取得することによって第1のデバイスと第2のデバイスとの距離を決定しうる。
【0103】
[00114]ステップ1112で、プロセッサ1210は、第1のデバイスと第2のデバイスとの距離が閾値よりも低いと決定する。ステップ1114で、プロセッサ1210は、デバイスツーデバイスモードを使用する第1のデバイスと第2のデバイスとの間の通信を可能にし、ここにおいて、デバイスツーデバイスモードは、第1のデバイスおよび第2のデバイスが、第1の基地局または第2の基地局を通してデータを送ることなく互いに通信することを備える。代替的に、ステップ1114で(図11には示されない)、プロセッサ1210は、何らかのプロキシミティサービスに関連して、第1のデバイスおよび/または第2のデバイスに、それらが近接していることを知らせる。別の実施形態(図11には示されない)では、プロセッサ1210は、ステップ1112で、第1のデバイスと第2のデバイスとの距離が閾値よりも高いと決定し、ステップ1114で、プロセッサ1210は、デバイスツーデバイスモードを使用する第1のデバイスと第2のデバイスとの間の通信を不能にし、代わりに、デバイスを、デバイスがネットワークを用いて通信するネットワークモードに置く。
【0104】
[00115]第1のデバイス、第2のデバイス、第1の基地局、および第2の基地局によって信号を送受信するために使用されるメッセージングプロトコルは、一実施形態ではLPP/LPPeでありえ、また、別の実施形態では、LTE無線リソース制御(RRC)プロトコルでありうる。しかしながら、他のプトロコルが通信に対して使用されうる。
【0105】
[00116]本発明の実施形態にしたがって、図11で例証される特定のステップが、動作モードを切り替える特定の方法を提供することは認識されるべきである。それに応じて、代替的な実施形態では、他のシーケンスのステップもまた実行されうる。例えば、本発明の代替的な実施形態は、上で概説されたステップを異なる順序で実行しうる。例証するために、ユーザは、第3の動作モードから第1の動作モードに、第4のモードから第2のモードに、または、それらの間の任意の組み合わせで変化することを選びうる。さらに、図11に例証される個々のステップは、個々のステップに適切なようにさまざまなシーケンスで実行されうる多数のサブステップを含みうる。さらに、追加のステップは、特定のアプリケーションに依存して、追加または除去されうる。当業者は、方法1100の多くの変形例、改良例、および代替例を把握および認識するだろう。
【0106】
[0100]図5−11に関して上述された方法のうちの1つ以上では、送信デバイスは、タイムスタンプしうるか、そうでなければ受信デバイスに、時間を示すインジケーションを送信しうる。例えば、図6のTaに関連付けられた信号は、UE1 602で受信された際に、および/または、UE1 602からUE2 604に送信された際にタイムスタンプされうる。このように、例証されたシステムおよび構成に関して説明された1つ以上のUEが、送信時間および送信時間差を正確に決定することは可能でありうる。他の実施形態では、信号は、明示的なフレーミング構造を採用しうるGSM、または、明示的なフレーミングおよびサブフレーミング構造を採用しうるLTEのような特定の無線技術に関連付けられ、それによって定義された暗示的または明示的なタイミング情報を搬送しうる。これらのケースでは、送信タイミングは、信号自体のコンテンツから明らかでありえ、さらなるタイムスタンピングを要求しない可能性がある。当業者は、上述された時間差を決定するために使用されうる他の方法を認識するだろう。
【0107】
[0101]図12で例証されるコンピュータシステムは、図1−11に関して示され説明された前述のエンティティの一部として組み込まれうる。例えば、コンピュータシステム1200は、UE(図1の112[a−m]、図4の112[n−p]、図5の502および504、図6の602および604、図8の802および804、図10の1002および1004として参照される)、BTS、ノード、eNノードB、またはeNB(図1の114[a−c]、図6の606、図8の806および808、図10の1006および1008として参照される)、基地局コントローラ118、位置特定サーバ204、コアネットワーク202、RAN(図2の206aおよび206b)、アクセスポイント208、衛星(図3の302[a−c])、WiFi AP 304、インターネット306の一部として動作する1つ以上のサーバ、あるいは、本発明の実施形態を可能にするのに利用されるその他のコンピューティングデバイス、の構成要素のうちのいくつかまたはすべての能力があり、それらに適応し、それらを表すように構成されうる。図12は、本明細書で説明されるような、さまざまな他の実施形態によって提供される方法を実行することができる、および/または、UE、位置特定サーバ、および、ブロードキャスティングシステムとして実現されるサーバのようなデバイスとして機能することができるコンピュータシステム1200の一実施形態の概念図を提供する。図12は、さまざまな構成要素の一般的な例証を提供することだけが意図されており、それらのうちのいずれかまたはすべてが、適宜利用されうることに留意されたい。したがって、図12は、比較的別々の方法、または、比較的より統合された方法でどのように個々のシステムエレメントが実現されうるかを広く例証する。
【0108】
[0102]バス1205を介して電気的に結合されている(または、適宜、他の方法で通信状態にある)ハードウェアエレメントを備えるコンピュータシステム1200が示される。ハードウェアエレメントは、1つ以上の汎用プロセッサおよび/または1つ以上の専用プロセッサ(デジタルシグナル処理チップ、グラフィック加速プロセッサ、および/または、同様のもののような)を含むがそれらに限定されない1つ以上のプロセッサ1210と、マウス、キーボード、および/または同様のものを含みうるがそれらに限定されない1つ以上の入力デバイス1215と、ディスプレイデバイス、プリンタ、および/または同様のものを含みうるがそれらに限定されない1つ以上の出力デバイス1220とを含みうる。
【0109】
[0103]コンピュータシステム1200は、ローカルおよび/またはネットワークアクセス可能記憶媒体を備えうるがそれらに限定されるわけではなく、および/または、ディスクドライブ、ドライブアレイ、光学記憶デバイス、プログラマブルかつフラッシュ更新可能であるランダムアクセスメモリ(「RAM」)および/または読取専用メモリ(「ROM」)のようなソリッドステート記憶デバイスおよび/または同様のものを含みうるがそれらに限定されない1つ以上の記憶デバイス1225をさらに含みうる(および/または、それらと通信状態にある)。このような記憶デバイスは、さまざまなファイルシステム、データベース構造、および/または、同様のものを含むがそれらに限定されない任意の適切なデータ記憶装置を実現するように構成されうる。
【0110】
[0104]コンピュータシステム1200はまた、モデム、ネットワークカード(ワイヤレスまたはワイヤード)、赤外線通信デバイス、ワイヤレス通信デバイスおよび/またはチップセット(ブルートゥース(登録商標)デバイス、802.11デバイス、WiFiデバイス、WiMaxデバイス、セルラ通信設備、等のような)、および/または、同様のものを含みうるがそれらに限定されない通信サブシステム1230を含みうる。通信サブシステム1230は、データが、ネットワーク(一例をあげれば下で説明されるネットワークのような)、他のコンピュータシステム、および/または、本明細書で説明されたその他のデバイスと交換されることを許可しうる。多くの実施形態では、コンピュータシステム1200は、上述されたような、RAMまたはROMデバイスを含みうるワーキングメモリ1235をさらに備えるだろう。
【0111】
[0105]コンピュータシステム1200はまた、メッセージを送信および受信するためのトランシーバ1250を含みうる。トランシーバ1250は、組み合わせられ共通回路または単一のハウジングを共有するか、あるいは、個別でありうる送信機および受信機のような構成要素を備えうる。トランシーバ1250は、GSM、CDMA、WCDMA、CDMA2000 1xRTT、またはLTEネットワークのような1つ以上のネットワーク構成と通信するように改良されうる。
【0112】
[0106]アンテナ1255は、UE 112に対して通信機能を提供し、BTS 114との双方向通信を容易にする。アンテナ1255は、プロセッサ1210を介して(例えば、メモリ1235に記憶されているソフトウェアに基づいて)、および/または、UE 112の他の構成要素によって、ハードウェアか、ソフトウェアか、ハードウェアおよび/またはソフトウェアの組み合わせかで実現されることができるトランシーバ1255モジュールからの命令に基づいて動作することができる。
【0113】
[0107]コンピュータシステム1200はまた、ワーキングメモリ1235内に現在位置付されているものとして示されるソフトウェアエレメントを備えることができ、それは、オペレーティングシステム1240、デバイスドライバ、実行可能なライブラリ、および/または、1つ以上のアプリケーションプログラム1245のような他のコードを含み、それは、本明細書で説明されたように、さまざまな実施形態によって提供されるコンピュータプログラムを備えることができ、および/または、方法を実現するように設計されることができ、および/または、他の実施形態によって提供されるシステムを構成する。単に例として、上で説明された方法に関して説明された1つ以上のプロシージャは、コンピュータ(および/または、コンピュータ内のプロセッサ)によって実行可能なコードおよび/または命令として実現されうる。ある態様では、次に、そのようなコードおよび/または命令は、説明された方法にしたがって1つ以上の動作を実行するように、汎用コンピュータ(または、他のデバイス)を構成するためおよび/または適応させるために使用されうる。
【0114】
[0108]これらの命令および/またはコードのセットは、上述された記憶デバイス1225のような、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されうる。いくつかのケースでは、記憶媒体は、コンピュータシステム内に組み込まれうる。他の実施形態では、記憶媒体は、コンピュータシステムから離れており(例えば、コンパクトディスクのような、取り外し可能な媒体であり)、および/または、記憶媒体が、格納されている命令/コードで汎用コンピュータをプログラミングする、構成するためおよび/または適応させるために使用されうるようにインストールパッケージ内に提供されうる。これらの命令は、コンピュータシステム1200によって実行可能でありうる実行可能なコードの形式をとりうるか、および/または、ソースコードおよび/またはインストール可能なコードの形式をとりえ、それらは、コンピュータシステム1200上でのコンパイルおよび/またはインストール(例えば、さまざまな一般的に利用可能なコンパライア、インストールプログラム、圧縮/圧縮解除ユーティリティ、等を使用した)に応じて、実行可能なコードの形式をとりうる。
【0115】
[0109]特定の要件にしたがって相当な変更が行われうることは当業者には明白となるであろう。例えば、カスタマイズされたハードウェアもまた使用されえ、および/または、特定のエレメントは、ハードウェア、ソフトウェア(アプレット、等のポータブルソフトウェアを含む)、または、両方で実現されうる。さらに、ネットワーク入力/出力デバイスのような他のコンピューティングデバイスへの接続が採用されうる。
【0116】
[0110]上述されたように、一態様では、いくつかの実施形態は、本発明のさまざまな実施形態に係る方法を実行するために、コンピュータシステム(コンピュータシステム1200のような)を採用しうる。実施形態のセットによれば、そのような方法のプロシージャのうちのいくつかまたはすべては、プロセッサ1210が、ワーキングメモリ1235に含まれる1つ以上のシーケンスの1つ以上の命令(これは、オペレーティングシステム1240、および/または、アプリケーションプログラム1245のような他のコードに組み込まれうる)を実行したことに応答して、コンピュータシステム1200によって実行される。このような命令は、記憶デバイス1225のうちの1つ以上のような別のコンピュータ可読媒体からワーキングメモリ1235へと読み込まれうる。単に例として、ワーキングメモリ1235に含まれるこのシーケンスの命令の実行は、プロセッサ1210に、本明細書で説明された方法の1つ以上のプロシージャを実行させうる。
【0117】
[0111]本明細書で使用される場合、「機械可読媒体」および「コンピュータ可読媒体」という用語は、機械を特定の方式で動作させるデータを提供することに関与している任意の媒体を指す。コンピュータ可読記憶媒体は、一時的な伝搬信号を指さない。コンピュータシステム1200を使用して実現される実施形態では、さまざまなコンピュータ可読媒体は、実行のために命令/コードをプロセッサ1210に提供することに関与し、および/または、そのような命令/コードを記憶するために使用されうる。多くの実現では、コンピュータ可読媒体は、物理的なおよび/または有形の記憶媒体である。そのような媒体は、不揮発性媒体または揮発性媒体の形式をとりうる。非揮発性媒体は、例えば、記憶デバイス1225のような、光ディスクおよび/または磁気ディスクを含む。揮発性媒体は、ワーキングメモリ1235のような、ダイナミックメモリを含むがそれらに限定されるわけではない。
【0118】
[0112]物理的なおよび/または有形のコンピュータ可読媒体の一般的な形式には、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、またはその他の磁気媒体、CD−ROM、その他の光学媒体、パンチカード、ペーパーテープ、ホールパターンを有するその他の物理媒体、RAM、PROM、EPROM、FLASH−EPROM、その他のメモリチップまたはカートリッジ、等が含まれうる。
【0119】
[0113]上述された方法、システム、およびデバイスは、例である。さまざまな構成は、さまざまなプロシージャまたは構成要素を適宜省略、置換、または追加しうる。例えば、代替的な構成では、方法は、説明されたものとは異なる順序で実行されえ、および/または、さまざまなステージが追加、省略、および/または組み合わせられうる。また、特定の構成について説明された特徴は、さまざまな他の構成において組み合わせられうる。構成の異なる態様およびエレメントは、類似した方法で組み合わせられうる。また、技術は進化するため、エレメントの多くは例であり、本開示または特許請求の範囲の有効範囲を限定するわけではない。
【0120】
[0114]例示的な構成(実現を含む)についての徹底的な理解を提供するために、説明において具体的な詳細が与えられる。しかしながら、構成は、これらの具体的な詳細なしに実施されうる。例えば、周知の回路、プロセス、アルゴリズム、構造、および技法は、構成をあいまいにしないために、不必要な詳細なく示されている。この説明は、例示的な構成を提供するものにすぎず、特許請求の範囲の有効範囲、適用性、または、構成を限定しない。むしろ、これらの構成についての先の説明は、説明された技法を実現するための実施を可能にする説明(enabling description)を当業者に提供するだろう。本開示の精神および有効範囲から逸脱することなくエレメントの機能および配列にさまざまな変更がなされうる。
【0121】
[0115]また、これらの構成は、フロー図またはブロック図として描写されたプロセスで説明されうる。各々は、これらの動作を一連のプロセスとして説明しうるが、これらの動作の多くは、並列に、または、同時に実行されうる。加えて、動作の順序は再配列されうる。プロセスは、図には含まれていない追加のステップを有していてもよい。さらに、方法の例は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語、または、それらの任意の組み合わせによって実現されうる。ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、またはマイクロコードで実現される場合、必要なタスクを実行するためのプログラムコードまたはコードセグメントは、記憶媒体のような非一時的コンピュータ可読媒体に記憶されうる。プロセッサは、説明されたタスクを実行しうる。
【0122】
[0116]いくつかの例示的な構成が説明されたが、本開示の精神から逸脱することなく、さまざまな改良、代替的な構成体、および等価物が使用されうる。例えば、上記エレメントは、より大きなシステムの構成要素でありえ、ここでは、他の規則が、本明細書で説明された実施形態の適用よりも優先されるか、そうでなければそれらを改良しうる。また、上記エレメントが検討される前、最中、または、後に多数のステップが行われうる。結果として、上記説明は、特許請求の範囲の有効範囲を限定するものではない。
【0123】
[0117]本明細書の説明および添付の図は、あらゆる数のネットワークおよび/またはアーキテクチャに適用されうるD2D通信を提供するため、および、プロキシミティサービスをサポートための一般的な方法またはプロトコルを説明する。上記説明の一部は、LPP/LPPe、RRC、およびLTEを指しているが、上記例は、列挙された実施形態に限定されない。当業者は、本明細書で説明された概念を、他のシステムまたはアーキテクチャにどのように拡張するのか認識するだろう。本明細書の説明および/または添付の図は、例えば、デバイス間の相互作用性を増加させるために、いくつかの実施形態において規格で実現または説明されうる。
【0124】
[0118]A−GNSS(コード位相と高精度キャリア位相の両方の変動)、LTEおよびWCDMAのためのOTDOA、CDMAおよびHRPDのためのAFLT、GSMのためのE−OTD(Enhanced Observed Time Difference)、強化セルID(WiFiを含む各ワイヤレスアクセスタイプについての)、短距離ノード関連測位、およびセンサの使用を含む広範囲の測位方法がサポートされうる。これらの方法は、D2Dモード、ネットワークモード、ネットワーク支援型動作、およびネットワークベース動作において、2つのデバイスがいつ近接しうるかを決定して特定のプロキシミティサービスをサポートするために使用されうる。
【0125】
[0119]上述された方法、システム、デバイス、実現、および実施形態は、例である。さまざまな構成は、さまざまなプロシージャまたは構成要素を適宜省略、置換、または追加しうる。例えば、代替的な構成では、方法は、説明されたものとは異なる順序で実行されえ、および/または、さまざまなステージが追加、省略、および/または組み合わせられうる。また、特定の構成について説明された特徴は、さまざまな他の構成において組み合わせられうる。構成の異なる態様およびエレメントは、類似した方法で組み合わせられうる。また、技術は進化するため、エレメントの多くは例であり、本開示または特許請求の範囲の有効範囲を限定するわけではない。
【0126】
[0120]例示的な構成(実現を含む)についての徹底的な理解を提供するために、説明において具体的な詳細が与えられる。しかしながら、構成は、これらの具体的な詳細なしに実施されうる。例えば、周知の回路、プロセス、アルゴリズム、構造、および技法は、構成をあいまいにしないために、不必要な詳細なく示されている。この説明は、例示的な構成を提供するものにすぎず、特許請求の範囲の有効範囲、適用性、または、構成を限定しない。むしろ、これらの構成についての先の説明は、説明された技法を実現するための実施を可能にする説明を当業者に提供するだろう。本開示の精神および有効範囲から逸脱することなくエレメントの機能および配列にさまざまな変更がなされうる。
【0127】
[0121]また、これらの構成は、フロー図またはブロック図として描写されたプロセスで説明されうる。各々は、これらの動作を一連のプロセスとして説明しうるが、これらの動作の多くは、並列に、または、同時に実行されうる。加えて、動作の順序は再配列されうる。プロセスは、図には含まれていない追加のステップを有していてもよい。さらに、方法の例は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語、または、それらの任意の組み合わせによって実現されうる。ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、またはマイクロコードで実現される場合、必要なタスクを実行するためのプログラムコードまたはコードセグメントは、記憶媒体のような非一時的コンピュータ可読媒体に記憶されうる。プロセッサは、説明されたタスクを実行しうる。
【0128】
[0122]いくつかの例示的な構成が説明されたが、本開示の精神から逸脱することなく、さまざまな改良、代替的な構成体、および等価物が使用されうる。例えば、上記エレメントは、より大きなシステムの構成要素でありえ、ここでは、他の規則が、本発明の適用よりも優先されるか、そうでなければそれらを改良しうる。また、上記エレメントが検討される前、最中、または、後に多数のステップが行われうる。結果として、上記説明は、特許請求の範囲の有効範囲を限定するものではない。
【0129】
[0123]本明細書では、「〜する能力がある」、「〜に適応する」、「〜ように構成される」という用語は、追加のタスクまたはステップを実行することに適応しているか、または、そうするように構成されたデバイスを排除しないオープンかつ包括的な用語を意味する。加えて、「〜に基づいて」という用語の使用は、1つ以上の記載された条件または値「に基づいた」プロセス、ステップ、算出、または他の動作が、実際、これらの記載を以上に追加の条件または値に基づきうる、という点で、オープンかつ包括的を意味する。本明細書に含まれるヘッディング、リスト、およびナンバリングは、説明を容易にするためのものにすぎず、限定するものであることを意味しない。
【0130】
[0124]本主題は、その具体的な実施形態に関して詳細に説明されているが、当業者は、前述の理解することで、そのような実施形態の代わり、その変形例、およびその等価物を容易に生み出しうることは認識されるだろう。結果として、本開示が、限定というよりはむしろ例示を目的として提示されていること、および、当業者に容易に明白であるように、本主題に対するそのような改良、変更、および/または追加を含むこと不可能にしないことは理解されるべきである。
図1
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図12