(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6203839
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】可撓性固定装置によって接続される複合材料部品および金属部品を備えるガスタービンエンジン
(51)【国際特許分類】
F02C 7/00 20060101AFI20170914BHJP
F02C 7/28 20060101ALI20170914BHJP
F01D 25/24 20060101ALI20170914BHJP
F01D 25/00 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
F02C7/00 E
F02C7/00 F
F02C7/00 C
F02C7/28 Z
F02C7/28 E
F01D25/24 D
F01D25/24 J
F01D25/00 L
【請求項の数】11
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-519287(P2015-519287)
(86)(22)【出願日】2013年6月12日
(65)【公表番号】特表2015-525842(P2015-525842A)
(43)【公表日】2015年9月7日
(86)【国際出願番号】FR2013051378
(87)【国際公開番号】WO2014001682
(87)【国際公開日】20140103
【審査請求日】2016年5月30日
(31)【優先権主張番号】1256181
(32)【優先日】2012年6月28日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】516227272
【氏名又は名称】サフラン・エアクラフト・エンジンズ
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ボージャール,アントワーヌ・ジャン−フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】バール,ジャック・ルネ
【審査官】
山崎 孔徳
(56)【参考文献】
【文献】
英国特許出願公開第00722740(GB,A)
【文献】
欧州特許出願公開第00913620(EP,A2)
【文献】
特開2008−064092(JP,A)
【文献】
特開平06−221338(JP,A)
【文献】
特開2004−076693(JP,A)
【文献】
特開2009−203871(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0023968(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0203255(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02C 7/00
F01D 25/00
F01D 25/24
F02C 7/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上流から下流に軸線方向に延在し、複合材料部品(3)、金属部品(2)、および前記部品(2、3)の可撓性固定装置(4)を備える、航空機の推進用ガスタービンエンジンであって、
第1の軸線方向接続部(B1)によって金属部品(2)に接続される第1の固定部(51)、および第2の軸線方向接続部(B2)によって複合材料部品(3)に接続される第2の固定部(53)を含み、軸線方向に延在する自由端(55)を含む可撓性接続要素(5)と、
軸線方向接続部(B1)によって金属部品(2)に接続される固定部(61)、および軸線方向に延在する自由端(63)を含む剛性の係止要素(6)であり、剛性の係止要素(6)の自由端(63)が、可撓性接続要素(5)の自由端(55)と半径方向に位置合わせされ、エンジンの作動中に接続要素(5)が半径方向に変形する場合には、剛性の係止要素(6)の自由端(63)が、可撓性接続要素(5)の自由端(55)の当接手段を形成する、剛性の係止要素(6)とを備えることを特徴とする、ガスタービンエンジン。
【請求項2】
係止要素(6)の自由端(63)が、接続要素(5)の自由端(55)の半径方向外側にある、請求項1に記載のエンジン。
【請求項3】
可撓性接続要素(5)が、好ましくは第1の固定部(51)を第2の固定部(53)に接続する中間部分(52)を含み、前記中間部分(52)が、接続要素(5)に可撓性を与えるように貫通孔(54)を含む、請求項1から2の一項に記載のエンジン。
【請求項4】
可撓性接続要素(5)の中間部分(52)が軸線方向に延在する、請求項3に記載のエンジン。
【請求項5】
固定装置が、接続要素(5)と係止要素(6)との間に取り付けられる封止要素(7)を含む、請求項1から4の一項に記載のエンジン。
【請求項6】
封止要素(7)が、好ましくは湾曲したシートから成る、請求項5に記載のエンジン。
【請求項7】
接続要素(5)および係止要素(6)が、1つのおよび同じ軸線方向接続部(B1)によって金属部品(2)に接続される、請求項1から6の一項に記載のエンジン。
【請求項8】
固定装置(4)の半径方向内側部分が、エンジンからの任意のデブリを引き止めることができるように、固定装置(4)の半径方向外側部分に比して肉厚である、請求項1から7の一項に記載のエンジン。
【請求項9】
係止要素(6)が接続要素(5)よりも大きな厚さを有する、請求項1から8の一項に記載のエンジン。
【請求項10】
接続要素(5)の自由端(55)が、その固定部(51、53)よりも大きな厚さを有する、請求項1から9の一項に記載のエンジン。
【請求項11】
金属部品(2)が、ターボジェットエンジンのタービンハウジングであり、複合材料部品(3)が、ターボジェットエンジンの排気ハウジングである、請求項1から10の一項に記載のエンジン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、航空機の推進のために使用されるガスタービンエンジンの分野に関する。
【0002】
文献欧州特許出願公開第1391582号明細書、独国特許出願公開第4343658号明細書、および欧州特許出願公開第2246530号明細書は、先行技術を表わしている。
【背景技術】
【0003】
航空機の燃料消費を制限するために、一解決策は、航空機の、および航空機の機器の質量を低減することから成る。このために、金属材料で作られる部品の代わりに複合材料で作られる部品を用いたガスタービンエンジンの質量を低減することが提案されている。
【0004】
例示として、ダブルボディターボジェットエンジンの低圧タービンハウジングを、その省略形CMCによって当業者に知られている(酸化物タイプか、そうでない)セラミックマトリックスを使った複合材料で作られるハウジングと置き替えることが提案されている。低圧タービンハウジングは、従来、金属であるエンジンの他の部品に固定される。複合材料がたとえば最大で4分の1まで金属材料と異なる膨張を有するので、CMCハウジングと機械的部品との間の機械的接続部は欠点を有する。結果として、異なる膨張により過度に複合材料部品に応力を加えることを回避するために、複合材料部品と金属部品との間のいわゆる「可撓性のある」機械的接続部が導入されることが必要である。それにもかかわらず、可撓性接続部は、部品間の力の伝達を確実にするように、かつ接続された部品の動的応答の悪化を回避するように十分に剛性があることが必要である。
【0005】
図1に示されるように、SNECMA PROPULSION SOLIDEの名義の仏国特許出願公開第2935753号明細書は、航空エンジンと一体の金属材料で作られる環状部品20と、少なくともその上流部分において回転形状を有するセラミックマトリックス30を使った複合材料で作られる後部機体部品30との間の可撓性接続部90を開示している。可撓性接続部90は、軸線方向ねじA1によって金属部品20に固定される第1の端部91と、半径方向ねじA2によって複合材料で作られる後部機体部品30の上流部分に固定される第2の端部92とを有する。
【0006】
このタイプの可撓性接続部90は、かなりの質量の大きなエンジンに適切でない。なぜなら、これは、−可撓性接続部90の第2の端部92を後部機体部品30の上流部分に接続するために−それらの耐用年数を制限するこの種のエンジンについて実質的に剪断負荷を受ける半径方向ねじA2の使用を必要とするからである。この欠点を解決するための一解決策は、半径方向ねじA2のサイズを増加させることになるであろうが、これはそれの質量を増加させることになり、それにより求められる目的に反する。そのうえ、半径方向ねじは、軸線方向力の伝達、およびまた、2つの部品20と部品30との間の封止の欠点を有する場合がある。加えて、
図1に示される可撓性接続部90は、それらの限られた剛性のためタービンハウジングや排気ハウジングなどの実質的に負荷を受ける部品の機械的安定性を可能にするのに適応していない。最終的に、この種の接続部は、ブレードの破片の分離の場合には損傷され得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1391582号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第4343658号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第2246530号明細書
【特許文献4】仏国特許出願公開第2935753号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
これらの欠点のうちの少なくともいくつかを除去するために、本発明は、上流から下流に軸線方向に延在し、複合材料部品、金属部品、および前記部品の可撓性固定装置を含む、航空機の推進用ガスタービンエンジンであって、前記固定装置が、
軸線方向接続部によって金属部品に接続される第1の固定部、および軸線方向接続部によって複合材料部品に接続される第2の固定部を含み、軸線方向に延在する自由端を含む可撓性接続要素と、
軸線方向接続部によって金属部品に接続される固定部、および軸線方向に延在する自由端を含む剛性の係止要素であり、係止要素の自由端が、エンジンが作動中に接続要素の変形を制限するように接続要素の自由端と半径方向に位置合わせされる、係止要素と
を含む、ガスタービンエンジンに関する。
【0009】
固定装置は、複合材料部品と金属部品との間の力の伝達を改善するために軸線方向接続部を介して接続される。軸線方向接続部は、剪断力を受けやすい半径方向接続部よりも長い耐用年数を有する。
【0010】
固定装置により、一方では、作動中に異なる膨張を補償するために有利である、その可撓性接続要素によって可撓性を与えることができ、他方では、接続要素のいかなる過度の歪みも制限し、かつ接続を保護するその係止要素によって剛性を与えることができる。
【0011】
また、本発明による固定装置は、複合材料部品と金属部品との間の構造力の伝達を可能にするように十分に剛性がある。
【0012】
係止要素の自由端は、接続要素の自由端の半径方向外側にあることが好ましい。したがって、係止要素の自由端は、接続要素が過度に変形される場合には接続要素の自由端に接触させられる。
【0013】
可撓性接続要素は、第1の固定部を第2の固定部に接続する中間部分を含み、前記中間部分は、接続要素に可撓性を与えるように貫通孔を含むことが好ましい。
【0014】
可撓性接続要素の中間部分は、軸線方向に延在することが好ましい。したがって、接続要素の端部のうちの1つのいかなる傾斜も、軸線方向に延在するその中間部分の可撓性によって吸収される。
【0015】
本発明の一態様によれば、固定装置は、接続要素と係止要素との間に取り付けられる封止要素を含む。封止要素により、特に接続要素の貫通孔を介して、エンジンの外側の強力な空気流れのいかなる漏れも回避することができる。封止要素は、好ましくは湾曲したシートから成る。
【0016】
接続要素および係止要素は、1つのおよび同じ軸線方向接続部によって金属部品に接続されることが好ましい。したがって、固定装置は、エンジンに素早く取り付けられ得る。
【0017】
本発明の好ましい態様によれば、固定装置の半径方向内側部分は、エンジンからの任意のデブリを引き止めることができるように、半径方向外側部分に比して肉厚である。実際に、ブレードの破片の分離の場合には、この破片は、エンジンにおいて半径方向に移動されるが、肉厚である固定装置の半径方向内側部分によって保護される接続部を損傷しない。この実施例においては、ブレードに面する要素、すなわち接続要素および係止要素の自由端は肉厚である。固定装置は、有利なことに、一方では、作動中に異なる膨張を補償することができる大きな可撓性を、および他方では、機能不全の場合にはタービンブレードの破片が引き止められるようになっている大きな剛性を提供する。
【0018】
係止要素は、接続要素よりも大きな厚さを有することが好ましい。したがって、剛性の係止要素は、より可撓性を与えるために薄肉である接続要素を保護することができる。これは、特に、ブレードの破片の損失の場合に接続要素を保護するために有利である。
【0019】
接続要素の自由端は、その固定部の厚さよりも大きな厚さを有することがより好ましい。したがって、これにより、接続要素の可撓性部分ならびに複合材料部品の軸線方向接続部を保護することができる。係止要素の自由端に面している接続要素の自由端の部分は、装置の質量を制限するために自由端に面していない部分よりもそれほど肉厚でないことが好ましい。ブレードの破片が係止要素の自由端に面する接続要素の自由端の部分の領域で失われる場合には、接続部は、係止要素の厚さおよび接続要素の厚さによって保護される。
【0020】
本発明の好ましい態様によれば、金属部品は、ターボジェットエンジンのタービンハウジングであり、複合材料部品は、ターボジェットエンジンの排気ハウジングである。排気ハウジングは、CMC材料で形成されることが好ましい。
【0021】
本発明は、単に例示としてかつ添付の図面を参照して与えられる次の説明を読む場合によりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】(既に言及した)先行技術による可撓性接続部の断面図である。
【
図2】金属タービンハウジングおよび複合材料で作られる排気ハウジングが本発明による可撓性固定装置によって接続されるということを含めた、ターボジェットエンジンの断面図である。
【
図3】
図2の可撓性固定装置のクローズアップ図である。
【
図4】
図2の固定装置の上流部分のクローズアップ図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図面は、本発明を実施するために詳細に本発明を開示しており、前記図面は、もちろん必要に応じて本発明をよりよい定義を与える働きをすることができることに留意されたい。
【0024】
本発明は、航空機の推進用ターボジェットエンジンのために提示されることになるが、もちろん、本発明は、航空機の推進用の任意のガスタービンエンジンに適用される。
【0025】
この場合においては、ターボジェットエンジンは、本発明による固定装置によって接続される金属材料で作られる低圧タービンハウジングと複合材料で作られる排気ハウジングとを含む。もちろん、本発明は、ターボジェットエンジンの別の金属部品を他の複合材料部品に接続するのに適用され得る。
【0026】
図2に示されるように、ダブルボディターボジェットエンジンは、軸線Xに沿って上流から下流に軸線方向に延在し、固定装置4によって複合材料で作られる軸線方向の排気ハウジング3に接続される金属材料で作られる軸線方向の低圧タービンハウジング2を含む。軸線方向の低圧タービンハウジング2は、軸線Xに沿って軸線方向に延在する環状部品であり、ダブルボディターボジェットエンジンの低圧側ボディー1の半径方向外側にある。
図2を参照して、低圧側ボディー1は、半径方向ブレード9が取り付けられる低圧シャフトを含む。低圧タービンハウジング2は、ターボジェットエンジンが取り付けられる航空機にこれを伝達するためにターボジェットエンジンによって生じる推力を有利に取り出すことができる構造部である。低圧タービンハウジング2は、オーステナイトタイプの高温に対する耐熱金属合金で作られ、
図3に示されるように固定用フランジ21によってその下流端部で終端される。下流固定用フランジ21は、半径方向に延在し、下記に詳細に説明されるように、固定装置4に軸線方向接続部B1を可能にするようにその周囲にわたって配置される複数の開口を含む。
【0027】
軸線方向の排気ハウジング3は、−同様に環状の−低圧タービンハウジング2の下流に取り付けられ、高圧タービンの上流に位置しているターボジェットエンジンの燃焼室から生じる排気ガスを導くことができる。その質量を低減するために、排気ハウジング3は複合材料で作られる。この実施例においては、排気ハウジング3は、省略形CMCによって当業者に知られているセラミックマトリックスを使った複合材料で作られる。
図3に示されるように、排気ハウジング3は、半径方向に延在する固定用フランジ31をその上流端に含み、これは、下記に詳細に説明されるように、固定装置4に軸線方向接続部B2を可能にするようにその周囲にわたって配置される複数の開口を含む。
【0028】
図2および
図3に示されるように、低圧タービンハウジング2および排気ハウジング3は、前記ハウジング2とハウジング3との間の異なる膨張を補償するように、本発明による可撓性固定装置4によって接続される。
図3を参照して、可撓性固定装置4は、環状の可撓性接続要素5および環状の剛性の係止要素6を含む。
【0029】
可撓性接続要素5
この実施例においては、可撓性固定装置4の接続要素5は、好ましくはニッケル基のオーステナイトタイプの耐熱金属合金で作られる一体の金属部品から成る。
【0030】
図3に示されるように、接続要素5は、上流から下流に、低圧タービンハウジング2に固定するための上流部分51、中間部分52、および排気ハウジング3に固定するための下流部分53を含む。上流固定部21は、半径方向に延在する固定用フランジから成り、これは、低圧タービンハウジング2の固定用フランジ21に軸線方向接続部B1を可能にするようにその周囲にわたって配置される複数の開口を含む。換言すれば、接続要素5は、上流にL字形を有する。
【0031】
接続要素5の中間部分52は、固定部51と固定部53との間で軸線方向に延在し、接続要素5に可撓性を与えるようにその周囲にわたって配置される貫通孔54を含む。この実施例においては、接続要素5は、500mm程度の直径を有するいくつかの貫通孔54を含むが、もちろん、孔54の数および寸法は、接続要素5に所望の可撓性を与えるために変更し得る。もちろん、接続要素5の中間部分52はまた、別の形状を有することもできる。接続要素5の中間部分52は、可撓性を与えるために1〜2mm程度の厚さを有することが好ましい。
【0032】
接続要素5の下流固定部53は、半径方向に延在し、排気ハウジング3の固定用フランジ31に軸線方向接続部B2を可能にするようにその周囲にわたって配置される複数の開口を含む。下流固定部53は、
図3および
図4に示されるように下流固定部53の半径方向下端から、下流から上流に軸線方向に延在する自由端55で終端される。したがって、自由端55は、接続要素5の中間部分52よりも半径方向に下方にある。換言すれば、接続要素5は、下流に、そのU字の基部が半径方向に延在し、かつそのU字のアームが
図3および
図4に示されるように軸線方向に延在するU字形を有する。したがって、接続要素5は、その環状性および半径方向貫通孔54の存在のため、「リスかご形」の全体形状を有する。
【0033】
接続要素5の自由端55は、ターボジェットエンジンのブレード9の破片の損失の場合には固定装置4の保護を形成するように接続要素5の中間部分52の厚さよりも大きな厚さを有する。
【0034】
この実施例においては、
図4を参照して、係止要素6の自由端63に面している接続要素5の自由端の部分55Aは、装置の質量を制限するためにこれに面していない部分55Bよりもそれほど肉厚ではない。実際に、係止要素6の自由端63に面している部分55Aの領域でのブレードの破片の損失の場合には、接続部は、係止要素6の厚さおよび接続要素5の厚さによって保護され、それにより、質量を制限しながら十分な保護が確保される。接続要素5の部分55Bは、5mm程度の厚さを有するが、接続要素5の部分55Aは、2mm程度の厚さを有することが好ましい。
【0035】
剛性の係止要素6
さらに
図3を参照して、固定装置4の係止要素6は、上流から下流に、低圧タービンハウジング2に固定するための上流部分61、中間部分62、および(自由端63としても示される)自由部分63を含む。上流固定部61は、半径方向に延在する固定用フランジから成り、これは、下記に詳細に説明されるように、低圧タービンハウジング2の固定用フランジ21および接続要素5の固定用フランジ51に軸線方向接続部B1を可能にするためにその周囲にわたって配置される複数の開口を含む。係止要素6の中間部分62は、
図3に示されるように、軸線方向に延在する自由端63が接続要素5の中間部分52とその自由端55との間に位置しているように、係止要素6の固定部61と自由端63との間で全体的に斜めに傾いて延在する。係止要素6の中間部分62は、
図4に示されるように軸線方向上流部分62Aおよび斜めの下流部分62Bを含むことが好ましい。したがって、斜めの下流部分62Bにより、有利なことに、係止要素6が接続要素5に可撓性を与える接続要素5の貫通孔54と接触している状況を回避することができる。
【0036】
係止要素6の自由端63は、
図4に示されるように、接続要素5の中間部分52とその自由端55との間でその全長にわたって延在することが好ましい。
図4を参照して、固定装置4の自由端55と自由端63との間の半径方向スペース「e」は、ターボジェットエンジンの内部から外部への空気の循環を制限するように数ミリメートル程度とすることが好ましい。
【0037】
固定装置4の自由端55、63は、「fan blade off(ファンブレード飛散)」のその英語の省略形FBOによって当業者に知られている機能不全の場合には当接手段を形成する。このタイプの機能不全の場合は、排気ハウジング3は、エンジンの軸線に対して横方向に機械的に負荷を受ける。接続要素5の自由端55は、負荷の振幅を制限するために係止要素6の自由端63に対して半径方向に突き当たることが有利である。この場合、固定装置4の構造的特性が強化される。
【0038】
係止要素6は、可撓性接続部に最も近いブレード9の破片を引き止める機能を確保することによって接続要素5の保護を形成するように、接続要素5の中間部分52よりも大きな厚さを有する。実際に、
図3に示されるように、接続要素5の可撓性の中間部分52は、係止要素6によって保護され、それによって、ブレード9の破片の衝突の場合にはいかなる劣化も回避される。係止要素6は、5mm程度の厚さを有することが好ましい。
【0039】
封止要素7
図3および
図4を参照して、固定装置4は、前記要素5と要素6との間の環状スペースを閉鎖するために適切な接続要素5と係止要素6との間に取り付けられる封止要素7を含むことが好ましい。換言すれば、封止要素7により、ハウジング2、3の内側を循環する強力な空気流れのターボジェットエンジンの外部に向かう循環を阻止することができる。封止の欠如は、航空機の推進効率の損失を招き、これは不利益である。
【0040】
接続要素5の中間部分52は強力な空気流れの外部に向かう循環を可能にすることができる貫通孔54を含むので、封止要素7により、この循環を阻止し、推力のいかなる損失も回避することができる。
図4に詳細に示されるように、封止要素7は、好ましくは、開口が上流で折れ曲がったV字のような形状のコバルト/ニッケル基の耐熱金属合金で作られる、環状の湾曲したシートから成る。封止要素7は、その第1の端部71が係止要素6の自由端63の外面と接触しており、かつ好ましくは
図4に示されるように貫通孔54の上流でその第2の端部73が接続要素5の中間部分52の内面と接触している、曲線本体72を有する。封止要素7は、係止要素との2つの異なる接触領域(中間部分62および自由端63)に支持されていることが好ましい。封止要素7は、その最適な閉鎖形状が巡航速度において得られ、−固定装置4の自由端55と自由端63との間の半径方向スペース「e」を通して循環する−強力な空気流れが封止要素7を変形させるように、ターボジェットエンジンの速度に応じて変形するように構成されることが好ましい。
【0041】
封止要素7は、減少した質量を有し、それにより固定装置4の可撓性を損なうことなく、いかなる推力の損失も回避することができ、これは有利である。
【0042】
固定装置4は、低圧タービンハウジング2と排気ハウジング3との間に取り付けるのが簡単である。なぜなら、上流で、低圧タービンハウジング2の、係止要素6および接続要素5の固定用フランジ21、61、51が、1つのおよび同じ軸線方向接続部B1、この場合はボルト接続部B1によって接続され、下流で、接続要素5のおよび排気ハウジング3の固定用フランジ53、31が、軸線方向接続部B2、この場合はボルト接続部B2によって接続されるからである。固定装置4の取付けは、素早く頑丈であり、軸線方向接続部B1、B2により、半径方向接続部と反対に剪断の危険性なしに軸線方向力を伝達することができる。封止要素7は、ターボジェットエンジンのハウジング2、3に取り付けられる前に、接続要素5と係止要素6との間に取り付けられることが好ましい。
【0043】
作動中に、金属で作られる低圧タービンハウジング2は、排気ハウジング3よりも多く膨張し、これは、その上流部分が真っ直ぐにされる固定装置4の変形を引き起こす。固定装置4の接続要素5の可撓性のために、異なる膨張は、固定装置4によって吸収される。かなりの変形、たとえばファンブレードの損失の場合には、固定装置4の変形は、非常に無視できない場合がある。当接手段の存在はこの変形を制限し、それにより、係止要素6の自由端63が接続要素5と接触している場合には、係止要素6への接続要素5によって受け入れられる力の伝達を可能にする。そのうえ、係止要素6のおよび接続要素5の自由端55の厚さにより、ブレードの破片の衝突の場合に固定装置4を保護することができる。最終的に、封止要素7は、特に接続要素5の貫通孔を介して高エネルギー空気のいかなる漏れも防止するようにターボジェットエンジンの作動中に最適形状を有する。これにより、ターボジェットエンジンの最適出力を保つことができる。
【0044】
金属上流部品および複合材料で作られる下流部品が説明されているが、もちろん、本発明は、部品の任意の配置、特に複合材料で作られる上流部品および金属下流部品に適用される。