特許第6203848号(P6203848)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6203848キナーゼ阻害剤としてのピラゾロピリミジン化合物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6203848
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】キナーゼ阻害剤としてのピラゾロピリミジン化合物
(51)【国際特許分類】
   C07D 487/04 20060101AFI20170914BHJP
   A61K 31/519 20060101ALI20170914BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20170914BHJP
   C07D 519/00 20060101ALI20170914BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20170914BHJP
   A61P 37/06 20060101ALI20170914BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20170914BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20170914BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20170914BHJP
   A61P 17/06 20060101ALI20170914BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20170914BHJP
   A61P 21/04 20060101ALI20170914BHJP
   A61P 7/06 20060101ALI20170914BHJP
   A61P 11/06 20060101ALI20170914BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20170914BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
   C07D487/04 143
   C07D487/04CSP
   A61K31/519
   A61K31/5377
   C07D519/00 301
   C07D519/00 311
   A61P43/00 111
   A61P37/06
   A61P29/00
   A61P35/00
   A61P19/02
   A61P29/00 101
   A61P17/06
   A61P27/02
   A61P21/04
   A61P7/06
   A61P11/06
   A61P35/02
   A61K45/00
   A61P43/00 121
【請求項の数】36
【全頁数】106
(21)【出願番号】特願2015-531259(P2015-531259)
(86)(22)【出願日】2013年9月6日
(65)【公表番号】特表2015-527401(P2015-527401A)
(43)【公表日】2015年9月17日
(86)【国際出願番号】US2013058614
(87)【国際公開番号】WO2014039899
(87)【国際公開日】20140313
【審査請求日】2016年9月1日
(31)【優先権主張番号】61/699,038
(32)【優先日】2012年9月10日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/728,693
(32)【優先日】2012年11月20日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/782,605
(32)【優先日】2013年3月14日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513288724
【氏名又は名称】プリンシピア バイオファーマ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100100549
【弁理士】
【氏名又は名称】川口 嘉之
(74)【代理人】
【識別番号】100126505
【弁理士】
【氏名又は名称】佐貫 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100131392
【弁理士】
【氏名又は名称】丹羽 武司
(74)【代理人】
【識別番号】100151596
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 俊明
(72)【発明者】
【氏名】オーウェンス,ティム
(72)【発明者】
【氏名】ヴァーナー,エリック
【審査官】 笠原 暢子
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/158764(WO,A1)
【文献】 国際公開第2012/158843(WO,A1)
【文献】 特表2010−504324(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 487/04
A61K 31/519
A61K 31/5377
A61K 45/00
A61P 7/06
A61P 11/06
A61P 17/06
A61P 19/02
A61P 21/04
A61P 27/02
A61P 29/00
A61P 35/00
A61P 35/02
A61P 37/06
A61P 43/00
C07D 519/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(II)の化合物:
【化1】
[式中、
−Z−は、
【化2】
であり;
およびRは、独立して水素、アルキル、ハロまたはアルコキシであり;
は、水素またはハロであり;
は、
(a)−C(CH−(4−R−ピペラジン−1−イル)(式中、Rは、水素、アルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、アルキルスルホニル、アルコキシカルボニル、アシルまたはオキセタン−3−イルであり、ピペラジニル環は、1つまたは2つのアルキルによりさらに場合により置換されている);
(b)−C(CH−(2−または3−オキソ−4−R−ピペラジン−1−イル)(式中、Rは、水素、アルキル、シクロアルキル、アルコキシアルキル、ハロアルキルまたはオキセタン−3−イルであり、ピペラジニル環は、1つまたは2つのアルキルによ
りさらに場合により置換されている);
(c)−C(CH−NRオキセタン−3−イル(式中、Rは、水素、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキルまたはシクロアルキルである);
(d)−C(CH−R(式中、Rは、
【化3】
であり、X、XおよびXの1つまたは2つは、窒素であり、残部は、炭素であり、環は、アルキル、ハロアルキルまたはハロから独立して選択される1つまたは2つの置換基により場合により置換されている);または
(e)−C(CH−2−オキサ−6−アザスピロ[3.3]ヘプタン−6−イルもしくは−C(CH−CHモルホリン−4−イル
である];
および/または薬学的に許容可能なその塩。
【請求項2】
およびRが、水素であり、Rが、−C(CH−(4−R−ピペラジン−1−イル)(式中、Rは、水素、アルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、アルキルスルホニル、アルコキシカルボニル、アシルまたはオキセタン−3−イルであり、ピペラジニル環は、1つまたは2つのアルキルによりさらに場合により置換されている)である、請求項1に記載の化合物および/または薬学的に許容可能なその塩。
【請求項3】
が、水素、アルキル、ハロまたはアルコキシであり、Rが、アルキル、ハロまたはアルコキシであり、Rが、−C(CH−(4−R−ピペラジン−1−イル)(式中、Rは、水素、アルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、アルキルスルホニル、アルコキシカルボニル、アシルまたはオキセタン−3−イルであり、ピペラジニル環は、1つまたは2つのアルキルによりさらに場合により置換されている)である、請求項1に記載の化合物および/または薬学的に許容可能なその塩。
【請求項4】
式(IA)の化合物:
【化4】
[式中、
−Z−は、
【化5】
であり;
は、
(a)−C(CH−(4−R−ピペラジン−1−イル)(式中、Rは、水素、アルキル、アルコキシアルキル、ハロアルキル、アルキルスルホニル、アルコキシカルボニル、アシルまたはオキセタン−3−イルであり、ピペラジニル環は、1つまたは2つのアルキルによりさらに場合により置換されている);
(b)−C(CH−(3−オキソ−4−R−ピペラジン−1−イル)(式中、Rは、水素、アルキル、シクロアルキル、アルコキシアルキル、ハロアルキルまたはオキセタン−3−イルであり、ピペラジニル環は、1つまたは2つのアルキルによりさらに場合により置換されている);
(c)−C(CH−NRオキセタン−3−イル(式中、Rは、水素、アルキル、アルコキシアルキルまたはシクロアルキルである);
(d)−C(CH(式中、は、
【化6】
であり、X、XおよびXの1つまたは2つは、窒素であり、残部は、炭素であり、環は、アルキル、ハロアルキルまたはハロから独立して選択される1つまたは2つの置換基により場合により置換されている);または
(e)−C(CH−2−オキサ−6−アザスピロ[3.3]ヘプタン−6−イルもしくは−C(CH−CHモルホリン−4−イル
である];
および/または薬学的に許容可能なその塩。
【請求項5】
が:
−C(CH−(ピペラジン−1−イル)、−C(CH−(4−メチルピペラジン−1−イル)、−C(CH−(4−エチルピペラジン−1−イル)、−C(CH−N(CH)オキセタン−3−イル、−C(CH−N(CHCH)オキセタン−3−イル、−C(CH−N(シクロプロピル)−オキセタン−3−イル、−C(CH−NHオキセタン−3−イル、−C(CH−2−オキサ−6−アザスピロ[3.3]ヘプタン−6−イル、−C(CH−CHモルホリン−4−イル、−C(CH−(4−メチルスルホニル−ピペラジン−1−イル)、−C(CH−(3−オキソ−4−メチルピペラジン−1−イル)、−C(CH−[4−(2−メトキシエチル)−ピペラジン−1−イル]、−C(CH−(4−tert−ブチルピペラジン−1−イル)、−C(CH−(4−アセチルピペラジン−1−イル)、−C(CH−(4−2,2,2−トリフルオロエチル−ピペラジン−1−イル)、−C(CH−(4−イソプロピルピペラジン−1−イル)、−C(CH−(2,5−ジメチル−ピペラジン−1−イル)、−C(CH−(3,5−ジメチルピペラジン−1−イル)、−C(CH−(3,4,5−トリメチルピペラジン−1−イル)、−C(CH−(2,4,5−トリメチルピペラジン−1−イル)、−C(CH−(4−オキセタン−3−イルピペラジン−1−イル)、−C(
CH−(4−メトキシカルボニルピペラジン−1−イル)、−C(CH−(3,5−ジメチルピペラジン−1−イル)、
【化7】
である、請求項に記載の化合物および/または薬学的に許容可能なその塩。
【請求項6】
が、−C(CH−(ピペラジン−1−イル)、−C(CH−(4−メチルピペラジン−1−イル)、−C(CH−(4−エチルピペラジン−1−イル)、−C(CH−N(CH)オキセタン−3−イル、−C(CH−N(CHCH)オキセタン−3−イル、−C(CH−N(シクロプロピル)オキセタン−3−イル、−C(CH−NHオキセタン−3−イルまたは−C(CH−2−オキサ−6−アザスピロ[3.3]ヘプタン−6−イルである、請求項に記載の化合物および/または薬学的に許容可能なその塩。
【請求項7】
以下のものから選択される、請求項に記載の化合物および/または薬学的に許容可能なその塩:
2−[(2S)−2−[[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]−メチル]ピロリジン−1−カルボニル]−4−メチル−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;
2−[(2R)−2−[[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]−メチル]ピロリジン−1−カルボニル]−4−メチル−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;
2−[(2S)−2−[[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]メチル]ピロリジン−1−カルボニル]−4−メチル−4−ピペラジン−1−イル−ペント−2−エンニトリル;
2−[(2R)−2−[[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]メチル]ピロリジン−1−カルボニル]−4−メチル−4−ピペラジン−1−イル−ペント−2−エンニトリル;
2−[(2S)−2−[[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]メチル]ピロリジン−1−カルボニル]−4−メチル−4−[メチル(オキセタン−3−イル)アミノ]ペント−2−エンニトリル;
2−[(2R)−2−[[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]メチル]ピロリジン−1−カルボニル]−4−メチル−4−[メチル(オキセタン−3−イル)アミノ]ペント−2−エンニトリル;
2−[(2S)−2−[[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]メチル]ピロリジン−1−カルボニル]−4−メチル−4−(オキセタン−3−イルアミノ)ペント−2−エンニトリル;
2−[(2R)−2−[[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]メチル]ピロリジン−1−カルボニル]−4−メチル−4−(オキセタン−3−イルアミノ)ペント−2−エンニトリル;
2−[(3R)−3−[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]ピペリジン−1−カルボニル]−4−
メチル−4−[メチル(オキセタン−3−イル)アミノ]ペント−2−エンニトリル;
2−[(3S)−3−[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]ピペリジン−1−カルボニル]−4−メチル−4−[メチル(オキセタン−3−イル)アミノ]ペント−2−エンニトリル;
2−[[(3R)−3−[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]−ピリミジン−1−イル]−ピペリジン−1−イル]カルボニル]−4−メチル−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;
2−[[(3S)−3−[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]−ピリミジン−1−イル]−ピペリジン−1−イル]カルボニル]−4−メチル−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;
2−((R)−3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(ピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;
2−((S)−3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(ピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;
(S)−2−(2−((4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)メチル)ピロリジン−1−カルボニル)−4−(エチル(オキセタン−3−イル)アミノ)−4−メチルペント−2−エンニトリル;
(R)−2−(2−((4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)メチル)ピロリジン−1−カルボニル)−4−(エチル(オキセタン−3−イル)アミノ)−4−メチルペント−2−エンニトリル;
(S)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(エチル(オキセタン−3−イル)アミノ)ペント−2−エンニトリル;
(R)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(エチル(オキセタン−3−イル)アミノ)ペント−2−エンニトリル;
(S)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(2−オキサ−6−アザスピロ[3.3]ヘプタン−6−イル)ペント−2−エンニトリル;
(R)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(2−オキサ−6−アザスピロ[3.3]ヘプタン−6−イル)ペント−2−エンニトリル;
(S)−2−(2−((4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)メチル)ピロリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(2−オキサ−6−アザスピロ[3.3]ヘプタン−6−イル)ペント−2−エンニトリル;
(R)−2−(2−((4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)メチル)ピロリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(2−オキサ−6−アザスピロ[3.3]ヘプタン−6−イル)ペント−2−エンニトリル;
2−[(2S)−2−[[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]−メチル]ピロリジン−1−カルボニル]−4−メチル−4−(4−エチルピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;
2−[(2R)−2−[[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]−メチル]ピロリジン−1−カルボニル]−4−メチル−4−(4−エチルピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;
2−[[(3R)−3−[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]−ピリミジン−1−イル]−ピペリジン−1−イル]カルボニル]−4−メチル−4−(4−エチルピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;
2−[[(3S)−3−[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]−ピリミジン−1−イル]−ピペリジン−1−イル]カルボニル]−4−メチル−4−(4−エチルピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;
(S)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(オキセタン−3−イル)アミノペント−2−エンニトリル;
(R)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(オキセタン−3−イル)アミノペント−2−エンニトリル;
(R)−2−(2−((4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)メチル)ピロリジン−1−カルボニル)−4−(シクロプロピル(オキセタン−3−イル)アミノ)−4−メチルペント−2−エンニトリル;
(S)−2−(2−((4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)メチル)ピロリジン−1−カルボニル)−4−(シクロプロピル(オキセタン−3−イル)アミノ)−4−メチルペント−2−エンニトリル;
(R)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−(シクロプロピル(オキセタン−3−イル)アミノ)−4−メチルペント−2−エンニトリル;
(S)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−(シクロプロピル(オキセタン−3−イル)アミノ)−4−メチルペント−2−エンニトリル;
(R)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−(4−イソプロピルピペラジン−1−イル)−4−メチルペント−2−エンニトリル;
(S)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−(4−イソプロピルピペラジン−1−イル)−4−メチルペント−2−エンニトリル;
(R)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−(4−(tert−ブチル)ピペラジン−1−イル)−4−メチルペント−2−エンニトリル;
(S)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−(4−(tert−ブチル)ピペラジン−1−イル)−4−メチルペント−2−エンニトリル;
(R)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−(4−(2−メトキシエチル)ピペラジン−1−イル)−4−メチルペント−2−エンニトリル;
(S)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−(4−(2−メトキシエチル)ピペラジン−1−イル)−4−メチルペント−2−エンニトリル;
(R)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(4−(オキセタン−3−イル)ピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;
(S)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(4−(オキセタン−3−イル)ピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;
2−((R)−3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−((R)−ヘキサヒドロピラジノ[2,1−c][1,4]オキサジン−8(1H)−イル)−4−メチルペント−2−エンニトリル;
2−((S)−3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−((R)−ヘキサヒドロピラジノ[2,1−c][1,4]オキサジン−8(1H)−イル)−4−メチルペント−2−エンニトリル;
2−((R)−3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−((S)−ヘキサヒドロピラジノ[2,1−c][1,4]オキサジン−8(1H)−イル)−4−メチルペント−2−エンニトリル;
2−((S)−3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−((S)−ヘキサヒドロピラジノ[2,1−c][1,4]オキサジン−8(1H)−イル)−4−メチルペント−2−エンニトリル;
(R)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(4−(2,2,2−トリフルオロエチル)ピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;
(S)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(4−(2,2,2−トリフルオロエチル)ピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;
2−((R)−3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−((3S,5R)−3,4,5−トリメチルピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;
2−((S)−3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−
4−メチル−4−((3S,5R)−3,4,5−トリメチルピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;
2−((R)−3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−((3S,5R)−3,5−ジメチルピペラジン−1−イル)−4−メチルペント−2−エンニトリル;
2−((S)−3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−((3S,5R)−3,5−ジメチルピペラジン−1−イル)−4−メチルペント−2−エンニトリル;
2−((R)−3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−((2R,5S)−2,5−ジメチルピペラジン−1−イル)−4−メチルペント−2−エンニトリル;
2−((S)−3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−((2R,5S)−2,5−ジメチルピペラジン−1−イル)−4−メチルペント−2−エンニトリル;
2−((R)−3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−((2R,5S)−2,4,5−トリメチルピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;
2−((S)−3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−((2R,5S)−2,4,5−トリメチルピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;
2−((R)−3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−((2S,5R)−2,5−ジメチルピペラジン−1−イル)−4−メチルペント−2−エンニトリル;
2−((S)−3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−((2S,5R)−2,5−ジメチルピペラジン−1−イル)−4−メチルペント−2−エンニトリル;
2−((R)−3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−((2S,5R)−2,4,5−トリメチルピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;
2−((S)−3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−((2S,5R)−2,4,5−トリメチルピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;
(R)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−(5,6−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−7(8H)−イル)−4−メチルペント−2−エンニトリル;
(S)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−(5,6−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−7(8H)−イル)−4−メチルペント−2−エンニトリル;
(R)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;
(S)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;
(R)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(4−メチル−3−オキソピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;
(S)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(4−メチル−3−オキソピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;
(R)−4−(4−アセチルピペラジン−1−イル)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチルペント−2−エンニトリル;
(S)−4−(4−アセチルピペラジン−1−イル)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチルペント−2−エンニトリル;
(R)−メチル4−(5−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−4−シアノ−2−メチル−5−オキソペント−3−エン−2−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート;
(S)−メチル4−(5−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−4−シアノ−2−メチル−5−オキソペント−3−エン−2−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート;
(R)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4,4−ジメチル−5−モルホリノペント−2−エンニトリル;
(S)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4,4−ジメチル−5−モルホリノペント−2−エンニトリル;
またはそのRおよびS異性体の混合物;または
上記化合物のいずれかの(E)もしくは(Z)異性体。
【請求項8】
請求項7に記載の化合物であって、下記の構造を持つ化合物
2−[[(3R)−3−[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]−ピリミジン−1−イル]−ピペリジン−1−イル]−カルボニル]−4−メチル−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;
2−[[(3S)−3−[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]−ピリミジン−1−イル]−ピペリジン−1−イル]−カルボニル]−4−メチル−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;または
2−[[(3R)−3−[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]−ピリミジン−1−イル]−ピペリジン−1−イル]
−カルボニル]−4−メチル−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリルおよび、
2−[[(3S)−3−[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]−ピリミジン−1−イル]−ピペリジン−1−イル]カルボニル]−4−メチル−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリルとの混合物
【化8】
(式中、*Cは、RもしくはS異性体またはRおよびS異性体の混合物;
または上記化合物のいずれかの個々のEもしくはZ異性体である。)
および/または薬学的に許容可能なその塩。
【請求項9】
請求項7に記載の化合物であって、下記の構造を持つ2−[[(3R)−3−[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]−ピリミジン−1−イル]−ピペリジン−1−イル]−カルボニル]−4−メチル−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリルのEもしくはZ異性体である化合物および/または薬学的に許容可能なその塩。
【化9】
【請求項10】
請求項7に記載の化合物であって、下記の構造を持つ2−[[(3R)−3−[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]−ピリミジン−1−イル]−ピペリジン−1−イル]−カルボニル]−4−メチル−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリルのEおよびZ異性体の混合物である化合物ならびに/または薬学的に許容可能なその塩。
【化10】
【請求項11】
請求項7に記載の化合物であって、下記の構造を持つ2−((R)−3−(4−アミノ
−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(ピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリルのEおよびZ異性体の混合物である化合物ならびに/または薬学的に許容可能なその塩。
【化11】
【請求項12】
請求項7に記載の化合物であって、下記の構造を持つ化合物:
(R)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(4−(オキセタン−3−イル)ピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;
(S)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(4−(オキセタン−3−イル)ピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;または
(R)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(4−(オキセタン−3−イル)ピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリルと、
(S)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(4−(オキセタン−3−イル)ピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリルの混合物;
【化12】
(式中、*Cは、RもしくはS異性体またはRおよびS異性体の混合物;
または上記化合物のいずれかの個々のEもしくはZ異性体である。)
および/または薬学的に許容可能なその塩。
【請求項13】
請求項7に記載の化合物であって、下記の構造を持つ(R)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(4−(オキセタン−3−イル)ピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリルのEもしくはZ異性体
である化合物および/または薬学的に許容可能なその塩。
【化13】
【請求項14】
請求項7に記載の化合物であって、下記の構造を持つ(R)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(4−(オキセタン−3−イル)ピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリルのEおよびZ異性体の混合物である化合物ならびに/または薬学的に許容可能なその塩。
【化14】
【請求項15】
請求項7に記載の化合物であって、下記の構造を持つ2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(4−(オキセタン−3−イル)ピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリルのSおよびR異性体の混合物である化合物ならびに/または薬学的に許容可能なその塩。
【化15】
【請求項16】
請求項1〜15のいずれか一項に記載の化合物および/または薬学的に許容可能なその塩ならびに薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬組成物。
【請求項17】
請求項16に記載の医薬組成物であって、下記の構造を持つ化合物:
2−[[(3R)−3−[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]−ピリミジン−1−イル]−ピペリジン−1−イル]
カルボニル]−4−メチル−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;
2−[[(3S)−3−[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]−ピリミジン−1−イル]−ピペリジン−1−イル]カルボニル]−4−メチル−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;または
2−[[(3R)−3−[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]−ピリミジン−1−イル]−ピペリジン−1−イル]カルボニル]−4−メチル−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリルおよび、
2−[[(3S)−3−[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]−ピリミジン−1−イル]−ピペリジン−1−イル]カルボニル]−4−メチル−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリルとの混合物;
【化16】
(式中、*Cは、RもしくはS異性体またはRおよびS異性体の混合物;
または上記化合物のいずれかの個々のEもしくはZ異性体である。)
および/または薬学的に許容可能なその塩を含む、医薬組成物。
【請求項18】
請求項16に記載の医薬組成物であって、下記の構造を持つ2−[[(3R)−3−[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]−ピリミジン−1−イル]−ピペリジン−1−イル]−カルボニル]−4−メチル−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリルのEおよびZ異性体の混合物である化合物ならびに/または薬学的に許容可能なその塩を含む、医薬組成物。
【化17】
【請求項19】
請求項16に記載の医薬組成物であって、下記の構造を持つ化合物:
(R)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(4−(オキセタン−3−イル)ピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;
(S)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(4−(オキセタン−3−イル)ピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;
または、
(R)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(4−(オキセタン−3−イル)ピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリルと、
(S)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(4−(オキセタン−3−イル)ピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリルの混合物;
【化18】
(式中、*Cは、RもしくはS異性体またはRおよびS異性体の混合物;
または上記化合物のいずれかの個々のEもしくはZ異性体である。)
および/または薬学的に許容可能なその塩を含む、医薬組成物。
【請求項20】
請求項19に記載の医薬組成物であって、下記の構造を持つ(R)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(4−(オキセタン−3−イル)ピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリルのEもしくはZ異性体である化合物および/または薬学的に許容可能なその塩を含む、医薬組成物。
【化19】
【請求項21】
請求項19に記載の医薬組成物であって、下記の構造を持つ(R)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(4−(オキセタン−3−イル)ピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリルのEおよびZ異性体の混合物である化合物ならびに/または薬学的に許容可能なその塩を含む、医薬組成物。
【化20】
【請求項22】
請求項19に記載の医薬組成物であって、下記の構造を持つ2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(4−(オキセタン−3−イル)ピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリルのSおよびR異性体の混合物である化合物ならびに/または薬学的に許容可能なその塩を含む、医薬組成物。
【化21】
【請求項23】
請求項16−22のいずれか一項に記載の医薬組成物であって、腸溶コーティングまたは遅延放出配合物の形態である、医薬組成物。
【請求項24】
患者におけるチロシンキナーゼの阻害により治療可能な疾患を治療するための医薬組成物であって、請求項1〜15のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩ならびに薬学的に許容可能な賦形剤を治療有効量で含む医薬組成物
【請求項25】
前記疾患が、自己免疫疾患、異種免疫病態または疾患、炎症疾患および癌から選択される、請求項24に記載の医薬組成物
【請求項26】
前記疾患が、炎症腸疾患、関節炎、ループス、重症筋無力症、グレーブス病、シェーグレン症候群、シェーグレンドライアイ、非シェーグレンドライアイ病、多発性硬化症、ギラン・バレー症候群、強直性脊椎炎、特発性血小板減少性紫斑病、強皮症、温暖自己免疫性溶血性貧血、ウェゲナー肉芽腫症、乾癬から選ばれる自己免疫疾患;
移植片対宿主病、移植、輸血、アナフィラキシー、アレルギー、I型過敏症、アレルギー性結膜炎、アレルギー性鼻炎およびアトピー性皮膚炎から選ばれる異種免疫病態または疾患;および
喘息、大腸炎、結膜炎、ベーチェット病、アトピー性皮膚炎、ブドウ膜炎、血管炎、湿疹から選ばれる炎症疾患
から選択される、請求項25に記載の医薬組成物。
【請求項27】
前記疾患が、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、慢性リンパ球性リンパ腫、慢性リンパ性白血病、B−ALL、B細胞前リンパ球性白血病、小リンパ球性リン
パ腫(SLL)、多発性骨髄腫、B細胞非ホジキンリンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫/ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、脾臓辺縁帯リンパ腫、形質細胞性骨髄腫、形質細胞腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、結節性辺縁帯B細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性体腔性リンパ腫、バーキットリンパ腫/白血病およびリンパ腫様肉芽腫症から選択されるがんである、請求項25に記載の医薬組成物
【請求項28】
前記疾患が、関節リウマチ、乾癬性関節炎、ループス、ブドウ膜炎、重症筋無力症、温暖自己免疫性溶血性貧血、ウェゲナー肉芽腫症、シェーグレン病、シェーグレンドライアイ、非シェーグレンドライアイ病、乾癬、血管炎、移植片対宿主病および喘息から選択される、請求項26に記載の医薬組成物
【請求項29】
請求項24−28のいずれか一項に記載の医薬組成物であって、下記の構造を持つ化合物:
2−[[(3R)−3−[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]−ピリミジン−1−イル]−ピペリジン−1−イル]カルボニル]−4−メチル−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;
2−[[(3S)−3−[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]−ピリミジン−1−イル]−ピペリジン−1−イル]カルボニル]−4−メチル−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;または
2−[[(3R)−3−[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]−ピリミジン−1−イル]−ピペリジン−1−イル]カルボニル]−4−メチル−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリルおよび、
2−[[(3S)−3−[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]−ピリミジン−1−イル]−ピペリジン−1−イル]カルボニル]−4−メチル−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリルとの混合物;
【化22】
(式中、*Cは、RもしくはS異性体またはRおよびS異性体の混合物;
または上記化合物のいずれかの個々のEもしくはZ異性体である。)
および/または薬学的に許容可能なその塩を含む、医薬組成物。
【請求項30】
請求項24−28のいずれか一項に記載の医薬組成物であって、下記の構造を持つ2−((R)−3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(ピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリルのEおよびZ異性体の混合物である化合物ならびに/または薬学的に許容可能なその塩を含む、医薬組成物。
【化23】
【請求項31】
請求項24−28のいずれか一項に記載の医薬組成物であって、下記の構造を持つ化合物:
(R)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(4−(オキセタン−3−イル)ピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;
(S)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(4−(オキセタン−3−イル)ピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;または
(R)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(4−(オキセタン−3−イル)ピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリルおよび、
(S)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(4−(オキセタン−3−イル)ピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリルの混合物;
【化24】
(式中、*Cは、RもしくはS異性体またはRおよびS異性体の混合物;
または上記化合物のいずれかの個々のEもしくはZ異性体である。)
および/または薬学的に許容可能なその塩を含む、医薬組成物。
【請求項32】
請求項24−28のいずれか一項に記載の医薬組成物であって、下記の構造を持つ(R)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(4−(オキセタン−3−イル)ピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリルのEおよびZ異性体の混合物である化合物ならびに/または薬学的に許容可能なその塩を含む、医薬組成物。
【化25】
【請求項33】
請求項24−28のいずれか一項に記載の医薬組成物であって、下記の構造を持つ2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(4−(オキセタン−3−イル)ピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリルのSおよびR異性体の混合物である化合物ならびに/または薬学的に許容可能なその塩を含む、医薬組成物。
【化26】
【請求項34】
つ以上の抗癌剤または抗炎症剤との組合せで投与される、請求項27および29−33のいずれか一項に記載の医薬組成物
【請求項35】
(a)式(1)の化合物:
【化27】
[式中、
−Z−は、
【化28】
ある]を、
式RCHOのアルデヒド(式中、Rは、−C(CH−(ピペラジン−1−イル)、−C(CH−(4−メチルピペラジン−1−イル)または、−C(CH−4−(オキセタン−3−イル)ピペラジン−1−イルである)と反応させること;または
(b)式(2)の化合物:
【化29】
[式中、
−Z−は、
【化30】
ある]を、
式RCH=C(CN)COHもしくはRCH=C(CN)COXの化合物(式中、Rは、−C(CH−(ピペラジン−1−イル)、−C(CH−(4−メチルピペラジン−1−イル)または、−C(CH−4−(オキセタン−3−イル)ピペラジン−1−イルであり、Xは、アミドカップリング反応条件下でZ基の窒素原子により置換され得る脱離基である)と反応させること;
(c)場合により、上記工程(a)もしくは(b)から得られた化合物の酸付加塩を作製すること;
(d)場合により、上記工程(a)、(b)もしくは(c)から得られた化合物の遊離塩基を作製すること;
(e)場合により、上記工程(a)、(b)、(c)もしくは(d)から得られた化合物の個々の立体異性体を分離すること;ならびに
(f)場合により、上記工程(a)、(b)、(c)、(d)もしくは(e)から得られた化合物の個々の(E)および(Z)異性体を分離すること
を含む請求項8、11および12のいずれか一項に記載された化合物を製造する方法。
【請求項36】
が、−C(CH−4−(オキセタン−3−イル)−ピペラジン−1−イルである、請求項35に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、チロシンキナーゼ阻害剤、特にブルトンチロシンキナーゼ(BTK)阻害剤であり、したがって、チロシンキナーゼの阻害により治療可能な疾患、例えば癌および炎症疾患の治療に有用なある小分子化合物を提供する。このような化合物を含有するある医薬組成物およびそのような化合物を調製する方法も提供される。
【背景技術】
【0002】
ヒトゲノムは、少なくとも500個のタンパク質キナーゼをコードする遺伝子を含有する。これらのキナーゼの多くはヒト疾患に関与しており、それ自体、潜在的に魅力的な治療標的を表す。Tecファミリー非受容体チロシンキナーゼのメンバーのBTKは、B細胞受容体から下流のB細胞シグナリングに不可欠である。これは、B細胞および他の造血細胞、例えば単球、マクロファージおよびマスト細胞中で発現される。BTKは、B細胞レパートリーを維持するB細胞機能の種々の態様で機能することが報告されている(Gauld S.B.et al.,B cell antigen receptor signaling:roles in cell development and disease.Science,296:1641−2.2002参照))。RAにおけるB細胞の役割の臨床評価は、作用機序としてB細胞を枯渇させる生物剤Rituxan(抗CD20抗体)の効力により提供されている(Perosa F.,et al.,CD20−depleting therapy in autoimmune diseases:from basic research to the clinic.J Intern Med.267:260−77.2010およびDoerner T,et al.Targeting B cells in immune−mediated inflammatory disease:a comprehensive
review of mechanisms of action and identification of biomarkers.Pharmacol Ther.125:464−75.2010参照)。BTKは、B細胞発生に要求されることが報告されている。それというのも、疾患X連鎖無ガンマグロブリン血症を有する患者(Rosen F.S.,et al.,The primary immunodeficiencies.N Engl J Med.333:431−40.1995参照)は、その血流中で抗体を欠くためである。特に、前臨床開発における小分子BTK阻害剤は、コラーゲン誘導性関節炎において有効であることが報告されている(Pan Z.,et al.,Discovery of selective irreversible inhibitors for Bruton’s tyrosine kinase.J.Med.Chem.2:58−61.2007参照)。小分子BTK阻害剤の潜在的な利点(生物剤に対する小分子の固有の利点を越える)は、BTKのモジュレーションがB細胞それ自体の恒久的な除去なしでB細胞機能を阻害し得ることである。したがって、生物剤Rituxanにより経験される長期間の低いB細胞レベルは、小分子BTK阻害剤によりBTKを標的化することにより回避可能であるべきである。
【0003】
さらに、BTKの疾患改変活性は、疾患の伝播に関与する追加の細胞標的に対する効果のため、Rituxanの疾患改変活性を超えて拡張することが予期される。例えば、抗原誘導性マスト細胞脱顆粒は、BTK欠損マウスの骨髄に由来するマスト細胞において損傷することが報告されており、このことは、BTKがFcεR1受容体の下流に存在することを実証する(Setoguchi R.,et al.,Defective degranulation and calcium mobilization of bone−marrow derived mast cells from Xid and BTK−deficient mice.Immunol Lett.64:1
09−18.1998参照)。類似のシグナリングモジュールがFcγR1受容体について単球およびマクロファージ中に存在し、このことは、BTK阻害がIgGに応答してTNF産生をモジュレートする可能性が非常に高いことを示す。マスト細胞およびマクロファージの両方が、疾患滑膜の炎症サイトカイン環境の伝播の一因であると考えられる。
【0004】
上記のBTK阻害の末梢および滑液効果に加え、BTK阻害は、炎症関節における骨保護効果を有することが報告されている(Gravallese E.M.,et al.,Synovial tissue in rheumatoid arthritis
is a source of osteoclast differentiation factor.Arthritis Rheum.43:250−8.2000参照)。BTKを欠損しまたは損傷したBTK機能を有するマウスを用いた研究は、Rankリガンド誘導性破骨細胞分化がBTK機能の不存在下で損傷することを実証することが報告されている(Lee S.H.,et.al.,The tec family tyrosine kinase BTK Regulates RANKL−induced osteoclast maturation.J.Biol.Chem.283:11526−34.2008参照)。まとめると、これらの研究は、BTK阻害剤が、RA患者において生じる骨破壊を阻害しまたは反転させ得ることを示唆すると解釈することができる。自己免疫疾患におけるB細胞の重要性を考慮すると、BTK阻害剤は、他の自己免疫疾患、例えば全身性エリテマトーデスにおける有益性も有し得る(Shlomchik M.J.,et.al.,The role of B cells in lpr/lpr−induced autoimmunity.J.Exp Med.180:1295−1306.1994参照)。特に、不可逆的BTK阻害剤は、マウスMRL/lprループスモデルにおいて自己抗体産生および腎損害を低減させる効力を示すことが報告されている(Honigberg L.A.,The Bruton tyrosine kinase inhibitor PCI−32765 blocks B−cell activation and is efficacious in models of autoimmune disease and B−cell malignancy.Proc.Natl.Acad.Sci.107:13075−80.2010参照)。
【0005】
BTK阻害剤についてはアレルギー疾患を治療する潜在性も存在する(Honigberg,L.,et.al.,The selective BTK inhibitor
PCI−32765 blocks B cell and mast cell activation and prevents mouse collagen indiced arthritis.Clin.Immunol.127 S1:S111.2008参照)。さらに、不可逆的阻害剤は、マウスにおいてIgE抗原複合体により誘導される受動皮膚アナフィラキシー(PCA)を抑制することが報告されている(Honigberg,L.,et.al.,The selective BTK inhibitor PCI−32765 blocks B cell and mast cell activation and prevents mouse collagen indiced arthritis.Clin.Immunol.127 S1:S111.2008参照)。これらの報告された知見は、BTK突然変異マスト細胞およびノックアウトマウスについて着目される知見と一致し、BTK阻害剤が気道のIgE依存性アレルギー疾患の喘息の治療に有用であり得ることを示唆すると解釈することができる。
【0006】
さらに、コラーゲンまたはコラーゲン関連ペプチドに応答する血小板凝集は、BTK機能を欠くXLA患者において損傷すると報告されている(Quek L.S,et al.,A role for Bruton’s tyrosine kinase(BTK)in platelet activation by collagen.Cur
r.Biol.8:1137−40.1998参照)。このことは、GPIVから下流の変化、例えばPLCガンマ2のリン酸化およびカルシウムフラックスにより顕在化され、血栓塞栓疾患の治療における潜在的な有用性を示唆すると解釈することができる。
【0007】
BTKの選択的阻害剤を用いた前臨床研究は、自然発生イヌB細胞リンパ腫に対する効果を示すことが報告されており、このことは、ヒトリンパ腫または他の造血悪性腫瘍、例として慢性リンパ球性白血病における潜在的有用性を示唆する。さらに、PCI−32765を用いた臨床試験は、慢性リンパ球性白血病およびマントル細胞リンパ腫の両方におけるBTK阻害剤についての有用性を示すと解釈することができる(Fowler,N et al.,The Btk inhibitor,PCI−32765,induces durable responses with minimal toxicity in patients with relapsed/refractory Bcell malignancies:results from a phase I study.Blood 2010;116(21):425;Byrd J.C.,et al.Activity and tolerability of the Bruton’s tyrosine kinase(Btk)inhibitor PCI−32765 in patients with chronic lymphocytic leukemia/small lymphocytic lymphoma(CLL/SLL):Interim results of a phase Ib/II study.J Clin Oncol 2011;29:6508参照)。
【0008】
TECキナーゼファミリーのメンバーのITKは、T細胞およびマスト細胞の活性化に関与すると報告されており(Iyer A.S.et al..Absence of Tec Family Kinases Interleukin−2 Inducible T cell Kinase(Itk) and Bruton’s Tyrosine Kinase(Btk) Severely Impairs Fc{epsilon}RI−dependent Mast Cell Responses.J.Biol Chem.;286:9503−13.2011参照)、炎症免疫疾患、例えば喘息における潜在的な標的である。ITKを欠損するマウスは、アレルギー喘息の発現に耐性を示すことが報告されている(Sahu N,et al.,Differential sensitivity to Itk kinase signals for
T helper 2 cytokine production and chemokine−mediated migration.J.Immunol.180:3833−8.2008参照)。別のファミリーメンバーBMXは、腫瘍血管内皮におけるその役割を介して腫瘍血管新生の支持に関与することが報告されており(Tu T,et
al.,Bone marrow X kinase−mediated signal transduction in irradiated vascular endothelium.Cancer Res.68:2861−9.2008参照)、これも膀胱癌進行の間に徐々に上方調節され(Guo S.,et al.,Tyrosine Kinase ETK/BMX Is Up−Regulated in Bladder Cancer and Predicts Poor Prognosis in Patients with Cystectomy.PLoS One.6:e17778.2011参照)、このタイプの癌における潜在的な治療標的を示唆すると解釈することができる。Bリンパ球キナーゼ(以下、「BLK」とも称される)は、遺伝的関連を介して種々のリウマチ疾患、例として全身性エリテマトーデスおよび全身性硬化症と関係することが報告されている(Ito I,et al.,Association
of the FAM167A−BLK region with systemic
sclerosis.Arthritis Rheum.62:890−5.2010参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、チロシンキナーゼを阻害し、それにより疾患、例えば自己免疫疾患、炎症疾患、血栓塞栓疾患および癌のための治療を提供する化合物、特にBTK阻害剤が必要とされている。本開示は、そのような治療を対象とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一実施形態において、式(II)の化合物:
【化1】
[式中、
−Z−は、
【化2】
であり;
およびRは、独立して水素、アルキル、ハロまたはアルコキシであり;
は、水素またはハロであり;
は、
(a)−C(CH−(4−R−ピペラジン−1−イル)(式中、Rは、水素、アルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、アルキルスルホニル、アルコキシカルボニル、アシルまたはオキセタン−3−イルであり、ピペラジニル環は、1つまたは2つのアルキルによりさらに場合により置換されている);
(b)−C(CH−(2−または3−オキソ−4−R−ピペラジン−1−イル)(式中、Rは、水素、アルキル、シクロアルキル、アルコキシアルキル、ハロアルキルまたはオキセタン−3−イルであり、ピペラジニル環は、1つまたは2つのアルキルによりさらに場合により置換されている);
(c)−C(CH−NRオキセタン−3−イル(式中、Rは、水素、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキルまたはシクロアルキルである);
(d)−C(CH−R(式中、Rは、
【化3】
であり、X、XおよびXの1つまたは2つは、窒素であり、残部は、炭素であり、環は、アルキル、ハロアルキルまたはハロから独立して選択される1つまたは2つの置換基により場合により置換されている);または
(e)−C(CH−2−オキサ−6−アザスピロ[3.3]ヘプタン−6−イルもしくは−C(CH−CHモルホリン−4−イル
である];
および/または薬学的に許容可能なその塩が提供される。
【0011】
一実施形態において、式(II)の化合物またはその塩は、Rが、水素、アルキル、ハロまたはアルコキシであり、Rが、アルキル、ハロまたはアルコキシである化合物またはその塩である。この実施形態の範囲内で、化合物のある群において、Rは、フルオロである。
【0012】
別の実施形態において、式(II)の化合物またはその塩は、Rが、水素、アルキル、ハロまたはアルコキシであり、Rが、アルキル、ハロまたはアルコキシであり、Rが、−C(CH−(4−R−ピペラジン−1−イル)(式中、Rは、水素、アルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、アルキルスルホニル、アルコキシカルボニル、アシルまたはオキセタン−3−イルであり、ピペラジニル環は、1つまたは2つのアルキルによりさらに場合により置換されている)である化合物またはその塩である。この実施形態の範囲内で、化合物のある群において、Rは、フルオロである。
【0013】
さらに別の実施形態において、式(II)の化合物またはその塩は、RおよびRが、水素であり、Rが、−C(CH−(4−R−ピペラジン−1−イル)(式中、Rは、水素、アルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、アルキルスルホニル、アルコキシカルボニル、アシルまたはオキセタン−3−イルであり、ピペラジニル環は、1つまたは2つのアルキルによりさらに場合により置換されている)である化合物またはその塩である。この実施形態の範囲内で、化合物のある群において、Rは、フルオロである。この実施形態の範囲内で、化合物の別の群において、Rは、水素であり、Rは、−C(CH−(4−R−ピペラジン−1−イル)(式中、Rは、水素、アルキルまたはオキセタン−3−イルである)である。
【0014】
別の実施形態において、式(IA)の化合物:
【化4】
[式中、
−Z−は、
【化5】
であり;
は、
(a)−C(CH−(4−R−ピペラジン−1−イル)(式中、Rは、水素、アルキル、アルコキシアルキル、ハロアルキル、アルキルスルホニル、アルコキシカルボニル、アシルまたはオキセタン−3−イルであり、ピペラジニル環は、1つまたは2つのアルキルによりさらに場合により置換されている);
(b)−C(CH−(3−オキソ−4−R−ピペラジン−1−イル)(式中、Rは、水素、アルキル、シクロアルキル、アルコキシアルキル、ハロアルキルまたはオキセタン−3−イルであり、ピペラジニル環は、1つまたは2つのアルキルによりさらに場合により置換されている);
(c)−C(CH−NRオキセタン−3−イル)(式中、Rは、水素、アルキル、アルコキシアルキルまたはシクロアルキルである);
(d)−C(CH−R(式中、Rは、
【化6】
であり、X、XおよびXの1つまたは2つは、窒素であり、残部は、炭素であり、環は、アルキル、ハロアルキルまたはハロから独立して選択される1つまたは2つの置換基により場合により置換されている);または
(e)−C(CH−2−オキサ−6−アザスピロ[3.3]ヘプタン−6−イルもしくは−C(CH−CHモルホリン−4−イル
である];
および/または薬学的に許容可能なその塩
が提供される。
【0015】
一実施形態において、式(IA)の化合物またはその塩は、Rが、−C(CH−(ピペラジン−1−イル)、−C(CH−(4−メチルピペラジン−1−イル)、−C(CH−(4−エチルピペラジン−1−イル)、−C(CH−N(CH)オキセタン−3−イル、−C(CH−N(CHCH)オキセタン−3−イル、−C(CH−N(シクロプロピル)−オキセタン−3−イル、−C(CH−NHオキセタン−3−イル、−C(CH−2−オキサ−6−アザスピロ−[3.3]ヘプタン−6−イル、−C(CH−CHモルホリン−4−イル、−C(CH−(4−メチルスルホニル−ピペラジン−1−イル)、−C(CH−(3−オキソ−4−メチルピペラジン−1−イル)、−C(CH−[4−(2−メトキシエチル)−ピペラジン−1−イル]、−C(CH−(4−tert−ブチルピペラジン−1−イル)、−C(CH−(4−アセチルピペラジン−1−イル)、−C(CH−(4−2,2,2−トリフルオロエチル−ピペラジン−1−イル)、−C(CH−(4−イソプロピルピペラジン−1−イル)、−C(CH−(2,5−ジメチル−ピペラジン−1−イル)、−C(CH−(3,5−ジメチルピペラジン−1−イル)、−C(CH−(3,4,5−トリメチルピペラジン−1−イル)、−C(CH−(2,4,5−トリメチルピペラジン−1−イル)、−C(CH−(4−オキセタン−3−イルピペラジン−1−イル)、−C(CH−(4−メトキシカルボニルピペラジン−1−イル)、−C(CH−(3,5−ジメチルピペラジン−1−イル)、
【化7】
である化合物;
および/または薬学的に許容可能なその塩が提供される。
【0016】
別の実施形態において、式(IA)の化合物またはその塩は、Rが、−C(CH−(ピペラジン−1−イル)、−C(CH−(4−メチルピペラジン−1−イル)、−C(CH−(4−エチル−ピペラジン−1−イル)、−C(CH−N(CH)オキセタン−3−イル、−C(CH−N(CHCH)オキセタン−
3−イル、−C(CH−N(シクロプロピル)−オキセタン−3−イルまたは−C(CH−NHオキセタン−3−イルである化合物またはその塩である。
【0017】
さらに別の実施形態において、式(IA)の化合物またはその塩は、Rが、−C(CH−(3−オキソ−4−メチルピペラジン−1−イル)、−C(CH−[4−(2−メトキシエチル)−ピペラジン−1−イル]、−C(CH−(4−tert−ブチルピペラジン−1−イル)、−C(CH−(4−イソプロピルピペラジン−1−イル)、−C(CH−(2,5−ジメチル−ピペラジン−1−イル)、−C(CH−(3,5−ジメチルピペラジン−1−イル)、−C(CH−(3,4,5−トリメチルピペラジン−1−イル)、−C(CH−(2,4,5−トリメチルピペラジン−1−イル)、−C(CH−(4−オキセタン−3−イルピペラジン−1−イル)、−C(CH−(4−メトキシカルボニルピペラジン−1−イル)、−C(CH−(3,5−ジメチルピペラジン−1−イル)または
【化8】
である化合物またはその塩である。
【0018】
さらに別の実施形態において、式(IA)の化合物またはその塩は、Rが、−C(CH−(3−オキソ−4−メチルピペラジン−1−イル)または−C(CH−[4−(2−メトキシエチル)−ピペラジン−1−イル]である化合物またはその塩である。
【0019】
さらに別の実施形態において、式(IA)の化合物は、以下のものから選択される:
2−[(2S)−2−[[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]−メチル]ピロリジン−1−カルボニル]−4−メチル−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;2−[(2R)−2−[[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]−メチル]ピロリジン−1−カルボニル]−4−メチル−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;2−[(2S)−2−[[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]メチル]ピロリジン−1−カルボニル]−4−メチル−4−ピペラジン−1−イル−ペント−2−エンニトリル;
2−[(2R)−2−[[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]メチル]ピロリジン−1−カルボニル]−4−メチル−4−ピペラジン−1−イル−ペント−2−エンニトリル;
2−[(2S)−2−[[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]メチル]ピロリジン−1−カルボニル]−4−メチル−4−[メチル(オキセタン−3−イル)アミノ]ペント−2−エンニトリル;
2−[(2R)−2−[[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]メチル]ピロリジン−1−カルボニル]−4−メチル−4−[メチル(オキセタン−3−イル)アミノ]ペント−2−エンニトリル;
2−[(2S)−2−[[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]メチル]ピロリジン−1−カルボニル]−4−メチル−4−(オキセタン−3−イルアミノ)ペント−2−エンニトリル;
2−[(2R)−2−[[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]メチル]ピロリジン−1−カルボニル
]−4−メチル−4−(オキセタン−3−イルアミノ)ペント−2−エンニトリル;
2−[(3R)−3−[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]ピペリジン−1−カルボニル]−4−メチル−4−[メチル(オキセタン−3−イル)アミノ]ペント−2−エンニトリル;
2−[(3S)−3−[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]ピペリジン−1−カルボニル]−4−メチル−4−[メチル(オキセタン−3−イル)アミノ]ペント−2−エンニトリル;
2−[[(3R)−3−[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]−ピリミジン−1−イル]−ピペリジン−1−イル]カルボニル]−4−メチル−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;
2−[[(3S)−3−[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]−ピリミジン−1−イル]−ピペリジン−1−イル]カルボニル]−4−メチル−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;
2−((R)−3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(ピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;
2−((S)−3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(ピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;
(S)−2−(2−((4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)メチル)ピロリジン−1−カルボニル)−4−(エチル(オキセタン−3−イル)アミノ)−4−メチルペント−2−エンニトリル;
(R)−2−(2−((4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)メチル)ピロリジン−1−カルボニル)−4−(エチル(オキセタン−3−イル)アミノ)−4−メチルペント−2−エンニトリル;
(S)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(エチル(オキセタン−3−イル)アミノ)ペント−2−エンニトリル;(R)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(エチル(オキセタン−3−イル)アミノ)ペント−2−エンニトリル;(S)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(2−オキサ−6−アザスピロ[3.3]ヘプタン−6−イル)ペント−2−エンニトリル;
(R)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(2−オキサ−6−アザスピロ[3.3]ヘプタン−6−イル)ペント−2−エンニトリル;
(S)−2−(2−((4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)メチル)ピロリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(2−オキサ−6−アザスピロ[3.3]ヘプタン−6−イル)ペント−2−エンニトリル;
(R)−2−(2−((4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)メチル)ピロリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(2−オキサ−6−アザスピロ[3.3]ヘプタン−6−イル
)ペント−2−エンニトリル;
2−[(2S)−2−[[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]−メチル]ピロリジン−1−カルボニル]−4−メチル−4−(4−エチルピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;2−[(2R)−2−[[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]−メチル]ピロリジン−1−カルボニル]−4−メチル−4−(4−エチルピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;2−[[(3R)−3−[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]−ピリミジン−1−イル]−ピペリジン−1−イル]カルボニル]−4−メチル−4−(4−エチルピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;
2−[[(3S)−3−[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]−ピリミジン−1−イル]−ピペリジン−1−イル]カルボニル]−4−メチル−4−(4−エチルピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;
(S)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(オキセタン−3−イル)アミノペント−2−エンニトリル;
(R)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(オキセタン−3−イル)アミノペント−2−エンニトリル;
(R)−2−(2−((4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)メチル)ピロリジン−1−カルボニル)−4−(シクロプロピル(オキセタン−3−イル)アミノ)−4−メチルペント−2−エンニトリル;
(S)−2−(2−((4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)メチル)ピロリジン−1−カルボニル)−4−(シクロプロピル(オキセタン−3−イル)アミノ)−4−メチルペント−2−エンニトリル;
(R)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−(シクロプロピル(オキセタン−3−イル)アミノ)−4−メチルペント−2−エンニトリル;
(S)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−(シクロプロピル(オキセタン−3−イル)アミノ)−4−メチルペント−2−エンニトリル;
(R)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−(4−イソプロピルピペラジン−1−イル)−4−メチルペント−2−エンニトリル;(S)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−(4−イソプロピルピペラジン−1−イル)−4−メチルペント−2−エンニトリル;(R)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−(4−(tert−ブチル)ピペラジン−1−イル)−4−メチルペント−2−エンニトリル;
(S)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−(4−(tert−ブチル)ピペラジン−1−イル)−4−メチルペント−2−エンニ
トリル;
(R)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−(4−(2−メトキシエチル)ピペラジン−1−イル)−4−メチルペント−2−エンニトリル;
(S)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−(4−(2−メトキシエチル)ピペラジン−1−イル)−4−メチルペント−2−エンニトリル;
(R)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(4−(オキセタン−3−イル)ピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;
(S)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(4−(オキセタン−3−イル)ピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;
2−((R)−3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−((R)−ヘキサヒドロピラジノ[2,1−c][1,4]オキサジン−8(1H)−イル)−4−メチルペント−2−エンニトリル;
2−((S)−3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−((R)−ヘキサヒドロピラジノ[2,1−c][1,4]オキサジン−8(1H)−イル)−4−メチルペント−2−エンニトリル;
2−((R)−3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−((S)−ヘキサヒドロピラジノ[2,1−c][1,4]オキサジン−8(1H)−イル)−4−メチルペント−2−エンニトリル;
2−((S)−3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−((S)−ヘキサヒドロピラジノ[2,1−c][1,4]オキサジン−8(1H)−イル)−4−メチルペント−2−エンニトリル;
(R)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(4−(2,2,2−トリフルオロエチル)ピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;
(S)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(4−(2,2,2−トリフルオロエチル)ピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;
2−((R)−3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−((3S,5R)−3,4,5−トリメチルピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;
2−((S)−3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−((3S,5R)−3,4,5−トリメチルピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;
2−((R)−3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1
H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−((3S,5R)−3,5−ジメチルピペラジン−1−イル)−4−メチルペント−2−エンニトリル;
2−((S)−3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−((3S,5R)−3,5−ジメチルピペラジン−1−イル)−4−メチルペント−2−エンニトリル;
2−((R)−3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−((2R,5S)−2,5−ジメチルピペラジン−1−イル)−4−メチルペント−2−エンニトリル;
2−((S)−3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−((2R,5S)−2,5−ジメチルピペラジン−1−イル)−4−メチルペント−2−エンニトリル;
2−((R)−3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−((2R,5S)−2,4,5−トリメチルピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;
2−((S)−3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−((2R,5S)−2,4,5−トリメチルピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;
2−((R)−3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−((2S,5R)−2,5−ジメチルピペラジン−1−イル)−4−メチルペント−2−エンニトリル;
2−((S)−3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−((2S,5R)−2,5−ジメチルピペラジン−1−イル)−4−メチルペント−2−エンニトリル;
2−((R)−3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−((2S,5R)−2,4,5−トリメチルピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;
2−((S)−3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−((2S,5R)−2,4,5−トリメチルピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;
(R)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−(5,6−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−7(8H)−イル)−4−メチルペント−2−エンニトリル;
(S)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−(5,6−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−7(8H)−イル)−4−メチルペント−2−エンニトリル;
(R)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニ
トリル;
(S)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;
(R)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(4−メチル−3−オキソピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;
(S)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(4−メチル−3−オキソピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;
(R)−4−(4−アセチルピペラジン−1−イル)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチルペント−2−エンニトリル;
(S)−4−(4−アセチルピペラジン−1−イル)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチルペント−2−エンニトリル;
(R)−メチル4−(5−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−4−シアノ−2−メチル−5−オキソペント−3−エン−2−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート;
(S)−メチル4−(5−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−4−シアノ−2−メチル−5−オキソペント−3−エン−2−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート;
(R)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4,4−ジメチル−5−モルホリノペント−2−エンニトリル;
(S)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4,4−ジメチル−5−モルホリノペント−2−エンニトリル;
またはそのRおよびS異性体の混合物;
または上記化合物のいずれかの個々のEもしくはZ異性体;および/または
上記化合物のいずれかの薬学的に許容可能な塩。
【0020】
別の実施形態において、式(I)の化合物:
【化9】
[式中、
−Z−は、
【化10】
であり;
は、−C(CH−(ピペラジン−1−イル)、−C(CH−(4−メチルピペラジン−1−イル)、−C(CH−(4−エチルピペラジン−1−イル)、−C(CH−N(CH)オキセタン−3−イル、−C(CH−N(CHCH)オキセタン−3−イル、−C(CH−N(シクロプロピル)オキセタン−3−イル、−C(CH−NHオキセタン−3−イルまたは−C(CH−2−オキサ−6−アザスピロ[3.3]ヘプタン−6−イルである];
および/または薬学的に許容可能なその塩
が提供される。
【0021】
一実施形態において、式(I)の化合物は、以下のものから選択される:
2−[(2RS)−2−[[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]−メチル]ピロリジン−1−カルボニル]−4−メチル−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;
2−[(2S)−2−[[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]−メチル]ピロリジン−1−カルボニル]−4−メチル−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;2−[(2R)−2−[[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]−メチル]ピロリジン−1−カルボニル]−4−メチル−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;2−[(2RS)−2−[[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]メチル]ピロリジン−1−カルボニル]−4−メチル−4−ピペラジン−1−イル−ペント−2−エンニトリル;
2−[(2S)−2−[[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]メチル]ピロリジン−1−カルボニル]−4−メチル−4−ピペラジン−1−イル−ペント−2−エンニトリル;
2−[(2R)−2−[[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]メチル]ピロリジン−1−カルボニル]−4−メチル−4−ピペラジン−1−イル−ペント−2−エンニトリル;
2−[(2RS)−2−[[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]メチル]ピロリジン−1−カルボニル]−4−メチル−4−[メチル(オキセタン−3−イル)アミノ]ペント−2−エンニトリル;
2−[(2S)−2−[[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]メチル]ピロリジン−1−カルボニル]−4−メチル−4−[メチル(オキセタン−3−イル)アミノ]ペント−2−エンニトリル;
2−[(2R)−2−[[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]メチル]ピロリジン−1−カルボニル]−4−メチル−4−[メチル(オキセタン−3−イル)アミノ]ペント−2−エンニトリル;
2−[(2RS)−2−[[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]メチル]ピロリジン−1−カルボニル]−4−メチル−4−(オキセタン−3−イルアミノ)ペント−2−エンニトリル;
2−[(2S)−2−[[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]メチル]ピロリジン−1−カルボニル]−4−メチル−4−(オキセタン−3−イルアミノ)ペント−2−エンニトリル;
2−[(2R)−2−[[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]メチル]ピロリジン−1−カルボニル]−4−メチル−4−(オキセタン−3−イルアミノ)ペント−2−エンニトリル;
2−[(3RS)−3−[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]ピペリジン−1−カルボニル]−4−メチル−4−[メチル(オキセタン−3−イル)アミノ]ペント−2−エンニトリル;
2−[(3R)−3−[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]ピペリジン−1−カルボニル]−4−メチル−4−[メチル(オキセタン−3−イル)アミノ]ペント−2−エンニトリル;
2−[(3S)−3−[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]ピペリジン−1−カルボニル]−4−メチル−4−[メチル(オキセタン−3−イル)アミノ]ペント−2−エンニトリル;
2−[[(3RS)−3−[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]−ピリミジン−1−イル]−ピペリジン−1−イル]カルボニル]−4−メチル−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;
2−[[(3R)−3−[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]−ピリミジン−1−イル]−ピペリジン−1−イル]カルボニル]−4−メチル−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;
2−[[(3S)−3−[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]−ピリミジン−1−イル]−ピペリジン−1−イル]カルボニル]−4−メチル−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;
2−((RS)−3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(ピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;
2−((R)−3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(ピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;
2−((S)−3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(ピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;
(RS)−2−(2−((4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)メチル)ピロリジン−1−カルボニル)−4−(エチル(オキセタン−3−イル)アミノ)−4−メチルペント−2−エンニトリル;
(S)−2−(2−((4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)メチル)ピロリジン−1−カルボニル)−4−(エチル(オキセタン−3−イル)アミノ)−4−メチルペント−2−エンニトリル;
(R)−2−(2−((4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)メチル)ピロリジン−1−カルボニル)−4−(エチル(オキセタン−3−イル)アミノ)−4−メチルペント−2−エンニトリル;
(RS)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−
4−メチル−4−(エチル(オキセタン−3−イル)アミノ)ペント−2−エンニトリル;
(S)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(エチル(オキセタン−3−イル)アミノ)ペント−2−エンニトリル;(R)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(エチル(オキセタン−3−イル)アミノ)ペント−2−エンニトリル;(RS)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(2−オキサ−6−アザスピロ[3.3]ヘプタン−6−イル)ペント−2−エンニトリル;
(S)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(2−オキサ−6−アザスピロ[3.3]ヘプタン−6−イル)ペント−2−エンニトリル;
(R)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(2−オキサ−6−アザスピロ[3.3]ヘプタン−6−イル)ペント−2−エンニトリル;
(RS)−2−(2−((4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)メチル)ピロリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(2−オキサ−6−アザスピロ[3.3]ヘプタン−6−イル)ペント−2−エンニトリル;
(S)−2−(2−((4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)メチル)ピロリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(2−オキサ−6−アザスピロ[3.3]ヘプタン−6−イル)ペント−2−エンニトリル;
(R)−2−(2−((4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)メチル)ピロリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(2−オキサ−6−アザスピロ[3.3]ヘプタン−6−イル)ペント−2−エンニトリル;
2−[(2RS)−2−[[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]−メチル]ピロリジン−1−カルボニル]−4−メチル−4−(4−エチルピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;
2−[(2S)−2−[[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]−メチル]ピロリジン−1−カルボニル]−4−メチル−4−(4−エチルピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;2−[(2R)−2−[[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]−メチル]ピロリジン−1−カルボニル]−4−メチル−4−(4−エチルピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;2−[[(3RS)−3−[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]−ピリミジン−1−イル]−ピペリジン−1−イル]カルボニル]−4−メチル−4−(4−エチルピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;
2−[[(3R)−3−[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]−ピリミジン−1−イル]−ピペリジン−1−イル]カルボニル]−4−メチル−4−(4−エチルピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;
2−[[(3S)−3−[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]−ピリミジン−1−イル]−ピペリジン−1−イル]カルボニル]−4−メチル−4−(4−エチルピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;
(RS)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(オキセタン−3−イル)アミノペント−2−エンニトリル;
(S)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(オキセタン−3−イル)アミノペント−2−エンニトリル;
(R)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(オキセタン−3−イル)アミノペント−2−エンニトリル;
(RS)−2−(2−((4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)メチル)ピロリジン−1−カルボニル)−4−(シクロプロピル(オキセタン−3−イル)アミノ)−4−メチルペント−2−エンニトリル;
(R)−2−(2−((4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)メチル)ピロリジン−1−カルボニル)−4−(シクロプロピル(オキセタン−3−イル)アミノ)−4−メチルペント−2−エンニトリル;
(S)−2−(2−((4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)メチル)ピロリジン−1−カルボニル)−4−(シクロプロピル(オキセタン−3−イル)アミノ)−4−メチルペント−2−エンニトリル;
(RS)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−(シクロプロピル(オキセタン−3−イル)アミノ)−4−メチルペント−2−エンニトリル;
(R)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−(シクロプロピル(オキセタン−3−イル)アミノ)−4−メチルペント−2−エンニトリル;
(S)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−(シクロプロピル(オキセタン−3−イル)アミノ)−4−メチルペント−2−エンニトリル;または
上記化合物のいずれかの個々のEもしくはZ異性体;および/または
上記化合物のいずれかの薬学的に許容可能な塩。
【0022】
さらに別の実施形態において、式(IB)の化合物:
【化11】
[式中、
−Z−は、
【化12】
であり;
は、3−メチルオキセタン−3−イル、−C(CH−(アゼチジン−1−イル)、−C(CH−(3−ヒドロキシアゼチジン−1−イル)、−C(CH−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)、−C(CH−(ピロリジン−1−イル)または−C(CHCHOHであり;
および/または薬学的に許容可能なその塩;
但し、Zが
【化13】
である場合、Rは、3−メチルオキセタン−3−イルでない]および/または薬学的に許容可能なその塩が提供される。
【0023】
一実施形態において、式(IB)の化合物は、以下のものから選択される:
(RS)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−4−メチルペント−2−エンニトリル;(R)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−4−メチルペント−2−エンニトリル;
(S)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−4−メチルペント−2−エンニトリル;
2−((RS)−3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−(アゼチジン−1−イル)−4−メチルペント−2−エンニトリル;
2−((R)−3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−(アゼチジン−1−イル)−4−メチルペント−2−エンニトリル;
2−((S)−3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−(アゼチジン−1−イル)−4−メチルペント−2−エンニトリル;
(RS)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−5−ヒドロキシ−4,4−ジメチルペント−2−エンニトリル;
(R)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−5−ヒドロキシ−4,4−ジメチルペント−2−エンニトリル;
(S)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−5−ヒドロキシ−4,4−ジメチルペント−2−エンニトリル;
2−((RS)−3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−3−(3−メチルオキセタン−3−イル)アクリロニトリル;
2−((R)−3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−3−(3−メチルオキセタン−3−イル)アクリロニトリル;
2−((S)−3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−3−(3−メチルオキセタン−3−イル)アクリロニトリル;
(RS)−2−(2−((4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]−ピリミジン−1−イル)メチル)ピロリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(ピロリジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;
(S)−2−(2−((4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]−ピリミジン−1−イル)メチル)ピロリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(ピロリジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;
(R)−2−(2−((4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]−ピリミジン−1−イル)メチル)ピロリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(ピロリジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;
2−((RS)−3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−(3−ヒドロキシアゼチジン−1−イル)−4−メチルペント−2−エンニトリル;2−((R)−3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−(3−ヒドロキシアゼチジン−1−イル)−4−メチルペント−2−エンニトリル;
2−((S)−3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−(3−ヒドロキシアゼチジン−1−イル)−4−メチルペント−2−エンニトリル;
(RS)−2−(2−((4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)メチル)ピロリジン−1−カルボニル)−4−(3−ヒドロキシアゼチジン−1−イル)−4−メチルペント−2−エンニトリル;
(S)−2−(2−((4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)メチル)ピロリジン−1−カルボニル)−4−(3−ヒドロキシアゼチジン−1−イル)−4−メチルペント−2−エンニトリル;
(R)−2−(2−((4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)メチル)ピロリジン−1−カルボニル)−4−(3−ヒドロキシアゼチジン−1−イル)−4−メチルペント−2−エンニトリル;または上記化合物のいずれかの個々のEもしくはZ異性体;および/または上記化合物のいずれかの薬学的に許容可能な塩。
【0024】
さらに別の実施形態において、以下のものから選択される化合物が提供される:
(RS)−2−[2−[[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]メチル]アゼチジン−1−カルボニル]−4−メチル−ペント−2−エンニトリル;
(R)−2−[2−[[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]メチル]アゼチジン−1−カルボニル]−4−メチル−ペント−2−エンニトリル;
(S)−2−[2−[[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]メチル]アゼチジン−1−カルボニル]
−4−メチル−ペント−2−エンニトリル;
2−[3−[[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]メチル]アゼチジン−1−カルボニル]−4−メチル−ペント−2−エンニトリル;
(RS)−2−[2−[[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]メチル]アゼチジン−1−カルボニル]−4−メチル−4−モルホリノ−ペント−2−エンニトリル;
(R)−2−[2−[[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]メチル]アゼチジン−1−カルボニル]−4−メチル−4−モルホリノ−ペント−2−エンニトリル;
(S)−2−[2−[[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]メチル]アゼチジン−1−カルボニル]−4−メチル−4−モルホリノ−ペント−2−エンニトリル;
(RS)−2−[2−[[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]メチル]アゼチジン−1−カルボニル]−4−メチル−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;(R)−2−[2−[[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]メチル]アゼチジン−1−カルボニル]−4−メチル−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;
(S)−2−[2−[[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]メチル]アゼチジン−1−カルボニル]−4−メチル−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;
2−[3−[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]−アゼチジン−1−カルボニル]−4−メチル−ペント−2−エンニトリル;または上記化合物のいずれかの個々のEもしくはZ異性体;および/または上記化合物のいずれかの薬学的に許容可能な塩。
【0025】
さらに別の実施形態において、化合物または薬学的に許容可能な塩は、以下のものである:
(R)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−(3−ヒドロキシフェノキシ)フェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4,4−ジメチルペント−2−エンニトリル;
(R)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−(4−ヒドロキシフェノキシ)フェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4,4−ジメチルペント−2−エンニトリル;または
その個々のEもしくはZ異性体。
【0026】
別の実施形態において、化合物は、2−[(2S)−2−[[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]メチル]ピロリジン−1−カルボニル]−4−メチル−4−[メチル(オキセタン−3−イル)アミノ]ペント−2−エンニトリルまたはその個々のEもしくはZ異性体;および/または上記化合物のいずれかの薬学的に許容可能な塩から選択される。
【0027】
別の実施形態において、化合物は、2−[(2S)−2−[[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]メチル]ピロリジン−1−カルボニル]−4−メチル−4−[エチル(オキセタン−3−イル)アミノ]ペント−2−エンニトリルまたはその個々のEもしくはZ異性体;および/または上記化合物のいずれかの薬学的に許容可能な塩から選択される。
【0028】
別の実施形態において、化合物は、2−[(2S)−2−[[4−アミノ−3−(2−
フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]メチル]ピロリジン−1−カルボニル]−4−メチル−4−(オキセタン−3−イルアミノ)ペント−2−エンニトリルまたはその個々のEもしくはZ異性体;および/または上記化合物のいずれかの薬学的に許容可能な塩から選択される。
【0029】
別の実施形態において、化合物は、2−[(3R)−3−[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]ピペリジン−1−カルボニル]−4−メチル−4−[メチル(オキセタン−3−イル)アミノ]ペント−2−エンニトリルまたはその個々のEもしくはZ異性体;および/または上記化合物のいずれかの薬学的に許容可能な塩から選択される。
【0030】
別の実施形態において、化合物は、2−[(3R)−3−[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]ピペリジン−1−カルボニル]−4−メチル−4−[エチル(オキセタン−3−イル)アミノ]ペント−2−エンニトリルまたはその個々のEもしくはZ異性体;および/または上記化合物のいずれかの薬学的に許容可能な塩から選択される。
【0031】
別の実施形態において、化合物は、2−[(3R)−3−[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]ピペリジン−1−カルボニル]−4−メチル−4−(オキセタン−3−イル)アミノペント−2−エンニトリルまたはその個々のEもしくはZ異性体;および/または上記化合物のいずれかの薬学的に許容可能な塩から選択される。
【0032】
別の実施形態において、化合物は、2−[[(3R)−3−[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]−ピリミジン−1−イル]−ピペリジン−1−イル]カルボニル]−4−メチル−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリルまたはその個々のEもしくはZ異性体;および/または上記化合物のいずれかの薬学的に許容可能な塩から選択される。
【0033】
別の実施形態において、化合物は、2−[[(3R)−3−[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]−ピリミジン−1−イル]−ピペリジン−1−イル]カルボニル]−4−メチル−4−(4−エチルピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリルまたはその個々のEもしくはZ異性体;および/または上記化合物のいずれかの薬学的に許容可能な塩から選択される。
【0034】
別の実施形態において、化合物は、2−((R)−3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−(3−ヒドロキシアゼチジン−1−イル)−4−メチルペント−2−エンニトリルまたはその個々のEもしくはZ異性体;および/または上記化合物のいずれかの薬学的に許容可能な塩から選択される。
【0035】
別の実施形態において、化合物は、(R)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(4−メチル−3−オキソピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;またはその個々のEもしくはZ異性体;および/または上記化合物のいずれかの薬学的に許容可能な塩から選択される。
【0036】
別の実施形態において、化合物は、(R)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−(4−(2−メトキシエチル)ピペラジン−1−
イル)−4−メチルペント−2−エンニトリル;またはその個々のEもしくはZ異性体;および/または上記化合物のいずれかの薬学的に許容可能な塩から選択される。
【0037】
別の実施形態において、化合物は、2−[[(3R)−3−[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]−ピリミジン−1−イル]−ピペリジン−1−イル]カルボニル]−4−メチル−4−(ピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリルまたはその個々のEもしくはZ異性体;および/または上記化合物のいずれかの薬学的に許容可能な塩から選択される。
【0038】
別の実施形態において、化合物は、(R)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(4−(オキセタン−3−イル)ピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;またはその個々のEもしくはZ異性体;および/または上記化合物のいずれかの薬学的に許容可能な塩から選択される。
【0039】
別の実施形態において、化合物は、(S)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(4−(オキセタン−3−イル)ピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;またはその個々のEもしくはZ異性体;および/または上記化合物のいずれかの薬学的に許容可能な塩から選択される。
【0040】
別の実施形態において、化合物は、(R)−2−(3−(4−アミノ−3−(4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(4−(オキセタン−3−イル)ピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;またはその個々のEもしくはZ異性体;および/または上記化合物のいずれかの薬学的に許容可能な塩から選択される。
【0041】
別の実施形態において、化合物は、(S)−2−(3−(4−アミノ−3−(4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(4−(オキセタン−3−イル)ピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;またはその個々のEもしくはZ異性体;および/または上記化合物のいずれかの薬学的に許容可能な塩から選択される。
【0042】
別の実施形態において、化合物は、(R)−2−(2−((4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)メチル)ピロリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(4−(オキセタン−3−イル)ピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;またはその個々のEもしくはZ異性体;および/または上記化合物のいずれかの薬学的に許容可能な塩から選択される。
【0043】
別の実施形態において、化合物は、(S)−2−(2−((4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)メチル)ピロリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(4−(オキセタン−3−イル)ピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル;またはその個々のEもしくはZ異性体;および/または上記化合物のいずれかの薬学的に許容可能な塩から選択される。
【0044】
一実施形態において、本開示の化合物は、可逆的共有結合阻害剤である。
【0045】
別の実施形態において、本開示の化合物は、BTKのCys481への可逆的共有結合
を形成する。
【0046】
本明細書に開示の別の実施形態は、本明細書に開示の任意の実施形態の化合物および/または薬学的塩ならびに薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬組成物である。
【0047】
本明細書に開示の別の実施形態は、治療が必要とされる患者におけるチロシンキナーゼ、例えばBLK、BMX、HER2、HER4、ITK、TEC、BTKおよびTXK、例えばBTKの阻害により治療可能な疾患を治療する方法であって、それが必要と認識される患者に、本明細書に開示の任意の実施形態の化合物および/または薬学的に許容可能な塩ならびに薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬組成物を、治療を達成するために有効な量(治療量)で投与することを含む方法である。一実施形態において、患者は、そのような治療が必要と認識される。一実施形態において、疾患は、自己免疫疾患、炎症疾患および癌から選択される。
【0048】
上記実施形態の一態様において、必要とされまたは必要と認識される患者は、自己免疫疾患、例えば炎症腸疾患、例えば潰瘍性大腸炎、関節炎、ループス、関節リウマチ、乾癬性関節炎、変形性関節症、スティル病、若年性関節炎、糖尿病、重症筋無力症、橋本甲状腺炎、オルド甲状腺炎、グレーブス病、シェーグレン症候群、シェーグレンドライアイ、非シェーグレンドライアイ疾患、多発性硬化症、ギラン・バレー症候群、急性散在性脳脊髄炎、アジソン病、眼球クローヌス・ミオクローヌス症候群、強直性脊椎炎、抗リン脂質抗体症候群、再生不良性貧血、自己免疫性肝炎、セリアック病、グッドパスチャー症候群、特発性血小板減少性紫斑病、視神経炎、原発性胆汁性肝硬変、ライター症候群、高安動脈炎、側頭動脈炎、温暖自己免疫性溶血性貧血、ウェゲナー肉芽腫症、乾癬、全身性脱毛症、ベーチェット病、慢性疲労、自律神経障害、子宮内膜症、間質性膀胱炎、神経性筋強直症、強皮症および外陰部痛を罹患している。一実施形態において、疾患は関節リウマチまたは乾癬性関節炎である。別の実施形態において、自己免疫疾患はループスである。
【0049】
本明細書に開示のさらに別の実施形態において、必要とされまたは必要と認識される患者は、異種免疫病態または疾患、例えば移植片対宿主病、移植、輸血、アナフィラキシー、アレルギー、I型過敏症、アレルギー性結膜炎、アレルギー性鼻炎およびアトピー性皮膚炎を羅患している。
【0050】
本明細書に開示のさらに別の実施形態において、必要とされまたは必要と認識される患者は、炎症疾患、例えば喘息、虫垂炎、眼瞼炎、細気管支炎、気管支炎、滑液包炎、子宮頚管炎、胆管炎、胆嚢炎、大腸炎、結膜炎、膀胱炎、涙腺炎、皮膚炎、皮膚筋炎、脳炎、心内膜炎、子宮内膜炎、腸炎、小腸結腸炎、上顆炎、精巣上体炎、筋膜炎、結合組織炎、胃炎、胃腸炎、肝炎、化膿性汗腺炎、喉頭炎、乳腺炎、髄膜炎、脊髄炎、心筋炎、筋炎、腎炎、卵巣炎、精巣炎、骨炎、耳炎、膵臓炎、耳下腺炎、心膜炎、腹膜炎、咽頭炎、胸膜炎、静脈炎、間質性肺炎、肺炎、直腸炎、前立腺炎、腎盂腎炎、鼻炎、卵管炎、副鼻腔炎、口内炎、滑膜炎、腱炎、扁桃炎、ブドウ膜炎、腟炎、血管炎または外陰炎を羅患している。本明細書に開示のさらに別の実施形態において、必要とされまたは必要と認識される患者は、炎症皮膚疾患、例えば皮膚、関節または他の組織もしくは器官における皮膚炎、接触性皮膚炎、湿疹、蕁麻疹、酒さおよび瘢痕乾癬病変を罹患している。
【0051】
本明細書に開示のさらに別の実施形態において、必要とされまたは必要と認識される患者は、癌を罹患している。一実施形態において、癌はB細胞増殖障害、例えばびまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、慢性リンパ球性リンパ腫、慢性リンパ性白血病、B−ALL、B細胞前リンパ球性白血病、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、多発性骨髄腫、B細胞非ホジキンリンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫/ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、脾臓辺縁帯リンパ腫、形質細胞性骨髄腫、形質細胞腫、節外性辺縁
帯B細胞リンパ腫、結節性辺縁帯B細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性体腔性リンパ腫、バーキットリンパ腫/白血病およびリンパ腫様肉芽腫症である。
【0052】
さらに別の実施形態において、必要とされまたは必要と認識される患者は、血栓塞栓障害、例えば心筋梗塞、狭心症、血管形成術後の再閉塞、血管形成術後の再狭窄、大動脈冠動脈バイパス術後の再閉塞、大動脈冠動脈バイパス術後の再狭窄、脳卒中、一過性虚血、末梢動脈閉塞性障害、肺塞栓症および深部静脈血栓症を羅患している。
【0053】
本開示はまた、医薬品としての本明細書に開示の任意の化合物および/またはその薬学的塩の使用を対象とする。一実施形態において、本明細書に開示の化合物および/または薬学的に許容可能なその塩のいずれかの使用は、キナーゼ、特にBTKにより媒介される疾患の治療用であり、自己免疫および炎症疾患ならびに増殖疾患、例えば癌から選択される疾患の治療用である。
【0054】
本開示はまた、チロシンキナーゼ、例えばBLK、BMX、HER2、HER4、ITK、TEC、BTKおよびTXK、特にBTKの活性が、疾患の病理および/または症状の一因である、治療が必要とされる患者における炎症疾患を治療するための医薬品の製造における任意の化合物および/または薬学的に許容可能なその塩の使用を対象とする。一実施形態において、患者は、そのような治療が必要と認識される。一実施形態において、疾患は、自己免疫もしくは炎症疾患(例えば関節炎、喘息)または増殖疾患、例えばB細胞増殖障害、例えばびまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、慢性リンパ球性リンパ腫、慢性リンパ性白血病、B−ALL、B細胞前リンパ球性白血病、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、多発性骨髄腫、B細胞非ホジキンリンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫/ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、脾臓辺縁帯リンパ腫、形質細胞性骨髄腫、形質細胞腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、結節性辺縁帯B細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性体腔性リンパ腫、バーキットリンパ腫/白血病およびリンパ腫様肉芽腫症である。
【0055】
増殖障害、例として癌の治療に関する本明細書に開示の上記実施形態のいずれかにおいても、組合せ療法を含意することもでき、すなわち、本明細書に開示の化合物および/または薬学的に許容可能な塩は、少なくとも1つの追加の抗増殖および/または抗癌剤との組合せで投与することができる。一実施形態において、少なくとも1つの追加の薬剤は、アレムツズマブ、三酸化ヒ素、アスパラギナーゼ(ペグ化または非ペグ化)、ベバシズマブ、セツキシマブ、白金系化合物、例えばシスプラチン、クラドリビン、ダウノルビシン/ドキソルビシン/イダルビシン、イリノテカン、フルダラビン、5−フルオロウラシル、ゲムツズマブ、メトトレキサート、パクリタキセル、Taxol(商標)、ドセタキソール、テモゾロミド、チオグアニンおよびホルモンを含む薬物のクラス(抗エストロゲン薬、抗アンドロゲン薬またはゴナドトロピン放出ホルモン類似体)、インターフェロン、例えばアルファインターフェロン、ナイトロジェンマスタード、例えばブスルファンもしくはメルファランもしくはメクロレタミン、レチノイド、例えばトレチノイン、トポイソメラーゼ阻害剤、例えばイリノテカンもしくはトポテカン、チロシンキナーゼ阻害剤、例えばゲフィニチブもしくはイマチニブ、オファツムマブ、ベンダムスチン、リツキシマブ、オビヌツズマブ、IPI−145、GS−1101、BKM−120、GDC−0941、DGDC−0980、GS−9820、CAL−263、Revlimid(登録商標)、thalidomide(登録商標)、pomalidomide(登録商標)、Velcade(登録商標)、Kyprolis(登録商標)、デランゾミブ、U0126、PD98059、PD184352、PD0325901、ARRY−142886、SB239063、SP600125、BAY43−9006,ワートマニン、Nex
avar(登録商標)、Tarceva(登録商標)、Sutent(登録商標)、Tykerb(登録商標)、Sprycel(登録商標)、クリゾチニブ、Xalkori(登録商標)もしくはLY294002またはそのような治療により誘導される徴候もしくは症状を治療するための薬剤、例としてアロプリノール、フィルグラスチム、グラニセトロン/オンダンセトロン/パロノセトロン、ドロナビノールから選択される。組合せ療法を使用する場合、薬剤は同時または連続的に投与することができる。
【0056】
式(IA)の化合物:
【化14】
[式中、
−Z−は、
【化15】
;(例えば
【化16】
)であり;
は、
(a)−C(CH−(4−R−ピペラジン−1−イル)(式中、Rは、水素、アルキル、アルコキシアルキル、ハロアルキル、アルキルスルホニル、アルコキシカルボニル、アシルまたはオキセタン−3−イルであり、ピペラジニル環は、1つまたは2つのアルキルによりさらに場合により置換されている);
(b)−C(CH−(3−オキソ−4−R−ピペラジン−1−イル)(式中、Rは、水素、アルキル、アルコキシアルキル、ハロアルキルまたはオキセタン−3−イルであり、ピペラジニル環は、1つまたは2つのアルキルによりさらに場合により置換されている);
(c)−C(CH−NRオキセタン−3−イル(式中、Rは、水素、アルキルまたはシクロアルキルである);
(d)−C(CH−R(式中、Rは、
【化17】
であり、X、XおよびXの1つまたは2つは、窒素であり、残部は、炭素であり、環は、アルキル、ハロアルキルまたはハロから独立して選択される1つまたは2つの置換基により場合により置換されている);または
(e)−C(CH−2−オキサ−6−アザスピロ[3.3]ヘプタン−6−イルもしくは−C(CH−CHモルホリン−4−イル;((一実施形態において、Rは、−C(CH−(ピペラジン−1−イル)、−C(CH−(4−メチルピペラジン−1−イル)、−C(CH−(4−エチルピペラジン−1−イル)、−C(CH−N(CH)オキセタン−3−イル、−C(CH−N(CHCH)オキセタン−3−イル、−C(CH−NHオキセタン−3−イルまたは−C(CH−2−オキサ−6−アザスピロ[3.3]ヘプタン−6−イルである)
である];および/または
薬学的に許容可能なその塩を調製する方法であって、
(a)式(1)の化合物:
【化18】
[式中、
−Z−は、上記定義のとおりである]を、
式RCHOのアルデヒド(式中、Rは、
(a)−C(CH−(4−R−ピペラジン−1−イル)(式中、Rは、水素、アルキル、アルコキシアルキル、ハロアルキル、アルキルスルホニル、アルコキシカルボニル、アシルまたはオキセタン−3−イルであり、ピペラジニル環は、1つまたは2つのアルキルによりさらに場合により置換されている);
(b)−C(CH−(3−オキソ−4−R−ピペラジン−1−イル)(式中、Rは、水素、アルキル、アルコキシアルキル、ハロアルキルまたはオキセタン−3−イルであり、ピペラジニル環は、1つまたは2つのアルキルによりさらに場合により置換されている);
(c)−C(CH−NRオキセタン−3−イル(式中、Rは、水素、アルキルまたはシクロアルキルである);
(d)−C(CH−R(式中、Rは、
【化19】
であり、X、XおよびXの1つまたは2つは、窒素であり、残部は、炭素であり、環は、アルキル、ハロアルキルまたはハロから独立して選択される1つまたは2つの置換基により場合により置換されている);または
(e)−C(CH−2−オキサ−6−アザスピロ[3.3]ヘプタン−6−イルもしくは−C(CH−CHモルホリン−4−イル;(一実施形態において、Rは、−C(CH−(ピペラジン−1−イル)、−C(CH−(4−メチルピペラジン−1−イル)、−C(CH−(4−エチルピペラジン−1−イル)、−C(CH−N(CH)オキセタン−3−イル、−C(CH−N(CHCH)オキセタン−3−イル、−C(CH−NHオキセタン−3−イルまたは−C(CH−2−オキサ−6−アザスピロ[3.3]ヘプタン−6−イルである)
である)と反応させること;または
(b)式(2)の化合物:
【化20】
[式中、
−Z−は、上記定義のとおりである]を、
式RCH=C(CN)COHもしくはRCH=C(CN)COXの化合物(式中、Rは、
(a)−C(CH−(4−R−ピペラジン−1−イル)(式中、Rは、水素、アルキル、アルコキシアルキル、ハロアルキル、アルキルスルホニル、アルコキシカルボニル、アシルまたはオキセタン−3−イルであり、ピペラジニル環は、1つまたは2つのアルキルによりさらに場合により置換されている);
(b)−C(CH−(3−オキソ−4−R−ピペラジン−1−イル)(式中、Rは、水素、アルキル、アルコキシアルキル、ハロアルキルまたはオキセタン−3−イルであり、ピペラジニル環は、1つまたは2つのアルキルによりさらに場合により置換されている);
(c)−C(CH−NRオキセタン−3−イル(式中、Rは、水素、アルキルまたはシクロアルキルである);
(d)−C(CH−R(式中、Rは、
【化21】
であり、X、XおよびXの1つまたは2つは、窒素であり、残部は、炭素であり、環は、アルキル、ハロアルキルまたはハロから独立して選択される1つまたは2つの置換基により場合により置換されている);または
(e)−C(CH−2−オキサ−6−アザスピロ[3.3]ヘプタン−6−イルもしくは−C(CH−CHモルホリン−4−イル;(一実施形態において、Rは、−C(CH−(ピペラジン−1−イル)、−C(CH−(4−メチルピペラジン−1−イル)、−C(CH−(4−エチルピペラジン−1−イル)、−C(CH−N(CH)オキセタン−3−イル、−C(CH−N(CHCH)オキセタン−3−イル、−C(CH−NHオキセタン−3−イルまたは−C(CH−2−オキサ−6−アザスピロ[3.3]ヘプタン−6−イルである)
であり;
Xは、アミドカップリング反応条件下でZ基の窒素原子により置換され得る脱離基である)と反応させること;
(c)場合により、上記工程(a)もしくは(b)から得られた化合物の酸付加塩を作製すること;
(d)場合により、上記工程(a)、(b)もしくは(c)から得られた化合物の遊離塩基を作製すること;
(e)場合により、上記工程(a)、(b)、(c)もしくは(d)から得られた化合物の個々の立体異性体を分離すること;ならびに
(f)場合により、上記工程(a)、(b)、(c)、(d)もしくは(e)から得られた化合物の個々の(E)および(Z)異性体を分離すること
を含む方法も本明細書に開示される。
【0057】
本開示の方法の一実施形態において、Zは、
【化22】
である。
【0058】
本開示の方法の別の実施形態において、Zは、
【化23】
であり、Rは、−C(CH−(4−メチルピペラジン−1−イル)である。
【0059】
本開示の方法のさらに別の実施形態において、Zは、
【化24】
であり、Rは、−C(CH−(ピペラジン−1−イル)である。
【0060】
本開示の方法のさらに別の実施形態において、Zは、
【化25】
であり、Rは、−C(CH−N(CH)オキセタン−3−イルである。
【0061】
本開示の方法のさらに別の実施形態において、Zは、
【化26】
であり、Rは、−C(CH−NHオキセタン−3−イルである。
【0062】
本開示の方法のさらに別の実施形態において、Zは、
【化27】
であり、Rは、−C(CH−N(エチル)オキセタン−3−イルである。
【0063】
本開示の方法のさらに別の実施形態において、Zは、
【化28】
であり、Rは、−C(CH−N(エチル)ピペラジン−1−イルである。
【0064】
本開示の方法のさらに別の実施形態において、Zは、
【化29】
であり、Rは、−C(CH−(4−メチル−3−オキソピペラジン−1−イル)である。
【0065】
本開示の方法のさらに別の実施形態において、Zは、
【化30】
であり、Rは、−C(CH−(4−(2−エトキシエチル)−ピペラジン−1−イル)である。
【0066】
本開示の方法のさらに別の実施形態において、Zは、
【化31】
であり、Rは、−C(CH−4−(オキセタン−3−イル)−ピペラジン−1−イルである。
【0067】
本開示の方法の別の実施形態において、式(IA)の化合物(およびその実施形態)は、方法(a)により、式(1)の化合物:
【化32】
[式中、
−Z−は、上記定義のとおりである]を、
式RCHOのアルデヒド(式中、Rは、
(a)−C(CH−(4−R−ピペラジン−1−イル)(式中、Rは、水素、アルキル、アルコキシアルキル、ハロアルキル、アルキルスルホニル、アルコキシカルボニル、アシルまたはオキセタン−3−イルであり、ピペラジニル環は、1つまたは2つのアルキルによりさらに場合により置換されている);
(b)−C(CH−(3−オキソ−4−R−ピペラジン−1−イル)(式中、Rは、水素、アルキル、アルコキシアルキル、ハロアルキルまたはオキセタン−3−イルであり、ピペラジニル環は、1つまたは2つのアルキルによりさらに場合により置換されている);
(c)−C(CH−NRオキセタン−3−イル(式中、Rは、水素、アルキルまたはシクロアルキルである);
(d)−C(CH−R(式中、Rは、
【化33】
であり、X、XおよびXの1つまたは2つは、窒素であり、残部は、炭素であり、環は、アルキル、ハロアルキルまたはハロから独立して選択される1つまたは2つの置換基により場合により置換されている);または
(e)−C(CH−2−オキサ−6−アザスピロ[3.3]ヘプタン−6−イルもしくは−C(CH−CHモルホリン−4−イル;(一実施形態において、Rは、−C(CH−(ピペラジン−1−イル)、−C(CH−(4−メチルピペラジン−1−イル)、−C(CH−(4−エチルピペラジン−1−イル)、−C(CH−N(CH)オキセタン−3−イル、−C(CH−N(CHCH)オキセタン−3−イル、−C(CH−NHオキセタン−3−イル、−C(CH−2−オキサ−6−アザスピロ[3.3]ヘプタン−6−イル、−C(CH−(4−メチル−3−オキソピペラジン−1−イルまたは−C(CH−(4−(2−エトキシエチル)−ピペラジン−1−イル)、例えば−C(CH−(ピペラジン−1−イル)、−C(CH−(4−メチルピペラジン−1−イル)、−C(CH−(4−エチルピペラジン−1−イル)、−C(CH−N(CH)オキセタン−3−イル、−C(CH−N(CHCH)オキセタン−3−イル、−C(CH−NHオキセタン−3−イル、−C(CH−2−オキサ−6−アザスピロ[3.3]ヘプタン−6−イルである)
である)と、ピロリジンおよびトリメチルシリルクロリドの存在下で反応させることにより調製する。
【0068】
本開示の方法の別の実施形態において、式(IA)の化合物(およびその実施形態)は、方法(b)により、式(2)の化合物:
【化34】
[式中、
−Z−は、上記定義のとおりである]を、
式RCH=C(CN)COOHまたはRCH=C(CN)COXの化合物(式中、Rは、
(a)−C(CH−(4−R−ピペラジン−1−イル)(式中、Rは、水素、アルキル、アルコキシアルキル、ハロアルキル、アルキルスルホニル、アルコキシカルボニル、アシルまたはオキセタン−3−イルであり、ピペラジニル環は、1つまたは2つのアルキルによりさらに場合により置換されている);
(b)−C(CH−(3−オキソ−4−R−ピペラジン−1−イル)(式中、Rは、水素、アルキル、アルコキシアルキル、ハロアルキルまたはオキセタン−3−イルであり、ピペラジニル環は、1つまたは2つのアルキルによりさらに場合により置換されている);
(c)−C(CH−NRオキセタン−3−イル(式中、Rは、水素、アルキルまたはシクロアルキルである);
(d)−C(CH−R(式中、Rは、
【化35】
であり、X、XおよびXの1つまたは2つは、窒素であり、残部は、炭素であり、環は、アルキル、ハロアルキルまたはハロから独立して選択される1つまたは2つの置換基により場合により置換されている);または
(e)−C(CH−2−オキサ−6−アザスピロ[3.3]ヘプタン−6−イルもしくは−C(CH−CHモルホリン−4−イル;(一実施形態において、Rは、−C(CH−(ピペラジン−1−イル)、−C(CH−(4−メチルピペラジン−1−イル)、−C(CH−(4−エチルピペラジン−1−イル)、−C(CH−N(CH)オキセタン−3−イル、−C(CH−N(CHCH)オキセタン−3−イル、−C(CH−NHオキセタン−3−イル、−C(CH−2−オキサ−6−アザスピロ[3.3]ヘプタン−6−イル、−C(CH−(4−メチル−3−オキソピペラジン−1−イルまたは−C(CH−(4−(2−エトキシエチル)−ピペラジン−1−イル)、例えば−C(CH−(ピペラジン−1−イル)、−C(CH−(4−メチルピペラジン−1−イル)、−C(CH−(4−エチルピペラジン−1−イル)、−C(CH−N(CH)オキセタン−3−イル、−C(CH−N(CHCH)オキセタン−3−イル、−C(CH−NHオキセタン−3−イル、−C(CH−2−オキサ−6−アザスピロ[3.3]ヘプタン−6−イルである)
であり;
Xは、アミドカップリング反応条件下でZ基の窒素原子により置換され得る脱離基である)と反応させることにより調製する。
【発明を実施するための形態】
【0069】
定義:
別記しない限り、本明細書および特許請求の範囲で使用される以下の用語は、本出願の目的のために定義され、以下の意味を有する。
【0070】
「アルキル」は、1から6つの炭素原子の直鎖飽和一価炭化水素基または3から6つの炭素原子の分枝鎖飽和一価炭化水素基、例えばメチル、エチル、プロピル、2−プロピル、ブチル(全ての異性体型を含む)、ペンチル(全ての異性体型を含む)などを意味する。
【0071】
「アルコキシ」は、−OR基(式中、Rは、上記定義のアルキルである)、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシまたは2−プロポキシ、n−、イソ−もしくはtert−ブトキシなどを意味する。
【0072】
「アルコキシアルキル」は、上記定義のアルコキシ基により置換されている1から6つの炭素原子の直鎖一価炭化水素基または3から6つの炭素原子の分枝鎖一価炭化水素基、例えば2−メトキシエチル、1−、2−または3−メトキシプロピル、2−エトキシエチルなどを意味する。
【0073】
「ヒドロキシアルキル」は、上記定義のヒドロキシ基により置換されている1から6つの炭素原子の直鎖一価炭化水素基または3から6つの炭素原子の分枝鎖一価炭化水素基、例えば2−ヒドロキシエチル、1,3−ジヒドロキシプロピルなどを意味する。
【0074】
「アルキルスルホニル」は、−SOR基(式中、Rは、上記定義のアルキルである)、例えばメチルスルホニル、エチルスルホニルなどを意味する。
【0075】
「アルコキシカルボニル」は、−C(O)OR基(式中、Rは、上記定義のアルキルである)、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどを意味する。
【0076】
「アシル」は、−COR基(式中、Rは、上記定義のアルキルである)を意味する。
【0077】
「シクロアルキル」は、1つまたは2つの炭素原子がオキソ基により置き換えられていてよい、3から10個の炭素原子の環式飽和一価炭化水素基、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルなどを意味する。
【0078】
「ハロ」は、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード、例えばフルオロまたはクロロを意味する。
【0079】
「ハロアルキル」は、1つ以上のハロゲン原子、例えば1から5つのハロゲン原子、例えばフッ素または塩素により置換されている上記定義のアルキル基、例として異なるハロゲンにより置換されているもの、例えば−CHCl、−CF、−CHF、−CHCF、−CFCF、−CF(CHなどを意味する。
【0080】
本開示は、本明細書に開示の化合物のアモルファスおよび多形形態および重水素化形態も含む。
【0081】
化合物の「薬学的に許容可能な塩」は、薬学的に許容可能であり、塩が作製される化合物(以下、「親化合物」とも称される)の所望の薬理学的活性を有する塩を意味する。このような塩には、
無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸など;または、有機酸、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2−エタンジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4−クロロベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、4−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、グルコヘプトン酸、4,4’−メチレンビス−(3−ヒドロキシ−2−エン−1−カルボン酸)、3−フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、第3級ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸などと反応させることにより形成される酸付加塩;または
親化合物中に存在する酸性プロトンが金属イオン、例えばアルカリ金属イオン、アルカリ土類イオンもしくはアルミニウムイオンにより置き換えられ;または有機塩基、例えばエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、N−メチルグルカミンなどと配位する場合に形成される塩が含まれる。薬学的に許容可能な塩は、非毒性であることが理解される。好適な薬学的に許容可能な塩の追加の情報は、参照により本明細書に組み込まれるRemington’s Pharmaceutical Sciences,17th ed.,Mack Publishing Company,Easton,PA,1985およびBerge et al.,Journal of Pharmaceutical Sciences,January 1977,Volume 66,Number 1,1−19に見出すことができる。
【0082】
本開示の化合物は、不斉中心を有し得る。不斉置換原子を含有する本開示のある化合物は、光学活性またはラセミ形態で単離することができる。光学活性形態を、例えば材料の分割により調製する手法は、当分野において周知である。規定の立体化学または異性体形態が具体的に示されない限り、全てのキラル、ジアステレオマーおよびラセミ形態は、本開示の範囲内である。
【0083】
本開示のある化合物は、互変異性体および/または幾何異性体として存在し得る。全ての考えられる互変異性体ならびにシスおよびトランス異性体は、個々の形態およびそれらの混合物として本開示の範囲内である。
【0084】
「任意選択」または「場合により」は、続いて記載されるイベントまたは状況が生じ得るが、生じる必要はないことならびに記載にはイベントまたは状況が生じる例およびそれが生じない例が含まれることを意味する。
【0085】
「薬学的に許容可能な担体または賦形剤」は、一般に安全で非毒性で、生物学的にも他の点でも不所望でなく医薬組成物の調製において有用な担体または賦形剤を意味し、ヒト薬学的使用に許容可能な担体または賦形剤が含まれる。
【0086】
本明細書および特許請求の範囲において使用される「薬学的に許容可能な担体/賦形剤」には、1つおよび2つ以上のそのような賦形剤の両方が含まれる。
【0087】
疾患を「治療する」または疾患の「治療」には、
(1)疾患の予防、すなわち、疾患に曝露されもしくは疾患を罹患する可能性があるが、依然として疾患の症状を起こしていないもしくは示していない哺乳動物において疾患の臨床症状を発症しないようにすること;(2)疾患の抑制、すなわち、疾患もしくはその臨床症状の発症の阻止もしくは低減;または
(3)疾患の緩和、すなわち、疾患もしくはその臨床症状を軽減すること
が含まれる。
【0088】
「治療有効量」は、疾患を治療するために治療が必要とされまたは必要と認識される患者に投与した場合、そのような疾患についての治療を行うために十分な本開示の化合物の量を意味する。「治療有効量」は、化合物、疾患およびその重症度ならびに治療すべき哺乳動物の年齢、体重などに応じて変動する。
【0089】
本明細書に開示の化合物はチロシンキナーゼ阻害剤、特にBTK阻害剤であり、したがって、自己免疫疾患、例えば炎症腸疾患、関節炎、ループス、関節リウマチ、乾癬性関節炎、変形性関節症、スティル病、若年性関節炎、糖尿病、重症筋無力症、橋本甲状腺炎、オルド甲状腺炎、グレーブス病、シェーグレン症候群、例としてシェーグレンドライアイ、非シェーグレンドライアイ、多発性硬化症、ギラン・バレー症候群、急性散在性脳脊髄
炎、アジソン病、眼球クローヌス・ミオクローヌス症候群、強直性脊椎炎、抗リン脂質抗体症候群、再生不良性貧血、自己免疫性肝炎、セリアック病、グッドパスチャー症候群、特発性血小板減少性紫斑病、視神経炎、原発性胆汁性肝硬変、ライター症候群、高安動脈炎、側頭動脈炎、温暖自己免疫性溶血性貧血、ウェゲナー肉芽腫症、乾癬、全身性脱毛症、ベーチェット病、慢性疲労、自律神経障害、子宮内膜症、間質性膀胱炎、神経性筋強直症、強皮症および外陰部痛の治療において有用である。
【0090】
本明細書に開示の化合物は、異種免疫病態または疾患の治療においても有用である。本明細書に記載の別の実施形態において、必要とされまたは必要と認識される患者は、異種免疫病態または疾患、例えば移植片対宿主病、移植、輸血、アナフィラキシー、アレルギー、I型過敏症、アレルギー性結膜炎、アレルギー性鼻炎およびアトピー性皮膚炎を罹患している。
【0091】
本明細書に開示の別の実施形態において、必要とされまたは必要と認識される患者は、炎症疾患、例えば喘息、虫垂炎、眼瞼炎、細気管支炎、気管支炎、滑液包炎、子宮頚管炎、胆管炎、胆嚢炎、大腸炎、結膜炎、膀胱炎、涙腺炎、皮膚炎、皮膚筋炎、脳炎、心内膜炎、子宮内膜炎、腸炎、小腸結腸炎、上顆炎、精巣上体炎、筋膜炎、結合組織炎、胃炎、胃腸炎、肝炎、化膿性汗腺炎、喉頭炎、乳腺炎、髄膜炎、脊髄炎、心筋炎、筋炎、腎炎、卵巣炎、精巣炎、骨炎、耳炎、膵臓炎、耳下腺炎、心膜炎、腹膜炎、咽頭炎、胸膜炎、静脈炎、間質性肺炎、肺炎、直腸炎、前立腺炎、腎盂腎炎、鼻炎、卵管炎、副鼻腔炎、口内炎、滑膜炎、腱炎、扁桃炎、ブドウ膜炎、腟炎、血管炎および外陰炎を羅患している。一実施形態において、炎症疾患は喘息である。
【0092】
本明細書に開示の別の実施形態において、必要とされまたは必要と認識される患者は、例として皮膚、関節または他の組織もしくは器官における皮膚炎、接触性皮膚炎、湿疹、酒さおよび瘢痕乾癬病変が含まれる炎症皮膚疾患を罹患している。
【0093】
本明細書に開示のさらに別の実施形態において、必要とされまたは必要と認識される患者は、癌を罹患している。一実施形態において、癌はB細胞増殖障害、例えばびまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、慢性リンパ球性リンパ腫、慢性リンパ性白血病、B細胞前リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、B−ALL、フィラデルフィア染色体陽性B−ALL、リンパ形質細胞性リンパ腫/ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、脾臓辺縁帯リンパ腫、形質細胞性骨髄腫、形質細胞腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、結節性辺縁帯B細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性体腔性リンパ腫、バーキットリンパ腫/白血病またはリンパ腫様肉芽腫症である。一部の実施形態において、本明細書に開示の化合物を別の抗癌剤との組合せで投与し、例えば抗癌剤は、マイトジェン活性化タンパク質キナーゼシグナリングの阻害剤であり、例えばU0126、PD98059、PD184352、PD0325901、ARRY−142886、SB239063、SP600125、BAY43−9006、ワートマニンまたはLY294002である。
【0094】
本明細書に開示のさらに別の実施形態において、必要とされまたは必要と認識される患者は、血栓塞栓障害、例えば心筋梗塞、狭心症、血管形成術後の再閉塞、血管形成術後の再狭窄、大動脈冠動脈バイパス術後の再閉塞、大動脈冠動脈バイパス術後の再狭窄、脳卒中、一過性虚血、末梢動脈閉塞性障害、肺塞栓症および深部静脈血栓症を羅患している。
【0095】
本明細書に開示のさらに別の実施形態は、医薬品として使用される本明細書に開示される化合物および/または薬学的に許容可能なその塩の使用である。一実施形態において、本使用は、炎症疾患または増殖疾患の治療用である。
【0096】
本明細書に開示のさらに別の実施形態において、BTKまたは他のチロシンキナーゼの活性が疾患の病理および/または症状の一因である、治療が必要とされまたは必要と認識される患者における炎症疾患を治療するための医薬品の製造における本明細書に開示の化合物および/または薬学的に許容可能なその塩の使用が存在する。一実施形態において、チロシンキナーゼタンパク質はBTKである。別の実施形態において、疾患は、呼吸器疾患、心血管疾患および増殖疾患から選択される。
【0097】
増殖障害、例として癌の治療に関する本明細書に開示の実施形態のいずれにおいても、組合せ療法に関するさらなる実施形態が存在する。それらの実施形態において、本明細書に開示の化合物および/または薬学的に許容可能なその塩を、アレムツズマブ、三酸化ヒ素、アスパラギナーゼ(ペグ化または非ペグ化)、ベバシズマブ、セツキシマブ、白金系化合物、例えばシスプラチン、クラドリビン、ダウノルビシン(aunorubicin)/ドキソルビシン/イダルビシン、イリノテカン、フルダラビン、5−フルオロウラシル、ゲムツズマブ、メトトレキサート、パクリタキセル、taxol(商標)、ドセタキソール、テモゾロミド、チオグアニンまたはホルモンを含む薬物のクラス(抗エストロゲン薬、抗アンドロゲン薬およびゴナドトロピン放出ホルモン類似体)、インターフェロン、例えばアルファインターフェロン、ナイトロジェンマスタード、例えばブスルファン、メルファランおよびメクロレタミン、レチノイド、例えばトレチノイン、トポイソメラーゼ阻害剤、例えばイリノテカンもしくはトポテカン、チロシンキナーゼ阻害剤、例えばゲフィニチブおよびイマチニブならびにそのような療法により誘導される徴候もしくは症状を治療するための薬剤、例として、例えばアロプリノール、フィルグラスチム、グラニセトロン/オンダンセトロン/パロノセトロンおよびドロナビノールから選択される少なくとも1つの追加の薬剤との組合せで投与する。組合せ療法を使用する場合、薬剤は同時または連続的に投与することができる。本開示の化合物のキナーゼ阻害活性は、当分野において周知の方法により試験することができる。本開示の化合物および/または薬学的に許容可能なその塩のBTK阻害活性は、以下の生物実施例1〜3に記載のインビトロおよびインビボアッセイを使用して試験することができる。それらのアッセイのいずれかによるキナーゼ阻害活性の測定は、他のアッセイのいずれかまたは全てがキナーゼ阻害活性の測定をもたらさない場合であっても、本開示の範囲内のキナーゼ阻害活性であるとみなされる。
【0098】
任意の規定の機序理論に拘束されるものではないが、本開示の化合物が可逆的共有結合阻害剤であるそれらの実施形態において、システインスルフヒドリル基および本開示の化合物の炭素−炭素二重結合(すなわち、オレフィン)の一部を形成する炭素原子は、本明細書に定義の可逆的、すなわち、不安定な共有結合を形成し得ると考えられ、例えばCys481は、本開示の化合物中の炭素−炭素二重結合(オレフィン)の電子欠乏炭素原子を攻撃してチオールアダクトを形成する(例えばシステインとのマイケル反応)。
【0099】
一部の実施形態において、オレフィンの電子欠乏炭素原子は、本開示の化合物中のシアノ基に付着している炭素および電子求引−Z−CO−部分(式I、IA、IB、II参照)に対して遠位である。したがって、シアノおよび「−Z−CO−」部分およびそれらが本開示の化合物中で結合しているオレフィン部分の組合せは、オレフィンの反応性を増加させてBTK中の活性部位システイン残基とのチオールアダクトを形成し得る。
【0100】
本開示の化合物は、BTKと2つの異なる様式で結合する。上記の不安定共有結合に加え、それらは、BTKとの非共有結合(例えばファンデルワールス結合、水素結合、疎水性結合、親水性結合および/または静電結合を介する)も形成し、非共有結合は、BTKのキナーゼ活性を少なくとも部分的に阻害するために十分である。
【0101】
本明細書に開示のとおり、本開示の化合物と、BTKとの間の不安定共有結合は、阻害
剤中のオレフィンとシステイン481残基チオール側鎖との間で、化合物が上記のBTKとの非共有結合を有する部位においてまたはその近傍で生じる。
【0102】
明らかなとおり、可逆的共有結合阻害剤である本開示の化合物は、BTKとのシステイン介在共有結合および非共有結合の両方を有する。このことは、非共有結合を介してのみBTKを阻害し、システイン介在共有結合を欠損する非共有結合可逆的阻害剤とは対照的である。
【0103】
本開示の化合物とBTKとの2つの異なる様式での結合の結果は、緩慢なオフレートおよび作用の長期持続時間を有し、一部の例においては、恒久的な不可逆的タンパク質アダクトを形成せずに不可逆的共有結合阻害剤と同等である可逆的共有結合阻害剤である。不可逆的共有結合阻害剤と可逆的共有結合阻害剤、特に本明細書に開示の化合物との間の差異は、本明細書に開示のアッセイを利用して確認することができる。
【0104】
一般に、BTKとの可逆的共有結合を形成する阻害剤、すなわち、本明細書に開示の化合物に関与する結合は、BTKがある立体配置である場合に安定であり、BTKが異なる立体配置である場合に破壊されやすい(生理学的条件下では両方の場合)一方、不可逆的共有結合を形成する阻害剤間の相互作用は、BTKが異なる立体配置である場合であっても、生理学的条件下で安定である。
【0105】
可逆的共有結合は、システイン含有結合部位内の化合物の滞留時間に関する特有の特性を付与することが多い。これに関して、滞留時間は、様々な条件下での化合物−標的複合体の一時的な持続時間を指す(Copeland RA,Pompliano DL,Meek TD.Drug−target residence time and its implications for lead optimization.Nat.Rev.Drug Discov.5(9),730−739(2006)参照。
【0106】
本明細書に開示の可逆的共有結合阻害剤中の可逆的共有結合の存在は、BTKとの共有結合を形成しない化合物と比較して長時間の滞留時間をもたらし得る。本明細書に開示の一実施形態において、可逆的共有結合阻害剤である本開示の化合物は、少なくとも約1時間の滞留時間を有し、滞留時間は、生化学的または細胞環境における占有アッセイを使用して計測することができる(以下の生物実施例7参照)。さらに、滞留時間は、規定のウォッシュアウト期間後に機能アッセイを使用して計測することができる。
【0107】
不可逆的共有結合阻害剤中の不可逆的共有結合を形成する化合物は、その長時間の滞留時間特性を共有するが、それでもなお、可逆性アッセイを使用して可逆的共有結合阻害剤と区別することができる。BTK(UniprotKB Sequence ID Q06187)のCys481との可逆的共有結合およびオレフィン結合を本開示の化合物中で形成する本開示の化合物の能力は、以下の生物実施例5〜8に記載のアッセイにより測定することができる。以下の生物実施例5〜8のいずれかによるシステイン残基と本開示の化合物のオレフィン結合との間の共有結合の結合可逆性の測定は、他の方法の1つ以上が結合可逆性の測定をもたらさない場合であっても、本開示の範囲内の結合可逆性であるとみなされる。
【0108】
一般に、本開示の化合物は、同様の有用性を提供する薬剤について許容される投与方式のいずれかにより治療有効量で投与される。本明細書に開示の化合物の治療有効量は、患者体重1kg当たり1日当たり約0.01から約500mgの範囲であり得、それを単回または複数回用量で投与することができる。好適な投与量レベルは、1日当たり約0.01から約250mg/kg、1日当たり約0.05から約100mg/kgまたは1日当たり約0.1から約50mg/kgであり得る。この範囲内で、投与量は、1日当たり約
0.05から約0.5、約0.5から約5または約5から約50mg/kgであり得る。経口投与について、組成物は、特に約1.0から約1000ミリグラムの活性成分、特に約1、5、10、15、20、25、50、75、100、150、200、250、300、400、500、600、750、800、900および1000ミリグラムの活性成分を含有する錠剤の形態で提供することができる。本開示の化合物および/または薬学的に許容可能なその塩、すなわち、活性成分の投与される実際量は、多数の因子、例えば治療すべき疾患の重症度、対象の年齢および相対的健康、利用される化合物および/または薬学的に許容可能なその塩の効力、投与経路および形態ならびに他の因子に依存する。
【0109】
一般に、本開示の化合物および/または薬学的に許容可能な塩は、以下の経路のいずれか1つにより医薬組成物として投与される:経口、全身(例えば経皮、鼻腔内または坐剤による)、局所または非経口(例えば筋肉内、静脈内または皮下)投与。好ましい投与様式は、簡便な1日投与量レジメンを使用する経口であり、それは苦痛の程度により調整することができる。組成物は、錠剤、カプセル剤、半固体、散剤、徐放配合物、腸溶コーティングまたは遅延放出配合物、液剤、懸濁液剤、エリキシル剤、エアロゾル剤または任意の他の適切な組成物の形態をとり得る。
【0110】
配合物の選択は、種々の因子、例えば薬物投与方式(例えば経口投与については、錠剤、ピルまたはカプセル剤の形態の配合物が好ましい)および薬物物質のバイオアベイラビリティーに依存する。近年、特に、バイオアベイラビリティーを表面積の増加、すなわち、粒子サイズの減少により増加させることができる原理に基づき不十分なバイオアベイラビリティーを示す薬物について医薬配合物が開発されている。例えば、米国特許第4,107,288号明細書は、活性材料が巨大分子の架橋マトリックス上で担持される10から1000nmのサイズ範囲の粒子を有する医薬配合物を記載している。米国特許第5,145,684号明細書は、薬物物質を表面改質剤の存在下でナノ粒子(400nmの平均粒子サイズ)に粉末化し、次いで液体媒体中で分散させて顕著に高いバイオアベイラビリティーを示す医薬配合物を得る医薬配合物の生成を記載している。
【0111】
一般に、組成物は、少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤、例えば結合剤、界面活性剤、希釈剤、緩衝剤、抗接着剤、流動促進剤、親水性または疎水性ポリマー、遅延剤、安定化剤または安定剤、崩壊剤または超崩壊剤、酸化防止剤、消泡剤、増量剤、着香剤、着色剤、滑沢剤、吸着剤、保存剤、可塑剤および甘味剤との組合せにおける本明細書に開示の化合物および/または薬学的に許容可能な塩からなる。許容可能な賦形剤は、非毒性であり、投与を支援し、本明細書に開示の化合物の治療利益に悪影響を与えない。このような賦形剤は、当業者が一般に利用可能な任意の固体、液体、半固体または、エアロゾル組成物の場合、ガス状賦形剤であり得る。
【0112】
固体医薬賦形剤には、デンプン、セルロース、タルク、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、麦芽、コメ、コムギ、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセロール、塩化ナトリウム、乾燥脱脂乳などが含まれる。液体および半固体賦形剤は、グリセロール、プロピレングリコール、水、エタノールおよび種々の油、例として石油、動物、植物または合成起源のもの、例えばラッカセイ油、ダイズ油、鉱油、ゴマ油などから選択することができる。特に注射液剤のための液体担体は水、生理食塩水、水性デキストロースおよびグリコールが含まれる。
【0113】
本開示の化合物または薬学的に許容可能な塩は、鼻腔内投与することもできる。鼻腔内配合物は当分野において公知であり、例えばそれぞれが参照により本明細書に組み込まれる米国特許第4,476,116号明細書、米国特許第5,116,817号明細書およ
び米国特許第6,391,452号明細書参照。賦形剤の選択は、鼻腔剤形、例えば液剤、懸濁液剤または散剤の性質に依存する。吸入による投与については、本開示の化合物および/または薬学的に許容可能な塩は、液剤、懸濁液剤および散剤の形態であり得る。これらの配合物は、エアロゾル、ミストまたは粉末として投与され、加圧パックまたはネブライザーから好適な噴射剤、例えばジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、窒素、二酸化炭素などにより送達することができる。加圧エアロゾルの場合において、投与量単位は、定量を送達するための弁を提供することにより決定することができる。本明細書に開示の化合物および好適な粉末基剤、例えばラクトースまたはデンプンの粉末混合物を含有する、吸入器中で使用されるカプセル剤およびカートリッジを配合することができる。
【0114】
局所配合物は、液剤、懸濁液剤、乳濁液剤などであり得、当分野において周知の方法により調製することができる。配合物は、重量パーセント(wt%)基準で、全配合物に対して約0.01〜99.99wt%の本明細書に開示の化合物および/または薬学的に許容可能な塩を含有し、残部は1つ以上の好適な医薬賦形剤であり、単回または複数回用量で投与することができる。好適な賦形剤には、ポリマー、界面活性剤、緩衝剤またはpH調整剤、等張および浸透圧調整剤、保存剤ならびに分散剤が含まれる。
【0115】
他の好適な医薬賦形剤およびその配合物は、Remington’s Pharmaceutical Sciences,edited by E.W.Martin(Mack Publishing Company,20th ed.,2000)に記載されている。
【0116】
配合物中の化合物のレベルは、当業者により用いられる全範囲内で変動し得る。典型的には、配合物は、重量パーセント(wt%)基準で、全配合物に対して約0.01〜99.99wt%の本明細書に開示の化合物および/または薬学的に許容可能な塩を含有し、残部は1つ以上の好適な医薬賦形剤である。
【0117】
本開示の化合物および/または薬学的に許容可能な塩は、本開示の化合物または他の薬物が有用性を有し得る疾患または病態の治療において1つ以上の他の薬物との組合せにおいて使用することができ、薬物の一緒の組合せは、薬物単独よりも安全でありまたは有効である。このような他の薬物は、一般に使用される経路および量で、したがって本開示の化合物と同時にまたは連続して投与することができる。本開示の化合物および/または薬学的に許容可能な塩を1つ以上の他の薬物と同時に使用する場合、そのような他の薬物ならびに本開示の化合物および/または薬学的に許容可能な塩を含有する単位剤形の医薬組成物が好ましい。しかしながら、組合せ療法には、本開示の化合物および/または薬学的に許容可能な塩ならびに1つ以上の他の薬物を異なる重複スケジュールで投与する療法も含まれ得る。1つ以上の他の活性成分との組合せにおいて使用する場合、本開示の化合物および/または薬学的に許容可能な塩ならびに他の活性成分は、それぞれを単独で使用する場合よりも低い用量で使用することができることも企図される。
【0118】
したがって、本開示の医薬組成物には、本開示の化合物および/または薬学的に許容可能な塩に加えて1つ以上の他の活性成分を含有するものも含まれる。
【0119】
上記の組合せには、1つの他の活性化合物とだけでなく、2つ以上の他の活性化合物との本開示の化合物の組合せが含まれる。同様に、本開示の化合物および/または薬学的に許容可能な塩は、本開示の化合物が有用な疾患または病態の予防、治療、管理、改善またはリスク軽減において使用される他の薬物との組合せで使用することができる。このような他の薬物は、一般に使用される経路によりおよび量で投与することができ、したがって当業者により本開示の化合物および/または薬学的に許容可能な塩と同時にまたは連続的
に投与することができる。本開示の化合物および/または薬学的に許容可能な塩を1つ以上の他の薬物と同時に使用する場合、本開示の化合物および/または薬学的に許容可能な塩に加えてそのような他の薬物を含有する医薬組成物が好ましい。したがって、本開示の医薬組成物には、本開示の化合物および/または薬学的に許容可能な塩に加えて1つ以上の他の活性成分も含有するものも含まれる。本開示の化合物および/または薬学的に許容可能な塩と第2の活性成分との重量比は、変えることができ、それぞれの成分の有効用量に依存する。一般に、それぞれの有効用量が使用される。
【0120】
患者が自己免疫疾患、炎症疾患またはアレルギー疾患を罹患しておりまたは罹患するリスクがある場合、本開示の化合物および/または薬学的に許容可能な塩を、以下の治療剤の1つ以上と任意の組合せで使用することができる:免疫抑制剤(例えばタクロリムス、ジエチルスチルベストロール、ラパマイシン、メトトレキサート、シクロホスファミド、アザチオプリン、メルカプトプリン、ミコフェノレートまたはFTY720)、グルココルチコイド(例えばプレドニゾン、酢酸コルチゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、デキサメタゾン、ベタメタゾン、トリアムシノロン、ベクロメタゾン、酢酸フルドロコルチゾン、酢酸デオキシコルチコステロン、アルドステロン)、非ステロイド抗炎症薬(例えばサリチレート、アリールアルカン酸、2−アリールプロピオン酸、N−アリールアントラニル酸、オキシカム、コキシブまたはスルホンアニリド)、Cox−2−特異的阻害剤(例えばバルデコキシブ、セレコキシブまたはロフェコキシブ)、レフルノミド、金チオグルコース、金チオマレート、アウロフィン(aurofin)、スルファサラジン、ヒドロキシクロロキニン、ミノサイクリン、TNF−アルファ結合タンパク質(例えばインフリキシマブ、エタネルセプトまたはアダリムマブ)、アバタセプト、アナキンラ、インターフェロンベータ、インターフェロンガンマ、インターロイキン−2、アレルギーワクチン、抗ヒスタミン薬、抗ロイコトリエン薬、ベータアゴニスト、テオフィリンおよび抗コリン作動薬。
【0121】
患者がB細胞増殖疾患(例えば形質細胞性骨髄腫)に羅患しておりまたは羅患するリスクがある場合、1つ以上の他の抗癌剤との任意の組合せにおける本明細書に開示の化合物および/または薬学的に許容可能な塩により患者を治療することができる。一部の実施形態において、抗癌剤の1つ以上はアポトーシス促進剤である。抗癌剤の例には、以下のいずれもが含まれるが、これらに限定されない:ゴシポール(gossyphol)、genasense、ポリフェノールE、クロロフシン、オールトランス型レチノイン酸(ATRA)、ブリオスタチン、腫瘍壊死因子関連アポトーシス誘導リガンド(TRAIL)、5−アザ−2’−デオキシシチジン、オールトランス型レチノイン酸、ドキソルビシン、ビンクリスチン、エトポシド、ゲムシタビン、イマチニブ(Gleevec(商標))、ゲルダナマイシン、17−N−アリールアミノ−17−デメトキシゲルダナマイシン(17−AAG)、フラボピリドール、LY294002、ボルテゾミブ、トラスツズマブ、BAY11−7082、PKC412またはPD184352、Taxol(商標)(「パクリタキセル」とも称され、微小管形成を向上させ、安定化する作用をする周知の抗癌薬である)およびドセタキソール、例えばTaxotere(商標)。共通の構造特徴として塩基性タキサン骨格を有する化合物は、微小管の安定化に起因して細胞をG2−M期で停止させる能力を有することも示されており、本明細書に記載の化合物との組合せにおける癌の治療に有用であり得る。
【0122】
本明細書に開示の化合物との組合せで使用される抗癌剤のさらなる例には、マイトジェン活性化タンパク質キナーゼシグナリングの阻害剤が含まれ、例えばU0126、PD98059、PD184352、PD0325901、ARRY−142886、SB239063、SP600125、BAY43−9006、ワートマニンまたはLY294002;Syk阻害剤;mTOR阻害剤;および抗体(例えばrituxan)である。
【0123】
本明細書に開示の化合物との組合せで用いることができる他の抗癌剤には、アドリアマイシン、ダクチノマイシン、ブレオマイシン、ビンブラスチン、シスプラチン、アシビシン;アクラルビシン;塩酸アコダゾール;アクロニン;アドゼレシン;アルデスロイキン;アルトレタミン;アンボマイシン;酢酸アメタントロン;アミノグルテチミド;アムサクリン;アナストロゾール;アントラマイシン;アスパラギナーゼ;アスペルリン;アザシチジン;アゼテパ;アゾトマイシン;バチマスタット;ベンゾデパ;ビカルタミド;塩酸ビスアントレン;二メシル酸ビスナフィド;ビゼレシン;硫酸ブレオマイシン;ブレキナルナトリウム;ブロピリミン;ブスルファン;カクチノマイシン;カルステロン;カラセミド;カルベチマー;カルボプラチン;カルムスチン;塩酸カルビシン;カルゼレシン;セデフィンゴール;クロラムブシル;シロレマイシン;クラドリビン;メシル酸クリスナトール;シクロホスファミド;シタラビン;ダカルバジン;塩酸ダウノルビシン;デシタビン;デキソルマプラチン;デザグアニン;メシル酸デザグアニン;ジアジクオン;ドキソルビシン;塩酸ドキソルビシン;ドロロキシフェン;クエン酸ドロロキシフェン;プロピオン酸ドロモスタノロン;デュアゾマイシン;エダトレキサート;塩酸エフロルニチン;エルサミトルシン;エンロプラチン;エンプロメート;エピプロピジン;塩酸エピルビシン;エルブロゾール;塩酸エソルビシン;エストラムスチン;エストラムスチンホスフェートナトリウム;エタニダゾール;エトポシド;リン酸エトポシド;エトプリン;塩酸ファドロゾール;ファザラビン;フェンレチニド;フロクスウリジン;リン酸フルダラビン;フルオロウラシル;フルロシタビン;ホスキドン;ホストリエシンナトリウム;ゲムシタビン;塩酸ゲムシタビン;ヒドロキシ尿素;塩酸イダルビシン;イホスファミド;イルモホシン;インターロイキンII(組換えインターロイキンIIおよびrIL2を含む)、インターフェロンアルファ−2a;インターフェロンアルファ−2b;インターフェロンアルファ−n1;インターフェロンアルファ−n3;インターフェロンベータ−1a;インターフェロンガンマ−1b;イプロプラチン;塩酸イリノテカン;酢酸ランレオチド;レトロゾール;酢酸ロイプロリド;塩酸リアロゾール;ロメトレキソールナトリウム;ロムスチン;塩酸ロソキサントロン;マソプロコール;メイタンシン;塩酸メクロレタミン;酢酸メゲストロール;酢酸メレンゲストロール;メルファラン;メノガリル;メルカプトプリン;メトトレキサート;メトトレキサートナトリウム;メトプリン;メツレデパ;ミチンドミド;ミトカルシン;ミトクロミン;マイトジリン;マイトマルシン(mitomalcin);マイトマイシン;マイトスペル(mitosper);ミトタン;塩酸ミトキサントロン;ミコフェノール酸;ノコダゾール;ノガラマイシン;オルマプラチン;オキシスラン;ペグアスパラガーゼ;ペリオマイシン(peliomycin);ペンタムスチン;硫酸ペプロマイシン;ペルホスファミド;ピポブロマン;ピポスルファン;塩酸ピロキサントロン;プリカマイシン;プロメスタン;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニムスチン;塩酸プロカルバジン;ピューロマイシン;塩酸ピューロマイシン;ピラゾフリン;リボプリン;ログレチミド;サフィンゴール;塩酸サフィンゴール;セムスチン;シムトラゼン;スパルホサートナトリウム;スパルソマイシン;塩酸スピロゲルマニウム;スピロムスチン;スピロプラチン;ストレプトニグリン;ストレプトゾシン;スロフェヌル;タリソマイシン;テコガランナトリウム;テガフル;塩酸テロキサントロン;テモポルフィン;テニポシド;テロキシロン;テストラクトン;チアミプリン;チオグアニン;チオテパ;チアゾフリン;チラパザミン;クエン酸トレミフェン;酢酸トレストロン;リン酸トリシリビン;トリメトレキサート;グルクロン酸トリメトレキサート;トリプトレリン;塩酸ツブロゾール;ウラシルマスタード;ウレデパ;バプレオチド;ベルテポルフィン;硫酸ビンブラスチン;硫酸ビンクリスチン;ビンデシン;硫酸ビンデシン;硫酸ビネピジン;硫酸ビングリシネート;硫酸ビンロイロシン;酒石酸ビノレルビン;硫酸ビンロシジン;硫酸ビンゾリジン;ボロゾール;ゼニプラチン;ジノスタチン;塩酸ゾルビシンが含まれる。
【0124】
本明細書に開示の化合物および/または薬学的に許容可能な塩との組合せで用いることができる他の抗癌剤には、以下のものが含まれる:20−epi−1,25ジヒドロキシ
ビタミンD3;5−エチニルウラシル;アビラテロン;アクラルビシン;アシルフルベン;アデシペノール;アドゼレシン;アルデスロイキン;ALL−TKアンタゴニスト;アルトレタミン;アンバムスチン;アミドックス;アミホスチン;アミノレブリン酸;アムルビシン;アムサクリン;アナグレリド;アナストロゾール;アンドログラホリド;血管形成阻害剤;アンタゴニストD;アンタゴニストG;アンタレリクス;抗背側化形態形成タンパク質−1;抗アンドロゲン薬、前立腺癌;抗エストロゲン薬;アンチネオプラストン;アンチセンスオリゴヌクレオチド;グリシン酸アフィジコリン;アポトーシス遺伝子モジュレーター;アポトーシス調節因子;アプリン酸;ara−CDP−DL−PTBA;アルギニンデアミナーゼ;アスラクリン;アタメスタン;アトリムスチン;アキシナスタチン1;アキシナスタチン2;アキシナスタチン3;アザセトロン;アザトキシン;アザチロシン;バッカチンIII誘導体;バラノール;バチマスタット;BCR/ABLアンタゴニスト;ベンゾクロリン;ベンゾイルスタウロスポリン;ベータラクタム誘導体;ベータ−アレチン;ベタクラマイシンB;ベツリン酸;bFGF阻害剤;ビカルタミド;ビスアントレン;ビスアジリジニルスペルミン;ビスナフィド;ビストラテンA;ビゼレシン;ブレフレート;ブロピリミン;ブドチタン;ブチオニンスルホキシミン;カルシポトリオール;カルホスチンC;カンプトテシン誘導体;カナリポックスIL−2;カペシタビン;カルボキサミド−アミノ−トリアゾール;カルボキシアミドトリアゾール;CaRestM3;CARN700;軟骨由来阻害剤;カルゼレシン;カゼインキナーゼ阻害剤(ICOS);カスタノスペルミン;セクロピンB;セトロレリクス;クロリン;クロロキノキサリンスルホンアミド;シカプロスト;シス−ポルフィリン;クラドリビン;クロミフェン類似体;クロトリマゾール;コリスマイシンA;コリスマイシンB;コンブレタスタチンA4;コンブレタスタチン類似体;コナゲニン;クラムベスシジン816;クリスナトール;クリプトフィシン8;クリプトフィシンA誘導体;クラシンA;シクロペンタアントラキノン;シクロプラタム;シペマイシン;シタラビンオクホスファート;細胞溶解因子;サイトスタチン;ダクリキシマブ;デシタビン;デヒドロジデムニンB;デスロレリン;デキサメタゾン;デキシホスファミド(dexifosfamide);デクスラゾキサン;デクスベラパミル;ジアジクオン;ジデムニンB;ジドックス;ジエチルノルスペルミン;ジヒドロ−5−アザシチジン;9−ジオキサマイシン;ジフェニルスピロムスチン;ドコサノール;ドラステロン;ドキシフルリジン;ドロロキシフェン;ドロナビノール;デュオカルマイシンSA;エブセレン;エコムスチン;エデルホシン;エドレコロマブ;エフロルニチン;エレメン;エミテフル;エピルビシン;エプリステリド;エストラムスチン類似体;エストロゲンアゴニスト;エストロゲンアンタゴニスト;エタニダゾール;リン酸エトポシド;エクセメスタン;ファドロゾール;ファザラビン;フェンレチニド;フィルグラスチム;フィナステリド;フラボピリドール;フレゼラスチン;フルアステロン;フルダラビン;塩酸フルオロダウノルニシン(fluorodaunorunicin);ホルフェニメクス;ホルメスタン;ホストリエシン;ホテムスチン;ガドリニウムテキサフィリン;硝酸ガリウム;ガロシタビン;ガニレリクス;ゼラチナーゼ阻害剤;ゲムシタビン;グルタチオン阻害剤;ヘプスルファム;ヘレグリン;ヘキサメチレンビスアセトアミド;ヒペリシン;イバンドロン酸;イバルビシン;イドキシフェン;イドラマントン;イルモホシン;イロマスタット;イミダゾアクリドン;イミキモド;免疫刺激性ペプチド;インスリン様成長因子−1受容体阻害剤;インターフェロンアゴニスト;インターフェロン;インターロイキン;ヨーベングアン;ヨードドキソルビシン;イポメアノール、4−;イロプラクト;イルソグラジン;イソベンガゾール;イソホモハリコンドリンB;イタセトロン;ジャスプラキノリド;カハラリドF;三酢酸ラメラリン−N;ランレオチド;レイナマイシン;レノグラスチム;硫酸レンチナン;レプトルスタチン;レトロゾール;白血病阻害因子;白血球アルファインターフェロン;ロイプロリド+エストロゲン+プロゲステロン;ロイプロレリン;レバミゾール;リアロゾール;直鎖ポリアミン類似体;親油性二糖ペプチド;親油性白金化合物;リソクリナミド7;ロバプラチン;ロムブリシン;ロメトレキソール;ロニダミン;ロソキサントロン;ロバスタチン;ロキソリビン;ルルトテカン;ルテチウムテキサフィリン;リソフィリン;溶解ペ
プチド;マイタンシン(maitansine);マンノスタチンA;マリマスタット;マソプロコール;マスピン;マトリリシン阻害剤;マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤;メノガリル;メルバロン;メテレリン;メチオニナーゼ;メトクロプラミド;MIF阻害剤;ミフェプリストン;ミルテホシン;ミリモスチム;ミスマッチ二本鎖RNA;ミトグアゾン;ミトラクトール;マイトマイシン類似体;ミトナフィド;マイトトキシン線維芽細胞成長因子−サポリン;ミトキサントロン;モファロテン;モルグラモスチム;モノクローナル抗体、ヒト絨毛性ゴナドトロフィン;モノホスホリルリピドA+ジエチルスチルベストロール細胞壁sk;モピダモール;多剤耐性遺伝子阻害剤;多腫瘍抑制因子1ベース療法;マスタード抗癌剤;ミカペルオキシドB;マイコバクテリア細胞壁抽出物;ミリアポロン;N−アセチルジナリン;N−置換ベンズアミド;ナファレリン;ナグレスチプ;ナロキソン+ペンタゾシン;ナパビン;ナフテルピン;ナルトグラスチム;ネダプラチン;ネモルビシン;ネリドロン酸;中性エンドペプチダーゼ;ニルタミド;ニサマイシン;一酸化窒素モジュレーター;窒素酸化物酸化防止剤;ニトルリン;O6−ベンジルグアニン;オクトレオチド;オキセノン;オリゴヌクレオチド;オナプリストン;オンダンセトロン;オラシン;経口サイトカイン誘導物質;オルマプラチン;オサテロン;オキサリプラチン;オキサウノマイシン;パラウアミン;パルミトイルリゾキシン;パミドロン酸;パナキシトリオール;パノミフェン;パラバクチン;パゼリプチン;ペグアスパラガーゼ;ペルデシン;ペントサン多硫酸ナトリウム;ペントスタチン;ペントロゾール;ペルフルブロン;ペルホスファミド;ペリリルアルコール;フェナジノマイシン;フェニルアセテート;ホスファターゼ阻害剤;ピシバニル;塩酸ピロカルピン;ピラルビシン;ピリトレキシム;プラセチンA;プラセチンB;プラスミノーゲンアクチベーター阻害剤;白金錯体;白金化合物;白金−トリアミン錯体;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニゾン;プロピルビスアクリドン;プロスタグランジンJ2;プロテアソーム阻害剤;プロテインAベース免疫モジュレーター;プロテインキナーゼC阻害剤;プロテインキナーゼC阻害剤、微小藻類;タンパク質チロシンホスファターゼ阻害剤;プリンヌクレオシドホスホリラーゼ阻害剤;プルプリン;ピラゾロアクリジン;ピリドキシル化ヘモグロビンポリオキシエチレン(polyoxyethylerie)コンジュゲート;rafアンタゴニスト;ラルチトレキセド;ラモステロン;rasファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤;ras阻害剤;ras−GAP阻害剤;脱メチル化レテリプチン;レニウムRe186エチドロネート;リゾキシン;リボザイム;R.sub.11レチナミド;ログレチミド;ロヒツカイン;ロムルチド;ロキニメクス;ルビジノンB1;ルボキシル;サフィンゴール;セイントピン;SarCNU;サルコフィトールA;サルグラモスチム;Sdi1模倣体;セムスチン;老化由来(senescence derived)1;センスオリゴヌクレオチド;シグナル伝達阻害剤;シグナル伝達モジュレーター;単鎖抗原結合タンパク質;シゾフィラン(sizofuran);ソブゾキサン;ナトリウムボロカプテート;ナトリウムフェニルアセテート;ソルベロール;ソマトメジン結合タンパク質;ソネルミン;スパルホス酸;スピカマイシンD;スピロムスチン;スプレノペンチン;スポンジスタチン1;スクアラミン;幹細胞阻害剤;幹細胞分裂阻害剤;スチピアミド;ストロメリシン阻害剤;スルフィノシン;超活性血管作用性腸ペプチドアンタゴニスト;スラジスタ;スラミン;スワインソニン;合成グリコサミノグリカン;タリムスチン;タモキシフェンメチオジド;タウロムスチン;タザロテン;テコガランナトリウム;テガフル;テルラピリリウム;テロメラーゼ阻害剤;テモポルフィン;テモゾロミド;テニポシド;テトラクロロデカオキシド;テトラゾミン;タリブラスチン;チオコラリン;トロンボポエチン;トロンボポエチン模倣体;チマルファシン;チモポエチン受容体アゴニスト;チモトリナン;甲状腺刺激ホルモン;スズエチルエチオプルプリン;チラパザミン;二塩化チタノセン;トプセンチン;トレミフェン;全能幹細胞因子;翻訳阻害剤;トレチノイン;トリアセチルウリジン;トリシリビン;トリメトレキサート;トリプトレリン;トロピセトロン;ツロステリド;チロシンキナーゼ阻害剤;チルホスチン;UBC阻害剤;ウベニメクス;尿生殖洞由来成長阻害因子;ウロキナーゼ受容体アンタゴニスト;バプレオチド;バリオリンB;ベクター系、赤血球遺伝子療法
;ベラレソール;ベラミン;ベルジン;ベルテポルフィン;ビノレルビン;ビンキサルチン;ビタキシン;ボロゾール;ザノテロン;ゼニプラチン;ジラスコルブ;およびジノスタチンスチマラマーが含まれる。
【0125】
本明細書に開示の化合物との組合せで用いることができるさらに他の抗癌剤には、アルキル化剤、代謝拮抗剤、天然物またはホルモン、例えばナイトロジェンマスタード(例えばメクロロエタミン、シクロホスファミド、クロラムブシルなど)、スルホン酸アルキル(例えばブスルファン)、ニトロソ尿素(例えばカルムスチン、ロムスチンなど)またはトリアゼン(デカルバジンなど)が含まれる。代謝拮抗剤の例には、限定されるものではないが、葉酸類似体(例えばメトトレキサート)またはピリミジン類似体(例えばシタラビン)、プリン類似体(例えばメルカプトプリン、チオグアニン、ペントスタチン)が含まれる。
【0126】
本明細書に開示の化合物または薬学的に許容可能な塩との組合せにおいて有用な天然物の例には、限定されるものではないが、ビンカアルカロイド(例えばジエチルスチルベストロール、ビンクリスチン)、エピポドフィロトキシン(例えばエトポシド)、抗生物質(例えばダウノルビシン、ドキソルビシン、ブレオマイシン)、酵素(例えばL−アスパラギナーゼ)または生物学的応答改質剤(例えばインターフェロンアルファ)が含まれる。
【0127】
本明細書に開示の化合物または薬学的に許容可能な塩との組合せにおいて用いることができるアルキル化剤の例には、限定されるものではないが、ナイトロジェンマスタード(例えばメクロロエタミン、シクロホスファミド、クロラムブシル、メルファランなど)、エチレンイミンおよびメチルメラミン(例えばヘキサメチルメラミン、チオテパ)、スルホン酸アルキル(例えばブスルファン)、ニトロソ尿素(例えばカルムスチン、ロムスチン、セムスチン、ストレプトゾシンなど)またはトリアゼン(デカルバジンなど)が含まれる。代謝拮抗剤の例には、限定されるものではないが、葉酸類似体(例えばメトトレキサート)またはピリミジン類似体(例えばフルオロウラシル、フロクスウリジン、シタラビン)、プリン類似体(例えばメルカプトプリン、チオグアニン、ペントスタチンが含まれる。
【0128】
本明細書に開示の化合物または薬学的に許容可能な塩との組合せにおいて有用なホルモンおよびアンタゴニストの例には、限定されるものではないが、副腎皮質ステロイド(例えばプレドニゾン)、プロゲスチン(例えばヒドロキシプロゲステロンカプロエート、酢酸メゲストロール、酢酸メドロキシプロゲステロン)、エストロゲン(例えばジエチルスチルベストロール、エチニルエストラジオール)、抗エストロゲン薬(例えばタモキシフェン)、アンドロゲン(例えばプロピオン酸テストステロン、フルオキシメステロン)、抗アンドロゲン薬(例えばフルタミド)、ゴナドトロピンホルモン放出ホルモン類似体(例えばロイプロリド)が含まれる。癌の治療または予防のために、本明細書に記載の方法および組成物に使用することができる他の薬剤には、白金配位錯体(例えばシスプラチン、カルボプラチン(carboblatin))、アントラセンジオン(例えばミトキサントロン)、置換尿素(例えばヒドロキシ尿素)、メチルヒドラジン誘導体(例えばプロカルバジン)、副腎皮質抑制薬(例えばミトタン、アミノグルテチミド)が含まれる。
【0129】
微小管の安定化に起因して細胞をG2−M期で停止させることにより作用し、本開示のBTK阻害剤化合物および/または薬学的に許容可能な塩との組合せにおいて使用することができる、抗癌剤の例には、限定されないが、以下の市販の薬物および開発中の薬物:エルブロゾール(R−55104としても公知である)、ドラスタチン10(DLS−10およびNSC−376128としても公知である)、イセチオン酸ミボブリン(CI−980としても公知である)、ビンクリスチン、NSC−639829、ディスコデルモ
ライド(NVP−XX−A−296としても公知である)、ABT−751(Abbott、E−7010としても公知である)、アルトルヒルチン(Altorhyrtin)(例えばアルトルヒルチンAおよびアルトルヒルチンC)、スポンジスタチン(例えばスポンジスタチン1、スポンジスタチン2、スポンジスタチン3、スポンジスタチン4、スポンジスタチン5、スポンジスタチン6、スポンジスタチン7、スポンジスタチン8およびスポンジスタチン9)、塩酸セマドチン(LU−103793およびNSC−D−669356としても公知である)、エポチロン(例えばエポチロンA、エポチロンB、エポチロンC(デゾキシエポチロンAまたはdEpoAとしても公知である)、エポチロンD(KOS−862、dEpoBおよびデゾキシエポチロンBとも称される)、エポチロンE、エポチロンF、エポチロンBN−オキシド、エポチロンAN−オキシド、16−アザ−エポチロンB、21−アミノエポチロンB(BMS−310705としても公知である)、21−ヒドロキシエポチロンD(デゾキシエポチロンFおよびdEpoFとしても公知である)、26−フルオロエポチロン)、アウリスタチンPE(NSC−654663としても公知である)、ソブリドチン(TZT−1027としても公知である)、LS−4559−P(Pharmacia、LS−4577としても公知である)、LS−4578(Pharmacia、LS−477−Pとしても公知である)、LS−4477(Pharmacia)、LS−4559(Pharmacia)、RPR−112378(Aventis)、硫酸ビンクリスチン、DZ−3358(第一製薬)、FR−182877(藤沢薬品工業、WS−9885Bとしても公知である)、GS−164(武田薬品)、GS−198(武田薬品)、KAR−2(Hungarian Academy of Sciences)、BSF−223651(BASF、ILX−651およびLU−223651としても公知である)、SAH−49960(Lilly/Novartis)、SDZ−268970(Lilly/Novartis)、AM−97(Armad/協和発酵)、AM−132(Armad)、AM−138(Armad/協和発酵)、IDN−5005(Indena)、クリプトフィシン52(LY−355703としても公知である)、AC−7739(味の素、AVE−8063AおよびCS−39.HClとしても公知である)、AC−7700(味の素、AVE−8062、AVE−8062A、CS−39−L−Ser.HClおよびRPR−258062Aとしても公知である)、ビチレブアミド(Vitilevuamide)、ツブリシンA、カナデンソール、センタウレイジン(NSC−106969としても公知である)、T−138067(Tularik、T−67、TL−138067およびTI−138067としても公知である)、COBRA1(Parker Hughes Institute、DDE−261およびWHI−261としても公知である)、H10(Kansas State University)、H16(Kansas State University)、オンコシジンA1(BTO−956およびDIMEとしても公知である)、DDE−313(Parker Hughes Institute)、フィジアノリドB、ラウリマリド、SPA−2(Parker Hughes Institute)、SPA−1(Parker Hughes Institute、SPIKET−Pとしても公知である)、3−IAABU(Cytoskeleton/Mt.Sinai School of Medicine、MF−569としても公知である)、ナルコシン(NSC−5366としても公知である)、ノスカピン(Nascapine)、D−24851(Asta Medica)、A−105972(Abbott)、ヘミアステルリン、3−BAABU(Cytoskeleton/Mt.Sinai School of Medicine、MF−191としても公知である)、TMPN(Arizona State University)、バナドセンアセチルアセトネート、T−138026(Tularik)、モンサトロール(Monsatrol)、イナノシン(lnanocine)(NSC−698666としても公知である)、3−IAABE(Cytoskeleton/Mt.Sinai School of Medicine)、A−204197(Abbott)、T−607(Tuiarik、T−900607としても公知である)、RPR−115781(Aventis)、エリュテロビン(例
えばデスメチルエリュテロビン、デスアエチルエリュテロビン(desaethyleleutherobin)、イソエリュテロビンAおよびZ−エリュテロビン)、カリベオシド、カリベオリン、ハリコンドリンB、D−64131(Asta Medica)、D−68144(Asta Medica)、ジアゾンアミドA、A−293620(Abbott)、NPI−2350(Nereus)、タッカロノリドA、TUB−245(Aventis)、A−259754(Abbott)、ジオゾスタチン(diozostatin)、(−)−フェニルアヒスチン(NSCL−96F037としても公知である)、D−68838(Asta Medica)、D−68836(Asta Medica)、ミオセベリンB、D−43411(Zentaris、D−81862としても公知である)、A−289099(Abbott)、A−318315(Abbott)、HTI−286(SPA−110、トリフルオロ酢酸塩としても公知である)(Wyeth)、D−82317(Zentaris)、D−82318(Zentaris)、SC−12983(NCI)、リン酸レスベラスタチンナトリウム(Resverastatin phosphate sodium)、BPR−OY−007(National Health Research Institutes)およびSSR−250411(Sanofi)が含まれる。
【0130】
患者が血栓塞栓障害(例えば脳卒中)に羅患しておりまたは羅患するリスクがある場合、患者を、1つ以上の他の抗血栓塞栓剤との任意の組合せにおける本明細書に開示の化合物および/または薬学的に許容可能な塩により治療することができる。抗血栓塞栓剤の例には、限定されるものではないが、以下のいずれか:血栓溶解剤(例えばアルテプラーゼ
アニストレプラーゼ、ストレプトキナーゼ、ウロキナーゼまたは組織プラスミノーゲンアクチベーター)、ヘパリン、チンザパリン、ワルファリン、ダビガトラン(例えばダビガトランエテキシレート)、Xa因子阻害剤(例えばフォンダパリヌクス、イドラパリヌクス(draparinux)、リバロキサバン、DX−9065a、オタミキサバン、LY517717またはYM150)、チクロピジン、クロピドグレル、CS−747(プラスグレル、LY640315)、キシメラガトランまたはBIBR1048が含まれる。
【実施例】
【0131】
本明細書に開示の中間体(参照例)および最終化合物(実施例)の以下の調製を、当業者がより明確に理解し、本開示を実施することができるように挙げる。これらは、本開示の範囲を限定するものとはみなすべきでなく、単にその説明および代表例であるにすぎないとみなすべきである。以下の化合物中のアルケン炭素における
【化36】
の線は、化合物が(E)および(Z)異性体の未規定混合物として単離されていることを示す。
【0132】
参照例1
3−ヨード−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミンの合成
【化37】
1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン(150g、1.11mol、1.00当量)およびN−ヨード−スクシンイミド(375g、1.67mol、1.58当量)のN,N−ジメチルホルムアミド(2.5L)中混合物を、80℃において5時
間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、次いで10Lの水により希釈した。固体を濾過により回収し、2×1Lの飽和水性亜硫酸ナトリウムにより洗浄し、真空下で乾燥させて150gの3−ヨード−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミンを黄色固体として得た。
【0133】
参照例2
(R)−tert−ブチル3−(4−アミノ−3−ヨード−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレートの合成
【化38】
10℃における3−ヨード−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン(5.9g、22.6mmol、1.00当量)、(S)−tert−ブチル3−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシレート(10g、50mmol、2.2当量)およびトリフェニルホスフィン(11.8g、45mmol、2.0当量)のテトラヒドロフラン(300mL)中撹拌混合物に、ジイソプロピルアゾジカルボキシレートのテトラヒドロフラン(30mL)中溶液を30分間で滴加した。得られた混合物を室温において12時間撹拌し、次いで真空下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラム上で精製し、ジクロロメタン/メタノール(100/1)により溶出させて3gの(R)−tert−ブチル3−(4−アミノ−3−ヨード−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレートを黄色固体として得た。
【0134】
上記のとおり進行させたが、(S)−tert−ブチル3−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシレートに代えて(S)−tert−ブチル2−(ヒドロキシメチル)−ピロリジン−1−カルボキシレートを使用することにより、tert−ブチル(S)−2−([4−アミノ−3−ヨード−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]メチル)ピロリジン−1−カルボキシレートを得た。
【0135】
参照例3
(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−ボロン酸の合成
【化39】
工程1
250mLの丸底フラスコ中に、4−ブロモ−3−フルオロフェノール(5g、26.18mmol、1.00当量)のジクロロメタン(100mL)中溶液、フェニルボロン酸(3.5g、28.70mmol、1.10当量)、Cu(AcO)(5.7g)、トリエチルアミン(5.3g)および4Aモレキュラーシーブ(15g)を装入した。得られた溶液を室温において一晩撹拌した。固体を濾別した。濾液を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラム上にロードし、酢酸エチル/石油エーテル(1:100〜1:50)により溶出させた。これにより、2gの1−ブロモ−2−フルオロ−4−フェノキシベンゼンを無色油状物として得た。
【0136】
工程2
窒素の不活性雰囲気下でパージされ、維持された100mLの3首丸底フラスコ中に、
1−ブロモ−2−フルオロ−4−フェノキシベンゼン(2g、7.49mmol、1.00当量)のテトラヒドロフラン(20mL)中溶液を装入した。BuLi(1M、8mL)を−70から−80℃において撹拌しながら滴加した。得られた溶液を−70〜−80℃において液体窒素浴中で30分間撹拌した。トリス(プロパン−2−イル)ボレート(1.7g、9.04mmol、1.21当量)を、−70から−80℃において撹拌しながら滴加した。得られた溶液を撹拌しながら、さらに2時間反応させた一方、温度を−70から−80℃に維持した。次いで、反応物を100mLの水の添加によりクエンチし、酢酸エチルにより抽出し、有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラム上にロードし、酢酸エチル/石油エーテル(1:20)により溶出させて1.6gの(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)ボロン酸を白色固体として得た。
【0137】
参照例4
2−シアノ−4−メチルペント−2−エン酸の合成
【化40】
2−シアノ酢酸(8.7g、102mmol)のメタノール(200mL)中溶液に2−メチルプロパナール(18.6mL、204mmol)を添加し、溶液を撹拌し、わずかな発熱が見られた。30分後、ピペリジン(11.1mL、112mmol)を添加し、1時間撹拌を継続してから溶媒を真空中で穏やかに加熱しながら除去した。濃厚材料をエーテルにより希釈し、125mLの1.0MのHClにより洗浄し、次いでブラインにより洗浄した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮させて2−シアノ−4−メチルペント−2−エン酸の重量11.2gの無色油状物を得、それは静置時に沈殿した。
【0138】
参照例5
2−シアノ−4,4−ジメチルペント−2−エン酸の合成
【化41】
参照例4において使用された手順に従ったが、ピバルアルデヒドを2−メチルプロパナールに代えて使用することにより2−シアノ−4,4−ジメチルペント−2−エン酸を得た。
【0139】
実施例1
2−((R)−3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−3−(3−メチルオキセタン−3−イル)アクリロニトリルトリフルオロ酢酸塩の合成
【化42】
工程1
100mLの丸底フラスコ中に、1,4−ジオキサン(40mL)、水(10mL)、tert−ブチル(3R)−3−[4−アミノ−3−ヨード−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]ピペリジン−1−カルボキシレート(3.108g、7.00mmol、1.00当量)、(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)ボロン酸(1.624g、7.00mmol、1.00当量)、炭酸カリウム(2.898g、32.89mmol、4.70当量)およびPd(dppf)Cl(57.1mg、0.4mmol、0.06当量)を装入した。得られた溶液を80℃において油浴中で一晩撹拌した。次いで、固体を濾別し、得られた溶液を水により希釈した。得られた混合物を酢酸エチルにより抽出した。有機層を合わせ、ブラインにより洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をシリカゲルカラム上にアプライし、酢酸エチル/石油エーテル(1:3)を用いた。これにより、2.7gのtert−ブチル(3R)−3−[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]ピペリジン−1−カルボキシレートを黒色固体として得た。
【0140】
工程2
100mLの丸底フラスコ中に、tert−ブチル(3R)−3−[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]ピペリジン−1−カルボキシレート(2.7g、5.35mmol、1.00当量)およびジクロロメタン(20mL)を装入した。これに次いで、トリフルオロ酢酸(5mL)を添加した。得られた溶液を室温において3時間撹拌した。得られた混合物を真空下で濃縮した。これにより、2.6g(粗製物)の3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1−[(3R)−ピペリジン−3−イル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミンを褐色油状物として得た。
【0141】
工程3
50mLの丸底フラスコ中に、TEA(5.05g、49.91mmol、10.0当量)、3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1−[(3R)−ピペリジン−3−イル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン(2.02g、4.99mmol、1.00当量)、2−シアノ酢酸(510mg、6.00mmol、1.20当量)、HATU(2.28g、6.00mmol、1.20当量)およびN,N−ジメチルホルムアミド(40mL)を装入した。得られた溶液を室温において4時間撹拌し、次いで200mLの水により希釈した。得られた溶液を酢酸エチルにより抽出し、有機層を合わせ、ブラインにより洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。これにより、600mgの3−[(3R)−3−[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]ピペリジン−1−イル]−3−オキソプロパンニトリルを薄黄色固体として得た。
【0142】
工程4
50mLの丸底フラスコ中に、3−[(3R)−3−[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]ピペリジン−1−イル]−3−オキソプロパンニトリル(300mg、0.64mmol、1.00当量)のトルエン(10mL)中溶液、3−メチルオキセタン−3−カルバルデヒド(127.4mg、1.27mmol、2.00当量)およびピペリジン(108.2mg、1.27mmol、2.00当量)を装入した。得られた溶液を110℃において油浴中で4時間撹拌し、次いで冷却し、真空下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラム上にアプライし、酢酸エチルにより精製した。これにより生成物(80mg)をもたらし、それを分取HPLCにより以下の条件で再精製した(1#−Pre−HPLC−005(Waters)):カラム、SunFire Prep C18 19150mm
5um;移動相、0.05%のトリフルオロ酢酸を有する水およびCHCN(10分間で10%のCHCNから最大70%);検出器、254nm。これにより、22.9mg(5%)の2−((R)−3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−3−(3−メチルオキセタン−3−イル)アクリロニトリルトリフルオロ酢酸塩を白色固体として得た。LC−MS(ES、m/z):[M−CFCOOH+H]554。
【0143】
上記工程1、2および3に記載のとおり進行させたが、tert−ブチル(3R)−3−[4−アミノ−3−ヨード−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]ピペリジン−1−カルボキシレートに代えてtert−ブチル(S)−2−([4−アミノ−3−ヨード−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]メチル)ピロリジン−1−カルボキシレートを用いることにより、(S)−3−(2−((4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−メチル)ピロリジン−1−イル)−3−オキソプロパンニトリルを合成した。
【0144】
実施例2
2−((R)−3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−(アゼチジン−1−イル)−4−メチルペント−2−エンニトリルビス(2,2,2−トリフルオロアセテート)の合成
【化43】
工程1
0℃における2−ブロモ−2−メチルプロパナール(0.6g、4mmol、1.0当量)のEtO(20mL)中溶液に、アゼチジン(684mg、12mmol、3.0当量)を滴加した。得られた混合物を0℃において2時間撹拌した。混合物を水により希釈し、EtOにより抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。固体を濾過し、溶媒を真空下で濃縮した。これにより、208mg(41%)の2−(アゼチジン−1−イル)−2−メチルプロパナールを無色油状物として得た。
【0145】
工程2
3−((R)−3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−3−オキソプロパンニトリル(200mg、0.43mmol、1.0当量)、2−(アゼチジン−1−イル)−2−メチルプロパナール(136.5mg、2.15mmol、5.0当量)およびピペリジン(73.1mg、0.86mmol、2.0当量)のトルエン(10mL)中溶液を、120℃において3時間撹拌した。次いで、混合物を濃縮し、粗製生成物を分取HPLCにより精製した。これにより、39.8mgの2−((R)−3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−(アゼチジン−1−イル)−4−メチルペント−2−エンニトリルビス(2,2,2−トリフルオロアセテート)を白色固体として得た。LCMS(ESI、陽イオン)m/z:581(M−2TFA+1)。
【0146】
実施例3
(R)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−5−ヒドロキシ−4,4−ジメチルペント−2−エンニトリルの合成
【化44】
工程1
2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール(5.g、48.01mmol)およびイミダゾール(4.9g、71.97mmol)のDCM(100mL)中混合物に、TMS−Cl(7.9g、52.42mmol)を添加し、得られたスラリーを室温において1時間撹拌した。水およびブラインにより洗浄した後、有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮し、カラムクロマトグラフィーを介して90:10のヘキサン:酢酸エチルにより精製して6.5gの3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2,2−ジメチルプロパン−1−オールを無色油状物として得た。
【0147】
工程2
1.1当量のデスマーチンペルヨージナンを3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2,2−ジメチルプロパン−1−オールの25mLのDCM中溶液に0℃において添加することにより、3−[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ−2,2−ジメチル−プロパナール(1.15g、5.31mmol)の粗製混合物を調製した。1時間後、スラリーをヘキサンにより希釈し、シリカのプラグ上で濾過した。残留物を濃厚油状物に濃縮し、次いでDCM(10mL)中で溶解させた。3−[(3R)−3−[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]−1−ピペリジル]−3−オキソプロパンニトリル(236.79mg、0.5000mmol)を添加し、次いでTMS−Cl(0.2mL、1.59mmol)、次いでピロリジン(0.13mL、1.59mmol)を添加した。溶液を室温において撹拌し、LCMSにより反応をモニタリングした。16時間後、混合物を水およびDCM間で分配し、次いで有機相をブラインにより洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。濾過および溶媒の除去により、無色油状物を得、それをシリカゲルクロマト
グラフィー(9:1から90:10の塩化メチレン:MeOH勾配)により精製して約350mgの(R)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−5−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−4,4−ジメチルペント−2−エンニトリルを得た。
【0148】
工程3
2−[(3R)−3−[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]ピペリジン−1−カルボニル]−5−[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ−4,4−ジメチル−ペント−2−エンニトリル(350mg、0.5200mmol)のDCM(5mL)中溶液に、約2.5mlのTFAを添加し、溶液を室温において一晩撹拌した。翌日、化合物を水およびジクロロメタン間で分配し、有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させた。濾過および溶媒の除去後、粗製材料をフラッシュ精製した(99:1〜92:8の勾配のDCM:MeOH)。澄明な分画を濃縮し、最小のアセトニトリルおよび水中で溶解させ、冷凍し、凍結乾燥させて(R)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−5−ヒドロキシ−4,4−ジメチルペント−2−エンニトリルの重量46mgの無色粉末を得た。LC−MS(ES,m/z):557[M+H]。
【0149】
実施例4
2−[[(3R)−3−[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]−ピリミジン−1−イル]−ピペリジン−1−イル]カルボニル]−4−メチル−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリルの合成
【化45】
工程1
50mLの3首丸底フラスコ中に、2−ブロモ−2−メチルプロパナール(2g、13.24mmol、1.00当量)のエーテル(10mL)中溶液を装入した。これに次いで、1−メチルピペラジン(4.66g、46.52mmol、3.51当量)を0℃において滴加した。得られた溶液を室温において一晩撹拌した。固体を濾別した。濾液を水により希釈した。得られた混合物をエーテルにより洗浄した。水層のpH値を炭酸カリウムにより12に調整した。得られた溶液をジクロロメタンにより抽出し、有機層を合わせ、ブラインにより洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空下で濃縮した。これにより、740mgの2−メチル−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロパナールを黄色油状物として得た。
【0150】
工程2
500mLの丸底フラスコ中に、N,N−ジメチルホルムアミド(20mL)、3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1−[(3R)−ピペリジン−3−イル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン(8.04g、19.88mmol、1.00当量)、2−シアノ酢酸(2.0g、23.51mmol、1.18当量)、HATU(9.12g、24.00mmol、1.21当量)およびTEA(21.2
mL、10.00当量)を装入した。得られた溶液を室温において4時間撹拌し、次いで500mLの水により希釈した。得られた溶液を、4×300mLの酢酸エチルにより抽出した。有機層を合わせ、ブラインにより洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。これにより、6.2gの3−[(3R)−3−[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]ピペリジン−1−イル]−3−オキソプロパンニトリルを黄色固体として得た。
【0151】
工程3
100mLの丸底フラスコ中に、トルエン(10mL)、3−[(3R)−3−[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]ピペリジン−1−イル]−3−オキソプロパンニトリル(300mg、0.64mmol、1.00当量)、2−メチル−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロパナール(541.45mg、3.18mmol、5.00当量)およびピペリジン(108.29mg、1.27mmol、2.00当量)の溶液を装入した。得られた溶液を120℃において油浴中で3時間撹拌した。得られた混合物を、真空下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラム上にアプライし、酢酸エチル:MeOH(5:1)を用いた。粗製生成物(70mg)をフラッシュ分取HPLCにより以下の条件により精製した(IntelFlash−1):カラム、C18シリカゲル;移動相、HO(0.5%TFA)/CHCN=10%、10分以内にHO(0.5%TFA)/CHCN=40%に増加;検出器、UV254nm。これにより、46.4mg(12%)の2−[[(3R)−3−[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]ピペリジン−1−イル]カルボニル]−4−メチル−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリルを白色固体として得た。LC−MS−PH−PBF−003−96−0:(ES、m/z):[M+H]625。
【0152】
実施例5
(S)−2−(2−((4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]−ピリミジン−1−イル)−メチル)ピロリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(ピロリジン−1−イル)ペント−2−エンニトリルの合成
【化46】
工程1
氷浴中で冷却された2−メチルプロパナール(5.6mL、61.8mmol)のDCM(75mL)中溶液に、臭素(3.2mL、61.8mmol)を滴加した。1時間後、溶液を蒸発させ、室温においてDCM(8ml)中で撹拌し、ピロリジン(0.94mL、11.26mmol)を添加した。4時間撹拌した後、混合物をブラインにより希釈し、層を分離した。有機層を1MのHClにより洗浄し、次いで水層をKOHによりpH=10〜11に塩基性化した。次いで、これをDCMにより抽出し、有機層を合わせ、乾
燥させ(MgSO)、濾過し、濃縮して2−メチル−2−ピロリジン−1−イル−プロパナール油状物を油状物として単離した。
【0153】
工程2
室温における(S)−3−(2−((4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)メチル)ピロリジン−1−イル)−3−オキソプロパンニトリル(285mg、0.60mmol)、2−メチル−2−ピロリジン−1−イル−プロパナール(719mg、5.1mmol)およびピロリジン(0.23mL、2.8mmol)のDCM(6mL)中混合物に、クロロ(トリメチル)シラン(0.23mL、1.8mmol)を添加した。90分間撹拌した後、溶液を飽和NaHCOにより希釈し、DCMにより抽出した。有機層を合わせ、乾燥させ(MgSO)、濾過し、濃縮した。粗製材料をIsolera(10gのカラム:0%〜15%のiPrOH/DCM)により精製して270mgの(S)−2−(2−((4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)メチル)ピロリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(ピロリジン−1−イル)ペント−2−エンニトリルを得た。MS(陽イオン)m/z:595(M+1)。
【0154】
実施例6
2−((R)−3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(ピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリルの合成
【化47】
工程1
250mLの丸底フラスコ中に、2−ブロモ−2−メチルプロパナール(5g、33.11mmol、1.00当量)およびtert−ブチルピペラジン−1−カルボキシレート(18.6g、99.87mmol、3.02当量)のエーテル(80mL)中溶液を装入した。得られた溶液を25℃において一晩撹拌した。固体を濾別した。有機濾液を水により洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空下で濃縮して6gのtert−ブチル4−(2−メチル−1−オキソプロパン−2−イル)ピペラジン−1−カルボキシレートを白色固体として得た。
【0155】
工程2
100mLの丸底フラスコ中に、3−[(3R)−3−[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]ピペリジン−1−イル]−3−オキソプロパンニトリル(300mg、0.64mmol、1.00当量)、ピペリジン(110mg、1.29mmol、2.03当量)、トルエン(30mL)およびtert−ブチル4−(2−メチル−1−オキソプロパン−2−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(820mg、3.20mmol、5.03当量)を装入した。得られた溶液を一晩加熱還流した。反応物を水の添加によりクエンチした。得られた溶液を酢酸エチルにより抽出し、有機層を合わせ、ブラインにより洗浄し
、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラム上にアプライし、酢酸エチル/石油エーテル(1:3から1:5)を用いた。これにより、170mgの(R)−tert−ブチル4−(5−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−4−シアノ−2−メチル−5−オキソペント−3−エン−2−イル)ピペラジン−1−カルボキシレートを黄色油状物として得た。
【0156】
工程3
0℃に冷却された30mLの丸底フラスコ中に、ジクロロメタン(8mL)、(R)−tert−ブチル4−(5−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−4−シアノ−2−メチル−5−オキソペント−3−エン−2−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(170mg、0.24mmol、1.00当量)およびトリフルオロ酢酸(2mL)を装入した。得られた溶液を、25℃において3時間撹拌した。得られた混合物を真空下で濃縮し、残留物をDCM中で溶解させた。得られた混合物を20mLの水性炭酸カリウムにより洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮して粗製生成物を得た。粗製生成物をエーテルからの再結晶により精製した。これにより、27mgの2−((R)−3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(ピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリルを薄黄色固体として得た。LCMS(ESI、陽イオン)m/z:610(M+1)。
【0157】
実施例7
2−((R)−3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−(3−ヒドロキシアゼチジン−1−イル)−4−メチルペント−2−エンニトリルの合成
【化48】
工程1
0℃におけるアゼチジン−3−オール塩酸塩(5.11g、46.7mmol、1.0当量)および1H−イミダゾール(9.52g、140mmol、3.0当量)のDCM(100mL)中溶液に、BDPSCl(19.18g、70mmol、1.5当量)を滴加した。得られた混合物を室温において一晩撹拌し、次いで水により希釈し、DCMにより抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。粗製生成物をシリカゲル上でDCM/MeOH=100/1から10/1により溶出させて12gの3−(tert−ブチルジフェニルシリルオキシ)アゼチジンを無色油状物として得た。
【0158】
工程2
0℃における2−ブロモ−2−メチルプロパナール(2.14g、14.3mmol、1.0当量)のEtO(150mL)中溶液に、3−(tert−ブチルジフェニルシ
リルオキシ)アゼチジン(13.3g、42.9mmol、3.0当量)を滴加した。得られた混合物を、0℃において3時間撹拌した。混合物を水により希釈し、次いでEtOにより抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。粗製生成物をシリカゲル上にアプライし、石油エーテル/酢酸エチル=20/1から5/1を用いた。これにより、2.4g(44%)の2−(3−(tert−ブチルジフェニルシリルオキシ)アゼチジン−1−イル)−2−メチルプロパナールを無色油状物として得た。
【0159】
工程3
3−((R)−3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−3−オキソプロパンニトリル(471mg、1mmol、1.0当量)、2−(3−(tert−ブチルジフェニルシリルオキシ)アゼチジン−1−イル)−2−メチルプロパナール(762mg、2mmol、2.0当量)およびピロリジン(284mg、4mmol、4.0当量)のDCM(20mL)中溶液に、クロロトリメチルシラン(216mg、2mmol、2.0当量)を滴加した。得られた混合物を、室温において一晩撹拌した。混合物を濃縮し、粗製生成物をカラムクロマトグラフィーにより酢酸エチル/MeOH=(100/1から20/1)を使用して精製した。これにより、0.3g(36%)の2−((R)−3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−(3−(tert−ブチルジフェニルシリルオキシ)アゼチジン−1−イル)−4−メチルペント−2−エンニトリルを薄黄色固体として得た。
【0160】
工程4
2−((R)−3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−(3−(tert−ブチルジフェニルシリルオキシ)アゼチジン−1−イル)−4−メチルペント−2−エンニトリル(300mg、0.36mmol、1.0当量)のTHF(8mL)中溶液に、1MのTBAFのTHF中溶液(0.432mL、0.432mmoL)を添加した。得られた混合物を、室温において一晩撹拌した。混合物を濃縮し、粗製生成物を分取HPLCにより精製し、CHCN/HO(0.05%TFA)により溶出させた。有機相を減圧下で除去し、得られた水溶液を飽和NaCO溶液により希釈し、DCMにより抽出した。合わせた有機層をブラインにより洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。これにより、18.1mgの2−((R)−3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−(3−ヒドロキシアゼチジン−1−イル)−4−メチルペント−2−エンニトリルを白色固体として得た。LCMS(ESI、陽イオン)m/z:597(M+1)。
【0161】
実施例8
2−[(2S)−2−[[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]−メチル]ピロリジン−1−カルボニル]−4−メチル−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリルの合成
【化49】
2−メチル−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロパナール(108.3mg、0.6400mmol)のMeCN(6mL)中溶液に、ピロリジン(0.11mL、1.27mmol)を添加した。得られた混合物を0℃に冷却し、次いでTMS−Cl(0.11mL、0.85mmol)を添加した。氷浴を除去し、混合物を10分間撹拌してから3−[(2S)−2−[[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]メチル]ピロリジン−1−イル]−3−オキソ−プロパンニトリル(100mg、0.210mmol)を添加した。混合物を室温において3時間撹拌し、TLCおよびLC−MSにより進行を確認した。この混合物に、15mlの水を添加し、ジクロロメタンにより抽出した。合わせた有機層をブラインにより洗浄し、NaSOにより乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残留物をTLCプレート上にロードし、MeOH:CHCl=9:100を使用して精製して純粋生成物2−[(2S)−2−[[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]メチル]ピロリジン−1−カルボニル]−4−メチル−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル(93mg、0.1491mmol、70.30%収率)を薄黄色粉末として得た。LC−MS(ES、m/z):625[M+H]。
【0162】
実施例8A
上記のとおり進行させたが、2−メチル−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロパナールに代えて2−メチル−2−(4−エチルピペラジン−1−イル)プロパナールを用いることにより、2−[(2S)−2−[[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]−メチル]ピロリジン−1−カルボニル]−4−メチル−4−(4−エチルピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリルを合成した。
【0163】
実施例9
2−[(2S)−2−[[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]メチル]ピロリジン−1−カルボニル]−4−メチル−4−ピペラジン−1−イル−ペント−2−エンニトリルの合成
【化50】
工程1
2−メチルプロパナール(1mL、10.96mmol)を氷浴により冷却しながらDCM(10mL)中で撹拌した。臭素(0.62mL、12.05mmol)を添加漏斗を介して15分の時間にわたりゆっくりと添加した。0℃における撹拌の1時間後、反応物を薄黄色液体に濃縮した。これをDCM(10mL)中で再溶解させ、氷浴により冷却した一方、tert−ブチルピペラジン−1−カルボキシレート(2.04g、10.96mmol)を30分の時間にわたりゆっくりと添加した(5〜10mLのDCMにより希釈)。冷却浴を除去し、反応混合物を室温において一晩撹拌し、混合物をブラインにより洗浄し、次いで残留DCM層をNaSOにより乾燥させ、濾過し、濃縮してtert−ブチル4−(1,1−ジメチル−2−オキソ−エチル)ピペラジン−1−カルボキシレートを薄黄色固体として回収し、それをさらなる精製なしで直接使用した。
【0164】
工程2
tert−ブチル4−(1,1−ジメチル−2−オキソ−エチル)ピペラジン−1−カルボキシレート(326.2mg、1.27mmol)のDCM(6mL)中溶液に、ピロリジン(0.17mL、2.04mmol)を添加した。反応混合物を0℃に冷却し、次いでTMS−Cl(0.13mL、1.02mmol)を添加した。氷浴を除去し、混合物を10分間撹拌してから3−[(2S)−2−[[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]メチル]ピロリジン−1−イル]−3−オキソ−プロパンニトリル(120mg、0.250mol)を添加した。混合物を室温において4時間撹拌し、その時点においてTLCおよびLC−MSは反応の完了を示した。この混合物に30mlの水を添加し、層を分離し、水層をCHClにより抽出した。合わせた有機層をブラインにより洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で除去した。残留物を最小のCHCl中で溶解させ、シリカゲルカラム上にロードし、MeOH/CHCl(1/4):EtOAc20〜30%勾配により精製して純粋生成物tert−ブチル4−[4−[(2S)−2−[[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]メチル]ピロリジン−1−イル]−3−シアノ−1,1−ジメチル−4−オキソ−ブト−2−エニル]ピペラジン−1−カルボキシレートを薄黄色油状物として得た。
【0165】
工程3
氷浴中のジオキサン中4NのHCl(0.5mL、0.050mmol)のTHF(1mL)中溶液に、tert−ブチル4−[4−[(2S)−2−[[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]メチル]ピロリジン−1−イル]−3−シアノ−1,1−ジメチル−4−オキソ−ブト−2−エニル]ピペラジン−1−カルボキシレート(32.9mg、0.050mmol)を添加した。氷浴を除去し、反応混合物を室温において4時間撹拌し、その時点でTLCおよびLC−MSは反応の完了を示した。混合物を真空中で濃縮し、NaHCO
よりpH6〜7に調整し、水層をCHClにより抽出した。合わせた有機層をブラインにより洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、溶媒を除去して生成物2−[(2S)−2−[[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]メチル]−ピロリジン−1−カルボニル]−4−メチル−4−ピペラジン−1−イル−ペント−2−エンニトリル(24mg、0.039mmol、85%収率)をオフホワイト色粉末として得た。LC−MS(ES、m/z):610[M+H]。
【0166】
実施例10
2−[(2S)−2−[[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]メチル]ピロリジン−1−カルボニル]−4−メチル−4−[メチル(オキセタン−3−イル)アミノ]ペント−2−エンニトリルの合成
【化51】
工程1
2−メチルプロパナール(0.5mL、5.48mmol)を、氷浴により冷却しながらDCM(10mL)中で撹拌した。臭素(0.31mL、6.03mmol)を、添加漏斗を介して15分の時間にわたりゆっくりと添加した。0℃における撹拌の1時間後、反応物を薄黄色液体に濃縮した。これをDCM(5mL)中で再溶解させ、氷浴により冷却した一方、N−メチルオキセタン−3−アミン(0.49mL、5.48mmol)を10分の時間にわたりゆっくりと添加した(5〜10mLのDCMにより希釈)。次いで、冷却浴を除去し、反応混合物を室温において一晩撹拌した。混合物をブラインにより洗浄し、次いで残留DCM層を0.5NのHClにより洗浄した。合わせた水層をKOHによりpH10〜11に調整し、CHClにより抽出し、合わせた有機層をブラインにより洗浄し、NaSOにより乾燥させ、濾過し、濃縮して2−メチル−2−[メチル(オキセタン−3−イル)アミノ]プロパナールを薄黄色液体として回収した。粗製材料をさらなる精製なしで次の工程において直接使用した。
【0167】
工程2
2−メチル−2−[メチル(オキセタン−3−イル)アミノ]プロパナール(100.0mg、0.6400mmol)のDCM(5mL)中溶液に、ピロリジン(0.06mL、0.760mmol)を添加した。反応混合物を0℃に冷却し、次いでTMS−Cl(0.06mL、0.51mmolを添加し、氷浴を除去し、反応混合物を10分間撹拌してから3−[(2S)−2−[[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]メチル]ピロリジン−1−イル]−3−オキソ−プロパンニトリル(60mg、0.13mmol)を添加した。混合物を50分間撹拌し、TLCおよびLC−MSを介して進行を確認することにより反応の完了を判断した。反応混合物を15mlの飽和NaHCOにより洗浄し、層を分離した。水層をCHClにより抽出し、合わせた有機層をブラインにより洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、溶媒を除去した。残留物をシリカゲルカラム上にロードし、[MeOH:CHCl(1:4)]:EtOAc20%、30%により精製して純粋生成物2−[(2S)−2−[[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−
フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]メチル]ピロリジン−1−カルボニル]−4−メチル−4−[メチル(オキセタン−3−イル)アミノ]ペント−2−エンニトリル(61.8mg、0.1012mmol、79.5%収率)をオフホワイト色固体として得た。LC−MS(ES、m/z):612[M+H]。
【0168】
実施例10a
【化52】
上記のとおり進行させたが、(R)−3−(2−((4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)メチル)ピロリジン−1−イル)−3−オキソプロパンニトリルを、(S)−3−(2−((4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)メチル)ピロリジン−1−イル)−3−オキソプロパンニトリルに代えて用いることにより、(R)−2−(2−((4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)メチル)ピロリジン−1−カルボニル)−4−(メチル(オキセタン−3−イル)アミノ)−4−メチルペント−2−エンニトリルを得た。LC−MS(ES、m/z):612[M+H]。
【0169】
実施例10b
(S)−2−(2−((4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)メチル)ピロリジン−1−カルボニル)−4−(エチル(オキセタン−3−イル)アミノ)−4−メチルペント−2−エンニトリル
【化53】
上記のとおり進行させたが、N−エチルオキセタン−3−アミンを、N−メチルオキセタン−3−アミンに代えて用いることにより、(S)−2−(2−((4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)メチル)ピロリジン−1−カルボニル)−4−(エチル(オキセタン−3−イル)アミノ)−4−メチルペント−2−エンニトリルを得た。LC−MS(ES、m/z):626[M+H]。
【0170】
実施例11
2−[(2S)−2−[[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]メチル]ピロリジン−1−カルボニル]−4−メチル−4−(オキセタン−3−イルアミノ)ペント−2−エンニトリルの合成
【化54】
工程1
2−メチルプロパナール(0.5mL、5.48mmol)を、氷浴により冷却しながらDCM(10mL)中で撹拌した。臭素(0.31mL、6.03mmol)を、添加漏斗を介して15分の時間にわたりゆっくりと添加した。0℃における撹拌の1時間後、反応物を薄黄色液体に濃縮した。これを氷浴により冷却されたDCM(5mL)中で再溶解させた一方、オキセタン−3−アミン(0.39mL、5.48mmol)を、10分の時間にわたりゆっくりと添加し(5〜10mLのDCMにより希釈)、次いで冷却浴を除去し、反応混合物を室温において一晩撹拌した。次いで、混合物をブラインにより洗浄し、残留DCM層を0.5NのHClにより洗浄した。合わせた水層をKOHによりpH10〜11に調整し、CHClにより抽出し、合わせた有機層をブラインにより洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮して2−メチル−2−(オキセタン−3−イルアミノ)プロパナールを薄黄色液体として回収した。粗製材料を、さらなる精製なしで次の工程において直接使用した。
【0171】
工程2
2−メチル−2−(オキセタン−3−イルアミノ)プロパナール(106.3mg、0.7400mmol)のDCM(5mL)中溶液に、ピロリジン(0.07mL、0.890mmol)を添加した。反応混合物を0℃に冷却し、次いでTMS−Cl(0.08mL、0.59mmol)を添加した。氷浴を除去し、反応混合物を室温において10分間撹拌してから3−[(2S)−2−[[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]メチル]ピロリジン−1−イル]−3−オキソ−プロパンニトリル(70mg、0.1500mmol)を添加した。混合物を50分間撹拌し、その時点においてTLCおよびLC−MSを確認することによりそれの完了を判断した。混合物を飽和NaHCOにより洗浄し、層を分離した。水層をCHClにより抽出し、合わせた有機層をブラインにより洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、溶媒を除去した。残留物をシリカゲルプレート上にロードし、[MeOH:CHCl(1:4)]:EtOAc50%、60%によりフラッシュして純粋生成物2−[(2S)−2−[[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]メチル]ピロリジン−1−カルボニル]−4−メチル−4−(オキセタン−3−イルアミノ)ペント−2−エンニトリル(35.6mg、0.0597mmol、40.2%収率)をオフホワイト色固体として得た。LC−MS(ES、m/z):598[M+H]。
【0172】
実施例11a
(R)−2−(2−((4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)メチル)ピロリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(オキセタン−3−イルアミノ)ペント−2−エンニトリルの合成
【化55】
上記のとおり進行させたが、3−[(2R)−2−[[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]メチル]ピロリジン−1−イル]−3−オキソ−プロパンニトリルを、3−[(2S)−2−[[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]メチル]ピロリジン−1−イル]−3−オキソ−プロパンニトリルに代えて用いることにより、(R)−2−(2−((4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)メチル)ピロリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(オキセタン−3−イルアミノ)ペント−2−エンニトリルを得た。LC−MS(ES、m/z):598[M+H]。
【0173】
実施例12
2−[2−[[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]メチル]アゼチジン−1−カルボニル]−4−メチル−ペント−2−エンニトリルの合成
【化56】
工程1
氷浴中の3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン(300mg、0.930mmol)、tert−ブチル2−(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−カルボキシレート(0.33mL、1.9mmol)およびPPh(733.86mg、2.8mmol)のTHF(10mL)中混合物に、DIAD(0.37mL、1.87mmol)を5mlのTHF中溶液としてゆっくりと添加した。混合物を室温において一晩撹拌し、次いで溶媒を除去した。残留物に、HOを添加し、混合物をEtOAcにより抽出した。合わせた有機層をNaHCO、次いでブラインにより洗浄し、NaSO上で乾燥させた。溶媒を除去して重量800mgのtert−ブチル2−[[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]メチル]アゼチジン−1−カルボキシレートを得、それをさらなる精製なしで次の工程に使用した。
【0174】
工程2
氷浴中のDCM(4mL)中で溶解させた粗製tert−ブチル2−[[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]メチル]アゼチジン−1−カルボキシレート(800mg、1.63mmol)に、TFA(2mL)をゆっくりと滴加し、10分間撹拌し、その時点において出発材料はTLC分析により残留しなかった。溶媒を除去し、EtOAcを添加し、それを2MのHClにより洗浄した。合わせた水溶液をNaOHによりpH約10に調整し、水層をEtOAcにより抽出した。合わせた有機層をブラインにより洗浄し、NaSO上で乾燥させ、溶媒を除去して450mgの1−(アゼチジン−2−イルメチル)−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミンを得、それをさらなる精製なしで次の工程において直接使用した。
【0175】
工程3
2−シアノ−4−メチル−ペント−2−エン酸(30.7mg、0.220mmol)、1−(アゼチジン−2−イルメチル)−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン(57.5mg、0.150mmolのDCM(2mL)中溶液に、PyAOP(86.2mg、0.160mmol)およびTEA(0.06mL、0.440mmol)を添加し、得られた黄色溶液を室温において1時間撹拌した。LCMSは、反応の完了を示し、粗製混合物を精製のためにシリカゲルカートリッジ上に直接ロードした(3から5%のMeOH:CHCl)。最も澄明な分画からの溶媒の除去により、LCMSにより判断されたとおり30mgの所望化合物2−[2−[[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]メチル]アゼチジン−1−カルボニル]−4−メチル−ペント−2−エンニトリル(30mg、0.0586mmol、39.8%収率)を得た。(M+1=512)。
【0176】
実施例13
2−[(3R)−3−[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]ピペリジン−1−カルボニル]−4−メチル−4−[メチル(オキセタン−3−イル)アミノ]ペント−2−エンニトリルの合成
【化57】
2−メチル−2−[メチル(オキセタン−3−イル)アミノ]プロパナール(66.69mg、0.42mmol)、3−[(3R)−3−[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]−1−ピペリジル]−3−オキソ−プロパンニトリル(100mg、0.2100mmol)およびピロリジン(0.1mL、1.27mmol)の混合物を、室温において10分間撹拌した。反応混合物を0℃に冷却し、次いでTMS−Cl(0.11mL、0.85mmol)を添加した。氷浴を除去し、反応混合物を室温においてさらに1時間撹拌し、TLCおよびLC−MSにより進行を確認した。溶媒を除去し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(MeOH、CHCl、MeOH勾配0から10%により精製して2−[(3R)−3−[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]ピペリジン−1−カルボニル]−4−メチル
−4−[メチル(オキセタン−3−イル)アミノ]ペント−2−エンニトリル(118.5mg)を白色粉末として得た。LC−MS(ES、m/z):612[M+H]。
【0177】
実施例13a
(R)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−(エチル(オキセタン−3−イル)アミノ)−4−メチルペント−2−エンニトリルの合成
【化58】
上記のとおり進行させたが、N−エチルオキセタン−3−アミンを、N−メチルオキセタン−3−アミンに代えて用いることにより、(R)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−(エチル(オキセタン−3−イル)アミノ)−4−メチルペント−2−エンニトリルを得た。LC−MS(ES、m/z):626[M+H]。
【0178】
実施例13b
(S)−2−(2−((4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)メチル)ピロリジン−1−カルボニル)−4−(シクロプロピル(オキセタン−3−イル)アミノ)−4−メチルペント−2−エンニトリルの合成
【化59】
実施例13に記載のとおり進行させたが、N−シクロプロピルオキセタン−3−アミンを、N−メチルオキセタン−3−アミンに代えて用いることにより、(S)−2−(2−((4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)メチル)ピロリジン−1−カルボニル)−4−(シクロプロピル(オキセタン−3−イル)アミノ)−4−メチルペント−2−エンニトリルを得た。LC−MS(ES、m/z):626[M+H]。
【0179】
実施例14
2−[3−[[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]メチル]アゼチジン−1−カルボニル]−4−メ
チル−ペント−2−エンニトリルの合成
【化60】
工程1
3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン(500mg、1.56mmol)、PPh(1.22g、4.67mmol)およびtert−ブチル3−(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−カルボキシレート(437mg、2.33mmol)のTHF(10mL)中混合物を氷浴中で冷却し、5mlのTHF中のDIAD(0.61mL、3.11mmol)を反応混合物に滴加した。混合物を5時間撹拌した。残留物に30mlの水を添加し、水層をEtOAcにより抽出した。合わせた有機層をブラインにより洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、溶媒を除去し、粗製tert−ブチル3−[[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]メチル]アゼチジン−1−カルボキシレートを次の工程において直接使用した。
【0180】
工程2
DCM(2mL)中のtert−ブチル3−[[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]メチル]アゼチジン−1−カルボキシレート(780mg)を、氷浴中で冷却した。これに、TFA(4mL、1.59mmol)を添加し、氷浴を除去し、反応混合物を室温において1時間撹拌し、TLCおよびLC−MSにより反応を確認した。2時間後、溶媒を除去し、残留物に水を添加した。水層をEtOAcにより抽出し、合わせた有機層を2NのHClにより洗浄した。合わせた水層をNaOHによりpH9〜10に調整し、EtOAcにより抽出し、合わせた有機層をブラインにより洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過した。溶媒を除去して1−(アゼチジン−3−イルメチル)−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミンを得、それをさらなる精製なしで次の工程において使用した。
【0181】
工程3
2−シアノ−4−メチル−ペント−2−エン酸(48.12mg、0.350mmol)及び1−(アゼチジン−3−イルメチル)−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン(90mg、0.230mmol)のDCM(2mL)中溶液に、PyAOP(134.9mg、0.250mmol)およびTEA(0.1mL、0.690mmol)を添加し、得られた黄色溶液を室温において1時間撹拌した。LCMSは反応の完了を示し、粗製混合物を精製のためにシリカゲルカートリッジ上に直接ロードした(0.2から3%のMeOH:CHCl)。最も澄明な分画からの溶媒の除去により、2−[3−[[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]メチル]アゼチジン−1−カルボニル]−4−メチル−ペント−2−エンニトリルを得た(12mg LCMS。(M+1=512)。
【0182】
実施例15
2−[2−[[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ
[3,4−d]ピリミジン−1−イル]メチル]アゼチジン−1−カルボニル]−4−メチル−4−モルホリノ−ペント−2−エンニトリルの合成
【化61】
工程1
氷浴中の1−(アゼチジン−2−イルメチル)−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン(236.4mg、0.610mmol)、2−シアノ酢酸(77.2mg、0.910mmol)のDCM(8mL)中混合物に、T3P(0.36mL、1.21mmol)およびTEA(0.34mL、2.42mmol)を添加した。氷浴を除去し、反応混合物を室温において一晩撹拌した。反応混合物をシリカゲルカラム上にロードし、0〜3%勾配のMeOH:CHCLにより精製して3−[2−[[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]メチル]アゼチジン−1−イル]−3−オキソ−プロパンニトリル(201mg)を黄色油状物として得た。
【0183】
工程2
氷浴中の3−[2−[[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]メチル]アゼチジン−1−イル]−3−オキソ−プロパンニトリル(90.6mg、0.200mmol)、2−メチル−2−モルホリノ−プロパナール(98.3mg、0.590mmol)のDCM(2mL)中混合物に、ピロリジン(pyrrodidine)(0.1mL、1.19mmol)およびTMS−Cl(0.1mL、0.79mmol)を添加した。氷浴を除去し、反応混合物を室温において1時間撹拌し、反応混合物をシリカゲルプレート上に直接ロードし、EtOH:CHCl5%により精製して純粋生成物2−[2−[[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]メチル]アゼチジン−1−カルボニル]−4−メチル−4−モルホリノ−ペント−2−エンニトリル(23mg)を白色粉末として得た。LC−MS(ES、m/z):597[M+H]。
【0184】
実施例16
2−[2−[[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]メチル]アゼチジン−1−カルボニル]−4−メチル−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリルの合成
【化62】
氷浴中の3−[2−[[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]メチル]アゼチジン−1−イル]−3−オキソ−プロパンニトリル(100.6mg、0.220mmol)および2−メチル−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロパナール(118.2mg、0.660mmol)のDCM(5mL)中混合物に、ピロリジン(0.11mL、1.32mmol)およびTMS−Cl(0.11mL、0.880mmol)を添加した。氷浴を除去し、反応混合物を室温において1時間撹拌した。粗製反応混合物をシリカゲルプレート上にロードし、MeOH:CHClにより精製して2−[2−[[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]メチル]アゼチジン−1−カルボニル]−4−メチル−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリル(19mg)を白色粉末として得た。LC−MS(ES、m/z):610[M+H]。
【0185】
実施例17
2−[3−[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]アゼチジン−1−カルボニル]−4−メチル−ペント−2−エンニトリルの合成
【化63】
工程1
3−ヨード−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン(3g、11.49mmol)、PPh3(9.03g、34.5mmol)tert−ブチル3−ヒドロキシアゼチジン−1−カルボキシレート(2.09g、12.1mmol)のTHF(60mL)中混合物を、氷浴中で冷却した。滴下漏斗中の30mlのTHF中のDIAD(4.52mL、23.0mmol)を反応混合物にゆっくりと添加し、反応混合物を一晩撹拌した。溶媒を除去し、HOを添加した。水層をEtOAcにより抽出し、合わせた有機層をブラインにより洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、溶媒を除去してtert−ブチル3−[3−ヨード−4−[(トリフェニル−{5}−ホスファニリデン)アミノ]ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]アゼチジン−1−カルボキシレートを得、それを次の工程にそのまま使用した。
【0186】
工程2
tert−ブチル3−[3−ヨード−4−[(トリフェニル−{5}−ホスファニリデン)アミノ]−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]アゼチジン−1−カルボキシレート(1.2g、1.77mmol)、(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ボロン酸(0.82g、3.55mmol)、テトラキス(トリフェニルホスファン)パラジウム(0)(102.4mg、0.089mmol)およびKCO(514mg、3.73mmol)の1,4ジオキサン(16ml)およびHO(4ml)中混合物を、Arにより15分間フラッシュした。反応管を密封し、マイクロ波オーブン中で180℃において2時間15分加熱した。溶媒を除去し、水およびEtOAcを添加した。混合物をceliteに通して濾過し、分離した。水層をEtOAcにより抽出し、
合わせた有機層をブラインにより洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、溶媒を除去して粗製tert−ブチル3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシレート(800mg)を得、それを次の工程において直接使用した。
【0187】
工程3
TFA(8mL)中のtert−ブチル3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシレート(800mg)を、1時間撹拌した。残留物にEtOAcおよび水を添加し、層を分離した。水層をEtOAcにより抽出し、合わせた有機層を約50mlに蒸発させ、2MのHClにより洗浄した。合わせた水層をNaOHによりpH8〜9に調整し、EtOAcにより抽出し、合わせた有機層をブラインにより洗浄し、NaSO上で乾燥させた。溶媒を除去して600mgの1−(アゼチジン−3−イル)−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミンを得た。
【0188】
工程4
1−(アゼチジン−3−イル)−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン(80mg、0.210mmol、2−シアノ−4−メチル−ペント−2−エン酸(44.4mg、0.320mmol)、PyAOP(121.9mg、0.230mmol)およびTEA(0.09mL、0.640mmol)のDCM(3mL)中混合物を、室温において一晩撹拌した。溶媒を除去し、残留物をシリカゲルプレート上で6:94のMeOH:CHClを使用して精製して2−[3−[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]アゼチジン−1−カルボニル]−4−メチル−ペント−2−エンニトリル(34mg)を白色粉末として得た。LC−MS(ES、m/z):498[M+H]。
【0189】
実施例18
(R)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−4−メチルペント−2−エンニトリルの合成
【化64】
工程1
氷浴中で冷却された2−メチルプロパナール(0.82mL、9.0mmol)のDCM(10mL)中溶液に、臭素(0.5mL、9.9mmol)を10分の時間にわたり添加した。1.5時間後、反応物を1.4gの重量に濃縮し、次いでDCM(10mL)中で室温において再撹拌した。これに、DCM(7mL)中で溶解させたピペリジン−4−オール(1.82g、18.0mmol)を添加した。反応物を室温において一晩撹拌
し、次いでDCMにより希釈し、水性NaHCOおよび0.5NのHClにより洗浄した。次いで、水性酸層をNaOHによりpH=12に調整した。白色沈殿物/油状物が形成され、次いで、水層をDCMにより洗浄した。有機層を乾燥させ(MgSO)、濾過し、濃縮して0.49gの2−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−2−メチルプロパナールを黄色油状物として回収した。
【0190】
工程2
(R)−3−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−3−オキソプロパンニトリル(150mg、0.31mmol)、2−(4−ヒドロキシ−1−ピペリジル)−2−メチル−プロパナール(167mg、0.98mmol)、ピロリジン(0.03mL、0.31mmol)およびDCM(10mL)の混合物を、室温において2日間撹拌し、次いで水性NaHCO(40mL)により希釈し、DCMにより抽出した。有機物を乾燥させ(MgSO)、濾過し、油状物に濃縮した。粗製材料をIsolera(25gのカラム:30%のiPrOH/DCM)により精製して生成物を得、それを凍結乾燥により単離して61mg(32%収率)の(R)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−4−メチルペント−2−エンニトリルを粉末として提供した。MS(陽イオン)m/z:625(M+1)。
【0191】
実施例19
2−[(3R)−3−[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]ピペリジン−1−カルボニル]−4−メチル−4−(6−オキサ−2−アザスピロ[3.3]ヘプタン−2−イル)ペント−2−エンニトリルの合成
【化65】
工程1
氷浴中で冷却された2−メチルプロパナール(5.6mL、61.8mmol)のDCM(75mL)中溶液に、臭素(3.2mL、61.8mmol)を滴加した。1時間後、得られた2−ブロモ−2−メチルプロパナール溶液を8.5gの重量に蒸発させた。この材料をDCM(8ml)中で室温において撹拌し、6−オキサ−2−アザスピロ[3.3]ヘプタン;1/2オキサレート(1.57mL、7.19mmol)をTEA(10mL)およびMeOH(3mL)とともに添加した。2日間撹拌した後、混合物をブライン(30mL)により希釈し、層を分離した。有機層を1MのHCl(50mL)により洗浄し、次いで水層をKOHによりpH=10〜11に塩基性化した。次いで、これをDCMにより抽出し、有機層を合わせ、乾燥させ(MgSO)、濾過し、濃縮して2−メチル−2−(6−オキサ−2−アザスピロ[3.3]ヘプタン−2−イル)プロパナールを油状物として単離し、次の工程において直接使用した。
【0192】
工程2
室温における(R)−3−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−イ
ル)−3−オキソプロパンニトリル(222mg、0.46mmol)、2−メチル−2−(6−オキサ−2−アザスピロ[3.3]ヘプタン−2−イル)プロパナール(231.17mg、1.37mmol)およびピロリジン(0.23mL、2.73mmol)のDCM(10mL)中混合物に、クロロ(トリメチル)シラン(0.17mL、1.37mmol)を添加した。2時間撹拌した後、溶液を飽和NaHCOにより希釈し、DCMにより抽出した。有機層を合わせ、乾燥させ(MgSO)、濾過し、濃縮した。粗製材料をクロマトグラフィーにより精製して133mgの2−[(3R)−3−[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]ピペリジン−1−カルボニル]−4−メチル−4−(6−オキサ−2−アザスピロ[3.3]ヘプタン−2−イル)ペント−2−エンニトリルを得た。MS(陽イオン)m/z:623(M+1)。
【0193】
実施例19a
(S)−2−(2−((4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)メチル)ピロリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(2−オキサ−6−アザスピロ[3.3]ヘプタン−6−イル)ペント−2−エンニトリルの合成
【化66】
上記のとおり進行させたが、(S)−3−(2−((4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)メチル)ピロリジン−1−イル)−3−オキソプロパンニトリルを、(R)−3−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−3−オキソプロパンニトリルに代えて用いることにより、2−[(2S)−2−[[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]メチル]ピペリジン−1−カルボニル]−4−メチル−4−(6−オキサ−2−アザスピロ[3.3]ヘプタン−2−イル)ペント−2−エンニトリルを得た。MS(陽イオン)m/z:623(M+1)。
【0194】
実施例20
2−[(3R)−3−[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]−ピリミジン−1−イル]ピペリジン−1−カルボニル]−4−(4−エチルピペラジン−1−イル)−4−メチル−ペント−2−エンニトリルの合成
【化67】
工程1
実施例5において調製された2−ブロモ−2−メチル−プロパナール(2504mg、16.58mmol)の15mLのDCM中冷却(0℃)溶液に、1−エチルピペラジン(2.53mL、19.9mmol)およびTEA(2.31mL、16.58mmol)を添加し、溶液を室温において24時間撹拌した。混合物を1NのHCl(50mL)およびDCM(50mL×2)により後処理した。水性物をKOHによりpH約11に塩基性化し、DCM(50mL×3)により洗浄した。有機層を飽和塩化ナトリウムにより洗浄し、乾燥させ(MgSO)、次いで濃縮して2−(4−エチルピペラジン−1−イル)−2−メチル−プロパナール(90%収率)を油状物として得た。
【0195】
工程2
3−[(3R)−3−[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]−1−ピペリジル]−3−オキソ−プロパンニトリル(0.32mL、0.57mmol) DCM(20mL)、2−(4−エチルピペラジン−1−イル)−2−メチル−プロパナール(211.84mg、1.15mmol)およびピロリジン(0.14mL、1.72mmol)の溶液を室温において10分間撹拌し、次いでクロロ(トリメチル)シラン(0.29mL、2.3mmol)を添加した。混合物を室温において18時間撹拌しておいた。混合物を飽和NaHCO(50mL)およびDCM(50mL×2)により後処理し、飽和塩化ナトリウムにより洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濃縮して油状物を得、それをシリカゲル(5%〜50%のiPA/DCM)上で精製して2−[(3R)−3−[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]ピペリジン−1−カルボニル]−4−(4−エチルピペラジン−1−イル)−4−メチル−ペント−2−エンニトリル265mg(72.3%収率)を得た。MS(陽イオン)m/z:638(M+1)。
【0196】
実施例21
(R)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−(4−イソプロピルピペラジン−1−イル)−4−メチルペント−2−エンニトリルの合成
【化68】
実施例20において上記のとおり進行させたが、工程1において1−イソプロピルピペ
ラジンを、1−エチルピペラジンに代えて用いることにより、(R)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−(4−イソプロピルピペラジン−1−イル)−4−メチルペント−2−エンニトリルを得た。MS(陽イオン)m/z:653(M+1)。
【0197】
実施例22
(R)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−(4−(tert−ブチル)ピペラジン−1−イル)−4−メチルペント−2−エンニトリルの合成
【化69】
実施例20において上記のとおり進行させたが、工程1において1−(tert−ブチル)ピペラジンを、1−エチルピペラジンに代えて用いることにより、(R)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−(4−(tert−ブチル)ピペラジン−1−イル)−4−メチルペント−2−エンニトリルを得る。MS(陽イオン)m/z:668(M+1)。
【0198】
実施例23
(R)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−(4−(2−メトキシエチル)ピペラジン−1−イル)−4−メチルペント−2−エンニトリルの合成
【化70】
実施例20において上記のとおり進行させたが、工程1において1−(2−メトキシエチル)ピペラジンを、1−エチルピペラジンに代えて用いることにより、(R)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−(4−(2−メトキシエチル)ピペラジン−1−イル)−4−メチルペント−2−エンニトリルを得る。MS(陽イオン)m/z:668(M+1)。
【0199】
実施例24
(R)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1
H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(4−メチル−3−オキソピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリルの合成
【化71】
実施例20において上記のとおり進行させたが、工程1において1−メチルピペラジン−2−オンを、1−エチルピペラジンに代えて用いることにより、(R)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(4−メチル−3−オキソピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリルを得る。MS(陽イオン)m/z:638(M+1)。
【0200】
実施例25
(R)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリルの合成
【化72】
実施例20において上記のとおり進行させたが、工程1において1−(メチルスルホニル)ピペラジンを、1−エチルピペラジンに代えて用いることにより、(R)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(4−(メチルスルホニル)−ピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリルを得る。MS(陽イオン)m/z:688(M+1)。
【0201】
実施例26
(R)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(4−(2,2,2−トリフルオロエチル)ピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリルの合成
【化73】
実施例20において上記のとおり進行させたが、工程1において1−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエチル)ピペラジンを、1−エチルピペラジンに代えて用いることにより、(R)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(4−(2,2,2−トリフルオロエチル)ピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリルを得る。MS(陽イオン)m/z:692(M+1)。
【0202】
実施例27
2−((R)−3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−((3S,5R)−3,4,5−トリメチルピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリルの合成
【化74】
実施例20において上記のとおり進行させたが、工程1において(2S,6R)−1,2,6−トリメチルピペラジンを、1−エチルピペラジンに代えて用いることにより、2−((R)−3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−((3S,5R)−3,4,5−トリメチル−ピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリルを得る。MS(陽イオン)m/z:652(M+1)。
【0203】
実施例28
2−((R)−3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−((3S,5R)−3,5−ジメチルピペラジン−1−イル)−4−メチルペント−2−エンニトリルの合成
【化75】
工程1および2
実施例20において上記のとおり進行させたが、工程1において(2S,6R)−tert−ブチル2,6−ジメチルピペラジン−1−カルボキシレートを、1−エチルピペラジンに代えて用いることにより、(2S,6R)−tert−ブチル4−(5−((R)−3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−4−シアノ−2−メチル−5−オキソペント−3−エン−2−イル)−2,6−ジメチルピペラジン−1−カルボキシレートを得る。
【0204】
工程3
(2S,6R)−tert−ブチル4−(5−((R)−3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−4−シアノ−2−メチル−5−オキソペント−3−エン−2−イル)−2,6−ジメチルピペラジン−1−カルボキシレート(103.5mg、0.1400mmol)を、ジオキサン中4NのHCl中で溶解させ、室温において3時間撹拌した。溶媒を除去し、2mLのMeOHを残留物に添加した。混合物をpH約7〜8に中和し、DCMにより抽出した。合わせた有機層をブラインにより洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、溶媒を蒸発させて純粋生成物2−((R)−3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−((3S,5R)−3,5−ジメチルピペラジン−1−イル)−4−メチルペント−2−エンニトリルを白色固体として得た。MS(陽イオン)m/z:638(M+1)。
【0205】
実施例29
(R)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−(5,6−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−7(8H)−イル)−4−メチルペント−2−エンニトリルの合成
【化76】
実施例20において上記のとおり進行させたが、工程1において5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジンを、1−エチルピペラジンに代えて用いることにより、(R)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニ
ル)−4−(5,6−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−7(8H)−イル)−4−メチルペント−2−エンニトリルを得る。MS(陽イオン)m/z:647(M+1)。
【0206】
実施例30
(S)−2−(2−((4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)メチル)ピロリジン−1−カルボニル)−4,4−ジメチル−5−モルホリノペント−2−エンニトリルの合成
【化77】
実施例5、工程2におけるとおり進行させたが、2,2−ジメチル−3−モルホリノ−プロパナールを、2−メチル−2−(ピロリジン−1−イル)プロパナールに代えて用いることにより、(S)−2−(2−((4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)メチル)ピロリジン−1−カルボニル)−4,4−ジメチル−5−モルホリノペント−2−エンニトリルを得る。MS(陽イオン)m/z:625(M+1)。
【0207】
実施例31
(R)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(4−(オキセタン−3−イル)ピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリルの合成
【化78】
工程1
2−ブロモ−2−メチル−プロパナール(696.6mg、4.61mmol)のDCM(10mL)中溶液を氷浴により冷却し、5〜10mLのDCMにより希釈された1−(オキセタン−3−イル)ピペラジン(328mg、2.31mmol)を添加漏斗を介して15分の時間にわたりゆっくりと添加した。次に、ヒューニッヒ塩基(0.4mL、2.31mmol)を添加し、次いで冷却浴を除去した。反応混合物を室温において一晩撹拌し、DCM層を0.5NのHClにより3回洗浄した。合わせた水層をNaOHによりpH10〜11に中和し、DCMにより抽出した。合わせた有機層をブラインにより洗浄し、NaSO上で乾燥させた。濾過および溶媒の除去により、2−メチル−2−[4−(オキセタン−3−イル)ピペラジン−1−イル]プロパナールを薄黄色液体として
得、それをさらなる精製なしで次の工程において直接使用した。
【0208】
工程2
3−[(3R)−3−[4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシ−フェニル)−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]−1−ピペリジル]−3−オキソ−プロパンニトリル(80mg、0.17mmol)の冷却(0℃)溶液に、DCM(10mL)中の2−メチル−2−[4−(オキセタン−3−イル)ピペラジン−1−イル]プロパナール(約108mg、0.51mmol)、次いでピロリジン(0.08mL、1.02mmol)およびTMS−Cl(0.09mL、0.68mmol)を添加した。氷浴を除去し、反応物を1時間撹拌した。溶媒のほとんどを除去し、残留物をクロマトグラフィーにより精製し、95:5のCHCl:MeOHを使用して79mgの(R)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]−ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(4−(オキセタン−3−イル)ピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリルを白色固体として得た。MS(陽イオン)m/z:666(M+1)。
【0209】
実施例32
(R)−4−(4−アセチルピペラジン−1−イル)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチルペント−2−エンニトリルの合成
【化79】
実施例31において上記のとおり進行させたが、工程1において1−(ピペラジン−1−イル)エタノンを、1−(オキセタン−3−イル)ピペラジンに代えて用いることにより、(R)−4−(4−アセチルピペラジン−1−イル)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチルペント−2−エンニトリルを得る。MS(陽イオン)m/z:652(M+1)。
【0210】
実施例33
(R)−メチル4−(5−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−4−シアノ−2−メチル−5−オキソペント−3−エン−2−イル)ピペラジン−1−カルボキシレートの合成
【化80】
実施例31において上記のとおり進行させたが、工程1においてメチルピペラジン−1−カルボキシレートを、1−(オキセタン−3−イル)ピペラジンに代えて用いることにより、(R)−メチル4−(5−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−4−シアノ−2−メチル−5−オキソペント−3−エン−2−イル)ピペラジン−1−カルボキシレートを得る。MS(陽イオン)m/z:668(M+1)。
【0211】
実施例34
(R)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−(4−エチル−3−オキソピペラジン−1−イル)−4−メチルペント−2−エンニトリルの合成
【化81】
工程1
tert−ブチル3−オキソピペラジン−1−カルボキシレート(10g、49.9mmol)の250mLのDMF中スラリーに、NaH(鉱油中60%)(2.1g、52.4mmol)を分けて添加した。混合物を添加の完了後15分間撹拌し、0℃に冷却し、ヨードエタン(5.62mL、69.92mmol)を約3分間にわたりゆっくりと添加した。得られた懸濁液を、室温において2時間撹拌した。水をゆっくりと添加し(400mL)、次いで250mLの1:1酢酸エチル:ジエチルエーテルを添加した。層を分離し、次いで有機相をブラインにより洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮してtert−ブチル4−エチル−3−オキソピペラジン−1−カルボキシレートを重量6.4gの無色油状物として得、それを次の工程において直接使用した。
【0212】
工程2
tert−ブチル4−エチル−3−オキソ−ピペラジン−1−カルボキシレート(4.5g、19.9mmol)の1,4−ジオキサン(10mL)中溶液に、10mLの4.0MのHCl/ジオキサンを添加した。室温において1時間撹拌した後、追加の5mLのジオキサン中HClを添加し、数mLのMeOHを添加した。反応物をさらに1時間撹拌し、次いで減圧下で濃縮した。ジクロロメタンを添加し、溶媒を除去して生成物を重量2
.2gの泡状物として得た。これをジクロロメタンおよび水性炭酸ナトリウム間で分配した。有機相を水により洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮して1−エチルピペラジン−2−オンを泡状物として得た。
【0213】
工程3および4
実施例31におけるとおり進行させたが、工程1において1−エチルピペラジン−2−オンを、1−(オキセタン−3−イル)ピペラジンに代えて用いることにより、(R)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−(4−エチル−3−オキソピペラジン−1−イル)−4−メチルペント−2−エンニトリルを得る。MS(陽イオン)m/z:652(M+1)。
【0214】
実施例35
(R)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(3−オキソピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリルの合成
【化82】
実施例31において上記のとおり進行させたが、工程1においてピペラジン−2−オンを、1−(オキセタン−3−イル)ピペラジンに代えて用いることにより、(R)−2−(3−(4−アミノ−3−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−4−メチル−4−(3−オキソピペラジン−1−イル)ペント−2−エンニトリルを得る。MS(陽イオン)m/z:624(M+1)。
【0215】
生物実施例
実施例1
Btk酵素活性アッセイ
Caliperベースキナーゼアッセイ(Caliper Life Sciences、Hopkinton、MA)を使用して、本開示の化合物のBtkキナーゼ活性の阻害を計測した。試験化合物の段階希釈物を、ヒト組換えBtk(0.5nM)、ATP(16μM)およびホスホアクセプターペプチド基質FAM−GEEPLYWSFPAKKK−NH(1μM)と室温において3時間インキュベートした。次いで、反応をEDTAにより終了させ、最終濃度20mMおよびリン酸化反応生成物をCaliper Desktop Profiler(Caliper LabChip 3000)上で定量した。阻害パーセントは、それぞれの化合物希釈物について計算し、50%の阻害を生成する濃度を計算した。この値をIC50として表す。本開示のある化合物についてのIC50を以下に提供する。
【0216】
【表1】
【0217】
実施例2
ヒトRamos B細胞系におけるBTKエンゲージメントの計測
BTK活性の阻害についての化合物の効力は、BTKを含有するヒトRamos B細胞中での標的への化合物の結合により評価することができる。BTK占有の程度は、細胞を化合物により処理し、プローブとしてのN−(2−(4−((E)−4−((R)−3−(4−アミノ−3−(4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−4−オキソブト−2−エン−1−イル)ピペラジン−1−イル)エチル)−6−(6−(5−(2−オキソヘキサヒドロ−1H−チエノ[3,4−d]イミダゾール−4−イル)ペンタンアミド)ヘキサンアミド)ヘキサンアミドの結合を介して未占有BTKを検出した後に計測する。
【0218】
手短に述べると、Ramos細胞を96ウェルプレートにウェル当たり10個の細胞の密度において添加した。効力について試験すべき化合物の段階希釈物を、最終濃度が1μMにおいて出発し、合計8つの段階希釈物について3倍段階希釈されるように添加した。最終DMSO濃度は、それぞれのウェルにおいて0.09%であった。化合物を細胞と
1時間相互作用させておいた。次いで、BTK選択プローブをそれぞれのウェルに330nMの最終濃度で添加した。プローブによる処理は1時間であった。次いで、細胞を遠心分離により回収し、氷上で15〜30分間溶解させた。次いで、BTKへのプローブの結合を、Alphascreen(Perkin Elmer)によりBTKプローブ上の特異的標的についてのキットを使用して検出した。次いで、それぞれの化合物濃度におけるBTKの占有パーセントを、標識プローブにより結合されている未占有BTKの検出に基づき計算した。次いで、BTK占有率を化合物濃度の対数の関数としてプロットし、IC50値を計算した。BTK占有率を計測するためのアッセイを改変して化合物を培養培地から除去し、細胞を様々な時間インキュベートし、次いで上記のとおり残留占有率を計測することにより細胞中でのBTK結合の持続性を計測した。持続性計測について、18時間のウォッシュアウト後の本明細書に開示の化合物(実施例番号9、14、15、3、16、17、10a、13b、30、22および26に開示の化合物を除く)について占有率の範囲は、約3〜80%であった。
【0219】
実施例3
ヒト全血試料におけるCD69発現の遮断
B細胞受容体の活性化は、BTK活性の増加、カルシウム動員およびB細胞活性化をもたらす(Honigberg L.A.,et.al.,Proc Natl Acad
Sci USA.107:13075−80.2010参照)。BTK阻害剤は、CD69発現により計測されるとおりB細胞活性化を遮断することが示されている(Karp,R.,et.al.,Inhibition of BTK with AVL−292 Translates to Protective Activity in Animal Models of Rheumatoid Arthritis.Inflammation Research Association Meeting,Sept,2010参照)。CD69を、全血におけるBTK活性の尺度としてB細胞活性化後に発現させた。全血のアリコートを試験化合物の段階希釈物と30分間プレインキュベートし、次いで抗IgM(ヤギFab’2、50μg/ml)により活性化させた。試料を37℃において一晩インキュベートし、次いで製造業者の指示書に従ってPE標識抗CD20およびAPC標識抗CD69(BD Pharmingen)により30分間染色した。次いで、全血を溶解させ、CD20発現に対してゲーティングされた細胞をCD69発現についてFACSにより定量した。阻害パーセントは、無阻害についてDMSO対照に基づき計算し、試験化合物濃度の関数としてプロットし、それからIC50値を計算した。本明細書に開示の化合物(実施例番号2、5、17、13b、30および22に開示の化合物を除く)についてのIC50値の範囲は、約1.4〜0.08μMであった。
【0220】
実施例4
マウスコラーゲン誘導性関節炎の阻害
ネズミコラーゲン誘導性関節炎(mCIA)の阻害は、関節リウマチについての標準的な動物疾患モデルである。従来の研究は、BTKの阻害がmCIAの遮断において有効であることを実証している(Honigberg L.A.,et.al.,Proc Natl Acad Sci USA.107:13075−80.2010参照)。0日目開始時、DBA/1マウスに完全フロイントアジュバント中II型コラーゲンのエマルションを注射する。マウスを21日後に追加免疫して疾患の発現を同調させる。軽度な疾患の発現後、動物を試験に加え、無作為化する。投与は、試験化合物または対照としてのデキサメタゾン(0.2mg/kg)による1日1回、典型的には11日間の経口である。1つの群は、ビヒクル単独を受容する。臨床評価(0〜4)は、関節炎の膨張および重症度の程度に基づく。全ての四肢についての評価を足して16の最大評価とする。抗コラーゲン抗体および総Igを、Elisaにより試験の終了時にそれぞれの動物について計測する(Bolder BioPath、Boulder、CO)。
【0221】
実施例5
不可逆的共有結合と可逆的共有結合を評価するための透析時のキナーゼ活性の回復
本開示の化合物および/または薬学的に許容可能な塩を、そのIC50値よりも10倍大きい濃度において20mMのHepes[pH7.5]、5mMのMgCl、0.01%のTriton X−100および1mMのジチオトレイトールを含有する緩衝液中タンパク質キナーゼ(5nM)の溶液に添加した。22℃において60分後、反応物を透析カセット(0.1〜0.5mLのSlide−A−Lyzer、MWCO10kDa、Pierce)に移し、1Lの緩衝液(20mMのHepes[pH7.5]、5mMのMgCl、0.01%のTriton X−100および1mMのジチオトレイトール)に対して22℃において透析した。透析緩衝液を実験終了まで1日2回交換した。アリコートを透析カセットから24時間毎に取り出し、タンパク質キナーゼ活性について分析した。それぞれの試料についてのキナーゼ活性は、その時点についてのDMSO対照に正規化し、平均±SDとして表現した。
【0222】
結果:キナーゼ活性は、透析時に本開示の化合物による阻害から回復した。室温における大規模透析時、キナーゼ活性は、過剰の本開示化合物による阻害から時間依存的に部分的または完全に回復した。
【0223】
実施例6
質量スペクトル分析
本開示の化合物および/または薬学的に許容可能な塩により阻害されるタンパク質キナーゼは、質量スペクトル分析に供して恒久的な不可逆的共有結合アダクトの形成を評価することができる。インタクトな完全タンパク質またはタンパク質キナーゼのトリプシン開裂時に生成されるペプチド断片を試験する好適な分析方法は、一般に当分野において公知である。このような方法は、恒久的な不可逆的共有結合タンパク質アダクトを、対照試料の質量と不可逆的アダクトの質量に対応する質量ピークを観察することにより同定する。このような2つの方法を以下に記載する。
【0224】
インタクトな完全キナーゼの質量スペクトル分析
方法:
タンパク質キナーゼ(5μM)を、本開示の化合物(25μM、5当量)と室温において緩衝液(20mMのHepes[pH8.0]、100mMのNaCl、10mMのMgCl)中で1時間インキュベートする。本開示の化合物を有さない対照試料も調製する。反応を、等容量の0.4%ギ酸の添加により停止させ、試料を液体クロマトグラフィー(Microtrap C18 Proteinカラム[Michrom Bioresources]、5%のMeCN、0.2%のギ酸、0.25mL/分;95%のMeCN、0.2%のギ酸により溶出)およびインラインESI質量分析(LCT Premier、Waters)により分析する。タンパク質キナーゼおよび任意のアダクトの分子質量は、MassLynxデコンボリューションソフトウエアにより決定することができる。
【0225】
結果:本開示の化合物により阻害されるキナーゼの高分解能インタクト質量分析は、阻害剤の不存在下でのキナーゼ(例えば対照試料)と類似するスペクトルを示す。キナーゼの分子質量と式Iの化合物の分子質量に対応する質量スペクトルにおける新たなピークの形成は存在しない。この実験に基づくと、本明細書に開示の化合物および/または薬学的に許容可能な塩に適用することができるとおり、恒久的な不可逆的タンパク質アダクトは当業者に明らかでない。
【0226】
キナーゼトリプシン消化物の質量スペクトル分析
方法:
タンパク質(10〜100pmol)を、本開示の化合物および/または薬学的に許容可能な塩(100〜1000pmol、10当量)と3時間インキュベートしてからトリプシン消化する。ヨードアセトアミドを化合物インキュベーション後にアルキル化剤として使用することができる。本開示の化合物および/または薬学的に許容可能な塩を利用しない対照試料も調製する。トリプシン消化のため、1μlのアリコート(3.3pmol)を、10μlの0.1%TFAにより希釈してから脱着マトリックスとしてのアルファシアノ−4−ヒドロキシ桂皮酸(0.1%のTFA:アセトニトリル50:50中5mg/mol)または脱着マトリックスとしてのシナピン酸(0.1%のTFA:アセトニトリル50:50中10mg/mol)を使用してmicro C18 Zip Tip処理をMALDI標的上に直接行った。
【0227】
結果:本開示の化合物および/または薬学的に許容可能な塩により阻害されるキナーゼのトリプシン断片の高分解能質量分析は、阻害剤の不存在下でのキナーゼ(例えば対照試料)と類似のスペクトルを示す。対照試料中に存在しないいかなる改変ペプチドの証拠も存在しない。この実験に基づくと、恒久的な不可逆的タンパク質アダクトは当業者に明らかでない。
【0228】
細胞アッセイも場合により使用して本開示の化合物の阻害特性を評価する。細胞アッセイは、任意の適切な源、例として植物および動物細胞(例えば哺乳動物細胞)からの細胞を含む。細胞アッセイは、場合によりヒト細胞においても実施する。BTK阻害の細胞アッセイは当分野において周知であり、それには阻害剤を細胞中に送達し(例えばエレクトロポレーション、受動拡散、マイクロインジェクションなどによる)、活性終点、例えば細胞基質のリン酸化の量、細胞タンパク質の発現の量またはBTKの触媒活性により影響されることが公知の細胞表現型の一部の他の変化を計測する方法が含まれる。例えば、特定の細胞基質のリン酸化は、リン酸化細胞基質に特異的な検出抗体を使用し、次いでウエスタンブロッティング技術および任意の適切な手段(例えば蛍光標識抗体の蛍光検出)を使用する可視化を使用して場合により評価する。
【0229】
本開示の不存在下におけるBTK触媒活性に対する、本開示の存在下でのBTK触媒活性の低減の計測を、当分野において公知の種々の方法、例えば以下の実施例セクションに記載のアッセイを使用して場合により実施する。BTK活性をアッセイする他の方法は、当分野において公知である。
【0230】
実施例7
薬物−キナーゼ滞留時間の測定
以下のものは、化合物が、例えば典型的には、共有結合が化合物と標的との間で形成される場合に生じるBTKからの緩慢な解離速度または解離速度の不存在を示すかどうかを区別するために使用することができるプロトコルである。緩慢な解離についてのリードアウトは、時間分解蛍光共鳴エネルギー移動(TR−FRET)を使用して検出されるキナーゼ活性部位への高親和性蛍光トレーサー分子の結合を遮断する対象化合物の能力である。この実験は、50mMのHepes pH7.5、10mMのMgCl、0.01%のTriton X−100および1mMのEGTAからなる緩衝液中で実施した。
【0231】
手順の最初の工程は、500nMのBTK(Invitrogenカタログ番号PV3587)と1.5μMの本開示の化合物との10μLの容量での30分間のインキュベーションであった。次いで、混合物を40μLの緩衝液の添加により5倍希釈した。次いで、10μL容量の希釈キナーゼ/化合物溶液を、小容量384ウェルプレート(例えばGreinerカタログ番号784076)のウェルに添加した。キナーゼ−化合物結合相互作用の可逆性を調査するため、高親和性蛍光トレーサーおよびユウロピウムに結合して
いる抗体を両方含有する競合溶液を調製した。BTKについて、競合溶液は、1.5μMのTracer 178(Invitrogenカタログ番号PV5593)を含有し、それはフルオロフォアAlexaFluor 647に結合しているBTKについての専売高親和性リガンドである。競合溶液は、BTK中のポリヒスチジン精製タグに結合するように設計されたユウロピウムに結合している80nMの抗ポリヒスチジン抗体(Invitrogenカタログ番号PV5596)も含有した。
【0232】
10μLの競合溶液をGreinerプレートに添加した後、混合物を、非共有結合阻害剤の解離および高親和性トレーサーの結合の時間を考慮するように1時間以上インキュベートした。共有結合および緩慢解離阻害剤はトレーサーの結合を遮断する一方、急速解離非共有結合阻害剤は遮断しないことを予期することができる。BTKへのトレーサーの結合は、抗ヒスチジン抗体のユウロピウム部分とTracer 178のAlexaFluor 647基との間でTR−FRETを使用して検出する。結合は、LANCEタイプTR−FRET実験と同等のフィルターおよびミラーを備えたPerkin Elmer Envision装置(モデル2101)を使用して評価した。データは、競合化合物の不存在下で得られたシグナルの割合としてプロットした。バックグラウンドシグナルは、反応からのBTKの除外により得た。化合物が不可逆的共有結合阻害剤である場合、トレーサーは、実験の過程全体にわたり標的への結合から完全に遮断される。化合物が可逆的共有結合阻害剤である場合、トレーサーは、化合物が標的から解離するにつれて標的に結合する。
【0233】
実施例8
結合の可逆性
以下のアプローチを、標的との不可逆的共有結合を形成する化合物、例えば非シアノ含有アクリルアミド化合物を、可逆的共有結合を形成する化合物、すなわち、本開示の化合物および/または薬学的に許容可能な塩から区別するために開発した。反応物は、関心対象の化合物よりも高い濃度のタンパク質標的を用いて調製した。不可逆的共有結合化合物および可逆的共有結合化合物は両方、標的に結合し、溶液から枯渇した。次いで、反応物を、摂動、例として5Mのグアニジン塩酸塩による変性およびトリプシンによる消化の両方により処理し、標的の適切な折り畳みを撹乱させた。摂動は、標的からの解離に起因して可逆的共有結合化合物を溶液に戻す一方、不可逆的共有結合化合物は標的に結合したままであることが見出された。溶液中の化合物の濃度は、タンデム質量分析に結合した高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用して摂動の前後の両方で評価した。この技術を使用して、不可逆的共有結合化合物は、天然状態および摂動状態の両方で溶液から枯渇する一方、本明細書に開示の化合物および/または薬学的に許容可能な塩は、折り畳まれた状態で枯渇するが標的の摂動後に溶液に戻ることが実証され、そのことは、本明細書に開示の化合物および/または薬学的に許容可能な塩が可逆的共有結合を形成することを証明する。
【0234】
【表2】
【0235】
配合物実施例
以下のものは、本明細書に開示の化合物を含有する代表的な医薬配合物である。
【0236】
非経口組成物
注射による投与に好適な非経口医薬組成物を調製するため、100mgの本明細書に開示の化合物の水溶性塩を、脱イオン水中2%のHPMC、1%のTween 80(MSAによるpH2.2)中で、少なくとも20mg/mLまで適量で溶解させる。混合物を、注射による投与に好適な投与単位形態中に取り込む。
【0237】
経口組成物
経口送達のための医薬組成物を調製するため、400mgの本明細書に開示の化合物および以下の成分を緊密に混合し、単一の分割錠に打錠する。
【0238】
錠剤配合物
以下の成分を緊密に混合し、単一の分割錠に打錠する。
【0239】
【表3】
【0240】
カプセル剤配合物
以下の成分を緊密に混合し、硬シェルゼラチンカプセル剤中に充填する。
【0241】
【表4】
【0242】
吸入剤組成物
吸入送達のための医薬組成物を調製するため、20mgの本明細書に開示の化合物を50mgの無水クエン酸および100mLの0.9%の塩化ナトリウム溶液を混合する。混合物を、吸入投与に好適な吸入送達ユニット、例えばネブライザー中に取り込む。
【0243】
局所ゲル組成物
医薬局所ゲル組成物を調製するため、100mgの本明細書に開示の化合物を1.75gのヒドロキシプロピルセルロース、10mLのプロピレングリコール、10mLのイソプロピルミリステートおよび100mLの精製アルコールUSPと混合する。次いで、得られたゲル混合物を局所投与に好適な容器、例えばチューブ中に取り込む。
【0244】
点眼液組成物
医薬点眼液組成物を調製するため、100mgの本明細書に開示の化合物を、100mLの精製水中0.9gのNaClと混合し、0.2ミクロンフィルタを使用して濾過する。次いで、得られた等張液を、点眼投与に好適な点眼送達ユニット、例えば点眼剤容器中に取り込む。
【0245】
点鼻噴霧液
医薬点鼻噴霧液を調製するため、10gの本明細書に開示の化合物を、30mLの0.05Mのリン酸緩衝溶液(pH4.4)と混合する。溶液を、それぞれの適用のために100μLの噴霧物を送達するために設計された点鼻投与器中に装入する。