(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
トウ材料およびトリアセチンを含むフィルターセグメントであって、該フィルターセグメントはさらに、アミノ酸酢酸塩およびグリセリンを含む、前記フィルターセグメント。
【背景技術】
【0002】
フィルター紙巻たばこは一般的に、紙ラッパーで囲まれたたばこカットフィラーのロッドと、包まれたたばこロッドと端と端を接して並べられ、チッピングペーパーによってそれに取り付けられた円筒形のフィルターとを備える。
【0003】
従来的なフィルター紙巻たばこでは、フィルターは、一般には多孔性のプラグラップ内に包装された酢酸セルローストウである単一セグメントの濾過材料から構成しうる。別の方法として、フィルターは、主流煙の微粒子およびガス状の成分を除去するために2個以上のセグメントの濾過材料を含むマルチセグメントのフィルターとしうる。
【0004】
フィルターの生産時、トウ材料は供給から走行するウェブとして引き出され、処理される。フィルタートウは、糸が互いの隣にかつ実質的に平行に移動するよう、広くかつほとんど平坦なウェブを形成するために引き離された、互いにゆるく付着した糸の織布でできている。ウェブは、エキスパンダーノズル内で膨張させられる。一般に、トウ材料は酢酸セルロースである。膨張の後、細かく分散した形態の添加物がウェブに供給される。この添加物は、一般に液体であり、トリアセチンの小滴で形成されている。小滴は、糸が永久的に付着し合うように、糸を溶解し始める。その後、糸は集められて円筒形のロッドを形成し、フィルタープラグラップで包まれる。
【0005】
トリアセチンは、トウ材料をひとまとめにしておくのに役立つものの、トウ材料の構造をさらに長期にわたり維持するために、トリアセチンの安定性を向上させるという要望が依然として存在する。この結果、消費者にとって望ましい、より優れた構造的な剛性または硬度を持つフィルターセグメントとなる。さらに、トリアセチンを安定化させることで、主流煙に予測外の感覚的影響を与えかねないその他の化合物の生成が回避される。
【0006】
本発明によれば、喫煙物品のフィルター内で使用するフィルターセグメントが提供されており、フィルターセグメントは、トウ材料およびトリアセチンを含み、またフィルターセグメントはさらにアミノ酸酢酸塩およびグリセリンを含む。
【0007】
本発明はさらに、トリアセチンを安定化するための、トウ材料およびトリアセチンを含むフィルターセグメントにおけるアミノ酸酢酸塩およびグリセリンの用法を提供する。使用の結果、トウ材料の構造剛性または硬度が維持される。
【0008】
本発明はまた、トリアセチンをトウ材料に塗布する工程と、アミノ酸酢酸塩およびグリセリンの水溶液を前記トウ材料に塗布する工程と、その結果できるトウ材料からフィルターセグメントを形成する工程とを含む、フィルターセグメントを準備する方法を提供する。
【0009】
本明細書で使用される場合、「フィルターセグメント」という用語は、フィルターで使用するためのセグメントを描写するために使用される。「フィルターセグメント」という用語の使用は、セグメントが有意な濾過効果を持つということを意味するのではない。当然のことながら、本発明によるフィルターセグメントは、ほとんどまたは実質的に全く濾過効果を持たない。
【0010】
本発明によるフィルターセグメントは、フィルター紙巻たばこおよび材料が燃焼されて煙を形成するその他の喫煙物品用のフィルターで有利に使用しうる。本発明によるフィルターセグメントはまた、材料が燃焼ではなく加熱される喫煙物品でも使用しうる。あるタイプの加熱式喫煙物品では、たばこ材料または別のエアロゾル形成材料は、一つ以上の電気発熱体により加熱されてエアロゾルを生成する。別のタイプの加熱式喫煙物品では、エアロゾルは、可燃性燃料要素または熱源から、熱源の内部、周囲、または下流に位置しうる物理的に分離されたエアロゾル形成材料に熱を移動することにより生成される。
【0011】
トリアセチンは、一般に、例えば、トウ材料の全重量をもとにして約5%〜約10重量パーセントの酢酸セルロース製トウ材料などのトウ材料に塗布される。これは、酢酸セルロース繊維をひとまとめに結合するために使用され、消費者にとって望ましい硬度および構造統合性がフィルターに提供される。トリアセチンの含量は、約10mg〜約65mgであることが好ましく、約15mg〜約60mgであることがより好ましい。トリアセチンの含量は、Coresta Recommended Method方法No. 59(2004年6月)に記載されたものなど、標準的ガスクロマトグラフ分析を使用して、計算することができる。
【0012】
アミノ酸酢酸塩がトリアセチンの安定性を高めることができ、それがさらに、より長い時間にわたるトウ材料の構造統合性の維持に役立つことが分かっている。
【0013】
アミノ酸酢酸塩の含量は、約1mg〜15mgであることが好ましい。アミノ酸酢酸塩の含量は、約4mg〜12mgであることがより好ましい。約1mg未満では、アミノ酸酢酸塩はトリアセチンの適切な安定化は行わず、一方で、約15mgを超えると、アミノ酸酢酸塩はわずかに苦味を出すことがある。
【0014】
アミノ酸酢酸塩はリジン酢酸塩であることが好ましい。
【0015】
フィルターセグメントはさらに、グリセリンを含む。グリセリングリセリンは、アミノ酸酢酸塩と組み合わせると、トリアセチンの安定性をさらに高める。
【0016】
グリセリンの含量は、約10mg〜約25mgであることが好ましく、約12mg〜約20mgであることがより好ましい。
【0017】
アミノ酸酢酸塩およびグリセリンの含量は、標準ガスクロマトグラフ分析を使用して計算できる。
【0018】
フィルターセグメントは、フィルタープラグラップで包まれることが好ましい。「フィルタープラグラップ」という用語は、たばこ産業で一般に、フィルター紙巻たばこフィルターロッドを囲むラッパーを描写するのに使用される。フィルタープラグラップは、多数の供給業者から商業的に入手可能である。
【0019】
商業的に入手可能な任意のフィルタープラグラップをフィルターセグメントと共に使用しうるが、ISO 2965:2009に従い測定した空気浸透性が約6000コレスタ単位〜約24000コレスタ単位を持つフィルタープラグラップが望ましいことがこれまでに分かっている。
【0020】
空気浸透性が約6000コレスタ単位〜約24000コレスタ単位であるフィルタープラグラップは、優れた液体吸収能力を持つ。理論に束縛されるものではないが、こうしたフィルタープラグラップの開放構造は、大量の液体の吸収を可能とする。
【0021】
本発明で使用するためのフィルタープラグラップは、本発明によるフィルターセグメントの製造時に、破損に耐える充分に強い引張強さを持つことが好ましい。本発明で使用するためのフィルタープラグラップは、ISO 1924-2:2008で設定された原則に基づき、幅15mmのサンプルについて、一定の伸張率8mm/分での破断点引張強さが少なくとも約20 N/15mmであることがより好ましい。
【0022】
本発明で使用するためのフィルタープラグラップは、単繊維および長繊維の混合物を含むパルプから製造されることが好ましい。短繊維には、限定はされないが、ポプラ、ブナ、カバノキ、クリ、ユーカリ、ゴム、カエデ、カシ、ポプラおよびクルミなどの堅木繊維がある。長繊維には、限定はされないが、例えば、ヒマラヤスギ、モミ、マツ、アメリカスギおよびエゾマツなどの軟木繊維や、マニラ麻、アマ、大麻、ケナフ麻およびサイザル麻などの非木材繊維がある。
【0023】
本発明で使用するためのフィルタープラグラップは、約60%〜約90重量パーセント軟木繊維(例えば、ヒマラヤスギ、モミ、マツ、アメリカスギ、エゾマツおよびその混合物など)、約10%〜約40重量パーセントの堅木繊維(例えば、ポプラ、ブナ、カバノキ、クリ、ユーカリ、ゴム、カエデ、カシ、ポプラ、クルミおよびその混合物など)、および約0%〜約40重量パーセントの非木材繊維(例えば、マニラ麻、アマ、大麻、ケナフ麻、サイザル麻およびその混合物など)を含む、パルプから製造されることが好ましい。
【0024】
本発明での使用に適切なフィルタープラグラップは、当該技術分野において公知であり、多数の供給業者から商業的に入手可能である。
【0025】
トウ材料には、アミノ酸酢酸塩およびグリセリンがふんだんに含まれている。
【0026】
トウ材料には、例えば、少なくとも一つの液体煙改質剤をトウ材料に浸漬、吹き付けまたはその他の方法で塗布することにより、少なくとも一つの液体煙改質剤をふんだんに含めることができる。
【0027】
本明細書で使用される場合、煙改質剤という用語は、使用中に、フィルターセグメントを通過する主流煙の一つ以上の特徴または属性を変化させる任意の物質を描写するために使用される。適切な煙改質剤には、限定はされないが、使用中に、フィルターセグメントを通過する主流煙に味覚または芳香を与える物質、および化学感覚剤がある。例えば、トウ材料には、一つ以上の液体芳香成分をふんだんに含めうる。
【0028】
フィルターセグメントの引き出し抵抗(RTD)は、ISO 6565:2002に従い測定するとき、約40 mm WG〜約100 mm WGであることが好ましく、約70 mm WGであることがより好ましい。
【0029】
フィルターセグメントの長さは、約5 mm〜約22 mmであることが好ましく、約8 mm〜約18 mmであることがさらに好ましく、約15 mmであることが最も好ましい。
【0030】
一定の実施形態で、フィルターセグメントの直径は、約0.5 mm〜約3 mmである。
【0031】
本発明によるフィルターセグメントは、既存の方法および装置を使用し、喫煙物品のフィルター用の公知のフィルターセグメントを形成して製造されうる。
【0032】
本発明によれば、本発明用のフィルターセグメントを備えた喫煙物品のためのフィルターも提供されている。
【0033】
本明細書で使用される場合、「フィルター」という用語は、喫煙物品用のマウスピースを描写するために使用される。「フィルター」という用語の使用は、フィルターが有意な濾過効果を持つということを意味するのではない。当然のことながら、本発明によるフィルターは、ほとんどまたは実質的に全く濾過効果を持たない。これは、上記で既に説明した、または不燃性の喫煙物品の種類の加熱式喫煙物品で使用される本発明によるフィルターでは特にそうである。
【0034】
本発明によるフィルターの外径は、約4.5 mm〜約8.5 mmであることが好ましく、約7.7 mm〜約8.1 mmであることがさらに好ましく、約7.9 mmであることが最も好ましい。
【0035】
本発明によるフィルターの全長は、約17 mm〜約36 mmであることが好ましく、約24 mm〜約30 mmであることがさらに好ましく、約27 mmであることが最も好ましい。
【0036】
本発明によるフィルターの全体的封入通気抵抗(RTD)は、ISO 6565:2002に従い測定するとき、約100 mm WG(水位計)〜約180 mm WGであることが好ましい。
【0037】
本発明によるフィルターは、単一セグメントのフィルターとしうる。
【0038】
代替的な方法として、本発明によるフィルターは、本発明によるフィルターセグメントおよび少なくとも一つ追加的なフィルターセグメントを備えた、マルチセグメントのフィルターとしうる。
【0039】
マルチセグメントの本発明によるフィルターは、本発明による一つ以上の追加的なフィルターセグメント、または本発明によらない一つ以上の追加的なフィルターセグメント、またはその任意の組合せを含みうる。
【0040】
マルチセグメントの本発明によるフィルターは、本発明によるフィルターセグメントの上流に、一つ以上の追加的なフィルターセグメントを含みうる。代替的または追加的な方法として、マルチセグメントの本発明によるフィルターは、本発明によるフィルターセグメントの下流に一つ以上の追加的なフィルターセグメントを含みうる。
【0041】
明細書全体を通して、「上流」および「下流」という用語は、その使用中にフィルターを通して吸い込まれる主流煙の方向に関して本発明によるフィルターの構成要素の相対的な位置を描写するために使用される。
【0042】
マルチセグメントの本発明によるフィルターは、本発明によるフィルターセグメントをその口側の端(つまりマルチセグメントのフィルターの下流端)に備えることが好ましい。本発明によるフィルターセグメントは、実質的にフィルターセグメントと同じ長さの、一つ以上の色付きの糸またはその他の色付きの細長い基質を備えうる。マルチセグメントのフィルターの口側の端の一つ以上の色付きの細長い基質の下流端は、消費者から見えることが好ましい。基質の色は、消費者に対して、基質とともにふんだんに含まれている煙改質剤のタイプを示すために使用されうる。
【0043】
本発明によるマルチセグメントのフィルターの個々のフィルターセグメントの長さは、約5 mm〜約22 mmであることが好ましく、約8 mm〜約18 mmであることがより好ましく、約15 mmであることが最も好ましい。
【0044】
マルチセグメントの本発明によるフィルターは、例えば、一つ以上の濾過材料、一つ以上の吸収材、一つ以上の触媒、一つ以上の芳香成分またはその任意の組合せを含む、追加的なフィルターセグメントを含みうる。
【0045】
本発明によるマルチセグメントのフィルターの追加的なフィルターセグメントに含めるための適切な吸収材は、当該技術分野において公知であり、活性炭、活性アルミナ、沸石、分子ふるい、シリカゲルおよびその組み合わせなどがあるが、これに限定されない。
【0046】
本発明によるマルチセグメントのフィルターの追加的なフィルターセグメントに含めるための適切な触媒は、当該技術分野において公知であり、主流煙中の一酸化炭素を二酸化炭素に変換するための触媒や、主流煙中の一酸化窒素を窒素に変換するための触媒、例えば、酸化鉄および酸化銅などがあるが、これに限定されない。
【0047】
本発明によるマルチセグメントのフィルターの追加的なフィルターセグメントに含めるための適切な芳香成分は、当該技術分野において公知である。
【0048】
フィルターセグメントは、実質的に全く濾過能力を持たない、マルチセグメントのフィルターの口側の端に位置する中空管または窪みで構成されうる。口側の端のフィルターセグメントが中空管または窪みである場合、口側の端のフィルターセグメントは、フィルターが、可燃性の喫煙物品を形成するためのチッピングペーパーによって、例えば喫煙可能材料のロッドに、取り付けられるときに形成されうる。
【0049】
口側の端のフィルターセグメントの長さは、約3 mm〜約12 mmであることが好ましく、約6 mm〜約8 mmであることがさらに好ましい。口側の端のフィルターセグメントが中空管または窪みを備える場合、口側の端のフィルターセグメントの長さは、約3 mm〜約6 mmであることが好ましい。
【0050】
口側の端のフィルターセグメントの通気抵抗は、ISO 6565:2002に従い測定されるとき、約20 mm WG以下であることが好ましい。
【0051】
口側の端のフィルターセグメントは、フィルターを備えた喫煙物品の望ましい全体的な通気抵抗を達成する目的で、本発明によるフィルターの全体的な通気抵抗のバランスをとるために、本発明によるフィルターセグメントの下流に有利に含めうる。例えば、口側の端のフィルターセグメントが酢酸セルロース製トウのプラグを備える場合、マルチセグメントのフィルター望ましい全体的な通気抵抗を達成する目的で、フィラメント毎のデニールおよびトウのデニール全体を選択しうる。口側の端のフィルターセグメントが酢酸セルロース製トウのプラグを備える場合、酢酸セルロース製トウは、約5以上のフィラメント毎に1デニールであることが好ましい。
【0052】
本発明によるフィルターは、「低タール」のフィルター紙巻たばこ用、および特に、総乾燥粒状物ニコチン(NFDPM)または「タール」送達が約4 mg〜約6 mgである「低タール」の通気口付きフィルター紙巻たばこ用、および総乾燥粒状物ニコチン(NFDPM)または「タール」送達が約3 mg以下である「超低タール」のフィルター紙巻たばこ用のフィルターとして、特に有利に使用されうる。
【0053】
ただし、当然のことながら、フィルターは、高めの総乾燥粒状物ニコチン(NFDPM)または「タール」送達を持つ、例えば、総乾燥粒状物ニコチン(NFDPM)または「タール」送達が約6 mg以上であるフィルター紙巻たばこおよびその他の喫煙物品用のフィルターとして使用しうる。
【0054】
本発明によれば、本発明によるフィルターを備えた喫煙物品も提供されている。
【0055】
本発明による喫煙物品の全長は、約68 mm〜約128 mmであることが好ましく、約84 mmであることがより好ましい。
【0056】
本発明による喫煙物品は、包装された喫煙可能材料のロッドおよび本発明によるフィルターを備える可燃性の喫煙物品としうる。
【0057】
喫煙可能材料は、たばこカットフィラーであることが好ましい。
【0058】
喫煙可能材料のロッドは、紙巻たばこ用紙で包まれることが好ましい。
【0059】
フィルターは、チッピングペーパーによって喫煙可能材料のロッドに取り付けられることが好ましい。チッピングペーパーは、全長のうち少なくとも一部分に沿って透明としうる。
【0060】
本発明による可燃性の喫煙物品は、消費者によって喫煙可能材料のロッドからフィルターを通して吸い込まれる主流煙を換気する目的で、フィルターに沿った位置に円周方向に少なくとも1列の穿孔をさらに備えることが好ましい。
【0061】
円周方向に少なくとも1列の穿孔は、フィルターの口側の端から少なくとも12 mmに位置することが好ましい。
【0062】
本発明による可燃性の喫煙物品の換気は、ISO 9512:2002に従い測定したとき、約40%〜約80%であることが好ましく、約70%であることがより好ましい。
【0063】
本発明による換気口付きの可燃性の喫煙物品の通気抵抗(RTD)は、ISO 6565:2002に従い測定したとき、約60 mm WG〜約110 mm WGであることが好ましい。
【0064】
本発明による可燃性の喫煙物品の総乾燥粒状物ニコチン(NFDPM)または「タール」送達は、約0.2 mg〜約12 mgであることが好ましく、約4 mg〜約10 mgであることがより好ましく、約7 mg以下であることが最も好ましい。
【0065】
本発明による喫煙物品は、代替的な方法として、不燃性の喫煙物品としうる。例えば、本発明による喫煙物品は、上記に既に説明した種類の加熱式喫煙物品としうる。