(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の好適な実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
(パチンコ機Pの外部構成)
本形態に係る遊技機は、遊技媒体として遊技球を使用するパチンコ機Pである。特に図示していないが、パチンコ機Pが設置される遊技場においては、島と呼ばれる遊技機の設置領域に、複数台のパチンコ機Pが並べて配設されるとともに、遊技球を貸し出すための遊技球貸出装置が各パチンコ機Pに隣接して設置される。また、各パチンコ機Pは対応する遊技球貸出装置Rに接続されている。
遊技球貸出装置Rは、紙幣の投入や遊技球の貸し出しに必要な価値情報が記憶される記憶媒体(カード)の挿入が可能となっている。そして、遊技球貸出装置Rに紙幣を投入(又は、カードを挿入)した上で、パチンコ機Pに対して所定の操作を行うことにより、遊技球貸出装置Rから遊技球の貸し出しを受けることができるようになっている。
【0013】
本形態に係るパチンコ機Pは、
図1又は
図2に示すように、島に固定される四角形状の枠体であって、中空部(特に図示しておらず)を有する機枠1と、この機枠1にヒンジ機構(特に図示しておらず)により開閉自在に取り付けられる四角形状の枠体であって、中空部(特に図示しておらず)を有する本体枠2と、この本体枠2にヒンジ機構(特に図示しておらず)により開閉自在に取り付けられ、正面に開口部(特に図示しておらず)が形成された前扉3と、を備えている。
【0014】
機枠1の左下部には、
図2に示すように、音声出力装置10としてのスピーカが設けられている。また、本体枠2の中空部には、遊技領域12を形成するための遊技盤11が収容されている。また、前扉3には、開口部を覆う透明板4と、透明板4の下方に位置し遊技球を受容可能な上皿6及び受皿7と、受皿7の右方に取り付けられ遊技球の発射操作を行うための操作ハンドル5と、透明板4の左右上方にそれぞれ1個ずつ取り付けられた音声出力装置10としてのスピーカと、が設けられている。
【0015】
このパチンコ機Pでは、機枠1に対して本体枠2を閉じ、さらに、前扉3を閉じると、遊技盤11の前方に間隙を挟んで透明板4が位置することとなる。これにより、透明板4を介して、後方に位置する遊技盤11を視認することができるようになっている。
【0016】
また、上皿6には、遊技球貸出装置Rにより貸し出される遊技球や、パチンコ機Pから払い出される賞球が導かれるようになっている。上皿6は、所定量の遊技球を受容可能となっているが、この上皿6が遊技球で一杯になると、その後に貸し出されたり、払い出されたりする遊技球は受皿7に導かれるようになっている。また、受皿7の底面には、特に図示していないが、貯留されている遊技球を排出するための排出孔と、排出孔を開閉可能な開閉板と、が設けられている。常態において、排出孔は開閉板により閉じられているものの、開閉板と一体に取り付けられた開閉レバー8(
図1参照)を横方向に移動させることで、開閉板も同方向に移動し、排出孔が開放される。これにより、遊技球を排出孔から落下させて、受皿7の外に排出することができるようになっている。
【0017】
また、操作ハンドル5は、遊技者が所定方向へ向けて回転操作できるように形成されている。そして、遊技者が操作ハンドル5を回転操作すると、上皿6に受容されている遊技球が発射装置(特に図示しておらず)に送られ、操作ハンドル5の回転角度に応じた強度で、発射装置によって遊技球が遊技領域12へ向けて発射される。このように発射された遊技球は、遊技盤11に固定された一対のレール13a、13bに案内されて上昇し、遊技領域12に到達する。
【0018】
ここで、遊技領域12は、機枠1に対し本体枠2及び前扉3を閉じた状態で遊技盤11と透明板4との間に形成される空間のうち、遊技盤11に固定された一対のレール13a、13bにより略円形状に仕切られた部分であって、遊技球が流下可能な領域である。
この遊技領域12は、
図3に示すように、パチンコ機Pに対向する遊技者から見て左側の領域である第1遊技領域12aと、パチンコ機Pに対向する遊技者から見て右側の領域である第2遊技領域12bとから構成されている。これら2つの遊技領域12は、発射装置の発射強度により、遊技球の進入可能性が異なるようになっている。具体的には、発射装置の発射強度が所定の強度未満(発射装置により発射される遊技球が遊技領域12の最高地点に到達しない程度の強度)の場合には、遊技球は第1遊技領域12aに進入する。これに対して、発射装置の発射強度が所定の強度以上(発射装置により発射される遊技球が遊技領域12の最高地点に到達可能な強度)の場合には、遊技球は第2遊技領域12bに進入する。
【0019】
また、この遊技領域12内には、
図3に示すように、遊技球の流下方向を不規則にするための風車及び多数の釘と、遊技球が入球可能な一般入賞口14と、始動領域としての第1始動入賞口15及び第2始動入賞口16と、遊技球が通過可能なゲート20と、所定条件を満たすことで作動する第1アタッカー装置17及び第2アタッカー装置54と、遊技球を遊技領域12外へ導くアウト口19と、遊技の進行等に伴って演出を行う演出装置としての演出表示装置21と、が設けられている。
【0020】
一般入賞口14は、
図3に示すように、遊技領域12の左側下部に設けられており、当該一般入賞口14へ遊技球が入球すると、所定個数の賞球が払い出される。
なお、一般入賞口14の設置個数や設置位置は特に限定されるものではない。
【0021】
第1始動入賞口15は、
図3に示すように、遊技領域12の中央からやや下寄りの位置に設けられている。この第1始動入賞口15へは、第1遊技領域12aを流下する遊技球が入球可能となっており、第2遊技領域12bを流下する遊技球はほぼ入球できないようになっている。これに対して、第2始動入賞口16は、
図3に示すように、遊技領域12の中央から右寄りの位置(すなわち、第2遊技領域12b内)に設けられている。この第2始動入賞口16へは、第2遊技領域12bを流下する遊技球が入球可能となっており、第1遊技領域12aを流下する遊技球はほぼ入球できないようになっている。
【0022】
また、第2始動入賞口16には、
図3に示すように、開閉可能な可動片16b(普通電動役物)が設けられている。そして、可動片16bが閉じているときには第2始動入賞口16が閉状態となっており、第2始動入賞口16への遊技球の入球は不可能又は困難である。これに対して、可動片16bが開くと、第2始動入賞口16が開状態となるとともに、この可動片16bが遊技球を第2始動入賞口16へ向けて案内するガイド部材として機能することにより、第2始動入賞口16への遊技球の入球が容易となる。
また、この可動片16bの構成は特に限定されるものではなく、たとえば、遊技盤11に直交する軸を中心に左右方向に回動して第2始動入賞口16を開閉する一対の羽根部材や、水平な軸を中心に前後方向に回動して第2始動入賞口16を開閉する蓋部材により構成してもよいし、また、上下方向にスライドして第2始動入賞口16を開閉するシャッター部材により構成してもよい。
なお、第1始動入賞口15や第2始動入賞口16の設置位置は特に限定されるものではなく、たとえば、第1始動入賞口15や第2始動入賞口16は、いずれの遊技領域12(第1遊技領域12a、第2遊技領域12b)を流下する遊技球も入球しやすいような位置に配置してもよい。
【0023】
そして、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、所定個数の賞球が払い出されるとともに、予め定められた複数の特別図柄の中からいずれか1の特別図柄を決定するための抽選が行われる。各特別図柄には、遊技者にとって有利な特別遊技の実行の可否、特別遊技の内容(たとえば、特別遊技中のラウンド遊技における第2大入賞口55の開閉パターン)等が対応付けられており、決定された特別図柄の種類に応じて、特別遊技の実行等の遊技利益を受けられるようになっている。
なお、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて払い出される賞球は、1個以上であれば特に限定されるものではなく、いかなる個数にしてもよい。また、可動片16bが設けられている始動入賞口(第2始動入賞口16)と可動片16bが設けられていない始動入賞口(第1始動入賞口15)とでは、賞球の数を同一にしてもよいし、異ならせてもよい。
【0024】
ゲート20は、
図3に示すように、第2始動入賞口16の上方に設けられている。このゲート20を遊技球が通過すると、後述する普通図柄の抽選が行われる。そして、当該抽選の結果が当たりであった場合、上述の第2始動入賞口16に設けられた可動片16bが所定時間開かれるようになっている。
【0025】
第1アタッカー装置17は、
図3に示すように、第2始動入賞口16の下方に設けられている。この第1アタッカー装置17は、遊技球が入球可能な第1大入賞口18と、この第1大入賞口18を開閉する第1開閉扉18bと、を備えている。この第1開閉扉18bは、第1大入賞口18を開放する開位置と、第1大入賞口18を閉鎖する閉位置との間を変位可能となっている。
そして、常態においては、第1開閉扉18bが閉位置に位置し(すなわち、第1開閉扉18bが閉じられ)第1大入賞口18は閉鎖されているため、当該第1大入賞口18への遊技球の入球は不可能となっているものの、上述の特別遊技が実行されると、後述の第2入賞口55が開放される特定のラウンド遊技以外のラウンド遊技(本形態では、1ラウンド〜3ラウンド、及び、6ラウンド〜10ラウンド)において、第1開閉扉18bが開位置に位置し(すなわち、第1開閉扉18bが開き)第1大入賞口18が開放されるとともに、第1開閉扉18bが遊技球を第1大入賞口18へ導く受皿部材として機能することにより、第1大入賞口18への遊技球の入球が可能となる。
また、当該第1大入賞口18へ遊技球が入球すると、所定個数の賞球が払い出される。
なお、特に図示していないが、第1大入賞口18内には、第1大入賞口18へ入球した遊技球を第1大入賞口18外へ排出するための第1大入賞口排出口も設けられている。
【0026】
第2アタッカー装置54は、
図3に示すように、第1アタッカー装置17の下方に設けられている。この第2アタッカー装置54は、遊技球が入球可能な第2大入賞口55と、この第2大入賞口55を開閉する第2開閉扉55bと、を備えている。この第2開閉扉55bは、第2大入賞口55を開放する開位置と、第2大入賞口55を閉鎖する閉位置との間を変位可能となっている。
そして、常態においては、第2開閉扉55bが閉位置に位置し(すなわち、第2開閉扉55bが閉じられ)第2大入賞口55は閉鎖されているため、当該第2大入賞口55への遊技球の入球は不可能となっているものの、上述の特別遊技が実行されると、特定のラウンド遊技(本形態では、4ラウンド及び5ラウンド)において、第2開閉扉55bが開位置に位置し(すなわち、第2開閉扉55bが開き)第2大入賞口55が開放されるとともに、第2開閉扉55bが遊技球を第2大入賞口55へ導く受皿部材として機能することにより、第2大入賞口55への遊技球の入球が可能となる。
また、当該第2大入賞口55へ遊技球が入球すると、所定個数の賞球が払い出される。
【0027】
図4に示すように、第2アタッカー装置54の内部には、第2大入賞口55へ入球した遊技球が進入可能な特定領域57及び一般領域58が設けられている。また、第2アタッカー装置54の内部は、左端から右端へ向けて次第に低くなるように傾斜している。
また、
図4(a)〜(c)に示すように、第2アタッカー装置54の内部には、特別領域57を開閉可能なシャッター部59が設けられている。このシャッター部59は、遊技盤11に対して突没可能な板部材となっており、特別遊技の実行中は、予め定められた作動パターンで突没を繰り返すようになっている。そして、シャッター部59が遊技盤11から突出しているときには特別領域57が閉状態となり、第2アタッカー装置54内の底部を転動してきた遊技球は、特別領域57へ進入することができず、一般領域58へ進入することとなる。これに対して、シャッター部59が遊技盤11に没入しているときには特別領域57が開状態となり、第2アタッカー装置54内の底部を転動してきた遊技球は、特別領域57又は一般領域58のいずれかに進入することとなる。このように、第2アタッカー装置54の内部に進入した(第2大入賞口55へ入球した)遊技球が特別領域57へ進入するか否かは、第2アタッカー装置54内に遊技球が進入するタイミング、シャッター部59の突没のタイミング等に委ねられることとなる。
なお、シャッター部59は上述のような構成に限定されるものではなく、たとえば、特定領域57と一般領域58とを交互に開閉するような構成としてもよい。また、シャッター部59は設けなくてもよい。
【0028】
また、
図4(b)及び(c)に示すように、第2アタッカー装置54には、特定領域57へ進入した遊技球を第2大入賞口55外へ排出するための特定領域排出口57bと、一般領域58へ進入した遊技球を第2大入賞口55外へ排出するための一般領域排出口58bと、が設けられている。すなわち、特定領域57へ進入した遊技球は、特定領域57と特定領域排出口57bとをつなぐ排出通路57cに導かれて当該特定領域排出口57bへ至り、第2大入賞口55の外部(遊技盤11の背面側)へ排出されるようになっている。これに対して、一般領域58へ進入した遊技球は、一般領域58と一般領域排出口58bとをつなぐ排出通路58cに導かれて当該一般領域排出口58bへ至り、第2大入賞口55の外部(遊技盤11の背面側)へ排出されるようになっている。
【0029】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、決定された特別図柄の種類に応じて、特定のラウンド遊技における第2開閉扉55bの開閉の態様(開閉パターン)が異なるように設定されている。
さらに、本形態に係るパチンコ機Pでは、特定のラウンド遊技中に所定数(本形態では1個)の遊技球が特定領域57へ進入した場合、特別遊技の終了後の遊技状態が、遊技者にとって有利な遊技状態である高確率遊技状態及び時短遊技状態を組み合わせた遊技状態に設定されるようになっている。これに対して、特定のラウンド遊技中に所定数(1個)の遊技球が特定領域57へ進入しなかった場合(すなわち、第2大入賞口55へ入球した遊技球がすべて一般領域58へ進入した場合)、特別遊技の終了後の遊技状態が、低確率遊技状態及び時短遊技状態を組み合わせた遊技状態に設定されるようになっている。
第2開閉扉55bの開閉パターン、及び、遊技状態の設定に関しては、後程詳述する。
【0030】
アウト口19は、
図3に示すように、遊技領域12の最下部に設けられており、一般入賞口14、第1始動入賞口15、第2始動入賞口16、第1大入賞口18及び第2大入賞口55のいずれにも入球しなかった遊技球を受け入れるものである。そして、アウト口19に受け入れられた遊技球は、遊技盤11の背面側に導かれ回収される。
【0031】
演出表示装置21は、
図3に示すように、遊技領域12の略中央に設けられている。本形態に係るパチンコ機Pでは、この演出表示装置21として液晶表示装置が用いられている。また、この演出表示装置21には、動画や静止画等の画像を表示するための表示部21aが設けられており、この表示部21aには、背景画像が表示されるほか、所定の演出態様の一部として、演出図柄50(ダミー図柄)が変動表示されるようになっている。そして、各演出図柄50の停止表示態様により、後述する抽選の結果が遊技者に報知されることとなる。
なお、演出表示装置21は、液晶表示装置に限定されるものではなく、たとえば、外周に図柄が付された複数のドラムを用いて各種表示を行うドラム式の表示装置等を用いてもよい。
【0032】
本形態に係るパチンコ機Pは、演出装置として、演出表示装置21のほか、上述の音声出力装置10としてのスピーカや、種々の色や点灯パターンで発光することにより演出を行う演出照明装置23としてのランプ(
図2参照)を備えている。
なお、演出装置としては、これらに限定されるものではなく、たとえば、種々のタイミングや態様で可動する演出役物装置等を備えてもよい。
また、上皿6の前方位置には、遊技者が操作することにより遊技中や待機中等に実行される演出の進行や切り替えが可能な演出操作装置9が設けられている。本形態における演出操作装置9は、円形リング状の枠体であって回転操作が可能な操作ダイヤル9aと、操作ダイヤル9aに嵌め込まれており押下操作が可能な操作ボタン9bとから構成されている。
【0033】
また、
図3に示すように、遊技盤11の右下部であって、かつ、遊技領域12の外側には、遊技についての種々の状況を表示するための装置として、第1特別図柄表示装置30、第2特別図柄表示装置31、第1特図保留表示装置38、第2特図保留表示装置39、普通図柄表示装置32及び普通図柄保留表示装置33が設けられている。
【0034】
また、上述の如く、本形態に係るパチンコ機Pには、遊技球貸出装置Rが電気的に接続されているが、遊技球の貸し出しやカードの排出等の遊技球貸出装置Rに対する操作を、パチンコ機Pで受け付けられるようにしている。そのため、パチンコ機Pには、
図1に示すように、カードに記憶されている価値情報(残高情報)を表示する価値情報表示装置35と、押下操作が可能な球貸ボタン36と、押下操作が可能なカード返却ボタン37と、が設けられている。
【0035】
(パチンコ機Pの制御手段の構成)
次に、パチンコ機Pの遊技や演出を制御する制御手段について説明する。
上述の制御手段は各種制御基板により構成されており、具体的には、
図5に示すように、パチンコ機Pの遊技の基本動作を制御する主制御基板100、遊技球の発射及び賞球の払い出しを制御する発射払出制御基板200、各種演出を制御する副制御基板300、及び、遊技球貸出装置Rへの操作を中継する遊技球貸出装置制御基板400を備えている。
【0036】
また、
図5に示すように、主制御基板100には、発射払出制御基板200及び副制御基板300が接続され、また、発射払出制御基板200には、遊技球貸出装置制御基板400が接続されている。
さらに、主制御基板100及び発射払出制御基板200には、遊技進行上の種々の情報をパチンコ機Pの外部(たとえば、遊技場のホールコンピュータ等)に出力するための外部情報端子基板500が接続されている。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、発射払出制御基板200が遊技球の発射及び賞球の払い出しの双方を制御しているが、遊技球の発射を制御する基板(発射制御基板)と、賞球の払い出しを制御する基板(払出制御基板)とを別個に設けてもよい。
【0037】
主制御基板100は、主にパチンコ機Pにおいて行われる遊技を制御するものであり、具体的には、遊技球が第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ入球することを契機に開始される特図遊技、及び、遊技球がゲート20を通過することを契機に開始される普図遊技を制御する。
この主制御基板100は、
図5に示すように、各種演算処理を行うメインCPU101と、遊技を進行するための制御プログラム、遊技に必要なデータやテーブル等を格納するメインROM102と、演算処理時の一時記憶領域等として用いられるメインRAM103と、を備えている。
そして、メインCPU101は、後述する各検出センサやタイマからの信号に基づき、メインROM102に格納されている制御プログラムを読み出して演算処理を行うとともに、メインCPU101に接続されている各種装置の制御や、演算処理の結果に基づく他の基板へのコマンド送信等を行う。
【0038】
また、
図5に示すように、主制御基板100には、一般入賞口14へ遊技球が入球したことを検出する一般入賞口検出センサ14aと、第1始動入賞口15へ遊技球が入球したことを検出する第1始動入賞口検出センサ15aと、第2始動入賞口16へ遊技球が入球したことを検出する第2始動入賞口検出センサ16aと、第1大入賞口18へ遊技球が入球したことを検出する第1大入賞口検出センサ18aと、第2大入賞口55へ遊技球が入球したことを検出する第2大入賞口検出センサ55aと、ゲート20を遊技球が通過したことを検出するゲート検出センサ20aと、遊技盤11に向けられる磁気や電波等を検出する不正検出センサ35と、特定領域57へ遊技球が進入したことを検出する特定領域検出センサ57aと、一般領域58へ遊技球が進入したことを検出する一般領域検出センサ58aと、が接続されている。そして、これらの各検出センサから出力される検出信号が、主制御基板100に入力されるようになっている。
なお、特に図示していないが、上述の特定領域検出センサ57aは、特定領域57と特定領域排出口57bとをつなぐ排出通路57c(
図4(b)及び(c)参照)内に設けられており、上述の一般領域検出センサ58aは、一般領域58と一般領域排出口58bとをつなぐ排出通路58c(
図4(b)及び(c)参照)内に設けられている。そして、上述の如く、特定領域57へ進入した遊技球は特定領域排出口57bから第2大入賞口55の外部へ排出され、一般領域58へ進入した遊技球は一般領域排出口58bから第2大入賞口55の外部へ排出されるようになっている。したがって、第2大入賞口55から排出される遊技球は、必ず、上述の特定領域検出センサ57a及び一般領域検出センサ58aにより検出されることとなる。すなわち、上述の特定領域検出センサ57a及び一般領域検出センサ58aは、第2大入賞口55から遊技球が排出されたことを検出するセンサとして機能するようにもなっている。
【0039】
さらに、主制御基板100には、制御の対象となる機器として、第2始動入賞口16の可動片16bを開閉駆動する始動入賞口ソレノイド16cと、第1大入賞口18の第1開閉扉18bを開閉駆動する第1大入賞口ソレノイド18cと、第2大入賞口55の第2開閉扉55bを開閉駆動する第2大入賞口ソレノイド55cと、シャッター部59を突没駆動するシャッター部ソレノイド59cと、第1特別図柄表示装置30と、第2特別図柄表示装置31と、普通図柄表示装置32と、第1特図保留表示装置38と、第2特図保留表示装置39と、普通図柄保留表示装置33と、が接続されている。
そして、主制御基板100によって、各ソレノイドが駆動されることで第2始動入賞口16、第1大入賞口18、第2大入賞口55の開閉制御やシャッター部59の突没制御がなされ、また、各表示装置の表示制御がなされるようになっている。
【0040】
発射払出制御基板200は、特に図示していないが、主制御基板100と同様に、CPU、ROM及びRAMを備えており、主制御基板100と双方向に通信可能となるように接続されている。
【0041】
図5に示すように、発射払出制御基板200には、遊技球の発射を制御するための機器として、操作ハンドル5に遊技者が触れたことを検出するタッチセンサ5aと、操作ハンドル5の操作角度(回転角度)を検出する操作ボリューム5bと、遊技球の発射を停止する発射停止スイッチ5cと、上皿6に受容されている遊技球を発射装置(図示しておらず)に送る球送りソレノイド60と、遊技球を発射する発射モータ61と、が接続されている。また、タッチセンサ5a、操作ボリューム5b及び発射停止スイッチ5cから出力される制御信号が、発射払出制御基板200に入力されるようになっている。
【0042】
そして、タッチセンサ5a及び操作ボリューム5bからの制御信号が発射払出制御基板200に入力されると、球送りソレノイド60及び発射モータ61を通電して遊技球を発射させる制御がなされる。これに対して、発射停止スイッチ5cからの制御信号が発射払出制御基板200に入力されると、球送りソレノイド60及び発射モータ61の通電を止めて遊技球の発射を停止させる制御がなされる。
なお、遊技球を発射する装置としては、発射モータ61ではなく、ロータリーソレノイドを用いてもよい。
【0043】
また、発射払出制御基板200には、
図5に示すように、遊技球の払い出しを制御するための機器として、遊技球貯留部(特に図示しておらず)に貯留されている遊技球を賞球として払い出す払出モータ62と、払い出された遊技球を検出して計数する払出計数スイッチ63と、が接続されている。そして、主制御基板100から送信される払出数コマンドを発射払出制御基板200が受信すると、当該発射払出制御基板200は、この払出数コマンドに基づいて所定個数の遊技球(賞球)を払い出すように払出モータ62を制御する。このとき、払い出された遊技球の個数が払出計数スイッチ63によって計数され、所定個数の遊技球(賞球)が払い出されたか否かの判定が可能となっている。
【0044】
さらに、発射払出制御基板200には、
図5に示すように、前扉3の開放状態を検出する前扉開放検出センサ3aと、受皿7の満タン状態を検出する受皿満タン検出センサ7aと、が接続されている。
【0045】
前扉開放検出センサ3aは、前扉3が開放されていることを検出すると開放検出信号を発射払出制御基板200に出力するようになっており、前扉3の開放中は、開放検出信号が連続して出力される。そして、発射払出制御基板200は、開放検出信号が入力されると、扉開放コマンドを主制御基板100に送信する。これに対して、開放検出信号の入力が止まると、前扉3が閉じられたと判断し、扉閉鎖コマンドを主制御基板100に送信する。
【0046】
受皿満タン検出センサ7aは、賞球として払い出される遊技球を上皿6から受皿7に導く案内通路の所定位置に設けられており、遊技球が当該所定位置を通過するたびに、検出信号が発射払出制御基板200に出力されるようになっている。そして、受皿7に所定量以上の遊技球が貯留されて満タン状態になると、案内通路内に遊技球が滞留し、検出信号が発射払出制御基板200に対して連続的に出力されることとなる。発射払出制御基板200は、検出信号が所定時間連続して入力されることにより、受皿7が満タン状態であると判断して、受皿満タンコマンドを主制御基板100に送信する。これに対して、発射払出制御基板200への検出信号の連続的な入力が途絶えると、受皿7の満タン状態が解除されたものと判断し、受皿満タン解除コマンドを主制御基板100に送信する。
【0047】
また、本形態では、上述の如く、発射払出制御基板200には、遊技球貸出装置Rへの操作を中継する遊技球貸出装置制御基板400が接続されている。換言すれば、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、発射払出制御基板200が、遊技球貸出装置制御基板400を介して遊技球貸出装置Rに接続されている。
また、
図5に示すように、発射払出制御基板200には、遊技球貸出装置制御基板400を介して、価値情報表示装置35と、球貸ボタン36の押下操作を検出する球貸スイッチ36aと、カード返却ボタン37の押下操作を検出するカード返却スイッチ37aと、が接続されている。
【0048】
球貸ボタン36が押下操作されると、球貸スイッチ36aから出力される検出信号が発射払出制御基板200に入力され、当該発射払出制御基板200は、遊技球貸出装置Rに対して、遊技球の貸し出しを要求する貸出要求信号を送信する。そして、遊技球貸出装置Rが貸出要求信号を受信すると、当該遊技球貸出装置Rにより、記憶されている価値情報から所定の価値情報を減算する処理がなされるとともに、減算された価値情報に対応する個数の遊技球を払い出す制御がなされる。
また、カード返却ボタン37が押下操作されると、カード返却スイッチ37aから出力される検出信号が発射払出制御基板200に入力され、当該発射払出制御基板200は、遊技球貸出装置Rに対して、カードの返却を要求する返却要求信号を送信する。そして、遊技球貸出装置Rが返却要求信号を受信すると、当該遊技球貸出装置Rによりカードを排出する制御がなされる。
【0049】
副制御基板300は、遊技中や待機中等に実行される演出を制御するものである。
この副制御基板300は、
図5に示すように、各種演算処理を行うサブCPU301と、演出を実行するための制御プログラム、演出の実行に必要なデータやテーブル等を格納するサブROM302と、演算処理時の一時記憶領域等として用いられるサブRAM303と、を備えており、主制御基板100から副制御基板300への一方向に通信可能となるように接続されている。
そして、サブCPU301は、主制御基板100から送信されるコマンドやタイマからの信号に基づき、サブROM302に格納されている制御プログラムを読み出して演算処理を行うとともに、画像表示を制御するための画像制御基板(特に図示しておらず)、音声出力を制御するための音声制御基板(特に図示しておらず)、照明の点灯を制御するための電飾制御基板(特に図示しておらず)に、演出実行用のコマンドを送信する。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、音声制御基板と電飾制御基板とを別個に設けているが、これらの基板の機能を集約した1枚の基板(音声電飾制御基板)を設け、当該基板により、音声出力及び照明の点灯のいずれをも制御するようにしてもよい。
【0050】
また、副制御基板300には、画像制御基板を介して演出表示装置21が接続され、音声制御基板を介して音声出力装置10が接続されている。さらに、副制御基板300には、電飾制御基板を介して、演出照明装置23と、操作ダイヤル9aの回転操作を検出する回転操作検出センサ9cと、操作ボタン9bの押下操作を検出する押下操作検出センサ9dと、が接続されている。
【0051】
画像制御基板は、特に図示していないが、CPU、ROM、RAM及びVRAM等を備えている。この画像制御基板のROMには、演出表示装置21に表示される図柄、背景等の画像データが格納されている。そして、副制御基板300から送信されたコマンドに基づき、CPUが、ROMから読み出した画像データをVRAMに記憶することによって、演出表示装置21による画像表示を制御する。
【0052】
音声制御基板は、特に図示していないが、サウンドチップ(CPU)、サウンドROM及びRAM等を備えている。サウンドROMには、音声出力装置10から出力される音声、BGM等のサウンドデータが格納されている。そして、副制御基板300から送信されたコマンドに基づき、サウンドROMから読み出したサウンドデータをRAMに記憶することによって、音声出力装置10からの音声出力を制御する。
【0053】
電飾制御基板は、副制御基板300からのコマンドに基づき、演出照明装置23による照明の点灯を制御する。また、電飾制御基板は、操作ダイヤル9aの回転操作に基づき回転操作検出センサ9cから出力される回転操作検出信号、又は、操作ボタン9bの押下操作に基づき押下操作検出センサ9dから出力される押下操作検出信号が入力されると、所定のコマンドを副制御基板300に送信する。
【0054】
なお、特に図示していないが、本形態に係るパチンコ機Pが備える各基板には電源基板が接続されており、この電源基板には所定の電源スイッチが接続されている。そして、電源スイッチがオンとなると電源基板から各基板に電源が供給され、電源スイッチがオフとなると電源基板から各基板への電源の供給が停止する。また、この電源基板にはバックアップ電源が設けられている。
また、主制御基板100には、供給される電源の電圧値を検知するための電断検知回路が設けられている。この電断検知回路は、供給される電源の電圧値が所定値以下となった場合(たとえば、電源スイッチがオフとなった場合や不測の電源断が発生した場合)に電断と判断して、主制御基板100へ電断発生信号を出力するとともに、電圧値が所定値よりも大きくなった場合(たとえば、電源スイッチがオンとなった場合や不測の電源断から復帰した場合)には電断から復帰したと判断して、主制御基板100への電断発生信号の出力を停止する。
そして、メインCPU101は、上述の電断発生信号を検出している場合には、メインRAM103へのアクセスを禁止することにより、メインRAM103の記憶領域に記憶されている遊技の進行に係る各種データを保持する処理(すなわち、バックアップ処理)を行い、電断発生信号を検出しなくなった場合には、メインCPU101は、メインRAM103へのアクセスの禁止を解除するとともに、電断からの復帰時における演出の制御に必要なデータの内容を示す各種コマンドを副制御基板300へ送信するようになっている。
ここで、電断発生時の処理が複雑になるのを防止すべく、本形態における副制御基板300には電断検知回路が設けられておらず、当該副制御基板300においては上述のようなバックアップ処理は行われない。そのため、電断から復帰した際には、サブCPU301がメインCPU101から送信される上述の各種コマンドに基づいて演出の制御を行うことにより、当該時点で適切な演出が実行できるようになっている。なお、電断から復帰した際に送信される各種コマンドについては、後述する。
【0055】
(パチンコ機Pの遊技の概要)
次に、本形態のパチンコ機Pにおける遊技について、メインROM102に格納されている各種テーブルに基づいて説明する。
上述の如く、本形態のパチンコ機Pは、特図遊技と普図遊技の遊技が並行して進行するものである。これら両遊技を進行する際の遊技状態としては、低確率遊技状態(いわゆる非確変状態)又は高確率遊技状態(いわゆる確変状態)のいずれかの遊技状態と、非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれかの遊技状態と、が組み合わされたいずれかの遊技状態が設定されるようになっている。
【0056】
ここで、低確率遊技状態は、後述する大当たりの抽選によって大当たりに当選する確率が所定の値に設定された遊技状態である。また、高確率遊技状態は、大当たりの抽選によって大当たりに当選する確率が低確率遊技状態よりも高い値に設定された遊技状態である。すなわち、低確率遊技状態中よりも高確率遊技状態中のほうが、大当たりの抽選によって大当たりに当選しやすくなっている。換言すれば、高確率遊技状態は、低確率遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態である。
また、非時短遊技状態は、可動片16bが開きにくく(すなわち、第2始動入賞口16が開状態となりにくく)、第2始動入賞口16へ遊技球が入球しにくい遊技状態である。また、時短遊技状態は、非時短遊技状態よりも可動片16bが開きやすく(すなわち、第2始動入賞口16が開状態となりやすく)、第2始動入賞口16へ遊技球が入球しやすい遊技状態である。すなわち、時短遊技状態は、非時短遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態である。
なお、工場出荷直後やリセット後の初期状態においては、低確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合せた遊技状態が設定されるようになっている。
【0057】
本形態に係るパチンコ機Pでは、発射装置(図示しておらず)により発射され遊技領域12を流下する遊技球が第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16に入球すると、遊技者に遊技利益を付与するか否かを決定する(すなわち、後述の特別図柄を決定する)大当たりの抽選が行われる。そして、この大当たりの抽選によって大当たりに当選すると、第1大入賞口18又は第2大入賞口55が開放され、当該第1大入賞口18又は当該第2大入賞口55へ遊技球を入球させることが可能となる特別遊技が実行され、さらに、特別遊技中における特定領域57への遊技球の進入の有無に応じて、当該特別遊技の終了後の遊技状態がいずれかの遊技状態に設定されるようになっている。
【0058】
この大当たりの抽選は、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球することを契機に取得される種々の乱数、及び、メインROM102に格納されており当該乱数を判定するための各種テーブルに基づいて、行われる。
ここで、本形態に係るパチンコ機Pは、大当たりの抽選に係る乱数として、大当たりの判定に用いられる大当たり決定乱数、特別図柄の種別の決定に用いられる当たり図柄乱数、並びに、大当たりの抽選の結果を報知する変動演出パターン(変動演出の態様、変動時間の組み合わせ)の決定に用いられるリーチグループ決定乱数及びリーチモード決定乱数を有している。
なお、本形態に係るパチンコ機Pにおいて、上述の大当たり決定乱数には、主制御基板100に内蔵されたハードウェア乱数を用いている。この大当たり決定乱数は、一定の規則に従って更新され、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列が変更されるとともに、システムリセット毎にスタート値が変更されるようになっている。
また、変動演出パターンは、変動演出の態様及び変動時間の組み合わせにより構成されるものである。すなわち、変動演出の態様及び変動時間の組み合わせを決定することによって、変動演出パターンが決定されるようになっている。この変動演出パターンの決定に用いられる乱数は上述の2種類に限定されるものではなく、たとえば、これらの乱数に加えて他の乱数を用いてもよいし、これらの乱数のうちいずれか1の乱数を用いてもよい。
【0059】
そして、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、上述の乱数値が取得されるとともに、各乱数値がメインRAM103の保留記憶領域に記憶されるようになっている。
この保留記憶領域は、第1始動入賞口15への遊技球の入球により取得される各乱数値(以下、第1特図乱数という)を記憶するための第1保留記憶領域、及び、第2始動入賞口16への遊技球の入球により取得される各乱数値(以下、第2特図乱数という)を記憶するための第2保留記憶領域から構成されている。そして、これらの保留記憶領域は、それぞれ第1記憶部から第4記憶部までの計4つの記憶部から構成されており、第1特図乱数を計4組、第2特図乱数を計4組記憶可能となっている。
【0060】
また、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、第1始動入賞口15へ遊技球が入球すると、第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶されるようになっている。たとえば、第1保留記憶領域のいずれの記憶部にも第1特図乱数が記憶されていない状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第1記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第2記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部及び第2記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第3記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部〜第3記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第4記憶部に記憶される。そして、第1保留記憶領域の第1記憶部〜第4記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、この入球に係る第1特図乱数は記憶されない。
【0061】
同様に、第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、第2特図乱数が、第2保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶されるようになっている。具体的な記憶の処理については、上述の第1特図乱数の記憶と同様であるため、説明を省略する。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1保留記憶領域に記憶されている第1特図乱数の組数(以下、第1特図保留数という)は、第1特図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶され、第2保留記憶領域に記憶されている第2特図乱数の組数(以下、第2特図保留数という)は、第2特図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶されるようになっている。
【0062】
また、本形態に係るパチンコ機Pは、大当たりの抽選に係るテーブルとして、大当たり決定乱数判定テーブル110、当たり図柄乱数判定テーブル111、リーチグループ決定乱数判定テーブル112、及び、リーチモード決定乱数判定テーブル113を有している。
なお、本形態に係るパチンコ機Pが有するテーブルはこれらに限定されるものではなく、他に、乱数に基づく判定や決定を行う必要がある場合には、適宜、テーブルを設けてもよい。
【0063】
大当たり決定乱数判定テーブル110は、大当たりか否かの判定を行うためのものであって、
図6(a)及び(b)に示すように、低確率遊技状態において参照される低確率判定テーブル110aと、高確率遊技状態において参照される高確率判定テーブル110bと、を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0〜65535の数値範囲内で1個の大当たり決定乱数が取得される。そして、大当たりの抽選を行う時点の遊技状態に応じて、低確率判定テーブル110a又は高確率判定テーブル110bのいずれかの大当たり決定乱数判定テーブル110が選択され、取得された大当たり決定乱数と選択された大当たり決定乱数判定テーブル110とに基づいて大当たりの抽選が行われる。
【0064】
図6(a)に示すように、低確率判定テーブル110aによれば、大当たり決定乱数が10001〜10220であった場合に大当たりと判定され、これ以外の大当たり決定乱数(0〜10000、10221〜65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この低確率判定テーブル110aにおける大当たりの当選確率はおよそ1/298となる。
【0065】
また、
図6(b)に示すように、高確率判定テーブル110bによれば、大当たり決定乱数が10001〜11119であった場合に大当たりと判定され、これ以外の大当たり決定乱数(0〜10000、11120〜65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この高確率判定テーブル110bにおける大当たりの当選確率はおよそ1/59となる。
すなわち、高確率判定テーブル110bは、低確率判定テーブル110aに比べて、大当たりの当選確率がおよそ5倍となるように設定されている。
【0066】
なお、低確率判定テーブル110aにおいて大当たりと判定される大当たり決定乱数(10001〜10220)は、高確率判定テーブル110bにおいて大当たりと判定される大当たり決定乱数(10001〜11119)に含まれるように設定されている。すなわち、低確率判定テーブル110aにおいて大当たりと判定される大当たり決定乱数は、高確率判定テーブル110bにおいても大当たりと判定されることとなる。
【0067】
当たり図柄乱数判定テーブル111は、特別図柄の種別を決定するためのものであって、
図7(a)及び(b)に示すように、第1特図乱数によって大当たりに当選した場合に参照される第1始動入賞口判定テーブル111aと、第2特図乱数によって大当たりに当選した場合に参照される第2始動入賞口判定テーブル111bと、を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0〜199の数値範囲内で1個の当たり図柄乱数が取得される。そして、上述の大当たりの抽選によって大当たりに当選した場合に、遊技球が入球した始動入賞口に応じて、第1始動入賞口判定テーブル111a又は第2始動入賞口判定テーブル111bのいずれかの当たり図柄乱数判定テーブル111が選択され、取得された当たり図柄乱数と選択された当たり図柄乱数判定テーブル111とに基づいて、特別図柄の種別が決定される。
【0068】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりに当選した場合に決定される特別図柄(以下、大当たり図柄という)として2種類の特別図柄(X1、X2)が設けられており、また、ハズレの場合に決定される特別図柄(以下、ハズレ図柄という)として2種類の特別図柄(Y1、Y2)が設けられている。
【0069】
図7(a)に示すように、第1始動入賞口判定テーブル111aによれば、当たり図柄乱数が0〜99であった場合に特別図柄X1が決定され、当たり図柄乱数が100〜199であった場合に特別図柄X2が決定される。すなわち、この第1始動入賞口判定テーブル111aにおいては、特別図柄X1が決定される確率及び特別図柄X2が決定される確率はいずれも、50%となっている。
【0070】
また、
図7(b)に示すように、第2始動入賞口判定テーブル111bによれば、当たり図柄乱数が0〜159であった場合に特別図柄X1が決定され、当たり図柄乱数が160〜199であった場合に特別図柄X2が決定される。すなわち、この第2始動入賞口判定テーブル111bにおいては、特別図柄X1が決定される確率は80%、特別図柄X2が決定される確率は20%となっている。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、いずれの当たり図柄乱数判定テーブル111であっても、同一の大当たり図柄が決定されるようになっているが、これに限定されるものではなく、各テーブルにおいて異なる大当たり図柄が決定されるようにしてもよい。
【0071】
また、第1特図乱数に基づく大当たりの抽選によりハズレとなった場合には、当たり図柄乱数に基づく上述の抽選を行わずに、ハズレ図柄として特別図柄Y1が決定される。また、第2特図乱数に基づく大当たりの抽選によりハズレとなった場合には、当たり図柄乱数に基づく上述の抽選を行わずに、ハズレ図柄として特別図柄Y2が決定される。
すなわち、本形態に係るパチンコ機Pでは、当たり図柄乱数判定テーブル111は、大当たりに当選した場合にのみ参照され、ハズレの場合には参照されないようになっている。
なお、第1特図乱数に基づく大当たりの抽選によりハズレとなった場合に参照される当たり図柄乱数判定テーブル111、第2特図乱数に基づく大当たりの抽選によりハズレとなった場合に参照される当たり図柄乱数判定テーブル111をそれぞれ設け、ハズレの場合にも、当該当たり図柄判定テーブル111及び当たり図柄乱数に基づいて、ハズレ図柄を決定するようにしてもよい。
【0072】
リーチグループ決定乱数判定テーブル112は、変動演出パターン(変動態様、変動時間)の決定に用いられるリーチモード決定乱数判定テーブル113が属するグループを決定するためのものである。本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に、当該結果を報知する変動演出パターンを決定するにあたり、その前段階として、リーチグループ決定乱数とリーチグループ決定乱数判定テーブル112により、グループの種別が決定される。
このリーチグループ決定乱数判定テーブル112は、遊技状態ごと、及び、保留記憶領域に記憶されている乱数の組数(以下、保留数という)ごとに複数設けられている。ここでは、
図8(a)及び(b)に示すように、遊技状態が非時短遊技状態であってかつ大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に参照されるリーチグループ決定乱数判定テーブル112についてのみ詳述し、他のリーチグループ決定乱数判定テーブル112の説明は省略する。
【0073】
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0〜10006の数値範囲内で1個のリーチグループ決定乱数が取得される。そして、上述の大当たりの抽選によってハズレとなった場合に、当該大当たりの抽選を行う時点の遊技状態、及び、保留数に応じて、リーチグループ決定乱数判定テーブル112が選択され、取得されたリーチグループ決定乱数と選択されたリーチグループ決定乱数判定テーブル112とに基づいて、グループの種別が決定される。
【0074】
具体的には、遊技状態が非時短遊技状態であってかつ大当たりの抽選の結果がハズレとなったときに、保留数が0又は1であった場合には、第1判定テーブル112aが選択され、保留数が2以上であった場合には、第2判定テーブル112bが選択される(
図8(a)及び(b)参照)。
【0075】
そして、
図8(a)に示すように、第1判定テーブル112aによれば、リーチグループ決定乱数が0〜7999であった場合に「第1グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が8000〜10006であった場合に「第2グループ」が決定される。
また、
図8(b)に示すように、第2判定テーブル112bによれば、リーチグループ決定乱数が0〜8999であった場合に「第1グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9000〜10006であった場合に「第3グループ」が決定される。
【0076】
また、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合には、グループの種別を決定することなく、リーチモード決定乱数判定テーブル113が決定されるようになっている。すなわち、リーチグループ決定乱数判定テーブル112は、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合にのみ参照され、大当たりであった場合には参照されない。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、遊技状態ごと、及び、保留数ごとにリーチグループ決定乱数判定テーブル112が設けられているが、遊技状態、保留数に加え、始動入賞口の種別ごとにリーチグループ決定乱数判定テーブル112を設けるようにしてもよい。
【0077】
リーチモード決定乱数判定テーブル113は、変動演出パターン(変動演出の態様及び変動時間)の決定に用いられる変動モード番号を決定するためのものである。
このリーチモード決定乱数判定テーブル113は、大別して、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に参照されるハズレ用判定テーブルと、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合に参照される大当たり用判定テーブルと、を備えている。
【0078】
また、ハズレ用判定テーブルは、上述のように決定されたグループの種別ごとに複数設けられている。ここでは、
図9(a)〜(c)に示すように、「第1グループ」が決定された場合に参照される第1グループ用判定テーブル113a、「第2グループ」が決定された場合に参照される第2グループ用判定テーブル113b、及び、「第3グループ」が決定された場合に参照される第3グループ用判定テーブル113cについて説明し、他のハズレ用判定テーブルの説明は省略する。
【0079】
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0〜2038の数値範囲内で1個のリーチモード決定乱数が取得される。そして、上述したグループの種別の抽選によりグループが決定された場合に、この決定されたグループの種別に対応するハズレ用判定テーブルが選択され、取得されたリーチモード決定乱数と選択されたハズレ用判定テーブルとに基づいて、変動モード番号が決定される。
【0080】
具体的には、たとえば、上述したグループの種別の抽選により「第1グループ」が決定された場合に第1グループ用判定テーブル113aが選択され、「第2グループ」が決定された場合に第2グループ用判定テーブル113bが選択され、「第3グループ」が決定された場合に第3グループ用判定テーブル113cが選択される(
図9(a)〜(c)参照)。
【0081】
そして、
図9(a)に示すように、第1グループ用判定テーブル113aによれば、リーチモード決定乱数が0〜1799であった場合に、「01H」(最後尾に「H」が付された英数字は16進数表記。以下、同様)という変動モード番号が決定される。また、リーチモード決定乱数が1800〜2038であった場合に、「02H」という変動モード番号が決定される。
また、
図9(b)に示すように、第2グループ用判定テーブル113bによれば、リーチモード決定乱数が0〜1499であった場合に、「01H」という変動モード番号が決定される。また、リーチモード決定乱数が1500〜2038であった場合に、「02H」という変動モード番号が決定される。
さらに、
図9(c)に示すように、第3グループ用判定テーブル113cによれば、リーチモード決定乱数が0〜2038であった場合に(すなわち、リーチモード決定乱数がいかなる値であっても)、「00H」という変動モード番号が決定される。
【0082】
また、大当たり用判定テーブルは、始動入賞口の種別ごと、大当たりの抽選時(すなわち、大当たりの当選時)の遊技状態ごと、及び、大当たりとなった場合に決定された大当たり図柄の種別ごとに複数設けられている。
ここでは、
図10(a)及び(b)に示すように、非時短遊技状態において第1始動入賞口15への遊技球の入球により特別図柄X1が決定された場合に参照される第1大当たり用判定テーブル113d、及び、非時短遊技状態において第1始動入賞口15への遊技球の入球により特別図柄X2が決定された場合に参照される第2大当たり用判定テーブル113eについて説明し、他の大当たり用判定テーブルの説明は省略する。
【0083】
本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりに当選し特別図柄の種別が決定された場合に、始動入賞口の種別、決定された特別図柄の種別、及び、大当たりの抽選時の遊技状態に対応する大当たり用判定テーブルが選択される。そして、上述したハズレ用判定テーブルに基づく決定の場合と同様に、取得されたリーチモード決定乱数と選択された大当たり用判定テーブルとに基づいて、変動モード番号が決定される。
【0084】
具体的には、非時短遊技状態において第1始動入賞口15への遊技球の入球により大当たりに当選し特別図柄X1が決定された場合に、第1大当たり用判定テーブル113dが選択され、非時短遊技状態において第1始動入賞口15への遊技球の入球により大当たりに当選し特別図柄X2が決定された場合に、第2大当たり用判定テーブル113eが選択される(
図10(a)及び(b)参照)。
【0085】
そして、
図10(a)に示すように、第1大当たり用判定テーブル113dによれば、リーチモード決定乱数が0〜399であった場合に、「30H」という変動モード番号が決定される。また、リーチモード決定乱数が400〜1499であった場合に、「31H」という変動モード番号が決定される。また、リーチモード決定乱数が1500〜2038であった場合に、「32H」という変動モード番号が決定される。
また、
図10(b)に示すように、第2大当たり用判定テーブル113eによれば、リーチモード決定乱数が0〜1399であった場合に、「30H」という変動モード番号が決定される。また、リーチモード決定乱数が1400〜2038であった場合に、「31H」という変動モード番号が決定される。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、始動入賞口の種別ごと、大当たりの抽選時の遊技状態ごと、及び、大当たり図柄の種別ごとに大当たり用判定テーブルが設けられているが、始動入賞口の種別は考慮せず、大当たりの抽選時の遊技状態ごと、及び、大当たり図柄の種別ごとに大当たり用判定テーブルを設けるようにしてもよい。
そして、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動開始時に、上述のような大当たりの抽選が行われることにより、変動モード番号が決定されるようになっている。変動モード番号は、変動演出パターンを特定するためのものであり、本形態に係るパチンコ機Pでは、各変動モード番号に対応して、変動演出の態様及び変動時間が定められている。
【0086】
次に、特図遊技における変動演出の変動時間の決定処理や、特別遊技の制御について説明する。
本形態に係るパチンコ機Pは、上述の決定処理や特別遊技の制御を行うためのテーブルとして、変動時間決定テーブル114、特別電動役物作動テーブル115、及び、遊技状態設定テーブル116等を備えている。
【0087】
変動時間決定テーブル114は、変動時間を決定するためのものである。この変動時間決定テーブル114には、変動モード番号に対応して、所定の変動時間が定められている。そして、変動モード番号が決定されると、この決定された変動モード番号に対応する変動時間が決定される。
図11に示すように、本形態における変動時間決定テーブル114によれば、たとえば、決定された変動モード番号が「00H」であった場合に「3秒」の変動時間が決定され、決定された変動モード番号が「30H」であった場合に「45秒」の変動時間が決定される。そして、この決定された変動時間が、大当たりの抽選の結果を報知する変動演出の時間となる。
【0088】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動モード番号が決定され、変動開始時に、この決定された変動モード番号に対応する変動モードコマンドが、副制御基板300に送信される。副制御基板300においては、受信した変動モードコマンドに基づいて、変動演出の態様が定められた変動演出パターンが決定されるようになっている。
なお、変動演出パターンは、変動モードコマンドのみに基づいて決定するものに限られない。たとえば、変動モードコマンド以外に、所定の乱数に基づいて所定のコマンドを決定しておき、変動モードコマンド及びこの所定のコマンドに基づいて変動演出パターンを決定するようにしてもよい。また、変動演出を前半部分と後半部分とに分け、変動モードコマンド及び所定のコマンドのいずれか一方に基づいて変動演出の前半部分の変動演出パターンを決定し、他方に基づいて変動演出の後半部分の変動演出パターンを決定するようにしてもよい。
【0089】
特別電動役物作動テーブル115は、大当たりに当選した場合に実行される特別遊技を制御するためのものであり、特別遊技の実行中に第1大入賞口ソレノイド18c又は第2大入賞口ソレノイド55cを通電(作動)させるために参照されるものである。本形態に係るパチンコ機Pでは、
図12(a)及び(b)に示すように、特別電動役物作動テーブル115として、特別図柄X1が決定された場合に参照される第1作動テーブル115aと、特別図柄X2が決定された場合に参照される第2作動テーブル115bと、が設けられている。
【0090】
本形態に係るパチンコ機Pでは、特別遊技中において、第1大入賞口18又は第2大入賞口55のいずれかが開放されるラウンド遊技が計10回実行されるようになっている。
第1大入賞口18が開放されるラウンド遊技は、第1アタッカー装置17の第1開閉扉18bが開くことにより第1大入賞口18が開放されてから、第1大入賞口18へ所定数の遊技球が入球するか、若しくは、予め定められた開放時間が経過することによって、開放されていた第1大入賞口18が閉鎖されて終了する。また、第2大入賞口55が開放されるラウンド遊技は、第2アタッカー装置54の第2開閉扉55bが開くことにより第2大入賞口55が開放されてから、第2大入賞口55へ所定数の遊技球が入球するか、若しくは、予め定められた開放時間が経過することによって、開放されていた第2大入賞口55が閉鎖されて終了する。
【0091】
具体的には、特別図柄X1が決定されると、
図12(a)に示すように、第1作動テーブル115aを参照して特別遊技が実行される。この第1作動テーブル115aにおいては、1ラウンド〜3ラウンド、及び、6ラウンド〜10ラウンドの各ラウンド遊技は、第1大入賞口18が29.0秒開放するか又は第1大入賞口18に10個の遊技球が入球するかのいずれかの条件が成立することで終了し、4ラウンド及び5ラウンドの各ラウンド遊技は、第2大入賞口55が29.0秒開放するか又は第2大入賞口55に10個の遊技球が入球するかのいずれかの条件が成立することで終了するように設定されている。
【0092】
また、1ラウンド〜3ラウンド、及び、6ラウンド〜10ラウンドの各ラウンド遊技中においては、第1大入賞口18が1回開放されるように設定されている。そして、この1回の開放における開放時間が29.0秒に設定されている。すなわち、上述のラウンド遊技においては、第1大入賞口ソレノイド18cが通電制御されることにより、第1開閉扉18bが、閉位置から開位置に変位して開位置に29.0秒位置した後、開位置から閉位置へ変位するという態様(開閉パターン)で作動するようになっている。
これに対して、4ラウンド及び5ラウンドの各ラウンド遊技中においては、第2大入賞口55が、まず、20.0秒開放された後5.0秒閉鎖され、この後、0.5秒開放された後5.0秒閉鎖されるというパターンが18回繰り返されるように設定されている。すなわち、上述のラウンド遊技においては、第2大入賞口ソレノイド55cが通電制御されることにより、第2開閉扉55bが、閉位置から開位置に変位して開位置に20.0秒位置した後、開位置から閉位置へ変位して閉位置に5.0秒位置するという態様で1回作動し、その後、閉位置から開位置に変位して開位置に0.5秒位置した後、開位置から閉位置へ変位して閉位置に5.0秒位置するという態様での作動を18回繰り返すようになっている。
【0093】
また、第1作動テーブル115aにおいては、各ラウンド遊技が終了してから、次のラウンド遊技が開始されて第1大入賞口18又は第2大入賞口55が開放されるまでのインターバル時間が、各ラウンド遊技ごとに設定されている。具体的には、3ラウンド終了後のインターバル時間は10.0秒に設定され、3ラウンド以外のラウンド遊技(1ラウンド、2ラウンド、4ラウンド〜9ラウンド)終了後のインターバル時間は2.0秒に設定されている。
【0094】
また、特別図柄X2が決定されると、
図12(b)に示すように、第2作動テーブル115bを参照して特別遊技が実行される。この第2作動テーブル115bにおいては、1ラウンド〜3ラウンド、及び、6ラウンド〜10ラウンドの各ラウンド遊技は、第1大入賞口18が29.0秒開放するか又は第1大入賞口18に10個の遊技球が入球するかのいずれかの条件が成立することで終了し、4ラウンド及び5ラウンドの各ラウンド遊技は、第2大入賞口55が5.0秒開放するか又は第2大入賞口55に10個の遊技球が入球するかのいずれかの条件が成立することで終了するように設定されている。
【0095】
また、第1作動テーブル115aと同様に、1ラウンド〜3ラウンド、及び、6ラウンド〜10ラウンドの各ラウンド遊技中においては、第1大入賞口18が1回開放され、この1回の開放における開放時間が29.0秒となるように設定されている。第1開閉扉18bの作動態様も、上述と同様である。
これに対して、4ラウンド及び5ラウンドの各ラウンド遊技中においては、第2大入賞口55は、0.5秒開放された後2.0秒閉鎖されるというパターンが10回繰り返される。すなわち、上述のラウンド遊技においては、第2大入賞口ソレノイド55cが通電制御されることにより、第2開閉扉55bが、閉位置から開位置に変位して開位置に0.5秒位置した後、開位置から閉位置へ変位して閉位置に2.0秒位置するという態様での作動を10回繰り返すようになっている。
【0096】
また、第2作動テーブル115bにおいても、インターバル時間が、各ラウンド遊技ごとに設定されている。具体的には、第1作動テーブル115aと同様に、3ラウンド終了後のインターバル時間は10.0秒に設定され、3ラウンド以外のラウンド遊技(1ラウンド、2ラウンド、4ラウンド〜9ラウンド)終了後のインターバル時間は2.0秒に設定されている。
【0097】
以上のように、本形態に係るパチンコ機Pでは、特別図柄X1が決定された場合には、特別遊技における4ラウンド及び5ラウンドの各ラウンド遊技中に、第2大入賞口55が20秒連続して開放されるため、この20秒の開放の間に、ほぼ確実に所定数の遊技球を特定領域57へ進入させることができるようになっている。これに対して、特別図柄X2が決定された場合には、特別遊技における4ラウンド及び5ラウンドの各ラウンド遊技中に、第2大入賞口55は0.5秒の開放を繰り返すようになっているが、この0.5秒の開放の間に第2大入賞口55へ遊技球を入球させることは極めて困難であるため、遊技球を特定領域57へ進入させることはほぼ不可能となっている。
すなわち、特別図柄X2が決定された場合には、特別図柄X1が決定された場合よりも、4ラウンド及び5ラウンドの各ラウンド遊技中に、特定領域57へ遊技球を進入させることが困難となっている。
【0098】
遊技状態設定テーブル116は、特別遊技が実行された場合に、当該特別遊技の終了後の遊技状態を設定するためのものである。本形態に係るパチンコ機Pでは、特別遊技中に特定領域57へ所定数(本形態では1個)の遊技球が進入したか否かに応じて、特別遊技の終了後の遊技状態が決定されるようになっている。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、
図13(a)及び(b)に示すように、遊技状態設定テーブル116として、特別遊技中に特定領域57へ所定数の遊技球が進入した場合に参照される第1状態設定テーブル116aと、特別遊技中に特定領域57へ所定数の遊技球が進入しなかった場合に参照される第2状態設定テーブル116bと、が設けられている。
【0099】
具体的には、
図13(a)に示すように、特別遊技中に特定領域57へ所定数の遊技球が進入した場合には、決定された特別図柄の種類に関係なく、特別遊技の終了後の遊技状態が高確率遊技状態に設定され、高確率遊技状態の継続回数(以下、高確回数という)は10000回に設定される。すなわち、特別遊技の終了後、大当たりの抽選の結果が10000回導出されるまで、高確率遊技状態が継続する。
また、
図13(a)に示すように、上述の場合には、特別遊技の終了後の遊技状態が高確率遊技状態に設定されると同時に、時短遊技状態に設定され、時短遊技状態の継続回数(以下、時短回数という)は10000回に設定される。すなわち、特別遊技の終了後、大当たりの抽選の結果が10000回導出されるまで、時短遊技状態が継続する。
なお、上述の如く、本形態に係るパチンコ機Pでは、高確率遊技状態における大当たりの当選確率がおよそ1/59となっているため、実質的には、大当たりに再度当選するまで、高確率遊技状態及び時短遊技状態が継続することとなる。
【0100】
また、
図13(b)に示すように、特別遊技中に特定領域57へ所定数の遊技球が進入しなかった場合には、決定された特別図柄の種類に関係なく、特別遊技の終了後の遊技状態が低確率遊技状態に設定され、これと同時に、時短遊技状態に設定され、時短回数は50回に設定される。すなわち、特別遊技の終了後、大当たりの抽選の結果が50回導出されるまで、時短遊技状態が継続する。
ここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、特別図柄X1が決定された場合には、4ラウンド及び5ラウンドの各ラウンド遊技中に所定数の遊技球を特定領域57へ進入させることができる。したがって、特別図柄X1が決定された場合には、ほぼ確実に、特別遊技の終了後の遊技状態が、高確率遊技状態及び時短遊技状態を組み合わせた遊技状態に設定されることとなる。これに対して、特別図柄X2が決定された場合には、4ラウンド及び5ラウンドの各ラウンド遊技中に所定数の遊技球を特定領域57へ進入させることができない。したがって、特別図柄X2が決定された場合には、ほぼ確実に、特別遊技の終了後の遊技状態が、低確率遊技状態及び時短遊技状態を組み合わせた遊技状態に設定されることとなる。
【0101】
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、特別遊技が開始されてから終了するまでの間、第2大入賞口18へ入球した遊技球の数、及び、第2大入賞口18から排出された遊技球の数がカウントされ、特別遊技の終了時に、これらの数が一致するか否かが判定されるようになっている。そして、これらの数が一致しなかった場合には、第2大入賞口18に関するエラーが発生していると判断し、外部情報端子基板500へ所定のエラー信号が送信され、かつ、副制御基板300へ所定のエラーコマンドが送信されるようになっている。これにより、ホールコンピュータに対して上述のエラー発生が通知されるとともに、演出表示装置21等により上述のエラー発生が報知されることとなる。
【0102】
具体的には、本形態に係るパチンコ機Pには、主制御基板100におけるメインRAM103の所定の記憶領域により構成される第2大入賞口入出球カウンタ(特に図示しておらず)が設けられている。そして、特別遊技中に第2大入賞口検出センサ55aにより第2大入賞口18への遊技球の入球が検出されると、メインCPU101が、第2大入賞口入出球カウンタの値を1インクリメントする。また、特別遊技中に、特定領域検出センサ57aにより特定領域57への遊技球の進入が検出されるか、又は、一般領域検出センサ58aにより一般領域58への遊技球の進入が検出されると(すなわち、第2大入賞口55からの遊技球の排出が検出されると)、メインCPU101が、第2大入賞口入出球カウンタの値を1デクリメントする。そして、特別遊技の終了時に、メインCPU101は、第2大入賞口入出球カウンタの値が0であるか否かを判定し、0でないと判定した場合(すなわち、特別遊技中における第2大入賞口18への遊技球の入球数と第2大入賞口18からの遊技球の出球数とが一致していない場合)、上述のエラー信号やエラーコマンドを送信する。
【0103】
次に、普図遊技に関する処理について説明する。
本形態に係るパチンコ機Pでは、発射装置(図示しておらず)により発射され遊技領域12を流下する遊技球がゲート20を通過すると、第2始動入賞口16の可動片16bを作動させて当該可動片16bを開くか否かを決定する普通図柄の抽選が行われる。そして、この普通図柄の抽選によって当たりとなると、可動片16bが開き、第2始動入賞口16が開状態となるため、第2始動入賞口16への遊技球の入球が容易となる。
この普通図柄の抽選は、遊技球がゲート20を通過することを契機に取得される当たり決定乱数、及び、メインROM102に格納されており当該乱数を判定するための当たり決定乱数判定テーブル117に基づいて、行われる。
【0104】
そして、遊技球がゲート20を通過すると、上述の当たり決定乱数が取得されるとともに、当該乱数値がメインRAM103の普図保留記憶領域に4個を上限として記憶されるようになっている。具体的には、この普図保留記憶領域は、第1記憶部から第4記憶部までの計4つの記憶部から構成されており、ゲート20の通過順に、第1記憶部から記憶されるようになっている。また、既にいくつかの記憶部に当たり決定乱数が記憶されている場合には、空きの記憶部のうち最も番号の小さい記憶部に当たり決定乱数が記憶されるようになっている。そして、普図保留記憶領域に既に4個の当たり決定乱数が記憶されている場合に、遊技球がゲート20を通過しても、この通過に係る当たり決定乱数は普図保留記憶領域に記憶されない。
なお、本形態に係るパチンコ機Pにおいて、当たり決定乱数には、主制御基板100に内蔵されたハードウェア乱数を用いている。この当たり決定乱数は、一定の規則に従って更新され、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列が変更されるとともに、システムリセット毎にスタート値が変更されるようになっている。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、普図保留記憶領域に記憶されている当たり決定乱数の数(以下、普図保留数という)は、普図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶されるようになっている。
【0105】
また、当たり決定乱数判定テーブル117は、普通図柄の抽選により当たりか否かの判定を行うためのものであって、
図14(a)及び(b)に示すように、非時短遊技状態において参照される非時短判定テーブル117aと、時短遊技状態において参照される時短判定テーブル117bと、を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、遊技球がゲート20を通過すると、0〜65535の数値範囲内で1個の当たり決定乱数が取得される。そして、普通図柄の抽選を行う時点の遊技状態が非時短遊技状態であれば、非時短判定テーブル117aが選択され、取得された当たり決定乱数と選択された非時短判定テーブル117aとに基づいて普通図柄の抽選が行われる。また、普通図柄の抽選を行う時点の遊技状態が時短遊技状態であれば、時短判定テーブル117bが選択され、取得された当たり決定乱数と選択された時短判定テーブル117bとに基づいて普通図柄の抽選が行われる。
【0106】
この非時短判定テーブル117aによれば、当たり決定乱数が1であった場合に当たりと判定され、これ以外の当たり決定乱数(0、2〜65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この非時短判定テーブル117aにおいて当たりとなる確率は1/65536となる。
また、時短判定テーブル117bによれば、当たり決定乱数が1〜65000であった場合に当たりと判定され、これ以外の当たり決定乱数(0、65001〜65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この時短判定テーブル117bにおいて当たりとなる確率は65000/65536、すなわち、およそ99/100となる。
なお、普通図柄の抽選によって当たりとなった場合には当たり図柄が決定され、ハズレとなった場合にはハズレ図柄が決定される。
【0107】
また、本形態に係るパチンコ機Pは、普通図柄の変動パターンの決定や、可動片16bの開閉の制御を行うためのテーブルとして、普通図柄変動パターン決定テーブル118、及び、第2始動入賞口開放制御テーブル119等を備えている。
【0108】
普通図柄変動パターン決定テーブル118は、普通図柄の変動パターンを決定するためのものである。上述のように、ゲート20を遊技球が通過することにより普通図柄の抽選が行われると、この普通図柄変動パターン決定テーブル118に基づいて普通図柄の変動パターンが決定される。
本形態に係るパチンコ機Pでは、
図15に示すように、遊技状態が非時短遊技状態の場合には変動時間が3秒に決定され、遊技状態が時短遊技状態の場合には変動時間が0.6秒に決定される。そして、変動時間が決定されると、この決定された変動時間の間、普通図柄表示装置32(
図3参照)が点滅表示される。そして、普通図柄の抽選により当たりとなって当たり図柄が決定された場合には、普通図柄表示装置32が点灯し、ハズレとなってハズレ図柄が決定された場合には、普通図柄表示装置32が消灯する。
【0109】
また、第2始動入賞口開放制御テーブル119は、第2始動入賞口16に設けられた可動片16bの作動を制御するために参照されるものである。
本形態に係るパチンコ機Pでは、普通図柄表示装置32が点灯すると、第2始動入賞口16の可動片16bが、第2始動入賞口開放制御テーブル119に定められた態様で開閉するようになっている。具体的には、遊技状態が非時短遊技状態の場合には、
図16に示すように、始動入賞口ソレノイド16cが0.2秒(=0.2秒×1回)通電されるため、第2始動入賞口16の可動片16bが0.2秒開放される。また、遊技状態が時短遊技状態の場合には、
図16に示すように、始動入賞口ソレノイド16cが2.4秒(=1.2秒×2回)通電されるため、第2始動入賞口16の可動片16bが合計2.4秒開放される。
【0110】
以上のように、非時短遊技状態と時短遊技状態とには、それぞれ、第2始動入賞口16を開閉するための条件が定められており、この条件の内容により、時短遊技状態においては、非時短遊技状態よりも第2始動入賞口16に遊技球が入球しやすくなっている。すなわち、時短遊技状態においては、遊技球がゲート20を通過する限りにおいて、次々と普通図柄の抽選が行われ、第2始動入賞口16が頻繁に開放されるため、遊技の進行に伴う遊技球の減少を抑えながら、大当たりの抽選の機会を獲得できることとなる。
【0111】
(パチンコ機Pにおける処理の概要)
次に、上述の特図遊技、普図遊技及び特別遊技の進行に伴って主制御基板100で実行される処理の概要について、フローチャートを用いて説明する。
まず、主制御基板100のメイン処理を説明する。
電源基板により電源が供給されると、メインCPU101にシステムリセットが発生し、メインCPU101は、
図17のフローチャートに示すメイン処理を実行する。
【0112】
ステップ100において、メインCPU101は、初期化処理を実行する。そして、次のステップ101に進む。
ステップ101において、メインCPU101は、当たり図柄乱数を更新する際に参照される当たり図柄乱数用初期値更新乱数の更新を行う。この当たり図柄乱数用初期値更新乱数は、当たり図柄乱数の初期値を決定するためのものである。すなわち、当たり図柄乱数は、更新を開始する時点の当たり図柄乱数用初期値更新乱数を初期値として更新が行われる。そして、この乱数範囲を1周すると、その時点における当たり図柄乱数用初期値更新乱数を初期値として、当たり図柄乱数の更新が継続されるようになっている。そして、次のステップ102に進む。
【0113】
ステップ102において、メインCPU101は、変動演出パターンを決定するための乱数(以下、変動演出乱数という)である、リーチグループ決定乱数、及び、リーチモード決定乱数を更新する。そして、ステップ102の処理が終了すると、以降は、所定の割込み処理が行われるまで、ステップ101とステップ102の処理を繰り返し実行する。
【0114】
次に、上述したステップ100の初期化処理について、
図18のフローチャートを参照して説明する。
ステップ130において、メインCPU101は、メインROM102から起動プログラムを読み込む等、電断復帰時(電源スイッチがオンとなった場合、不測の電源断から復帰した場合)における各種処理を実行するために必要な初期設定処理を実行する。そして、次のステップ131に進む。
ステップ131において、メインCPU101は、電断復帰後に上述の各種処理の実行を開始するまでの待機時間である電断監視時間を、電断監視時間タイマにセットする。そして、次のステップ132に進む。
【0115】
ステップ132において、メインCPU101は、電断発生信号を検出しているか否かを判定する。そして、電断発生信号を検出していると判定した場合、ステップ131に戻る。一方、電断発生信号を検出していないと判定した場合、次のステップ133に進む。
ステップ133において、メインCPU101は、上述のステップ131で設定された電断監視時間を経過したか否かを判定する。そして、経過していないと判定した場合、ステップ132に戻る。一方、経過したと判定した場合、次のステップ134に進む。なお、電断監視時間タイマには減算タイマを採用しており、上述の電断発生信号の検出の判定が実行されるごとにタイマカウンタが1ずつ減算され、0となった場合に電断監視時間が経過したと判定されるようになっている。
【0116】
ステップ134において、メインCPU101は、メインRAM103へのアクセスを許可する。この処理が行われることにより、これ以降、メインRAM103への各種データの記憶やメインRAM103からの各種データの読み出し(ロード)が可能となる。そして、次のステップ135に進む。
ステップ135において、メインCPU101は、リセット処理の条件を満たしているか否かを判定する。ここで、リセット処理は、メインRAM103に記憶されているデータをクリアして初期化するものである。このリセット処理の条件としては、たとえば、電源基板に設けられたリセットスイッチ(特に図示しておらず)が操作された状態で電源の投入(電源スイッチのオン)が行われたこと、不測の電源断発生時におけるメインRAM103の記憶データと不測の電源断からの復帰時におけるメインRAM103の記憶データとに不整合が生じたこと等が挙げられ、これらの事象が発生した場合に、リセット処理の条件を満たしていると判定する。これに対して、リセットスイッチが操作されずに電源投入された場合や、メインRAM103の記憶データに不整合が生じることなく不測の電源断から復帰した場合に、リセット処理の条件を満たしていないと判定する。なお、記憶データの不整合は、たとえば、電断時のチェックサムと電断復帰時のチェックサムとを比較することにより判断することができる。
そして、リセット処理の条件を満たしていないと判定した場合、ステップ138に進む。一方、リセット処理の条件を満たしていると判定した場合、次のステップ136に進む。
【0117】
ステップ136において、メインCPU101は、リセット処理(すなわち、メインRAM103の記憶データのクリア)を実行する。そして、次のステップ137に進む。
ステップ137において、メインCPU101は、リセット処理が実行されたことを示すRAMクリアコマンドを発射払出制御基板200や副制御基板300へ送信する。そして、ステップ140に進む。
【0118】
また、上述のステップ135でリセット処理の条件を満たしていないと判定した場合に進むステップ138において、メインCPU101は、電断発生前のメインRAM103の記憶データを維持し、一部のデータをクリアする。そして、次のステップ139に進む。
ステップ139において、メインCPU101は、電断から復帰したことを示す電断復帰コマンドを発射払出制御基板200や副制御基板300へ送信する。そして、次のステップ140に進む。
【0119】
ステップ140において、メインCPU101は、電断復帰時における演出の制御に必要なデータの内容を示すコマンドを副制御基板300へ送信する。
ここで、電源復帰時に副制御基板300へ送信されるコマンドとしては、第1特図保留数を示す第1特図保留数指定コマンド、第2特図保留数を示す第2特図保留数指定コマンド、遊技球の打ち出しの方向(すなわち、右打ち又は左打ちのいずれか)を示す発射位置指定コマンド、後述する特図関連制御処理の実行フェーズを示す実行フェーズ指定コマンド、電断発生時にデモ表示状態(いわゆる客待ち状態)であったことを示す客待ち指定コマンド等が挙げられる。
また、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、上述の各種コマンドに加え、特定領域57への所定数の遊技球の進入の有無を示す特定領域通過状態指定コマンドも副制御基板300へ送信されるようになっている。この特定領域通過状態指定コマンドは、2バイトのデータにより構成されるものであり、2バイトのうちの上位バイトによって特定領域通過状態指定コマンドである旨が示され、下位バイトによって特定領域57へ所定数の遊技球が進入した状態か進入していない状態であるかが示されるようになっている。なお、後述の如く、特定領域57へ所定数の遊技球が進入するとその旨を示す進入フラグがオンとなるようになっており、この進入フラグがオンであるか否かに基づいて特定領域通過状態指定コマンドが設定されることとなる。
なお、この進入フラグがオンであるか否かの情報は、メインRAM103の所定の記憶領域に記憶されており、電断発生信号を検出した際(すなわち、電断発生時)には後述の電断退避処理が行われることにより保持されるようになっている。すなわち、この進入フラグがオンであるか否かの情報は、電断発生によってはクリアされない。
そして、初期化処理を終了する。
【0120】
次に、主制御基板100の電断退避処理を説明する。
本形態に係るパチンコ機Pにおいては、供給される電源の電圧が所定値以下となると、上述の主制御基板100のメイン処理に割り込んで、
図19のフローチャートに示す電断退避処理が実行される。
【0121】
ステップ150において、メインCPU101は、電断発生信号を検出しているか否かを判定する。そして、電断発生信号を検出していると判定した場合、ステップ152に進む。一方、電断発生信号を検出していないと判定した場合、次のステップ151に進む。
ステップ151において、メインCPU101は、割り込みを許可するための処理を行う。そして、電断退避処理を終了する。
【0122】
また、上述のステップ150で電断発生信号を検出していると判定した場合に進むステップ152において、メインCPU101は、メインRAM103へのアクセスを禁止する。この処理が行われることにより、これ以降、メインRAM103への各種データの記憶やメインRAM103からの各種データの読み出し(ロード)が不可能となり、メインRAM103の記憶データが保持されることとなる。そして、次のステップ153に進む。
ステップ153において、メインCPU101は、電断監視時間を、電断監視時間タイマにセットする。そして、次のステップ154に進む。
【0123】
ステップ154において、メインCPU101は、電断発生信号を検出しているか否かを判定する。そして、電断発生信号を検出していると判定した場合、ステップ153に戻る。一方、電断発生信号を検出していないと判定した場合、次のステップ155に進む。
ステップ155において、メインCPU101は、上述のステップ153で設定された電断監視時間を経過したか否かを判定する。そして、経過していないと判定した場合、ステップ154に戻る。一方、経過したと判定した場合、電断退避処理を終了し、上述の初期化処理を実行する。電断監視時間の経過の判定は、上述の初期化処理における判定と同様に行われる。
なお、電断が発生した場合には、上述のステップ153からステップ155までをループしている間、パチンコ機Pの作動が停止することとなる。
【0124】
次に、主制御基板100のタイマ割込処理を説明する。
主制御基板100に設けられたリセット用クロックパルス発生回路により、所定の周期(本形態に係るパチンコ機Pでは、4ミリ秒)毎にクロックパルスが発生されることで、
図20のフローチャートに示すタイマ割込処理が実行される。
【0125】
ステップ200において、メインCPU101は、各種タイマカウンタを更新するタイマ更新処理を実行する。そして、次のステップ201に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、減算タイマを採用しており、主制御基板100のタイマ割込処理が実行されるたびにタイマカウンタが1ずつ減算され、0になると減算を停止するようになっている。
ステップ201において、メインCPU101は、当たり図柄乱数を更新する乱数更新処理を実行する。具体的には、乱数カウンタを「1」加算して更新し、加算した結果が乱数範囲の最大値を超えた場合には、乱数カウンタを「0」に戻し、乱数カウンタが1周した場合には、その時点の当たり図柄乱数用初期値更新乱数の値から乱数を更新する。そして、次のステップ202に進む。
【0126】
ステップ202において、メインCPU101は、ゲート検出センサ20a、第1始動入賞口検出センサ15a、第2始動入賞口検出センサ16a、第2大入賞口検出センサ55a、特定領域検出センサ57a、一般領域検出センサ58aに入力があったか否かを判定し、これに基づいて所定の処理を行うセンサ検出時処理を実行する。そして、次のステップ203に進む。
ステップ203において、メインCPU101は、特図遊技及び特別遊技に関する制御を行うための特図関連制御処理を実行する。そして、次のステップ204に進む。
【0127】
ステップ204において、メインCPU101は、普図遊技に関する制御を行うための普図関連制御処理を実行する。そして、次のステップ205に進む。
ステップ205において、メインCPU101は、各種エラーの発生や解除に関する制御を行うためのエラー関連処理を実行する。具体的には、前扉3の開放に基づく扉開放コマンドや、受皿7の満タン状態に基づく受皿満タンコマンド等を、主制御基板100が受信した場合に、メインCPU101は、対応するエラー指定コマンド(たとえば、扉開放指定コマンド、満タン状態指定コマンド等)を生成して演出用伝送データ格納領域に記憶(セット)する。また、上述のコマンドを主制御基板100が受信しなくなった場合に、メインCPU101は、対応するエラー解除指定コマンド(たとえば、扉閉鎖指定コマンド、満タン解除指定コマンド等)を生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ206に進む。
【0128】
ステップ206において、一般入賞口検出センサ14a、第1始動入賞口検出センサ15a、第2始動入賞口検出センサ16a、第1大入賞口検出センサ18a、第2大入賞口検出センサ55aからの検出信号がメインCPU101に入力された場合に、当該メインCPU101は、それぞれの検出信号に対応して設けられている賞球カウンタを更新するとともに、それぞれの検出信号に対応する払出個数指定コマンドを発射払出制御基板200に送信する払出制御処理を実行する。なお、発射払出制御基板200により賞球の払い出しが行われると、当該払い出しごとに主制御基板100に払い出しコマンドが送信され、メインCPU101は、当該払い出しコマンドを受信すると、賞球カウンタを減算する。そして、次のステップ207に進む。
ステップ207において、メインCPU101は、パチンコ機Pの遊技状態を当該パチンコ機Pの外部に出力するための外部情報データ、第2始動入賞口16の可動片16bを開閉するための始動入賞口ソレノイドデータ、第1大入賞口18又は第2大入賞口55の開閉を制御するための大入賞口ソレノイドデータ、各種表示装置(第1特別図柄表示装置30、第2特別図柄表示装置31、普通図柄表示装置32、第1特図保留表示装置38、第2特図保留表示装置39及び普通図柄保留表示装置33)の表示データ等を作成するデータ作成処理を実行する。そして、次のステップ208に進む。
【0129】
ステップ208において、メインCPU101は、出力制御処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、上述のステップ207で作成した各データの信号を出力するポート出力処理、及び、演出用伝送データ格納領域に記憶されたコマンドを送信するコマンド送信処理を実行する。そして、主制御基板100のタイマ割込処理を終了する。
【0130】
次に、上述したステップ202のセンサ検出時処理について、
図21のフローチャートを参照して説明する。
ステップ300において、メインCPU101は、遊技球がゲート20を通過したことに基づいて、普通図柄の抽選を行うためのゲート検出時処理を実行する。そして、次のステップ301に進む。
ステップ301において、メインCPU101は、遊技球が第1始動入賞口15へ入球したことに基づいて、大当たりの抽選を行うための第1始動入賞口検出時処理を実行する。そして、次のステップ302に進む。
【0131】
ステップ302において、メインCPU101は、遊技球が第2始動入賞口16へ入球したことに基づいて、大当たりの抽選を行うための第2始動入賞口検出時処理を実行する。そして、次のステップ303に進む。
ステップ303において、メインCPU101は、遊技球が第2大入賞口55へ入球したことに基づいて、第2大入賞口入出球カウンタを更新するための第2大入賞口検出時処理を実行する。そして、次のステップ304に進む。
【0132】
ステップ304において、メインCPU101は、遊技球が特定領域57へ進入したことに基づいて、第2大入賞口入出球カウンタの更新や特別遊技終了後の遊技状態の設定に関する特定領域検出時処理を実行する。そして、次のステップ305に進む。
ステップ305において、メインCPU101は、遊技球が一般領域58へ進入したことに基づいて、第2大入賞口入出球カウンタを更新するための一般領域検出時処理を実行する。そして、センサ検出時処理を終了する。
【0133】
次に、上述したステップ300のゲート検出時処理について、
図22のフローチャートを参照して説明する。
ステップ400において、メインCPU101は、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、ゲート検出時処理を終了する。一方、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ401に進む。
ステップ401において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における普図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、ゲート検出時処理を終了する。一方、当該値が4未満であると判定した場合、次のステップ402に進む。
【0134】
ステップ402において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ403に進む。
ステップ403において、メインCPU101は、現時点の当たり決定乱数を取得して普図保留記憶領域に記憶し、ゲート検出時処理を終了する。
【0135】
次に、上述したステップ301の第1始動入賞口検出時処理について、
図23のフローチャートを参照して説明する。
ステップ500において、メインCPU101は、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、第1始動入賞口検出時処理を終了する。一方、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ501に進む。
ステップ501において、メインCPU101は、第1特図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における第1特図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、第1始動入賞口検出時処理を終了する。一方、当該値が「4」未満であると判定した場合、次のステップ502に進む。
【0136】
ステップ502において、メインCPU101は、第1特図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ503に進む。
ステップ503において、メインCPU101は、現時点の大当たり決定乱数を取得して第1保留記憶領域に記憶する。そして、次のステップ504に進む。
【0137】
ステップ504において、メインCPU101は、上述のステップ201で更新された当たり図柄乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり決定乱数を記憶した第1保留記憶領域に記憶する。そして、次のステップ505に進む。
ステップ505において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新されたリーチグループ決定乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり決定乱数を記憶した第1保留記憶領域に記憶する。そして、次のステップ506に進む。
【0138】
ステップ506において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新されたリーチモード決定乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり決定乱数を記憶した第1保留記憶領域に記憶する。以上より、取得された大当たり決定乱数、当たり図柄乱数、リーチグループ決定乱数及びリーチモード決定乱数はすべて同じ第1保留記憶領域に記憶されることとなる。そして、次のステップ507に進む。
ステップ507において、メインCPU101は、第1特図乱数が記憶されたことを示す始動入賞コマンドを生成して演出用伝送データ格納領域に記憶し、第1始動入賞口検出時処理を終了する。
【0139】
次に、上述したステップ302の第2始動入賞口検出時処理について、
図24のフローチャートを参照して説明する。
ステップ600において、メインCPU101は、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、第2始動入賞口検出時処理を終了する。一方、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ601に進む。
ステップ601において、メインCPU101は、第2特図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における第2特図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、第2始動入賞口検出時処理を終了する。一方、当該値が「4」未満であると判定した場合、次のステップ602に進む。
【0140】
ステップ602において、メインCPU101は、第2特図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ603に進む。
ステップ603において、メインCPU101は、現時点の大当たり決定乱数を取得して第2保留記憶領域に記憶する。そして、次のステップ604に進む。
【0141】
ステップ604において、メインCPU101は、上述のステップ201で更新された当たり図柄乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり決定乱数を記憶した第2保留記憶領域に記憶する。そして、次のステップ605に進む。
ステップ605において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新されたリーチグループ決定乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり決定乱数を記憶した第2保留記憶領域に記憶する。そして、次のステップ606に進む。
【0142】
ステップ606において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新されたリーチモード決定乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり決定乱数を記憶した第2保留記憶領域に記憶する。以上より、取得された大当たり決定乱数、当たり図柄乱数、リーチグループ決定乱数及びリーチモード決定乱数はすべて同じ第2保留記憶領域に記憶されることとなる。そして、次のステップ607に進む。
ステップ607において、メインCPU101は、第2特図乱数が記憶されたことを示す始動入賞コマンドを生成して演出用伝送データ格納領域に記憶し、第2始動入賞口検出時処理を終了する。
【0143】
次に、上述したステップ303の第2大入賞口検出時処理について、
図25のフローチャートを参照して説明する。
ステップ630において、メインCPU101は、第2大入賞口検出センサ55aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、第2大入賞口検出センサ55aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、第2大入賞口検出時処理を終了する。一方、第2大入賞口検出センサ55aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ631に進む。
ステップ631において、メインCPU101は、現時点が特別遊技中であるか否かを判定する。ここで、特別遊技中においては、後述する実行フェーズデータの値が「03」又は「04」となっているため、この実行フェーズデータの値を確認することにより、現時点が特別遊技中であるか否かを判定することができるようになっている。
そして、特別遊技中でないと判定した場合、第2大入賞口検出時処理を終了する。一方、特別遊技中であると判定した場合、次のステップ632に進む。
ステップ632において、メインCPU101は、第2大入賞口入出球カウンタの値を「1」インクリメントする。これにより、第2大入賞口55へ入球した遊技球の数がカウントされることとなる。そして、第2大入賞口検出時処理を終了する。
【0144】
次に、上述したステップ304の特定領域検出時処理について、
図26のフローチャートを参照して説明する。
ステップ650において、メインCPU101は、特定領域検出センサ57aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、特定領域検出センサ57aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、特定領域検出時処理を終了する。一方、特定領域検出センサ57aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ651に進む。
ステップ651において、メインCPU101は、現時点が特別遊技中であるか否かを判定する。そして、特別遊技中でないと判定した場合、特定領域検出時処理を終了する。一方、特別遊技中であると判定した場合、次のステップ652に進む。
ステップ652において、メインCPU101は、第2大入賞口入出球カウンタの値を「1」デクリメントする。これにより、第2大入賞口55の外部へ排出された(すなわち、第2大入賞口55から出球した)遊技球の数がカウントされる。
ここで、何らかの不具合等により第2大入賞口入出球カウンタの値が「0」となっていた場合には、メインCPU101は、デクリメントを行わず、エラーが発生していると判断して所定の処理(エラー発生の旨の記憶処理等)を実行する。なお、当該エラーが発生しているとの判断時においては、外部情報端子基板500への所定のエラー信号の送信や、副制御基板300への所定のエラーコマンドの送信は行わないようになっている。
そして、次のステップ653に進む。
【0145】
ステップ653において、メインCPU101は、特定領域検出センサ57aからの検出信号が所定回数(本形態では1回)入力されたか否かを判定する。そして、特定領域検出センサ57aからの検出信号が所定回数入力されていないと判定した場合、特定領域検出時処理を終了する。一方、特定領域検出センサ57aからの検出信号が所定回数入力されたと判定した場合、次のステップ654に進む。
ステップ654において、メインCPU101は、特別遊技中において特定領域57へ所定数の遊技球が進入したことを示す進入フラグをオンにする。なお、上述の如く、この進入フラグがオンであるか否かの情報は、電断発生によってはクリアされないようになっている。
そして、次のステップ655に進む。
【0146】
ステップ655において、メインCPU101は、特別遊技における4ラウンド又は5ラウンドのラウンド遊技中であるか否かを判定する。そして、4ラウンド及び5ラウンドのいずれのラウンド遊技中でもないと判定した場合、ステップ658に進む。一方、4ラウンド又は5ラウンドのラウンド遊技中であると判定した場合、次のステップ656に進む。
ステップ656において、メインCPU101は、停止表示されている特別図柄がX1であるか否かを判定する。そして、停止表示されている特別図柄がX1でない(すなわち、X2である)と判定した場合、ステップ658に進む。一方、停止表示されている特別図柄がX1であると判定した場合、次のステップ657に進む。
【0147】
ステップ657において、メインCPU101は、特別遊技中において特定領域57へ所定数の遊技球が適正に進入したことを副制御基板300へ伝達するための進入コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。そして、特定領域検出時処理を終了する。
また、上述のステップ655で4ラウンド及び5ラウンドのいずれのラウンド遊技中でもないと判定した場合、又は、上述のステップ656で停止表示されている特別図柄がX1でないと判定した場合に進むステップ658において、メインCPU101は、特別遊技中において不正に特定領域57へ遊技球が進入した可能性があることを副制御基板300へ伝達するための進入エラーコマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。そして、特定領域検出時処理を終了する。
【0148】
次に、上述したステップ305の一般領域検出時処理について、
図27のフローチャートを参照して説明する。
ステップ670において、メインCPU101は、一般領域検出センサ58aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、一般領域検出センサ58aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、一般領域検出時処理を終了する。一方、一般領域検出センサ58aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ671に進む。
ステップ671において、メインCPU101は、現時点が特別遊技中であるか否かを判定する。そして、特別遊技中でないと判定した場合、一般領域検出時処理を終了する。一方、特別遊技中であると判定した場合、次のステップ672に進む。
ステップ672において、メインCPU101は、第2大入賞口入出球カウンタの値を「1」デクリメントする。これにより、第2大入賞口55の外部へ排出された(すなわち、第2大入賞口55から出球した)遊技球の数がカウントされる。
なお、上述同様、何らかの不具合等により第2大入賞口入出球カウンタの値が「0」となっていた場合には、メインCPU101は、デクリメントを行わず、エラーが発生していると判断して所定の処理を実行する。この場合にも、外部情報端子基板500への所定のエラー信号の送信や、副制御基板300への所定のエラーコマンドの送信は行わない。
そして、一般領域検出時処理を終了する。
【0149】
次に、上述したステップ203の特図関連制御処理について、
図28のフローチャートを参照して説明する。
ステップ700において、メインCPU101は、実行フェーズデータの値をロードする。この実行フェーズデータは、当該特図関連制御処理を構成する複数の機能モジュール(サブルーチン)のうちいずれを実行するかを示すものである。具体的には、この実行フェーズデータは、後述する特別図柄変動開始処理の実行を示すデータ「00」と、後述する特別図柄変動停止処理の実行を示すデータ「01」と、後述する停止後処理の実行を示すデータ「02」と、後述する特別遊技制御処理の実行を示すデータ「03」と、後述する特別遊技終了処理の実行を示すデータ「04」と、を有している。
そして、メインCPU101は、上述のステップ700でロードした実行フェーズデータの値に基づき、特別図柄変動開始処理(ステップ701)、特別図柄変動停止処理(ステップ702)、停止後処理(ステップ703)、特別遊技制御処理(ステップ704)又は特別遊技終了処理(ステップ705)のいずれかを実行する。そして、特図関連制御処理を終了する。
【0150】
次に、上述したステップ701の特別図柄変動開始処理について、
図29のフローチャートを参照して説明する。
ステップ800において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別図柄変動開始処理の実行を示すデータ「00」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「00」でないと判定した場合、特別図柄変動開始処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「00」であると判定した場合、次のステップ801に進む。
ステップ801において、メインCPU101は、第2保留記憶領域の記憶部に第2特図乱数が記憶されているか否か、すなわち、第2特図保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、第2特図乱数が記憶されていると判定した場合、ステップ804に進む。一方、第2特図乱数が記憶されていないと判定した場合、次のステップ802に進む。
【0151】
ステップ802において、メインCPU101は、第1保留記憶領域の記憶部に第1特図乱数が記憶されているか否か、すなわち、第1特図保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、第1特図乱数が記憶されていると判定した場合、次のステップ803に進む。一方、第1特図乱数が記憶されていないと判定した場合、ステップ811に進む。
ステップ803において、メインCPU101は、第1特図保留数カウンタの値を「1」デクリメントするとともに、第1保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第1保留記憶領域の第1記憶部に記憶されている各乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第1保留記憶領域の第2記憶部〜第4記憶部に記憶されている各乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、第1保留記憶領域に記憶された各乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の大当たり判定処理に用いられるようになっている。そして、ステップ805に進む。
【0152】
また、上述のステップ801で第2特図乱数が記憶されていると判定した場合に進むステップ804において、メインCPU101は、第2特図保留数カウンタの値を「1」デクリメントするとともに、第2保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第2保留記憶領域の第1記憶部に記憶されている各乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第2保留記憶領域の第2記憶部〜第4記憶部に記憶されている各乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、第2保留記憶領域に記憶された各乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の大当たり判定処理に用いられるようになっている。そして、ステップ805に進む。
ステップ805において、メインCPU101は、大当たり決定乱数判定テーブル110のうち、現時点の遊技状態に対応するいずれかを選択し、選択したテーブルと、上述のステップ803又はステップ804で処理領域に記憶された大当たり決定乱数とに基づいて、大当たりの抽選の結果を導出する大当たり判定処理を実行する。そして、次のステップ806に進む。
【0153】
ステップ806において、メインCPU101は、特別図柄の種別を決定する特別図柄決定処理を実行する。具体的には、上述のステップ805における抽選の結果が大当たりであった場合には、当該抽選の判定に用いられた大当たり決定乱数がいずれの始動入賞口への遊技球の入球によるものか(すなわち、第1始動入賞口15か、又は、第2始動入賞口16か)を確認した上で、これに応じた当たり図柄乱数判定テーブル111を選択し、選択したテーブルと、上述のステップ803又はステップ804で処理領域に記憶された当たり図柄乱数とに基づいて、特別図柄の種別を決定する。一方、上述のステップ805における抽選の結果がハズレであった場合には、当該抽選の判定に用いられた大当たり決定乱数が第1始動入賞口15への遊技球の入球によるものであれば特別図柄Y1を決定し、当該抽選の判定に用いられた大当たり決定乱数が第2始動入賞口16への遊技球の入球によるものであれば特別図柄Y2を決定する。そして、決定した特別図柄に対応するデータを、メインRAM103の所定の領域に記憶する。また、この特別図柄決定処理においては、現時点の遊技状態、すなわち、特別図柄を決定した時点の遊技状態が遊技状態バッファに記憶される。そして、次のステップ807に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pの特別図柄変動開始処理では、第1特図乱数及び第2特図乱数の両方が記憶されている場合には、第1特図乱数に優先して第2特図乱数が処理されるようになっているが、これに限定されるものではなく、保留記憶領域に記憶された順に処理してもよい。
【0154】
ステップ807において、メインCPU101は、上述のステップ806で決定された特別図柄の種別を示す図柄決定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。これにより、決定された特別図柄の種別に係る情報が、変動演出の開始時に副制御基板300に送信されることとなる。そして、次のステップ808に進む。
ステップ808において、メインCPU101は、上述のステップ803又はステップ804で処理領域に記憶されたリーチグループ決定乱数及びリーチモード決定乱数に基づいて、変動演出パターンの決定に係る変動演出パターン決定処理を実行する。そして、次のステップ809に進む。
【0155】
ステップ809において、メインCPU101は、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31で特別図柄の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、第1特図乱数に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、第1特別図柄表示装置30が点滅表示を開始し、また、第2特図乱数に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、第2特別図柄表示装置31が点滅表示を開始する。ここで、点滅表示とは、各表示装置において「−」が所定の間隔で点滅することをいうものである。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1特図乱数が第1保留記憶領域に記憶されている場合には、第1特図保留数を認識できる態様で第1特図保留表示装置38が表示され、第2特図乱数が第2保留記憶領域に記憶されている場合には、第2特図保留数を認識できる態様で第2特図保留表示装置39が表示されるようになっている。そして、第1特図乱数に基づいて上述の特別図柄の変動表示が行われる場合には、変動表示の開始と同時に、第1特図保留数が1つ減ることを示すように、第1特図保留表示装置38が表示制御され、第2特図乱数に基づいて上述の特別図柄の変動表示が行われる場合には、変動表示の開始と同時に、第2特図保留数が1つ減ることを示すように、第2特図保留表示装置39が表示制御される。
そして、次のステップ810に進む。
【0156】
ステップ810において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動停止処理が実行されるように、実行フェーズデータに「01」をセットし、特別図柄変動開始処理を終了する。
また、上述のステップ802で第1保留記憶領域に第1特図乱数が記憶されていないと判定した場合に進むステップ811において、メインCPU101は、変動表示が行われていないことに基づき、演出表示装置21においてデモ表示を行うためのデモ判定処理を実行する。具体的には、メインCPU101は特別図柄の変動表示が行われていない時間を計時するとともに、所定時間の間、特別図柄の変動表示が行われない場合に、演出表示装置21にデモ画面を表示するためのデモコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、特別変動開始処理を終了する。
【0157】
次に、上述したステップ808の変動演出パターン決定処理について、
図30のフローチャートを参照して説明する。
ステップ900において、メインCPU101は、上述のステップ805で決定された特別図柄が大当たり図柄であるか否かを判定する。そして、大当たり図柄であると判定した場合、次のステップ901に進む。一方、大当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ903に進む。
ステップ901において、メインCPU101は、当該抽選の判定に係る始動入賞口の種別(すなわち、当該抽選の判定に用いられた大当たり決定乱数がいずれの始動入賞口への入球により取得されたものであるか)を確認するとともに、上述のステップ805で決定された大当たり図柄、及び、現時点の遊技状態を確認する。そして、次のステップ902に進む。
【0158】
ステップ902において、メインCPU101は、上述のステップ901で確認した始動入賞口の種別、大当たり図柄、及び、遊技状態に基づいて、対応するリーチモード決定乱数判定テーブル113(大当たり用判定テーブル)を選択する。そして、ステップ907に進む。
また、上述のステップ900で大当たり図柄でないと判定した場合に進むステップ903において、メインCPU101は、現時点の遊技状態、及び、現時点の保留数を確認する。そして、次のステップ904に進む。
【0159】
ステップ904において、メインCPU101は、上述のステップ903で確認した遊技状態及び保留数に基づいて、対応するリーチグループ決定乱数判定テーブル112を選択する。そして、次のステップ905に進む。
ステップ905において、メインCPU101は、上述のステップ803又はステップ804で処理領域に記憶されたリーチグループ決定乱数と、上述のステップ904で選択されたリーチグループ決定乱数判定テーブル112とに基づいて、グループの種別を決定し、当該グループの種別を所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ906に進む。
【0160】
ステップ906において、メインCPU101は、上述のステップ905で決定されたグループの種別に基づいて、リーチモード決定乱数判定テーブル113(ハズレ用判定テーブル)を選択する。そして、次のステップ907に進む。
ステップ907において、メインCPU101は、上述のステップ902で選択されたリーチモード決定乱数判定テーブル113(大当たり用判定テーブル)、又は、上述のステップ906で選択されたリーチモード決定乱数判定テーブル113(ハズレ用判定テーブル)と、上述のステップ803又はステップ804で処理領域に記憶されたリーチモード決定乱数とに基づいて、変動モード番号を決定し、この決定された変動モード番号を所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ908に進む。
【0161】
ステップ908において、メインCPU101は、変動時間決定テーブル114と、上述のステップ907で決定された変動モード番号とに基づいて、変動時間を決定する。また、メインCPU101は、この決定された変動時間を変動時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ909に進む。
ステップ909において、メインCPU101は、上述のステップ907で決定された変動モード番号に基づいて変動モードコマンドを生成する。さらに、メインCPU101は、生成された変動モードコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、変動演出パターン決定処理を終了する。
【0162】
次に、上述したステップ702の特別図柄変動停止処理について、
図31のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1000において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別図柄変動停止処理の実行を示すデータ「01」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「01」でないと判定した場合、特別図柄変動停止処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「01」であると判定した場合、次のステップ1001に進む。
【0163】
ステップ1001において、メインCPU101は、ステップ910で変動時間タイマカウンタにセットされた変動時間が経過したか否かを判定する。そして、当該変動時間が経過していないと判定した場合、特別図柄変動停止処理を終了する。一方、当該変動時間が経過したと判定した場合、次のステップ1002に進む。
ステップ1002において、メインCPU101は、上述のステップ805で決定された特別図柄を、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に停止表示するための停止表示データをセットし、特別図柄の停止表示を実行する。そして、次のステップ1003に進む。
【0164】
ステップ1003において、メインCPU101は、特別図柄が確定したことを示す図柄確定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1004に進む。
ステップ1004において、メインCPU101は、特別図柄を停止表示する停止表示時間を停止表示時間カウンタにセットする。そして、次のステップ1005に進む。
【0165】
ステップ1005において、メインCPU101は、特図関連制御処理において停止後処理が実行されるように、実行フェーズデータに「02」をセットする。そしてし、特別図柄変動停止処理を終了する。
【0166】
次に、上述したステップ703の停止後処理について、
図32のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1100において、メインCPU101は、実行フェーズデータが停止後処理の実行を示すデータ「02」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「02」でないと判定した場合、停止後処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「02」であると判定した場合、次のステップ1101に進む。
ステップ1101において、メインCPU101は、上述のステップ1004で停止表示時間カウンタにセットされた停止表示時間が経過したか否かを判定する。そして、停止表示時間が経過していないと判定した場合、停止後処理を終了する。一方、停止表示時間が経過したと判定した場合、次のステップ1102に進む。
【0167】
ステップ1102において、メインCPU101は、時短回数更新処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、現時点の遊技状態が時短遊技状態であることを示す時短遊技フラグがオンとなっているか否かを判定する。そして、時短遊技フラグがオンとなっていると判定した場合、メインRAM103に設けられた時短回数記憶領域を更新する。この時短回数記憶領域には、時短遊技状態が終了するまでの残りの変動回数が記憶されている。そして、この記憶されている残りの変動回数を「1」デクリメントする。また、残りの変動回数の更新により当該残りの変動回数が「0」となった場合には、時短遊技フラグをオフにする処理も実行する。また、時短遊技フラグがオンとなっていないと判定した場合、メインCPU101は、何も処理は行わない。そして、次のステップ1103に進む。
【0168】
ステップ1103において、メインCPU101は、高確回数更新処理を行う。ここでは、メインCPU101は、現時点の遊技状態が高確率遊技状態であることを示す高遊技確フラグがオンとなっているか否かを判定する。そして、高確遊技フラグがオンとなっていると判定した場合、メインRAM103に設けられた高確回数記憶領域を更新する。この高確回数記憶領域には、高確率遊技状態が終了するまでの残りの変動回数が記憶されている。そして、この記憶されている残りの変動回数を「1」デクリメントする。また、残りの変動回数の更新により当該残りの変動回数が「0」となった場合には、高確遊技フラグをオフにする処理も実行される。また、高確遊技フラグがオンとなっていないと判定した場合、メインCPU101は、何も処理は行わない。そして、次のステップ1104に進む。
【0169】
ステップ1104において、メインCPU101は、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄であるか否かを判定する。そして、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1109に進む。一方、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1105に進む。
ステップ1105において、メインCPU101は、現時点の遊技状態をリセットする処理を実行する。そして、次のステップ1106に進む。
【0170】
ステップ1106において、メインCPU101は、特別遊技の開始時に設定される待機時間であるオープニング時間をタイマカウンタにセットするとともに、オープニング処理が開始されることを示すオープニングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1107に進む。
ステップ1107において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別遊技制御処理が実行されるように、実行フェーズデータに「03」をセットする。そして、次のステップ1108に進む。
【0171】
ステップ1108において、メインCPU101は、現時点の遊技状態を確認し、遊技状態コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、停止後処理を終了する。
また、上述のステップ1104で停止表示されている特別図柄が大当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合に進むステップ1109において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動開始処理が実行されるように、実行フェーズデータに「00」をセットする。そして、ステップ1108に進む。
【0172】
次に、上述したステップ704の特別遊技制御処理について、
図33のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1200において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別遊技制御処理の実行を示すデータ「03」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「03」でないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「03」であると判定した場合、次のステップ1201に進む。
ステップ1201において、メインCPU101は、上述のステップ1106でタイマカウンタにセットされたオープニング時間が経過したか否かを判定する。そして、オープニング時間が経過していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、オープニング時間が経過したと判定した場合、次のステップ1202に進む。
【0173】
ステップ1202において、メインCPU101は、この特別遊技制御処理において全ラウンド遊技が終了した後に行われる待機処理であるエンディング処理中であるか否かを判定する。そして、エンディング処理中であると判定した場合、ステップ1207に進む。一方、エンディング処理中でないと判定した場合、次のステップ1203に進む。
ステップ1203において、メインCPU101は、各ラウンド遊技における第1大入賞口18や第2大入賞口55の開閉制御等を行うラウンド遊技制御処理を実行する。そして、次のステップ1204に進む。
【0174】
ステップ1204において、メインCPU101は、全ラウンド遊技が終了したか否かを判定する。そして、全ラウンド遊技が終了していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、全ラウンド遊技が終了したと判定した場合、次のステップ1205に進む。
ステップ1205において、メインCPU101は、特定領域通過状態指定コマンド演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、ここで記憶された特定領域通過状態指定コマンドは、上述のステップ208の出力制御処理により副制御基板300へ送信される。
ここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、後述する如く、全ラウンド遊技の終了後に行われるエンディング処理中に、特定領域57への所定数の遊技球の進入の有無に応じた演出(後述のエンディング演出)が実行されるようになっている。換言すれば、特定領域57への所定数の遊技球の進入の有無に応じた演出が実行されるタイミングとして、全ラウンド遊技の終了後に行われるエンディング処理中が予め定められている。そのため、本形態に係るパチンコ機Pでは、電断復帰時のみならず、上述の全ラウンド遊技の終了時(すなわち、エンディング処理の開始前の時点)にも、特定領域通過状態指定コマンドが副制御基板300へ送信されるようになっている。これにより、全ラウンド遊技が終了するまでに、主制御基板100が認識し得ない、副制御基板300のみのシステムリセットが発生して主制御基板100から送信された進入コマンドがクリアされてしまった場合であっても、上述の特定領域通過状態指定コマンドに基づいて、適切なエンディング演出が実行できることとなる。
そして、次のステップ1206に進む。
【0175】
ステップ1206において、メインCPU101は、特別遊技の終了時に設定される待機時間であるエンディング時間をエンディング時間タイマカウンタにセットし、エンディング処理が開始されることを示すエンディングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、特別遊技制御処理を終了する。
【0176】
また、上述のステップ1202でエンディング処理中であると判定した場合に進むステップ1207において、メインCPU101は、上述のステップ1206でセットしたエンディング時間が経過したか否かを判定する。そして、当該エンディング時間が経過していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、当該エンディング時間が経過したと判定した場合、次のステップ1208に進む。
ステップ1208において、メインCPU101は、特別遊技が終了したことを示す特別遊技終了コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1209に進む。
【0177】
ステップ1209において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別遊技終了処理が実行されるように、実行フェーズデータに「04」をセットする。そして、特別遊技制御処理を終了する。
【0178】
次に、上述したステップ1203のラウンド遊技制御処理について、
図34のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1250において、メインCPU101は、最初のラウンド遊技(すなわち、1ラウンド)が開始された時点であるか否かを判定する。そして、1ラウンドが開始された時点でないと判定した場合、ステップ1253に進む。一方、1ラウンドが開始された時点であると判定した場合、次のステップ1251に進む。
ステップ1251において、メインCPU101は、ラウンド遊技が開始される旨を示す開始フラグをオンにする。そして、次のステップ1252に進む。
【0179】
ステップ1252において、メインCPU101は、ラウンド遊技が終了した旨を示す終了フラグをオフにする。そして、次のステップ1253に進む。
ステップ1253において、メインCPU101は、開始フラグがオンであるか否かを判定する。そして、開始フラグがオンでない(すなわち、開始フラグがオフである)と判定した場合、ステップ1261に進む。一方、開始フラグがオンであると判定した場合、次のステップ1254に進む。
【0180】
ステップ1254において、メインCPU101は、開始フラグをオフにする。そして、次のステップ1255に進む。
ステップ1255において、メインCPU101は、ラウンド遊技の開始を示すラウンド遊技開始コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1256に進む。
【0181】
ステップ1256において、メインCPU101は、停止表示されている特別図柄がX1であるか否かを判定する。そして、停止表示されている特別図柄がX1でない(すなわち、X2である)と判定した場合、ステップ1258に進む。一方、停止表示されている特別図柄がX1であると判定した場合、次のステップ1257に進む。
ステップ1257において、メインCPU101は、ラウンド遊技中において第1大入賞口ソレノイド18c又は第2大入賞口ソレノイド55cを通電制御するために参照する特別電動役物作動テーブル115として、第1作動テーブル115aを取得する。そして、ステップ1259に進む。
【0182】
また、上述のステップ1256で停止表示されている特別図柄がX1でないと判定した場合に進むステップ1258において、メインCPU101は、特別電動役物作動テーブル115として、第2作動テーブル115bを取得する。そして、次のステップ1259に進む。
ステップ1259において、メインCPU101は、上述のステップ1257又はステップ1258で取得された特別電動役物作動テーブル115を参照して、第1大入賞口18又は第2大入賞口55の開放時間(すなわち、第1大入賞口ソレノイド18c又は第2大入賞口ソレノイド55cの通電時間)をタイマカウンタにセットする。そして、次のステップ1260に進む。
なお、ここでタイマカウンタにセットされた開放時間は、上述のステップ200のタイマ更新処理で減算されるようになっている。
【0183】
ステップ1260において、メインCPU101は、第1大入賞口18又は第2大入賞口55の開閉制御(すなわち、第1大入賞口ソレノイド18c又は第2大入賞口ソレノイド55cの通電制御)を開始する。
具体的には、メインCPU101は、取得された特別電動役物作動テーブル115及び上述のタイマカウンタの値に基づいて、第1大入賞口18又は第2大入賞口55の開閉制御を行う。
たとえば、停止表示されている特別図柄がX1である場合、1ラウンド〜3ラウンド、及び、6ラウンド〜10ラウンドの各ラウンド遊技中においては、第1大入賞口18について、29.0秒開放が行われる。これに対して、4ラウンド及び5ラウンドの各ラウンド遊技中においては、第2大入賞口55について、20.0秒開放及び5.0秒閉鎖が行われた後、0.5秒開放及び5.0秒閉鎖が繰り返し18回行われる。
また、停止表示されている特別図柄がX2である場合、1ラウンド〜3ラウンド、及び、6ラウンド〜10ラウンドの各ラウンド遊技中においては、第1大入賞口18について、29.0秒開放が行われる。これに対して、4ラウンド及び5ラウンドの各ラウンド遊技中においては、第2大入賞口55について、0.5秒開放及び2.0秒閉鎖が繰り返し10回行われる。
そして、次のステップ1261に進む。
【0184】
ステップ1261において、メインCPU101は、終了フラグがオンであるか否かを判定する。そして、終了フラグがオンであると判定した場合、ステップ1267に進む。一方、終了フラグがオンでない(すなわち、終了フラグがオフである)と判定した場合、次のステップ1262に進む。
ステップ1262において、メインCPU101は、タイマカウンタにセットされた開放時間の経過、若しくは、第1大入賞口18又は第2大入賞口55への所定数(10個)の遊技球の入球のいずれかの条件を満たしたか否かを判定する。そして、いずれの条件も満たしていないと判定した場合、ラウンド遊技制御処理を終了する。一方、いずれかの条件を満たしたと判定した場合、次のステップ1263に進む。
【0185】
ステップ1263において、メインCPU101は、終了フラグをオンにする。そして、次のステップ1264に進む。
ステップ1264において、メインCPU101は、ラウンド遊技の終了を示すラウンド遊技終了コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1265に進む。
【0186】
ステップ1265において、メインCPU101は、第1大入賞口18又は第2大入賞口55の開閉制御(第1大入賞口ソレノイド18c又は第2大入賞口ソレノイド55cの通電制御)を終了する。そして、次のステップ1266に進む。
ステップ1266において、メインCPU101は、上述のステップ1257又はステップ1258で取得された特別電動役物作動テーブル115を参照して、各ラウンド遊技の終了後に設定されるインターバル時間をタイマカウンタにセットする。
具体的には、3ラウンド終了後には、10.0秒のインターバル時間がセットされ、3ラウンド以外のラウンド遊技(1ラウンド、2ラウンド、4ラウンド〜9ラウンド)終了後には、2.0秒のインターバル時間がセットされる。
なお、ここでタイマカウンタにセットされたインターバル時間は、上述のステップ200のタイマ更新処理で減算されるようになっている。
そして、ラウンド遊技制御処理を終了する。
【0187】
また、上述のステップ1261で終了フラグがオンであると判定した場合に進むステップ1267において、メインCPU101は、タイマカウンタにセットされたインターバル時間が経過したか否かを判定する。そして、インターバル時間が経過していないと判定した場合、ラウンド遊技制御処理を終了する。一方、インターバル時間が経過したと判定した場合、次のステップ1268に進む。
ステップ1268において、メインCPU101は、終了フラグをオフにする。そして、次のステップ1269に進む。
ステップ1269において、メインCPU101は、開始フラグをオンにする。そして、ラウンド遊技制御処理を終了する。
【0188】
次に、上述したステップ705の特別遊技終了処理について、
図35のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1300において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別遊技終了処理の実行を示すデータ「04」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「04」でないと判定した場合、特別遊技終了処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「04」であると判定した場合、次のステップ1301に進む。
ステップ1301において、メインCPU101は、進入フラグがオンであるか否かを判定する。そして、進入フラグがオンでない(すなわち、進入フラグがオフである)と判定した場合、ステップ1307に進む。一方、進入フラグがオンであると判定した場合、次のステップ1302に進む。
【0189】
ステップ1302において、メインCPU101は、高確遊技フラグをオンにする。これにより、特別遊技の終了後の遊技状態が高確率遊技状態に設定される。そして、次のステップ1303に進む。
ステップ1303において、メインCPU101は、高確回数として10000をセットする。そして、次のステップ1304に進む。
【0190】
ステップ1304において、メインCPU101は、時短遊技フラグをオンにする。これにより、特別遊技の終了後の遊技状態が時短遊技状態に設定される。そして、次のステップ1305に進む。
ステップ1305において、メインCPU101は、時短回数として10000をセットする。そして、次のステップ1306に進む。
【0191】
ステップ1306において、メインCPU101は、進入フラグをオフにする。そして、ステップ1310に進む。
また、上述のステップ1301で進入フラグがオンでないと判定した場合に進むステップ1307において、メインCPU101は、高確遊技フラグをオフにする。これにより、特別遊技の終了後の遊技状態が低確率遊技状態に設定される。そして、次のステップ1308に進む。
【0192】
ステップ1308において、メインCPU101は、時短遊技フラグをオンにする。そして、次のステップ1309に進む。
ステップ1309において、メインCPU101は、時短回数として50をセットする。そして、次のステップ1310に進む。
【0193】
ステップ1310において、メインCPU101は、上述のステップ1302、ステップ1304、ステップ1307、ステップ1308で設定された遊技状態に応じて、遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。この遊技状態指定コマンドには、ステップ1302又はステップ1307で設定された高確遊技フラグのオン又はオフの情報、ステップ1304又はステップ1308で設定された時短遊技フラグのオンの情報、高確回数の情報、時短回数の情報が含まれている。そして、次のステップ1311に進む。
ステップ1311において、メインCPU101は、特別遊技中に第2大入賞口55へ入球した遊技球の数と第2大入賞口55から排出された(すなわち、第2大入賞口55から出球した)遊技球の数とが一致しているか否かを判定する第2大入賞口入出球不一致判定処理を実行する。そして、次のステップ1312に進む。
【0194】
ステップ1312において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動開始処理が実行されるように、実行フェーズデータに「00」をセットする。そして、特別遊技終了処理を終了する。
【0195】
次に、上述したステップ1311の第2大入賞口入出球不一致判定処理について、
図36のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1330において、メインCPU101は、第2大入賞口入出球カウンタの値が0であるか否かを判定する。そして、0であると判定した場合、第2大入賞口入出球不一致判定処理を終了する。一方、0でないと判定した場合、次のステップ1331に進む。
ステップ1331において、メインCPU101は、第2大入賞口入出球カウンタの値を0クリアする。そして、次のステップ1332に進む。
【0196】
ステップ1332において、メインCPU101は、特別遊技中に第2大入賞口55へ入球した遊技球の数と第2大入賞口55から排出された遊技球の数とが一致していない旨を示す不一致エラー信号を、外部情報端子基板500へ送信する。そして、次のステップ1333に進む。
ステップ1333において、メインCPU101は、特別遊技中に第2大入賞口55へ入球した遊技球の数と第2大入賞口55から排出された遊技球の数とが一致していない旨を示す不一致エラーコマンドを、演出用伝送データ格納領域にセットする。そして、第2大入賞口入出球不一致判定処理を終了する。
【0197】
次に、上述したステップ204の普図関連制御処理について、
図37のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1400において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータの値をロードする。この普図実行フェーズデータは、当該普図関連制御処理を構成する複数の機能モジュール(サブルーチン)のうちいずれを実行するかを示すものである。具体的には、この普図実行フェーズデータは、後述する普通図柄変動開始処理の実行を示すデータ「10」と、後述する普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ「11」と、後述する普通図柄停止後処理の実行を示すデータ「12」と、後述する可動片制御処理の実行を示すデータ「13」と、を有している。
そして、メインCPU101は、上述のステップ1400でロードした普図実行フェーズデータの値に基づき、普通図柄変動開始処理(ステップ1401)、普通図柄変動停止処理(ステップ1402)、普通図柄停止後処理(ステップ1403)又は可動片制御終了処理(ステップ1404)のいずれかを実行する。そして、普図関連制御処理を終了する。
【0198】
次に、上述したステップ1401の普通図柄変動開始処理について、
図38のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1500において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄変動開始処理の実行を示す「10」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「10」でないと判定した場合、普通図柄変動開始処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「10」と判定した場合、次のステップ1501に進む。
ステップ1501において、メインCPU101は、普図保留記憶領域に当たり決定乱数が記憶されているか否か、すなわち、普図保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、普図保留数カウンタが「1」以上でない(すなわち、「0」)と判定した場合、普通図柄変動開始処理を終了する。一方、普図保留数カウンタが「1」以上であると判定した場合、次のステップ1502に進む。
【0199】
ステップ1502において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値を「1」デクリメントする。そして、次のステップ1503に進む。
ステップ1503において、メインCPU101は、普図保留記憶領域シフト処理を実行する。具体的には、第1記憶部に記憶されている当たり決定乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第2記憶部〜第4記憶部に記憶されている当たり決定乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、普図保留記憶領域に記憶された当たり決定乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の当選判定処理に用いられるようになっている。そして、ステップ1504に進む。
【0200】
ステップ1504において、メインCPU101は、現時点の遊技状態に対応する当たり決定乱数判定テーブル117(非時短判定テーブル117a又は時短判定テーブル117bのいずれか)を選択し、当該選択したテーブルと、上述のステップ1503で処理領域に記憶された当たり決定乱数とに基づいて、普通図柄の抽選の結果を導出する当選判定処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、現在の遊技状態が非時短遊技状態である場合には、非時短判定テーブル117aを参照して、処理領域に記憶された当たり決定乱数を判定する。これに対して、現在の遊技状態が時短遊技状態である場合には、時短判定テーブル117bを参照して、処理領域に記憶された当たり決定乱数を判定する。そして、次のステップ1505に進む。
ステップ1505において、メインCPU101は、上述のステップ1504における当選判定処理の結果が当たりであるか否かを判定する。そして、当たりであると判定した場合、次のステップ1506に進む。一方、当たりでない(すなわち、ハズレ)と判定した場合、ステップ1507に進む。
【0201】
ステップ1506において、メインCPU101は、当たり図柄データをメインRAM103の所定の領域に記憶する。そして、ステップ1508に進む。
また、上述のステップ1505で当選判定処理の結果が当たりでない(すなわち、ハズレ)と判定した場合に進むステップ1507において、メインCPU101は、ハズレ図柄データをメインRAM103の所定の領域に記憶する。そして、ステップ1508に進む。
【0202】
ステップ1508において、メインCPU101は、現時点の遊技状態が、非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれに設定されているかを確認するとともに、普通図柄変動パターン決定テーブル118を参照して、現時点の遊技状態に応じた普通図柄の変動時間を普図変動時間タイマカウンタにセットする。具体的には、メインCPU101は、現時点の遊技状態が非時短遊技状態である場合には、普図変動時間カウンタに「3秒」をセットし、時短遊技状態である場合には、普図変動時間カウンタに「0.6秒」をセットする。そして、次のステップ1509に進む。
ステップ1509において、メインCPU101は、普通図柄の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、普通図柄の変動表示が行われる場合には、普通図柄表示装置32が点滅表示を開始する。また、本形態に係るパチンコ機Pでは、当たり決定乱数が普図保留記憶領域に記憶されている場合には、普図保留数を認識できる態様で普通図柄保留表示装置33が表示されるようになっている。そして、普通図柄の変動表示が行われる場合には、当該変動表示の開始と同時に、普図保留数が1つ減ることを示すように、普通図柄保留表示装置33が表示制御される。そして、次のステップ1510に進む。
【0203】
ステップ1510において、メインCPU101は、現時点の遊技状態を変動開始時の遊技状態として遊技状態バッファに記憶する。そして、次のステップ1511に進む。
ステップ1511において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動停止処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「11」をセットする。そして、普通図柄変動開始処理を終了する。
【0204】
次に、上述したステップ1402の普通図柄変動停止処理について、
図39のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1600において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ「11」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「11」でないと判定した場合、普通図柄変動停止処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「11」であると判定した場合、次のステップ1601に進む。
ステップ1601において、メインCPU101は、ステップ1508で普図変動時間タイマカウンタにセットされた普通図柄の変動時間が経過したか否かを判定する。そして、当該変動時間が経過していないと判定した場合、普通図柄変動停止処理を終了する。一方、当該変動時間が経過したと判定した場合、次のステップ1602に進む。
【0205】
ステップ1602において、メインCPU101は、普通図柄を普通図柄表示装置32に停止表示するための停止表示データをセットし、普通図柄の停止表示を実行する。そして、次のステップ1603に進む。
ステップ1603において、メインCPU101は、普通図柄を停止表示する停止表示時間を普図停止表示時間カウンタにセットする。そして、次のステップ1604に進む。
【0206】
ステップ1604において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄停止後処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「12」をセットする。そして、普通図柄変動停止処理を終了する。
【0207】
次に、上述したステップ1403の普通図柄停止後処理について、
図40のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1700において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄停止後処理の実行を示すデータ「12」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「12」でないと判定した場合、普通図柄停止後処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「12」であると判定した場合、次のステップ1701に進む。
ステップ1701において、メインCPU101は、上述のステップ1603で普図停止表示時間カウンタにセットされた停止表示時間が経過したか否かを判定する。そして、当該停止表示時間が経過していないと判定した場合、普通図柄停止後処理を終了する。一方、当該停止表示時間が経過したと判定した場合、次のステップ1702に進む。
【0208】
ステップ1702において、メインCPU101は、停止表示されている普通図柄が当たり図柄であるか否かを判定する。そして、停止表示されている普通図柄が当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1703に進む。一方、停止表示されている普通図柄が当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1704に進む。
ステップ1703において、メインCPU101は、普図関連制御処理において可動片制御処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「13」をセットする。そして、普通図柄停止後処理を終了する。
【0209】
また、上述のステップ1702で停止表示されている普通図柄が当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合に進むステップ1704において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「10」をセットする。そして、普通図柄停止後処理を終了する。
【0210】
次に、上述したステップ1404の可動片制御処理について、
図41のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1800において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが可動片制御処理の実行を示すデータ「13」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「13」でないと判定した場合、可動片制御処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「13」であると判定した場合、次のステップ1801に進む。
ステップ1801において、メインCPU101は、可動片16bが作動制御中であるか否か、すなわち、始動入賞口ソレノイド16cが通電されているか否かを判定する。そして、可動片16bが作動制御中であると判定した場合、ステップ1804に進む。一方、可動片16bが作動制御中でないと判定した場合、次のステップ1802に進む。
【0211】
ステップ1802において、メインCPU101は、普通図柄の変動開始時の遊技状態が、非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれであったかを確認する。そして、次のステップ1803に進む。
ステップ1803において、メインCPU101は、第2始動入賞口開放制御テーブル119を参照し、上述のステップ1802で確認した遊技状態に応じて、始動入賞口ソレノイド16cの通電制御データ(開放データ)として、通電回数(開放回数)及び通電時間(開放時間)をセットする。そして、可動片制御処理を終了する。
【0212】
また、上述のステップ1801で可動片16bが作動制御中であると判定した場合に進むステップ1804において、メインCPU101は、上述のステップ1803でセットされた通電時間(開放時間)を経過したか否かを判定する。そして、通電時間(開放時間)を経過していないと判定した場合、可動片制御処理を終了する。一方、通電時間(開放時間)を経過したと判定した場合、次のステップ1805に進む。
ステップ1805において、メインCPU101は、可動片16bの作動の停止、すなわち、始動入賞口ソレノイド16cの通電の停止を実行する。そして、次のステップ1806に進む。
【0213】
ステップ1806において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「10」をセットする。そして、可動片制御処理を終了する。
【0214】
(パチンコ機Pにおける演出の概要)
上述の如く、主制御基板100において各種処理が実行されることにより、特図遊技及び普図遊技、並びに、特別遊技が進行することとなる。そして、これら遊技の進行中には、主制御基板100から種々のコマンドを副制御基板300に送信し、このコマンドを副制御基板300が受信することにより、当該副制御基板300において、遊技の進行に伴う演出の制御が行われる。
以下では、特別図柄の変動表示中に実行され、大当たりの抽選の結果を報知する変動演出、特別遊技中に実行され、特別遊技の進行や特定領域57への遊技球の進入に関する所定の報知を行う特別遊技中演出、及び、特別遊技の終了後に実行され、特別遊技中に第2大入賞口55へ入球した遊技球の数と第2大入賞口55から排出された遊技球の数とが一致していない場合にその旨を報知する不一致エラー演出について説明する。
【0215】
(変動演出の概要)
本形態に係るパチンコ機Pで実行される変動演出では、演出表示装置21に表示される背景画像に重ねて、演出図柄50(ダミー図柄)の変動表示が行われる。そして、変動表示した後に停止表示された演出図柄50の組み合わせ(停止表示態様)により、大当たりの抽選の結果が遊技者に報知されるようになっている。
具体的には、特別図柄の変動表示の開始とともに、すべての演出図柄50が停止表示された状態から、すべての演出図柄50の変動表示が開始される(
図42(a)及び(b)参照)。なお、図中の下向き矢印は、演出図柄50が上方から下方へ向けてスクロールする表示がなされていることを示す。
その後、左側に位置する演出図柄50(以下、第1停止図柄という)、右側に位置する演出図柄50(以下、第2停止図柄という)、中央に位置する演出図柄50(以下、第3停止図柄)という順番で停止表示される(
図42(c)〜(e)参照)。
【0216】
そして、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合には、すべての演出図柄50が同一の図柄で停止表示される。すなわち、すべての演出図柄50が同一の図柄で停止表示されることにより、大当たりの抽選の結果が大当たりであることが報知される。
これに対して、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合には、すべての演出図柄50が同一の図柄で停止表示されることはない。すなわち、少なくとも一の演出図柄50が他の演出図柄50とは異なる図柄で停止表示されることにより、大当たりの抽選の結果がハズレであることが報知される。
【0217】
また、第3停止図柄は、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に特別図柄が停止表示するのとほぼ同時に停止表示されるようになっている。これにより、演出図柄50の停止表示に先んじて、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に特別図柄が停止表示され、特別図柄の種別で大当たりの抽選の結果が把握されてしまうことを防止している。
【0218】
また、本形態に係るパチンコ機Pには、変動演出パターンとして、第1停止図柄と第2停止図柄とが異なる図柄で停止表示されるリーチなし変動パターン、及び、第1停止図柄と第2停止図柄とが同一の図柄で停止表示される(いわゆるリーチ表示が行われる)リーチ変動パターンが設けられている。そして、これらの変動演出パターンはそれぞれ複数の変動態様を有しており、各変動態様には、変動の仕方や演出図柄50の表示内容等が種々設定されている。
さらに、本形態に係るパチンコ機Pでは、特に図示していないが、大当たりに対する遊技者の期待感を高めるべく、演出図柄50の変動表示中に演出表示装置21の背景画像に重ねて所定の表示を行う予告演出や、リーチ表示後に演出表示装置21に所定の動画等を表示するリーチ発展演出等を実行できるようになっている。
【0219】
また、特に図示していないが、本形態に係るパチンコ機Pでは、副制御基板300のサブROM302に、変動演出パターンを決定するための種々の演出決定テーブルが記憶されている。そして、副制御基板300のサブCPU301は、所定の条件に応じた演出決定テーブルを選択するとともに、当該選択された演出決定テーブルと、主制御基板100のメインCPU101から受信した変動モード番号、及び、任意で用いられる演出乱数に基づいて、変動演出パターンを決定する。これにより、決定された変動演出パターンに基づいた変動演出が、演出表示装置21において実行されることとなる。
【0220】
(特別遊技中演出の概要)
本形態に係るパチンコ機Pでは、特別遊技中演出として、特定領域57への遊技球の進入に関し種々の報知を行う特定演出や、特別遊技の進行に伴い所定の画像表示やBGMの出力を行う一般演出が実行されるようになっている。
【0221】
(特定演出の概要)
特定演出としては、第2大入賞口55の開放パターンの決定に関する報知を行う開放判定演出、特定領域57への遊技球の進入を促す進入実行演出、特定領域57へ所定数の遊技球が進入していない旨の警告を行う警告演出、特定領域57へ所定数の遊技球が進入した場合に報知を行う進入時報知演出、特定領域57へ所定数の遊技球が進入しなかった場合に報知を行う非進入時報知演出、特定領域57への遊技球の進入が実質的に不可能な状態であるにもかかわらず特定領域57へ遊技球が進入した場合に、所定の報知を行うエラー報知演出等が挙げられる。なお、特定演出はこれらに限定されるものではなく、他の演出を設けてもよい。
以下、上述の各特定演出の内容について詳述する。
【0222】
開放判定演出は、3ラウンドのラウンド遊技終了後、4ラウンドのラウンド遊技が開始されるまでのインターバル時間(10.0秒)において、4ラウンド及び5ラウンドのラウンド遊技における第2大入賞口55の開放パターンとして、特定領域57へ遊技球を進入させることができる開放パターン又は特定領域57へ遊技球を進入させることができない開放パターンのいずれが決定されたかを報知するものである。換言すれば、この開放判定演出では、演出表示装置21において所定の表示を行うことにより、特別遊技の実行に際し決定された特別図柄がX1又はX2のいずれであるかを、遊技者に対して報知するようになっている。
【0223】
具体的には、3ラウンドのラウンド遊技が終了すると、演出表示装置21において、第2アタッカー装置54に設けられた第2大入賞口55を開放させるべく、操作ボタン9bの連打を遊技者に促す表示が行われる(
図43(a)参照)。
そして、特別図柄X1が決定されていた場合には、4ラウンドが開始されるまでのインターバル時間(本形態では10.0秒)内において、既定時間(たとえば、9.0秒)が経過した時点、若しくは、当該既定時間が経過するまでに操作ボタン9bが所定回数(たとえば、50回)操作された時点で、第2大入賞口55の開放パターンとして、特定領域57へ遊技球を進入させることができる開放パターンが決定された旨を示す表示が行われる(
図43(b)参照)。これに対して、特別図柄X2が決定されていた場合には、上述と同様の時点で、第2大入賞口55の開放パターンとして、特定領域57へ遊技球を進入させることができない開放パターンが決定された旨を示す表示が行われる(
図43(c)参照)。
これにより、本形態に係るパチンコ機Pでは、4ラウンド及び5ラウンドのラウンド遊技において開放される第2大入賞口55の開放パターンが遊技者に対して報知されることとなる。
【0224】
なおここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31において、特別図柄が停止表示されるようになっているものの、特図遊技中に遊技者が最も着目する演出表示装置21においては、停止表示された演出図柄50を見ても、X1又はX2のいずれの特別図柄が決定されたかを判断できないようになっている。そのため、遊技者は、上述の開放判定演出の実行結果をもって、決定された特別図柄がX1又はX2のいずれであるか、すなわち、4ラウンド及び5ラウンドのラウンド遊技における第2大入賞口55の開放パターンとして、特定領域57へ遊技球を進入させることができる開放パターン又は特定領域57へ遊技球を進入させることができない開放パターンのいずれが決定されたのかを認識することができることとなる。
このように、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の開放判定演出の実行結果が表示されるまで、4ラウンド及び5ラウンドのラウンド遊技において開放される第2大入賞口55の開放パターンを気付かれにくくすることができるため、特別遊技に対する遊技者の興趣を高めることができるのである。
また、この開放判定演出においては、操作ボタン9bを連打させることで、遊技者に対して、あたかも操作ボタン9bの連打により第2大入賞口55の開放パターンが決定されたような印象を与えることができる。これにより、特別遊技中の遊技性を向上させることができるのである。
【0225】
進入実行演出は、4ラウンド及び5ラウンドのラウンド遊技における第2大入賞口55の開放パターンとして、特定領域57へ遊技球を進入させることができる開放パターンが決定された場合(すなわち、特別図柄X1が決定されていた場合)、4ラウンドのラウンド遊技開始時に、特定領域57への遊技球の進入を促す表示を行うものである。
具体的には、
図44(a)に示すように、特定領域57へ遊技球を進入させるべく、遊技者に対して、発射装置の発射強度が所定の強度以上となるような操作ハンドル5の操作(いわゆる、右打ち)を行わせる旨の表示が行われる。
なお、進入実行演出は、4ラウンドのラウンド遊技開始時のみならず、5ラウンドのラウンド遊技開始時に行ってもよい。
これに対して、特定領域57へ遊技球を進入させることができない開放パターンが決定された場合(すなわち、特別図柄X2が決定されていた場合)には、4ラウンドのラウンド遊技開始時に、上述の進入実行演出は実行されず、その代わりに、実行されている特別遊技において特定領域57への遊技球の進入が失敗となる旨を示唆する失敗表示が行われる(
図44(b)参照)。
また、特に図示していないが、本形態に係るパチンコ機Pでは、この失敗表示が行われると、6ラウンドのラウンド遊技において、遊技者に、特別遊技終了後における時短遊技状態中の演出で使用されるキャラクターを遊技者に選択させる等の時短遊技状態準備演出が実行されるようになっている。
【0226】
警告演出は、4ラウンド及び5ラウンドのラウンド遊技における第2大入賞口55の開放パターンとして、特定領域57へ遊技球を進入させることができる開放パターンが決定された場合(すなわち、特別図柄X1が決定されていた場合)、4ラウンド及び5ラウンドのラウンド遊技において、予め定められた実行条件を満たすまでに特定領域57へ所定数の遊技球が進入していなかったときに、所定の報知を行うものである。
【0227】
具体的には、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の実行条件として、4ラウンドのラウンド遊技が開始されてから20.0秒経過すること、5ラウンドのラウンド遊技が開始されること、5ラウンドのラウンド遊技が開始されてから20.0秒経過することが、定められている。
そして、特定領域57へ所定数の遊技球が進入することなく4ラウンドのラウンド遊技の開始時から20.0秒を経過した場合には、
図45(a)に示すように、警告を示すマーク(感嘆符が1個付された三角形)を表示するとともに、特定領域57へ遊技球を進入させる旨を表示する第1警告表示が行われる。
また、特定領域57へ所定数の遊技球が進入することなく5ラウンドのラウンド遊技が開始された場合には、
図45(b)に示すように、第1警告表示よりも重度の警告を示すマーク(感嘆符が2個付された三角形)を表示するとともに、特定領域57へ遊技球を進入させる旨を表示し、さらには、トラブルが発生している場合には係員を呼ぶべき旨を表示する第2警告表示が行われる。
さらに、特定領域57へ所定数の遊技球が進入することなく5ラウンドのラウンド遊技の開始時から20.0秒を経過した場合には、
図45(c)に示すように、第2警告表示よりも重度の警告を示すマーク(WARNING!との文字が付された星形)を表示するともに、特定領域57へ遊技球を進入させる旨を表示し、さらには、係員を呼ぶ旨を表示する第3警告表示が行われる。
【0228】
本形態に係るパチンコ機Pでは、特定領域57へ遊技球を進入させることができる開放パターンが決定された場合には、上述の如く、4ラウンドのラウンド遊技開始から20.0秒連続して第2大入賞口55が開放されることとなるため、いわゆる右打ちがなされていれば、ほぼ確実に所定数の遊技球を特定領域57へ進入させることができるようになっている。
したがって、4ラウンドのラウンド遊技開始から20.0秒経過するまでに特定領域57へ所定数の遊技球が進入していなかった場合には、発射装置や第2大入賞口55への流下経路において何らかのトラブルが発生している可能性が高い。また、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述のように、特定領域57へ遊技球を進入させる必要がある4ラウンドのラウンド遊技の開始前に、遊技者に操作ボタン9bを連打させる開放判定演出が実行される。この開放判定演出は、10.0秒という比較的長いインターバル時間において実行されるものであり、操作ボタン9bの連打に遊技者が熱中していたような場合には、4ラウンドのラウンド遊技が開始された後も、遊技球を発射することなく、操作ボタン9bを連打し続けてしまう可能性がある。このときにも、4ラウンドのラウンド遊技開始から20.0秒経過するまでに特定領域57へ所定数の遊技球が進入していない可能性がある。
そこで、上述のような警告演出を実行することで、特定領域57へ遊技球を進入させることができなかったことにより、特別遊技終了後の遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(高確率遊技状態及び時短遊技状態)に設定されなくなってしまうという不利益が生じるのを防止することができるのである。
【0229】
また、上述のように、3回の警告演出を行うにあたり警告の強度を高めていくとともに、当該警告の時点で対処すべき内容を表示することで、遊技者に対して現在の状況を的確に把握させ、かつ、適切な対応策を講じさせることができるため、上述のような不利益が生じるのをより確実に防止することができるのである。
さらに、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、特定領域57へ遊技球を進入させることができる開放パターンが決定された場合、4ラウンド又は5ラウンドのラウンド遊技においては、第2大入賞口55は、20.0秒開放が行われた後、0.5秒開放及び5.0秒閉鎖を計18回繰り返すようになっている。すなわち、これらのラウンド遊技においては、第2大入賞口55について20.0秒開放が行われた後、当該18回の開放及び閉鎖が行われて当該ラウンド遊技が終了するまでに、約90秒程度の時間がかかることとなる。これにより、上述の警告表示が行われた後に、パチンコ機Pに何らかのトラブルが発生していることが判明した場合であっても、当該ラウンド遊技が終了するまでに、係員を呼び当該トラブルを解消するための十分な時間を確保することができ、上述のような不利益が生じるのをより確実に防止することができるのである。
【0230】
なお、警告表示の回数は、上述の内容に限定されるものではなく、1回又は2回警告表示を行ってもよいし、4回以上警告表示を行ってもよい。
また、警告表示を行うための実行条件についても、上述の内容に限定されるものではなく、たとえば、ラウンド遊技が開始されてから発射された遊技球の総数を実行条件として定めてもよい。すなわち、特定領域57へ所定数の遊技球が進入することなく、ラウンド遊技の開始時から発射された遊技球の総数が所定数(たとえば、30球等)に達した場合に、警告表示を行うように設定してもよい。
【0231】
進入時報知演出は、4ラウンド及び5ラウンドのラウンド遊技における第2大入賞口55の開放パターンとして、特定領域57へ遊技球を進入させることができる開放パターンが決定された場合(すなわち、特別図柄X1が決定されていた場合)において、これらのラウンド遊技中に特定領域57へ所定数の遊技球が進入した場合に、所定の内容の報知を行うものである。
具体的には、
図46に示すように、特定領域57へ所定数の遊技球が進入したことを祝福する旨(「Congulatulation!!」の文字)の表示とともに、当該特別遊技の終了後に遊技者にとって有利な遊技状態が設定される旨の表示が行われる。
また、特に図示していないが、本形態に係るパチンコ機Pでは、この進入時報知演出が実行されると、6ラウンドのラウンド遊技において、遊技者に、特別遊技終了後における高確率遊技状態中の演出で使用されるキャラクターを遊技者に選択させる等の高確率遊技状態準備演出が実行されるようになっている。
【0232】
非進入時報知演出は、4ラウンド及び5ラウンドのラウンド遊技における第2大入賞口55の開放パターンとして、特定領域57へ遊技球を進入させることができる開放パターンが決定された場合(すなわち、特別図柄X1が決定されていた場合)において、これらのラウンド遊技中に特定領域57へ所定数の遊技球が進入しなかった場合に、所定の内容の報知を行うものである。
具体的には、
図44(a)に示す進入実行演出の表示がブラックアウト表示に切り替わった後、
図44(b)と同様の失敗表示が行われる(
図47(a)及び(b)参照)。なお、この非進入時報知演出において失敗表示が行われた場合にも、上述と同様に、6ラウンドのラウンド遊技において、遊技者に、特別遊技終了後における時短遊技状態中の演出で使用されるキャラクターを遊技者に選択させる等の時短遊技状態準備演出が実行されるようになっている。
【0233】
エラー報知演出は、特定領域57への遊技球の進入が実質的に不可能な状態であるにもかかわらず特定領域57へ遊技球が進入した場合に、所定の報知を行うものである。
本形態に係るパチンコ機Pでは、4ラウンド及び5ラウンドのラウンド遊技における第2大入賞口55の開放パターンとして、特定領域57へ遊技球を進入させることができない開放パターンが決定されたにもかかわらず、特定領域57へ所定数の遊技球が進入した場合や、4ラウンド及び5ラウンド以外のラウンド遊技において特定領域57へ所定数の遊技球が進入した場合等に、エラー報知演出が実行される。
【0234】
具体的には、たとえば、4ラウンド及び5ラウンドのラウンド遊技における第2大入賞口55の開放パターンとして、特定領域57へ遊技球を進入させることができない開放パターンが決定された場合において、これらのラウンド遊技中に特定領域57へ所定数の遊技球が進入すると、エラー報知演出が実行される前に、
図44(b)の失敗表示が、驚きを示す所定の表示(感嘆符3個の並列表示)に切り替わった後、
図46と同様の進入時報知演出の表示が行われる(
図48(a)及び(b)参照)。
そして、その後、進入時報知演出の表示の上下において、係員に至急の確認を促す文字(「係員は至急確認」との文字)を横スクロール表示するとともに(
図48(c)参照)、音声出力装置10としてのスピーカから所定の警告音を出力し、かつ、演出照明装置23としてのランプを所定パターンで点滅発光させるエラー報知演出が実行される。
なお、このエラー報知演出は、当該演出が行われているパチンコ機Pにおいて所定の終了操作(たとえば、電源のオフ等)が行われるまで、継続して実行されるようになっている。
また、所定数(有利な遊技状態が設定されるために必要な特定領域57への遊技球の進入数)が2以上に設定されているときには、特定領域57へ所定数の遊技球が進入したことに基づいて上述のエラー報知演出を実行してもよいし、特定領域57へ所定数未満(たとえば、1個)の遊技球が進入したことに基づいて上述のエラー報知演出を実行してもよい。
【0235】
本形態に係るパチンコ機Pでは、4ラウンド及び5ラウンドのラウンド遊技における第2大入賞口55の開放パターンとして、特定領域57へ遊技球を進入させることができない開放パターンが決定された場合には、第2大入賞口55は、0.5秒開放及び5秒閉鎖を10回繰り返すのみであるため、特定領域57へ所定数の遊技球を進入させることはほぼ確実にできないようになっている。また、4ラウンド及び5ラウンド以外のラウンド遊技においては、第2大入賞口55は開放しないことから、特定領域57へ所定数の遊技球を進入させることは不可能である。
したがって、これらの場合に特定領域57へ所定数の遊技球が進入したときは、何らかの不正行為(いわゆるゴト行為)より遊技球を強制的に特定領域57へ進入させたものと、ほぼ断定することができる。
そこで、本形態に係るパチンコ機Pによれば、上述のエラー報知演出を実行可能とすることで、特定領域57へ遊技球を進入させることができない状況において、遊技球を特定領域57へ進入させる不正行為を発見でき、ひいては、このような不正行為が行われるのを抑止することができるのである。
【0236】
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述のエラー報知演出が実行された場合であっても、6ラウンドのラウンド遊技において、遊技者に、特別遊技終了後における高確率遊技状態中の演出で使用されるキャラクターを遊技者に選択させる等の高確率遊技状態準備演出が実行されるようになっている。
以上のように、本形態に係るパチンコ機Pでは、4ラウンド及び5ラウンドのラウンド遊技における第2大入賞口55の開放パターンにかかわらず、特定領域57へ所定数の遊技球が進入した場合には、
図46及び
図48(b)に示すような進入時報知演出の表示が行われるとともに、6ラウンドのラウンド遊技において、高確率遊技状態準備演出が実行される。また、特定領域57へ所定数の遊技球が進入しなかった場合には、
図44(b)及び
図47(b)に示すような失敗表示が行われるとともに、6ラウンドのラウンド遊技において、時短遊技状態準備演出が実行される。
すなわち、本形態に係るパチンコ機Pでは、特定領域57へ所定数の遊技球が進入したか否かに応じて、異なる演出が実行されるようになっている。したがって、遊技者は、当該演出の種類により、特定領域57へ所定数の遊技球が進入したか否かを判断することができ、ひいては、特別遊技終了後に設定される遊技状態を確実かつ容易に把握することができるのである。
【0237】
(一般演出の概要)
一般演出としては、たとえば、特別遊技の開始時に所定のオープニング画像を表示するオープニング演出、ラウンド遊技中にパチンコ機Pの機種に応じた動画を表示するラウンド遊技中演出、特別遊技中における全ラウンド遊技の終了後(すなわち、特別遊技の終了時)に所定のエンディング画像を表示するエンディング演出等が挙げられる。なお、一般演出はこれらに限定されるものではなく、種々のタイミング及び種々の内容で実行される他の演出を設けてもよい。
以下、一般演出のうちのエンディング演出について説明する。
【0238】
エンディング演出は、所定のエンディング画像を表示することにより、当該特別遊技の終了後に設定される遊技状態を報知するものである。
具体的には、上述の如く、4ラウンド及び5ラウンドのラウンド遊技中に特定領域57へ所定数の遊技球が進入した場合には、実行中の特別遊技の終了後の遊技状態が、高確率遊技状態及び時短遊技状態を組み合わせた遊技状態に設定される。そのため、特別遊技中の全ラウンド遊技が終了すると、
図49(a)に示すように、上述の遊技状態が設定される旨(「確変モード突入!」の文字)を示すエンディング画像が表示される。これに対して、4ラウンド及び5ラウンドのラウンド遊技中に特定領域57へ所定数の遊技球が進入しなかった場合には、実行中の特別遊技の終了後の遊技状態が、低確率遊技状態及び時短遊技状態を組み合わせた遊技状態に設定される。そのため、特別遊技中の全ラウンド遊技が終了すると、
図49(b)に示すように、上述の遊技状態が設定される旨(「時短モード突入!」の文字)を示すエンディング画像が表示される。
【0239】
ここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、特定領域57へ所定数の遊技球が進入すると、メインCPU101が、その旨を示す進入コマンドを副制御基板300へ送信するため、サブCPU301は、この進入コマンドの受信の有無に基づいて上述のエンディング演出を実行することができる。
しかし、電断が発生した場合、上述の如く、副制御基板300では電断発生時にバックアップ処理が行われないため、受信した進入コマンドがクリアされることとなる。
そこで、メインCPU101が電断復帰時に特定領域57への所定数の遊技球の進入の有無を示す特定領域通過状態指定コマンドを副制御基板300へ送信することで、電断が発生した場合であっても、サブCPU301が、この特定領域通過状態指定コマンドに基づいて特定領域57への所定数の遊技球の進入の有無を把握できるようになっている。そして、これにより、上述のエンディング演出を適切に実行できるのである。
【0240】
その一方、本形態に係るパチンコ機Pでは、主制御基板100及び副制御基板300の両方に電断が発生する場合のみならず、ノイズ等の発生により副制御基板300のみにシステムリセットが発生する場合が生じ得る。両方の基板に電断が発生した場合には、上述のように、主制御基板100が電断から復帰することにより、メインCPU101が特定領域通過状態指定コマンドを副制御基板300へ送信し得る。
しかし、本形態に係るパチンコ機Pでは主制御基板100から副制御基板300への一方向にのみ通信可能となっていることから、副制御基板300にシステムリセットが発生した旨を主制御基板100へ伝達することができない。そのため、副制御基板300のみにシステムリセットが発生した場合には、主制御基板100においてこれを認識することができず、メインCPU101は、副制御基板300のシステムリセット発生時に、特定領域通過状態指定コマンドを副制御基板300へ送信することができない。
そこで、本形態に係るパチンコ機Pでは、特別遊技中における全ラウンド遊技の終了時点(すなわち、エンディング処理の開始時点)を、特定領域57への所定数の遊技球の進入の有無に応じた演出が実行されるタイミングとして予め定めておき、メインCPU101は、当該時点に、特定領域通過状態指定コマンドを副制御基板300へ送信するようになっている。これにより、サブCPU301が、受信した特定領域通過状態指定コマンドに基づいて特定領域57への所定数の遊技球の進入の有無を把握でき、上述のエンディング演出を適切に実行できるのである。
【0241】
(不一致エラー演出の概要)
不一致エラー演出は、特別遊技中に第2大入賞口55へ入球した遊技球の数と第2大入賞口55から排出された遊技球の数とが一致していない場合にその旨を報知するものである。
本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、特別遊技の終了時(すなわち、エンディング処理の終了時)に、特別遊技中における第2大入賞口55へ入球した遊技球の数と第2大入賞口55から排出された遊技球の数とが一致しているか否かが判定される。そして、一致していないと判定された場合には、
図50に示すように、不一致エラーが発生した旨を示す表示(不一致エラー発生との文字が付された星形マークの表示)が行われるとともに、係員に至急の確認を促す文字(「係員は至急確認」との文字)が横スクロール表示される。また、これに併せて、音声出力装置10としてのスピーカから所定の警告音が出力され、かつ、演出照明装置23としてのランプが所定パターンで点滅発光する。
【0242】
ここで、4ラウンド又は5ラウンドのラウンド遊技中に、特定領域57への器具の挿入や特定領域57への不正な電波の発射等により特定領域検出センサ57aを不正に作動させて、当該特定領域57へ遊技球が進入したものとするゴト行為が行われた場合や、第2大入賞口検出センサ55a、特定領域検出センサ57a、一般領域検出センサ58aが正常に作動しなくなる等の故障が発生した場合には、特別遊技中における第2大入賞口55へ入球した遊技球の数と第2大入賞口55から排出された遊技球の数とが一致しないこととなる。
したがって、上述のような不一致エラー演出を実行することにより、上述のラウンド遊技中に行われた特定領域57に対するゴト行為や、特定領域57への遊技球の進入に影響する故障の発生を確実に把握することができるのである。
【0243】
なお、上述のようなゴト行為や故障の発生を把握するためには、本形態に係るパチンコ機Pのように、特別遊技の終了時に、特別遊技の開始から終了までにおける第2大入賞口55の全入球数及び全排出数に基づいて不一致の判定を行うのではなく、第2大入賞口55が開閉する4ラウンド及び5ラウンドの各ラウンド遊技ごとに、当該ラウンド遊技の開始から終了までにおける第2大入賞口55の全入球数及び全排出数に基づいて不一致の判定を行うことも考えられる。
しかし、第2大入賞口55の構造は、パチンコ機Pの機種ごとに種々のものを採用することができ、この構造によっては、第2大入賞口55の入口から特定領域57や一般領域58までの距離が長かったり、第2大入賞口55の内部に設けられたシャッター部材等に遊技球が挟みこまれやすかったりすることによって、遊技球が第2大入賞口55へ入球してから特定領域57や一般領域58へ進入するまでの時間が長くなりやすい場合がある。このような第2大入賞口55の構造が採用されているパチンコ機Pでは、ラウンド遊技の終了間際に第2大入賞口55へ入球した遊技球が、ラウンド遊技の終了時までに特定領域検出センサ57aや一般領域検出センサ58aにより検出されないような事態が発生しやすく、不一致の判定が適切に行われないおそれがある。
そこで、このような事態の発生を防止するためにも、上述の各ラウンド遊技が終了するごとに当該ラウンド遊技中の全入球数及び全排出数に基づいて不一致の判定を行うのではなく、特別遊技の終了時に当該特別遊技中の全入球数及び全排出数に基づいて1回のみ不一致の判定を行うのが望ましい。
【0244】
また、特に図示していないが、本形態における副制御基板300のサブROM302には、上述の特別遊技中演出や不一致エラー演出等の内容を定めた演出データを記憶した演出テーブルが複数設けられている。
そして、副制御基板300のサブCPU301は、種々のタイミングで、対応する演出テーブルを選択し、この選択された演出テーブルから演出データを取得する。これにより、取得された演出データに基づいて、特別遊技中演出や不一致エラー演出等が演出表示装置21において実行されることとなる。
【0245】
次に、上述のような変動演出、特別遊技中演出、及び、不一致エラー演出を実行するための副制御基板300における制御処理について説明する。
まず、副制御基板300のメイン処理について、
図51に示すフローチャートを参照して説明する。
ステップ2000において、電源投入に応じて、サブROM302からメイン処理プログラムを読み込むとともに、サブRAM303に記憶されるフラグなどの初期化、設定処理を実行する。そして、次のステップ2001に進む。
ステップ2001において、サブCPU301は、各演出乱数を更新する演出用乱数更新処理を行うとともに、以後は、割込処理が行われるまでステップ2001の処理を繰り返し実行する。なお、演出乱数は複数種類設けられており、ここでは、それぞれの演出乱数が非同期的に更新されている。本形態に係るパチンコ機Pには、変動演出の態様を決定するために用いられる演出乱数等が設けられている。
【0246】
次に、副制御基板300のタイマ割込処理について、
図52に示すフローチャートを参照して説明する。
副制御基板300には、所定の周期(4ミリ秒)でクロックパルスを発生するリセット用クロックパルス発生回路(特に図示しておらず)が設けられている。そして、このリセット用クロックパルス発生回路によるクロックパルスの発生により、サブCPU301は
タイマ割込処理プログラムを読み込んで、
図52に示すタイマ割込処理を開始する。
【0247】
ステップ2100において、サブCPU301は、副制御基板300で用いられる各種タイマカウンタの更新処理を実行する。そして、次のステップ2101に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、減算タイマを採用しており、副制御基板300のタイマ割込処理が実行されるたびにタイマカウンタが1ずつ減算され、0になると減算を停止するようになっている。
ステップ2101において、サブCPU301は、サブRAM303の受信バッファに格納されているコマンドを解析するとともに、受信したコマンドに応じた種々の処理を実行する。具体的には、副制御基板300においては、主制御基板100からコマンドが送信されると、コマンド受信割込処理が行われ、主制御基板100から送信されたコマンドが受信バッファに格納される。そして、サブCPU301は、コマンド受信割込処理によって受信バッファに格納されたコマンドを解析する。そして、次のステップ2102に進む。
【0248】
ステップ2102において、サブCPU301は、ラウンド遊技中に実行される警告演出を制御するラウンド遊技中警告演出制御処理を実行する。そして、次のステップ2103に進む。
ステップ2103において、サブCPU301は、実行中の演出進行状況に応じて、演出操作装置9の操作(操作ダイヤル9aの回転操作、操作ボタン9bの押下操作)の受け付け可否を判定するとともに、演出操作装置9の操作を検出するセンサ(回転操作検出センサ9c、押下操作検出センサ9d)の信号の有無をチェックする。そして、当該センサからの信号が入力されたときに、演出操作装置9の操作受け付け中であった場合には、演出操作装置9が操作されたことを、画像制御基板(特に図示しておらず)や音声制御基板(特に図示しておらず)に送信すべく、送信バッファにコマンドを格納する。そして、次のステップ2104に進む。
【0249】
ステップ2104において、サブCPU301は、サブRAM303の送信バッファにセットされているコマンドを、画像制御基板(特に図示しておらず)、音声制御基板(特に図示しておらず)、電飾制御基板(特に図示しておらず)へ送信する。そして、副制御基板300のタイマ割込処理を終了する。
【0250】
次に、上述したステップ2101のコマンド解析処理のうち、変動モードコマンドを受信した場合に実行される変動モードコマンド受信処理について、
図53のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、変動モードコマンドは、主制御基板100において、変動演出パターン決定処理のステップ909で記憶された後、ステップ208の出力制御処理によって副制御基板300に送信される。
【0251】
ステップ2200において、サブCPU301は、上述のステップ2001で更新された演出乱数を取得する。そして、次のステップ2201に進む。
ステップ2201において、サブCPU301は、演出決定テーブルを取得し、この演出決定テーブル、上述の変動モードコマンド、演出乱数に基づいて、変動演出パターンを決定する。そして、次のステップ2202に進む。
【0252】
ステップ2202において、サブCPU301は、上述のステップ2201で決定した変動演出パターンに対応する変動演出実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた変動演出実行コマンドは、上述のステップ2104において、画像制御基板(特に図示しておらず)、音声制御基板(特に図示しておらず)、電飾制御基板(特に図示しておらず)へ送信されるとともに、これらの制御基板において、受信した変動演出実行コマンドに対応する変動演出が実行されることとなる。そして、変動モードコマンド受信処理を終了する。
【0253】
次に、上述したステップ2101のコマンド解析処理のうち、ラウンド終了コマンドを受信した場合に実行されるラウンド終了コマンド受信処理について、
図54のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、ラウンド終了コマンドは、主制御基板100において、ラウンド遊技制御処理のステップ1264で記憶された後、ステップ208の出力制御処理によって副制御基板300に送信される。
【0254】
ステップ2300において、サブCPU301は、受信したラウンド終了コマンドが3ラウンドのラウンド遊技に対応するものであるか否かを判定する。そして、3ラウンドのラウンド遊技に対応するものでないと判定した場合、ステップ2306に進む。一方、3ラウンドのラウンド遊技に対応するものであると判定した場合、次のステップ2301に進む。
ステップ2301において、サブCPU301は、決定された(停止表示している)特別図柄がX1であるか否かを判定する。そして、決定された特別図柄がX1でないと判定した場合、ステップ2304に進む。一方、決定された特別図柄がX1であると判定した場合、次のステップ2302に進む。
【0255】
ステップ2302において、サブCPU301は、第2大入賞口55の開放パターンとして、特定領域57へ遊技球を進入させることができる開放パターンが決定される旨を示す進入可能開放フラグをオンにする。そして、次のステップ2303に進む。
ステップ2303において、サブCPU301は、開放判定演出により特定領域57へ遊技球を進入させることができる開放パターンが決定された旨を報知するための進入可能開放演出実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた進入可能開放演出実行コマンドは、上述のステップ2104において、画像制御基板(特に図示しておらず)、音声制御基板(特に図示しておらず)、電飾制御基板(特に図示しておらず)へ送信されるとともに、これらの制御基板において、受信した進入可能開放演出実行コマンドに対応する演出が実行されることとなる。そして、ラウンド終了コマンド受信処理を終了する。
【0256】
また、上述のステップ2301で特別図柄がX1でないと判定した場合に進むステップ2304において、サブCPU301は、進入可能開放フラグをオフにする。そして、次のステップ2305に進む。
ステップ2305において、サブCPU301は、開放判定演出により特定領域57へ遊技球を進入させることができない開放パターンが決定された旨を報知するための進入不可開放演出実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた進入不可開放演出実行コマンドは、上述のステップ2104において、画像制御基板(特に図示しておらず)、音声制御基板(特に図示しておらず)、電飾制御基板(特に図示しておらず)へ送信されるとともに、これらの制御基板において、受信した進入不可開放演出実行コマンドに対応する演出が実行されることとなる。そして、ラウンド終了コマンド受信処理を終了する。
【0257】
また、上述のステップ2300でラウンド終了コマンドが3ラウンドのラウンド遊技に対応するものでないと判定した場合に進むステップ2306において、サブCPU301は、受信したラウンド終了コマンドが5ラウンドのラウンド遊技に対応するものであるか否かを判定する。そして、5ラウンドのラウンド遊技に対応するものでないと判定した場合、ステップ2310に進む。一方、5ラウンドのラウンド遊技に対応するものであると判定した場合、次のステップ2307に進む。
ステップ2307において、サブCPU301は、進入可能開放フラグがオンであるか否かを判定する。そして、進入可能開放フラグがオンでない(すなわち、進入可能開放フラグがオフである)と判定した場合、ラウンド終了コマンド受信処理を終了する。一方、進入可能開放フラグがオンであると判定した場合、次のステップ2308に進む。
【0258】
ステップ2308において、サブCPU301は、特定領域57へ所定数の遊技球が進入した旨を示す進入フラグがオンであるか否かを判定する。そして、進入フラグがオンであると判定した場合、ラウンド終了コマンド受信処理を終了する。一方、進入フラグがオンでない(すなわち、進入フラグがオフである)と判定した場合、次のステップ2309に進む。
ステップ2309において、サブCPU301は、進入実行演出の表示をブラックアウト表示に切り替えた後、失敗表示を行う(すなわち、非進入時報知処理を行う)ための非進入切り替え表示実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた非進入切り替え表示実行コマンドは、上述のステップ2104において、画像制御基板(特に図示しておらず)、音声制御基板(特に図示しておらず)、電飾制御基板(特に図示しておらず)へ送信されるとともに、これらの制御基板において、受信した非進入切り替え表示実行コマンドに対応する演出が実行されることとなる。そして、ラウンド終了コマンド受信処理を終了する。
なお、上述のように、進入実行演出の表示を一旦ブラックアウト表示に切り替えた後、失敗表示を行うようにすることで、遊技者に対して演出の違和感を与えることを防止することができる。
【0259】
また、上述のステップ2306でラウンド終了コマンドが5ラウンドのラウンド遊技に対応するものでないと判定した場合に進むステップ2310において、サブCPU301は、対応するラウンド遊技の終了後に所定の演出を実行するための終了後演出実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた終了後演出実行コマンドは、上述のステップ2104において、画像制御基板(特に図示しておらず)、音声制御基板(特に図示しておらず)、電飾制御基板(特に図示しておらず)へ送信されるとともに、これらの制御基板において、受信した終了後演出実行コマンドに対応する演出が実行されることとなる。そして、ラウンド終了コマンド受信処理を終了する。
【0260】
次に、上述したステップ2101のコマンド解析処理のうち、ラウンド開始コマンドを受信した場合に実行されるラウンド開始コマンド受信処理について、
図55のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、ラウンド開始コマンドは、主制御基板100において、ラウンド遊技制御処理のステップ1255で記憶された後、ステップ208の出力制御処理によって副制御基板300に送信される。
【0261】
ステップ2400において、サブCPU301は、受信したラウンド開始コマンドが4ラウンドのラウンド遊技に対応するものであるか否かを判定する。そして、4ラウンドのラウンド遊技に対応するものでないと判定した場合、ステップ2405に進む。一方、4ラウンドのラウンド遊技に対応するものであると判定した場合、次のステップ2401に進む。
ステップ2401において、サブCPU301は、進入可能開放フラグがオンであるか否かを判定する。そして、進入可能開放フラグがオンでない(すなわち、進入可能開放フラグがオフである)と判定した場合、ステップ2404に進む。一方、進入可能開放フラグがオンであると判定した場合、次のステップ2402に進む。
【0262】
ステップ2402において、サブCPU301は、進入実行演出を実行するための進入実行演出実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた進入実行演出実行コマンドは、上述のステップ2104において、画像制御基板(特に図示しておらず)、音声制御基板(特に図示しておらず)、電飾制御基板(特に図示しておらず)へ送信されるとともに、これらの制御基板において、受信した進入実行演出実行コマンドに対応する進入実行演出が実行されることとなる。そして、次のステップ2403に進む。
ステップ2403において、サブCPU301は、4ラウンドのラウンド遊技において第1警告表示を行うまでの時間である第1警告時間をタイマカウンタにセットする。そして、ラウンド開始コマンド受信処理を終了する。
【0263】
また、上述のステップ2401で進入可能開放フラグがオンでないと判定した場合に進むステップ2404において、サブCPU301は、失敗表示を実行するための失敗表示実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた失敗表示実行コマンドは、上述のステップ2104において、画像制御基板(特に図示しておらず)、音声制御基板(特に図示しておらず)、電飾制御基板(特に図示しておらず)へ送信されるとともに、これらの制御基板において、受信した失敗表示実行コマンドに対応する演出が実行されることとなる。そして、ラウンド開始コマンド受信処理を終了する。
また、上述のステップ2400でラウンド開始コマンドが4ラウンドのラウンド遊技に対応するものでないと判定した場合に進むステップ2405において、サブCPU301は、受信したラウンド開始コマンドが5ラウンドのラウンド遊技に対応するものであるか否かを判定する。そして、5ラウンドのラウンド遊技に対応するものでないと判定した場合、ステップ2411に進む。一方、5ラウンドのラウンド遊技に対応するものであると判定した場合、次のステップ2406に進む。
【0264】
ステップ2406において、サブCPU301は、進入可能開放フラグがオンであるか否かを判定する。そして、進入可能開放フラグがオンでない(すなわち、進入可能開放フラグがオフである)と判定した場合、ステップ2410に進む。一方、進入可能開放フラグがオンであると判定した場合、次のステップ2407に進む。
ステップ2407において、サブCPU301は、進入フラグがオンであるか否かを判定する。そして、進入フラグがオンであると判定した場合、ラウンド開始コマンド受信処理を終了する。一方、進入フラグがオンでない(すなわち、進入フラグがオフである)と判定した場合、次のステップ2408に進む。
【0265】
ステップ2408において、サブCPU301は、第2警告表示を実行するための第2警告演出実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた第2警告演出実行コマンドは、上述のステップ2104において、画像制御基板(特に図示しておらず)、音声制御基板(特に図示しておらず)、電飾制御基板(特に図示しておらず)へ送信されるとともに、これらの制御基板において、受信した第2警告演出実行コマンドに対応する演出が実行されることとなる。そして、次のステップ2409に進む。
ステップ2409において、サブCPU301は、5ラウンドのラウンド遊技において第3警告表示を行うまでの時間である第3警告時間をタイマカウンタにセットする。そして、ラウンド開始コマンド受信処理を終了する。
【0266】
また、上述のステップ2406で進入可能開放フラグがオンでないと判定した場合に進むステップ2410において、サブCPU301は、失敗表示を実行するための失敗表示実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた失敗表示実行コマンドは、上述のステップ2104において、画像制御基板(特に図示しておらず)、音声制御基板(特に図示しておらず)、電飾制御基板(特に図示しておらず)へ送信されるとともに、これらの制御基板において、受信した失敗表示実行コマンドに対応する演出が実行されることとなる。そして、ラウンド開始コマンド受信処理を終了する。
また、上述のステップ2405でラウンド開始コマンドが5ラウンドのラウンド遊技に対応するものでないと判定した場合に進むステップ2411において、サブCPU301は、対応するラウンド遊技の開始後に所定の演出を実行するための開始後演出実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた開始後演出実行コマンドは、上述のステップ2104において、画像制御基板(特に図示しておらず)、音声制御基板(特に図示しておらず)、電飾制御基板(特に図示しておらず)へ送信されるとともに、これらの制御基板において、受信した開始後演出実行コマンドに対応する演出が実行されることとなる。そして、ラウンド開始コマンド受信処理を終了する。
【0267】
次に、上述したステップ2101のコマンド解析処理のうち、進入コマンドを受信した場合に実行される進入コマンド受信処理について、
図56のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、進入コマンドは、主制御基板100において、特定領域検出時処理のステップ657で記憶された後、ステップ208の出力制御処理によって副制御基板300に送信される。
【0268】
ステップ2500において、サブCPU301は、進入時報知演出を実行するための進入時報知演出実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた進入時報知演出実行コマンドは、上述のステップ2104において、画像制御基板(特に図示しておらず)、音声制御基板(特に図示しておらず)、電飾制御基板(特に図示しておらず)へ送信されるとともに、これらの制御基板において、受信した進入時報知演出実行コマンドに対応する演出が実行されることとなる。そして、次のステップ2501に進む。
ステップ2501において、サブCPU301は、進入フラグをオンにする。そして、進入コマンド受信処理を終了する。
なお、この進入フラグは、サブRAM303の所定の記憶領域により構成されるものであって、特定領域57へ所定数の遊技球が進入したことを副制御基板300において把握するためのものである。すなわち、本形態に係るパチンコ機Pでは、主制御基板100のみならず、副制御基板300にも進入フラグが設けられている。
【0269】
次に、上述したステップ2101のコマンド解析処理のうち、進入エラーコマンドを受信した場合に実行される進入エラーコマンド受信処理について、
図57のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、進入エラーコマンドは、主制御基板100において、特定領域検出時処理のステップ658で記憶された後、ステップ208の出力制御処理によって副制御基板300に送信される。
【0270】
ステップ2600において、サブCPU301は、失敗表示から所定の表示に切り替えた後、進入時報知演出の表示を行うための進入切り替え表示実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた進入切り替え表示実行コマンドは、上述のステップ2104において、画像制御基板(特に図示しておらず)、音声制御基板(特に図示しておらず)、電飾制御基板(特に図示しておらず)へ送信されるとともに、これらの制御基板において、受信した進入切り替え表示実行コマンドに対応する演出が実行されることとなる。そして、次のステップ2601に進む。
なお、上述のように、失敗表示を一旦所定の表示に切り替えた後、進入時報知演出の表示を行うようにすることで、遊技者に対して演出の違和感を与えることを防止することができる。
ステップ2601において、サブCPU301は、エラー報知演出を実行するためのエラー報知演出実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされたエラー報知演出実行コマンドは、上述のステップ2104において、画像制御基板(特に図示しておらず)、音声制御基板(特に図示しておらず)、電飾制御基板(特に図示しておらず)へ送信されるとともに、これらの制御基板において、受信したエラー報知演出実行コマンドに対応する演出が実行されることとなる。そして、次のステップ2602に進む。
【0271】
ステップ2602において、サブCPU301は、進入フラグをオンにする。そして、進入エラーコマンド受信処理を終了する。
【0272】
次に、上述したステップ2101のコマンド解析処理のうち、特別遊技終了コマンドを受信した場合に実行される特別遊技終了コマンド受信処理について、
図58のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、特別遊技終了コマンドは、主制御基板100において、特別遊技制御処理のステップ1208で記憶された後、ステップ208の出力制御処理によって副制御基板300に送信される。
【0273】
ステップ2700において、サブCPU301は、進入フラグをオフにする。そして、次のステップ2701に進む。
ステップ2701において、サブCPU301は、進入可能開放フラグをオフにする。特別遊技終了コマンド受信処理を終了する。
【0274】
次に、上述したステップ2101のコマンド解析処理のうち、特定領域通過状態指定コマンドを受信した場合に実行される特定領域通過状態指定コマンド受信処理について、
図59のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、特定領域通過状態指定コマンドは、主制御基板100において、初期化処理のステップ140で副制御基板300に送信されるか、又は、特別遊技制御処理のステップ1205で記憶された後、ステップ208の出力制御処理によって副制御基板300に送信される。
【0275】
ステップ2730において、サブCPU301は、受信した特定領域通過状態指定コマンドが、特定領域57へ所定数の遊技球が進入したことを示すものであるか否かを判定する。そして、特定領域57へ所定数の遊技球が進入したことを示すものでないと判定した場合、ステップ2732に進む。一方、特定領域57へ所定数の遊技球が進入したことを示すものであると判定した場合、次のステップ2731に進む。
ステップ2731において、サブCPU301は、進入フラグをオンにする。そして、特定領域通過状態指定コマンド受信処理を終了する。
また、上述のステップ2730で特定領域57へ所定数の遊技球が進入したことを示すものでないと判定した場合に進むステップ2732において、サブCPU301は、進入フラグをオフにする。そして、特定領域通過状態指定コマンド受信処理を終了する。
【0276】
次に、上述したステップ2101のコマンド解析処理のうち、エンディングコマンドを受信した場合に実行されるエンディングコマンド受信処理について、
図60のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、エンディングコマンドは、主制御基板100において、特別遊技制御処理のステップ1206で記憶された後、ステップ208の出力制御処理によって副制御基板300に送信される。
【0277】
ステップ2750において、サブCPU301は、進入フラグがオンであるか否かを判定する。そして、進入フラグがオンでない(すなわち、オフである)と判定した場合、ステップ2752に進む。一方、進入フラグがオンであると判定した場合、次のステップ2751に進む。
ステップ2751において、サブCPU301は、特別遊技終了後の遊技状態が高確率遊技状態及び時短遊技状態を組み合わせた遊技状態に設定される旨を報知するエンディング演出を実行するための進入時エンディング演出実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた進入時エンディング演出実行コマンドは、上述のステップ2104において、画像制御基板(特に図示しておらず)、音声制御基板(特に図示しておらず)、電飾制御基板(特に図示しておらず)へ送信されるとともに、これらの制御基板において、受信した進入時エンディング演出実行コマンドに対応する演出が実行されることとなる。そして、エンディングコマンド受信処理を終了する。
【0278】
また、上述のステップ2750で進入フラグがオンでないと判定した場合に進むステップ2752において、サブCPU301は、特別遊技終了後の遊技状態が低確率遊技状態及び時短遊技状態を組み合わせた遊技状態に設定される旨を報知するエンディング演出を実行するための非進入時エンディング演出実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた非進入時エンディング演出実行コマンドは、上述のステップ2104において、画像制御基板(特に図示しておらず)、音声制御基板(特に図示しておらず)、電飾制御基板(特に図示しておらず)へ送信されるとともに、これらの制御基板において、受信した非進入時エンディング演出実行コマンドに対応する演出が実行されることとなる。そして、エンディングコマンド受信処理を終了する。
【0279】
次に、上述したステップ2101のコマンド解析処理のうち、不一致エラーコマンドを受信した場合に実行される不一致エラーコマンド受信処理について、
図61のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、不一致エラーコマンドは、主制御基板100において、第2大入賞口入出球不一致判定処理のステップ1333で記憶された後、ステップ208の出力制御処理によって副制御基板300に送信される。
ステップ2770において、サブCPU301は、不一致エラー演出を実行するための不一致エラー演出実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた不一致エラー演出実行コマンドは、上述のステップ2104において、画像制御基板(特に図示しておらず)、音声制御基板(特に図示しておらず)、電飾制御基板(特に図示しておらず)へ送信されるとともに、これらの制御基板において、受信した不一致エラー演出実行コマンドに対応する演出が実行されることとなる。そして、不一致エラーコマンド受信処理を終了する。
【0280】
次に、上述したステップ2102のラウンド遊技中警告演出制御処理について、
図62のフローチャートを参照して説明する。
ステップ2800において、サブCPU301は、4ラウンドのラウンド遊技中であるか否かを判定する。そして、4ラウンドのラウンド遊技中でないと判定された場合、ステップ2805に進む。一方、4ラウンドのラウンド遊技中であると判定された場合、次のステップ2801に進む。
ステップ2801において、サブCPU301は、進入可能開放フラグがオンであるか否かを判定する。そして、進入可能開放フラグがオンでない(すなわち、進入可能開放フラグがオフである)と判定した場合、ラウンド遊技中警告演出制御処理を終了する。一方、進入可能開放フラグがオンであると判定した場合、次のステップ2802に進む。
【0281】
ステップ2802において、サブCPU301は、進入フラグがオンであるか否かを判定する。そして、進入フラグがオンであると判定した場合、ラウンド遊技中警告演出制御処理を終了する。一方、進入フラグがオンでない(すなわち、進入フラグがオフである)と判定した場合、次のステップ2803に進む。
ステップ2803において、サブCPU301は、タイマカウンタにセットした第1警告時間が経過したか否かを判定する。そして、第1警告時間を経過していないと判定した場合、ラウンド遊技中警告演出制御処理を終了する。一方、第1警告時間を経過したと判定した場合、次のステップ2804に進む。
【0282】
ステップ2804において、サブCPU301は、第1警告表示を実行するための第1警告演出実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた第1警告演出実行コマンドは、上述のステップ2104において、画像制御基板(特に図示しておらず)、音声制御基板(特に図示しておらず)、電飾制御基板(特に図示しておらず)へ送信されるとともに、これらの制御基板において、受信した第1警告演出実行コマンドに対応する演出が実行されることとなる。そして、ラウンド遊技中警告演出制御処理を終了する。
ステップ2805において、サブCPU301は、5ラウンドのラウンド遊技中であるか否かを判定する。そして、5ラウンドのラウンド遊技中でないと判定された場合、ラウンド遊技中警告演出制御処理を終了する。一方、5ラウンドのラウンド遊技中であると判定された場合、次のステップ2806に進む。
【0283】
ステップ2806において、サブCPU301は、進入可能開放フラグがオンであるか否かを判定する。そして、進入可能開放フラグがオンでない(すなわち、進入可能開放フラグがオフである)と判定した場合、ラウンド遊技中警告演出制御処理を終了する。一方、進入可能開放フラグがオンであると判定した場合、次のステップ2807に進む。
ステップ2807において、サブCPU301は、進入フラグがオンであるか否かを判定する。そして、進入フラグがオンであると判定した場合、ラウンド遊技中警告演出制御処理を終了する。一方、進入フラグがオンでない(すなわち、進入フラグがオフである)と判定した場合、次のステップ2808に進む。
【0284】
ステップ2808において、サブCPU301は、タイマカウンタにセットした第3警告時間が経過したか否かを判定する。そして、第3警告時間を経過していないと判定した場合、ラウンド遊技中警告演出制御処理を終了する。一方、第3警告時間を経過したと判定した場合、次のステップ2809に進む。
ステップ2809において、サブCPU301は、第3警告表示を実行するための第3警告演出実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた第3警告演出実行コマンドは、上述のステップ2104において、画像制御基板(特に図示しておらず)、音声制御基板(特に図示しておらず)、電飾制御基板(特に図示しておらず)へ送信されるとともに、これらの制御基板において、受信した第3警告演出実行コマンドに対応する演出が実行されることとなる。そして、ラウンド遊技中警告演出制御処理を終了する。
【0285】
最後に、上述の実施の形態の変形例について説明する。
上述の実施の形態では、第2大入賞口55へ入球した遊技球は特定領域57又は一般領域58を介して、第2大入賞口55外へ排出されるようになっているとともに、第2大入賞口検出センサ55aの検出によって第2大入賞口55への遊技球の入球を検出したものとし、特定領域検出センサ57a又は一般領域検出センサ58aの検出によって第2大入賞口55からの遊技球の排出(出球)を検出したものとしていたが、これに限定されるものではない。
たとえば、特定領域57へ進入した遊技球を第2大入賞口55外へ排出する特定領域排出口57b及び一般領域58へ進入した遊技球を第2大入賞口55外へ排出する一般領域排出口58bのそれぞれに、当該各排出口を通過する遊技球を検出する排出口センサを別途設けるとともに、第2大入賞口検出センサ55aではなく、特定領域検出センサ57a又は一般領域検出センサ58aの検出によって第2大入賞口55への遊技球の入球を検出したものとし、上述の各排出口センサの検出によって第2大入賞口55からの遊技球の排出(出球)を検出したものとしてもよい。すなわち、特定領域57又は一般領域58への遊技球の進入をもって、第2大入賞口55へ遊技球が入球したものと判定し、各排出口からの遊技球の排出をもって、第2大入賞口55から遊技球が排出されたものと判定してもよい。
【0286】
なお、上述のような判定を行う場合には、特定領域57へ進入した遊技球を排出する特定領域排出口57bと、一般領域58へ進入した遊技球を排出する一般領域排出口58bとを別個に設けるのではなく、特定領域57へ進入した遊技球及び一般領域58へ進入した遊技球をまとめて排出することが可能な1の排出口を設け、当該排出口からの遊技球の排出をもって、第2大入賞口55から遊技球が排出されたものと判定してもよい。
【0287】
また、上述の実施の形態では、第2大入賞口入出球カウンタにより、第2大入賞口55へ入球した遊技球、及び、第2大入賞口55から排出された遊技球の両方をカウントするようになっていたが、これに限定されるものではない。
たとえば、特別遊技中に第2大入賞口55へ入球した遊技球をカウントする入球カウンタと、特別遊技中に第2大入賞口55から排出された遊技球をカウントする出球カウンタとを別個に設け、特別遊技の終了時にこれらのカウンタの値を比較することにより上述の不一致の判定を行ってもよい。
【0288】
また、上述の実施の形態では、電断復帰時に、演出の制御に必要な各種コマンドを副制御基板300へ送信するようにしていたが、これに限定されるものではなく、たとえば、特別遊技の実行中に電断が発生した場合には、電断復帰時に送信するのではなく、電断復帰後に最初に実行されるラウンド遊技の開始時点に送信するようにしてもよい。
また、上述の実施の形態では、特定領域57への所定数の遊技球の進入の有無に応じた演出が実行されるタイミングとして、全ラウンド遊技の終了時点(すなわち、エンディング処理の開始時点)が予め定められていたが、これに限定されるものではなく、たとえば、特定のラウンド遊技の開始時点等、種々のタイミングを定めておくことができる。
【0289】
また、上述の実施の形態では、不一致の判定が行われた場合には、不一致エラーが発生した旨をホールコンピュータへ送信し、かつ、演出表示装置21において不一致エラー演出が実行されるようになっていたが、これに限定されるものではなく、メインCPU101が、遊技の進行を強制的に停止したり、特別遊技の終了後の遊技状態を高確率遊技状態及び時短遊技状態を組み合わせた遊技状態ではなく通常遊技状態に設定したりしてもよい。
【0290】
また、上述の実施の形態では、特定領域57へ所定数の遊技球が進入しなかった場合には、特別遊技終了後の遊技状態が、低確率遊技状態及び時短遊技状態を組み合わせた遊技状態に設定されるようになっていたが、これに限定されるものではない。
たとえば、上述の場合には、特別遊技終了後の遊技状態が、低確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた遊技状態に設定されるようにしてもよい。
このようにすることで、特定領域57へ所定数の遊技球を進入させることの重要度が高まることとなるため、特別遊技に対する遊技者の興趣をより向上させることができる。
【0291】
また、上述の実施の形態では、特定のラウンド遊技(4ラウンド及び5ラウンド)における第2大入賞口55の開放パターンは2種類となっていたが、これに限定されるものでなく、特定領域57への遊技球の進入の難易度が異なる3種類以上の開閉パターンを設けてもよい。
このようにすることで、特定のラウンド遊技において第2大入賞口55がいずれの開閉パターンで開閉するかについて遊技者の興趣を高めることができ、ひいては、特別遊技に対する遊技者の興趣をより向上させることができる。
【0292】
また、上述の実施の形態では、特別遊技終了後の遊技状態が高確率遊技状態及び時短遊技状態を組み合わせた遊技状態に設定される条件として、特定領域57への1個の遊技球の進入が定められていたが、特定領域57への遊技球の進入数(所定数)はこれに限定されるものではなく、たとえば、特定領域57への2個以上の遊技球の進入を、上述の条件として定めてもよい。
このようにすることで、特定領域57への遊技球の進入について遊技性が高まることとなるため、特別遊技に対する遊技者の興趣をより向上させることができる。
【0293】
また、上述の実施の形態では、第2大入賞口55が開放される特定のラウンド遊技として4ラウンド及び5ラウンドの計2つのラウンド遊技が定められていたが、これに限定されるものではない。たとえば、3つ以上のラウンド遊技を特定のラウンド遊技として定めてもよいし、また、1つのラウンド遊技のみを特定のラウンド遊技として定めてもよい。また、特別遊技中に実行される全ラウンド遊技のうち、いずれのラウンド遊技を特定のラウンド遊技として定めてもよい。
このようにすることで、特定のラウンド遊技についての設定のバリエーションを増加させることができるため、特別遊技における遊技性を向上させることができる。
【0294】
また、上述の実施の形態では、第2アタッカー装置54においてのみ特定領域57が設けられていたが、第1アタッカー装置17にも特定領域57を設けてもよい。また、上述の実施の形態では、大入賞口として、第1大入賞口18及び第2大入賞口55の2個を備えていたが、特定領域57が設けられた第2大入賞口55のみを備えていてもよい。
なお、上述の変形例は、可能な範囲で互いに組み合わせて構成することもできる。
【0295】
また、上述の実施の形態におけるステップ805の処理を実行するメインCPU101は、本発明の特別遊技実行決定手段に相当する。また、上述の実施の形態におけるステップ1200〜ステップ1208、ステップ1250〜ステップ1269の処理を実行するメインCPU101は、本発明の特別遊技実行手段に相当する。また、上述の実施の形態におけるステップ1301〜ステップ1305、ステップ1307〜ステップ1309の処理を実行するメインCPU101は、本発明の遊技状態設定手段に相当する。また、上述の実施の形態におけるステップ1330の処理を実行するメインCPU101は、本発明の判定手段に相当する。