【実施例】
【0020】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。以下の記載において「部」は「質量部」を意味する。
【0021】
<粘着剤の評価試験>
以下の参考例1〜7及び比較参考例1〜3の粘着テープを作製し、以下の各方法により粘着剤を評価した。結果を表1及び2に示す。
【0022】
[参考例1]
スフ織布の片面(粘着剤層を形成する面とは反対側の面)にポリエチレン層を積層し、さらにポリエチレン層の上に長鎖アルキル系離型材を塗布して、厚さ0.15mmの基材を得た。一方、天然ゴム100部、炭酸カルシウム150部、粘着付与樹脂(日本ゼオン社製、商品名クイントンR100)100部、プロセスオイル30部を加圧ニーダーで混練して固形粘着剤組成物を得た。この固形粘着剤組成物をカレンダーロールにて基材の片面の全体に塗布し、厚さ0.04mmの粘着剤層を形成して粘着テープを得た。
【0023】
[参考例2]
粘着剤層の厚さを0.06mmに変更したこと以外は、参考例1と同様にして粘着テープを作製した。
【0024】
[参考例3]
粘着剤層の厚さを0.11mmに変更したこと以外は、参考例1と同様にして粘着テープを作製した。
【0025】
[参考例4]
スフ織布の片面(粘着剤層を形成する面とは反対側の面)にポリエチレン層を積層し、さらにポリエチレン層の上に長鎖アルキル系離型材を塗布して、厚さ0.21mmの基材を得た。一方、天然ゴム100部、炭酸カルシウム120部、粘着付与樹脂(日本ゼオン社製、商品名クイントンG115)85部、プロセスオイル20部を加圧ニーダーで混練して固形粘着剤組成物を得た。この固形粘着剤組成物をカレンダーロールにて基材の片面の全体に塗布し、厚さ
0.07mmの粘着剤層を形成して粘着テープを得た。
【0026】
[参考例5]
粘着剤層の厚さを0.11mmに変更したこと以外は、参考例4と同様にして粘着テープを作製した。
【0027】
[参考例6]
粘着剤層の厚さを0.15mmに変更したこと以外は、参考例4と同様にして粘着テープを作製した。
【0028】
[参考例7]
粘着剤層の厚さを0.23mmに変更したこと以外は、参考例4と同様にして粘着テープを作製した。
【0029】
[比較参考例1]
ポリエチレン織布の両面にポリエチレン層を積層し、さらに片方のポリエチレン層(粘着剤層を形成する面とは反対側のポリエチレン層)の上に長鎖アルキル系離型材を塗布して、厚さ0.125mmの基材を得た。一方、ブチルアクリレート20部、2−エチルヘキシルアクリレート77部及びアクリル酸3部を溶媒中に溶解し、開始剤として2,2'−アゾビス(イソブチロニトリル)を用いて重合し、固形分50%のベースポリマーを得た。このベースポリマー100部に、イソシアネート系硬化剤(綜研化学株式会社製、商品名L−45)1部を加えて攪拌し、溶剤系粘着剤組成物を得た。この溶剤系粘着剤組成物をロールコーターにて基材の片面の全体に塗布・乾燥し、厚さ0.02mmの粘着剤層を形成して粘着テープを得た。
【0030】
[比較参考例2]
2−エチルヘキシルアクリレートの量を79部、アクリル酸の量を1部に変更したこと以外は、比較参考例1と同様にして粘着テープを作製した。
【0031】
[比較参考例3]
比較参考例2において、粘着剤層の厚さを0.11mmに変更しようとしたところ、粘着剤組成物が発泡してしまい適正な粘着テープを作製できなかった。
【0032】
[粘着力]
JIS Z 0237(2000)に準じて、幅25mmの粘着テープのSUS板に対する粘着力を測定した。
【0033】
[粗面への粘着力]
道路等の粗面を想定し、#400研磨紙をSUS板に固定した試験板を作製した。JIS Z 0237(2000)に準じて、幅25mm粘着テープの試験板の研磨紙面に対する粘着力を測定した。
【0034】
[傾斜30°タック]
JIS Z 0237(2000)に準じて、30°傾斜式ボールタック試験により粘着テープの傾斜30°タックを測定した。
【0035】
[ループタック]
図5に示すように、幅25mmの粘着テープ3の基材3aを内側、粘着層3bを外側にし、円周100mmのループを形成した。両端部分を測定器のチャック4でつかみ、300mm/分の速度で測定器のチャックのエッジとSUS板5との間が20mmの高さになるまで下降させ、間髪いれずに同じ速度で元の位置に上昇させた際の粘着力を測定した。このループタックは、圧着力の掛からない状態を想定した粘着性試験である。
【0036】
[濡れた粗面への粘着力]
道路等の粗面を想定し、#280研磨紙をSUS板に固定(研磨面を上)した試験板を準備した。試験片を3分間水に浸漬してから取り出し、この試験板を手で振って水滴を除去した後、JIS Z 0237(2000)に準じて、幅25mmの粘着テープの試験板に対する粘着力を測定した。
【0037】
[低温環境での定荷重剥離]
寒冷地での使用を想定し、−20℃の雰囲気で定荷重剥離測定を行った。JIS Z 0237(2000)に規定されるSUS板に、試験テープを幅25mm×長さ50mmの面積で接着させ、テープの端に300gの錘を吊り下げた。1分間で剥れた距離を測定し、あるいは1分以内に全て剥れた場合はその時間を測定した。
【0038】
[残留溶剤]
粘着剤層中の残留溶剤は、(株)島津製作所製ガスクロマトグラフを用い、ヘッドスペース法(加熱条件:80℃、40分)にて、揮化した検出された残留溶剤量を測定した。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
<粘着剤の評価結果>
表1に示す結果から明らかなように、参考例1〜7の粘着テープの固形粘着剤組成物からなる粘着剤層は、殆どの項目が優れていた。例えば、通常の粗面及び雨天後の十分乾燥していない粗面への粘着力に優れているので通常の道路及び濡れた道路に対して十分な固定力が得られることを理解でき、傾斜30°タック及びループタックに優れているので圧着しなくても十分な固定力が得られることを理解でき、低温環境での定荷重剥離に優れているので冬期でも剥がれにくいことを理解でき、残留溶剤が少ないので環境汚染を生じにくいことを理解できる。
【0042】
一方、
比較参考例1〜2の粘着テープの溶剤系粘着剤組成物からなる粘着剤層は、殆どの項目が参考例1〜7よりも劣っていた。例えば、粘着力、タック、定荷重剥離が劣っている原因の一つは、その粘着層の厚さが参考例1〜7よりも薄い点にある。一方、
比較参考例3では、粘着剤層の厚さを参考例3及び5と同じ0.11mmにしようと試みたが、溶剤系粘着剤組成物が発泡してしまい適正な粘着テープを作製できなかった。このように溶剤系粘着剤組成物を用いた場合は、粘着剤層の厚さを厚くすることは困難である。
【0043】
<剥離作業性の評価試験>
以下の実施例1〜4及び比較例1の粘着テープを作製し、以下の方法により粘着テープの剥離作業性を評価した。結果を表3に示す。
【0044】
[実施例1]
カレンダーロールにて基材の片面に
図1に示すような非粘着剤部分1及び粘着剤部分2が斜めストライプ状に交互に設けられた粘着剤層を形成したこと以外は、参考例2と同様にしてテープ幅25mmの粘着テープを作製した。非粘着剤部分1及び粘着剤部分2のストライプ幅はそれぞれ5mmとした。
【0045】
[実施例2]
カレンダーロールにて基材の片面に
図2に示すような非粘着剤部分1がテープの幅方向と平行に設けられた粘着剤層を形成したこと以外は、参考例2と同様にしてテープ幅25mmの粘着テープを作製した。非粘着剤部分1の長さは5mm、粘着剤部分2の長さは10mmとした。
【0046】
[実施例3]
カレンダーロールにて基材の片面に
図3に示すような両側端部に非粘着剤部分1が設けられた粘着剤層を形成したこと以外は、参考例2と同様にしてテープ幅25mmの粘着テープを作製した。非粘着剤部分1の幅は、それぞれ5mmとした。
【0047】
[実施例4]
カレンダーロールにて基材の片面に
図4に示すような中央に非粘着剤部分1が設けられた粘着剤層を形成したこと以外は、参考例2と同様にしてテープ幅25mmの粘着テープを作製した。非粘着剤部分1の幅は5mmとした。
【0048】
[比較例1]
参考例2と同様にして粘着剤が全面塗布された、幅25mmの粘着テープを作製した。
【0049】
凹凸の無い金属面に粘着テープを100mmの長さで貼り付け、軍手を装着した状態で剥がした時の感触に基づいて以下の基準で評価した。
[◎]:剥がし易かった。
[○]:やや剥がし易かった。
[×]:剥がし難かった。
【0050】
【表3】
【0051】
<剥離作業性の評価結果>
表3に示す結果から明らかなように、実施例1〜4の粘着テープは非粘着剤部分1が掴み代となるので、剥離作業性が良かった。具体的には、実施例1の粘着テープ(
図1)は、いずれの場所で切った場合でも掴み代から剥がし易かった。実施例2の粘着テープ(
図2)は、非粘着面が末端に位置するように切った場合に掴み代から剥がし易かった。実施例3の粘着テープ(
図3)は、いずれの場所で切った場合でも掴み代から剥がし易かった。実施例4の粘着テープ(
図4)は、摘み代が中央に位置するので実施例1〜3の粘着テープと比較すると多少剥がし難かったが、比較例1の粘着テープよりも格段に剥がし易かった。一方、比較例1の粘着テープは掴み代が無いので剥がし難かった。
【0052】
なお実施例1〜4の粘着テープは、非粘着剤部分1を有するので参考例3と比較すると粘着力やタックが若干低下したが、それでも溶剤系粘着剤組成物を用いた比較例1よりも遥かに優れた粘着力やタックを有するものであった。
【0053】
<ロール品の外観と経時変化の評価試験>
実施例1〜4の粘着テープのロール品の外観と経時変化を、以下の方法で評価した。具体的には、粘着テープを
図6の上側に示すように紙管に巻き取ってロール品6とし(幅25mm、巻き長さ25m又は300m)、ロール品6の外周表面やテープ端部の切断面を目視にて観察し、以下の基準で評価した。また、ロール品6の紙管をシャフトに吊るして40℃で1週間放置し、
図6の下側に示すような巻き崩れ(椀状変形)の有無を目視にて確認し、以下の基準で評価した。結果を表4に示す。
[◎]:外周表面及び切断面に問題が無く、且つ巻き崩れが生じなかった。
[○]:外周表面及び切断面にやや問題が有ったが、巻き崩れは生じなかった。
[△]:外周表面及び切断面にやや問題が有り、且つ巻き崩れが生じた。
[×]:外周表面及び切断面に大きな問題が有り、且つ巻き崩れが生じた。
【0054】
【表4】
【0055】
<ロール品の耐巻き崩れ評価結果>
表4に示す結果から明らかなように、実施例1の粘着テープ(
図1)及び実施例2の粘着テープ(
図2)はロール品6の外周表面及び切断面に問題が無く、且つ巻き崩れが生じなかった。一方、実施例3の粘着テープ(
図3)及び実施例4の粘着テープ(
図4)は、25m巻のロール品6においては外周表面及び切断面にやや問題が有り、300m巻のロール品6においてはさらに巻き崩れも生じた。
【0056】
具体的には、実施例3の粘着テープ(
図3)及び実施例4の粘着テープ(
図4)は非粘着剤部分1及び粘着剤部分2が巻き取り方向に両端部又は中央部で連続したパターンを有するので、これを巻き取ってロール品6にすると両部1及び2のテープ厚さの差が相乗され、ロール品6の外周表面に凹凸が生じてしまった。一方、実施例1の粘着テープ(
図1)及び実施例2の粘着テープ(
図2)は非粘着剤部分1及び粘着剤部分2からなるパターンが巻き取り方向に対して連続していないので、これを巻き取ってロール品6にすると両部1及び2のテープ厚さの差は相殺され、ロール品6の外周表面は平滑であった。
【0057】
実施例3の粘着テープ(
図3)及び実施例4の粘着テープ(
図4)は非粘着剤部分1及び粘着剤部分2が巻き取り方向に両端部又は中央部で連続したパターンを有するので、これを300m巻き取ってロール品6にすると両部1及び2のテープ厚さの差に起因する粘着力の差が大きく相乗され、40℃で1週間吊るしたら巻き崩れが生じた。一方、実施例1の粘着テープ(
図1)及び実施例2の粘着テープ(
図2)は非粘着剤部分1及び粘着剤部分2からなるパターンが巻き取り方向に対して連続していないので、これを300m巻き取ってロール品6にしても両部1及び2の粘着力の相違は相殺され、40℃で1週間吊るしても巻き崩れは生じなかった。