特許第6203894号(P6203894)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6203894
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】粘着テープ及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C09J 7/04 20060101AFI20170914BHJP
   C09J 121/00 20060101ALI20170914BHJP
   C09J 11/04 20060101ALI20170914BHJP
   C09J 107/00 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
   C09J7/04
   C09J121/00
   C09J11/04
   C09J107/00
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-73114(P2016-73114)
(22)【出願日】2016年3月31日
【審査請求日】2016年10月20日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000145079
【氏名又は名称】株式会社寺岡製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100106138
【弁理士】
【氏名又は名称】石橋 政幸
(74)【代理人】
【識別番号】100181607
【弁理士】
【氏名又は名称】三原 史子
(72)【発明者】
【氏名】山本 智章
(72)【発明者】
【氏名】園田 誠
【審査官】 佐藤 貴浩
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−173649(JP,A)
【文献】 特開昭63−048381(JP,A)
【文献】 実開昭60−122346(JP,U)
【文献】 実開昭62−118142(JP,U)
【文献】 特開平04−270775(JP,A)
【文献】 実開昭57−150537(JP,U)
【文献】 特開2004−010760(JP,A)
【文献】 特開2009−046546(JP,A)
【文献】 特開2003−213227(JP,A)
【文献】 特開2003−049134(JP,A)
【文献】 特開2006−143867(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/087405(WO,A1)
【文献】 国際公開第2014/126158(WO,A1)
【文献】 特開2014−001312(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3205388(JP,U)
【文献】 特開平09−104851(JP,A)
【文献】 特開2009−097001(JP,A)
【文献】 特開平11−106729(JP,A)
【文献】 特開2012−201395(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3085347(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3044590(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J 1/00−201/10
B32B 1/00− 43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材の少なくとも片面に、非粘着剤部分が部分的に存在する粘着剤層を有する粘着テープであって、該基材が織布又は編布であり、該粘着剤層がゴム系粘着剤を含む固形粘着剤組成物からなり、該固形粘着剤組成物が該ゴム系粘着剤のゴム成分100質量部に対して無機フィラーを30〜200質量部含み、該粘着剤層の厚みが0.03〜0.4mmである粘着テープ。
【請求項2】
ゴム系粘着剤がゴム成分として天然ゴムを含む請求項1記載の粘着テープ。
【請求項3】
粘着剤層における非粘着剤部分及び粘着剤部分からなるパターンが、粘着テープを巻き取ってロール品とした場合に、非粘着剤部分と粘着剤部分とのテープ厚さの差の全部又は一部が相殺されるパターンである請求項1又は2記載の粘着テープ。
【請求項4】
粘着剤部分と非粘着剤部分が斜めストライプ状に交互に形成されている請求項3記載の粘着テープ。
【請求項5】
請求項1記載の粘着テープを製造する為の方法であって、基材上に固形粘着剤組成物を塗工することにより粘着剤層を形成する粘着テープの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば粗面塗装用マスキングテープ等の用途に有用であり、剥離作業性に優れ、且つ粗面接着性、耐水性、耐寒性等の諸特性に優れた粘着テープ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、粘着剤層に非粘着剤部分を有する粘着テープが様々な用途で使用されている。例えば、特許文献1〜6には塗装用マスキングテープが記載されており、非粘着剤部分を掴み代として用いることによって粘着テープが剥がれ易くなると説明されている。特許文献7には側端部無塗工粘着テープが記載されており、非粘着剤部分を利用することによって、粘着剤が被着体に容易に再剥離・再貼付すると説明されている。特許文献8には野菜の束の結束や食品を収納したポリ袋等の比較的軽量物を結束するのに用いられる粘着テープで、長手方向と直交方向に手指で容易に切断できる結束用粘着テープが記載されており、粘着テープを引き裂くに際して、非粘着剤部に手指をひっかけて引裂き作業を行いやすくするために設けられていると説明されている。一方、特許文献9には装飾用マスキングテープが記載されており、中央部に非粘着剤部分を設けることにより、粘着剤に接触しない筒状又は袋状の空間を設け、そこに物体を挿入することができると説明されている。また、特許文献10にはスパッタリングターゲットのターゲット材とバッキングプレート材とを半田で接合する際に、余分な半田をマスキングするために用いられるマスキング用粘着テープが記載されており、非粘着剤部分をエアー抜きの通路として用いると説明されている。さらに特許文献11には電池用粘着テープが記載されており、基材からの糊はみだしを防止するために、基材の両側端縁部に非粘着剤部分を設けると説明されている。
【0003】
このような粘着テープに使用する粘着剤としては、特に溶剤系粘着剤が提案されている(特許文献5、6、7、8、11)。しかし、溶剤系粘着剤は、粘着剤層を厚くすると加熱・乾燥工程にて発泡等が生じるので薄くする必要がある。この場合は、被着体が道路等の粗面に対する接着が困難となる。また、圧着力をかけないと貼付性が低いので、天井等の高所や足場での作業が困難となる。さらに、水濡箇所への貼着性や低温での接着性が低いので、雨天後や冬場・寒冷地での作業が困難となる。さらに、従来の粘着テープにおいては、剥離作業性のさらなる向上も必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実公平04−15318号公報
【特許文献2】実開昭59−176678号公報
【特許文献3】実開平03−94969号公報
【特許文献4】実開平06−077852号公報
【特許文献5】実開昭59−61880号公報
【特許文献6】特開2014−173038号公報
【特許文献7】特開2000−309762号公報
【特許文献8】特開2004−10760号公報
【特許文献9】実用新案登録第3152945号公報
【特許文献10】特開2003−286568号公報
【特許文献11】特開2013−064086号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、剥離作業性に優れ、また被着体に粘着剤を接触させたくない箇所がある場合にも好適に使用でき、且つ粗面接着性、耐水性、耐寒性等の諸特性に優れた粘着テープ及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、固形粘着剤組成物を用いて非粘着剤部分が部分的に存在する比較的厚い特定厚の粘着剤層を形成することが非常に有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち本発明は、基材の少なくとも片面に、非粘着剤部分が部分的に存在する粘着剤層を有する粘着テープであって、該基材が織布又は編布であり、該粘着剤層がゴム系粘着剤を含む固形粘着剤組成物からなり、該固形粘着剤組成物が該ゴム系粘着剤のゴム成分100質量部に対して無機フィラーを30〜200質量部含み、該粘着剤層の厚みが0.03〜0.4mmである粘着テープである。
さらに本発明は、上記粘着テープを製造する為の方法であって、基材上に固形粘着剤組成物を塗工することにより粘着剤層を形成する粘着テープの製造方法である。
【発明の効果】
【0008】
本発明の粘着テープは、固形粘着剤組成物を用いて非粘着剤部分が部分的に存在する比較的厚い特定厚の粘着剤層を有するので、剥離作業性に優れ、且つ粗面接着性、耐水性、耐寒性等の諸特性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の粘着テープの一実施形態を示す模式的平面図である。
図2】本発明の粘着テープの一実施形態を示す模式的平面図である。
図3】本発明の粘着テープの一実施形態を示す模式的平面図である。
図4】本発明の粘着テープの一実施形態を示す模式的平面図である。
図5】参考例におけるループタック試験を説明する為の模式図である。
図6】実施例及び比較例に記載の椀状変形を説明する為の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、本発明の粘着テープの一実施形態を示す模式的平面図である。この実施形態においては、非粘着剤部分1と粘着剤部分2が斜めストライプ状に交互に形成されている。したがって、粘着テープの切断端面の一部分及び側面のいずれにも掴み代が存在するので、どちらからでも剥がし易い。しかも、非粘着剤部分1及び粘着剤部分2からなるパターンが、粘着テープを巻き取ってロール品とした場合に、非粘着剤部分と粘着剤部分とのテープ厚さの差の全部又は一部が相殺されるパターンであり、巻き取り方向に対して特定箇所に粘着剤の存在による圧力が集中しないため、粘着テープの切断面は綺麗であり、ロール品の外周表面は比較的平滑であり、巻き崩れも生じ難い。これら各点は、後述する実施例において詳細に説明する。
【0011】
図2は、本発明の粘着テープの一実施形態を示す模式的平面図である。この実施形態においては、非粘着剤部分1がテープの幅方向と平行に設けられている。したがって、粘着テープの側面に掴み代が存在するので、側面から剥がし易い。また、非粘着剤部分1の箇所で切断すれば、切断端面からも剥がし易くなる。しかも、非粘着剤部分1及び粘着剤部分2からなるパターンが、粘着テープを巻き取ってロール品とした場合に、非粘着剤部分と粘着剤部分とのテープ厚さの差の全部又は一部が相殺されるパターンであり、巻き取り方向に対して巻圧が集中せず分散するので、粘着テープの切断面は綺麗であり、ロール品の外周表面は比較的平滑であり、巻き崩れも生じ難い。これら各点は、後述する実施例において詳細に説明する。また例えば、非粘着剤部分1の幅を調整して、テープに直行する対象物に非粘着剤部分1を接し、対象物の周囲の部材に粘着剤部分2を接することにより、対象物に粘着剤を付着させることなく固定することもできる。
【0012】
図3は、本発明の粘着テープの一実施形態を示す模式的平面図である。この実施形態においては、粘着テープの長さ方向に沿って両側端部に非粘着剤部分1が設けられている。したがって、粘着テープの切断端面の両側端部及び側面に掴み代が存在するので、どちらからでも剥がし易い。また例えば、対象物の簡易固定等の為に設置する場合は、両側端部の非粘着剤部分1を摘んで簡単に設置できる。
【0013】
図4は、本発明の粘着テープの一実施形態を示す模式的平面図である。この実施形態においては、粘着テープの長さ方向に沿って中央部に非粘着剤部分1が設けられている。したがって、粘着テープの切断端面の中央部に掴み代が存在するので、切断端面から剥がし易い。また例えば、ダンボール箱等の梱包箱の封止に使用した場合は、箱の開封時に中央の非粘着剤部分1をカッターで切断すればカッターに粘着剤が付着しない。また、ダンボール箱による梱包箇所に隙間ができても、内容物に粘着剤が付着しない。
【0014】
以上説明した図1〜4の実施形態の中では、縦横いずれからも容易に剥がすことができる等の点から、図1の実施形態が最も好ましい。ただし、本発明における非粘着剤部分1と粘着剤部分2のパターンは、図1〜4の実施形態に限定されるものではない。例えば、ドット状、格子状、ランダム状、意匠性を付与した模様など他の様々なパターンでも可能である。
【0015】
本発明において、粘着剤層の厚さは0.03〜0.6mmであり、好ましくは0.04〜0.4mm、より好ましくは0.05〜0.4mm、特に好ましくは0.06〜0.25mmである。本発明のように粘着剤層を厚くすることは、特に道路等の粗面に対する粘着力、耐水性、耐寒性等の特性が向上する点から好ましい。さらに本発明のように粘着剤層を厚くすることは、非粘着剤部分1が加圧等の外力により潰れることを防止し、良好な剥離作業性を維持するという点からも好ましく、また被着体に粘着剤を接触させたくない箇所がある場合には、確実に接触させないようにする点からも好ましい。このような厚い粘着層は、溶剤系粘着剤組成物では形成が困難である。
【0016】
粘着剤層は、固形粘着剤組成物からなる層である。固形粘着剤組成物とは、実質的に溶剤を含まない粘着剤組成物、いわゆる非溶剤系粘着剤組成物であり、固形粘着剤組成物という表現にはホットメルト粘着剤も包含される。固形粘着剤組成物は、ゴム系粘着剤を含むことが好ましく、特に天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、スチレン系ブロック共重合体等の熱可塑性ゴム、合成イソプレンゴム、ブチルゴム、アクリルゴム、ニトリルゴム、ポリイソブチレンゴム、これらの再生ゴム等のゴム成分を含むことがより好ましい。さらに固形粘着剤組成物は、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化チタン等の無機フィラーを含むことも好ましい。無機フィラーの含有量は、ゴム成分100質量部に対して好ましくは30〜200質量部である。また必要に応じて、粘着付与剤、プロセスオイル、老化防止剤、紫外線安定剤、加硫剤、着色剤等の公知の添加剤を含んでいても良い。
【0017】
本発明の粘着テープは、基材の少なくとも片面に、以上説明した粘着剤層を有するものである。基材の種類は特に限定されない。例えば、レーヨン、綿、ポリエステル単独又は混紡による紡績糸、ポリエステルやアクリル等の長繊維、ポリエチレンフラットヤーン等を製織した織布又は編布、ポリプロピレン、ポリエチレン等の樹脂フィルム等が挙げられる。中でも、織布又は編布が好ましい。基材の厚さは、好ましくは0.05〜0.3mm、より好ましくは0.1〜0.2mmである。
【0018】
本発明の粘着テープは、例えばカレンダーロール、ホットメルトコーター等の塗工装置を用いて、基材上に所望のパターンで固形粘着剤組成物を塗工することにより得られる。
【0019】
本発明の粘着テープは、各種用途に制限無く利用可能であるが、特に剥離作業性に優れ、且つ粗面接着性、耐水性、耐寒性等の諸特性に優れているので、使用後に剥離する用途、例えば、道路、壁等の粗面塗装用マスキングテープ等の用途に非常に有用である。さらに高所、足場、寒冷地、水濡箇所等における各種工程用の仮止め、仮固定用テープとしても有用である。さらに、粘着剤層に非粘着剤部分1が部分的に存在するという特徴的構成を活かして、簡易取手や持ち手、本の背表紙、仮設の電線止め、装飾用チェーン等の用途にも利用可能である。
【実施例】
【0020】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。以下の記載において「部」は「質量部」を意味する。
【0021】
<粘着剤の評価試験>
以下の参考例1〜7及び比較参考例1〜3の粘着テープを作製し、以下の各方法により粘着剤を評価した。結果を表1及び2に示す。
【0022】
[参考例1]
スフ織布の片面(粘着剤層を形成する面とは反対側の面)にポリエチレン層を積層し、さらにポリエチレン層の上に長鎖アルキル系離型材を塗布して、厚さ0.15mmの基材を得た。一方、天然ゴム100部、炭酸カルシウム150部、粘着付与樹脂(日本ゼオン社製、商品名クイントンR100)100部、プロセスオイル30部を加圧ニーダーで混練して固形粘着剤組成物を得た。この固形粘着剤組成物をカレンダーロールにて基材の片面の全体に塗布し、厚さ0.04mmの粘着剤層を形成して粘着テープを得た。
【0023】
[参考例2]
粘着剤層の厚さを0.06mmに変更したこと以外は、参考例1と同様にして粘着テープを作製した。
【0024】
[参考例3]
粘着剤層の厚さを0.11mmに変更したこと以外は、参考例1と同様にして粘着テープを作製した。
【0025】
[参考例4]
スフ織布の片面(粘着剤層を形成する面とは反対側の面)にポリエチレン層を積層し、さらにポリエチレン層の上に長鎖アルキル系離型材を塗布して、厚さ0.21mmの基材を得た。一方、天然ゴム100部、炭酸カルシウム120部、粘着付与樹脂(日本ゼオン社製、商品名クイントンG115)85部、プロセスオイル20部を加圧ニーダーで混練して固形粘着剤組成物を得た。この固形粘着剤組成物をカレンダーロールにて基材の片面の全体に塗布し、厚さ0.07mmの粘着剤層を形成して粘着テープを得た。
【0026】
[参考例5]
粘着剤層の厚さを0.11mmに変更したこと以外は、参考例4と同様にして粘着テープを作製した。
【0027】
[参考例6]
粘着剤層の厚さを0.15mmに変更したこと以外は、参考例4と同様にして粘着テープを作製した。
【0028】
[参考例7]
粘着剤層の厚さを0.23mmに変更したこと以外は、参考例4と同様にして粘着テープを作製した。
【0029】
[比較参考例1]
ポリエチレン織布の両面にポリエチレン層を積層し、さらに片方のポリエチレン層(粘着剤層を形成する面とは反対側のポリエチレン層)の上に長鎖アルキル系離型材を塗布して、厚さ0.125mmの基材を得た。一方、ブチルアクリレート20部、2−エチルヘキシルアクリレート77部及びアクリル酸3部を溶媒中に溶解し、開始剤として2,2'−アゾビス(イソブチロニトリル)を用いて重合し、固形分50%のベースポリマーを得た。このベースポリマー100部に、イソシアネート系硬化剤(綜研化学株式会社製、商品名L−45)1部を加えて攪拌し、溶剤系粘着剤組成物を得た。この溶剤系粘着剤組成物をロールコーターにて基材の片面の全体に塗布・乾燥し、厚さ0.02mmの粘着剤層を形成して粘着テープを得た。
【0030】
[比較参考例2]
2−エチルヘキシルアクリレートの量を79部、アクリル酸の量を1部に変更したこと以外は、比較参考例1と同様にして粘着テープを作製した。
【0031】
[比較参考例3]
比較参考例2において、粘着剤層の厚さを0.11mmに変更しようとしたところ、粘着剤組成物が発泡してしまい適正な粘着テープを作製できなかった。
【0032】
[粘着力]
JIS Z 0237(2000)に準じて、幅25mmの粘着テープのSUS板に対する粘着力を測定した。
【0033】
[粗面への粘着力]
道路等の粗面を想定し、#400研磨紙をSUS板に固定した試験板を作製した。JIS Z 0237(2000)に準じて、幅25mm粘着テープの試験板の研磨紙面に対する粘着力を測定した。
【0034】
[傾斜30°タック]
JIS Z 0237(2000)に準じて、30°傾斜式ボールタック試験により粘着テープの傾斜30°タックを測定した。
【0035】
[ループタック]
図5に示すように、幅25mmの粘着テープ3の基材3aを内側、粘着層3bを外側にし、円周100mmのループを形成した。両端部分を測定器のチャック4でつかみ、300mm/分の速度で測定器のチャックのエッジとSUS板5との間が20mmの高さになるまで下降させ、間髪いれずに同じ速度で元の位置に上昇させた際の粘着力を測定した。このループタックは、圧着力の掛からない状態を想定した粘着性試験である。
【0036】
[濡れた粗面への粘着力]
道路等の粗面を想定し、#280研磨紙をSUS板に固定(研磨面を上)した試験板を準備した。試験片を3分間水に浸漬してから取り出し、この試験板を手で振って水滴を除去した後、JIS Z 0237(2000)に準じて、幅25mmの粘着テープの試験板に対する粘着力を測定した。
【0037】
[低温環境での定荷重剥離]
寒冷地での使用を想定し、−20℃の雰囲気で定荷重剥離測定を行った。JIS Z 0237(2000)に規定されるSUS板に、試験テープを幅25mm×長さ50mmの面積で接着させ、テープの端に300gの錘を吊り下げた。1分間で剥れた距離を測定し、あるいは1分以内に全て剥れた場合はその時間を測定した。
【0038】
[残留溶剤]
粘着剤層中の残留溶剤は、(株)島津製作所製ガスクロマトグラフを用い、ヘッドスペース法(加熱条件:80℃、40分)にて、揮化した検出された残留溶剤量を測定した。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
<粘着剤の評価結果>
表1に示す結果から明らかなように、参考例1〜7の粘着テープの固形粘着剤組成物からなる粘着剤層は、殆どの項目が優れていた。例えば、通常の粗面及び雨天後の十分乾燥していない粗面への粘着力に優れているので通常の道路及び濡れた道路に対して十分な固定力が得られることを理解でき、傾斜30°タック及びループタックに優れているので圧着しなくても十分な固定力が得られることを理解でき、低温環境での定荷重剥離に優れているので冬期でも剥がれにくいことを理解でき、残留溶剤が少ないので環境汚染を生じにくいことを理解できる。
【0042】
一方、比較参考例1〜2の粘着テープの溶剤系粘着剤組成物からなる粘着剤層は、殆どの項目が参考例1〜7よりも劣っていた。例えば、粘着力、タック、定荷重剥離が劣っている原因の一つは、その粘着層の厚さが参考例1〜7よりも薄い点にある。一方、比較参考例3では、粘着剤層の厚さを参考例3及び5と同じ0.11mmにしようと試みたが、溶剤系粘着剤組成物が発泡してしまい適正な粘着テープを作製できなかった。このように溶剤系粘着剤組成物を用いた場合は、粘着剤層の厚さを厚くすることは困難である。
【0043】
<剥離作業性の評価試験>
以下の実施例1〜4及び比較例1の粘着テープを作製し、以下の方法により粘着テープの剥離作業性を評価した。結果を表3に示す。
【0044】
[実施例1]
カレンダーロールにて基材の片面に図1に示すような非粘着剤部分1及び粘着剤部分2が斜めストライプ状に交互に設けられた粘着剤層を形成したこと以外は、参考例2と同様にしてテープ幅25mmの粘着テープを作製した。非粘着剤部分1及び粘着剤部分2のストライプ幅はそれぞれ5mmとした。
【0045】
[実施例2]
カレンダーロールにて基材の片面に図2に示すような非粘着剤部分1がテープの幅方向と平行に設けられた粘着剤層を形成したこと以外は、参考例2と同様にしてテープ幅25mmの粘着テープを作製した。非粘着剤部分1の長さは5mm、粘着剤部分2の長さは10mmとした。
【0046】
[実施例3]
カレンダーロールにて基材の片面に図3に示すような両側端部に非粘着剤部分1が設けられた粘着剤層を形成したこと以外は、参考例2と同様にしてテープ幅25mmの粘着テープを作製した。非粘着剤部分1の幅は、それぞれ5mmとした。
【0047】
[実施例4]
カレンダーロールにて基材の片面に図4に示すような中央に非粘着剤部分1が設けられた粘着剤層を形成したこと以外は、参考例2と同様にしてテープ幅25mmの粘着テープを作製した。非粘着剤部分1の幅は5mmとした。
【0048】
[比較例1]
参考例2と同様にして粘着剤が全面塗布された、幅25mmの粘着テープを作製した。
【0049】
凹凸の無い金属面に粘着テープを100mmの長さで貼り付け、軍手を装着した状態で剥がした時の感触に基づいて以下の基準で評価した。
[◎]:剥がし易かった。
[○]:やや剥がし易かった。
[×]:剥がし難かった。
【0050】
【表3】
【0051】
<剥離作業性の評価結果>
表3に示す結果から明らかなように、実施例1〜4の粘着テープは非粘着剤部分1が掴み代となるので、剥離作業性が良かった。具体的には、実施例1の粘着テープ(図1)は、いずれの場所で切った場合でも掴み代から剥がし易かった。実施例2の粘着テープ(図2)は、非粘着面が末端に位置するように切った場合に掴み代から剥がし易かった。実施例3の粘着テープ(図3)は、いずれの場所で切った場合でも掴み代から剥がし易かった。実施例4の粘着テープ(図4)は、摘み代が中央に位置するので実施例1〜3の粘着テープと比較すると多少剥がし難かったが、比較例1の粘着テープよりも格段に剥がし易かった。一方、比較例1の粘着テープは掴み代が無いので剥がし難かった。
【0052】
なお実施例1〜4の粘着テープは、非粘着剤部分1を有するので参考例3と比較すると粘着力やタックが若干低下したが、それでも溶剤系粘着剤組成物を用いた比較例1よりも遥かに優れた粘着力やタックを有するものであった。
【0053】
<ロール品の外観と経時変化の評価試験>
実施例1〜4の粘着テープのロール品の外観と経時変化を、以下の方法で評価した。具体的には、粘着テープを図6の上側に示すように紙管に巻き取ってロール品6とし(幅25mm、巻き長さ25m又は300m)、ロール品6の外周表面やテープ端部の切断面を目視にて観察し、以下の基準で評価した。また、ロール品6の紙管をシャフトに吊るして40℃で1週間放置し、図6の下側に示すような巻き崩れ(椀状変形)の有無を目視にて確認し、以下の基準で評価した。結果を表4に示す。
[◎]:外周表面及び切断面に問題が無く、且つ巻き崩れが生じなかった。
[○]:外周表面及び切断面にやや問題が有ったが、巻き崩れは生じなかった。
[△]:外周表面及び切断面にやや問題が有り、且つ巻き崩れが生じた。
[×]:外周表面及び切断面に大きな問題が有り、且つ巻き崩れが生じた。
【0054】
【表4】
【0055】
<ロール品の耐巻き崩れ評価結果>
表4に示す結果から明らかなように、実施例1の粘着テープ(図1)及び実施例2の粘着テープ(図2)はロール品6の外周表面及び切断面に問題が無く、且つ巻き崩れが生じなかった。一方、実施例3の粘着テープ(図3)及び実施例4の粘着テープ(図4)は、25m巻のロール品6においては外周表面及び切断面にやや問題が有り、300m巻のロール品6においてはさらに巻き崩れも生じた。
【0056】
具体的には、実施例3の粘着テープ(図3)及び実施例4の粘着テープ(図4)は非粘着剤部分1及び粘着剤部分2が巻き取り方向に両端部又は中央部で連続したパターンを有するので、これを巻き取ってロール品6にすると両部1及び2のテープ厚さの差が相乗され、ロール品6の外周表面に凹凸が生じてしまった。一方、実施例1の粘着テープ(図1)及び実施例2の粘着テープ(図2)は非粘着剤部分1及び粘着剤部分2からなるパターンが巻き取り方向に対して連続していないので、これを巻き取ってロール品6にすると両部1及び2のテープ厚さの差は相殺され、ロール品6の外周表面は平滑であった。
【0057】
実施例3の粘着テープ(図3)及び実施例4の粘着テープ(図4)は非粘着剤部分1及び粘着剤部分2が巻き取り方向に両端部又は中央部で連続したパターンを有するので、これを300m巻き取ってロール品6にすると両部1及び2のテープ厚さの差に起因する粘着力の差が大きく相乗され、40℃で1週間吊るしたら巻き崩れが生じた。一方、実施例1の粘着テープ(図1)及び実施例2の粘着テープ(図2)は非粘着剤部分1及び粘着剤部分2からなるパターンが巻き取り方向に対して連続していないので、これを300m巻き取ってロール品6にしても両部1及び2の粘着力の相違は相殺され、40℃で1週間吊るしても巻き崩れは生じなかった。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明の粘着テープは、各種用途に制限無く利用可能であるが、使用後に剥離する用途、例えば、道路、壁等の粗面塗装用マスキングテープ等の用途に非常に有用である。さらに各種工程用の仮止め、仮固定用テープとしても有用である。また被着体に粘着剤を接触させたくない箇所がある場合にも好適に使用できる。
【符号の説明】
【0059】
1 非粘着剤部分
2 粘着剤部分
3 粘着テープ
3a 基材
3b 粘着層
4 チャック
5 SUS板
6 粘着テープのロール品
【要約】
【課題】剥離作業性に優れ、また被着体に粘着剤を接触させたくない箇所がある場合にも好適に使用でき、且つ粗面接着性、耐水性、耐寒性等の諸特性に優れた粘着テープを提供する。
【解決手段】基材の少なくとも片面に、粘着剤部分2だけでなく非粘着剤部分1が部分的に所望のパターン状に存在する(好ましくはゴム系粘着剤を含む)粘着剤層を有する粘着テープであって、該粘着剤層が固形粘着剤組成物からなり、該粘着剤層の厚みが0.03〜0.6mmである粘着テープ。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6