特許第6203897号(P6203897)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6203897
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】免疫刺激オリゴヌクレオチド
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/117 20100101AFI20170914BHJP
   C12N 15/09 20060101ALI20170914BHJP
   A61K 38/16 20060101ALI20170914BHJP
   A61K 39/00 20060101ALI20170914BHJP
   A61K 31/711 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
   C12N15/00 J
   C12N15/00 AZNA
   A61K38/16
   A61K39/00 H
   A61K31/711
【請求項の数】45
【全頁数】42
(21)【出願番号】特願2016-92527(P2016-92527)
(22)【出願日】2016年5月2日
(62)【分割の表示】特願2013-539986(P2013-539986)の分割
【原出願日】2011年11月16日
(65)【公開番号】特開2016-189777(P2016-189777A)
(43)【公開日】2016年11月10日
【審査請求日】2016年5月31日
(31)【優先権主張番号】61/414,194
(32)【優先日】2010年11月16日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511254321
【氏名又は名称】セレクタ バイオサイエンシーズ インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】SELECTA BIOSCIENCES,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リップフォード,グレイソン・ビィ
(72)【発明者】
【氏名】フレイザー,クリストファー
【審査官】 白井 美香保
(56)【参考文献】
【文献】 特表2006−512096(JP,A)
【文献】 特表2003−535043(JP,A)
【文献】 DNA AND CELL BIOLOGY,2005年,vol.24 no.2,pp.63-72
【文献】 Journal of Leukocyte Biology,2006年,vol.79,pp.257-267
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 15/00−15/90
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
GenBank/EMBL/DDBJ/GeneSeq
PubMed
CiNii
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物であって、
配列
5’−TCGTCGAACGTTCGCGAACGTTCG−3’[SEQ ID NO.1]
を備える免疫刺激単離核酸と、
医薬的に許容可能な賦形剤とを備え、
Cは非メチル化であり、さらに、
(a)アジュバントと、
(b)Toll様受容体(TLR)のためのリガンドと、
(c)合成ナノ担体と、
のうち1つ以上を備え、前記合成ナノ担体は、
(i)ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリ無水物、ポリプロピルフマレート、ポリアミド、ポリアセタール、ポリエーテル、ポリエステル、ポリ(オルトエステル)、ポリシアノアクリレート、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、ポリホスファゼン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリ尿素、ポリスチレン、ポリアミン、ポリリシン、ポリリシン−PEG共重合体、ポリ(エチレンイミン)、およびポリ(エチレンイミン)−PEG共重合体からなる群から選択されるポリマーと、ホスホグリセリド、ホスファチジルコリン、コレステロール、コレステロールエステル、ジアシルグリセロール、脂肪アルコール、表面活性脂肪酸、脂肪酸、脂肪酸モノグリセリド、脂肪酸ジグリセリド、脂肪酸アミド、ポリソルベート、スルファクチン、ポロキソマー、ソルビタン脂肪酸エステル、レシチン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、スフィンゴミエリン、ホスファチジルエタノールアミン、カルジオリピン、ホスファチジン酸、セレブロシド、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール、ステアリルアミン、ドデシルアミン、ヘキサデシル−アミン、パルミチン酸アセチル、リシノール酸グリセロール、ステアリン酸ヘキサデシル、ミリスチン酸イソプロピル、チロキサポール、ポリエチレングリコール、リン脂質、デオキシコール酸塩、シクロデキストリン、およびカオトロピック塩からなる群から選択される脂質と、単糖、二糖、多糖および糖アルコールからなる群から選択される炭水化物と、のうち1つ以上を備えること、
(ii)3μm未満の最大寸法、
(iii)前記免疫刺激核酸の封入、
(iv)回転楕円面状、立方体様、角錐形、長円形、円筒形およびドーナツ形からなる群から選択される形状、ならびに
(v)アミドリンカー、ジスルフィドリンカー、チオエーテルリンカー、ヒドラゾンリンカー、ヒドラジドリンカー、イミンまたはオキシムリンカー、尿素またはチオ尿素リンカー、アミジンリンカー、アミンリンカー、およびスルホンアミドリンカーからなる群から選択されるリンカーを介した前記免疫刺激核酸へのその共有結合、
のうち1つ以上を特徴とする、組成物。
【請求項2】
(i)第1の配列である
5’−TCGTCGAACGTTCGCGAACGTTCG−3’[SEQ ID NO.1]、および
(ii)前記第1の配列の5’末端に位置決めされる、第2の配列であるTCGTCG
を備える免疫刺激単離核酸と、
医薬的に許容可能な賦形剤とを備え、
Cは非メチル化である、組成物。
【請求項3】
前記免疫刺激単離核酸は安定化修飾をさらに備える、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記安定化修飾は、3’OHもしくは5’OH基の修飾、ヌクレオチド塩基の修飾、糖成分の修飾、またはリン酸基の修飾を備える、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記安定化修飾はホスホロチオアートバックボーンを備える、請求項3に記載の組成物。
【請求項6】
抗原をさらに備える、請求項2に記載の組成物。
【請求項7】
前記抗原はB細胞抗原を備える、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
前記B細胞抗原は、タンパク質、ペプチド、小分子、および炭水化物のうち1つ以上を備える、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記B細胞抗原はニコチンである、請求項7に記載の組成物。
【請求項10】
前記抗原はT細胞抗原を備える、請求項6に記載の組成物。
【請求項11】
前記T細胞抗原はヘルパーT細胞抗原を備える、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
前記免疫刺激単離核酸に連結される担体をさらに備える、請求項2に記載の組成物。
【請求項13】
前記担体はタンパク質担体または合成ナノ担体を備える、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
前記合成ナノ担体は抗原にさらに連結される、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
前記免疫刺激単離核酸に連結されない付加的な合成ナノ担体をさらに備える、請求項13に記載の組成物。
【請求項16】
前記付加的な合成ナノ担体は抗原に連結される、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
前記抗原はヘルパーT細胞抗原を備える、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
前記免疫刺激単離核酸は、(i)第1の配列である5’−TCGTCGAACGTTCGCGAACGTTCG−3’[SEQ ID NO.1]、および(ii)前記第1の配列の前記5’末端に位置決めされる、第2の配列であるTCGTCGからなる、請求項2に記載の組成物。
【請求項19】
前記免疫刺激単離核酸は安定化修飾を備えない、請求項2に記載の組成物
【請求項20】
被験体において前記抗原に対する抗体応答を誘発するのに用いるための、請求項6に記載の組成物
【請求項21】
(i)第1の配列である5’−TCGTCGAACGTTCGCGAACGTTCG−3’[SEQ ID NO.1]、および(ii)前記第1の配列の5’末端に位置決めされる、第2の配列であるTCGTCGを備える、単離された核酸
【請求項22】
(i)第1の配列である5’−TCGTCGAACGTTCGCGAACGTTCG−3’[SEQ ID NO.1]、および(ii)前記第1の配列の5’末端に位置決めされる、第2の配列であるTCGTCGからなる、単離された核酸
【請求項23】
被験体においてIL−6産生を誘発するのに用いるための、請求項1−19のいずれか1項に記載の組成物
【請求項24】
被験体においてインターフェロン−アルファ産生を誘発するのに用いるための、請求項1−19のいずれか1項に記載の組成物
【請求項25】
被験体においてIP−10産生を誘発するのに用いるための、請求項1−19のいずれか1項に記載の組成物
【請求項26】
請求項1−19のいずれか1項に記載の組成物を備えるワクチンを備える、組成物
【請求項27】
請求項1−19のいずれか1項に記載の組成物を備える、免疫刺激組成物
【請求項28】
アジュバント、TLRのためのリガンド、および抗原のうち1つ以上をさらに備える、請求項2−19のいずれか1項に記載の組成物
【請求項29】
前記TLRのためのリガンドは、TLR9のためのリガンド、TLR7/8のためのリガンド、TLR4のためのリガンド、またはTLR3のためのリガンドである、請求項1または28に記載の組成物
【請求項30】
前記合成ナノ担体は、ポリマー、脂質、または炭水化物を備える、請求項13に記載の組成物
【請求項31】
前記ポリマーは、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリ無水物、ポリプロピルフマレート、ポリアミド、ポリアセタール、ポリエーテル、ポリエステル、ポリ(オルトエステル)、ポリシアノアクリレート、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、ポリホスファゼン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリ尿素、ポリスチレン、ポリアミン、ポリリシン、ポリリシン−PEG共重合体、ポリ(エチレンイミン)、およびポリ(エチレンイミン)−PEG共重合体からなる群から選択される、請求項30に記載の組成物
【請求項32】
前記脂質は、ホスホグリセリド、ホスファチジルコリン、コレステロール、コレステロールエステル、ジアシルグリセロール、脂肪アルコール、表面活性脂肪酸、脂肪酸、脂肪酸モノグリセリド、脂肪酸ジグリセリド、脂肪酸アミド、ポリソルベート、スルファクチン、ポロキソマー、ソルビタン脂肪酸エステル、レシチン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、スフィンゴミエリン、ホスファチジルエタノールアミン、カルジオリピン、ホスファチジン酸、セレブロシド、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール、ステアリルアミン、ドデシルアミン、ヘキサデシル−アミン、パルミチン酸アセチル、リシノール酸グリセロール、ステアリン酸ヘキサデシル、ミリスチン酸イソプロピル、チロキサポール、ポリエチレングリコール、リン脂質、デオキシコール酸塩、シクロデキストリン、およびカオトロピック塩からなる群から選択される、請求項30に記載の組成物
【請求項33】
前記炭水化物は、単糖、二糖、多糖および糖アルコールから選択される、請求項30に記載の組成物
【請求項34】
前記合成ナノ担体は前記免疫刺激核酸を封入する、請求項13に記載の組成物
【請求項35】
前記合成ナノ担体は、回転楕円面状、立方体様、角錐形、長円形、円筒形、またはドーナツ形である、請求項13に記載の組成物
【請求項36】
前記合成ナノ担体は、リンカーを介して前記免疫刺激核酸に共有結合される、請求項13に記載の組成物
【請求項37】
リンケージは、アミドリンカー、ジスルフィドリンカー、チオエーテルリンカー、ヒドラゾンリンカー、ヒドラジドリンカー、イミンまたはオキシムリンカー、尿素またはチオ尿素リンカー、アミジンリンカー、アミンリンカー、およびスルホンアミドリンカーからなる群から選択される、請求項36に記載の組成物
【請求項38】
前記組成物は前記合成ナノ担体を備える、請求項1に記載の組成物
【請求項39】
前記免疫刺激単離核酸に連結されない第2の合成ナノ担体をさらに備える、請求項13または38に記載の組成物
【請求項40】
前記第2の合成ナノ担体は第2の抗原に連結される、請求項39に記載の組成物
【請求項41】
被験体においてNK細胞、B細胞、および単核細胞を刺激するのに用いるための、請求項1−19および28−40のいずれか1項に記載の組成物
【請求項42】
被験体においてインターフェロン−ガンマの産生を誘発するのに用いるための、請求項1−19および28−40のいずれか1項に記載の組成物
【請求項43】
被験体において、感染症、アレルギー症状、癌、代謝性疾患、変性疾患、自己免疫疾患、炎症性疾患、免疫疾患、または毒素に晒されることから生じる症状を治療するのに用いるための、請求項1−19および28−40のいずれか1項に記載の組成物
【請求項44】
中毒がニコチン中毒である、中毒を治療するのに用いるための、請求項1−19および28−40のいずれか1項に記載の組成物
【請求項45】
被験体において免疫応答を誘発、向上、調節、方向付け、または再方向付けするのに用いるための、請求項1−19および28−40のいずれか1項に記載の組成物
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、2010年11月16日に出願された米国出願連続番号第61/414,194号の優先権を主張する。先の出願の内容はその全体が本明細書に引用により援用される。
【背景技術】
【0002】
背景
先天免疫および適応免疫のいずれかまたは両方の刺激を含む免疫系の刺激は、宿主にとって保護となるまたは不利となる生理学的結果を招く可能性がある複雑な現象である。近年、適応免疫を開始しかつ支持すると考えられる先天免疫の基礎となるメカニズムに対する関心が高まっている。この関心は、一部には、病原体関連分子パターン(PAMP)の受容体として先天免疫に係ると考えられるToll様受容体(TLR)として公知の高度に保存されるパターン認識受容体タンパク質のファミリーの最近の発見によって喚起されている。したがって、先天免疫を調節するのに有用な組成物および方法は大変興味深い。というのも、それらは、自己免疫、炎症、アレルギー、喘息、移植片拒絶、移植片対宿主疾患(GvHD)、感染症、癌、および免疫不全などに係る症状に対する療法的アプローチに影響を及ぼす可能性があるからである。
【0003】
最近、CpG核酸、GUリッチssRNA、および二本鎖RNAを含むある種類の核酸分子の免疫刺激効果を記載する多数の報告がなされている。注目すべきは、Toll様受容体9(TLR9)が、細菌DNAと、シトシンが非メチル化であるCpGモチーフを含有するオリゴヌクレオチドとを認識すると報告されていることである。たとえば、Hemmi H et al. (2000) Nature 408:740-5; Bauer S. et al. (2001) Proc Natl Acad Sci USA 98:9237-42を参照。免疫調節に対するオリゴヌクレオチド含有CpGの効果は、米国特許第6,194,388号;第6,207,646号;第6,239,116号;および第6,218,371号などの米国特許、ならびにWO98/37919、WO98/40100、WO98/52581、およびWO99/56755などの公開国際特許出願に記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、さまざまな文脈で免疫刺激を与えるためには、免疫刺激作用が可能な付加的な特異的核酸配列が望ましい。したがって、そのような新規の免疫刺激核酸を包含する組成物および関連の方法が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
要約
発明者らは、本明細書中に開示する発明を実践することによって以上注記した課題および限界を克服できるとしている。特に、発明者らは、配列
5’−TCGTCGAACGTTCGCGAACGTTCG−3’[SEQ ID NO:1]
を備える免疫刺激単離核酸分子を含む組成物および関連の方法であって、少なくとも1つのCが非メチル化であり、オプションで医薬的に許容可能な賦形剤を備える、組成物および関連の方法を提供可能であることを発見した。
【0006】
免疫刺激核酸は、たとえば、3’OHもしくは5’OH基の修飾、ヌクレオチド塩基の
修飾、糖成分の修飾、および/またはリン酸基の修飾などの1つ以上の安定化修飾を含むことができる。安定化修飾はホスホロチオアートバックボーンの使用を含むことができる。いくつかの実現例では、免疫刺激核酸は安定化修飾を含まない。
【0007】
組成物は、たとえば、B細胞抗原またはT細胞抗原などの抗原をさらに含むことができる。T細胞抗原はヘルパーT細胞抗原を含むことができる。例示的なB細胞抗原は、タンパク質、ペプチド、小分子、および炭水化物のうち1つ以上を含む。
【0008】
組成物は、免疫刺激単離核酸に(たとえば、共有結合でまたは非共有結合で)連結される担体(たとえば、タンパク質担体または合成ナノ担体)をさらに含むことができる。合成ナノ担体は、(たとえば、共有結合でまたは非共有結合で)抗原に付加的に連結可能である。組成物は、免疫刺激単離核酸に連結されない付加的な合成ナノ担体をさらに含むことができる。付加的な合成ナノ担体は、たとえば、抗原(たとえば、ヘルパーT細胞抗原)に連結可能である。
【0009】
開示は、SEQ ID NO:1の配列を含む核酸も提供する。
開示はさらに、本明細書中に開示する組成物または核酸を被験体に投与することを含む方法を提供する。
【0010】
開示はさらに、被験体においてIL−6産生を誘発する方法であって、被験体においてIL−6を誘発するのに有効な量の、本明細書中に開示する組成物または核酸を被験体に投与することを含む、方法を提供する。
【0011】
開示はさらに、被験体においてインターフェロン−アルファを誘発する方法であって、被験体においてインターフェロン−アルファを誘発するのに有効な量の、本明細書中に開示する組成物または核酸を被験体に投与することを含む、方法を提供する。
【0012】
開示はさらに、被験体においてIP−10を誘発する方法であって、被験体においてIP−10を誘発するのに有効な量の、本明細書中に開示する組成物または核酸を被験体に投与することを含む、方法を提供する。
【0013】
開示はさらに、本明細書中に開示する組成物および核酸を含むワクチンを提供する。
開示はさらに、被験体において抗原に対する抗体応答を誘発するのに有効な量の抗原を含む、本明細書中に開示する組成物を被験体に投与することを含む方法を提供する。開示はさらに、被験体において抗原に対する抗体応答を誘発する抗原を含む、本明細書中に開示する組成物の使用を提供する。開示はさらに、被験体において抗原に対する抗体応答を誘発するのに用いるための抗原を含む、本明細書中に開示するような組成物を提供する。
【0014】
開示はさらに、本明細書中に開示する組成物および核酸を含む、被験体において抗原に対する抗体応答を誘発するための免疫刺激組成物および組成物を提供する。
【0015】
本発明を詳細に説明する前に、この発明は特に例示する材料またはプロセスパラメータに限定されるものではない、というのもそのようなものは当然異なる可能性があるからであることを理解すべきである。本明細書中で用いる術語は発明の特定の実現例を記載する目的のためのみのものであり、本発明を説明する代替的な術語の使用を限ることを意図するものではないことも理解すべきである。
【0016】
本明細書中に引用するすべての刊行物、特許、および特許出願は、以上のものであっても以下のものであっても、あらゆる目的のためにそれらの全体がここに引用により援用される。
【0017】
この明細書および添付の請求項で用いるように、「a」、「an」、および「the」という単数形は、内容が明確にそれ以外のことを示していなければ複数形の参照対象を含む。たとえば、「ポリマー」に対する参照は、2つ以上のそのような分子の混合物または単一のポリマー種の異なる分子量の混合物を含み、「溶媒」に対する参照は2つ以上のそのような溶媒の混合物を含み、「接着剤」に対する参照は2つ以上のそのような材料の混合物を含む、などである。
【0018】
発明の1つ以上の実現例の詳細を添付の図面および以下の説明に述べる。発明の他の特徴、目的、および利点は、説明および図面からならびに請求項から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1A】示したCpGオリゴヌクレオチドの存在下でまたはオリゴヌクレオチドの不在(NS)下で刺激される末梢血単核細胞の、ELISAで測定するようなサイトカインレベル(IFN−α)を示す棒グラフの図である。
図1B】示したCpGオリゴヌクレオチドの存在下でまたはオリゴヌクレオチドの不在(NS)下で刺激される末梢血単核細胞の、ELISAで測定するようなサイトカインレベル(IL−6)を示す棒グラフの図である。
図1C】示した濃度のCpGオリゴヌクレオチドの存在下で刺激される末梢血単核細胞の、ELISAで測定するようなサイトカインレベル(IP−10)の用量反応を示す折れ線グラフの図である。
図1D】示した濃度のCpGオリゴヌクレオチドの存在下で刺激される末梢血単核細胞の、ELISAで測定するようなサイトカインレベル(IL−6)の用量反応を示す折れ線グラフの図である。
図2】Selecta−7またはR848の存在下で刺激される末梢血単核細胞のサイトカインプロファイルを示す棒グラフの図である。
図3】ニコチンおよびSelecta−7(NP−7)を含有するナノ粒子、またはアジュバント
【0020】
【数1】
【0021】
を含有しなかった同様のニコチンナノ粒子混合物を投与したマウスの抗体タイターを示す棒グラフの図である。
図4】示された用量の、ニコチンおよびSelecta−7(NP−7)を含有するナノ粒子を投与された、示した日付の非ヒト霊長類の抗体タイターを示す棒グラフの図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
詳細な説明
この開示は、配列
5’−TCGTCGAACGTTCGCGAACGTTCG−3’[SEQ ID NO:1]
を備える免疫刺激単離核酸分子を含む組成物および関連の方法であって、少なくとも1つのCは非メチル化であり、オプションで医薬的に許容可能な賦形剤を備える、組成物および関連の方法を提供する。
【0023】
免疫刺激CpG核酸のはっきりと区別できる機能クラスは同定されている。クラスA(A型)CpG核酸はナチュラルキラー(NK)細胞を活性化し、樹枝状細胞の成熟を刺激
するとともに、IP−10および(IFNαを含む)I型インターフェロンの産生を誘発する。クラスB(B型)CpG核酸は、IL−6(しかしI型インターフェロンではない)の産生を刺激する、ヒトB細胞および単球成熟の強力な刺激物である。
【0024】
これらの機能的な違いははっきりと区別される構造的特徴に反映される:クラスAポリヌクレオチドは5’および3’端のいずれかまたは両方にポリG配列を呈し、内部パリンドローム配列はGCジヌクレオチドを含有する一方で、クラスBポリヌクレオチドは六量体モチーフ、すなわち5’−Pu Py C G Py Pu−3’のうち1つ以上を含有する。
【0025】
より最近は、クラスAおよびクラスBの両方の性質を組合せたクラスC(C型)CpG核酸が記載されている。したがって、クラスCポリヌクレオチドは、NK細胞を活性化するとともに、IL−6、IFNαおよびIP−10の産生、ならびに樹枝状細胞、B細胞、および単球の成熟を刺激する。
【0026】
免疫系の先天的および適応的構成要素の両者のこの広い免疫刺激は極めて臨床的に重要であり、さらなるC型免疫刺激ポリヌクレオチドに対する必要性が現在存在する。
【0027】
この目的のため、C型ポリヌクレオチドのためのある規則が策定された(かつ特定の構造モチーフが同定された)。たとえば、WO03/015711は、CG−リッチ(GおよびCが少なくとも3分の2)パリンドロームまたは中和モチーフのいずれかとの(CpGモチーフまたは配列TCGTCGなどの)刺激モチーフの組合せを同定し、(現在は原型的C型ODNとみなされる)22−merのオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)2395を記載する。ODN2395は、ホスホロチオアートリンク配列
5’−tcgtcgttttcggcgcgcgccg−3’[SEQ ID NO:8]
を有する。
【0028】
C型オリゴヌクレオチドの範囲を拡張しようとする後の試みは、異なる規則および構造的テンプレートを適用した。たとえば、WO05/042018は、インビボで二重または高次構造を形成するように設計される、不完全パリンドロームを3’端にまたはその近くに有する、構造的に区別されるCクラスCpGオリゴヌクレオチドを記載する。
【0029】
しかしながら、C型オリグヌクレオチドの活性を支配する構造−機能関係は不明確なままであり、多数の配列変異体の経験的テストの必要性が残っている。
【0030】
本発明者らは、以上の規則に適合せず、かつ配列
5’−TCGTCGAACGTTCGCGAACGTTCG−3’[SEQ ID NO:1]
を備える核酸が強いC型免疫刺激活性を呈することを思いがけず発見した。
【0031】
実施例は、本発明の実現例の生物学的活性、ならびに本明細書中に記載の本発明で有用ないくつかの異なる核酸配列および組成物も図示する。特に実施例1は、C型免疫刺激核酸としてSEQ ID NO:1を備える核酸の分類のための裏付けを与える。
【0032】
本発明の第1の局面に従うと、配列
5’−TCGTCGAACGTTCGCGAACGTTCG−3’[SEQ ID NO:1]
を備えるC型免疫刺激核酸であって、少なくとも1つのC(たとえば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、または7つすべてのC)が非メチル化である、C型免疫刺激核酸が
提供される。
【0033】
核酸は単離可能である。
これに代えてまたは加えて、核酸は本明細書中に述べる長さパラメータの条件を満たすことができる。
【0034】
このように、核酸は24個から100個の間のヌクレオチドの範囲の長さを有することができる。いくつかの実現例では、長さは、24−30、24−40、24−50、24−60、24−70、24−80、または24−90個のヌクレオチドの範囲にある。
【0035】
以上規定するような核酸は、配列
5’−TCGTCGAACGTTCGCGAACGTTCG−3’[SEQ ID NO:1]
からなるまたはそれから本質的になることができる。
【0036】
先の段落のいずれか1つに規定するような核酸はさらに5’配列延長を備えることができる。そのような実現例では、核酸は、5’末端としてTCGTCG六量体を保持することができる。
【0037】
先の段落のうちいずれか1つに規定するような核酸は、3’配列延長をさらに備えることができる。
【0038】
このように、先の段落のうちいずれか1つに規定するような核酸は、5’および3’配列延長の両方をさらに備えることができる。
【0039】
本発明の第2の局面に従うと、先の段落のうちいずれか1つに規定するような発明の第1の局面の核酸を備える組成物が提供される。
【0040】
第2の局面の組成物は、1つ以上の医薬的に許容可能な賦形剤をさらに備える医薬組成物であり得る。
【0041】
第2の局面の組成物は、たとえば本明細書中に規定するようなものなどの1つ以上の抗原をさらに備えることができる。
【0042】
第2の局面の組成物は、免疫刺激核酸に連結される、(たとえば、本明細書中に規定するようなものなどの)1つ以上の担体をさらに備えることができる。
【0043】
本発明の第3の局面に従うと、本明細書中に記載の核酸を備えるワクチンが提供される。ワクチンは1つ以上の抗原をさらに備えることができる。
【0044】
本発明の第4の局面に従うと、療法または予防で用いるための、本明細書中に規定するような、先の段落のいずれかにおける核酸が提供される。
【0045】
発明の第4の局面では、本明細書中に規定するような、先の段落のいずれかにおける核酸は、(a)ワクチン接種(たとえば、予防的もしくは療法的ワクチン接種)、(b)被験体におけるIL−6産生の誘発、(c)被験体におけるI型インターフェロン(たとえばIFNα)産生の誘発、(d)被験体におけるII型インターフェロン(たとえばIFNγ)の誘発、(e)被験体におけるIP−10産生の誘発、(f)被験体における内因性NK細胞の活性化、(g)被験体における内因性樹枝状細胞の刺激、(h)被験体における内因性B細胞の刺激、(i)被験体における内因性単球の刺激、(j)たとえば、細
菌、ウイルス、真菌、もしくは後生動物感染症などの感染症の治療もしくは予防、(k)アレルギー症状(たとえば喘息)の治療もしくは予防、(l)癌の治療もしくは予防、(m)免疫応答の誘発、向上、調節、方向付け、もしくは再方向付け、(n)代謝性疾患の治療もしくは予防、(o)変性疾患の治療もしくは予防、(p)自己免疫疾患の治療もしくは予防、(q)炎症性疾患の治療もしくは予防、(r)免疫疾患、不全、および/もしくは症状の治療もしくは予防、(s)中毒(たとえば、ニコチンもしくは麻薬中毒)の治療もしくは予防、または(t)毒素、危険物、環境毒素、もしくは他の有害物に晒されることから生じる症状の治療もしくは予防に用いられる。
【0046】
本明細書中に記載の核酸のさらなる予防的および療法的使用を以下により詳細に説明する。
【0047】
先の段落で規定するような上記局面の各々において、核酸は、たとえば安定化修飾などの修飾を備えることができる。そのような安定修飾は、3’OHもしくは5’OH基の修飾、核酸塩基の修飾、糖成分の修飾、またはリン酸基の修飾を備えることができる。いくつかの実現例では、安定化修飾はホスホロチオアートバックボーンを備える。
【0048】
発明のまた他の局面は、本明細書に添付の請求項に規定されるとおりである。
次に発明を以下により詳細に説明する。
【0049】
定義
「アジュバント」は、特異的抗原を構成しないが、同時投与される抗原に対する免疫応答の強さおよび長命を高める薬剤を意味する。そのようなアジュバントは、Toll様受容体、RIG−1、およびNOD様受容体(NLR)などのパターン認識受容体の刺激物、ミョウバン、大腸菌、サルモネラミネソタ、ネズミチフス菌、もしくはフレクスナー赤痢菌などの腸内細菌のモノホスホリル脂質(MPL)A、特異的にはMPL(登録商標)(AS04)、以上言及した細菌のMPL Aと別個に、組合されるミョウバンなどの無機塩、QS−21、Quil−A、ISCOM、ISCOMATRIX(登録商標)などのサポニン、MF59(登録商標)、Montanide(登録商標)ISA51およびISA7
20、AS02(QS21+スクアレン+MPL(登録商標))などの乳剤、AS01などのリポソームおよびリポソーム調剤、淋病、トラコーマクラミジアおよびその他の細菌誘導性外膜小胞(OMV)などの合成されたもしくは特異的に調製された微粒子および微小担体、もしくはキトサン粒子、Pluronic(登録商標)ブロック共重合体などのデポ形成剤、ムラミールジペプチドなどの特異的に修飾されたもしくは調製されたペプチド、RC529などのアミノアルキルグルコサミニド4−ホスフェート、または細菌トキソイドもしくは毒素フラグメントなどのタンパク質を含むことができるが、これらに限定されるものではない。
【0050】
実現例では、アジュバントは、Toll様受容体(TLR)、具体的にはTLR2、3、4、5、7、8、9および/またはその組合せを含むがそれらに限定されないパターン認識受容体(PRR)のためのアゴニストを備える。他の実現例では、アジュバントは、Toll様受容体3のためのアゴニスト、Toll様受容体7および8のためのアゴニスト、またはToll様受容体9のためのアゴニストを備え、好ましくは記載のアジュバントは、R848などのイミダゾキノリン、米国特許6,329,381(住友製薬株式会社)に開示されるものなどのアデニン誘導体、免疫刺激DNA、または免疫刺激RNAを備える。具体的な実現例では、発明の組成物は、アジュバントとして、toll様受容体(TLR)7および8(「TLR7/8アゴニスト」)のためのアゴニストである化合物を組入れる。有用なのは、イミダゾキノリンアミン、イミダゾピリジンアミン、6,7−縮合シクロアルキルイミダゾピリジンアミン、および1,2−架橋イミダゾキノリンアミンを含むがこれらに限定されない、Tomai et al.に対する米国特許6,696,076に
開示されるTLR7/8アゴニスト化合物である。
【0051】
有用なアジュバントはイミキモドおよび(R848としても公知の)レシキモドを含む。具体的な実現例では、アジュバントは表面分子CD40のためのアゴニストであり得る。ある実現例では、寛容よりもむしろ免疫を刺激するため、発明の組成物は、(未感作T細胞をプライミングするのに必要な)DC成熟と、抗体免疫応答を促進するI型インターフェロンなどのサイトカインの産生とを促進するアジュバントを組入れる。実現例では、アジュバントは、dsRNAもしくはポリI:C(TLR3刺激剤)、および/またはF.
Heil et al., "Species-Specific Recognition of Single-Stranded RNA via Toll-like
Receptor 7 and 8" Science 303(5663), 1526-1529 (2004);J. Vollmer et al., "Immune modulation by chemically modified ribonucleosides and oligoribonucleotides"
WO2008033432A2;A. Forsbach et al., "Immunostimulatory oligoribonucleotides containing specific sequence motif(s) and targeting the Toll-like receptor 8 pathway" WO2007062107A2;E. Uhlmann et al., "Modified oligoribonucleotide analogs with enhanced immunostimulatory activity" 米国特許出願公
開US2006/0241076;G. Lipford et al., "Immunostimulatory viral RNA oligonucleotides and use for treating cancer and infections" WO2005097
993A2;G. Lipford et al., "Immunostimulatory G,U-containing oligoribonucleotides, compositions, and screening methods" WO2003086280A2に開示されるものなどの、しかしこれらに限定されない免疫刺激RNA分子も含むことができる。いくつかの実現例では、アジュバントは、細菌リポ多糖類(LPS)、VSV−G、および/またはHMGB−1などのTLR−4アゴニストであり得る。いくつかの実現例では、アジュバントは、フラジェリンなどのTLR−5アゴニスト、または米国特許6,130,082、6,585,980、および7,192,725に開示されるものを含むがそれらに限定されないその一部もしくは誘導体を備えることができる。
【0052】
具体的な実現例では、発明の組成物は、増大した抗体産生および細胞毒性T細胞応答に繋がる、I型インターフェロン分泌を誘発しかつTおよびB細胞活動を刺激するCpGを備える免疫刺激DNA分子などのToll様受容体(TLR)−9のためのリガンドを組入れる(Krieg et al., CpG motifs in bacterial DNA trigger direct B cell activation. Nature. 1995. 374:546-549;Chu et al. CpG oligodeoxynucleotides act as adjuvants that switch on T helper 1 (Th1) immunity. J. Exp. Med. 1997. 186:1623-1631
;Lipford et al. CpG-containing synthetic oligonucleotides promote B and cytotoxic T cell responses to protein antigen: a new class of vaccine adjuvants. Eur. J. Immunol. 1997. 27:2340-2344;Roman et al. "Immunostimulatory DNA sequences function as T helper-1-promoting adjuvants," Nat. Med. 1997. 3:849-854;Davis et al.)。CpG DNAは、組換B型肝炎表面抗原で免疫化されたマウスにおける特異的免
疫の強力なエンハンサーである。J. Immunol. 1998. 160:870-876;Lipford et al., "Bacterial DNA as immune cell activator," Trends Microbiol. 1998. 6:496-500;Krieg et al.に対する米国特許6,207,646;Tuck et al.に対する米国特許7,223
,398;Van Nest et al.に対する米国特許7,250,403;またはKrieg et al.
に対する米国特許7,566,703。CpGを備える免疫刺激DNA分子などのToll様受容体(TLR)−9のためのリガンドをアジュバントが備える好ましい実現例では、免疫刺激DNA分子はSEQ ID NO:1を備える核酸を備えない。
【0053】
いくつかの実現例では、アジュバントは、壊死細胞(たとえば尿酸塩結晶)から放出される炎症性刺激物であり得る。いくつかの実現例では、アジュバントは、補体活性化経路(たとえば、CD21、CD35など)の活性化された成分であり得る。いくつかの実現例では、アジュバントは、免疫複合体の活性化された成分であり得る。アジュバントは、CD21またはCD35に結合する分子などの補体受容体アゴニストも含むことができる
。いくつかの実現例では、補体受容体アゴニストは合成ナノ担体の内因性補体オプソニン作用を誘発する。いくつかの実現例では、アジュバントは、細胞が放出し、かつ細胞−細胞相互作用、他の細胞の通信および挙動に対して特異的な効果を有する(5kD−20kDの範囲の)低分子タンパク質または生物学的因子であるサイトカインである。いくつかの実現例では、サイトカイン受容体アゴニストは、小分子、抗体、融合タンパク質、またはアプタマーである。
【0054】
さまざまな実現例では、アジュバントの用量の少なくとも一部を合成ナノ担体に連結することができる。たとえば、アジュバントの用量のすべてを合成ナノ担体に連結することができる。他の実現例では、アジュバントの用量の少なくとも一部を合成ナノ担体に連結しない。ある実現例では、アジュバントの用量は2つ以上の種類のアジュバントを備える。たとえば、限定されなければ、異なるTLR受容体に作用するアジュバントを組合せることができる。一例として、一実現例では、TLR7/8アゴニストをTLR9アゴニストと組合せることができる。別の実現例では、TLR7/8アゴニストをTLR4アゴニストと組合せることができる。また別の実現例では、TLR9アゴニストをTLR3アゴニストと組合せることができる。
【0055】
「投与する」または「投与」は、薬理学的に有用な態様で被験体に薬を与えることを意味する。
【0056】
「抗原」はB細胞抗原またはT細胞抗原を意味する。ある実現例では、抗原は合成ナノ担体に連結される。他の実現例では、抗原は合成ナノ担体に連結されない。実現例では、抗原は合成ナノ担体と同時投与される。他の実現例では、抗原は合成ナノ担体と同時投与されない。「抗原の種類」は、同じまたは実質的に同じ抗原特性を共有する分子を意味する。
【0057】
「B細胞抗原」は、B細胞中で免疫応答によって認識されるおよび免疫応答をトリガする任意の抗原(たとえば、B細胞上のB細胞受容体が特異的に認識する抗原)を意味する。いくつかの実現例では、T細胞抗原である抗原はB細胞抗原でもある。他の実現例では、T細胞抗原はB細胞抗原でもあるわけではない。B細胞抗原は、タンパク質、ペプチド、(重量平均分子量が10,000未満の分子を意味する)小分子、および炭水化物を含むが、これらに限定されない。いくつかの実現例では、B細胞抗原は非タンパク質抗原である(すなわち、タンパク質またはペプチド抗原ではない)。いくつかの実現例では、B細胞抗原は感染因子と関連付けられる炭水化物である。いくつかの実現例では、B細胞抗原は感染因子と関連付けられる糖タンパク質または糖ペプチドである。感染因子は、細菌、ウイルス、真菌、原生動物、または寄生虫であり得る。いくつかの実現例では、B細胞抗原は免疫抗原性が低い抗原である。いくつかの実現例では、B細胞抗原は乱用物質またはその一部である。いくつかの実現例では、B細胞抗原は中毒物質またはその一部である。中毒性物質は、ニコチン、麻薬、咳どめ、トランキライザー、および鎮静剤を含むが、これらに限定されるものではない。いくつかの実現例では、B細胞抗原は、化学兵器または自然源からの毒素などの毒素である。B細胞抗原は有害な環境因子でもあり得る。いくつかの実現例では、B細胞抗原は自己抗原である。他の実現例では、B細胞抗原は、同種抗原、アレルゲン、接触感作性物質、変性疾患抗原、ハプテン、感染性疾患抗原、癌抗原、アトピー性疾患抗原、自己免疫疾患抗原、中毒物質、異種抗原、または代謝性疾患酵素もしくはその酵素産物を備える。
【0058】
「担体」は、発明の免疫刺激単離核酸と同時投与可能であり、薬物動態、安定性、および輸送などの発明の免疫刺激単離核酸のインビボ特性を変更することができる物質を意味する。担体は、担体が発明の免疫刺激単離核酸のインビボ特性を変更することができる材料を備える一方で医薬的に許容可能な賦形剤が薬理学的に不活性の材料を備える点で、医
薬的に許容可能な賦形剤とは異なっている。さまざまな実現例では、担体は、PLG、PLGA、もしくはシリカを備えるナノ担体、ペルフルオロカーボン、脂質、ゼラチン、キトサン、またはシクロデキストリンを備えることができる。他の実現例では、担体は、アルブミン、コラーゲン、またはジフテリアCRM197タンパク質などのタンパク質も備えることができる。
【0059】
「同時投与される」は、時間的に相関する態様で被験体に2つまたは物質を投与することを意味する。実現例では、同時投与は、同じ剤形での2つ以上の物質の投与を通して行なうことができる。他の実現例では、同時投与は異なる剤形での2つ以上の物質の投与を包含することができるが、それはたとえば1カ月以内、1週間以内、1日以内、または1時間以内などの特定された期間内である。
【0060】
「連結」または「連結された」または「連結する」(など)は、1つのエンティティ(たとえば部分)を別のものと化学的に会合させることを意味する。いくつかの実現例では、連結は共有結合的であり、このことは連結が2つのエンティティ間の共有結合の存在の文脈で生じることを意味する。非共有結合的実現例では、非共有結合的連結は、電荷相互作用、親和性相互作用、金属配位、物理吸着、ホスト−ゲスト相互作用、疎水性相互作用、TT積層相互作用、水素結合相互作用、ファンデルワールス相互作用、磁気相互作用、静電相互作用、双極子相互作用、および/またはその組合せを含むがそれらに限定されない非共有結合的相互作用によって媒介される。実現例では、封入が連結の一形態である。
【0061】
「C型免疫刺激核酸」は、少なくとも1つの非メチル化CpGを含有する核酸であり、これはインビボでとりわけIL−6、IP−10、およびIFNαの産生を刺激することができ、かつ形質細胞様樹枝状細胞を刺激することができる。
【0062】
「封入する」は、合成ナノ担体内に包むこと、好ましくは合成ナノ担体内に完全に包むことを意味する。封入される物質の大部分またはすべては、合成ナノ担体外部の局所環境に晒されない。封入は、物質の大部分またはすべてを合成ナノ担体の表面の上に置き、物質を合成ナノ担体外部の局所環境に晒されたままにする吸収とは区別される。
【0063】
「免疫刺激」は、物質が免疫系に対する刺激の効果を有することを意味する。そのような物質は、サイトカイン分泌、抗体産生、NK細胞活性化、およびT細胞増殖などの免疫応答のさまざまな局面を示す標準的アッセイを用いて容易に同定可能である。たとえば、WO97/28259;WO98/16247;WO99/11275;Krieg et al. (1995) Nature 374:546-549;Yamamoto et al. (1992) J. Immunol. 148:4072-76;Ballas
et al. (1996) J. Immunol. 157:1840-45;Klinman et al. (1997) J. Immunol. 158:3635-39;Sato et al. (1996) Science 273:352-354;Pisetsky (1996) J. Immunol. 156:421-423;Shimada et al. (1986) Jpn. J. Cancer Res. 77:808-816;Cowdery et al. (1996) J. Immunol. 156:4570-75;Roman et al. (1997) Nat. Med. 3:849-854;Lipford et
al. (1997a) Eur. J. Immunol. 27:2340-44;WO98/55495、およびWO00/61151を参照。応じて、これらおよび他の方法を用いて、免疫刺激ヌクレオチド、好ましくは免疫刺激単離核酸などの免疫刺激物質を同定し、試験し、および/または確認することができる。
【0064】
「単離核酸」は、自然環境から合成されるかまたは分離され、その同定または使用を許す程度に十分な量存在する核酸を意味する。単離核酸は、(i)たとえばポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によってインビトロで増幅される、(ii)クローニングによって組換で産生される、(iii)開裂およびゲル分離によって精製される、または(iv)たとえば化
学合成によって合成されるものであり得る。単離核酸は、当該技術分野で周知の組換DNA技術によって容易に操作可能なものである。このように、その5’および3’制限部位
が公知であるまたはそれについてポリメラーゼ連鎖反応(PCR)プライマ配列が開示されているベクターに含有されるヌクレオチド配列は単離されていると考えられるが、その自然宿主中に天然状態で存在する核酸配列はそうは考えられない。単離核酸は、従来のポリヌクレオチド単離手順を用いて単離可能である。そのような手順は、共有されるヌクレオチド配列を検出するためのゲノムまたはcDNAライブラリに対するプローブのハイブリダイゼーション、共有される構造特徴を検出するための発現ライブラリの抗体スクリーニング、およびポリメラーゼ連鎖反応による特定の天然配列の合成を含むが、これらに限定されるものではない。
【0065】
単離核酸は実質的に精製可能であるが、そうされる必要はない。たとえば、クローニングまたは発現ベクター内で単離される核酸は、それが常駐する細胞中の材料のわずかな百分率しか備えない可能性があるという点で純粋ではない。しかしながら、そのような核酸は、本明細書中で用語を用いるように、単離されている。なぜなら、それは当業者には公知の標準的技術によって容易に操作可能であるからである。本明細書中で与える核酸のうち任意のものを単離することができる。本発明の文脈では、核酸をポリ核酸という用語と交換可能に用いるが、このことは、複数の核酸残基を備える化合物を包含することを意図するものである。
【0066】
「合成ナノ担体の最大寸法」は、合成ナノ担体の任意の軸に沿って測定されるナノ担体の最大寸法を意味する。「合成ナノ担体の最小寸法」は、合成ナノ担体の任意の軸に沿って測定されるナノ担体の最小寸法を意味する。たとえば、回転楕円面状合成ナノ担体については、合成ナノ担体の最大および最小寸法は実質的に同一であろうし、その直径のサイズとなるであろう。同様に、立方体様合成ナノ担体については、合成ナノ担体の最小寸法はその高さ、幅、または長さの最小のものとなるであろう一方で、合成ナノ担体の最大寸法は、その高さ、幅、または長さの最大のものとなるであろう。一実現例では、サンプル中の合成ナノ担体の合計数に基づく、サンプル中の合成ナノ担体の少なくとも75%、好ましくは80%、より好ましくは90%の最小寸法は100nmよりも大きい。一実現例では、サンプル中の合成ナノ担体の合計数に基づく、サンプル中の合成ナノ担体の少なくとも75%、好ましくは80%、より好ましくは90%の最大寸法は5μm以下である。好ましくは、サンプル中の合成ナノ担体の合計数に基づく、サンプル中の合成ナノ担体の少なくとも75%、好ましくは80%、より好ましくは90%の最小寸法は110nmよりも大きく、より好ましくは120nmよりも大きく、より好ましくは130nmよりも大きく、さらにより好ましくは150nmよりも大きい。発明の合成ナノ担体の最大および最小寸法のアスペクト比は実現例に依存して異なり得る。たとえば、合成ナノ担体の最小寸法に対する最大寸法のアスペクト比は、1:1から1,000,000:1まで、好ましくは1:1から100,000:1まで、より好ましくは1:1から1000:1まで、さらに好ましくは1:1から100:1まで、およびまたさらに好ましくは1:1から10:1まで異なり得る。好ましくは、サンプル中の合成ナノ担体の合計数に基づく、サンプル中の合成ナノ担体の少なくとも75%、好ましくは80%、より好ましくは90%の最大寸法は3μm以下であり、より好ましくは2μm以下であり、より好ましくは1μm以下であり、より好ましくは800nm以下であり、より好ましくは600nm以下であり、さらにより好ましくは500nm以下である。好ましい実現例では、サンプル中の合成ナノ担体の合計数に基づく、サンプル中の合成ナノ担体の少なくとも75%、好ましくは80%、より好ましくは90%の最大寸法は100nm以上であり、より好ましくは120以上であり、より好ましくは130nmよりも大きく、より好ましくは140nmよりも大きく、かつさらにより好ましくは150nmよりも大きい。合成ナノ担体のサイズの測定は、液体(通常は水性)媒質中に合成ナノ担体を懸濁し、(たとえば、Brookhaven ZetaPALS機器を用いた)動的光散乱を用いることによって得られる。
【0067】
発明の免疫刺激核酸の文脈での「核酸」は、一連のリンクされたヌクレオチドまたは修
飾されたヌクレオチドを意味する。糖部分は、リボース、デオキシリボース、または(その組合せを含む)本明細書中に記載のようなさまざまな修飾された糖のうちいずれかであり得る。塩基部分は、プリン、またはC、A、T、G、Uを含むピリミジン塩基、および(その組合せを含む)本明細書中に記載のような修飾された塩基のうちいずれかであり得る。核酸は、自然リン酸ジエステル結合によって、またはその組合せを含む(たとえば、ホスホロチオアートリンクを含み、そうして修飾されたバックボーンを呈する)本明細書中に記載の他のリンケージのうち任意のものによって、リンク可能である。核酸は一本鎖または二本鎖であり得、(分岐、円形、およびヘアピンを含む)任意のトポロジ/コンフォメーションのものであり得る。そのような修飾された糖、塩基、および/またはバックボーンを有する発明の核酸の修飾は、好ましくは、本明細書中に記載のような安定化修飾である。
【0068】
「医薬的に許容可能な賦形剤」は、発明の組成物を調剤するのに用いられる薬理学的に不活性の材料を意味する。医薬的に許容可能な賦形剤は、再構成助剤、着色剤、塩水、無機もしくは有機バッファ(たとえば、リン酸塩、炭酸塩、酢酸塩、もしくはクエン酸塩のナトリウムまたはカリウム塩;リン酸緩衝塩水を含む)、pH調節剤(たとえば、塩酸、水酸化ナトリウムもしくは水酸化カリウム、クエン酸塩もしくは酢酸塩の塩、アミノ酸、およびその塩)、酸化防止剤(たとえば、アスコルビン酸、アルファ−トコフェロール)、界面活性剤(たとえば、ポリソルベート20、ポリソルベート80、ポリオキシエチレン9−10ノニルフェノール、デオキシコール酸ナトリウム)、溶液および/もしくは冷凍/分散安定剤(cryo/lyo stabilizers)(たとえば、スクロース、ラクトース、マンニトール、トレハロース)、浸透圧調整剤(たとえば、塩または糖)、抗菌物質(たとえば、安息香酸、フェノール、ゲンタマイシン)、消泡剤(たとえば、ポリジメチルシロゾン)、保存剤(たとえば、チメロサール、2−フェノキシエタノール、EDTA)、高分子安定剤および粘度調節剤(たとえば、ポリビニルピロリドン、ポロキサマー488、カルボキシメチルセルロース)、ならびに共溶媒(たとえば、グリセロール、ポリエチレングリコール、エタノール)を含むがこれらに限定されない、当該技術分野で公知のさまざまな材料を備える。
【0069】
「被験体」は、霊長類;鳥類;猫、犬、羊、山羊、牛、馬、および豚などの家畜;マウス、ラット、およびモルモットなどの実験動物;魚類;爬虫類;動物園の動物および野生動物;などの温血哺乳類を含むヒトおよび動物を意味する。
【0070】
「合成ナノ担体」は、自然には見出さず、かつ大きさが5ミクロン以下である少なくとも1つの寸法を有する別々の物体を意味する。アルブミンナノ粒子は一般的に合成ナノ担体に含まれるが、ある実現例では、合成ナノ担体はアルブミンナノ粒子を備えない。実現例では、発明の合成ナノ担体はキトサンを備えない。
【0071】
合成ナノ担体は、1つもしくは複数の脂質系のナノ粒子、ポリマーナノ粒子、金属性ナノ粒子、界面活性剤系乳剤、デンドリマー、バッキーボール、ナノワイヤ、ウィルス様粒子、(アルブミンナノ粒子などの)ペプチドもしくはタンパク質系粒子、および/または脂質−ポリマーナノ粒子などのナノ材料の組合せを用いて展開するナノ粒子であり得るが、それらに限定されない。合成ナノ担体は、回転楕円面状、立方体様、角錐形、長円形、円筒形、ドーナツ形などを含むがそれらに限定されないさまざまな異なる形状であり得る。発明に従う合成ナノ担体は1つ以上の表面を備える。本発明の実践で用いるために適合可能な例示的な合成ナノ担体は、(1)Gref et al.に対する米国特許5,543,15
8に開示される生物分解性ナノ粒子、(2)Saltzman et al.に対する公開米国特許出願
2006/0002852のポリマーナノ粒子、(3)DeSimone et al.に対する公開米
国特許出願2009/0028910のリソグラフィ構築されたナノ粒子、(4)von Andrian et al.に対するWO2009/051837の開示、または(5)Penades et al.
に対する公開米国特許出願2008/0145441中に開示されるナノ粒子を備える。実現例では、合成ナノ担体は、1:1、1:1.2、1:1.5、1:2、1:3、1:5、1:7よりも大きい、または1:10よりも大きいアスペクト比を有することができる。
【0072】
最小寸法が100nm以下、好ましくは約100nm以下である、発明に従う合成ナノ担体は、補体を活性化するヒドロキシル基を有する表面を備えない、または代替的に、補体を活性化するヒドロキシル基ではない部分から本質的になる表面を備える。ある実現例では、最小寸法がたとえば約100nm以下などの約100nm以下である、本明細書中に記載のような合成ナノ担体は、補体を実質的に活性化する表面を備えない、または代替的に、補体を実質的に活性化しない部分から本質的になる表面を備える。より好ましい実現例では、最小寸法が約100nm以下、好ましくは約100nm以下である、発明に従う合成ナノ担体は、補体を活性化する表面を備えない、または代替的に、補体を活性化しない部分から本質的になる表面を備える。実現例では、合成ナノ担体はウイルス様粒子(VLP)を除外する。実現例では、合成ナノ担体がウイルス様粒子を備える場合、ウイルス様粒子は非天然アジュバントを備える(VLPがVLPの産生の際に生成される自然発生RNA以外のアジュバントを備えることを意味する)。実現例では、合成ナノ担体は、1:1、1:1.2、1:1.5、1:2、1:3、1:5、1:7よりも大きい、または1:10よりも大きいアスペクト比を有することができる。
【0073】
「T細胞抗原」は、T細胞における免疫応答によって認識されるおよび免疫応答をトリガする任意の抗原(たとえば、クラスIもしくはクラスII主要組織適合遺伝子複合体分子(MHC)に結合されたもしくはCD1複合体に結合された抗原またはその一部の提示を介してT細胞またはNKT細胞上のT細胞受容体が特異的に認識する抗原)を意味する。いくつかの実現例では、T細胞抗原である抗原はB細胞抗原でもある。他の実現例では、T細胞抗原はB細胞抗原でもあるわけではない。T細胞抗原は一般的にタンパク質またはペプチドである。T細胞抗原は、CD8+T細胞応答、CD4+T細胞応答、またはその両方を刺激する抗原であり得る。したがって、いくつかの実現例では、ナノ担体は、両方の種類の応答を効果的に刺激することができる。実現例では、T細胞抗原は、破傷風:TT830−843、TT947−967;ジフテリア DT331−350、アデノウイルス H910−924;CMV pp65、はしか F288−302、F421−435、F256−270、NP335−345;HCV A1248−1261、C1781−1800、D2571−2590;インフルエンザ HA91−108、HA307−319、HA354−372のうち1つ以上を備えることができる。
【0074】
いくつかの実現例では、T細胞抗原は、ヘルパーT細胞抗原(すなわち、T細胞の助けの刺激を通して、関連のないB細胞抗原に対する向上した応答を生成することができるもの)である。実現例では、ヘルパーT細胞抗原は、破傷風トキソイド、エプスタイン−バーウイルス、インフルエンザウイルス、呼吸器系合胞体ウイルス、はしかウイルス、おたふく風邪ウイルス、風疹ウイルス、サイトメガロウイルス、アデノウイルス、ジフテリアトキソイド、または(Sette et al.に対する米国特許7,202,351の研究から公知の)PADREペプチドから得られるもしくは誘導される1つ以上のペプチドを備えることができる。他の実現例では、ヘルパーT細胞抗原は、1つ以上の脂質、または、α−ガラクトシルセラミド(α−GalCer)、(スフィンゴモナス種からの)α−リンクされたグリコスフィンゴリピド、(ボレリアブルグドルフェリからの)ガラクトシルジアシルグリセロール、(リーシュマニアドノバーニからの)リポホスホグリカン、および(癩菌からの)ホスファチジルイノシトールテトラマンノシド(PIM4)を含むがそれらに限定されない糖脂質を備えることができる。ヘルパーT細胞抗原として有用な付加的な脂質および/または糖脂質については、V. Cerundolo et al., "Harnessing invariant NKT
cells in vaccination strategies." Nature Rev Immun, 9:28-38 (2009)を参照。実現
例では、CD4+T細胞抗原は、自然源などの源から得られるCD4+T細胞抗原の誘導体であり得る。そのような実現例では、MHC IIに結合するそれらのペプチドなどのCD4+T細胞抗原配列は、源から得られる抗原に対する少なくとも70%、80%、90%、または95%の同一性を有することができる。実現例では、T細胞抗原、好ましくはヘルパーT細胞抗原は、合成ナノ担体に連結可能または合成ナノ担体から切り離し可能である。
【0075】
「ワクチン」は、特定の病原体または疾患に対する免疫応答を向上させるものの組成物を意味する。ワクチンは、典型的に被験体の免疫系を刺激して、特異的な抗原を異物として認識しかつそれを被験体の体から排除する因子を含有する。ワクチンは免疫「記憶」も確立するため、人が再攻撃されれば迅速に抗原を認識してこれに応答する。ワクチンは、(たとえば、任意の病原体による将来的な感染を防止するように)予防的であるか、または療法的(たとえば、癌の治療のための腫瘍特異的抗原に対するワクチン)であり得る。実現例では、ワクチンは発明に従う剤形を備えることができる。
【0076】
核酸
実現例では、発明は、
5’−TCGTCGAACGTTCGCGAACGTTCG−3’[SEQ ID NO:1]
を備える免疫刺激単離核酸を備える組成物を包含する。
【0077】
実現例では、発明の組成物は、0.001マイクログラムから100,000マイクログラムの記載のオリゴヌクレオチド、0.01マイクログラムから10,000マイクログラムの記載のオリゴヌクレオチド、0.1マイクログラムから1,000マイクログラムの記載のオリゴヌクレオチド、1マイクログラムから500マイクログラムの記載のオリゴヌクレオチド、または1マイクログラムから200マイクログラムの記載のオリゴヌクレオチドを備える。ある実現例では、記載のオリゴヌクレオチドのいずれも合成ナノ担体の表面上に吸収されない。
【0078】
実現例では、本発明の免疫刺激単離核酸は、「C型」CpG含有核酸のサイトカイン応答パターン特性を生成する。このサイトカインパターンは「B型」CpG含有核酸とは区別することができる。なぜなら、B型およびC型の両者ともIL−6の発現を誘発する一方で、C型のみがインターフェロン−アルファおよびIP−10の発現も誘発するからである。応じてかつ実施例に見られるように、さまざまな実現例では、記載の核酸は、発明の組成物のうちいずれかが被験体においてIL−6を誘発するのに有効な量被験体に投与されると被験体においてIL−6産生を誘発する。ある実現例では、記載の核酸は、発明の組成物の任意のものが被験体においてインターフェロン−アルファ産生を誘発するのに有効な量被験体に投与されると被験体においてインターフェロン−アルファを誘発する。いくつかの実現例では、記載の核酸は、発明の組成物のいずれかが被験体においてIP−10産生を誘発するのに有効な量被験体に投与されると被験体においてIP−10を誘発する。
【0079】
ある実現例では、記載の核酸は安定化修飾を備えない。好ましくはそのような核酸はホスホジエステルバックボーンを備える。
【0080】
実現例では、記載の核酸は安定化修飾を含有することができる。核酸の安定化修飾は、3’OHまたは5’OH基の修飾、ヌクレオチド塩基の修飾、糖成分の修飾、およびリン酸基の修飾という当該技術分野で公知の任意のものを含むがそれらに限定されない。さまざまなそのような安定化修飾を本明細書中に記載し、Fearon et al.に対する公開米国特
許出願2008/0207550またはKrieg et al.に対する米国特許6,239,11
6にもこれを見出すことができる。
【0081】
記載の核酸は一本鎖もしくは二本鎖DNAであることができる、および/または付加的なフランキング配列を備えることができる。記載の核酸は自然発生または修飾された非自然発生塩基を含有することができ、修飾された糖、リン酸塩、および/または末端を含有することができる。たとえば、リン酸塩修飾は、メチルホスホン酸塩、ホスホロチオアート、たとえば−O−P=O(−S−CH2CO2−)などのアルキルホスホノチオアート、亜リン酸アミド(ブリッジまたは非ブリッジ(bridging or non-bridging))、ホスホトリエステルおよびホスホロジチオアート、ならびに以上のようなアルキルホスホロジチオアートを含むがこれらに限定されず、任意の組合せで用いることができる。他の非リン酸塩リンケージも用いることができる。有用な実現例では、本発明の修飾された核酸はホスホロチオアートバックボーンを備える。2’−アルコキシ−RNA類似体、2’−アミノ−RNA類似体、および2’−アルコキシ−またはアミノ−RNA/DNAキメラ、ならびに本明細書中に記載の他のものなどの技術分野で公知の糖修飾もなすことができ、任意のリン酸塩修飾と組合せることもできる。(以下にさらに論じる)塩基修飾の例は、核酸のシトシンのC−5および/またはC−6(たとえば、5−ブロモシトシン、5−クロロシトシン、5−フルオロシトシン、5−ヨードシトシン)、ならびに核酸のウラシルのC−5および/またはC−6(たとえば、5−ブロモウラシル、5−クロロウラシル、5−フルオロウラシル、5−ヨードウラシル)への電子吸引部分の付加を含むが、それらに限定されない。たとえば国際特許出願WO99/62923を参照。
【0082】
修飾されたリン酸塩リンケージまたは非リン酸塩リンケージを含有する核酸の合成は当該技術分野で公知である。検討には、Matteucci (1997) "Oligonucleotide Analogs: an Overview" in Oligonucleotides as Therapeutic Agents, (D. J. Chadwick and G. Cardew, ed.) John Wiley and Sons, New York, N.Y.を参照。本発明の核酸中の糖または糖類似体部分に付着することができるリン誘導体(または修飾されたリン酸基)は、モノリン酸塩、二リン酸塩、三リン酸塩、アルキルホスホン酸塩、ホスホロチオアート、ホスホロジチオアート、亜リン酸アミドなどであり得る。以上注記したリン酸塩類似体の調製および核酸へのそれらの組入れそれ自体も公知であり、詳細にここで説明する必要はない。Peyrottes et al. (1996) Nucleic Acids Res. 24:1841-1848;Chaturvedi et al. (1996) Nucleic Acids Res. 24:2318-2323;およびSchultz et al. (1996) Nucleic Acids Res. 24:2966-2973。たとえば、ホスホロチオアート核酸の合成は、酸化工程を硫化工程で置換えることを除いて、自然発生核酸について上述したのと同様である(Zon (1993) "Oligonucleoside Phosphorothioates" in Protocols for Oligonucleotides and Analogs, Synthesis and Properties (Agrawal, ed.) Humana Press, pp. 165-190)。
【0083】
同様に、ホスホトリエステル(Miller et al. (1971) JACS 93:6657-6665)、非ブリッジ亜リン酸アミド(Jager et al. (1988) Biochem. 27:7247-7246)、N3’からP5’
亜リン酸アミド(Nelson et al. (1997) JOC 62:7278-7287)、およびホスホロジチオア
ート(米国特許第5,453,496号)などの他のリン酸塩類似体の合成も記載されている。他の非リン系修飾核酸も用いることができる(Stirchak et al. (1989) Nucleic Acids Res. 17:6129-6141)。ホスホロチオアートバックボーンを有する核酸は、宿主の中への注入の後、ある状況下では劣化に対してより耐性を有することができる。Braun et al. (1988) J. Immunol. 141:2084-2089;およびLatimer et al. (1995) Mol. Immunol. 32:1057-1064。
【0084】
本明細書中に記載の発明で有用な核酸は、(唯一のまたは主要な糖成分としてリボースを含有する)1つ以上のリボヌクレオチドを備えることができる、または、当該技術分野で公知のように、修飾された糖もしくは糖類似体を核酸に組入れることができる。このように、リボースに加えて、糖部分は、ペントース、デオキシペントース、ヘキソース、も
しくはデオキシヘキトースなどの糖のクラス;グルコース、アラビノース、キシロース、リキソースなどの特定的な糖;または糖「類似体」シクロペンチル基などの糖類似体のうち1つであり得る。糖はピラノシルまたはフラノシル形態であり得る。記載の核酸中、糖部分は好ましくはリボース、アラビノース、または2’−O−アルキルリボースのフラノシドであり、糖はアルファ−またはベータ−アノマー構成のいずれかでそれぞれの複素環式塩基に付着することができる。これらの糖または糖類似体およびそのような糖または類似体が複素環式塩基(核酸塩基)に付着するそれぞれの「ヌクレオシド」の調製それ自体は公知であり、そのような調製が任意の特定的な実施例に関し得る程度を除いて、ここで説明する必要はない。糖の修飾も行なうことができ、記載の核酸の調製において任意のリン酸塩修飾と組合せることもできる。
【0085】
記載の核酸に組入れられる複素環式塩基または核酸塩基は、自然発生主要プリンおよびピリミジン塩基(すなわち、以上で言及したようなウラシル、チミン、シトシン、アデニン、およびグアニン)、ならびに当該主要塩基の自然発生および合成修飾であり得る。
【0086】
当業者は、さまざまな複素環式塩基およびさまざまな糖部分(および糖類似体)を備える多数の「合成」非天然ヌクレオシドが当該技術分野で利用可能であり、本発明の他の判断基準が満たされる限りは、記載の核酸が、自然発生核酸の主要な5つの塩基成分以外に1つまたはいくつかの複素環式塩基を含むことができることを認識するであろう。ある実現例では、記載の核酸の複素環式塩基は、ウラシル−5−イル、シトシン−5−イル、アデニン−7−イル、アデニン−8−イル、グアニン−7−イル、グアニン−8−イル、4−アミノピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル、2−アミノ−4−オキソピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル、2−アミノ−4−オキソピロロ[2,3−d]ピリミジン−3−イル基を含むがこれらに限定されず、プリンは9位を介して、ピリミジンは1位を介して、ピロロピリミジンは7位を介して、かつピラゾロピリミジンは1位を介して核酸の糖部分に付着する。
【0087】
記載の核酸は少なくとも1つの修飾された塩基を備えることができる。本明細書中で用いるように、用語「修飾された塩基」は「塩基類似体」と同義であり、たとえば「修飾されたシトシン」は「シトシン類似体」と同義である。同様に、「修飾された」ヌクレオシドまたはヌクレオチドは、本明細書ではヌクレオシドまたはヌクレオチド「類似体」と同義であると規定される。塩基修飾の例は、核酸のシトシンのC−5および/またはC−6への電子吸引部分の付加を含むがこれに限定されない。好ましくは、電子吸引部分はハロゲンである。そのような修飾されたシトシンは、アザシトシン、5−ブロモシトシン、ブロモウラシル、5−クロロシトシン、塩素化シトシン、シクロシトシン、シトシンアラビノシド、5−フルオロシトシン、フルオロピリミジン、フルオロウラシル、5,6−ジヒドロシトシン、5−ヨードシトシン、ヒドロキシ尿素、ヨードウラシル、5−ニトロシトシン、ウラシル、および任意の他のピリミジン類似体または修飾されたピリミジンを含むことができるがこれらに限定されない。塩基修飾の他の例は、記載の核酸のウラシルのC−5および/またはC−6への電子吸引部分の付加を含むがこれらに限定されない。好ましくは、電子吸引部分はハロゲンである。そのような修飾されたウラシルは、5−ブロモウラシル、5−クロロウラシル、5−フルオロウラシル、5−ヨードウラシルを含むことができるがこれらに限定されない。
【0088】
塩基修飾の他の例は、6−チオ−グアニン、4−チオ−チミン、および4−チオ−ウラシルを含むがこれらに限定されない塩基への1つ以上のチオール基の付加を含む。
【0089】
記載の核酸は、酵素法、化学的方法、およびより大きな核酸配列の分解を含むがこれらに限定されない、当該技術分野で周知の技術および核酸合成機器を用いて合成することができる。たとえば、Ausubel et al. (1987);およびSambrook et al. (1989)を参照。酵
素的に集合されると、個別のユニットは、米国特許第5,124,246号に従って、T4DNAまたはRNAリガーゼなどのたとえばリガーゼとライゲートされることができる。核酸の分解は、米国特許第4,650,675号に例示されるように、核酸をヌクレアーゼに晒すことによって達成可能である。
【0090】
本発明で有用な環状核酸は、単離可能である、組換法で合成可能である、または化学的に合成可能である。環状核酸が単離によってまたは組換法によって得られる場合、核酸は好ましくはプラスミドである。より小さな環状核酸の化学合成は、文献に記載の任意の方法を用いて行なうことができる。たとえば、Gao et al. (1995) Nucleic Acids Res. 23:2025-2029;およびWang et al. (1994) Nucleic Acids Res. 22:2326-2333を参照。
【0091】
記載の核酸を作るための技術は当該技術分野で公知である。ホスホジエステルリンケージを含有する自然発生DNAは一般的に、適切なヌクレオシドホスホロアミダイトを、3’端で固体支持体に付着される成長中の核酸の5’−ヒドロキシ基に順次結合し、その後中間亜リン酸トリエステルをリン酸トリエステルに酸化することによって合成される。所望の核酸配列を一旦合成すると、核酸は支持体から外され、リン酸トリエステル基はリン酸ジエステルに脱保護され、ヌクレオシド塩基は水性アンモニアまたは他の塩基を用いて脱保護される。たとえば、Beaucage (1993) "Oligodeoxyribonucleotide Synthesis" in Protocols for Oligonucleotides and Analogs, Synthesis and Properties (Agrawal, ed.) Humana Press, Totowa, N.J.;Warner et al. (1984) DNA 3:401、および米国特許第4,458,066号を参照。
【0092】
記載の核酸中に存在するCGモチーフのシトシンは非メチル化であることが好ましい。もっとも、他の修飾および/または付加が企図される。しかしながら、ある実現例では、記載の核酸はCGモチーフの一部でない1つ以上のメチル化シトシンを含有することができる。
【0093】
塩基修飾ヌクレオシドの調製および前駆体としての当該塩基修飾ヌクレオシドを用いた修飾核酸の合成は、たとえば、米国特許第4,910,300号、第4,948,882号、および第5,093,232号に記載されている。これらの塩基修飾ヌクレオシドは、化学合成によってそれらを核酸の末端または内部位置のいずれかに組入れることができるように設計されている。核酸の末端または内部位置のいずれかに存在するそのような塩基修飾ヌクレオシドは、ペプチドまたは他の抗原の付着部位となることができる。それらの糖部分において修飾されたヌクレオシドも記載され(たとえば、米国特許第4,849,513号、第5,015,733号、第5,118,800号、第5,118,802号を含むが、これらに限定されない)、かつ同様に用いることができる。
【0094】
核酸長さパラメータ
いくつかの実現例では、記載の核酸は、10,000;5,000;2500;200
0;1500;1250;1000;750;500;300;250;200;175;150;125;100;75;50;25の(塩基または塩基対中の)長さのうちほぼいずれよりも小さい。いくつかの実現例では、免疫調節ポリヌクレオチドは、24;30;40;50;60;75;100;125;150;175;200;250;300;350;400;500;750;1000;2000;5000;7500;10000;20000;50000の(塩基または塩基対中の)長さのうちほぼいずれよりも大きい。これに代えて、免疫調節ポリヌクレオチドは、10,000;5,000;2500;2000;1500;1250;1000;750;500;300;250;200;175;150;125;100;75;50;または25という上限と、24;30;40;50;60;75;100;125;150;175;200;250;300;350;400;500;750;1000;2000;5000;7500とい
う独立して選択される下限とを有するサイズの範囲のいずれでもあり得る。なお、下限は上限よりも小さい。
【0095】
組成物
発明の組成物は、記載の核酸に加えてさまざまな材料および物質を備えることができる。本明細書中のどこかに注記されるように、そのような材料および物質は、アジュバント、抗原、担体、医薬的に許容可能な賦形剤などを備えることができる。
【0096】
ある実現例では、本発明の実践において有用な担体は、タンパク質担体または合成ナノ担体を備える。実現例では、発明の組成物を備える合成ナノ担体は抗原に連結可能である。付加的な実現例では、そのような合成ナノ担体は、免疫刺激単離核酸に連結されていない付加的な合成ナノ担体をさらに備えることができ、好ましい実現例では、付加的な合成ナノ担体は抗原に連結される。
【0097】
ある実現例では、発明の組成物は共役または非共役ワクチンとともに投与可能である。実現例では、発明の組成物は、担体ペプチドもしくはタンパク質、または別の種類の担体を備えることができる。有用な担体は、破傷風トキソイド(TT)、ジフテリアトキソイド(DT)、ジフテリア毒素の非毒性突然変異体、CRM197、B群髄膜炎菌からの外膜タンパク質複合体、およびキーホールリンペットヘモシアニン(KLH)を含むがそれらに限定されない、共役ワクチンにおいて有用であることが公知である担体タンパク質を備える。他の担体は、本明細書中のどこかに記載の合成ナノ担体および従来公知であるかもしれない他の担体を備えることができる。
【0098】
従来の共有または非共有結合的連結技術を用いて、抗原または記載の核酸の担体への連結を行なうことができる。共役ワクチンを開発するための有用な技術は、M D Lairmore et al., "Human T-lymphotropic virus type 1 peptides in chimeric and multivalent constructs with promiscuous T-cell epitopes enhance immunogenicity and overcome genetic restriction." J. Virol. October; 69(10):6077-89 (1995);C W Rittershause et al., "Vaccine-induced antibodies inhibit CETP activity in vivo and reduce aortic lesions in a rabbit model of atherosclerosis." Arterioscler Thromb Vasc Biol. September; 20(9):2106-12 (2000);M V Chengalvala et al., "Enhanced immunogenicity of hepatitis B surface antigen by insertion of a helper T cell epitope from tetanus toxoid." Vaccine. March 5; 17(9-10):1035-41 (1999). N K Dakappagari et al., "A chimeric multi-human epidermal growth factor receptor-2 B cell epitope peptide vaccine mediates superior antitumor responses." J Immunol. April 15; 170(8):4242-53 (2003);J T Garrett et al. "Novel engineered trastuzumab conformational epitopes demonstrate in vitro and in vivo antitumor properties against HER-2/neu." J. Immunol. June 1; 178(11):7120-31 (2007)に一般的に記載されるものを含むが
、これらに限定されるものではない。
【0099】
他の実現例では、発明の組成物は、注入可能な混合物を形成するビヒクル中で抗原または従来のワクチンと組合せ可能である。混合物は、有用な剤形に到達するように従来の医薬製造および配合技術を用いて作ることができる。本発明を実践する際の使用に好適な技術は、M. F. Powell et al., Vaccine Design, 1995 Springer-Verlag publ.;またはL. C. Paoletti et al. eds., Vaccines: from Concept to Clinic. A Guide to the Development and Clinical Testing of Vaccines for Human Use 1999 CRC Press publ.を含む
がそれらに限定されないさまざまな源に見出すことができる。
【0100】
実現例では、合成ナノ担体を担体として用いることができる。発明に従って多種多様な合成ナノ担体を用いることができる。いくつかの実現例では、合成ナノ担体は球体または
回転楕円体である。いくつかの実現例では、合成ナノ担体は平らであるかまたは板状である。いくつかの実現例では、合成ナノ担体は立方体または立方状である。いくつかの実現例では、合成ナノ担体は楕円形または長円形である。いくつかの実現例では、合成ナノ担体は、円筒、円錐、または角錐である。
【0101】
いくつかの実現例では、各々の合成ナノ担体が同様の性質を有するようにサイズ、形状、および/または組成という観点で相対的に均一な合成ナノ担体の集団を用いることが望ましい。たとえば、合成ナノ担体の合計数に基づく、合成ナノ担体の少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%の最小寸法または最大寸法は、合成ナノ担体の平均直径または平均寸法の5%、10%、または20%内に入ることができる。いくつかの実現例では、合成ナノ担体の集団は、サイズ、形状、および/または組成について外来であることができる。
【0102】
合成ナノ担体は中実または中空であることができ、1つ以上の層を備えることができる。いくつかの実現例では、各々の層は他の層に対して独自の組成および独自の性質を有する。1つだけ例を挙げると、合成ナノ担体はコア/シェル構造を有することができる。すなわち、コアは1つの層(たとえばポリマーコア)であり、シェルは第2の層(たとえば、脂質二重層または単分子層)である。合成ナノ担体は複数の異なる層を備えることができる。
【0103】
いくつかの実現例では、合成ナノ担体はオプションで1つ以上の脂質を備えることができる。いくつかの実現例では、合成ナノ担体はリポソームを備えることができる。いくつかの実現例では、合成ナノ担体は脂質二重層を備えることができる。いくつかの実現例では、合成ナノ担体は脂質単分子層を備えることができる。いくつかの実現例では、合成ナノ担体はミセルを備えることができる。いくつかの実現例では、合成ナノ担体は、(たとえば、脂質二重層、脂質単分子層などの)脂質層で囲まれたポリマーマトリックスを備えるコアを備えることができる。いくつかの実現例では、合成ナノ担体は、(たとえば、脂質二重層、脂質単分子層などの)脂質層で囲まれる非ポリマーコア(たとえば、金属粒子、量子ドット、セラミック粒子、骨片、ウイルス粒子、タンパク質、核酸、炭水化物など)を備えることができる。
【0104】
いくつかの実現例では、合成ナノ担体は1つ以上のポリマーを備えることができる。いくつかの実現例では、そのようなポリマーを被覆層(たとえば、リポソーム、脂質単分子層、ミセルなど)で囲むことができる。いくつかの実現例では、合成ナノ担体のさまざまな要素をポリマーと連結することができる。
【0105】
いくつかの実現例では、免疫特徴表面、標的部分、および/または核酸をポリマーマトリックスと共有結合的に会合させることができる。いくつかの実現例では、共有結合的会合はリンカーによって媒介される。いくつかの実現例では、免疫特徴表面、標的部分、および/またはオリゴヌクレオチドをポリマーマトリックスと非共有結合的に会合させることができる。たとえば、いくつかの実現例では、免疫特徴表面、標的部分、および/または核酸をポリマーマトリックス内に封入可能である、ポリマーマトリックスで囲むことができる、および/またはポリマーマトリックスを通じて分散可能である。これに代えてまたは加えて、免疫特徴表面、標的部分、および/またはヌクレオチドを、疎水性相互作用、電荷相互作用、ファンデルワールス力などによってポリマーマトリックスと会合させることができる。
【0106】
多種多様なポリマーおよびそれからポリマーマトリックスを形成するための方法が従来公知である。一般的に、ポリマーマトリックスは1つ以上のポリマーを備える。ポリマーは天然または非天然(合成)ポリマーであり得る。ポリマーは2つ以上のモノマーを備え
るホモポリマーまたは共重合体であり得る。配列という観点では、共重合体は、ランダム、ブロックであり得、またはランダムおよびブロック配列の組合せを備えることができる。典型的に、本発明に従うポリマーは有機ポリマーである。
【0107】
本発明での使用に好適なポリマーの例は、ポリエチレン、ポリカーボネート(たとえば、ポリ(1,3−ジオキサン−2オン))、ポリ無水物(たとえば、ポリ(セバシン酸無水物))、ポリプロピルフマレート、ポリアミド(たとえば、ポリカプロラクタム)、ポリアセタール、ポリエーテル、ポリエステル(たとえば、ポリラクチド、ポリグリコリド、ポリラクチド−コ−グリコリド、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシ酸(たとえば、ポリ(β−ヒドロキシアルカノエート)))、ポリ(オルトエステル)、ポリシアノアクリレート、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、ポリホスファゼン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリ尿素、ポリスチレン、およびポリアミン、ポリリシン、ポリリシン−PEG共重合体、ならびにポリ(エチレンイミン)、ポリ(エチレンイミン)−PEG共重合体を含むが、これらに限定されない。
【0108】
いくつかの実現例では、本発明に従うポリマーは、ポリエステル(たとえば、ポリ乳酸、ポリ(乳酸−5−グリコール酸)、ポリカプロラクトン、ポリバレロラクトン、ポリ(1,3−ジオキサン−2オン))、ポリ無水物(たとえば、ポリ(セバシン酸無水物))、ポリエーテル(たとえばポリエチレングリコール)、ポリウレタン、ポリメタクリレート、ポリアクリレート、およびポリシアノアクリレートを含むが、これらに限定されない、連邦規則集§177.2600に基づき米国食品医薬品局(FDA)がヒトにおける使用について承認したポリマーを含む。
【0109】
いくつかの実現例では、ポリマーは親水性であり得る。たとえば、ポリマーは、アニオン基(たとえば、リン酸基、硫酸基、カルボキシレート基)、カチオン基(たとえば、第4級アミン基)、または極性基(たとえば、ヒドロキシル基、チオール基、アミン基)を備えることができる。いくつかの実現例では、親水性ポリマーマトリックスを備える合成ナノ担体は、合成ナノ担体内で親水性環境を生成する。いくつかの実現例では、ポリマーは疎水性であり得る。いくつかの実現例では、疎水性ポリマーマトリックスを備える合成ナノ担体は、合成ナノ担体内で疎水性環境を生成する。ポリマーの親水性または疎水性の選択は、合成ナノ担体内に組入れられる(たとえば連結される)材料の性質に影響を及ぼす可能性がある。
【0110】
いくつかの実現例では、ポリマーは1つ以上の部分および/または官能基で修飾可能である。本発明に従ってさまざまな部分または官能基を用いることができる。いくつかの実現例では、ポリマーは、ポリエチレングリコール(PEG)で、炭水化物で、および/または多糖から誘導される非環式ポリアセタール(Papisov, 2001, ACS Symposium Series,
786:301)で修飾可能である。ある実現例は、Gref et al.に対する米国特許第5,54
3,158号またはVon Andrian et al.によるWO刊行物WO2009/051837の一般的教示を用いてなすことができる。
【0111】
いくつかの実現例では、ポリマーは脂質または脂肪酸基で修飾可能である。いくつかの実現例では、脂肪酸基は、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、またはリグノセリン酸のうち1つ以上であり得る。いくつかの実現例では、脂肪酸基は、パルミトレイン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、アルファ−リノール酸、ガンマ−リノール酸、アラキドン酸、ガドレイン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、またはエルカ酸のうち1つ以上であり得る。
【0112】
いくつかの実現例では、ポリマーは、本明細書中ではまとめて「PLGA」と称される
ポリ(乳酸−コ−グリコール酸)およびポリ(ラクチド−コ−グリコリド)などの乳酸およびグリコール酸ユニットを備える共重合体と、本明細書中では「PGA」と称されるグリコール酸ユニットならびに本明細書中ではまとめて「PLA」と称されるポリ−L−乳酸、ポリ−D−乳酸、ポリ−D,L−乳酸、ポリ−L−ラクチド、ポリ−D−ラクチド、およびポリ−D,L−ラクチドなどの乳酸ユニットを備えるホモポリマーとを含むポリエステルであり得る。いくつかの実現例では、例示的なポリエステルは、たとえば、ポリヒドロキシ酸、PEG共重合体、ならびにラクチドおよびグリコリドの共重合体(たとえば、PLA−PEG共重合体、PGA−PEG共重合体、PLGA−PEG共重合体、およびその誘導体を含む。いくつかの実現例では、ポリエステルは、たとえば、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(カプロラクトン)−PEG共重合体、ポリ(L−ラクチド−コ−L−リシン)、ポリ(セリンエステル)、ポリ(4−ヒドロキシ−L−プロリンエステル)、ポリ[α−(4−アミノブチル)−L−グリコール酸]、およびその誘導体を含む。
【0113】
いくつかの実現例では、ポリマーはPLGAであり得る。PLGAは乳酸およびグリコール酸の生体適合性および生物分解性共重合体であり、PLGAのさまざまな形態は、乳酸:グリコール酸の比率を特徴とする。乳酸はL−乳酸、D−乳酸、またはD,L−乳酸であり得る。PLGAの分解レートは、乳酸:グリコール酸の比率を変更することによって調整可能である。いくつかの実現例では、本発明に従って用いるべきPLGAは、約85:15、約75:25、約60:40、約50:50、約40:60、約25:75、または約15:85という乳酸:グリコール酸の比率を特徴とする。
【0114】
いくつかの実現例では、ポリマーは1つ以上のアクリルポリマーであり得る。ある実現例では、アクリルポリマーは、たとえばアクリル酸およびメタクリル酸共重合体、メタクリル酸メチル共重合体、エトキシエチルメタクリレート、メタクリル酸シアノエチル、アミノアルキルメタクリレート共重合体、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、メタクリル酸アルキルアミド共重合体、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリ(メタクリル酸無水物)、メタクリル酸メチル、ポリメタクリレート、ポリ(メチルメタクリレート)共重合体、ポリアクリルアミド、アミノアルキルメタクリレート共重合体、メタクリル酸グリシジル共重合体、ポリシアノアクリレート、および以上のポリマーのうち1つ以上を備える組合せを含む。アクリルポリマーは第4アンモニウム基の含有量が低いアクリル酸およびメタクリル酸エステルの完全に重合化された共重合体を備えることができる。
【0115】
いくつかの実現例では、ポリマーはカチオン性ポリマーであり得る。一般的に、カチオン性ポリマーは、核酸(たとえば、DNAまたはその誘導体)の負に帯電した鎖を縮合するおよび/または保護することができる。ポリ(リシン)(Zauner et al., 1998, Adv. Drug Del. Rev., 30:97;およびKabanov et al., 1995, Bioconjugate Chem., 6:7)、ポリ(エチレンイミン)(PEI;Boussif et al., 1995, Proc. Natl. Acad. Sci., USA,
1995, 92:7297)、およびポリ(アミドアミン)デンドリマー(Kukowska-Latallo et al., 1996, Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 93:4897;Tang et al., 1996, Bioconjugate Chem., 7:703;およびHaensler et al., 1993, Bioconjugate Chem., 4:372)などのアミ
ン含有ポリマーは生理学的pHで正に帯電され、核酸とともにイオン対を形成し、さまざまな細胞系で形質転換を媒介する。実現例では、発明の合成ナノ担体はカチオン性ポリマーを備えることができない(または除外することができる)。
【0116】
いくつかの実現例では、ポリマーは、カチオン性側鎖をもつ分解可能ポリエステルであり得る(Putnam et al., 1999, Macromolecules, 32:3658;Barrera et al., 1993, J. Am. Chem. Soc., 115:11010;Kwon et al., 1989, Macromolecules, 22:3250;Lim et al., 1999, J. Am. Chem. Soc., 121:5633;およびZhou et al., 1990, Macromolecules, 23:3399)。これらのポリエステルの例は、ポリ(L−ラクチド−コ−L−リシン)(Barrera et al., 1993, J. Am. Chem. Soc., 115:11010)、ポリ(セリンエステル)(Zhou et
al., 1990, Macromolecules, 23:3399)、ポリ(4−ヒドロキシ−L−プロリンエステ
ル)(Putnam et al., 1999, Macromolecules, 32:3658;およびLim et al., 1999, J. Am. Chem. Soc., 121:5633)、およびポリ(4−ヒドロキシ−L−プロリンエステル)(Putnam et al., 1999, Macromolecules, 32:3658;およびLim et al., 1999, J. Am. Chem. Soc., 121:5633)を含む。
【0117】
これらおよび他のポリマーの性質ならびにそれらを調製するための方法は当該技術分野で周知である(たとえば、米国特許6,123,727;5,804,178;5,770,417;5,736,372;5,716,404;6,095,148;5,837,752;5,902,599;5,696,175;5,514,378;5,512,600;5,399,665;5,019,379;5,010,167;4,806,621;4,638,045;および4,946,929;Wang et al., 2001, J. Am. Chem. Soc., 123:9480;Lim et al., 2001, J. Am. Chem. Soc., 123:2460;Langer,
2000, Acc. Chem. Res., 33:94;Langer, 1999, J. Control. Release, 62:7;ならびにUhrich et al., 1999, Chem. Rev., 99:3181を参照)。より一般的には、ある好適なポリマーを合成するためのさまざまな方法がConcise Encyclopedia of Polymer Science and Polymeric Amines and Ammonium Salts, Ed. by Goethals, Pergamon Press, 1980;Principles of Polymerization by Odian, John Wiley & Sons, Fourth Edition, 2004;Contemporary Polymer Chemistry by Allcock et al., Prentice-Hall, 1981;Deming et al., 1997, Nature, 390:386;ならびに米国特許6,506,577、6,632,922
、6,686,446、および6,818,732に記載されている。
【0118】
いくつかの実現例では、ポリマーは線状または分岐ポリマーであり得る。いくつかの実現例では、ポリマーはデンドリマーであり得る。いくつかの実現例では、ポリマーは実質的に互いに架橋可能である。いくつかの実現例では、ポリマーは実質的に架橋がないものであり得る。いくつかの実現例では、ポリマーは、架橋工程を経ずに本発明に従って用いることができる。発明の合成ナノ担体は、ブロック共重合体、グラフト共重合体、以上および他のポリマーのうち任意のものの配合物、混合物、および/またはアダクトを備えることができる。当業者は、本明細書中に列挙されるポリマーが本発明に従って使用可能なポリマーの例示的なしかし包括的でない一覧を表わすことを認めるであろう。
【0119】
いくつかの実現例では、合成ナノ担体はポリマー成分を備えることができない。いくつかの実現例では、合成ナノ担体は、金属粒子、量子ドット、セラミック粒子などを備えることができる。いくつかの実現例では、非ポリマー合成ナノ担体は、金属原子(たとえば金原子)の集合体などの非ポリマー成分の集合体である。
【0120】
いくつかの実現例では、合成ナノ担体はオプションで1つ以上の両親媒性エンティティを備えることができる。いくつかの実現例では、両親媒性エンティティは、増大した安定性、改良された均一性、または増大した粘度を有する合成ナノ担体の産生を促進することができる。いくつかの実現例では、両親媒性エンティティは脂質膜(たとえば、脂質二重層、脂質単分子層など)の内側面と会合可能である。本発明に従って合成ナノ担体を作るための使用に、当該技術分野で公知の多数の両親媒性エンティティが好適である。そのような両親媒性エンティティは、ホスホグリセリド類;ホスファチジルコリン;ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC);ジオレイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE);ジオレイルオキシプロピルトリエチルアンモニウム(DOTMA);ジオレオイルホスファチジルコリン;コレステロール;コレステロールエステル;ジアシルグリセロール;ジアシルグリセロールスクシネート;ジホスファチジルグリセロール(DPPG);ヘキサンデカノール;ポリエチレングリコール(PEG)などの脂肪アルコール;ポリオキシエチレン−9−ラウリルエーテル;パルミチン酸またはオレイン酸などの表面活性脂肪酸;脂肪酸;脂肪酸モノグリセリド;脂肪酸ジグリセリド;脂肪酸アミド;ソル
ビタントリオレエート(Span(登録商標)85)グリココール酸塩;モノラウリン酸ソルビタン(Span(登録商標)20);ポリソルベート20(Tween(登録商標)20);ポ
リソルベート60(Tween(登録商標)60);ポリソルベート65(Tween(登録商標)65);ポリソルベート80(Tween(登録商標)80);ポリソルベート85(Tween(登録商標)85);モノステアリン酸ポリオキシエチレン;スルファクチン;ポロキソマー;ソルビタントリオレエートなどのソルビタン脂肪酸エステル;レシチン;リゾレシチン;ホスファチジルセリン;ホスファチジルイノシトール;スフィンゴミエリン;ホスファチジルエタノールアミン(ケファリン);カルジオリピン;ホスファチジン酸;セレブロシド;リン酸ジセチル;ジパルミトイルホスファチジルグリセロール;ステアリルアミン;ドデシルアミン;ヘキサデシル−アミン;パルミチン酸アセチル;リシノール酸グリセロール;ステアリン酸ヘキサデシル;ミリスチン酸イソプロピル;チロキサポール;ポリ(エチレングリコール)5000−ホスファチジルエタノールアミン;モノステアリン酸ポリ(エチレングリコール)400;リン脂質;高い界面活性剤性を有する合成および/または天然洗剤;デオキシコール酸塩;シクロデキストリン;カオトロピック塩;イオン対合剤;ならびにその組合せを含むがこれらに限定されない。両親媒性エンティティ成分は異なる両親媒性エンティティの混合物であり得る。当業者は、これが表面活性を有する物質の例示的なしかし包括的でない一覧であることを認めるであろう。本発明に従って用いるべき合成ナノ担体の産生において任意の両親媒性エンティティを用いることができる。
【0121】
いくつかの実現例では、合成ナノ担体はオプションで1つ以上の炭水化物を備えることができる。炭水化物は天然または合成であり得る。炭水化物は変性天然炭水化物であり得る。ある実現例では、炭水化物は、グルコース、フルクトース、ガラクトース、リボース、ラクトース、スクロース、マルトース、トレハロース、セロビオース(cellbiose)、
マンノース、キシロース、アラビノース、グルクロン酸(glucoronic acid)、ガラクツ
ロン酸(galactoronic acid)、マンヌロン酸、グルコサミン、ガラクトサミン(galatosamine)、およびノイラミン酸(neuramic acid)を含むがこれらに限定されない単糖または二糖を備える。ある実現例では、炭水化物は、プルラン、セルロース、微結晶性セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシセルロース(HC)、メチルセルロース(MC)、デキストラン、シクロデキストラン(cyclodextran)、グリコーゲン、ヒドロキシエチルデンプン、カラギーナン、グリコン、アミロース、キトサン、N,O−カルボキシメチルキトサン、アルギンおよびアルギン酸、デンプン、キチン、イヌリン、コンニャク、グルコマンナン(glucommannan)、プスツラン、ヘパリン、ヒアルロン酸、カードラン、ならびにキサンタンを含むがこれらに限定されない多糖である。実現例では、発明の合成ナノ担体は、多糖などの炭水化物を備えない(または特異的に除外する)。ある実現例では、炭水化物は、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトール、およびラクチトールを含むがこれらに限定されない、糖アルコールなどの炭水化物誘導体を備えることができる。
【0122】
実現例では、発明の組成物とともに用いるための担体を調製する場合、記載の核酸または発明の組成物の他の要素を担体に共有結合的に連結するための方法が有用であり得る。実現例では、記載の核酸または発明の組成物の他の要素は非共有結合的に担体に連結可能である。連結すべき要素が小分子を備える場合、合成ナノ担体の集合の前に要素をポリマー担体に付着させることが有利であり得る。実現例では、これらの表面基の使用によりアジュバントを担体に連結するのに用いる表面基を有する担体、特に合成ナノ担体、を調製することが(製造または他の理由のために)有利であり得る。
【0123】
ある実現例では、非共有結合的連結は吸着を用いて達成可能である。ナノ粒子の表面への核酸の吸着は塩形成によって達成可能である。この方法を用いる場合、ナノ粒子は、ナノ粒子が電荷をナノ粒子に導入する材料を備えるように調製される。しばしば、帯電した
界面活性剤、たとえばナノ粒子調製の際に負に帯電した核酸を吸着するのに用いるカチオン性界面活性剤、の使用は、表面電荷をナノ粒子に与えるには十分である。帯電したナノ粒子を核酸の溶液と接触させることによって核酸が吸着する。この方法はO'Hagen et al.の公開国際特許出願WO00/06123の特許出願に記載されている。核酸の封入は、核酸を水性バッファに溶解し、次にこの溶液を単一または二重乳剤プロセスで用いて自己集合によりナノ粒子を形成することによって達成可能である。このプロセスは、Tse, et al International Journal of Pharmaceutics, 370 (1-2), 33 (2009)に記載される。付
加的な封入法を本明細書中のどこかに記載する。
【0124】
共有結合的連結は多数の方法により達成可能である。これらの方法は、Hermansonによ
るBioconjugate Techniques, 2ndedition, Elsevier (2008)で詳細にカバーされている。アミン官能基を担持するポリマーまたはナノ粒子に核酸を連結するのに特に適する1つの方法は、1−(3−ジメチルアミノ)プロピル−3−エチルカルボジイミドメチオジド(EDC)とイミダゾールとを用いて核酸の5'リン酸塩を活性化させ、次に活性化された
核酸をアミン置換ポリマーまたはナノ粒子と反応させることである[Shabarova et al, FEBS Letters, 154 288, (1983)]。表面アミン官能化ナノ粒子について、このプロセスを以下に示す。
【0125】
【化1】
【0126】
ある実現例では、共有結合的連結は共有結合リンカーを介してなすことができる。実現例では、共有結合リンカーは、アミドリンカー、ジスルフィドリンカー、チオエーテルリンカー、ヒドラゾンリンカー、ヒドラジドリンカー、イミンまたはオキシムリンカー、尿素またはチオ尿素リンカー、アミジンリンカー、アミンリンカー、およびスルホンアミドリンカーを備えることができる。
【0127】
アミドリンカーは、1つの要素上のアミンと、ナノ担体などの第2の要素のカルボン酸基との間のアミド結合を介して形成される。リンカー中のアミド結合は、好適に保護されたアミノ酸または抗原またはアジュバントおよびN−ヒドロキシスクシンイミド活性化エステルなどの活性化されたカルボン酸との従来のアミド結合形成反応のいずれかを用いてなすことができる。
【0128】
ジスルフィドリンカーは、たとえば、R1−S−S−R2の形態の2つの硫黄原子の間のジスルフィド(S−S)結合の形成を介してなされる。ジスルフィド結合は、チオール/メルカプタン基(−SH)を含有する抗原またはアジュバントと、活性化されたチオール基を含有する要素を有するチオール/メルカプタン基を含有する要素上の別の活性化されたチオール基とのチオール交換によって形成可能である。
【0129】
トリアゾールリンカー、具体的には
【0130】
【化2】
【0131】
の形態の1,2,3−トリアゾール(式中R1およびR2は任意の化学的エンティティであり得る)は、第2の要素に付着される末端アルキンとの、第1の要素に付着するアジドの1,3−双極付加環化反応によってなされる。1,3−双極付加環化反応は、1,2,3−トリアゾール機能により2つの要素をリンクする触媒を用いてまたは用いずに、好ましくはCu(I)触媒を用いて行なわれる。この化学現象はSharpless et al., Angew. Chem. Int. Ed. 41(14), 2596, (2002)およびMeldal, et al, Chem. Rev., 2008, 108(8), 2952-3015に詳細に記載され、しばしば「クリック反応」またはCuAACと称される。
【0132】
チオエーテルリンカーは、たとえば、R1−S−R2の形態の硫黄−炭素(チオエーテル)結合の形成によってなされる。チオエーテルは、第2の要素上のハロゲン化物またはエポキシドなどのアルキル化基を有する要素などの、1つの成分上のチオール/メルカプタン(−SH)基のいずれかのアルキル化によって作ることができる。チオエーテルリンカーは、マイケルアクセプタとしてマレイミド基を含有するポリマーなどの第2の要素上の電子不足アルケン基に対する、1つの要素上のチオール/メルカプタン基のマイケル付加によっても形成することができる。別のやり方では、チオエーテルリンカーは、ポリマーまたはナノ担体などの第2の要素上のアルケン基との、1つの要素上のチオール/メルカプタン基のラジカルチオール−エン反応によって調製することができる。
【0133】
ヒドラゾンリンカーは、第2の要素上のアルデヒド/ケトン基との、1つの要素上のヒドラジド基の反応によって作られる。
【0134】
ヒドラジドリンカーは、第2の要素上のカルボン酸基との、1つの要素上のヒドラジン基の反応によって形成される。そのような反応は一般的に、カルボン酸が活性化試薬で活性化されるアミノ結合の形成と同様の化学現象を用いて行なわれる。
【0135】
イミンまたはオキシムリンカーは、第2の要素上のアルデヒドまたはケトン基との、1つの要素上のアミンまたはN−アルコキシアミン(もしくはアミノオキシ)基の反応によって形成される。
【0136】
尿素またはチオ尿素リンカーは、第2の要素上のイソシアネートまたはチオイソシアネート基との、1つの要素上のアミン基の反応によって調製される。
【0137】
アミジンリンカーは、第2の要素上のイミドエステル基との、1つの要素上のアミン基の反応によって調製される。
【0138】
アミンリンカーは、第2の要素上のハロゲン化物、エポキシド、またはスルホン酸エステル基などのアルキル化基との、1つの要素上のアミン基のアルキル化反応によって作られる。これに代えて、アミンリンカーは、シアノ水素化ホウ素ナトリウムまたはナトリウムトリアセトキシボロハイドライドなどの好適な還元試薬を用いた、第2の要素上のアルデヒドまたはケトン基との、1つの要素上のアミン基の還元アミノ化によっても作ることができる。
【0139】
スルホンアミドリンカーは、第2の要素上の(塩化スルホニルなどの)ハロゲン化スルホニル基との、1つの要素上のアミン基の反応によって作られる。
【0140】
要素は非共有結合的連結法を介しても連結可能である。たとえば、負に帯電した抗原またはアジュバントを静電吸着を通して正に帯電した担体に連結することができる。金属リガンドを含有する抗原またはアジュバントを、金属−リガンド複合体を介して、金属錯体を含有する担体に連結することもできる。
【0141】
ある実現例では、記載の核酸、抗原、またはアジュバントなどの要素を、合成ナノ担体の集合の前に、たとえばポリ乳酸−ブロック−ポリエチレングリコールなどのポリマーに付着することができる、または合成ナノ担体をその表面上の反応基または活性可能基を用いて形成することができる。後者の場合、抗原またはアジュバントは、合成ナノ担体の表面によって提示される付着化学現象と適合する基を用いて調製可能である。他の実現例では、ペプチド抗原は、好適なリンカーを用いてVLPまたはリポソームに付着可能である。
【0142】
リンカーは、2つの分子をともに連結することができる化合物または試薬である。一実現例では、リンカーは、Hermanson 2008に記載のようなホモ二官能またはヘテロ二官能試薬であり得る。たとえば、表面上にカルボキシル基を含有するVLPまたはリポソーム合成ナノ担体は、EDCの存在下でホモ二官能リンカーであるアジピン酸ジヒドラジド(ADH)で処理されてADHリンカーを有する対応の合成ナノ担体を形成することができる。結果的に得られたADHリンク合成ナノ担体は次に、NC上のADHリンカーの他方端を介して酸基を含有するペプチド抗原と共役されて、対応のVLPまたはリポソームペプチド共役を産生する。
【0143】
組成物を作りかつ用いる方法および関連の方法
合成ナノ担体は、当該技術分野で公知の多種多様な方法を用いて調製することができる。たとえば、合成ナノ担体は、ナノ沈殿、流体チャネルを用いる流れ集中、噴霧乾燥、単一および二重乳剤溶媒蒸発、溶媒抽出、相分離、ミリング、マイクロエマルジョン手順、微細マイクロ加工、ナノファブリケーション、犠牲層、単純および複合コアセルベーション、および当業者には周知の他の方法などの方法によって形成可能である。これに代えてまたは加えて、単分散半導体、導電、磁性、有機、および他のナノ材料のための水性および有機溶媒合成が記載されている(Pellegrino et al., 2005, Small, 1:48;Murray et al., 2000, Ann. Rev. Mat. Sci., 30:545;およびTrindade et al., 2001, Chem. Mat.,
13:3843)。付加的な方法が文献に記載されている(たとえば、Doubrow, Ed., "Microcapsules and Nanoparticles in Medicine and Pharmacy," CRC Press, Boca Raton, 1992
;Mathiowitz et al., 1987, J. Control. Release, 5:13;Mathiowitz et al., 1987, Reactive Polymers, 6:275;およびMathiowitz et al., 1988, J. Appl. Polymer Sci., 35:755を、ならびに米国特許5,578,325および6,007,845も参照)。
【0144】
さまざまな材料は、C. Astete et al., "Synthesis and characterization of PLGA nanoparticles" J. Biomater. Sci. Polymer Edn, Vol. 17, No. 3, pp. 247-289 (2006);K. Avgoustakis "Pegylated Poly(Lactide) and Poly(Lactide-Co-Glycolide) Nanoparti
cles: Preparation, Properties and Possible Applications in Drug Delivery" Current Drug Delivery 1:321-333 (2004);C. Reis et al., "Nanoencapsulation I. Methods for preparation of drug-loaded polymeric nanoparticles" Nanomedicine 2:8-21 (2006)を含むがこれらに限定されないさまざまな方法を用いて所望のように合成ナノ担体中に封入可能である。2003年10月14日にUngerに対して発行された米国特許6,63
2,671;H. Martimprey et al., "Polymer nanocarriers for the delivery of small fragments of nucleic acids: Oligonucleotides and siRNA" European Journal of Pharmaceutics and Biopharmaceutics 71:490-504 (2009);または、P. Malyala, et al., "Enhancing the therapeutic efficacy of CpG oligonucleotides using biodegradable microparticles" Advanced Drug Delivery Reviews 61: 218-225 (2009)に開示される方
法を限定されることなく含む、核酸などの材料を合成ナノ担体に封入するのに好適な他の方法を用いることができる。
【0145】
ある実現例では、合成ナノ担体は、ナノ沈殿プロセスまたは噴霧乾燥によって調製される。合成ナノ担体を調製する際に用いる条件は、所望のサイズまたは性質(たとえば、疎水性、親水性、外的形態、「粘着性」、形状など)の粒子を産するように変更可能である。合成ナノ担体を調製する方法および用いる条件(たとえば、溶媒、温度、濃度、空気流量など)は、合成ナノ担体に連結すべき材料および/またはポリマーマトリックスの組成に依存し得る。
【0146】
以上の方法のうちいずれかによって調製する粒子が所望の範囲外のサイズ範囲を有する場合、たとえばふるいを用いて粒子をサイズ決めすることができる。
【0147】
(免疫特徴表面を含む部分、標的部分、ポリマーマトリックス、抗原などの)発明の組成物の要素は、たとえば1つ以上の共有結合によって担体全体に連結可能であるか、または1つ以上のリンカーを用いて連結可能である。合成ナノ担体を官能化する方法は、Saltzman et al.に対する公開米国特許出願2006/0002852、DeSimone et al.に対する公開米国特許出願2009/0028910、またはMurthy et al.に対する公開国
際特許出願WO2008/127532A1から適合することができる。
【0148】
これに代えてまたは加えて、担体は、記載の核酸、免疫特徴表面、標的部分、アジュバント、さまざまな抗原、および/または非共有結合的相互作用を直接もしくは間接に介して他の要素に連結可能である。非共有結合的実現例では、非共有結合的連結は、電荷相互作用、親和性相互作用、金属配位、物理的吸着、ホスト−ゲスト相互作用、疎水性相互作用、TT積層相互作用、水素結合相互作用、ファンデルワールス相互作用、磁気相互作用、静電相互作用、双極子相互作用、および/またはその組合せを含むがそれらに限定されない非共有結合的相互作用によって媒介される。そのような連結は、発明の合成ナノ担体の外面または内面などの担体の一部の上に存在するように配置可能である。ある実現例では、封入および/または吸収は連結の一形態である。
【0149】
さまざまな実現例では、本明細書中に記載の発明の組成物は、同じビヒクルまたは送達系中で混ぜることにより、発明の免疫刺激単離核酸に加えて、あるアジュバントを備えることができる。そのようなアジュバントは、ミョウバン、大腸菌、サルモネラミネソタ、ネズミチフス菌、もしくはフレクスナー赤痢菌などの腸内細菌のモノホスホリル脂質(MPL)A、もしくは特異的にはMPL(登録商標)(AS04)、以上言及した細菌のMPL Aと別個に、組合されるミョウバンなどの無機塩、QS−21、Quil−A、ISCOM、ISCOMATRIX(登録商標)などのサポニン、MF59(登録商標)、Montanide(登録商標)ISA51およびISA720、AS02(QS21+スクアレ
ン+MPL(登録商標))などの乳剤、AS01などのリポソームおよびリポソーム調剤、淋病、トラコーマクラミジアおよびその他の細菌誘導性外膜小胞(OMV)などの合成
されたもしくは特異的に調製された微粒子および微小担体、またはキトサン粒子、Pluronic(登録商標)ブロック共重合体などのデポ形成剤、ムラミールジペプチドなどの特異的に修飾されたもしくは調製されたペプチド、RC529などのアミノアルキルグルコサミニド4−ホスフェート、または細菌トキソイドもしくは毒素フラグメントなどのタンパク質を含むことができるが、これらに限定されるものではない。従来の用量決定試験を用いてそのような他のアジュバントの用量を決めることができる。
【0150】
いくつかの実現例では、本明細書中に記載の発明の組成物を抗原と組合せることができる。そのような抗原は、異なる時点でおよび/もしくは異なる体の場所でおよび/もしくは異なる免疫化経路によって別個に投与される(別の送達ビヒクルを利用してもしくは利用せずに、アジュバントを有するもしくは有しない)、または異なる時点でおよび/もしくは異なる体の場所でおよび/もしくは異なる免疫化経路によって別個に投与される別の抗原および/もしくはアジュバント担持組成物を有するナノ担体に結合されるものとは異なり得る、またはこれと同様であり得る、またはこれと同一であり得る。
【0151】
発明の組成物は、有用な剤形に到達するために従来の医薬製造および配合技術を用いて作ることができる。本発明を実践する際に用いるのに好適な技術は、Handbook of Industrial Mixing Science and Practice, Edited by Edward L. Paul, Victor A. Atiemo-Obeng, and Suzanne M. Kresta, 2004 John Wiley & Sons, Inc.;およびPharmaceutics: The Science of Dosage Form Design, 2nd Ed. Edited by M. E. Auten, 2001, Churchill Livingstoneに見出すことができる。いくつかの実現例では、発明の組成物は、保存剤と
ともに注入するために無菌塩水溶液中で調剤される。
【0152】
発明の組成物を任意の好適な態様で作ることができ、発明は本明細書中に記載の方法を用いて産生することができる組成物に如何なる態様でも限定されるものではないことを理解すべきである。適切な方法の選択は、利用されている特定の材料および物質の性質への留意を要件とし得る。
【0153】
いくつかの実現例では、発明の組成物は、無菌条件下で製造される、または最終段階で滅菌される。このことは、結果的に得られる組成物が無菌でありかつ非感染性であり、こうして非滅菌組成物と比較した場合の安全性を確実に向上させることができる。これは、特に発明の組成物を受ける被験体が免疫不全を有している、感染症に罹患している、および/または感染を受けやすい場合に有益な安全対策を提供する。いくつかの実現例では、活性を失うことのない長期にわたる調剤方針に依存して、発明の組成物を凍結乾燥して、懸濁液中でまたは凍結乾燥粉末として保存することができる。
【0154】
本明細書中に記載の発明の組成物は、皮下、筋肉内、皮内、経口、鼻腔内、経粘膜、舌下、直腸、眼球、経皮、皮膚を通してを含むがこれらに限定されないさまざまな投与経路によって、またはこれらの経路の組合せによって、投与可能である。
【0155】
発明の剤形中に存在する記載の核酸の量は、記載の核酸の性質、達成すべき療法的有効性、および他のそのようなパラメータに応じて異なることができる。いくつかの実現例では、用量決定試験は、記載の核酸の最適な療法的量および発明の組成物中に存在可能なさまざまな抗原の量を確立するように行なうことができる。さまざまな実現例では、記載の核酸は、被験体に投与された際に記載の核酸に対する免疫応答を生成するのに有効な量だけ組成物中に存在する。被験体における従来の用量決定試験および技術を用いて、免疫応答を生成するのに有効な記載の核酸の量を決めることが可能であり得る。さまざまな頻度で発明の組成物を投与可能である。好ましい実現例では、薬理学的に関連の応答を生成するのに、発明の組成物の少なくとも1回の投与で十分である。より好ましい実現例では、薬理学的に関連の応答を確実にするのに、発明の組成物の少なくとも2回の投与、少なく
とも3回の投与、または少なくとも4回の投与を利用する。
【0156】
本明細書中に記載の組成物および方法は、免疫応答を誘発する、向上させる、調節する、方向付ける、または再方向付けするのに用いることができる。本明細書中に記載の組成物および方法は、癌、感染症、代謝性疾患、変性疾患、自己免疫疾患、炎症性疾患、免疫疾患、または他の不調および/もしくは症状などの症状の診断、予防、および/または治療で用いることができる。本明細書中に記載の組成物および方法は、ニコチンまたは麻薬中毒などの中毒の予防または治療にも用いることができる。本明細書中に記載の組成物および方法は、毒素、危険物質、環境毒素、または他の有害物に晒されることから生じる症状の予防および/または治療にも用いることができる。
【0157】
実施例
【実施例1】
【0158】
実施例1:核酸
3種類のCpG核酸分子(A、B、およびC型)が存在する。A型CpG核酸はIFN−αの強力な誘導物質である。B型CpG核酸はB細胞の強力な活性化物質であり、IL−6の発現を誘発するが、IFN−αの誘導物質としては劣っている。C型CpG核酸分子はA型およびB型CpG核酸の両方の特性を有する。C型CpG核酸はIL−6の発現を誘発し、IFN−αの発現を誘発する。IFN−αはAPCを活性化し、B細胞活性化および分化を盛んにする。C型CpG核酸はB細胞および血漿細胞の発達を向上させる形質細胞様樹枝状細胞も刺激する。したがって、C型CpG核酸分子の特性は潜在的にそれらをA型およびB型よりも優れたアジュバントにする。
【0159】
ヌクレオチド配列
5’−TCGTCGAACGTTCGCGAACGTTCG−3’[SEQ ID NO:1]
を有し、かつホスホロチオアート化バックボーンを有する免疫刺激核酸であるSelecta−7は、C型CpG核酸分子の特性を有するように設計され、標準的なオリゴ−合成技術を用いて合成された(Beaucage, S.; Iyer, R. (1992). Tetrahedron 48: 2223. doi:10.1016/S0040-4020(01)88752-4;Brown, D. M. A brief history of oligonucleotide synthesis. Methods in Molecular Biology (Totowa, N.J., United States) (1993), 20
(Protocols for Oligonucleotides and Analogs), 1-17;Reese, Colin B. (2005). "Oligo- and poly-nucleotides: 50 years of chemical synthesis". Organic & Biomolecular Chemistry 3: 3851. doi:10.1039/b510458k;Iyer, R. P.; Beaucage, S. L. 7.05. Oligonucleotide synthesis. In: Comprehensive Natural Products Chemistry, Vol. 7: DNA and Aspects of Molecular Biology. Kool, Eric T.; Editor. Neth. (1999), 733 pp. Publisher: (Elsevier, Amsterdam, Neth.), 105-152)。
【0160】
ELISAにより、IFN−α、IP−10、およびIL−6の発現を誘発する能力について、Selecta−7を、以前から公知のホスホロチオアート化7909(B型−たとえば、Cooper et al. (2004) J Clinical Immunology 24(6): 693-701を参照)およ
び2395(C型−以上の説明を参照)と比較した(図1A図1D)。ヒト末梢血単核細胞をCpGの存在下または不在下で単離し、培養した。24時間後、上澄みを集めてELISAで評価した。試験したすべてのCpGはIL−6の発現をアップレギュレートすることができた(図1B図1D)。しかしながら、B型CpG7909は、IFN−α(図1A)またはIP−10(図1C)の発現を増大させなかった一方で、Selecta−7および2395の両者ともこれを増大させた(図1A図1C)。全体的に、データはSelecta−7が新規のC型CpGであることを示唆する。
【0161】
CpG核酸分子はTLR9を通して細胞を刺激する一方で、小分子アゴニストR848はTLR7および8を通してシグナリングを行なう。TLR7および9は形質細胞様樹枝状細胞上に発現される一方で、TLR8は骨髄樹枝状細胞上に発現されるため、R848(レシキモド)とSelecta−7との間の応答は異なるはずである。これを試験するため、ヒト末梢血単核細胞を単離し、R848またはSelecta−7の存在下または不在下で培養した。24時間後、上澄みを集め、サイトカインおよびケモカイン多重分析によって評価した。検体は、サイトカイン:IL−6、TNF−α、IL−1β、IL−10、IL−2、IL−13、IFN−γ、IL−12p40、IL23、IL−5、IP−10、RANKL、IL−4、ならびにケモカイン:MDC、RANTES、IP−10、およびMip−1αであった。データは、R848とSelecta−7との間の異なる応答を示す。R848は、IL−6、MIP−1α、RANTES、IFN−γ、IL−1β、IL−12p40、TNF−α、およびIL23などの炎症性サイトカインの強力な誘導物質である一方で、Selecta−7は、IFN−α、IP−10、およびIL−5(図2)の強力な誘導物質であった。データは、R848およびSelecta−7が、刺激されたPBMCからの異なるサイトカインプロファイルを有する実質的に異なる細胞応答を有すると示す。
【実施例2】
【0162】
実施例2:連結された核酸を有する合成ナノ担体
記載のSelecta−7免疫刺激単離核酸を備える合成ナノ担体を備える発明の組成物を以下のように調製する。
【0163】
ナトリウム対イオンを有するデオキシリボヌクレオチド配列
5’−TCGTCGAACGTTCGCGAACGTTCG−3’[SEQ ID NO:1]
を有する新規の免疫刺激単離一本鎖核酸であるSelecta−7をOligo Factory(ホ
リストン、MA)から購入する。
【0164】
76%ラクチドおよび24%グリコリド含有量と、固有粘度0.49dL/gとを有するPLGAをSurModics Pharmaceuticals(バーミンガム、AL;製品コード7525
DLG5A)から購入する。約5,000DaのPEGブロックおよび約20,000DaのPLAブロックを有するPLA−PEGブロック共重合体を、Selecta Biosciences
(ウォータータウン、MA)から入手する。ポリビニルアルコール(Mw=11,000−31,000、87−89%加水分解済)を、J. T. Baker(品番U232−08)か
ら購入する。
【0165】
溶液を以下のように調製する。
溶液1:100mg/mLの[SEQ ID NO:1]の免疫刺激単離核酸を精製水中で調製する。
【0166】
溶液2:ジクロロメタン中、0.49−IV7525PLGA@75mg/mLおよびPLA−PEG@25mg/ml。純粋ジクロロメタン中の0.49−IV7525PLGA@100mg/mLおよび純粋ジクロロメタン中のPLA−PEG@100mg/mLという2つの別個の溶液をまず室温で調製することによって溶液を作る。PLA−PEG溶液の各部毎に3部のPLGA溶液を加えることによって最終溶液を調製する。
【0167】
溶液3:100mM pH8のリン酸緩衝液中のポリビニルアルコール@50mg/mL。
【0168】
溶液4:70mMのリン酸緩衝液、pH8
溶液1および溶液2を用いて、一次(W1/O)乳剤をまず作製する。溶液1(0.1mL)および溶液2(1.0mL)を小さなガラス圧力管中で組合せ、Branson Digital Sonifier250を用いて40秒間、振幅50%で音波処理する。
【0169】
次に、一次乳剤に溶液3(3.0mL)を加え、Branson Digital Sonifier250を用いて60秒間、振幅30%で音波処理することによって、二次(W1/O/W2)乳剤を形成する。
【0170】
第2の乳剤を70mMのリン酸緩衝溶液(30mL)を含有するビーカーに加え、室温で2時間撹拌して、ジクロロメタンが蒸発し、ナノ担体が懸濁液中で形成されるようにする。ナノ担体懸濁液を遠心分離管に移し、21,000rcfで45分間スピン回転し、上澄みを除去し、リン酸緩衝塩水中でペレットを再懸濁することによって、懸濁されたナノ担体の一部を洗浄する。この洗浄手順を繰返し、次にペレットをリン酸緩衝塩水中で再懸濁して、ポリマーベースで10mg/mLの公称濃度を有する最終ナノ担体懸濁液を達成する。
【0171】
ナノ担体中のオリゴヌクレオチドの量をRP−HPLC分析で定める。重量測定法によって懸濁液のmL当たりの合計乾燥ナノ担体質量を定める。付加的なリン酸緩衝塩水を用いて5mg/mLに希釈することによって最終ナノ担体濃度を達成する。
【実施例3】
【0172】
実施例3:共有結合的に連結された核酸を有するタンパク質担体
固体相合成によってSEQ ID NO:1のホスホロチオアート化スルフヒドリル修飾核酸を調製する。室温で2.5時間、pH7.0の5mMのEDTA−PBS緩衝液中で、m−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシ−スルホ−スクシンイミドエステル(スルホ−MBS、Pierce)の20倍モル過剰で、オバルブミン(OVA、ニワトリの卵のアルブミン、Sigma(セントルイス、MO)からのグレードVI)を活性化する。OVA上
のL−リシン残基のアミノ基をマレイミド基で修飾する。Bio-Econo P6ゲルカラム(Bio-Rad、ミュンヘン、ドイツ)上でクロマトグラフィで未結合スルホ−MBSを除去する
。次に、50mMの1,4−ジチオトレイトール−PBS溶液中でSEQ ID NO:1のスルフヒドリル修飾核酸を室温で2時間還元し、Bio-Econo P6ゲルカラム上のクロマトグラフィで残余の試薬を除去する。
【0173】
次に、モル比5:1で、修飾されたOVAとともに、結果的に得られる核酸を室温で3時間インキュベートし、次にL−システインを加えて反応性マレイミド基をクエンチする。PBSに対する透析によって(MWCO10000、Pierce)遊離核酸を除去する。PD−10脱塩カラム上でのクロマトグラフィによって透析産物を脱塩し、その後凍結乾燥する。結果的に得られる核酸−Ova共役を、6−20%勾配SDS−PAGE(銀染色)および4−15%勾配非変性非還元PAGE(臭化エチジウム)上で分析する。ローリー法(Pierce)を用いてタンパク質濃度を定める。
【実施例4】
【0174】
実施例4:核酸
従来の固体状態合成技術を用いて、以下の配列を含む付加的な免疫刺激単離核酸を合成する。配列のバックボーンはホスホジエステルバックボーンである。
【0175】
5’−TCGTCGAACGTTCGCGAACGTTCGAACGTT−3’ [SEQ ID NO:2]
5’−TCGTCGAACGTTCGCGAACGTTCGAACGTTAACGTT−3’ [SEQ ID NO:3]
5’−TCGTCGAACGTTCGCGAACGTTCGTCGTCGAACGTTCGCGAACGTTCG−3’ [SEQ ID NO:4]
5’−TCGTCGAACGTTCGCGAACGTTCGTTCGAA−3’ [SEQ ID NO:5]
5’−TCGTCGAACGTTCGCGAACGTTCGGACGTC−3’ [SEQ ID NO:6]
5’−TCGTCGAACGTTCGCGAACGTTCGATCGAT−3’ [SEQ ID NO:7]
以上の配列も、DNAを安定化させるためにホスホロチオアート化バックボーンを用いて合成する。以上の配列のうちいずれも、発明の組成物を形成するために、好適な賦形剤と組合される。
【実施例5】
【0176】
実施例5:核酸を有するナノ担体の調製
開示する免疫刺激単離核酸を備える合成ナノ担体を備える組成物を以下のように調製した。
【0177】
デオキシリボヌクレオチド配列
5’−TCGTCGAACGTTCGCGAACGTTCG−3’[SEQ ID NO:1]
を有する新規の免疫刺激単離一本鎖核酸であるSelecta−7をOligo Factory(ホ
リストン、MA)から購入した。
【0178】
溶液を以下のように調製した。
溶液1:150mMのKCl中40mg/mLでのSEQ ID NO:1の免疫刺激単離核酸。
【0179】
溶液2:ジクロロメタン中の、0.50mLの7525PLGA(Lakeshore Biomaterials)@100mg/mL、0.25mLの5050PLGA(Lakeshore Biomaterials)@100mg/mL、および0.25mLのPLA−PEG−ニコチン(Selecta Biosciences)@100mg/ml。
【0180】
溶液3:100mMのpH8のリン酸緩衝液中のポリビニルアルコール(Lakeshore Biomaterials)@5%。
【0181】
溶液4:70mMのリン酸緩衝液、pH8
溶液1および溶液2を用いて、一次(W1/O)乳剤をまず作った。溶液1(0.25mL)および溶液2(1.0mL)を小さなガラス圧力管中で組合せ、Branson Digital Sonifier250を用いて40秒間、振幅50%で音波処理した。
【0182】
次に、一次乳剤に溶液3(3.0mL)を加え、Branson Digital Sonifier250を用いて60秒間、振幅30%で音波処理することによって、二次(W1/O/W2)乳剤を形成した。
【0183】
70mMのリン酸緩衝溶液(30mL)を含有するビーカーに第2の乳剤を加え、室温で2時間撹拌して、ジクロロメタンが蒸発し、ナノ担体が懸濁液中で形成されるようにした。ナノ担体の懸濁液を遠心分離管に移し、21,000rcfで45分間スピン回転し、上澄みを除去し、かつリン酸緩衝塩水中でペレットを再懸濁することによって、懸濁されたナノ担体の一部を洗浄した。この洗浄手順を繰返し、次にペレットをリン酸緩衝塩水中で再懸濁して、ポリマーベースで8.1mg/mLの公称濃度を有する最終ナノ担体懸
濁液を達成した。
【0184】
核酸含有ナノ粒子を、以下のように調製したヘルパーT細胞ペプチド(TCHP;US2011/0110965のSEQ ID NO:13)を含有するナノ粒子と配合した。
【0185】
溶液を以下のように調製した。
溶液1:60%v/v乳酸中で30mg/mLのTCHP(Bachem)を調製した。
【0186】
溶液2:ジクロロメタン中の、0.75mLのPLA(Lakeshore Biomaterials)@100mg/mLおよび0.25mLのPLA−PEG−ニコチン(Selecta Biosciences
)@100mg/ml。
【0187】
溶液3:100mMのpH8のリン酸緩衝液中のポリビニルアルコール(JT Baker)@5%。
【0188】
溶液4:70mMのリン酸緩衝液、pH8
溶液1および溶液2を用いて、一次(W1/O)乳剤をまず作った。溶液1(0.25mL)および溶液2(1.0mL)を小さなガラス圧力管中で組合せ、Branson Digital Sonifier250を用いて40秒間、振幅50%で音波処理した。
【0189】
次に、一次乳剤に溶液3(3.0mL)を加え、Branson Digital Sonifier250を用いて60秒間、振幅30%で音波処理することによって、二次(W1/O/W2)乳液を形成した。
【0190】
第2の乳剤を70mMのリン酸緩衝溶液(30mL)を含有するビーカーに加え、室温で2時間撹拌して、ジクロロメタンが蒸発し、ナノ担体が懸濁液中で形成されるようにした。ナノ担体懸濁液を遠心分離管に移し、21,000rcfで45分間スピン回転し、上澄みを除去し、リン酸緩衝塩水中でペレットを再懸濁することによって、懸濁したナノ担体の一部を洗浄した。この洗浄手順を繰返し、次に、ペレットをリン酸緩衝塩水中に再懸濁して、ポリマーベースで8.1mg/mLの公称濃度を有する最終ナノ担体懸濁液を達成した。
【0191】
8.1mg/mLの2つのナノ粒子懸濁液を各々1:1で配合して合成ナノ担体混合物(NP−7)を形成して、さらに研究した。
【実施例6】
【0192】
実施例6.核酸はインビボでの抗体応答を増強する
実施例5で調製するような合成ナノ担体混合物NP−7である、閉じ込められたSelecta−7(SEQ ID NO:1)とのニコチンNPの混合物での免疫化を、アジュバント
【0193】
【数2】
【0194】
を含有しない同様のニコチンNP混合物による免疫化と比較した。0日目、14日目、および28日目に、100μgのNP−7または対照NP
【0195】
【数3】
【0196】
でマウスを皮下免疫化した。各々の免疫用量毎に、NP−7は7.4μgのSelecta−7を含有した。26日目に血清抗ニコチン抗体タイターをELISAで測定した(図3)。閉じ込められたSelecta−7とともにニコチンNPを加えると、25倍(by
a factor of 25)ニコチンに対する抗体応答が増強した。このように、開示する核酸は
インビボで活性であり、Selecta−7を含むNP−7はマウスにおいてニコチンに対する強力な抗体応答を誘発した。
【実施例7】
【0197】
実施例7.核酸を含有するナノ粒子は非ヒト霊長類において抗体応答を誘発する
実施例5で調製するような閉じ込められたSelecta−7(SEQ ID NO:1、NP−7)とのニコチンNPの混合物を非ヒト霊長類に投与して抗体応答の誘発を研究した。動物は、NP−7の注射の間に4週間の間隔を空けて、合計3回のワクチン接種を受けた(以下の詳細なスケジュールを参照)。各々の手順の時点で、筋肉内投与する10mg/kgのケタミン−HClで動物を鎮静させた。皮下経路を介して1mlの試験物質を投与した。簡単に述べると、四頭筋上の皮膚を剃り、アルコールで拭き、乾燥させた。次に免疫化材料を23ゲージの1インチ針を介して投与した。動物をモニタし、目覚めると自身のケージに戻した。各手順毎に鎮静化させた際に動物を計量した。以下のスケジュールに従って、血液サンプルおよび5mlの血清(抗体分析に用いた)をほぼ隔週の間隔で集めた。
【0198】
採血前:−14日目
1回目のワクチン接種:0日目
静脈切開:14日目
2回目のワクチン接種:28日目
静脈切開:42日目
3回目のワクチン接種:56日目
静脈切開:70日目
静脈切開 84日目
血清サンプルを分注し、−20℃で保存し、ELISAにより抗ニコチンおよび抗担体抗体についてアッセイした。抗ニコチン抗体の測定のため、96ウェルELISAプレートをポリリシン−ニコチンで被覆し、4℃で1晩インキュベートした。抗担体抗体の測定のため、96ウェルELISAプレートをポリリシン−PEG希釈1:100またはベースナノ粒子希釈1:1000のいずれかで被覆し(ベースナノ粒子がニコチンを含有することを除き、注射に用いたのと同じ調剤)、4℃で1晩インキュベートした。プレートを洗浄し、PBS中10%のFBSで室温で2時間ブロックした。プレートを洗浄し、血清サンプルをELISAプレートのいちばん上の列に加え、PBS中10%のFBS中で3倍の段階でプレート下方へ希釈していった。ポリリシン−ニコチン被覆プレート用の各プレート上の2つのカラムでモノクローナルマウス抗ニコチン抗体を標準陽性対照として用いた。ポリリシン−PEGおよびベースナノ粒子被覆プレートについては、モノクローナルウサギ抗PEG抗体を陽性対照として用いた。陰性対照については、免疫化していない動物からのアイソタイプ対照抗体または血清を用いた。血清サンプルを加えた後、プレートを室温で2時間インキュベートした。プレートを洗浄し、ビオチン化抗サルIgGをプレートに加えた。ビオチン化マウス抗体標準については、ヤギ抗マウスIg(合計)をプレートに加えた。プレートを室温で1時間インキュベートし、洗浄し、ストレプトアビジン−ホースラディッシュベルオキシダーゼ(SA−HRP)をプレートに加えた。室温での30分のインキュベーションの後、プレートを洗浄し、TMB基質を加えた。プレート
を暗所で室温で15分間インキュベートし、停止溶液(2NH2SO4)をプレートに加え、450および570nmでのOD読取をプレートリーダを用いて取った。生成された4パラメータロジスティック曲線当てはめグラフに基づく抗ニコチン抗体の半値有効濃度(EC50)を各サンプル毎に算出した。
【0199】
ニコチンに対する血清抗体の親和性を3H標識付けニコチンを用いた平衡透析法によって測定した。Kd(抗体親和性)およびBmax(抗体濃度)は、遊離対結合リガンド飽和曲線に基づいて判断した。サルにおける親和性測定は2回目のブーストの14日後の70日目に行なった。
【0200】
NP−7(0.9−8.1mg)は、用量に依存した態様で、ニコチンに対する抗体を誘発した。最後のブースト後少なくとも2ヶ月間、3回の最も高用量のNP−7で免疫化した動物においてかなりのタイター(50,000−150,000)が持続した。NP−7抗体応答は、実験の持続時間を通して用量依存であった(図4)。データは、アジュバントとしてSelecta−7を含有するNP−7が非ヒト霊長類において強い用量依存抗体応答を誘発できたことを示す。
【0201】
他の実現例
発明の多数の実現例を説明した。それにも拘らず、発明の精神および範囲から逸脱することなくさまざまな修正をなすことができることが理解されるであろう。応じて、他の実現例が以下の請求項の範囲内に入る。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2
図3
図4
【配列表】
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