(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1の磁気ボード(カラーお絵描き玩具)では、磁気ペンで描いた絵や文字等を消去する際に、描いたものを一切残すことができない。そのため、描いたものを保存しておきたい場合であってもそれが不可能であり、柔軟性に欠けるという問題がある。
【0008】
一方、特許文献2の手書き入力装置は、筆跡データを記憶させることが可能であるが、透明ELシートは非常に高価であり、また、専用の操作部が必要であるため、手書き入力装置の作製に費用と時間を要するという問題がある。
【0009】
また、PCと連動するタッチパネルでは、重く大きい欠点があり、コストも高い。最近では、アップル社のiパッドが登場し、手書き入力に適した面積を有し、薄くて軽いタッチパネル式コンピュータも登場したが、やはり高コストである。
【0010】
さらに、特許文献3、4の手書き入力装置は、簡易で低コストであるが、専用の用紙に書き込まれた文字や図をすばやく消去することができず、仮に消去できたとしても跡が残り機密性の高い情報や個人情報などはシュレッダー等を用いて一々処分しなければならない問題がある。
【0011】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、手書きした文字等を消去可能であり、さらに、消去した文字等を保存可能である手書き入力ボードを、簡易かつ安価に提供することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(1)上記課題を解決するために、本発明に係る手書き入力ボードは、座標値および/またはコード値が繰り返し定義されたドットパターンが少なくとも一部領域に配置され、該一部領域の少なくとも一部に書き込み領域が設けられた表示パネルと、該表示パネルをなぞるかまたはタッチして軌跡を描くスキャナーペンを備えた手書き入力ボードであって、該スキャナーペンは、該表示パネルに設けられた該ドットパターンを光学的に読み取る光学読取手段とドットコード解析手段を設け、該表示パネルをなぞるかまたはタッチして該ドットパターンを連続して撮像し、該ドットコード解析手段により、該ドットパターンを解析して座標値および/またはコード値を出力し、該スキャナーペンでなぞるかまたはタッチした軌跡を所定の表示方法により該表示パネルに可視的に表示し、表示された該軌跡を消去するための消去手段を備えたことを特徴とする。
【0013】
これによれば、専用スキャナーペンでなぞって書き込みおよび消去が繰り返し可能で、書き込んだ軌跡を出力する手書き入力ボードを、簡易かつ安価に提供することが可能となる。さらに、機密性の高い情報や個人情報等でも書き込み後すぐ消去することにより機密性を確保できる。
【0014】
(2)さらに、前記少なくとも一部領域に配置されたドットパターンには、所定の領域または全領域に前記表示パネルを特定するためコード値が定義されている、ことを特徴とする。
【0015】
これによれば、手書き入力ボードを簡易に特定することが可能となる。この発明による手書きボードは、1つのスキャナーペンで複数の手書き入力ボードに描いた軌跡がどの手書き入力ボードに描かれたかを特定できる。
【0016】
(3)さらに、前記少なくとも一部領域に配置されたドットパターンには、所定の領域に指示命令および/または情報が関連付けられたコード値が定義されている、ことを特徴とする。
【0017】
これによれば、書き込み領域に文字や絵等の入力を行った後で後述する送信手段に送信したり、記憶手段に記憶させたり、手書き入力以外の種々の操作を簡易に行うことが可能となる。
【0018】
(4)さらに、前記表示パネルは、少なくとも前記ドットパターンが配置された領域において、赤外線を吸収するインクで印刷された該ドットパターンを配置し、該ドットパターンを形成するドット部分を除く領域は赤外線を反射し、前記光学読取手段は、所定の波長の赤外線を照射する赤外線照射手段と、所定の波長領域の赤外線のみを透過する赤外線フィルターと、少なくとも透過した該赤外線を撮像できるセンサーを備え、該表示パネルに形成された該ドットパターンを撮像する、ことを特徴とする。
【0019】
これによれば、表示パネルに赤外線を照射すると、ドットパターンが形成された部分は赤外線を吸収し、反射をしない。一方、ドットパターンが形成されていない部分は、赤外線を吸収せず、反射する。この反射した光は、レンズに入射され、反射光を発しないドットパターンだけが黒く写り、ドットパターンを読み取ることができる。
【0020】
また、赤外線フィルターを備えることにより、ドットパターンが形成されていない部分から発せられる可視光線を遮断し、赤外線のみをレンズに入射させることができる。
【0021】
(5)さらに、前記表示パネルには、該ドットパターンに赤外線を反射または透過するインクで画像を重畳印刷する、ことを特徴とする。
【0022】
このように、ドットパターンは赤外線を吸収するインク、画像は赤外線を反射または透過するインクで印刷することにより、画像に影響されることなく、ドットパターンの読み取りが可能となる。
【0023】
(6)さらに、前記表示パネルには、透過シートのいずれかの一面側に前記ドットパターンが配置されたドットパターン層が設けられ、該表示パネル側と反対側に該ドットパターン層が設けられた場合には、赤外線および可視光を透過する特性を有する保護層と、が該透過シートに積層されている情報入力補助シートが貼付されている、ことを特徴とする。
【0024】
これによれば、表示パネルに直接ドットパターンを形成する必要がない。したがって、従来の表示パネルに情報入力補助シートを装着するだけで本発明の手書き入力ボードを製造できるため、非常に簡易かつ低コストで本発明を実現することが可能となる。
【0025】
また、保護層を設けることにより、ドットの摩耗や汚れを防ぎ、シートを長期間使用することが可能となる。
【0026】
(7)さらに、前記表示パネルには、透過シートのいずれかの一面側に前記ドットパターンが配置されたドットパターン層が設けられ、該表示パネル側に該ドットパターン層が設けられた場合には、該ドットパターン層の上部に該赤外線反射層を積層し、該表示パネル側と反対側に該ドットパターン層が設けられた場合には、該ドットパターン層の下部に該赤外線反射層を積層し、該ドットパターン層の上部に赤外線および可視光を透過する特性を有する保護層と、が該透過シートに積層されている情報入力補助シートが貼付されている、ことを特徴とする。
【0027】
これによれば、情報入力補助シートを装着した表示パネル上での赤外線の吸収・透過等の特性が影響されることなく、赤外線照射手段から照射させる赤外線を反射させ、明るく鮮明なドットパターンのみを撮影でき、ドットコードを正確に解析できる。
【0028】
(8)さらに、前記赤外線反射層は、赤外線拡散反射層である、ことを特徴とする。
【0029】
通常の赤外線反射層では、赤外線反射層で照射した赤外線が鏡面反射して、赤外線がレンズに入射できない撮影領域が生じる場合(スキャナーペンを垂直に立てた場合、撮影領域の中央が真っ黒な状態で撮影されてしまい、ドットパターンをもれなく撮影することができなくなる現象)がある。赤外線拡散反射層を用いることにより、赤外線をレンズ内に均一に入射させることが可能となる。
【0030】
(9)さらに、前記表示パネルは、磁性粒子と分散媒とからなる分散流体を封入した磁気泳動表示パネルを設け、該磁気泳動表示パネルの少なくとも一部が前記書き込み領域であり、先端部に磁石を設けた前記スキャナーペンでなぞった軌跡が該磁性粒子の泳動により表示され、前記消去手段は、該磁気泳動表示パネルの裏側から磁化されたイレーザーでなぞって該書き込み領域に描かれた該軌跡を該磁性粒子の泳動により消去する、ことを特徴とする。
【0031】
(10)さらに、前記磁気泳動表示パネルは、少なくとも1以上のマイクロカプセル磁気泳動表示シートで形成されている、ことを特徴とする。
【0032】
これによれば、超薄型の書き込みと消去が繰り返し可能な手書き入力ボードを、簡易かつ安価に実現することが可能となる。また、消去手段が分離して備えられていてもよく、これによりマイクロカプセル磁気泳動表示シートを何枚も綴って持ち歩くことができ、分離された消去手段で消去可能である。
【0033】
(11)さらに、前記マイクロカプセル磁気泳動表示シートは、少なくとも2枚以上所定の方法で綴られている、ことを特徴とする。
【0034】
(12)さらに、前記磁性粒子は、発光材で着色されていることを特徴とする。
【0035】
これによれば、懐中電灯等で少し光を当てると、書き込んだ文字が光る。したがって、暗いところであっても、書き込んだ文字等を読むことが可能となる。
【0036】
発光材としては、シリケート系蛍光体、アルミン酸ケイ素系蛍光体等を用いることができる。
【0037】
(13)さらに、前記表示パネルは、顔料微粒子と分散媒とからなる分散流体を封入した電気泳動パネルを設け、該電気泳動表示パネルの少なくとも一部が前記書き込み領域であり、先端部に電極を設けた前記スキャナーペンでなぞるかまたはタッチした軌跡が該顔料微粒子の泳動により表示され、前記消去手段は、電圧印加により該書き込み領域に描かれた該軌跡を該顔料微粒子の泳動により消去する、ことを特徴とする。
【0038】
(14)さらに、前記電機泳動表示パネルは、少なくとも1以上のマイクロカプセル電機泳動表示シートで形成されている、ことを特徴とする。
【0039】
これによれば、磁気泳動表示パネルよりも、より文字を細く鮮明に手書き入力を行うことが可能となる。
【0040】
(15)さらに、前記分散流体に赤外線反射粒子を混入し、赤外線を拡散反射させる、ことを特徴とする。
【0041】
これによれば、表示パネルや情報入力補助シートに、別途赤外線拡散反射のための層を設けなくても、赤外線照射手段から照射した赤外線を拡散反射させ、光学読取手段のレンズ内に均一に入射させることが可能となる。
【0042】
(16)さらに、前記スキャナーペンには、さらに軌跡情報生成手段を備え、該スキャナーペンで前記表示パネルをなぞるかまたはタッチして軌跡を描いて読み取った座標値および/またはコード値を、前記ドットコード解析手段で前記書き込み領域かそれ以外の領域をなぞるかまたはタッチした軌跡かを区別して、該書き込み領域の場合は、該軌跡情報生成手段で軌跡情報を生成する、ことを特徴とする。
【0043】
これによれば、表示パネルに設けられたドットパターンの座標値および/またコード値を解析することで、軌跡が描かれた領域が書き込み領域かそれ以外の領域であるかを認識することができる。そして、軌跡が描かれた領域が書き込み領域である場合のみ、軌跡情報を生成することができる。
【0044】
(17)さらに、前記スキャナーペンには、さらに記憶手段を備え、前記軌跡情報を該記憶手段で記憶媒体に記憶する、ことを特徴とする。
【0045】
これによれば、軌跡を消去した後でも、軌跡情報を保存しておくことが可能となる。
【0046】
(18)さらに、前記スキャナーペンには、さらに送信手段を備え、前記軌跡情報を該送信手段で情報処理装置に対し送信する、ことを特徴とする。
【0047】
これによれば、軌跡情報を情報処理装置に保存し、さらに情報処理装置(パーソナルコンピュータ等)に接続されたディスプレイに軌跡情報を表示させたり、軌跡情報を解析し文字や図形を認識することが可能となる。
【0048】
(19)さらに、前記スキャナーペンは、さらに所定の音声を認識すると前記軌跡情報を前記送信手段で前記情報処理装置に対し送信する、音声認識手段を備え、該軌跡情報に対応する前記軌跡を前記消去手段で消去する際に該所定の音声を発生する音声発生手段を備えている、ことを特徴とする。
【0049】
これによれば、ユーザは、軌跡情報を消去するときに音声を発生させるのみで、軌跡情報を情報処理装置に送信することが可能となる。したがって、ユーザは、何度もボタンを押下する等、複雑な操作をすることなく、簡単に必要な軌跡情報を情報処理装置に送信し、保存することができる。
【0050】
なお、音声の発生は、電子的な機構によるものであっても、物理的な機構によるものであってもよい。当然、電源を一切使用せずに音声を発生させて、スキャナーペンは、この音声を電子的に認識することができる。物理的な機構により音声を発生させれば、手書き入力ボード側には、電子的・電気的機構が全く不要であるため、簡易かつ低コストで手書き入力ボードを提供することができる。
【0051】
(20)さらに、前記手書き入力ボードは、摺動機構を備えており、当該摺動機構の作動により、前記スキャナーペンの軌跡を可視的に消去可能にするとともに、前記摺動機構の所定周波数の動作音を発生させる手段を備えており、前記スキャナーペンは、前記所定周波数の動作音を検出することによって、前記軌跡情報を前記送信手段を経由して前記情報処理装置に対して送信することにより、手書き入力ボード側に電子機構を備えることなく可視的な軌跡の消去と同時にスキャナーペンからの軌跡情報の送信を可能にしたことを特徴とする。
【0052】
これによれば、スキャナーペンの軌跡を可視的に消去するとともに、摺動機構の作動による動作音が出てくる。この動作音の周波数によって、消去した領域を認識し当該領域の軌跡情報のみを送信することができる。
【0053】
(21)さらに、前記音声発生手段は、前記摺動機構の衝突音を発生させるか、またはさせないための物理的なボタンを備えている、ことを特徴とする。
【0054】
これによれば、軌跡情報を情報処理装置に送信したい場合には衝突音を発生させ、軌跡情報を送信せずにそのまま消去したい場合には衝突音を発生させない、という選択的な処理を容易に行うことができる。
【0055】
(22)さらに、前記手書き入力ボードは、前記摺動機構に対する物理的な係合部を備え、前記音声発生手段は、前記消去手段で消去する前記軌跡が表示された領域に連動する所定の音声を発生させ、前記音声認識手段は、該所定の音声を認識し、該音声に連動した領域に表示されていた該軌跡に対応する前記軌跡情報を前記送信手段で前記情報処理装置に対し送信する、ことを特徴とする。
【0056】
これによれば、所定の音声により、消去した領域を認識し当該領域の軌跡情報のみを送信することができる。
【0057】
(23)さらに、前記スキャナーペンには、さらに出力手段を備え、該スキャナーペンで前記表示パネルをなぞるかまたはタッチして軌跡を描いて読み取った座標値および/またはコード値を、前記ドットコード解析手段で前記書き込み領域かそれ以外の領域をなぞるかまたはタッチした軌跡かを区別して、該書き込み領域以外の場合は、該座標値および/またはコード値に対応する音声および/または画像を出力手段で出力・表示する、ことを特徴とする。
【0058】
これによれば、スキャナーペンでなぞるかタッチして軌跡を読み取り解析することにより、書き込み領域以外の軌跡の場合、当該軌跡に対応する音声や画像の出力・表示が可能であるため、手書き入力だけではなく関連する情報の入出力装置として利用できる。
【0059】
(24)さらに、前記スキャナーペンには、さらに軌跡情報解析手段を備え、前記書き込み領域の場合は、前記軌跡情報生成手段で軌跡情報を生成し、該軌跡情報を該軌跡情報解析手段で解析し、対応する音声および/または画像を出力手段で出力・表示する、ことを特徴とする。
【0060】
これによれば、軌跡情報を情報処理装置に送信することなく、スキャナーペンだけで軌跡情報を解析し対応する情報を出力でき利便性の高い手書き入力ボードを提供できる。
【0061】
(25)さらに、前記軌跡情報生成手段は、前記書き込み領域以外の所定の領域を前記スキャナーペンでタッチした後、前記書き込み領域に任意の数字および/または記号をなぞって描き、前記消去手段で消去し、続けて該書き込み領域になぞって描いた軌跡と該所定の数字および/または記号をインデックスとして前記軌跡情報を生成する、ことを特徴とする。
【0062】
これによれば、軌跡情報を容易に検索して出力することができる。
【0063】
(26)さらに、前記スキャナーペンは、手書き入力ボードに備えられた前記消去手段に替えて、前記表示パネルに表示された軌跡を消去するための消去手段を設け、該軌跡の一部または全部を消去できる、ことを特徴とする。
【0064】
(27)さらに、前記スキャナーペンは、前記光学読取手段の反対側端部および/または腹部に、前記イレーザー(磁化されたイレーザー)を設け、前記軌跡の一部または全部を消去できる、ことを特徴とする。
【0065】
(28)さらに、前記スキャナーペンは、前記光学読取手段の反対側端部および/または腹部に、前記イレーザーを設け、前記軌跡の一部または全部を消去することが可能である、ことを特徴とする。
【0066】
これによれば、スキャナーペンで描いた領域全体をスキャナーペンの腹部で消去し、一部だけをスキャナーペンの反対側端部で消去することができる。さらに、手書き入力ボードに消去手段を設ける必要がなくなり、薄いシート状の手書き入力ボードとして利用でき、複数の手書き入力シートを綴って持ち歩くことができ携帯性に優れ、より簡易かつ安価に手書き入力ボードを製造することができる。
(29)さらに、前記スキャナーペンは、防水処理を施してある、ことを特徴とする。
【0067】
これによれば、雨に濡れたり水気の多いところに置いたりしても壊れることのない、丈夫なスキャナーペンを提供することができる。また、スキューバーダイビングでよく利用される海中でのコミニュケーションボードとして描いた情報を記録し、後に陸上で当該情報を出力することができ、情報を正確に記録すると共に楽しみが倍増できる。
【0068】
(30)本発明に係る手書き入力ボードを用いた情報処理システムは、座標値および/またはコード値が繰り返し定義されたドットパターンが少なくとも一部領域に配置され、該一部領域の少なくとも一部に書き込み領域が設けられた表示パネルと、該表示パネルに表示された軌跡を消去するための消去手段を備えた手書き入力ボードと、該表示パネルに設けられた該ドットパターンを光学的に読み取る光学読取手段と、該ドットパターンを解析して座標値および/またはコード値を出力するドットコード解析手段と、該ドットコード解析手段により解析された座標値または、座標値およびコード値から軌跡情報を生成する軌跡情報生成手段と、該軌跡情報または、座標値および/またはコード値を送信する送信手段と、を備えたスキャナーペンと、該スキャナーペンと有線または無線で接続された、該軌跡情報を解析する軌跡情報解析手段を備えた情報処理装置と、を備えた手書き入力ボードを用いた情報処理システムであって、該光学読取手段は、該スキャナーペンで該表示パネルをなぞるかまたはタッチして軌跡を描いて該表示パネルに設けられたドットパターンを連続して撮像し、該ドットコード解析手段は、該ドットパターンを解析して、座標値および/またはコード値を出力し、該表示パネルは、該軌跡を表示し、該軌跡情報生成手段は、該書き込み領域に描かれた座標値および/またはコード値から該軌跡情報を生成し、該送信手段は、該軌跡情報または、座標値および/またはコード値を該情報処理装置に送信し、該情報処理装置は、該軌跡情報を該軌跡情報解析手段で認識し、該認識または、該座標値および/またはコード値に対応した指示命令の実行および/または関連付けられた情報の出力を行う、ことを特徴とする。
【0069】
これによれば、ユーザが手書き入力ボードに、実行したい指示命令や入出力したい情報を手書きし、情報処理装置に送信するだけで、それに対応した指示命令の実行や、情報の入出力が行われる。したがって、キーボードへの入力等、煩雑な操作を行うことなく、ユーザが所望の処理を行うことが可能となる。
【0070】
(31)さらに、前記情報処理手段は、前記記憶装置が装着されると、前記座標値および/またはコード値に対応した指示命令の実行またはマルチメディア情報の出力を行う、ことを特徴とする。
【0071】
これによれば、スキャナーペンから情報処理装置への無線または有線による送信処理ができない状況であっても、軌跡情報に対応する指示命令の実行や、情報の出力を情報処理装置から行うことが可能である。
【0072】
(32)本発明に係る手書き入力ボードを用いた情報処理システムは、座標値および/またはコード値が繰り返し定義されたドットパターンが少なくとも一部領域に配置され、該一部領域の少なくとも一部に書き込み領域が設けられた表示パネルと、該表示パネルに表示された軌跡を消去するための消去手段を備えた複数の手書き入力ボードと、該表示パネルに設けられた該ドットパターンを光学的に読み取る光学読取手段と、該ドットパターンを解析して座標値および/またはコード値を出力するドットコード解析手段と、該ドットコード解析手段により解析された座標値または、座標値およびコード値から軌跡情報を生成する軌跡情報生成手段と、該軌跡情報または、座標値および/またはコード値を送信する送信手段と、を備えた複数のスキャナーペンと、該スキャナーペンと有線または無線で接続された、該軌跡情報を解析する軌跡情報解析手段を備えた1または複数の情報処理装置と、を備えた手書き入力ボードを用いた情報処理システムであって、該情報処理装置は、いずれかのスキャナーペンの送信手段から送信された該軌跡情報およびスキャナーペンのIDを認識し、該軌跡情報の認識または、該座標値および/またはコード値に対応した指示命令の実行および/または関連付けられた情報の出力を行う、ことを特徴とする。
【0073】
これによれば、複数のスキャナーペンが接続された情報処理装置に対して、スキャナーペンの使用者が様々な情報の入力や操作指示を行うことによって、当該スキャナーペンのIDに基づいた処理を情報処理装置が行うシンクライアントとしてシステムを構築できる。例えば、ブレーンストーミング等の会議において、出席者が各自スキャナーペンと手書き入力ボードを持参し、発言をしたいときにスキャナーペンで手書きすれば、それが誰の発言であるのかが認識される。したがって、各出席者は、コンピュータを持参する必要がないため、非常に簡易かつ便利である。
【0074】
(33)さらに、前記ドットパターンは、所定の規則にしたがって線状に連続して複数の基準ドットを配置する工程と、該複数の基準ドットを結ぶ、直線、折れ線および/または曲線からなる第一の仮想基準線を設ける工程と、該基準ドットおよび/または該第一の仮想基準線から所定の位置に定義される、直線および/または曲線からなる少なくとも1以上の第二の仮想基準線を設ける工程と、該第二の仮想基準線上の所定の位置に複数の仮想基準点を設ける工程と、該仮想基準点を始点としてベクトルにより表現した終点に、該仮想基準点からの距離と方向とでXY座標値および/またはコード値が定義される情報ドットを配置する工程に従って配列した、ストリームドットパターンが複数並べて形成されていることを特徴とする。
【0075】
これによれば、基準点の間隔が一定のストリームドットパターンが複数並べて形成されることにより、XY座標値が書き込み領域に隙間なく定義され軌跡情報を生成することができ手書き入力が可能となる。さらに、文字や五線譜、地図、図形などが手書き入力ボードに印刷され、その線分上をスキャナーペンでなぞるかまたはタッチして操作する場合、その線分に沿ってのみストリームドットパターンを形成することにより、合理的にドットパターンを配置できる。また、XY座標が定義されたドットパターンを2次元コードとして形成される際(インデックスとして使用)の矩形領域の形状に制約されることなく、媒体表面上に可視的に形成された情報領域に合わせた自由な形状での一定情報のまとまりの繰り返しによるドットパターンを形成することが可能となる。
【0076】
(34)さらに、前記ストリームドットは、第二の仮想基準線を定義するために、および/または前記ドットパターンの方向と1つのXY座標値および/またはコード値を定義するために、さらに基準となる基準ドットを所定の位置に設けたことを特徴とする。
【0077】
これによれば、新たな基準点を設けることにより、ストリームドットパターンの向きと一定情報のまとまりを、情報ドットを使用せず簡易に定義することができ、余計な情報の低減を押さえられる。さらに、新たな基準点の配置により情報ドットの始点となる仮想基準点の位置を正確に示すことができる。
【発明の効果】
【0078】
本発明によれば、繰り返し書き込みおよび消去ができ、書き込みした文字等を保存・送信可能であるスキャナーペンを備えた手書き入力ボードを、簡易かつ安価に提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0080】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0081】
図1は、本発明の手書き入力ボードの使用状態の一例を示す外観図である。同図によれば、手書き入力ボードにスキャナーペンでなぞって書き込みをすると、書き込んだ文書が手書き入力ボードの表示パネルに可視的に表示される。さらに、ユーザが所定の操作を行うと、書き込んだとおりの文書がディスプレイに表示される。これは、スキャナーペンが、書き込んだ軌跡上のドットパターンを撮像して解析し、解析した軌跡情報をコンピュータに送信することにより実現する。
【0082】
図2は、手書き入力ボードの構造を示す図である。
【0083】
この手書き入力ボードは、表示パネルとイレーザー(消去手段)から構成されている。表示パネルは、詳細は後述するが、磁気泳動表示パネルまたは電気泳動表示パネルを使用している。また表示パネルには、後述するドットパターンが設けられている。
【0084】
イレーザーは、表示パネルに書き込まれた文書や絵柄を消去するためのものである。磁気泳動表示パネルを用いた場合には、イレーザーは永久磁石を用いる。イレーザーを表示パネルの裏面に沿ってスライドさせる。すると、表示パネルの表面に引きつけられていた磁性粒子は、今度はパネルの裏面に泳動していき、パネルの表面側から見ると、分散流体の色のみが見え、文書等の表示が消去されたことになる。
【0085】
図3は、スキャナーペンの先端部を示す断面図である。かかるスキャナーペンは、内部に中空部が形成され、その先端に開口部を有するライトガイドと、このライドガイドの開口部を臨む位置に配置されたレンズと、このレンズと同一面上に配置され、ドットパターンが形成された媒体面に所定波長の光を照射する光源としてのLEDと、レンズから後退した位置に配置されたC−MOSセンサ(光学読取手段)と、さらに後退した位置にPCBとそれに設置される図示しないCPUとを備えている。ライトガイドの中空部は、レンズから開口部に向かって次第に大径となるテーパ状に形成されている。ここで、CPUは後述のドットパターン解析部、軌跡認識部、処理命令部、情報処理装置、のいずれかまたはすべての役割を持つ。
【0086】
ライトガイドは、透明または乳白色の樹脂製であり、その内部が導光路として機能する。LEDからの照射光は、ライトガイドの内部を進行し、前記開口部より媒体に対して照射される。ライトガイドが乳白色の樹脂製である場合は、LEDからの照射光は、ライトガイド内を進行する際、ディフューザーとして適度に拡散されるので、開口部から媒体を照射する光をより均一にすることができる。
【0087】
なお、本スキャナーペンは、防水処理を施してもよい。防水処理の方法としては、先端部の開口部を透明板材(ガラス等)で塞ぎ、その他は防水性能を有する携帯電話や携帯音楽プレーヤー等に対して行われる防水処理と同様の方法でよい。
【0088】
防水処理を施すことにより、雨に濡れたり水気の多いところに置いたりしても壊れることのない、丈夫なスキャナーペンを提供することができる。また、スキューバーダイビングでよく利用される、海中でのコミュニケーションボードに描いた情報を記録し、後に陸上で当該情報を出力することができ、情報を正確に記録すると共に楽しみが倍増できる。
【0089】
図4から
図14は、ドットパターン1について説明したものである。
【0090】
<ドットパターンの説明 GRID1>
図4から
図9に基づいて、本実施形態において用いるドットパターン1の一例としてGRID1と称するドットパターンを説明する。なお、これらの図において、縦横斜め方向の格子線は説明の便宜のために付したものであり実際の印刷面には存在していない。
【0091】
図4において、ドットパターン1の構成要素とその位置関係を示す。ドットパターン1は、キードット2、情報ドット3、基準格子点ドット4、から構成される。
【0092】
ドットパターン1は、ドットコード生成アルゴリズムにより、数値情報を認識させるために微細なドット、すなわち、キードット2、情報ドット3、基準格子点ドット4を所定の規則に則って配列することにより生成される。
【0093】
図4に示すように、情報を表すドットパターン1のブロックは、キードット2を基準に5×5の基準格子点ドット4を配置し、4点の基準格子点ドット4に囲まれた中心の仮想格子点5の周囲に情報ドット3を配置して構成される。このブロックには任意の数値情報が定義される。なお、
図4の例では、ドットパターン1のブロック(太線枠内)を4個並列させた状態を示している。ただし、ドットパターン1は4ブロックに限定されないことは勿論である。
【0094】
キードット2は、
図4に示すように、ブロックの四隅の角部にある4個の基準格子点ドット4を一定方向にずらして配置したドットである。このキードット2は、情報ドット3を含んだ1ブロック分のドットパターン1の代表点である。例えば、ドットパターン1のブロックの四隅の角部にある基準格子点ドット4を上方に0.1mmずらしたものである。ただし、この数値はこれに限定されずに、ドットパターン1のブロックの大小に応じて可変し得るものである。
【0095】
キードット2のずれは、基準格子点ドット4および情報ドット3との誤認を避けるために、格子間隔の20%前後が望ましい。
【0096】
情報ドット3は、種々の情報を認識させるドットである。情報ドット3は、キードット2を代表点にして、その周辺に配置されると共に、4点の基準格子点ドット4により囲まれた格子の中心を仮想格子点5として、この仮想格子点5を始点としたベクトルにより表現された終点に配置したものである。
【0097】
情報ドット3と、4点の基準格子点ドット4で囲まれた仮想格子点5との間隔は、隣接する仮想格子点5との間の距離の15〜30%程度の間隔であることが望ましい。情報ドット3と仮想格子点5間の距離がこの間隔より近いと、ドット同士が大きな塊と視認されやすく、ドットパターン1として見苦しくなるからである。逆に、情報ドット3と仮想格子点5との間の距離がこの間隔より遠いと、隣接するいずれの仮想格子点5を始点としてベクトル方向性を持たせた情報ドット3であるかの認定が困難になるためである。
【0098】
基準格子点ドット4は、センサユニットを用いてドットパターン1を画像データとして取り込む際に、センサユニットのレンズの歪みや斜めからの撮像、紙面の伸縮、媒体表面の湾曲、印刷時の歪みを矯正することが出来る。具体的には歪んだ4点の基準格子点ドット4を元の正方形に変換する補正用の関数(X
n,Y
n)=f(X
n’,Y
n’)を求め、その同一の関数を用いて情報ドット3を補正して、正しい情報ドット3のベクトルを求める。
【0099】
ドットパターン1に基準格子点ドット4を配置してあると、このドットパターン1をセンサユニットにより取り込んだ画像データでは、センサユニットが原因となる歪みが補正されるので、歪み率の高いレンズを付けた普及型のセンサユニットによりドットパターン1の画像データを取り込む時にも、ドットの配置を正確に認識することが出来る。また、ドットパターン1の面に対してセンサユニットを傾けて読み取っても、そのドットパターン1を正確に認識することが出来る。
【0100】
キードット2、情報ドット3、基準格子点ドット4は、センサユニットが赤外線の照射によるドット読み取りを行う場合、当該赤外光を吸収する不可視インクまたはカーボンインクを用いて印刷されていることが望ましい。
【0101】
通常のインクジェットプリンタ等により、比較的微細なドットパターン1を印刷する場合、基準格子点ドット4同士の間隔(すなわち格子のサイズ)は、最小限0.5mm程度でもよい。オフセット印刷の場合、最小限0.3mm程度でもよい。
【0102】
半導体製造工程における露光技術等を用いて超微細なドットパターン1を形成する場合、基準格子点ドット4同士の間隔は、数μm程度でもよいし、nm単位のデザインルールを用いれば、さらに微細なドット間隔を持つドットパターン1を形成することも出来る。
【0103】
もちろん、基準格子点ドット4同士の間隔は、上記最小値以上であれば、ドットパターン1の用途により、どのような値を用いてもよい。
【0104】
また、キードット2、情報ドット3、基準格子点ドット4の直径は、基準格子点ドット4同士の間隔の10%程度が望ましい。
【0105】
図5において、情報ドット3の配置方法による情報定義方法の例を示す。これらの図は、情報ドット3の位置と、その位置により定義された情報のビット表示の一例とを示す拡大図である。
【0106】
図5(a)において、情報ドット3が、ベクトルで表現される方向と長さを有するように、仮想格子点5から距離をずらされ(例えば0.1mm)、時計方向に45度ずつ回転させて8方向に配置され、3ビットの情報を表現する定義方法の例を示す。この例では、ドットパターン1は、1ブロックあたり16個の情報ドット3を含むので、3ビット×16個=48ビットの情報を表現することが出来る。
【0107】
図5(b)において、ドットパターン1が格子毎に2ビットの情報を有する情報ドット3の定義方法の例を示す。この例では、プラス(+)方向および斜め(×)方向に情報ドット3を仮想格子点5からずらして、情報ドット3あたり2ビットの情報を定義している。この定義方法では、
図5(a)に示す定義方法(本来48ビットの情報を定義できる)と異なり、用途によっては1個のブロック内を、プラス(+)方向にずらす格子と、斜め(×)方向にずらす格子とに分割して、32ビット(2ビットX16格子)のデータを与えることが出来る。
【0108】
なお、1個のブロックに含まれる16個の格子に配置する情報ドット3をずらす方向の組み合わせとして、格子毎にプラス(+)方向および斜め(×)方向へのずらし方を組み合わせると、最大2
16(約65000)通りのドットパターンフォーマットが実現できる。
【0109】
なお、これに限定されずに、16方向に配置して4ビットを表現することも可能であり、種々変更できることは勿論である。
【0110】
図4に示すように、1個のドットパターンは、4×4個のブロック領域で構成されたドットパターンであり、各ブロック内には2ビットの情報ドット3が配置されている。この情報ドット3のドットコードフォーマットを示したものが
図6である。
【0111】
図6に示すように、1個のドットパターン中には、パリティチェック、コード値、X座標、Y座標が記録されている。
【0112】
図7において、情報ドット3の他の配置方法による情報の定義方法の例を示す。この定義方法では、情報ドット3を配置する際、基準格子点ドット4により囲まれた仮想格子点5からのずらし量として、長・短の2種類を使用し、ベクトル方向を8方向とするので、16通りの配置を定義でき、4ビットの情報を表現することが出来る。
【0113】
この定義方法を用いるとき、長い方のずらし量は、隣接する仮想格子点5間の距離の25〜30%程度とし、短い方のずらし量は、15〜20%程度とする事が望ましい。但し、長・短の情報ドット3をずらす方向が同一となる場合でも、それらの情報ドット3を区別して認識できるように、それらの情報ドット3の中心間隔は、情報ドット3の径より離れていることが望ましい。
【0114】
なお、4ビットの情報を定義する方法は、上記の定義方法に限定されず、情報ドット3を16方向に配置して4ビットを表現することも可能であり、種々変更できることは勿論である。
【0115】
図8において、1個の格子あたり複数の情報ドット3を配置する方法による情報の定義方法の例を示す。
図8(a)は、情報ドット3を2個配置する例であり、
図8(b)は、情報ドット3を4個配置する例であり、
図8(c)は、情報ドット3を5個配置する例を示す。
【0116】
4点の基準格子点ドット4により囲まれた1個の格子あたりの情報ドット3の個数は、見栄えを考慮し、1個が望ましい。しかし、見栄えを無視し、情報量を多くしたい場合は、1ベクトル毎に、1ビットを割り当て、情報ドット3として複数のドットを用いて表現することにより、多量の情報を定義することが出来る。例えば、同心円8方向のベクトルでは、1個の格子あたり2
8の情報を表現でき、16個の格子を含む1ブロックあたり2
128の情報を表現できる。
【0117】
ドットパターン1の認識は、ドットパターン1をセンサユニットにより画像データとして取り込み、まず、基準格子点ドット4を抽出し、次に、本来ならば基準格子点ドット4があるべき位置にドットが打たれていないことによってキードット2を抽出し、次に、情報ドット3を抽出することにより行われる。
【0118】
図9において、情報ドット3を含んだ格子の他の配列例を示す。同図(a)は、1個のブロック内に格子を6個(2×3)配置した例であり、同図(b)は、1個のブロック内に格子を9個(3×3)配置した例であり、同図(c)は、1個のブロック内に格子を12個(3×4)配置した例であり、同図(d)は、1個のブロック内に格子を36個配置した例である。このように、ドットパターン1において、1ブロックに含まれる格子の数は、16個に限定されずに、種々変更することが出来る。
【0119】
すなわち、必要とする情報量の多少またはセンサユニットの解像度に応じて、1ブロックに含まれる格子の数と1つの格子に含まれる情報ドット3の数を調整することにより、ドットパターン1に記録できる情報の量を柔軟に調整することが出来る。
【0120】
<ドットパターンの説明 GRID5>
図10において、他のドットパターンの例(GRID5)を示す。
【0121】
図10(a)において、ドットパターンにおける、基準点ドット6a〜6e、仮想基準点6f〜6i、および情報ドット3の位置関係を示す。
【0122】
ドットパターンは、ブロックの形状により、ドットパターンの方向を定義したものである。GRID5では、まず基準点ドット6a〜6eが配置される。基準点ドット6a〜6eを順に結ぶ線により、ブロックの向きを示す形状(ここでは上方を向いた5角形)が定義される。次に、基準点ドット6a〜6eの配置に基づき、仮想基準点6f〜6iが定義される。次に、仮想基準点6f〜6iのそれぞれを始点として方向と長さを有するベクトルが定義される。最後に、ベクトルの終点に情報ドット3が配置される。
【0123】
このように、GRID5では、ブロックの向きを基準点ドット6a〜6eの配置の仕方によって定義することが出来る。そしてブロックの向きが定義されることにより、ブロック全体の大きさも定義される。
【0124】
同図(b)において、ブロックの仮想基準点6f〜6i上に情報ドット3があるか否かにより、情報を定義する例を示す。
【0125】
同図(c)において、GRID5のブロックを縦横方向に2個ずつ連結した例を示す。ただし、ブロックを連結して配置する方向は、縦横方向に限定されず、いかなる方向に配置して連結してもよい。
【0126】
なお、
図10においては、基準点ドット6a〜6eおよび情報ドット3は、全て同一形状として示しているが、基準点ドット6a〜6eと情報ドット3とは、異なる形状でもよく、例えば、基準点ドット6a〜6eが、情報ドット3よりも大きな形状としてもよい。また、基準点ドット6a〜6eと情報ドット3とは、識別可能であればいかなる形状としてもよく、円形、三角形、四角形、またはそれ以上の多角形であってもよい。
【0127】
<ドットパターンの説明 ストリームドット>
次に、
図11〜
図13を参照しながら本発明に用いられるドットパターンの形成方法の一例について説明する。
【0128】
図11、
図12は、ストリームドットパターンを形成する工程の一例を順に示すものである。
【0129】
本発明に係るドットパターンは、従来のドットパターンとは異なり、まず工程1として媒体表面上の可視的な情報に対応して、情報を入出力させたい箇所に基準ドット7を線状に連続して複数個配置する。
【0130】
図11(a)では基準ドット7を曲線状に配置しているが、基準ドット7の配置はこれに限定されるものではなく、直線と曲線を織り交ぜたり、複数の線分により構成される折れ線状にするなど、情報を入出力させる領域にあわせた形状にドットパターンを形成するための種々の変更が可能である。
【0131】
また、媒体表面上に可視的に形成された実在線上に基準ドット7を配置してもよいし、実在線に沿って所定の規則により基準ドット7を配置してもよい。ここでいう実在線とは仮想線に対する概念で、実際に存在している線の全てを含むものである。例えば、実線、破線、点線、直線や曲線などが挙げられ、本発明においては、線が形成される媒体(例えば映像表示装置のディスプレイ)や、線を構成する物質(例えばインク)の如何を問わない。なお、ドットパターンは、印刷やディスプレイ表示、さらに金属やプラスチック上での穴や溝等の凸凹であってもよい。
【0132】
なお、基準ドットは読取り精度向上の観点から、等間隔に配置することが望ましいが、これに限定されるものではなく、複数の間隔を混在させてドットパターンの一定情報のまとまりを定義したり、一定情報のまとまり内における3つの異なる基準ドットの配置間隔によりドットパターンの一定情報のまとまりとドットパターンの方向の両方を定義することも可能である。
【0133】
次に、工程2として、線状に配置された基準ドット7を結ぶ、第一の仮想基準線8を設ける。
図11(b)では第一の仮想基準線8を曲線により設けているが、第一の仮想基準線8はこれに限定されるものではなく、曲線状に配置された基準ドット7に対して直線の第一の仮想基準線8を設けてもよいし、直線状に配置された基準ドット7に対して曲線の第一の仮想基準線8を設けてもよい。すなわち、後述する工程3〜工程5における第二の仮想基準線9、仮想基準点10、情報ドット3をどの位置に配置するかによって、基準ドットを結ぶ、直線、折れ線および/または曲線からなる第一の仮想基準線8を自由に定義することが可能である。
【0134】
なお、
図13に例を示すように、曲線である場合の第一の仮想基準線8は、ベジェ曲線によることが望ましい。
【0135】
すなわち、まず、第一の仮想基準線8上にある基準ドット7をP0、P3とし、P1、P2を与えられた制御点とする。次に、制御点を順に結んで得られる3つの線分・P0―P1、P1―P2、P2―P3・をそれぞれ1対1の比率で分割する点P4、P5、P6を求める。そして、これらの点を順に結んで得られる2つの線分・P4―P5、P5―P6・を、それぞれ1対1の比率で分割する点P7、P8を求める。
【0136】
最後に、この2点を結ぶ線分・P7―P8・をさらに1対1の比率で分割する点P9を求め、この点がベジェ曲線上の点となる。
【0137】
この手順を繰り返し行うことで、P0、P1、P2、P3を制御点とするベジェ曲線が得られる。
【0138】
なお、ベジェ曲線に限らず、スプライン関数を利用して求められるスプライン曲線、n次多項式、楕円弧など、種々のアルゴリズムを用いて第一の仮想基準線8を設けてもよい。
【0139】
また、第二の仮想基準線9においても、第一の仮想基準線8と同様に当該方法を用いて曲線を定義することが可能である。
【0140】
次に、工程3として、線状に配置された基準ドット7および/または第一の仮想基準線8から所定の位置に定義される第二の仮想基準線9を設ける。
図11(c)では第二の仮想基準線9を、隣り合う基準ドット7の中間点における第一の仮想基準線8の接線に対して垂直線上の所定位置に向かって、隣り合う基準ドット7から任意の角度をもって設けているが、第二の仮想基準線9はこれに限定されるものではなく、後に示すようにドットパターンにより情報を入出力させたい領域に合わせて仮想基準点を設けるために、種々の方法により定義することが可能である。
【0141】
また、第一の仮想基準線8に対して片側のみに第二の仮想基準線9を設けてドットパターンの方向を定義してもよいし、情報量を増やすために両側各々に設けてもよい。
【0142】
次に、工程4として、第二の仮想基準線9上の所定の位置に複数の仮想基準点10を設ける。
図12(a)では仮想基準点10を、第二の仮想基準線9の交点、すなわち隣り合う基準ドット7を結んだ直線を底辺とし、第二の仮想基準線9を対辺とする二等辺三角形の頂点に設けているが、仮想基準点10の位置はこれに限定されるものではなく、第二の仮想基準線9の中点に設けたり、第二の仮想基準線9上に代えて基準ドット7上に設けるなど、種々の変更が可能である。
【0143】
そして、工程5として、仮想基準点10を始点としてベクトルにより表現した終点に情報ドット3を配置する。
図12(b)では情報ドット3を、仮想基準点10からのベクトル方向を8方向、仮想基準点10からの距離が等距離となるよう、一個の仮想基準点10に対し1個配置しているが、情報ドット3の配置はこれに限定されるものではなく、仮想基準点10上に配置したり、ベクトル方向を16方向として配置したり、一個の仮想基準点10に対し2個配置するなど、任意の方向に任意の長さに、複数配置することが可能である。
【0144】
図14は、ストリームドットパターンを上下方向に並べた状態の一例について示す図である。
【0145】
同図では、基準ドット、情報ドットの他に、キードットおよびサイドドットを配置している。キードットは、一定情報のまとまりの両端に配置されたドットである。このキードットは、ひとまとまりの情報ドット群を表す1領域分のドットパターン1の代表点である。サイドドットは、キードット2のずれの正負の延長線上に配置されたドットである。
【0146】
同図(b)は、基準ドットおよびストリームドットパターンを等間隔に並べている。このように、基準点の間隔が一定のストリームドットパターンが複数並べて形成されることにより、XY座標値が書き込み領域に隙間なく定義され軌跡情報を生成することができ手書き入力が可能となる。しかし、本発明に係るストリームドットパターンはこれに限らず、同図(a)に示すように、ドットパターン同士の間隔を任意に設定してよい。また、基準ドット同士の間隔も、任意に設定することができる。
【0147】
これにより、XY座標が定義されたドットパターンを2次元コードとして形成される際(インデックスとして使用)の矩形領域の形状に制約されることなく、媒体表面上に可視的に形成された情報領域に合わせた自由な形状での一定情報のまとまりの繰り返しによるドットパターンを形成することが可能となる。
【0148】
なお、本発明に係る仮想基準線及び仮想基準点は、実際に媒体表面上に印刷形成されるわけではなく、あくまでコンピュータの画像メモリ上に、ドットパターンの配置の際、またはドットパターンの読み取りの際に仮想的に設定されるものである。
【0149】
このストリームドットパターンを用いることで、地球儀を初めとする曲面体や、人体模型、立体地図などの三次元造形物にもドットパターンを形成することができ、平面地図や絵本等に限らず本発明に係る入出力装置を利用することが可能となる。
【0150】
図15は、本発明にかかる手書き入力ボードにおいて表示パネルに形成されるドットパターンのフォーマットについて説明する図である。
【0151】
なお、同図では、上述したGRID1のドットパターンを用いた場合について説明しているが、本発明においては、上述したディレクションドット、ストリームドット、その他のドットパターンを用いてもよい。
【0152】
図15(c)に示すごとく、ドットパターンは、4×4個のブロック領域で構成されたドットパターンであり、このブロック内でC
1−0〜C
31−30に区画されている。各領域のドットコードフォーマットを示したものが
図15(a)および(b)である。
【0153】
同図(a)は、表示パネルコードとX座標とY座標が登録されているフォーマットである。表示パネルコードとは、表示パネルに付与されたID等を意味するものであり、X座標およびY座標は、それぞれ、媒体上における位置(座標値)を意味するものである。これにより、ユーザがスキャナーペンで表示パネルをなぞるまたはタッチすると、使用された表示パネルおよび読み取った箇所の座標位置が一度の読み取り操作で同時に認識される。
【0154】
同図(b)は、表示パネルコードとアクションコードとX座標とY座標が登録されているフォーマットである。アクションコードとは、操作指示を意味するものである。例えば、「拡大」「縮小」等の操作を意味するもので、主に書き込み領域以外の領域に用いられるドットパターンに含まれている。
【0155】
このように、本発明のドットパターンは、表示パネルコードやアクションコード等、種々のコード情報とXY座標を一つのフォーマットに登録することができる。また、その他にも、XY座標のみ、あるいはコード情報のみを登録することもでき、柔軟性に富んだフォーマットが可能である。
【0156】
このようなドットパターンを表示パネルに設ける方法として、情報入力補助シートを用いる方法、表示パネルに直接印刷する方法、表示パネル内部に磁気的または電気的に埋め込む方法等がある。
【0157】
<情報入力補助シート>
図16では、これらの方法の一つである、情報入力補助シートについて説明する。
【0158】
情報入力補助シートは、透明フィルムで形成されており、ドットパターンが印刷されている。
【0159】
同図(a)は、表示パネル側から、ドットパターン層と、透明シート兼保護層と、からなる情報入力補助シートである。
【0160】
ドットパターン層には、カーボンインク等の赤外線吸収特性材料からなるドットを、上述のような所定の規則に則って配列したドットパターンが印刷されている。
【0161】
透明シート兼保護層は、ビニール、エンビペット、ポリプロピレン等、可視光線および赤外線を透過する材料で生成されている。ドットパターンを繰り返しスキャナでタッチすると、ドットが摩耗し、正確にドットパターンを読み取れなくなるという問題が生じる。そこで、透明シート兼保護層を設けることにより、ドットの摩耗と汚れを防ぎ、シートを長期間使用することが可能となる。
【0162】
同図(b)は、透明シートと、ドットパターン層と、保護層と、からなる情報入力補助シートである。
【0163】
透明シートは、保護層と同様に、ビニール、エンビペット、ポリプロピレン等、可視光線および赤外線を透過する材料で生成されている。通常、透明シートは印刷し易い材料を用い、保護層は耐熱性や耐傷性が強い材料を用いる。
【0164】
同図(c)は、赤外線反射層と、ドットパターン層と、透明シート兼保護層と、からなる情報入力補助シートである。
【0165】
赤外線反射層は、ビニール、エンビペット、ポリプロピレン等、可視光線を透過する材料で生成された蒸着用透明シートに、赤外線反射材料が蒸着された構成となっている。赤外線反射層は、スキャナーペンの赤外線照射手段から照射し透明シート兼保護層を透過した赤外線を、スキャナーペンに対して反射させるとともに、可視光を透過させる。これにより、スキャナーペンの赤外線照射手段から照射された赤外線のみを照射光とすることができ、明るく鮮明なドットパターンのみを撮影でき、ドットコードを正確に解析できる。
【0166】
同図(d)は、赤外線拡散反射層と、ドットパターン層と、透明シート兼保護層と、からなる情報入力補助シートである。
【0167】
赤外線反射層で鏡面反射された反射層は、レンズに反射光が入射されず、そのため、撮影領域の中央が真っ黒な状態で撮影されてしまい、ドットパターンをもれなく撮影することができない。したがって、同図(c)の赤外線反射層に代えて、赤外線拡散反射層を設ける。これによって、赤外線照射手段から照射された赤外線は、赤外線拡散反射層で拡散反射し、幅広い撮影領域の反射光がレンズに入射する。
【0168】
同図(e)は、赤外線反射層と、赤外線拡散層と、ドットパターン層と、透明シート兼保護層と、からなる情報入力補助シートである。
【0169】
赤外線拡散層は、透明または半透明の材質で形成されている。赤外線照射手段から照射された赤外線は、赤外線反射層で鏡面反射し、赤外線拡散層で拡散する。これにより、赤外線反射層のみを用いる場合、赤外線拡散反射層を用いる場合よりも、より確実にすべての撮影領域の反射光がレンズに入射する。
【0170】
なお、(b)〜(e)は、ドットパターン層のドットの周囲に空隙があるように図示されているが、実際には空隙はなく、ドットが配置されていない箇所は上下の各層が接着しており、ドットが配置されたドットパターン層は極薄である。
【0171】
<磁気泳動表示パネル>
図17は、本発明に係る表示パネルに用いる磁気泳動表示パネルについて説明する図である。
【0172】
磁気泳動表示パネルは、対向する2つの非磁性のパネルを有しており、それぞれ目視側と非目視側に位置している。これらパネルの間には多数の隔壁が設けられており、これら隔壁とパネルとにより多数のハネカム型のセルが形成されている。
【0173】
このセルの内部には、磁性粒子と、分散媒と、背景部分を構成する着色剤と、所望により増調剤とからなる分散流体が封入されている。同図(a)のように、目視側のパネルの表面を磁気ペンでなぞると、磁性粒子が吸引されて泳動し目視側パネル裏面まで到達し、背景を構成する着色剤と磁性粒子との色の差でパネルの面に、磁気ペンでなぞった文字等が表示される。一般に、磁性粒子は地色が黒色または暗褐色なので、背景を構成する着色料を白色にして黒白表示を行うようにしている。
【0174】
同図(b)は、一旦表示した文字等を消去する場合について説明する図である。一旦表示した文字等を消去するには、非目視側のパネルの背面に配置しているイレーザーを非目視側パネルの面に沿ってスライドさせる。すると、目視側パネルの裏面に引きつけられていた磁性粒子は、今度は非目視側パネルのところに泳動していき、目視側パネル側から見ると、分散流体の色のみが見え、文字等の表示が消去されたことになる。なお、目視側パネルは、表示のないときに、目視側から磁性粒子の色が透けて見えないように不透明な、例えば白色等の光核酸板が使用されている。
【0175】
図18は、マイクロカプセル磁気泳動表示シートを用いた場合について説明する図である。
【0176】
同図(a)に示すように、本実施例では、目視側パネルと非目視側パネルの間に、球状のマイクロカプセルが多数収納されており、このマイクロカプセルによって多数のセルが形成されている。
【0177】
このマイクロカプセルは、磁性粒子と、分散媒と、背景部分を構成する着色剤と、所望により増調剤とからなる分散流体と、この分散流体を覆うポリマー等の殻物質で構成されている。
【0178】
目視側パネルの表面にスキャナーペンで文字等の書き込みを行うと、その軌跡に沿って磁性粒子が引き寄せられて、文字等の表示が行われる。
【0179】
一旦表示した文字等を消去するには、非目視側のパネルの背面に配置しているイレーザーを非目視側パネルの面に沿ってスライドさせる。すると、目視側パネル側のマイクロカプセルの裏面に引きつけられていた磁性粒子は、今度は非目視側パネルの方向にマイクロカプセル内を泳動し、非目視側パネル側のマイクロカプセル裏面に到達し、目視側パネル側から見ると、分散流体の色のみが見え、文字等の表示が消去されたことになる。
【0180】
なお、
図17および
図18のように磁性粒子を用いる場合、発光材で着色された磁性粒子を用いてもよい。発光材としては、シリケート系蛍光体、アルミン酸ケイ素系蛍光体等を用いることができる。
【0181】
発光材を用いれば、懐中電灯等で少し光を当てると、書き込んだ文字が光る。したがって、暗いところであっても、書き込んだ文字等を読むことが可能となる。
【0182】
<電気泳動ディスプレイパネル>
図19は、本発明に係る表示パネルに用いる電気泳動ディスプレイパネルについて説明する図である。
【0183】
電気泳動ディスプレイパネルでは、主にマイクロカプセル電気泳動シートを用いる。これは、白色と黒色の粒子を、流体を収めたマイクロカプセル中で電界によって移動させることで白と黒の表示を行なうものであり、粒子移動型などとも呼ばれる。
【0184】
同図(a)は、書き込みが行われていない、通常の状態を示したものである。直径40μm程度の透明なマイクロカプセル中に正と負に帯電した白色と黒色の顔料粒子がオイルと共に収められ、カプセルは1層のみ薄く2枚の狭い電極板の間に隙間なく並べられる。表示面となる電極の片側はITO(酸化インジウムスズ:Indium Tin Oxide)のような透明電極で作られ、反対側の電極(下部電極)は必要な表示解像度の大きさの微小な矩形電極で構成される。
【0185】
同図(b)は、スキャナーペンで書き込みが行われた状態を示したものである。ユーザがスキャナーペンで書き込みを行うと、外部の制御回路から電圧が印加される。すると、2枚の電極間に電界が生じ、正と負に帯電した白色と黒色の顔料粒子がオイル中を泳動する。そして、いずれか電圧によって選ばれた色の顔料粒子(同図では黒色)がカプセルの表示面側に集まることで、白黒の表示を行い、微小な電極によって作られる画素ごとに白黒の表示が選ばれる。これにより、ユーザにより書き込まれた領域のみが黒く表示される。
【0186】
同図(c)は、一旦表示した書き込みを消去する場合について説明する図である。一旦表示した書き込みを消去するためには、ユーザは、目視側のパネルに配置しているイレーザーを目視側パネルの面に沿ってスライドさせる。イレーザーをスライドさせることにより、スキャナーペンで書き込みを行ったときとは逆の電圧が印加され、表面に白色の顔料が泳動する。これにより、書き込みが消去される。
【0187】
なお、同図では、マイクロカプセル電気泳動表示シートを用いた場合について説明したが、本発明はこれに限らず、マイクロカプセルを用いずに正と負に帯電した顔料粒子を泳動させる、電気泳動表示シートを使用してもよい。
【0188】
<軌跡情報を生成するスキャナーペン>
図20は、本発明の手書き入力ボードを用いた軌跡情報の生成について説明するブロック図である。
【0189】
スキャナーペンは、光学読取手段、ドットパターン解析手段、軌跡情報生成手段、記憶手段および送信手段を有している。
【0190】
手書き入力ボードに、スキャナーペンで文字等を書くと、スキャナーペンの光学読取手段は、書き込んだ軌跡上のXY座標または、XY座標とコード値が定義されたドットパターンを撮像する。ドットパターン解析手段は、撮像されたドットパターンを解析し、XY座標または、XY座標とコード値を出力する。そして軌跡情報生成手段は、解析されたドットパターンをもとに、XY座標または、XY座標とコード値が連続して記録された軌跡情報を生成していく。生成した軌跡情報は、記憶手段に記憶され、および/または送信手段に送信される。送信手段は、該軌跡情報を、情報処理装置に送信する。記憶手段および送信手段は対応するボタンを設け、ボタンにより操作指示してもよい。
【0191】
また、手書き入力ボードは、消去手段を有しており、ユーザは、書き込みを完了したら、その一部または全部をイレーザーにより消去することができる。
【0192】
<スピーキングペン>
図21は、音声出力手段を備えるスキャナーペン(スピーキングペン)を用いた場合について説明する図である。
【0193】
本発明のスキャナーペン(スピーキングペン)は、光学読取手段等上述した構成の他に、音声出力手段を有していることを特徴とする。図のように、ユーザが「東京都練馬区」と表示パネルに書き込むと、ドットパターンを光学読取手段で撮像し、ドットパターン解析手段により出力されたXY座標または、XY座標を基に、軌跡情報生成手段により軌跡情報が生成され、軌跡情報解析手段で文字を認識し、スピーキングペンから、「トウキョウトネリマク」と、書き込んだ内容に対応した音声が出力される。
【0194】
図22は、スピーキングペンについて説明した図であり、(a)はスピーキングペンの概要を示し、(b)は当該スピーキングペンの構成をブロック図により表す。
【0195】
当該スピーキングペンは本図示例に示すように、音量調整ボタン(−)、音量調整ボタン(+)、シーソーボタン(上側)、シーソーボタン(下側)、プッシュボタン、ペン先スイッチ、マイク、スピーカー、LED、CMOSセンサ、FlashROM、Firmware、MPUにより構成されている。
【0196】
スピーキングペンは、音声の再生、録音、等が可能であり、主な機能は音声の再生と録音、およびリンク付けである。再生機能では、スピーキングペンがドットパターンを読み取ると、音声を内蔵スピーカーで再生する。録音機能では、内蔵マイクで録音した音声を保存し、ドットパターンに定義されたコード値とリンクする。ユーザは、リンクしたドットパターンを読み取ると、再生機能によって録音した音声を再生することができる。
【0197】
また、ペン先にはペン先スイッチを付けることにより、印刷物等を読み取った時のみドットパターンの解析を行うため、省電力を実現する。
【0198】
図23は、スピーキングペンにおける軌跡情報の解析について説明する図である。
【0199】
手書き入力ボードに、スキャナーペンで文字等を書くと、スキャナーペンの光学読取手段は、書き込んだ軌跡上のドットパターンを撮像する。ドットパターン解析手段は、撮像されたドットパターンを解析する。そして軌跡情報生成手段は、解析されたドットパターンをもとに、軌跡情報を生成していく。軌跡情報解析手段は、生成した軌跡情報を解析する。出力手段は、解析結果に対応した音声を出力する。
【0200】
また、手書き入力ボードは、消去手段を有しており、ユーザは、書き込みを完了したら、その一部または全部を消去することができる。
【0201】
なお、本実施例のスキャナーペンはスピーキングペンであり、音声のみを出力しているが、本発明はこれに限らず、スキャナーペンに液晶画面等を設け、画像を表示するようにしてもよい。また、音声と画像の両方を出力できるようにしてもよい。
【0202】
<スキャナーペンに消去手段>
図24は、スキャナーペンに消去手段を設けた場合について説明する図である。
【0203】
上述の実施例では、手書き入力ボードに消去手段(イレーザー)を設けていた。しかし、本発明は同図のように、スキャナーペン側にイレーザーを設けてもよい。
【0204】
同図(a)は、光学読取手段の反対側にイレーザーを設けた図である。この場合は、手書き入力ボードの裏側の、消去したい書き込みに対応する位置でイレーザーを上に向け、書き込み内容を消去する。書き込み内容の一部を消去するのに特に適している。同図(b)は、スキャナーペンの腹部にイレーザーを設けた図である。この場合は、スキャナーペンを横にして把持し、表示パネル裏側でスライドさせて書き込み内容を消去する。書き込み内容の全部を一気に消去するのに適している。同図(c)は、光学読取手段の反対側とスキャナーペンの腹部の両方にイレーザーを設けた図である。両方のイレーザーを設けることにより、書き込み内容を部分的に消去したい場合と全部消去したい場合とで、イレーザーを使い分けることが可能となり、ユーザの利便性が高まる。
【0205】
図25は、手書き入力ボードの他の実施例について説明した図である。
【0206】
同図は、イレーザーを手書き入力ボード本体枠体の裏側に備えた手書き入力ボードについて説明する図であり、(a)は書き込みが完了した状態、(b)は消去している状態について説明したものである。
【0207】
本実施例の手書き入力ボードには、表示パネルがスライド可能に設けられている。表示パネルは左右に枠体を有しており、左側の枠体には取っ手が設けられている。ユーザは、表示パネルに書き込んだ内容を消去するときには、取っ手を把持して表示パネルを左側にスライドさせる。すると、手書き入力ボード本体の裏側に固定されて備えられたイレーザーが、書き込まれた内容を消去していく。
【0208】
<音声を発する手書き入力ボード>
図26〜
図29は、音声を発生させて、軌跡情報を情報処理装置に送信する手書き入力ボードについて説明する図である。
【0209】
図26は、ボタンにより音声を発生させる場合について説明する図である。
【0210】
本実施例の手書き入力ボードは、
図25に示した、イレーザーが固定されて備えられたものである。同図(a)に示すように、本体左側枠体に、音声を発生させるためのボタンが設けられている。ユーザがボタンを押下すると、本体左側枠体の右端中央から突起が出てくる。一方、表示パネルの右側枠体には、突起の係合部が設けられている。ユーザが表示パネルをスライドし、スライドが完了すると、突起が係合部にはまる。この時に衝突音が発生する。
【0211】
衝突音が発生すると、図示しないスキャナーペンに内蔵された音声認識手段は、衝突音を認識する。すると送信手段は、軌跡情報を情報処理装置に送信する。
【0212】
突起が出ている状態でユーザがボタンを押下すると、突起は左側枠体内部に納まる。
【0213】
同図(b)は、記憶ボタンおよび送信ボタンを有している場合について説明する図である。本実施例では、「記憶」と記載されたボタン1と「送信」と記載されたボタン2とを有している。左枠体内部には、それぞれのボタンに対応する突起が備えられており、各ボタンを押すと、それぞれの突起が出てくる。ユーザが表示パネルをスライドし、スライドが完了すると、突起が係合部と衝突し、衝突音が発生する。ボタン1の突起とボタン2の突起が衝突したときでは、それぞれ異なる周波数の衝突音が生じる。図示しないスキャナーペンに内蔵された音声認識手段は、それぞれの音声を認識し、ボタン1に対応する衝突音を認識した場合には、軌跡情報をスキャナーペンの記憶手段に記憶し、ボタン2に対応する衝突音を認識した場合には、軌跡情報を送信手段から情報処理装置に送信する。
【0214】
同図(c)は、同図(a)において、ボタンを押さない場合と押した場合の突起と係合部との関係を示した拡大図である。ボタンを押さない場合は、突起は、手書き入力ボード本体の左側枠体内に納まっている。この状態でユーザが表示パネルをスライドしていくと、スライドが完了したときに、本体の左側枠体と表示パネルの右側枠体とが衝突する。このときに、枠体に納められた突起と、係合部とが衝突して衝突音が発生することがない位置に、突起が設けられている。これにより、ユーザがボタンを押さない場合には、衝突音を発生させないことが可能となる。
【0215】
なお、本実施例においては、(d)、(e)、(f)のように、いずれの構造においても、ユーザがボタンを押さない場合には、スライドが完了しても、突起と係合部とが衝突音を発生しない構造を実現することができる。
【0216】
このように、ボタンを設けることにより、軌跡情報をスキャナーペンに記憶したり情報処理装置に送信したりしたい場合には衝突音を発生させ、軌跡情報を送信等せずにそのまま消去したい場合には衝突音を発生させない、という選択的な処理を容易に行うことができる。上記突起は、
図29のようにフックのように噛み合う形状になっていてもよい。(a)のボタンが押されていない場合では、フックは噛み合わないが、(b)では、ボタンを押すと互いのフック状突起が噛み合う位置となり、ボタンが押された場合は、接触してスライドして反り上がって噛み合ったときにその反動でカチッと音がし、その音を認識する。さらに、ボタンから指を離す(または再度ボタンを押す)とフック状突起が外れ、スライドできるようになる。この発生する音声は、区別し易い特長的な音声を発生させるため、図の斜線部分に金属等の部材を設けてもよい。もちろん、フックそのものが区別し易い特長的な音声を発生させる金属等の部材であってもよい。
【0217】
図27は、本体の右枠体にボタンを有している場合について説明する図である。
【0218】
同図(a)は、本体の右枠体にボタンを1個有している。本実施例では、ボタンが押下されている間、突起が出ている。ユーザがボタンから手を離すと、突起は戻る。
【0219】
ユーザはまず表示パネルを左側にスライドさせて軌跡を消去する。消去が完了したら、表示パネルを右側にスライドさせて元の位置に戻す。このときに、ユーザがボタンを押下していれば、突起と係合部が衝突して、所定の周波数の衝突音が発生する。これにより、軌跡を記憶したり、または送信したりすることができる。
【0220】
同図(b)は、記憶ボタンおよび送信ボタンを有している場合について説明する図である。本実施例では、「記憶」と記載されたボタン1と「送信」と記載されたボタン2とを有している。右枠体内部には、それぞれのボタンに対応する突起が備えられており、各ボタンを押すと、押している間、それぞれの突起が出てくる。
【0221】
同図(a)と同様に、ユーザが軌跡の消去後、表示パネルを右側にスライドさせて元の位置に戻す。このときに、突起が係合部と衝突し、衝突音が発生する。ボタン1の突起とボタン2の突起が衝突したときでは、それぞれ異なる周波数の衝突音が生じる。図示しないスキャナーペンに内蔵された音声認識手段は、それぞれの音声を認識し、ボタン1に対応する衝突音を認識した場合には、軌跡情報をスキャナーペンの記憶手段に記憶し、ボタン2に対応する衝突音を認識した場合には、軌跡情報を送信手段から情報処理装置に送信する。また、両方のボタンが押下されていた場合には、軌跡情報の記憶と、情報処理装置への送信の両方が行われる。
【0222】
図28は、手書き入力ボード本体に溝を有している場合について説明する図である。
【0223】
本実施例では、同図(a)に示すように、表示パネルの右枠体にボタンが設けられている。同図(b)に示すように、ボタンの裏側には突起が設けられている。また、本体の、表示パネル上辺と接する部分には、溝が設けられている。突起に溝が設けられていてもよい。
【0224】
ユーザが軌跡を消去するときに、本体の溝と突起が衝突する。すると、所定の周波数の衝突音が生じる。本体に設けられた溝は、溝の幅や深さを徐々に変化させれば、ユーザが表示パネルをスライドしている間、発生する音声(音色)も徐々に変化する。これにより、音声認識手段は、どの領域が消去されているのかを認識することができ、どの領域を記憶および/または送信すればよいかを、記憶手段および/または送信手段に指示する。
【0225】
表示パネルが閉じている状態で、本体に設けられた溝が溝の幅や深さが一定であっても、最初にボタンが押下されれば、音声認識手段は、ボタンが解除されるまで何個の音を聞いたかで、対象となる領域を判断できる。
【0226】
ユーザが表示パネルをスライドしている途中でボタンを押下した場合、同図(c)のような突起も出せば、表示パネルを開いた時を認識でき、どこからが対象領域なのか判断できる。
【0227】
なお、図示は省略するが、本体の表示パネル下辺と接する部分にも、上側とは異なる材質の突起を設けてもよい。これにより、音声の周波数を判断して、上側のボタンは記憶用、下側のボタンは送信用にすることにより、記憶および/または送信の指示を与えることができる。
【0228】
図26〜
図29の実施例によれば、ユーザは、軌跡情報を消去するときに音声を発生させるのみで、軌跡情報をスキャナーペンに記憶させたり、情報処理装置に送信したりすることが可能となる。したがって、ユーザは、何度もボタンを押下する等、複雑な操作をすることなく、簡単に必要な軌跡情報を情報処理装置に送信し、保存することができる。
【0229】
また、スキャナーペンの軌跡を可視的に消去するとともに、摺動機構の作動による動作音が出てくる。したがって、電池を一切使用せずに音声を発生させて、スキャナーペンは、この音声を電子的に認識する。手書き入力ボード側には、電子的・電気的機構が全く不要であるため、簡易かつ低コストで薄型・軽量の手書き入力ボードを提供することができる。
【0230】
なお、本発明はこれに限らず、電子的な方法等、音声を発生する機構であれば、どのような方法で音声を発生させても構わない。さらには、無線送信で操作指示を行ってもよい。
【0231】
<手書き入力ボードを用いた情報処理システム>
図30は、本発明の手書き入力ボードを用いた情報処理システムについて説明する図である。
【0232】
本情報処理システムは、手書き入力ボードと、スキャナーペンと、情報処理装置、とから構成されている。
【0233】
ユーザは、スキャナーペンを用いて、手書き入力ボードに、所望の処理に対応する内容を書き込む。本実施例では、「楽々ネットショッピング」と書き込む。次にユーザは、スキャナーペンの送信ボタンを押す、軌跡を消去するときに音声を発生させる等の操作を行う。これにより、スキャナーペンの送信手段は、軌跡情報を情報処理装置(コンピュータ)に送信する。コンピュータは、受信した軌跡情報を解析し、解析結果に対応した処理を行う。本実施例では、「楽々ネットショッピング」のウェブサイトにアクセスし、ウェブサイトをディスプレイに表示させる。これによりユーザは、楽々ネットショッピングのサイトを閲覧し、ネットショッピングを行うことができる。
【0234】
なお、本発明はこれに限らず、種々のウェブサイトへのアクセス、音声や動画の配信等、あらゆる指示命令の実行やあらゆる情報の入出力に用いることができる。
【0235】
これによれば、ユーザが手書き入力ボードに、実行したい指示命令や入出力したい情報を手書きし、情報処理装置に送信するだけで、それに対応した指示命令の実行や、情報の入出力が行われる。したがって、キーボードへの入力等、煩雑な操作を行うことなく、ユーザが、薄くて軽い入力ボードとスキャナーペンだけで所望の処理を行うことが可能となる。
【0236】
<手書き入力ボードを用いたシンクライアントシステム>
図31は、本発明の手書き入力ボードを用いたシンクライアントシステムについて説明する図である。
【0237】
シンクライアントとは、ユーザが使用するクライアント端末に最小限の機能のみを持たせ、サーバ側でアプリケーションソフトやファイルなどの資源を管理するシステムの総称である。
【0238】
本実施形態では、図示しない一つのサーバ(情報処理装置)に、複数のスキャナーペンがネットワークを介して接続している。また、複数の手書き入力ボードが用意されている。サーバと各スキャナーペンとは、ブルートゥース(登録商標)、赤外線等の無線方式またはUSB等の有線方式で接続されている。
【0239】
ユーザが、スキャナーペンで手書き入力ボードに書き込みを行うと、表示パネルのドットパターンがスキャナーペンに読み込まれて、スキャナーペン内でXY座標値および/またはコード値に変換される。サーバのハードディスク装置内で、XY座標値および/またはコード値を解析し、それをもとに軌跡を認識する。そして、サーバと接続されたプロジェクタやディスプレイに、軌跡に対応した情報を表示する。
【0240】
また、各スキャナーペンには、IDが付与されている。スキャナーペンで読み取られたドットパターンのXY座標値および/またはコード値をサーバに送信するときに、同時にスキャナーペンのIDデータも送信する。するとサーバは、どのスキャナーペンから送信されたかを認識することができる。たとえば、ID=1のスキャナーペンのユーザが手書き入力ボードAに「東京都練馬区」と手書きしたとする。するとID=1のスキャナーペンは、ドットパターンのXY座標値および/またはコード値と、IDデータとを同時に送信する。するとサーバは、ID=1のスキャナーペンから送信されたことを認識し、さらに、XY座標値および/またはコード値を解析し、手書き入力ボードAに「東京都練馬区」と入力されたことを認識する。そしてプロジェクタに、「東京都練馬区」と表示させる。このときに、ID=1のスキャナーペンによって手書きされた旨も同時にプロジェクタに表示してもよい。
【0241】
このように本発明の手書き入力ボードは、シンクライアントシステムに用いることもできる。これによれば、ブレーンストーミング等の会議において、出席者が各自スキャナーペンと手書き入力ボードを持参し、発言をしたいときにスキャナーペンで手書きすれば、それが誰の発言であるのかが認識される。したがって、各出席者は、コンピュータを持参する必要がないため、非常に簡易かつ便利である。その他、本システムは、学校の授業での先生や生徒の入力やネット上での発言、受付処理、オーダーエントリー、備品管理等、利用できる用途は無限である。
【0242】
<アイコン領域のある手書き入力ボード>
図32〜
図34は、表示パネルの他の実施例について説明する図である。
【0243】
本発明の手書き入力ボードの表示パネルには、書き込み領域以外の領域も設けることができる。その一例として、
図32および
図33のようなものがある。
【0244】
図32は、書き込み領域およびグラフィック+ドットコード印刷領域を設けていることを特徴とする。
【0245】
書き込み領域には、x、y座標値およびコード値を含むドットパターンが印刷されている。この領域に、文字や絵等を手書き入力することができる。
【0246】
グラフィック+ドットコード印刷領域には、数字や指示命令がアイコンとして印刷されている。各アイコンの意味は以下の通りである。
【0247】
(1)ID入力:書き込み領域に今描いた、または、これから描くインデックス番号入力モードにする。なお、ID入力を行われなければ、時間情報が軌跡情報に付加される。
【0248】
(2)1〜9,0:インデックス番号を入力する。
【0249】
(3)中止:インデックス番号の入力をやめ、インデックス番号入力モードを解除する。
【0250】
(4)決定:入力されたインデックス番号を記憶する。
【0251】
(5)確認:入力したインデックス番号を音声等で確認できる。このアイコンは無くてもよい。
【0252】
(6)記憶:インデックス番号が付加された軌跡情報をスキャナーペンの記憶媒体に記憶する。スキャナーペン側に記憶ボタンが設けられていれば、このアイコンは無くてもよい。
【0253】
(7)送信:インデックス番号が付加された軌跡情報をスキャナーペンから情報処理装置に送信する。スキャナーペン側に送信ボタンが設けられていれば、このアイコンは無くてもよい。
【0254】
(8)記憶+送信:インデックス番号が付加された軌跡情報をスキャナーペンの記憶媒体に記憶し、さらにスキャナーペンから情報処理装置に送信する。スキャナーペン側に記憶・送信ボタンが設けられていれば、このアイコンは無くてもよい。
【0255】
ユーザは、書き込み領域に手書き入力を行う他に、これらのアイコンをタッチすることにより、軌跡をスキャナーペンに記憶させたり情報処理装置に送信したり、種々の操作を簡単に行うことが可能となる。これにより、より一層手書き入力ボードの利便性を高めることができる。
【0256】
同図(b)は、ドットパターンについて説明する図であり、同図(c)は書き込み領域におけるドットコードのフォーマット、同図(d)はグラフィック+ドットコード印刷領域におけるドットコードのフォーマットについて説明する図である。
【0257】
同図(c)に示すように、書き込み領域には、X座標とY座標を意味するドットコードが登録されている。これにより、ユーザがスキャナーペンで書き込みを行った位置を認識することができる。
【0258】
一方、グラフィック+ドットコード印刷領域には、同図(d)に示すように、コード値を意味するドットコードが登録されている。コード値とは、ドットコードNoのことであり、各アイコンに、異なるドットコードNoが登録されている。例えば、「3」のアイコンでは、ドットコードNoは3であり、「中止」のアイコンでは、ドットコードNoは11である。このように、異なるドットコードNoが登録されていることにより、ユーザがスキャナーペンでアイコンをタッチすると、そのアイコンの内容に対応した処理が行われる。
【0259】
図33は、主に学校のテストや入試に用いるためのアイコンを設けていることを特徴とする。各アイコンの意味は以下の通りである。
【0260】
(1)解答領域:手書き入力領域。テスト等における記述式問題に対する解答を手書きする。
【0261】
(2)1〜30:問題番号をチェックする。
【0262】
(3)キャンセル:問題番号をキャンセルする。
【0263】
(4)送信:解答を問題番号と共に送信する。スキャナーペン側に送信ボタンが設けられていれば、このアイコンは無くてもよい。
【0264】
(5)はい:「解答の上書きをして良いか」の音声に「はい」で答える。
【0265】
(6)いいえ:「解答の上書きをして良いか」の音声に「いいえ」で答える。
【0266】
(7)A〜Z:選択問題に対して答える。
【0267】
(8)キャンセル:解答のやり直しをする。
【0268】
(9)決定:解答の決定をし、解答を問題番号と共に記憶する。
【0269】
また、「消せる範囲A」では、チェックしたすべての軌跡を消すことができる。「消せる範囲B」では、問題番号をチェックした軌跡まで消すことができる。
【0270】
同図(b)は、解答領域に印刷されたドットコードのフォーマットを示す説明図である。
【0271】
上述のように、解答領域は手書き入力領域である。この領域には、コードNo.Aとx座標とy座標が登録されている。コードNo.Aとは、手書き入力ボードID、すなわち、各手書き入力ボードに付与されたIDを意味する。x座標およびy座標は、それぞれ、媒体上における位置(座標値)を意味するものである。これにより、ユーザがスキャナーペンで解答領域を読み取ると、手書き入力ボードのIDおよび読み取った箇所の座標位置が一度の読み取り操作で同時に認識される。
【0272】
同図(c)は、解答領域以外の領域、すなわち、問題番号、キャンセル、決定等の各アイコンに印刷されたドットコードのフォーマットを示す説明図である。
【0273】
解答領域以外の領域には、コードNo.AとコードNo.Bが登録されている。コードNo.Aは、手書き入力ボードID、すなわち、各手書き入力ボードに付与されたIDを意味する。コードNo.Bは、選択領域No、すなわち、各アイコンの内容を意味するものである。例えば、「1」のアイコンには、コードNo.Bとして、「1」を意味するコードが登録されている。これにより、ユーザが「1」のアイコンを読み取ると、手書き入力ボードのIDおよび問題番号「1」がチェックされたことが、一度の読み取り操作で同時に認識される。
【0274】
なお、手書き入力ボードIDが設けられなくてもよい。また、選択領域Noとx、y座標値だけのドットコードのフォーマットでもよい。
【0275】
従来、学校等のテストでは、テストを受ける者一人一人に問題用紙と解答用紙を配るため、紙を非常に消費し、地球環境とコスト、機密性(個人情報の漏洩)に問題があった。本実施例のように、手書き入力ボードを用いてテストを行うようにすると、解答用紙が不要となるため、使用する紙を大幅に減少させることができる。しかもスキャナーペンと手書き入力ボードは繰り返し使用できるため、地球環境の保護にも貢献することができ、機密性も保たれ個人情報の漏洩を抑えることができる。
【0276】
また、重要な打ち合わせ結果等の機密性の高い情報などはシュレッダー等を用いて一々処分することなく、すばやく書き込んだ情報を消去できる。
【0277】
図34は、冊子状となっている手書き入力ボード(シート)について説明する図である。
【0278】
同図(a)のように、本実施例では、手書き入力ボードが冊子状となっており、何枚も綴って持ち歩くことが可能である。イレーザーは、分離して備えられている。たとえば冊子が、施設の検査報告書である場合、各ページには、検査日時や検査結果等を書き込むための書き込み領域が設けられている。この書き込み領域には、ドットパターンが印刷されている。ユーザは、各書き込み領域に必要な情報を書き込み、必要に応じてスキャナーペンに記憶させたり、情報処理装置に送信したりする。
【0279】
同図(b)は、ページをめくった状態を示したものである。本実施例では、書き込み領域は用紙の片面(裏面)のみに設けられている。ユーザは、書き込んだ内容を消去したい場合には、裏面を、分離して備えられたイレーザーでこする。強い磁気を帯びたイレーザーも用いれば、すべてのページに書き込まれたものを消去することができる。同図(c)は、書き込み領域におけるドットコードのフォーマットについて説明する図である。各書き込み領域のドットコードには、コードNo.Bとx座標とy座標が登録されている。コードNo.Bは、書き込み領域Noを意味しており、領域毎に、異なるコードNoが登録されている。これにより、ユーザが書き込みを行うと、スキャナーペンは、どの書き込み領域(たとえば「検査施設名」)で書き込みが行われたかを認識できる。
【0280】
同図(d)は、書き込み領域外におけるドットコードのフォーマットであり、それを示すコードNo.Bは、選択領域Noを意味しており、コードNo.Cは、選択項目を意味し、スキャナーペンでタッチしたコードNo.に対応する情報の入出力や操作命令が実行される。なお、さらに手書き入力ボードIDが設けられてもよい。もちろん、冊子状となっている手書き入力ボード(シート)は、上記のような印刷はなく、全ての頁が書き込み領域であり、ページを示すIDとxy座標だけが定義されたドットパターンが設けられても良い。
【0281】
このように、本発明に係る手書き入力ボードは、冊子状にすることも可能である。これにより、検査報告書や出張報告書等、複数のページにわたって記載したい場合にも対応することができる。