(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6203914
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】内視鏡
(51)【国際特許分類】
A61B 1/12 20060101AFI20170914BHJP
A61B 1/00 20060101ALI20170914BHJP
G02B 23/24 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
A61B1/12 531
A61B1/00 715
G02B23/24 A
【請求項の数】4
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2016-137255(P2016-137255)
(22)【出願日】2016年7月12日
(62)【分割の表示】特願2012-127819(P2012-127819)の分割
【原出願日】2012年6月5日
(65)【公開番号】特開2016-185395(P2016-185395A)
(43)【公開日】2016年10月27日
【審査請求日】2016年7月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000113263
【氏名又は名称】HOYA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090169
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100124497
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 洋樹
(72)【発明者】
【氏名】内藤 直幸
【審査官】
伊藤 昭治
(56)【参考文献】
【文献】
特開平08−215137(JP,A)
【文献】
特開平10−127567(JP,A)
【文献】
特開2008−086664(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00 − 1/32
G02B 23/24 − 23/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡可撓管の先端部に形成されたノズル差込孔にノズルを取付けるための構造であって、前記ノズルに形成されて前記先端部の外周面と前面に露出する突起と、
前記外周面に設けられた狭小部と、
前記先端部に嵌合されて前記外周面を覆う環状本体と、
前記環状本体の縁部に連設されて前記前面側に張出す係合部を有する環状部材とを備え、
前記突起が前記狭小部に係合することにより前記外周面の円周方向に変位することを阻止するとともに、
前記突起が前記環状部材に干渉することにより前記ノズルが前記先端部から前面側に変位することを阻止する内視鏡。
【請求項2】
前記ノズルは、先端部の前端面から突出する略直方体形状のノズル頭部を有することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
【請求項3】
前記突起の先端面は、前記先端部の前面と面一であることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
【請求項4】
前記先端部には、前記突起より径方向に突出するとともに前記先端部に連設されたフランジ部が設けられ、
前記突起の後端面が前記フランジ部に接着することで、前記ノズルが前記ノズル差込孔の軸心に垂直な方向に固定されることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡の可撓管先端部の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、内視鏡の可撓管先端部において、レンズ等を洗浄するために設けられたノズルを側面からビス止めし、そのビス穴を接着剤で充填する構造が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−197095号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、接着剤は可撓管先端部において露出しているため、薬品にさらされることにより劣化して脱落が発生し、体内を傷つける恐れがある。さらに、接着剤が脱落することにより、ノズルが脱落する恐れもある。
【0005】
そこで本発明は、これらの問題に鑑みてなされたものであり、内視鏡の可撓管先端部の接着剤およびノズルの脱落を防止する構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願発明に係る内視鏡の可撓管先端部の構造は、内視鏡可撓管の先端部にノズルを取付けるための構造であって、ノズルに形成されて先端部の外周面と前面に露出する突起と、外周面に設けられた狭小部と、先端部に嵌合されて外周面を覆う環状本体と、環状本体の縁部に連設されて前面側に張出す係合部を有する環状部材とを備え、突起が狭小部に係合することにより外周面の円周方向に変位することを阻止するとともに、突起が環状部材に干渉することによりノズルが先端部から前面側に変位することを阻止することを特徴とする。
【0007】
ノズルは、先端部の前端面から突出する略直方体形状のノズル頭部を有することが好ましい。
【0008】
突起の先端面は、先端部の前面と面一であってもよい。
【0009】
先端部には、突起より径方向に突出するとともに先端部に連設されたフランジ部が設けられ、突起の後端面がフランジ部に接着することで、ノズルがノズル差込孔の軸心に垂直な方向に固定されることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、内視鏡の可撓管先端部の接着剤およびノズルの脱落を防止する構造を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態を適用した内視鏡の全体を表す概略図である。
【
図3】
図2のIII‐III線における断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1を参照すると、内視鏡10は、体内に挿入される挿入部11と、内視鏡10を操作するために使用者によって把持される操作部15と、内視鏡10をプロセッサ(図示せず)に接続するためのコネクタ16を備える。挿入部11は、可撓性を有する可撓部12と、可撓部12の先端に接続される湾曲部13と、湾曲部13の先端に接続された先端部14とを備える。操作部15は、ユニバーサルケーブル17を介してコネクタ16に接続される。
【0013】
先端部14において撮影された体内の光学像は、先端部14に設けられた撮像ユニット(図示せず)によって電気信号に変換される。電気信号は、ユニバーサルケーブル17及びコネクタ16を介し、プロセッサにおいて画像処理され、画像はオペレータにより観察される。
【0014】
図2を参照し、先端部14の外観の構造を説明する。先端部14の最先端の最先端部18の外周面には環状部材32が設けられる。
図2は環状部材32が取り外された状態である。先端部14は、被観察部へ光を照射する配光レンズ34と、被観察部を観察する対物レンズ36とを有する。オペレータは、モニタ(図示せず)に映し出された被観察部を観ながら、チャンネル孔40から出没する処置具(図示せず)を用いて被観察部の処置を行う。対物レンズ36の汚れは、配設されるノズル38から射出された水によって洗浄される。
【0015】
以下に詳述するように、ノズル38は、最先端部18の外周面に形成された溝である狭小部Sに係合された直方体の突起46によって、所定の位置に固定される。狭小部Sの周方向の幅は、突起46の周方向の寸法と等しい。狭小部Sの軸方向の幅は、突起46の軸方向の寸法と等しい。また、狭小部Sの径方向の幅は、突起46の径方向の寸法と等しい。すなわち、突起46の先端面は最先端部18の前面と面一であり、かつ、前面に露出している。突起46は最先端部18の外周面よりも内側に収められ、かつ、外周面に露出している。狭小部Sの後端には、突起46より径方向に突出し、最先端部18に連設されたフランジ部64が設けられる。フランジ部64の軸方向に隣接して、緊縛糸48が巻き回される。先端部14の外周面の外皮49は、外側から緊縛糸48に巻き回され、接着剤50(
図3参照)によって固定される。
【0016】
環状部材32は、緊縛糸48及び狭小部Sを覆うように、最先端部18の外周面に嵌合される。環状部材32は環状本体31とその縁部に連設されて先端方向前面に張出す係合部33とを有する。係合部33の内径は環状本体31の径よりも小さい。
【0017】
図3を参照し、ノズル38周辺の構造を説明する。
図3は、環状部材32が取り付けられた状態である。先端部14には、空気が通る送風管52と、水が通る送水管54とが近接配置される。送風管52と送水管54とは先端にそれぞれ射出口を有する。これらの射出口は接続部58を介してノズル差込孔56に連通する。ノズル差込孔56は、最先端部18の先端から送風管52と送水管54の先端まで延びる筒状の空間である。
【0018】
ノズル38は、ノズル頭部60と筒状の接続基部62とを有する。ノズル頭部60は最先端部18の前端面から突出している。ノズル頭部60は略直方体形状である。ノズル頭部60の端面E(
図2参照)の面積はノズル差込孔56の開口よりもやや大きい。つまり、最先端部18を軸方向から見ると、ノズル差込孔56の開口はノズル頭部60によって塞がれる。
【0019】
ノズル頭部60の内部には、ノズル頭部60の外形に沿うように噴出口61が設けられる。噴出口61は、その先端が対物レンズ36(
図2参照)に向くように形成される。ノズル38には最先端部18の外方に突出する直方体の突起46が形成される。突起46の周方向の幅は、ノズル頭部60の周方向の長さと等しい。また、接続基部62は、円筒の一部を軸方向に沿って切除して形成され、送風管52と送水管54から供給される水や空気がノズル頭部60に導かれるように構成されている。
【0020】
接続基部62の後端部65は、ノズル差込孔56に挿入され、ノズル差込孔56の内壁面に接着される。さらに、突起46の後端面は、フランジ部64に接着することで、接続基部62はノズル差込孔56の軸心に垂直な方向に固定される。最先端部18から外皮49の外周面に渡って、金属製の環状部材32が嵌合される。突起46の前端面は、環状部材32の係合部33に係合して軸方向に固定される。すなわち、突起46が環状部材32に干渉することにより、ノズル38は、最先端部18から前面側に変位することが阻止される。このように、ノズル38は軸方向およびその垂直方向において固定される。
【0021】
環状部材32は、接着剤50によって固定される。環状部材32に覆われることにより、最先端部18の表面と先端部14の表面とは面一となり、挿入部11(
図1参照)はスムーズに体内へ挿入される。また、接着剤50は、環状部材32によって密閉されて露出しないため、劣化することがなく脱落することが防止されるという効果が得られる。
【符号の説明】
【0022】
18 最先端部(先端部)
31 環状本体
33 係合部
38 ノズル
46 突起
60 ノズル頭部