(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
青果物の異常の有無を判別するための青果物検査装置であって、
前記青果物に対して近赤外光を照射する近赤外光投光手段と、
前記青果物に対して紫外光を照射する紫外光投光手段と、
前記近赤外光により前記青果物の近赤外画像を撮像する近赤外画像撮像手段と、
前記紫外光により励起された可視蛍光による前記青果物の蛍光画像を撮像する蛍光画像撮像手段と、
前記近赤外画像及び前記蛍光画像に基づき、前記青果物の異常の有無を検出する解析手段と、
前記青果物を所定方向に搬送するための搬送手段と、を備え、
前記近赤外光投光手段は、1450±50nmである検査波長を含む光が照射可能であり、
前記解析手段は、前記検査波長の光に基づく前記近赤外画像と、前記蛍光画像を用い、該近赤外画像及び蛍光画像について、コントラストの変化を際立たせた後、2値化処理することによって、前記青果物の水腐れを少なくとも含む異常の有無をインラインで検出するように構成され
、
前記近赤外画像の各画素値は、前記青果物からの反射光Rsと、あらかじめ取得した入射光を照射し得られた標準体からの反射光Rrとの比率として算出された前記青果物の反射比R、すなわち、下記式(1)に基づき決定することを特徴とする青果物検査装置。
【数1】
【背景技術】
【0002】
柑橘類では、果皮に傷が付いた際に、その傷から菌が入り込み、かつ高温多湿状態で保管された場合には、水腐れ病と呼ばれる症状が現れることがある。
【0003】
果皮に傷が付く原因としては大まかに、気孔に出来た小さな亀裂から雨水などが侵入して膨張し、水浸状態になりながら亀裂が広がっていく自然発生によるものと、収穫時や搬送時などにおいて発生する外傷や虫がかじった痕、打撲痕などの生傷によるものがある。
【0004】
自然発生により生じた傷からカビなどの菌が入り込んだ場合、症状が進行すると、カビなどの菌が繁殖し、油胞まで破壊されてしまう。
さらに症状が進行すると、腐敗が生じた箇所から水分がなくなってしまい、乾燥腐れと呼ばれる状態となる。
【0005】
このように水腐れの生じた柑橘類を、正常品と混載梱包した場合、正常品まで腐敗されてしまう恐れがあることから、商品の品質を確保するためにも、水腐れの生じた個体を、選果段階で排除することが望まれている。
【0006】
ところで、果皮の油胞内には可視領域の蛍光を発するフラボノイド系物質が有り、油胞が破壊された場合には、この可視領域の蛍光を発するフラボノイド系物質の検出が可能となる。特許文献1〜4では、紫外線照射により、可視領域の蛍光を発するフラボノイド系物質由来の特定蛍光波長を検出することによる画像検査が行われている。
【0007】
また、水腐れ、カビ及び乾燥腐れの有無を検査する方法としては、例えば、特許文献5に開示されるように、青果物に対して、ハロゲンランプ等の照明ランプより光を照射し、青果物からの反射光を撮像用カメラによって撮像することで、青果物の変色又は腐敗した部分の有無を検出する方法が知られている。
【0008】
また、特許文献6には、青果物等に対して可視光から近赤外光までを照射し、水分や油分などの表層成分の変化を近赤外領域の波長で捉えることで、多変量解析によって水分状態の変化を判断することが開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、紫外線照射により蛍光を発する物質は、柑橘類の油胞が破壊されることにより検出可能な状態となるため、生傷により油胞までも破壊された状態や、症状が進行してカビなどの菌が繁殖し油胞までも破壊された状態でなければ検出することができない。
【0011】
すなわち、気孔に出来た小さな亀裂から雨水などが侵入して膨張し、水浸状態となる自然発生した初期の水腐れ、特に、近年の市場で要求されるような直径10mm程度の微小な水腐れなどは、これら特許文献に開示されるような検査では確実に検出することができない。
【0012】
また、特許文献6に開示されるように、可視光と近赤外光による多変量解析を用いた検量線においては、検量線作成には技術的な知識が必要であり、煩雑な作業が必要となるため、誰もが容易に使えるわけではない。
【0013】
さらに、Siフォトダイオードの近赤外領域における感度は低く、初期の水腐れの検出には、感度が足りず、検出することができない可能性がある。
一方で、水腐れが進行した腐敗状態であっても、乾燥腐敗や生傷などは、近赤外光により検出することが困難であるという課題もある。
【0014】
本発明では、このような現状に鑑み、青果物の果皮表面及び果皮内部に存在する腐敗部や傷などの異常を正確に検出し、また、微小な水腐れであっても検出することができる青果物検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、前述するような従来技術における課題を解決するために発明されたものであって、本発明の青果物検査装置は、
青果物の異常の有無を判別するための青果物検査装置であって、
前記青果物に対して近赤外光を照射する近赤外光投光手段と、
前記青果物に対して紫外光を照射する紫外光投光手段と、
前記近赤外光により前記青果物の近赤外画像を撮像する近赤外画像撮像手段と、
前記紫外光により励起された可視蛍光による前記青果物の蛍光画像を撮像する蛍光画像撮像手段と、
前記近赤外画像及び前記蛍光画像に基づき、前記青果物の異常の有無を検出する解析手段と、
前記青果物を所定方向に搬送するための搬送手段と、を備え、
前記近赤外光投光手段は、1450±50nmである検査波長を含む光が照射可能であり、
前記解析手段は、前記検査波長の光に基づく前記近赤外画像と、前記蛍光画像を用い、該近赤外画像及び蛍光画像について、コントラストの変化を際立たせた後、2値化処理することによって、前記青果物の水腐れを少なくとも含む異常の有無をインラインで検出するように構成され
、
前記近赤外画像の各画素値は、前記青果物からの反射光Rsと、あらかじめ取得した入射光を照射し得られた標準体からの反射光Rrとの比率として算出された前記青果物の反射比R、すなわち、下記式(1)に基づき決定することを特徴とする。
【数1】
【0017】
また、前記搬送手段が、前記青果物を所望の方向に回転させる青果物回転機構を備えることもできる。
また、前記近赤外画像撮像手段及び前記蛍光画像撮像手段が、前記青果物の上方に配置されているとともに、
前記近赤外画像撮像手段及び前記蛍光画像撮像手段が、前記青果物の下方にもさらに配置されていても良い。
さらに、前記近赤外画像撮像手段及び前記蛍光画像撮像手段が、前記青果物の上方に配置されていても良い。
また、前記近赤外画像撮像手段及び前記蛍光画像撮像手段が、前記青果物の下方に配置されていても良い
。
また、前記検査画像の各画素値は、見かけ上の吸光度A、すなわち、下記式(2)に基づき決定することができる。
【数2】
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、水の吸収波長の中でも、1450±50nmである検査波長を含む近赤外光を用いることで、水分状態の変化を精度良く捉えることができるとともに、紫外光を用いてフラボノイド系物質の蛍光反応を検出することで、油胞の損傷など水腐れの原因となる果皮の損傷なども同時に検査することができる。このため、青果物の水腐れなどを精度良く検出することができ、異常のある青果物を選果段階で確実に排除することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態(実施例)を図面に基づいてより詳細に説明する。
図1は、本発明の青果物検査装置の一実施例における構成を説明するための概略構成図である。
【0021】
図1に示すように、本実施例の青果物検査装置10は、被測定対象である青果物Sに、青果物Sの上方より近赤外光を照射する近赤外光投光手段12と、同じく青果物Sの上方より紫外光を照射する紫外光投光手段13と、青果物Sに反射した近赤外光(反射光)により青果物Sの近赤外画像を、青果物Sの上方より撮像する近赤外画像撮像手段14と、青果物Sに対して照射した紫外光により励起され生じた可視蛍光による青果物Sの蛍光画像を、青果物Sの上方より撮像する蛍光画像撮像手段15と、近赤外画像及び蛍光画像に基づき青果物Sの腐敗部位を検出する解析手段16とを備えている。
ここで青果物Sの「上方」とは、青果物Sの載置面よりも上であり、青果物Sの鉛直方向、斜め方向なども含まれるものである。
【0022】
なお、本実施例において、青果物Sとしては、特に限定されるものではないが、例えば、蜜柑や橘などの柑橘類、梨、桃、ビワ、スモモ、リンゴなどとすることができる。
また、このような青果物Sとした場合、本実施例の青果物検査装置10では、例えば、柑橘類などに見られる水腐れ、梨などに見られる水果、桃、ビワ、スモモ、リンゴなどに見られる押せ痕などを検査することができる。
【0023】
ここで「水腐れ」とは、上述するように、果皮に傷が付いた際に、その傷から菌が入り込み、雨や露などにより長期にわたり果皮表面が濡れた状態で、25度前後の環境温度の条件下において現れる、果皮が膨潤したような状態となる症状である。
また、「水果」とは、果肉が水浸した状態となる症状である。程度が酷くなると果肉が褐色を帯びた状態となる。
また、「押せ痕」とは、青果物同士の接触などによって青果物表面に局部的な圧力が加わることで、青果物の果肉組織が破壊され、果皮と果肉の間に果肉組織から染み出した水分が存在する状態(いわば、人体でいう内出血の状態)が現れる症状である。
【0024】
なお、本実施例の青果物検査装置10は、このような障害の検査に限らず、例えば、果肉細胞が破壊されることで果皮表層及び/又は果皮下に現れる、水分の増減に関連する障害全般について検査することが可能である。
【0025】
さらに、青果物Sとして柑橘類など、果皮が損傷することでフラボノイド系物質が分泌されるものであれば、蛍光発光を捉えることで、水腐れの原因となる果皮の傷などの有無を検出することができる。
【0026】
近赤外光投光手段12としては、1450±50nmである検査波長を含む近赤外光を照射可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ハロゲンランプやLED光源を用いることができる。なお、LED光源としては、白色光を照射するものであってもよいが、特定波長の光のみを照射するものとすることもできる。
【0027】
紫外光投光手段13としては、フラボノイド系物質が励起され蛍光発光が生じる紫外光として、320nm〜420nmの波長の光を含む紫外光を照射可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えば、LED光源や重水素ランプなどを用いることができる。
【0028】
近赤外画像撮像手段14としては、近赤外光投光手段12により照射された波長の近赤外光に基づく近赤外画像を撮像可能なものであれば特に限定されるものではなく、エリアカメラ、ラインカメラ、イメージング分光器、マルチバンドカメラなどを用いることができる。
【0029】
なお、本発明では、このような近赤外画像撮像手段14の撮像素子として、InGaAsフォトダイオードを用いることを特徴としている。このように、InGaAsフォトダイオードを用いることによって、波長が1450±50nmである検査光であっても、高感度・低ノイズで検出が可能となる。
【0030】
蛍光画像撮像手段15としては、フラボノイド系物質が励起され生じた蛍光に基づく蛍光画像を撮像可能なものであれば特に限定されるものではなく、エリアカメラ、ラインカメラ、イメージング分光器、マルチバンドカメラなどを用いることができる。
【0031】
なお、本実施例では、近赤外画像撮像手段14と蛍光画像撮像手段15とをそれぞれ別体のカメラとして例示しているが、マルチバンドカメラなど近赤外画像と蛍光画像を同時に撮像可能なカメラを用いることもできる。
【0032】
また、青果物Sと近赤外画像撮像手段14との間に所定の波長の光のみを透過する近赤外撮像用フィルタ18を、青果物Sと蛍光画像撮像手段15との間に所定の波長の光のみを透過する蛍光撮像用フィルタ19を、それぞれ設けることもできる。
【0033】
このように構成することで、近赤外画像撮像手段14、蛍光画像撮像手段15が、それぞれ必要な波長の光だけを受光することができ、画像解析に不要な波長の光を受光しないため、ノイズを低減することができる。
【0034】
なお、蛍光撮像用フィルタ19としては、
図1に示すように、青果物Sと蛍光画像撮像手段15との間に設ける場合には、蛍光を透過し、紫外光を遮断するようなフィルタとすることができる。
【0035】
一方で、蛍光撮像用フィルタ19を、紫外光投光手段13と青果物Sとの間に設けることもでき、この場合には、紫外光のみを透過するようなフィルタとすることができる。
【0036】
また、解析手段16としては、撮像された検査画像に基づき、後述するような画像解析によって腐敗部位の有無を判別可能なものであれば、特に限定されるものではないが、例えば、画像解析プログラムが組み込まれたコンピュータなどとすることができる。
【0037】
本実施例の青果物検査装置10では、青果物Sに対して近赤外光投光手段12より近赤外光を照射するとともに、青果物Sからの反射光を用いて近赤外画像撮像手段14により青果物Sを撮像して近赤外画像を取得している。
【0038】
さらに、青果物Sに対して紫外光投光手段13より紫外光を照射するとともに、青果物Sからの蛍光を用いて蛍光画像撮像手段15により青果物Sを撮像して蛍光画像を取得している。なお、フラボノイド系物質による蛍光は、可視蛍光であるため、蛍光画像として、可視光に基づく画像を取得するようにしてもよい。
【0039】
近赤外画像の各画素値は、近赤外画像撮像手段14が受光した近赤外光の光量Lに基づいて決定することもできるが、本実施例では、下記式(1)で表すように、青果物Sからの反射光Rsと、あらかじめ取得している入射光を照射し得られた標準体(例えば、グレーチャートなど)からの反射光Rrとの比率として算出された青果物Sの反射比Rに基づいて近赤外画像の各画素値を決定している。なお、下記式(2)で表すように、算出された反射比Rから見かけ上の吸光度Aに基づき画素値を決定するようにしてもよい。
【0042】
このように、標準体からの反射光Rrを基準とすることで、例えば、近赤外光投光手段12が経年劣化するなどして光量が低下した場合にも、反射比Rはほぼ変動なく測定することができるため、長期間安定した検査を行うことができる。
【0043】
なお、反射比Rや見かけ上の吸光度Aに基づく近赤外画像の各画素値の決定は、例えば、以下のようにして行うことができる。
例えば、8ビット画像の場合、画素値は0〜255の値となるため、想定される反射比Rの最低値(近赤外画像撮像手段14の性能などに基づき適宜設定)が「0」、反射比Rの最高値である1が「255」となるように、各画素の反射比Rを換算すればよい。
【0044】
そして、この検査画像を、解析手段16により画像解析することで、青果物Sの腐敗部位を検出することができる。
解析手段16における画像解析は、例えば、検査画像におけるコントラストの変化を検出したり、また、画像処理として、公知の技術である膨張、収縮、ぼかし、エッジ抽出などの前処理を行い、コントラストの変化を際立たせた後、2値化処理することによって、検査画像における腐敗部分を検出することができる。
【0045】
近赤外画像においては、青果物Sの腐敗部位が、正常部位と比べて水分量が多くなることから、水の吸収波長の光が腐敗部位に吸収され、近赤外画像撮像手段14により撮像した際に、正常部位と比べて腐敗部位の光量が低下することに基づき、腐敗部位を検出することができる。
【0046】
一方で、蛍光画像においては、柑橘類などの果皮が損傷することで分泌されるフラボノイド系物質が紫外光により励起され蛍光が生じることで、フラボノイド系物質が存在する果皮の損傷箇所周辺が、それ以外の箇所よりも光量が上昇することに基づき、腐敗部位を検出することができる。
【0047】
なお、本実施例において、近赤外光投光手段12から青果物Sに対する近赤外光の照射時間は、近赤外画像の撮像に必要な最低限に留めておくことが好ましい。これは、近赤外線により青果物Sが加熱されてしまうことを防ぐためである。
【0048】
一方で、紫外光投光手段13から青果物Sに対する紫外線の照射時間は、少なくとも蛍光画像の撮像に必要な時間であればよいが、さらに長時間照射を続けても構わない。これは、紫外線による殺菌効果が期待できるためである。
【0049】
また、本実施例では、解析手段16において、近赤外画像と蛍光画像の両方について画像解析を行っているが、近赤外画像又は蛍光画像のどちらか一方を画像解析した時点で、青果物Sに異常が検出された場合には、残る一方の画像について画像解析を行うまでもなく、青果物Sに異常があると判定するように構成することもできる。
【0050】
図2は、本発明の青果物検査装置の別の実施例における構成を説明するための概略構成図、
図3は、
図2の平面図である。
図2,3に示す青果物検査装置10は、基本的には
図1に示した青果物検査装置10と同様な構成であり、同じ構成部材には、同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。また、説明を簡略化するため、構成を一部省略している。
【0051】
図1に示す青果物検査装置10では、静止状態の青果物Sに対して近赤外光投光手段12から近赤外光を照射し、近赤外光に基づく近赤外画像を近赤外画像撮像手段14によって撮像するとともに、紫外光投光手段13から紫外光を照射し、紫外光により励起されたフラボノイド系物質から生じる蛍光に基づく蛍光画像を蛍光画像撮像手段15によって撮像するように構成している。
【0052】
これに対して
図2,3に示した実施例の青果物検査装置10では、搬送手段20によって一方向に搬送される青果物Sに対して、搬送手段20の上方より近赤外光,紫外光をそれぞれ照射し、近赤外画像撮像手段14及び蛍光画像撮像手段15によって、近赤外画像及び蛍光画像をそれぞれ撮像するように構成している。
【0053】
ここで搬送手段20の「上方」とは、青果物Sが載置される搬送手段20よりも上であり、青果物Sの鉛直方向、斜め方向なども含まれるものである。
また、本実施例では、近赤外画像撮像手段14及び蛍光画像撮像手段15が一体となったマルチバンドカメラ23を用いている。
【0054】
このように、インラインで青果物検査を行うように構成することによって、大量の青果物を効率よく検査することができる。
なお、搬送手段20によって青果物Sを搬送しながら検査を行う場合には、
図3に示すように、搬送方向の両側方に反射鏡22を設けることで、青果物Sの側面部を反射鏡に映すことで、マルチバンドカメラ23によって青果物S全体を撮像するように構成することが好ましい。
【0055】
また、
図2,3に示す実施例では、近赤外画像撮像手段14及び蛍光画像撮像手段15をそれぞれ1つずつ設けているが、近赤外画像撮像手段14及び蛍光画像撮像手段15の設置台数は限定されるものではなく、青果物Sの形状や大きさなどに応じて、適宜変更することが可能である。
【0056】
例えば、
図4,5に示すように、近赤外画像撮像手段14を2台、蛍光画像撮像手段15を1台設けるような構成としてもよいし、
図6,7に示すように、近赤外画像撮像手段14及び蛍光画像撮像手段15をそれぞれ2台設けるような構成としてもよい。なお、
図4〜7の図面は、説明を簡略化するため、構成を一部省略している。
【0057】
また、
図1〜7に示した青果物検査装置10では、青果物Sの上方に近赤外画像撮像手段14及び蛍光画像撮像手段15が配置されているが、搬送手段20が例えばローラーコンベアのように隙間がある場合やコンベア間の継ぎ部に隙間がある場合、ベルトコンベアのベルト部が透光性を有している場合などは、
図8に示すように、搬送手段20の下方に近赤外画像撮像手段14及び蛍光画像撮像手段15を配置することもできる。
ここで搬送手段20の「下方」とは、青果物Sが載置される搬送手段20よりも下であり、青果物Sの鉛直方向、斜め方向なども含まれるものである。
【0058】
なお、ローラーコンベアの隙間から撮像する場合には、近赤外画像撮像手段14及び蛍光画像撮像手段15としては、ラインカメラを用いることが好ましい。
また、ビームスプリッタ24を用いることにより、
図9に示すように、近赤外画像撮像手段14及び蛍光画像撮像手段15を配置することもできるし、もちろん、近赤外画像撮像手段14及び蛍光画像撮像手段15が一体となったマルチバンドカメラ23を用いる場合には、
図10に示すように、青果物Sの直下から撮像することもできる。
【0059】
また、
図11に示すように、青果物Sの上方から近赤外画像及び蛍光画像を撮像するとともに、青果物Sの下方からも近赤外画像及び蛍光画像を撮像するように構成することによって、青果物Sの全周を隈無く検査することができる。
【0060】
なお、青果物Sの下方から撮像することができない場合には、
図12に示すように、青果物Sを所望の方向に回転させる青果物回転機構26を搬送手段20に設け、青果物Sを回転移動させることにより、青果物Sに対して1方向からの撮像だけではなく、複数方向から撮像するようにしても良い。青果物Sを、青果物回転機構26が設けられた搬送手段20で搬送することで、順次、青果物Sの全周を隈無く検査することができる。
【0061】
この青果物回転機構26については、搬送手段20上に載置された青果物Sを横方向や縦方向など所望の方向に回転移動させる回転機構を利用することができ、特に限定されるものではないが、例えば特開平10−53213号公報、特開2000−153912号公報、特開2014−97455号公報などに開示されているような青果物Sの天地を反転させる機構を利用することも可能である。
【0062】
なお、
図9〜12に示す図面は、説明を簡略化するため、構成を一部省略している。
また、
図1〜12に示した近赤外画像撮像手段14及び蛍光画像撮像手段15は、青果物Sの鉛直方向上方または鉛直方向下方に配置されているもの、青果物Sの上方または下方に角度を付けて配置されているものなど有るが、特に方向については限定されるものではなく、角度を付けたり、上方と下方とで角度を変えたりするなど、装置構成に合わせて適宜変更が可能なものである。
【0063】
図13〜18は、
図1に示す青果物検査装置10を用いて、青果物Sについて検査を行った際の近赤外画像及び蛍光画像の一例である。なお、参考として示す青果物Sの可視光による外観画像は、一般的なデジタルカメラによって撮影したものである。
【0064】
図13は、青果物Sとして初期の水腐れが発生した蜜柑について検査した際の一例であり、
図13(a)は、可視光による外観画像、
図13(b)は、蛍光画像をグレースケール化した画像、
図13(c)は、
図13(b)の解析画像、
図13(d)は、近赤外画像をグレースケール化した画像、
図13(e)は、
図13(d)の解析画像である。
【0065】
図14は、青果物Sとして比較的進行した水腐れが発生した蜜柑について検査した際の一例であり、
図14(a)は、可視光による外観画像、
図14(b)は、蛍光画像をグレースケール化した画像、
図14(c)は、
図14(b)の解析画像、
図14(d)は、近赤外画像をグレースケール化した画像、
図14(e)は、
図14(d)の解析画像である。
図13(b)、
図14(b)のように得られた蛍光画像は、解析手段16によって、上述するように、腐敗部位が判定され、
図13(c)、
図14(c)のような解析画像が生成される。
【0066】
画像解析では、ある程度の誤差が見込まれるため、連続した所定の範囲が塗りつぶされた箇所を腐敗箇所と判定することが好ましい。すなわち、
図14(c)においては、画像左上の白線で囲われた箇所が腐敗箇所と判定される。
【0067】
一方で、
図13(c)には、連続した所定の範囲(塗りつぶされた箇所)が存在せず、蛍光画像からは腐敗箇所を判定することができなかった。
【0068】
図13(d)、
図14(d)のように得られた近赤外画像も同様に、解析手段16によって、上述するように、腐敗部位が判定され、
図13(e)、
図14(e)のような解析画像が生成される。
【0069】
図13(e)、
図14(e)において、白線で囲まれた箇所が腐敗箇所と判定された箇所である。
このように、
図13では近赤外画像で、
図14では近赤外画像と蛍光画像の両方で、腐敗部位を、見落とすことなく正確に判定することができる。したがって、蛍光画像だけでは見逃されていたような初期の水腐れが発生した青果物を、市場に流通することを防ぐことができる。
【0070】
また、
図15は、青果物Sとして白カビと水腐れが発生した蜜柑について検査した際の一例であり、
図15(a)は、可視光による外観画像、
図15(b)は、蛍光画像をグレースケール化した画像、
図15(c)は、
図15(b)の解析画像、
図15(d)は、近赤外画像をグレースケール化した画像、
図15(e)は、
図15(d)の解析画像である。
【0071】
さらに、
図16は、青果物Sとして緑カビと白カビが発生した蜜柑について検査した際の一例であり、
図16(a)は、可視光による外観画像、
図16(b)は、蛍光画像をグレースケール化した画像、
図16(c)は、
図16(b)の解析画像、
図16(d)は、近赤外画像をグレースケール化した画像、
図16(e)は、
図16(d)の解析画像、
図16(f)は
図16(d)の画像の明暗を反転させて解析を行った解析画像である。
【0072】
また、
図17は、青果物Sとして緑カビと白カビと水腐れが発生した蜜柑について検査した際の一例であり、
図17(a)は、可視光による外観画像、
図17(b)は、蛍光画像をグレースケール化した画像、
図17(c)は、
図17(b)の解析画像、
図17(d)は、近赤外画像をグレースケール化した画像、
図17(e)は、
図17(d)の解析画像である。
【0073】
さらに、
図18は、青果物Sとして乾燥腐れが発生した蜜柑について検査した際の一例であり、
図18(a)は、可視光による外観画像、
図18(b)は、蛍光画像をグレースケール化した画像、
図18(c)は、
図18(b)の解析画像、
図18(d)は、近赤外画像をグレースケール化した画像、
図18(e)は、
図18(d)の解析画像である。
【0074】
図15,17では、白線で囲われた箇所(
図15(c),
図17(c),
図15(e),
図17(e))のように、蛍光画像と近赤外画像の両方で青果物Sの腐敗部位を正確に判定することができる。また
図16においては近赤外画像で、
図18においては蛍光画像で青果物の腐敗部位を正確に判定することができる。
すなわち、青果物Sにおいて、蛍光画像と近赤外画像の両方を得れば、いずれか一方のみでは見落としが生ずるおそれのある腐敗部位を、見落とすことなく正確に判定することができる。
なお、
図16に示す、緑カビと白カビが発生した蜜柑のような場合には、蛍光画像や近赤外画像をそのまま画像解析したとしても、腐敗部位を判定することができない。
【0075】
このような場合には、
図16(f)に示すように、
図16(d)の画像の明暗を反転させて、解析手段16によって上述するように画像解析を行うことにより、近赤外画像を元に腐敗部位を判定することができる。
【0076】
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、本発明の目的を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【課題】青果物の果皮表面及び果皮内部に存在する水分の変動に由来する腐敗部などの異常を正確に検出し、また、微小な水腐れであっても検出することができる青果物検査装置を提供する。
【解決手段】青果物に対して近赤外光を照射する近赤外光投光手段と、青果物に対して紫外光を照射する紫外光投光手段と、近赤外光により青果物の近赤外画像を撮像する近赤外画像撮像手段と、紫外光により励起された可視蛍光による青果物の蛍光画像を撮像する蛍光画像撮像手段と、近赤外画像及び蛍光画像に基づき、青果物の異常の有無を検出する解析手段と、を備え、近赤外光投光手段は、1450±50nmである検査波長を含む光が照射可能であり、解析手段は、検査波長の光に基づく近赤外画像と、蛍光画像を用いて、青果物の異常の有無を検出する。