【文献】
M. Mikhemar, H. Darabi and A. Abidi,A Tunable Integrated Duplexer with 50dB Isolation in 40nm CMOS,Proc. 2009 ISSCC,米国,IEEE,2009年,386-387
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、誘電体基板103(たとえばパッシブオングラス(POG,passive‐on‐glass)基板などのガラスタイプの材料)の上に変成器102と互いに並行して製造された複製回路101を含む構造100の一実施形態を示す線図である。
図1には、構造100がそれぞれ機能ブロック
図120、横断面
図130および回路レベル
図140で示されている。
【0017】
特定の実施形態では、複製回路101は薄膜トランジスタ(TFT)115を含む。TFT115は、ドレイン領域104、ソース領域105、ゲート領域106、チャネル領域107およびゲート絶縁層108を含む。特定の実施形態では、変成器102は垂直結合ハイブリッド変成器(VHT,vertical‐coupling hybrid transistor)である。別の実施形態では、変成器102は横方向結合ハイブリッド変成器である。変成器102がVHTである場合、変成器102は、誘電体基板(たとえば
図1の誘電体基板103)の表面の上に配置された第1のインダクタ構造(たとえば第1のインダクタ109)、誘電体構造および第1のインダクタ構造の上に配置された第2のインダクタ構造(たとえば第2のインダクタ110)、および第1のインダクタ構造と第2のインダクタ構造との間に配置された誘電体層(たとえば誘電体層111)を含むことができる。本明細書において使用されている「の上」という用語は、本明細書に提供されている図に示されている配向に対するものであるものとして解釈されたい。変成器102は、第1のインダクタ構造と第2のインダクタ構造との間に配置されたエアギャップをさらに含むことができる。変成器102が横方向結合ハイブリッド変成器である場合、変成器102は、誘電体基板(たとえば
図1の誘電体基板103)の表面の上に配置された第1のインダクタ構造、および誘電体基板の表面の上に配置された第2のインダクタ構造を含むことができ、第1のインダクタ構造および第2のインダクタ構造は互いに並行している。
【0018】
図1に示されているように、変成器102の1つの端子は複製回路101に結合することができ、また、変成器102の別の端子はアンテナ112に結合することができる。TFT115は、アンテナ112と複製回路101との間のインピーダンス整合または実質的なインピーダンス整合あるいは近インピーダンス整合を達成するために、可変キャパシタ113または可変抵抗114として機能するように構成することができる。変成器102は、複製回路101とアンテナ112との間のインピーダンス整合または実質的なインピーダンス整合あるいは近インピーダンス整合を容易にするように構成することができる。特定の実施形態では、TFT115のソース領域105は、可変キャパシタ113を形成するためにドレイン領域104に結合される。特定の実施形態では、ゲート領域106は、可変抵抗114を形成するためにソース領域105に結合される。
【0019】
図2は、誘電体基板203(たとえばパッシブオングラス(POG)基板などのガラスタイプの材料)の上の変成器202を使用して製造された複製回路201を含む構造200の一実施形態を示したものであり、変成器202は複製回路201の上に配置されている。
図2には、構造200が高度な機能ブロック図で示されている。構造200の回路レベル図は、
図1の回路レベル
図140に対応していてもよい。
【0020】
特定の実施形態では、複製回路201は薄膜トランジスタ(TFT)を含む。TFT複製回路201は、ドレイン領域、ソース領域、ゲート領域、チャネル領域およびゲート絶縁層を含むことができる。変成器202は、垂直結合ハイブリッド変成器(VHT)または横方向結合ハイブリッド変成器であってもよい。変成器202がVHTである場合、変成器202は、誘電体基板(たとえば誘電体基板203)の表面の上に配置された第1のインダクタ構造、誘電体構造および第1のインダクタ構造の上に配置された第2のインダクタ構造、および第1のインダクタ構造と第2のインダクタ構造との間に配置された誘電体層を含むことができる。変成器202は、第1のインダクタ構造と第2のインダクタ構造との間に配置されたエアギャップをさらに含むことができる。変成器202が横方向結合ハイブリッド変成器である場合、変成器202は、誘電体基板の表面の上に配置された第1のインダクタ構造、および誘電体基板の表面の上に配置された第2のインダクタ構造を含むことができ、第1のインダクタ構造および第2のインダクタ構造は互いに並行している。
【0021】
図3は、誘電体基板303(たとえばパッシブオングラス(POG)基板などのガラスタイプの材料)の上の変成器302を使用して製造された複製回路301を含む構造300の一実施形態を示したものであり、複製回路301は変成器302の上に配置されている。
図3には、構造300の機能ブロック図が示されている。構造300の回路レベル図は、
図1の回路レベル
図140に対応していてもよい。
【0022】
特定の実施形態では、複製回路301は薄膜トランジスタ(TFT)を含む。TFT複製回路301は、ドレイン領域、ソース領域、ゲート領域、チャネル領域およびゲート絶縁層を含むことができる。変成器302は、垂直結合ハイブリッド変成器(VHT)または横方向結合ハイブリッド変成器であってもよい。変成器302がVHTである場合、変成器302は、誘電体基板(たとえば誘電体基板303)の表面の上に配置された第1のインダクタ構造、誘電体構造および第1のインダクタ構造の上に配置された第2のインダクタ構造、および第1のインダクタ構造と第2のインダクタ構造との間に配置された誘電体層を含むことができる。変成器302は、第1のインダクタ構造と第2のインダクタ構造との間に配置されたエアギャップをさらに含むことができる。変成器302が横方向結合ハイブリッド変成器である場合、変成器302は、誘電体基板の表面の上に配置された第1のインダクタ構造、および誘電体基板の表面の上に配置された第2のインダクタ構造を含むことができ、第1のインダクタ構造および第2のインダクタ構造は互いに並行して配置されている。
【0023】
図1〜
図3のすべてに示されているように、誘電体基板の上に複製回路および変成器を製造することにより、複製回路と変成器との間のトレースインダクタンス変化を小さくすることができる。トレースインダクタンス変化は、複製回路とアンテナ(たとえば
図1のアンテナ112)との間のインピーダンス不整合の原因になり、送信−受信(TX‐RX)分離を小さくすることがある。誘電体基板の上に複製回路および変成器を製造することにより、複製回路とアンテナとの間のインピーダンス整合または実質的なインピーダンス整合あるいは近インピーダンス整合を達成し、TX‐RX分離を改善することができる。
【0024】
以下の説明は、変成器と互いに並行の複製回路を含むデバイス(
図1に示されているように)を製造する方法の特定の実施形態の詳細を示したものである。説明されている特徴、方法および構造を使用して、それぞれ
図2および
図3に示されているように複製回路が変成器の上に存在し、あるいは変成器が複製回路の上に存在するデバイスを製造することができる。
【0025】
図4を参照すると、半導体デバイスを製造するプロセスにおける少なくとも1つのステージの間に形成される構造の第1の実例線図が一括して400で示されている。
図4には、複製回路のTFTのゲート領域401および変成器の金属コネクタ402が示されている。この線図は、構造400の一部の横断面図を示している。構造400は、基板403として誘電材料を含むことができる。一実施形態では、基板403は、電気抵抗率が高いガラスタイプの材料(たとえば非結晶性材料すなわちアモルファス固体材料)、禁制帯が広い半導体または電気抵抗率が高いプラスチック基板を含むことができ、あるいはこれらから形成することができる。ガラスタイプの材料の例には、アルカリ土類ボロ‐アルミノケイ酸塩(たとえばコーニングガラス基板)、ヒ化ガリウム(GaAs)、リン化インジウム(InP)、炭化ケイ素(SiC)、ロジャースラミネート、およびプラスチックおよびエポキシなどの重合体がある。別の実施形態では、基板403は、サファイア(Al
2O
3)、水晶またはセラミックなどの電気抵抗率が高い結晶性材料を含むことができ、あるいはこのような材料から形成することができる。特定の実施形態では、基板403の厚さは、約0.3mmから約0.7mmまでの範囲である。
【0026】
図4は、いくつかの領域405〜409に分割されている。各領域405〜409は、
図4〜
図14で異なるデバイスが形成されることを示している。たとえば領域405は、
図1のTFT115などのTFTの形成を示している。領域406は、
図1の可変抵抗114などの可変抵抗として機能するように構成されるTFTの形成を示している。領域407は、
図1の可変キャパシタ113などの可変キャパシタとして機能するように構成されるTFTの形成を示している。領域408は、横方向結合ハイブリッド変成器の形成を示している。領域409は、垂直結合ハイブリッド変成器の形成を示している。領域405〜409は、少なくとも1つの変成器および少なくとも1つのTFT構成を含む任意の構成で配置することができ、TFTは複製回路として使用される。
【0027】
ゲート領域401および金属コネクタ402は、添加プロセスを使用して形成することができる。様々なプロセスを使用して層を加え、除去し、あるいはパターン化することができる。たとえば化学気相成長(CVD,chemical vapor deposition)、スピン−オン、スパッタリングおよび電気めっきなどの膜堆積プロセスを使用して、金属層および金属間誘電体層を形成することができ、フォトリソグラフィを使用して金属層のパターンを形成することができ、エッチングプロセスを実施して望ましくない材料を除去することができ、また、スピン塗布、「エッチバック」および化学機械研磨(CMP,chemical‐mechanical polishing)などの平坦化プロセスを使用して平らな表面を生成することができる。追加し、除去し、パターン化し、ドープし、さもなければ加工すべき材料に応じて他のプロセスを使用することも可能であり、あるいは代替として他のプロセスを使用することも可能である。
【0028】
さらに、図解を容易にし、かつ、説明を分かり易くするために、図には限られた数のコネクタ、インダクタ、層および他の構造またはデバイスしか示されていない。実際には、構造は、もっと多くの、あるいはもっと少ないコネクタ、インダクタ、層および他の構造またはデバイスを含むことができる。
【0029】
基板403の上に導電層404を堆積させて、複製回路のTFTのゲート領域401および金属コネクタ402を形成することができる。金属コネクタ402を利用して、変成器(
図1の変成器102などの)のインダクタを接続し、あるいはインダクタを形成することができる。特定の実施形態では、導電層404は、アルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)または銅(Cu)などの金属、あるいはアルミニウム‐銅合金(Al‐Cu)、アルミニウム‐ネオジム(Al‐Nd)、アルミニウム‐タンタル(Al‐Ta)またはアルミニウム‐ケイ素‐銅(AlSiCu)あるいはそれらの組合せなどの金属合金を含む。特定の実施形態では、導電層404の厚さは約1マイクロメートル(μm)である。導電層404は、化学気相成長(CVD)、スピン−オン、スパッタリングまたは電気めっきなどの添加プロセスを使用して形成することができる。フォトリソグラフィエッチプロセスを使用して、ゲート領域401および金属コネクタ402をパターン化することができる。
【0030】
図5を参照すると、半導体デバイスを製造するプロセスにおける少なくとも1つのステージの間に形成される構造の第2の実例線図が一括して500で示されている。
図5では、ゲート領域401および金属コネクタ402が形成された後、引き続いて形成される複製回路のTFTのドレイン領域、ソース領域およびチャネル領域からゲート領域401を絶縁するために、基板403の上に絶縁層501が形成される。絶縁層501は、二酸化ケイ素(SiO
2)、窒化ケイ素(Si
3N
4)、酸化アルミニウム(Al
2O
3)、五酸化タンタル(Ta
2O
5)、またはゲート領域401をドレイン領域、ソース領域およびチャネル領域から絶縁するのに適した別の材料などの誘電体絶縁物材料から構成することができる。絶縁層501は、(i)SiO
xおよびSiN
xのためのプラズマ増速化学気相成長(PE−CVD,plasma‐enhanced chmical vapor deposition)、(ii)Al
2O
3、HfO
2およびZrO
2のための原子層堆積(ALD,atomic layer deposition)、(iii)気相成長(PVD)(SiO
2のためのスパッタリングなどの)、または(iv)PVDプロセスの後の陽極化成(Al
2O
3またはTa
2O
5のためなどの)などの膜堆積プロセスを使用して形成することができる。
【0031】
図6を参照すると、半導体デバイスを製造するプロセスにおける少なくとも1つのステージの間に形成される構造の第3の実例線図が一括して600で示されている。
図6では、絶縁層501が形成された後、チャネル領域602を形成するために基板403の上に層601が形成される。特定の実施形態では、層601は、アモルファスシリコン、ポリシリコン、連続結晶粒シリコン、インジウム‐ガリウム‐亜鉛酸化物(IGZO)、二硫化モリブデン(MoS
2)またはグラフェンから構成される。層601は、プラズマ増速化学気相成長(PE‐CVD)またはスパッタリングなどの添加プロセスを使用して形成することができる。フォトリソグラフィエッチプロセスを使用して層601をパターン化し、それによりチャネル領域602を形成することができる。
【0032】
図7を参照すると、半導体デバイスを製造するプロセスにおける少なくとも1つのステージの間に形成される構造の第4の実例線図が一括して700で示されている。
図7では、チャネル領域602が形成された後、ソース領域702およびドレイン領域703を形成するために、基板403の上に層701が形成される。特定の実施形態では、(たとえばチャネル601がアモルファスシリコンから構成されると)層701は、不純物がドープされたアモルファスシリコンから構成される。層701は、プラズマ増速化学気相成長(PE−CVD)などの添加プロセスを使用して形成することができる。フォトリソグラフィエッチプロセスを使用して層701をパターン化し、それによりソース領域702およびドレイン領域703を形成することができる。
【0033】
図8を参照すると、半導体デバイスを製造するプロセスにおける少なくとも1つのステージの間に形成される構造の第5の実例線図が一括して800で示されている。
図8では、ソース領域702およびドレイン領域703が形成された後、複製回路のTFTおよび金属コネクタを他の回路機構またはデバイスから電気的に絶縁するために、基板403の上に誘電体層801が形成される。誘電体層801は、二酸化ケイ素(SiO
2)、窒化ケイ素(Si
3N
4)、またはポリイミド(PI)、ベンゾシクロブテン(BCB)あるいはアクリルなどの絶縁重合体を含むことができる。特定の実施形態では、誘電体層801の厚さは約3μmである。異方性エッチプロセスを使用して、誘電体層801中にビア(または凹所)802を生成することができる。ビア(または凹所)802を使用して、インダクタ、ゲート電極、ソース電極またはドレイン電極を形成することができる。特定の実施形態では、ビア(または凹所)802の深さは約2μmである。
【0034】
図9を参照すると、半導体デバイスを製造するプロセスにおける少なくとも1つのステージの間に形成される構造の第6の実例線図が一括して900で示されている。
図9では、ビア(または凹所)802が形成された後、ゲート電極902、ソース電極903、ドレイン電極904および第1のインダクタ905を形成するために、基板403の上に導電層901が形成される。特定の実施形態では、導電層901は、金属(銅(Cu)、アルミニウム(Al)または金(Au)などの)または金属合金でできている。導電層901は、化学気相成長(CVD)、スパッタリングおよび電気めっきなどの添加プロセスを使用して形成することができる。フォトリソグラフィエッチプロセスを使用して導電層901をパターン化し、それによりゲート電極902、ソース電極903、ドレイン電極904および第1のインダクタ905を形成することができる。
【0035】
図10を参照すると、半導体デバイスを製造するプロセスにおける少なくとも1つのステージの間に形成される構造の第7の実例線図が一括して1000で示されている。
図10では、ゲート電極902、ソース電極903、ドレイン電極904および第1のインダクタ905が形成された後、基板403の上に誘電体層1001が堆積される。誘電体層1001は、ゲート電極902、ソース電極903、ドレイン電極904および第1のインダクタ905を他の回路機構またはデバイスから絶縁することができる。垂直結合ハイブリッド変成器(VHT)内の下部インダクタ間に誘電体層1002を形成し、かつ、引き続いてVHT内に上部インダクタを形成することができる。送信‐受信(TX‐RX)分離を改善し、かつ、アンテナ‐受信機(ANT‐RX)結合効率を犠牲にしないために、誘電体層1001は、誘電率(k)が小さい材料で構成することができる。それにより結合キャパシタンスを小さくすることができ、その一方で第2のインダクタ(
図10には示されていない)と第1のインダクタ905との間の磁気結合を維持することができる。特定の実施形態では、誘電体層1001の材料は、ポリイミド(PI)、ポリベンゾオキサゾール(PBO)、アクリル、ゼオライト様イミダゾレート構造体材料(ZIF)およびベンゾシクロブテン(BCB)を含むことができる。誘電体層1001は、スピン−オンおよびそれに引き続く熱硬化プロセスなどの添加プロセスを使用して形成することができる。特定の実施形態では、誘電体層1002の厚さは、約2μmから約7μmまでの範囲である。
【0036】
図11を参照すると、半導体デバイスを製造するプロセスにおける少なくとも1つのステージの間に形成される構造の第8の実例線図が一括して1100で示されている。
図11では、誘電体層が形成された後、第2のインダクタ1102を形成するために、基板403全体に導電層1101が堆積される。特定の実施形態では、導電層1101は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)または金(Au)、金属合金あるいはそれらの組合せなどの金属でできている。導電層1101は、化学気相成長(CVD)、スパッタリングおよび電気めっきなどの添加プロセスを使用して形成することができる。フォトリソグラフィエッチプロセスを使用して導電層1101をパターン化し、それにより第2のインダクタ1102を形成することができる。特定の実施形態では、第2のインダクタ1102の高さは、約10μmから約15μmまでの範囲である。
【0037】
図12を参照すると、半導体デバイスを製造するプロセスにおける少なくとも1つのステージの間に形成される構造の第9の実例線図が一括して1200で示されている。
図12では、導電層1101および第2のインダクタ1102が形成された後、第2のインダクタ1102を他の回路機構またはデバイスから絶縁するために、基板403の上に誘電体層1201が堆積される。誘電体層1201の材料は、ポリイミド(PI)、ポリベンゾオキサゾール(PBO)、アクリル、ゼオライト様イミダゾレート構造体材料(ZIF)またはベンゾシクロブテン(BCB)を含むことができる。誘電体層1201は、スピン−オン塗布およびそれに引き続く熱硬化プロセスなどの添加プロセスを使用して形成することができる。特定の実施形態では、誘電体層1201の厚さは約15μmである。異方性エッチプロセスを使用して、誘電体層1201中に凹所1202を生成することができる。特定の実施形態では、凹所1202の深さは約2μmである。
【0038】
図13を参照すると、半導体デバイスを製造するプロセスにおける少なくとも1つのステージの間に形成される構造の第10の実例線図が一括して1300で示されている。
図13では、誘電体層1201および凹所1202が生成された後、第2のインダクタ1102を他の回路機構またはデバイスに接続するために使用することができるコネクタ1302を形成するために、基板403の上に導電層1301が堆積される。特定の実施形態では、導電層1301は、アルミニウム(Al)または銅(Cu)などの金属、あるいはアルミニウム‐銅(Al‐Cu)合金などの金属合金でできている。導電層1301は、化学気相成長(CVD)、スパッタリングおよび電気めっきなどの膜堆積プロセスを使用して形成することができる。フォトリソグラフィエッチプロセスを使用してコネクタ1302をパターン化することができる。特定の実施形態では、コネクタ1302の厚さは、約3μmから約5μmまでである。
【0039】
図14を参照すると、半導体デバイスを製造するプロセスにおける少なくとも1つのステージの間に形成される構造の第11の実例線図が一括して1400で示されている。
図14では、導電層1301が形成され、かつ、コネクタ1302がパターン化されると、第2のインダクタ1102およびコネクタ1302を他の回路機構またはデバイスから電気的に絶縁するために、基板403の上にパッシベーション層1401を形成することができる。
【0040】
図14に示されている領域405は、
図1のTFT115などのTFTの横断面図を示すことができる。
図14に示されている領域406は、
図1の可変抵抗114などの可変抵抗として機能するように構成されるTFTの横断面図を示すことができる。
図14に示されている領域407は、
図1の可変キャパシタ113などの可変キャパシタとして機能するように構成されるTFTの横断面図を示すことができる。
図14に示されている領域408は、横方向結合ハイブリッド変成器の横断面図を示すことができる。
図14に示されている領域409は、垂直結合ハイブリッド変成器の横断面図を示すことができる。領域405〜409は、少なくとも1つの変成器および少なくとも1つのTFT構成を含む任意の構成で配置することができ、TFTは複製回路として使用される。
【0041】
図15を参照すると、半導体デバイスを製造するプロセスにおける少なくとも1つのステージの間に形成される構造の第12の実例線図が一括して1500で示されている。
図15は、
図10の誘電体層1002は、犠牲層1501を堆積させることによって置き換えることができることを示している。犠牲層1501は、後で除去してエアギャップを形成することができる。エアギャップは、変成器の性能を改善することができる(たとえば送信‐受信(TX‐RX)分離を強化することができる)。エアギャップは、アンテナ‐受信機(ANT‐RX)感度を高くすることができる。また、エアギャップは、送信機‐アンテナ(TX‐ANT)および受信機‐アンテナ(RX‐ANT)挿入損失を小さくすることも可能である。特定の実施形態では、犠牲層1501に使用される材料は、モリブデン(Mo)、アモルファスシリコン(a‐Si)、ポリシリコン、二酸化ケイ素(SiO
2)またはSU‐8フォトレジストを含む。特定の実施形態では、犠牲層1501の厚さは約5μmである。
【0042】
誘電体層1002が犠牲層1501に置き換えられると、パッシベーション層1401が形成された後、異方性エッチプロセスを実施して、誘電体層1201およびパッシベーション層1401中に凹所1502を生成することができる。凹所1502を犠牲層1501を除去するための解放孔として使用し、それによりエアギャップを形成することができる。
【0043】
図16を参照すると、半導体デバイスを製造するプロセスにおける少なくとも1つのステージの間に形成される構造の第13の実例線図が一括して1600で示されている。
図16では、凹所1502が生成されると、犠牲層1501を除去することができる。犠牲層1501が除去されると、第2のインダクタ1102と第1のインダクタ905との間にエアギャップ1601が形成される。
【0044】
特定の実施形態では、ダマシンプロセスなどの異なる処理技法を使用して、第1のインダクタ905、第2のインダクタ1102、導電層404および導電層1301を形成することができる。特定の実施形態では、平らなインダクタのアレイが形成される。別の実施形態では、螺旋インダクタのアレイが形成される。アレイのインダクタは、正方形、円形、八角形であってもよく、あるいは別の形状を有することも可能である。
【0045】
特定の実施形態では、第1のインダクタ905および第2のインダクタ1102は、並列構成の多重垂直結合インダクタとして形成される。多重垂直結合インダクタは、2つの垂直結合インダクタの複数のセットを含むことができる。
図17を参照すると、並列構成の複数のインダクタを有する垂直結合ハイブリッド変成器(VHT)の特定の実例実施形態が一括して1700で示されている。
図17に示されているように、多重垂直結合インダクタは、2つ以上の垂直結合インダクタ構造を含むことができ、その各々は、コネクタによって並列構成で接続された一連のインダクタ1701および1702を備えている。
【0046】
特定の実施形態では、並列構成の代わりに、第1のインダクタ905および第2のインダクタ1102を交互配置構成で形成することも可能である。
図18を参照すると、交互配置構成の複数のインダクタを有する垂直結合ハイブリッド変成器(VHT)の特定の実例実施形態が一括して1800で示されている。
図18に示されているように、交互配置構成では、VHTは、第1のタイプの一連のインダクタ1801および第2のタイプの一連のインダクタ1802を含む。第1のタイプのインダクタ1801および第2のタイプのインダクタ1802の各々は、並列構成のインダクタの一部に対応している。各第1のタイプのインダクタ1801は、各第2のタイプのインダクタ1802と対をなして互いに横方向に配置されている。第1のタイプの1つのインダクタ1801および第2のタイプの1つのインダクタ1802の組合せは、インダクタ構造と呼ぶことができる。一方のインダクタ構造は、別のインダクタ構造の上に配置することができる(たとえばインダクタ構造は並列に配置される)。さらに、第1のインダクタ構造の第1のタイプのインダクタ1801は、第2のインダクタ構造の第1のタイプのインダクタ1801に接続することができ、第2のインダクタ構造は第1のインダクタ構造の上に配置される。同様に、第1のインダクタ構造の第2のタイプのインダクタ1802は、第2のインダクタ構造の第2のタイプのインダクタ1802に接続することができる。第2のインダクタ構造は第1のインダクタ構造の上に配置することができる。
【0047】
図19を参照すると、ガラスタイプの材料の表面の上に複製回路および変成器を形成する方法の特定の実例実施形態のフローチャートが一括して1900で示されている。方法1900の1つまたは複数の操作は、
図21を参照してさらに説明される半導体製造工場(たとえば「ファブ」)の設備などの電子デバイスに統合されたプロセッサによって開始することができる。特定の実施形態では、方法1900は、
図1の構造100、
図2の構造200または
図3の構造300を製造するために実施することができる。
【0048】
方法1900は、1902でガラスタイプの材料の表面の上に複製回路を形成するステップを含む。複製回路は、可変キャパシタまたは可変抵抗として機能するように構成される薄膜トランジスタ(TFT)を含むことができる。たとえば
図1を参照して説明したように、複製回路101は、誘電体基板103(たとえばパッシブオングラス(POG)基板)の表面の上に形成される。
【0049】
方法1900は、1904でガラスタイプの材料の表面の上に変成器を形成するステップをさらに含む。変成器は複製回路に結合することができる。変成器は、複製回路とアンテナとの間のインピーダンス整合を容易にするように構成することができる。たとえば複製回路101は、
図1の誘電体基板103の表面の上に変成器102と互いに並行して形成することができる。別の例では、変成器202は、
図2の誘電体基板203の表面の上の複製回路201の上に形成することができる。別の例では、複製回路301は、
図3の誘電体基板303の表面の上の変成器302の上に形成することができる。変成器は、垂直結合ハイブリッド(VHT)変成器であっても、あるいは横方向結合ハイブリッド変成器であってもよい。
【0050】
図19の方法1900を参照して説明した操作のうちの1つまたは複数は、書替え可能ゲートアレイ(FPGA,field−programmable gate array)デバイス、特定用途向け集積回路(ASIC, application−specific integrated circuit)、中央処理装置(CPU, central processing unit)などの処理装置、デジタル信号プロセッサ(DSP, digital signal processor)、コントローラ、別のハードウェアデバイス、ファームウェアデバイスまたはそれらの任意の組合せによって開始することができる。一例として、
図19の方法1900は、
図21を参照してさらに説明されるように、メモリ(たとえば非一時的コンピュータ可読媒体)に記憶されている命令を実行するプロセッサなどの半導体製造設備によって開始することができる。
【0051】
ガラスタイプの材料の表面の上に複製回路および変成器を形成することにより、複製回路と変成器との間のトレースインダクタンス変化を小さくすることができる。トレースインダクタンス変化は、複製回路とアンテナとの間のインピーダンスが不整合になり、送信‐受信(TX‐RX)分離が小さくなる原因になることがある。ガラスタイプの基板の表面の上に複製回路および変成器を形成することにより、複製回路とアンテナとの間のインピーダンス整合(または実質的な整合)を容易にし、TX‐RX分離を改善することができる。
【0052】
図20を参照すると、誘電体基板の上に配置された複製回路2013および変成器2012を含んだモバイルデバイスの特定の実例実施形態のブロック図が一括して2000で示されている。モバイルデバイス2000またはその構成要素は、移動局、アクセスポイント、セットトップボックス、娯楽ユニット、ナビゲーションデバイス、通信デバイス、携帯情報端末(PDA)、固定位置データユニット、モバイル位置データユニット、モバイル電話、セルラー電話、コンピュータ、携帯型コンピュータ、デスクトップコンピュータ、タブレット、モニタ、コンピュータモニタ、テレビジョン、チューナ、ラジオ、衛星ラジオ、音楽プレーヤ、デジタル音楽プレーヤ、携帯型音楽プレーヤ、ビデオプレーヤ、デジタルビデオプレーヤ、DVDプレーヤまたは携帯型デジタルビデオプレーヤなどのデバイスを含むことができ、このようなデバイスを実施することができ、あるいはこのようなデバイスの中に含めることができる。
【0053】
モバイルデバイス2000は、デジタル信号プロセッサ(DSP)などのプロセッサ2001を含むことができる。プロセッサ2001は、メモリ2002(たとえば非一時的コンピュータ可読媒体)に結合することができる。
【0054】
また、
図20は、プロセッサ2001およびディスプレイ2004に結合されるディスプレイコントローラ2003を同じく示している。また、符号/復号器(CODEC,coder/decoder)2005も同じくプロセッサ2001に結合することができる。スピーカ2006およびマイクロホン2007はCODEC2005に結合することができる。ワイヤレスコントローラ2008はプロセッサ2001に結合することができ、さらに、アンテナ2009に結合することができる。ワイヤレスコントローラ2008は、変成器2012および複製回路2013を含むことができる。変成器2012は複製回路2013に結合することができる。変成器2012および複製回路2013は、複製回路2013とアンテナ2009との間のインピーダンス整合(または実質的な整合)を達成し、それによりモバイルデバイス2000の送信‐受信(TX‐RX)分離を改善することによってワイヤレスコントローラ2008の性能を改善することができる。変成器2012および複製回路2013は、
図1の変成器102および複製回路101に対応することができ、
図2の変成器202および複製回路201に対応することができ、
図3の変成器302および複製回路301に対応することができ、あるいはそれらの組合せに対応することも可能である。
【0055】
特定の実施形態では、プロセッサ2001、ディスプレイコントローラ2003、メモリ2002、CODEC2005およびワイヤレスコントローラ2008は、システムインパッケージまたはシステムオンチップデバイス2014の中に含まれている。入力デバイス2010および電源2011は、システムオンチップデバイス2014に結合することができる。その上、特定の実施形態では、
図20に示されているように、ディスプレイ2004、入力デバイス2010、スピーカ2006、マイクロホン2007、アンテナ2009および電源2011は、システムオンチップデバイス2014の外部に存在している。しかしながら、ディスプレイ2004、入力デバイス2010、スピーカ2006、マイクロホン2007、アンテナ2009および電源2011の各々は、インターフェースまたはコントローラなどのシステムオンチップデバイス2014の構成要素に結合することも可能である。
【0056】
説明されている実施形態に関連して、デバイスは、エネルギーを伝達するための手段に結合された、インピーダンス整合のための手段を含む。インピーダンス整合のための手段は、
図1の複製回路101、
図2の複製回路201または
図3の複製回路301を含むことができる。エネルギーを伝達するための手段は、
図1の変成器102、
図2の変成器202または
図3の変成器302を含むことができる。インピーダンス整合のための手段は、可変キャパシタまたは可変抵抗として機能するように構成される薄膜トランジスタTFT(たとえば
図1の複製回路101のTFT115)を含むことができる。エネルギーを伝達するための手段およびインピーダンス整合のための手段は、インピーダンス整合のための手段とアンテナ(たとえば
図1のアンテナ112)との間のインピーダンス整合を容易にする(たとえば実質的に達成する)ために、誘電体基板(たとえば
図1、
図2または
図3の誘電体基板)の上に配置することができる。
【0057】
上で開示したデバイスおよび機能は、コンピュータ可読媒体上に記憶されるコンピュータファイル(たとえばRTL、GDSII、GERBER、等々)で設計し、かつ、構成することができる。そのようなファイルの一部またはすべてを製造処理者に提供し、そのようなファイルに基づいてデバイスを製造することができる。それによって得られる製品には半導体ウェーハがあり、この半導体ウェーハは、次いで半導体ダイに切断され、かつ、半導体チップにパッケージ化される。半導体チップは、
図21を参照してさらに説明されるように、次いで電子デバイスに統合される。
【0058】
図21を参照すると、電子デバイス製造プロセスの特定の実例実施形態が一括して2100で示されている。
図21では、製造プロセス2100で、リサーチコンピュータ2106などで物理デバイス情報2102が受け取られる。物理デバイス情報2102は、誘電体基板の上に配置される変成器および複製回路(たとえば
図1の変成器102、複製回路101および誘電体基板103に対応し、
図2の変成器202、複製回路201および誘電体基板203に対応し、
図3の変成器302、複製回路301および誘電体基板303に対応し、あるいはそれらの組合せに対応する)などの半導体デバイスの少なくとも1つの物理特性を表す設計情報を含むことができる。たとえば物理デバイス情報2102は、リサーチコンピュータ2106に結合されたユーザインターフェース2104を介して入力される物理パラメータ、材料特性および構造情報を含むことができる。リサーチコンピュータ2106は、メモリ2110などのコンピュータ可読媒体に結合された、1つまたは複数の処理コアなどのプロセッサ2108を含む。メモリ2110は、実行してプロセッサ2108に、ファイル形式に従うよう、また、ライブラリファイル2112を生成するよう、物理デバイス情報2102を変換させることができるコンピュータ可読命令を記憶することができる。
【0059】
特定の実施形態では、ライブラリファイル2112は、変換された設計情報を含む少なくとも1つのデータファイルを含む。たとえばライブラリファイル2112は、電子設計オートメーション(EDA,electronic design automation)ツール2120とともに使用するために提供される、誘電体基板の上に配置される変成器および複製回路(たとえば
図1の変成器102、複製回路101および誘電体基板103に対応し、
図2の変成器202、複製回路201および誘電体基板203に対応し、
図3の変成器302、複製回路301および誘電体基板303に対応し、あるいはそれらの組合せに対応する)を含む半導体デバイスのライブラリを含むことができる。
【0060】
ライブラリファイル2112は、メモリ2118に結合された、1つまたは複数の処理コアなどのプロセッサ2116を含むデザインコンピュータ2114でEDAツール2120とともに使用することができる。EDAツール2120は、プロセッサ実行可能命令としてメモリ2118に記憶することができ、それによりデザインコンピュータ2114のユーザは、ライブラリファイル2112を使用して、誘電体基板の上に配置される変成器および複製回路(たとえば
図1の変成器102、複製回路101および誘電体基板103に対応し、
図2の変成器202、複製回路201および誘電体基板203に対応し、
図3の変成器302、複製回路301および誘電体基板303に対応し、あるいはそれらの組合せに対応する)を含む回路を設計することができる。たとえばデザインコンピュータ2114のユーザは、デザインコンピュータ2114に結合されたユーザインターフェース2124を介して回路設計情報2122を入力することができる。回路設計情報2122は、誘電体基板の上に配置される変成器および複製回路(たとえば
図1の変成器102、複製回路101および誘電体基板103に対応し、
図2の変成器202、複製回路201および誘電体基板203に対応し、
図3の変成器302、複製回路301および誘電体基板303に対応し、あるいはそれらの組合せに対応する)などの半導体デバイスの少なくとも1つの物理特性を表す設計情報を含むことができる。実例を挙げて説明すると、回路設計特性は、特定の回路および回路設計における他の要素に対する関係の識別、配置情報、フィーチャサイズ情報、相互接続情報、または半導体デバイスの物理特性を表す他の情報を含むことができる。
【0061】
デザインコンピュータ2114は、ファイル形式に従うよう、回路設計情報2122を含む設計情報を変換するように構成することができる。実例を挙げて説明すると、ファイル形成は、平らな幾何学形状、テキストラベル、およびグラフィックデータシステム(GDSII)ファイル形式などの階層形式における回路レイアウトに関する他の情報を表すデータベースバイナリファイル形式を含むことができる。デザインコンピュータ2114は、他の回路または情報に加えて、誘電体基板の上に配置される変成器および複製回路(たとえば
図1の変成器102、複製回路101および誘電体基板103に対応し、
図2の変成器202、複製回路201および誘電体基板203に対応し、
図3の変成器302、複製回路301および誘電体基板303に対応し、あるいはそれらの組合せに対応する)を記述している情報を含むGDSIIファイル2126などの変換された設計情報を含むデータファイルを生成するように構成することができる。実例を挙げて説明すると、データファイルは、誘電体基板の上に配置される変成器および複製回路(たとえば
図1の変成器102、複製回路101および誘電体基板103に対応し、
図2の変成器202、複製回路201および誘電体基板203に対応し、
図3の変成器302、複製回路301および誘電体基板303に対応し、あるいはそれらの組合せに対応する)を含み、かつ、SOC内に追加電子回路および構成要素を同じく含むシステムオンチップ(SOC,system‐on‐chip)に対応する情報を含むことができる。
【0062】
GDSIIファイル2126は、製造プロセス2128で受け取り、GDSIIファイル2126内の変換された情報に従って、誘電体基板の上に配置される変成器および複製回路(たとえば
図1の変成器102、複製回路101および誘電体基板103に対応し、
図2の変成器202、複製回路201および誘電体基板203に対応し、
図3の変成器302、複製回路301および誘電体基板303に対応し、あるいはそれらの組合せに対応する)を製造することができる。たとえばデバイス製造プロセスは、GDSIIファイル2126をマスク製造者2130に提供するステップであって、フォトリソグラフィ処理とともに使用される、代表マスク2132として
図21に示されているマスクなどの1つまたは複数のマスクを生成するステップを含むことができる。マスク2132は、製造プロセスの間、1つまたは複数のウェーハ2134を生成するために使用することができ、ウェーハ2134は、試験し、かつ、代表ダイ2136などのダイに分割することができる。ダイ2136は、誘電体基板の上に配置される変成器および複製回路(たとえば
図1の変成器102、複製回路101および誘電体基板103に対応し、
図2の変成器202、複製回路201および誘電体基板203に対応し、
図3の変成器302、複製回路301および誘電体基板303に対応し、あるいはそれらの組合せに対応する)を含む回路を含む。
【0063】
説明されている実施形態に関連して、非一時的コンピュータ可読媒体は、プロセッサによって実行されると、ガラスタイプの材料の表面上への変成器の形成をそのプロセッサが開始し、また、ガラスタイプの材料の表面上への複製回路の形成をそのプロセッサが開始することになる命令を記憶する。複製回路は、可変キャパシタまたは可変抵抗として機能するように構成される薄膜トランジスタ(TFT)を含むことができる。変成器は複製回路に結合することができる。変成器および複製回路は、複製回路とアンテナとの間のインピーダンス整合を容易にする(たとえば実質的に達成する)ために、ガラスタイプの材料の上に配置することができる。たとえば半導体製造工場の設備は、製造プロセス2128などに関連して、GSDIIファイル2126を使用して、
図19の方法1900を開始することができる。
【0064】
ダイ2136はパッケージングプロセス2138に提供することができ、このパッケージングプロセス2138でダイ2136が代表パッケージ2140に組み込まれる。たとえばパッケージ2140は、単一のダイ2136またはシステムインパッケージ(SiP)構造などの複数のダイを含むことができる。パッケージ2140は、JEDEC(Joint Electron Device Engineering Council)規格などの1つまたは複数の規格または仕様書に準拠するように構成することができる。
【0065】
パッケージ2140に関する情報は、コンピュータ2146に記憶されているコンポーネントライブラリなどを介して様々な製品設計者に分配することができる。コンピュータ2146は、メモリ2150に結合された、1つまたは複数の処理コアなどのプロセッサ2148を含むことができる。プリント回路板(PCB,printed circuit board)ツールは、プロセッサ実行可能命令としてメモリ2150に記憶し、ユーザインターフェース2144を介してコンピュータ2146のユーザから受け取ったPCB設計情報2142を処理することができる。PCB設計情報2142は、回路基板上に実装される半導体デバイスの物理配置情報を含むことができ、実装される半導体デバイスは、誘電体基板の上に配置される変成器および複製回路(たとえば
図1の変成器102、複製回路101および誘電体基板103に対応し、
図2の変成器202、複製回路201および誘電体基板203に対応し、
図3の変成器302、複製回路301および誘電体基板303に対応し、あるいはそれらの組合せに対応する)を含むパッケージ2140に対応する。
【0066】
コンピュータ2146は、回路基板上に実装される半導体デバイスの物理配置情報、ならびにトレースおよびビアなどの電気接続のレイアウトを含むデータを有するGERBERファイル2152などのデータファイルを生成するよう、PCB設計情報2142を変換するように構成することができ、実装される半導体デバイスは、誘電体基板の上に配置される変成器および複製回路(たとえば
図1の変成器102、複製回路101および誘電体基板103に対応し、
図2の変成器202、複製回路201および誘電体基板203に対応し、
図3の変成器302、複製回路301および誘電体基板303に対応し、あるいはそれらの組合せに対応する)を含むパッケージ2140に対応する。他の実施形態では、変換されたPCB設計情報によって生成されたデータファイルは、GERBER形式とは異なる形式を有することができる。
【0067】
GERBERファイル2152は、基板アセンブリプロセス2154で受け取り、かつ、使用して、GERBERファイル2152内に記憶されている設計情報に従って製造される代表PCB2156などのPCBを生成することができる。たとえばGERBERファイル2152は、1つまたは複数の機械にアップロードして、PCB製造プロセスの様々なステップを実施することができる。PCB2156は、パッケージ2140を含む電子構成要素を実装して、代表プリント回路アセンブリ(PCA,printed circuit assembly)2158を形成することができる。
【0068】
PCA2158は、製品製造者2160が受け取り、第1の代表電子デバイス2162および第2の代表電子デバイス2164などの1つまたは複数の電子デバイスに統合することができる。非制限の実例として、第1の代表電子デバイス2162、第2の代表電子デバイス2164または両方は、誘電体基板の上に配置される変成器および複製回路(たとえば
図1の変成器102、複製回路101および誘電体基板103に対応し、
図2の変成器202、複製回路201および誘電体基板203に対応し、
図3の変成器302、複製回路301および誘電体基板303に対応し、あるいはそれらの組合せに対応する)が統合される、セットトップボックス、音楽プレーヤ、ビデオプレーヤ、娯楽ユニット、ナビゲーションデバイス、通信デバイス、携帯情報端末(PDA)、固定位置データユニットおよびコンピュータのグループから選択することができる。別の非制限の実例として、電子デバイス2162および電子デバイス2164のうちの1つまたは複数は、モバイル電話などの遠隔ユニット、ハンドヘルドパーソナル通信システム(PCS,personal communication system)ユニット、パーソナルデータアシスタントなどの携帯型データユニット、全地球測位システム(GPS,global positioning system)イネーブルデバイス、ナビゲーションデバイス、計器読取り設備などの固定位置データユニット、またはデータまたはコンピュータ命令を記憶し、あるいは検索する任意の他のデバイス、あるいはそれらの任意の組合せであってもよい。
図21は、本開示の教示による遠隔ユニットを示したものであるが、本開示は、示されているこれらのユニットに限定されない。本開示の実施形態は、メモリおよびオンチップ回路機構を始めとする能動集積回路機構を含む任意のデバイスに適切に使用することができる。
【0069】
誘電体基板の上に配置される変成器および複製回路(たとえば
図1の変成器102、複製回路101および誘電体基板103に対応し、
図2の変成器202、複製回路201および誘電体基板203に対応し、
図3の変成器302、複製回路301および誘電体基板303に対応し、あるいはそれらの組合せに対応する)を含むデバイスは、実例製造プロセス2100で説明したようにして製造し、処理し、かつ、電子デバイスに組み込むことができる。
図1〜
図20に関連して開示した実施形態のうちの1つまたは複数の態様は、様々な処理ステージで、ライブラリファイル2112、GDSIIファイル2126およびGERBERファイル2152内などに含めることができ、かつ、基板アセンブリプロセス2154などの様々なステージで使用されるリサーチコンピュータ2106のメモリ2110、デザインコンピュータ2114のメモリ2118、コンピュータ2146のメモリ2150、1つまたは複数の他のコンピュータあるいはプロセッサ(図示せず)のメモリに記憶することができ、また、マスク2132、ダイ2136、パッケージ2140、PCA2158、原型回路またはデバイス(図示せず)などの他の製品、あるいはそれらの任意の組合せなどの1つまたは複数の他の物理実施形態に組み込むことができる。
図1〜
図20を参照すると、様々な代表ステージが示されているが、他の実施形態では、もっと少ないステージを使用することができ、あるいは追加ステージを含めることも可能である。同様に、
図21のプロセス2100は、製造プロセス2100の様々なステージを実施する単一の実体によって、あるいは1つまたは複数の実体によって実施することができる。
【0070】
本明細書において開示されている実施形態に関連して説明されている様々な実例論理ブロック、構成、モジュール、回路およびアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、プロセッサによって実行されるコンピュータソフトウェアまたはそれらの組合せとして実施することができることは当業者にはさらに理解されよう。様々な実例構成要素、ブロック、構成、モジュール、回路およびステップは、上では概ねそれらの機能の点で説明されている。そのような機能がハードウェアとして実施されるか、あるいはプロセッサ実行可能命令として実施されるかどうかは、総合システムに課される特定のアプリケーションおよび設計制約で決まる。当業者は、説明されている機能を特定のアプリケーションごとに可変方式で実施することができるが、そのような実施決定は、本開示の範囲を逸脱させるものとして解釈してはならない。
【0071】
本明細書において開示されている実施形態に関連して説明されている方法またはアルゴリズムのステップは、ハードウェアの中、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールの中またはそれら2つの組合せの中で直接具体化することができる。ソフトウェアモジュールは、ランダムアクセスメモリ(RAM,random access memory)、フラッシュメモリ、リードオンリメモリ(ROM,read‐only memory)、プログラマブルリードオンリメモリ(PROM,programmable read‐only memory)、イレーサブルプログラマブルリードオンリメモリ(EPROM,erasable programmable read‐only memory)、エレクトリカリイレーサブルプログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM,electrically erasable programmable read‐only memory)、レジスタ、ハードディスク、取外し可能ディスク、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD−ROM,compact disc read‐only memory)などのメモリに常駐させることができる。メモリは、当分野で知られている任意の形態の常駐記憶媒体を含むことができる。例示的記憶媒体(たとえばメモリ)は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み出し、かつ、記憶媒体に情報を書き込むことができるようにプロセッサに結合される。代替では、記憶媒体はプロセッサと一体であってもよい。プロセッサおよび記憶媒体は、特定用途向け集積回路(ASIC)の中に常駐させることができる。ASICは、計算デバイスまたはユーザ端末の中に常駐させることができる。代替では、プロセッサおよび記憶媒体は、個別構成要素として計算デバイスまたはユーザ端末の中に常駐させることができる。
【0072】
開示されている実施形態についての以上の説明は、開示されている実施形態の当業者による構築または使用を可能にするために提供されたものである。当業者にはこれらの実施形態に対する様々な修正が容易に明らかであり、また、本明細書において定義されている原理は、本開示の範囲を逸脱することなく他の実施形態に適用することができる。したがって本開示には、本明細書において示されている実施形態に限定されることは意図されておらず、本開示は、以下の特許請求の範囲によって定義されている原理および新規な特徴と無矛盾の最も広範囲の可能実施形態と一致するものとする。