(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
無線アクセス・サービスをモバイル端末に提供するための、指定されたサービス・エリアにおいて分散化された複数のサービス・アンテナを備えるセルフリー大規模アンテナ・システムの上位層であって、前記複数のサービス・アンテナのそれぞれが、同時に前記モバイル端末にサービス提供する、セルフリー大規模アンテナ・システムの上位層と、
バックホール・サービスを前記複数のサービス・アンテナに提供するための、前記指定されたサービス・エリアの各セル内に配置された1つまたは複数の集中大規模アンテナ・システム・アレイの下位層であって、前記上位層および前記下位層が、互いに対して分離した周波数帯で動作する、下位層と、
を備える、2層無線通信システム。
アップリンク・パイロット・シーケンスおよび時分割複信相互関係に基づいて、モバイル端末のチャネル状態情報を決定するように構成された、前記上位層における前記複数のサービス・アンテナのそれぞれをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
前記モバイル端末への伝送のため、前記チャネル状態情報に基づいて、データ伝達シンボルのビームフォーミングを行うように構成された、前記上位層における前記複数のサービス・アンテナのそれぞれをさらに備える、請求項2に記載のシステム。
前記モバイル端末から同時に受信されたデータ伝達シンボル同士を前記チャネル状態情報に基づいて区別するように構成された、前記上位層における前記複数のサービス・アンテナのそれぞれをさらに備える、請求項2に記載のシステム。
無線アクセス・サービスを固定端末に提供するように構成された、前記下位層における前記1つまたは複数の集中大規模アンテナ・システム・アレイをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【発明を実施するための形態】
【0012】
大規模アンテナ・システムが、極めて多数の(例えば、100万以上もの)サービス・アンテナ(アクセス・ポイント(access points)、または個別的にアクセス・ポイント(an access point)とも呼ばれる)を含むとともに、有効なサービス下の、端末に対してのサービス・アンテナの大きな比率を含む、一般にマルチユーザ型の多入力多出力(MIMO)無線通信システムとして提案されている。様々な所望の特性に基づいて、大規模アンテナ・システム(LSAS:Large−Scale Antenna System)は、分散(セルフリー)システムまたは集中(例えば、セルラ)システムとして構成できる。分散大規模アンテナ・システムと集中大規模アンテナ・システムの両方の所望の特性を示す2層無線通信システムが、本明細書で開示される。
【0013】
図1Aは、一実施形態による2層無線通信システムの概略図である。無線通信システム100は、2つの大規模アンテナ・システム(LSAS)を備える。システム100の上位層120は、分散LSASを備え、システム100の下位層130は、1つまたは複数の集中LSASアレイを備える。
【0014】
図に示すように、上位層120および下位層130は、システム100のサービス・エリア140内で重なり合う。したがって、サービス・エリア140内のどの場所でも、上位層120と下位層130の両方のサービスが利用可能である。さらに、上位層120および下位層130のサービスは、将来の無線通信トラフィック需要に対応するために、システム100が拡張性を備えることを可能にするように特殊化されている。以下に述べるように、上位層120は、ネットワーク・アクセスをモバイル端末に提供するように構成され、一方、下位層130は、バックホール・サービスを上位層120の様々なアクセス・ポイントに提供するように構成される。固定(据置き型)端末向けのアクセス・サービスは、どちらの層によっても処理できるが、一実施形態では、下位層が、アクセス・サービスを固定端末に提供して余分なバックホール伝送を回避する。
【0015】
図1Bは、
図1Aに示されるサービス・エリア140内の上位層120および下位層130の(線分A−Aに沿って下側を見る)様々なLSAS要素の詳細図を示す。一実施形態では、無線通信システム100の上位層120は、分散LSAS102を備える。分散LSAS102はセルフリーであり、無線アクセス・サービスを、モバイル端末108a〜eなどのモバイル端末に提供するための、サービス・エリア140にわたって分散化された複数のサービス・アンテナ106a〜iを備える。例えば、サービス・アンテナ106a〜iによって表される、多数のサービス・アンテナ(例えば、100万のサービス・アンテナ)は、無線ネットワーク・アクセス・サービスを、モバイル端末108a〜eなどの複数のモバイル端末に提供するために、大規模なサービス・エリア(例えば、市全体)にわたって分散化されてもよい。
【0016】
一実施形態では、サービス・エリア140内のあらゆるモバイル端末108a〜eが、あらゆるサービス・アンテナ106a〜iによって同時にサービス提供される。したがって、あるサービス・アンテナから別のサービス・アンテナへのモバイル端末のハンドオフはない。サービス・アンテナの数がモバイル端末の数を大きく上回る例示的な分散LSASは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている、米国特許出願第13/238,329号、名称「Cell−Free Large−Scale Antenna System」に記述されている。
【0017】
無線通信システム100の下位層130は、集中LSASアレイ104a〜iなどの1つまたは複数の集中LSASアレイを備える。下位層の集中LSASアレイ104a〜iは、バックホール・サービスを複数の上位層サービス・アンテナ106a〜iに、また場合によっては、ネットワーク・アクセスを固定端末112a〜bに提供するために、例えば、サービス・エリア140のセル110a〜gなど、複数のセル内に配置される。分かりやすくする目的のために、サービス・エリア140にわたって設置される追加のセル110(および集中LSASアレイ104)は、図示されていない。しかし、サービス・エリア140のすべては、1つまたは複数の集中LSASアレイを備えることができるセルに分割可能であることを理解されたい。
【0018】
そのようなものとして、本明細書における実施形態の場合、分散LSAS102および1つまたは複数の集中LSASアレイ104は、システム100のサービス・エリア140全体にサービス提供する。さらに、以下で詳細に述べるように、上位層120におけるサービス・アンテナ106a〜iおよび下位層130における集中LSASアレイ104は、互いに対して分離した周波数帯で動作し、各LSAS層は、各層のそれぞれのタスクに理想的に適している。さらに、上位層120および下位層130は、将来の無線通信トラフィック需要に対応するために、個々に拡張性を備えている。
【0019】
無線通信システム100の両方のLSAS層では、原則的な通信動作が、コヒーレンス間隔タイム・スロット内で起こる。
図2は、一実施形態によるLSASコヒーレンス間隔の概略図である。コヒーレンス間隔200は、モバイル端末108が間隔内で地理的に1/4波長を超えて移動できないという仮定に基づいて選択される。したがって、コヒーレンス間隔200内で、各モバイル端末108向けのチャネル状態情報(CSI:Channel−State Information)、すなわち、サービス・アンテナとモバイル端末との間の伝搬路の推定は、事実上一定であると見なすことができる。ここで、コヒーレンス間隔は、CSIが、スロットの一部の間、そこで取得され、スロットの残りの間、確信を持ってそこで使用され得る、時間および無線周波数の無線伝送リソース・ブロックを表す。以下の説明は、システム100の上位層120の様々な動作について述べる。しかし、下位層130は、同じLSAS原則に従って動作可能であることを理解されたい。
【0020】
本明細書で使用されるダウンリンク通信は、(例えば、サービス・アンテナ106a〜iから)モバイル端末への通信を説明し、一方、アップリンク通信は、(例えば、サービス・アンテナ106a〜iで)モバイル端末から受信される通信を説明する。
【0021】
分散LSAS102のダウンリンク上で、サービス・アンテナ106a〜iが情報伝達シンボル(information−bearing symbol)を選択的にモバイル端末108a〜eに同時に(すなわち、同じ時間/周波数ビンで)伝送することを可能にするために、CSIが必要とされる。また、アップリンク上で、サービス・アンテナ106a〜iがモバイル端末108a〜eから受信された情報伝達シンボルを(例えば、モバイル端末108a〜eによって同時に伝送された後)区別するために、CSIが必要とされる。したがって、各サービス・アンテナ106a〜iは、モバイル端末108a〜eから受信されたアップリンク(逆方向リンク)パイロット信号および時分割複信(TDD:Time−Division Duplex)相互関係を活用することにより、各モバイル端末108a〜e向けのCSIを取得するために動作することができる。例えば、TDD相互関係に基づいて、サービス・アンテナ106a〜iは、アップリンク伝送とダウンリンク伝送の両方のために同じ周波数帯を使用することができる。したがって、TDD相互関係は、CSIを取得するのに必要な時間をサービス・アンテナの数とは無関係にすることを可能にする。したがって、分散LSAS102は、展開されたサービス・アンテナ106の数に関して拡張性を備えることができ、多重化選択性を向上させ、サービス・アンテナ106の数に比例して総放射電力を削減し、実効的なチャネル周波数応答を平滑化し、必要な電力制御コンポーネントを簡略化する。
【0022】
図2に示すように、コヒーレンス間隔200における中心的動作は、モバイル端末108a〜eによるアップリンク(逆方向リンク)パイロット・シーケンス202の伝送であり、そこからサービス・アンテナ106は、TDD相互関係を介してダウンリンク・チャネルに等しいアップリンク伝搬路を推定することができる。アップリンク・パイロット・シーケンス202の伝送に先立って、アップリンク(逆方向)データ伝送204が起こる。アップリンク・データ伝送204の場合、モバイル端末108a〜eは、データ伝達シンボル(すなわち、データ・パケット)を同時に伝送してもよく、一方、(もしあれば)電力制御規則に従って、時間および周波数リソースを共有する。サービス・アンテナ106a〜iは、次いで、受信した信号を一括して処理し、取得したCSIを活用することで個々の伝送を区別する。モバイル端末に対してのサービス・アンテナの大きな比率は、線形復号化(例えば、逆多重化)を可能にすることができる。サービス・アンテナ106a〜lによって受信されたデータ伝達信号の特定の線形結合は、モバイル端末108a〜eのデータ伝達シンボルの推定をもたらし、そこでは係数の結合はチャネル推定値によって決まる。線形結合の例には、整合フィルタリングやゼロフォーシングが含まれる。
【0023】
逆方向リンク(アップリンク)パイロット・シーケンス202の伝送の後に、順方向(ダウンリンク)データ伝送206が続く。コヒーレンス間隔200では、逆方向パイロット・シーケンス202と順方向データ206との間の空欄208は、順方向データ伝送206で使用するためのCSIを推定するためにLSASによって必要とされる時間間隔を表す。アップリンク・データ伝送204に類似して、端末に対してのサービス・アンテナの大きな比率は、線形プリコーディング(例えば、多重化)を可能にすることができる。例えば、線形プリコーディング演算は、サービス・アンテナ106が合同で伝送できる信号のベクトルを作成するために、モバイル端末108a〜eを対象としたデータ伝達シンボルのベクトルに行列を掛けてもよく、その行列の要素は、チャネル状態の推定に依存する。線形プリコーディング演算はまた、干渉の緩和目的、場合によっては、データ伝送速度の制御目的などの、電力制御を明らかにしてもよい。したがって、線形プリコーディングは、各モバイル端末108が、それを対象としたデータ伝達シンボルを、他のモバイル端末を対象とするデータ伝達シンボルからの最小限の干渉で、受信することを可能にする。
【0024】
一実施形態では、分散LSAS102および集中LSAS104は、直交周波数分割多重(OFDM:Orthogonal Frequency−Division Multiplexing)を使用して実装することができる。しかし、時間領域実装や、チャネル適応波形変調(channel−adaptive waveform modulation)を利用する実装を含む、他のLSASの実装が可能であることに当業者なら気付くであろう。例えば、OFDMパラメータ(秒単位)のロング・ターム・エボリューション(LTE)特有の値は、シンボル間隔
【数1】
、ガード・インターバル
【数2】
、および使用可能シンボル間隔
【数3】
のように仮定することができる。最悪のケースT
d=T
gを仮定した場合、ナイキスト・サンプリング(Nyquist−sampling)周波数間隔(ヘルツ単位)が、ガード・インターバルの逆数に等しいか、トーンにおいて
【数4】
に等しいように、ガード・インターバルは、少なくともチャネル遅延拡散T
dと同じ大きさになるように選択される。したがって、伝搬路は、14トーンの間隔にわたって区分的に一定であるとして扱うことができる。この区分的に一定の間隔は、周波数平滑性間隔(frequency smoothness interval)として示すことができる。
【0025】
コヒーレンス間隔200の同等のサンプル期間である、示されているTは、周波数平滑性間隔×スロットにおけるOFDMシンボルの数、
【数5】
に等しい。
【0026】
例えば、1ミリ秒のコヒーレンス間隔200は、14のOFDMシンボルを含み、そのため、サンプル期間は、T=14×14=196である。コヒーレンス間隔サンプル期間の意義は、それが、それぞれの区分一定周波数応答間隔内のチャネルの独自使用の数を示していることである。
【0027】
上述のとおり、サービス・アンテナ106a〜iは、アップリンク・チャネルの知識を(またTDD相互関係に基づいてダウンリンク・チャネルの知識を)、モバイル端末108a〜eによって伝送されたパイロット信号から導き出す。OFDM実装では、パイロット信号の伝送は、周波数応答がそこではほぼ区間的に一定であるトーン間隔のそれぞれにおいて個別に起こる。したがって、パイロット・シーケンスは、トーンとOFDMシンボルの両方によってインデックス付けされる(例えば、パイロット・シーケンスは、2つ以上のOFDMシンボルに及んでもよい)。
【0028】
K個のモバイル端末108の所与のセットについて、最も効率的なパイロット信号は、相互に直交であり、また必然的に総サンプル期間τ
rはKよりも大きいか、Kと等しい。さらに、あらゆるモバイル端末108がすべてのτ
rに向けて全出力で伝送した場合、チャネル推定の品質を向上させることができる。したがって、調和関係にある、直交の、複雑な正弦波が、理想的なパイロット・シーケンスを作り出すが、それは、それらが例えば、生成が容易であり、また一定の振幅をもっているからである。モバイル端末108は、パイロット・シーケンスを同期的に伝送してもよく、また各サービス・アンテナ106は、受信したパイロット信号をK個のパイロット信号のそれぞれと相互に関連付けてもよく、それによりスケーリング後、サービス・アンテナ自体とその特定のモバイル端末との間のCSIが生成される。したがって、各サービス・アンテナ106は、他のサービス・アンテナに関わりなく、チャネル推定値を導き出す。
【0029】
K>τ
rの場合、パイロット信号は、完全には直交することができず、そうした場合、受信したパイロット信号のみに基づいた伝搬路の推定は、相互に関連付けられたチャネル推定となる。例えば、k番目の端末へのチャネル推定は、そのパイロット・シーケンスがk番目のパイロット・シーケンスと相互に関連付けられた他のすべての端末へのチャネルの線形結合によって壊れ得る。パイロット汚染として知られるこの相互関係は、チャネル推定がダウンリンク多重化およびアップリンク逆多重化のために活用されるとき、指向性干渉(directed interference)をもたらす。例えば、データ伝達シンボルをk番目のモバイル端末108に向ける際、サービス・アンテナ106a〜iは、不注意で同じデータ伝達シンボルを、そのパイロット信号がk番目のパイロット信号に関連付けられた他のモバイル端末108に向ける場合がある。この指向性干渉の力は、サービス・アンテナ106の数とともに所望の信号と同じ割合で拡大する。
【0030】
所与のコヒーレンス間隔期間について、直交パイロット信号の最大数は、サンプル期間Tと等しい。しかし、この期間のパイロット信号を使用すると、コヒーレンス間隔においてデータを伝送するための時間が残らないことになる。さらに、コヒーレンス間隔期間は、モバイル端末の移動性、すなわち、
【数6】
のため、恣意的に延長することはできない。式中、vはモバイル端末の速度であり、λは波長である。したがって、パイロット汚染を引き起こすことなしに同時にサービス提供できる端末108の最大数は、
【数7】
である。
【0031】
例えば、K個のモバイル端末108は、アップリンク・データを同期的に伝送してもよく、そこでは、k番目のモバイル端末は、データ伝達(直交振幅変調、QAM:Quadrature Amplitude Modulation)シンボルq
k×電力制御変数
【数8】
を伝送してもよい。簡単にするために、トーン・インデックスおよびOFDMシンボル・インデックスを示す下付き文字が削除されていることに当業者なら気付くであろう。集合的に、K個のモバイル端末108は、K×1ベクトル
【数9】
を伝送する。式中、
【数10】
は、対角要素が電力制御パラメータであるK×K対角行列であり、qは、QAMシンボルのK×1ベクトルである。M個のサービス・アンテナ106は、一括してM×1ベクトル
【数11】
を受信する。式中、Gは、モバイル端末とサービス・アンテナとの間のチャネル周波数応答を表すM×K行列であり、w
rは、付加的な受信者雑音および干渉を表し、p
rは、全体的なチャネル強度を表すスカラである。この場合も、簡単にするために、トーン・インデックスおよびOFDMシンボル・インデックスを示す下付き文字が削除されていることに当業者なら気付くであろう。
【0032】
行列値伝搬路は、データ伝達シンボルを混合し、サービス・アンテナ106は、受信した信号を処理して個々のデータ伝達シンボルを復旧する。例えば、サービス・アンテナ106は、受信した信号にK×M復号化(逆多重化行列)を掛けてもよく、K×M復号化は、チャネル推定
【数12】
に基づく。復号化行列は、整合フィルタリング
【数13】
を利用しても、またゼロフォーシング
【数14】
を利用してもよい。式中、上付き文字Hは共役転置を示す。チャネル推定のエラーおよび雑音がない場合、ゼロフォーシングは、個々のQAMシンボルを回復でき、一方、整合フィルタリングは、個々のQAMシンボルを回復するために、端末に対するチャネルの直交性を必要とする(すなわち、Gの列ベクトルは直交でなければならない)。サービス・アンテナの数を増やすことは、端末へのチャネルを、よりほぼ直交にする傾向があり、したがって整合フィルタリングの性能を向上させる。
【0033】
ダウンリンク上で、サービス・アンテナ106a〜iは、QAMシンボルをK個の端末108のそれぞれに選択的に伝送してもよい。例えば、QAMシンボルのK×1ベクトルは、サービス・アンテナs
f=A
fqによって集合的に伝送される信号のM×1ベクトルを作成するために、M×Kプリコーディング(多重化)行列A
fを掛け得るqとして示されてもよい。集合的に、K個の個々のモバイル端末108は、K×1ベクトル
【数15】
を受信する。式中、w
fは、付加的な雑音および干渉であり、p
fは、全体的なチャネル強度を表すスカラ量である。電力制御を組み込んでもよいプリコーディング行列は、共役ビームフォーミング
【数16】
を利用しても、またゼロフォーシング
【数17】
を利用してもよい。式中、上付き文字「
*」は、複素共役を示す。ダウンリンク受信の場合のように、サービス・アンテナの数を増やすことは、端末へのチャネルを、よりほぼ直交にする傾向があり、したがって共役ビームフォーミングの性能を向上させる。
【0034】
一般に、各セル110は、K個の端末と通信する責任を負う可能性がある、M個のアンテナの集中LSASアレイ104を備える可能性がある。これらK個の端末は、バックホールを必要とするサービス・アンテナとアクセスを必要とする据置き型端末の両方を備える。アンテナMおよび端末Kの数は、あるセルから別のセルへと変化してもよいが、所与のセル110内で、端末108a〜eのそれぞれには、そのセルで使用されている他のK−1個のパイロット信号に直交するパイロット信号が割り当てられる可能性があり、各集中LSASアレイ104は、自身の端末のみに責任を負う可能性がある(すなわち、電力制御向けを除く、端末との通信の際、セル間の協力はない)。1つまたは複数の集中LSASアレイ104a〜iは、上述のとおり、パイロット汚染および指向性干渉を緩和するために、各セル110内で直交するパイロット信号を利用する可能性がある。集中LSASアレイ104a〜iは据置き型端末のみにサービス提供するので、CSI取得の問題は比較的容易である。なぜなら、据置き型端末の場合、CSIは、いったん取得されると長い時間間隔の間、有効であり続けるからである。集中LSASアレイ104a〜iが、移動している端末にサービス提供せざるを得ない場合、集中LSASアレイが対応し得る端末の数が、CSIを頻繁に再取得する必要性から、比較的少数になるはずであるため、スループットがひどく損なわれることになる。したがって、上位層120における分散化されたサービス・アンテナは、動いている端末に対応するのにより適している。
【0035】
同時にサービス提供できるモバイル端末の数、したがってモバイル端末への総スループットは、(パイロット汚染によって限定される)アンテナの数によって、1つまたは複数の集中LSASアレイ104に関して限定されるが、分散LSAS102は、セルラの境界がなく、したがって端末が移動した際のセル間のハンドオフはない。したがって、多数のサービス・アンテナ106は、各要素が時間および周波数リソースを共有している状態で、モバイル端末108に対してのサービス・アンテナ106の非常に大きな比率を維持できるよう、例えば、競技場、大学のキャンパス、または市全体にわたってなど、無作為に展開されてもよい。さらに、サービス・アンテナ106の数を増やすことは、より鋭いダウンリンク・ビーム、および個々のアップリンク伝送のより良い識別を生むことができ、それは、スモール・セルに対する基本的な優位性である。上述のとおり、サービス・アンテナ106は、モバイル端末108への伝搬路のために、アップリンク・パイロット・シーケンスおよび時分割複信(TDD)相互関係を通じてチャネル状態情報を取得することができる。
【0036】
したがって、無線通信システム100では、分散LSAS102は、モバイル端末のアクセスのためのサービス・アンテナの数に拡張性があるので、1つまたは複数の集中LSASアレイ104にわたる、モバイル端末へのサービス提供に理想的に適している。集中LSASアレイ104のセルラ配置は、従来であれば有線バックホール・サービスを必要としたであろうそれぞれのセル内で、バックホール・サービスを複数のサービス・アンテナに提供するのに経済的に利用することができる。
【0037】
したがって、無線通信システム100などの2層LSASは、集中LSASアレイと分散LSASの特徴を組み合わせる。一実施形態では、分散(セルフリー)LSASを特徴とする上位層は、アクセス・ポイントをモバイル端末に提供するために確保される。集中(セルラ)LSASを特徴とする下位層は、バックホール・リンクを上位層のサービス・アンテナと据置き型端末へのアクセス・サービスに提供するために、上位層と異なる周波数帯で動作してもよい。2つの層のそれぞれは、将来のトラフィック需要に対応するために、拡張されてもよい。
【0038】
図3は、一実施形態による2層無線通信システムにおいて通信するための流れ図を示す。無線通信システム100を例として使用すると、複数のサービス・アンテナ106は、無線アクセス・サービスをモバイル端末108に提供するための分散LSAS102を備えるよう、指定されたサービス・エリアにおいて分散化される。複数のサービス・アンテナ106のそれぞれは、シングル・アンテナを備えてもよく、また時間および周波数リソースを他のサービス・アンテナと共有してもよい。あるいは、複数のサービス・アンテナ106は、マルチ・サービス・アンテナを備えてもよい。
【0039】
通信がネットワーク・アクセスをモバイル端末に提供することを含む場合、分散LSAS102の複数のサービス・アンテナ106が利用される。例えば、ネットワーク・サーバは、302において、特定のモバイル端末同士を区別するために(例えば、サービス・アンテナ106a〜iを介して)パイロット・シーケンスを割り当てる。基本的には、直交パイロット・シーケンスの、あらゆるモバイル端末への割当てが希望されるが、多数の端末、およびCSIが取得されなければならない短い時間間隔が、直交パイロット・シーケンスを排除する恐れがある。すぐ近くにある端末は、完全に非直交のパイロット・シーケンスを割り当てられた際、パイロット汚染、すなわち、それぞれのチャネル推定の混乱に起因するコヒーレント干渉の一種を引き起こしやすい。一実施形態では、互いに対してパイロット汚染を招きやすい2つの端末は、ほぼ直交のパイロット・シーケンスを割り当てられてもよく、一方、互いのパイロット汚染を引き起こしづらい端末は、互いに関連のあるパイロットを割り当てられてもよい。パイロット割当ての手法は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている、2011年9月21日に出願された米国特許出願第13/238329号、名称「Cell−Free Large−Scale Antenna System」に指定されている。例えば、第1の手法は、端末の場所に従って、パイロット・シーケンスを割り当てる。τ
rがパイロット・シーケンスの期間の場合、ランダムのτ
r×τ
rユニタリ行列Φ(x,y)は、デカルト位置(Cartesian position)の関数として生成される。この確率場は、すぐ近くに取られた行列は、大いに関連付けられており、遠くに離れて取られた行列は、お互いほぼ無関係であるように、空間にわたって関連付けられている。位置(x,y)における端末には、そのパイロット・シーケンスとして、一般に端末の近接物のパイロット・シーケンスとの相関が最も小さい列であり得る、ランダム行列のτ
r列の1つが割り当てられる。パイロット割当ての別の手法は、各端末のために、パイロット汚染の最小化を試みる、低速フェージング係数を含む数学的基準に基づいて、パイロット・シーケンスを選択してもよい。
【0040】
いったんパイロット・シーケンスが割り当てられると、304において、各サービス・アンテナ106a〜iは、モバイル端末108a〜eのそれぞれへのその独自の伝搬路(CSI)を、受信したアップリンク複合パイロット信号から推定する。306では、サービス・アンテナ106a〜iは、CSIに基づいてモバイル端末108a〜eと通信するために、ダウンリンク・チャネル上で共役ビームフォーミングを利用することができ、アップリンク・チャネル上で整合フィルタリングを利用することができる。
【0041】
共役ビームフォーミングおよび整合フィルタリングは、高度に分散された動作を可能にする。例えば、ダウンリンク伝送の場合、モバイル端末108a〜eを対象とした直交振幅変調(QAM)シンボルは、(例えば、ネットワーク・サーバから)サービス・アンテナ106a〜iに送信し、各サービス・アンテナ106は、その独自の信号を計算してモバイル端末108に伝送することができる。アップリンク伝送の場合、各サービス・アンテナ106a〜iは、モバイル端末から受信した信号をその独自のチャネル推定を使用して様々な伝送ソースを区別する。短いコヒーレンス間隔(例えば、1ms以下)は、それを使用することでハイモビリティ端末に対応することができる。あるいは、長短混合のコヒーレンス間隔は、それを使用することで高速モバイル端末と低速モバイル端末の両方に対応することができる。
【0042】
指定された大規模なサービス・エリア(例えば、市全体)では、特定のサービス・アンテナとモバイル端末との間の伝搬路は、非常に弱い場合があり、1つまたは複数のサービス・アンテナは、離れたモバイル端末にサービス提供することを選択的に免除される場合がある。例えば、アンテナは、無線アクセス・サービスを提供するための閾値(例えば、最低信号強度)に基づいて、モバイル端末にサービス提供することを選択的に免除される場合がある。事実上、各端末は、内部が対象の端末を処理するサービス・アンテナを囲む架空のバブル(imaginary bubble)によって取り囲まれる。サービス・アンテナが特定の端末にサービス提供するのを選択的に免除することは、場合によっては、特定のサービス・アンテナにおける処理負担を軽減し、特に離れたサービス・アンテナとやりとりするバックホール・トラフィックを削減することができる。
【0043】
図4は、一実施形態による2層無線通信システムにおけるモバイル端末サービス・エリア・バブルを示す。図に示すように、特定のモバイル端末402にサービス提供するサービス・アンテナ400a〜cのサブセットは、モバイル端末402の地理的場所に関連するサービス・エリア・バブル404内にあってもよい。サービス・エリア・バブル404の外に設置されたサービス・アンテナは、モバイル端末402へのサービス提供を免除される。しかし、モバイル端末402は、システム100を通じて(例えば、線分A−A’に沿って)移動するので、モバイル端末に関連するサービス・エリア・バブルもまた、様々な時間間隔で、移動したり、形を(例えば、不明瞭な形、不ぞろいな形、または正確な境界のない形に)変えたりしてもよい。例えば、モバイル端末402は、位置Aから位置A’に線分A−A’に沿って移動するので、モバイル端末402に関連するサービス・エリア・バブルは、例えば、サービス・エリア・バブル404からサービス・エリア・バブル406に、移動したり、形を変えたりしてもよい。あるいは、サービス・エリア・バブルの構成は、無線アクセス・サービスを提供するための閾値(例えば、最低利得閾値)に基づいてもよい。そのような場合、サービス・エリア・バブル406の内側に設置されたサービス・アンテナ408a〜bは、モバイル端末402にサービス提供し、一方、サービス・エリア・バブル406の外に設置されたサービス・アンテナ(例えば、サービス・アンテナ403やサービス・アンテナ400a〜c)は、モバイル端末402へのサービス提供を免除されてもよい。
【0044】
バックホール能力をサービス・アンテナ106のうちの1つまたは複数に提供する、または固定端末112にネットワーク・アクセスを提供するための通信では、1つまたは複数の集中LSASアレイ104a〜iが利用される。上述のとおり、下位層130は、集中型でありながら非常に大規模なLSASアレイ104a〜iのセルラ配置を構成する。例えば、下位層LSASアレイは、超高層ビルなどの大型ビルのカーテン・ウォール上に構成されたコンフォーマル・アレイであってもよい。さらに、システムの動作を実質的に変更することなしに、集中LSASアレイは、物理的に切り離された2つ以上のサブアレイに分けられてもよい。一実施形態では、下位層LSASアレイは、据置き型アクセス・ポイントおよび端末に完全に集中化することができ、それは、サービス提供できる顧客の最大数が、伝搬路のコヒーレンス間隔よりも小さくなければならい直交アップリンク・パイロット・シーケンスを伝送するのにかかる時間によって限定されるからである。モバイル端末をサービス提供から除外することにより、サービス・アンテナの数の倍増はすべて、端末の倍増、したがって総スループットの倍増を可能にする。一実施形態では、長いコヒーレンス間隔(例えば、5ms以上)は、下位層LSASで使用可能であり、下位層LSASのユーザは静止しているか、低速で移動しているので、チャネル推定のオーバーヘッドを最小化する。CSIは非常にゆっくり変化するので、各コヒーレンス間隔においてあらゆる端末のCSIを再推定する必要はおそらくない。さらに、複数のサービス・アンテナ106a〜iおよび1つまたは複数の集中大規模アンテナ・システム・アレイ104a〜iは、干渉を緩和するために互いに対して分離した周波数帯で動作してもよい。
【0045】
したがって、無線通信システム100では、分散(セルフリー)LSASを特徴とする上位層120は、アクセス・ポイントをモバイル端末に提供し、集中(セルラ)LSASを特徴とする下位層130は、バックホール能力を上位層のサービス・アンテナに提供する。特殊化されていることに加え、2つの層は、将来のトラフィック需要に対応するために拡張することができる。具体的には、上位層120は、モバイル端末に対してのサービス・アンテナの比率を拡大するために、追加のサービス・アンテナを用いて拡張することができ、一方、下位層LSASアレイは、追加の光ファイバのコストのために、追加のバックホール能力に対して拡大することができる。追加の光ファイバのコストは、アレイごとのサービス・アンテナの数ではなく、LSASアレイの総数に大きく依存するので、いったん埋設管がLSASアレイのサイトに建設されると、追加のファイバは、必要に応じて最小コストで設置することができる。
【0046】
本明細書で説明するシステム、装置、および方法は、デジタル回路を使用して、またはよく知られているコンピュータ・プロセッサ、メモリ・ユニット、記憶装置、コンピュータ・ソフトウェア、および他のコンポーネントを用いた1つもしくは複数のコンピュータを使用して、実装することができる。通常は、コンピュータは、命令を実行するためのプロセッサ、ならびに命令およびデータを保存するための1つまたは複数のメモリを備える。コンピュータはまた、1つもしくは複数の磁気ディスク、内蔵ハード・ディスクおよびリムーバル・ディスク、光磁気ディスク、光ディスクなどの1つまたは複数の大容量記憶装置を備えていても、またそれに結合されていてもよい。
【0047】
本明細書で説明するシステム、装置、および方法は、プログラマブル・プロセッサによる実行のため、持続的なマシン可読記憶装置など情報媒体に現実に組み込まれたコンピュータ・プログラム製品を使用して、実装されてもよい。また、
図3のステップのうちの1つまたは複数を含む、本明細書で説明する方法ステップは、そうしたプロセッサによって実行可能な1つまたは複数のコンピュータ・プログラムを使用して、実装されてもよい。コンピュータ・プログラムは、特定の活動を実行する、または特定の結果をもたらすために、コンピュータにおいて、直接的または間接的に使用可能な1組のコンピュータ・プログラム命令である。コンピュータ・プログラムは、コンパイラ型言語またはインタープリタ型言語を含む、任意の形態のプログラミング言語で記述することができ、またスタンドアロン・プログラムとして、またはモジュール、コンポーネント、サブルーチン、もしくはコンピューティング環境での使用に適した他のユニットとしてなど任意の形態で展開することができる。
【0048】
本明細書で説明するシステム、装置、および方法を実装するために使用できる例示的なコンピュータの概略ブロック図が、
図5に示されている。コンピュータ500は、データ記憶装置520およびメモリ530に動作可能に結合されたプロセッサ510を備える。プロセッサ510は、コンピュータ・プログラム命令を実行することによって、コンピュータ500の全体的な動作を制御し、コンピュータ・プログラム命令には、そうした動作が定義されている。コンピュータ・プログラム命令は、データ記憶装置520または他のコンピュータ可読媒体に保存されてもよく、またコンピュータ・プログラム命令の実行が要求されるとき、メモリ530にロードされてもよい。
図1を参照すると、例えば、サービス・アンテナ106a〜iは、コンピュータ500の1つまたは複数のコンポーネントを備えることができる。したがって、
図3の方法ステップは、メモリ530および/またはデータ記憶装置520に保存されたコンピュータ・プログラム命令によって定義し、コンピュータ・プログラム命令を実行するプロセッサ510によって制御することができる。例えば、コンピュータ・プログラム命令は、
図3の方法ステップによって定義されたアルゴリズムを実行するために当業者によってプログラムされたコンピュータ実行可能コードとして実装することができる。したがって、コンピュータ・プログラム命令を実行することによって、プロセッサ510は、
図3の方法ステップによって定義されたアルゴリズムを実行する。コンピュータ500はまた、ネットワーク110などのネットワークを介して他のデバイスと通信するための、1つまたは複数のネットワーク・インタフェース540を備える。コンピュータ500はまた、コンピュータ500とのユーザ対話を可能にする1つまたは複数の入力/出力デバイス550(例えば、ディスプレイ、キーボード、マウス、スピーカ、ボタンなど)を備える。
【0049】
プロセッサ510は、汎用のマイクロプロセッサと特殊用途のマイクロプロセッサの両方を備えてもよく、また単独のプロセッサでも、コンピュータ500の複数のプロセッサのうちの1つでもよい。プロセッサ510は、例えば、1つまたは複数の中央処理装置(CPU)を備えてもよい。プロセッサ510、データ記憶装置520、および/またはメモリ530は、1つもしくは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)および/または1つもしくは複数のフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)を備えても、それらによって補完されても、それらに組み込まれてもよい。
【0050】
データ記憶装置520およびメモリ530はそれぞれ、有形の持続的なコンピュータ可読記憶媒体を備える。データ記憶装置520およびメモリ530はそれぞれ、ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DRAM)、スタティック・ランダム・アクセス・メモリ(SRAM)、ダブル・データ・レート・シンクロナス・ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DDR SDRAM)、または他のランダム・アクセス・ソリッド・ステート・メモリ・デバイスといった高速ランダム・アクセス・メモリを含んでもよく、また内蔵ハード・ディスクやリムーバル・ディスクなどの1つまたは複数の磁気ディスク記憶装置、光磁気ディスク記憶装置、光ディスク記憶装置、フラッシュ・メモリ・デバイスの他、消去可能プログラマブル読出し専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読出し専用メモリ(EEPROM)、コンパクト・ディスク読出し専用メモリ(CD−ROM)、デジタル多用途ディスク読出し専用メモリ(DVD−ROM)ディスク、または他の不揮発性ソリッド・ステート記憶装置などの半導体メモリ・デバイスといった不揮発性メモリを含んでもよい。
【0051】
入力/出力デバイス550は、プリンタ、スキャナ、ディスプレイ画面などの周辺装置を含んでもよい。例えば、入力/出力デバイス550は、情報をユーザに表示するための、ブラウン管(CRT)、プラズマ、または液晶ディスプレイ(LCD)モニタなどのディスプレイ装置、キーボード、およびユーザがそれを通じて入力信号をコンピュータ500に提供できる、マウスやトラックボールなどのポインティング・デバイスを含んでもよい。
【0052】
サービス・アンテナ106a〜iを含む、本明細書で論じるシステムおよび装置のいずれか、またはすべては、コンピュータ500などのコンピュータを使用して実装されてもよい。
【0053】
実際のコンピュータまたはコンピュータ・システムの実装は、他の構造を備えたり、他コンポーネントを同様に含んだりすることができることと、
図5は、例示を目的とした、そうしたコンピュータのコンポーネントのうちのいくつかの概略表現であることを当業者なら理解するであろう。
【0054】
前述の「発明を実施するための形態」は、あらゆる点において、説明的および例示的であり、限定的ではないものとして理解されたい。また、本明細書で開示される本発明の範囲は、「発明を実施するための形態」によって決定されるべきではなく、むしろ特許法で認められている全容に従って解釈される特許請求の範囲によって決定されるべきである。本明細書で図示され、説明される実施形態は、本発明の原理を単に例示したものであり、また様々な修正形態は、当業者によって、本発明の範囲および趣旨から逸脱することなく、実装され得ることを理解されたい。当業者なら、本発明の範囲および趣旨から逸脱することなく、他の様々な特徴の組合せを実装できるであろう。