(54)【発明の名称】チャネル・フィードバックを生成および送信するための方法および送信機装置、ならびにチャネル・フィードバックを受信および取り出すための方法および受信機装置
【文献】
Thorsten Wild,Multi-antenna OFDM channel feedback compression explonting sparsity,European Wireless 2013,2013年 4月16日
【文献】
Johannes Koppenborg,Test of Downlink Joint Transmission with Distributed Antennas,WSA 2013,2013年 3月13日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記短期フィードバック(STF)に関する前記事前に定義されたフィードバック無線リソースが、前記少なくとも第1の品質値(APP1、APP2、APP3、APP4、APP5)および前記少なくとも第2の品質値に応じて、前記第1の送信チャネル(TC1)に関する前記短期フィードバック(STF)の繰り返される送信に関する第1のセグメントと、前記少なくとも1つの第2の送信チャネル(TC2、TC3)の前記短期フィードバック(STF)の繰り返される送信に関する少なくとも1つの第2のセグメントとに分割される、請求項1に記載の方法(M1−TA)。
前記第1の短期情報(STF1)が、前記第1のアンテナ・システム(AS1)の少なくとも1つのアンテナ要素のうちの1つから、前記ネットワーク・ノード(MS)の前記アンテナ・システム(AS)の少なくとも1つのアンテナ要素のうちの1つへの少なくとも1つの第1の送信パス(TP1、TP2)に関連しており、前記少なくとも第2の短期情報(STF2、STF3)が、前記少なくとも1つの第2のアンテナ・システム(AS2、AS3)の少なくとも1つのアンテナ要素のうちの1つから、前記ネットワーク・ノード(MS)の前記アンテナ・システム(AS)の前記少なくとも1つのアンテナ要素のうちの1つへの少なくとも1つの第2の送信パスに関連している、請求項1又は2に記載の方法(M1−TA)。
前記第1の送信チャネル(TC1)および前記少なくとも第2の送信チャネル(TC2、TC3)を介した直交周波数分割多重送信に関して、前記第1の短期情報(STF1)が、前記少なくとも1つの第1の送信パス(TP1、TP2)の周波数ドメイン・チャネル転送関数を再構築することを可能にする係数の第1のセットを含み、前記少なくとも第2の短期情報(STF2、STF3)が、前記少なくとも1つの第2の送信パスの周波数ドメイン・チャネル転送関数を再構築することを可能にする係数の少なくとも1つの第2のセットを含み、または、前記第1の送信チャネル(TC1)および前記少なくとも第2の送信チャネル(TC2、TC3)を介した符号分割多元接続送信もしくはワイドバンド符号分割多元接続送信に関して、前記第1の短期情報(STF1)が、前記少なくとも1つの第1の送信パス(TP1、TP2)の周波数ドメイン・チャネル転送関数もしくは時間ドメイン・チャネル・インパルス応答を再構築することを可能にする係数の第1のセットを含み、前記少なくとも第2の短期情報(STF2、STF3)が、前記少なくとも1つの第2の送信パスの周波数ドメイン・チャネル転送関数もしくは時間ドメイン・チャネル・インパルス応答を再構築することを可能にする係数の少なくとも1つの第2のセットを含む、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法(M1−TA)。
無線リソース・ユニットの前記配分(DIS−RU)が、前記受信機装置(RA)によって事前に定義された報告クラスタのそれぞれの送信チャネル(TC1、TC2、TC3)に関する少なくとも1つの無線リソース・ユニットを含む、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法(M1−TA)。
前記長期フィードバック(LTF)が、前記少なくとも1つの第1の品質値(APP1、APP2、APP3、APP4)の少なくとも1つの第1の時間遅延値(t1、t2、t3、t4)、および前記少なくとも1つの第2の品質値の少なくとも1つの第2の時間遅延値をさらに含み、前記少なくとも第1の品質値(APP1、APP2、APP3、APP4)が、第1のパワー値であり、前記少なくとも第2の品質値が、第2のパワー値である、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の方法(M1−TA)。
前記少なくとも1つの第1の時間遅延値(t1、t2、t3、t4、t5)および前記少なくとも第1のパワー値が、前記第1のアンテナ・システム(AS1)のアンテナ要素のうちの1つから、前記ネットワーク・ノード(MS)の前記アンテナ・システム(AS)のアンテナ要素のうちの1つへの間における、前記第1の送信チャネル(TC1)の第1の送信パス(TP1、TP2)に関する第1のチャネル・インパルス応答どうしにわたって平均化された第1のチャネル・インパルス応答(CIR_TC1)の少なくとも1つの第1の極大に関して特定され、前記少なくとも第2の時間遅延値および前記少なくとも第2のパワー値が、前記少なくとも第2のアンテナ・システム(AS2、AS3)のアンテナ要素のうちの1つから、前記ネットワーク・ノード(MS)の前記アンテナ・システム(AS)の前記アンテナ要素のうちの1つへの間における、前記少なくとも第2の送信チャネル(TC2、TC3)の送信パスに関する第2のチャネル・インパルス応答どうしにわたって平均化された第2のチャネル・インパルス応答の少なくとも1つの第2の極大に関して特定される、請求項6に記載の方法(M1−TA)。
無線リソース・ユニットの前記配分(DIS−RU)に関する前記特定するステップ(S11−Ml)が、無線リソース・ユニットを前記少なくとも第1の極大に、および前記少なくとも第2の極大に割り当てる、請求項7に記載の方法(M1−TA)。
前記長期フィードバック(LTF)が、無線リソース・ユニットのゼロよりも多い割り当てられた数を伴って、前記平均化された第1のチャネル・インパルス応答の、および前記平均化された少なくとも第2のチャネル・インパルス応答の極大に関して送信されるだけである、請求項7または請求項8に記載の方法(M1−TA)。
前記長期フィードバック(LTF)に関する前記送信するステップ(S13−M1)が、前記長期タイム・インターバルによって繰り返され、または無線リソース・ユニットの前記配分(DIS−RU)が変更された場合に繰り返される、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の方法(M1−TA)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
FDD送信モードにおけるダウンリンクCoMPのためのアップリンク・シグナリングは、必要とするフィードバック無線リソースをできる限り少なくすることによって、複数のセルにわたって非常に正確なチャネル知識を提供すべきである。したがって、本発明の実施形態の目的は、ダウンリンクCoMPのための効率的なチャネル状態フィードバックを提供することであり、マルチポイント送信機におけるダウンリンク・チャネル知識は、事前に定義された数のフィードバック無線リソースの使用に関して、できる限り最も正確であるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的は、送信機装置によってチャネル・フィードバックを生成して送信するための方法によって達成される。この方法は、無線通信システムの第1のアンテナ・システムから、送信機装置を含むネットワーク・ノードのアンテナ・システムへの第1の送信チャネルに関する、長期タイム・インターバルにわたって平均化された少なくとも1つの第1の品質値、および、無線通信システムの少なくとも1つの第2のアンテナ・システムから、ネットワーク・ノードのアンテナ・システムへの少なくとも1つの第2の送信チャネルに関する、長期タイム・インターバルにわたって平均化された少なくとも1つの第2の品質値を特定するステップを含む。この方法は、少なくとも第1の品質値および少なくとも第2の品質値に基づいて、事前に定義されたフィードバック無線リソースの無線リソース・ユニットの配分を特定するステップをさらに含むことができる。この方法は、少なくとも1つの第1の品質値および少なくとも1つの第2の品質値を含む長期フィードバックを受信機装置へ送信するステップをさらに含むことができる。この方法は、無線リソース・ユニットの配分を使用して、第1の送信チャネルに関する第1の短期情報、および少なくとも第2の送信チャネルに関する少なくとも第2の短期情報を含む短期フィードバックを長期タイム・インターバル以下の短期タイム・インターバルで受信機装置へ送信するステップをさらに含むことができる。
【0011】
この目的は、チャネル・フィードバックを生成して送信するための送信機装置によってさらに達成される。この送信機装置は、無線通信システムの第1のアンテナ・システムから、この送信機装置を含むネットワーク・ノードのアンテナ・システムへの第1の送信チャネルに関する、長期タイム・インターバルにわたって平均化された少なくとも1つの第1の品質値、および、無線通信システムの少なくとも1つの第2のアンテナ・システムから、ネットワーク・ノードのアンテナ・システムへの少なくとも1つの第2の送信チャネルに関する、長期タイム・インターバルにわたって平均化された少なくとも1つの第2の品質値を特定するステップを行うための手段を含むことができる。この送信機装置は、少なくとも第1の品質値および少なくとも第2の品質値に基づいて、事前に定義されたフィードバック無線リソースの無線リソース・ユニットの配分を特定するステップを行うための手段をさらに含むことができる。この送信機装置は、少なくとも1つの第1の品質値および少なくとも1つの第2の品質値を含む長期フィードバックを受信機装置へ送信するステップを行うための、ならびに、無線リソース・ユニットの配分を使用して、第1の送信チャネルに関する第1の短期情報、および少なくとも第2の送信チャネルに関する少なくとも第2の短期情報を含む短期フィードバックを長期タイム・インターバル以下の短期タイム・インターバルで受信機装置へ送信するステップを行うための手段をさらに含むことができる。
【0012】
複数の実施形態においては、少なくとも1つの第1の品質値および少なくとも1つの第2の品質値を特定するステップを行うための手段は、任意の第1の特定するユニット、第1の特定ユニット、第1の特定するモジュール、または第1の特定モジュールに相当することが可能である。したがって、複数の実施形態においては、少なくとも1つの第1の品質値および少なくとも1つの第2の品質値を特定するステップを行うための手段は、第1の送信チャネルおよび第2の送信チャネルを介して受信された基準信号に関する入力と、それらの受信された基準信号に基づいて少なくとも1つの第1の品質値および少なくとも1つの第2の品質値および短期フィードバックを特定するアルゴリズムと、少なくとも第1の品質値および少なくとも第2の品質値および短期フィードバックに関する出力とを含むことができる。いくつかの実施形態においては、少なくとも1つの第1の品質値および少なくとも1つの第2の品質値を特定するステップを行うための手段は、コンピュータ・プログラム、およびそのコンピュータ・プログラムが実行されるハードウェア・コンポーネント、たとえば、DSP(DSP=Digital Signal Processor)、ASIC(ASIC=Application−Specific Integrated Circuit)、FPGA(FPGA=Field−Programmable Gate Array)、またはその他の任意のプロセッサという点から実施されることが可能である。
【0013】
複数の実施形態においては、無線リソース・ユニットの配分を特定するステップを行うための手段は、任意の第2の特定するユニット、第2の特定ユニット、第2の特定するモジュール、もしくは第2の特定モジュールに、または第1の特定するユニット、第1の特定ユニット、第1の特定するモジュール、もしくは第1の特定モジュールに相当することが可能である。したがって、複数の実施形態においては、無線リソース・ユニットの配分を特定するステップを行うための手段は、第1の送信チャネルの少なくとも第1の品質値および少なくとも第2の送信チャネルの少なくとも第2の品質値に関する入力と、少なくとも第1の品質値および少なくとも第2の品質値に基づいて無線リソース・ユニットの配分を特定するアルゴリズムと、無線リソース・ユニットの配分に関する出力とを含むことができる。いくつかの実施形態においては、無線リソース・ユニットの配分を特定するステップを行うための手段は、コンピュータ・プログラム、およびそのコンピュータ・プログラムが実行されるハードウェア・コンポーネント、たとえば、DSP(DSP=Digital Signal Processor)、ASIC(ASIC=Application−Specific Integrated Circuit)、FPGA(FPGA=Field−Programmable Gate Array)、またはその他の任意のプロセッサという点から実施されることが可能である。
【0014】
複数の実施形態においては、送信するステップを行うための手段は、任意の送信ユニット、たとえば、送信機、トランシーバなどに相当することが可能である。したがって、複数の実施形態においては、送信するステップを行うための手段は、長期フィードバック、短期フィードバック、および無線リソース・ユニットの配分に関する入力と、長期フィードバックおよび/または短期フィードバックを含む無線周波数信号を生成するための、コーディング・ユニット、変調ユニット、および増幅ユニットなどのサブユニットを備えた無線信号生成ユニットと、長期フィードバックおよび/または短期フィードバックを含む無線周波数信号に関する出力とを含むことができる。いくつかの実施形態においては、送信するステップを行うための手段は、コンピュータ・プログラム、およびそのコンピュータ・プログラムが実行されるハードウェア・コンポーネント、たとえば、DSP(DSP=Digital Signal Processor)、ASIC(ASIC=Application−Specific Integrated Circuit)、FPGA(FPGA=Field−Programmable Gate Array)、またはその他の任意のプロセッサという点から部分的に実施されることが可能である。
【0015】
この目的は、受信機装置においてチャネル・フィードバックを受信して取り出すための方法によってさらにいっそう達成される。この方法は、無線通信システムの第1のアンテナ・システムから、送信機装置を含むネットワーク・ノードのアンテナ・システムへの第1の送信チャネルに関する、長期タイム・インターバルにわたって平均化されている少なくとも1つの第1の品質値を含む長期フィードバックを送信機装置から受信するステップを含む。長期フィードバックは、無線通信システムの少なくとも1つの第2のアンテナ・システムから、ネットワーク・ノードのアンテナ・システムへの少なくとも1つの第2の送信チャネルに関する、長期タイム・インターバルにわたって平均化されている少なくとも1つの第2の品質値をさらに含む。この方法は、事前に定義されたフィードバック無線リソースの無線リソース・ユニットの配分を使用して、第1の送信チャネルに関する第1の短期情報、および少なくとも第2の送信チャネルに関する少なくとも第2の短期情報を含む短期フィードバックを短期タイム・インターバルによって送信機装置から受信するステップをさらに含む。無線リソース・ユニットの配分は、少なくとも第1の品質値および少なくとも第2の品質値に基づいて特定されることが可能である。短期タイム・インターバルは、長期タイム・インターバル以下であることが可能である。
【0016】
この方法は、無線リソース・ユニットの配分に基づいて短期フィードバックから第1の短期情報および少なくとも第2の短期情報を特定するステップをさらに含む。
【0017】
この目的は、チャネル・フィードバックを受信して取り出すための受信機装置によってさらにいっそう達成される。この受信機装置は、無線通信システムの第1のアンテナ・システムから、送信機装置を含むネットワーク・ノードのアンテナ・システムへの第1の送信チャネルに関する、長期タイム・インターバルにわたって平均化されている少なくとも1つの第1の品質値を含む長期フィードバックを送信機装置から受信するステップを行うための手段を含む。長期フィードバックは、無線通信システムの少なくとも1つの第2のアンテナ・システムから、ネットワーク・ノードのアンテナ・システムへの少なくとも1つの第2の送信チャネルに関する、長期タイム・インターバルにわたって平均化されている少なくとも1つの第2の品質値をさらに含む。受信するステップを行うための手段は、事前に定義されたフィードバック無線リソースの無線リソース・ユニットの配分を使用して、第1の送信チャネルに関する第1の短期情報、および少なくとも第2の送信チャネルに関する少なくとも第2の短期情報を含む短期フィードバックを長期タイム・インターバル以下の短期タイム・インターバルで送信機装置から受信するステップを行うようにさらに適合されている。無線リソース・ユニットの配分は、少なくとも第1の品質値および少なくとも第2の品質値に基づいて特定される。この受信機装置は、無線リソース・ユニットの配分に基づいて短期フィードバックから第1の短期情報および少なくとも第2の短期情報を特定するステップを行うための手段をさらに含む。
【0018】
複数の実施形態においては、受信するステップを行うための手段は、任意の受信ユニット、たとえば、受信機、トランシーバなどに相当することが可能である。したがって、複数の実施形態においては、受信するステップを行うための手段は、長期フィードバックおよび/または短期フィードバックを含む無線周波数信号に関する入力と、前置増幅ユニット、デコーディング・ユニット、受信された無線周波数信号から長期フィードバックの情報および/または短期フィードバックの情報を抽出するための復調ユニットなどのサブユニットを備えた信号復元ユニットと、長期フィードバックの情報および/または短期フィードバックの情報に関する出力とを含むことができる。いくつかの実施形態においては、受信するステップを行うための手段は、コンピュータ・プログラム、およびそのコンピュータ・プログラムが実行されるハードウェア・コンポーネント、たとえば、DSP(DSP=Digital Signal Processor)、ASIC(ASIC=Application−Specific Integrated Circuit)、FPGA(FPGA=Field−Programmable Gate Array)、またはその他の任意のプロセッサという点から部分的に実施されることが可能である。
【0019】
複数の実施形態においては、特定するステップを行うための手段は、無線リソース・ユニットの配分に基づいて短期フィードバックから第1の短期情報および少なくとも第2の短期情報を得るための任意の特定するユニット、特定ユニット、特定するモジュール、特定モジュール、復元するモジュール、または復元するユニットに相当することが可能である。したがって、複数の実施形態においては、取り出すステップを行うための手段は、長期フィードバックおよび短期フィードバックの情報に関する入力と、長期フィードバックの情報に基づいて無線リソース・ユニットの配分を得て、無線リソース・ユニットのその得られた配分に基づいて短期フィードバックから第1の短期情報および少なくとも第2の短期情報を得るアルゴリズムと、第1の短期情報および少なくとも第2の短期情報に関する出力とを含むことができる。いくつかの実施形態においては、取り出すステップを行うための手段は、コンピュータ・プログラム、およびそのコンピュータ・プログラムが実行されるハードウェア・コンポーネント、たとえば、DSP(DSP=Digital Signal Processor)、ASIC(ASIC=Application−Specific Integrated Circuit)、FPGA(FPGA=Field−Programmable Gate Array)、またはその他の任意のプロセッサという点から実施されることが可能である。
【0020】
本発明の実施形態は、ダウンリンクCoMPのための無線リソースの効率的なフィードバック送信スキームを提供する。このフィードバック送信スキームはまた、無線通信システムから移動局へのダウンリンクCoMP送信のために連携するさまざまな数の無線セルにとってフレキシブルかつスケーラブルである。
【0021】
好ましい一実施形態によれば、無線リソース・ユニットの配分は、第1の送信チャネルに関して、および少なくとも1つの第2の送信チャネルに関してともに特定されることが可能である。
【0022】
無線リソース・ユニットの配分がともに特定されることによって、マルチポイント送信機において必要とされるチャネル・ステーション情報に関して最も関連性の高い部分にわたって無線リソース・ユニットが配分されることが可能になる。それによって、量子化されていないチャネルに対して2乗誤差歪みが最小化されることが可能である。このことが意味しているのは、たとえば、周波数ドメインにおける歪みメトリックに関して、量子化されたチャネルのいわゆる複素CTFベクトル(CTF=Channel Transfer Function)が、量子化されていないCTFから差し引かれて、その結果の絶対値の2乗が平均化されるということである。
【0023】
さらなる好ましい一実施形態においては、第1の短期情報は、第1のアンテナ・システムの単一のアンテナ要素または複数のアンテナ要素のうちの1つから、ネットワーク・ノードのアンテナ・システムの単一のアンテナ要素または複数のアンテナ要素のうちの1つへの少なくとも1つの第1の送信パスに関連していることが可能であり、少なくとも第2の短期情報は、少なくとも第2のアンテナ・システムの単一のアンテナ要素または複数のアンテナ要素のうちの1つから、ネットワーク・ノードのアンテナ・システムの単一のアンテナ要素または複数のアンテナ要素のうちの1つへの少なくとも1つの第2の送信パスに関連していることが可能である。
【0024】
またさらなる好ましい実施形態によれば、第1の送信チャネルおよび少なくとも第2の送信チャネルを介した直交周波数分割多重送信に関して、第1の短期情報は、少なくとも1つの第1の送信パスの周波数ドメイン・チャネル転送関数を再構築することを可能にする係数の第1のセットを含むことができ、少なくとも第2の短期情報は、少なくとも1つの第2の送信パスの周波数ドメイン・チャネル転送関数を再構築することを可能にする係数の少なくとも1つの第2のセットを含むことができ、または、たとえば、第1の送信チャネルおよび少なくとも第2の送信チャネルを介した符号分割多元接続送信もしくはワイドバンド符号分割多元接続送信に関して、第1の短期情報は、少なくとも1つの第1の送信パスの周波数ドメイン・チャネル転送関数もしくは時間ドメイン・チャネル・インパルス応答を再構築することを可能にする係数の第1のセットを含むことができ、少なくとも第2の短期情報は、少なくとも1つの第2の送信パスの周波数ドメイン・チャネル転送関数もしくは時間ドメイン・チャネル・インパルス応答を再構築することを可能にする係数の少なくとも1つの第2のセットを含むことができる。周波数ドメイン・チャネル転送関数は、好ましくは複素数値化されることが可能である。
【0025】
好ましくは、無線リソース・ユニットの配分は、受信機装置によって事前に定義された報告クラスタのそれぞれの送信チャネルに関する少なくとも1つの無線リソース・ユニットを含むことができる。
【0026】
上述の実施形態に関して、無線リソース・ユニットの配分は、好ましくは、逆注水アルゴリズムによって特定されることが可能である。逆注水アルゴリズムは、たとえば、注水レベルを段階的に低減するサブステップと、注水レベルを超えている少なくとも第1の品質値および少なくとも第2の品質値のそれぞれのレベルに応じて無線リソース・ユニットを少なくとも第1の品質値および少なくとも第2の品質値に割り当てるサブステップとを含むことができる。「逆注水」という用語は、本明細書においては、たとえば、逆にされた/逆の品質レベルまたはパワー・レベルの列が、利用可能なビットの総量である特定の量の「水」によって満たされ、結果として生じる列あたりの水レベルが、このそれぞれの列のための割り当てられたビットの量を表す技術を指す。
【0027】
好ましい実施形態においては、長期フィードバックは、少なくとも1つの第1の品質値に関する少なくとも1つの第1の時間遅延値、および少なくとも1つの第2の品質値に関する少なくとも1つの第2の時間遅延値をさらに含むことができる。少なくとも第1の品質値は、第1のパワー値であることが可能であり、少なくとも第2の品質値は、第2のパワー値であることが可能である。
【0028】
さらなる好ましい実施形態においては、少なくとも1つの第1の時間遅延値および少なくとも第1のパワー値は、第1のアンテナ・システムの単一のアンテナ要素または複数のアンテナ要素のうちの1つから、ネットワーク・ノードのアンテナ・システムの単一のアンテナ要素または複数のアンテナ要素のうちの1つへの間における、第1の送信チャネルの第1の送信パスに関する第1のチャネル・インパルス応答どうしにわたって平均化された第1のチャネル・インパルス応答の少なくとも1つの第1の極大に関して特定されることが可能であり、少なくとも第2の時間遅延値および少なくとも第2のパワー値は、少なくとも第2のアンテナ・システムの単一のアンテナ要素または複数のアンテナ要素のうちの1つから、ネットワーク・ノードのアンテナ・システムの単一のアンテナ要素または複数の前記アンテナ要素のうちの1つへの間における、少なくとも第2の送信チャネルの送信パスに関する第2のチャネル・インパルス応答どうしにわたって平均化された第2のチャネル・インパルス応答の少なくとも1つの第2の極大に関して特定されることが可能である。
【0029】
第1のチャネル・インパルス応答および第2のチャネル・インパルス応答は、時間ドメイン・チャネル・インパルス応答であることが可能である。長期タイム・インターバルで時間的に平均化すること、および時間ドメイン・チャネル・インパルス応答どうしにわたって送信チャネルの送信パスどうしの間で空間的に平均化することは、送信チャネルに関するパワー遅延プロファイルと呼ばれることが可能である。
【0030】
好ましくは、第1のチャネル・インパルス応答は、第1の送信チャネルのすべての可能な送信パスに関する第1のチャネル・インパルス応答どうしにわたって平均化することによって得られることが可能であり、少なくとも第2のチャネル・インパルス応答は、少なくとも第2の送信チャネルのすべての可能な送信パスに関する第2のチャネル・インパルス応答どうしにわたって平均化することによって得られることが可能である。
【0031】
またさらなる好ましい実施形態においては、無線リソース・ユニットの配分に関する特定するステップは、無線リソース・ユニットを少なくとも第1の極大に、および少なくとも第2の極大に割り当てることができる。
【0032】
好ましい一実施形態に関しては、長期フィードバックは、無線リソース・ユニットのゼロよりも多い割り当てられた数を伴って、平均化された第1のチャネル・インパルス応答の、および平均化された少なくとも第2のチャネル・インパルス応答の極大に関して送信されるだけであることが可能である。
【0033】
2つの代替実施形態によれば、長期フィードバックに関する送信するステップは、長期タイム・インターバルによって繰り返されること、または無線リソース・ユニットの配分に関する特定するステップによって無線リソース・ユニットの配分が変更された場合に繰り返されることが可能である。
【0034】
好ましくは、受信機装置によって実行される方法は、少なくとも1つの第1の品質値および少なくとも1つの第2の品質値に基づいて無線リソース・ユニットの配分を特定するステップをさらに含むことができる。
【0035】
好ましい実施形態によれば、短期フィードバックは、第1の送信チャネルに関する第1の短期送信チャネル・パラメータと、少なくとも第2の送信チャネルに関する少なくとも第2の短期送信チャネル・パラメータとを含むことができ、第1の短期送信チャネル・パラメータの数、および少なくとも第2の短期送信チャネル・パラメータの数は、無線リソース・ユニットの配分に対応することが可能である。第1の短期送信チャネル・パラメータは、係数の第1のセットに対応することが可能であり、少なくとも第2の短期送信チャネル・パラメータは、係数の少なくとも第2のセットに対応することが可能である。
【0036】
好ましい一実施形態においては、長期フィードバックは、第1のアンテナ・システムおよび少なくとも第2のアンテナ・システムのカバレッジ・エリアの表示、たとえばセルID(ID=identification)をさらに含むことができる。
【0037】
またさらなるさまざまな実施形態においては、無線リソース・ユニットの配分は、少なくとも第1の品質値および少なくとも第2の品質値の送信によって送信機装置から受信機装置へ暗示的に送信されることが可能である。
【0038】
好ましくは、送信機装置は、無線通信システムからシグナリング・メッセージを受信しておくことができ、そのシグナリング・メッセージは、報告を行う対象の送信チャネルまたは無線セルに関する表示を含み、それらの送信チャネルまたは無線セルに関する表示の順序は、長期フィードバックおよび/または短期フィードバック内のそれらの送信チャネルまたは無線セルに関する情報の順序を定義している。
【0039】
さらなる実施形態によれば、第1の短期情報は、第1の送信チャネルに関する第1の速く変化するチャネル情報であることが可能であり、少なくとも第2の短期情報は、少なくとも第2の送信チャネルに関する少なくとも第2の速く変化するチャネル情報であることが可能であり、受信機装置によって実行される方法は、長期フィードバックの少なくとも第1のパワー値を用いて第1の速く変化するチャネル情報を、および長期フィードバックの少なくとも第2のパワー値を用いて少なくとも第2の速く変化するチャネル情報を、スケーリングするステップをさらに含むことができる。
【0040】
本発明の実施形態のさらなる有利な特徴は、以降の詳細な説明において定義され、説明されている。
【0041】
本発明の実施形態は、以降の詳細な説明において明らかになり、非限定的な例示として与えられている添付の図によって例示される。
【発明を実施するための形態】
【0043】
図1は、例示的な4つの基地局BS1、BS2、BS3、BS4を含む無線通信システムRCSを概略的に示している。4つの基地局BS1、BS2、BS3、BS4の間におけるケーブル接続、ファイバ接続、またはワイヤレス接続などの接続、たとえば、3GPP LTE無線通信ネットワーク用に指定されているようなX2インターフェースは、説明を簡単にするために示されていない。また、さらなる基地局、無線通信システムRCSのその他のネットワーク・ノード、および対応する接続も、説明を簡単にするために示されていない。無線通信システムRCSは、たとえば、IEEE802.11標準によって定義されているようなWLAN、WiMAXフォーラムによって承認されているIEEE802.16ファミリーのワイヤレスネットワーク標準のうちの1つなどのWiMAXネットワーク(WiMAX=Worldwide Interoperability for Microwave Access)、または、3GPP(3GPP=Third Generation Partnership Project)によって定義されているようなLTE無線ネットワーク(LTE=Long Term Evolution)であることが可能である。
【0044】
「基地局」という用語は、ベース・トランシーバ・ステーション、アクセス・ポイント基地局、アクセス・ポイント、マクロセル、ミクロセル、フェムトセル、ピコセルなどと同義とみなされること、および/またはそのように呼ばれることが可能であり、1つまたは複数の無線リンクを介して1つまたは複数の移動局にワイヤレス接続を提供する機器を記述することができる。
【0045】
第1の基地局BS1は、2つのアンテナ要素を備えたアンテナ・システムAS1を含むことができ、第1の無線セルC1内で無線周波数信号を送信および受信することができる。同様に、第2の基地局BS2は、2つのアンテナ要素を備えたアンテナ・システムAS2を含むことができ、第2の無線セルC2内で無線周波数信号を送信および受信することができ、第3の基地局BS3は、2つのアンテナ要素を備えたアンテナ・システムAS3を含むことができ、第3の無線セルC3内で無線周波数信号を送信および受信することができ、第4の基地局BS4は、2つのアンテナ要素を備えたアンテナ・システムAS4を含むことができ、第4の無線セルC4内で無線周波数信号を送信および受信することができる。基地局BS1、BS2、BS3、およびBS4は、ダウンリンク送信に関しては第1の周波数レンジで、およびアップリンク送信に関しては第2の周波数レンジで、FDD送信モードにおいてLTE OFDM送信スキームに従って例示的に運用されることが可能である。
【0046】
無線通信システムRCSに関するさまざまな代替実施形態が可能である。
【0047】
基地局のうちのいくつかは、RRHによって取って代わられることが可能であり、たとえば、第1の基地局BS1は、第1のRRHに接続されることが可能であり、その第1のRRHは、第2の基地局BS2に取って代わり、第1の基地局BS1は、第2のRRHに接続されることが可能であり、その第2のRRHは、第3の基地局BS3に取って代わる。それによって、無線セルC1、C2、およびC3は、第1の基地局BS1の無線セル全体の別々のセクタになることが可能である。アンテナ・システムAS1、AS2、AS3、およびAS4は、別々の数のアンテナ要素を含むことができ、たとえば、第1のアンテナ・システムAS1は、4つのアンテナ要素を含むことができ、第2のアンテナ・システムAS2は、単一のアンテナ要素を含むことができ、第3のアンテナ・システムAS3は、2つのアンテナ要素を含むことができ、第4のアンテナ・システムAS4は、4つのアンテナ要素を含むことができる。基地局BS1、BS2、BS3、およびBS4は、いわゆる異種ネットワークを構成するためにマクロ基地局とフェムト基地局との混合物であることが可能である。
【0048】
たとえば単一のアンテナ要素を備えたアンテナ・システムASを含む移動局MSが、第1の無線セルC1、第2の無線セルC2、第3の無線セルC3、および第4の無線セルC4の重なり領域内に例示的に配置されることが可能である。説明を簡単にするために、さらなる移動局は示されていない。
【0049】
「移動局」という用語は、モバイル・ユニット、モバイル・ユーザ、アクセス端末、ユーザ機器、サブスクライバー、ユーザ、リモート・ステーションなどと同義とみなされることが可能であり、以降では時折そのように呼ばれる場合がある。移動局MSは、たとえば、セルラー電話、ポータブル・コンピュータ、ポケット・コンピュータ、ハンドヘルド・コンピュータ、携帯情報端末、または車載モバイル・デバイスであることが可能である。
【0050】
代替実施形態においては、移動局MSは、リピータまたはリレーによって取って代わられることが可能であり、そのことが意味しているのは、ダウンリンクCoMP送信がそのリピータまたはリレーに対して適用されることが可能であるということである。「リピータ」という用語は、信号を受信して、単にその信号を、より高いレベルもしくはより高いパワーで、または障害物の別の側へ再送信し、それによって、その信号がより長い距離をカバーできるようにする電子デバイスと同義とみなされること、および/またはそのように呼ばれることが可能である。「リレー」という用語は、信号を受信して、異なる信号を、より高いレベルまたはより高いパワーでのみならず、異なる周波数ならびに/または異なるタイム・スロットおよび/もしくは拡散コードでも再送信して、ワイヤレス・アクセス・ネットワークにおけるキャパシティーを増大し、ワイヤレス・リンク・パフォーマンスを改善する電子デバイスと同義とみなされること、および/またはそのように呼ばれることが可能である。無線セルC1、C2、C3、およびC4の境界における移動局MSのロケーションに起因して、アンテナ・システムAS1、AS2、AS3、およびAS4、ならびに対応する基地局BS1、BS2、BS3、およびBS4が、移動局MSに対するダウンリンクCoMP送信のための潜在的な候補である。ダウンリンクCoMP送信のためにアンテナ・システムAS1、AS2、AS3、およびAS4がマルチポイント送信機の一部になるための適格性は、第1の基地局BS1から第1の送信チャネルTC1を介して移動局MSへ送信された第1の基準信号の受信品質と、第2の基地局BS2から第2の送信チャネルTC2を介して移動局MSへ送信された第2の基準信号の受信品質と、第3の基地局BS3から第3の送信チャネルTC3を介して移動局MSへ送信された第3の基準信号の受信品質と、第4の基地局BS4から第4の送信チャネルTC4を介して移動局MSへ送信された第4の基準信号の受信品質とに基づくことが可能であり、移動局MSは、それらの基準信号を受信して測定し、さまざまな送信チャネルTC1、TC2、TC3、およびTC4に関するそれらの基準信号の受信品質の評価を実行する。
【0051】
第1の送信チャネルTC1は、第1の基準信号が第1のアンテナ・システムAS1の第1のアンテナ要素AE1から移動局MSのアンテナ・システムASのアンテナ要素へ伝搬する際に経由する第1の送信パスTP1と、第2の基準信号が第1のアンテナ・システムAS1の第2のアンテナ要素AE2から移動局MSのアンテナ・システムASのアンテナ要素へ伝搬する際に経由する第2の送信パスTP2とから構成されることが可能である。第1の送信パスTP1および第2の送信パスTP2は、第1のアンテナ・システムAS1とアンテナ・システムASとの間における環境によって影響される場合があり、反射および散乱に基づくことが可能である(
図1における第1の送信パスTP1および第2の送信パスTP2に関しては、単一の反射が例示されている)。第2の送信チャネルTC2、第3の送信チャネルTC3、および第4の送信チャネルTC4も、同様の送信パスから構成されることが可能であり、それらの送信パスは、説明を簡単にするために
図1においては示されていない。
【0052】
「基準信号」という用語は、基準シンボル、CSI基準シンボル(CSI=Channel State Information)、パイロット、パイロット信号、パイロット・シンボル、ビーコン、ビーコン信号などと同義とみなされること、および/またはそのように呼ばれることが可能である。
【0053】
移動局MSは、チャネル・フィードバックを、アップリンク送信チャネル上で、ダウンリンクCoMP送信をコーディネートする第1の基地局BS1などのマスター基地局へ、またはいわゆるアップリンクCoMP受信スキームに従ってコーディネートされるいわゆるダウンリンクCoMPクラスタのいくつかの基地局へシグナリングすることができる。チャネル・フィードバックの詳細は、以降で
図2〜
図5の説明に関連して与えられる。チャネル・フィードバックは、移動局MSへのダウンリンクCoMP送信を最適化するために、またはダウンリンクCoMP送信がより適切か、もしくは単一のポイントから単一のポイントへの送信がより適切かを決定するために、無線通信システムRCSによって使用される。ダウンリンクCoMP送信スキームは、たとえば、マルチポイント送信機のために適切なアンテナ・システムを選択することによって、またはより適切なコーディング・スキームおよび/もしくはより適切な変調スキームを選択することによって最適化されることが可能である。
【0054】
ダウンリンクCoMP送信のためのマスター基地局BS1は、無線通信システムRCSの無線セルC1、C2、C3、およびC4内の移動局MSの現在のロケーションに応じて、移動局MSのための報告クラスタを特定することができる。報告クラスタは、移動局MSがチャネル・フィードバックを提供する対象の無線セルを含む。マスター基地局BS1は、たとえば、移動局MSが長期および短期のフィードバック・レポートを生成する対象の無線セルのセルIDをシグナリングすることによって、報告クラスタの情報を移動局MSへ送信およびシグナリングすることができる。
図1に関して、マスター基地局BS1は、たとえば、第1の基地局BS1、第2の基地局BS2、および第3の基地局BS3に基づいて報告クラスタを特定することを決定することができる。第4の基地局BS4は、たとえば、第4の基地局BS4と移動局MSとの間における距離が、基地局BS1、BS2、およびBS3と移動局MSとの間における対応する距離よりも長いため、省略されることが可能である。距離は、無線セルあたりの異なるダウンリンク受信信号パワーの意味で意図されることが可能であるということ、または距離は、移動局の現在の位置に応じてセルあたりの受信パワー・レベルのデータ・ベースを使用してロケーション情報から引き出されることが可能であるということなど、その他の決定基準が可能である。さらに、報告を行う対象の無線セルの総数は、マスター基地局BS1によって制限されることが可能である。報告クラスタのメンバーに関するマスター基地局BS1の決定をサポートするために、たとえば、やはり別々の無線セルの受信信号パワー・レベルを含む過去のハンドオーバー測定値が使用されることが可能である。あるいは、マスター基地局BS1は、潜在的なコーディネーション・セットの結果として生じるチャネル・キャパシティーを推定して、コーディネーション後の結果として生じるキャパシティーを著しく増大することが可能である無線セルのみを報告クラスタのメンバーとして含めることができる。
【0055】
マスター基地局BS1、または無線通信システムRCSのさらなるネットワーク・ノード、たとえば、オペレーションおよびメンテナンス・ネットワーク・ノードはさらに、いわゆる短期フィードバックを移動局MSからマスター基地局BS1へシグナリングするための事前に定義されたフィードバック無線リソースのサイズを特定することができる。事前に定義されたフィードバック無線リソースのサイズは、たとえば、事前に定義されたフィードバック無線リソースのためにアップリンク無線リソース全体のうちの事前に定義された数のビットを確保することによって特定されることが可能である。それぞれが2つのアンテナ要素を含む4つのアンテナ・システムを備えたマルチポイント送信機と、単一のアンテナ要素を含む移動局MSとのケースにおいては、短期フィードバックの事前に定義されたフィードバック無線リソースのサイズは、たとえば、25ビットと30ビットとの間の範囲であることが可能である。
【0056】
マスター基地局BS1、または無線通信システムRCSのさらなるネットワーク・ノードはさらに、移動局MSから、およびさらなる移動局からマスター基地局BS1へ長期フィードバックをシグナリングするための100msなどの長期タイム・インターバルを特定することができる。長期タイム・インターバルは、好ましくは、いわゆる大規模な散乱環境内の変化、たとえば、電波伝搬の主要な散乱クラスタが、たとえば時間遅延の著しい変化(たとえばOFDMシンボル時間サンプルのオーダーの一部)によって、大幅に変化した場合の、または無線周波数信号に関する新たな主要な散乱オブジェクトが、たとえば移動局MSが家のコーナーの周りで動いている際に、現れたもしくは消えた場合の変化のスピードに適合されることが可能である。大規模な散乱環境のそのような変化は、移動局MSが、たとえば100キャリア周波数電波波長を超える距離を移動した場合(基本的にキャリア周波数電波波長の数は、ダウンリンクCoMP送信の信号帯域幅に依存する)、または車もしくはトラックなどの散乱オブジェクトが、送信チャネルの送信パスの領域内に、もしくは領域外に移動した場合に、生じることが可能である。
【0057】
マスター基地局BS1、または無線通信システムRCSのさらなるネットワーク・ノードはさらに、移動局MSからマスター基地局BS1へ短期フィードバックをシグナリングするための10msなどの短期タイム・インターバルを特定することができる。短期タイム・インターバルは、好ましくは、いわゆる高速フェージング環境内の変化のスピードに適合されることが可能である。高速フェージング環境は、移動局MSの現在の位置がキャリア周波数電波波長の一部の中で変更されることが可能である場合に、変化することが可能である。それによって、受信信号の位相および振幅は、たとえばドップラー効果によって既に変更されていることが可能である。高速フェージングは、チャネル・インパルス応答の振幅および位相のバリエーションをもたらし、したがって、チャネル転送関数ももたらす。
【0058】
マスター基地局BS1は、たとえば、マスター基地局BS1が移動局MSのための新たなマスター基地局になった場合、または利用可能なアップリンク無線リソースの変化が、事前に定義されたサイズを超えた場合に、事前に定義されたフィードバック無線リソースのサイズ、長期タイム・インターバル、および短期タイム・インターバルの情報を移動局MSへ送信およびシグナリングすることができる。
【0059】
代替実施形態においては、事前に定義されたフィードバック無線リソースのサイズ、長期タイム・インターバル、および短期タイム・インターバルは、配信されたときに、マスター基地局BS1および移動局MSにおいて既に事前に定義されていることが可能である。
【0060】
移動局MSにおける処理リソースを制限するために、移動局MSは、好ましくは、受信された基準信号のみを処理すること、ならびに報告クラスタの受信された情報に対応する送信チャネルTC1、TC2、およびTC3に関するチャネル・インパルス応答のみを特定することが可能である。
【0061】
長期フィードバックおよび短期フィードバックを送信するための移動局MSのオペレーションについて、以降で
図2、
図3、および
図4に関連して説明する。
【0062】
図2aは、方法M1−TAの流れ図の第1の部分を示しており、方法M1−TAは、たとえば移動局MSの送信機装置によって実行されることが可能である。方法M1−TAを実行するためのステップの数は重要ではなく、当業者なら理解できるように、ステップの数およびステップのシーケンスは、添付の特許請求の範囲において定義されている本発明の実施形態の範囲から逸脱することなく変わることが可能である。方法M1−TAは、たとえば、報告クラスタ、短期フィードバックに関する事前に定義されたフィードバック無線リソースのサイズ、長期タイム・インターバル、および短期タイム・インターバルに関する情報が初めて送信されたときに開始されることが可能であり、または、これらのパラメータのうちの1つがマスター基地局BS1から移動局MSへの新たなシグナリング・メッセージに従って変更されたときに再開されることが可能である。
【0063】
第1のステップS1−Mlにおいて、第1のタイマーT1が、短期タイム・インターバルに従って始動されることが可能であり、第2のタイマーT2が、長期タイム・インターバルに従って始動されることが可能である。さらに、長期フィードバックを初めて送信したことを表すインジケータFLTFIがゼロに設定されることが可能である。
【0064】
さらなるステップS2−M1に従って、たとえば20MHzのLTE周波数帯域などの事前に定義されたダウンリンク周波数レンジ内で別々のOFDMサブキャリアによって送信チャネルTC1、TC2、およびTC3を介して受信された、またはLTE周波数帯域のサブバンドに制限されることが可能である基準信号が測定される。
【0065】
次なるステップS3−M1において、第1のタイマーT1の短期タイム・インターバルが経過したかどうかが確認される。短期タイム・インターバルが経過していない場合には、ステップS2−M1が、再び実行されることが可能である。そうではなく短期タイム・インターバルが経過した場合には、ステップS4−M1が、次なるステップとして実行されることが可能である。
【0066】
ステップS4−M1において、たとえば、第1のアンテナ・システムAS1の第1のアンテナ要素から移動局MSのアンテナ・システムASの第1のアンテナ要素への第1の送信チャネルTC1の第1の送信パスに関して、第1のチャネル転送関数CTF1が特定されることが可能である。説明を簡単にするために、移動局MSのアンテナ・システムASは、
図1において示されているように単一のアンテナ要素のみを含むことができる。当業者なら、複数のアンテナ要素を備えたアンテナ・システムを含む移動局向けに方法M1−TAを容易に適合させることができる。第1のチャネル転送関数CTF1は、たとえば、周波数fの関数としてのH(f)によって与えられることが可能であり、たとえば、Gunther Auer and Eleftherios Karipidis、Pilot Aided Channel Estimation for OFDM: A Separated Approach for Smoothing and Interpolation、2005、Proceedings of the 40th IEEE International Conference on Communications(ICC)、2173〜2178頁に従って、ダウンリンク送信チャネルTC1、TC2、およびTC3の別々のOFDMサブキャリアにおいて基準信号を測定することによって特定されることが可能である。ステップS4−M1は、好ましくは、第1の送信チャネルTC1のその他のすべての送信パスに関して(たとえば、第1のアンテナ・システムAS1の第2のアンテナ要素から移動局MSのアンテナ・システムの第1のアンテナ要素への第1の送信チャネルTC1の第2の送信パスに関する第2のチャネル転送関数CTF2を得るために)、ならびに、さらなる送信チャネルTC2およびTC3に関するさらなるチャネル転送関数を得るために繰り返されることが可能である。
【0067】
さらなるステップS5−M1において、第1のチャネル・インパルス応答CIR1が、Gunther Auer and Eleftherios Karipidis、Pilot Aided Channel Estimation for OFDM: A Separated Approach for Smoothing and Interpolation、2005、Proceedings of the 40th IEEE International Conference on Communications(ICC)、2173〜2178頁において記載されているような第1のチャネル転送関数CTF1の逆離散フーリエ変換を実行することによって、時間tの関数h(t)として特定されることが可能である。ステップS5−M1は、好ましくは、ステップS4−M1中に特定されたその他のすべてのチャネル転送関数に関して繰り返されることが可能である(たとえば、第2のチャネル・インパルス応答CIR2は、第2のチャネル転送関数CTF2の逆離散フーリエ変換によって特定されることが可能である)。
【0068】
次なるステップS6−M1において、第1の送信パスTC1に、または第1のアンテナ・システムAS1の同一場所に配置されているアンテナ要素のセットに属しているチャネル・インパルス応答CIR1、CIR2が、たとえば2乗平均平方根関数を適用することによって平均されて、短期フィードバックの第1の報告サイクルに関する平均化されたチャネル・インパルス応答CIR_TC1_RC1が特定される。ステップS6−M1は、好ましくは、その他の送信チャネルTC2およびTC3に関して繰り返されること、つまり、第2のアンテナ・システムAS2および第3のアンテナ・システムAS3の同一場所に配置されているアンテナ要素のセットあたり1回繰り返されることが可能である。
【0069】
さらなるステップS7−M1において、インジケータFLTFIがゼロに設定されているかどうかが確認される。インジケータFLTFIがゼロに設定されている場合には、ステップS11−Mlが、次なるステップとして実行される。インジケータFLTFIがゼロに設定されていない場合には、ステップS8−Mlが、次なるステップとして実行される。
【0070】
次なるステップS8−M1において、第2のタイマーT2の長期タイム・インターバルが経過したかどうかが確認される。長期タイム・インターバルが経過した場合には、ステップS9−M1が、次なるステップとして実行されることが可能である。長期タイム・インターバルが経過していない場合には、ステップS14−M1が、次なるステップとして実行されることが可能である。
【0071】
さらなるステップS9−M1において、第1の送信チャネルTC1に関する時間で平均化されたチャネル・インパルス応答CIR_TC1が、たとえば次の方法で特定されることが可能であり、短期フィードバックの第1の報告サイクルの平均化されたチャネル・インパルス応答CIR_TC1_RC1、および長期フィードバックの報告サイクル内の短期フィードバックのさらなる報告サイクルのさらなる平均チャネル・インパルス応答が、時間で平均化される。ステップS9−M1は、好ましくは、さらなる送信チャネルTC2およびTC3に関して繰り返されること、つまり、第2のアンテナ・システムAS2および第3のアンテナ・システムAS3の同一場所に配置されているアンテナ要素のセットあたり1回繰り返されることが可能である。
【0072】
さらなるステップS10−M1において、第2のタイマーT2が、長期タイム・インターバルを伴って再始動されることが可能である。
【0073】
図2bに示されている次なるステップS11−Mlにおいて、いわゆる遅延タップ、すなわち、それらの対応する平均パス・パワーおよびそれらの対応する時間遅延値が、平均化されたチャネル・インパルス応答CIR_TC1に関して特定されることが可能である。遅延タップは、
図3において示されている時間遅延τの関数としての時間平均チャネル・インパルス応答CIR_TC1の極大値である。T.Wild、「A rake−finger based efficient channel state information feedback compression scheme」、Vehicular Technology Conference(VTC 2010−Spring)、2010 IEEE 71
st、2010年5月16日〜19日において記載されているような、または、C.Cozzo、G.E.Bottomley、A.S.Khayrallah、「Rake receiver finger placement for realistic channels」、IEEE Wireless Communications and Networking Conference 2004、Vol.1、316〜321頁、2004年3月21日〜25日においてさらに詳述されているようなレーキフィンガー選択アルゴリズムに類似したパス・プロファイリング・スキームが、前のステップがステップS7−M1であった場合には、(
図3において示されていない)平均化されたチャネル・インパルス応答CIR_TC1_RC1の時間ドメイン・プロファイルからの最も著しい遅延タップを識別するために適用されることが可能であり、前のステップがステップS9−M1であった場合には、(
図3において示されている)時間で平均化されたチャネル・インパルス応答CIR_TC1の時間ドメイン・プロファイルからの最も著しい遅延タップを識別するために適用されることが可能である。
図3は、ステップS11−M1によって識別された、時間で平均化されたチャネル・インパルス応答CIR_TC1の時間ドメイン・プロファイルの例示的な5つの遅延タップTAP1、TAP2、TAP3、TAP4、およびTAP5を示している。例として第1の送信チャネルTC1の第1の品質値に関する平均パス・パワー値APP1、APP2、APP3、APP4、およびAPP5、ならびに遅延タップTAP1、TAP2、TAP3、TAP4、およびTAP5に関する対応する時間遅延値t1、t2、t3、t4、およびt5も、
図3において示されている。ステップS10−M1は、好ましくは、さらなる送信チャネルTC2およびTC3のさらなる平均化されたチャネル・インパルス応答に関して繰り返されることが可能である。
【0074】
遅延タップのさらにきめ細かい分解能を得るための代替実施形態によって、J.A.Tropp、A.C.Gilbert、「Signal Recovery From Random Measurements Via Orthogonal Matching Pursuit」、IEEE Transactions on Information Theory、Vol.53、No.12、4655〜4666頁、2007年12月において記載されているようないわゆるOMP(OMP=Orthogonal Matching Pursuit)などの検索アルゴリズムが適用されることが可能である。
【0075】
さらなるステップS12−M1において、短期フィードバックに関する事前に定義された無線リソースの無線リソース・ユニットの配分が、たとえば次の方法で特定されることが可能であり、短期フィードバックに関する事前に定義されたフィードバック無線リソースが、少なくとも第1の品質値および少なくとも第2の品質値に応じて、第1の送信チャネルTC1に関する短期フィードバックの繰り返される送信に関する第1のセグメントと、第2の送信チャネルTC2および第3の送信チャネルTC3の短期フィードバックの繰り返される送信に関する少なくとも1つの第2のセグメントとに分割されることが可能である。方法M1−TAが開始または再開されている場合には、例外が適用される。そのようなケースにおいては、少なくとも第1の品質値および少なくとも第2の品質値は、長期タイム・インターバルにわたって平均化されず、瞬間的な品質値、または短期タイム・インターバルにわたって平均化された品質値が適用されることが可能である。それらの品質値は、たとえば、ステップS11−Ml中に特定された平均パス・パワー値APP1、APP2、APP3、APP4、およびAPP5であることが可能である。
【0076】
事前に定義されたフィードバック無線リソースのセグメントへのビット割り当てが、たとえば、T.Cover、J.Thomas、「Elements of Information Theory」、Wiley、Second Edition、2006、section 10.3.3において記載されているような逆注水アルゴリズムを適用することによって特定されることが可能である。それによって、ビット割り当て問題は、独立ガウス・ソースのソース・コーディング問題と同様に取り扱われることが可能であり、逆注水アルゴリズムは、2乗誤差歪みを伴うシャノンのレート歪み理論の意味において最適なソリューションを提供することができる。
図4は、送信チャネルTC1、TC2、およびTC3の遅延タップに関する例示的なパワー遅延プロファイル
図PDPDを示している。パワー遅延プロファイル
図PDPDの隣接した長方形どうしの高さは、ステップS11−Mlによって特定された平均パス・パワー値APP1、APP2、APP3、APP4、およびAPP5によって定義される。
図4において示されている例示的な実施形態に関しては、5つの遅延タップが、送信チャネルTC1、TC2、およびTC3のそれぞれに関してステップS11−Mlにおいて識別されている。代替実施形態においては、異なる数の遅延タップが、送信チャネルTC1、TC2、およびTC3に関して識別されることが可能である。
【0077】
逆注水アルゴリズムは、たとえば次の方法で実行されることが可能であり、このアルゴリズムは、(
図4aにおいて点線によって示されている)逆注水レベルRWLを、事前に定義された品質値P−QVに設定することによって、それぞれの遅延タップに関する無線リソース・カウンタをゼロに設定することによって、および短期フィードバックの事前に定義された無線リソースに関する無線リソース・カウンタを、マスター基地局BS1によって事前に定義されたサイズの半分に設定することによって、開始する。事前に定義された品質値P−QVは、たとえば、送信チャネルTC1、TC2、およびTC3の最大平均パス・パワー値の、ならびに事前に定義されたオフセット・パス・パワー値の総計である品質値に設定されることが可能である。
【0078】
好ましい一実施形態によれば、報告クラスタのそれぞれの無線セルに関して(それぞれの送信チャネルに関して)、最大平均パス・パワー値を伴う遅延タップに関する無線リソース・カウンタは、はじめに1つの無線リソース・ユニット(たとえば1ビット)に設定されることが可能であり、短期フィードバックの事前に定義された無線リソースに関する最初の無線リソース・カウンタは、それに対応して低減されることが可能である。それによって、すべての無線セルに関して、少なくとも少量のチャネル状態情報が、移動局MSからマスター基地局BS1へ報告されるということが達成されることが可能である。
【0079】
無線リソース・ユニットは、好ましくはペアで割り当てられることが可能であるため、短期フィードバックの事前に定義された無線リソースに関する無線リソース・カウンタは、好ましくは、事前に定義された無線リソースのサイズの半分に設定され、そのことが意味しているのは、少なくとも1つの無線リソース・ユニットが、時間ドメイン短期係数ベクトルCの実数部を送信するために割り当てられることが可能であり、少なくとも1つのさらなる無線リソース・ユニットが、その係数ベクトルCの虚数部を送信するために割り当てられることが可能であるということである。
【0080】
時間ドメイン短期係数ベクトルCは、T.Wild、「A rake−finger based efficient channel state information feedback compression scheme」、Vehicular Technology Conference(VTC 2010−Spring)、2010 IEEE 71
st、2010年5月16日〜19日において記載されているような、いわゆるタップベースのDFT行列D(DFT=Discrete Fourier Transform)の関数としてチャネル転送関数CTF1、CTF2、...のうちの1つを概算するための最小2乗解として設計されることが可能である。
【0081】
次いで、(
図4aにおいて破線によって示されている)逆注水レベルRWLが、階差品質値ΔQVだけ(
図4aにおいて矢印によって示されているように)低減されることが可能であり、遅延タップの品質値のうちの1つが逆注水レベルRWLを超えているか、または逆注水レベルRWLに達しているかどうかが確認される。遅延タップの品質値のうちのいずれも逆注水レベルRWLを超えていない、または逆注水レベルRWLに達していない場合には、逆注水レベルRWLは、階差品質値ΔQVだけ再び低減されることが可能であり、遅延タップの品質値のうちの1つが逆注水レベルRWLを超えているか、または逆注水レベルRWLに達しているかどうかが再び確認される。遅延タップの品質値のうちの1つが逆注水レベルRWLを超えている、または逆注水レベルRWLに達している場合には、対応する遅延タップの特定のビット・バジェットなどの無線リソース・カウンタが、1つの無線リソース・ユニットだけ増大されることが可能であり、その1つの無線リソース・ユニットは、たとえば単一のビットであることが可能である。同時に、短期フィードバックの事前に定義された無線リソースに関する無線リソース・カウンタが、1つの無線リソース・ユニットだけ低減され、その1つの無線リソース・ユニットも、たとえば単一のビットであることが可能である。さらなるサブステップにおいて、逆注水レベルRWLは、さらなる階差品質値ΔQVだけ低減され、それぞれのサブステップの後に、遅延タップの品質値のうちのどれが逆注水レベルRWLを超えているか、または逆注水レベルRWLに達しているか、および超えている場合にはどの程度超えているかが確認される。遅延タップの品質値のうちの1つが既に逆注水レベルRWLを超えている、または逆注水レベルRWLに達している場合には、対応するカウンタが、たとえば、逆注水レベルRWLのそれぞれのさらなる低減分ごとに毎回1つの無線リソース・ユニットだけ増大されることが可能である。
【0082】
T.Cover、J.Thomas、「Elements of Information Theory」、Wiley、Second Edition、2006、section 10.3.3において記載されているようなアルゴリズムが、品質値が逆注水レベルRWLを超えている超過レベルに関して遅延タップにいくつの無線リソース・ユニットが割り当てられることになるかを特定するために使用されることが可能である。
【0083】
逆注水アルゴリズムは、短期フィードバックの事前に定義された無線リソースに関する無線リソース・カウンタがゼロに低減されるまで、反復して繰り返されることが可能である。短期フィードバックの事前に定義された無線リソースに関する無線リソース・カウンタがゼロに低減されたときに、逆注水アルゴリズムは停止される。そのような方法においては、すべての遅延タップにわたる歪みの総計が最小化される。
【0084】
図4b)は、
図4a)において示されているのと同様のパワー遅延プロファイル図を示しているが、逆にされた縦座標を有している。そのようなケースにおいては、逆注水レベルRWLは、短期フィードバックの事前に定義された無線リソースに関する無線リソース・カウンタがゼロに低減されるまで、段階的に増大される。
【0085】
図4において示されている長方形の上の数字は、事前に定義された無線リソースのすべての利用可能なデジタル・ビットを送信チャネルTC1、TC2、およびTC3に配分した後の、実線によって
図4において示されている逆注水レベルRWLの位置に関してそれぞれの遅延タップに割り当てられているデジタル・ビットの数に対応することが可能である。それぞれのデジタル・ビットは、約6dBの逆注水レベルをもたらすことができ、それは、ガウス・ソースにおける量子化ノイズの6dBの低減に対応する。
【0086】
第1の無線セルC1の平均化されたチャネル・インパルス応答CIR_TC1の遅延タップTAP1、TAP2、TAP3、およびTAP4の追加された無線リソース・ユニットは、短期フィードバックの事前に定義された無線リソースの第1のセグメントを表すことができ、第2の無線セルC2の追加された無線リソース・ユニットは、短期フィードバックの事前に定義された無線リソースの第2のセグメントを表すことができ、第3の無線セルC3の追加された無線リソース・ユニットは、短期フィードバックの事前に定義された無線リソースの第3のセグメントを表すことができる。
【0087】
さらなるステップS13−M1において、長期フィードバックが、アンテナ・システムASからアンテナ・システムAS1、AS2、AS3、およびAS4のうちの1つまたは複数への無線周波数信号によって移動局MSからマスター基地局BS1へ送信される。長期フィードバックは、たとえば、第1の送信チャネルTC1についての遅延タップに関する時間遅延値t1、t2、t3、およびt4、ならびに平均パス・パワー値APP1、APP2、APP3、およびAPP4と、第2の送信チャネルTC2および第3の送信チャネルTC3に関する対応する時間遅延値および平均パス・パワー値を含むことができる。好ましくは、セルIDも送信され、それによって、マスター基地局BS1は、報告クラスタの無線セルC1、C2、およびC3への(またはそれに応じて、対応する送信チャネルTC1、TC2、およびTC3への)受信された時間遅延値および受信された平均パス・パワー値のマッピングを実行することができる。好ましくは、平均パス・パワー値APP1、APP2、APP3、およびAPP4は、送信前に対数的に量子化されることが可能である。したがって、第1の選択肢においては、平均パス・パワー値のうちの1つが、対数的に量子化された絶対値として送信されることが可能であり、残りの平均パス・パワー値は、対数的に量子化された相対値として送信されることが可能である。第2の選択肢によれば、対数的に量子化された平均パス・パワー値は、マスター基地局BS1および移動局MSにおいて事前に定義されることが可能であり、移動局MSは、それぞれの平均パス・パワー値に関して、(たとえば、事前に定義された対数的に量子化された平均パス・パワー値から、対数的に量子化された平均パス・パワー値を差し引くことによって得られた)対数的に量子化された相対パワー値を報告することができる。
【0088】
次なるステップS14−M1においては、ステップS4−M1において特定された第1のチャネル転送関数CTF1に関する時間ドメイン短期係数ベクトルC
TD1が特定されることが可能である(係数ベクトルC
TD1の添え字におけるTDという略語は、時間ドメインを表しており、1という数字は、第1のチャネル転送関数CTF1を表している)。OFDMダウンリンクCoMP送信のケースにおいては、係数ベクトルC
TD1は、たとえば、T.Wild、「A rake−finger based efficient channel state information feedback compression scheme」、Vehicular Technology Conference(VTC 2010−Spring)、2010 IEEE 71
st、2010年5月16日〜19日において記載されている方程式(8)に基づいて最小2乗解として特定されることが可能である。したがって、第1のサブステップにおいて、タップベースのDFT行列D
C1が、第1の無線セルC1に関して、T.Wild、「A rake−finger based efficient channel state information feedback compression scheme」、Vehicular Technology Conference(VTC 2010−Spring)、2010 IEEE 71
st、2010年5月16日〜19日において記載されている方程式(4)〜(6)に基づいて、方程式(5)のタップ遅延τ
mと整合している時間遅延値t1、t2、t3、t4、およびt5を使用して特定される。係数ベクトルC
TD1の要素の数は、少なくとも1つの無線リソース・ユニットがステップS12−M1において割り当てられた対象の遅延タップの数に対応する。
図4において示されている例示的な実施形態に関しては、係数ベクトルC
TD1の要素の数は4である。
【0089】
ステップS14−M1は、第1の無線セルC1のその他のチャネル転送関数CTF2などに関して、ならびにさらなる無線セルC2およびC3のさらなるチャネル転送関数に関して、タップベースのDFT行列D
C2、D
C3を特定するための対応するサブステップを伴って繰り返されることが可能である。
【0090】
さらなるステップS15−M1において、係数ベクトルC
TD1の要素は、たとえば、よく知られている一様スカラ量子化を次の方法で適用することによって量子化されることが可能であり、第1のサブステップにおいて、係数ベクトルC
TD1の第1の要素の実数部および虚数部が、第1の遅延タップTAP1に関してステップS12−M1によって特定された無線リソース・ユニットの数に従って量子化されることが可能であり、たとえば、第1の要素の実数部は、4つのビットによって量子化されることが可能であり、第1の要素の虚数部は、4つのビットによって量子化されることが可能である(
図4aを参照されたい)。第2のサブステップにおいて、係数ベクトルC
TD1の第2の要素の実数部および虚数部が、第2の遅延タップTAP2に関してステップS12−M1によって特定された無線リソース・ユニットの数に従って量子化されることが可能であり、たとえば、第2の要素の実数部は、3つのビットによって量子化されることが可能であり、第2の要素の虚数部は、3つのビットによって量子化されることが可能である(
図4aを参照されたい)。対応する方法において、係数ベクトルC
TD1のその他の要素が量子化されることが可能である。
【0091】
ステップS15−M1は、係数ベクトルC
TD2の要素の量子化された実数部および量子化された虚数部を特定するために第2のチャネル転送関数CTF2に関して繰り返されることが可能であり、第1の送信チャネルTC1のさらなるチャネル転送関数に関して繰り返されることが可能であり、さらなる送信チャネルTC2およびTC3のさらなるチャネル転送関数に関して繰り返されることが可能である。
【0092】
さらなるステップS16−M1において、短期フィードバックが、アンテナ・システムASからアンテナ・システムAS1、AS2、AS3、およびAS4のうちの1つまたは複数への無線周波数信号によって移動局MSからマスター基地局BS1へ送信される。短期フィードバックは、ステップS15−M1によって特定された係数ベクトルC
TD1、C
TD2などの要素の量子化された実数部および量子化された虚数部を含むことができる。
【0093】
代替実施形態によれば、符号分割多元接続送信またはワイドバンド符号分割多元接続送信が無線通信システムにおけるダウンリンクCoMP送信のために適用されることが可能である場合には、短期フィードバックは、送信チャネルTC1、TC2、およびTC3の周波数ドメイン・チャネル転送関数または時間ドメイン・チャネル・インパルス応答を再構築することを可能にする係数ベクトルのセットを含むことができる。
【0094】
さらなるステップS17−M1において、インジケータFLTFIがゼロに設定されているかどうかが確認されることが可能である。インジケータFLTFIがゼロに設定されている場合には、ステップS18−Mlが、次なるステップとして実行されることが可能である。インジケータFLTFIがゼロに設定されていない場合には、ステップS19−Mlが、次なるステップとして実行されることが可能である。
【0095】
次なるステップS18−M1において、インジケータFLTFIが、「1」に設定されることが可能である。
【0096】
さらなるステップS19−M1において、第1のタイマーT1が、短期タイム・インターバルを伴って再始動されることが可能である。
【0097】
ステップS19−Mlの後の次なるステップは、再びステップS2−M1であることが可能である。
【0098】
図5は、方法M2−RAの流れ図を示しており、方法M2−RAは、たとえばマスター基地局BS1の受信機装置によって実行されることが可能である。方法M2−RAを実行するためのステップの数は重要ではなく、当業者なら理解できるように、ステップの数およびステップのシーケンスは、添付の特許請求の範囲において定義されている本発明の実施形態の範囲から逸脱することなく変わることが可能である。方法M2−RAは、報告クラスタ、事前に定義された無線リソース、長期タイム・インターバル、および短期タイム・インターバルに関する情報が初めて送信されたときに開始されることが可能であり、または、これらのパラメータのうちの1つがマスター基地局BS1から移動局MSへの新たなシグナリング・メッセージに従って変化したときに再開されることが可能である。
【0099】
第1のステップS1−M2において、受信機装置は、送信機装置から何らかのシグナリング・メッセージを受信するために待機状態にあることが可能である。
【0100】
次なるステップS2−M2において、シグナリング・メッセージが、送信機装置から受信されることが可能である。
【0101】
さらなるステップS3−M2において、受信されたシグナリング・メッセージが長期フィードバック・メッセージであるかどうかが確認されることが可能である。受信されたシグナリング・メッセージが長期フィードバック・メッセージである場合には、ステップS4−M2が、次なるステップとして実行されることが可能である。受信されたシグナリング・メッセージが長期フィードバック・メッセージではない場合には、ステップS6−M2が、次なるステップとして実行されることが可能である。
【0102】
次なるステップS4−M2において、無線リソース・ユニットの配分、たとえば、第1の送信チャネルTC1、第2の送信チャネルTC2、および第3の送信チャネルTC3の短期フィードバックに関する事前に定義されたフィードバック無線リソースのそれぞれの送信チャネルTC1、TC2、およびTC3の遅延タップあたりの量子化ビットの割り当てが、受信された長期フィードバック・メッセージに基づいて、たとえば次の方法で得られることおよび特定されることが可能である。第1のサブステップにおいて、受信機装置は、第1の送信チャネルTC1についての遅延タップに関する時間遅延値t1、t2、t3、およびt4、ならびに平均パス・パワー値APP1、APP2、APP3、およびAPP4と、第2の送信チャネルTC2および第3の送信チャネルTC3に関する対応する時間遅延値および平均パス・パワー値とを長期フィードバック・メッセージから抽出することができる。第2のサブステップにおいて、受信機装置は、
図4において示されているのと同様のパワー遅延プロファイル図を生成することができるが、そのパワー遅延プロファイル図は、送信機装置によって無線リソース・ユニットがまったく割り当てられていない長方形を有していない。第3のサブステップにおいて、受信機装置は、ステップS12−M1に関して説明されているのと同じ逆注水アルゴリズムを適用することができる。それによって、受信機装置は、時間遅延値および平均パス・パワー値が報告されている対象の遅延タップに関する短期フィードバックの事前に定義されたフィードバック無線リソースの無線リソース・ユニットの配分を得る。その配分は、送信機装置および受信機装置の両方が、同じ事前に定義された逆注水アルゴリズムを適用している場合には、ステップS12−M1において送信機装置によって得られた配分と同じになるであろう。
【0103】
代替実施形態によれば、無線リソース・ユニットの配分は、送信機装置から受信機装置へシグナリングされることが可能である。
【0104】
さらなるステップS5−M2において、第1の無線セルC1に関するタップベースのDFT行列D
C1が、ステップS14−M1に関して説明されているのと同じ方法で受信機装置によって特定される。ステップS5−M2は、対応するタップベースのDFT行列D
C2、D
C3を特定するために、さらなる送信チャネルTC2およびTC3に関して繰り返されることが可能である。
【0105】
ステップS5−M2の後の次なるステップは、再びステップS1−M2であることが可能である。
【0106】
さらなるステップS6−M2においては、受信されたシグナリング・メッセージが短期フィードバック・メッセージであるかどうかが確認されることが可能である。受信されたシグナリング・メッセージが短期フィードバック・メッセージである場合には、ステップS7−M2が、次なるステップとして実行されることが可能である。受信されたシグナリング・メッセージが短期フィードバック・メッセージではない場合には、ステップS1−M2が、再び実行されることが可能である。
【0107】
次なるステップS7−M2において、第1のチャネル転送関数CTF1に関する係数ベクトルC
TD1の要素、およびより好ましくは、係数ベクトルC
TD1の要素の実数部および虚数部が、受信された短期フィードバック・メッセージ内に含まれている係数ベクトルC
TD1の要素の量子化された実数部および量子化された虚数部から再構築されることが可能である。したがって、受信機装置は、送信機装置によって実行される一様スカラ量子化とは逆であることが可能であるアルゴリズムを実行することができ、その場合、量子化は、たとえばミッドトレッド型一様量子化器またはミッドライザ型一様量子化器として実行されることが可能である。ステップS13−M1に関して記載されているような、相対パワー値の報告が適用されることが可能である場合には、係数ベクトルC
TD1の再構築された要素は、報告されたまたは事前に定義された絶対パワー値と、報告された相対パワー値とに基づいてスケーリングされることが可能である。
【0108】
ステップS7−M2は、係数ベクトルC
TD2の要素を得るために繰り返されることが可能であり、第1の送信チャネルTC1のさらなるチャネル転送関数のさらなる係数ベクトルの要素を得るために繰り返されることが可能であり、さらなる送信チャネルTC2およびTC3のさらなるチャネル転送関数のさらなる係数ベクトルの要素を得るために繰り返されることが可能である。
【0109】
さらなるステップS8−M2において、第1のチャネル転送関数CTF1が、T.Wild、「A rake−finger based efficient channel state information feedback compression scheme」、Vehicular Technology Conference(VTC 2010−Spring)、2010 IEEE 71
st、2010年5月16日〜19日において記載されている方程式(8)から、その方程式(8)を、その方程式の片側にチャネル転送関数項h
CTFのみを含む形式へと再変換することによって得られることが可能である方程式に基づいて再構築されることが可能である。その再変換は、たとえば、係数ベクトルC
TD1にDFT行列Dのエルミート(したがって共役転置)ムーア・ペンローズ一般逆行列を左乗算することによって行われることが可能である。ステップS8−M2は、好ましくは、第1の送信チャネルTC1の第2のチャネル転送関数CTF2およびさらなるチャネル転送関数に関して、ならびに、さらなる送信チャネルTC2およびTC3のさらなるチャネル転送関数に関して繰り返されることが可能である。
【0110】
次なるステップS9−M2において、再構築されたチャネル転送関数CTF1、CTF2などが、たとえば適合複素送信プリコーディング・アンテナ重みを修正することによって、送信チャネルTC1、TC2、およびTC3の短期状況の評価のために使用される。短期状況が、事前に定義されたレベルよりも上に変更されたと言える場合には、送信プリコーディング、変調、およびコーディング・スキーム、マルチアクセス・スケジューリング決定、もしくはリソース割り当て決定など、ダウンリンクCoMP送信のパラメータが適合されることが可能であり、ならびに/または報告クラスタが、(たとえば、無線通信システムRCSのさらなるアンテナ・システムを追加することによって、もしくは報告クラスタからアンテナ・システムを除去することによって)更新されることが可能である。
【0111】
ステップS9−M2の後の次なるステップは、再びステップS1−M2であることが可能である。
【0112】
図6は、第1の特定ユニットまたは第1の特定モジュールDET−U1と、第2の特定ユニットまたは特定モジュールDET−U2と、送信機ユニットTR−Uとを含む例示的な送信機装置TA1を示している。第1の特定ユニットまたは第1の特定ユニット・モジュールDET−U1は、第1の送信チャネルTC1の受信された第1の基準信号RS1、第2の送信チャネルTC2の受信された第2の基準信号RS2、および第3の送信チャネルTC3の受信された第3の基準信号RS3を入力パラメータとして得ることができ、第1の品質値APP1、APP2、APP3、APP4、およびAPP5、ならびに少なくとも第2の品質値を計算することができ、短期フィードバックおよび長期フィードバックを特定することができ、第1の品質値APP1、APP2、APP3、APP4、およびAPP5、少なくとも第2の品質値、短期フィードバックSTF、ならびに長期フィードバックLTFを出力パラメータとして提供することができる。
【0113】
第2の特定ユニットまたは第2の特定モジュールDET−U2は、第1の品質値APP1、APP2、APP3、APP4、およびAPP5、ならびに少なくとも第2の品質値を入力パラメータとして得ることができ、短期フィードバックの事前に定義された無線リソースの無線リソース・ユニットDIS−RUの配分を計算することができ、無線リソース・ユニットDIS−RUの配分を出力パラメータとして提供することができる。
【0114】
あるいは、第1の特定ユニットまたは第1の特定モジュールDET−U1および第2の特定ユニットまたは第2の特定モジュールDET−U2のすべての機能は、単一の特定ユニットまたは単一の特定モジュールにおいて実施されることが可能である。
【0115】
送信機ユニットTR−Uは、たとえば送信機またはトランシーバであることが可能であり、無線リソース・ユニットDIS−RUの配分、長期フィードバックLTF、および短期フィードバックSTFを入力パラメータとして得ることができ、長期フィードバックLTFおよび/または短期フィードバックSTFを含むアップリンク無線周波数信号RFS−UPを生成することができ、長期フィードバックLTFおよび/または短期フィードバックSTFを含むアップリンク無線周波数信号RFS−UPを出力パラメータとして提供することができる。
【0116】
図7は、無線通信システムにおいて使用するための第1のネットワーク・ノードNN1を例示している。第1のネットワーク・ノードNN1は、たとえば移動局MSであることが可能である。第1のネットワーク・ノードNN1は、トランシーバTRA1およびデュプレクサDP1を含むことができる。トランシーバTRA1は、送信機装置TA1および受信機装置RA1を含むことができる。
【0117】
デュプレクサDP1は、アンテナ・ポートAP1を介して、第1の基準信号RS1と、第2の基準信号RS2と、第3の基準信号RS3とを含むダウンリンク無線周波数信号RFS−DOWNを入力信号として受信することができ、それらの入力信号を受信機装置RA1に提供することができる。受信機装置RA1は、受信されたダウンリンク無線周波数信号RFS−DOWNから、第1の基準信号RS1、第2の基準信号RS2、および第3の基準信号RS3を抽出することができ、第1の基準信号RS1、第2の基準信号RS2、および第3の基準信号RS3を送信機装置TA1に提供することができる。送信機装置TA1は、長期フィードバックLTFおよび/または短期フィードバックSTFを含むアップリンク無線周波数信号RFS−UPを出力信号としてデュプレクサDP1に提供することができる。デュプレクサDP1は、それらの出力信号を第1のネットワーク・ノードNN1のアンテナ・ポートAP1に提供する。
【0118】
図8は、受信機ユニットREC−Uと、特定ユニットまたは特定モジュールDET−Uとを含む例示的な受信機装置RA2を示している。受信機ユニットREC−Uは、たとえば受信機またはトランシーバであることが可能であり、短期フィードバックおよび/または長期フィードバックを含むアップリンク無線周波数信号RFS−UPを入力パラメータとして得ることができる。受信機ユニットREC−Uは、アップリンク無線周波数信号RFS−UPから短期フィードバックおよび長期フィードバックを抽出して復元し、短期フィードバックSTFおよび長期フィードバックLTFを出力パラメータとして提供する。
【0119】
特定ユニットまたは特定モジュールDET−Uは、短期フィードバックSTFおよび長期フィードバックLTFを入力パラメータとして得ることができ、第1の送信チャネルTC1の第1の短期情報STF1、および少なくとも第2の送信チャネルTC2、TC3の少なくとも第2の短期情報STF2、STF3を計算することができ、第1の短期情報STF1および少なくとも第2の短期情報STF2、STF3を出力パラメータとして提供することができる。
【0120】
図9は、無線通信システムにおいて使用するための第2のネットワーク・ノードNN2を例示している。第2のネットワーク・ノードNN2は、たとえば第1の基地局BS1などのマスター基地局であることが可能である。第2のネットワーク・ノードNN2は、トランシーバTRA2、デュプレクサDP2、および中央処理装置CP−Uを含むことができる。トランシーバTRA2は、送信機装置TA2および受信機装置RA2を含むことができる。
【0121】
デュプレクサDP1は、アンテナ・ポートAP2を介して、短期フィードバックSTFと、長期フィードバックLTFとを含むアップリンク無線周波数信号RFS−UPを入力信号として受信することができ、それらの入力信号を受信機装置RA2に提供することができる。受信機装置RA2は、受信されたアップリンク無線周波数信号RFS−UPから、短期フィードバックSTFおよび長期フィードバックLTFを抽出することができ、その短期フィードバックSTFおよび長期フィードバックLTFを中央処理装置CP−Uに提供することができる。中央処理装置CP−Uは、送信チャネルTC1、TC2、およびTC3の短期状況を評価することができ、送信チャネルTC1、TC2、およびTC3の送信パラメータを適合させることができ、ならびに/または報告クラスタを(たとえば、無線通信システムRCSのさらなるアンテナ・システムを追加することによって、もしくは報告クラスタからアンテナ・システムを除去することによって)更新することができる。対応するシグナリング・メッセージADAPT−M1が、第2の基地局BS2もしくは第3の基地局BS3など、報告クラスタのさらなるネットワーク・ノードへ、および/または送信機装置TA2へ送信されることが可能である。
【0122】
送信機装置TA2は、送信パラメータを移動局MSへのダウンリンクCoMP送信用に適合させること、および第1の基準信号RS1を含むダウンリンク無線周波数信号RFS−DOWNを出力信号としてデュプレクサDP2に提供することが可能である。デュプレクサDP2は、それらの出力信号を第2のネットワーク・ノードNN2のアンテナ・ポートAP2に提供する。
【0123】
説明および図面は、本発明の原理を例示しているにすぎない。したがって、本明細書において明示的に説明または図示されていないが、本発明の原理を具体化し、本発明の趣旨および範囲内に含まれるさまざまな構成を当業者なら考案できるであろうということがわかるであろう。さらに、本明細書において列挙されているすべての例は、主として、本発明の原理、および、当技術分野を進展させることに対して本発明者(ら)によって寄与されたコンセプトを読者が理解する際に役立つための教示上の目的のものにすぎないことが明示的に意図されており、また、そのような具体的に列挙された例および状況に限定されるものではないと解釈されるべきである。その上、本発明の原理、態様、および実施形態、ならびにそれらの特定の例を列挙する本明細書におけるすべての記述は、それらの均等物を包含することを意図されている。
【0124】
(特定の機能を実行する)「送信するための手段」、「受信するための手段」、「特定するための手段」などと示されている機能ブロックはそれぞれ、特定の機能を実行するように適合されている回路を含む機能ブロックとして理解されるものとする。したがって、「何かのための手段」は、「何かに適合されているまたは適している手段」として理解されて差し支えない。したがって、特定の機能を実行するように適合されている手段は、かかる手段が(所与の時点において)必ず前記機能を実行しているということを意味しない。
【0125】
あらゆる機能ブロックを含む、図において示されているさまざまな要素の機能は、(たとえば、プロセッサとしての)専用のハードウェア、ならびに、適切なソフトウェアと関連付けてソフトウェアを実行することができるハードウェアの使用を通じて提供されることが可能である。それらの機能は、プロセッサによって提供される場合には、単一の専用のプロセッサによって、単一の共有プロセッサによって、または複数の個別のプロセッサ(そのうちのいくつかは、共有されることが可能である)によって提供されることが可能である。その上、「プロセッサ」または「コントローラ」という用語の明示的な使用は、ソフトウェアを実行することができるハードウェアだけを指すと解釈されるべきではなく、デジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)ハードウェア、ネットワーク・プロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、ソフトウェアを格納するための読み取り専用メモリ(ROM)、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、および不揮発性ストレージを暗に含むことができるが、それらには限定されない。その他のハードウェアが、通常のものであれ、および/またはカスタムのものであれ、含まれることも可能である。
【0126】
本明細書におけるあらゆるブロック図は、本発明の原理を具体化する例示的な回路の概念的な図を表しているということを当業者なら理解するはずである。同様に、あらゆるフローチャート、流れ図、状態遷移図、疑似コードなどは、コンピュータ可読メディアにおいて実質的に表されることが可能な、したがってコンピュータまたはプロセッサによって実行されることが可能な(そのようなコンピュータまたはプロセッサが明示的に示されているか否かにかかわらず)さまざまなプロセスを表しているということがわかるであろう。
【0127】
さらに、添付の特許請求の範囲は、本明細書においては「発明を実施するための形態」へと組み込まれており、それぞれの請求項は、個別の実施形態として単独で有効であることが可能である。それぞれの請求項は、個別の実施形態として単独で有効であることが可能である一方で、1つの従属請求項が、特許請求の範囲において1つまたは複数のその他の請求項との特定の組合せに言及する場合があるが、その他の実施形態は、その従属請求項と、それぞれの他の従属請求項の主題との組合せを含むこともできるということに留意されたい。本明細書においては、そのような組合せが提案されている。ただし、特定の組合せが意図されていないと記載されている場合は除く。さらに、1つの請求項の特徴は、その他のいかなる独立請求項にも、たとえこの請求項がその独立請求項に直接従属していないとしても、含まれるということが意図されている。
【0128】
本明細書において、または特許請求の範囲において開示されている方法は、それらの方法の各ステップのそれぞれを実行するための手段を有するデバイスによって実施されることが可能であるということにさらに留意されたい。好ましくは、コンピュータ・プログラム製品は、そのコンピュータ・プログラム製品が、DSP、ASIC、またはFPGAなど、プログラム可能なハードウェア・デバイスの上で実行されたときに、方法MET1または方法MET2を実行するためのコンピュータ実行可能命令を含むことができる。好ましくは、デジタル・データ・ストレージ・デバイスは、方法M1−TAまたは方法M2−RAを実行するための命令のマシン実行可能プログラムをエンコードすることができる。
【0129】
さらに、本明細書または特許請求の範囲において開示されている複数のステップまたは機能の開示は、特定の順序内にあるものと解釈してはならないということを理解されたい。したがって、複数のステップまたは機能の開示は、それらのステップまたは機能を特定の順序に限定することはない。ただし、そのようなステップまたは機能が、技術的な理由から交換可能でない場合は除く。さらに、いくつかの実施形態においては、単一のステップは、複数のサブステップを含むことができ、または複数のサブステップへと分割されることが可能である。そのようなサブステップは、その単一のステップの開示に含まれてその一部であることが可能である。ただし、明示的に除外されている場合は除く。