(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6203953
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】電力コネクタ
(51)【国際特許分類】
H01R 12/71 20110101AFI20170914BHJP
【FI】
H01R12/71
【請求項の数】23
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-525794(P2016-525794)
(86)(22)【出願日】2014年7月11日
(65)【公表番号】特表2016-524310(P2016-524310A)
(43)【公表日】2016年8月12日
(86)【国際出願番号】US2014046279
(87)【国際公開番号】WO2015006644
(87)【国際公開日】20150115
【審査請求日】2016年1月18日
(31)【優先権主張番号】61/845,419
(32)【優先日】2013年7月12日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】591043064
【氏名又は名称】モレックス エルエルシー
(73)【特許権者】
【識別番号】514252360
【氏名又は名称】アービンド パテル
(73)【特許権者】
【識別番号】515349766
【氏名又は名称】ジェン デ リン
(73)【特許権者】
【識別番号】515349777
【氏名又は名称】ケネス ステッド
(73)【特許権者】
【識別番号】514252382
【氏名又は名称】デビット エル ブランカー
(73)【特許権者】
【識別番号】514252393
【氏名又は名称】デビット イー ダンハム
(74)【代理人】
【識別番号】100116207
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 俊明
(72)【発明者】
【氏名】アービンド パテル
(72)【発明者】
【氏名】ジェン デ リン
(72)【発明者】
【氏名】ケネス ステッド
(72)【発明者】
【氏名】デビット エル ブランカー
(72)【発明者】
【氏名】デビット イー ダンハム
【審査官】
前田 仁
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2008/0139041(US,A1)
【文献】
特開2001−250643(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0142953(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0022137(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 12/71
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気コネクタの電力モジュールであって、
誘電性ハウジングであって、該誘電性ハウジングが前方面を有し、前記誘電性ハウジングが前記前方面から前方に突出する第1の支持アームを有し、該第1の支持アームが対向する第1および第2の側面を有し、前記誘電性ハウジングが空洞を有し、前記前方面が、前記空洞と連通するそこを通って延在している第1および第2のスロットを有し、前記第1のスロットが、前記第1の支持アームの前記第1の側面に隣接して提供され、前記第2のスロットが、前記第1の支持アームの前記第2の側面に隣接して提供される、誘電性ハウジングと、
第1のブレード端子であって、該第1のブレード端子が、本体部およびブレード部を有し、前記第1のブレード端子の前記本体部が、前記誘電性ハウジングの前記空洞に収容され、前記第1のブレード端子の前記ブレード部が、前記第1のスロットを通って延在し、かつ前記第1の支持アームの前記第1の側面に沿って位置付けられる、第1のブレード端子と、
第2のブレード端子であって、該第2のブレード端子が、本体部およびブレード部を有し、前記第2のブレード端子の前記本体部が、前記誘電性ハウジングの前記空洞に収容され、前記第2のブレード端子の前記ブレード部が、前記第2のスロットを通って延在し、かつ前記第1の支持アームの前記第2の側面に沿って位置付けられる、第2のブレード端子と、
前記誘電性ハウジングの各側面上に形成された嵌め合い構造であって、前記電力モジュールと隣接する他の電力モジュールとを横方向に並んだ配置で一緒に固定する嵌め合い構造と、を備え、
前記第1のブレード端子のブレード部は、前記第2のブレード端子のブレード部の長さとは異なる長さを有し、前記第1の支持アームが前方縁面を有し、前記ブレード部のうちの1つの前方縁面が、前記第1の支持アームの前方縁面と整列している、電気コネクタの電力モジュール。
【請求項2】
前記第1の支持アームが、前記横方向に対して垂直な方向に延在する姿勢で前記前方面から前方に突出する、請求項1に記載の電力モジュール。
【請求項3】
チャネルが、前記第1の支持アームの前記第1の側面上に形成される、請求項1に記載の電力モジュール。
【請求項4】
前記第1のブレード端子の前記ブレード部がチャネル内に配設される、請求項3に記載の電力モジュール。
【請求項5】
チャネルが前記第1の支持アームの前記第2の側面上に形成される、請求項3に記載の電力モジュール。
【請求項6】
前記第1のブレード端子の前記ブレード部が、前記第1の支持アームの前記第1の側面上に形成された前記チャネル内に配設され、前記第2のブレード端子の前記ブレード部が、前記第1の支持アームの前記第2の側面上に形成された前記チャネル内に配設される、請求項5に記載の電力モジュール。
【請求項7】
前記第1のブレード端子の前記ブレード部が前方縁面を有し、前記第2のブレード端子の前記ブレード部が前方縁面を有し、前記ブレード部の前方縁面同士が整列していない、請求項1に記載の電力モジュール。
【請求項8】
前記誘電性ハウジングが、前記前方面から前方に突出する第2の支持アームを有し、該第2の支持アームが、対向する第1および第2の側面を有し、前記前方面が、前記空洞と連通するそこを通って延在している第3および第4のスロットを有し、前記第3のスロットが、前記第2の支持アームの前記第1の側面に隣接して提供され、前記第4のスロットが、前記第2の支持アームの前記第2の側面に隣接して提供される、電力モジュールであって、該電力モジュールが、第3のブレード端子および第4のブレード端子をさらに備え、前記第3のブレード端子が本体部およびブレード部を有し、前記第3のブレード端子の前記本体部が、前記誘電性ハウジングの前記空洞に収容され、前記第3のブレード端子の前記ブレード部が、前記第3のスロットを通って延在し、かつ前記第2の支持アームの前記第1の側面に沿って位置付けられ、前記第4のブレード端子が本体部およびブレード部を有し、前記第4のブレード端子の前記本体部が、前記誘電性ハウジングの前記空洞に収容され、前記第4のブレード端子の前記ブレード部が、前記第4のスロットを通って延在し、かつ前記第2の支持アームの前記第2の側面に沿って位置付けられる、請求項1に記載の電力モジュール。
【請求項9】
前記誘電性ハウジングが下部面を有し、該下部面が、前記空洞と連通するそこを通って延在する少なくとも1つのスロットを有する、請求項1に記載の電力モジュール。
【請求項10】
前記第1および第2のブレード端子が、それらのそれぞれの本体部から下方に延在する端子取り付けピンを有し、該端子取り付けピンが、前記下部面において前記少なくとも1つのスロットを少なくとも一部通って延在し、かつ前記下部面下の場所で終わる、請求項9に記載の電力モジュール。
【請求項11】
前記誘電性ハウジングが後方面を有し、該後方面が、前記空洞の両方と連通するそこを通って延在する前記少なくとも1つのスロットおよび前記誘電性ハウジングの前記下部面を通って延在する前記少なくとも1つのスロットを有する、請求項9に記載の電力モジュール。
【請求項12】
前記空洞が、第1の内部、前記誘電性ハウジングの上方に面する肩部を画定し、前記第1のブレード端子の前記本体部が、そこから外方に延在するタブを有し、該タブが下部縁を有し、前記第1のブレード端子の前記タブの前記下部縁が、前記第1のブレード端子を前記ハウジングの前記空洞内に適切に位置付けるために、前記誘電性ハウジングの第1の肩部に係合するように構成される、請求項11に記載の電力モジュール。
【請求項13】
前記空洞が、第2の内部、前記誘電性ハウジングの上方に面する肩部を画定し、前記第2のブレード端子の前記本体部が、そこから外方に延在するタブを有し、該タブが下部縁を有し、前記第2のブレード端子の前記タブの前記下部縁が、前記第2のブレード端子を前記ハウジングの前記空洞内に適切に位置付けるために、前記誘電性ハウジングの第2の肩部に係合するように構成される、請求項12に記載の電力モジュール。
【請求項14】
前記空洞が、前記誘電性ハウジングの第1の内部壁を画定し、前記第1のブレード端子の前記本体部がその頂部縁上に形成されたタブを有し、該タブが、前記第1のブレード端子を前記ハウジングの前記空洞内に挿入する際に、前記誘電性ハウジングの前記第1の内部壁に食い込むように構成された先端部を有し、前記第1のブレード端子が前記ハウジングの前記空洞から離脱されそうになるときに、前記第1のブレード端子の前記先端部が除去に抵抗するように、前記先端部が挿入の方向に曲げられる、請求項11に記載の電力モジュール。
【請求項15】
前記空洞が、前記誘電性ハウジングの第2の内部壁を画定し、前記第2のブレード端子の前記本体部がその頂部縁上に形成されたタブを有し、該タブが、前記第2のブレード端子を前記ハウジングの前記空洞内に挿入する際に、前記誘電性ハウジングの前記第2の内部壁に食い込むように構成された先端部を有し、前記第2のブレード端子が前記ハウジングの前記空洞から離脱されそうになるときに、前記先端部が除去に抵抗するように、前記第2のブレード端子の前記先端部が挿入の方向に曲げられる、請求項14に記載の電力モジュール。
【請求項16】
電気コネクタであって、
少なくとも1つの信号モジュールを含む、信号モジュール組立体と、
電力モジュール組立体であって、嵌め合い構造を有する信号モジュール組立体に固定され、
誘電性ハウジングであって、該誘電性ハウジングが前方面を有し、前記誘電性ハウジングが前記前方面から前方に突出する第1の支持アームを有し、該第1の支持アームが対向する第1および第2の側面を有し、前記誘電性ハウジングが空洞を有し、前記前方面が、前記空洞と連通するそこから延在している第1および第2のスロットを有し、前記第1のスロットが、前記支持アームの前記第1の側面に隣接して提供され、前記第2のスロットが、前記第1の支持アームの前記第2の側面に隣接して提供される、誘電性ハウジングと、
第1のブレード端子であって、該第1のブレード端子が、本体部およびブレード部を有し、前記第1のブレード端子の前記本体部が、前記誘電性ハウジングの前記空洞に収容され、前記第1のブレード端子の前記ブレード部が、前記第1のスロットを通って延在し、かつ前記第1の支持アームの前記第1の側面に沿って位置付けられる、第1のブレード端子と、
第2のブレード端子であって、該第2のブレード端子が、本体部およびブレード部を有し、前記第2のブレード端子の前記本体部が、前記誘電性ハウジングの前記空洞に収容され、前記第2のブレード端子の前記ブレード部が、前記第2のスロットを通って延在し、かつ前記第1の支持アームの前記第2の側面に沿って位置付けられる、第2のブレード端子と、を備える電力モジュールであって、前記誘電性ハウジングの各側面上に形成された嵌め合い構造であって、前記電力モジュールと隣接する他の電力モジュールまたは前記信号モジュール組立体とを横方向に並んだ配置で一緒に固定する嵌め合い構造を更に備え、
前記第1のブレード端子のブレード部は、前記第2のブレード端子のブレード部の長さとは異なる長さを有し、前記第1の支持アームが前方縁面を有し、前記ブレード部のうちの1つの前方縁面が、前記第1の支持アームの前方縁面と整列している、電力モジュールを含む、電力モジュール組立体と、を備える、電気コネクタ。
【請求項17】
前記信号モジュール組立体および前記電力モジュール組立体が、並んだ配置で前記信号および電力モジュール組立体を一緒に固定する前記嵌め合い構造によって、直線的な配列で整列される、請求項16に記載の電気コネクタ。
【請求項18】
前記少なくとも1つの信号モジュールが、保持組立体内に保持されるいくつかの信号回路を有する一連のオーバーモールドウェーハを含む、請求項16に記載の電気コネクタ。
【請求項19】
前記第1のブレード端子の前記ブレード部が前方縁面を有し、前記第2のブレード端子の前記ブレード部が前方縁面を有し、前記ブレード部の前方縁面同士が整列していない、請求項16に記載の電気コネクタ。
【請求項20】
コネクタ組立体であって、
第1のコネクタであって、
誘電性ハウジングであって、該誘電性ハウジングが前方面を有し、前記誘電性ハウジングが前記前方面から前方に突出する第1の支持アームを有し、該第1の支持アームが対向する第1および第2の側面を有し、前記誘電性ハウジングが空洞を有し、前記前方面が、前記空洞と連通するそこから延在している第1および第2のスロットを有し、前記第1のスロットが、前記支持アームの前記第1の側面に隣接して提供され、前記第2のスロットが、前記第1の支持アームの前記第2の側面に隣接して提供される、誘電性ハウジングと、
第1のブレード端子であって、該第1のブレード端子が、本体部およびブレード部を有し、前記第1のブレード端子の前記本体部が、前記誘電性ハウジングの前記空洞に収容され、前記第1のブレード端子の前記ブレード部が、前記第1のスロットを通って延在し、かつ前記第1の支持アームの前記第1の側面に沿って位置付けられる、第1のブレード端子と、
第2のブレード端子であって、該第2のブレード端子が、本体部およびブレード部を有し、前記第2のブレード端子の前記本体部が、前記誘電性ハウジングの前記空洞に収容され、前記第2のブレード端子の前記ブレード部が、前記第2のスロットを通って延在し、かつ前記第1の支持アームの前記第2の側面に沿って位置付けられる、第2のブレード端子と、を備える電力モジュールであって、前記誘電性ハウジングの各側面上に形成された嵌め合い構造であって、前記電力モジュールと隣接する他の電力モジュールとを横方向に並んだ配置で一緒に固定する嵌め合い構造を更に備え、
前記第1のブレード端子のブレード部は、前記第2のブレード端子のブレード部の長さとは異なる長さを有し、前記第1の支持アームが前方縁面を有し、前記ブレード部のうちの1つの前方縁面が、前記第1の支持アームの前方縁面と整列している電力モジュールを含む、電力モジュール組立体を有する、第1のコネクタと、
第2のコネクタであって、電力モジュールを含む、電力モジュール組立体を有する、第2のコネクタと、を備え、
該第2のコネクタの前記電力モジュールが、前記第1のコネクタの前記電力モジュールと嵌合するように構成される、コネクタ組立体。
【請求項21】
前記第1のコネクタが、少なくとも1つの信号モジュールを含む信号モジュール組立体をさらに含み、前記第2のコネクタが、少なくとも1つの信号モジュールを含む信号モジュール組立体をさらに含み、前記第1のコネクタの前記少なくとも1つの信号モジュールが、前記第2のコネクタの前記少なくとも1つの信号モジュールと嵌合するように構成される、請求項20に記載のコネクタ組立体。
【請求項22】
前記第2のコネクタの前記電力モジュールが、絶縁性ハウジングおよび一対のレセプタクル端子を含み、該一対のレセプタクル端子が、前記絶縁性ハウジング内に位置付けられ、固定され、かつ前記第1のコネクタの前記電力モジュールの前記第1および第2のブレード端子と嵌合するように構成される、請求項20に記載のコネクタ組立体。
【請求項23】
前記第2のコネクタの前記電力モジュールが、前記一対のレセプタクル端子の間に位置付けられる絶縁性スペーサを含む、請求項22に記載のコネクタ組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、全体が参照により本明細書に組み込まれる、2013年7月12日に出願された米国仮出願特許第61/845,419号の優先権を主張する。
【0002】
本発明は、コネクタの分野に関し、より具体的には、電力の供給に好適なコネクタの分野に関する。
【背景技術】
【0003】
概して、電気コネクタは、1つ以上の伝導性端子を備え付けたある形態の絶縁性または誘電性ハウジングを含む。ハウジングは、相補的嵌合コネクタまたはそれ自体が1つ以上の伝導性端子を有する他の接続装置と嵌合するために構成される。コネクタ組立体は、典型的には、コネクタの対応する端子がそれら自体オスおよびメス端子であり得るオスおよびメスコネクタと呼ばれることのあるプラグおよびレセプタクルコネクタなどの一対の嵌合コネクタを含む。
【0004】
現存のコンピューターシステムは、1つの場所に位置付けられた電源および他の場所で供給された電力を使用する様々な構成部品を有する傾向がある。これにより望ましい熱管理が可能になり、好ましい場所でのプロセッサの位置付けがさらに可能になる。しかしながら、かかる構成に起因する1つの問題は、供給された電力が様々な消費装置に送達されなければならないことである。ある特定の装置では、これは問題ではない。しかしながら、他の電力消費装置(CPUまたは電力状態を迅速に変化させる他の装置など)では、距離がある特定の問題を引き起こす。
【0005】
一般に存在する1つの問題は、電源と電力消費装置との間のインダクタンスの問題である。既知の通り、経路に沿って流れる電流は、電流の流れに抵抗するように働く磁場を作り出す。多くの現在の電力消費装置は、相対的に高い周波数(例えば、1MHz以上)での電力使用に切り替える。電力の迅速な切り替えは、電圧を低下させ、供給された電力の変動に対するかかる装置の感度により、消費装置にとって問題となり得る。したがって、ある特定の用途では、かかる電圧低下が許容されないので、一定の電圧が供給されることを確実にするために、蓄電器が電力消費装置に隣接して提供されることが決定された。ある特定の個人は、蓄電器の使用を減少または除去することができることを評価するであろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、概して、コネクタシステムに統合され得、かつ高電流密度条件下で望ましい動作を提供し得る複合電力および信号コネクタに関する。一般に、コネクタは、モジュラー組立体内のモジュラー構成部品としての使用に好適である。例えば、モジュラー組立体は、例えば、電線対基板コネクタまたは電線対電線コネクタの形態をとり得、所望される場合、薄型コネクタシステムを提供し得る。
【0007】
プラグコネクタおよびレセプタクルコネクタを含むコネクタ組立体が提供され得る。コネクタ組立体は、プラグコネクタ上に1つ以上のブレード型電力接点およびレセプタクルコネクタ上に多プロング状の電力接点を含む。プラグコネクタは、コネクタの覆われた領域内に取り付けられた信号ピン接点を含む。レセプタクルコネクタは、レセプタクルコネクタと摺動可能に嵌合可能な信号モジュールを含み得る。電力接点は、各伝導性ブレード部の間に離間された中間絶縁体との電力接点の嵌合部を形成する一対のブレード部を含む。したがって、コネクタは、電力および信号を単一コネクタ組立体と共に連結させる。
【0008】
本発明は、例として図示されており、同様の参照番号が同様の要素を示す添付の図に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】
図1のブレードコネクタの嵌合されていない斜視図である。
【
図3】
図1および2のブレードコネクタの分解立体図である。
【
図4】電気ブレードコネクタの電力モジュールの斜視図である。
【
図5】モジュールの後部から見た電気ブレードコネクタ
図5の電力モジュールの斜視図である。
【
図6】電気ブレードコネクタのプラグモジュールおよびレセプタクルモジュールの分解立体図である。
【
図7】電気ブレードコネクタのプラグモジュールおよびレセプタクルモジュールの代替の実施形態の分解立体図である。
【
図8】
図7のプラグ電力モジュールの斜視図である。
【
図9】モジュールの後部から見た
図7の電力モジュールの部分的分解立体図である。
【
図10】
図7の電力モジュールの部分的分解立体図である。
【
図12】
図7のレセプタクル電力モジュールの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の詳細説明は、例示的実施形態を記載し、明示的に開示された組み合わせ(複数可)を制限することを意図するものではない。したがって、別途示されない限り、本明細書に開示された特徴は、一緒に組み合わされて、簡潔さの目的のために別途示されない追加の組み合わせを形成し得る。
【0011】
図1および2は、本発明の実施形態を図示するものであり、開示された実施形態が単に例示であり、様々な形態で具体化され得ることを理解されたい。したがって、本明細書に開示される特定の詳細は、限定するものとして解釈されるべきではなく、単に特許請求の範囲の基準として、かつ当業者の教示の基準として解釈されるべきである。
【0012】
本開示の1つ以上の実施形態は、薄型接続を提供すると同時に、適切な整列、機械的接続、および電気接続を提供するコネクタシステムにおける複数の信号および電力回路の両方を使用する。所望される場合、構成は修正されて、基板対基板、電線対基板、および電線対電線接続を提供し得る。
【0013】
図1〜3は、第1のコネクタ20および第2の嵌合コネクタ80を含む、基板対基板コネクタ組立体10の実施形態を図示し、各コネクタ20、80は、複数のモジュールを含む。コネクタシステム10は、信号14および電力型24の両方を含む複数の個々のモジュールを有する第1のコネクタ20、ならびに信号82および電力型84を含む複数の協働嵌合モジュールを有する第2のコネクタ80を含むように構成される。典型的には、個々のモジュール14、24は、
直線的な配列で整列し、並んだ配置でモジュール14、24を一緒に固定する
嵌め合い構造を備える。この
嵌め合い構造は、蟻継ぎ型連動を含み得、かつそれに限定されない(図示せず)。
【0014】
典型的な信号モジュール14は、概して、覆いまたは保持組立体18内に保持されたいくつかの信号回路を有する一連のオーバーモールドウェーハ16から成る。ウェーハ16は、一般にスナップ嵌めおよび任意の補強剤によって保持組立体18内に保有され、次いで、信号14または電力型24のいずれかの隣接モジュールに固定される。
【0015】
図4〜6で最も良く示されるように、電力モジュール24は、ハウジング26および電力接点27を含み、電力接点
27は、一連の個々の電力またはその中に受容されるブレード端子28、28’を有する。示された実施形態において、各電力ブレード端子28、28’は、本体部30と、回路要件の通電能力に従って寸法決定されたブレード部36とを含み、例えば、より高い電流を必要とする回路は、より高い電流の伝達を可能にするより大き
な表面領域を提供する実質的に大きいブレード部36を有する電力ブレード端子または接点28、28’を含む。この実施形態において、
図4に示されるように、モジュール24は、各それぞれの支持アーム42上に支持された隣接する一対のブレード端子28、28’を含み、各一対の端子28、28’は互いに整列した前縁面を有する。さらに、第1の一対の端子の前縁面は、嵌合方向に沿って、第2の一対の端子の前縁から離間される。
【0016】
図6〜8に示されるように、電力モジュール24は、その中に電力接点27を受容するハウジング26を含
む。ハウジング
26は、主要本体部40、ならびにコネクタ組立体10の嵌合
面に対応する第1の方向Dに延在する第1の側面44および第2の側面46を有する支持アーム42を有する。支持アーム42は、垂直または上方方向に位置付けられ、コネクタ20の幅に沿って横方向に離間される。
【0017】
図7〜8において、示された実施形態は、電力接点27および背部対背部の関係で配置された単一対のブレード端子28、28’を有する電力モジュール24を含み、ブレード端子28、28’が、支持アーム42のいずれかの側面上に位置付けられる
。あるいは、モジュール24またはコネクタ20は、また背部対背部の関係で配置され、かつ離間された配向でコネクタ20の長さに沿って横方向に離間された複数の端子電力接点27を含み得ることが意図される。この場合において、各モジュール24またはコネクタ20は、電力接点27の総数に対応する同数の垂直に形成された支持アーム
42を含むであろう。
【0018】
図5〜8
で最も良く示されるように、各電力端子28、28’は、主要本体部30および本体部30から延在するブレード部36を含む。端子取り付けピン34は、本体部30の別の端部または縁から形成される。
図7で最も良く示されるように、一連の尾部は、本体部30の隣接する縁から突出し、この配置において、直角が、直角型構成を形成するブレード部36と端子尾部34との間に形成される。代替の配置において、端子尾部34は、ブレード部36が形成される本体部30の反対端部から延在し得、この場合は垂直型構成と考えられる(図示せず)。
【0019】
図7および9は、組立の際にハウジング26の壁を係合するために本体部30の頂部縁上に形成される固定タブ
50を示す。固定タブ50は、挿入の際にハウジング26に食い込むかまたは削り込み、かつハウジング26から離脱されそうになるときに、除去に抵抗するように、挿入の方向に曲げられる先端部52を有する。縁56を有する位置決めタブ54は、本体部
30の側面から形成され、ハウジング26内の肩部58に係合して、端子28、28’をハウジング26内に適切に位置付ける。
【0020】
図7〜10で最も良く示されるように、モジュール24は、絶縁性ハウジング26に保有される各それぞれの主要本体部3
0と背部対背部の関係で配置された一対の電力ブレード接点28、28’とともに組立てられる。この場合において、各ブレード部36は、内部面37および外部面39を有し、一対のブレード端子28、
28’の内部面37は互い
に逆方向を向く。各端子28
、28’の挿入の際に、各端子28
、28’のブレード部36は、ブレード部36が開口部62を通って突出し、かつ空洞60内に各端子28、28’を位置付けるために、ハウジング26内に形成された肩部58と整列した位置決めタブ54を含むモジュール24の嵌合端部に延在する状態で、モジュールハウジング26の後部から空洞60内に挿入される。電力
端子28、28’の各本体部3
0は、ハウジング26の側壁に食い込むか、または削り込み、かつハウジング26内に各端子28、28’を固定する固定タブ50を有する絶縁性モジュールハウジング26内に嵌め込まれる
。あるいは、電力
端子28、28’は、絶縁性ハウジング26内にも成形され得る。
【0021】
各電力モジュール24は、適切な隣接する電力モジュール24または信号モジュール14に固定されるためにハウジング26の各側面上に形成された
嵌め合い構造を有する(図示せず)。
嵌め合い構造は、典型的には、各モジュール14、24のそれぞれの側面上の蟻継ぎ(図示せず)の適切なオスおよびメス部を有する蟻継ぎ構造を使用する。理解され得るように、「T」形状または任意の他の好適な
嵌め合い形状などの他の構造が代わりに用いられ得る。
【0022】
図7〜10に示される実施形態において、実施形態の電力モジュール24は、別々に分かれ、2つの個々の電力端子28、28’の間に配置された絶縁体と形成される電力接点27を有する。モジュール24は、モジュールハウジング26の主要本体部30から、かつ方向Dにコネクタ20の嵌合面に向かって延在する支持アーム42を有するハウジング26を含む。支持アームの多様性は
図7〜8に示され、支持アーム42の側壁または面44、46の各々に配設され、かつ支持アーム42に沿って延在するチャネル70を含む。各チャネル70は、底面72および対向する側壁74を有するように画定される。対応する端子28
、28’の各それぞれのブレード部36は、ブレード部36の外側または外部面39のみが露出された状態でチャネル70内に配設される。つまり、ブレード部36の内部側面37は、チャネル70の底面72に接し、ブレード部36の側面または縁の各々は、チャネル70内のそれぞれの側壁74に隣接する。同様に、これらの電力端子
28、28’は、絶縁性モジュールまたはブリックにプレス嵌めされるか、または成形されるかのいずれかが行われ得る。
【0023】
ある特定の例において、ある特定の電力用途における個々の回路に異なる通電負荷を有することが望ましい。例えば、1つの用途は高電流を必要とし得るので、大きなブレード部を有する電力端子を必要とする。もちろん、増加した電流負荷では、電力端子は温度上昇を示すであろう。表面領域はまた、この熱の放散を補助し、結果的に、ある特定の電力端子の各ブレード部は、異なる表面領域で、かつ示された実施形態において、形成され得、個々の電力接点ブレード部の長さは異なる長さを有する。別の実施形態において、ブレード部長さは各電力接点では同一であり得るが、隣接する電力接点の長さは異なる。異なる長さおよび絶縁性バリアの使用によって、熱的特性および電気特性は適宜に調整され得る。
【0024】
同様の配置がレセプタクルモジュール84のために示される。
図3および7に示されるように、一対のレセプタクル端子86は、プラグモジュール24の電力
端子28
、28’と嵌合するために絶縁性ハウジング96に位置付けられ、かつ固定される。各レセプタクル端子
86は、プラグモジュー
ルの電力
端子28
、28’のブレード部36に摺動可能に係合する接触部99を有する複数のばねフィンガーまたは接点98を有する。
図6に示される代替の実施形態において、絶縁性スペーサ87は、レセプタクルモジュール84の個々のレセプタクル端子86の間に位置付けられ、レセプタクルモジュール84およびコネクタ組立体10の電気特性を修正または調整する能力を同様に提供する。
【0025】
レセプタクル
84は、気流がレセプタクルモジュール84も通ることを可能にするハウジング96を通って延在する通路85も含む。
図12で最も良く示されるようなこの例において、プラグ24とレセプタクル84との嵌合の際に、連続する通路が、コネクタシステム10の直接冷却を可能にするためにブレード端子28
、28’とレセプタクル端子86との嵌合接合面を横切ってプラグ24およびレセプタクル84の両方を通って作り出されるように、通路85はレセプタクル端子86の間に形成される。
【0026】
図11〜12に示されるように、電力モジュール24のハウジング26は、ハウジング26を
通って形成され、支持アーム42の各側面に隣接する通路25を含む。端子28、28’の組立の際に、通路25は、電力端子
28、28’の冷却を補助するために空気
が各ブレード端子28、28’を通り過ぎて流れることを可能にする非制限領域を提供する。レセプタクル
84は、気流がレセプタクルモジュール84も通ることを可能にするハウジング96を通って延在する通路85も含む。
図12で最も良く示されるようなこの例において、プラグ24とレセプタクル84との嵌合の際に、連続する通路が、コネクタシステム10の直接冷却を可能にするためにブレード端子28
、28’とレセプタクル端子86との嵌合接合面を横切ってプラグ24およびレセプタクル84の両方を通って作り出されるように、通路85はレセプタクル端子86の間に形成される。
【0027】
理解され得るように、2つのブレードを互いに近くに設置することは、コネクタの電気性能に有利な影響を与える。上に示されるように、経路に沿った電流の流れは、電流の流れに抵抗する磁場を生成する。極めて接近して反対の方向に電流が流れる場合、2つの磁場は相殺され得、ループインダクタンスおよび結果として生じるインピーダンスは低減される。示された実施形態は、正端子と負端子との間に良好な電気分離を依然として提供しながら、望ましい電気性能を提供するコネクタを可能にする。加えて、ある特定の実施形態において、ブレードは、実質的にブレードの全長、極めて近接して保持され得、次いで、システムが電圧遅延を低減することができるようにインピーダンスの望ましい改善を提供する。結果的に、システムにおいて、電圧低下を防ぐのに通常使用されるであろう局部蓄電器の数を減らすことができる。
【0028】
図2に示されるように、各コネクタ組立体20、80の端部構成は、それぞれの嵌合モジュール24、84およびその中の個々の電気端子接点28、86の間のスタッビングを防止するためにコネクタシステム10を一緒に先導するために整列構造を提供するのに使用される別々のモジュールまたは端部キャップ4、6を含む。先導要素は、典型的には、コネクタ嵌合の際に先導を提供するために両方共、先細端部を有するポスト5および受け孔3で構成される。様々なキーイング特徴がまた、コネクタが嵌合しないことが起こらないことを確実にするために含められ得る。この配置は、薄型波形率における任意の数の信号および電力構成を可能にする。
【0029】
一般に、プラグコネクタおよびレセプタクルレセプタがある特定の特徴を有するように記載されてきたが、コネクタが図においてプラグまたはレセプタクル型であるかどうかの描写は、単に例証の目的のためになされることを留意されるべきである。したがって、特定のコネクタが、所望される通り、プラグもしくはレセプタクル型またはプラグおよびレセプタクルの組み合わせであるように構成され得ることが想像される。例えば、コネクタは、プラグ型またはレセプタクル型である電力接点を含み得、プラグ型またはレセプタクル型である信号接点も含む。したがって、別途示されない限り、接点がレセプタクルまたはプラグであるかどうかの決定は制限されることが意図されない。
【0030】
本明細書に提供される開示は、その好ましい、例示的な実施形態の観点から特徴を記載する。添付の特許請求の範囲および趣旨内の多数の他の実施形態、変更、および変形が、本開示の再考察から当業者に思い浮かぶであろう。