特許第6203970号(P6203970)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6203970複数のセカンダリセルをアクティブ化および非アクティブ化するためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6203970
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】複数のセカンダリセルをアクティブ化および非アクティブ化するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/04 20090101AFI20170914BHJP
   H04W 76/02 20090101ALI20170914BHJP
   H04W 76/06 20090101ALI20170914BHJP
【FI】
   H04W72/04 111
   H04W76/02
   H04W76/06
【請求項の数】17
【全頁数】37
(21)【出願番号】特願2016-558602(P2016-558602)
(86)(22)【出願日】2015年2月19日
(65)【公表番号】特表2017-513379(P2017-513379A)
(43)【公表日】2017年5月25日
(86)【国際出願番号】SE2015050195
(87)【国際公開番号】WO2015147720
(87)【国際公開日】20151001
【審査請求日】2017年3月14日
(31)【優先権主張番号】61/969,704
(32)【優先日】2014年3月24日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100161470
【弁理士】
【氏名又は名称】冨樫 義孝
(74)【代理人】
【識別番号】100194294
【弁理士】
【氏名又は名称】石岡 利康
(74)【代理人】
【識別番号】100194320
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 亮
(72)【発明者】
【氏名】カズミ, ムハマド
(72)【発明者】
【氏名】シオミナ, イアナ
(72)【発明者】
【氏名】キャレンダー, クリストファー
【審査官】 ▲高▼木 裕子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2013−511916(JP,A)
【文献】 Ericsson,Impact on RRM requirements in 3 DL CA[online], 3GPP TSG-RAN WG4♯70 R4-140743,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG4_Radio/TSGR4_70/Docs/R4-140743.zip>,2014年 2月14日,Pages 1-6
【文献】 3rd Generation Partnership Project,Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA); Requirements for support of radio resource management,3GPP TS 36.133 V10.14.0 (2014-03),2014年 3月,Pages 1,2,56,57
【文献】 NSN, Nokia Corporation,SCG Cell scheduling and activation[online], 3GPP TSG-RAN WG2♯85bis R2-141181,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_85bis/Docs/R2-141181.zip>,2014年 3月21日,Pages 1-4
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 − 7/26
H04W 4/00 − 99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プライマリセル(PCell)(140A)および複数のセカンダリセル(SCell)(150A〜C)において複数のキャリアから信号を受信するためにキャリアアグリゲーションを使用するワイヤレスデバイス(110A)によって、複数のセカンダリセル(150A〜B)をアクティブ化および非アクティブ化するための方法であって、
第1のキャリアについて第1のセカンダリセル(第1のSCell)(150A)のアクティブ化または非アクティブ化を要求する第1のメッセージを受信することと、
前記第1のメッセージに応じて、前記第1のSCell(150A)をアクティブ化または非アクティブ化するための第1のプロシージャを開始することであって、前記ワイヤレスデバイス(110A)は、前記第1のプロシージャを完了させるべき第1の遅延期間(Tactivate_basic)を有する、開始することと、
前記第1のSCell(150A)をアクティブ化または非アクティブ化するための前記第1のプロシージャを行っている間に、第2のキャリアについて第2のSCell(150B)をアクティブ化し、非アクティブ化し、設定し、または設定解除するための第2のメッセージを受信することと、
前記第2のSCell(150B)をアクティブ化し、非アクティブ化し、設定し、または設定解除するための前記第2のメッセージを受信することに応じて、前記第1の遅延期間を、前記第1のSCell(150A)をアクティブ化または非アクティブ化するための前記第1のプロシージャを完了すべき第2の遅延期間(Tactivate_total)に置換することによって、前記第1のプロシージャを修正することであって、前記第2の遅延期間(Tactivate_total)は、前記第1の遅延期間(Tactivate_basic)よりも大きい、修正することと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記第2の遅延期間(Tactivate_total)は、少なくとも、整数Kの関数であり、前記Kは、前記第1のSCell(150A)をアクティブ化または非アクティブ化するために前記第1のプロシージャが行われている間に、前記第2のSCell(150B)のアクティブ化、非アクティブ化、設定、または設定解除を行うように前記ワイヤレスデバイス(110A)が要求される回数である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のSCell(150A)が、前記第1のプロシージャ中に検出可能なままであり、
前記第1のメッセージの前記受信前の少なくとも第3の遅延期間中に、前記ワイヤレスデバイス(110A)が前記第1のSCell(150A)についての測定レポートを送信しており、前記第1のSCell(150A)が検出可能なままである場合、
activate_basic=24サブフレームであり、
さもなければ、前記ワイヤレスデバイス(110A)が、前記第1のプロシージャ中に前記第1のSCell(140A)を検出するための最初の試行で前記第1のSCell(140A)を成功裏に検出する場合、Tactivate_basic=34サブフレームである、
請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記第2の遅延期間(Tactivate_total)が、
(Tactivate_total)=Tactivate_basic+K*5
として表され、ただし、Kは、前記第1のSCell(150A)をアクティブ化または非アクティブ化するために前記第1のプロシージャが行われている間に、前記第2のSCell(150B)のアクティブ化、非アクティブ化、設定、または設定解除を行うように、前記ワイヤレスデバイス(110A)が要求される回数を表す整数である、
請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のメッセージが、前記第1のSCell(150A)をアクティブ化または非アクティブ化するように、第1のワイヤレスデバイス(110A)に要求し、
前記第1のメッセージが、MAC CEコマンドまたはシグナリングを介して前記ワイヤレスデバイス(110A)によって受信される、
請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
プライマリセル(PCell)(140A)および複数のセカンダリセル(SCell)(150A〜B)において複数のキャリアから信号を受信するためにキャリアアグリゲーションを使用するワイヤレスデバイス(110A)であって、
実行可能な命令を含有するメモリ(230)と、
前記メモリ(230)と通信する1つまたは複数のプロセッサ(220)と、
を備え、前記1つまたは複数のプロセッサ(220)は、前記命令を実行して、前記ワイヤレスデバイス(110A)に、
第1のキャリアについて第1のセカンダリセル(第1のSCell)(150A)のアクティブ化または非アクティブ化を要求する第1のメッセージを受信させ、
前記第1のメッセージに応じて、前記第1のSCell(150A)をアクティブ化または非アクティブ化するための第1のプロシージャを開始させ、前記ワイヤレスデバイス(110A)は、前記第1のプロシージャを完了させるべき第1の遅延期間(Tactivate_basic)を有し、
前記第1のSCell(150A)をアクティブ化または非アクティブ化するための前記第1のプロシージャを行っている間に、第2のキャリアについて第2のSCell(150B)をアクティブ化し、非アクティブ化し、設定し、または設定解除するための第2のメッセージを受信させ、
前記第2のSCell(150B)をアクティブ化し、非アクティブ化し、設定し、または設定解除するための前記第2のメッセージを受信することに応じて、前記第1の遅延期間を、前記第1のSCell(150A)をアクティブ化または非アクティブ化するための前記第1のプロシージャを完了すべき第2の遅延期間(Tactivate_total)に置換することによって、前記第1のプロシージャを修正させるように動作可能であり、前記第2の遅延期間(Tactivate_total)は、前記第1の遅延期間(Tactivate_basic)よりも大きい、
ワイヤレスデバイス(110A)。
【請求項7】
前記第2の遅延期間(Tactivate_total)は、少なくとも、整数Kの関数であり、前記Kは、前記第2のSCell(150A)をアクティブ化または非アクティブ化するために前記第1のプロシージャが行われている間に、前記第2のSCell(150B)のアクティブ化、非アクティブ化、設定、または設定解除を行うように前記ワイヤレスデバイス(110A)が要求される回数である、請求項6に記載のワイヤレスデバイス(110A)。
【請求項8】
前記第1のSCell(150A)が、前記第1のプロシージャ中に検出可能なままであり、
前記第1のメッセージの前記受信前の少なくとも第3の遅延期間中に、前記ワイヤレスデバイス(110A)が前記第1のSCell(150A)についての測定レポートを送信しており、前記第1のSCell(150A)が検出可能なままである場合、
activate_basic=24サブフレームであり、
さもなければ、前記ワイヤレスデバイス(110A)が、前記第1のプロシージャ中に前記第1のSCell(140A)を検出するための最初の試行で前記第1のSCell(140A)を成功裏に検出する場合、Tactivate_basic=34サブフレームである、
請求項6または7に記載のワイヤレスデバイス(110A)。
【請求項9】
前記第2の遅延期間(Tactivate_total)が、
(Tactivate_total)=Tactivate_basic+K*5
として表され、ただし、Kは、前記第1のSCell(150A)をアクティブ化または非アクティブ化するために前記第1のプロシージャが行われている間に、前記第2のSCell(150B)のアクティブ化、非アクティブ化、設定、または設定解除を行うように、前記ワイヤレスデバイス(110A)が要求される回数を表す整数である、
請求項6から8のいずれか一項に記載のワイヤレスデバイス(110A)。
【請求項10】
プライマリセル(PCell)(140A)および複数のセカンダリセル(SCell)(150A〜B)において複数のキャリアから信号を受信するためにキャリアアグリゲーションを使用しているワイヤレスデバイス(110A)にサーブする第1のネットワークノード(115A)における方法であって、
第1のキャリアについて第1のSCell(150A)をアクティブ化または非アクティブ化するように前記ワイヤレスデバイス(110A)に要求する第1のメッセージを前記ワイヤレスデバイス(110A)が受信したと、前記第1のネットワークノード(115A)によって決定することと、
前記ワイヤレスデバイス(110A)が前記第1のSCell(150A)をアクティブ化または非アクティブ化するべき遅延期間(Tactivate_basic)を前記第1のネットワークノード(115A)によって決定することと、
第2のSCell(150A)のアクティブ化、非アクティブ化、設定、または設定解除を要求する第2のメッセージを送ることを前記第1のネットワークノード(115A)によって遅延させることであって、前記第2のメッセージは、前記遅延期間の関数である時間だけ遅延される、遅延させることと、
を含む、方法。
【請求項11】
前記第1のメッセージを前記ワイヤレスデバイス(110A)が受信したと決定することが、
前記PCell(140A)に関連付けられた第1のネットワークノード(115A)から標識を取り出すことと、
前記第1のSCell(150A)に関連付けられた第2のネットワークノード(115B)から標識を受信することと、
前記ワイヤレスデバイス(110A)から標識を受信することと、
前記第1のネットワークノード(115A)によって、前記ワイヤレスデバイス(110A)へ要求を送ることと、
のうちの1つまたは複数を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
第3のSCellをアクティブ化し、非アクティブ化し、設定し、または設定解除するように前記ワイヤレスデバイス(110A)に要求する第3のメッセージを前記ワイヤレスデバイス(110A)が受信したと、前記第1のネットワークノード(115A)によって決定することと、
前記ワイヤレスデバイス(110A)が前記第1のSCellの前記アクティブ化または非アクティブ化を完了すべき総遅延期間(Tactivate_total)を前記第1のネットワークノード(115A)によって決定することであって、前記ワイヤレスデバイス(110A)が、前記第1のSCell(150A)をアクティブ化または非アクティブしている間に、前記第3のSCell(150C)をアクティブ化し、非アクティブ化し、設定し、または設定解除するための前記第3のメッセージを受信する場合、前記第1のSCellをアクティブ化または非アクティブ化するための前記総遅延期間(Tactivate_total)は、前記遅延期間(Tactivate_basic)よりも大きい、決定することと、
をさらに含む、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
前記第2のSCell(150B)の前記アクティブ化、非アクティブ化、設定または設定解除を要求する前記第2のメッセージを送ることを前記第1のネットワークノード(115A)によって遅延させることをさらに含み、総遅延期間(Tactivate_total)は、前記遅延期間(Tactivate_basic)よりも既定の量だけ大きい、
請求項12に記載の方法。
【請求項14】
プライマリセル(PCell)(140A)および複数のセカンダリセル(SCell)(150A〜B)において複数のキャリアから信号を受信するためにキャリアアグリゲーションを使用するワイヤレスデバイス(110A)をサーブする第1のネットワークノード(115A)であって、
実行可能な命令を含有するメモリ(530)と、
前記メモリ(530)と通信する1つまたは複数のプロセッサ(520)と、
を備え、前記1つまたは複数のプロセッサ(520)は、前記命令を実行して、前記第1のネットワークノード(115A)に、
第1のキャリアについて第1のSCell(150A)をアクティブ化または非アクティブ化するように前記ワイヤレスデバイス(110A)に要求する第1のメッセージを前記ワイヤレスデバイス(110A)が受信したと決定させ、
前記ワイヤレスデバイス(110A)が前記第1のSCell(150A)をアクティブ化または非アクティブするべき遅延期間(Tactivate_basic)を決定させ、
第2のSCell(150B)のアクティブ化、非アクティブ化、設定、または設定解除を要求する第2のメッセージを送ることを遅延させ、前記第2のメッセージは、前記遅延期間の関数である時間だけ遅延させるように動作可能である、
第1のネットワークノード(115A)。
【請求項15】
前記第1のメッセージを前記ワイヤレスデバイス(110A)が受信したと決定することが、
前記PCell(140A)に関連付けられた第1のネットワークノード(115A)から標識を取り出すことと、
前記第1のSCell(150A)に関連付けられた第2のネットワークノード(115B)から標識を受信することと、
前記ワイヤレスデバイス(110A)から標識を受信することと、
前記第1のネットワークノード(115A)によって、前記ワイヤレスデバイス(110A)へ要求を送ることと、
のうちの1つまたは複数を含む、請求項14に記載の第1のネットワークノード(115A)。
【請求項16】
前記1つまたは複数のプロセッサ(520)が、前記命令を実行して、前記第1のネットワークノード(115A)に、
第3のSCell(140C)をアクティブ化し、非アクティブ化し、設定し、または設定解除することを前記ワイヤレスデバイス(110A)に要求する第3のメッセージを前記ワイヤレスデバイス(110A)が受信したと決定させ、
前記ワイヤレスデバイス(110A)が前記第1のSCellの前記アクティブ化または非アクティブ化を完了すべき総遅延期間(Tactivate_total)を決定させるようにさらに動作可能であり、前記ワイヤレスデバイス(110A)が、前記第1のSCell(150A)をアクティブ化または非アクティブしている間に、前記第3のSCell(150C)をアクティブ化し、非アクティブ化し、設定し、または設定解除するための前記第3のメッセージを受信する場合、前記第1のSCellをアクティブ化または非アクティブ化するための前記総遅延期間(Tactivate_total)は、前記遅延期間(Tactivate_basic)よりも大きい、
請求項14または15に記載の第1のネットワークノード(115A)。
【請求項17】
前記1つまたは複数のプロセッサ(520)が、前記命令を実行して、前記第1のネットワークノード(115A)に、
前記第2のSCell(150B)のアクティブ化、非アクティブ化、設定、または設定解除を要求する前記第2のメッセージを送ることを前記第1のネットワークノード(115A)によって遅延させるようにさらに動作可能であり、総遅延期間(Tactivate_total)は、前記遅延期間(Tactivate_basic)よりも既定の量だけ大きい、
請求項16に記載の第1のネットワークノード(115A)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
特定の実施形態は、一般に、ワイヤレス通信に関し、より詳細には、複数のセカンダリセルをアクティブ化および非アクティブ化するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、プライマリキャリアは、ワイヤレス通信デバイスに固有の非常に重要なシグナリングを搬送する。プライマリキャリアは、アップリンク方向とダウンリンク方向との両方に存在する。したがって、単一のアップリンクコンポーネントキャリアのみが存在する場合、プライマリセル(PCell)は、そのコンポーネントキャリア上に存在する。ネットワークは、同じセクタまたはセル内で動作する異なるワイヤレス通信デバイスに対して、異なるプライマリキャリアを割り当て得る。
【0003】
ネットワークノードは、マルチキャリアセカンダリセル(SCell)セットアッププロシージャを使用して、マルチキャリア動作が可能なワイヤレス通信デバイスについてのSCellを少なくとも一時的にセットアップまたは解放する。SCellは、ダウンリンク、アップリンク、またはこれらの両方において、セットアップされ、または解放され得る。ネットワークがマルチキャリアSCellセットアッププロシージャにおいて使用することができるコマンドの例は、SCellの設定、SCellの設定解除、SCellのアクティブ化、およびSCellの非アクティブ化を含む。
【0004】
設定プロシージャは、サービング無線ネットワークノード(例えば、LTEにおけるeノードB)によって、キャリアアグリゲーション可能なワイヤレス通信デバイスを、ダウンリンク、アップリンク、またはこれらの両方において、1つまたは複数のSCellを用いて設定するために使用される。設定解除プロシージャは、サービング無線ネットワークノードによって、ダウンリンク、アップリンク、またはこれらの両方において、1つまたは複数の既に設定されたSCellを設定解除し、または除去するために使用される。設定プロシージャまたは設定解除プロシージャは、現在のマルチキャリア設定を変更するためにも使用され得る。例えば、SCellの数は、増加もしくは減少されてもよく、または、既存のSCellが、新たなSCellと交換されてもよい。
【0005】
常にアクティブ化されるPCellとは対照的に、SCellは、必要に応じてアクティブ化および非アクティブ化され得る。具体的には、サービング無線ネットワークノードは、1つもしくは複数の非アクティブ化されたSCellのアクティブ化、または1つもしくは複数のアクティブなSCellの非アクティブ化を、対応する設定済みのセカンダリキャリア上で開始し得る。設定済みのSCellは、まず、セルの追加時に、およびハンドオーバなどのセル変更後に、非アクティブ化される。LTEにおいて、アクティブ化コマンドおよび非アクティブ化コマンドは、eノードBによってワイヤレスデバイスへ、メディアアクセス制御−制御要素(MAC−CE:media access control−control element)を介して送られる。SCellの非アクティブ化は、ワイヤレス通信デバイスのバッテリ電力を節約する。
【0006】
SCellをアクティブ化または非アクティブ化するためのコマンドを受信することに応じて、ユーザ機器(UE)とも称され得るワイヤレスデバイスは、特定された最低時間要件内にSCellをアクティブ化または非アクティブ化しなければならない。例えば、TS36.133 release10は、一定のSCellアクティブ化遅延要件を規定している。具体的には、SCellアクティブ化コマンドをサブフレームn内で受信すると、ワイヤレスデバイスは、下記の条件がSCellについて満たされるならば、有効なチャネル状態情報(CSI:channel state information)レポートを送信し、アクティブ化コマンドに関連するアクションを、アクティブ化されつつあるSCellについて、サブフレームn+24までに適用することが可能であるべきである:1)SCellアクティブ化コマンドの受信前の、最大値に等しい期間(5measCycleCell、5つの間欠受信(DRX:Discontinuous reception)サイクル)中に、(a)ワイヤレス通信デバイスは、アクティブ化されつつあるScellについての有効な測定レポートを送っており、かつ、(b)アクティブ化されつつあるSCellが、セル識別条件に従って検出可能なままであること、2)アクティブ化されつつあるSCellも、SCellアクティブ化遅延期間中に、セル識別条件に従って検出可能なままであること。さもなければ、SCellアクティブ化コマンドをサブフレームn内で受信すると、ワイヤレスデバイスは、SCellが最初の試行で成功裏に検出され得るならば、有効なCSIレポートを送信し、アクティブ化されつつあるSCellについてのアクティブ化コマンドに関連するアクションをサブフレームn+34までに適用することが可能であるべきである。
【0007】
SCell非アクティブ化遅延要件も、TS36.133 release10において規定されている。TS36.133 release10によれば、サブフレームnにおいて、SCell非アクティブ化コマンドを受信すると、またはsCellDeactivationTimerが満了すると、ワイヤレスデバイスは、非アクティブ化されつつあるSCellについての非アクティブ化アクションをサブフレームn+8までに達成するべきである。
【0008】
しかしながら、あるSCellのアクティブ化または非アクティブ化は、別のSCellに関連する動作によって干渉されることがある。例えば、ワイヤレスデバイスが、第1のSCellについてのアクティブ化プロシージャまたは非アクティブ化プロシージャを実行している間に、ワイヤレスデバイスが、第2のSCellを設定または設定解除するためのコマンドを受信する場合、第1のSCellのアクティブ化または非アクティブ化は大幅に劣化され得る。
【発明の概要】
【0009】
いくつかの実施形態は、複数のセカンダリセルをアクティブ化および非アクティブ化することに対する解決策を提案する。プライマリセル(PCell)および複数のセカンダリセル(SCell)において複数のキャリアから信号を受信するためにキャリアアグリゲーションを使用するワイヤレスデバイスによって、複数のセカンダリセルをアクティブ化および非アクティブ化するための方法。例えば、特定の実施形態によれば、方法は、第1のキャリアについて第1のセカンダリセル(第1のSCell)のアクティブ化または非アクティブ化を要求する第1のメッセージを受信することを含む。第1のメッセージに応じて、第1のSCellをアクティブ化または非アクティブ化するための第1のプロシージャが開始される。ワイヤレスデバイスは、第1のプロシージャを完了させるべき第1の遅延期間(Tactivate_basic)を有する。第1のSCellをアクティブ化または非アクティブ化するための第1のプロシージャを行っている間に、第2のキャリアについて第2のSCellをアクティブ化し、非アクティブ化し、設定し、または設定解除するための第2のメッセージが受信される。第2のSCellをアクティブ化し、非アクティブ化し、設定し、または設定解除するための第2のメッセージを受信することに応じて、第1の遅延期間を、第1のSCellをアクティブ化または非アクティブ化するための第1のプロシージャを完了すべき第2の遅延期間(Tactivate_total)に置換することによって、第1のプロシージャが修正される。第2の遅延期間(Tactivate_total)は、第1の遅延期間(Tactivate_basic)よりも大きい。
【0010】
別の例として、特定の実施形態によれば、プライマリセル(PCell)および複数のセカンダリセル(SCell)において複数のキャリアから信号を受信するためにキャリアアグリゲーションを使用するワイヤレスデバイスは、実行可能な命令を含有するメモリと、メモリと通信する1つまたは複数のプロセッサとを備える。1つまたは複数のプロセッサは、命令を実行して、ワイヤレスデバイスに、第1のキャリアについて第1のセカンダリセル(第1のSCell)のアクティブ化または非アクティブ化を要求する第1のメッセージを受信させるように動作可能である。第1のメッセージに応じて、第1のSCellをアクティブ化または非アクティブ化するための第1のプロシージャが開始される。ワイヤレスデバイスは、第1のプロシージャを完了させるべき第1の遅延期間(Tactivate_basic)を有する。第1のSCellをアクティブ化または非アクティブ化するための第1のプロシージャを行っている間に、第2のキャリアについて第2のSCellをアクティブ化し、非アクティブ化し、設定し、または設定解除するための第2のメッセージが受信される。第2のSCellをアクティブ化し、非アクティブ化し、設定し、または設定解除するための第2のメッセージを受信することに応じて、第1の遅延期間を、第1のSCellをアクティブ化または非アクティブ化するための第1のプロシージャを完了すべき第2の遅延期間(Tactivate_total)に置換することによって、第1のプロシージャが修正される。第2の遅延期間(Tactivate_total)は、第1の遅延期間(Tactivate_basic)よりも大きい。
【0011】
別の例として、特定の実施形態によれば、プライマリセル(PCell)および複数のセカンダリセル(SCell)において複数のキャリアから信号を受信するためにキャリアアグリゲーションを使用しているワイヤレスデバイスにサーブする第1のネットワークノードにおける方法。本方法は、第1のキャリアについて第1のSCellをアクティブ化または非アクティブ化するようにワイヤレスデバイスに要求する第1のメッセージをワイヤレスデバイスが受信したと、第1のネットワークノードによって決定することを含む。第1のネットワークノードは、ワイヤレスデバイスが第1のSCellをアクティブ化または非アクティブ化するべき遅延期間(Tactivate_basic)を決定する。第1のネットワークノードは、第2のSCellのアクティブ化、非アクティブ化、設定、または設定解除を要求する第2のメッセージを送ることを遅延させる。第2のメッセージは、遅延期間の関数である時間だけ遅延される。
【0012】
また別の例として、特定の実施形態によれば、プライマリセル(PCell)および複数のセカンダリセル(SCell)において複数のキャリアから信号を受信するためにキャリアアグリゲーションを使用するワイヤレスデバイスをサーブする第1のネットワークノードは、実行可能な命令を含有するメモリと、メモリと通信する1つまたは複数のプロセッサとを備える。1つまたは複数のプロセッサは、命令を実行して、第1のネットワークノードに、第1のキャリアについて第1のSCellをアクティブ化または非アクティブ化するようにワイヤレスデバイスに要求する第1のメッセージをワイヤレスデバイスが受信したと決定させる。ワイヤレスデバイスが第1のSCellをアクティブ化または非アクティブするべき遅延期間(Tactivate_basic)が決定される。第2のSCellのアクティブ化、非アクティブ化、設定、または設定解除を要求する第2のメッセージを送ることが遅延される。第2のメッセージは、遅延期間の関数である時間だけ遅延される。
【0013】
別の例として、特定の実施形態によれば、装置は、第1のキャリアについて第1のセカンダリセル(第1のSCell)のアクティブ化または非アクティブ化を要求する第1のメッセージを受信するように構成された第1の受信モジュールを含む。開始モジュールは、第1のメッセージに応じて、第1のSCellをアクティブ化または非アクティブ化するための第1のプロシージャを開始するように構成される。装置は、第1のプロシージャを完了させるべき第1の遅延期間(Tactivate_basic)を有し得る。第2の受信モジュールは、第1のSCellをアクティブ化または非アクティブ化するための第1のプロシージャを行っている間に、第2のキャリアについて第2のSCellをアクティブ化し、非アクティブ化し、設定し、または設定解除するための第2のメッセージを受信するように構成される。修正モジュールは、第2のSCellをアクティブ化し、非アクティブ化し、設定し、または設定解除するための第2のメッセージを受信することに応じて、第1のプロシージャを修正するように構成される。第1のプロシージャを修正することは、第1の遅延期間を、第1のSCellをアクティブ化または非アクティブ化するための第1のプロシージャを完了すべき第2の遅延期間(Tactivate_total)に置換することを含み得る。第2の遅延期間(Tactivate_total)は、第1の遅延期間(Tactivate_basic)よりも大きい。
【0014】
別の例として、特定の実施形態によれば、装置は、第1のキャリアについて第1のSCellをアクティブ化または非アクティブ化するようにワイヤレスデバイスに要求する第1のメッセージをワイヤレスデバイスが受信したと決定するように構成された第1の決定モジュールを含む。第2の決定モジュールは、ワイヤレスデバイスが第1のSCellをアクティブ化または非アクティブするべき遅延期間(Tactivate_basic)を決定するように構成される。遅延モジュールは、第2のSCellのアクティブ化、非アクティブ化、設定、または設定解除を要求する第2のメッセージを送ることを遅延させるように構成される。第2のメッセージは、遅延期間の関数である時間だけ遅延される。
【0015】
本開示のいくつかの実施形態は、1つまたは複数の技術的利点を提供し得る。例えば、一定の実施形態において、採用される技法は、ワイヤレスデバイスが、1つまたは複数の付加的なSCellをアクティブ化し、非アクティブ化し、設定し、または設定解除するように要求されている間であっても、より効率的かつ正確に、1つのSCellをアクティブ化または非アクティブ化することを可能にし得る。別の技術的利点は、ネットワークノードがユーザ機器性能を認識させられることであり得る。例えば、ユーザ機器が、2つ以上のSCellのセットアップまたは解放を少なくとも部分的に重複する期間中に実行する場合、ネットワークノードは、SCellのセットアップまたは解放を実行するために必要な時間を知らされ得る。また別の技術的利点は、ユーザ機器がいくつかのSCellを少なくとも部分的に重複する時間中にセットアップまたは解除することを要求される場合であっても、ユーザ機器の振る舞いが明確に規定されており、一貫していることを、本技法が確実にすることであり得る。また別の技術的利点は、ネットワークノードが、あるSCellについてのSCellセットアップまたは解除の完了を、別のSCellのセットアップまたは解除を要求する前に待たなくてもよいことであり得る。つまり、ネットワークノードは、2つ以上のSCellについてのSCellセットアップまたは解除の実行についての同時要求をユーザ機器へ送り得る。
【0016】
いくつかの実施形態は、これらの利点のうちの一部の利益を享受し、これらの利点から利益を享受せず、または、これらの利点のうちの全部の利益を享受し得る。他の技術的利点は、当業者によって容易に確認され得る。
【0017】
本発明ならびに本発明の特徴および利点のより完全な理解のために、ここで、添付の図面と共に、下記の説明が参照される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】特定の実施形態に係る例示的なワイヤレスネットワークを例示するブロック図である。
図2】特定の実施形態に係る、複数のセカンダリセルをアクティブ化および非アクティブ化するための例示的なワイヤレスデバイスを例示するブロック図である。
図3】一定の実施形態に係る、コンピュータネットワーキング仮想装置として動作する例示的なワイヤレスデバイスの実施形態を例示するブロック図である。
図4】特定の実施形態に係る、ワイヤレスデバイスによって複数のセカンダリセルをアクティブ化および非アクティブ化するための例示的な方法を例示するフローチャートである。
図5】特定の実施形態に係る例示的なネットワークノードを例示するブロック図である。
図6】一定の実施形態に係る、コンピュータネットワーキング仮想装置として動作する例示的なネットワークノードの実施形態を例示するブロック図である。
図7】特定の実施形態に係る、ネットワークノードによって複数のセカンダリセルをアクティブ化および非アクティブ化するための例示的な方法を例示するフローチャートである。
図8】特定の実施形態に係る例示的なコアネットワークノードを例示するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
キャリアアグリゲーションについての既存の解決策に関する問題は、複数のセカンダリキャリアからサービスを受信するためにキャリアアグリゲーションを使用するワイヤレスネットワークノードが、セカンダリキャリアをアクティブ化または非アクティブ化するための複数の重複するコマンドを受信し得ることである。例えば、一定の実施形態によれば、第1のセカンダリセル(SCell)をアクティブ化するための動作を現在行っているワイヤレスデバイスは、第2のSCellを非アクティブ化し、アクティブ化し、設定し、または設定解除するためのコマンドを受信し得る。第2の受信コマンドは、第2のSCellのアクティブ化または非アクティブ化の実行に干渉することがある。結果として、ワイヤレスデバイスは、アクティブ化または非アクティブ化のための特定された最低要件内に、第1のSCellをアクティブ化または非アクティブ化しないことがある。
【0020】
本開示の一定の実施形態は、この問題または他の問題に対して解決策を提供し得る。いくつかの実施形態において、少なくとも2つのSCellに対応可能なワイヤレスデバイスは、第1のSCellをアクティブ化または非アクティブ化するために使用されるプロシージャを、コマンドが第2のSCellのアクティブ化、非アクティブ化、または他の再設定に関連して受信されるかに基づいて適応させ得る。例えば、第1のSCellをセットアップまたは解放する間に、ワイヤレスデバイスは、第2のSCellをセットアップまたは解放するための要求も受信し得る。この場合には、ワイヤレスデバイスは、そのプロシージャを、SCellセットアップまたは解放に関連する、1つまたは複数の第2の既定の要件を満たすように適応させ得る。一定の実施形態において、第2の既定の要件は、第1の既定の要件よりも緩やかであってもよい。この場合において、後者は、第2のSCellのセットアップまたは解放について要求が受信されないときには、第1のSCellをセットアップまたは解放する間に、ワイヤレスデバイスによって満たされる必要がある。特定の実施形態において、既定の要件の例は、SCellアクティブ化遅延、SCell非アクティブ化遅延、または他のタイミング要件であり得る。
【0021】
下記でより詳細に説明される一定の実施形態において、少なくとも2つのSCellに対応可能なワイヤレスデバイスが、他のSCellのセットアップまたは解放を既に行っており、または行うことが予期されるとネットワークノードによって決定されるならば、ネットワークノードは、第1のSCellをセットまたは解除するために、SCellセットアップまたは解放要求メッセージをワイヤレスデバイスへ送ることを意図的に遅延させ得る。遅延されたメッセージは、ワイヤレスデバイスが第2のSCellをセットアップまたは解放した後に送られ得る。アクティブ化の場合には、ネットワークは、他のSCellがアクティブ化したと決定し得る。なぜなら、これは、他のSCellについての有効なCQIを送るワイヤレスデバイスによって示されるためである。非アクティブ化の場合には、設定、および設定解除、プロシージャによって費やされる時間についての最低要件(例えば、最大遅延)は、予め規定されていてもよく、もしくは、さもなければ、知られていてもよく、または、1つもしくは複数の技術的仕様に基づいて決定されてもよい。この方法を使用することによって、ネットワークノードは、特定の実施形態において、3つ以上のSCellのセットアップまたは解放が部分的または完全に時間的に重複する状況を回避し得る。
【0022】
特定の実施形態は、同様の符号が様々な図面の同様の部分および対応する部分について使用される図面の図1図8において説明される。
【0023】
図1は、1つまたは複数のワイヤレスデバイス110A〜Cと、無線ネットワークノード115A〜Cと、無線ネットワークコントローラ120と、コアネットワークノード130とを含むワイヤレスネットワーク100の実施形態を例示するブロック図である。ワイヤレスデバイス110は、無線ネットワークノード115A〜Cとワイヤレスインターフェース上で通信し得る。例えば、ワイヤレスデバイス110A〜Cは、無線ネットワークノード115A〜Cへワイヤレス信号を送信し、および/または、無線ネットワークノード115A〜Cからワイヤレス信号を受信し得る。ワイヤレス信号は、音声トラフィック、データトラフィック、制御信号、および/または任意の他の適切な情報を含有してもよい。
【0024】
無線ネットワークノード115A〜Cは、無線ネットワークコントローラ120とインターフェースし得る。無線ネットワークコントローラ120は、無線ネットワークノード115A〜Cを制御し、一定の無線リソース管理機能、モビリティ管理機能、および/または、他の適切な機能を提供し得る。無線ネットワークコントローラ120は、コアネットワークノード130とインターフェースし得る。一定の実施形態において、無線ネットワークコントローラ120は、相互接続ネットワークを介してコアネットワークノード130とインターフェースし得る。相互接続ネットワークは、オーディオ、ビデオ、信号、データ、メッセージ、または、これらの任意の組み合わせを送信することが可能な任意の相互接続システムを指し得る。相互接続ネットワークは、公衆交換電話網(PSTN:public switched telephone network)の全部もしくは一部、公衆データネットワークもしくはプライベートデータネットワーク、ローカルエリアネットワーク(LAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、広域ネットワーク(WAN:wide area network)、局所通信、地域通信、もしくはグローバル通信もしくはインターネットなどのコンピュータネットワーク、有線ネットワークもしくはワイヤレスネットワーク、企業イントラネット、または、これらの組み合わせを含む、任意の他の適切な通信リンクを含み得る。
【0025】
いくつかの実施形態において、コアネットワークノード130は、ワイヤレスデバイス110A〜Cについての通信セッションの確立および様々な他の機能性を管理し得る。ワイヤレスデバイス110A〜Cは、非アクセスストラタム層を使用して、コアネットワークノード130と一定の信号を交換し得る。非アクセスストラタムシグナリングにおいて、ワイヤレスデバイス110とコアネットワークノード130との間の信号は、無線アクセスネットワークを通じて透過的に伝えられ得る。ワイヤレスデバイス110A〜C、無線ネットワークノード115A〜C、およびコアネットワークノードコントローラ120またはコアネットワークノード130の例示的な実施形態は、それぞれ図2図4、および図6に関して説明される。
【0026】
上記で図1に関して説明されたように、ネットワーク100の実施形態は、1つまたは複数のワイヤレスデバイス110A〜Cと、ワイヤレスデバイス110A〜Cと(直接的または間接的に)通信することが可能な、1つまたは複数の異なるタイプのネットワークノードとを含み得る。ネットワークノードの例は、無線ネットワークノード115A〜C、120、およびコアネットワークノード130を含む。ネットワークは、ワイヤレスデバイス110A〜C間またはワイヤレスデバイス110A〜Cと(固定電話などの)別の通信デバイスとの間の通信をサポートするのに適した任意の付加的な要素も含み得る。
【0027】
ワイヤレスデバイス110A〜C、無線ネットワークノード115A〜C、およびコアネットワークノード130は、任意の適切な無線アクセス技術、例えば、ロングタームエボリューション(LTE:long term evolution)、LTEアドバンスト、UMTS、HSPA、移動通信用グローバルシステム(GSM:Global System for Mobile Communication)、cdma2000、WiMax、WiFi、別の適切な無線アクセス技術、または、1つもしくは複数の無線アクセス技術の任意の適切な組み合わせなどを使用し得る。例示の目的のために、様々な実施形態は、WCDMAなどの一定の無線アクセス技術の文脈内で説明され得る。しかしながら、本開示の範囲は、例には限定されず、他の実施形態は、異なる無線アクセス技術を使用し得る。ワイヤレスデバイス110A〜C、無線ネットワークノード115A〜C、無線ネットワークコントローラ120、およびコアネットワークノード130の各々は、ハードウェアおよび/またはソフトウェアの任意の適切な組み合わせを含み得る。ワイヤレスデバイス110A〜C、無線ネットワークノード115A〜C、およびネットワークノード(無線ネットワークコントローラ120またはコアネットワークノード130など)の特定の実施形態の例は、それぞれ下記で図2図5、および図8に関して説明される。
【0028】
マルチキャリア概念またはキャリアアグリゲーション概念
一定の実施形態は、マルチキャリア動作またはキャリアアグリゲーション(CA)動作を含み得る。マルチキャリア動作またはCA動作において、ワイヤレスデバイス110A〜Cは、2つ以上のサービングセルからデータを受信すること、および/または2つ以上のサービングセルへデータを送信することが可能であり得る。換言すれば、CA可能において、ワイヤレスデバイス110A〜Cは、2つ以上のサービングセルと共に動作するように構成され得る。
【0029】
各サービングセルのキャリアは、一般に、コンポーネントキャリア(CC)と呼ばれ得る。簡単に言えば、コンポーネントキャリア(CC)は、マルチキャリアシステムにおける個々のキャリアを意味し得る。キャリアアグリゲーション(CA)という用語は、「マルチキャリアシステム」、「マルチセル動作」、「マルチキャリア動作」、「マルチキャリア」送信および/または受信と互換的に称されることもある。これは、CAがアップリンク方向およびダウンリンク方向におけるシグナリングおよびデータの送信について使用されることを意味する。CCのうちの1つは、プライマリコンポーネントキャリア(PCC)、または単純にプライマリキャリア、またはアンカーキャリアとしてすら指定される。残りのCCは、セカンダリコンポーネントキャリア(SCC)、または単純にセカンダリキャリア、または補助キャリアとしてすら指定される。サービングセルは、プライマリセル(PCell)またはプライマリサービングセル(PSC)と互換的に称され得る。同様に、セカンダリサービングセルは、セカンダリセル(SCell)またはセカンダリサービングセル(SSC)と互換的に称され得る。
【0030】
一般に、プライマリCCまたはアンカーCCは、非常に重要なワイヤレスデバイス110A〜Cに固有のシグナリングを搬送し、ワイヤレスデバイス110A〜Cが無線リンクモニタリングを行うキャリアである。プライマリCC(別名PCCまたはPCell)は、CAにおいてアップリンク方向とダウンリンク方向との両方に存在する。単一のUL CCが存在する場合、PCellは、そのCC上に存在しなければならない。ネットワークは、同じセクタまたはセルの無線カバレッジ内の領域において動作する異なるワイヤレスデバイス110A〜Cに対して、異なるプライマリキャリアを割り当て得る。
【0031】
マルチキャリアSCellセットアップまたは解放プロシージャ
本明細書において、マルチキャリアSCellセットアップとは、ネットワークノード115A〜Cが、ダウンリンク(DL)および/またはアップリンク(UL)におけるCA可能な無線デバイス110A〜CによるSCellの使用を、少なくとも一時的にセットアップまたは解放することを可能にするプロシージャを指し得る。特定の実施形態において、SCellセットアップもしくは解除プロシージャ、またはSCellセットアップもしくは解除コマンドは、下記のうちの任意の1つまたは複数を含み得る。
・SCellの設定、別名SCellの追加
・SCellの設定解除、別名SCellの解除
・SCellのアクティブ化
・SCellの非アクティブ化
一定の実施形態に係る、これらのセットアップまたは解放プロシージャは、下記で説明される。
【0032】
SCellの設定および設定解除
一定の実施形態において、設定プロシージャ(すなわち、SCellの追加/解放)は、サービング無線ネットワークノード115A(例えば、LTEにおけるeノードB、またはHSPAにおけるノードB)によって、1つまたは複数のSCell(DL SCell、UL SCell、またはこれらの両方)に対応可能なCAワイヤレスデバイス110を設定するために使用され得る。他方で、設定解除プロシージャは、無線ネットワークノード115A(例えば、eノードB)によって、1つまたは複数の既に設定済みのSCell(DL SCell、UL SCell、またはこれらの両方)を設定解除または除去するために使用され得る。設定プロシージャまたは設定解除プロシージャは、(例えば、特定の実施形態において、SCellの数を増加もしくは減少させるために、または既存のSCellを新たなSCellと交換するために)現在のマルチキャリア設定を変更するためにも使用され得る。設定および設定解除は、eノードBなどの無線ネットワークノードおよび/または無線ネットワークコントローラ(RNC)120によって、それぞれLTEおよびHSPAにおけるRRCシグナリングを使用して行われ得る。
【0033】
セカンダリセルのアクティブ化および非アクティブ化
一定の実施形態において、サービング無線ネットワークノード115A〜C(例えば、LTEにおけるeノードB、またはHSPAにおけるノードB)は、対応する設定済みのセカンダリキャリア上で、1つもしくは複数の非アクティブ化されたSCellをアクティブ化し、または、1つもしくは複数のSCellを非アクティブ化し得る。PCellは、常にアクティブ化されていてもよい。特定の実施形態において、設定済みのSCellは、まず、セルの追加時に、およびセル変更(例えば、ハンドオーバ)の後に、非アクティブ化され得る。HSPAにおいて、アクティブ化コマンドおよび非アクティブ化コマンドは、特定の実施形態によれば、ネットワークノード115A〜CによってHS−SCCHを介して送られ得る。LTEにおいては、アクティブ化コマンドおよび非アクティブ化コマンドは、eノードB115A〜CによってMAC制御要素(MAC−CE)を介して送られ得る。SCellの非アクティブ化は、ワイヤレスデバイス110A〜Cのバッテリ電力を節約し得る。
【0034】
SCellアクティブ化および非アクティブ化遅延要件
過去の技法によれば、SCellアクティブ化および非アクティブ化遅延要件は、下記で解説されるように、1つのSCellについてのみ存在する。
・SCellアクティブ化遅延:ワイヤレスデバイス110A〜Cが、非アクティブ化されたSCellをアクティブ化することが可能となるべき遅延は、特定された条件に依存し得る。サブフレームnにおいてSCellアクティブ化コマンドを受信すると、ワイヤレスデバイス110A〜Cは、一定の既定の条件がSCellについて満たされるならば、アクティブ化されつつあるSCellについての有効なCSIレポートをサブフレームn+24までに送信することが可能となり得る。さもなければ、サブフレームnにおいてSCellアクティブ化コマンドを受信すると、UEは、SCellが最初の試行で成功裏に検出され得るならば、アクティブ化されつつあるSCellについての有効なCSIレポートをサブフレームn+34までに送信することが可能であるべきである。有効なCSIは、UE測定に基づいており、CQIインデックス=0(範囲外)を例外として、任意の既定のCQI値に対応する。
・SCell非アクティブ化遅延:サブフレームnにおいて、SCell非アクティブ化コマンドを受信すると、またはsCellDeactivationTimerが満了すると、ワイヤレスデバイス110A〜Cは、非アクティブ化されつつあるSCellについての非アクティブ化アクションをサブフレームn+8までに達成するべきである。
【0035】
SCellセットアップまたは解放プロシージャまたは測定に起因する中断
特定の実施形態において、SCellのセットアップまたは解放(すなわち、SCellが設定され、設定解除され、アクティブ化され、または非アクティブ化される場合)は、PCell上または任意の他のアクティブ化されたSCell上で、グリッチまたは動作の中断を引き起こし得る。SCellのセットアップまたは解放は、PCell上または別のアクティブ化されたSCell上で、信号の受信および/または送信における中断を引き起こし得る。ULおよび/またはDLにおけるグリッチは、典型的には、ワイヤレスデバイス110A〜Cが、2つ以上のCCを受信および/または送信するための単一の無線チェーンを有する場合に発生する。ただし、グリッチは、ワイヤレスデバイス110A〜Cが、同じチップ上に独立した無線チェーンを有する場合にも発生し得る。グリッチは、主に、キャリアアグリゲーション(CA)可能なワイヤレスデバイス110A〜Cがその受信および/または送信帯域幅(BW:bandwidth)を単一キャリア動作から複数キャリア動作へ変更する場合、またはこの逆の場合に発生する。BWを変更するために、ワイヤレスデバイス110A〜Cは、一定の実施形態によれば、そのRFコンポーネントを、RFチェーン、例えば、RFフィルタ、電力増幅器(PA:power amplifier)等において、再設定する必要があり得る。中断は、特定の実施形態によれば、2〜5msにわたり得る。中断は、BWを再設定する(すなわち、縮小または拡大する)ためのRFチューニング、AGCセッティングなどの無線パラメータのセッティングまたは調整等を含む、いくつかの要因に起因し得る。
【0036】
しかしながら、特定の実施形態によれば、最大で5つのサブフレームまでのPCell上の中断は、SCellセットアッププロシージャまたはSCell解除プロシージャのうちの一方がワイヤレスデバイス110A〜Cによって実行される場合、帯域内CAについて許容され得る。ただし、最大で1つのサブフレームまでのPCell上の中断は、SCellセットアッププロシージャまたはSCell解除プロシージャのうちの一方がワイヤレスデバイス110A〜Cによって実行される場合、帯域間CAについて許容され得る。
【0037】
中断期間中に、ワイヤレスデバイス110A〜Cは、一定の実施形態によれば、いかなる信号もしくは情報もネットワーク130から受信せず、および/または、いかなる信号もしくは情報もネットワーク130へ送信しないことがある。中断中に、ワイヤレスデバイス110A〜Cは、ワイヤレスデバイス110A〜C自体が信号を受信および/または送信できないことに起因して、測定を行うことができないことがある。これは、ワイヤレスデバイス110A〜Cとそのサービングセルネットワークノード115Aとの間で送信されるパケットのロスまたはドロップにつながり得る。中断は、いくつかまたは全てのアクティブキャリアに影響を与えることがあり、アップリンクとダウンリンクとの両方に影響を及ぼし得ることが留意されるべきである。
【0038】
一定の実施形態において、SCellアクティブ化および非アクティブ化遅延要件は、少なくともDLにおいて1つのSCellのみをサポートするワイヤレスデバイス110A〜Cについて規定され得る。これは、そのようなワイヤレスデバイス110A〜CがSCellのアクティブ化または非アクティブ化により設定される場合に、このSCellが任意の他のサービングセルによって影響を及ぼされないことを意味する。なぜなら、PCellは、決して設定解除または非アクティブ化され得ないためである。
【0039】
しかしながら、2つ以上のSCellに対応可能なワイヤレスデバイス110A〜Cの場合、任意のSCellのアクティブ化または非アクティブ化は、別のSCellのセットアップまたは解放により干渉されることがある。このシナリオで動作するワイヤレスデバイス110A〜Cの振る舞いは未規定である。その結果、ワイヤレスデバイス110A〜Cが、進行中のSCellアクティブ化プロシージャまたは非アクティブ化プロシージャを完了させることができないということになり得る。これは、そのような状況下では、ネットワークノードがSCellを使用することができないことがあるという結果をもたらし得る。そのような状況を回避するために、一定のネットワーク実装が、たとえSCellの全てが常時必要とされなくても、全てのSCellをアクティブ化された状態に維持するというリスクが存在する。これは、ひいては、ワイヤレスデバイス110A〜Cのバッテリ寿命を低下させ、ネットワークノード115A〜Cにおいて、より多くの処理リソースも必要とし得る。そのため、2つ以上のSCellをサポートするワイヤレスデバイス110A〜CについてのSCellのアクティブ化および非アクティブ化に関するワイヤレスデバイスの振る舞いが、特定の実施形態により、明確に規定されることが重要である。
【0040】
特定の実施形態によれば、下記内容が、以下で詳細に説明されるであろう。
・SCellセットアップまたは解放に関与するシナリオの説明
・2つ以上のSCellをセットアップまたは解放するための要件を満たすようにプロシージャを適応させる、ワイヤレスデバイス110A〜Cにおける方法
・SCellのセットアップまたは解放を適応させる、ネットワークノードにおける方法
【0041】
説明された実施形態は、ギャップなし測定および/またはマルチキャリア動作に関与する、任意のRATシステムまたはマルチRATシステムに対して適用可能であり得る。例えば、説明された実施形態は、LTE周波数分割複信(FDD)/時分割複信(TDD)、WCDMA/HSPA、GSM、GSMエボリューション用GSMエンハンストデータレート(GSM EDGE:GSM Enhanced Data rates for GSM Evolution)無線アクセスネットワーク(GERAN:GSM EDGE Radio Access Network)、WiFi、および符号分割多元接続2000(CDMA2000)に対して適用可能であり得る。上記実施形態は、任意の無線リソース制御(RRC:Radio Resource Control)状態にあるワイヤレスデバイス110Aによって行われるプロシージャまたは無線動作に対しても適用可能であり得る。例えば、実施形態は、RRC接続状態、CELL_DCH状態、アイドル状態、アイドルモード、CELL_PCH、URA_PCH、CELL_FACH、または他のRRC状態に対して適用可能であり得る。
【0042】
いくつかの実施形態において、ユーザ機器(UE)という非限定的な用語は、ワイヤレスデバイス110A〜Cを指すためにも使用され得る。様々な実施形態において、本明細書におけるUEは、無線信号上でネットワークノードまたは別のUEと通信することが可能な、任意のタイプのワイヤレスデバイスであり得る。図2は、一定の実施形態に係る例示的なワイヤレスデバイス110Aを例示するブロック図である。ワイヤレスデバイス110A〜Cの例は、携帯電話、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant(携帯情報端末))、ポータブルコンピュータ(例えば、ラップトップ、タブレット)、センサ、モデム、マシンタイプ(MTC)デバイス/マシンツーマシン(M2M)デバイス、ラップトップ内蔵機器(LEE:laptop embedded equipment)、ラップトップ取付機器(LME:laptop mounted equipment)、USBドングル、デバイスツーデバイス対応可能なデバイス、または、ワイヤレス通信を提供することができる別のデバイスを含む。ワイヤレスデバイス110Aは、無線通信デバイス、ターゲットデバイス、デバイスツーデバイスUE、マシンタイプUEまたはマシンツーマシン通信可能なUE、UEを備えたセンサ、iPAD、タブレット、モバイル端末、スマートフォン、ラップトップ内蔵機器(LEE)、ラップトップ取付機器(LME)、USBドングル、顧客構内機器(CPE:Customer Premises Equipment)等であってもよい。UEおよびワイヤレスデバイス110A〜Cという用語が、本明細書においては主として使用されるが、機器は、いくつかの実施形態において、局(STA)、デバイス、または端末とも称され得る。図示されるように、ワイヤレスデバイス110Aは、送受信器210と、プロセッサ220と、メモリ230と、アンテナ240とを含む。
【0043】
いくつかの実施形態において、送受信器210は、(例えば、アンテナ240を介して)無線ネットワークノード120へワイヤレス信号を送信し、無線ネットワークコントローラ120からワイヤレス信号を受信することを促進し、プロセッサ220は、ワイヤレスデバイス110Aによって提供されるものとして上述された機能性のうちの一部または全部を提供するための命令を実行し、メモリ230は、プロセッサ220によって実行される命令を記憶する。
【0044】
プロセッサ220は、ワイヤレスデバイス110Aの説明された機能のうちの一部または全部を行うべく命令を実行し、データを操作するために、1つまたは複数のモジュールにおいて実装される、ハードウェアとソフトウェアとの任意の適切な組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態において、プロセッサ220は、例えば、1つもしくは複数のコンピュータ、1つもしくは複数の中央処理装置(CPU)、1つもしくは複数のマイクロプロセッサ、1つもしくは複数のアプリケーション、および/または、他のロジックを含んでもよい。
【0045】
メモリ230は、一般に、命令、例えば、コンピュータプログラム、ソフトウェア、ロジック、ルール、アルゴリズム、コード、テーブル等のうちの1つもしくは複数を含むアプリケーション、および/または、プロセッサによって実行されることが可能な他の命令などを記憶するように動作可能である。メモリ230の例は、コンピュータメモリ(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)もしくは読み出し専用メモリ(ROM))、大容量記憶媒体(例えば、ハードディスク)、リムーバブル記憶媒体(例えば、コンパクトディスク(CD)もしくはデジタルビデオディスク(DVD))、ならびに/または、情報を記憶する任意の他の揮発性もしくは不揮発性の、非一時的なコンピュータ読取可能および/もしくはコンピュータ実行可能なメモリデバイスを含む。
【0046】
ワイヤレスデバイス110Aの他の実施形態は、上述された機能性のうちのいずれかおよび/または任意の付加的な機能性(上述された解決策をサポートするために必要な任意の機能性を含む)を含む、ワイヤレスデバイスの機能性の一定の態様を提供する責任を負い得る、図2に示される構成要素以外の付加的な構成要素を含んでもよい。
【0047】
図1に戻ると、1つの例示的なシナリオは、PCell140Aが第1のキャリア周波数(f1)上で動作する状態で、ワイヤレスデバイス110Aが第1のネットワークノード115Aによってサーブされ、かつ、ワイヤレスデバイス110Aが少なくとも2つのセカンダリサービングセル(SCell)150Aおよび150Bによってサーブされることも可能であることを含む。図示される例示的な実施形態において、ワイヤレスデバイス110Aは、第1のSCell150A上でネットワークノード115Bによって、および第2のSCell150B上でネットワークノード115Cによって、サーブされることが可能である。少なくとも2つのSCell150A〜Bは、第2のキャリア周波数(f2)上で動作する第1のSCell150Aと、第3のキャリア周波数(f3)上で動作する第2のSCell150Bとから構成され得る。いくつかの実施形態において、ワイヤレスデバイス110Aは、キャリア周波数(f4)上で動作する第3のSCell(図示せず)によってサーブされることも可能であり得る。キャリアf1は、PCCと互換的に呼ばれるのに対して、キャリアf2、f3およびf4は、それぞれSCC1、SCC2およびSCC3と互換的に呼ばれ得る。
【0048】
本明細書において、「サーブされる、またはサーブされている」という用語は、ワイヤレスデバイス110Aが、対応するセルにより設定され、サービングセル上で、例えば、PCell140AまたはSCell150A〜Bのうちのいずれか上で、関連付けられたネットワークノードからデータを受信し、関連付けられたネットワークノードへデータを送信することができることを意味する。データは、物理チャネル、例えば、DLにおけるPDSCH、ULにおけるPUSCH、または任意の他の適切な物理チャネルなどを介して、送信または受信され得る。
【0049】
ワイヤレスデバイス110Aは、下記のように、1つまたは複数のSCell150A〜Bをセットアップまたは解放することを要求され得る。
・第1のSCell150Aをセットアップまたは解放するための、第1のSCell150Aセットアップもしくは解除要求メッセージまたは第1のSCell150Aセットアップもしくは解除要求コマンドを、第2のネットワークノード115Bから受信すること。
・第2のSCell150Bをセットアップまたは解放するための、第2のSCell150Bセットアップもしくは解除要求メッセージまたは第2のSCell150Bセットアップもしくは解除要求コマンドを、第3のネットワークノード115Cから受信すること。
・第3のSCellをセットアップまたは解放するための、第3のSCellセットアップもしくは解除要求メッセージまたは第3のSCellセットアップもしくは解除要求コマンドを、第4のネットワークノード(図示せず)から受信すること。
実施形態は、少なくとも2つのSCell、または、いくつかの場合には、3つのSCell、または、いくつかの場合には、任意の数(N)のSCellについて、説明されている。ただし、実施形態は、任意の数(N)のSCellに対して適用可能である。
【0050】
一定の実施形態において、第1、第2、第3および第4のネットワークノード115B〜Cのうちの少なくともいくつかは、同じであり、または、同じサイトもしくはロケーションに配置される。例えば、そのような実施形態において、ワイヤレスデバイス110Aは、1つまたは複数のSCell150A〜Bをセットアップまたは解放するための、1つまたは複数のメッセージまたはコマンドを、第1のネットワークノード115Aから受信してもよい。また、例えば、そのような実施形態において、ワイヤレスデバイス110Aは、1つまたは複数のSCell150A〜Bをセットアップまたは解放するための、1つまたは複数のメッセージを、PCell140Aから受信してもよい。
【0051】
いくつかの実施形態において、第1、第2、第3および第4のネットワークノード115A〜Cの任意の組み合わせは、異なってもよく、異なるサイトもしくはロケーションに配置されてもよく、または、同じサイトもしくはロケーションに配置され得るにもかかわらず論理的に異なるノードであってもよい。そのような実施形態において、ワイヤレスデバイス110Aは、1つまたは複数のSCell150A〜Bをセットアップまたは解放するための、1つまたは複数のメッセージを、それぞれのSCellから受信し得る。
【0052】
いくつかの実施形態において、SCellセットアップまたは解放メッセージは、下記のうちの1つまたは複数から構成され得る。
・SCellの設定またはSCellの追加
・SCellの設定解除またはSCellの解放
・SCellのアクティブ化
・SCellの非アクティブ化
【0053】
いくつかの実施形態において、1つまたは複数のSCellセットアップまたは解放メッセージは、ワイヤレスデバイス110Aによって、RRCシグナリングを介して受信され得る。いくつかの実施形態において、1つまたは複数のSCellセットアップまたは解放メッセージは、ワイヤレスデバイス110Aによって、MAC CEコマンドを介して受信され得る。
【0054】
一定の実施形態において、ワイヤレスデバイス110Aは、接続されたネットワークノード115Aのフレームタイミング変化に追随するための能力を有するべきである。アップリンクフレーム送信は、基準セルからの対応するダウンリンクフレームの第1の検出されたパス(時間的)の受信前に生じる(NTA×NTA offset)×T。ワイヤレスデバイス110Aは、PCellを含有するpTAGにより設定されるべきである。pTAGは、設定に応じて、1つのSCellまたは2つのSCellも含有し得る。複数のタイミングアドバンス[2]をサポートすることが可能なワイヤレスデバイス110Aは、1つのsTAGにより設定されてもよく、この場合において、
・pTAGは、1つのPCellを含有すべきであり、sTAGは、設定されたアップリンクを有する1つのSCellを含有すべきであり、または、
・pTAGは、1つのPCellを含有すべきであり、sTAGは、設定されたアップリンクを有する2つのSCellを含有すべきであり、
・pTAGは、1つのPCellと1つのSCellとを含有すべきであり、sTAGは、設定されたアップリンクを有する1つのSCellを含有すべきである
pTAGにおいて、ワイヤレスデバイス110Aは、PCell140Aを、pTAGにおけるセルについてのUS送信タイミングを得るための基準セルとして使用し得る。複数のタイミングアドバンス[2]をサポートすることが可能なワイヤレスデバイス110Aが、sTAGにより設定される場合、ワイヤレスデバイス110Aは、sTAGにおけるセルについてのUS送信タイミングを得るために、sTAGからの非アクティブ化されたSCell150A〜Bを使用し得る。UE初期送信タイミング精度、1回の調整におけるタイミング変更の最大量、最小調整レートおよび最大調整レートは、下記の要件において規定される。第7項における要件は、両方のTAGに対して適用される。
【0055】
上述されたように、ワイヤレスデバイス110Aは、一定の実施形態によれば、2つ以上のSCell150A〜Bのセットアップまたは解放のための要件を満たすように適応されたプロシージャを含み得る。特定の実施形態において、第1のネットワークノード115Aと異なっていても、異なっていなくてもよい第2のネットワークノード115Bは、第1のSCell150Aのセットアップまたは解放を実行するために、第1のSCell150Aのセットアップまたは解放メッセージをワイヤレスデバイス110Aへ送ると仮定され得る。ワイヤレスデバイス110Aは、ワイヤレスデバイス110Aが第1のメッセージを受信したかを決定し得る。ワイヤレスデバイス110Aが第1のメッセージを受信したと決定されると、ワイヤレスデバイス110Aは、受信された要求に従って、第1のSCell150Aのセットアップまたは解放を実行し得る。次いで、ワイヤレスデバイス110Aは、ワイヤレスデバイス110Aが第2のSCellセットアップまたは解放メッセージも第3のネットワークノード115Cから受信したか否かをさらに決定し得る。付加的に、または代替的に、いくつかの実施形態において、ワイヤレスデバイス110Aは、ワイヤレスデバイス110Aが第3のSCellセットアップまたは解放メッセージを第4のネットワークノード(図示せず)から受信したかも決定し得る。
【0056】
上記決定に応じて、ワイヤレスデバイス110Aは、以下で説明されるような下記ルールに従って、第1のSCellのセットアップまたは解放を実行し得る。
1.ワイヤレスデバイス110Aが、ワイヤレスデバイス110Aは第1のSCell150Aのみをセットアップまたは解放するための第1のメッセージのみを受信した(すなわち、第1のSCell150A以外の、任意の付加的なSCellのセットアップまたは解放のための要求は存在しない)と決定する場合、ワイヤレスデバイス110Aは、少なくとも1つの第1の既定の要件に従って、第1のSCell150Aのセットアップまたは解放を実行する。第1の既定の要件の例は、第1の持続期間または遅延(T1)である。例えば、ワイヤレスデバイス110Aは、第1のSCell150AのSCellセットアップまたは解放を持続期間T1で成功裏に完了させることを要求され得る。いくつかの実施形態においては、既定の異なる条件下で満たされるべき持続期間(T11)および持続期間(T12)などの、2つ以上の既定の要件が存在してもよい。既定の条件の例は、ワイヤレスデバイス110Aが第1のSCell150Aを前回の一定の期間(例えば、5秒)で測定したか否か、ワイヤレスデバイス110Aが第1のSCell150Aと同期されているか否か、または、他の適切な既定の条件を含み得る。例えば、サブフレームnにおいてSCellセットアップまたは解放メッセージを受信すると、ワイヤレスデバイス110Aは、1つまたは複数の第1の既定の条件が満たされる場合、サブフレームn+24(すなわち、T11=24ms)において第1のSCell150Aのセットアップまたは解放を完了させ得る。別の例において、サブフレームnにおいてSCellセットアップまたは解放メッセージを受信すると、ワイヤレスデバイス110Aは、1つまたは複数の第2の既定の条件が満たされる場合、サブフレームn+34(すなわち、T12=34ms)において第1のSCell150Aのセットアップまたは解放を完了させ得る。第1のSCell150Aのセットアップまたは解放の完了が成功すると、ワイヤレスデバイス110Aは、1つまたは複数の既定のUL信号、例えば、CSI、SRS等を、または、第1のSCell150Aがセットアップもしくは解除されたことを示すためのメッセージを、送り得る。
2.他方で、ワイヤレスデバイス110Aは、第1のSCell150Aがセットアップまたは解放されている間に、少なくとも、第2のSCell150Bをセットアップまたは解放するためのメッセージも受信したとワイヤレスデバイス110Aが決定する場合、ワイヤレスデバイス110Aは、少なくとも1つの第2の既定の要件に従って、第1のSCell150Aのセットアップまたは解放を行う。換言すれば、ワイヤレスデバイス110Aは、1つまたは複数の第2の既定の要件を満たすために、SCellセットアップまたは解放に関連する1つまたは複数のプロシージャを、修正もしくは適応させ、修正もしくは変更し、または拡張し得る。例えば、ワイヤレスデバイス110Aは、ワイヤレスデバイス110Aが第1のSCellのセットアップまたは解放を、任意の他のSCellのセットアップまたは解放を実行するための要求を受信せずに行う場合、第1のプロシージャを使用し得、既定の要件の第1のセットを満たすことが必要とされる。他方で、ワイヤレスデバイス110Aは、ワイヤレスデバイス110Aが第1のSCellのセットアップまたは解放を、少なくとも1つまたは複数のSCellのセットアップまたは解放を行うための要求を受信する間に行う場合、第2のプロシージャを使用し、既定の要件の第2のセットを満たすことを必要とされる。第2の既定の要件の例は、第2の持続期間または遅延(T1)である。例えば、この場合において、ワイヤレスデバイス110Aは、第1のSCell150AのSCellセットアップまたは解放を持続期間T2で成功裏に完了させることを必要とされる。いくつかの実施形態において、上記ステップ1において説明されたような、異なる既定の条件下で満たされるべき持続期間(T21)および持続期間(T22)などの、2つ以上の第2の既定の要件が存在し得る。既定の持続期間T2は、少なくともT1の関数であり、T2>T1である。同様に、T21およびT22は、それぞれT11およびT12の関数であり、T21>T11かつT22>T12である。いくつかの実施形態において、ワイヤレスデバイス110Aが、ワイヤレスデバイス110Aは第1のSCell150Aがセットアップまたは解放されている間に、少なくとも、第2のSCell150Bをセットアップまたは解放するためのメッセージも受信したと決定する場合、ワイヤレスデバイス110Aは、第1のSCell150Aのセットアップまたは解放を部分的または完全に再開し得る。別の例において、ワイヤレスデバイス110Aは、第1のSCellのセットアップまたは解放が完了されるまで、第2のSCell150Bのセットアップまたは解放を遅延させ得る。さらに、この例において、ワイヤレスデバイス110Aは、第2のSCell150Bのセットアップ/解除のための最大許容時間を拡張することを許容され得る。なぜなら、SCellのセットアップ/解除のための要求は、第1のSCell150Aのセットアップ/解除が完了されていない間に受信されたためである。
持続期間T2のいくつかの一般的な例および具体的な例は、下記のように提供される。
例1:少なくともT1の関数としてのT2についての一般式の例は、(1)によって表現される。
T2=g(T1、K、D、Δ) (1)
ただし、
・Kは、第1のSCell150Aがワイヤレスデバイス110Aによってセットアップまたは解放されている間に(すなわち、期間中に)、ワイヤレスデバイス110Aが、少なくとも第2のSCell150Bをセットアップまたは解放することを行うように要求される回数である。
・Kは、第1のSCell150Aのアクティブ化/非アクティブ化および第1のSCellの設定/設定解除について異なっていても、異なっていなくてもよい
・K=1は、(例えば、ダウンリンクのみの周波数帯域、例えば、LTE FDD帯域30とは異なり、DLとULとの両方が存在する場合には、1つのSCellのアクティブ化/非アクティブ化について)DLとULとの両方をカバーし得る
・K=1は、(例えば、1つのSCellの設定/設定解除について)DLのみ、DLとULとの両方、およびULのみ、のうちのいずれかであり得る
・Dは、少なくとも第2のSCellのセットアップまたは解放(UL、DL、またはこれらの両方)に起因する中断である。
・Δは、全ての中断を考慮するための付加的なマージンおよび/またはUE実装マージンであり、ただし、Δ≧0である。(この例および下記の他の例においても)パラメータΔは、第1のSCellのセットアップ/解除についての要求が受信された時に、第3のSCellについての進行中のセットアップ/解除プロシージャが存在するかも考慮し得る。
(上記の例および下記の他の例においても)関数gは、黙示的に(例えば、Kパラメータを通じて)または明示的に(例えば、T2=g(T1、n、K、D、Δ))、SCell150A〜Bの数の関数であることも観察され得る。ただし、nは、SCellの数またはその関数である。別の例において、SCellの数が3である場合、時間T3は、T2等の関数、すなわち、T3=g(T2、K、D、Δ)であり得る。ただし、Kは、UEによって第1のSCell150Aがセットアップまたは解放されている間に(すなわち、期間中に)、少なくとも第3のSCellをセットアップまたは解放することを行うようにUEが要求される回数であり、Dは、少なくとも第3のSCellのセットアップまたは解放に起因する中断であり、Δは、付加的なマージンである。
上記式は、T21およびT22について、下記のように(2)および(3)によって一般化もされ得る。
T21=g(T11、K、D、Δ) (2)
T22=g(T12、K、D,Δ) (3)
例2:少なくともT1の関数としてのT2についての一般式の別の例は、(4)によって表現される。
T2=g(T1、Ki、Di、Δi) (4)
ただし、
・Kiは、ワイヤレスデバイス110Aによって第1のSCell150Aがセットアップまたは解放されている間に(すなわち、期間中に)、i番目のSCellをセットアップまたは解放することを行うようにワイヤレスデバイス110Aが要求される回数である。ただし、i番目のSCellは、第1のSCell150Aとは異なる。
・Diは、i番目のSCellのセットアップまたは解放に起因する中断である。
・Δiは、i番目のSCellのセットアップまたは解放に起因する中断を考慮するための付加的なマージンおよび/またはワイヤレスデバイス110Aの実装マージンであり、ただし、Δ≧0である。
例3:少なくともT1の関数としてのT2についての一般式のさらに別の例は、(5)によって表現される。
T2=g(T1、Kij、Dij、Δij) (5)
ただし、
・Kは、ワイヤレスデバイス110Aによって第1のSCell150Aがセットアップまたは解放されている間に(すなわち、期間中に)、i番目のSCellをセットアップまたは解放するために特定のタイプのSCellメッセージ(j)を行うようにワイヤレスデバイス110Aが要求される回数である。ただし、i番目のSCellは、SCell150Aとは異なる。
・Dijは、i番目のSCellの特定のタイプ(j)のセットアップまたは解放に起因する中断である。
・Δiは、i番目のSCellの特定のタイプ(j)のセットアップまたは解放に起因する中断を考慮するための付加的なマージンおよび/またはワイヤレスデバイス110Aの実装マージンであり、ただし、Δ≧0である。
SCellの特定のタイプ(j)のセットアップまたは解放の例は、SCellのアクティブ化、非アクティブ化、設定または設定解除である。
例4:少なくともT1の関数としてのT2についての一般式のさらに他の例は、(6)、(7)または(8)によって表現される。
T2=T1+g(K、D、Δ) (6)
T2=T1+g(Ki、Di、Δi) (7)
T2=T1+g(Kij、Dij、Δij) (8)
少なくともT1の関数としてのT2についての特定の式の例は、(9)または(10)によって表現される。
T2=T1+K*D+Δ (9)
T2=T1+K1*D1+K2*D2+Δ1+Δ2 (10)
ただし、
・K1は、ワイヤレスデバイス110Aが第1のSCell150Aをアクティブ化または非アクティブ化している間に(すなわち、期間中に)、第1のSCell150A以外の少なくとも1つのSCellをアクティブ化または非アクティブ化するためのアクティブ化コマンドまたは非アクティブ化コマンドをワイヤレスデバイス110Aが受信する回数に対応する。
・K2は、ワイヤレスデバイス110Aが第1のSCell150Aをアクティブ化または非アクティブ化している間に(すなわち、期間中に)、第1のSCell150A以外の少なくとも1つのSCellを設定(追加)または設定解除(解除)するための設定メッセージまたは設定解除メッセージをワイヤレスデバイス110Aが受信する回数に対応する。
・D1は、第1のSCell150A以外の少なくとも1つのSCellのアクティブ化または非アクティブ化に起因する中断である。
・D2は、第1のSCell150A以外の少なくとも1つのSCellの設定または設定解除に起因する中断である。
・Δ1は、全ての中断を考慮するための付加的なマージン、および/または、第1のSCell150A以外の少なくとも1つのSCellのアクティブ化または非アクティブ化に起因するワイヤレスデバイス110Aの実装マージンであり、ただし、Δ1≧0である。
・Δ2は、全ての中断を考慮するための付加的なマージン、および/または、第1のSCell150A以外の少なくとも1つのSCellの設定または設定解除に起因するワイヤレスデバイス110Aの実装マージンであり、ただし、Δ2≧0である。
少なくともT1の関数としてのT2についての特定の式のさらに他の例は、(11)、(12)および(13)によって表現される。
T2=K*T1+Δ (11)
T2=(K1+K2)*T1+Δ1+Δ2 (12)
(11)〜(13)の例は、ワイヤレスデバイス110Aが、SCell150Bなどの付加的なSCellのセットアップまたは解放のための各SCellセットアップまたは解放メッセージを受信した後に、第1のSCell150AについてのSCellセットアップまたは解放プロシージャを再開する場合に対応する。
【0057】
第2の既定の条件を満たすようにプロシージャを適応させ、または修正するための上記例のうちのいずれにおいても、ワイヤレスデバイス110Aは、SCell150Bなどの他のSCellのセットアップまたは解放に起因する中断中に、第1のSCell150Aから取得された信号を記憶する必要があり得る。第1のSCell150Aのセットアップまたは解放の目的のために、ワイヤレスデバイス110Aは、古い信号を再使用し、または、中断後の第1のSCell150Aからの新たな信号のみを使用し得る。例えば、いくつかの場合において、ワイヤレスデバイス110Aは、古い信号と、中断後の新たな信号とを組み合わせてもよい(例えば、式6〜10の例)。この場合、ワイヤレスデバイス110Aは、メモリに影響をもたらす過去の信号を記憶する必要があり得る。ただし、式(11〜12)の場合には、ワイヤレスデバイス110Aは、各中断前に取得された古い信号を破棄し、中断後の最新の信号のみを使用してもよい。この場合、ワイヤレスデバイス110Aは、過去の信号、すなわち、中断前に取得された信号を記憶する必要がない。
【0058】
一定の実施形態において、ワイヤレスデバイス110A〜Cは、コンピュータネットワーキング仮想装置として動作し得る。図3は、コンピュータネットワーキング仮想装置300として動作する例示的な無線デバイスを例示するブロック図である。図示されるように、仮想装置300は、少なくとも1つの第1の受信モジュール310と、開始モジュール320と、第2の受信モジュール330と、修正モジュール340とを含む。第1の受信モジュール310は、本明細書において説明されるような、ワイヤレスデバイス110の受信機能の少なくとも一部を行うように構成される。例えば、第1の受信モジュールは、第1のキャリアについて第1のSCell150Aのアクティブ化または非アクティブ化を要求する第1のメッセージを受信し得る。
【0059】
開始モジュール320は、本明細書において説明されるような、第1のSCell150Aをアクティブ化または非アクティブ化するための第1のプロシージャを開始するための、仮想装置300の動作を行うように構成され得る。一定の実施形態において、ワイヤレスデバイス110Aは、ワイヤレスデバイス110Aが第1のプロシージャを完了させるべき、第1の遅延期間(Tactivate_basic)を有し得る。
【0060】
第2の受信モジュール330は、第1のSCell150Aをアクティブ化または非アクティブ化するための第1のプロシージャを行っている間に、第2のメッセージを受信するように構成され得る。一定の実施形態において、例えば、第2のメッセージは、第2のキャリアについて第2のSCell150Bをアクティブ化し、非アクティブ化し、設定し、または設定解除するための要求であり得る。
【0061】
修正モジュール340は、第2のSCell150Bをアクティブ化し、非アクティブ化し、設定し、または設定解除するための第2のメッセージに応じて、第1のプロシージャを修正するように構成され得る。一定の実施形態において、第1のプロシージャを修正することは、第1の遅延期間を、ワイヤレスデバイス110Aが第1のSCell150Aをアクティブ化または非アクティブ化するための第1のプロシージャを完了させるべき第2の遅延期間(Tactivate_total)に置換することを含み得る。一定の実施形態において、第2の遅延期間(Tactivate_total)は、第1の遅延期間(Tactivate_basic)よりも大きくてもよい。
【0062】
図4は、特定の実施形態に係る、ワイヤレスデバイス110A〜Cによって、および/またはコンピュータネットワーキング仮想装置300によって、複数のSCell150A〜Bをアクティブ化および非アクティブ化するための例示的な方法を例示するフローチャートである。本方法は、第1のキャリアについて第1のSCell150Aのアクティブ化または非アクティブ化を要求する第1のメッセージをワイヤレスデバイスが受信する、ステップ410において始まる。様々な特定の実施形態において、第1のメッセージは、第1のSCell150Aの設定、第1のSCell150Aの追加、第1のSCell150Aの設定解除、第1のSCell150Aの解放、第1のSCell150Aのアクティブ化、および第1のSCell150Aの非アクティブ化のうちの少なくとも1つを行うように、ワイヤレスデバイス110Aに要求またはコマンドし得る。
【0063】
特定の実施形態において、第1のメッセージは、第1のSCell150Aを設定または設定解除するようにワイヤレスデバイス110Aに要求し、第1のメッセージは、ワイヤレスデバイス110AによってRRCシグナリングを介して受信される。他の特定の実施形態において、第1のメッセージは、第1のSCell150Aをアクティブ化または非アクティブ化するように、ワイヤレスデバイス110Aに要求し、第1のメッセージは、ワイヤレスデバイス110AによってMAC CEコマンドまたはシグナリングを介して受信される。
【0064】
本方法は、第1のメッセージに応じて、ワイヤレスデバイス110Aが第1のSCell150Aをアクティブ化または非アクティブ化するための第1のプロシージャを開始する、ステップ420へ続く。第1のプロシージャは、ワイヤレスデバイス110Aが第1のプロシージャを完了させなければならない、第1の遅延期間(Tactivate_basic)を有し得る。例えば、1つまたは複数の既定の要件が満たされる場合、Tactivate_basicは、24個のサブフレームに等しくなり得る。1つまたは複数の既定の要件が満たされない場合、Tactivate_basicは、34個のサブフレームに等しくなり得る。
【0065】
本方法は、ワイヤレスデバイス110Aが第1のプロシージャを行っている間に、第2のキャリアについて第2のSCell150Bのアクティブ化、非アクティブ化、設定、または設定解除を要求またはコマンドする第2のメッセージが受信される、ステップ430へ続く。第2のSCell150Bをアクティブ化し、非アクティブ化し、設定し、または設定解除するための第2のメッセージに応じて、ワイヤレスデバイス110Aは、第1の遅延期間(Tactivate_basic)を、ワイヤレスデバイス110Aが第1のSCell150Aをアクティブ化または非アクティブ化するための第1のプロシージャを完了させるべき第2の遅延期間(Tactivate_total)に置換することによって、ステップ440において、第1のプロシージャを変更し得る。一定の実施形態において、第2の遅延期間(Tactivate_total)は、第1の遅延期間(Tactivate_basic)よりも大きくてもよい。したがって、ワイヤレスデバイス110Aが、第1のSCell150Aをセットアップまたは解放している間に、第2のSCell150Bをアクティブ化し、非アクティブ化し、設定し、または設定解除するための第2のメッセージを受信する場合、ワイヤレスデバイス110Aは、セットアップまたは解放プロシージャを行うための、より多くの時間を与えられる。
【0066】
特定の実施形態において、第2の遅延期間(Tactivate_total)は、少なくとも整数Kの関数であり、整数Kは、第1のSCell150Aをアクティブ化または非アクティブ化するために第1のプロシージャが行われている間に、第2のSCell150Bのアクティブ化、非アクティブ化、設定、または設定解除を行うように、ワイヤレスデバイスが要求される回数である。特定の実施形態において、第2の遅延期間(Tactivate_total)は、第1の遅延期間(Tactivate_basic)と、Kに5を乗算した値との和として表現され得る。
【0067】
一定の実施形態において、ワイヤレスデバイス110Aは、第1のプロシージャを行っている間に、第3のSCellのアクティブ化、非アクティブ化、設定、または設定解除を要求する第3のメッセージを受信し得る。特定の実施形態において、各メッセージまたは各コマンドは、異なるネットワークノードから受信され得る。例えば、第1のメッセージは、第1のネットワークノード115Aから受信され得る。ただし、第2のメッセージは、第2のネットワークノード115Bから受信され得、第3のメッセージは、第3のネットワークノード115Cから受信され得る。いくつかの実施形態において、第1、第2、および第3のネットワークノード115A〜Cは、同じサイトに配置され得、または同じネットワークノード内に存在し得る。特定の実施形態において、例えば、第1、第2、および第3のノードは、第1のネットワークノード115Aから受信され得る。また、第1、第2、および第3のメッセージのうちの少なくとも1つは、PCell140A上で受信され得る。
【0068】
一定の実施形態によれば、ネットワークノード115Aなどの無線ネットワークノードは、SCellのセットアップまたは解放のために適応され得る。図5は、無線ネットワークノード115A〜Cの一定の実施形態を例示するブロック図である。無線ネットワークノード115A〜Cの例は、eノードB、ノードB、基地局、ワイヤレスアクセスポイント(例えば、Wi−Fiアクセスポイント)、低電力ノード、ベーストランシーバステーション(BTS)、送信ポイント、送信ノード、リモートRFユニット(RRU:remote RF unit)、リモート無線ヘッド(RRH:remote radio head)等を含む。無線ネットワークノード115A〜Cは、均一な配置、ヘテロジニアス配置、または混合配置として、ネットワーク100全体に配置され得る。均一な配置は、一般に、同じ(または類似した)タイプの無線ネットワークノード115A〜Cならびに/または類似したカバレッジおよびセルサイズおよびサイト間距離から構成される配置を説明し得る。ヘテロジニアス配置は、一般に、異なるセルサイズ、送信電力、容量、およびサイト間距離を有する、多様なタイプの無線ネットワークノード115A〜Cを使用する配置を説明し得る。例えば、ヘテロジニアス配置は、マクロセルレイアウト全体に位置付けられる複数の低電力ノードを含んでもよい。混合配置は、均一な部分とヘテロジニアスな部分との混合を含み得る。
【0069】
無線ネットワークノード115A〜Cは、送受信器510と、プロセッサ520と、メモリ530と、ネットワークインターフェース540とのうちの1つまたは複数を含み得る。いくつかの実施形態において、送受信器510は、(例えば、アンテナを介して)ワイヤレスデバイス110へワイヤレス信号を送信すること、およびワイヤレスデバイス110からワイヤレス信号を受信することを促進し、プロセッサ520は、無線ネットワークノード115A〜Cによって提供されるものとして上述された機能性のうちの一部または全部を提供するための命令を実行し、メモリ530は、プロセッサ520によって実行される命令を記憶し、ネットワークインターフェース540は、信号をバックエンドネットワークコンポーネント、例えば、ゲートウェイ、スイッチ、ルータ、インターネット、公衆交換電話網(PSTN)、コアネットワークノード130、無線ネットワークコントローラ120等へ通信する。
【0070】
プロセッサ520は、無線ネットワークノード115A〜Cの説明された機能のうちの一部または全部を行うべく命令を実行し、データを操作するために、1つまたは複数のモジュールにおいて実装される、ハードウェアとソフトウェアとの任意の適切な組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態において、プロセッサ520は、例えば、1つもしくは複数のコンピュータ、1つもしくは複数の中央処理装置(CPU)、1つもしくは複数のマイクロプロセッサ、1つもしくは複数のアプリケーション、および/または、他のロジックを含んでもよい。
【0071】
メモリ530は、一般に、命令、例えば、コンピュータプログラム、ソフトウェア、ロジック、ルール、アルゴリズム、コード、テーブル等のうちの1つもしくは複数を含むアプリケーション、および/または、プロセッサによって実行されることが可能な他の命令などを記憶するように動作可能である。メモリ530の例は、コンピュータメモリ(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)もしくは読み出し専用メモリ(ROM))、大容量記憶媒体(例えば、ハードディスク)、リムーバブル記憶媒体(例えば、コンパクトディスク(CD)もしくはデジタルビデオディスク(DVD))、ならびに/または、情報を記憶する任意の他の揮発性もしくは不揮発性の、非一時的なコンピュータ読取可能および/もしくはコンピュータ実行可能なメモリデバイスを含む。
【0072】
いくつかの実施形態において、ネットワークインターフェース540は、プロセッサ520に通信可能に結合されており、無線ネットワークノード115のための入力を受信し、無線ネットワークノード115からの出力を送り、入力もしくは出力もしくはこれらの両方の適切な処理を行い、他のデバイスへ通信し、または、これらの任意の組み合わせを行うように動作可能な任意の適切なデバイスを指し得る。ネットワークインターフェース540は、ネットワークを通じて通信するための、プロトコル変換およびデータ処理能力を含む、適当なハードウェア(例えば、ポート、モデム、ネットワークインターフェースカード等)およびソフトウェアを含み得る。
【0073】
無線ネットワークノード115A〜Cの他の実施形態は、上述された機能性のうちのいずれかおよび/または任意の付加的な機能性(上述された解決策をサポートするために必要な任意の機能性を含む)を含む、無線ネットワークノードの機能性の一定の態様を提供する責任を負い得る、図5に示される構成要素以外の付加的な構成要素を含んでもよい。様々な異なるタイプの無線ネットワークノードは、同じ物理ハードウェアを有するが、異なる無線アクセス技術をサポートするように(例えば、プログラミングにより)構成された構成要素を含んでもよく、または、部分的もしくは全体的に異なる物理構成要素を表してもよい。
【0074】
また、いくつかの実施形態においては、「無線ネットワークノード」または単純に「ネットワークノード(NWノード)」という包括的な専門用語が使用され得る。これらの用語は、基地局、無線基地局、ベーストランシーバステーション、基地局コントローラ、ネットワークコントローラ、エボルブドノードB(eNB)、ノードB、RNC、中継ノード、測位ノード、E−SMLC、ロケーションサーバ、リピータ、アクセスポイント、無線アクセスポイント、リモートラジオユニット(RRU)、リモート無線ヘッド(RRH)、分散アンテナシステム(DAS:distributed antenna system)におけるMSR BSノードなどのマルチスタンダード無線(MSR:multi−standard radio)無線ノード、自律的ノード(SON:Self Organizing Node)、運用および保守(O&M:Operational & Maintenance)、運用サポートシステム(OSS:Operational Support System)、MDTノード、コアネットワークノード、MME等から構成され得る任意の種類のネットワークノードを指し得る。
【0075】
一定の実施形態において、ワイヤレスデバイス110A〜Cは、コンピュータネットワーキング仮想装置として動作し得る。図6は、コンピュータネットワーキング仮想装置600として動作する例示的なネットワークノードを例示するブロック図である。図示されるように、仮想装置600は、少なくとも1つの第1の決定モジュール610と、第2の決定モジュール620と、遅延モジュール630とを含む。第1の決定モジュール610は、第1のキャリアについて第1のSCell150Aをアクティブ化または非アクティブ化するようにワイヤレスデバイス110Aに要求する第1のメッセージを、ワイヤレスデバイス110Aが受信したと決定するように構成され得る。
【0076】
第2の決定モジュール620は、ワイヤレスデバイス110Aが第1のプロシージャを完了させるべき、遅延期間(Tactivate_basic)を決定するように構成され得る。例えば、遅延期間(Tactivate_basic)は、ワイヤレスデバイス110Aが第1のSCell150Aをアクティブ化または非アクティブ化しなければならない時間であってもよい。
【0077】
遅延モジュール630は、第2のSCell150Bのアクティブ化、非アクティブ化、設定、または設定解除を要求する第2のメッセージを送ることを遅延させるように構成され得る。一定の実施形態において、第2のメッセージは、遅延期間(Tactivate_basic)の関数である時間だけ遅延されてもよい。
【0078】
図7は、特定の実施形態に係る、ネットワークノード115A〜Cおよび/またはコンピュータネットワーキング仮想装置600による、複数のセカンダリセル150A〜Bのアクティブ化および非アクティブ化を生じさせるための例示的な方法を例示するフローチャートである。一定の実施形態において、ネットワークノード115Aは、1つまたは複数のSCell150A〜Bをセットアップまたは解放するようにワイヤレスデバイス110Aに要求する、SCellセットアップもしくは解除メッセージまたはSCellセットアップもしくは解除コマンドを、ワイヤレスデバイス110Aへ送ることを意図し得る。しかしながら、ワイヤレスデバイス110Aが、別のSCell150A〜Bを既にセットアップまたは解放している場合、ネットワークノード115Aは、意図された要求を送ることを遅延させ得る。したがって、ネットワークノード115Aは、ワイヤレスデバイス110Aが第1のSCell150Aのセットアップまたは解放を行っており、または行うことが予期され、または実行するように要求されたという決定に基づいて、第2のSCell150Bについてのセットアップまたは解放コマンドをワイヤレスデバイス110Aへ送るべきかを決め得る。
【0079】
本方法は、第1のキャリアについて第1のSCell150Aをアクティブ化または非アクティブ化するようにワイヤレスデバイス110Aに要求する第1のメッセージを、ワイヤレスデバイス110Aが受信したという決定と共に、ステップ710において始まる。様々な実施形態において、第1のメッセージは、第1のSCell150Aの設定、追加、設定解除、解除、アクティブ化、および非アクティブ化のうちのいずれか1つまたはこれらの組み合わせをワイヤレスデバイス110Aに行わせるための要求を含んでもよい。
【0080】
一定の実施形態において、ワイヤレスデバイス110Aが第1のメッセージを受信したと決定することは、ワイヤレスデバイス110Aが第1のSCell150Aのセットアップまたは解放を行うように要求された、または行っているという標識をネットワークノード115A〜Cのうちの1つから受信することを含み得る。例えば、標識は、PCell140Aに関連付けられた第1のネットワークノード115Aから受信されてもよい。代替的に、標識は、第1のSCell150Aに関連付けられた第2のネットワークノード115Bから、または第2のSCell150Bに関連付けられた第3のネットワークノード115Cから受信されてもよい。特定の実施形態において、第3のネットワークノード115Cが、SCellセットアップまたは解放についてのコマンドを最近送った場合、そのような情報は、第3のネットワークノード115Cにおいて利用可能であり、そのメモリから取り出され得る。
【0081】
他の実施形態において、標識は、ワイヤレスデバイス110Aから受信されてもよく、ワイヤレスデバイス110Aが第1のSCell150AのSCellセットアップまたは解放を行っており、または行うことが予期されることを識別し得る。ワイヤレスデバイス110Aからの標識は、独立して受信されてもよく、または、情報についてのワイヤレスデバイス110Aに対する要求に応じて受信されてもよい。
【0082】
また他の実施形態において、ワイヤレスデバイス110Aが第1のメッセージを受信したという、ネットワークノード115Aによる決定は、標識がワイヤレスデバイス110Aまたは別のネットワークノード115B〜Cから受信されるか否かに関わらず、ネットワークノード115Aによって独立して行われ得る。例えば、第1のSCell150Aのセットアップまたは解放が完了したことを示す、確認または既定の信号またはメッセージが、ワイヤレスデバイス110Aから受信されない場合、ネットワークノード115Aは、ワイヤレスデバイス110Aが第1のSCell150Aのセットアップまたは解放を行っていると決定し得る。例えば、特定の実施形態において、ネットワークノード内のタイマが閾値と比較され、または、UEが少なくとも第1のSCellをセットアップまたは解放するように要求して以降の、タイマの状態がチェックされる(例えば、経過した/経過していない)。
【0083】
ステップ720において、ネットワークノード115Aは、ワイヤレスデバイス110Aが第1のSCell150Aをアクティブ化し、非アクティブ化し、設定し、または設定解除すべき、遅延期間(Tactivate_basic)を決定する。上述されたように、遅延期間(Tactivate_basic)は、既定の情報、例えば、標準において仕様化されている既定の要件に基づいて、決定され得る。
【0084】
ステップ730において、ネットワークノード115Aは、次いで、第2のSCell150Bのアクティブ化または非アクティブ化を要求する第2のメッセージを送ることを遅延させ得る。様々な実施形態において、第2のメッセージは、遅延期間(Tactivate_basic)の関数である時間だけ遅延されてもよい。特定の実施形態において、第2のメッセージは、遅延期間(Tactivate_basic)よりも既定の分だけ大きい、総遅延期間(Tactivate_total)だけ遅延されてもよい。総遅延期間(Tactivate_total)および遅延期間(Tactivate_basic)の決定は、既定のルールに基づき得る。この方法を使用することによって、ネットワークノードは、2つを超えるSCellのセットアップまたは解放が部分的または完全に時間的に重複する状況を回避することができる。部分的または完全に重複する時間における、2つを超えるSCellのセットアップまたは解放の結果は、既定の要件によって知られている(上記を参照)。そのため、ネットワークノードにおける本方法は、上記に開示されたSCellセットアップまたは解放についての、UEの既定の要件に基づいてトリガされる。
【0085】
別の実施形態において、ネットワークノード115Aは、第1のSCell150Aがセットアップまたは解放されたという標識をネットワークノード115Aが受信するまで、第2のメッセージの送信を遅延させ得る。上述されたように、標識は、ワイヤレスデバイス110Aから、または別のネットワークノード115B〜Cから、受信され得る。ワイヤレスデバイス110Aからの標識は、有効なUL信号(例えば、CQIインデックス=非ゼロを有するCQI)からも構成され得る。例えば、ある時間(T3)後および/または標識を受信した後に、ネットワークノード115Aは、第2のメッセージをワイヤレスデバイス110Aへ送り得る。T3の例は、下記を含むが、これに限定されない。
・T3=T2
・T3=T2+α ただし、αは、不完全さおよび遅延を考慮するためのマージンである。
【0086】
特定の実施形態において、本方法は、第3のSCellをアクティブ化または非アクティブ化するようにワイヤレスデバイス110Aに要求する第3のメッセージをワイヤレスデバイス110Aが受信したと決定することも含み得る。本方法は、ワイヤレスデバイス110Aが第3のSCell150Cのアクティブ化、非アクティブ化、設定、または設定解除を完了させるべき、総遅延期間(Tactivate_total)を決定することも含み得る。第3のSCellをアクティブ化または非アクティブ化するための総遅延期間(Tactivate_total)は、第2のSCell150Bをアクティブ化または非アクティブ化するための遅延期間(Tactivate_basic)よりも大きくてもよい。特定の実施形態において、第1、第2、第3、および第4のネットワークノードの組み合わせは異なり得る。ネットワークノード115A〜Cは、異なるサイトもしくはロケーションに位置してもよく、または、ネットワークノード115A〜Cのうちの1つもしくは複数は、1つのサイトもしくはロケーションに存在してもよい。ネットワークノード115A〜Cは、同じサイトにまたは同じネットワークノード内に配置され得るにもかかわらず、論理的に異なるノードであってもよい。
【0087】
図8は、無線ネットワークコントローラ120またはコアネットワークノード130の一定の実施形態を例示するブロック図である。ネットワークノードの例は、モバイルスイッチングセンタ(MSC)、サービングGPRSサポートノード(SGSN)、モビリティ管理エンティティ(MME:mobility management entity)、無線ネットワークコントローラ(RNC)、基地局コントローラ(BSC)などを含み得る。ネットワークノードは、プロセッサ820と、メモリ830と、ネットワークインターフェース840とを含む。いくつかの実施形態において、プロセッサ820は、ネットワークノードによって提供されるものとして上述された機能性のうちの一部または全部を提供するための命令を実行し、メモリ830は、プロセッサ820によって実行される命令を記憶し、ネットワークインターフェース840は、信号を適切なノードへ、例えば、ゲートウェイ、スイッチ、ルータ、インターネット、公衆交換電話網(PSTN)、無線ネットワークノード115、無線ネットワークコントローラ120、コアネットワークノード130等などへ通信する。
【0088】
プロセッサ820は、ネットワークノードの説明された機能のうちの一部または全部を行うべく命令を実行し、データを操作するために、1つまたは複数のモジュールにおいて実装される、ハードウェアとソフトウェアとの任意の適切な組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態において、プロセッサ820は、例えば、1つもしくは複数のコンピュータ、1つもしくは複数の中央処理装置(CPU)、1つもしくは複数のマイクロプロセッサ、1つもしくは複数のアプリケーション、および/または、他のロジックを含んでもよい。
【0089】
メモリ830は、一般に、命令、例えば、コンピュータプログラム、ソフトウェア、ロジック、ルール、アルゴリズム、コード、テーブル等のうちの1つもしくは複数を含むアプリケーション、および/または、プロセッサによって実行されることが可能な他の命令などを記憶するように動作可能である。メモリ830の例は、コンピュータメモリ(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)もしくは読み出し専用メモリ(ROM))、大容量記憶媒体(例えば、ハードディスク)、リムーバブル記憶媒体(例えば、コンパクトディスク(CD)もしくはデジタルビデオディスク(DVD))、ならびに/または、情報を記憶する任意の他の揮発性もしくは不揮発性の、非一時的なコンピュータ読取可能および/もしくはコンピュータ実行可能なメモリデバイスを含む。
【0090】
いくつかの実施形態において、ネットワークインターフェース840は、プロセッサ820に通信可能に結合されており、ネットワークノードのための入力を受信し、ネットワークノードからの出力を送り、入力もしくは出力もしくはこれらの両方の適切な処理を行い、他のデバイスへ通信し、または、これらの任意の組み合わせを行うように動作可能な任意の適切なデバイスを指し得る。ネットワークインターフェース840は、ネットワークを通じて通信するための、プロトコル変換およびデータ処理能力を含む、適当なハードウェア(例えば、ポート、モデム、ネットワークインターフェースカード等)およびソフトウェアを含み得る。
【0091】
ネットワークノードの他の実施形態は、上述された機能性のうちのいずれかおよび/または任意の付加的な機能性(上述された解決策をサポートするために必要な任意の機能性を含む)を含む、ネットワークノードの機能性の一定の態様を提供する責任を負い得る、図8に示される構成要素以外の付加的な構成要素を含んでもよい。
【0092】
本開示のいくつかの実施形態は、1つまたは複数の技術的利点を提供し得る。例えば、一定の実施形態において、採用される技法は、ワイヤレスデバイス(すなわち、ユーザ機器)が、1つまたは複数の付加的なSCellをアクティブ化し、非アクティブ化し、設定し、または設定解除することが要求されている間に、SCellを正確にアクティブ化または非アクティブ化することを可能にし得る。別の技術的利点は、ユーザ機器が2つ以上のSCellのセットアップまたは解放を少なくとも部分的に重複する時間中に行う場合に、ネットワークノードがユーザ機器性能(例えば、SCellセットアップまたは解放を行うための時間)を認識することを、本技法が可能にし得ることであり得る。また別の技術的利点は、ユーザ機器がいくつかのSCellを少なくとも部分的に重複する時間中にセットアップまたは解放することを要求される場合であっても、ユーザ機器の振る舞いが明確に規定されており、一貫していることを、本技法が確実にすることであり得る。また別の技術的利点は、ネットワークノードが、あるSCellについてのSCellセットアップまたは解放の完了を、別のSCellのセットアップまたは解放のために待つ必要がないということであり得る。つまり、ネットワークノードは、2つ以上のSCellについてのSCellセットアップまたは解放を行うように、ユーザ機器に独立して要求することができる。
【0093】
いくつかの実施形態は、これらの利点のうちの一部の利益を享受し、これらの利点から利益を享受せず、または、これらの利点のうちの全部の利益を享受し得る。他の技術的利点は、当業者によって容易に確認され得る。
【0094】
修正、追加、または削除は、本明細書において開示される方法、システム、および装置に対して、本発明の範囲から逸脱することなく、行われ得る。例えば、方法は、より多くのステップ、より少ないステップ、または他のステップを含んでもよく、これらのステップは、任意の適切な順序で行われ得る。別の例として、システムおよび装置の構成要素は、一体化されても、または分離されてもよい。また、システムおよび装置の動作は、より多くの構成要素、より少ない構成要素、または他の構成要素によって行われてもよい。さらに、システムおよび装置の動作は、ソフトウェア、ハードウェア、および/または他のロジックを含む、任意の適切なロジックを使用して行われてもよい。本文書においては、「各」は、あるセットの各メンバー、または、あるセットのあるサブセットの各メンバーを指す。
【0095】
例えば、特定の実施形態に係る1つの実装例において、プライマリセル(PCell)140Aおよび複数のセカンダリセルSCell150A〜Cにおいて複数のキャリアから信号を受信するために、キャリアアグリゲーションを使用して、ワイヤレスデバイス110Aによって複数のセカンダリセル150A〜Bをアクティブ化および非アクティブ化するための方法が提供される。第1のキャリアについて第1のセカンダリセル(第1のSCell)150Aのアクティブ化または非アクティブ化を要求する第1のメッセージが受信される。第1のメッセージに応じて、第1のSCell150Aをアクティブ化または非アクティブ化するための第1のプロシージャが開始される。ワイヤレスデバイス110Aは、第1のプロシージャを完了させるべき第1の遅延期間(Tactivate_basic)を有する。第1のSCell150Aをアクティブ化または非アクティブ化するための第1のプロシージャを行っている間に、第2のキャリアについて第2のSCell150Bをアクティブ化し、非アクティブ化し、設定し、または設定解除するための第2のメッセージが受信される。第2のSCell150Bをアクティブ化し、非アクティブ化し、設定し、または設定解除するための第2のメッセージを受信することに応じて、第1のプロシージャは、第1の遅延期間を、第1のSCell150Aをアクティブ化または非アクティブ化するための第1のプロシージャを完了させるべき第2の遅延期間(Tactivate_total)に置換することによって修正される。第2の遅延期間(Tactivate_total)は、第1の遅延期間(Tactivate_basic)よりも大きい。
【0096】
特定の実施形態に係る別の実装例において、プライマリセル(PCell)140Aおよび複数のセカンダリセル(SCell)150A〜Bにおいて複数のキャリアから信号を受信するために、キャリアアグリゲーションを使用するワイヤレスデバイス110Aは、実行可能な命令を含有するメモリ230と、メモリ230と通信する1つまたは複数のプロセッサ220とを含む。1つまたは複数のプロセッサ220は、命令を実行して、ワイヤレスデバイス110Aに、第1のキャリアについて第1のセカンダリセル(第1のSCell)150Aのアクティブ化または非アクティブ化を要求する第1のメッセージを受信させるように動作可能である。第1のメッセージに応じて、第1のSCell150Aをアクティブ化または非アクティブ化するための第1のプロシージャが開始される。ワイヤレスデバイス110Aは、第1のプロシージャを完了させるべき第1の遅延期間(Tactivate_basic)を有する。第1のSCell150Aをアクティブ化または非アクティブ化するための第1のプロシージャを行っている間に、第2のキャリアについて第2のSCell150Bをアクティブ化し、非アクティブ化し、設定し、または設定解除するための第2の要求が受信される。第2のSCell150Bをアクティブ化し、非アクティブ化し、設定し、または設定解除するための第2のメッセージを受信することに応じて、第1のプロシージャは、第1の遅延期間を、第1のSCell150Aをアクティブ化または非アクティブ化するための第1のプロシージャを完了させるべき第2の遅延期間(Tactivate_total)に置換することによって修正される。第2の遅延期間(Tactivate_total)は、第1の遅延期間(Tactivate_basic)よりも大きい。
【0097】
特定の実施形態に係る別の実装例において、プライマリセル(PCell)140Aおよび複数のセカンダリセル(SCell)150A〜Bにおいて複数のキャリアから信号を受信するためにキャリアアグリゲーションを使用しているワイヤレスデバイス110Aをサーブする第1のネットワークノード115Aにおける方法は、第1のネットワークノード115Aによって、第1のキャリアについて第1のSCell150Aをアクティブ化または非アクティブ化するようにワイヤレスデバイス110Aに要求する第1のメッセージをワイヤレスデバイス110Aが受信したと決定することを含む。ワイヤレスデバイス110Aが第1のSCell150Aをアクティブ化または非アクティブ化するべき遅延期間(Tactivate_basic)は、第1のネットワークノード115Aによって決定される。第1のネットワークノード115Aは、第2のSCell150Bのアクティブ化、非アクティブ化、設定、または設定解除を要求する第2のメッセージを送ることを遅延させる。第2のメッセージは、遅延期間の関数である時間だけ遅延される。
【0098】
特定の実施形態に係る別の実装例において、プライマリセル(PCell)140Aおよび複数のセカンダリセル(SCell)150A〜Bにおいて複数のキャリアから信号を受信するためにキャリアアグリゲーションを使用するワイヤレスデバイス110Aをサーブする第1のネットワークノード115Aは、実行可能な命令を含有するメモリ530と、メモリ530と通信する1つまたは複数のプロセッサ520とを含む。1つまたは複数のプロセッサ520は、命令を実行して、第1のネットワークノード115Aに、第1のキャリアについて第1のSCell150Aをアクティブ化または非アクティブ化するようにワイヤレスデバイス110Aに要求する第1のメッセージをワイヤレスデバイス110Aが受信したと決定させるように動作可能である。ワイヤレスデバイス110Aが第1のSCell150Aをアクティブ化または非アクティブ化するべき遅延期間(Tactivate_basic)が決定される。第2のSCell150Bのアクティブ化、非アクティブ化、設定、または設定解除を要求する第2のメッセージを送ることは、遅延される。第2のメッセージは、遅延期間の関数である時間だけ遅延される。
【0099】
別の実装例において、ワイヤレスデバイスは、コンピュータネットワーキング仮想装置として動作し得る。特定の実施形態によれば、装置300は、第1のキャリアについて第1のセカンダリセル(第1のSCell)150Aのアクティブ化または非アクティブ化を要求する第1のメッセージを受信するように構成された第1の受信モジュール310を含み得る。開始モジュール320は、第1のメッセージに応じて、第1のSCell150Aをアクティブ化または非アクティブ化するための第1のプロシージャを開始するように構成される。装置300は、第1のプロシージャを完了させるべき第1の遅延期間(Tactivate_basic)を有する。第2の受信モジュール330は、第1のSCell150Aをアクティブ化または非アクティブ化するための第1のプロシージャを行っている間に、第2のキャリアについて第2のSCell150Bをアクティブ化し、非アクティブ化し、設定し、または設定解除するための第2のメッセージを受信するように構成される。修正モジュール340は、第2のSCell150Bをアクティブ化し、非アクティブ化し、設定し、または設定解除するための第2のメッセージを受信することに応じて、第1のプロシージャを修正するように構成される。第1のプロシージャを修正することは、第1の遅延期間を、第1のSCell150Aをアクティブ化または非アクティブ化するための第1のプロシージャを完了させるべき第2の遅延期間(Tactivate_total)に置換することを含み得る。第2の遅延期間(Tactivate_total)は、第1の遅延期間(Tactivate_basic)よりも大きい。
【0100】
別の実装例においては、ネットワークノードが、コンピュータネットワーキング仮想装置として動作し得る。特定の実施形態によれば、装置600は、第1のキャリアについて第1のSCell150Aをアクティブ化または非アクティブ化することをワイヤレスデバイス110Aに要求する第1のメッセージをワイヤレスデバイス110Aが受信したと決定するように構成された第1の決定モジュール610を含む。第2の決定モジュール620は、ワイヤレスデバイス110Aが第1のSCell150Aをアクティブ化または非アクティブ化するべき遅延期間(Tactivate_basic)を決定するように構成される。遅延モジュール630は、第2のSCell150Bのアクティブ化、非アクティブ化、設定、または設定解除を要求する第2のメッセージを送ることを遅延させるように構成される。第2のメッセージは、遅延期間の関数である時間だけ遅延される。
【0101】
複数のSCellをアクティブ化および非アクティブ化するための別の実装例において、方法は、PCell上で第1のネットワークノードによってサーブされるユーザ機器によって行われ得る。ワイヤレスデバイス110Aなどのユーザ機器が、上述されたように、少なくとも2つのセカンダリサービングセル(SCell)150A〜Bを使用することが可能である場合、方法は、第2のネットワークノード115Bから、第1のSCell150Aをセットアップまたは解放するための第1のSCellセットアップまたは解放メッセージを受信することを含み得る。第1のSCell150Aは、受信された第1のSCellセットアップまたは解放メッセージに基づいて、セットアップまたは解放され得る。決定は、ワイヤレスデバイス110Aが第1のSCell150Aをセットアップまたは解放している間に、第2のSCellをセットアップまたは解放するための第2のSCellセットアップまたは解放メッセージを第3のネットワークノード115Cから受信したかに関して行われ得る。第1のプロシージャまたは第2のプロシージャは、決定に基づいて第1のSCell150Aをセットアップまたは解放するために使用され、または適応され得る。
【0102】
随意的に、ワイヤレスデバイス110Aが、第2のSCellセットアップまたは解放メッセージを受信していない場合には、第1のプロシージャが使用されてもよく、ワイヤレスデバイス110Aが、第2のSCellセットアップまたは解放メッセージを受信した場合には、第2のプロシージャが使用されてもよい。特定の実施形態において、ワイヤレスデバイス110Aが、1つまたは複数の第1の予め既定された要件を満たす場合には、第1のプロシージャが使用されてもよく、1つまたは複数の第2の予め既定された要件が満たされる場合には、第2のプロシージャが使用されてもよい。特定の実施形態において、第2のSCell150Bをセットアップまたは解放するための第3のセットアップまたは解放メッセージは、第1のSCell150Aをセットアップまたは解放している間に、第4のネットワークノードから受信され得る。特定の実施形態において、第1、第2、第3および第4のネットワークノードは、同じであっても、または同じサイトに配置されてもよい。随意的に、第1、第2および第3のSCellセットアップまたは解放メッセージは、PCell上で受信されてもよい。随意的に、SCellセットアップまたは解放メッセージは、ワイヤレスデバイスに対する、下記のタスクのうちのいずれか1つまたは複数を行うための要求を含有し得る:SCellの設定またはSCellの追加、SCellの設定解除またはSCellの解放、SCellのアクティブ化、およびSCellの非アクティブ化。特定の実施形態において、SCellの設定または設定解除を含むメッセージは、RRCシグナリングを介してワイヤレスデバイス110Aによって受信され得る。代替的に、SCellのアクティブ化または非アクティブ化を含有するメッセージは、MAC CEコマンドまたはシグナリングを介してUEによって受信され得る。
【0103】
特定の実施形態において、第1の予め既定された要件は、第1のSCell150Aのセットアップまたは解放がワイヤレスデバイス110Aによって第1のプロシージャを使用して行われる第1の持続期間または遅延(T1)を含み得る。随意的に、第2の予め既定された要件は、第1のSCell150Aのセットアップまたは解放がワイヤレスデバイス110Aによって行われる第2の持続期間または遅延(T2)を含み得る。特定の実施形態において、T2は、T1よりも大きくてもよい。また、T2は、T1、K*DおよびΔの関数であってもよく、ただし、Kは、ワイヤレスデバイス110Aによって第1のSCell150Aがセットアップまたは解放されている間に、少なくとも第2のSCell150Bをセットアップまたは解放することを行うようにワイヤレスデバイスが要求される回数である。Dは、少なくとも第2のSCellのセットアップまたは解放に起因する中断であり、Δは、あらゆる中断を考慮するための付加的なマージンであり得る。
【0104】
別の実装例において、方法は、少なくともPCell140Aによってワイヤレスデバイス110Aにサーブするネットワークノード115Aによって行われ得る。本方法は、ワイヤレスデバイス110Aが第1のSCell150Aのセットアップまたは解放を行っており、または行うように要求されたという、ネットワークノード115Aによる決定を含み得る。ワイヤレスデバイス110Aが第1のSCellのセットアップまたは解放を行い、または行っている、第1の持続期間または遅延(Tactivate_basicまたはT1)が決定され得る。ネットワークノード115Aは、決定された第1の持続期間または遅延(T1)に基づいて、第2のSCell150Bをセットアップまたは解放するための第2のSCellセットアップまたは解放メッセージをワイヤレスデバイス110Aへ送ることを遅延させ得る。
【0105】
特定の実施形態において、ワイヤレスデバイス110Aが第1のSCell150Aのセットアップまたは解放を行っており、または行うように要求されたという決定は、第1のネットワークノード115Aまたは第2のネットワークノード115Bから受信される標識、ワイヤレスデバイス110Aからの標識、および第3のネットワークノード115Cによってワイヤレスデバイス110Aへ送られる要求のうちの1つまたは複数に基づき得る。
【0106】
特定の実施形態において、ワイヤレスデバイス110Aが少なくとも第2のSCell150Bのセットアップまたは解放も行うように要求される間に、ワイヤレスデバイス110Aが第1のSCell150Aのセットアップまたは解放を行い、または行うことが予期される、第2の持続期間または遅延(Tactivate_totalまたはT2)が決定され得る。ただし、T2>T1である。随意的に、第2のSCellセットアップまたは解放メッセージをワイヤレスデバイス110Aへ送ることは、T2がT1よりも一定のマージンだけ大きい場合に遅延され得る。随意的に、T1およびT2の決定は、予め既定されたルールまたは情報に基づいてもよい。随意的に、SCellセットアップまたは解放メッセージは、UEに対する、下記のタスクのうちのいずれか1つまたは複数を行うための要求を含有し得る:SCellの設定またはSCellの追加、SCellの設定解除またはSCellの解放、SCellのアクティブ化、およびSCellの非アクティブ化。随意的に、T1およびT2は、SCellアクティブ化遅延またはSCell非アクティブ化遅延に対応し得る。
【0107】
特定の実施形態において、第1、第2および第3のネットワークノード115A〜Cは、同じであってもよく、または同じサイトに配置されてもよい。特定の実施形態において、PCell140A、第1のSCell150A、第2のSCell150B、および第3のSCellは、それぞれ第1のキャリア周波数(f1)、第2のキャリア周波数(f2)、第3のキャリア周波数(f3)および第4のキャリア周波数(f4)上で動作し得る。
【0108】
他の実装例は、説明された方法を実装するように構成されたワイヤレス通信デバイスおよび/もしくはアクセスノード、または、説明された方法をワイヤレス通信デバイスおよび/もしくはアクセスノードが実装するワイヤレス通信システムを含み得る。
【0109】
本開示のいくつかの実施形態は、1つまたは複数の技術的利点を提供し得る。例えば、一定の実施形態において、採用される技法は、ワイヤレスデバイス(すなわち、ユーザ機器)が、1つまたは複数の付加的なSCellをアクティブ化し、非アクティブ化し、設定し、または設定解除するように要求される間に、SCellを正確にアクティブ化または非アクティブ化することを可能にし得る。別の技術的利点は、ユーザ機器が2つ以上のSCellのセットアップまたは解放を少なくとも部分的に重複する時間中に行う場合に、ネットワークノードがユーザ機器性能(例えば、SCellセットアップまたは解放を行うための時間)を認識することを本技法が可能にし得ることであり得る。また別の技術的利点は、ユーザ機器がいくつかのSCellを少なくとも部分的に重複する時間中にセットアップまたは解放することを要求される場合であっても、ユーザ機器の振る舞いが明確に規定されており、一貫していることを、本技法が確実にすることであり得る。また別の技術的利点は、ネットワークノードが、あるSCellについてのSCellセットアップまたは解放の完了を、別のSCellのセットアップまたは解放のために待つ必要がないということであり得る。つまり、ネットワークノードは、2つ以上のSCellについてのSCellセットアップまたは解放を行うように、ユーザ機器に独立して要求することができる。
【0110】
いくつかの実施形態は、これらの利点のうちの一部の利益を享受し、これらの利点から利益を享受せず、または、これらの利点のうちの全部の利益を享受し得る。他の技術的利点は、当業者によって容易に確認され得る。
【0111】
修正、追加、または削除は、本明細書において開示されるシステムおよび装置に対して、本発明の範囲から逸脱することなく、行われ得る。システムおよび装置の構成要素は、一体化されても、または分離されてもよい。また、システムおよび装置の動作は、より多くの構成要素、より少ない構成要素、または他の構成要素によって行われてもよい。さらに、システムおよび装置の動作は、ソフトウェア、ハードウェア、および/または他のロジックを含む、任意の適切なロジックを使用して行われてもよい。本文書においては、「各」は、あるセットの各メンバー、または、あるセットのあるサブセットの各メンバーを指す。
【0112】
修正、追加、または削除は、本明細書において開示される方法に対して、本発明の範囲から逸脱することなく、行われ得る。本方法は、より多くのステップ、より少ないステップ、または他のステップを含んでもよい。また、ステップは、任意の適切な順序で行われ得る。
【0113】
本開示は、一定の実施形態の観点から説明されてきたが、実施形態の修正および置換は、当業者には明らかであろう。したがって、上記の実施形態の説明は、本開示を制約しない。他の変更、置き換え、および修正は、下記の特許請求の範囲によって規定されるように、本開示の精神および範囲から逸脱することなく可能である。
図1
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