【実施例】
【0014】
実施例に係るサービス提供用シートにつき、
図1から
図9を参照して説明する。
図1の符号1は、本発明の適用されたサービス提供用シートである。
図1(a)に示されるのはサービス提供用シート1の裏面であり、PINコード4とバーコード5とが記載されている。また、
図1(b)に示されるのはサービス提供用シート1の表面であり、このサービス提供用シート1のPINコード4とバーコード5により提供されるサービスの名称や金額等の情報が記載されている。サービス提供用シート1は、
図2に示されるようにシート本体2と、シート本体2の裏面2aに重合して貼り付けられた被覆シート3とから主に構成されている。
【0015】
図2に示されるように、シート本体2は、その表面に識別情報であるPINコード4と、POSコードであるバーコード5とが記載されている。これらPINコード4とバーコード5とは、互いに対応づけられたものとなっている。PINコード4は数字や文字の組み合わせであり、シート本体2の幅方向に記載されており、バーコード5はPINコード4と並列してシート本体2の幅方向に記載されている。
【0016】
図1及び
図2に示されるように、被覆シート3は、シート本体2と重合した際にPINコード4の上に位置する部分がミシン目6により区画されて開封部7が形成されている。ミシン目6はPINコード4の外側を囲むような略矩形状に形成されており、その長手方向一方側(
図1では画面左側)の辺6aと、当該辺6aの両端からそれぞれ連続するミシン目6の角部6b,6bとが予め被覆シート本体3aから切り離されて開封部7の剥離開始端部70が形成されている。また、長手方向他方側の辺6c及び連接された角部6d,6dも同様に予め被覆シート本体3aから切り離されて開封部7の剥離終端部71が形成されている。
【0017】
被覆シート3には、シート本体2と重合した際にバーコード5の上に位置する部分に切抜部8が形成されており、この切抜部8からシート本体2のバーコード5が確認できるようになっている。
【0018】
開封部7は、
図3に示されるように、ミシン目6に沿って被覆シート本体3aから切り離すことができるようになっており、開封部7が剥離されて形成された開口部9からシート本体2のPINコード4を確認できるようになっている。
【0019】
また、開封部7は、塑性変形しやすい紙素材で形成されるとともに、開封部7を構成する素地の色と、開封部7の表面に塗装される塗装色とは、互いの色差が大きくなるような色となっている。尚、本実施例では、開口部9の縁部にも開封部7と同じ塗装が施されている。
【0020】
図4に示されるように、ミシン目6は、所定間隔おきに所定の長さで形成されてミシン目6の上下辺を構成する線状切込11,11,…と、隣接する線状切込11,11同士の間に形成される山型の山型切込12,12,…と、を備えている。山型切込12,12,…は、山型の頂点12aが線状切込11の長手方向における剥離終端部71側と連接されている。
【0021】
開封部7は、シート本体2から剥離される方向に、塑性変形を促す線状部であるスリット部13,13,…がそれぞれ離間して複数箇所形成されている。スリット部13は、開封部7の幅方向略中央部に、開封部7の剥離方向と直交する方向に開封部7を切り抜いて線状に形成されている。尚、スリット部13の長手方向両端部13a,13aから線状切込11,11,…までの幅方向の距離は5mmとなっており、この線状切込11から長手方向両端部13aまでの幅方向の距離と、スリット部13の長手寸法と、長手方向両端部13aから線状切込11までの幅方向の距離と、の寸法比が1対2対1となっていることが好ましいが、必ずしもこの寸法比となるものに限られない。
【0022】
また、スリット部13は、当該スリット部13の長手方向両端部13a,13aから直線状に延長した仮想線αが線状切込11,11における開封部7の剥離終端部71側の端部11a,11aと交わるように、スリット部13の開封部7上における位置が設定されている。更に、スリット部13の長手方向両端部13a,13aから直線状に延長した仮想線αは、開封部7の剥離方向に隣接する山型切込12,12を構成する幅方向内側の辺12b,12bの終端近傍に位置している。
【0023】
利用者がサービス提供用シート1を購入する際、購入する店舗に設置された端末によりバーコード5が読み取られる。尚、この時点では、PINコード4は開封部7が閉じられて視認不可能となっている。
【0024】
続いて、実際に開封部7を剥離させ、PINコード4を露出させる際の態様を
図3から
図5を用いて説明する。尚、ここでは、敢えてサービス提供用シート1の購入者以外(不正使用者)がPINコード4を盗み見ようとした際を例に説明する。不正使用者は、PINコード4を盗み見るために開封部7を剥離させた後、遠目では開封部7が剥離されたことが判別できないように丁寧に開封部7を戻すというような作業を行い、その後に不正にサービスの提供を受けようとするものと想定する。
【0025】
図4に示されるように、開封部7は、線状切込11と隣接する山型切込12との間及び剥離開始端部70を構成する角部6bの終端と隣接する山型切込12との間、線状切込11と隣接する剥離終端部71を構成する角部6dの終端との間には、余白部20が向けられており、開封部7の剥離開始端部70の中央部を掴み、引き上げるようにすることで余白部20が破断され、剥離できるようになっている(
図3参照)。
【0026】
余白部20が破断される際には、山型切込12の各辺12b,12cに影響されて、破断線が山型切込12の少なくともいずれか一方の辺と交わる。そのため、
図5に示されるように、開封部7の一部が被覆シート本体3a側に残存したり、反対に開封部7側に被覆シート本体3aの一部とともに剥がれたりしてしまい、破断線が目立ちやすい。また、前述したように、開封部7を構成する素地の色と、開封部7の表面に塗装される塗装色とは、互いの色差が大きくなっているため、破断線の断面が目立ちやすくなっている。
【0027】
開封部7は、剥離方向の所定位置に前述したスリット部13が複数設けられていることから、当該スリット部13の長手方向両端部13a,13a近傍が折曲し易くなっている。加えて、余白部20が破断される際には当然、余白部20に力が集中ことになるが、線状切込11の剥離終端部71側の端部とスリット部13とが開封部7の剥離方向に略同一となっているため、スリット部13及びその長手方向両端部13a,13a近傍に剥離時の力の掛かり易く、折曲し易くなっている。
【0028】
また、
図6に示されるように、開封部7は、素地と表面塗装との色差が大きいため、折れ曲がった部分の表面塗装が崩れて素地が露出し、折れ曲がった部分が目立ちやすいばかりか、開封部7は塑性変形しやすい紙素材であるため、折れ曲がった部分が回復せず、時間経過後でも折れ曲がりの発生を視認し易い。
【0029】
また、
図6に示されるように、スリット部13は、剥離方向に隣接する山型切込12の内側の辺12bの終端より開封部7の剥離開始端部70側に位置しているため、スリット部13の長手方向両端部13a,13aと山型切込の内側辺の終端とを結ぶ折れ曲がり線F,Fが斜めに発生することになる。
【0030】
そのため、開封部7の剥離に伴い、斜めの折れ曲がり線F,Fに引っ張られる形で開封部7の幅方向端部が立ち上がり、開封部7が長手方向内側に巻き込まれる形に変形することになる。このように、折れ曲がり線F,Fが斜めであるため、開封部7が平板上に戻ろうとする力が開封部7の幅方向の中央(スリット部13)と折れ曲がり線F,F付近とに不均一となるため、開封部7の変形状態が維持されやすい。そのため、外力によって無理に変形を元に戻そうとすると、
図7に示されるように、スリット部13及び折れ曲がり線F,F近傍を中心に開封部7が山折り谷折りに変形された立体的な形状となり、目立ち易い。
【0031】
このように、一度でも開封部7を剥離させると、その剥離させた形跡が視認し易い状態で残存することになるため、不正使用者の後にサービス提供用シート1を購入しようとした購入者や販売店の店員が不正使用の疑いのあるサービス提供用シート1を発見でき、不正使用を未然に防ぐことができる。また、不正使用者本人も、剥離させた形跡を目にすることで、不正使用を諦める場合も考えられ、抑止効果も期待できる。
【0032】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0033】
例えば、前記実施例では、塑性変形を伴う線状部として開封部7を裏表に貫通するスリット部13として説明したが、開封部が剥離される際に開封部に折れ線のような塑性変形した部分が形成されるように機能するものであればよく、例えば、溝のように完全に開封部を貫通するスリット部でなくてもよいし、押圧によるスジ押しによる溝や基材の途中まで切り込みが入っているハーフスリット、又はミシン目等でもかまわない。また、塑性変形を伴う線状部が設けられることにより開封部の強度を落とすものに限らず、反対に開封部の強度を上げ、当該線状部が設けられていない部分に力を逃して塑性変形させやすくしてもよい。
【0034】
また、前記実施例では、スリット部13は、開封部7の幅方向略中央部に開封部7の剥離方向に直交して所定間隔離間させて複数形成されて説明されているが、これに限らず、例えば、開封部7の幅方向の端部に形成されてもよいし、開封部7の剥離方向に対して横切る方向であれば斜めに形成されてもよいし、少なくとも開封部7に1箇所形成されていればよい。更に、スリット部の形状は、直線的な形状に限らず、例えば
図9(a)に示されるような、開封部7の剥離方向に頂点の向く、くの字形状であってもよいし、
図9(b)に示されるような、波型形状等であってもよいし、
図9(b)に示されるように開封部7の幅方向に複数形成されてもよい。
【0035】
また、開封部7は、シート本体2の全面に渡る大きさの被覆シート3からミシン目6により一部が切り離された状態で形成される態様に限らず、例えば、被覆シートを兼ねる開封部がシート本体に剥離可能に接着剤等で固定されるような態様であってもよい。
【0036】
また、被覆シート3は、シート本体2と別体に限らず、例えば1枚のシートを折り畳んで、被覆シートとシート本体とを構成してもよい。
【0037】
また、前記実施例では、開封部7が直接PINコード4を被覆しており、開封部7の開封によりPINコード4を確認できるようになっているが、これに限らず、例えば
図8(a)に示される変形例のように、開封部を分割して構成し、一方を開封専用部17Aとし、他方をPINコードに直接被覆される被覆部17Bとし、開封専用部17Aを剥離した後、
図8(b)に示されるように、被覆部17Bを開くことでPINコード4を確認できるような構成であってもよい。
【0038】
また、ミシン目6の構成も線状切込11と山型切込12とを組み合わせた構成に限らず、例えば全て線状切込により構成されていてもよい。
【0039】
また、開封部7を構成する素材は前述した紙素材に限らず、例えば合成樹脂等でもよい。また、開封部7は、素地に対して色差の大きい色で塗装がなされたものに限らず、例えば色の違う合成樹脂を複数枚重ねて構成されたものであってもよい。尚、前述した折れ曲がり線F等によって不正使用の疑いのあるサービス提供用シート1を発見できるため、必ずしも開封部7の素地と塗装色との間に色差の違いがないものであってもよい。
【0040】
また、サービス提供用シート1は、インターネット上等で利用されるものに限らず、特定の人間が開封するまで固有の識別情報が隠され、その固有の識別情報を用いて、他者から何かしらのサービスの提供を受けるためのものであれば様々な分野で利用可能であり、例えば、銀行口座番号の通知書類に用いられ、配送中に口座番号が盗み見られたかどうかを判断できるようなものに利用されてもよい。