(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6203982
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】周囲の物体との照合による車両の位置修正
(51)【国際特許分類】
G01C 21/30 20060101AFI20170914BHJP
G01S 19/48 20100101ALI20170914BHJP
G01S 5/14 20060101ALI20170914BHJP
G09B 29/10 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
G01C21/30
G01S19/48
G01S5/14
G09B29/10 A
【請求項の数】15
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-500441(P2017-500441)
(86)(22)【出願日】2015年4月9日
(65)【公表番号】特表2017-513020(P2017-513020A)
(43)【公表日】2017年5月25日
(86)【国際出願番号】EP2015057731
(87)【国際公開番号】WO2015155292
(87)【国際公開日】20151015
【審査請求日】2016年9月20日
(31)【優先権主張番号】102014206888.6
(32)【優先日】2014年4月9日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】399023800
【氏名又は名称】コンティネンタル・テーベス・アクチエンゲゼルシヤフト・ウント・コンパニー・オッフェネ・ハンデルスゲゼルシヤフト
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100173521
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 淳司
(74)【代理人】
【識別番号】100153419
【弁理士】
【氏名又は名称】清田 栄章
(72)【発明者】
【氏名】シュミット・ベルンハルト
【審査官】
東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−232690(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2007/0208507(US,A1)
【文献】
特開平08−110233(JP,A)
【文献】
特開2005−004442(JP,A)
【文献】
特開2013−101013(JP,A)
【文献】
特開2006−018086(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2013/0279760(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00 − 21/36
G09B 29/00 − 29/10
G01S 5/14
G01S 19/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車の位置を計測する地球航法衛星システムGNSSによる車両の位置を修正する方法において、
a)このGNSSを用いて、車両の第一の位置を算出する工程と、
b)この第一の位置をデジタルマップの一つの車道に適合させることによって、車両の第二の位置を算出する工程と、
c)デジタルマップ内で位置を照合することが可能な、車両の周囲の少なくとも一つの物体を特定する工程と、
d)車両のセンサを用いて、車両と各物体の間の実際の距離を検出する工程と、
e)第二の位置と各物体の間の算出距離を計算する工程と、
を有し、
この算出距離と実際の距離の偏差を最小化することによって、車両の修正位置を算出する方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、当該の算出距離と実際の距離の偏差が最小化されるように、デジタルマップを繰り返しずらす方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法において、当該のデジタルマップをずらすことが、少なくとも一回の並進的なずらしと回転的なずらしから構成される方法。
【請求項4】
請求項1から3までのいずれか一つに記載の方法において、当該の偏差の最小化が最小二乗法により計算される方法。
【請求項5】
請求項1から4までのいずれか一つに記載の方法において、複数の物体、特に、2〜3個の物体が検出される方法。
【請求項6】
請求項1から5までのいずれか一つに記載の方法において、更に、
当該の修正位置を車道の妥当な走行車線に適合させることによる、修正位置の第二の修正を実施する工程、
を有する方法。
【請求項7】
請求項1から6までのいずれか一つに記載の方法において、更に、
デジタルマップにおいて、車道上の一つの点、特に、妥当な走行車線に対する第一の位置の最短距離を算出する工程と、
第二の位置を算出するために、この点に第一の位置を適合させる工程と、
を有する方法。
【請求項8】
請求項1から7までのいずれか一つに記載の方法において、当該の実際の距離の検出が、カメラセンサ機器、レーダセンサ機器、ライダセンサ機器、超音波センサ機器、温度センサ機器、雨センサ機器、車道状態センサ機器、及びシャーシセンサ機器の中の一つ以上から成る外界センサ機器を用いて行なわれる方法。
【請求項9】
請求項1から8までのいずれか一つに記載の方法において、当該の第一の位置の検出が、更に、複数のセンサを用いて行なわれる方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法において、当該の第一の位置の検出が、更に、センサデータを組み合わせて、その妥当性を調べるセンサ統合ユニットを用いて行なわれる方法。
【請求項11】
請求項1から10までのいずれか一つに記載の方法において、当該の物体の位置が、車両−2−X通信を用いて伝送される方法。
【請求項12】
請求項1から11までのいずれか一つに記載の方法において、各物体の修正位置を算出して、各物体の修正位置をマップサーバに伝送する方法。
【請求項13】
請求項1から12までのいずれか一つに記載の方法において、デジタルマップがマップサーバから取り出される方法。
【請求項14】
請求項1から13までのいずれか一つに記載の方法において、更に、
デジタルマップのタイムスタンプを調べて、別のデジタルマップがより新しいバージョンを有する場合、そのデジタルマップを破棄する工程、
を有する方法。
【請求項15】
特に、請求項1から14までのいずれか一つ記載の方法を実施する、自車の位置を計測する地球航法衛星システムGNSSによる車両の位置を修正するシステムにおいて、
a)車両の第一の位置を算出するGNSSと、
b)デジタルマップ及び第一の位置をデジタルマップの一つの車道を適合させることにより車両の第二の位置を算出する計算ユニットと、
c)デジタルマップで位置を照合することが可能な、車両の周囲の少なくとも一つの物体を特定する手段と、
d)車両のセンサを用いて、車両と各物体の間の実際の距離を検出するセンサと、
を備え、
この計算ユニットが、更に、第二の位置と各物体の間の算出距離を計算するように構成され、
この算出距離と実際の距離の偏差を最小化することによって、車両の修正位置を算出することが可能である、
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の位置を修正する方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術では、例えば、GPSなどの地球航法衛星システム(これ以降、Global Navigation Satellite Systemの略称GNSSと称する)によって、車両を測位するか、或いは車両の位置を計測して、その車両位置をデジタルマップと組み合わせることが知られている。そのために、車両の位置をデジタルマップ内の妥当な位置と一致させている。
【0003】
しかし、このGNSS測位によって、最大で1mの測位精度が実現されている。この精度は、車道上における車線規模の精度の測位には十分ではない。更に、この周知の方法の精度は、マップデータの品質に決定的に依存している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以上のことから、本発明の課題は、より精密に車両位置を検出することが可能な方法又はシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本課題は、本発明の第一の観点において、請求項1による方法を用いて解決される。有利な実施構成は、明らかに明細書の対象と関連付けられる従属請求項の対象である。
【0006】
本発明では、自車の位置を計測する地球航法衛星システムGNSSによる車両の位置を修正する方法を提案し、この方法は、
a)このGNSSを用いて、車両の第一の位置を算出する工程と、
b)この第一の位置をデジタルマップの一つの車道に適合させることによって、車両の第二の位置を算出する工程と、
c)デジタルマップ内で位置を照合することが可能な、車両の周囲の少なくとも一つの物体を特定する工程と、
d)車両のセンサを用いて、車両と各物体の間の実際の距離を検出する工程と、
e)第二の位置と各物体の間の算出距離を計算する工程と、
を有し、
この算出距離と実際の距離の偏差を最小化することによって、車両の修正位置を算出する。
【0007】
本発明は、一方において、既存のマップデータに追加して、車両位置を検出するための追加の照合点として、周囲の少なくとも一つの物体、有利には、二つ又は三つの物体を使用するとの基本的な考えに基づいている。本発明の別の主要な考えは、二つのデータ画像を互いに比較することである。本発明では、車両の第一の実際の位置画像を車両の仮想的な位置画像と比較することを提案する。「位置画像」との用語は、異なる位置、特に、車両の位置と一つ物体又は複数の物体の位置に関する情報であると理解する。実際の位置画像は、車両内に存在する手段を用いた測定から組み立てられる。それらは、例えば、GNSSや、車両に取り付けられた別のセンサ又はデータ受信機である。この仮想的な位置画像は、受信又は計算されたデジタルデータから組み立てられる。位置画像の主な構成要素は、車両位置と物体の間の距離である。これらの距離を使用する利点は、位置画像をベクトルにより定義することが可能であり、それにより、データの取り扱いが著しく簡単になることである。
【0008】
車両のより近い周囲に位置する物体を取り入れることは、本方法に有利であり、その結果、観察領域が一つの面内に有ると仮定することができる。
【0009】
「デジタルマップ」とは、特に、車道の位置と、場合によっては、サイズが記録された車道マップであると理解する。更に、デジタルマップは、マップ照合システム内の物体の位置と、場合によっては、サイズも有する。物体は、交通設備、建物、停留所、車道の特異な起伏又はその同等物とすることができる。
【0010】
本発明による方法の有利な実施構成では、算出距離と実際の距離の偏差が最小化されるように、デジタルマップが繰り返しずらされる。これは、デジタルマップが必ずしもより精密なデータを持たず、デジタルマップに基づく車両位置の一方的な修正が本発明の目的に適わないとの仮定に基づいている。しかし、それに代わって、前記の定義した距離の間の偏差がより小さくなるように、算出した第一の位置を繰り返しずらすことも考えられる。
【0011】
本発明による方法の有利な実施構成では、デジタルマップをずらすことが、少なくとも一回の並進的なずらしと回転的なずらしから構成される。そのようにして、最小の偏差を実現するために、特に精密に速くマップを適合させることが可能となる。
【0012】
本発明による方法の有利な実施構成では、この偏差の最小化は、最小二乗法(Least−Square Method)により計算される。この方法は、特に実用的であることが分かっている。この方法は、人がマップ又は位置をずらすことに関係無く適用することができる。
【0013】
本発明による方法の有利な実施構成では、複数の物体、特に、2〜3個の物体が検出される。特に、2〜3個の物体を用いて、車両の位置を小さい負担で十分により高い精度で修正することができる。
【0014】
有利な実施構成では、本発明による方法は、更に、
修正位置を車道の妥当な走行車線に適合させることによる、修正位置の第二の修正を実施する工程、
を有する。この前記の最後の工程によって、マップにおける第一の適合を必ずしも車線に忠実に行なう必要が無くなり、更に、マップをずらすことによって、走行車線に基づく第一の方向付けを再び省くことができるので、車両位置のより精密な修正を保証することができる。
【0015】
一つの有利な実施構成では、本発明による方法は、更に、
デジタルマップにおいて、車道上のの一つの点、特に、車道の妥当な走行車線に対する第一の位置の最短距離を算出する工程と、
第二の位置を算出するために、この点に第一の位置を適合させる工程と、
を有する。そのようにして、デジタルマップにおける第一の位置の特に速い適合が可能となる。それに対応する手法により、前記の実施構成の後者の工程に基づく走行車線への適合を行なうこともできる。
【0016】
本発明による方法の有利な実施構成では、実際の距離の検出は、カメラセンサ機器、レーダセンサ機器、ライダセンサ機器、超音波センサ機器、温度センサ機器、雨センサ機器、車道状態センサ機器、及びシャーシセンサ機器の中の一つ以上から成る外界センサ機器を用いて行なわれる。「シャーシセンサ機器」とは、例えば、車輪回転数センサ、加速度センサ、ヨーレイトセンサ又はその同等物であると理解する。
【0017】
本発明による方法の有利な実施構成では、第一の位置の検出が、更に、複数のセンサを用いて行なわれる。そのようにして、第一の位置の出来る限り高い精度が達成される。更に、そのようにして、衛星信号の誤差の有る品質又は悪い品質を等しくすることができる。
【0018】
本発明による方法の有利な実施構成では、第一の位置の検出が、更に、センサデータを組み合わせて、その妥当性を調べるセンサ統合ユニットを用いて行なわれる。「センサ統合ユニット」とは、例えば、特に、社内で「M2XPro」との名称で呼ばれ、商品化もされている出願人のユニットであると理解する。そのようにして、第一の位置の特に高い精度が達成される。
【0019】
本発明による方法の有利な実施構成では、物体の位置は、車両−2−X通信を用いて伝送される。そのようにして、物体の位置を示すための代替えのデータ源又は追加のデータ源を開拓することができる。
【0020】
一つの有利な実施構成では、本発明による方法は、各物体の位置を修正して、各物体の修正位置をマップサーバに伝送することを有する。そのようにして、マップ素材の漸進的な改良と、それと共に実際の位置画像と仮想的な位置画像の間の偏差の縮小とを達成することができる。
【0021】
本発明による方法の有利な実施構成では、デジタルマップは、マップサーバから取り出される。
【0022】
一つの有利な実施構成では、本発明による方法は、更に、
デジタルマップのタイムスタンプを調べて、そのデジタルマップが、最も新しいバージョンである場合に、そのデジタルマップを選択する工程、
を有する。そのようにして、実際の位置画像と仮想的な位置画像の間の不必要な偏差を事前に回避するために、常に最も新しいバージョンのデジタルマップを使用することを保証している。
【0023】
更に、本発明の第二の観点において、本発明は、
a)車両の第一の位置を算出するGNSSと、
b)デジタルマップ及び第一の位置をデジタルマップの一つの車道に適合させることにより車両の第二の位置を算出する計算ユニットと、
c)デジタルマップで位置を照合することが可能な、車両の周囲の少なくとも一つの物体を特定する手段と、
d)車両のセンサを用いて、車両と各物体の間の実際の距離を検出するセンサと、
を備え、この計算ユニットが、更に、第二の位置と各物体の間の算出距離を計算するように構成され、この算出距離と実際の距離の偏差を最小化することによって、車両の修正位置を算出することが可能である、自車の位置を計測する地球航法衛星システムGNSSによる車両の位置を修正するシステムを用いて解決される。
【0024】
本システムは、更に、本システムを用いて、前述した実施構成による方法を実施できるように構成される。
【0025】
以下において、実施例及び図面に基づき、本発明を詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1a】一つの実施例に基づく本発明による方法の工程毎の模式図
【
図1b】一つの実施例に基づく本発明による方法の工程毎の模式図
【
図1c】一つの実施例に基づく本発明による方法の工程毎の模式図
【
図1d】一つの実施例に基づく本発明による方法の工程毎の模式図
【
図1e】一つの実施例に基づく本発明による方法の工程毎の模式図
【
図1f】一つの実施例に基づく本発明による方法の工程毎の模式図
【
図2】実現可能なアプリケーション事例に関する本発明によるシステムの機能アーキテクチャの第一の構成例の図
【
図3】本発明によるシステムの機能アーキテクチャの第二の構成例の図
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1aは、本発明による方法の初期状況を図示している。以下では、仮想的な位置画像に属する位置を丸で表示し、実際の位置画像に属する位置を四角で表示する。
【0028】
第一の工程で、第一の位置1を実際に算出する。そのために、車両は、自車の位置を計測するために、GPSやGlonassなどの地球航法衛星システムGNSSを備えており、それにより、車両の第一の位置1を算出する。それ以外に、車両は、車道Sの位置、推移及び幅を保存したデジタルマップKを備えている。更に、このマップは、二つの物体L1,L2又は地標を有し、それらの位置がマップに保存されている。第一の測定位置1とデジタルマップKの間には、偏差が有り、それによると、車両は車道からずれて存在する。この事態が、第二の工程で事前に修正される。
【0029】
第二の工程では、
図1bに図示されている通り、デジタルマップKの車道内への第一の位置1の適合によって、車両の第二の位置2が算出される。そのために、有利には、第一の位置と車道上の一つの点又は車道の妥当な走行車線の最短距離を算出して、その点に第一の位置を適合させ、そのようにして、第二の位置を算出する。それにより、第一の位置誤差ΔX_Mが得られる。
【0030】
第三の工程では、
図1cと1dから分かる通り、二つのプロセスが実施されて、それらから、実際の位置画像と仮想的な位置画像が作成される。第三の工程の出発点は、車両の周囲の少なくとも一つの物体、この例では、二つの物体L1,L2を特定することであり、その位置は、デジタルマップ内において照合可能であり、車両を用いて検出することも可能である。
【0031】
図1cでは、先ずは、如何にして仮想的な位置画像を作成するのかが図示されている。物体L1,L2が特定された後、第二の位置と各物体の間の相対的な距離ΔX2L1及びΔX2L2が算出され、符号X2で第二の位置が表され、符号L1又はL2で第一又は第二の物体の位置が表される。
【0032】
図1dでは、如何にして実際の位置画像を作成するのかが図示されている。車両のセンサを用いて、車両又はその位置と各物体又はその各位置の間の実際の相対的な距離が算出される。単純にするために、図面では、異なる符号を付与するために、例えば、_realなどの別の添え字を使用できる場合でも、そのために、実際の位置画像における物体の位置をL1及びL2を用いても表示している。
【0033】
ここでは、それが如何なる物体であるのかに応じて、例えば、カメラセンサ機器、レーダセンサ機器、ライダセンサ機器、超音波センサ機器、温度センサ機器、雨センサ機器、車道状態センサ機器、及びシャーシセンサ機器の中の一つ以上から成る外界センサ機器などの様々なセンサを用いることができる。例えば、物体が部分舗装箇所である場合、物体との距離を検出するために、加速度センサ、車輪回転数センサ及び操舵角センサを用いることができる。それに対応して、別の視覚的に容易に検出可能な物体との相対的な実際の距離は、カメラセンサ機器を用いて検出することができる。
【0034】
本発明では、絶対的な位置ではなく、車両位置と各物体L1,L2の間の相対的な距離を検出して、それらから、物体L1,L2の位置を求めているので、実際の位置画像では、物体L1,L2の絶対的な位置は不要である。しかし、そのような物体の絶対的な位置は、デジタルマップとは別のソースから分かるので、そのような位置を使用して、相対的な距離ΔX4L1及びΔX4L2に基づく車両位置の更なる事前修正を計算することができ、それから、
図1dに図示されている通りの位置4が得られる。それ以外の場合、相対的な距離は、ΔX1L1及びΔX1L2と呼ばれる、物体L1,L2と第一の位置1の間に生じる距離と一致する。
【0035】
図1dでは、更に、偏差ΔL_iを見ることができ、iは、要するに添え字1又は2を表し、実際の位置画像と仮想的な位置画像の位置L1の間の相互距離の偏差である。本発明では、この偏差が、距離の差から算出される、即ち、物体L1に関して、偏差が、次の式から得られる。
ΔL_1=ΔX2L1−ΔX4L2
第二の物体又は全ての照合される物体に関しても、これに対応する手法により、偏差が算出される。
【0036】
ここで、第四の工程では、車両の修正位置が算出される。そのために、算出された距離と実際の距離の最小偏差が算出される。そのために、特に有利には、最小二乗法を使用する、即ち、以下の値が得られるまで、位置の変化を繰り返し探索する。
Min(Σ(ΔL_i)
2)
ここで、i>1である。
【0037】
そのために、特に有利には、算出された距離と実際の距離の偏差が最小化されるように、デジタルマップが繰り返しずらされる。
図1eでは、この工程が例示して図示されており、ずらされたマップが破線で図示されている。デジタルマップは、最小偏差が得られるまで、第二の位置2と物体L1,L2の位置と共に繰り返しずらされる。この場合、デジタルマップをずらすことは、少なくとも一回の並進的なずらしと回転的なずらしから構成される。
図1eに図示されている通りの実施例の場合、それは行程ΔX_Tだけの並進的なずらしと回転的なずらしΦ_Tである。このようなずらしから、
図1eに図示されている通り、改善された修正位置5が得られる。第二の位置誤差が、
図1eにおいてΔX_Sとして表示されており、並進誤差と回転誤差から構成される。
【0038】
最後に、第五の工程で、修正位置を車道の妥当な走行車線に適合させることによる修正位置を再度修正する第二の修正を実施することによって、本方法を一層改善することができる。そのために、有利には、デジタルマップに適合するように最後の修正位置がずらされ、その結果、その位置が正しい車線内に有る、即ち、車線方向に適合する。そして、車両の修正位置が、この最後に修正された位置6となる。しかし、それに代わって、この工程を省略することもできる。その場合、前記の位置5が修正位置となる。この最後の工程も、並進誤差と回転誤差から成る位置誤差ΔX_Lを含む可能性が有る。
【0039】
従って、位置の全体的な誤差又は位置の修正値は、三つの位置誤差ΔX_M、ΔX_S及びΔX_Lから構成される、即ち、マップ適合誤差、マップシフト誤差及び車線適合誤差から、次の式の通りとなる。
ΔX_Total=ΔX_M+ΔX_S+ΔX_L
【0040】
本発明による方法は、上述した例から、更に、複数の車両センサを用いて、特に、センサデータを組み合わせて、その妥当性を調べるセンサ統合ユニットM2XProを用いて、第一の位置を算出することによって改善することができる。そのようなセンサ統合ユニットM2XProが
図3に図示されており、GNSSユニットと一緒に一つのシステムユニットを構成することができる。
【0041】
図2と3には、本発明による車両システムの実施例が二つの異なる詳細レベルで図示されている。
【0042】
図2では、車両システムが一つのシステムレベルにおいて図示されている。それはシステム100を図示しており、
図2では、システム境界が破線で表示されている。このシステム100は、特に、バックエンドサーバ210、例えば、マップサーバと接続されており、それを介して、最新のデータをデジタルマップに取り込むことが可能である。そのサーバは、(システム100の構成要素である)車両の内部サーバ110と接続されている。更に、このシステム100は、少なくとも一つの衛星220と接続されている。
【0043】
このシステム100は、特に、内部サーバ110、衛星220及び複数のセンサ130と繋がった位置・測位モジュール120を備えている。この位置・測位モジュール120の詳細図が
図3に図示されており、それに基づき更に詳しく説明する。この位置・測位モジュール120は、アプリケーション層140に位置する複数のアプリケーションと接続されて、それらのアプリケーションに修正位置5又は6を提供する。
【0044】
図3には、位置・測位モジュール120の詳細図が図示されている。それは、GNSSユニットとセンサ統合ユニットから構成される測位モジュール121を有し、それによって、車両の第一の位置1を算出することが可能である。これは、GNSS衛星と複数のセンサ130と繋がっている。
【0045】
更に、位置・測位モジュール120は、第一の位置をデジタルマップに適合させるユニット122を有する。別のユニット123は、物体を検知して、その妥当性を調べる役割を果たす。第三のユニット124は、デジタルマップの向きを調整して、修正位置を妥当な走行車線に適合させる役割を果たす。
【0046】
この車両システム100は、特に、V2X又はC2Xモジュールとセンサの間の接続部125を用いて図示されている通り、車両−2−X通信を用いて、物体に関するデータを受信することが可能である。
【0047】
更に、このシステムは、デジタルマップ用の物体の修正位置又は修正データをマップサーバに伝送することが可能である。これは、そのためにアップロードユニットとダウンロードユニット111,112を備えた内部サーバ110を介して行なわれる。そのようにして、マップサーバからデジタルマップを取り込んで、デジタルマップのタイムスタンプを用いて、そのマップを検査し、別のデジタルマップがより新しいバージョンを有する場合、そのマップを破棄することが可能である。
【0048】
[別の有利な実施提案]
(提案1)
地球航法衛星システムを用いて、第一の位置を計測し、この第一の位置をデジタルマップに適合させ、デジタルマップに記録された物体に対して相対的な第二の位置を決定する、位置計測を改善する方法において、この第二の位置を用いて、第一の位置を修正することを特徴とする方法。
【0049】
(提案2)
提案1に基づく方法において、第二の位置を用いた第一の位置の修正が、繰り返し適合の枠組みで、特に、所謂最小二乗法の枠組みで行なわれることを特徴とする方法。
【0050】
(提案3)
提案1と2のいずれか一つに基づく方法において、第二の位置が外界センサ機器を用いて計測されることを特徴とする方法。
【0051】
(提案4)
提案1から3までのいずれか一つに基づく方法において、外界センサ機器がカメラセンサ機器、レーダセンサ機器、ライダセンサ機器、超音波センサ機器、温度センサ機器、雨センサ機器及び車道状態センサ機器の中の一つ以上から構成されることを特徴とする方法。
【0052】
(提案5)
提案1から4までのいずれか一つに基づく方法において、第三の位置が慣性センサ機器を用いて複合航法の枠組みで決定されることを特徴とする方法。
【0053】
(提案6)
提案1から5までのいずれか一つに基づく方法において、慣性センサ機器が三次元回転速度と三次元加速度を検出することを特徴とする方法。
【0054】
(提案7)
提案1から6までのいずれか一つに基づく方法において、第一の位置が、前記に追加して、或いは前記に代わって、第三の位置を用いて修正されることを特徴とする方法。
【0055】
(提案8)
提案1から7までのいずれか一つに基づく方法において、第四の位置が操舵角センサ機器と車輪回転数センサ機器を用いて計測されることを特徴とする方法。
【0056】
(提案9)
提案1から8までのいずれか一つに基づく方法において、第一の位置が、前記に追加して、或いは前記に代わって、第四の位置を用いて修正されることを特徴とする方法。
【0057】
(提案10)
提案1から9までのいずれか一つに基づく方法において、地球航法衛星システムがGPSシステム、Glonasシステム又はGlileoシステムであることを特徴とする方法。
【0058】
(提案11)
地球航法衛星システム、外界センサ、操舵角センサ機器、車輪回転数センサ機器及び慣性センサ機器を備えた、位置計測を改善するシステムにおいて、このシステムが、提案1から10までのいずれか一つに基づく方法を実施するように構成されることを特徴とするシステム。
【0059】
(提案12)
提案11に基づくシステムを車両に、特に、自動車に使用する方法。
【0060】
[提案1〜12に関する注釈]
従って、本発明では、有利には、従来技術の通り、先ずは、GNSSの車両位置をデジタルマップにマッピングすることを提案する。
【0061】
しかし、特に有利には、このマップは、更に、固定位置の物体、所謂、「地標」を有する。
【0062】
このマップの全てのデータは、有利には、グローバル照合座標システム、例えば、WGS(世界測地系 1984)のデータフォーマットと照合される。
【0063】
ここで、有利には、マップにおいて、GNSSの車両位置を最も妥当な位置と一致させて、最も近くに有る照合される地標に対する相対的な距離(ΔX
1L
i)を計算する。
【0064】
有利には、校正された外界センサ(例えば、カメラ、レーダ、ライダ等)を用いて、車両から離れた固定された物体を検出して、その物体の車両に対する相対的な距離(ΔX
2L
i)を測定する。これらの距離は、比較的正確である。
【0065】
ここで、現実に対するマップの位置誤差はΔL
i=ΔX
1L
i−ΔX
2L
iである。そこで、現実におけるマップの最良位置決定を得るとともに、マップから有効な車線位置を算出するために、有利には、ΔL
iに関する最小値が得られるまで、車両位置と共にマップをずらして回転させる。これは、特に有利には、所謂「最小二乗法」によりMIN(ΔL
i2)を計算することができる。最後に、車両位置を外界センサの原点と一致させる。
【0066】
外界センサを用いた実際の測定は、通常車両の周囲の固定された物体に対するcm規模の精度での位置測定を可能とする。同じ地標情報を用いてジオレファレンスされた地図に適合させることによって、車線規模の精度の対応付けを行なうことができる。
【0067】
次に、残留誤差ΔL
i−min=(ΔX
1L
i)
*−(ΔX
2L
i)(
*は地図の地標を外界センサ機器による地標に適合させた後を意味する)は、有利には、マップに取り込まれており、そのため、マップ素材が最適化されている。
【0068】
同様に有利には、マップに未だ記録されていない地標をマップに挿入することができる。
【0069】
有利には、これらのマップは、固定サーバに保存されており、好適な無線伝送により自動車に送信される。
【0070】
このGNSSにより既知の車両位置によって、有利には、所定の地域と関連するデータだけが伝送され、そのようにして、データ量を限定することができる。
【0071】
複数のフィードバックを分析することによって、フィードバックされる「残留不一致」を統計的に評価する手法は、このサーバに基づくマップ管理の別の利点である。異常値は、送信車両側の誤差を表す。
【0072】
例えば、交通ルールが多くの場合車線と関連付けられているか、或いは関連する車線に関するより精密な軌道プランを計算しなければならないので、このようなマップにおける車線規模の精度での位置測定は、特に、自動運転時に必要である。同様に、自車の走行方向に関してCar2Xを用いて受信する情報との関連を決定することができる。