【実施例】
【0054】
本発明を以下の例によってさらに具体的に説明する。
【0055】
例1
(1)キャリア付銅箔の作製
図1に示されるように、キャリア12としてのガラスシート上に密着金属層13、剥離補助層14、剥離層16、及び極薄銅層18をこの順に成膜してキャリア付銅箔10を作製した。具体的な手順は以下のとおりである。なお、以下の例において言及される算術平均粗さRaはJIS B 0601−2001に準拠して非接触表面形状測定機(Zygo株式会社製NewView5032)で測定された値である。
【0056】
(1a)キャリアの準備
算術平均粗さRa0.5nmの表面を有する厚さ700μmのガラスシート(材質:無アルカリガラス、製品名:OA10、日本電気硝子社製)を用意した。
【0057】
キャリア12の端面をステンレス製プレートでマスキングした状態とし、下記のとおりスパッタリングよる各種層の形成を行った。
【0058】
(1b)密着金属層の形成
キャリア12の表面に、密着金属層13として厚さ100nmのチタン層を以下の装置及び条件でスパッタリングにより形成した。
‐ 装置:枚葉式マグネロトンスパッタリング装置(トッキ株式会社製)
‐ ターゲット:直径8インチ(203.2mm)のTiターゲット(純度99.999%)
‐ 到達真空度Pu:1×10
−4Pa未満
‐ キャリアガス:Ar(流量:100sccm)
‐ スパッタリング圧:0.35Pa
‐ スパッタリング電力:2000W(6.2W/cm
2)
‐ 成膜時温度:40℃
【0059】
(1c)剥離補助層の形成
密着金属層13の上に、剥離補助層14として厚さ100nmの銅層を以下の装置及び条件でスパッタリングにより形成した。
‐ 装置:枚葉式DCスパッタリング装置(キャノントッキ株式会社製、MLS464)
‐ ターゲット:直径8インチ(203.2mm)の銅ターゲット(純度99.98%)
‐ 到達真空度Pu:1×10
−4Pa未満
‐ ガス:アルゴンガス(流量:100sccm)
‐ スパッタリング圧:0.35Pa
‐ スパッタリング電力:2000W(6.2W/cm
2)
‐ 成膜時温度:40℃
【0060】
(1d)剥離層の形成
剥離補助層14の上に、剥離層16として厚さ3nmのアモルファスカーボン層を以下の装置及び条件でスパッタリングにより形成した。
‐ 装置:枚葉式DCスパッタリング装置(キャノントッキ株式会社製、MLS464)
‐ ターゲット:直径8インチ(203.2mm)の炭素ターゲット(純度99.999%)
‐ 到達真空度Pu:1×10
−4Pa未満
‐ キャリアガス:Ar(流量:100sccm)
‐ スパッタリング圧:0.35Pa
‐ スパッタリング電力:100W(0.3W/cm
2)
‐ 成膜時温度:40℃
【0061】
(1e)反射防止層の形成
剥離層16の表面に、反射防止層17として厚さ100nmのニッケル層を以下の装置及び条件でスパッタリングにより形成した。
‐ 装置:枚葉式DCスパッタリング装置(キャノントッキ株式会社製、MLS464)
‐ ターゲット:直径8インチ(203.2mm)、厚さ1mmのNiターゲット(Ni:100重量%)
‐ 到達真空度Pu:1×10
−4Pa未満
‐ キャリアガス:Ar(流量:100sccm)
‐ スパッタリング圧:12Pa
‐ スパッタリング電力:2000W(6.2W/cm
2)
‐ 成膜時温度:40℃
【0062】
(1f)極薄銅層の形成
反射防止層17の上に、膜厚300nmの極薄銅層18を以下の装置及び条件でスパッタリングにより形成した。得られた極薄銅層18の剥離層16と反対側の表面(すなわち外側表面)の算術平均粗さ(Ra)は3nmであった。
‐ 装置:枚葉式DCスパッタリング装置(キャノントッキ株式会社製、MLS464)
‐ ターゲット:直径8インチ(203.2mm)の銅ターゲット(純度99.98%)
‐ 到達真空度Pu:1×10
−4Pa未満
‐ キャリアガス:Ar(流量:100sccm)
‐ スパッタリング圧:0.35Pa
‐ スパッタリング電力:2000W(6.2W/cm
2)
‐ 成膜時温度:40℃
【0063】
(1g)組成分析及び投影面積円相当径の測定
組成分析等のためのサンプルとして、上記で得られたキャリア付銅箔の密着金属層13、剥離補助層14、剥離層16及び反射防止層17の製造条件と同様の製造条件により、ガラスシート上に密着金属層13のみを形成したサンプルと、ガラスシート上に剥離補助層14のみを形成したサンプルと、ガラスシート上に剥離層16のみを形成したサンプルと、ガラスシート上に反射防止層17のみを形成したサンプルとを別個に作製した。各々のサンプルに対して組成分析を以下のとおり行うことで各層の組成を把握した。
【0064】
<密着金属層、剥離補助層及び反射防止層の組成分析>
密着金属層13、剥離補助層14、及び反射防止層17に対し、表面分析用のモニタリングサンプルを作成し、TOF−SIMS(飛行時間型二次イオン質量分析法)により元素分析を行った。この測定は定電流モードにより800V−3mAの条件で行った。その結果、密着金属層13、剥離補助層14及び反射防止層17の組成はそれぞれ以下のとおりであった。
密着金属層13:Ti:92.5原子%、O:7.5原子%
剥離補助層14:Cu:99原子%、O:1原子%
反射防止層17:Ni:99.6原子%、O:0.4原子%
【0065】
<剥離層の組成分析>
剥離層16(すなわち炭素層)に対して、XPSにより元素分析を行い、炭素濃度を測定した。その結果、剥離層16の炭素濃度は93原子%(C+O=100%)であった。
【0066】
<反射防止層表面の表面形状及び投影面積円相当径の測定>
反射防止層17を形成した直後のサンプルを抜き取り、反射防止層17の表面を走査型電子顕微鏡により50000倍で撮影してSEM画像を得た。得られたSEM像を二値化画像した画像解析によって表面形状を特定し、粒子状の表面について2μm×1μmの任意の視野範囲内の粒子について投影面積円相当径の平均値を求めた。この画像解析には、画像解析式粒度分布ソフトウェア(Mountech Co.,Ltd.社製、Mac−VIEW)を用いた。測定は任意の50個以上の粒子を対象とし、個々の粒子について投影面積円相当径を測定し、その相加平均値を算出した。結果は表2に示されるとおりであった。
【0067】
例2〜5
反射防止層17としてニッケル層の代わりにチタン層を以下のようにして形成した作製したこと以外は、例1と同様にして、キャリア付銅箔の作製及び評価を行った。結果は表2に示されるとおりであった。なお、極薄銅層18の剥離層16と反対側の表面の算術平均粗さRaは3.7nmであった。反射防止層17以外の各層の組成は例1と概ね同様であった。反射防止層17の組成はTi:85原子%、O:15原子%(例2)、Ti:91原子%、O:9原子%(例3)、Ti:90原子%、O:10原子%(例4)、Ti:87原子%、O:13原子%(例5)であった。
【0068】
(チタン層の形成)
剥離層16の表面に、反射防止層17として厚さ100nmのチタン層を以下の装置及び条件でスパッタリングにより形成した。
‐ 装置:枚葉式DCスパッタリング装置(キャノントッキ株式会社製、MLS464)
‐ ターゲット:直径8インチ(203.2mm)のチタンターゲット(純度99.999%)
‐ キャリアガス:Ar(流量:100sccm)
‐ 到達真空度Pu:1×10
−4Pa未満
‐ スパッタリング圧:12Pa(例2及び4)、4Pa(例3)又は0.5Pa(例5)
‐ スパッタリング電力:2000W(6.2W/cm
2)(例2)又は1000W(3.1W)(例3〜5)
【0069】
例6
反射防止層17としてニッケル層の代わりにクロム層を以下のようにして形成した作製したこと以外は、例1と同様にして、キャリア付銅箔の作製及び評価を行った。結果は表2に示されるとおりであった。なお、極薄銅層18の剥離層16と反対側の表面の算術平均粗さRaは3.5nmであった。反射防止層17以外の各層の組成は例1と概ね同様であった。反射防止層17の組成はCr:98原子%、O:2原子%であった。
【0070】
(クロム層の形成)
剥離層16の表面に、反射防止層17として厚さ100nmのクロム層を以下の装置及び条件でスパッタリングにより形成した。
‐ 装置:枚葉式DCスパッタリング装置(キャノントッキ株式会社製、MLS464)
‐ ターゲット:直径8インチ(203.2mm)、厚さ6mmのCrターゲット(Cr:99.9)
‐ キャリアガス:Ar(流量:100sccm)
‐ 到達真空度Pu:1×10
−4Pa未満
‐ スパッタリング圧:12Pa
‐ スパッタリング電力:2000W(6.2W/cm
2)
【0071】
例7
反射防止層17としてニッケル層の代わりにタングステン層を以下のようにして形成した作製したこと以外は、例1と同様にして、キャリア付銅箔の作製及び評価を行った。結果は表2に示されるとおりであった。なお、極薄銅層18の剥離層16と反対側の表面の算術平均粗さRaは3.1nmであった。反射防止層17以外の各層の組成は例1と概ね同様であった。反射防止層17の組成はW:99原子%、O:1原子%であった。
【0072】
(タングステン層の形成)
剥離層16の表面に、反射防止層17として厚さ100nmのタングステン層を以下の装置及び条件でスパッタリングにより形成した。
‐ 装置:枚葉式DCスパッタリング装置(キャノントッキ株式会社製、MLS464)
‐ ターゲット:直径8インチ(203.2mm)、厚さ4mmのWターゲット(W:99.9重量%)
‐ キャリアガス:Ar(流量:100sccm)
‐ 到達真空度Pu:1×10
−4Pa未満
‐ スパッタリング圧:4Pa
‐ スパッタリング電力:2000W(6.2W/cm
2)
【0073】
例8
反射防止層17としてニッケル層の代わりにタンタル層を以下のようにして形成した作製したこと以外は、例1と同様にして、キャリア付銅箔の作製及び評価を行った。結果は表2に示されるとおりであった。なお、極薄銅層18の剥離層16と反対側の表面の算術平均粗さRaは3.2nmであった。反射防止層17以外の各層の組成は例1と概ね同様であった。反射防止層17の組成はTa:99原子%、O:1原子%であった。
【0074】
(タンタル層の形成)
剥離層16の表面に、反射防止層17として厚さ100nmのタンタル層を以下の装置及び条件でスパッタリングにより形成した。
‐ 装置:枚葉式DCスパッタリング装置(キャノントッキ株式会社製、MLS464)
‐ ターゲット:直径8インチ(203.2mm)、厚さ4mmのTaターゲット(Ta:99.99%)
‐ キャリアガス:Ar(流量:100sccm)
‐ 到達真空度Pu:1×10
−4Pa未満
‐ スパッタリング圧:4Pa
‐ スパッタリング電力:2000W(6.2W/cm
2)
【0075】
例9
反射防止層17としてニッケル層の代わりにモリブデン層を以下のようにして形成した作製したこと以外は、例1と同様にして、キャリア付銅箔の作製及び評価を行った。結果は表2に示されるとおりであった。なお、極薄銅層18の剥離層16と反対側の表面の算術平均粗さRaは3.0nmであった。反射防止層17以外の各層の組成は例1と概ね同様であった。反射防止層17の組成はMo:99.1原子%、O:0.9原子%であった。
【0076】
(モリブデン層の形成)
剥離層16の表面に、反射防止層17として厚さ100nmのモリブデン層を以下の装置及び条件でスパッタリングにより形成した。
‐ 装置:枚葉式DCスパッタリング装置(キャノントッキ株式会社製、MLS464)
‐ ターゲット:直径8インチ(203.2mm)、厚さ6mmのMoターゲット(Mo:99.99%)
‐ キャリアガス:Ar(流量:100sccm)
‐ 到達真空度Pu:1×10
−4Pa未満
‐ スパッタリング圧:4Pa
‐ スパッタリング電力:2000W(6.2W/cm
2)
【0077】
例10(比較)
反射防止層17であるニッケル層の代わりにアルミニウム層を以下のようにして形成した作製したこと以外は、例1と同様にして、キャリア付銅箔の作製及び評価を行った。結果は表2に示されるとおりであった。なお、極薄銅層18の剥離層16と反対側の表面の算術平均粗さRaは5.1nmであった。反射防止層17以外の各層の組成は例1と概ね同様であった。反射防止層17の組成はAl:99.4原子%、O:0.6原子%であった。
【0078】
(アルミニウム層の形成)
剥離層16の表面に、反射防止層17として厚さ100nmのアルミニウム層を以下の装置及び条件でスパッタリングにより形成した。
‐ 装置:枚葉式DCスパッタリング装置(キャノントッキ株式会社製、MLS464)
‐ ターゲット:直径8インチ(203.2mm)、厚さ8mmのAlターゲット(Al:99.999%)
‐ キャリアガス:Ar(流量:100sccm)
‐ 到達真空度Pu:1×10
−4Pa未満
‐ スパッタリング圧:12Pa
‐ スパッタリング電力:1000W(3.1W/cm
2)
【0079】
例11(比較)
反射防止層17であるニッケル層の代わりに銀層を以下のようにして形成した作製したこと以外は、例1と同様にして、キャリア付銅箔の作製及び評価を行った。結果は表2に示されるとおりであった。なお、極薄銅層18の剥離層16と反対側の表面の算術平均粗さRaは8.5nmであった。反射防止層17以外の各層の組成は例1と概ね同様であった。反射防止層17の組成はAg:99.8原子%、O:0.2原子%であった。
【0080】
(銀層の形成)
剥離層16の表面に、反射防止層17として厚さ100nmの銀層を以下の装置及び条件でスパッタリングにより形成した。
‐ 装置:枚葉式DCスパッタリング装置(キャノントッキ株式会社製、MLS464)
‐ ターゲット:直径8インチ(203.2mm)、厚さ8mmのAgターゲット(Ag:99.9%)
‐ キャリアガス:Ar(流量:100sccm)
‐ 到達真空度Pu:1×10
−4Pa未満
‐ スパッタリング圧:12Pa
‐ スパッタリング電力:1000W(3.1W/cm
2)
【0081】
例12(比較)
反射防止層17であるニッケル層を以下のようにして形成して(粒子状ではなく)膜状の表面形状としたこと以外は、例1と同様にして、キャリア付銅箔の作製及び評価を行った。結果は表2に示されるとおりであった。なお、極薄銅層18の剥離層16と反対側の表面の算術平均粗さRaは2.7nmであった。反射防止層17以外の各層の組成は例1と概ね同様であった。反射防止層17の組成はNi:99.5原子%、O:0.5原子%であった。
【0082】
(ニッケル層の形成)
剥離層16の表面に、反射防止層17として厚さ100nmのNi層を以下の装置及び条件でスパッタリングにより形成した。
‐ 装置:枚葉式DCスパッタリング装置(キャノントッキ株式会社製、MLS464)
‐ ターゲット:直径8インチ(203.2mm)、厚さ1mmのNiターゲットNi:100重量%)
‐ キャリアガス:Ar(流量:100sccm)
‐ 到達真空度Pu:1×10
−4Pa未満
‐ スパッタリング圧:0.08Pa
‐ スパッタリング電力:1000W(3.1W/cm
2)
【0083】
例13(比較)
反射防止層17であるチタン層を以下のようにして形成して(粒子状ではなく)膜状の表面形状としたこと以外は、例1と同様にして、キャリア付銅箔の作製及び評価を行った。結果は表2に示されるとおりであった。なお、極薄銅層18の剥離層16と反対側の表面の算術平均粗さRaは2.7nmであった。反射防止層17以外の各層の組成は例1と概ね同様であった。反射防止層17の組成はTi:92原子%、O:8原子%であった。
【0084】
(チタン層の形成)
剥離層16の表面に、反射防止層17として厚さ100nmのTi層を以下の装置及び条件でスパッタリングにより形成した。
‐ 装置:枚葉式DCスパッタリング装置(キャノントッキ株式会社製、MLS464)
‐ ターゲット:直径8インチ(203.2mm)のTiターゲット(純度99.999%)
‐ キャリアガス:Ar(流量:100sccm)
‐ 到達真空度Pu:1×10
−4Pa未満
‐ スパッタリング圧:0.05Pa
‐ スパッタリング電力:1000W(3.1W/cm
2)
【0085】
例14〜18
i)密着金属層13、剥離補助層14、反射防止層17及び極薄銅層18の形成をキャリア12の端面にマスキングを施さずに行ったこと、及びii)剥離層16の形成をステンレス鋼製プレートを用いたマスキングを施して行い、端面における剥離層16の厚さ(端面厚)を変化させたこと以外は、例2と同様にしてキャリア付銅箔の作製を行った。その結果、キャリア12の端面における各層の厚さ(端面厚)は下記のとおりとなった。
‐ 密着金属層13:チタン層(端面厚:35nm)
‐ 剥離補助層14:銅層(端面厚:35nm)
‐ 剥離層16:炭素層(表3に示される各種端面厚)
‐ 反射防止層17:チタン層(端面厚:38nm)
‐ 極薄銅層18:銅層(端面厚:100nm)
【0086】
各種評価
例1〜18のキャリア付銅箔について、以下に示されるとおり、各種評価を行った。評価結果は表2A、2B及び3に示されるとおりであった。
【0087】
<現像液に対する耐剥離性>
各キャリア付銅箔の極薄銅層の表面を0.05mol/Lの希硫酸で処理して表面の酸化膜の除去を行い、その後、水洗及び乾燥を行った。その後、極薄銅層の表面に感光性ドライフィルムを貼り付け、ライン/スペース(L/S)=5μm/5μmのパターンを与えるように露光及び現像を行った。現像は、現像液として1.0重量%炭酸ナトリウム水溶液を用いて、25℃で2分間、シャワー方式により行った。現像後における極薄銅層とキャリアとの間の層間界面(特に剥離層と密着金属層の間)への現像液の浸入による極薄銅層の剥離の有無ないし程度を評価した。得られた評価結果を以下の基準で格付けした。
評価A:極薄銅層の剥離が無かった。
評価B:極薄銅層が直径50μm以下のサイズで剥離した。
評価C:極薄銅層が直径50μmよりも大きなサイズで剥離した。
【0088】
<極薄銅層フラッシュエッチング時の反射防止膜の耐薬品性>
上記現像後の配線層付コアレス支持体(パターン形成された配線間に極薄銅層が露出した状態のもの)を硫酸−過酸化水素混合液を含むエッチング液に23℃で5分間、シャワー圧力0.1MPaにて浸漬することにより銅フラッシュエッチングを行った。こうして、パターン形成された配線間に露出した極薄銅層を除去した。フラッシュエッチング後の配線層付コアレス支持体を観察することにより反射防止層の耐薬品性を評価した。得られた評価結果を以下の基準で格付けした。
評価A:反射防止層が消失することなく残留していた。
評価B:反射防止層が一部消失した。
評価C:反射防止層が全面に渡って消失し、配線の一部が浮き上がった。
【0089】
なお、上記評価において、例10のサンプルは、極薄銅層フラッシュエッチング時に反射防止膜が消失したため、以下に続く表面光沢度の評価及びAOI視認性の評価の実施を断念した。
【0090】
<極薄銅層フラッシュエッチング後の反射防止層の表面光沢度Gs(60°)>
例1〜9及び11〜13について、上記銅フラッシュエッチング後のコアレス支持体表面であって、反射防止層が露出した箇所(配線パターンが存在しない箇所)に対して光沢度計(日本電色工業株式会社製、PG−1M)を用い、JIS Z 8741(1997)(鏡面光沢度−測定方法)に準拠して角度60°の光沢度を測定した。
【0091】
<配線のAOI視認性>
例1〜9及び11〜13について、配線パターンの視認性を以下の手順により評価した。光源として635nmの赤色LEDを備えた、光学式自動外観検査(AOI)装置(大日本スクリーン製造社製、製品名:PI9500)を用意した。上記銅フラッシュエッチング後の配線層付コアレス支持体の配線層側の表面をスキャンして輝度ヒストグラムを作成し、スペースと配線を識別可能とする閾値を設けた。この閾値の値は、輝度ヒストグラムのスペース(間隙部)由来のピークP
Sとライン(配線部)由来のピークP
Lの間において、それぞれのピーク末端間(間隙部に相当するピークの終端と配線部に相当するピークの開始点の間)の中央値とした。この閾値を基づいて配線パターンが形成された回路表面をスキャンしてラインとスペースを識別して、設計データとのパターンマッチングを行い、以下の4段階の基準により格付け評価した。
‐評価AA:設計どおりに非常に正確にライン/スペース像(以下、L/S像)が得られたもの
‐評価A:概ね正確にL/S像が得られたもの、
‐評価B:許容可能な程度にL/S像が得られたもの、
‐評価C:ライン及びスペースの識別が困難であったもの
【0092】
配線パターンの視認性が良好であった例2について、配線パターンの光学式自動外観検査(AOI)装置にてスキャンして二値化した。こうして得られた二値化画像を
図5に示す。
【0093】
<コアレス支持体端部における皮膜欠けの評価>
上記得られた配線パターン付のコアレス支持体に対して、コアレス支持体端部における剥離層上の皮膜(すなわち極薄銅層及び反射防止層)の欠けの最大幅(mm)を測定し、以下の基準に従って格付けした。結果は表2B及び3に示されるとおりであった。
‐評価AA:0.1mm未満(最良)
‐評価A:0.1mm以上1mm未満(良)
‐評価B:1mm以上2mm未満(許容可能)
‐評価C:2mm以上(不可)
【0094】
<薬液侵入幅の評価>
上記得られた配線パターン付のコアレス支持体に対して、100mm×100mmのサイズのプリプレグ(パナソニック社製FR−4、厚さ200μm)を積層してプリプレグを硬化させ、プリント配線板を作製した。得られたプリント配線板に対して過マンガン酸ナトリウム溶液を用いたデスミア処理を行い、薬液侵入量を示す指標として薬剤侵入幅(mm)を測定した。
【0095】
このデスミア処理は、ローム・アンド・ハース電子材料株式会社の以下に示される処理液を用いて、以下の各処理を順に行うことにより実施した。
[膨潤処理]
‐ 処理液:サーキュポジットMLBコンディショナー211‐120mL/L及び
サーキュポジットZ‐100mL/L
‐ 処理条件::75℃で5分間浸漬
[過マンガン酸処理]
‐ 処理液:サーキュポジットMLBプロモーター213A‐110mL/L、及び
サーキュポジットMLBプロモーター213B‐150mL/L
‐ 処理条件:80℃で5分間浸漬
[中和処理]
‐ 処理液:サーキュポジットMLBニュートラライザー216−2‐200mL/L
‐ 処理条件:45℃で5分間浸漬
【0096】
測定された薬液侵入幅(mm)を以下の基準に従って格付けした。結果は表2B及び3に示されるとおりであった。
‐評価AA:0.1mm未満(最良)
‐評価A:0.1mm以上0.5mm未満(良)
‐評価B:0.5mm以上2mm未満(許容可能)
‐評価C:2mm以上(不可)
【0097】
【表2A】
【0098】
【表2B】
【0099】
【表3】