特許第6204021号(P6204021)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6204021
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】車載器
(51)【国際特許分類】
   H04B 1/3822 20150101AFI20170914BHJP
   H04B 1/401 20150101ALI20170914BHJP
   H04B 1/04 20060101ALI20170914BHJP
   H04W 4/04 20090101ALI20170914BHJP
   H04W 52/28 20090101ALI20170914BHJP
【FI】
   H04B1/3822
   H04B1/401
   H04B1/04 E
   H04W4/04 111
   H04W4/04 113
   H04W52/28
【請求項の数】4
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-13656(P2013-13656)
(22)【出願日】2013年1月28日
(65)【公開番号】特開2014-146934(P2014-146934A)
(43)【公開日】2014年8月14日
【審査請求日】2016年1月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】309036221
【氏名又は名称】三菱重工メカトロシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100102864
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 実
(74)【代理人】
【識別番号】100117617
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 圭策
(74)【代理人】
【識別番号】100196003
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 太郎
(73)【特許権者】
【識別番号】000166247
【氏名又は名称】古野電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100102864
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 実
(72)【発明者】
【氏名】永田 剛志
(72)【発明者】
【氏名】竹内 久治
(72)【発明者】
【氏名】早川 祥史
(72)【発明者】
【氏名】加藤 聖樹
【審査官】 佐藤 敬介
(56)【参考文献】
【文献】 特許第4999989(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 1/3822
H04B 1/04
H04B 1/401
H04W 4/04
H04W 52/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信相手に送信信号を送信する無線送信部と、
前記通信相手から受信信号を受信する無線受信部と、
前記受信信号に含まれる制御情報に応じて、前記無線送信部の送信出力及び前記無線受信部の受信感度を含む通信特性を、可変に制御する通信特性制御部と
を備え
前記通信相手が第1通信相手の場合の無線通信範囲は、前記通信相手が第2通信相手の場合の無線通信範囲よりも広く、
前記通信相手が前記第1通信相手の場合、前記通信特性制御部は、前記第1通信相手から受信する前記制御情報に応じて、前記送信出力を第1送信出力に設定し、且つ、前記受信感度を第1受信感度に設定し、
前記通信相手が前記第2通信相手の場合、前記通信特性制御部は、前記第2通信相手から受信する前記制御情報に応じて、前記送信出力を前記第1送信出力より小さい第2送信出力に設定し、且つ、前記受信感度を前記第1受信感度より低い第2受信感度に設定し、
前記通信特性の初期状態において、前記通信特性制御部は、前記送信出力を前記第1送信出力に設定し、且つ、前記受信感度を前記第1受信感度に設定し、
前記第2通信相手との通信処理が終了した場合、前記通信特性制御部は、前記通信特性を前記初期状態に戻す
車載器。
【請求項2】
請求項に記載の車載器であって、
前記第1通信相手は、他の車両であり、
前記第2通信相手は、路側システムである
車載器。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の車載器であって、
前記制御情報は、利用可能なサービスの種別を示すサービス情報を含んでおり、
前記通信特性制御部は、前記サービス種別と前記通信特性との対応関係を示す対応表を有しており、
前記制御情報を受信した際、前記通信特性制御部は、前記対応表から、前記受信した制御情報に含まれる前記サービス情報で示される前記サービス種別に対応した前記通信特性を抽出し設定する
車載器。
【請求項4】
請求項に記載の車載器であって、
前記通信特性制御部は、前記対応表の最新情報を示す更新情報を受け取り、前記受け取った更新情報に従って前記対応表を更新する
車載器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載器に関する。特に、本発明は、無線通信を行う車載器に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信を行う車載器が知られている。例えば、自動料金収受システムに対応した車載器は、路側に設置された路側機との間で無線通信を行い、自動料金収受に必要なデータ処理を行う。
【0003】
そのような車用の無線通信に関して、狭域通信(DSRC:Dedicated Short Range Communications)システムが知られている。DSRCシステムでは、ASK(Amplitude Shift Keying)変調方式とπ/4シフトQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)変調方式の2種類の変調方式が使用される。このようなDSRCシステムに関連する技術として、次のものが知られている。
【0004】
特許文献1は、DSRCシステムにおける無線局を開示している。この無線局は、上記2種類の変調方式による送信信号の電力増幅回路を共用している。更に、この無線局は、使用する変調方式に応じて、送信出力電力の大きさを切り替える。
【0005】
特許文献2は、DSRC車載器の受信機を開示している。この受信機は、受信波の変調方式が上記2種類の変調方式のいずれであるかを判断し、認識された変調方式に応じて増幅器の利得を切り替える。
【0006】
特許文献3は、DSRC車載器を開示している。このDSRC車載器は、路上機との通信エリアでの受信感度を、車両の車種情報に応じて設定する受信感度設定手段を備える。この受信感度設定手段は、車両の車種による受信電界強度の違いを、受信感度により補償する。
【0007】
特許文献4は、DSRC車載器を開示している。このDSRC車載器は、路上機に対する通信開始エリア内への進入に応答して、路上機との通信エリアでの受信感度を増大させる受信感度増大手段を備える。この受信感度増大手段は、路上機との間の通信終了に応答して、受信感度を、通信開始エリアへの進入前の通常受信感度に復帰させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−335959号公報
【特許文献2】特開2007−281890号公報
【特許文献3】特開2001−308740号公報
【特許文献4】特開2001−273534号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
このように、車載器に情報サービスを提供するための通信方法があるが、車載器を介して受けることができるサービスは、今後増えていくことが予想される。その場合、車載器が無線通信を行う通信相手は路側機だけに限られず、様々な形態が予想される。本発明の目的は、そのような複数種類のサービスを利用可能な多目的車載器による無線通信に関して、電波干渉や混信の発生を防止する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以下に、[発明を実施するための最良の形態]で使用される番号・符号を用いて、[課題を解決するための手段]を説明する。これらの番号・符号は、[特許請求の範囲]の記載と[発明を実施するための最良の形態]との対応関係を明らかにするために括弧付きで付加されたものである。ただし、それらの番号・符号を、[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0011】
本発明の1つの観点において、車載器(1)が提供される。その車載器(1)は、通信相手に送信信号(DT)を送信する無線送信部(110)と、通信相手から受信信号(DR)を受信する無線受信部(120)と、通信特性制御部(140)と、を備える。通信特性制御部(140)は、受信信号(DR)に含まれる制御情報(CON)に応じて、無線送信部(110)の送信出力及び無線受信部(120)の受信感度を含む通信特性を、可変に制御する。
【0012】
例えば、通信相手が第1通信相手の場合の無線通信範囲は、通信相手が第2通信相手の場合の無線通信範囲よりも広いとする。通信相手が第1通信相手の場合、通信特性制御部(140)は、第1通信相手から受信する制御情報(CON)に応じて、送信出力を第1送信出力に設定し、且つ、受信感度を第1受信感度に設定する。一方、通信相手が第2通信相手の場合、通信特性制御部(140)は、第2通信相手から受信する制御情報(CON)に応じて、送信出力を第1送信出力より小さい第2送信出力に設定し、且つ、受信感度を第1受信感度より低い第2受信感度に設定する。
【0013】
通信特性の初期状態において、通信特性制御部(140)は、送信出力を第1送信出力に設定し、且つ、受信感度を第1受信感度に設定してもよい。第2通信相手との通信処理が終了した場合、通信特性制御部(140)は、通信特性を初期状態に戻してもよい。
【0014】
例えば、第1通信相手は、他の車両であり、第2通信相手は、路側システムである。
【0015】
制御情報(CON)は、サービス種別を示すサービス情報を含んでいてもよい。また、通信特性制御部(140)は、サービス種別と通信特性との対応関係を示す対応表(141)を有していてもよい。制御情報(CON)を受信した際、通信特性制御部(140)は、その対応表(141)を参照して、通信特性を、受信した制御情報(CON)に含まれるサービス情報で示されるサービス種別に対応したものに設定する。
【0016】
通信特性制御部(140)は、対応表(141)の最新情報を示す更新情報(UPD)を受け取り、受け取った更新情報(UPD)に従って対応表(141)を更新する。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、複数種類のサービスを利用可能な多目的車載器による無線通信において、電波干渉や混信の発生を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、本発明の実施の形態に係る車載器が行う通信処理の例を示すテーブルである。
図2図2は、本発明の実施の形態に係る車載器が行う通信処理の例を示す概念図である。
図3図3は、本発明の実施の形態に係る車載器の構成を概略的に示すブロック図である。
図4図4は、本発明の実施の形態に係る車載器の無線通信部の構成を示すブロック図である。
図5図5は、本発明の実施の形態に係る車載器の動作を要約的に示すフローチャートである。
図6図6は、本発明の実施の形態の変形例を説明するための概念図である。
図7図7は、変形例に係る車載器の構成を概略的に示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
添付図面を参照して、本発明の実施の形態に係る車載器を説明する。
【0020】
1.車載器が行う通信処理の例
本実施の形態に係る車載器は、無線通信を介して複数種類のサービスを利用可能な多目的車載器であり、それら複数種類のサービスのそれぞれに適した無線通信処理を行う。まず、図1及び図2を参照して、本実施の形態に係る車載器が行う無線通信処理の例を説明する。例として、次の3種類の無線通信処理を考える。
【0021】
第1通信処理では、車両−車両間通信が行われる。つまり、第1通信処理の場合の通信相手は、他の車両である。この第1通信処理により利用可能なサービスとしては、車両間でのメッセージ通信や、緊急車両接近の情報の提供などが挙げられる。この第1通信処理の場合に要求される無線通信範囲は、比較的広い(無線通信距離=〜1km)。
【0022】
第2通信処理では、車両−路側間通信が行われる。つまり、第2通信処理の場合の通信相手は、路側システムである。この第2通信処理により利用可能なサービスとしては、課金ポイントにおける課金処理や、交通情報の提供などが挙げられる。課金処理としては、高速道路における料金徴収や、都市部における乗り入れ制限のための道路課金などが考えられる。この第2通信処理の場合に要求される無線通信範囲は、上記第1通信処理の場合よりも狭い(無線通信距離=〜10m)。
【0023】
第3通信処理でも、車両−路側間通信が行われる。但し、第3通信処理の場合に要求される無線通信範囲は、上記第2通信処理の場合よりも更に狭い(無線通信距離=〜5m)。この場合の通信相手として想定される典型例は、駐車場の出入り口に設置される駐車場システム(路側機)である。利用可能なサービスとしては、駐車場における課金処理や入退場管理などが挙げられる。
【0024】
このように、要求される無線通信範囲は、第1〜第3通信処理間で異なっている。具体的には、要求される無線通信範囲は、第1通信処理の場合に最も広く、第3通信処理の場合に最も狭い。そこで、本実施の形態では、要求される無線通信範囲の大きさに応じて、車載器の通信特性が可変制御される。その通信特性としては、送信出力と受信感度が挙げられる。例えば、無線通信範囲が最も広い第1通信処理の場合、送信出力は最大に設定され、受信感度は最高に設定される。一方、無線通信範囲が最も狭い第3通信処理の場合、送信出力は最小に設定され、受信感度は最低に設定される。第2通信処理の場合の送信出力と受信感度は、第1通信処理の場合と第3通信処理の場合の中間に設定される。
【0025】
比較例として、通信特性が第1〜第3通信処理で同一に設定される場合を考える。その場合、少なくとも第1通信処理が実現可能な程度に、送信出力を大きく、また、受信感度を高く設定する必要がある。しかしながら、そのような設定のまま駐車場において第3通信処理が行われると、例えば、隣のレーンの路側機との無線通信が発生する可能性がある。すなわち、電波干渉や混信が発生する可能性がある。また、いたずらに送信出力を大きくすることは、送信電力の無駄な増大を招いてしまう。
【0026】
一方、本実施の形態によれば、車載器の送信出力及び受信感度は、無線通信範囲の大きさに合わせて可変制御される。従って、電波干渉や混信の発生が防止される。また、送信電力の無駄な増大も防止される。
【0027】
尚、本実施の形態に係る車載器は、外部から受け取る制御情報に応じて、送信出力及び受信感度を可変制御する。より詳細には、その制御情報は、第1〜第3通信処理の各々の通信相手から送られてくる。すなわち、本実施の形態に係る車載器は、通信相手から受け取る制御情報に応じて、送信出力及び受信感度を可変制御する。以下、本実施の形態に係る車載器の構成及び動作を詳しく説明する。
【0028】
2.車載器の構成及び処理フロー
図3は、本実施の形態に係る車載器1の構成を概略的に示すブロック図である。車載器1は、制御部10、記憶部20、表示部30、報知部40、及びGPS受信部50を備えている。
【0029】
制御部10は、制御プログラムを実行し、各種演算処理や各部の制御を行う。制御部10としては、CPUやマイクロコンピュータが例示される。
【0030】
記憶部20は、制御部10によって実行される制御プログラムや、地図データ等の各種データを記憶する。記憶部20としては、RAMやHDDが例示される。
【0031】
表示部30は、地図、自車の位置、課金メッセージ等の各種情報を表示する。表示部30としては、液晶表示装置やタッチパネルが例示される。
【0032】
報知部40は、ブザー音やメロディ音を発し、運転者に情報を伝達する。
【0033】
GPS受信部50は、GPS衛星からの電波を受信し、車載器1の位置(緯度及び経度)を測定する。GPS受信部50によって測定された位置情報は、制御部10に送られる。制御部10は、その位置情報に基づき、自車の位置を表示部30に表示させる。
【0034】
更に、本実施の形態に係る車載器1は、無線通信を介して、図1図2で示されたような各種サービスの提供を受けることができる。そのために、車載器1は、無線通信部100及びアンテナ150を更に備えている。無線通信部100は、アンテナ150を介して通信相手と無線通信を行い、上記の第1〜第3通信処理を行う。例えば、無線通信部100は、第1通信処理(車両−車両間通信)により、緊急車両接近情報を受け取る。その緊急車両接近情報は、制御部10に送られる。制御部10は、受け取った緊急車両接近情報に基づき、緊急車両の位置やメッセージを表示部30に表示させる。
【0035】
図4は、本実施の形態に係る無線通信部100の構成を示すブロック図である。無線通信部100は、無線送信部110、無線受信部120、アンテナスイッチ130、及び通信特性制御部140を備えている。
【0036】
無線送信部110は、制御部10から送信すべき信号を受け取る。その信号は、以下、「送信信号DT」と参照される。そして、無線送信部110は、アンテナ150を介して、通信相手に送信信号DTを無線送信する。
【0037】
より詳細には、無線送信部110は、変調回路111、送信アンプ112、及び可変減衰器113を備えている。変調回路111は、制御部10から送信信号DTを受け取り、その送信信号DTの変調を行う。送信アンプ112は、変調後の送信信号DTを受け取り、その送信信号DTの増幅を行う。増幅後の送信信号DTは、可変減衰器113へ送られる。
【0038】
可変減衰器113は、送信信号DTの信号レベルを減衰させる。ここで、その減衰値は、可変に設定可能である。減衰値が小さく設定された場合、送信信号DTの送信出力は大きくなり、減衰値が大きく設定された場合、送信信号DTの送信出力は小さくなる。本実施の形態によれば、可変減衰器113による減衰値は、要求される無線通信範囲の大きさ(すなわち、通信処理の種類)に応じて、可変に設定される。その結果、無線送信部110の送信出力が、通信処理の種類に応じて、可変に設定されることになる。詳細は後述される。
【0039】
可変減衰器113から出力された送信信号DTは、アンテナスイッチ130を介してアンテナ150に送られ、アンテナ150から送信相手に送信される。
【0040】
無線受信部120は、アンテナ150を介して、通信相手から信号を無線受信する。その信号は、以下、「受信信号DR」と参照される。そして、無線受信部120は、受信信号DRを制御部10に送る。
【0041】
より詳細には、無線受信部120は、可変利得アンプ121及び復調回路122を備えている。
【0042】
可変利得アンプ121は、アンテナ150及びアンテナスイッチ130を介して、受信信号DRを受け取る。そして、可変利得アンプ121は、受信信号DRの増幅を行う。ここで、その利得(ゲイン)は、可変に設定可能である。利得が高く設定された場合、受信信号DRの受信感度は高くなり、利得が低く設定された場合、受信信号DRの受信感度は低くなる。本実施の形態によれば、可変利得アンプ121による利得は、要求される無線通信範囲の大きさ(すなわち、通信処理の種類)に応じて、可変に設定される。その結果、無線受信部120の受信感度が、通信処理の種類に応じて、可変に設定されることになる。詳細は後述される。
【0043】
復調回路122は、増幅後の受信信号DRを受け取り、その受信信号DRの復調を行う。復調後の受信信号DRは、制御部10に送られる。受信信号DRには、サービスに関連したサービスデータDATが含まれており、制御部10は、そのサービスデータDATに基づいてサービスに関連する処理を行う。例えば、サービスデータDATが緊急車両接近情報である場合、制御部10は、受け取った緊急車両接近情報に基づき、緊急車両の位置やメッセージを表示部30に表示させる。
【0044】
アンテナスイッチ130は、制御部10から出力されるスイッチ信号SWに応じて、送信信号DTの送信と受信信号DRの受信との切り替えを行う。具体的には、送信期間において、アンテナスイッチ130は、無線送信部110から出力される送信信号DTをアンテナ150に出力する。一方、受信期間において、アンテナスイッチ130は、アンテナ150を通して受け取る受信信号DRを無線受信部120に出力する。
【0045】
通信特性制御部140は、無線通信部100の通信特性を可変に制御するために設けられている。より詳細には、本実施の形態では、通信相手から受信する受信信号DRに、サービスに関連するサービスデータDATだけでなく、通信特性を規定するための「制御情報CON」も含まれている。通信特性制御部140は、無線受信部120の復調回路122からその制御情報CONを受け取る。そして、通信特性制御部140は、その制御情報CONに応じて、無線通信部100の通信特性を可変に制御する。
【0046】
無線通信部100の通信特性としては、無線送信部110の送信出力及び無線受信部120の受信感度が挙げられる。図1及び図2で示されたように、好適な送信出力及び受信感度は、無線通信範囲の大きさ、すなわち、通信処理の種類に応じて異なる。本実施の形態では、それら好適な送信出力及び受信感度は、通信相手から送られてくる制御情報CONに規定されている。従って、通信特性制御部140は、その制御情報CONを参照することによって、送信出力及び受信感度を規定値に設定することができる。尚、無線送信部110の送信出力を調整するには、上述の通り、可変減衰器113による減衰値を調整すればよい。また、無線受信部120の受信感度を調整するには、上述の通り、可変利得アンプ121による利得を調整すればよい。
【0047】
第1通信処理の場合の通信相手は、他の車両である。この場合に要求される無線通信範囲は、比較的広い。他の車両から受信する制御情報CONには、その広い無線通信範囲に適した第1送信出力及び第1受信感度が規定されている。通信特性制御部140は、制御情報CONを参照することによって、無線送信部110の送信出力を第1送信出力に設定し、無線受信部120の受信感度を第1受信感度に設定する。
【0048】
第2通信処理の場合の通信相手は、路側システムである。この場合に要求される無線通信範囲は、第1通信処理の場合より狭い。路側システムから受信する制御情報CONには、その狭い無線通信範囲に適した第2送信出力及び第2受信感度が規定されている。ここで、第2送信出力は第1送信出力より小さく、第2受信感度は第1受信感度より低い。通信特性制御部140は、制御情報CONを参照することによって、無線送信部110の送信出力を第2送信出力に設定し、無線受信部120の受信感度を第2受信感度に設定する。
【0049】
第3通信処理の場合の通信相手は、路側システム(駐車場システム)である。この場合に要求される無線通信範囲は、第2通信処理の場合より更に狭い。路側システム(駐車場システム)から受信する制御情報CONには、その狭い無線通信範囲に適した第3送信出力及び第3受信感度が規定されている。ここで、第3送信出力は第2送信出力より更に小さく、第3受信感度は第2受信感度より更に低い。通信特性制御部140は、制御情報CONを参照することによって、無線送信部110の送信出力を第3送信出力に設定し、無線受信部120の受信感度を第3受信感度に設定する。
【0050】
このように、本実施の形態によれば、サービス毎に要求される無線通信範囲に応じて、無線通信部100の送信出力及び受信感度を柔軟に切り替えることができる。その結果、電波干渉や混信の発生が防止される。また、送信電力の無駄な増大も防止される。
【0051】
また、通信特性制御部140は、制御部10から受け取るリセット信号RSTに応答して、通信特性を初期状態にリセットしてもよい。例えば、初期状態は、第1通信処理の状態である。つまり、初期状態において、通信特性制御部140は、無線送信部110の送信出力を第1送信出力に設定し、無線受信部120の受信感度を第1受信感度に設定する。この場合、初期状態において受信感度が最高になるため、利用可能なサービスを逃さずに検出することができる。
【0052】
通信特性が初期状態に設定された後、路側システムから制御情報CONを受け取った場合を考える。この場合、上述の通り、通信特性制御部140は、無線送信部110の送信出力を第2送信出力に変更し、無線受信部120の受信感度を第2受信感度に変更する。そして、第2送信出力及び第2受信感度で、当該路側システムとの無線通信処理が実施される。当該路側システムとの無線通信処理が終了すると、制御部10は、受信信号DRからそのことを検知する。その場合、制御部10は、リセット信号RSTを通信特性制御部140に出力する。そのリセット信号RSTに応答して、通信特性制御部140は、通信特性を初期状態に戻す。
【0053】
制御部10は、制御情報CONを受信した後、一定時間以内にサービスデータDATを受信できなった場合にも、リセット信号RSTを通信特性制御部140に出力してもよい。その場合も、通信特性は初期状態に戻る。
【0054】
尚、図4では、通信特性制御部140が無線通信部100に含まれているように示されているが、これに限定されない。例えば、通信特性制御部140は、制御部10に含まれていてもよい。その場合、制御部10は、復調回路122から送られる受信信号DRから制御情報CONを抽出し、その制御情報CONを通信特性制御部140に渡す。いずれにせよ、通信特性制御部140が、制御情報CONに応じて通信特性を可変制御することができればよい。
【0055】
図5は、本実施の形態に係る車載器1の動作を要約的に示すフローチャートである。初期状態において、無線送信部110の送信出力は第1送信出力に設定されており、無線受信部120の受信感度は第1受信感度に設定されているとする。これにより、初期状態において受信感度が最高になるため、利用可能なサービスを逃さずに検出することができる。
【0056】
ステップS10:
無線受信部120は、通信相手から制御情報CONを受信する。
【0057】
ステップS20:
通信特性制御部140は、受信した制御情報CONに応じて、無線送信部110の送信出力及び無線受信部120の受信感度を設定する。
【0058】
ステップS30:
無線通信部100は、ステップS20で設定された送信出力及び受信感度で、通信相手との無線通信処理を実施する。制御部10は、通信相手から受信するサービスデータDATに基づいて、サービスに関連する処理を行う。
【0059】
ステップS40:
制御部10は、受信信号DRに基づき、通信相手との無線通信処理が終了したか否か判定する。通信相手との無線通信処理が終了した場合(ステップS40;Yes)、処理はステップS50に進む。
【0060】
ステップS50:
制御部10は、リセット信号RSTを通信特性制御部140に出力する。そのリセット信号RSTに応答して、通信特性制御部140は、無線送信部110の送信出力及び無線受信部120の受信感度を初期化する。
【0061】
尚、制御部10は、制御情報CONを受信した後、一定時間以内にサービスデータDATを受信できなった場合にも、リセット信号RSTを通信特性制御部140に出力してもよい。その場合も、通信特性は初期状態に戻る。
【0062】
3.変形例
図6は、本実施の形態の変形例を説明するための概念図である。本変形例において、通信特性制御部140は、「サービス種別」と「通信特性」との対応関係を示す対応表141を有している。サービス種別とは、車載器1が利用可能なサービスの種別であり、緊急車両接近情報の提供や、課金ポイントにおける課金処理などが挙げられる。サービス種別は、例えば、サービス毎に割り当てられたサービス番号により表される。通信特性は、上述の通り、無線送信部110の送信出力及び無線受信部120の受信感度を含む。
【0063】
本変形例では、通信相手から送られてくる制御情報CONに、所望の送信出力及び受信感度そのものは規定されてない。その代わり、通信相手から送られてくる制御情報CONは、サービス種別を示すサービス情報を含んでいる。通信特性制御部140は、制御情報CONを受信すると、受信した制御情報CONに含まれるサービス情報を参照して、サービス種別を認識する。次に、通信特性制御部140は、対応表141を参照して、認識したサービス種別に対応付けられている通信特性を抽出する。そして、通信特性制御部140は、無線通信部100の通信特性を、対応表141から抽出した通信特性に設定する。つまり、通信特性制御部140は、対応表141を参照して、通信特性を、制御情報CONに含まれるサービス情報で示されるサービス種別に対応したものに設定する。このような構成によっても、上記の実施の形態と同じ作用、効果が得られる。
【0064】
また、本変形例において、通信特性制御部140は、対応表141を適宜更新してもよい。より詳細には、通信特性制御部140は、対応表141の最新情報を示す更新情報UPDを受け取る。そして、通信特性制御部140は、受け取った更新情報UPDに従って、対応表141を更新する。
【0065】
図7は、更新情報UPDを外部から入手するための構成の一例を示している。既出の図3で示された構成と比較して、ネットワーク通信部200とアンテナ250が追加されている。ネットワーク通信部200は、アンテナ250を介して、外部のネットワークに接続し、サーバと無線通信を行う。例えば、ネットワーク通信部200は、携帯電話の通信ネットワークを使用してセンターサーバと通信を行う。そのようなネットワーク通信により、ネットワーク通信部200は、サーバから更新情報UPDを入手する。制御部10は、その更新情報UPDを通信特性制御部140に転送し、対応表141を更新させる。
【0066】
このように対応表141を適宜更新することによって、通信方式の仕様の変更や、未来の通信方式にも柔軟に対応することが可能となる。
【0067】
以上、本発明の実施の形態が添付の図面を参照することにより説明された。但し、本発明は、上述の実施の形態に限定されず、要旨を逸脱しない範囲で当業者により適宜変更され得る。
【符号の説明】
【0068】
1 車載器
10 制御部
20 記憶部
30 表示部
40 報知部
50 GPS受信部
100 無線通信部
110 無線送信部
111 変調回路
112 送信アンプ
113 可変減衰器
120 無線受信部
121 可変利得アンプ
122 復調回路
130 アンテナスイッチ
140 通信特性制御部
141 対応表
150 アンテナ
200 ネットワーク通信部
250 アンテナ
CON 制御情報
DAT サービスデータ
DR 受信信号
DT 送信信号
RST リセット信号
SW スイッチ信号
UPD 更新情報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7