(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
表示パネルの表示ライン毎に複数の信号電極を駆動して表示を行うためのドライバICであって、前記信号電極を駆動するための駆動回路と、一つの表示フレーム期間の中を、表示駆動期間、表示駆動期間に続く非表示駆動期間、及び非表示駆動期間に続き次の表示駆動期間に前置されるダミー駆動期間に分けて前記駆動回路を制御する駆動制御回路とを備え、
前記駆動制御回路は、表示駆動期間において表示ラインを選択とし選択された表示ライン毎に対応する表示データを用いて前記駆動回路に前記複数の信号電極を駆動させ、非表示駆動期間において表示ラインを非選択とし前記駆動回路に信号電極の駆動を停止させ、ダミー駆動期間において前記非表示駆動期間における駆動停止時の表示データから変化されたダミーデータを用いて前記駆動回路に信号電極の駆動を開始させ、
前記駆動制御回路は更に、一つのダミー駆動期間で複数表示ライン分の異なるデータをダミーデータに用いて前記信号電極を複数表示ライン分駆動させると共に、前記非表示駆動期間における駆動停止時の表示データ及びその前の表示データを再帰的に読み出してダミーデータに用いる、ドライバIC。
【発明を実施するための形態】
【0015】
1.実施の形態の概要
先ず、本願において開示される実施の形態について概要を説明する。実施の形態についての概要説明で括弧を付して参照する図面中の参照符号はそれが付された構成要素の概念に含まれるものを例示するに過ぎない。
【0016】
〔1〕<非表示駆動期間から表示駆動期間に移る直前にダミー駆動期間を挿入する>
ドライバIC(4)は、表示パネル(2)の表示ライン毎に複数の信号電極(SL1〜SLj)を駆動して表示を行うためのドライバであって、前記信号電極を駆動するための駆動回路(20)と、一つの表示フレーム期間の中を、表示駆動期間(T1〜T3)、表示駆動期間に続く非表示駆動期間(T3〜T5)、及び非表示駆動期間に続き次の表示駆動期間に前置されるダミー駆動期間(T5〜T7)に分けて前記駆動回路を制御する駆動制御回路(40)とを備える。前記駆動制御回路は、表示駆動期間において表示ラインを選択とし選択された表示ライン毎に対応する表示データを用いて前記駆動回路に前記複数の信号電極を駆動させ、非表示駆動期間において表示ラインを非選択とし前記駆動回路に信号電極の駆動を停止させ、ダミー駆動期間において前記非表示駆動期間における駆動停止時の表示データから変化されたダミーデータを用いて前記駆動回路に信号電極の駆動を開始させる。
【0017】
これによれば、非表示駆動期間から表示駆動期間に移る直前に挿入されたダミー駆動期間により、表示ラインを非選択として駆動停止時の表示データから変化されたダミーデータで信号電極を駆動してから、表示駆動期間に復帰するから、長時間の表示駆動停止から表示に復帰した先頭ラインの表示パネルの負荷電流の変動のピークを低減することでき、非表示駆動から表示駆動に復帰する際の表示パネルの輝度変化を低減することができる。
【0018】
〔2〕<複数表示ライン分のデータをダミーデータに用いる>
項1において、前記駆動制御回路は一つのダミー駆動期間で複数表示ライン分の異なるデータをダミーデータに用いて前記信号電極を複数表示ライン分駆動させる。
【0019】
これによれば、ダミーデータとして表示データ又は特定階調電圧のデータの何れを用いてもよく、複数表示ライン分の異なるデータで前記信号電極が複数表示ライン分駆動されるから、表示駆動停止から表示に復帰するまでの過程で表示パネルの負荷電流を複数回に亘って徐々に変化させることが容易になり、表示駆動停止から表示に復帰した先頭ラインの表示パネルの負荷電流の変動ピークを更に低減することが可能になる。
【0020】
〔3〕<駆動停止時の表示データ及びその前の表示データを再帰的に読み出してダミーデータに用いる>
項2において、前記駆動制御回路は前記非表示駆動期間における駆動停止時の表示データ及びその前の表示データを再帰的に読み出してダミーデータに用いる。
【0021】
これによれば、ダミー駆動期間から表示駆動期間に切り替わる直前で信号電極の駆動状態が前記非表示駆動期間における駆動停止時の状態に対応されるので、表示駆動が再開されたときの表示の連続性と言う点で好ましい。
【0022】
〔4〕<読み出しアドレスの再帰的制御>
項3において、前記駆動制御回路は、表示データを格納する表示RAM(41)と、表示RAMの読み出しアドレスを生成するアドレス生成回路(44)と、前記アドレス生成回路による読み出しアドレスの生成を制御するアドレス制御回路(45)とを有する。前記アドレス制御回路は、表示ラインの切り替え周期である表示ライン周期に同期して表示駆動期間における読み出しアドレスを更新する制御と、表示駆動期間の最後に更新された読み出しアドレスを基点にダミーライン数だけ読み出しアドレスを遡ってダミー駆動期間における読み出しアドレスとして更新する制御とを行う。
【0023】
これによれば、表示駆動期間の最後の読み出しアドレスを基点にこれを遡った読み出しアドレスを再帰的に読み出してダミー駆動期間における読み出しアドレスとして更新する機能をアドレス制御機能に追加しているので、ダミー駆動期間において表示データを再帰的に読み出してダミーデータとするアドレス制御機能を比較的簡単に実現することができる。
【0024】
〔5〕<表示リードアドレスカウンタ停止中にダミーラインカウンタでダミーデータの読み出しアドレスを生成>
項4において、前記アドレス制御回路(45)は、指定された表示ライン周期毎のラインカウントクロック(LINECNT_EN)を表示フレーム単位でアップカウントするラインカウンタ(401)と、指定されたダミーライン周期毎のダミーラインカウントクロック(REWCNT_EN)を初期値からダウンカウントするダミーラインカウンタ(411)と、前記ラインカウンタのカウント値に応じて表示駆動期間、非表示駆動期間、及びダミー駆動期間の状態を制御するステート制御回路(402)とを有する。前記アドレス生成回路は、前記ラインカウントクロックをアップカウントする表示リードアドレスカウンタ(420)を有する。前記ステート制御回路は、表示駆動期間において前記表示リードアドレスカウンタをカウントアップして読み出しアドレスを生成させ、表示駆動期間から非表示駆動期間への遷移に際して表示リードアドレスカウンタのカウント動作を停止し、表示リードアドレスカウンタのカウント動作の停止中にダミーラインカウンタをカウント動作させ、このカウント値を停止中の表示リードアドレスカウンタのカウント値から減算させてダミーデータの読み出しアドレスを生成させる。
【0025】
これによれば、ラインカウンタ、ダミーラインカウンタ、ステート制御回路を採用し、ダミーラインカウンタのカウント値を停止中の表示リードアドレスカウンタのカウント値から減算させてダミーデータの読み出しアドレスを生成するという、比較的規模の小さな回路構成の追加で、表示データを再帰的に読み出してダミーデータとするアドレス制御機能の実現が可能になる。
【0026】
〔6〕<ダミーデータの読み出しアドレス生成用の演算回路とアドレスセレクタ>
項5において、前記アドレス生成回路は更に、表示リードアドレスカウンタのカウント動作の停止中にダミーラインカウントクロックを初期値からダウンカウントして得られたダウンカウント値を表示駆動期間の最後に更新された
表示リードアドレスカウンタのカウント値から減算する減算回路(423)と、表示駆動期間において前記表示リードアドレスカウンタのカウント値を選択し、ダミー駆動期間において前記減算回路の出力を選択して前記読み出しアドレスとするアドレスセレクタ(424)とを有する。
【0027】
これによれば、表示データを再帰的に読み出すアドレス生成機能を
表示リードアドレスカウンタに減算回路とセレクタを追加することで容易に実現することができる。
【0028】
〔7〕<可変可能な表示ライン周期とダミーライン周期>
項6において、プリセット値に応じた周期毎にラインカウントクロックを生成する表示ライン周期カウンタ(400)と、プリセット値に応じた周期毎にダミーラインカウントクロックを生成するダミーライン周期カウンタ(410)と、表示ライン周期カウンタのプリセット値として、表示駆動期間のための表示ライン周期を指定する第1プリセット値(RTN)又は非表示駆動期間及びダミー駆動期間のための表示ライン周期を指定する第2プリセット値(TS_PRD+RTN×3)を選択する第1の周期セレクタ(51)と、ダミー表示ライン周期カウンタのプリセット値として、ダミー駆動期間のためのダミー表示ライン周期を指定する第3プリセット値(RTN)又は非表示駆動期間のためのダミー表示ライン周期を指定する第4プリセット値(TS_PRD)を選択する第2の周期セレクタ(52)とを有する。
【0029】
これによれば、表示パネルの表示ラインの規模(表示ラインの総数)に合わせてラインカウンタのインクリメント周期を決めることが必要になるという前提において、ダミー駆動期間で上記再帰的に表示データを指定するためのリードアドレスを、表示パネルの表示ラインの規模に合わせて生成することが容易になる。
【0030】
〔8〕<ステート制御回路による周期セレクタ制御>
項7において、前記ステート制御回路が前記第1の周期セレクタ及び第2の周期セレクタの選択制御を行う。
【0031】
これによれば、表示駆動期間、非表示駆動期間及びダミー駆動期間に応じたセレクタの選択制御が容易になる。
【0032】
〔9〕<プリセット値の設定容易性>
項8において、前記非表示駆動期間及びダミー駆動期間のための表示ライン周期は、前記非表示駆動期間のためのダミー表示ライン周期(TS_PRD)とダミー駆動期間のためのダミー表示ライン周期(RTN)の整数倍の周期との和に等しくされ、前記第1プリセット値(RTN)と前記第3プリセット値(RTN)は同じ値である。
【0033】
これによれば、プリセット値相互間での整合性を保ちながらプリセット値の設定を容易に行うことが可能になる。
【0034】
〔10〕<プリセット値可変のレジスタ回路>
項9において、前記第1プリセット値乃至第4プリセット値を決定するための制御データが書き換え可能に設定されるレジスタ回路(60)を有する。
【0035】
これによれば、プリセット値の設定が可変になる。
【0036】
〔11〕<表示、非表示、及びダミー夫々の駆動期間可変のレジスタ回路>
項5において、前記表示駆動期間、非表示駆動期間、及びダミー駆動期間を前記ラインカウンタのカウント値で指定するための制御データが書き換え可能に設定されるレジスタ回路(60)を有する。
【0037】
これによれば、表示駆動期間、非表示駆動期間及びダミー駆動期間の設定が可変になる。
【0038】
〔12〕<非表示駆動期間から表示駆動期間に移る直前にダミー駆動期間を挿入する>
ドライバIC(4)は、表示パネルの表示ライン毎に複数の信号電極を駆動して表示を行うための表示ドライバ(10)と、前記表示ドライバによる非表示駆動期間にタッチパネルを駆動してタッチ検出を行なうことが可能なタッチパネルコントローラ(11)とを有する。前記表示ドライバは、前記信号電極を駆動するための駆動回路(20)と、一つの表示フレーム期間の中を、表示駆動期間(T1〜T3)、表示駆動期間に続く非表示駆動期間(T3〜T5)、及び非表示駆動期間に続き次の表示駆動期間に前置されるダミー駆動期間(T5〜T7)に分けて前記駆動回路を制御する駆動制御回路(40)とを備える。前記駆動制御回路は、表示駆動期間において表示ラインを選択とし選択された表示ライン毎に対応する表示データを用いて前記駆動回路に前記複数の信号電極を駆動させ、非表示駆動期間において表示ラインを非選択とし前記駆動回路に信号電極の駆動を停止させ、ダミー駆動期間において前記非表示駆動期間における駆動停止時の表示データから変化されたダミーデータを用いて前記駆動回路に複数の信号電極の駆動を開始させる。
【0039】
これによれば、項1と同様に、非表示駆動から表示駆動に復帰する際の表示パネルの輝度変化を低減することができる。
【0040】
〔13〕<読み出しアドレスの再帰的制御>
項12において、前記駆動制御回路は、表示データを格納する表示RAM(41)と、表示RAMの読み出しアドレスを生成するアドレス生成回路(44)と、前記アドレス生成回路による読み出しアドレスの生成を制御するアドレス制御回路(45)とを有する。前記アドレス制御回路は、表示ラインの切り替え周期である表示ライン周期に同期して表示駆動期間における読み出しアドレスを更新する制御と、表示駆動期間の最後に更新された読み出しアドレス及びその前の読み出しアドレスを再帰的に読み出してダミー駆動期間における読み出しアドレスとして更新する制御とを行う。
【0041】
これによれば、表示駆動期間の最後の読み出しアドレスを基点にダミーライン数だけ読み出しアドレスを再帰的に読み出してダミー駆動期間における読み出しアドレスとして更新する機能をアドレス制御機能に追加しているので、ダミー駆動期間において表示データを再帰的に読み出してダミーデータとするアドレス制御機能を比較的簡単に実現することができる。
【0042】
〔14〕<表示リードアドレスカウンタ停止中にダミーラインカウンタでダミーデータの読み出しアドレスを生成>
項13において、前記アドレス制御回路は、指定された表示ライン周期毎のラインカウントクロック(LINECNT_EN)を表示フレーム単位でアップカウントするラインカウンタ(401)と、指定されたダミーライン周期毎のダミーラインカウントクロック(REWCNT_EN)を初期値からダウンカウントするダミーラインカウンタ(47)と、前記ラインカウンタのカウント値に応じて表示駆動期間、非表示駆動期間、及びダミー駆動期間の状態を制御するステート制御回路(402)とを有する。前記アドレス生成回路は、前記ラインカウントクロックをアップカウントする表示リードアドレスカウンタ(420)を有する。前記ステート制御回路は、表示駆動期間において前記表示リードアドレスカウンタをカウントアップして読み出しアドレスを生成させ、表示駆動期間から非表示駆動期間への遷移に際して表示リードアドレスカウンタのカウント動作を停止し、表示リードアドレスカウンタのカウント動作の停止中にダミーラインカウンタをカウント動作させ、このカウント値を停止中の表示リードアドレスカウンタのカウント値から減算させてダミーデータの読み出しアドレスを生成させる。
【0043】
これによれば、ラインカウンタ、ダミーラインカウンタ、ステート制御回路を採用し、ダミーラインカウンタのカウント値を停止中の表示リードアドレスカウンタのカウント値から減算させてダミーデータの読み出しアドレスを生成するという、比較的規模の小さな回路構成の追加で、表示データを再帰的に読み出してダミーデータとするアドレス制御機能の実現が可能になる。
【0044】
〔15〕<ラインカウンタのカウント値に基づいて表示、非表示及びダミーの各駆動期間を決定>
項14において、前記ステート制御回路はラインカウンタのカウント値を参照データと比較することによって前記表示駆動期間、非表示駆動期間、及びダミー駆動期間を決定する。
【0045】
これによれば、参照値によって表示駆動期間、非表示駆動期間及びダミー駆動期間を容易に決定することができる。
【0046】
〔16〕<表示、非表示、及びダミーの各駆動期間可変のレジスタ回路>
項15において、前記表示駆動期間、非表示駆動期間、及びダミー駆動期間を決定するための参照データが書き換え可能に設定されるレジスタ回路(60)を有する。
【0047】
これによれば、表示駆動期間、非表示駆動期間及びダミー駆動期間の設定が可変になる。
【0048】
〔17〕<ダミーデータの読み出しアドレス生成用の演算回路とアドレスセレクタ>
項14において、前記アドレス生成回路は更に、表示リードアドレスカウンタのカウント動作の停止中にダミーラインカウントクロックを初期値からダウンカウントして得られたダウンカウント値を表示駆動期間の最後に更新された
表示リードアドレスカウンタのカウント値から減算する減算回路(423)と、表示駆動期間において前記表示リードアドレスカウンタのカウント値を選択し、ダミー駆動期間において前記減算回路の出力を選択して前記読み出しアドレスとするアドレスセレクタ(424)とを有する。
【0049】
これによれば、表示データを再帰的に読み出すアドレス生成機能を
表示リードアドレスカウンタに減算回路とセレクタを追加することで容易に実現することができる。
【0050】
〔18〕<可変可能な表示ライン周期とダミーライン周期>
項17において、プリセット値に応じた周期毎にラインカウントクロックを生成する表示ライン周期カウンタ(400)と、プリセット値に応じた周期毎にダミーラインカウントクロックを生成するダミーライン周期カウンタ(410)と、表示ライン周期カウンタのプリセット値として、表示駆動期間のための表示ライン周期を指定する第1プリセット値又は非表示駆動期間及びダミー駆動期間のための表示ライン周期を指定する第2プリセット値を選択する第1の周期セレクタ(51)と、ダミー表示ライン周期カウンタのプリセット値として、ダミー駆動期間のためのダミー表示ライン周期を指定する第3プリセット値又は非表示駆動期間のためのダミー表示ライン周期を指定する第4プリセット値を選択する第2の周期セレクタ(52)とを有する。前記ステート制御回路は前記第1の周期セレクタ及び第2の周期セレクタの選択制御を行う。
【0051】
これによれば、表示パネルの表示ラインの規模(表示ラインの総数)に合わせてラインカウンタのインクリメント周期を決めることが必要になるという前提において、ダミー駆動期間で上記再帰的に表示データを指定するためのリードアドレスを、表示パネルの表示ラインの規模に合わせて生成することが容易になる。そして、表示駆動期間、非表示駆動期間及びダミー駆動期間に応じたセレクタの選択制御が容易になる。
【0052】
〔19〕<プリセット値の設定容易性>
項18において、前記非表示駆動期間及びダミー駆動期間のための表示ライン周期は、前記非表示駆動期間のためのダミー表示ライン周期とダミー駆動期間のためのダミー表示ライン周期の整数倍の周期との和に等しくされ、前記第1プリセット値と前記第3プリセット値は同じ値にセットされる。
【0053】
これによれば、プリセット値相互間での整合性を保ちながらプリセット値の設定を容易に行うことが可能になる。
【0054】
2.実施の形態の詳細
実施の形態について更に詳述する。
【0055】
《表示装置》
図2にはパネルモジュール1とこれを駆動するドライバIC4を備えた表示装置が例示される。パネルモジュール1は表示パネルの一例である液晶表示パネル2にタッチパネル3が組み込まれた所謂インセル形態で構成され、例えばガラス基板上にTFTと画素電極をマトリクス状に配置したTFTアレイ基板を有し、その上に、液晶層、画素電極に対するコモン電極層、カラーフィルタ、及びタッチ検出容量、タッチ検出電極、及び表面ガラスなどが積層されて構成される。
図2では便宜上、液晶表示パネル2とタッチパネル3を左右に分離して図示しているが、実際には両者は重ねられている。
【0056】
図2に従えば、液晶表示パネル2は、例えば、交差配置された走査電極GL1〜GLmk(m、kは正の整数)と信号電極SL1〜SLj(jは正の整数)の各交点にTFTと呼ばれる薄膜トランジスタTrが配置され、薄膜トランジスタTrのゲートに対応する走査電極GL1〜GLmk、薄膜トランジスタTrのソースに対応する信号電極SL1〜SLjが設けられ、そして薄膜トランジスタTrのドレインにはコモン電極VCOMとの間にサブピクセルとなる液晶素子及び蓄積コンデンサ(図では液晶素子及び蓄積コンデンサを1個のコンデンサCpxで代表する)が接続されて、各画素が形成される。走査電極GL1〜GLmkの夫々に沿った画素のラインを表示ラインと称する。表示制御では順次走査電極GL1〜GLmkが駆動され、走査電極単位で薄膜トランジスタTrがオン状態にされることで、ソースとドレイン間に電流が流れ、そのとき信号電極SL1〜SLjを介してソースに加えられている各々の信号電圧が液晶素子Cpxに印加されることによって液晶の状態が制御される。
【0057】
タッチパネル3は、静電容量方式とされ、例えば、交差配置された駆動電極TX1〜TXmと検出電極RX1〜RXnの交差位置に多数のタッチ検出容量Ctpがマトリクス状に形成されている。特に制限されないが、
図2ではk本の表示ライン単位でコモン電極をm個に分割し、対応する駆動電極TX1〜TXmと共通化して、パネルモジュール1の薄型化を図っている。駆動電極TX1〜TXmを順次駆動したときタッチ検出容量Ctpを介して検出電極RX1〜RXnに電位変化が現れ、この電位変化を検出電極RX1〜RXn毎に積分することによって検出信号を形成することができる。検出容量の近傍に指があるとその浮遊容量によって検出容量Ctpとの合成容量値が小さくなり、この容量値の変化に応じた検出信号の相違によってタッチと非タッチを区別するようになっている。液晶表示パネル2に重ねられたタッチパネル3を用いることによって、液晶パネル2の画面表示に応じてタッチパネル3で行われるタッチ操作によるタッチ座標からその操作を判別可能になる。
【0058】
ドライバIC4は、液晶表示パネル2に対する表示駆動及びタッチパネル3に対するタッチ駆動検出を行なうコントローラデバイスもしくはドライバデバイスとして機能される。このドライバIC4は上記パネルモジュールのTFT基板にCOG(Chip on Glass)などの形態で実装されている。ドライバIC4は、例えばパネルモジュール1をユーザインタフェースとして搭載するスマートフォンなどの情報端末装置のホストプロセッサ(HSTMCU)5に接続され、ホストプロセッサ5との間で、動作コマンド、表示データ、タッチ検出座標データなどの入出力が行なわれる。
【0059】
ドライバIC4は、特に制限されないが、液晶表示ドライバ(LCDDRV)10、タッチパネルコントローラ(TPC)11、及びサブプロセッサ(SMCU)12を搭載して半導体集積回路化されている。半導体集積回路化されたドライバIC4は、例えば、CMOS集積回路製造技術などによって単結晶シリコンなどの半導体基板に形成されている。特に制限されないが、
図2の例では、走査電極GL1〜GLmkを駆動する回路はゲートドライバIC(GDRV)6として液晶パネル2に搭載される。ドライバIC4は垂直同期信号などにフレーム同期信号に同期して信号電極SL1〜SLjを駆動すると共に、ゲートドライバIC6に走査電極GL1〜GLmkの駆動タイミングなどを与える。ゲートドライバIC6はドライバIC4から与えられたタイミングにしたがって走査電極GL1〜GLmkの駆動を行う。
【0060】
液晶表示ドライバ10は、一つの表示フレーム期間の中を、表示駆動期間、表示駆動期間に続く非表示駆動期間、及び非表示駆動期間に続き次の表示駆動期間に前置されるダミー駆動期間に分けて液晶表示パネル2を制御する。例えば走査電極GL1〜GLmkをk×i(iは正の整数)本単位でm/i個のブロックに分割してm/i個の表示駆動期間に分割し、分割された表示駆動期間毎に対応するブロックのk×i本の走査電極を順番に駆動し、各走査電極の駆動タイミングに合わせて対応する表示ラインの表示データで信号電極SL1〜SLjを駆動する。液晶表示ドライバ10は表示駆動期間に対応するブロックの走査電極に対する駆動タイミングをゲートドライバIC6に与える。また、液晶表示ドライバ10は非表示駆動期間において信号電極SL1〜SLjの駆動を停止し、タッチパネルコントローラ11にタッチ検出動作可能であることを通知する。タッチパネルコントローラ11は非表示駆動期間毎に、駆動電極TX1〜TXmの内の所定範囲を順次駆動してタッチ検出容量Ctpを介して検出電極RX1〜RXnに現れる電位変化を積分することによって検出信号を形成し、取得した検出信号をサブプロセッサ12に与える。ダミー駆動期間ではタッチ検出動作は行われておらず、この期間に液晶表示ドライバ10は次の表示期間で表示を再開する前に、駆動停止中の信号電極SL1〜SLjを予めダミーデータで駆動する。表示の再開直前にダミーデータで信号電極SL1〜SLjを駆動することにより、表示再開したときの表示パネルの負荷電流の変動のピークを低減することでき、非表示駆動から表示駆動に復帰する際の表示パネルの輝度変化を低減することができる。以下その制御機能の詳細について説明する。
【0061】
≪液晶表示ドライバ≫
図1には液晶表示ドライバ10の構成が例示される。
図3には表示ドライバによる動作制御タイミングが例示される。
図3においてカウント値LINECNT及び表示リードアドレスに代表されるカウント値及びアドレス値は0から始まるディジタル値を想定してその値を図示してある。これに対し、転送データTRANSDATA及びゲート出力に付された番号は1から始まる表示ラインを想定してその値を図示してある。
【0062】
表示ドライバ10は、信号電極SL1〜SLjを駆動するためのソース駆動回路20、ゲートドライバIC6にゲート駆動タイミング信号などを供給するゲート駆動回路30、一つの表示フレーム期間を表示駆動期間、非表示駆動期間、及びダミー駆動期間に分割してソース駆動回路20及びゲート駆動回路30を制御する駆動制御回路40、周期制御回路50、そしてレジスタ回路60を有する。
【0063】
フレーム同期信号としての垂直同期信号VSYNCは1フレームの期間を規定し、例えば1フレームは60Hzなどの周期とされる。
図3に例示されるように1フレームの期間はバックポーチ(BP)及びフロントポーチ(FP)を除いて、複数の表示駆動期間(TPLINE)、非表示駆動期間(TS_PRD)、及びダミー駆動期間(SODMY)を含んでいる。各期間は表示ラインのライン周期を単位にホストプロセッサ5によってレジスタ回路60に定義される。レジスタ回路60において、BPはバックポーチの表示ライン数(表示ライン数は表示ラインの数を意味する)、FPはフロントポーチの表示ライン数、RTNは表示ライン周期のカウント数、TPLINEは表示駆動期間の表示ライン数、TP_PRDは非表示駆動期間(タッチ検出期間)の表示ライン数、SODMYはダミー駆動期間の表示ライン数、NLは液晶パネル2全体の表示ライン数を意味し、夫々可変可能に定義される。
【0064】
周期制御回路50は、表示ライン周期のセレクタ51とダミーライン周期のセレクタ52を有する。セレクタ51は例えばRTN又はTS_PRD+RTN×3の値を制御信号TPLINE_PRDの論理値に従って選択し、選択された値が表示ライン周期とされる。制御信号TPLINE_PRDの初期値は論理値0であり、それによって値RTNを初期的に選択する。セレクタ52は例えばRTN又はTS_PRDの値を制御信号REWLINE_PRDの論理値に従って選択し、選択された値がダミーライン周期になる。制御信号REWLINE_PRDの初期値は論理値0であり、それによって値RTNを初期的に選択する。
【0065】
駆動制御回路40は、表示データを格納する表示RAM41、表示RAM41から読み出された表示データを表示ライン単位のような駆動単位で後段に内部転送するデータ転送回路42、データ転送回路から駆動単位の表示データをラッチしてソース駆動回路20に与えるラインラッチ43、表示RAMの読み出しアドレスを生成するアドレス生成回路44、及びアドレス生成回路44による読み出しアドレスの生成を制御するアドレス制御回路45を有する。アドレス制御回路45は例えばタイミングコントローラ46及びダミーライン制御回路47を有する。
【0066】
タイミングコントローラ46は表示ライン周期カウンタ400、ラインカウンタ401及び
ステート制御回路としての表示ステート制御回路402を有する。表示ライン周期カウンタ400は、セレクタ51で選択された表示ライン周期がプリセットされ、プリセット値まで基準クロック信号(図示せず)をラップアラウンドでカウントする毎にラインカウントクロックLINECNT_ENをパルス変化させる。このパルスをラインカウンタ401がカウントすることによって、表示ステート制御回路402はそのラインカウント値LINECNTによって1表示フレーム中における現在の処理タイミング(処理時刻)を表示ライン番号として把握することができる。表示ステート制御回路402はレジスタ回路60に設定されたとBP,FP,TPLINE,TS_PRD,SODMY,NLとラインカウンタ401のラインカウント
値LINECN
Tに基づいて、表示駆動期間、非表示駆動期間、ダミー駆動期間等の夫々に応じた制御信号を生成して内部動作を制御する。ここでは、代表的に制御信号TPLINE_PRD,REWLINE_PRD,REWSEL、表示RAM41の読み出し開始信号RAMREAD_STR、及びラインラッチ43のラッチクロックLATCH_CLKを図示する。
【0067】
ダミーライン制御回路47は、ダミーライン周期カウンタ410、及びダミーラインカウンタ411を有する。ダミーライン周期カウンタ410は、セレクタ52で選択されたダミーライン周期がプリセットされ、プリセット値まで基準クロック信号(図示せず)をラップアラウンドでカウントする毎にダミーラインカウントクロックREWCNT_ENをパルス変化させる。このパルスをダミーラインカウンタ411が初期値(例えば3)からダウンカウントしてダミーラインカウント値REWCNTを生成する。
【0068】
特に制限されないが、制御信号TPLINE_PRDは、
図3に例示されるように、周期RTNで変化するLINECNT_ENをカウントするラインカウンタ401の値LINCNTがBP+TPLINEに達したタイミング(時刻T2)で論理値1に反転され、その後、周期TS_PRD+RTN×3で変化するLINECNT_ENをカウントするラインカウンタ401の値LIN
ECNTが+1インクリメントされたタイミングで論理値0に反転される。また、REWLINE_PRDは
図3に例示されるように、周期RTNで変化するLINECNT_ENをカウントするラインカウンタ401の値LIN
ECNTがBP+TPLINEに達したタイミング(時刻T2)で論理値1に反転され、これに応答してダミーラインカウンタ411が初期値3にプリセットされ、且つ、ダミーライン周期カウンタ410は周期TS_PRDの経過を待ってREWCNT_ENのパルスを発生し(時刻T4))、このタイミングでREWLINE_PRDは論理値0に反転され、今度は周期RTNでパルス変化するREWCNT_ENの変化に同期してダミーラインカウンタ411によるカウント値REWCNTが初期値3からダウウンカウントされる。ダウンカウント動作はTPLINE_PRDの論理値0への反転で終了する。
【0069】
アドレス生成回路44は、前記ラインカウントクロックLINECNT_ENをアップカウントする表示リードアドレスカウンタ420、アドレス演算回路421、及びアドレスデコーダ422を有する。アドレス演算回路421は減算回路423とセレクタ424を有し、制御信号REWSELの論理値0で表示リードアドレスカウンタ420のカウント値RAMCNTを選択し、制御信号REWSELの論理値で表示リードアドレスカウンタ420のカウント値RAMCNTからダミーラインカウンタ411のダウンカウント値REWCNTを減算回路423で減算した値を選択する。セレクタ424で選択された値が表示リードアドレスとされ、これがアドレスデコーダ422でデコードされることにより、それによるデコード信号で表示RAM41から表示データが読み出される。減算回路423は表示リードアドレスカウンタ420のカウント動作の停止中(時刻T2〜T7)にダミーラインカウントクロックREWCNT_ENにより初期値(
図3の例では値3)からダウンカウントして得られたダウンカウント値REWCNTを表示駆動期間の最後に更新された表示リードアドレスカウンタ420のカウント値(
図3の例では値16)から減算する。セレクタ424は表示駆動期間において前記表示リードアドレスカウンタ420のカウント値を選択し、ダミー駆動期間において前記減算回路423の出力を選択して前記読み出しアドレスとする。ここではセレクタ424で選択された減算回路423の出力がダミーデータの一例とされる。
【0070】
図3において、例えば表示駆動期間はT1からT3の間で定義され、非表示駆動期間はT3からT5の間で定義され、ダミー駆動期間はT5からT7の間で定義されている。表示ステート制御回路402による基本的な内部タイミングは下記の如く、
1表示ライン周期=基準クロック周期×RTN、
1フレーム中の非表示駆動期間回数=NL/TPLINE、
1フレーム中のダミー駆動期間回数=(NL/TPLINE)×SODMY、
1フレーム周期=基準クロック周期×RTN×{FP+NL+BP+(NL/TPLINE)×SODMY}+TS_PRD×(NL/TPLINE)、
のように示される。
【0071】
周期制御回路50は、時刻T2からT7の間はLINECNTのライン周期をRTNからTS_PRD×RTN×(SODMY+1)に変更し、ダミーラインカウンタ411のカウント値REWCNTの周期をT2からT4までの期間はTS_PRDに設定することで、非表示駆動期間とダミー駆動期間に必要なダミー表示ラインアドレスを生成する。
【0072】
T5〜T7の期間のダミーライン数はSODMYで可変であり、例えば
図3で例示したダミー駆動を2ラインに設定したいときはSODMYを2に設定する。REWCNTはダミーライン数によって可変である必要があるため、T2においてセットされるREWCNTのプリセット値はSODMY+1で与えられる。REWSELもSODMYで可変であり、例としてREWCNT>0のときに論理値1となるようにするとよい。上記ダミーライン数とはダミーライン周期でダミーデータによるダミー駆動を行う駆動回数に相当し、ここではダミーライン周期はRTNで規定される表示ライン周期に等しくされる。
【0073】
表示リードアドレスカウンタ420によるRAMCNTのインクリメント動作は表示ステート制御回路402によりT3からT7の期間停止される。表示ステート制御回路402から出力される制御信号REWSELがイネーブル(論理値1)にされる時刻T2からT6の期間において、T2からT4の期間は表示リードアドレスはRAMCNT−3、T4からT5はRAMCNT−2、T5からT6はRAMCNT−1、T6からT7はRAMCNT−0になる。
【0074】
ラインラッチ43は表示データを1乃至数表示ライン分保持する。
図3において非表示期間の時刻T3からT5の期間ではラインラッチ43による新たな表示データのラッチ動作は停止され、ダミー駆動期間の時刻T5からT7の期間に表示ステート制御回路402で生成される制御信号LATCH_CLKによって再帰的に表示RAM41から取得された表示データがラッチされる。
【0075】
ソース駆動回路20は、ラインラッチ43から表示データを受け取り、各信号電極SL1〜SLjをそのデータ値に従って並列的に駆動する。T3からT5の非表示駆動期間では信号電極SL1〜SLjの駆動を停止する。駆動停止とは、停止時の表示ラインデータ(No.16の表示ラインの表示データ)によるソース駆動回路20の出力維持、グランドレベル、又は内部電源電圧レベルの出力とされる。T5からT7のダミー駆動期間ではダミーデータとして再帰的に取得した表示データを用いてソース駆動回路20に信号電極SL1〜SLjを駆動させる。
図3の例では、T2の表示駆動期間の最後の表示ラインデータはNo.16の表示ラインの表示ラインデータであり、T5からT7のダミー駆動期間では、最初にNo.15の表示ラインの表示ラインデータでダミー駆動を行い、ダミー駆動期間の最後は表示駆動期間の最後と同じNo.16の表示ラインの表示ラインデータでダミー駆動を行う。このように、ダミー駆動期間から表示駆動期間に切り替わる直前で信号電極の駆動状態が前記非表示駆動期間における駆動停止時の状態に対応されるように表示データを再帰的に用いてダミー駆動を行うから、表示駆動が再開されたときの表示の連続性という点で良好になっている。
【0076】
ゲート駆動回路30は表示ステート制御回路402により非表示駆動期間とダミー駆動期間であるT3からT7の期間は薄膜トランジスタTrのゲートに対応する走査電極GL1〜GLmkの選択レベルへの駆動を停止する指示をゲートドライバIC6に与える。
【0077】
液晶表示ドライバ10によれば以下の作用効果を得ることができる。
【0078】
図3に示される負荷電流の変化の様子は概略的なものであるが、負荷電流が最も大きい表示駆動期間から非表示駆動期間へ遷移した直後、また、負荷電流の最も小さい非表示駆動期間からダミー駆動期間へ遷移した直後において、パネル負荷電流が大きく変動する様子が例示されている。ダミー駆動期間では走査電極GL1〜GLmkの選択レベルへの駆動を停止した状態(薄膜トランジスタTrのゲート非選択)でソース駆動回路20の出力をダミーライン周期に同期して変化させる。非表示駆動期間の直後に信号電極SL1〜SLjを駆動すると、駆動停止状態から駆動開始によって負荷電流が大きく変動することになるが、このとき走査電極GL1〜GLmkは非選択にされ、その変動による電圧は画素電極には伝達されず、表示駆動期間に復帰したとき(T7)は負荷電流の大きな変動は収まっている。これにより、時刻T7の表示再開時に非表示から表示への復帰境界での隣接する表示ラインに不所望な輝度差が発生することを防止することができる。このように、非表示期間直前の既に表示済みの表示データを再帰的に2表示ラインだけダミー表示データとして用いることによって信号電極SL1〜SLjを駆動してから表示動作に復帰することで、長時間の表示駆動停止から復帰した先頭
の表示ラインの負荷電流の変動のピークを低減することでき、表示駆動と非表示駆動を交互に行う液晶表示パネル2における輝度差の発生を抑えることができる。
【0079】
上記輝度差発生を抑制する機能は、表示RAM41の表示リードアドレスカウンタ420のカウント値RAMCNTに対して、1フレーム内において既に表示済みの表示データを再帰的に読み出す演算機能421、ダミーラインのカウント機能47を追加するとともに、表示ステート制御回路402に表示データの再帰的読み出し制御機能を追加するだけでよく、それらの機能を備えていない液晶表示ドライバに対して比較的簡易な構成を追加するだけで容易にそれを実現することができる。既存の表示アドレスカウンタ、表示リードアドレスカウンタなどによるアドレス生成論理の基本的構成はほとんど変更することを要しない。
【0080】
複数表示ライン分の異なる表示データで前記信号電極が複数表示ライン分駆動されるから、表示駆動停止から表示に復帰するまでの過程で表示パネルの負荷電流を複数回に亘って徐々に変化させることが容易になり、表示駆動停止から表示に復帰した先頭ラインの表示パネルの負荷電流の変動ピークを更に低減することが可能になる。特に、駆動停止時の表示データ及びその前の表示データを再帰的に読み出してダミーデータに用いるから、ダミー駆動期間から表示駆動期間に切り替わる直前で信号電極の駆動状態が前記非表示駆動期間における駆動停止時の状態に対応されるので、表示駆動が再開されたときの表示の連続性と言う点で好ましい。
【0081】
周期カウンタ400,410のプリセット値、すなわち表示ライン周期及びダミー表示ライン周期をレジスタ回路60に対するレジスタ設定で可変に定義する事ができる。また、表示、非表示、及びダミー夫々の駆動期間についてもレジスタ回路60に対するレジスタ設定で可変に定義する事ができる。したがって、液晶表示パネル2に対する種々の表示形態に柔軟に対応することが可能になる。
【0082】
本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
【0083】
ダミーラインカウンタ411の生成するダミーライン数はパネル特性、表示ドライバの方式により、任意に決めることができる。表示リードアドレスカウンタ420のアドレス値と表示RAM41のアドレスは必ずしも一致する必要はなく、必要に応じてアドレス変換回路で変換して表示RAM41にアクセスしてもよい。ダミーラインカウンタ411の値と実際に巻き戻る表示リードアドレスRAMCNTの値は必ずしも一致する必要はなく、必要に応じて変換してもよい。
【0084】
ダミー駆動期間においてソース駆動回路20の出力時には走査電極GL1〜GLmkを非選択状態(薄膜トランジスタtrのゲート非選択状態)とするが、必要に応じて走査電極GL1〜GLmkについても表示リードアドレスと同様に巻き戻って選択してもよい。すなわち、ダミー駆動の出力は画素に印可しなくてもよく、画素に印可してもよい。既に表示済みの表示ラインは画素のコンデンサCpxに表示輝度に応じた電荷を保持しているので、ダミー駆動の出力が当該画素に印加されても、大きな負荷電流の変動は生じ難い。表示停止した先の表示ラインを新たな表示データで駆動する場合に比べて、負荷電流の変動は小さい。この点については、
図3のダミー駆動期間におけるT6直後の負荷電流の変動が
図5の場合に比べて小さく図示してある。
【0085】
非表示駆動の挿入開始位置とその周期をレジスタ回路によって任意に設定可能にすることが可能である。例えば、非表示駆動期間、ダミー駆動期間の表示ライン周期は、それぞれレジスタで表示駆動期間のライン周期とは個別にレジスタで調整できるようにすればよい。非表示駆動期間、ダミー駆動期間に動作するダミーラインカウンタ411の動作ライン数と動作タイミングは、表示RAM41の読み出しやデータ転送の方式によって変更してもよく、また、非表示駆動期間またはダミー駆動期間の一部のラインのソース駆動出力は、表示アドレスを巻き戻した表示済みの表示データに限定されず、表示データに応ずるV0階調電圧,V127階調電圧,V255階調電圧などの固定データに置き換えてもよい。この場合、ダミー駆動期間において走査電極GL1〜GLmkを非選択状態とし画素には駆動電圧が印加されないようにしなければならない。
【0086】
非表示期間、ダミー駆動期間のソース、ゲート駆動タイミングは、それぞれレジスタで表示駆動期間のライン周期とは個別にレジスタで調整できるようにしてもよい。
【0087】
1フレーム周期は、外部から供給される垂直同期信号VSYNCに同期させることに限定されず、液晶表示ドライバ10の内部で生成したタイミング信号に同期動作させてもよい。
【0088】
ダミーデータの読み出しアドレスを生成する構成は、ラインカウンタ401、ダミーラインカウンタ411、ステート制御回路402を採用し、ダミーラインカウンタ411のカウント値を停止中の表示リードアドレスカウンタ420のカウント値から減算させてダミーデータの読み出しアドレスを生成するという構成に限定されない。表示リードアドレスカウンタを停止時のカウント値に対して複数アドレス値分小さなアドレス値にプリセットし、そこからダミー駆動のための表示アドレスを生成するようにしてもよい。
【0089】
上記実施の形態では非表示駆動期間及びダミー駆動期間のための表示ライン周期は、前記非表示駆動期間のためのダミー表示ライン周期(TS_PRD)とダミー駆動期間のためのダミー表示ライン周期(RTN)の整数倍の周期との和に等しくされ、表示ライン周期のプリセット値とダミーラインのプリセット値を同じ値RTNにした。こうすれば、プリセット値相互間での整合性を保ちながらプリセット値の設定を容易に行うことが可能になるが、本発明はそれに限定されず、適宜変更可能である。上述の如く表示ライン周期のプリセット値とダミーラインのプリセット値を相違させることも当然可能である。レジスタ回路60で定義可能なパラメータは上記実施の形態に限定されない。
【0090】
また、ドライバICは
図2で説明したように液晶表示ドライバ(LCDDRV)、タッチパネルコントローラ(TPC)、及びサブプロセッサ(SMCU)を備える構成に限定されない。液晶表示ドライバ(LCDDRV)だけで構成し、又は液晶表示ドライバ(LCDDRVとタッチパネルコントローラ(TPC)だけで構成してもよい。さらにゲートドライバ6を搭載してもよい。