特許第6204026号(P6204026)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6204026
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】高周波加熱装置
(51)【国際特許分類】
   H05B 6/80 20060101AFI20170914BHJP
   H05B 6/64 20060101ALI20170914BHJP
   C03B 27/00 20060101ALN20170914BHJP
【FI】
   H05B6/80 Z
   H05B6/64 D
   H05B6/64 H
   !C03B27/00
【請求項の数】19
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-43109(P2013-43109)
(22)【出願日】2013年3月5日
(65)【公開番号】特開2013-187195(P2013-187195A)
(43)【公開日】2013年9月19日
【審査請求日】2016年3月3日
(31)【優先権主張番号】10-2012-0022640
(32)【優先日】2012年3月6日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】502411241
【氏名又は名称】コーニング精密素材株式会社
【氏名又は名称原語表記】Corning Precision Materials Co., Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100127328
【弁理士】
【氏名又は名称】八木澤 史彦
(72)【発明者】
【氏名】イ ホイクヮン
(72)【発明者】
【氏名】ユン キュンミン
(72)【発明者】
【氏名】チョ ソ−ヨン
【審査官】 土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】 特表平11−504153(JP,A)
【文献】 特開昭63−271889(JP,A)
【文献】 特開平08−236298(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 6/80
H05B 6/64
C03B 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を高周波加熱する高周波発生器を含む高周波加熱装置において、
前記基板と前記高周波発生器との間の間隔がn/2*λであり(ここで、n=1〜6の自然数であり、λは、高周波発生器が発生させる高周波の波長である。)
前記高周波発生器で発生した高周波を前記基板に反射させる反射部をさらに含み、
前記反射部に、多数の孔が形成されていることを特徴とする高周波加熱装置。
【請求項2】
前記高周波加熱装置は、
前記高周波発生器を複数個具備することを特徴とする、請求項1に記載の高周波加熱装置。
【請求項3】
前記複数の高周波発生器は、それぞれn/2*λ(n=1〜12の自然数)の間隔を有して配置されることを特徴とする、請求項2に記載の高周波加熱装置。
【請求項4】
基板を高周波加熱する複数の高周波発生器を含む高周波加熱装置において、
前記複数の高周波発生器は、それぞれn/2*λの間隔を有して配置され(ここで、n=1〜12の自然数であり、λは、高周波発生器が発生させる高周波の波長である。)、
前記高周波発生器で発生した高周波を前記基板に反射させる反射部をさらに含み、
前記反射部に、多数の孔が形成されていることを特徴とする高周波加熱装置。
【請求項5】
前記高周波加熱装置は、
前記高周波発生器で発生した高周波を前記基板に反射させる反射部を含み、
前記反射部は、前記複数の高周波発生器を少なくとも1つずつ区画することを特徴とする、請求項2または4に記載の高周波加熱装置。
【請求項6】
前記反射部は、相互離隔された高周波発生器の間を区画する第1反射部を含むことを特徴とする、請求項5に記載の高周波加熱装置。
【請求項7】
前記第1反射部は、前後方向に相互離隔された高周波発生器の間を区画することを特徴とする、請求項6に記載の高周波加熱装置。
(ここで、前記前後方向とは、前記基板の搬送方向である。)
【請求項8】
前記複数の高周波発生器は、複数の列に配置され、
前記第1反射部は、前記高周波発生器の列間を区画することを特徴とする、請求項6に記載の高周波加熱装置。
【請求項9】
前記高周波発生器と前記第1反射部との間の間隔は、n/2*λであることを特徴とする、請求項6に記載の高周波加熱装置。
(ここで、n=1〜12の自然数であり、λは、高周波発生器が発生させる高周波の波長である。)
【請求項10】
前記基板と前記第1反射部との間の間隔は、4cm以下であることを特徴とする、請求項6に記載の高周波加熱装置。
【請求項11】
前記反射部は、前記高周波発生器の左側および右側のうち少なくとも1側の箇所に設置される第2反射部を含むことを特徴とする、請求項1または請求項4に記載の高周波加熱装置。
(ここで、左右方向とは、前記基板の搬送方向を横切る方向である。)
【請求項12】
前記高周波発生器と前記第2反射部との間の間隔は、2λ以下であることを特徴とする、請求項11に記載の高周波加熱装置。
(ここで、λは、高周波発生器が発生させる高周波の波長である。)
【請求項13】
前記複数の高周波発生器は、少なくとも1つの列に配置され、
前記反射部は、前記高周波発生器の列の左側および右側のうち少なくとも1側の箇所に設置される第2反射部を含むことを特徴とする、請求項5に記載の高周波加熱装置。
(ここで、左右方向とは、前記基板の搬送方向を横切る方向である。)
【請求項14】
前記高周波発生器と前記第2反射部との間の間隔は、2λ以下であることを特徴とする、請求項13に記載の高周波加熱装置。
(ここで、λは、高周波発生器が発生させる高周波の波長である。)
【請求項15】
前記反射部は、前記基板の上部および下部のうち少なくとも1側の箇所に設置される第3反射部を含み、前記第3反射部は、その主平面が前記基板の主平面と対向するように形成されることを特徴とする、請求項1または請求項4に記載の高周波加熱装置。
【請求項16】
前記第3反射部と前記基板との間の間隔は、n/2*λであることを特徴とする、請求項15に記載の高周波加熱装置。
(ここで、n=1〜6の自然数であり、λは、高周波発生器が発生させる高周波の波長である。)
【請求項17】
前記反射部は、前記高周波発生器を前後左右から取り囲むように設置されることを特徴とする、請求項1または請求項4に記載の高周波加熱装置。
(ここで、前後方向とは、前記基板の搬送方向であり、左右方向とは、前記基板の搬送方向を横切る方向である。)
【請求項18】
前記反射部は、前記基板を基準に、上部および下部にそれぞれ相互対応するように設置されることを特徴とする、請求項1または請求項4に記載の高周波加熱装置。
【請求項19】
前記孔の直径は、3mm以下であることを特徴とする、請求項1または請求項4に記載の高周波加熱装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高周波加熱装置に関し、より詳細には、基板を高周波加熱する高周波加熱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ガラス素材は、太陽電池のカバー、薄膜液晶表示装置(thin film transistor‐liquid crystal display, TFT‐LCD)、プラズマディスプレイパネル(plasma display panel)、有機EL(organic electro luminescent)等といった平板ディスプレイ、各種モバイル電子機器のカバー等、多様な産業分野における使用が急増しており、これに伴い、ガラス素材の軽量化および薄型化が要求されている。
【0003】
しかし、ガラス素材の特性である大きな脆性により、ガラスの軽量化および薄型化に伴う安定性の確保が問題とされ、これにより、ガラスの安定性を確保するために多様な強化方法が研究されている。
【0004】
従来のガラス強化技術としては、ガラスの表面と水溶液(溶融塩)との間のイオン交換による化学強化技術と、ガラスの熱処理を通じた熱強化技術とがある。
【0005】
化学強化は、ガラスと水溶液間のイオン交換に必要な工程時間、ガラスのサイズ、および水溶液の再活用(汚染および濃度制御)等の側面において活用価値が劣るという短所を有する。
【0006】
一方、熱強化は、高温の水平炉に板ガラスを移動させながら昇温およびクエンチング(quenching)してガラスを強化するものであり、二重高周波を利用した熱強化は、体積加熱による熱処理効果の増加および急速加熱が可能であるという長所のため、産業に適用するための多様な努力がなされている。
【0007】
しかし、大面積の板ガラスを従来の高周波技術を適用して熱処理する場合、単一高周波発生器を使用すると、チャンバ内部の電界分布制御が難しく、昇温速度が低いという短所があり、複数の高周波発生器を使用すると、昇温速度はある程度向上するが、高周波発生器間の相互干渉による電界集中によってガラスの局部加熱現象が発生し、加熱効率が低下するという問題が発生する。
【0008】
図1は、従来の複数個の高周波発生器が具備された高周波加熱装置によって板ガラスを熱処理した後の、板ガラスの電界分布(a)および温度分布(b)を分析した写真である。図1の(a)の肌色部分は電界が未形成の部分を示し、図1の(b)の青色の領域は低い温度を、赤色の領域は高い温度を示す。すなわち、熱処理された板ガラスのコーナー部の領域は、電界が形成されず、加熱されていないことが分かり、また、板ガラスの局部領域は、干渉による集中加熱によってホットスポット(hot spot)が形成されていることが分かる。
【0009】
すなわち、単一高周波発生器を利用した高周波加熱の場合には、昇温速度が低いという問題があり、また、複数個の高周波発生器を利用した高周波加熱の場合には、昇温速度は一部向上するものの、高周波発生器から発生した高周波間の相互干渉および電界集中による局部加熱現象等が発生するという問題点を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上述したところのような従来技術の問題点を解決するために案出されたものであり、本発明の目的は、基板の急速加熱が可能であり、かつ局部加熱現象を抑制することができる高周波加熱装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
このために、本発明は、基板を高周波加熱する高周波発生器を含む高周波加熱装置において、前記基板と前記高周波発生器との間の間隔がn/2*λであることを特徴とする高周波加熱装置(ここで、n=1〜6の自然数であり、λは、高周波発生器が発生させる高周波の波長である。)を提供する。
【0012】
また、本発明は、基板を高周波加熱する複数の高周波発生器を含む高周波加熱装置において、前記複数の高周波発生器は、それぞれn/2*λの間隔を有して配置されることを特徴とする高周波加熱装置(ここで、n=1〜12の自然数であり、λは、高周波発生器が発生させる高周波の波長である。)を提供する。
【0013】
そして、前記高周波加熱装置は、前記高周波発生器で発生した高周波を前記基板に反射させる反射部をさらに含んでよい。
【0014】
ここで、前記反射部は、相互離隔された高周波発生器の間を区画する第1反射部を含んでよい。
【0015】
また、前記反射部は、前記高周波発生器の左側および右側のうち少なくとも1側の箇所に設置される第2反射部を含んでよい。
【0016】
そして、前記反射部は、前記基板の上部および下部のうち少なくとも1側の箇所に設置される第3反射部を含んでよく、前記第3反射部は、その主平面が前記基板の主平面と対向するように形成されてよい。
【0017】
また、前記反射部に、多数の孔が形成されてよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、基板の昇温速度および高周波加熱装置のエネルギー効率を向上させることができる。
【0019】
また、反射部が高周波を反射することで、各高周波発生器が発生させる高周波間の干渉を抑制することにより、電界集中による基板の局部加熱現象を防止し、高周波加熱効率を向上させることができる。
【0020】
また、基板の全領域にわたって均一な電界が形成されるようにして、基板を全領域にわたって均質に加熱することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】従来の複数個の高周波発生器が具備された高周波加熱装置によって板ガラスを熱処理した後の、板ガラスの電界分布(a)および温度分布(b)を分析した写真である。
図2】本発明の一実施例に係る高周波加熱装置の概略的な平面図(a)および側面図(b)である。
図3】本発明の他の実施例に係る高周波加熱装置の概略的な平面図(a)および側面図(b)である。
図4】本発明の他の実施例に係る高周波加熱装置の概略的な平面図である。
図5】本発明の他の実施例に係る高周波加熱装置の概略的な側面図である。
図6】本発明の一実施例に係る反射部の概略的な構成図である。
図7】本発明の一実施例に係る高周波加熱装置によってガラスを加熱した後に測定した電界分布分析写真(a)および温度分布分析写真(b)である。
図8】本発明の一実施例に係る高周波加熱装置に板ガラスを搬送させた後の、板ガラスの表面温度を測定したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下においては、添付された図面を参照しつつ、本発明の実施例に係る高周波加熱装置について詳細に説明する。
【0023】
なお、本発明を説明するにあたり、関連する公知の機能あるいは構成についての具体的な説明が本発明の要旨を不必要に曖昧にすると判断される場合、その詳細な説明については省略する。
【0024】
また、以下において、前後方向とは基板の搬送方向と定義し、左右方向とは基板の搬送方向を横切る方向と定義する。
【0025】
図2は、本発明の一実施例に係る高周波加熱装置の概略的な平面図(a)および側面図(b)である。
【0026】
図2を参照すると、本発明に係る高周波加熱装置は、高周波発生器200と基板100との間の間隔がn/2*λ(ここで、n=1〜6の自然数であり、λは、高周波発生器が発生させる高周波の波長である。)であることを特徴とする。
【0027】
高周波発生器200は、高周波を発生させて基板内部のイオンを振動させることにより基板100を加熱する。高周波発生器200は、0.98GHz〜6.0GHzの高周波を発生させてよく、好ましくは、2.4GHzまたは5.8GHzの高周波を発生させるものであってよい。
【0028】
基板100は、高周波発生器200によって加熱される基材であって、多様な厚さの板ガラスであってよい。
【0029】
高周波発生器200と基板100との間の間隔(丸数字1)は、n/2*λ(n=1〜6の自然数)であり、好ましくは、λの間隔を有するものであってよい。
【0030】
また、本発明に係る高周波加熱装置は、基板100を高温および急速加熱するために、高周波発生器200を複数個具備してよい。
【0031】
このとき、各高周波発生器210,220,230は、n/2*λ(n=1〜12の自然数)の間隔(丸数字2)を有するように配置され、好ましくは、2λの間隔を有するように配置されるものであってよい。
【0032】
ここで、複数の高周波発生器210,220,230は、前後方向に沿って一列に配置されてよい。
【0033】
このように、高周波発生器200と基板100との間の間隔および/または各高周波発生器210,220,230との間の間隔を制御することにより、高周波加熱装置による基板の高周波加熱効率を向上させることができる。また、高周波発生器が複数個の場合、各高周波発生器で発生された高周波間の干渉を抑制して、電界集中による基板の局部加熱現象を防止することができる。
【0034】
図3は、本発明の他の実施例に係る高周波加熱装置の概略的な平面図(a)および側面図(b)であり、図4は、本発明の他の実施例に係る高周波加熱装置の概略的な平面図である。
【0035】
図3および図4を参照すると、本発明に係る高周波加熱装置は、高周波発生器で発生された高周波を基板に反射する反射部300をさらに含んでよい。
【0036】
ここで、反射部300は、高周波を反射することができる伝導性金属からなってよい。
【0037】
反射部300は、高周波発生器を前後左右から取り囲むように設置されてよく、また、基板100を基準に、上部および下部にそれぞれ相互対応するように設置されてよい。反射部300がこのように設置されることにより、高周波発生器200から発生した高周波をより効率的に反射させることができる。
【0038】
このように、反射部300が、高周波発生器200から発生された高周波を基板100に反射して、高周波を多重散乱(multiple scattering)させることにより、基板100の全領域にわたって均一な電界が形成されるようにして、基板100のコーナー部を含む全領域にわたって均質に加熱することができる。また、基板100の昇温速度を向上させ、高周波加熱装置のエネルギー効率を向上させる。
【0039】
また、本発明に係る高周波発生装置が複数の高周波発生器を具備する場合、反射部300は、複数の高周波発生器210,220,230を少なくとも一つずつ区画してよい。
【0040】
このとき、反射部300は、相互離隔された各高周波発生器210,220,230の間を区画する第1反射部311,312を含んでよい。
【0041】
ここで、第1反射部311,312は、前後方向に相互離隔された高周波発生器の間を区画するものであってよく、このとき、第1反射部311,312は、左右方向に延長されるように形成されてよい。
【0042】
この場合、各高周波発生器210,220,230で発生した高周波間の干渉を効率的に遮断するために、各高周波発生器210,220,230と第1反射部311,312との間の間隔(丸数字3)は、n/2*λ(ここで、n=1〜12の自然数であり、λは、高周波発生器が発生させる高周波の波長である。)であることが好ましく、さらに好ましくは、2λの間隔を有するものであってよい。
【0043】
そして、基板100と第1反射部311,312との間の間隔(丸数字5)は、4cm以下、好ましくは、2cmであってよい。
【0044】
また、第1反射部311,312は、高周波発生器240,250,260が複数列配置される場合、高周波発生器240,250,260の列間を区画してよく、このとき、高周波発生器240,250,260の列は、左右方向に沿って形成されてよい。
【0045】
このように、高周波発生器240,250,260の各列間に形成された第1反射部311,312は、各列で発生する高周波が相互干渉されることを遮断して電界が集中することを防止し、これにより基板100が局部的に加熱される現象を抑制する。
【0046】
本発明に係る反射部300は、高周波発生器200の左側および右側の少なくとも1側の箇所に設置される第2反射部321,322を含んでよい。
【0047】
また、本発明に係る高周波加熱装置が少なくとも1つの列に配置された複数の高周波発生器240,250,260を具備する場合、第2反射部321,322は、高周波発生器の列の左側および右側のうち少なくとも1側の箇所に設置されてよい。
【0048】
そして、第2反射部321,322は、前後方向に沿って延長されるように形成されてよい。
【0049】
高周波発生器200から発生した高周波を効率的に反射するために、高周波発生器と第2反射部321,322との間の間隔(丸数字4)は、2λ以下であることが好ましい。
【0050】
また、本発明に係る反射部300は、図5に示されたところのように、高周波をより効率的に反射するために、基板100の上部および下部のうち少なくとも1側の箇所に設置される第3反射部331を含んでよく、このとき、第3反射部331は、その主平面が基板100の主平面と対向するよう形成されてよい。
【0051】
ここで、第3反射部331と基板100との間の間隔(丸数字6)は、n/2*λ(n=1〜6の自然数)であってよく、好ましくは、λであってよい。
【0052】
そして、本発明に係る反射部300には、空気の対流(air convection)を円滑にして加熱効率を高めるために、図6に示されたところのように、多数の孔が形成されてよい。孔径は、高周波が反射されずに孔を介して反射部外部に抜け出ていくことを防止するために、3mm以下、好ましくは2mmであってよい。
【0053】
図7は、本発明の一実施例により2列の高周波発生器および反射部を具備した高周波加熱装置によってガラスを加熱した後に測定した、電界分布分析写真(a)および温度分布分析写真(b)である。図7に示されたところのように、2列の高周波発生器を具備した高周波加熱装置によってガラスを加熱しても、反射部が各列間の高周波の干渉を遮断することにより、一列の高周波発生器を具備した高周波加熱装置と同一の電界分布を有するようにし、基板を均質に加熱することが分かる。
【0054】
図8は、複数列の高周波発生器および反射部を具備した高周波加熱装置により650℃に加熱された1600mmの幅を有する板ガラスを搬送させた後の、板ガラスの表面温度を測定したグラフである。
【0055】
図8に示されたところのように、本発明に係る高周波加熱装置によって加熱された板ガラスの表面温度は、その温度分布が700℃±10℃であって、非常に均質に加熱されていることが分かる。
【0056】
また、本発明に係る高周波加熱装置は、基板の加熱のために、高周波発生器の他にヒーター(図示せず)をさらに含んでよい。
【0057】
ヒーター(heater)は、電気抵抗による熱を介して基板を基板外部から内部に加熱し、高周波発生器は、高周波によって基板のイオンを振動させて、これによる摩擦熱により基板の内・外部全体を加熱させることにより、より効率的に基板を加熱することができる。
【0058】
以上のように、本発明は限定された実施例と図面によって説明されているが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、本発明が属する分野における通常の知識を有する者であれば、これらの記載から多様な修正および変形が可能である。
【0059】
それゆえ、本発明の範囲は、説明された実施例に限定されて定められてはならず、後述する特許請求の範囲だけでなく、特許請求の範囲と均等なものによって定められなければならない。
【符号の説明】
【0060】
100:基板
200,210,220,230,240,250,260:高周波発生器
300:反射部
311,312:第1反射部
321,322:第2反射部
331:第3反射部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8