特許第6204056号(P6204056)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6204056
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20170914BHJP
【FI】
   A63F7/02 320
【請求項の数】1
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2013-93031(P2013-93031)
(22)【出願日】2013年4月25日
(65)【公開番号】特開2014-212991(P2014-212991A)
(43)【公開日】2014年11月17日
【審査請求日】2015年5月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000135210
【氏名又は名称】株式会社ニューギン
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】丹野 孝紀
(72)【発明者】
【氏名】原 憲文
(72)【発明者】
【氏名】大島 健志
(72)【発明者】
【氏名】清水 雅之
(72)【発明者】
【氏名】武沢 学
【審査官】 柳 重幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−074021(JP,A)
【文献】 特開2012−090922(JP,A)
【文献】 特開2012−135357(JP,A)
【文献】 特開2012−176031(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者が操作可能な操作手段と、
遊技者が有利に遊技を行うことのできる有利遊技状態を生起させる有利状態生起手段と、
前記操作手段の操作によって選択された種類の演出状態を前記有利遊技状態の生起中の演出状態として制御するとともに、当該有利遊技状態の生起中の演出状態に対応する種類の演出状態を有利遊技状態終了後の演出状態として制御する演出状態制御手段と、
当り抽選に当選することなく前記有利遊技状態が終了するときに終了演出を実行する終了演出実行手段と、を備え、
前記有利遊技状態が生起されているときの演出状態の種類によって、当該有利遊技状態が終了した後の演出状態の種類が異なり、
前記終了演出には、前記有利遊技状態の生起中の演出状態として選択可能な複数種類の演出状態で共通する内容の共通終了演出と、前記有利遊技状態の生起中の演出状態として選択可能な複数種類の演出状態のうち特定の演出状態でのみ実行される特定終了演出と、が含まれ、
前記有利遊技状態の生起中の演出状態として選択可能な演出状態には、前記共通終了演出のみを実行することが定められた演出状態と、前記共通終了演出に加えて前記特定終了演出を実行することが定められた演出状態と、が含まれることを特徴とする遊技機
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技者が有利に遊技を行うことのできる有利遊技状態を生起可能な遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の一種であるパチンコ遊技機の中には、特許文献1に記載の遊技機のように、遊技者が有利に遊技を継続できる有利遊技状態が生起され、当該有利遊技状態では専用の演出状態が制御される。このように専用の演出状態が制御されれば、有利遊技状態の生起中であることを遊技者は認識できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−323923号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1の遊技機では、有利遊技状態の生起中、単純に専用の演出状態が制御されるだけなので、遊技が単調になり、興趣を低下させてしまう虞があった。そして、有利遊技状態が生起されている間に興趣を低下させてしまうと、当該有利遊技状態終了後において遊技を継続する意欲も低下させることになり、有利遊技状態終了後における興趣も低下させてしまう虞がある。
【0005】
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的は、有利遊技状態生起中及び当該有利遊技状態終了後の興趣の低下を抑制することのできる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する遊技機は、遊技者が操作可能な操作手段と、遊技者が有利に遊技を行うことのできる有利遊技状態を生起させる有利状態生起手段と、前記操作手段の操作によって選択された種類の演出状態を前記有利遊技状態の生起中の演出状態として制御するとともに、当該有利遊技状態の生起中の演出状態に対応する種類の演出状態を有利遊技状態終了後の演出状態として制御する演出状態制御手段と、を備え、前記有利遊技状態が生起されているときの演出状態の種類によって、当該有利遊技状態が終了した後の演出状態の種類が異なることを特徴とする。
【0007】
上記遊技機について、当り抽選に当選することなく前記有利遊技状態が終了するときに終了演出を実行する終了演出実行手段を備え、前記終了演出には、前記有利遊技状態の生起中の演出状態として選択可能な複数種類の演出状態で共通する内容の共通終了演出と、前記有利遊技状態の生起中の演出状態として選択可能な複数種類の演出状態のうち特定の演出状態でのみ実行される特定終了演出と、が含まれ、前記有利遊技状態の生起中の演出状態として選択可能な演出状態には、前記共通終了演出のみを実行することが定められた演出状態と、前記共通終了演出に加えて前記特定終了演出を実行することが定められた演出状態と、が含まれることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、有利遊技状態生起中及び当該有利遊技状態終了後の興趣の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】パチンコ遊技機の表側を示す正面図。
図2】(a)は第1の大当り抽選当選時に決定され得る大当りの種類を示す模式図、(b)は第2の大当り抽選当選時に決定され得る大当りの種類を示す模式図。
図3】パチンコ遊技機の電気的構成を示すブロック図。
図4】演出モードの移行態様を示す説明図。
図5】(a)及び(b)は、大当り遊技終了後に入球率向上状態が生起される大当り遊技生起中の演出態様を示す模式図。
図6】入球率向上モードの種類の選択と、当該選択による演出モードの種類の変化を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、遊技機の一実施形態を図1図6にしたがって説明する。
図1に示すように、パチンコ遊技機10には、遊技盤YBが装備されている。遊技盤YBには、パチンコ遊技機10に装備されている発射ハンドルHの回動操作によって、遊技球が発射される。
【0013】
また、遊技盤YBの略中央には、液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有し、表示演出を行う表示手段としての演出表示装置11が配設されている。演出表示装置11では、複数の図柄列(本実施形態では、3列)の装飾図柄を変動させて行う図柄変動ゲームと、当該図柄変動ゲームに関連して実行される各種の表示演出が実行される。本実施形態の図柄変動ゲームでは、複数列(本実施形態では、3列)の装飾図柄からなる図柄組み合わせ(表示結果)を導出する。図柄変動ゲームは、遊技盤YBに配置されている上始動入球装置15又は下始動入球装置17へ遊技球が入球することを契機に、実行される。
【0014】
また、本実施形態において演出表示装置11には、各図柄列に[1]〜[8]の8種類の数字が装飾図柄として表示される。そして、大当り抽選に当選する場合、演出表示装置11には、大当りの図柄組み合わせが確定停止表示される。また、大当り抽選に非当選する場合、演出表示装置11には、はずれの図柄組み合わせが確定停止表示される。因みに、本実施形態の大当りの図柄組み合わせは、全列の装飾図柄が同一の図柄組み合わせ([222]や[777]等)である。また、本実施形態のはずれの図柄組み合わせは、全列の装飾図柄が異なる図柄組み合わせ([345]や[426]等)、又は1列の装飾図柄が他の2列の装飾図柄と異なる図柄組み合わせ([122]や[323]等)である。
【0015】
上始動入球装置15は、演出表示装置11の下方に配置されている。上始動入球装置15は、当該上始動入球装置15へ遊技球が入球したことを検知可能な上始動スイッチSW1(図3に示す)を有している。上始動入球装置15へ遊技球が入球すると、大当りか否かを決めるための大当り抽選が行われる。この上始動入球装置15への遊技球の入球を契機として行われる大当り抽選を、以下の説明において「第1の大当り抽選」という場合がある。
【0016】
また、下始動入球装置17は、上始動入球装置15の下方に配設されている。下始動入球装置17は、開閉部材を有している。また、下始動入球装置17は、当該下始動入球装置17へ遊技球が入球したことを検知可能な下始動スイッチSW2(図3に示す)を有している。下始動入球装置17へ遊技球が入球すると、大当り抽選が行われる。また、下始動入球装置17の開閉部材は、電動役物ソレノイドSOL1(図3に示す)の作動によって開状態と閉状態に変位可能に構成されている。そして、開閉部材が開状態となるとき下始動入球装置17の入口が拡大されて遊技球が入球し易い開放状態となる。一方、開閉部材が閉状態となるとき下始動入球装置17の入口は閉鎖されて遊技球が入球し難い閉鎖状態となる。この下始動入球装置17への遊技球の入球を契機として行われる大当り抽選を、以下の説明において「第2の大当り抽選」という場合がある。
【0017】
また、下始動入球装置17の下方には、大入賞扉を有する大入賞装置20が配設されている。この大入賞装置20は、当該大入賞装置20へ遊技球が入球したことを検知可能なカウントスイッチSW3(図3に示す)を有している。また、大入賞装置20の大入賞扉は、大入賞ソレノイドSOL2(図3に示す)の作動によって開状態と閉状態に変位可能に構成されている。そして、大入賞扉が開状態となるとき大入賞装置20が開放状態となり、大入賞装置20への遊技球の入球が許容される。一方、大入賞扉が閉状態となるとき大入賞装置20が閉鎖状態となり、大入賞装置20への遊技球の入球が許容されない。
【0018】
本実施形態のパチンコ遊技機10では、大当り抽選に当選した場合、当該当選の対象となる図柄変動ゲームの終了後に、大入賞装置20が開放状態となる大当り遊技が生起される。また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、大入賞装置20へ遊技球が入球すると、予め決められた個数の遊技球が賞球として払い出される。
【0019】
また、大当り遊技が生起されると、最初にオープニング時間が設定される。そして、オープニング時間が経過すると、複数回の開放遊技が行われ、全ての開放遊技が終了するとエンディング時間が設定される。その後、エンディング時間が経過することによって、大当り遊技は終了する。
【0020】
大当り遊技における開放遊技では、大入賞装置20が開放状態となる。1回の開放遊技は、開放遊技の終了条件が成立するまでの間、行われる。この開放遊技の終了条件は、規定時間が経過すること又は規定個数の遊技球が大入賞装置20へ入球することによって成立する。また、各開放遊技の終了後には、インターバルが設定され、当該インターバルが経過することによって、次の開放遊技(最終回の開放遊技の終了後は、エンディング時間の設定)が行われる。
【0021】
また、遊技盤YBには、ゲート23が配設されている。ゲート23は、当該ゲート23へ遊技球が入球したことを検知可能なゲートスイッチSW4(図3に示す)を有している。ゲート23に遊技球が入球すると、普通当りか否かを決めるための普通当り抽選が行われる。また、普通当り抽選に当選すると、下始動入球装置17が開放状態となる普通当り遊技が生起される。
【0022】
また、遊技盤YBには、LED等の発光部材が複数配置された発光部配置部材HSが配設されている。この発光部配置部材HSには、複数の発光部材から構成される第1特別図柄表示装置25aと第2特別図柄表示装置25bが配設されている。また、発光部配置部材HSには、複数の発光部材から構成される第1保留表示装置26aと第2保留表示装置26bが配設されている。また、発光部配置部材HSには、複数の発光部材から構成される普通図柄表示装置27が配設されている。
【0023】
第1特別図柄表示装置25aには、当該第1特別図柄表示装置25aを構成する発光部材の点灯及び消灯の組み合わせによる特別図柄が、第1の大当り抽選の対象となる図柄変動ゲームが終了するタイミングで確定停止表示される。第1の大当り抽選に当選した場合、第1特別図柄表示装置25aには、第1の大当り抽選の対象となる図柄変動ゲームが終了するタイミングで大当り図柄に分類される特別図柄が確定停止表示される。また、第1の大当り抽選に非当選した場合、第1特別図柄表示装置25aには、第1の大当り抽選の対象となる図柄変動ゲームが終了するタイミングではずれ図柄に分類される特別図柄が確定停止表示される。また、第1の大当り抽選の対象となる図柄変動ゲームの実行中、第1特別図柄表示装置25aには、特別図柄が変動表示される。
【0024】
同様に、第2特別図柄表示装置25bには、当該第2特別図柄表示装置25bを構成する発光部材の点灯及び消灯の組み合わせによる特別図柄が、第2の大当り抽選の対象となる図柄変動ゲームが終了するタイミングで確定停止表示される。第2の大当り抽選に当選した場合、第2特別図柄表示装置25bには、第2の大当り抽選の対象となる図柄変動ゲームが終了するタイミングで大当り図柄に分類される特別図柄が確定停止表示される。また、第2の大当り抽選に非当選した場合、第2特別図柄表示装置25bには、第2の大当り抽選の対象となる図柄変動ゲームが終了するタイミングではずれ図柄に分類される特別図柄が確定停止表示される。また、第2の大当り抽選の対象となる図柄変動ゲームの実行中、第2特別図柄表示装置25bには、特別図柄が変動表示される。
【0025】
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、第1の大当り抽選の対象となる図柄変動ゲームの実行と、第2の大当り抽選の対象となる図柄変動ゲームの実行と、をそれぞれ保留可能に構成されている。そして、第1保留表示装置26aでは、当該第1保留表示装置26aを構成する発光部材の点灯や点滅、消灯によって、実行が保留されている第1の大当り抽選の対象となる図柄変動ゲームの回数(以下、「第1保留記憶数」という)が示される。同様に、第2保留表示装置26bでは、当該第2保留表示装置26bを構成する発光部材の点灯や点滅、消灯によって、実行が保留されている第2の大当り抽選の対象となる図柄変動ゲームの回数(以下、「第2保留記憶数」という)が示される。
【0026】
また、普通図柄表示装置27には、当該普通図柄表示装置27を構成する発光部材の点灯及び消灯の組み合わせによる普通図柄が確定停止表示される。このとき、普通当り抽選に当選した場合、普通図柄表示装置27には、普通当り図柄に分類される普通図柄が確定停止表示される。一方、普通当り抽選に非当選した場合、普通図柄表示装置27には、普通はずれ図柄に分類される普通図柄が確定停止表示される。
【0027】
また、パチンコ遊技機10には、遊技者が操作可能な操作手段としての演出用ボタンBTが配設されている。また、パチンコ遊技機10には、音声演出を行う音声出力手段としてのスピーカSpが配設されている。また、パチンコ遊技機10には、発光演出を行う発光手段としての装飾ランプLaが配設されている。
【0028】
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、大当り抽選の当選確率が通常よりも高確率となる高確率抽選状態を生起可能に構成されている。本実施形態において、高確率抽選状態は、高確率抽選状態の終了条件が成立するまでの間、継続して生起される。なお、本実施形態における「高確率抽選状態の終了条件」は、大当り遊技が生起されること又は大当り抽選に当選することなく予め定められた確率向上回数の図柄変動ゲームの実行が終了することによって成立する。
【0029】
因みに、高確率抽選状態が生起されていないときにおいて、第1の大当り抽選の当選確率と第2の大当り抽選の当選確率は、同一である。また、高確率抽選状態が生起されているときにおいて、第1の大当り抽選の当選確率と第2の大当り抽選の当選確率は、同一である。
【0030】
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、下始動入球装置17へ遊技球が入球する確率が通常よりも高確率となる入球率向上状態を生起可能に構成されている。入球率向上状態の生起中、入球率向上状態が生起されていないときと比較して、単位時間あたりに下始動入球装置17が開放状態となる機会(回数や時間)を増加させることで、下始動入球装置17へ遊技球が入球する確率を高めている。本実施形態において、入球率向上状態は、入球率向上状態の終了条件が成立するまでの間、継続して生起される。なお、本実施形態における「入球率向上状態の終了条件」は、大当り遊技が生起されること又は大当り抽選に当選することなく予め定められた入球率向上回数の図柄変動ゲームの実行が終了することによって成立する。因みに、本実施形態のパチンコ遊技機10では、確率向上回数と入球率向上回数は、同一回数と定めている。
【0031】
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、第1の大当り抽選と第2の大当り抽選で、当選した際に決定され得る大当りの種類を異ならせている。ここで、各大当り抽選に当選した際に決定され得る大当りの種類について説明する。
【0032】
まず、図2(a)に基づき、第1の大当り抽選に当選した際に決定され得る大当りの種類について説明する。第1の大当り抽選に当選した場合には、第1の実質5R特定大当り、第2の実質5R特定大当り及び実質5R非特定大当りのうち何れかの種類の大当りが決定される。
【0033】
第1の実質5R特定大当り、第2の実質5R特定大当り及び実質5R非特定大当りのうち何れかの大当りに基づく大当り遊技が生起された場合、15回の開放遊技が行われる。第1の実質5R特定大当り、第2の実質5R特定大当り及び実質5R非特定大当りに基づく大当り遊技における全ての開放遊技では、開放遊技が終了するまでの間、大入賞装置20が開放状態となる。第1の実質5R特定大当り、第2の実質5R特定大当り及び実質5R非特定大当りに基づく大当り遊技における開放遊技のうち、1回目〜5回目の開放遊技では規定時間として第1時間が定められ、6回目〜15回目の開放遊技では規定時間として第2時間が定められている。
【0034】
本実施形態において「第1時間」は、当該第1時間が経過するまでの間に規定個数の遊技球を大入賞装置20へ入球させることが容易な時間(例えば、「25秒」)としている。一方、本実施形態において「第2時間」は、第1時間よりも短い時間としている。本実施形態において「第2時間」は、当該第2時間が経過するまでの間に規定個数の遊技球を大入賞装置20へ入球させることが困難な時間としている。また、本実施形態において「第2時間」は、当該第2時間が経過するまでの間に1個の遊技球さえ大入賞装置20へ入球させることが困難な時間(例えば、「0.024秒」)としている。
【0035】
また、第1の実質5R特定大当り又は第2の実質5R特定大当りに基づく大当り遊技の終了後には、高確率抽選状態が生起される。一方、実質5R非特定大当りに基づく大当り遊技の終了後には、高確率抽選状態が生起されない(図面では、「非生起」と示す)。
【0036】
また、第1の実質5R特定大当りに基づく大当り遊技の終了後は、当該第1の実質5R特定大当りを決定した際に入球率向上状態が生起されているか否かに関係なく、入球率向上状態が生起される。
【0037】
また、第2の実質5R特定大当りに基づく大当り遊技の終了後は、当該第2の実質5R特定大当りを決定した際に入球率向上状態が生起されていない場合には、入球率向上状態が生起されない(図面では、「非生起」と示す)。一方、第2の実質5R特定大当りに基づく大当り遊技の終了後は、当該第2の実質5R特定大当りを決定した際に入球率向上状態が生起されている場合には、入球率向上状態が生起される。
【0038】
同様に、実質5R非特定大当りに基づく大当り遊技の終了後は、当該実質5R非特定大当りを決定した際に入球率向上状態が生起されていない場合には、入球率向上状態が生起されない。一方、実質5R非特定大当りに基づく大当り遊技の終了後は、当該実質5R非特定大当りを決定した際に入球率向上状態が生起されている場合には、入球率向上状態が生起される。
【0039】
次に、図2(b)に基づき、第2の大当り抽選に当選した際に決定され得る大当りの種類について説明する。第2の大当り抽選に当選した場合には、15R特定大当りと15R非特定大当りのうち何れかの種類の大当りが決定される。
【0040】
15R特定大当り又は15R非特定大当りに基づく大当り遊技が生起された場合、15回の開放遊技が行われる。15R特定大当り及び15R非特定大当りに基づく大当り遊技における開放遊技では、開放遊技が終了するまでの間、大入賞装置20が開放状態となる。15R特定大当り及び15R非特定大当りに基づく大当り遊技における開放遊技のうち、全ての開放遊技では規定時間として第1時間が定められている。
【0041】
また、15R特定大当りに基づく大当り遊技の終了後には、高確率抽選状態が生起される。一方、15R非特定大当りに基づく大当り遊技の終了後には、高確率抽選状態が生起されない。
【0042】
また、15R特定大当りに基づく大当り遊技の終了後は、当該15R特定大当りを決定した際に入球率向上状態が生起されているか否かに関係なく、入球率向上状態が生起される。同様に、15R非特定大当りに基づく大当りの終了後は、当該15R非特定大当りを決定した際に入球率向上状態が生起されているか否かに関係なく、入球率向上状態が生起される。
【0043】
このように、本実施形態において、大入賞装置20が開放状態となる時間を第1時間とすることのみで構成された15R特定大当りと15R非特定大当りが、第1種の当り遊技に相当する。また、本実施形態において、大入賞装置20が開放状態となる時間を第2時間とすることを含んで構成された第1の実質5R特定大当り、第2の実質5R特定大当り及び実質5R非特定大当りが、第2種の当り遊技に相当する。
【0044】
次に、図3に基づき、パチンコ遊技機10の制御構成について説明する。
パチンコ遊技機10の裏側には、パチンコ遊技機10全体を制御する主制御基板30が装着されている。主制御基板30は、パチンコ遊技機10全体を制御するための各種処理を実行するとともに、該処理結果に応じた各種の制御指令(制御コマンド)を出力する。また、パチンコ遊技機10の裏側には、演出制御基板31が装着されている。演出制御基板31は、主制御基板30が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示装置11の表示態様(図柄、背景、文字等の表示画像等)や、装飾ランプLaの発光態様、スピーカSpの音声出力態様を制御する。
【0045】
以下、主制御基板30及び演出制御基板31の具体的構成を説明する。
まず、主制御基板30について説明する。
図3に示すように、主制御基板30には、制御動作を所定の手順で実行する主制御用CPU30a、主制御用CPU30aの制御プログラムを格納する主制御用ROM30b及び必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM30cが設けられている。そして、主制御用CPU30aには、各種スイッチSW1〜SW4が接続されている。また、各種スイッチSW1〜SW4は、各種スイッチが遊技球を検知した際に出力する検知信号を主制御用CPU30aが入力できるように、主制御用CPU30aに接続されている。また、主制御用CPU30aには、各特別図柄表示装置25a,25b、各保留表示装置26a,26b及び普通図柄表示装置27が接続されている。また、主制御用CPU30aには、電動役物ソレノイドSOL1及び大入賞ソレノイドSOL2が接続されている。
【0046】
また、主制御用ROM30bには、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、図柄変動ゲームが開始してから当該図柄変動ゲームが終了するまでの変動時間を特定し得る。また、本実施形態における変動パターンは、演出表示装置11、装飾ランプLa及びスピーカSpにて行われる演出の演出内容を特定し得る。変動パターンには、大当りのときに決定される大当り演出用の変動パターンと、はずれのときに決定されるはずれ演出用の変動パターンと、がある。
【0047】
また、主制御用ROM30bには、各種の判定値が記憶されている。例えば、主制御用ROM30bには、大当り判定値が記憶されている。大当り判定値は、大当り抽選で用いる判定値である。高確率抽選状態が生起されているときの大当り判定値の個数は、高確率抽選状態が生起されていないときの大当り判定値の個数よりも多くなっている。また、主制御用ROM30bには、普通当り判定値が記憶されている。普通当り判定値は、普通当り抽選で用いる判定値である。
【0048】
また、主制御用RAM30cには、パチンコ遊技機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグ等)が記憶(設定)される。例えば、主制御用RAM30cには、高確率抽選状態の生起中であるか否かを示す主制御用高確率抽選状態フラグが記憶される。また、主制御用RAM30cには、入球率向上状態の生起中であるか否かを示す主制御用入球率向上状態フラグが記憶される。
【0049】
また、主制御基板30内では、大当り判定用乱数や、特別図柄振分用乱数、変動パターン振分用乱数として使用される各種乱数が生成される。因みに、大当り判定用乱数は、大当り抽選に用いる乱数である。特別図柄振分用乱数は、大当りの種類を決定する際に用いる乱数である。変動パターン振分用乱数は、変動パターンを決定する際に用いる乱数である。なお、各種乱数として使用される乱数は、ハードウェア乱数であってもよいし、ソフトウェア乱数であってもよい。
【0050】
次に、図3に基づき、演出制御基板31について説明する。
演出制御基板31には、制御動作を所定の手順で実行する演出制御用CPU31aと、演出制御用CPU31aの制御プログラムを格納する演出制御用ROM31bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる演出制御用RAM31cが設けられている。また、演出制御用CPU31aには、演出表示装置11が接続されている。また、演出制御用CPU31aには、装飾ランプLaが接続されている。また、演出制御用CPU31aには、スピーカSpが接続されている。また、演出制御用CPU31aには、演出用ボタンBTが操作された際に出力される操作信号を入力可能に、演出用ボタンBTが接続されている。
【0051】
また、演出制御用ROM31bには、各種画像表示データ(装飾図柄、背景画像、文字等の画像データ)、各種の発光用データ及び各種の音声用データが記憶されている。
また、演出制御用RAM31cには、パチンコ遊技機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグ等)が記憶(設定)される。例えば、演出制御用RAM31cには、高確率抽選状態の生起中であるか否かを示す演出制御用高確率抽選状態フラグが記憶される。また、演出制御用RAM31cには、入球率向上状態の生起中であるか否かを示す演出制御用入球率向上状態フラグが記憶される。
【0052】
以下、主制御基板30及び演出制御基板31が実行する制御内容を説明する。
まず、主制御基板30の主制御用CPU30aが、メイン制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。本実施形態において主制御用CPU30aは、所定の制御周期毎に、各種処理を実行する。
【0053】
最初に、特別図柄入力処理について説明する。
主制御用CPU30aは、上始動入球装置15へ入球した遊技球を検知した際に上始動スイッチSW1が出力する検知信号を入力すると、主制御用RAM30cに記憶されている第1保留記憶数が上限数(本実施形態では、「4」)未満であるか否かの第1保留判定を行う。この第1保留判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、第1保留記憶数に1加算し、第1保留記憶数を書き換える。それとともに、主制御用CPU30aは、1加算後の第1保留記憶数を表すように第1保留表示装置26aの表示内容を制御する。
【0054】
また、第1保留判定を肯定判定した主制御用CPU30aは、主制御基板30内で生成されている各種乱数(大当り判定用乱数、特別図柄振分用乱数及び変動パターン振分用乱数)の値を取得し、その値を第1保留記憶数に対応付けて主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶(格納)し、特別図柄入力処理を終了する。このように第1保留記憶数に対応付けて各種乱数の値を主制御用RAM30cに記憶することにより、第1の大当り抽選の対象となる図柄変動ゲームの実行が保留される。
【0055】
また、主制御用CPU30aは、下始動入球装置17へ入球した遊技球を検知した際に下始動スイッチSW2が出力する検知信号を入力すると、主制御用RAM30cに記憶されている第2保留記憶数が上限数(本実施形態では、「4」)未満であるか否かの第2保留判定を行う。この第2保留判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、第2保留記憶数に1加算し、第2保留記憶数を書き換える。それとともに、主制御用CPU30aは、1加算後の第2保留記憶数を表すように第2保留表示装置26bの表示内容を制御する。
【0056】
また、第2保留判定を肯定判定した主制御用CPU30aは、主制御基板30内で生成されている各種乱数(大当り判定用乱数、特別図柄振分用乱数及び変動パターン振分用乱数)の値を取得し、その値を第2保留記憶数に対応付けて主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶(格納)し、特別図柄入力処理を終了する。このように第2保留記憶数に対応付けて各種乱数の値を主制御用RAM30cに記憶することにより、第2の大当り抽選の対象となる図柄変動ゲームの実行が保留される。
【0057】
なお、主制御用CPU30aは、第1保留判定の判定結果が否定の場合、及び第2保留判定の判定結果が否定の場合、上限数を超える保留記憶数の書き換えを行わないとともに、前述した各種乱数の値も取得することなく、特別図柄入力処理を終了する。
【0058】
次に、特別図柄開始処理について説明する。
主制御用CPU30aは、図柄変動ゲームの実行中又は大当り遊技の生起中か否かの実行条件判定を実行する。この実行条件判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。一方、実行条件判定の判定結果が否定の場合、第2保留記憶数を読み出し、当該第2保留記憶数が「0(零)」よりも大きいか否かの第2保留数判定を実行する。この第2保留数判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、第1保留記憶数を読み出し、当該第1保留記憶数が「0(零)」よりも大きいか否かの第1保留数判定を実行する。この第1保留数判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0059】
また、第2保留数判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、第2の大当り抽選の対象となる図柄変動ゲームを実行させるための第2ゲーム処理を行う。また、第1保留数判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、第1の大当り抽選の対象となる図柄変動ゲームを実行させるための第1ゲーム処理を行う。
【0060】
第1ゲーム処理において、主制御用CPU30aは、第1保留記憶数から1減算し、主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されている(大当り判定用乱数、特別図柄振分用乱数及び変動パターン振分用乱数)の値を読み出す。更に、主制御用CPU30aは、1減算後の第1保留記憶数を表すように第1保留表示装置26aの表示内容を制御する。
【0061】
また、第1ゲーム処理において、各種乱数の値を読み出した主制御用CPU30aは、読み出した大当り判定用乱数の値が、主制御用ROM30bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定して大当り判定(第1の大当り抽選)を行う。このとき、主制御用CPU30aは、高確率抽選状態の生起中であるか否かに応じた大当り判定値を用いて第1の大当り抽選を行う。
【0062】
そして、第1の大当り抽選に当選した場合、主制御用CPU30aは、読み出した特別図柄振分用乱数の値に基づき、第1特別図柄表示装置25aに確定停止表示させる大当り図柄を決定する。このとき、主制御用CPU30aは、第1の実質5R特定大当りに対応する大当り図柄、第2の実質5R特定大当りに対応する大当り図柄及び実質5R非特定大当りに対応する大当り図柄の中から大当り図柄を決定する。また、本実施形態の主制御用CPU30aは、大当り図柄を決定することにより、大当りの種類も決定する。その後、主制御用CPU30aは、読み出した変動パターン振分用乱数の値に基づき、複数種類の大当り演出用の変動パターンの中から変動パターンを決定し、特別図柄開始処理を終了する。
【0063】
一方、第1の大当り抽選に非当選した場合、主制御用CPU30aは、第1特別図柄表示装置25aに確定停止表示させる特別図柄としてはずれ図柄を決定する。その後、主制御用CPU30aは、読み出した変動パターン振分用乱数の値に基づき、複数種類のはずれ演出用の変動パターンの中から変動パターンを決定し、特別図柄開始処理を終了する。
【0064】
また、第2ゲーム処理において、主制御用CPU30aは、第2保留記憶数から1減算し、主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されている各種乱数(大当り判定用乱数、特別図柄振分用乱数及び変動パターン振分用乱数)の値を読み出す。更に、主制御用CPU30aは、1減算後の第2保留記憶数を表すように第2保留表示装置26bの表示内容を制御する。
【0065】
また、各種乱数の値を読み出した主制御用CPU30aは、読み出した大当り判定用乱数の値が、主制御用ROM30bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定して大当り判定(第2の大当り抽選)を行う。このとき、主制御用CPU30aは、高確率抽選状態の生起中であるか否かに応じた大当り判定値を用いて第2の大当り抽選を行う。
【0066】
そして、この第2の大当り抽選に当選した場合、主制御用CPU30aは、読み出した特別図柄振分用乱数の値に基づき、第2特別図柄表示装置25bに確定停止表示させる大当り図柄を決定する。このとき、主制御用CPU30aは、15R特定大当りに対応する大当り図柄と、15R非特定大当りに対応する大当り図柄の中から大当り図柄を決定する。その後、主制御用CPU30aは、読み出した変動パターン振分用乱数の値に基づき、複数種類の大当り演出用の変動パターンの中から変動パターンを決定し、特別図柄開始処理を終了する。
【0067】
一方、第2の大当り抽選に非当選した場合、主制御用CPU30aは、第2特別図柄表示装置25bに確定停止表示させる特別図柄としてはずれ図柄を決定する。その後、主制御用CPU30aは、読み出した変動パターン振分用乱数の値に基づき、複数種類のはずれ演出用の変動パターンの中から変動パターンを決定し、特別図柄開始処理を終了する。
【0068】
また、特別図柄開始処理において特別図柄及び変動パターンを決定した主制御用CPU30aは、決定した内容にしたがって生成した制御コマンドを所定のタイミングで演出制御用CPU31aに出力する。具体的に言えば、主制御用CPU30aは、変動パターンを指定するとともに図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを図柄変動ゲームの開始に際して最初に出力する。同時に、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理にて決定した特別図柄を指定する特別図柄指定コマンドを演出制御用CPU31aに出力する。そして、主制御用CPU30aは、指示した変動パターンに定められている変動時間の経過時に図柄変動ゲームの終了を指示する全図柄停止コマンドを前記変動時間の経過に伴って出力するとともに、決定した特別図柄を確定停止表示させるように第1特別図柄表示装置25a又は第2特別図柄表示装置25bの表示内容を制御する。
【0069】
なお、本実施形態において上始動入球装置15へ遊技球が入球することが第1の始動条件の成立に相当し、当該入球に基づき第1の大当り抽選を行う主制御用CPU30aが第1当り抽選手段として機能する。また、本実施形態において下始動入球装置17へ遊技球が入球することが第2の始動条件の成立に相当し、当該入球に基づき第2の大当り抽選を行う主制御用CPU30aが第2当り抽選手段として機能する。また、本実施形態において、当選した大当り抽選の種類に応じて大当りの種類を決定する主制御用CPU30aが、当り種決定手段として機能する。また、本実施形態において下始動入球装置17へ遊技球が入球する確率が通常よりも高確率になる入球率向上状態が、第2の始動条件の成立する確率を高確率とする遊技状態に相当する。そして、本実施形態において入球率向上状態の生起中が、有利遊技状態の生起中に相当する。
【0070】
また、主制御用CPU30aは、大当り抽選に当選した場合、当該大当り抽選の当選対象となる図柄変動ゲームの終了後、大入賞装置20の開放状態及び閉鎖状態を制御し、大当り遊技を生起させる。このように、本実施形態において、大当り遊技を生起させる主制御用CPU30aが当り遊技生起手段として機能する。
【0071】
大当り遊技を生起させる際、主制御用CPU30aは、オープニング時間を設定すると、オープニング時間を設定したことを示すオープニング設定信号を演出制御用CPU31aに出力する。また、主制御用CPU30aは、開放遊技を開始する毎に、開放遊技が開始されたことを示す開放遊技開始信号を演出制御用CPU31aに出力する。また、主制御用CPU30aは、エンディング時間を設定すると、エンディング時間を設定したことを示すエンディング設定信号を演出制御用CPU31aに出力する。
【0072】
また、主制御用CPU30aは、主制御用高確率抽選状態フラグや主制御用入球率向上状態フラグの管理によって、遊技状態を制御する。具体的には、高確率抽選状態を生起させるとき、主制御用CPU30aは、高確率抽選状態の生起中であることを示す情報を主制御用高確率抽選状態フラグに設定する。また、高確率抽選状態を生起させないとき、主制御用CPU30aは、高確率抽選状態の生起中でないことを示す情報を主制御用高確率抽選状態フラグに設定する。
【0073】
また、入球率向上状態を生起させるとき、主制御用CPU30aは、入球率向上状態の生起中であることを示す情報を主制御用入球率向上状態フラグに設定する。また、入球率向上状態を生起させないとき、主制御用CPU30aは、入球率向上状態の生起中でないことを示す情報を主制御用入球率向上状態フラグに設定する。
【0074】
本実施形態において下始動入球装置17へ遊技球が入球する確率が通常よりも高確率になる入球率向上状態が、第2の始動条件の成立する確率を高確率とする遊技状態に相当する。そして、本実施形態において入球率向上状態の生起中が、有利遊技状態の生起中に相当する。また、有利遊技状態に相当する入球率向上状態を生起させる主制御用CPU30aが、本実施形態において有利状態生起手段として機能する。
【0075】
次に、普通当り遊技の生起に係る制御について説明する。
主制御用CPU30aは、ゲート23へ遊技球が入球したことをゲートスイッチSW4からの検知信号の入力によって特定すると、主制御基板30内で生成される普通当り判定用乱数の値を取得する。そして、主制御用CPU30aは、普通当り遊技の生起中でない場合、取得した普通当り判定用乱数の値が、主制御用ROM30bに記憶されている普通当り判定値と一致するか否かの普通当り抽選を行う。そして、普通当り抽選に当選した場合、主制御用CPU30aは、普通図柄表示装置27にて所定時間だけ普通図柄を変動表示させた後に普通当り図柄を確定停止表示させる。一方、普通当り抽選に非当選した場合、主制御用CPU30aは、普通図柄表示装置27にて所定時間だけ普通図柄を変動表示させた後に普通はずれ図柄を確定停止表示させる。
【0076】
また、主制御用CPU30aは、普通当り図柄を普通図柄表示装置27に確定停止表示させた後、下始動入球装置17の開放状態と閉鎖状態を制御して、普通当り遊技を生起させる。
【0077】
次に、演出制御基板31の演出制御用CPU31aが制御プログラムに基づき実行する各種の処理について説明する。
演出制御基板31の演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンド及び特別図柄指定コマンドを入力すると、当該コマンドの指示内容に応じて演出表示装置11に確定停止表示させる装飾図柄の図柄組み合わせを決定する。
【0078】
具体的に、演出制御用CPU31aは、大当り図柄が指定された場合、大当りの図柄組み合わせの中から確定停止表示させる装飾図柄の図柄組み合わせを決定する。また、演出制御用CPU31aは、はずれ図柄が指定された場合、はずれの図柄組み合わせの中から確定停止表示させる装飾図柄の図柄組み合わせを決定する。
【0079】
演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、各図柄列の装飾図柄を変動表示させて図柄変動ゲームを開始するように、演出表示装置11の表示内容を制御する。そして、演出制御用CPU31aは、全図柄停止コマンドを入力すると、確定停止表示させると決定した装飾図柄の図柄組み合わせを演出表示装置11に確定停止表示させる。
【0080】
また、演出制御用CPU31aは、大当り遊技が生起されると、当該大当り遊技の生起中、大当り中演出を実行させるように、演出表示装置11の表示態様、スピーカSpの音声出力態様及び装飾ランプLaの発光態様を制御する。
【0081】
また、演出制御用CPU31aは、演出制御用高確率抽選状態フラグや演出制御用入球率向上状態フラグの管理によって、遊技状態を特定できるようにする。具体的に、高確率抽選状態が生起されるとき、演出制御用CPU31aは、高確率抽選状態の生起中であることを特定可能な情報を演出制御用高確率抽選状態フラグに設定する。また、高確率抽選状態が生起されないとき、演出制御用CPU31aは、高確率抽選状態の生起中でないことを特定可能な情報を演出制御用高確率抽選状態フラグに設定する。
【0082】
また、入球率向上状態が生起されるとき、演出制御用CPU31aは、入球率向上状態の生起中であることを特定可能な情報を演出制御用入球率向上状態フラグに設定する。また、入球率向上状態が生起されないとき、演出制御用CPU31aは、入球率向上状態の生起中でないことを特定可能な情報を演出制御用入球率向上状態フラグに設定する。
【0083】
本実施形態のパチンコ遊技機10は、演出表示装置11にて各種の演出モードを実行可能に構成されている。
図4に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機10では、入球率向上状態が生起されていることを遊技者に報知する「入球率向上モード」を演出表示装置11にて実行可能に構成されている。本実施形態では、入球率向上状態が生起されていないこと及び高確率抽選状態が生起されていないことを遊技者に報知する「特別演出モード」を演出表示装置11にて実行可能に構成されている。また、本実施形態では、入球率向上状態が生起されていないこと及び高確率抽選状態が生起されていることに対して期待できることを遊技者に報知する「高確率期待モード」を演出表示装置11にて実行可能に構成されている。また、本実施形態では、入球率向上状態が生起されていないこと及び高確率抽選状態が生起されている可能性が低いことを遊技者に報知する「通常演出モード」を演出表示装置11にて実行可能に構成されている。なお、本実施形態において「通常演出モード」は、高確率抽選状態が生起されている可能性が皆無というわけではない。
【0084】
これら「入球率向上モード」、「特別演出モード」、「高確率期待モード」及び「通常演出モード」では、演出表示装置11に表示される背景画像が異なるとともに、各種演出(例えば、予告演出やリーチ演出)の演出態様も異なる。これにより、遊技者は、演出表示装置11に表示される背景画像の種類から、実行中(設定中)の演出モードの種類を特定することができる。
【0085】
また、本実施形態では、「入球率向上モード」として、「第1の入球率向上モード」と「第2の入球率向上モード」を演出表示装置11にて実行可能に構成されている。これら2種類の入球率向上モードでは、演出表示装置11に表示される背景画像が異なるとともに、各種演出の演出態様も異なる。
【0086】
また、本実施形態では、「特別演出モード」として、「第1の特別演出モード」と「第2の特別演出モード」を演出表示装置11にて実行可能に構成されている。これら2種類の特別演出モードでは、演出表示装置11に表示される背景画像が異なるとともに、各種演出の演出態様も異なる。
【0087】
本実施形態において通常演出モードは、入球率向上状態が生起されていないときに実行される演出モードである。通常演出モードの実行中、第2の実質5R特定大当り又は実質5R非特定大当りに基づく大当り遊技が生起されると、当該大当り遊技の終了後、高確率期待モードへ移行する。また、通常演出モードの実行中、第1の実質5R特定大当り、15R特定大当り及び15R非特定大当りのうち何れかに基づく大当り遊技が生起されると、当該大当り遊技の終了後、入球率向上モードへ移行する。
【0088】
また、高確率期待モードは、入球率向上状態が生起されていないときに実行される演出モードである。高確率期待モードの実行中、第2の実質5R特定大当り又は実質5R非特定大当りに基づく大当り遊技が生起されると、当該大当り遊技の終了後、再び高確率期待モードが継続する。また、高確率期待モードの実行中、第1の実質5R特定大当り、15R特定大当り及び15R非特定大当りのうち何れかに基づく大当り遊技が生起されると、当該大当り遊技の終了後、入球率向上モードへ移行する。また、高確率期待モードの実行中、高確率期待モードの終了条件が成立すると、当該図柄変動ゲームの実行中に通常演出モードへ移行する。本実施形態では、高確率期待モードの実行が開始されてから大当り抽選に当選することなく所定回数(本実施形態では、確率向上回数よりも少ない回数)の図柄変動ゲームの実行が終了することを契機として、高確率期待モードの終了条件が成立する。
【0089】
また、特別演出モード(第1の特別演出モード及び第2の特別演出モード)は、入球率向上状態が生起されていないときに実行される演出モードである。特別演出モードの実行中、第2の実質5R特定大当り又は実質5R非特定大当りに基づく大当り遊技が生起されると、当該大当り遊技の終了後、高確率期待モードへ移行する。また、特別演出モードの実行中、第1の実質5R特定大当り、15R特定大当り及び15R非特定大当りのうち何れかに基づく大当り遊技が生起されると、当該大当り遊技の終了後、入球率向上モードへ移行する。また、特別演出モードの実行中、特別演出モードの終了条件が成立すると、当該図柄変動ゲームの実行中に通常演出モードへ移行する。本実施形態では、特別演出モードの実行が開始されてから大当り抽選に当選することなく所定回数の図柄変動ゲームの実行が終了することを契機として、特別演出モードの終了条件が成立する。
【0090】
また、入球率向上モード(第1の入球率向上モード及び第2の入球率向上モード)は、入球率向上状態が生起されているときに実行される演出モードである。入球率向上モードの実行中、大当り遊技が生起されると、当該大当り遊技の終了後、再び入球率向上モードが継続する。また、入球率向上モードの実行中、入球率向上状態が終了すると、特別演出モードへ移行する。
【0091】
なお、本実施形態では、入球率向上回数と確率向上回数は同一回数となっているため、入球率向上モードから特別演出モードへの移行は、高確率抽選状態の終了に相当する。
また、本実施形態では、入球率向上モードの種類に応じて、当該入球率向上モード終了後に移行する特別演出モードの種類が変わる。具体的に、第1の入球率向上モードの終了後は、第1の特別演出モードへ移行する。一方、第2の入球率向上モードの終了後は、第2の特別演出モードへ移行する。
【0092】
ここで、第1の入球率向上モードにおける演出の展開(ゲーム性)と、第2の入球率向上モードにおける演出の展開について、説明する。
第1の入球率向上モードでは、主人公が宝探しを行う演出が行われる。そして、図柄変動ゲームが大当りとなる場合には、主人公が財宝の入った宝箱を見つける演出内容で演出が展開される。一方、図柄変動ゲームがはずれとなる場合には、主人公が財宝の入っていない宝箱を見つける演出内容や、主人公が宝箱を見つけられない演出内容で演出が展開される。
【0093】
また、第1の入球率向上モードの終了時には、終了演出として獲得賞球演出が行われる。この獲得賞球演出は、入球率向上状態が生起されていないときに大当り抽選に当選してから、大当り遊技終了後に大当り抽選に当選することなく入球率向上状態が終了するまでに、大入賞装置20への遊技球の入球に基づき払い出された遊技球の個数に応じた内容で行われる。なお、「大当り遊技終了後に大当り抽選に当選することなく入球率向上状態が終了する」とは、大当り遊技の終了後から大当り抽選に当選することなく入球率向上回数の図柄変動ゲームの実行が終了したことを契機として入球率向上状態が終了することを意味する。
【0094】
また、第1の入球率向上モードの終了時には、終了演出として連荘回数演出が行われる。連荘回数演出は、入球率向上状態が生起されていないときに大当り抽選に当選してから大当り遊技終了後に大当り抽選に当選することなく入球率向上状態が終了するまでに、生起された大当り遊技の回数に応じた内容で行われる。このように、第1の入球率向上モードの終了時には、終了演出として、獲得賞球演出と連荘回数演出が行われる。
【0095】
第2の入球率向上モードでは、主人公と敵キャラクタが対決する演出が行われる。そして、図柄変動ゲームが大当りとなる場合には、主人公が敵キャラクタとの対決に勝利する演出内容で演出が展開される。一方、図柄変動ゲームがはずれとなる場合には、主人公が敵キャラクタとの対決に引き分ける演出内容や、主人公が敵キャラクタに負ける演出内容で演出が展開される。
【0096】
また、第2の入球率向上モードの終了時には、終了演出として、獲得賞球演出及び連荘回数演出に加えて、勝利回数演出が行われる。この勝利回数演出は、入球率向上状態が生起されていないときに大当り抽選に当選してから、大当り遊技終了後に大当り抽選に当選することなく入球率向上状態が終了するまでに、第2の入球率向上モードにて生起された大当り遊技の回数に応じた内容で行われる。このように、第2の入球率向上モードの終了時には、終了演出として、獲得賞球演出、連荘回数演出及び勝利回数演出が行われる。
【0097】
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、大当り遊技終了後に入球率向上状態が生起される場合、当該大当り遊技の生起中に、演出用ボタンBTを操作することによって入球率向上モードの種類を選択可能に構成されている。なお、本実施形態では、入球率向上モードの種類によって特別演出モードの種類が異なるため、入球率向上モードの種類を選択することは特別演出モードの種類を選択することに相当する。
【0098】
更に、本実施形態では、大当り遊技の生起中、当該大当り遊技終了後の入球率向上モードの種類として第2の入球率向上モードが選択した場合、演出用ボタンBTを操作することによって主人公と対決する敵キャラクタの種類を選択可能に構成されている。因みに、本実施形態では、敵キャラクタの種類を9種類としており、最大9種類の中から敵キャラクタを選択することができる。
【0099】
以下、大当り遊技終了後に入球率向上状態が生起される大当り遊技生起中の演出態様について説明する。なお、入球率向上状態が生起されていないときに生起させることが決定された第2の実質5R特定大当り又は実質5R非特定大当りに基づく大当り遊技の生起中は、所定の大当り中演出が行われる。
【0100】
図5(a)に示すように、第1の実質5R特定大当りに基づく大当り遊技の生起中、1回目の開放遊技の開始から4回目の開放遊技終了後のインターバルが経過するまでは、所定の大当り中演出が行われる。同様に、入球率向上状態の生起中に生起させることが決定された第2の実質5R特定大当り又は実質5R非特定大当りに基づく大当り遊技の生起中、1回目の開放遊技の開始から4回目の開放遊技終了後のインターバルが経過するまでは、所定の大当り中演出が行われる。
【0101】
その後、5回目の開放遊技の開始から当該開放遊技終了後のインターバルが経過するまでは、演出表示装置11にて説明演出が行われる。説明演出では、第1の入球率向上モードのゲーム性と、第2の入球率向上モードのゲーム性と、を遊技者に説明する内容で行われる。本実施形態における説明演出では、第1の入球率向上モードにおいては主人公が宝探しを行う演出が行われることを遊技者に説明するとともに、第2の入球率向上モードにおいては主人公が敵キャラクタと対決する演出が行われることを遊技者に説明する内容で行われる。
【0102】
また、6回目の開放遊技の開始から8回目の開放遊技終了後のインターバルが経過するまでは、演出表示装置11にてモード選択演出が行われる。モード選択演出では、大当り遊技終了後に移行する入球率向上モードの種類として選択中の入球率向上モードの種類が遊技者に報知される。また、このモード選択演出が行われている間、演出用ボタンBTを操作する毎に、大当り遊技終了後に移行する入球率向上モードの種類として選択中の入球率向上モードの種類を切り替えて遊技者に報知する。
【0103】
また、9回目の開放遊技の開始から15回目の開放遊技終了後のインターバルが経過するまでは、財宝紹介演出又はキャラクタ選択演出が行われる。9回目の開放遊技の開始から15回目の開放遊技終了後のインターバルが経過するまでの間に行われる演出は、大当り遊技終了後に移行する入球率向上モードの種類として選択された入球率向上モードの種類によって異なる。具体的に、大当り遊技終了後に移行する入球率向上モードとして第1の入球率向上モードが選択された場合には、財宝紹介演出が行われる。一方、大当り遊技終了後に移行する入球率向上モードとして第2の入球率向上モードが選択された場合には、キャラクタ選択演出が行われる。
【0104】
財宝紹介演出は、第1の入球率向上モードにおいて主人公が宝箱を見つけた際に、当該宝箱の中身となり得る財宝のとしてどのような種類が存在するかを遊技者に紹介する内容で行われる。
【0105】
また、キャラクタ選択演出では、第2の入球率向上モードにおいて敵キャラクタの種類として選択中のキャラクタの種類が遊技者に報知される。キャラクタ選択演出が行われている間、演出用ボタンBTを操作する毎に、敵キャラクタとして選択中のキャラクタの種類を切り替えて遊技者に報知する。このとき、入球率向上状態が生起されていないときに大当り抽選に当選してから、大当り遊技終了後に大当り抽選に当選することなく入球率向上状態が終了するまでの間に、主人公が対決に勝利したキャラクタが選択されないように、選択中のキャラクタの種類を切り替えて遊技者に報知する。なお、選択できるキャラクタの種類が1種類となった場合には、演出用ボタンBTを操作したとしても、残り1種類のキャラクタを選択中のキャラクタとして遊技者に報知し続ける。また、選択可能なキャラクタ全てに主人公が勝利した後は、主人公が対決に勝利したキャラクタがリセットされ、再び9種類のキャラクタが敵キャラクタとして選択可能なキャラクタとして遊技者に報知される。
【0106】
また、15回目の開放遊技終了後のインターバルが経過した後、エンディング時間が設定されている間は、生起中の大当り遊技終了後に移行する入球率向上モードの種類を遊技者に報知する内容の移行モード報知演出が演出表示装置11にて行われる。
【0107】
図5(b)に示すように、15R特定大当りに基づく大当り遊技の生起中、及び15R非特定大当りに基づく大当り遊技の生起中、1回目の開放遊技の開始から12回目の開放遊技終了後のインターバルが経過するまでは、演出モードに応じた大当り中演出が行われる。具体的には、大当り遊技の生起前の演出モードが第1の入球率向上モードであれば、当該第1の入球率向上モードにおける演出の展開に対応する内容(例えば、主人公が発見した財宝を紹介する内容)の大当り中演出が行われる。また、大当り遊技の生起前の演出モードが第2の入球率向上モードであれば、当該第2の入球率向上モードにおける演出の展開に対応する内容(例えば、主人公が勝利した敵キャラクタを紹介する内容)の大当り中演出が行われる。また、大当り遊技の生起前の演出モードが入球率向上モード以外の演出モードであれば、予め決められた内容の大当り中演出が行われる。
【0108】
その後、13回目の開放遊技の開始から当該開放遊技終了後のインターバルが経過するまでは、演出表示装置11にて説明演出が行われる。また、14回目の開放遊技の開始から当該開放遊技終了後のインターバルが経過するまでは、演出表示装置11にてモード選択演出が行われる。
【0109】
また、15回目の開放遊技の開始から当該開放遊技終了後のインターバルが経過するまでは、財宝紹介演出又はキャラクタ選択演出が行われる。この15回目の開放遊技の開始から当該開放遊技終了後のインターバルが経過するまでの間に行われる演出は、大当り遊技終了後に移行する入球率向上モードの種類として選択された入球率向上モードの種類によって異なる。具体的に、大当り遊技終了後に移行する入球率向上モードとして第1の入球率向上モードが選択された場合には、財宝紹介演出が行われる。一方、大当り遊技終了後に移行する入球率向上モードとして第2の入球率向上モードが選択された場合には、キャラクタ選択演出が行われる。また、15回目の開放遊技終了後のインターバルが経過した後、エンディング時間が設定されている間は、移行モード報知演出が演出表示装置11にて行われる。
【0110】
ここで、大当り遊技終了後に入球率向上状態が生起される大当り遊技生起中に演出制御用CPU31aが行う制御について説明する。
なお、演出制御用CPU31aは、大当り遊技が生起されてから何回目に入力した開放遊技開始信号であるかを特定することで、大当り遊技における何回目の開放遊技が開始されたかを特定する。また、演出制御用CPU31aは、2回目以降の開放遊技開始信号を入力することにより、直前の開放遊技終了後のインターバルが経過したことも特定する。更に、演出制御用CPU31aは、エンディング設定信号を入力することにより、最終回(15回目)の開放遊技終了後のインターバルが経過したことを特定する。
【0111】
第1の実質5R特定大当りに基づく大当り遊技の1回目の開放遊技開始から4回目の開放遊技終了後のインターバルが経過するまでの間、演出制御用CPU31aは、当該大当りに対応する所定の大当り中演出を実行させるように、演出表示装置11の表示内容を制御する。また、入球率向上状態の生起中に生起させることが決定された第2の実質5R特定大当りに基づく大当り遊技の1回目の開放遊技開始から4回目の開放遊技終了後のインターバルが経過するまでの間、演出制御用CPU31aは、当該大当りに対応する所定の大当り中演出を実行させるように、演出表示装置11の表示内容を制御する。同様に、入球率向上状態の生起中に生起させることが決定された実質5R非特定大当りに基づく大当り遊技の1回目の開放遊技開始から4回目の開放遊技終了後のインターバルが経過するまでの間、演出制御用CPU31aは、当該大当りに対応する所定の大当り中演出を実行させるように、演出表示装置11の表示内容を制御する。
【0112】
また、15R特定大当りに基づく大当り遊技の1回目の開放遊技開始から12回目の開放遊技終了後のインターバルが経過するまでの間、演出制御用CPU31aは、大当り遊技生起直前に実行していた演出モードに応じた大当り中演出を実行させるように、演出表示装置11の表示内容を制御する。同様に、15R非特定大当りに基づく大当り遊技の1回目の開放遊技開始から12回目の開放遊技終了後のインターバルが経過するまでの間、演出制御用CPU31aは、大当り遊技生起直前に実行していた演出モードに応じた大当り中演出を実行させるように、演出表示装置11の表示内容を制御する。
【0113】
また、演出制御用CPU31aは、大当り遊技の生起中の説明演出を実行させることを定めた期間において、説明演出を実行させるように、演出表示装置11の表示内容を制御する。
【0114】
また、演出制御用CPU31aは、大当り遊技の生起中のモード選択演出を実行させることを定めた期間において、演出用ボタンBTの操作をモード選択演出における操作として有効とするモード選択演出用の操作有効期間を設定する。それとともに、演出制御用CPU31aは、モード選択演出を実行させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。
【0115】
演出制御用CPU31aは、モード選択演出の実行開始に伴い、大当り遊技終了後に移行する入球率向上モードの種類として第1の入球率向上モードが選択されていることを示すように演出表示装置11の表示内容を制御する。その後、演出制御用CPU31aは、モード選択演出用の操作有効期間において演出用ボタンBTからの操作信号を入力する毎に、大当り遊技終了後に移行する入球率向上モードの種類として選択されている入球率向上モードの種類を切り替えて示すように演出表示装置11の表示内容を制御する。更に、演出制御用CPU31aは、モード選択演出用の操作有効期間の終了時、大当り遊技終了後に移行する入球率向上モードの種類として選択されている入球率向上モードの種類を特定可能な選択モード情報を演出制御用RAM31cに記憶する。以上のように制御されるため、モード選択演出用の操作有効期間の設定中に一度も演出用ボタンBTが操作されない場合には、大当り遊技終了後が第1の入球率向上モードとなる。
【0116】
本実施形態において、第1の大当り抽選に当選した際に生起される大当り遊技の生起中においてモード選択演出が実行される最大時間(=(第2時間+インターバル)×3)は、第2の大当り抽選に当選した際に生起される大当り遊技の生起中においてモード選択演出が実行される最大時間(=第1時間+インターバル)よりも短い時間となる。すなわち、第2の大当り抽選に当選した際には、第1の大当り抽選に当選した場合よりも大当り遊技終了後の演出モードの種類を選択する時間が長くなり易い。つまり、第2の大当り抽選が行われ易い入球率向上状態の生起中は、入球率向上状態が生起されていないときよりも、演出モードの種類を選択する時間が長くなり易いことになる。
【0117】
また、演出制御用CPU31aは、モード選択演出において第1の入球率向上モードが選択された場合には、モード選択演出の終了後から最終回の開放遊技終了後のインターバルが経過するまでの間、財宝紹介演出を実行させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。
【0118】
また、演出制御用CPU31aは、モード選択演出において第2の入球率向上モードが選択された場合には、モード選択演出の終了後から最終回の開放遊技終了後のインターバルが経過するまでの間、演出用ボタンBTの操作をキャラクタ選択演出における操作として有効とするキャラクタ選択演出用の操作有効期間を設定する。それとともに、演出制御用CPU31aは、キャラクタ選択演出を実行させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。
【0119】
演出制御用CPU31aは、キャラクタ選択演出の実行開始に伴い、敵キャラクタとして選択可能なキャラクタのうち1つのキャラクタが選択されていることを示すように演出表示装置11の表示内容を制御する。その後、演出制御用CPU31aは、キャラクタ選択演出用の操作有効期間において演出用ボタンBTからの操作信号を入力する毎に、敵キャラクタとして選択されているキャラクタの種類を切り替えて示すように演出表示装置11の表示内容を制御する。更に、演出制御用CPU31aは、キャラクタ選択演出用の操作有効期間の終了時、敵キャラクタとなるキャラクタを特定可能なキャラクタ情報を演出制御用RAM31cに記憶する。
【0120】
なお、第2の入球率向上モードにおいて大当り抽選に当選した場合、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cに記憶されているキャラクタ情報を対決に勝利したことを示す選択済キャラクタ情報として演出制御用RAM31cに記憶し、キャラクタ情報を消去する。このため、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cに記憶されている選択済キャラクタ情報を参照することで、キャラクタ選択演出にて敵キャラクタとして選択可能なキャラクタの種類を特定する。因みに、大当り遊技終了後から大当り抽選に当選することなく入球率向上回数の図柄変動ゲームの実行が終了した場合、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cに記憶されているキャラクタ情報と選択済キャラクタ情報を消去する。また、全種類の選択済キャラクタ情報が演出制御用RAM31cに記憶する場合にも、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cに記憶されているキャラクタ情報と選択済キャラクタ情報を消去する。
【0121】
また、演出制御用CPU31aは、エンディング時間が設定されてから当該エンディング時間が経過するまでの間、演出制御用RAM31cに記憶された選択モード情報を参照し、選択された入球率向上モードの種類に応じた移行モード報知選出を実行させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。
【0122】
次に、終了演出を実行するための制御について説明する。
主制御用CPU30aは、カウントスイッチSW3からの検知信号を入力する毎に、大入賞装置20へ遊技球が入球したことを示す大入賞装置入球信号を出力する。
【0123】
演出制御用CPU31aは、入球率向上状態が生起されていないときに大当り抽選に当選してから、大当り抽選に当選することなく入球率向上状態が終了するまでの間に、大入賞装置入球信号を入力した回数(入賞回数)をカウントする。
【0124】
そして、演出制御用CPU31aは、第1の入球率向上モード及び第2の入球率向上モードの終了時、入賞回数に大入賞装置20へ1球の遊技球が入球することを契機に払い出される遊技球の個数を乗算した値を表示させて獲得賞球演出を実行させるように、演出表示装置11の表示内容を制御する。なお、「入賞回数に大入賞装置20へ1球の遊技球が入球することを契機に払い出される遊技球の個数を乗算した値」は、入球率向上状態が生起されていないときに大当り抽選に当選してから、大当り抽選に当選することなく入球率向上状態が終了するまでに、大入賞装置20への入球に基づき払い出された遊技球の個数となる。以下の説明において、「大当り抽選に当選することなく入球率向上状態が終了するまでに、大入賞装置20への入球に基づき払い出された遊技球の個数」を、「連荘獲得個数」という。
【0125】
更に、演出制御用CPU31aは、第1の入球率向上モード及び第2の入球率向上モードの終了時、連荘獲得個数に応じた称号画像を提示させて獲得賞球演出を実行させるように、演出表示装置11の表示内容を制御する。本実施形態では、連荘獲得個数が「0〜5000」のとき「初級」の文字画像が称号画像として提示され、連荘獲得個数が「5001〜15000」のとき「中級」の文字画像が称号画像として提示される。更に、本実施形態では、連荘獲得個数が「15001〜30000」のとき「上級」の文字画像が称号画像として提示され、連荘獲得個数が「30001以上」のとき「達人」の文字画像が称号画像として提示される。
【0126】
また、演出制御用CPU31aは、入球率向上状態が生起されていないときに大当り抽選に当選してから、大当り抽選に当選することなく入球率向上状態が終了するまでの間に、生起された大当り遊技の回数(連荘回数)をカウントする。そして、演出制御用CPU31aは、第1の入球率向上モード及び第2の入球率向上モードの終了時、カウントした連荘回数を表示させて連荘回数演出を実行させるように、演出表示装置11の表示内容を制御する。
【0127】
また、演出制御用CPU31aは、第2の入球率向上モードの終了時、演出制御用RAM31cに記憶されている選択済キャラクタ情報を参照し、各選択済キャラクタ情報から特定可能なキャラクタの画像を表示させて勝利回数演出を実行させるように、演出表示装置11の表示内容を制御する。
【0128】
なお、演出制御用RAM31cに記憶されている選択済キャラクタ情報は、大当り抽選に当選することなく入球率向上状態が終了するまで記憶保持される。このため、入球率向上状態が生起されていないときに大当り抽選に当選してから、大当り抽選に当選することなく入球率向上状態が終了するまでの間に、入球率向上モードの種類を切り替えても、消去されることはない。したがって、勝利回数演出において表示されるキャラクタ画像の数は、入球率向上状態が生起されていないときに大当り抽選に当選してから、大当り抽選に当選することなく入球率向上状態が終了するまでの間に、第2の入球率向上モードにて生起された大当り遊技の回数に相当する。因みに、第2の入球率向上モードにて生起された大当り遊技の回数とは、主人公が敵キャラクタとの対決に勝利した回数に相当する。
【0129】
このように、本実施形態において、大入賞装置入球信号を入力した回数をカウントすることにより、特別入賞手段としての大入賞装置20に遊技球が入球したことに基づき払いだされた遊技球の個数をカウントする演出制御用CPU31aが、個数カウント手段として機能する。また、本実施形態において、第2の入球率向上モードにおいて大当り遊技が生起される毎に選択済キャラクタ情報を演出制御用RAM31cに記憶して、第2の入球率向上モードにおいて生起された大当り遊技の回数をカウントする演出制御用CPU31aが、生起回数カウント手段として機能する。また、本実施形態において、入球率向上モードが終了するとき、つまり、有利遊技状態としての入球率向上状態が終了するときに、終了演出を実行する演出表示装置11が終了演出実行手段として機能する。また、本実施形態において、終了演出のうち各入球率向上モードの終了時に共通して行われる獲得賞球演出及び連荘回数演出が、共通終了演出に相当する。また、本実施形態において、終了演出のうち第2入球率向上モードの終了時にのみ行われる勝利回数演出が、特定終了演出に相当する。
【0130】
また、演出制御用CPU31aは、演出状態としての演出モードの実行を制御する。
具体的に、演出制御用CPU31aは、入球率向上モードの実行中、大当り遊技が生起されると、当該大当り遊技終了後から選択モード情報から特定可能な種類の入球率向上モードを実行させる。また、演出制御用CPU31aは、大当り遊技終了後から大当り抽選に当選することなく入球率向上回数の図柄変動ゲームの実行が終了すると、実行させていた入球率向上モードの種類に対応する種類の特別演出モードを実行させる。
【0131】
また、演出制御用CPU31aは、特別演出モードの実行中、特別演出モードの終了条件が成立すると、通常演出モードを実行させる。また、演出制御用CPU31aは、高確率期待モードの実行中、高確率期待モードの終了条件が成立すると、通常演出モードを実行させる。
【0132】
また、演出制御用CPU31aは、通常演出モード、特別演出モード及び高確率期待モードのうち何れかの演出モードの実行中、第2の実質5R特定大当り又は実質5R非特定大当りに基づく大当り遊技が生起されると、当該大当り遊技の終了後から高確率期待モードを実行させる。また、演出制御用CPU31aは、通常演出モード、特別演出モード及び高確率期待モードのうち何れかの演出モードの実行中、第1の実質5R特定大当り、15R特定大当り及び15R非特定大当りのうち何れかに基づく大当り遊技が生起されると、当該大当り遊技の終了後から選択モード情報から特定可能な種類の入球率向上モードを実行させる。このように、本実施形態において、演出状態としての演出モードを制御する演出制御用CPU31aが演出状態制御手段として機能する。
【0133】
ここで、図6に基づき、本実施形態のパチンコ遊技機10において、入球率向上モードの種類の選択と、当該選択による演出モードの種類の変化について説明する。
図6に示すように、大当り遊技の生起中に、当該大当り遊技終了後の演出モードとして、第1の入球率向上モードが選択されたとする。この場合、大当り遊技終了後には、演出モードとして第1の入球率向上モードが実行される。この第1の入球率向上モードが実行されているときは、入球率向上状態が生起されている。
【0134】
また、第1の入球率向上モードの実行が開始されてから、大当り抽選に当選することなく入球率向上回数の図柄変動ゲームの実行が終了すると、入球率向上状態が終了するとともに、第1の入球率向上モードの実行も終了する。なお、大当り遊技終了後に高確率抽選状態が生起されているときには、入球率向上状態とともに高確率抽選状態も終了する。また、第1の入球率向上モードの実行が終了すると、第1の特別演出モードが実行される。
【0135】
一方、大当り遊技の生起中に、当該大当り遊技の終了後の演出モードとして、第2の入球率向上モードが選択されたとする。この場合、大当り遊技終了後には、演出モードとして第2の入球率向上モードが実行される。この第2の入球率向上モードが実行されているときは、入球率向上状態が生起されている。
【0136】
また、第2の入球率向上モードの実行が開始されてから、大当り抽選に当選することなく入球率向上回数の図柄変動ゲームの実行が終了すると、入球率向上状態が終了するとともに、第2の入球率向上モードの実行も終了する。なお、大当り遊技の終了後に高確率抽選状態が生起されているときには、入球率向上状態とともに高確率抽選状態も終了する。また、第2の入球率向上モードの実行が終了すると、第2の特別演出モードが実行される。
【0137】
以上詳述したように、本実施形態は、以下の効果を有する。
(1)演出用ボタンBT(操作手段)の操作によって、入球率向上状態(有利遊技状態)における演出モード(演出状態)の種類を変化させることが可能である。更に、入球率向上状態における演出モードの種類を変化させると、当該入球率向上状態終了後の演出モードも変化する。したがって、演出用ボタンBTを操作することで、好みにあった演出モードで入球率向上状態の生起中における遊技を楽しむことができるとともに、好みにあった演出モードで入球率向上状態終了後における遊技も楽しむことができる。このため、入球率向上状態(有利遊技状態)生起中及び入球率向上状態終了後の興趣の低下を抑制することができる。また、入球率向上状態終了後も遊技者の好みにあった演出モードが実行されることになるので、入球率向上状態が終了しても、遊技を継続する意欲を高めることができる。
【0138】
(2)入球率向上状態(有利遊技状態)生起中の演出モード(演出状態)として実行され得る演出モードの種類によって、獲得賞球演出や連荘回数演出(共通終了演出)のみが実行される場合と、獲得賞球演出や連荘回数演出に加えて勝利回数演出(特定終了演出)が実行される場合と、がある。このため、勝利回数演出の実行を望む遊技者と、勝利回数演出の実行を望まない遊技者と、がそれぞれ自らの好みにあった種類の演出モードを選択して、入球率向上状態生起中における遊技を楽しむことができる。したがって、勝利回数演出の実行を望んでいるにもかかわらず勝利回数演出が実行されないことや、勝利回数演出の実行を望んでいないにもかかわらず勝利回数演出が実行されてしまうことによって、興趣が低下してしまうことを抑制できる。
【0139】
(3)入球率向上状態が生起されていないときに大当り抽選(当り抽選)に当選してから、大当り抽選に当選することなく入球率向上状態が終了するまでの間(所謂、連荘状態)に払い出された遊技球の個数は、獲得した利益を認識するために多くの遊技者が知りたいと思う情報である。一方、1回の連荘状態中の第2の入球率向上モードにおいて生起された大当り遊技(当り遊技)の回数は、第2の入球率向上モード(特定の演出状態)で遊技を楽しんだ遊技者にとっては喜びを感じることのできる情報となる可能性がある一方、第1の入球率向上モードで遊技を楽しむ遊技者にとっては不要な情報となる可能性がある。
【0140】
そして、第1の入球率向上モードの終了時には、払いだされた遊技球の個数に応じた内容の獲得賞球演出を実行する。一方、第2の入球率向上モードの終了時には、獲得賞球演出に加えて、第2の入球率向上モードにて大当り遊技が生起された回数に応じた内容の勝利回数演出を実行する。このように、必要とされる情報が入球率向上モードの種類によって異なったとしても、入球率向上モードの種類に応じて必要とされる内容の終了演出が行われる。これにより、入球率向上モードの種類に合った演出で、効果的に遊技者を楽しませることができる。
【0141】
(4)第2の大当り抽選(第2当り抽選手段が行う当り抽選)に当選した場合には、第1の大当り抽選(第1当り抽選手段が行う当り抽選)に当選した場合よりも、入球率向上状態(有利遊技状態)生起中の演出モード(演出状態)の種類を選択するために操作手段としての演出用ボタンBTを操作できる時間が長くなる。また、入球率向上状態では第2の大当り抽選が行われ易くなっているために吟味する時間が長くなるという特典が与えられ易くなる。このように、入球率向上状態の生起中は前記特典が与えられ易い状態となるため、入球率向上状態生起中における興趣の低下を抑制することができる。
【0142】
(5)大当り遊技(当り遊技)の生起中に操作手段としての演出用ボタンBTを操作することで、入球率向上状態終了後の演出モード(演出状態)の種類を選択できるように構成した。これにより、入球率向上状態の終了後は、遊技者自らが選択した種類の演出モードでの遊技を楽しめるため、入球率向上状態が終了した後に遊技を継続する意欲が低下することを抑制することができる。更に、入球率向上状態が終了しても、自らが選択した演出モードでの遊技を楽しむことができるため、入球率向上状態終了後の遊技に向けて遊技を楽しませることができる。
【0143】
(6)特別演出モードは入球率向上状態の終了後でないと移行しない。このため、全ての特別演出モードでの遊技を楽しむためには、特別演出モードの種類(本実施形態では、2種類)だけ入球率向上状態が生起されていないときに大当り抽選に当選しなければならない。このため、入球率向上状態が終了した後は他の種類の特別演出モードでの遊技を楽しんでみたいという思いを抱かせることができ、入球率向上状態の終了後でも遊技を継続したいという意欲を高めることができる。
【0144】
なお、上記実施形態は、次のような別の実施形態(別例)にて具体化できる。
・上記実施形態において、大当り遊技生起中に演出モードの種類を選択可能に構成しなくても、例えば、入球率向上状態の生起中であれば入球率向上モードの種類を選択可能に構成したり、通常演出モードにおいて入球率向上モードの種類を選択可能に構成したりしてもよい。
【0145】
・上記実施形態において、演出用ボタンBTを操作することによって選択可能な演出モードの種類は、入球率向上状態が生起されているときの演出モードでなくてもよく、例えば、高確率抽選状態が生起されている可能性のある高確率期待モードの種類を選択するように構成してもよい。
【0146】
・上記実施形態において、共通終了演出は、大入賞装置20への遊技球の入球に基づき払い出された遊技球の個数に応じた内容の演出(獲得賞球演出)でなくてもよく、例えば、連荘回数演出のみを共通終了演出としてもよい。
【0147】
・上記実施形態において、共通終了演出を獲得賞球演出とし、特定終了演出を連荘回数演出としてもよい。すなわち、共通終了演出は、大入賞装置20への遊技球の入球に基づき払いだされた遊技球に応じた内容の演出とする。一方で、特定終了演出は、入球率向上状態が生起されていないときに大当り抽選に当選してから大当り抽選に当選することなく入球率向上状態が終了するまでの間に生起された大当り遊技の回数に応じた内容の演出としてもよい。このとき、特定終了演出は、入球率向上状態が生起されていないときに大当り抽選に当選してから大当り抽選に当選することなく入球率向上状態が終了するまでの間に生起された大当り遊技の回数を演出制御用CPU31aがカウントする場合、当該演出制御用CPU31aが連続生起回数カウント手段として機能する。
【0148】
入球率向上状態が生起されていないときに大当り抽選(当り抽選)に当選してから、大当り抽選に当選することなく入球率向上状態が終了するまでの間(所謂、連荘状態)に払い出された遊技球の個数は、獲得した利益を認識するために多くの遊技者が知りたいと思う情報である。一方、1回の連荘状態において生起された大当り遊技(当り遊技)の回数は、どれだけ大当り抽選に当選したかを示す回数となるため、遊技者の中には、その回数を見て、優越感を抱いたり、喜びを感じたりする者もいる。なお、大当り遊技において払い出される遊技球の個数が一律であれば、大当り遊技が生起された回数から払い出された遊技球の個数を推測することも可能である。しかし、今日のパチンコ遊技機においては、利益の異なる大当り遊技を複数備えることが多い。このようなパチンコ遊技機においては、大当り遊技が生起された回数だけを見ても当該回数から払い出された遊技球の個数を推測することは困難である。
【0149】
そして、獲得賞球演出(共通終了演出)は、払いだされた遊技球の個数に応じた内容で行われるため、多くの遊技者が知りたいと思う情報を推測できる演出となる。一方、連荘回数演出(特定終了演出)は、大当り遊技が生起された回数に応じた内容で行われるため、当該回数を見て喜びを感じたいと望む遊技者が知りたいと思う情報を推測することのできる演出となる。このようなことから、連荘回数演出の実行によって大当り遊技が生起された回数を見て喜びたいと望む遊技者は、獲得賞球演出に加えて連荘回数演出も実行可能とされる演出モード(第2の入球率向上モード)を選択すれば、好みにあった内容で遊技を楽しむことができる。一方、必要な情報だけを知りたいと望む遊技者は、獲得賞球演出のみを実行可能とされる演出モード(第1の入球率向上モード)を選択すれば、好みにあった内容で遊技を楽しむことができる。
【0150】
・上記実施形態において獲得賞球演出として実行する演出は、入賞回数に大入賞装置20へ1球の遊技球が入球することを契機に払い出される遊技球の個数を乗算した値を表示する演出と、称号画像を提示する演出のうち何れか一方であってもよい。
【0151】
・上記実施形態において、勝利回数演出(特定終了演出)は、第2の入球率向上モードにて生起された大当り遊技の回数に応じた内容で行わなくてもよい。例えば、第2の入球率向上モードにて生起された大当り遊技のうち特定の大当り遊技(例えば、15R特定大当りや15R非特定大当りに基づく大当り遊技)が生起された回数に応じた内容で行ってもよい。
【0152】
・上記実施形態において、1回の開放遊技において大入賞装置20が開放状態となる回数が複数回であってもよい。
・上記実施形態において、終了演出を行わなくてもよい。
【0153】
・上記実施形態において、演出モードの種類を変更してもよい。高確率期待モードを実行しなくてもよい。このように構成する場合、例えば、通常演出モードや特別演出モードの実行中、第2の実質5R特定大当りや実質5R非特定大当りに基づく大当り遊技が生起された場合、当該大当り遊技終了後は実行中の演出モードを継続して実行するように構成してもよい。
【0154】
・上記実施形態において、全種類の入球率向上モードにおいて同じ終了演出が行われるように構成してもよい。すなわち、第1の入球率向上モードの終了時にも、勝利回数演出を行うように構成してもよい。このように構成する場合には、遊技者に対して、第2の入球率向上モードの存在を宣伝(アピール)できるとともに、第2の入球率向上モードを選択してみたいという意欲を高めることができる。
【0155】
・上記実施形態において、高確率期待モードの終了条件を変更してもよい。例えば、高確率期待モードの実行中、図柄変動ゲームを実行する度に継続抽選を行い、当該継続抽選の抽選結果に応じて高確率期待モードの終了条件が成立するように構成してもよい。
【0156】
・上記実施形態において、特別演出モードの終了条件を変更してもよい。例えば、特別演出モードの実行中、図柄変動ゲームを実行する度に継続抽選を行い、当該継続抽選の抽選結果に応じて特別演出モードの終了条件が成立するように構成してもよい。
【0157】
・上記実施形態において、入球率向上モードの種類を増加させてもよい。これに伴い、各種類の入球率向上モードに対応する特別演出モードの種類も増やしてもよい。
・上記実施形態において、大当り遊技の生起中に特別演出モードの種類を選択するように構成してもよい。このように構成する場合、入球率向上状態の生起中の演出モードの種類を1種類としてもよい。
【0158】
・上記実施形態において、高確率抽選状態の終了条件を変更してもよい。例えば、大当り遊技が生起されることによって成立する終了条件のみを高確率抽選状態の終了条件としてもよい。
【0159】
・上記実施形態において、第1の大当り抽選と第2の大当り抽選で決定される大当りの種類が同じであってもよい。
・上記実施形態を、遊技状態の変更契機となり得ない小当り遊技を生起させるか否かの小当り抽選(当り抽選)を行う遊技機に適用してもよい。
【0160】
・上記実施形態において、大当りの種類を変更してもよい。例えば、大当り遊技における大入賞装置20の開放状態及び閉鎖状態の態様を1種類としてもよい。
・上記実施形態において、演出表示装置11、装飾ランプLa及びスピーカSpをそれぞれ専用のCPUによって制御するように構成してもよい。このとき、各CPUは、単一の制御基板上に設けてもよいし、異なる制御基板上に設けてもよい。また、各CPUを設けることに伴い、各CPUがそれぞれ管理するROMやRAMを設けてもよい。
【0161】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記特定終了演出は、前記生起回数カウント手段がカウントした回数のうち特定終了演出を実行することが定められた演出状態が制御されているときに生起された当り遊技の回数に応じた内容で行われることを特徴とする遊技機。
【0162】
(ロ)遊技者が操作可能な操作手段と、当り抽選に当選したことを契機として、遊技者にとって有利な当り遊技を生起させる当り遊技生起手段と、前記当り遊技の終了後、遊技者が有利に遊技を行うことのできる有利遊技状態の生起させる有利状態生起手段と、前記有利遊技状態が生起されているときの演出状態を制御する演出状態制御手段と、を備え、前記演出状態制御手段は、前記遊技有利状態の終了を契機として、前記有利遊技状態が生起されているときの演出状態から前記当り遊技の生起中に前記操作手段の操作によって選択された種類の演出状態に切り替えて制御することを特徴とする遊技機。
【0163】
(ハ)前記特別入賞手段が開放状態となることによって、前記特別入賞手段への遊技球の入球が許容され、前記当り遊技には、前記特別入賞手段が開放状態となる時間を第1時間とすることのみで構成された第1種の当り遊技と、前記特別入賞手段が開放状態となる時間を前記第1時間よりも短い第2時間とすることを含んで構成された第2種の当り遊技と、が含まれ、前記当り種決定手段は、前記第2当り抽選手段が行う当り抽選に当選した場合、前記第1当り抽選手段が行う当り抽選に当選した場合と比較して、前記当り遊技の種類として前記第2種の当り遊技を決定する割合を低くする又は前記第1種の当り遊技を決定する割合を高くすることで、前記当り遊技の生起開始から終了までの時間が長くなるように当り遊技の種類を決定することを特徴とする遊技機。
【0164】
(ニ)前記特別入賞手段が開放状態となることによって、前記特別入賞手段への遊技球の入球が許容され、前記当り遊技は、複数回の開放遊技によって構成され、前記開放遊技には、前記特別入賞手段が開放状態となる時間を第1時間とする第1開放遊技と、前記特別入賞手段が開放状態となる時間を前記第1時間よりも短い第2時間とする第2開放遊技と、があり、前記演出状態制御手段は、前記第1当り抽選手段が行う当り抽選に当選した際には、当該当選を契機として生起される当り遊技を構成する前記第2開放遊技における前記操作手段の操作によって選択された種類の演出状態を前記有利遊技状態の生起中の演出状態として制御する一方、前記第2当り抽選が行う当り抽選に当選した際には、当該当選を契機として生起される当り遊技を構成する前記第1開放遊技における前記操作手段の操作によって選択された種類の演出状態を有利遊技状態の生起中の演出状態として制御することを特徴とする遊技機。
【0165】
(ホ)遊技球の入球によって遊技球の払い出しが行われる特別入賞手段と、当り抽選に当選したことを契機として、前記特別入賞手段への遊技球の入球を許容する当り遊技を生起させる当り遊技生起手段と、前記有利遊技状態が生起されていないときに前記当り抽選に当選してから前記当り抽選に当選することなく前記有利遊技状態が終了するまでの間に、前記特別入賞手段に遊技球が入球したことに基づき払い出された遊技球の個数をカウントする個数カウント手段と、前記有利遊技状態が生起されていないときに前記当り抽選に当選してから前記当り抽選に当選することなく前記有利遊技状態が終了するまでの間に、生起された当り遊技の回数をカウントする連続生起回数カウント手段と、を備え、前記共通終了演出は、前記個数カウント手段がカウントした個数に応じた内容で行われ、前記特定終了演出は、前記生起回数カウント手段がカウントした回数に応じた内容で行われることを特徴とする遊技機。
【符号の説明】
【0166】
BT…演出用ボタン、GH…画像表示部、HS…発光部配置部材、La…装飾ランプ、Sp…スピーカ、YB…遊技盤、10…パチンコ遊技機、11…演出表示装置、15…上始動入球装置、17…下始動入球装置、20…大入賞装置、23…ゲート、25a…第1特別図柄表示装置、25b…第2特別図柄表示装置、26a…第1保留表示装置、26b…第2保留表示装置、27…普通図柄表示装置、30…主制御基板、30a…主制御用CPU、30b…主制御用ROM、30c…主制御用RAM、31…演出制御基板、31a…演出制御用CPU、31b…演出制御用ROM、31c…演出制御用RAM。
図1
図2
図3
図4
図5
図6