(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、ユーザの位置を推定するための検索時間を減らすことにある。
また、本発明の目的は、ユーザの位置を推定するために検索しなければならないマップサイズを減らすことによって、初期位置の取得に要する時間を減らすと同時に、測位の精密度も高めることにある。
さらに、本発明の目的は、類似するパターンの地域的な特異点が複数個存在する場合にも短時間で初期位置を取得することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態によれば、ユーザの位置を取得する方法は、ユーザの第1位置情報を取得するステップと、予め格納された第1マップで前記ユーザの第1位置情報に対応する複数の候補領域を検索するステップと、前記ユーザの第2位置情報に基づいて、前記第1位置情報に対応する前記複数の候補領域から少なくとも1つの探索領域を選択するステップと、前記少なくとも1つの探索領域を用いて前記ユーザの位置を判断するステップとを含む。
【0006】
前記少なくとも1つの探索領域を選択するステップは、前記ユーザの第2位置情報及び前記第2位置情報の誤差特性に基づいて前記第1位置情報に対応する前記複数の候補領域から少なくとも1つの探索領域を選択してもよい。
予め格納された第2マップで前記ユーザの第2位置情報に対応する複数の候補領域を検索するステップをさらに含んでもよい。
前記少なくとも1つの探索領域を選択するステップは、前記ユーザの第2位置情報に対応する複数の候補領域に基づいて、前記ユーザの第1位置情報に対応する複数の候補領域から前記少なくとも1つの探索領域を選択してもよい。
前記少なくとも1つの探索領域を選択するステップは、前記ユーザの第1位置情報に対応する複数の候補領域が前記ユーザの第2位置情報に対応する複数の候補領域に重畳するか否かを判断するステップと、前記判断結果に基づいて前記第1位置情報に対応する複数の候補領域から前記少なくとも1つの探索領域を選択するステップとをさらに含んでもよい。
前記選択するステップは、前記少なくとも1つの探索領域で前記第2位置情報に対応する複数の候補領域に重畳する前記第1位置情報に対応する複数の候補領域の何れか1つの領域を選択するステップをさらに含んでもよい。
前記ユーザの位置は、前記ユーザの初期位置を含んでもよい。
前記第1位置情報に対応する複数の候補領域それぞれの範囲は予め選択されてもよい。
前記第1位置情報に対応する複数の候補領域それぞれの範囲は、前記第1位置情報の誤差特性により予め選択されてもよい。
前記複数の候補領域を検索するステップは、前記第1位置情報及び前記第1位置情報の誤差特性を考慮して前記第1位置情報に対応する複数の候補領域のために予め格納された第1マップを検索してもよい。
前記第1マップを含む複数のマップに関する情報、及び前記第1位置情報と前記第2位置情報それぞれの誤差特性に関する情報を保持するステップをさらに含んでもよい。
前記第1位置情報は磁場センサによって測定される水平位置情報を含み、且つ前記第2位置情報は前記磁場センサによって測定された垂直位置情報を含むか、又は、前記第1位置情報は前記垂直位置情報を含み、且つ前記第2位置情報は前記水平位置情報を含むか、の何れかであってもよい。
前記第1位置情報及び前記第2位置情報は、互いに同じ位置を示してもよい。
【0007】
一実施形態に係るユーザの位置を取得する装置は、ユーザの第1位置情報を取得する取得部と、予め格納された第1マップで前記ユーザの第1位置情報に対応する複数の候補領域を検索する検索部と、前記ユーザの第2位置情報に基づいて前記第1位置情報に対応する前記複数の候補領域から少なくとも1つの探索領域を選択する選択部と、前記少なくとも1つの探索領域を用いて前記ユーザの位置を判断する判断部とを備える。
【0008】
前記選択部は、前記ユーザの第2位置情報及び前記第2位置情報の誤差特性に基づいて前記第1位置情報に対応する複数の候補領域から少なくとも1つの探索領域を選択してもよい。
前記検索部は、予め格納された第2マップで前記ユーザの第2位置情報に対応する複数の候補領域を検索してもよい。
前記選択部は、前記ユーザの第2位置情報に対応する複数の候補領域に基づいて、前記ユーザの第1位置情報に対応する複数の候補領域から前記少なくとも1つの探索領域を選択してもよい。
前記選択部は、前記ユーザの第1位置情報に対応する複数の候補領域が前記ユーザの第2位置情報に対応する複数の候補領域に重畳するか否かを判断する判断器と、前記判断器に取得された判断結果に基づいて前記第1位置情報に対応する複数の候補領域から前記少なくとも1つの探索領域を選択する選択器とを備えてもよい。
前記選択部は、前記少なくとも1つの探索領域で、前記第2位置情報に対応する複数の候補領域に重畳する前記第1位置情報に対応する複数の候補領域の何れか1つの領域を選択してもよい。
前記ユーザの位置は、前記ユーザの初期位置を含んでもよい。
前記第1位置情報に対応する複数の候補領域それぞれの範囲は予め選択されてもよい。
前記第1位置情報に対応する複数の候補領域それぞれの範囲は、前記第1位置情報の誤差特性により予め選択されてもよい。
前記検索部は、前記第1位置情報及び前記第1位置情報の誤差特性を考慮して前記第1位置情報に対応する複数の候補領域のために予め格納された第1マップを検索してもよい。
前記第1マップを含む複数のマップに関する情報及び前記第1位置情報と前記第2位置情報それぞれの誤差特性に関する情報を保持する格納部をさらに備えてもよい。
前記第1位置情報は磁場センサによって測定される水平位置情報を含み、且つ前記第2位置情報は前記磁場センサによって測定された垂直位置情報を含むか、又は、前記第1位置情報は前記垂直位置情報を含み、且つ前記第2位置情報は前記水平位置情報を含か、の何れかであってもよい。
前記第1位置情報及び前記第2位置情報は互いに同じ位置を示してもよい。
【0009】
一実施形態に係るユーザの位置を取得する方法は、ユーザの第1位置情報及びユーザの第2位置情報に基づいて第1マップからユーザの位置を含む探索領域を取得するステップと、前記探索領域から前記ユーザの位置を取得するステップと、を含み、前記探索領域は前記第1マップによってカバーされる全体領域よりも小さく、前記ユーザの第1位置情報及び前記ユーザの第2位置情報は互いに異なるタイプの位置情報を含む。
【0010】
前記ユーザの第1位置情報を取得するために前記ユーザの位置で第1物理量を測定するステップと、前記ユーザの第1位置情報から前記ユーザの第2位置情報を推論するステップと、をさらに含み、前記第1マップは、前記第1マップによってカバーされる全体領域の互いに異なる複数の位置で行われる前記第1物理量の測定に基づいて生成されてもよい。
前記ユーザの第1位置情報を取得するために前記ユーザの位置で前記第1物理量を測定するステップと、前記ユーザの第2位置情報を取得するために前記ユーザの位置で第2物理量を測定するステップとをさらに含み、前記第1マップは、前記第1マップによってカバーされる全体領域の互いに異なる複数の位置で行われる前記第1物理量の測定に基づいて生成されてもよい。
前記探索領域を取得するステップは、前記第1位置情報に基づいて前記ユーザの位置を含む複数の第1候補領域のための第1マップを検索するステップと、前記第2位置情報に基づいて前記ユーザの位置を含む複数の第2候補領域のための第2マップ(前記第2マップは前記第1マップと同一の領域をカバーする)を検索するステップと、前記探索領域に前記複数の第1候補領域が前記複数の第2候補領域と重畳する領域を探索するステップとを含んでもよい。
前記第1マップを検索するステップは、前記第1位置情報の誤差特性に基づいて前記複数の第1候補領域それぞれの範囲を限定するステップと、前記第2位置情報の誤差特性に基づいて前記複数の第2候補領域それぞれの範囲を限定する第2マップを検索するステップとを含んでもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一実施形態によれば、各マップでユーザが位置するものと推定される領域の交集合に該当する領域のみを検索することによって、ユーザの位置を推定するための検索区間を減らせる。
また、本発明の一実施形態によれば、ユーザの位置を推定するために検索しなければならないマップサイズを減らすことによって、初期位置の取得に所要される時間を減らすと同時に、測位の精密度を高められる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を、添付する図面を参照しながら詳細に説明する。しかし、本発明は、これらの実施形態によって制限、又は限定されない。また、各図面に提示された同一の参照符号は同一の部材を示す。
【0014】
屋内環境で位置を推定する技術には大きく3種類がある。
第1に、移動通信信号を用いる方法である。移動通信が可能な携帯用端末の屋内位置を探すためには、端末の接続されたセル基地局の位置で端末の位置を近似するか(proximity方式)、又は、近接する3以上の基地局への信号到達距離を測定して三角測量を行う。
【0015】
第2に、無線LANを用いる方法である。無線LANを用いる方法もセル基地局を用いる場合と同様に、無線LAN端末が属するアクセスポイント(Access Point)の位置で近似するか(proximity方式)、又は、近接したアクセスポイントの信号強度を測定して以前に記録されたフィンガープリント(指紋)マップとパターンマッチングして位置を探す。
【0016】
無線LANを用いる方法は、現在すでに、適切な正確度を有する無線LANシステムが数多い建物に設置され、大部分の携帯用端末にすでに搭載されている点で最も先導的な技術であると思われる。
【0017】
第3の技術は、超広帯域通信(Ultra−Wide Band:UWB)を用いる方法である。超広帯域通信(UWB)を用いる方法は、超広帯域通信信号を発生するアクセスポイントとの距離を測定して三角測量を行う。
【0018】
超広帯域通信を用いる方法は、超広帯域の特性を用いて信号到達時間を細かく測定することができるので位置を正確に推定できる。この方法は、現在、例えば物流管理システムに使用するための統合ハードウェア/ソフトウェアソリューションの形態で提供されている。
【0019】
しかし、本発明の一実施形態においては、より安定かつ正確に屋内位置を推定するために磁場測位技術を用いる。磁場測位技術は、無線LAN(WLAN)フィンガープリント方式と同様に予め測定された屋内位置別の磁場地図を構築した後、端末(又は、ロボットなど)で測定された磁場値を地図とマッチングして位置を推定する。
【0020】
図1は、一実施形態に係るユーザの位置を取得する方法の基本概念を示す図である。
【0021】
図1を参照すると、110はユーザの(初期)位置を取得するために検索しなければならない全体マップ、120は第1情報によるマップ、130は第2情報によるマップ、及び140は第3情報によるマップであると仮定する。ここで、マップ110、120、130及び140は、互いに同一の領域をカバーする。各マップでハッチングされた部分は当該情報によりユーザの(初期)位置を取得するために検索しなければならない領域、即ち、上述の各情報の範囲でユーザが位置していると推定される領域である。
【0022】
従って、一実施形態では、各マップ120、130及び140でユーザが位置すると推定される領域の交集合に該当する領域150のみを検索することによって、ユーザの位置を推定するために検索しなければならないマップサイズを減少できる。ここで、マップそれぞれは、水平位置情報又は垂直位置情報、及び他の磁場情報の他に、ユーザ位置を推定するために収集できる様々な情報を含む。それだけではなく、一実施形態では、ユーザの位置を推定するために検索しなければならないマップサイズを減少することによって、ユーザの初期位置の取得に所要される時間を減らすと同時に、測位精密度も高められる。
【0023】
図2は、一実施形態に係るユーザの位置を取得する方法において、複数のフィンガープリントマップを用いてユーザの位置を取得する方法を説明するための図である。
【0024】
図2を参照すると、複数のマップと複数のマップの各々を構成するために基礎となる情報に固有の、誤差の確率的分布特性(以下、単に誤差特性という)に関連する各々の情報を用いて、ユーザの位置を取得するための測位のための探索区間の大きさを減少する。
【0025】
ここで、複数のマップは、水平磁場値、垂直磁場値、磁場の方向、水平・垂直間の角度、及び、その他の磁場マグニチュード(magnitude)から抽出される独立的な情報によって例えば、フィンガープリントマップの形態で生成される。
【0026】
ここで、フィンガープリントマップは、フィンガープリント方式によって作成されたマップを意味する。フィンガープリント方式とは、予め測定された信号強度と端末で測定された信号強度とを比較して位置を決定する位置認識方式である。ここで、予め測定された信号強度はデータベースなどに格納されており、データベースにはそれぞれの位置で全てのアクセスポイント(Access Point:AP)から端末に受信される信号の強度が格納されている。
【0027】
フィンガープリントマップの種類は、端末で用いる測位技術によって決まり、無線LAN(WLAN)フィンガープリントマップ、磁場フィンガープリントマップ、ビジョンフィンガープリントマップ、及び予め測定された屋内位置別の磁場マップなどが挙げられる。
【0028】
その他にも、一実施形態ではマップの探索領域の大きさを縮小するために、マップを構成する情報(例えば、磁場情報及びRF−RSSI情報など)の他に、外部から取得した様々な情報を用い得る。
【0029】
複数のマップに関する情報及び複数のマップそれぞれを構成するための基礎となる情報それぞれに固有の誤差特性に関連する各情報は、メモリ又はその他の格納装置に予め格納される。
【0030】
そして、一実施形態に係るユーザの位置を取得する装置(以下、「位置取得装置」)は、予め格納された複数のマップに関する情報と複数のマップそれぞれを構成するための基礎となる情報それぞれに固有の誤差特性に関連する情報を用いる。
【0031】
図2において、情報1に基づいたフィンガープリントマップ、情報2に基づいたフィンガープリントマップ、...、及び情報Nに基づいたフィンガープリントマップは複数のマップそれぞれに関する情報を意味する。例えば、情報1、2、3はそれぞれ、上述した水平磁場値、垂直磁場値、水平・垂直間の角度である。
【0032】
ここで、複数のマップに関する情報はフィンガープリント形態のマップそのものから抽出されるか、又は、WLANマップ、RFIDマップ及びビジョンマップなどのように外部から取得される。
【0033】
例えば、磁場マグニチュードからなるマップから複数のマップそれぞれを構成するために基礎となる情報を求める方法は次の通りである。
【0034】
磁場マグニチュード(x
2+y
2+z
2)
(1/2)から、水平磁場値は(x
2+y
2)
(1/2)によって、垂直磁場値は(z
2)
(1/2)によって求められる。また、水平・垂直間の角度は、上述した水平磁場値と垂直磁場値を用いて求められる。
【0035】
複数のマップそれぞれを構成するために基礎となる情報に固有の誤差特性に関連する情報として、水平磁場値の誤差特性、垂直磁場値の誤差特性、...、水平・垂直間の角度の誤差特性などが該当する。
【0036】
その後、位置取得装置は、複数のマップそれぞれを構成するために基礎となる情報(情報1、情報2、...、情報N)を実際に測定し、測定された情報の値及び誤差特性に関連する情報それぞれに基づいて、複数のマップそれぞれに対してユーザの位置を取得するための探索領域を縮小(又は制限)する。
【0037】
一実施形態では、上述したようにユーザの最初位置を取得するための探索領域を重複して縮小し、最初位置を測定しようとするマップに縮小された探索領域を反映して測位のための検索区間を減少する。
【0038】
図3は、一実施形態に係るユーザの位置を取得する方法を示したフローチャートである。以下で「位置情報」はユーザの位置を示すために用いられる情報であって、実際の測定によって取得されるか、又は、算出などによって推定される。
【0039】
図3を参照すると、一実施形態に係るユーザの位置を取得する装置(以下、「位置取得装置」)はユーザの第1位置情報を取得する(S310)。ここで、第1位置情報は例えば、実際に測定される。
【0040】
位置取得装置は、予め格納された第1マップでユーザの第1位置情報に対応する複数の候補領域を検索する(S320)。ここで、「複数の候補領域」は、ユーザの第1位置情報によって第1マップでユーザが位置する可能性のある領域である。複数の候補領域は、それぞれの第1位置情報の誤差特性によって予め選択され得る。
【0041】
ここで、位置取得装置は、ユーザの第1位置情報及び第1位置情報の誤差特性を考慮して複数の候補領域を検索する。ここで、「誤差特性」は、当該情報に対応する固有の、誤差の確率的分布特性を意味し、例えば、第1位置情報に対応する固有の誤差の確率的分布範囲が±1であり、測定された第1位置情報の値が15であれば、第1位置情報は実際に14〜16の範囲内にあると見なす。
【0042】
ユーザの第1位置情報は、例えば、ユーザの位置を把握するために用いられる磁場センサによって測定された水平磁場値、垂直磁場値、磁場の方向、及び水平垂直間の角度のうち何れか1つを含む。
【0043】
次に、位置取得装置が第1マップで複数の候補領域を検索する方法については
図5を参照して説明する。
【0044】
位置取得装置は、ユーザの第2位置情報を用いて複数の候補領域のうち少なくとも1つの探索領域を選択する(S330)。ユーザの第2位置情報は、第1位置情報のようにマップを構成する情報(磁場センサによって測定された水平磁場値、垂直磁場値、磁場の方向、及び水平垂直間の角度など)の他にも、加速度センサ、慣性センサ、ジャイロセンサ、圧力センサ及び超音波センサなどから測定された情報であるか、外部から取得した様々な情報(RF−RSSI情報、WLANマップ、RFIDマップ及びビジョンマップなど)を含み得る。
【0045】
第1位置情報及び前記第2位置情報は互いに同じ位置を含み得る。
【0046】
ここで、「探索領域」は、候補領域のうちユーザの第2位置情報によって実際ユーザが位置するものと認識される領域である。即ち、探索領域は、
図1に示すように、候補領域の交集合によって実際に探索しなければならない領域の範囲が減少する。例えば、候補領域がマップ120、130及び140のそれぞれでハッチングを付けた領域(以下、各々、A、B、C領域という)であれば、探索領域は、探索領域150で2重ハッチングで表示されたように、A領域、B領域及びC領域の交差領域に限定される。
【0047】
候補領域は、A領域、又は、A、C領域の2つの領域であり得る。
【0048】
ステップS330において、位置取得装置は、ユーザの第2位置情報及び第2位置情報の誤差特性を用いて複数の候補領域のうち少なくとも1つの探索領域を選択する。
【0049】
位置取得装置が複数の候補領域のうち、第2位置情報(及び第2位置情報の誤差特性)を用いて複数の候補領域のうち少なくとも1つの探索領域を選択する方法は後述する
図6を参照して説明する。
【0050】
位置取得装置は、少なくとも1つの探索領域を用いてユーザの位置を判断する(S340)。ここで、ユーザの位置はユーザの初期位置(あるいは、最初位置)を含む。「初期位置(あるいは、最初位置)」はユーザに対して測位サービスを提供するために初めて推定するユーザの位置として、例えば、ユーザが測位サービスを提供する装置の電源を初めて「On」した位置、あるいは、ユーザが測位サービスを提供するアプリケーションを初めて稼動した場合に検索される位置である。
【0051】
図4は、他の一実施形態に係るユーザの位置を取得する方法を示したフローチャートである。
【0052】
図4を参照すると、一実施形態に係るユーザの位置を取得する装置(以下、位置取得装置)は、第1マップを含む複数のマップに関する情報及び第1位置情報と第2位置情報それぞれの誤差特性に関する情報を、例えば、データベースなどに保持する(S410)。
【0053】
位置取得装置は、ユーザの第1位置情報を取得する(S420)。
【0054】
位置取得装置は、予め格納された第1マップでユーザの第1位置情報に対応する複数の候補領域を検索する(S430)。ここで、ユーザの第1位置情報に対応する複数の候補領域それぞれの範囲は、第1位置情報の誤差特性に応じて予め選択され得る。位置取得装置は、ユーザの第1位置情報及び第1位置情報の誤差特性を考慮して複数の候補領域を検索する。
【0055】
位置取得装置は、予め格納された第2マップでユーザの第2位置情報に対応する複数の候補領域を検索する(S440)。ここで、ユーザの第2位置情報に対応する複数の候補領域それぞれの範囲は、第2位置情報の誤差特性に応じて予め決定できる。位置取得装置は、ユーザの第2位置情報及び第2位置情報の誤差特性を考慮して複数の候補領域を検索する。
【0056】
その後、位置取得装置は、ユーザの第1位置情報に対応する複数の候補領域とユーザの第2位置情報に対応する複数の候補領域を用いて少なくとも1つの探索領域を選択する。
【0057】
位置取得装置は、ユーザの第1位置情報に対応する複数の候補領域がユーザの第2位置情報に対応する複数の候補領域に重畳するか否かを判断する(S450)。
【0058】
位置取得装置は、ステップS450における判断結果に基づいて少なくとも1つの探索領域を選択する。
【0059】
ステップS450において、ユーザの第1位置情報に対応する複数の候補領域がユーザの第2位置情報に対応する複数の候補領域に重畳すると判断されれば、位置取得装置は、ユーザの第1位置情報に対応する複数の候補領域のうちユーザの第2位置情報に対応する複数の候補領域に重畳する領域を少なくとも1つの探索領域に選択する(S460)。もし、ステップS450において、ユーザの第1位置情報に対応する複数の候補領域がユーザの第2位置情報に対応する複数の候補領域に重ならないと判断されれば、位置取得装置は動作を終了するか、又は、第1位置情報に対応する複数の候補領域から少なくとも1つを探索領域として選択する。
【0060】
位置取得装置は、少なくとも1つの探索領域を用いてユーザの位置を判断する(S470)。
【0061】
図5は、一実施形態に係る水平磁場値に基づいたマップ及び水平磁場値固有の誤差特性を用いて候補領域を検索する方法を説明するための図である。
【0062】
図5では、予め格納された第1マップでユーザの第1位置情報(ここでは、水平磁場成分(値))に対応する複数の候補領域を検索、決定する方法について説明する。
【0063】
510は水平磁場成分に基づいて構成されたマップを示し、520は水平磁場成分の測定値、及び、それに固有の誤差特性と関連する情報を示す。
【0064】
520において、±1を離れる値に対しては水平磁場成分(値)に固有の誤差特性の値が「0」であることが分かる。
【0065】
従って、水平磁場成分を測定した値が13〜14間の区間に該当すれば、検索対象とするべき水平磁場成分の値は、(13〜14)±1=12〜15となる。従って、水平磁場成分に基づいて構成されたマップ510のうち、水平磁場成分値が12〜15である区間の領域のみを候補領域と見て、残りの区間は候補領域から除外される。結局、マップ510の全体領域のうち、水平磁場成分値が12〜15に制限された領域530のみを検索すればよい。
【0066】
このような過程は、垂直磁場値、磁場の方向、及び水平垂直間の角度などに基づいたマップについても同じ方式で行われる。
【0067】
図6は、一実施形態に係るユーザの位置を取得する方法において、複数の情報を用いてユーザの位置を判断する方法を説明するための図である。
【0068】
図6を参照すると、610は、磁場センサによって測定された磁場マグニチュード(x
2+y
2+z
2)
(1/2)による第1マップの情報を示し、620は磁場マグニチュードから抽出された水平磁場値(x
2+y
2)
(1/2)による第2マップの情報を示す。また、630はWiFi情報を示す。
【0069】
例えば、磁場マグニチュードがユーザの第1位置情報を構成し、15と測定されたと仮定すれば、グラフ610で距離d1、d2、及びd3の距離にそれぞれ位置するx、y、z地点(point)における磁場マグニチュードの値は15である。
【0070】
ここで、磁場マグニチュードの誤差特性が±1であれば、グラフ610で磁場マグニチュード値が14〜16の範囲内である位置に対応するA領域、B領域、及びC領域はユーザが位置する可能性のある候補領域として決定される。
【0071】
従って、磁場マグニチュードの誤差特性を考慮する場合、グラフ610でA領域、B領域、及びC領域は、例えば、ユーザの第1位置情報による磁場マグニチュードに対応する候補領域になる。なぜなら、磁場マグニチュードに基づいてA領域、B領域、及びC領域にユーザの位置する可能性が高いからである。
【0072】
その後、グラフ620の水平磁場成分値によるマップを用いて、上記の複数の候補領域A領域、B領域、及びC領域から少なくとも1つの探索領域が選択される。
【0073】
水平磁場成分値がユーザの第2位置情報を構成し、測定された値が7であると仮定すれば、水平磁場成分値はグラフ620のx’、y’、z’の地点で7である。
【0074】
水平磁場成分値の誤差特性を±1と仮定すれば、グラフ620で水平磁場成分値が6〜8の範囲内に該当するA’領域、B’領域、及びC’領域が、ユーザの位置する可能性の高い候補領域として決定される。
【0075】
従って、水平磁場成分値の統計的な誤差を考慮するとき、グラフ620でA’領域、B’領域及びC’領域は、例えば、ユーザの第2位置情報による水平磁場成分値に対応する候補領域になる。なぜなら、水平磁場成分値に基づくと、A’領域、B’領域及びC’領域にユーザが位置する可能性が高いからである。
【0076】
ここで、グラフ610の候補領域のうち、A領域及びC領域は、グラフ620の候補領域x’領域及びz’領域にそれぞれ重畳する。従って、
図6に示すグラフ610において、候補領域が重畳するA領域及びC領域が探索領域として選択される。
【0077】
本実施例では、最終的な探索領域は、マップ630に示すWiFiによる情報に基づいてA領域及びB領域から選択される。
【0078】
WiFiによる情報を示すマップ630でx”地点及びz”地点を含む領域は、WiFi情報に基づいてユーザが位置する可能性が高い候補領域である。グラフ610において、A領域はマップ630のx’’地点を含む候補領域と重畳する。グラフ610において、C領域はマップ630のx”地点及びz”を含む候補領域の何れにも重ならない。従って、マップ630に示すWiFi情報に基づいてグラフ610のA領域が最終的な探索領域として選択され、位置取得装置はA領域を用いてユーザの位置を判断する。
【0079】
結局、一実施形態によれば、ユーザの実際位置を探すためには、A領域、B領域、及びC領域の代りにA領域のみを探せばよい。従って、ユーザの位置を探すために探索しなければならない探索領域は最初のマップ(
図6の610)に比べて減少し、位置認識の精密度も高くなる。
【0080】
図7は、一実施形態に係るユーザの位置を取得する装置のブロック図である。
【0081】
図7を参照すると、一実施形態に係るユーザの位置を取得する装置(以下、「位置取得装置」)は、取得部710、検索部730、選択部750、判断部770及び格納部790を備える。
【0082】
取得部710は、例えば、ユーザの第1位置情報を測定することによってユーザの第1位置情報を取得する。
【0083】
検索部730は、予め格納された第1マップでユーザの第1位置情報に対応する複数の候補領域を検索する。第1位置情報に対応する複数の候補領域は、第1位置情報に基づいてユーザが位置する可能性の高い領域である。第1位置情報に対応する複数の候補領域それぞれの範囲は、第1位置情報の誤差特性に基づいて予め決定され得る。
【0084】
検索部730は、予め格納された第2マップでユーザの第2位置情報に対応する複数の候補領域を検索する。第2位置情報に対応する複数の候補領域は、第2位置情報に基づいてユーザが位置する可能性の高い領域である。
【0085】
ここで、ユーザの第2位置情報に対応する複数の候補領域それぞれの範囲は、第2位置情報に対する誤差特性に基づいて予め決定され得る。
【0086】
検索部730は、下記に記述された格納部790から検索部730が受信した情報に基づいて検索を行う。
【0087】
第1位置情報の誤差特性は第1位置情報に固有の、誤差の確率的分布特性を意味し、第2位置の誤差特性は第2位置情報に固有の誤差の確率的分布特性を意味する。
【0088】
ここで誤差は例えば、傾きによる誤差、端末固有の誤差、意図されない干渉による誤差などを含む。
【0089】
選択部750は、ユーザの第2位置情報に対応する複数の候補領域に基づいてユーザの第1位置情報に対応する複数の候補領域から少なくとも1つの探索領域を選択する。ここで、少なくとも1つの探索領域は、第2位置情報に対応する複数の候補領域に基づいてユーザが実際位置するものとして認識される第1位置情報に対応する複数の候補領域である。
【0090】
ここで、第1位置情報は磁場センサによって測定される水平位置情報又は垂直位置情報の何れか1つを含み、第2位置情報は水平位置情報又は垂直位置情報のうち他の1つを含み得る。
【0091】
第1位置情報及び第2位置情報は互いに同じ位置を含み得る。
【0092】
選択部750は、判断器753及び選択器756をさらに備える。
【0093】
判断器753は、ユーザの第1位置情報に対応する複数の候補領域がユーザの第2位置情報に対応する複数の候補領域に重畳するか否かを判断する。
【0094】
選択器756は、判断器753の判断結果に基づいて、第2位置情報に対応する複数の候補領域と重畳すると判断器753が決定した第1位置情報に対応する複数の候補領域の1つを選択することによって、少なくとも1つの探索領域を選択する。
【0095】
結局選択部750は、ユーザの第1位置情報に対応する複数の候補領域のうち、ユーザの第2位置情報に対応する複数の候補領域に重畳する領域を少なくとも1つの探索領域として選択する。
【0096】
判断部770は、少なくとも1つの探索領域を用いてユーザの位置を判断する。ここで、ユーザの位置はユーザの初期位置(あるいは、最初位置)を含み得る。
【0097】
ここで、ユーザの初期位置(あるいは、最初位置)は、ユーザに対して測位サービスを提供するために初めて推定するユーザの位置であって、例えば、ユーザが測位サービスを提供する装置の電源を初めて「On」した位置か、あるいは、ユーザが測位サービスを提供するアプリケーションを初めて稼動させた場合に検索されるユーザの位置である。
【0098】
格納部790は、第1マップ及び第2マップを含む複数のマップに関する情報及び第1位置情報と第2位置情報それぞれの誤差特性に関する情報を保持し、検索部730が検索部730によって行われる検索に利用できるように当該情報を検索部730に提供する。
【0099】
図8は、一実施形態に係る格納部に格納される情報を示す図である。
【0100】
図8を参照すると、磁場地図格納部800は、格納された磁場地図に関する情報を、端末が位置する領域を含む地域850、当該地域に含まれた建物830、及び当該建物に含まれた区域810の各々についての磁場地図に関する情報として、階層的な構造で格納する。
【0101】
図8において、磁場地図に関する情報は磁場地図に対する座標情報を含み得る。ここで、座標情報は、特定の基準点を基準とした座標形態で格納され、各座標における磁場情報は、特定の基準点を基準軸にしたx、y、z成分値として格納される。
【0102】
即ち、
図8において特定の基準点を基準とした座標情報が例えば(0,1)であるとき、座標(0,1)における磁場情報は例えば、特定の基準点を基準軸にしたx、y、z方向に対する成分値(−3.4、11.1、−4.8)として格納される。
【0103】
また、格納部800は、複数のマップに関する情報の他に加速度センサ、慣性センサ、ジャイロセンサ、圧力センサ、及び超音波センサなどから測定された情報と、外部から取得された様々な情報、例えば、RF−RSSI情報、WLANマップ、RFIDマップ、及びビジョンマップなどを含み得る。その他にも格納部800は、位置情報それぞれの誤差特性に関する情報を含み得る。
【0104】
取得部710、検索部730、選択部750、及び判断器753、選択器756、決定部770、格納部790及び格納部800は、少なくとも1つのハードウェア構成要素、少なくとも1つのソフトウェア構成要素、又は、少なくとも1つのハードウェア構成要素と少なくとも1つのソフトウェア構成要素の結合、の何れかで実現される。例えば、実施形態で説明された装置及び構成要素は、例えば、プロセッサ、コントローラ、ALU(arithmetic logic unit)、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor)、マイクロコンピュータ、FPA(field programmable array)、PLU(programmable logic unit)、マイクロプロセッサー、又は、命令(instruction)を実行して応答できる他の任意の装置、即ち、1つ以上の汎用コンピュータ又は特殊目的コンピュータ、の何れかの処理装置を用いて実現される。該処理装置は、OS(オペレーティングシステム)及び前記OS上で行われる1つ以上のソフトウェアアプリケーションを実行する。また、該処理装置は、ソフトウェアの実行に応答して、データをアクセス、格納、操作、処理及び生成する。理解の便宜のために、単一の処理装置を用いる場合について説明するが、当該技術分野で通常の知識を有する者には、処理装置が複数の処理要素(processing element)及び/又は複数類型の処理要素を含み得ることが分かるであろう。例えば、処理装置は、複数のプロセッサ、又は、1つのプロセッサ及び1つのコントローラを含む。また、並列プロセッサ(parallel processor)のような他の処理構成も可能である。
【0105】
ソフトウェアは、コンピュータプログラム(computer program)、コード(code)、命令(instruction)、又は、このうちの1つ以上の組合わせを含んでもよく、希望通りに動作するように処理装置を構成し、処理装置に対して独立的又は結合的に(collectively)命令してもよい。ソフトウェア及び/又はデータは、処理装置によって解釈され、又は処理装置に命令又はデータを提供するために、何れかの類型の機械、構成要素(component)、物理的な装置、仮想装置(virtual equipment)、コンピュータ格納媒体又は装置、又は送信される信号波(signal wave)上に、永久的又は一時的に具体化される。ソフトウェアはネットワークに接続されたコンピュータシステム上に分散され、分散された方法により格納され実行され得る。ソフトウェア及びデータは1つ以上のコンピュータで読み出し可能な記録媒体に格納され得る。
【0106】
実施形態に係る方法は、多様なコンピュータ手段を介して様々な処理を実行できるプログラム命令の形態で実現され、コンピュータ読取可能な記録媒体に記録され得る。コンピュータ読取可能な媒体は、プログラム命令、データファイル、データ構造などのうちの1つ又はその組合わせを含む。媒体に記録されるプログラム命令は、本発明の目的のために特別に設計されて構成されるか、又は、コンピュータソフトウェア分野の技術を有する当業者にとって公知、且つ、使用可能であるか、の何れかである。コンピュータ読取可能な記録媒体の例としては、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク及び磁気テープのような磁気媒体、CD−ROM、DVDのような光記録媒体、光ディスクのような光磁気媒体、及びROM、RAM、フラッシュメモリなどのようなプログラム命令を保存して実行するように特別に構成されたハードウェア装置がある。プログラム命令の例としては、コンパイラによって生成されるような機械語コード(machine code)だけでなく、インタプリタなどを用いてコンピュータによって実行され得る高級言語コード(higher level code)を含む。上述したハードウェア装置は、本発明の動作を行うために1つ以上のソフトウェアのレイヤで動作するように構成され得る。
【0107】
上述したように、本発明を限定された実施形態と図面によって説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明が属する分野における通常の知識を有する者であれば、このような実施形態から多様な修正及び変形が可能であろう。
【0108】
従って、本発明の範囲は、開示された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲だけではなく特許請求の範囲と均等なものなどによって定められる。