特許第6204088号(P6204088)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6204088
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/50 20060101AFI20170914BHJP
   H01L 23/04 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
   H01L23/50 H
   H01L23/50 Y
   H01L23/04 E
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-139144(P2013-139144)
(22)【出願日】2013年7月2日
(65)【公開番号】特開2015-12276(P2015-12276A)
(43)【公開日】2015年1月19日
【審査請求日】2016年5月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】715010864
【氏名又は名称】エスアイアイ・セミコンダクタ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】塚越 功二
(72)【発明者】
【氏名】奥 定夫
(72)【発明者】
【氏名】藤田 宏之
(72)【発明者】
【氏名】林 恵一郎
(72)【発明者】
【氏名】秋野 勝
【審査官】 ▲吉▼澤 雅博
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−071265(JP,A)
【文献】 特開2005−114476(JP,A)
【文献】 特開平03−018048(JP,A)
【文献】 特開2002−252373(JP,A)
【文献】 特開2007−288198(JP,A)
【文献】 特開2009−054634(JP,A)
【文献】 特開2001−144241(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/50
H01L 23/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体チップと、
前記半導体チップが装着された内底面を有する中空部、前記中空部を取り囲むように形成された囲繞部、および前記囲繞部と前記中空部の下に形成される底面部からなる樹脂成形体と、
前記中空部に露出する領域と前記樹脂成形体に埋め込まれた領域とからなるインナーリードと、
前記インナーリードから連なり前記樹脂成形体から露出するアウターリードと、を有し、
前記樹脂成形体に埋め込まれた前記インナーリードは、水平部と屈曲部と垂直部からなるL字形のリード延出部を有し、前記リード延出部には貫通孔が設けられ
前記貫通孔は、前記L字型のリード延出部の水平部と屈曲部と垂直部とに連通して設けられていることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記貫通孔の周縁には、突起を有することを特徴とする請求項記載の半導体装置。
【請求項3】
前記貫通孔は、複数の孔からなり、いずれの孔も前記L字形のリード延出部の水平部と屈曲部と垂直部とに連通して設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の半導体装置。
【請求項4】
前記インナーリードと同じ材料からなり、前記樹脂成形体の底面部に埋め込まれ、表面を露出するダイパッドをさらに有し、前記ダイパッド上に前記半導体チップが固着されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項記載の半導体装置。
【請求項5】
前記ダイパッドは中心にダイパッド貫通孔を有しており、前記樹脂成形体の樹脂が前記ダイパッド貫通孔を充填していることを特徴とする請求項記載の半導体装置。
【請求項6】
前記ダイパッドの前記半導体チップを載置する面とは反対の裏面は、前記樹脂成形体から露出していることを特徴とする請求項または記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関する。特に、パッケージされた半導体装置のパッケージ構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年のモバイルパソコン、タブレットパソコン、スマートフォン等の普及、拡大には著しいものがあり、これらの機器に搭載される電子部品も多岐に渡って拡大が見込まれている。機能の豊富さと携帯性に富んだデザインが好まれていることもあり、多くは重量が軽く、厚みが薄く、コンパクト性を併せ持っていることが特徴となっている。このため搭載される電子部品においても、小型、薄型、低コストが求められてきた結果、樹脂モールドパッケージが多く用いられている。商品の買い替えサイクルが短くなる中で、同時に搭載されるパッケージの小型、薄型、低コストが求められてきた結果、製品の信頼性が不十分であること、パッケージの強度が低く脆弱であるなどの弊害が現われてきている。この理由には、小型、薄型化の多くは従来の材料、素材、構造といった要素を変更、見直しを伴わずに、シュリンクを行ったものが多い為である。シュリンクを行うことによって薄く細くなった封止樹脂厚みや、リードフレーム厚み、パッケージ基板厚みの変化を補うことができず、加えて低コスト化は十分な信頼性の確保が難しくなる側面に影響することへ繋がっているともいえる。このため、小型化、薄型化していく電子部品の信頼性を向上する構造や設計が改めて見直される必要がある。取り分け多くの半導体パッケージの製品化がなされている樹脂モールドパッケージでは、構成する材料やフレームが薄く、小さくなっていくに伴い、変わらない信頼性を実現することが重要な課題となっており、様々な試みが半導体パッケージの開発にとっては、より一層重要なものとなっている。
【0003】
図10は、中空部を有した樹脂とリードフレームからなるパッケージの断面図である(特許文献1の図3)。パッケージは樹脂成型部1とリードフレーム2a、2bとからなり、リードフレーム2a、2bは樹脂成型部1によって保持された構造となっている。中空部内はリードフレーム2a、2bの表面の一端が露出しており、樹脂成型部を介して外部へリードフレーム2a、2bの一端が露出して外部端子の役割をはたしている構造となっている。リードフレーム2a、2bには、例えば中空部内に露出したリードフレーム2b上へ、素子が実装されて使用される。素子はリードフレーム2b上へ導電性ペーストなどにより固着される。素子の上面に設けられた電極と中空部内に露出するリードフレーム2a、2bとをワイヤにより電気的に接続することにより使用される。また、例えば実装される素子には光センサ素子を実装してもよく、この場合は光センサ素子へ入射した光によって発生した起電力は、光センサ素子上面とリードフレーム2aまたは2bを接続するワイヤからリードフレームへ伝わり、外部へと流れることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−280616号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載されたパッケージ構造は、リードフレーム2a、2bは樹脂成型部に用いられている樹脂のみで保持されている構造であることから、リードフレームの保持力は樹脂の性能に大きく依存する。特に中空部を有する構造であることから中空部を有しない樹脂封止構造パッケージと比較するとリードフレームを保持する樹脂面積は一段と少なくなる。リードフレーム2a、2bは外部端子としての役割をはたしていることから、端子形状は所望の実装形態や寸法に添って曲げ加工や切断加工が行われて使用される。
【0006】
曲げ加工や切断加工では樹脂成型部とリードフレームとの根元に最も力が加わることが知られており、引き抜き方向へ力が働く場合や、ねじられる方向に力が働く場合など、樹脂のリードフレーム保持力は重要な要素とされている。こうした加工の時にリードフレームの保持力が弱いことからリードフレームが樹脂成型部から抜けてしまう場合や、保持力の低下に伴う曲げ加工精度を低下させる原因となる恐れがある。さらに多様化しているパッケージでは、小型パッケージや薄型パッケージ、多ピンパッケージなどに代表される、リードフレームが薄く、細いものが使用されることも多く、樹脂と密着し接するリードフレーム面積の低下に伴い、その保持力はさらに低下するものとなる。
【0007】
また、パッケージは中空部を有した構造である。樹脂によって形成される成型部において、中空部分は最も樹脂の肉厚が薄くなる箇所でもある。このため、耐熱性やパッケージへ加わる外力に対する強さは樹脂の性能と厚みによって決まるといえる。パッケージ寸法の小型化、薄型化が進められていくことに伴い、中空部分の樹脂厚みは必然的に薄くなっていき、薄肉厚となった中空部分では十分な強度を保つことも難しくなる。この結果、中空部分の強度不足から変形や割れなどの発生に繋がり、パッケージの信頼性を低下させる。
【0008】
また、パッケージの小型化、薄型化を行うことに伴う中空部分の薄肉厚化により、前述したリードフレームの樹脂の保持面積は、さらに少なくなり、パッケージの信頼性低下に繋がる。樹脂の薄肉厚化による強度低下や変形などの緩和処置として、樹脂中に無機物のフィラーなどの補強材料を混合させることが行われているものの、フィラーなどの樹脂中への混合は、樹脂の流動性低下による成型の安定性低下、成型処理速度低下や成型した樹脂の脆さの発現などに影響してくることから、フィラーの混合による樹脂の補強は限られてくる。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みなされたもので、リードフレームと樹脂との保持力を高めつつ、パッケージの小型化も可能な、信頼性の高い中空部を有したパッケージ構造をもつ半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために以下の手段を用いた。
まず、半導体チップと、前記半導体チップを装着する内底面を有する中空部と、前記中空部を取り囲むように形成された囲繞部と前記囲繞部と前記中空部下に形成される底面部からなる樹脂成形体に、前記中空部に露出する領域と前記樹脂成形体に埋め込まれた領域とからなるインナーリードと、前記インナーリードから連なり前記樹脂成形体から露出するアウターリードからなる半導体装置であって、前記樹脂成形体に埋め込まれたインナーリードには貫通孔を設けたL字形のリード延出部を有することを特徴とする半導体装置とした。
【0011】
また、前記L字形のリード延出部は、水平部と屈曲部と垂直部からなることを特徴とする半導体装置とした。
また、前記貫通孔は、前記L字形のリード延出部の水平部と屈曲部と垂直部とに連通して設けられていることを特徴とする半導体装置とした。
また、前記貫通孔は、複数の孔からなり、いずれの孔も前記L字形のリード延出部の水平部と屈曲部と垂直部とに連通して設けられていることを特徴とする半導体装置とした。
【0012】
また、前記貫通孔の周縁には、突起を有することを特徴とする半導体装置とした。
また、前記樹脂成形体の底面部に埋め込まれ、表面を露出するアイランド上に前記半導体チップを固着されたことを特徴とする半導体装置とした。
また、前記アイランドの前記半導体チップを載置する面と反対面を露出する半導体装置とした。
【発明の効果】
【0013】
上記手段を用いることで、リードフレームを樹脂で成型される中空部を有するパッケージからなる半導体装置であっても、外部からの衝撃に対して強く、信頼性の高いパッケージとすることができ、小型化・薄型化に対応できるようになる。
【0014】
中空部とリードフレームを有した樹脂成型パッケージを用いる半導体装置において、樹脂成型部分がリードフレームを保持する強度を向上することにより、リードフレームの抜許力が上がり、パッケージが小型化、薄型化した場合でも、外部端子として使用するリードフレームの曲げ加工、切断加工時にフレームの抜け、加工精度が低下することを防ぐことができる。また小型化、薄型化したパッケージにおいて薄肉厚化して強度が低下する中空部分の補強と、パッケージが外部から受ける衝撃に対して保護強化することができ、実装される半導体チップの保護と樹脂の割れや欠けの防止とパッケージの変形抑制に効果が得られる。また、樹脂成型部の内部で90度に曲げて配置されたフレーム構造により、過剰なフレームの出っ張りが無い為、パッケージの小型化設計にも寄与することができる。加えて外部から水分が浸入した場合に、樹脂成型部内でフレームを曲げている箇所が一時的に水分を溜め、浸入を遅らせる効果もあり、水分が浸入した場合の影響を低減したパッケージとすることにより信頼性の高い半導体装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の半導体装置の第一実施例を示す断面図である。
図2】本発明の半導体装置の第一実施例を示す平面図である。
図3図2のB−B部分の断面図である。
図4】本発明の半導体装置の第二実施例を示す断面図である。
図5】本発明の半導体装置の第二実施例を示す平面図である。
図6図5のB−B部分の断面図である。
図7】本発明の半導体装置の第三実施例を示す断面図である。
図8】本発明の貫通孔の形状を示す平面図である。
図9】本発明の貫通孔の周縁形状を示す図である。
図10】従来の半導体装置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、本発明の半導体装置の第一実施例を示す断面図である。
中空部10を有する樹脂成形体1は、中空部10を取り囲むように形成された傾斜した壁面を有する囲繞部1bと、囲繞部1bと中空部10の下に形成される底面部1aからなる。樹脂成形体の成形には熱可塑性、または熱硬化性の樹脂が用いられる。また、樹脂成形体にはフィラーなども含まれている。
【0017】
中空部10の内底面である底面部1aの上には接着剤5を介して半導体チップ6が載置され、半導体チップ6表面の電極は、ワイヤ7を介して中空部10に露出するインナーリード2e、2fと電気的に接続している。インナーリード2e、2fは、上部が中空部10に露出しているが、下部は底面部1aに埋め込まれており、ワイヤボンディング時の衝撃でインナーリードが底面部から浮いたり、プアーボンディングとなったりなどのおそれはない。図ではインナーリードの上半分が中空部10に露出しているが、インナーリード表面だけを露出し、他を底面部に埋め込むということにしても良い。さらには、ボンディングする領域だけを露出して、他のインナーリード表面も底面部に埋め込むという形状にしてもワイヤボンディングに対して何ら問題はない。インナーリード2e、2fは、樹脂成形体の中を通り、アウターリード2a、2bとなって樹脂成形体1の外部に露出している。なお、樹脂成形体1とインナーリード2e、2fとは密着した状態となっている。インナーリード2e,2fが囲繞部1bと接する領域には、インナーリードから紙面奥行き方向に延出したリード延出部3が設けられている。樹脂成形体1の底面部1aと反対側の囲繞部の方向に垂直に立ち上がる垂直部3bは、リード延出部3の一部であって、囲繞部を補強する構造となっている。また、垂直部3bには半円状の貫通孔4が設けられ、貫通孔4には樹脂充填1cされているため、インナーリードと樹脂成形体との密着性を高める効果を有している。
【0018】
図2は、本発明の半導体装置の第一実施例を示す平面図である。
図2は、図1に示した半導体装置を上面から見た図である。矩形の樹脂成形体1は周囲に囲繞部1bを有し、その内側に矩形の底面部1aが露出している。底面部1aの中心付近には接着剤5を介して半導体チップ6が固着され、矩形の半導体チップ6の4隅に形成された電極はインナーリード2e、2f、2g、2hにそれぞれワイヤ7を介して接続されている。インナーリード2e、2f、2g、2hは樹脂成形体1の中を通ってアウターリード2a、2b、2c、2dとなって樹脂成形体1の外に露出している。インナーリード2e、2f、2g、2hには、部分的にインナーリードが太くなるように形成された十字状のリード延出部3が設けられている。リード延出部3はインナーリードの両側面に異なる大きさで設けられ、片側の側面にはL字形のリード延出部3が形成されている。図2では水平部3aに設けられた貫通孔4に樹脂充填1cされ、貫通孔4の上下の樹脂とインナーリードとの密着を高め、インナーリードが堅固に樹脂成形体に固定されている。水平部3aの先には垂直に立ち上がった垂直部3bが囲繞部1bに完全に埋め込まれた状態で形成され、図示しないが、ここにも貫通孔4が設けられている。また、インナーリードの他側面にもリード延出部3が設けられるが、ここには底面部1aに埋め込まれ、水平方向に配置された水平部3aのみが形成されている。
【0019】
図2には、A−A線とB−B線が記載されており、A−A線に沿った断面図が図1であり、B−B線における断面図が図3である。ただ、完全な断面ではなく、該断面奥行きや手前に存在する構成も付加している。例えば、図1における垂直部3bや貫通孔4はA−A断面の奥行き方向に見えるものだが、理解を深めるために付加して図示してある。従って、樹脂成型体を透明にした正面図とも言える。
前述の通り、図3は、図2のB−B線に沿った断面図である。図1同様に樹脂成型体を透明にした側面図とも言える。
【0020】
リード延出部3が折り曲げられた形状で、直線状の水平部3aから垂直部3bにかけて屈曲しているのがわかる。屈曲部3cは断面視で円弧状の形状を有し、その内径の曲率半径はリード延出部3の板厚の半分以上とする。したがって、外径の曲率半径はリード延出部3の板厚の1.5倍以上となる。このような曲げ形状とすることで屈曲部3cの歪みが少なくなり、囲繞部の機械的強度が高まる。
【0021】
ここでは、貫通孔4は水平部3aから円弧状の屈曲部3c、そして垂直部3bにかけて連通して開孔されている。このようにすることで、水平方向や垂直方向だけでなく、斜め方向からの応力などさまざまな方向に対しても強い構造となる。なお、図に記載のアウターリード2a、2cはB−B断面よりも紙面手前方向に見えるものである。
【0022】
図1〜3では、囲繞部に囲まれた中空部の上方は開口されたままであるが、半導体装置としての信頼性を高めるには、この中空部上面に蓋をしても良いし、中空部に樹脂を封入することも可能である。
【0023】
以上説明した、本発明の半導体装置は、樹脂成形体の中に埋め込まれ、貫通孔を設けたL字形のリード延出部を有するため、薄い囲繞部の補強ができるとともに、さまざまな方向からの応力に対し堅固な構造とすることができる。また、インナーリードの抜けに関しても高い耐リード抜去性を有することになる。以上の効果により、半導体装置を小型化・薄型化することが可能となる。さらに、外部に曝されている樹脂成型部とリードフレームとの隙間から水分が浸入してくる場合、90度に曲げた部分が樹脂成型部内において浸入してきた水分を一時的に溜める役割を果たすことができるため、中空部内へ水分が到達することを遅らせ、水分浸入を減少させる効果がある。
【0024】
図4は、本発明の半導体装置の第二実施例を示す断面図である。
第一実施例との違いは、半導体チップ6と底面部1aとの間にダイパッドを設けた点である。樹脂成形体の底面部1aの上部にダイパッド8を、その表面が露出するように埋め込むように形成する。ダイパッド8の表面には接着剤5を介して半導体チップ6が固着されている。ダイパッド8の中心付近にはダイパッド貫通孔9が設けられ、孔内に樹脂が充填されており、ダイパッド8と底面部1aとの固着が堅固なものとなっている。
【0025】
図5は、本発明の半導体装置の第二実施例を示す平面図である。
図5は、図4に示した半導体装置を上面から見た図である。本実施例では、ダイパッド8は吊りリードを介してインナーリード2fと接続されているため、半導体チップ6で発生した熱を、インナーリードを介して外部へ放出することが可能となる。
【0026】
図6は、図5のB−B線における断面図である。
リード延出部3が折り曲げられた形状で、水平部3aから垂直部3bにかけて屈曲しているのがわかる。ここでは、貫通孔4は水平部3aから円弧状の屈曲部、そして垂直部3bにかけて連通して開孔されている。このようにすることで、水平方向や垂直方向だけでなく、斜め方向からの応力などさまざまな方向に対しても強い構造となる。なお、図に記載のアウターリード2a、2cはB−B断面よりも紙面手前方向に見えるものである。
【0027】
図4〜6では、囲繞部に囲まれた中空部の上方は開口されたままであるが、半導体装置としての信頼性を高めるには、この中空部上面に蓋をしても良いし、中空部に樹脂を封入することも可能である。
【0028】
以上説明した、本発明の半導体装置は、樹脂成形体の中に埋め込まれ、貫通孔を設けたL字形のリード延出部を有するため、薄い囲繞部の補強ができるとともに、さまざまな方向からの応力に対し堅固な構造とすることができる。また、インナーリードの抜けに関しても高い耐リード抜去性を有することになる。以上の効果により、半導体装置を小型化・薄型化することが可能となる。さらに、外部に曝されている樹脂成型部とリードフレームとの隙間から水分が浸入してくる場合、90度に曲げた部分が樹脂成型部内において浸入してきた水分を一時的に溜める役割を果たすことができるため、中空部内へ水分が到達することを遅らせ、水分浸入を減少させる効果がある。さらには、ダイパッドがリードと接続しているため高放熱パッケージとしても利用できる。
【0029】
図7は、本発明の半導体装置の第三実施例を示す断面図である。
第二実施例との違いは、樹脂成形体の底面部1aを薄くしてダイパッド8の裏面を露出した点である。このような構成とすることで熱伝導性の良い銅などからなるダイパッド8は、配線基板などの他部品と大面積で直接接合することになり、半導体チップ6から発生する熱を即座に外部に放出することが可能となる。第二実施例では図5に示すようにダイパッド8とインナーリード2fを吊りリードを介して接続していたが、本実施例では吊りリードで接続しなくても十分な放熱性が得られる。
【0030】
図8は、本発明の貫通孔の形状を示す平面図である。
水平部3aと屈曲部3cと垂直部3bに連通する貫通孔4は様々な形状とすることが可能である。(a)には円形、(b)には楕円形、(c)には角丸長方形、(d)には複数のスリットを図示した。貫通孔の中心を曲げ中心として水平部3aに対し垂直部3bが90度曲がるようにするが、その間には屈曲部3cがあり、ここにも連通する貫通孔4が設けられる。
【0031】
図9は、本発明の貫通孔の周縁形状を示す図である。(a)は断面図、(b)は
貫通孔4の片側の周縁には、リードと同じ材料からなる突起4aが形成されるが、これが樹脂成形体との密着に効果を有する。貫通孔4は、打ち抜き法やレーザー溶融法などによって形成することができるが、打ち抜きバリや溶融残渣によって大きさや形状の異なるさまざまな突起4aが形成される。大きさや形状の異なる突起4aの存在により樹脂成形体との密着勘合は良好なものとなる。
【産業上の利用可能性】
【0032】
信頼性の高い半導体装置を提供することができるので、テレビや家電製品、携帯端末をはじめ、より環境の厳しい車載や屋外用途への使用にまで配慮した半導体装置搭載機器への供給に寄与することができる。
【符号の説明】
【0033】
1 樹脂成形体
1a 樹脂成形体の底面部
1b 樹脂成形体の囲繞部
1c 樹脂充填部
2a、2b、2c、2d アウターリード
2e、2f、2g、2h インナーリード
3 リード延出部
3a リード延出部の水平部
3b リード延出部の垂直部
3c リード延出部の屈曲部
4 リード延出部の貫通孔
4a 貫通孔周縁の突起
5 接着剤
6 半導体チップ
7 ワイヤ
8 ダイパッド
9 ダイパッド貫通孔
10 中空部
11 半導体装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10