(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
(車両)
次に、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態におけるスライドドア自動開閉装置が搭載された車両の側面図、
図2は、スライドドアの車両本体への取り付け構造を示す平面図である。なお、以下の説明において、説明を簡単にするために、車両の地面側を単に下側、車両の天井側を単に上側、車両の進行方向前方を単に前方、進行方向後方を単に後方などと表現して説明する。
【0018】
図1に示すように、車両100の車両本体101には、側部に車両本体101の開口部102を開閉するためのスライドドア103が設けられている。このスライドドア103は、開口部102の上側に配置されているアッパーレール104と、開口部102の下側に配置されているロアーレール105と、開口部102の上下方向略中央であって、かつ後方側に配置されたセンターレール106とにそれぞれスライド移動自在に支持されている。
【0019】
図2に示すように、ロアーレール105は、前後方向に延在する直線状の直線部105aと、直線部105aに対して車室内側に向かって傾斜した傾斜部105bとが一体成形されたものである。ロアーレール105は、傾斜部105bを前方側に向けた状態で車両本体101に固定されている。
また、センターレール106は、前後方向に延在する直線状の直線部106aと、直線部106aに対して車室内側に向かって湾曲形成された湾曲部106bとが一体成形されたものである。センターレール106は、湾曲部106bを前方側に向けた状態で車両本体101に固定されている。ここで、
図2への図示を省略するが、アッパーレール104もロアーレール105と同様に形成されている。
【0020】
一方、スライドドア103には、前方の下端部にロアーアーム107が設けられている。このロアーアーム107は、スライドドア103を支持するためのものであって、先端側にローラアッシー108が設けられている。ローラアッシー108は、ロアーレール105にスライド移動自在に組み込まれている。
また、スライドドア103には、上下方向略中央の後端部にセンターアーム109が設けられている。このセンターアーム109もロアーアーム107と同様にスライドドア103を支持するためのものであって、先端側にローラアッシー110が設けられている。ローラアッシー110は、センターレール106にスライド移動自在に組み込まれている。
【0021】
ここで、
図2への図示を省略するが、スライドドア103の前方であって上端部にもスライドドア103を支持するためのアッパーアーム(不図示)が設けられ、このアッパーアームの先端に、アッパーレール104にスライド移動自在に組み込まれるローラアッシー(不図示)が組み込まれている。
【0022】
このような構成のもと、各アーム107,109がそれぞれ対応する各レール105,106に沿って移動すると、スライドドア103が車両本体101の前後方向に沿ってスライド移動する。また、ロアーレール105の傾斜部105bにローラアッシー108が案内されると共に、センターレール106の湾曲部106bにローラアッシー110が案内されることにより、スライドドア103は、車両本体101の外側に引き出された位置から車室内側に斜め前方に向かって引き込まれる。そして、その後に車両本体101の側面と面一となって閉じられる。
【0023】
(スライドドア自動開閉装置)
ここで、車両100には、スライドドア103を自動開閉するためのスライドドア自動開閉装置1が搭載されており、このスライドドア自動開閉装置1を構成する駆動ユニット3が車両100の開口部102よりも後方側に内装されている。スライドドア自動開閉装置1は、いわゆるケーブル式の装置であって、駆動ユニット3から延びる開放用ケーブル2a、および閉塞用ケーブル2bがそれぞれスライドドア103に接続されている。
【0024】
車両本体101には、センターレール106の前方側および後方側にそれぞれ前方側反転プーリ111b、後方側反転プーリ111aが配置されている。
開放用ケーブル2aは、車両100の内部で駆動ユニット3から車両後方に配索され、後方側反転プーリ111aによって配索の向きを略180°変えると共にセンターレール106に沿って配索され、センターアーム109に連結される。
閉塞用ケーブル2bは、車両100の内部で駆動ユニット3から車両前方に配索され、センターアーム109の車両前方端付近で前方側反転プーリ111bによって配索の向きを略180°変えると共に、センターレール106に沿って配索され、センターアーム109に連結される。
【0025】
さらに、車両本体101には、開口部102の後端側にストライカ112が設けられている一方、スライドドア103の後端であってストライカ112と対応する位置には、ラッチ機構113が設けられている。このラッチ機構113は、スライドドア103を半閉位置から全閉位置にまで自動で閉め込み、スライドドア103の全閉状態を保持するためのものである。ラッチ機構113は、不図示のラッチ駆動装置によって駆動するようになっている。
【0026】
(駆動ユニット)
図3は、駆動ユニットの外観を示す斜視図、
図4は、駆動ユニットの断面図であって、
図3のX−X線に沿う断面図である。
図5は、駆動ユニットのモータ部の構成を示す斜視図である。
図6は、モータ部の構成を示す図であって、ステータのコアを省いた状態の斜視図である。
図3〜
図5に示すように、駆動ユニット3は、その一面側に配置されたモータ部4と、他面側に配置されたスライドドア駆動部5と、を有している。
【0027】
(モータ部)
図4、
図5に示すように、モータ部4は、モータハウジング(ハウジング)6と、駆動ユニット3の駆動源としての電動モータ7と、減速機構8(
図4参照)と、を有している。
【0028】
図4〜
図6に示すように、モータハウジング6は、例えば樹脂製で、電動モータ7を収容する。モータハウジング6は、駆動ユニット3の外方を向く側に開口した有底状のモータ収容部9を有している。モータ収容部9は、底部を形成するベースプレート部11と、ベースプレート部11の一面側に立ち上がる略円筒状の周壁部12と、を備えている。このモータ収容部9は、径方向の寸法よりも深さ方向の寸法の方が小さく形成されている。したがって、モータハウジング6は、薄型形状をなしている。
図3、
図4に示すように、モータ収容部9の開口である、周壁部12の先端部は、カバープレート13がモータハウジング6にビス止めされることによって密閉される。
【0029】
図4、
図5に示すように、電動モータ7は、モータ収容部9内の外周側に配置されたステータ14と、ステータ14の内周側に配置されたインナーロータ(ロータ)15と、を備えている。この電動モータ7は、いわゆるブラシレスモータを構成している。
【0030】
ステータ14は、全体として中央部に開口部14a(
図5参照)が形成された円環状をなしている。ステータ14は、外周側に設けられた環状のステータヨーク16と、ステータヨーク16の内周側に設けられたインシュレータ17と、ステータヨーク16の内周側に設けられた複数のコア部18と、各コア部18に巻き回された巻線19と、を備えて形成されている。
【0031】
図6に示すように、ステータヨーク16は、薄板状の複数枚の鋼板16pをモータ収容部9の深さ方向に積層した積層鋼板から形成されている。ステータヨーク16は、モータ収容部9の周壁部12の内周面に沿って設けられている。ステータヨーク16は、内周側に、周方向に間隔を空けて形成された複数のコア嵌合凹部16aを有している。このステータヨーク16は、周方向複数個所(
図6の例では3個所)において、ビス20によってモータハウジング6に締結・固定されている。
【0032】
図5に示すように、インシュレータ17は、樹脂などの絶縁性材料から形成されている。インシュレータ17は、ステータヨーク16と同心状に形成された内周リング部17aと、内周リング部17aの外周部から放射状に延びる複数のコアインシュレータ部(不図示)と、を有している。このインシュレータ17の内周リング部17aの内側が、ステータ14の開口部14aとされている。コアインシュレータ部(不図示)は、コア部18と同数が設けられている。
【0033】
図4に示すように、コア部18は、薄板状の複数枚の鋼板18pをモータ収容部9の深さ方向に積層した積層鋼板から形成されている。
図5に示すように、コア部18は、ステータヨーク16の内周側で、径方向に沿って、かつ周方向に間隔を空けて所定数が設けられている。本実施形態では、コア部18は、18個設けられている。各コア部18は、外周側端部18aがステータヨーク16のコア嵌合凹部16aに嵌合されている。各コア部18は、内周側端部18bがインシュレータ17の内周リング部17aの内周面に露出するよう設けられている。各コア部18は、外周側端部18aおよび内周側端部18b以外の部分が、インシュレータ17のコアインシュレータ部(不図示)に覆われている。
【0034】
巻線19は、各コア部18に、インシュレータ17のコアインシュレータ部(不図示)を介して巻き回されている。
【0035】
図5、
図6に示すように、インナーロータ15は、ステータ14の開口部14a内に収容されている。インナーロータ15は、ロータ本体21と、ロータ本体21の外周部に一体に設けられたリング状のマグネット22と、から構成されている。
ロータ本体21は、中央部にシャフト孔21hを有している。このシャフト孔21hには、電動モータ7の回転軸23の基端部23aが嵌合されている。この回転軸23は、モータハウジング6のベースプレート部11の中央部に形成された不図示の貫通孔に軸受(不図示)を介して回動自在に支持されている。これにより、ロータ本体21は、回転軸23により、モータハウジング6に回動自在に支持されている。また、回転軸23は、モータ収容部9が設けられた一面側から、ベースプレート部11を厚さ方向に貫通し、ベースプレート部11の他面側に突出している。この突出した先端に、後述の減速機構8が連結されている。
【0036】
マグネット22は、ロータ本体21の外周部に一体に設けられている。
図5に示すように、マグネット22は、ステータ14の開口部14aの内側において、開口部14aに臨む複数のコア部18の内周側端部18bと所定のクリアランスを隔てて対向するよう配置されている。
【0037】
(減速機構)
図7は、減速機構の構成を示す図であり、電動モータおよびモータ部を取り外した状態の斜視図である。
図4、
図7に示すように、減速機構8は、電動モータ7の回転軸23の回転を減速するものである。減速機構8は、いわゆる遊星歯車機構によって構成されている。減速機構8は、回転軸23の先端部に外嵌固定され回転軸23と共回りする太陽歯車31(
図4参照)と、太陽歯車31に噛合い、太陽歯車31を中心に公転可能に形成された3つの遊星歯車32と、3つの遊星歯車32を連結する遊星キャリア33と、遊星歯車32の外周側に設けられた環状の外輪歯車34と、を有している。
【0038】
図7に示すように、各遊星歯車32は、その中心に設けられた回転軸32sが、遊星キャリア33に回転自在に支持されている。これにより、3つの遊星歯車32が、太陽歯車31を中心に公転すると、遊星キャリア33が回転する。
図4に示すように、外輪歯車34は、ベースプレート部11の他面側に、減速機構8を囲うように形成された周壁部35の内側に収容されている。この外輪歯車34は、不図示のビス等によって、モータハウジング6のベースプレート部11に一体に固定されている。
【0039】
(スライドドア駆動部)
図8は、スライド駆動部の構成を示す図であり、駆動ユニットを他面側から見た斜視図である。
モータハウジング6のベースプレート部11の他面側には、スライドドア駆動部5を構成する各部品を保持するドライブハウジング40が、複数個所においてボルト・ナット42等によって一体に固定されている。
このドライブハウジング40には、減速機構8の遊星キャリア33(
図7参照)よりも大きな内径を有した開口部41が形成されている。これにより、遊星キャリア33は、開口部41を通して、ドライブハウジング40においてスライドドア駆動部5側に向けて露出している。
【0040】
スライドドア駆動部5は、モータ部4の駆動に基づいて、スライドドア103(
図1、
図2参照)を自動でスライド移動させるためのものである。スライドドア駆動部5は、ドラム44と、テンショナ機構45と、を備えている。
【0041】
ドラム44は略円筒状に形成されている。ドラム44の中心部には、貫通孔44hが形成されている。この貫通孔44hには、遊星キャリア33の中心部に固定された出力軸33a(
図4参照)が挿入され、ドラム44と遊星キャリア33とが相対回転不能に連結されている。これにより、ドラム44は、遊星キャリア33と一体となって回転する。
【0042】
ドラム44の外周面には、螺旋状の案内溝44aが形成されている。案内溝44aに沿って、開放用ケーブル2aの基端側と閉塞用ケーブル2bの基端側とが複数巻回されるようになっている。開放用ケーブル2aの基端と閉塞用ケーブル2bの基端は、ドラム44に固定されている。
開放用ケーブル2aと閉塞用ケーブル2bは、後述するテンショナ機構45を経て、ドライブハウジング40の外部に導出されている。このため、ドライブハウジング40には、ケーブル導出部46a,46bが貫通形成されている。このケーブル導出部46a,46bには、筒状のアウタチューブ47a,47bの一端が挿入・固定されている。開放用ケーブル2a、閉塞用ケーブル2bは、ケーブル導出部46a,46bからアウタチューブ47a,47bを通して配索されている。
【0043】
このようなドラム44は、一方向に向かって回転させると、開放用ケーブル2aが巻き取られる一方、閉塞用ケーブル2bが繰出される。このため、スライドドア103が開放用ケーブル2aに引張され、全開方向(
図1における右方向、後方)に向かってスライド移動する。
また、これとは逆に、ドラム44を他方向に向かって回転させると、閉塞用ケーブル2bが巻き取られる一方、開放用ケーブル2aが繰出される。このため、スライドドア103が閉塞用ケーブル2bに引張され、全閉方向(
図1における左方向、前方)に向かってスライド移動する。
【0044】
ドライブハウジング40には、ドラム44の外周部の周方向の一部を囲う円弧状のドラム外周壁48が一体に形成されている。ドラム外周壁48の両端部48e,48eの間から、開放用ケーブル2aと閉塞用ケーブル2bが、テンショナ機構45に向けて導出されている。
【0045】
(テンショナ機構)
テンショナ機構45は、各ケーブル2a,2bに所定の張力を付与するためのものである。テンショナ機構45は、開放用ケーブル2a側に配置された開放側テンショナユニット51と、閉塞用ケーブル2b側に配置された閉塞側テンショナユニット52と、を備えている。
【0046】
各テンショナユニット51,52は、テンションローラ53と、テンションローラ53を回転自在に支持するローラケース54と、ローラケース54を弾性的に支持するコイルスプリング55と、を備えている。
【0047】
各テンションローラ53は、円盤状で、その外周面に各ケーブル2a,2bを掛け回すための溝53mが形成されている。
ローラケース54は、テンションローラ53を回転自在に支持する支持軸54sを有している。
コイルスプリング55は、その一端55aが、ドライブハウジング40に設けられたテンショナ保持部49に固定され、他端55bがローラケース54に固定されている。コイルスプリング55は、圧縮方向に弾性変形可能に構成されており、各ケーブル2a,2bに所定以上の張力がかかったときに圧縮変形するようになっている。
【0048】
このようなテンショナユニット51,52は、ドラム44における各ケーブル2a,2bの導出位置と、ケーブル導出部46a,46bとの間に配置されている。ドラム44の外周部から導出された各ケーブル2a,2bは、テンションローラ53によって折り返されて、ケーブル導出部46a,46bを通して外部に配索されている。そして、各ケーブル2a,2bが掛け回されたテンションローラ53は、コイルスプリング55によって付勢され、各ケーブル2a,2bの導出位置とケーブル導出部46a,46bとの間で、各ケーブル2a,2bに張力を付与する。
【0049】
また、
図4に示すように、ドライブハウジング40には、ドラム外周壁48、テンショナ保持部49等を覆うドライブカバー60が、不図示のビス等によって固定されている。
ドライブカバー60には、各テンショナユニット51,52に対向した部分に開口部61,61が形成されている。各開口部61は、コイルスプリング55の伸縮によるローラケース54の移動方向に沿って形成されている。
【0050】
そして、ドライブカバー60の外周側には、2つのストッパ62が配設されている。各ストッパ62は、不図示のピン等を介し、開口部61を通してローラケース54に連結されている。
ストッパ62は、車両100に駆動ユニット3を取り付ける際、各テンショナユニット51,52のローラケース54の移動を規制し、コイルスプリング55が伸びすぎてしまうことを防止するためのものである。これにより、車両100に駆動ユニット3を取り付けた際、各ケーブル2a,2bが所定の張力に保たれる。
【0051】
(制御基板)
図9は、制御基板の構成を示す斜視図である。
図10は、制御基板が装着されるモータハウジングの斜視図である。
図11は、モータハウジングの基板収容部に対する制御基板の挿抜方向を示す斜視図である。
図12は、モータハウジングにおける基板収容部を示す平面図である。
【0052】
図5に示すように、駆動ユニット3は、電動モータ7の動作を制御する制御基板70を備えている。この制御基板70は、電動モータ7を駆動すると共に、電動モータ7のインナーロータ15における回転方向の位置を検出する。
図9に示すように、制御基板70は、基板本体71と、基板本体71上に実装された各種の電気素子72と、を備えている。基板本体71上に実装された電気素子72としては、例えば、コネクタ72C、ドライバ素子72D、接続端子72T、センサ素子(センサ)72S、等がある。
【0053】
コネクタ72Cは、外部電源や外部制御装置に不図示のハーネスを介して接続される。
図5に示すように、ドライバ素子72Dは、コネクタ72Cを介して外部から送り込まれる電流のステータ14の巻線19への供給を制御する。このドライバ素子72D上には、ヒートシンク73が設けられている。
【0054】
接続端子72Tは、巻線19と制御基板70と、を電気的に接続するものである。この接続端子72Tを介し、外部電源からコネクタ72Cを介して送り込まれる電流を、ドライバ素子72Dの制御に応じて巻線19に供給する。
図9に示すように、センサ素子72Sは、インナーロータ15の回転方向位置を検出する。このセンサ素子72Sとしては、例えばホール素子が好適である。
【0055】
図5に示すように、制御基板70は、モータ収容部9の外周側において、モータハウジング6に保持されている。
図10に示すように、モータハウジング6には、制御基板70の一部を収容する基板収容部80が形成されている。
図4に示すように、基板収容部80は、ベースプレート部11の厚さ方向中間部に形成されている。
【0056】
図10に示すように、基板収容部80は、ベースプレート部11の外周面11sに開口し、ベースプレート部11に沿った方向に連続して形成された凹部状をなしている。
図11に示すように、基板収容部80には、制御基板70が、基板本体71の表面71fに沿った方向(
図11中、矢印方向)に挿抜可能とされている。
図11、
図12に示すように、基板収容部80は、基板本体71を基板収容部80に挿入したときに、その外周縁の先端面(基板収容部80側の端面)71aが突き当たることによって、制御基板70の挿入深さを規制するストッパ面80sが形成されている。
【0057】
図4、
図10、
図11に示すように、基板収容部80には、モータハウジング6に対して基板本体71を位置決めする位置決め部81が形成されている。この位置決め部81は、制御基板70の挿抜方向に沿って長くなるよう(連続するよう)に形成されている。位置決め部81は、基板収容部80において、電動モータ7側の内周面80aと、減速機構8側の内周面80bと、を連結するよう形成されている。
【0058】
図11に示すように、基板本体71には、基板収容部80に挿入される先端面71aから基板本体71の内方に向けて延び、位置決め部81が挿入可能なスリット75が形成されている。制御基板70を基板収容部80に挿入するときには、先端面71aを基板収容部80の開口に対向させた状態で、位置決め部81をスリット75に挿入させる。制御基板70は、スリット75に位置決め部81が挿入されていくことで、基板収容部80に対する挿入方向がガイドされる。これにより、位置決め部81は、制御基板70の挿抜動作を案内するガイド部材として機能する。
【0059】
制御基板70は、スリット75に位置決め部81を挿入させた状態で、
図5に示すように、基板本体71の一部が基板収容部80に収容される。これにより、制御基板70が、位置決め部81を介してモータハウジング6に位置決め・固定される。
図12に示すように、制御基板70は、基板収容部80に挿入した状態で、センサ素子72Sであるホール素子が、ベースプレート部11を挟んでインナーロータ15に対向する。これにより、各センサ素子72Sで、インナーロータ15の磁界強度を検出し、インナーロータ15の回転方向位置を検出する。
【0060】
図4に示すように、電動モータ7を構成するステータ14のステータヨーク16を、モータハウジング6に固定する複数本のビス20のうちの1本のビス(固定部材)20Kが、ベースプレート部11において位置決め部81に対応する位置に配置されている。そして、ビス20Kは、その先端部20sが、位置決め部81まで到達するようにねじ込まれている。このビス20により、電動モータ7のステータ14が位置決め部81に固定されている。これによって、ビス20Kにおいて、ベースプレート部11に対して十分なねじ込み深さを確保することができる。
【0061】
ところで、
図12に示すように、位置決め部81は、回転軸23の中心に沿った方向から見たときに、減速機構8を構成する外輪歯車34の少なくとも一部に重複する位置に設けられているのが好ましい。
ベースプレート部11は、基板収容部80を形成した部分において、他の部分に対して、厚さが小さくなっている。例えばステータ14に通電すると、遊星歯車32の公転動作によって、外輪歯車34が周期音を発生することがある。これに対し、位置決め部81によって基板収容部80を形成した部分においてベースプレート部11が補強されるため、外輪歯車34に共振してベースプレート部11が音や振動等を発生するのを抑制することができる。
【0062】
図9に示すように、基板本体71において、電気素子72が実装される表面71fの反対側の面(裏面)には、基板本体71を支持するサポートプレート78が一体に設けられている。サポートプレート78には、基板本体71に対向する側とは反対側に、基板本体71の基板収容部80に対する挿抜方向に沿って連続する突条79が形成されている。
【0063】
一方、
図10に示すように、ドライブハウジング40は、ベースプレート部11の外周側に延びる部分に、基板サポート面85が形成されている。そして、基板サポート面85には、位置決め部81と平行に延びるガイド溝86が形成されている。
制御基板70を基板収容部80に挿入するときには、サポートプレート78の突条79をガイド溝86に入れる。これにより、制御基板70の挿抜動作を円滑に行うことが可能となる。
なお、基板収容部80に挿入された制御基板70は、
図3に示すように、コネクタ72Cの接続部、およびヒートシンク73を除いて、基板カバー74により覆われている。
【0064】
(スライドドア自動開閉装置の動作)
次に、スライドドア自動開閉装置1の動作について説明する。
例えば、操作者により不図示の車室内に設けられた操作スイッチを閉操作すると、所定の操作信号が制御基板70に入力される。すると、制御基板70の制御により、電動モータ7のステータ14に通電され、インナーロータ15が回転駆動される。すると、インナーロータ15の回転が、減速機構8の太陽歯車31、遊星歯車32を介して遊星キャリア33に伝達される。これにより、遊星キャリア33と一体となってドラム44が一方向に回転する。すると、閉塞用ケーブル2bがドラム44に巻取られると共に、開放用ケーブル2aがドラム44から繰出される。
【0065】
閉塞用ケーブル2bがドラム44に巻取られることにより、閉塞用ケーブル2bが引張される一方、開放用ケーブル2aが弛緩される。これにより、スライドドア103が閉塞側に向かってスライド移動する。
このとき、テンショナ機構45の各テンショナユニット51,52において、各ケーブル2a,2bが掛け回されたテンションローラ53は、コイルスプリング55によって付勢されている。したがって、各ケーブル2a,2bに張力が付与され、各ケーブル2a,2bが弛むのを防止できる。
【0066】
また、
図2に示すように、スライドドア103が閉塞移動するにあたって、スライドドア103に設けられたローラアッシー108がロアーレール105の直線部105aから傾斜部105bへと引き込まれる。さらに、スライドドア103のローラアッシー110がセンターレール106の直線部106aから湾曲部106bへと引き込まれる。このとき、各ローラアッシー108,110がそれぞれ傾斜部105b、および湾曲部106bへと引き込まれることにより、各ケーブル2a,2bの配索経路長が増大する。
【0067】
すると、開放用ケーブル2aにかかる張力が増大し、開放側テンショナユニット51のコイルスプリング55が圧縮され、テンションローラ53がコイルスプリング55側に変位する。これにより、開放用ケーブル2aがドライブハウジング40の外側(
図8における下側)へと押出され、配索経路長の延びが吸収される。
【0068】
続いて、スライドドア103が閉塞方向にさらにスライド移動して半閉状態になると、スライドドア103の移動が停止するようになっている。この状態で、ドラム44および遊星キャリア33も一旦停止する。
この状態から、電動モータ7を駆動し続けると、遊星歯車32が太陽歯車31を中心にして公転し、これらと一体となって遊星キャリア33およびドラム44が回転する。すると、閉塞用ケーブル2bがドラム44に巻取られることにより、閉塞用ケーブル2bが引張される一方、開放用ケーブル2aが弛緩される。
【0069】
これにより、テンショナ機構45の開放側テンショナユニット51、閉塞側テンショナユニット52において、ローラケース54が、コイルスプリング55の伸縮方向に沿って移動する。すると、不図示のラッチ駆動装置により、ラッチ機構113(
図2参照)が駆動する。そして、ラッチ機構113が駆動することによって、ラッチ機構113と車両本体101に設けられているストライカ112とが噛合い、スライドドア103が全閉位置にまで閉め込まれる。これによって、スライドドア自動開閉装置1によるスライドドア103の閉塞動作が完了する。
なお、スライドドア103を開放動作させる場合にあっては、閉塞動作させる場合と逆の順序で動作することになり、基本的動作は閉塞動作と同様であるので、説明を省略する。
【0070】
(効果)
上述の実施形態では、駆動ユニット3は、電動モータ7のインナーロータ15の回転方向の位置を検出するセンサ素子72Sを備えた制御基板70を備え、モータハウジング6は、制御基板70の一部を収容する基板収容部80と、基板収容部80に形成され、制御基板70を位置決めする位置決め部81と、電動モータ7のステータ14を位置決め部81に固定する固定部材82と、を備えている。
これにより、制御基板70の位置決めとステータ14の位置決めを、位置決め部81を基準として行うことができる。これにより、制御基板70に設けられたセンサ素子72Sを、電動モータ7に対して高精度に位置決めすることが可能となる。したがって、センサ素子72Sによってインナーロータ15の回転方向位置を高精度に検出して、電動モータ7の動作切換を制御することが可能となる。
【0071】
また、制御基板70は、制御基板70の表面71fに沿った方向に基板収容部80に挿抜される。そして、位置決め部81には、制御基板70の挿抜方向に沿って長くなるように形成されている一方、制御基板70には、ガイド部材83が挿入可能なスリット75が形成されている。
これにより、スリット75に位置決め部81を挿入していくことで、制御基板70の基板収容部80に対する挿抜動作を安定して行うことが可能となる。
【0072】
また、位置決め部81は、基板収容部80において、電動モータ7側の内周面80aと、減速機構8側の内周面80bと、を連結するよう形成されている。これにより、基板収容部80を補強することができる。その結果、電動モータ7の作動時に、ステータ14の振動等によってモータハウジング6が基板収容部80の周囲で振動したり騒音を発生するのを抑えることができる。
【0073】
さらに、位置決め部81は、回転軸23の中心軸に沿った方向から見たときに、外輪歯車34の少なくとも一部に重複する位置に設けられている。
このような構成によれば、位置決め部81が設けられた部分で、基板収容部80が補強される。位置決め部81が、減速機構8の外輪歯車34の少なくとも一部に重複する位置に設けられることで、減速機構8の作動時における振動や騒音の発生を抑えることができる。
【0074】
なお、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、上述の実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
例えば、上述の実施形態では、スライドドア自動開閉装置1を構成する駆動ユニット3をスライドドア103に内装する一方、各駆動ユニット3から延びる開放用ケーブル2a、および閉塞用ケーブル2bの端末部を車両本体101に接続した場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、各駆動ユニット3を車両本体101に取り付け、各駆動ユニット3から延びる開放用ケーブル2a、および閉塞用ケーブル2bの端末部をスライドドア103に接続してもよい。
また、ステータヨーク16をモータハウジング6に固定するため、ベースプレート部11において位置決め部81に対応する位置にビス20を配置するようにしたが、これに限るものではない。ビス20に代えて、リベットや、位置決めピンを用いてもよい。