(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記部分支持部各々が、隣接する前記部分支持部のうち一方の部分支持部が他方の部分支持部の下層に移動する際に前記一方の部分支持部又は前記一方の部分支持部で支持されている前記画像形成ユニットと前記他方の部分支持部又は前記他方の部分支持部で支持されている前記画像形成ユニットとの接触を回避する接触回避部を備え、
前記接続部各々が、前記一方の部分支持部が前記他方の部分支持部の下層に移動した状態で前記部分支持部各々の間に少なくとも前記画像形成ユニットが介在可能な間隙を形成する請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明し、本発明の理解に供する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
【0011】
[画像形成装置10の概略構成]
まず、
図1を参照しつつ、本発明の実施の形態に係る画像形成装置10の概略構成について説明する。ここで、
図1は前記画像形成装置10の断面模式図である。
図1に示すように、前記画像形成装置10は、ADF1、画像読取部2、画像形成部3、給紙部4、制御部5、操作表示部6、及び移動機構7を備える。前記画像形成装置10は、画像データに基づいて画像を形成するプリンター機能と共に、スキャン機能、ファクシミリー機能、又はコピー機能などの複数の機能を有する複合機である。また、本発明は、プリンター装置、ファクシミリー装置、及びコピー機などの画像形成装置に適用可能である。
【0012】
前記ADF1は、不図示の原稿セット部、複数の搬送ローラー、原稿押さえ、及び排紙部を備える自動原稿搬送装置である。そして、前記ADF1では、前記搬送ローラー各々が不図示のモーターで駆動されることにより、前記原稿セット部に載置された原稿が前記画像読取部2による画像データの読取位置を通過して前記排紙部まで搬送される。これにより、前記画像読取部2は、前記ADF1により搬送される原稿から画像データを読み取ることが可能である。
【0013】
前記画像読取部2は、原稿から画像データを読み取る画像読取部であり、不図示の原稿台、読取ユニット、複数のミラー、光学レンズ、及びCCD(Charge Coupled Device)を備える。前記原稿台は、前記画像読取部2の上面に設けられた原稿の載置部である。前記読取ユニットは、前記原稿台上の読取位置にある原稿に光を照射する。前記原稿の表面で反射した光は、複数の前記ミラーにより前記光学レンズに導かれる。前記光学レンズは、入射した光を集光して前記CCDに入射させる。前記CCDは、前記光学レンズから入射される光の受光量に応じた電気信号を原稿の画像データとして前記制御部5に入力する光電変換素子などを有する。
【0014】
前記制御部5は、不図示のCPU、ROM、RAM、及びEEPROMなどの制御機器を備える。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるための制御プログラムなどの情報が予め記憶される不揮発性の記憶部である。前記RAMは揮発性の記憶部、前記EEPROMは不揮発性の記憶部である。前記RAM及び前記EEPROMは、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、前記制御部5は、前記ROMに予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUを用いて実行することにより前記画像形成装置10を統括的に制御する。なお、前記制御部5は、集積回路(ASIC)などの電子回路で構成されたものであってもよく、前記画像形成装置10を統括的に制御するメイン制御部とは別に設けられた制御部であってもよい。
【0015】
前記操作表示部6は、前記制御部5からの制御指示に応じて各種の情報を表示する液晶ディスプレーなどの表示部、及びユーザーの操作に応じて前記制御部5に各種の情報を入力するハードキー又はタッチパネルなどの操作部を有する。
【0016】
前記画像形成部3は、前記画像読取部2で読み取られた画像データ又は外部のパーソナルコンピューター等の情報処理装置から入力された画像データに基づいてカラー又はモノクロの画像形成処理(印刷処理)を実行する電子写真方式の画像形成部である。
【0017】
具体的に、前記画像形成部3は、
図1に示すように、複数の画像形成ユニット31〜34、露光装置(LSU)35、中間転写ベルト36、一次転写ローラー37、二次転写ローラー38、定着装置39、及び排紙トレイ40を備える。前記画像形成ユニット31はC(シアン)、前記画像形成ユニット32はM(マゼンダ)、前記画像形成ユニット33はY(イエロー)、前記画像形成ユニット34はK(ブラック)に対応する電子写真方式の画像形成ユニットである。
【0018】
前記画像形成ユニット31〜34各々は、感光体ドラム、帯電装置、現像装置、及びクリーニング装置などの各画像形成部材を備える。ここで、前記画像形成ユニット31〜34は、前記中間転写ベルト36の搬送方向361に沿って前記画像形成装置10の前後方向に並設されており、前記画像形成ユニット31〜34各々において、前記各画像形成部材は一つのハウジング内に一体的に構成されている。前記露光装置35は、画像データに基づくレーザー光を前記感光体ドラム各々に照射することにより前記感光体ドラム各々に画像データに基づく静電潜像を形成する。
【0019】
そして、前記現像装置により前記感光体ドラム各々で現像された各色のトナー像は、前記一次転写ローラー37により前記中間転写ベルト36に重ねて転写された後、前記二次転写ローラー38によって前記給紙部4から供給される用紙に転写される。その後、トナー像が転写された前記用紙は、前記定着装置39によりトナー像が溶融定着されることでカラー画像が形成され、前記排紙トレイ40に排出される。ここに、前記中間転写ベルト36が本発明における被転写部材の一例である。
【0020】
ところで、前記画像形成装置10のような複数の画像形成ユニットを備える画像形成装置において、画像形成ユニット各々を画像形成ユニットの配列方向に沿って画像形成装置の筐体側面から外側に引き出し可能に構成されることがある。例えば、複数の画像形成ユニットを着脱可能に支持する支持部材を、画像形成装置の筐体側面から外側に引き出し可能な画像形成装置が関連技術として知られている。しかしながら、前述の関連技術では、画像形成装置の筐体側面において支持部材を引き出すための空間を確保する必要があり、画像形成装置の設置場所が制限される。これに対し、前記画像形成装置10では、以下に説明するように、画像形成ユニット各々を画像形成ユニットの配列方向に沿って画像形成装置の筐体側面から外側に引き出すために必要な空間を縮小することが可能になる。
【0021】
以下、
図2〜
図11を参照しつつ、前記移動機構7について説明する。ここで、
図2は前記画像形成装置10の左右方向(
図1における奥行方向)における一方の側部の構成を示す断面模式図である。また、
図3は部分支持部72の構成を示す斜視図であって、
図4は
図3のIV−IV矢視図である。また、
図5は可動支持部73の構成を示す断面模式図である。また、
図6は接続部74を示す平面図であって、
図7及び
図8は前記接続部74の右側面図である。なお、以下の説明において、前記画像形成ユニット31〜34を区別する必要がない場合にはこれらを画像形成ユニット3Xと呼称する。
【0022】
前記移動機構7は、
図2〜
図8に示すように、筐体カバー71、複数の前記部分支持部72、前記可動支持部73、複数の前記接続部74、及び移動規制部75を備える。
【0023】
前記筐体カバー71は、前記画像形成装置10の外装に設けられた開閉可能なカバー部材である。具体的に、前記筐体カバー71は、
図2に示すように、前記画像形成装置10の側面において、前記画像形成ユニット31〜34の配置位置に対応して設けられている。例えば、前記筐体カバー71は、下端部がヒンジによって回動可能に支持されることで、前記画像形成装置10に対して開閉可能に設けられている。
【0024】
なお、前記画像形成装置10には、前記筐体カバー71の開閉を検出する不図示のスイッチが設けられている。前記スイッチは、前記筐体カバー71の開閉状態に応じた電気信号を前記制御部5に入力可能である。そして、前記制御部5は、前記スイッチから前記筐体カバー71の開状態を示す電気信号が入力された場合には、前記画像形成部3の機能を制限する処理を実行する。これにより、ユーザーの前記画像形成ユニット31〜34の取り出し作業が、前記画像形成部3の動作により阻害されることが防止される。
【0025】
前記部分支持部72は、前記画像形成ユニット3Xを支持する支持部材である。具体的に、前記部分支持部72は、
図3に示すように、左右方向に長尺状の本体部721により、前記画像形成ユニット3Xを着脱可能に支持する。例えば、前記部分支持部72の前記本体部721は、前記画像形成ユニット3Xの底面の形状に対応してわずかに凹陥して形成される。そして、前記画像形成ユニット3Xが前記本体部721の凹陥領域に合わせて載置されることで、前記画像形成ユニット3Xが前記部分支持部72に装着されると共に、前記部分支持部72に対する前記画像形成ユニット3Xの位置決めが行われる。なお、前記画像形成ユニット3Xの底部に複数の凹陥部を設け、複数の前記凹陥部各々に対応する複数の突出部を前記部分支持部72の前記本体部721に設けることで、前記画像形成ユニット3Xの装着及び位置決めを可能とする構成も考えられる。
【0026】
また、前記部分支持部72は、前記本体部721の前端部において後方向に凹陥する凹陥部722を有する。更に、前記画像形成ユニット34を支持する前記部分支持部72は、前記本体部721の左右方向両側において後方向に突出する支持片721Aを有する(
図6参照)。前記凹陥部722及び前記支持片721Aについては後述する。なお、前記部分支持部72の中央部には、前記部分支持部72の下側から照射される前記露光装置35のレーザー光を通過させる露光スリット723が形成されている。前記部分支持部72に装着される前記画像形成ユニット3Xの前記感光体ドラムは、前記露光装置35から照射されて前記露光スリット723を通過するレーザー光により露光される。
【0027】
前記可動支持部73は、前記画像形成装置10の左右方向(
図2における奥行方向)の両側部に各々設けられ、前記部分支持部72各々を前記画像形成ユニット31〜34の配列方向に沿って外部に移動可能に支持する。例えば、前記可動支持部73は、
図2及び
図5に示すように、第1レール731及び第2レール732を備える。
【0028】
前記第1レール731は、
図2及び
図5に示すように、前記画像形成装置10の前後方向に長尺状であって、各々が左右方向外側に向けて凹陥した一対のレール状部材である。前記部分支持部72各々は、その両端部が各々前記第1レール731の凹陥部に挿入されることで、前記配列方向に沿って摺動可能に支持される。
【0029】
ここで、前記部分支持部72各々の前記画像形成装置10の内側への移動は、前記第1レール731の後端部に設けられた壁面731Cによって制限される。また、前記壁面731Cによって前記部分支持部72各々の移動が停止されることで、前記部分支持部72各々の前記第1レール731に対する位置決めが行われる。なお、前記部分支持部72各々の底部に曲面状の突出部を設け、前記突出部に対応する凹陥部を前記第1レール731に設けることで、前記部分支持部72各々の位置決めを可能とする構成も考えられる。
【0030】
前記第2レール732は、
図2及び
図5に示すように、前記画像形成装置10の前後方向に長尺状であって、左右方向外側端部に側壁を有する一対のレール状部材である。そして、前記第1レール731は、その底部が前記第2レール732によって摺動可能に支持されることで、前記画像形成装置10の前後方向に移動可能である。具体的に、前記画像形成装置10では、前記第1レール731の前端部が前記画像形成装置10の外側まで引き出されることで、前記部分支持部72各々の移動経路が前記画像形成装置10の外部まで延長される(
図9〜
図11参照)。
【0031】
ここで、前記第1レール731の下端部には突出片731Aが設けられており、前記第1レール731の前記画像形成装置10の外部への移動は、前記画像形成装置10の筐体において前記突出片731Aに当接可能に設けられた係止片731Bによって係止される。また、前記第1レール731の前記画像形成装置10の内側への移動は、前記第2レール732の後端部に設けられた壁面732Aによって制限される。更に、前記壁面732Aによって前記第1レール731の移動が停止されることで、前記部分支持部72各々を支持する前記第1レール731の前記第2レール732に対する位置決めが行われる。なお、前記第1レール731の底部に曲面状の突出部を設け、前記突出部に対応する凹陥部を前記第2レール732に設けることで、前記第1レール731の位置決めを可能とする構成も考えられる。
【0032】
複数の前記接続部74は、前記部分支持部72各々を前記画像形成装置10の外部への移動方向(
図2に示す前方向)上流側に位置する前記部分支持部72の下層に姿勢を維持しつつ移動可能に接続する。具体的に、前記接続部74は、
図6に示すように、第1回転軸741、第2回転軸742、第1リンク部材743A〜743C、及び第2リンク部材744A〜744Cを含む。
【0033】
前記第1回転軸741及び前記第2回転軸742は、前記部分支持部72において前記画像形成ユニット3Xの移動方向上の位置が異なる第1位置及び第2位置に設けられる。また、前記第1回転軸741及び前記第2回転軸742は、前記画像形成ユニット3Xが移動する移動平面に平行で且つ前記画像形成ユニット3Xの移動方向に垂直な方向に向けて設けられる。
【0034】
例えば、
図3に示すように、前記部分支持部72各々において、前記第1回転軸741が設けられる前記第1位置は、前記部分支持部72の前端部であり、前記第2回転軸742が設けられる前記第2位置は、前記部分支持部72の後端部である。なお、前記第1回転軸741及び前記第2回転軸742は、前記部分支持部72の前後方向中央からの離間距離が等しく且つ前記離間距離が可能な限り広くなる位置に配置されることが望ましい。これにより、前記部分支持部72が隣接する他の前記部分支持部72の下層に移動した際に、前記部分支持部72の姿勢が安定する(
図11参照)。
【0035】
前記第1リンク部材743A〜743Cは、隣接する前記部分支持部72各々の前記第1回転軸741を連結する。具体的に、前記第1リンク部材743Aは、
図6に示すように、前記画像形成ユニット31を支持する前記部分支持部72の前記第1回転軸741と、前記画像形成ユニット32を支持する前記部分支持部72の前記第1回転軸741とを連結する。また、前記第1リンク部材743Bは、前記画像形成ユニット32を支持する前記部分支持部72の前記第1回転軸741と、前記画像形成ユニット33を支持する前記部分支持部72の前記第1回転軸741とを連結する。同様に、前記第1リンク部材743Cは、前記画像形成ユニット33を支持する前記部分支持部72の前記第1回転軸741と、前記画像形成ユニット34を支持する前記部分支持部72の前記第1回転軸741とを連結する。
【0036】
前記第2リンク部材744A〜744Cは、各々前記第1リンク部材743A〜743Cに対応して、隣接する前記部分支持部72各々の前記第2回転軸742を連結する。具体的に、前記第2リンク部材744Aは、
図6に示すように、前記画像形成ユニット31を支持する前記部分支持部72の前記第2回転軸742と、前記画像形成ユニット32を支持する前記部分支持部72の前記第2回転軸742とを連結する。前記第2リンク部材744B及び744Cについても、前記第2リンク部材744Aと同様である。
【0037】
そして、前記第1リンク部材743A及び前記第2リンク部材744Aにより、
図7及び
図8に示すように、前記第1ユニット31を支持する前記部分支持部72が、前記第2ユニット32を支持する前記部分支持部72の下層に、姿勢を維持しつつ移動可能に接続される。前記第1リンク部材743B及び前記第2リンク部材744B、並びに前記第1リンク部材743C及び前記第2リンク部材744Cについても同様である。
【0038】
ここで、
図6に示すように、前記第1リンク部材743Aは前記部分支持部72の左右方向の一方側に配置され、前記第1リンク部材743Aに対応する前記第2リンク部材744Aは前記部分支持部72の左右方向の他方側に配置される。前記第1リンク部材743B及び前記第2リンク部材744B、並びに前記第1リンク部材743C及び前記第2リンク部材744Cについても同様である。これにより、簡素な構成で隣接する前記部分支持部72の下層に移動した前記部分支持部72が上下方向において支持される。なお、前記第1リンク部材743A及び前記第2リンク部材744Aを、各々前記部分支持部72の左右方向の両側に配置してもよい。この場合には、前記画像形成ユニット32を支持する前記部分支持部72の下層に移動した際の、前記画像形成ユニット31を支持する前記部分支持部72の姿勢がより安定する。
【0039】
また、前記第1リンク部材743A〜743C、前記第2リンク部材744A〜744Cは、前記部分支持部72に支持される前記画像形成ユニット3Xの高さを超える長さの部材によって形成されている。そのため、
図8に示すように、隣接する前記部分支持部72のうち一方の部分支持部72が他方の部分支持部72の下層に移動した状態で、前記部分支持部72各々の間に少なくとも前記画像形成ユニット3Xが介在可能な間隙が形成される。これにより、前記一方の部分支持部72は、前記画像形成ユニット3Xを支持したままの状態で、前記他方の部分支持部72の下層に移動することが可能である。
【0040】
ところで、前記一方の部分支持部72が前記画像形成ユニット3Xを支持したままの状態で前記他方の部分支持部72の下層に移動した際に、前記一方の部分支持部72又は前記一方の部分支持部72で支持されている前記画像形成ユニット3Xと、前記他方の部分支持部72又は前記他方の部分支持部72で支持されている前記画像形成ユニット3Xとが接触することが考えられる。そこで、前記部分支持部72に前記凹陥部722が設けられている。ここで、前記凹陥部722は、
図6に示すように、前記部分支持部72で支持される前記画像形成ユニット3Xの左右方向の長さを超える幅で凹陥して設けられる。これにより、隣接する前記部分支持部72各々の間に、前記一方の部分支持部72が前記他方の前記部分支持部72の下層に移動する際に前記一方の部分支持部72で支持されている前記画像形成ユニット3Xの上端が移動可能な空間が形成される。そのため、隣接する前記部分支持部72又は前記画像形成ユニット3Xの接触が回避される(
図8参照)。ここに、前記凹陥部722が、本発明における接触回避部の一例である。
【0041】
前記移動規制部75は、前記部分支持部72から前記画像形成ユニット3Xが取り外された状態における前記部分支持部72の前記画像形成装置10内への移動を規制する。具体的に、前記移動規制部75は、前記部分支持部72の後部が前記第1レール731の前端部から突き出された状態で前記画像形成ユニット3Xが取り外された場合に、前記部分支持部72の移動を規制可能である。例えば、前記移動規制部75は、
図3及び
図4に示すように、前記部分支持部72後部の左右両端に設けられ、アーム部751、ユニット当接部752、レール当接部753、及びコイルバネ754を備える。
【0042】
前記アーム部751は、
図4に示すように、前記部分支持部72の内部において、中央を揺動可能に軸支されている。前記アーム部751の一端には、前記ユニット当接部752が前記部分支持部72から上方向に突出可能に設けられる。また、前記アーム部751の他端には、前記レール当接部753が前記部分支持部72から下方向に突出可能に設けられる。
【0043】
ここで、前記ユニット当接部752が設けられた前記アーム部751の一端側は、前記コイルバネ754によって上方向に付勢されている。前記部分支持部72に前記画像形成ユニット3Xが装着されている状態においては、前記ユニット当接部752が前記画像形成ユニット3Xによって下方向に押圧されて、前記コイルバネ754が圧縮される。そのため、前記アーム部751が時計回りに揺動し、前記ユニット当接部752及び前記レール当接部753が前記部分支持部72の内部に収納される。一方、前記部分支持部72から前記画像形成ユニット3Xが取り外されると、前記コイルバネ754により前記アーム部751の前記ユニット当接部752側が上方向に付勢される。そのため、前記アーム部751が反時計回りに揺動し、前記ユニット当接部752及び前記レール当接部753が各々前記部分支持部72から突出する。これにより、前記部分支持部72が前記画像形成装置10内へ移動されると、前記レール当接部753が前記第1レール731の先端に当接し、前記部分支持部72の移動が係止される(
図9及び
図11参照)。
【0044】
次に、
図2、
図9〜
図11を参照しつつ、ユーザーが前記画像形成ユニット31〜34を前記画像形成装置10に着脱する作業について説明する。ここで、
図9は
図2に示す状態から前記画像形成ユニット31が前記画像形成装置10の外部に引き出された状態を示す図である。また、
図10は
図9に示す状態から前記画像形成ユニット32が外部に引き出された状態を示す図である。また、
図11は
図10に示す状態から前記画像形成ユニット33〜34が外部に引き出された状態を示す図である。なお、
図9及び
図11における太線矢印は、前記部分支持部72からの前記画像形成ユニット3Xの取り外し動作を示すものである。また、
図10における太線矢印は、前記部分支持部72の隣接する前記部分支持部72の下層への移動経路を示すものである。
【0045】
まず、前記画像形成ユニット31〜34の取り出し作業を行うユーザーは、
図2に示すように、前記筐体カバー71を開ける。前記筐体カバー71が開かれることで、前記制御部5により前記画像形成部3の機能が制限され、前記画像形成ユニット31〜34の取り出し作業中における前記画像形成部3の動作が制限される。そのため、ユーザーは、前記画像形成部3の動作に阻害されることなく、前記画像形成ユニット31〜34の取り出し作業を行うことが可能である。
【0046】
次に、ユーザーは、
図9に示すように、前記第1レール731を前記画像形成装置10の前方向に引っ張って、前記第1レール731の前端部を前記画像形成装置10の外部まで引き出す。これにより、前記部分支持部72各々の移動経路が前記画像形成装置10の外部まで延長されて、前記部分支持部72各々を外部まで引き出すことが可能となる。なお、前記第1レール731の移動は、前記突出片731Aと前記係止部731Bとが当接することで係止される。
【0047】
続いて、ユーザーは、
図9に示すように、前記画像形成ユニット31を支持する前記部分支持部72を前記画像形成装置10の前方向に引っ張ることで、前記画像形成ユニット31を前記画像形成装置10の外部まで引き出す。なお、前記画像形成ユニット31を支持する前記部分支持部72に、前記画像形成ユニット31を前方から支持する壁面を設けて、前記壁面にユーザーによる引き出しを補助するための把手を設けてもよい。また、前記画像形成ユニット32〜34にも同様に前記壁面及び把手が設けられ、ユーザーが前記把手各々を順に用いて前記画像形成ユニット31〜34を引き出すことが可能な構成も考えられる。
【0048】
ここで、前記画像形成ユニット31が前記第1レール731の前端部を越えて引き出されても、前記第1リンク部材743A及び前記第2リンク部材744Aの回動が前記第1レール731によって前記画像形成ユニット32を支持する前記部分支持部72側で規制される。そのため、前記画像形成ユニット31を支持する前記部分支持部72は、前記画像形成ユニット32を支持する前記部分支持部72が前記第1レール731の前端部を越えて引き出されるまでの間、後続の前記部分支持部72各々との間で前後方向における並列状態を維持可能である。これにより、ユーザーは前記第1レール731の前端部から突出した状態の前記部分支持部72から、前記画像形成ユニット31を取り外すことが可能である。
【0049】
また、前記部分支持部72から前記画像形成ユニット31が取り外されることで、前記移動規制部75の前記ユニット当接部752及び前記レール当接部753が前記部分支持部72から突出する。そのため、前記部分支持部72の前記画像形成装置10内への移動が制限される。これにより、前記画像形成ユニット3Xが装着されていない状態の前記部分支持部72が誤って前記画像形成装置10の内部に収納されて、異常画像が形成される等の画像形成処理における不具合が発生することが抑制される。
【0050】
次に、ユーザーは、前記画像形成ユニット31を支持していた前記部分支持部72を更に前方向に引っ張ることで、前記画像形成ユニット32を支持する前記部分支持部72を前記第1レール731の前端部を越えて引き出す。すると、前記第1レール731による前記第1リンク部材743A及び前記第2リンク部材744Aの回動規制が外れ、前記第1リンク部材743A及び前記第2リンク部材744Aが回動可能となる。これにより、
図10に示すように、前記画像形成ユニット31を支持していた前記部分支持部72は、前記画像形成ユニット32を支持する前記部分支持部72の下層に移動可能となる。
【0051】
なお、前記第1リンク部材743A及び前記第2リンク部材744Aが勢いよく回動する場合には、前記画像形成ユニット31を支持していた前記部分支持部72が前記画像形成装置10の側面等に衝突するおそれがある。そこで、前記第1回転軸741と前記第1リンク部材743A〜743C各々の軸受けとの間の摩擦係数を高くすることで、前記リンク部材743A〜743Cの回動の勢いを削ぐことが考えられる。前記第2回転軸742と前記第2リンク部材744A〜744C各々の軸受けとの間の摩擦係数についても同様である。例えば、前記摩擦係数は、前記部分支持部72の自重による移動を減速させる程度の高さ、又は前記部分支持部72の移動にユーザーの手による補助を必要とする程度の高さに設定される。これにより、前記部分支持部72が隣接する前記部分支持部72の下層に移動した際に、前記画像形成装置10の側面等に衝突することが回避される。また、前記画像形成装置10の側面等にスポンジなどの衝撃吸収材を設けて、前記部分支持部72が前記画像形成装置10の側面等に衝突した際の衝撃を吸収してもよい。
【0052】
そして、ユーザーは、前記画像形成ユニット32を支持する前記部分支持部72を更に前方向に引っ張ることで、
図11に示すように、前記画像形成ユニット33〜34を外部まで引き出すことが可能である。前記画像形成ユニット33〜34が引き出されることで、前記画像形成ユニット32〜33を支持する前記部分支持部72各々が、前記接続部74によって順次前記画像形成ユニット3Xの移動方向上流側の前記部分支持部72の下層へ移動する。そのため、前記画像形成ユニット31〜34を引き出すために必要となる前記画像形成装置10の側部の空間が、前記画像形成ユニット31〜34の全てが一つの支持部材で支持される場合と比較して、縮小されることになる。
【0053】
なお、前記画像形成ユニット34を支持する前記部分支持部72には、
図6に示すように、前記支持片721Aが設けられている。前記画像形成ユニット34を支持する前記部分支持部72は、前記支持片721Aにより、前記画像形成ユニット34の支持領域を前記第1レール731の前端部から突出させた場合であっても前記第1レール731上で支持される。
【0054】
ここで、上下方向に連なる前記部分支持部72各々の間には、前記画像形成ユニット3Xが介在可能な間隙が形成されている。そのため、ユーザーは、前記画像形成ユニット3Xを装着した状態の前記部分支持部72を隣接する前記部分支持部72の下層へ移動させることで、任意の画像形成ユニット3Xだけを取り外すことが可能である。また、前記部分支持部72は、姿勢を維持したまま隣接する前記部分支持部72の下層へ移動するため、前記部分支持部72に設けられる前記画像形成ユニット3Xの装着機構が簡素なものであっても、前記画像形成ユニット3Xの落下を抑制可能である。
【0055】
次に、ユーザーは、前記第1レール731の前端部から突出した位置において、前記画像形成ユニット3Xが取り外された前記部分支持部72に、部品の交換等を行った前記画像形成ユニット3X、又は新たな前記画像形成3Xを装着する。そして、ユーザーは、前記画像形成ユニット3Xを装着した前記部分支持部72の一段下の前記部分支持部72を前記画像形成装置10の前方向に引きつつ持ち上げて、前記画像形成装置10の内部に押し戻す。
【0056】
このようにして、ユーザーは鉛直下方向に連なった前記部分支持部72各々を、順次前記画像形成装置10の内部に収納する。この際、ユーザーは、前記画像形成ユニット3Xが取り外された前記部分支持部72について、前記第1レール741の前端部から突出した位置で、部品の交換等を行った前記画像形成ユニット3X等の装着を行う。なお、鉛直下方向に連なった状態の前記部分支持部72に対して、前記画像形成ユニット3Xの着脱を行ってもよい。
【0057】
そして、ユーザーにより、前記画像形成ユニット31を支持する前記部分支持部72が前記画像形成装置10の内部に押し戻される際に、前記画像形成ユニット34を支持する前記部分支持部72の後端部が前記第1レール731の前記壁面731Cに当接する。これにより、前記部分支持部72各々の前記画像形成装置10の内部への移動が係止されると共に、前記第1レール731上において前記部分支持部72各々が位置決めされる。
【0058】
その後、ユーザーは、前記第1レール731を前記画像形成装置10の内部に押し込んで前記筐体カバー71を閉じ、作業を終了する。ここで、前記第1レール731の後端部が前記第2レール732の前記壁面732Aに当接することで、前記第1レール731の前記画像形成装置10の内部への移動が係止されると共に、前記第2レール732上において前記第1レール731が位置決めされる。
【0059】
このように、本発明の実施形態に係る前記画像形成装置10では、前記画像形成ユニット31〜34各々を支持する前記部分支持部72が前記接続部74によって前記一方の部分支持部72が前記他方の部分支持部72の下層に移動可能に接続される。そのため、前記画像形成ユニット31〜34各々を前記配列方向に沿って前記画像形成装置10の筐体側面から外側に引き出すために必要な空間を縮小することが可能となり、前記画像形成装置10の設置場所の選択可能性が広がる。