特許第6204277号(P6204277)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6204277画像形成システム、及びボックス機能を用いた印刷出力方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6204277
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】画像形成システム、及びボックス機能を用いた印刷出力方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20170914BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20170914BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
   G06F3/12 320
   G06F3/12 368
   G06F3/12 380
   B41J29/38 Z
   B41J29/00 Z
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-128085(P2014-128085)
(22)【出願日】2014年6月23日
(65)【公開番号】特開2016-9239(P2016-9239A)
(43)【公開日】2016年1月18日
【審査請求日】2016年7月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100097113
【弁理士】
【氏名又は名称】堀 城之
(74)【代理人】
【識別番号】100162363
【弁理士】
【氏名又は名称】前島 幸彦
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 正史
(72)【発明者】
【氏名】守本 利光
【審査官】 山崎 誠也
(56)【参考文献】
【文献】 特許第5494874(JP,B2)
【文献】 特開2013−033422(JP,A)
【文献】 特開2011−124915(JP,A)
【文献】 特開2014−045311(JP,A)
【文献】 特開2014−107814(JP,A)
【文献】 特開2006−123437(JP,A)
【文献】 特開2009−208277(JP,A)
【文献】 特開2008−93947(JP,A)
【文献】 特開2013−12176(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/09−3/12
B41J 29/00
B41J 29/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置と、前記端末装置と通信可能に接続されたハードディスクを有さない画像形成装置とを備えた画像形成システムであって、
前記画像形成装置は、ボタンを有する操作部と、アドレスバッファーを有するボックス処理部と、画像出力処理部とを備え、
前記端末装置は、印刷処理部と、前記ボタンに対応した記憶領域を有するハードディスクとを備え、
前記ボックス処理部は、前記印刷処理部により設定された所定の前記ボタンに関連付けられた情報を記憶し、前記情報は、少なくとも、前記端末装置との接続態様、及び前記端末装置のIPアドレスを有し、
前記印刷処理部は、所定の前記ボタンに関連づけられた前記記憶領域を指定するジョブ保存先パスを記憶し、
前記端末装置から所定の前記ボタンを選択し、ジョブの出力処理要求があった場合に、前記ジョブを前記ジョブ保存先パスで指定された前記記憶領域に記憶し、
前記操作部の所定の前記ボタンが押下されたときに、前記ボックス処理部は、前記端末装置との前記接続態様を確認し、押下された前記ボタンに関連付けられた前記IPアドレスを前記アドレスバッファーにコピーし、
前記印刷処理部は、ポーリング処理を行って前記アドレスバッファーにアクセスし、前記アドレスバッファーに前記IPアドレスが存在するか否かを判断し、前記IPアドレスが存在すると判断した場合、記ボタンと関連づけられた前記ジョブ保存先パスにより指定された前記記憶領域に記憶されている前記ジョブを取得し前記画像形成装置へ送信し、
前記画像出力処理部は、前記ジョブの印刷出力処理を行
ことを特徴とする画像形成システム
【請求項2】
前記情報は、更に、前記ジョブ保存先パスであるボックスの名称を有し、
前記操作部の所定の前記ボタンが押下されたときに、前記ボックス処理部は、押下された前記ボタンに関連付けられた前記ボックスの名称を前記操作部に表示させる
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム
【請求項3】
端末装置と、前記端末装置と通信可能に接続されたハードディスクを有さない画像形成装置とを備えた画像形成システムによる印刷出力方法であって、
前記画像形成装置は、ボタンを有する操作部と、アドレスバッファーとを備え、
前記端末装置は、前記ボタンに対応した記憶領域を有するハードディスクを備え、
前記画像形成装置において、前記端末装置により設定された、前記画像形成装置が備える所定の前記ボタンに関連付けられた、少なくとも、前記端末装置との接続態様、及び前記端末装置のIPアドレスを有する情報を記憶する工程と、
前記端末装置において、所定の前記ボタンに関連づけられた前記記憶領域を指定するジョブ保存先パスを記憶する工程と、
前記端末装置において、所定の前記ボタンを選択し、ジョブの出力処理要求があった場合に、前記ジョブを前記ジョブ保存先パスで指定された前記記憶領域に記憶する工程と、
前記画像形成装置において、所定の記ボタンが押下されたときに、前記端末装置との前記接続態様を確認し、押下された前記ボタンに関連づけられた前記IPアドレス前記アドレスバッファーにコピーする工程と、
前記端末装置において、ポーリング処理を行って前記アドレスバッファーにアクセスし、前記アドレスバッファーに前記IPアドレスが存在するか否かを判断する工程と、
前記端末装置において、前記IPアドレスが存在すると判断した場合に、前記ボタンと関連付けられた前記ジョブ保存先パスにより指定された前記記憶領域に記憶されている前記ジョブを取得して前記画像形成装置に送信する工程と
前記画像形成装置において、前記ジョブを印刷出力処理する工程と
を有することを特徴とするボックス機能を用いた印刷出力方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、ドライバー、及びボックス機能を用いた印刷出力方法に係り、例えば、ボックス機能を有する画像形成装置、そのような画像形成装置を利用する端末装置のドライバー、及び印刷出力方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、プリンターや複合機(MFP;Multifunction Peripheral)等の画像形成装置は、ボックス機能(プリントボックス機能、ドキュメントボックス機能とも言う。)を備えるものがある。ボックス機能を有する画像形成装置は、利用に際して取得した画像データを、ドキュメントボックス等の所定の記憶領域に保存する。また、機密情報の外部漏洩チェックの観点から、所定の管理者のみがアクセスできる記憶装置のドキュメントボックス等に利用した画像データを保存する画像形成装置もある。また、画像形成装置の画像データを複数の画像形成装置が、ネットワーク上で共有している情報提供装置に保存することで、各画像形成装置に大容量の記憶装置を備える必要がないようにした技術もある(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−198011号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、例えば、新興国向けに開発されている画像形成装置は、安価な製品が要求されることが多いことから、機能を絞る必要があり、一般にはハードディスクなど大容量記憶装置が省かれる。その結果、大容量記憶装置を前提とするドキュメントボックス機能も省かれてしまうことが多い。
【0005】
特許文献1に開示の技術では、情報提供装置に画像データを保存するための大容量の記憶装置が必要であり、別の技術が必要とされていた。また、複数の画像形成装置で共通に情報提供装置を利用するという構成は、利用者に一定の技術水準を要求するもので、利便性の観点から別の技術が必要とされていた。
【0006】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、上記課題を解決できる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、端末装置と、前記端末装置と通信可能に接続されたハードディスクを有さない画像形成装置とを備えた画像形成システムであって、前記画像形成装置は、ボタンを有する操作部と、アドレスバッファーを有するボックス処理部と、画像出力処理部とを備え、前記端末装置は、印刷処理部と、前記ボタンに対応した記憶領域を有するハードディスクとを備え、前記ボックス処理部は、前記印刷処理部により設定された所定の前記ボタンに関連付けられた情報を記憶し、前記情報は、少なくとも、前記端末装置との接続態様、及び前記端末装置のIPアドレスを有し、前記印刷処理部は、所定の前記ボタンに関連づけられた前記記憶領域を指定するジョブ保存先パスを記憶し、前記端末装置から所定の前記ボタンを選択し、ジョブの出力処理要求があった場合に、前記ジョブを前記ジョブ保存先パスで指定された前記記憶領域に記憶し、前記操作部の所定の前記ボタンが押下されたときに、前記ボックス処理部は、前記端末装置との前記接続態様を確認し、押下された前記ボタンに関連付けられた前記IPアドレスを前記アドレスバッファーにコピーし、前記印刷処理部は、ポーリング処理を行って前記アドレスバッファーにアクセスし、前記アドレスバッファーに前記IPアドレスが存在するか否かを判断し、前記IPアドレスが存在すると判断した場合、記ボタンと関連づけられた前記ジョブ保存先パスにより指定された前記記憶領域に記憶されている前記ジョブを取得し前記画像形成装置へ送信し、前記画像出力処理部は、前記ジョブの印刷出力処理を行
また、前記情報は、更に、前記ジョブ保存先パスであるボックスの名称を有し、前記操作部の所定の前記ボタンが押下されたときに、前記ボックス処理部は、押下された前記ボタンに関連付けられた前記ボックスの名称を前記操作部に表示させる
本発明は、端末装置と、前記端末装置と通信可能に接続されたハードディスクを有さない画像形成装置とを備えた画像形成システムによる印刷出力方法であって、前記画像形成装置は、ボタンを有する操作部と、アドレスバッファーとを備え、前記端末装置は、前記ボタンに対応した記憶領域を有するハードディスクを備え、前記画像形成装置において、前記端末装置により設定された、前記画像形成装置が備える所定の前記ボタンに関連付けられた、少なくとも、前記端末装置との接続態様、及び前記端末装置のIPアドレスを有する情報を記憶する工程と、前記端末装置において、所定の前記ボタンに関連づけられた前記記憶領域を指定するジョブ保存先パスを記憶する工程と、前記端末装置において、所定の前記ボタンを選択し、ジョブの出力処理要求があった場合に、前記ジョブを前記ジョブ保存先パスで指定された前記記憶領域に記憶する工程と、前記画像形成装置において、所定の記ボタンが押下されたときに、前記端末装置との前記接続態様を確認し、押下された前記ボタンに関連づけられた前記IPアドレス前記アドレスバッファーにコピーする工程と、前記端末装置において、ポーリング処理を行って前記アドレスバッファーにアクセスし、前記アドレスバッファーに前記IPアドレスが存在するか否かを判断する工程と、前記端末装置において、前記IPアドレスが存在すると判断した場合に、前記ボタンと関連付けられた前記ジョブ保存先パスにより指定された前記記憶領域に記憶されている前記ジョブを取得して前記画像形成装置に送信する工程と前記画像形成装置において、前記ジョブを印刷出力処理する工程とを有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、ボックス機能の為に大容量の記憶装置を持たない画像形成装置であっても、ボックス機能を実現させる技術を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態に係る、画像形成システムの概要構成を示す図である。
図2】実施形態に係る、画像形成装置の機能ブロック図である。
図3】実施形態に係る、PCの機能ブロック図である。
図4】実施形態に係る、ボックス機能を用いた出力処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という)について図面を参照して説明する。
【0011】
図1は本実施形態に係る画像形成システム10の概略を示す図である。画像形成システム10は、画像形成装置20とPC60(パーソナルコンピューター)がLAN12で通信可能に接続されている。PC60は、LAN12経由で画像形成装置20に対して印刷処理やFAX送信処理等を指示することができる。画像形成装置20を利用する端末装置(外部端末)としてPC60の他に携帯端末やタブレット型端末等がある。
【0012】
画像形成装置20は、プリンターや複合機であって、PC60の指示を受けデータを取得して刷処理等を実行する。画像形成装置20は、ボックス機能を有する。そのため、PC60からボックス機能を用いた印字処理を行う場合、PC60で印字実行を指示した後、画像形成装置20において所定の選択ボタンが押下されることで、画像形成装置20は印字出力処理を行う。以下では、主にボックス機能を用いた印刷出力処理に関して説明し、画像形成装置20やPC60の一般的な構成・機能については適宜説明を省略する。
【0013】
図2は、画像形成装置20の概略構成を示す機能ブロック図である。画像形成装置20は、主制御部22と、画像出力処理部24と、画像取得処理部26と、LANインターフェイス30と、USBインターフェイス32と、操作部40と、PrintBox処理部50とを備える。
【0014】
主制御部22は、RAMやROM等の記憶手段や及びMPU(Micro Processing Unit)等を備え、画像形成装置20の各構成要素を統括的に制御するとともに、各構成要素とともに協働でそれらの機能を実現する。
【0015】
画像出力処理部24は、一般的な印刷出力機能を有し、主制御部22からの指示により印刷動作を実行する。具体的には、画像出力処理部24は、原稿給送・載置機構、用紙供給機構、印字機構等を備える。原稿給送機構は、印刷をする対象となる原稿がセットされる原稿載置部や、原稿を印字機構まで搬送する原稿搬送機構を有する。
【0016】
画像取得処理部26は、一般的な構成であって、スキャナー、プラテンガラス、原稿読取スリット等を備える。
【0017】
LANインターフェイス30は、有線LANや無線LANによる通信用のインターフェイスであり、LAN12を介してPC60と通信可能に接続される。
【0018】
USBインターフェイス32は、USB接続するためのインターフェイスであって、所定のUSBケーブルでPC60と接続されたり、USBメモリー90と接続されたりする。
【0019】
操作部40は、一般的な構成の操作パネルを備えたもので、テンキーボタンや各種操作用のボタン、表示パネル等を備えている。また、操作部40は、ボックス機能に関連したボタンとして、PrintBox1_ボタン41、PrintBox2_ボタン42及びPrintBox3_ボタン43を備える。なお、本実施形態では、ボックス機能として「PrintBox1」、「PrintBox2」、「PrintBox3」の3つのプリントボックスが利用可能となっている。
【0020】
これらのボタンは、独立して設けられてもよいし、所定のボタンに関連づけられてボックス機能を選択的に実行可能に構成されてもよいし、また、タッチ操作可能な表示パネル上に選択可能に表示されるボタンであってもよい。
【0021】
PrintBox処理部50は、ボックス機能の実行するものであって、PrintBox設定部52、PrintBox実行部54及びアドレスバッファー部56を備える。
【0022】
従来のボックス機能であれば、上述の様に、画像形成装置20に内蔵されるHDD等の大容量記憶装置にPC60から取得した印刷用のデータを一旦保持して、画像形成装置20の前に移動したユーザーがボックス機能のためのボタン(本実施形態のPrintBox1_ボタン41等)を押下することで、実際に印刷出力処理がなされた。
【0023】
しかし、本実施形態では、画像形成装置20にHDD等を備えない構成を想定する。従来では、そのような構成の画像形成装置20では、従来技術だけではボックス機能を利用できなかったが、本実施形態では、PC60の記憶領域を活用することで、ボックス機能を実現する。
【0024】
PrintBox設定部52は、ボックスの名称、PC60との接続がUSB接続であるかネットワーク接続であるかの接続態様、PC60のIPアドレスを保持する。
【0025】
PrintBox実行部54は、PC60からボックス機能を用いて印刷出力処理の指示を受けると、後述するフローによってボックス機能による印刷出力処理を実行する。
【0026】
アドレスバッファー部56は、ボックス機能による印刷出力処理する場合に、処理中に一時的にIPアドレスが記録される認証作業用領域として機能する。初期設定の状態では、アドレスバッファー部56には何も書かれていない状態である。
【0027】
図3はPCの機能ブロック図である。PC60は、主制御部62と、ユーザーインターフェイス64と、表示出力制御部66と、LANインターフェイス68と、USBインターフェイス69と、印刷処理部70と、記憶部80とを備える。
【0028】
主制御部62は、RAMやROM等の記憶手段や及びMPU等を備え、PC60の各構成要素を統括的に制御するとともに、各構成要素とともに協働でそれら機能を実行する。
【0029】
ユーザーインターフェイス64は、キーボードやマウス等の入力手段である。表示出力制御部66は、表示画面及び表示出力処理部等を有し、表示画面に所望の画像を表示出力する。
【0030】
LANインターフェイス68は、有線LANや無線LANによる通信用のインターフェイスであり、LAN12を介して画像形成装置20と通信可能に接続される。
【0031】
USBインターフェイス69は、USB接続するためのインターフェイスであって、所定のUSBケーブルで画像形成装置20と接続されたりする。
【0032】
印刷処理部70は、スプロール部72及びクライアントツール部74を備える。この印刷処理部70は、画像形成装置20を用いた一般的な印刷出力処理を行うとともに、画像形成装置20のボックス機能による印刷出力処理を補完的に実行する。
【0033】
スプロール部72は、画像形成装置20に対して印刷用のデータを送信する際に、画像形成装置20と対話し、画像形成装置20の印刷出力処理準備が完了するまで、一時的に保存する処理を実行する。
【0034】
クライアントツール部74は、画像形成装置20のいわゆるプリンタードライバーやFAXドライバーであって、PC60で実行される各種アプリケーションにおける印刷出力処理を実行したり、画像形成装置20の設定を行ったりする。また、本実施形態において特徴的なボックス機能を用いた印刷出力処理を行う場合に、あらかじめ設定を行う。
【0035】
記憶部80は、HDD等の大容量記憶装置で構成され、一般的な記録領域として機能するとともに、画像形成装置20のボックス機能を用いた印刷出力処理を行う場合の一時保存領域として機能する。すなわち、従来であれば画像形成装置20側に設けられていたボックス機能用の記憶領域として、記憶部80は、PrintBox1用記憶部81、PrintBox2用記憶部82、PrintBox3用記憶部83とを備える。
【0036】
PrintBox1用記憶部81は、画像形成装置20のPrintBox1_ボタン41に対応した記憶領域である。PrintBox2用記憶部82は、画像形成装置20のPrintBox2_ボタン42に対応した記憶領域である。PrintBox3用記憶部83は、画像形成装置20のPrintBox3_ボタン43に対応した記憶領域である。
【0037】
以上の構成の画像形成システム10(画像形成装置20及びPC60)によるボックス機能を用いた出力処理について具体的に説明する。
【0038】
ボックス機能を用いるための事前環境設定について説明する。PC60のユーザーは、クライアントツール部74を起動し、画像形成装置20のPrintBox1_ボタン41、PrintBox2_ボタン42、PrintBox3_ボタン43に対する情報を設定する。画像形成装置20のPrintBox設定部52に記憶される情報として、ボックスの名称、PC60との接続がUSB接続であるかネットワーク接続であるかの接続態様、PC60のIPアドレスを保持する。また、PC60のクライアントツール部74の所定の設定記憶領域に保持されるものとして、ジョブ保存先パスである。
【0039】
ボックスの名称は、デフォルトでは、PrintBox1_ボタン41、PrintBox2_ボタン42、PrintBox3_ボタン43にそれぞれ対応して、「PrintBox1」、「PrintBox2」、「PrintBox3」、となっている。そして、それらの名称はユーザーによって所望に変更可能になっている。
【0040】
ジョブ保存先パス(フォルダー)は、「PrintBox1」、「PrintBox2」、「PrintBox3」のそれぞれに対して設定される。例えば、「PrintBox1」に対して、「<UserApplicationData>\Rrinter_A\PRTBOX\1」というジョブ保存先パス(フォルダー)が設定される。
【0041】
つづいて、ボックス機能を用いた印刷出力の場合の操作シーケンスを図4のフローチャートを用いて説明する。
【0042】
ユーザーは、プリンタードライバー(クライアントツール部74)を起動させて(S10)、その詳細出力設定画面等において、所望のプリンターボックス番号(「PrintBox1」、「PrintBox2」、「PrintBox3」のいずれか)を選択し(S12)、印刷実行処理を行う(S14)。
【0043】
印刷実行処理によるプリントジョブは、あらかじめ設定した「ジョブ保存先パス」に保存される(S16)。例えば、「PrintBox1」が選択された場合、PrintBox1用記憶部81である「<UserApplicationData>\Rrinter_A\PRTBOX\1」に保存される。
【0044】
つぎに、ユーザーは、画像形成装置20において、PC60で選択したプリンターボックス番号に対応するボタンを押下する(S18)。ここでは「PrintBox1」が選択されているので、ユーザーは、操作部40のPrintBox1_ボタン41を押下する。押下すると、PrintBox実行部54は、PrintBox設定部52を参照して、押下されたボタンに関連づけられているボックスの名称を操作部40の表示パネルに表示する(S20)。
【0045】
つぎに、PrintBox実行部54は、PrintBox設定部52を参照して、PC60との接続態様を判断する(S22)。ここでは、画像形成装置20とPC60とはLAN12を介して接続されているので、接続態様は「ネットワーク接続」である。
【0046】
つづいて、PrintBox実行部54は、PrintBox設定部52を参照して、押下されたボタンに関連づけられて設定されているIPアドレスを取得し、アドレスバッファー部56にコピーする(S24)。
【0047】
PC60では、クライアントツール部74が、ポーリング処理を行って、LAN12を介してアドレスバッファー部56にアクセスし、アドレスバッファー部56にPC60のIPアドレスが存在するか否かを判断する(S26)。所定期間存在しない場合は、エラー処理となる。
【0048】
アドレスバッファー部56にPC60のIPアドレスが書かれていることを確認すると、クライアントツール部74は指定された印刷ジョブをジョブ保存先パスから取り出してスプロール部72に渡す(S28)。
【0049】
その後、一般的な印刷出力処理と同様に、印刷ジョブがPC60のスプロール部72から画像形成装置20に送信される。画像形成装置20の画像出力処理部24は、PC60から取得した印刷ジョブの印刷出力処理を行う(S30)。
【0050】
なお、画像形成装置20とPC60とがUSB接続されている場合は次の通りである。すなわち、PC60との接続態様の判断において(S22)、PrintBox実行部54が、「USB接続」であると判断すると、PrintBox実行部54は、プリンタージョブ言語コマンド(PJLコマンド)を用いて、PC60のクライアントツール部74にプリンターボックス番号及びジョブ印刷命令を通知する。例えば、「@PJL USTATUS DEVICE<CR><LF>CODE=8800X」(XがBox番号1〜3)のようなコマンドを用いることができる。クライアントツール部74は、プリンターボックス番号及びジョブ印刷命令を画像形成装置20から取得すると、指定された印刷ジョブをジョブ保存先パスから取り出してスプロール部72に渡す。
【0051】
以上、本発明を実施形態をもとに説明した。この実施形態は例示であり、それらの各構成要素の組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。例えば、画像形成装置20とPC60とがネットワーク接続される場合の認証のIDにIPアドレスを用いたが、MACアドレス等の機器固有のIDが用いられてもよい。また、画像形成装置20とPC60の接続態様として、ブルートゥース(登録商標)接続等の近距離無線通信規格が用いられてもよい。
【符号の説明】
【0052】
10 画像形成システム
12 LAN
20 画像形成装置
22 主制御部
24 画像出力処理部
26 画像取得処理部
30 LANインターフェイス
32 USBインターフェイス
40 操作部
41 PrintBox1_ボタン
42 PrintBox2_ボタン
43 PrintBox3_ボタン
50 PrintBox処理部
52 PrintBox設定部
54 PrintBox実行部
56 アドレスバッファー部
60 PC
62 主制御部
64 ユーザーインターフェイス
66 表示出力制御部
68 LANインターフェイス
69 USBインターフェイス
70 印刷処理部
72 スプロール部
74 クライアントツール部
80 記憶部
81 PrintBox1用記憶部
82 PrintBox2用記憶部
83 PrintBox3用記憶部
90 USBメモリー
図1
図2
図3
図4