特許第6204370号(P6204370)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6204370
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】バッテリ切断回路
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/31 20060101AFI20170914BHJP
   H02J 1/00 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
   A61M5/31
   H02J1/00 308P
   H02J1/00 304H
【請求項の数】16
【全頁数】32
(21)【出願番号】特願2014-541672(P2014-541672)
(86)(22)【出願日】2012年11月15日
(65)【公表番号】特表2015-505682(P2015-505682A)
(43)【公表日】2015年2月26日
(86)【国際出願番号】EP2012072794
(87)【国際公開番号】WO2013072444
(87)【国際公開日】20130523
【審査請求日】2015年11月6日
(31)【優先権主張番号】11189725.2
(32)【優先日】2011年11月18日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】397056695
【氏名又は名称】サノフィ−アベンティス・ドイチュラント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【弁理士】
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】バリー・イエイツ
(72)【発明者】
【氏名】エイダン・マイケル・オヘア
【審査官】 佐藤 智弥
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−156005(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/067187(WO,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第2186463(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/31
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子デバイスのデバイス回路(416)をバッテリ(414)に可変的に接続するように構成されたスイッチ(412)と;
該スイッチ(412)に接続され、供給電力入力およびカットアウト起動入力を備えるカットアウト制御回路(402)と
複数のピンを有する外部ポート(404)と
を備え
該複数のピンのうちの電源ピンは、供給電力入力に電気的に接続され、
該カットアウト制御回路(402)は、該供給電力入力に供給電圧が接続されたときに、該スイッチ(412)を入れるように構成される装置。
【請求項2】
カットアウト制御回路(402)は、カットアウト起動入力で起動信号が検出されたときにスイッチ(412)を切るように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
カットアウト起動入力は、デバイス回路(416)によって制御され、カットアウト制御回路(402)は、対応する制御コマンドが該デバイス回路(416)によって受けられたときにスイッチ(412)を切るように構成される、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
カットアウト制御回路(402)は、供給電力入力からバッテリ(414)に充電電力を供給するように構成される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
スイッチ(412)の第1の接点は、バッテリ(414)に接続される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
スイッチ(412)の第2の接点は、電子デバイスのデバイス回路(416)の供給電圧ノードに接続され、該電子デバイスは、少なくとも1つの薬作用物質を送達する薬物送達デバイスである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
スイッチ(412)は電子スイッチである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
スイッチ(412)はトランジスタである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
バッテリ(414)によって電力供給されるモータを備え、スイッチ(412)は、該スイッチ(412)が入ったときに該バッテリ(414)が該モータのモータ電源に電気的に接続され、該スイッチ(412)が切られたときに該バッテリが該モータの該モータ電源に電気的に接続されるように配置される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
独立したデバイス・モジュール(420)と、該独立したデバイス・モジュール(420)をバッテリに可変的に接続するように構成された独立した電源スイッチ(418)とを備え、デバイス回路(416)は、該独立した電源スイッチ(418)を制御するように構成される、請求項1〜9のいずれか1項に記載の装置。
【請求項11】
複数のピンはカットアウト起動ピンを含み、該カットアウト起動ピンは、カットアウト起動入力に電気的に接続される、請求項1〜10のいずれか1項に記載の装置。
【請求項12】
外部ポート(404)は、充電コネクタを受けるように構成され、該充電コネクタは、少なくとも2つの接点を備え、カットアウト起動ピンは、該充電コネクタの少なくとも1つの接点から電気的に分離される、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
少なくとも1つの薬作用物質を送達する薬物送達デバイスが、請求項11に記載の装置を備える、該薬物送達デバイス用の充電コネクタであって、該薬物送達デバイスの外部ポート(404)に接続されるように構成され、電源ピンに充電電力を供給するように構成され、カットアウト起動ピンへカットアウト起動信号を伝送するように構成される、上記充電コネクタ。
【請求項14】
請求項1〜12のいずれか1項に記載の装置を備える少なくとも1つの薬作用物質を送達する薬物送達デバイスであって、スイッチ(412)が切られたときの該薬物送達デバイスの総電力消費は、カットアウト制御回路(402)の電力消費に基づいて決定される、上記薬物送達デバイス。
【請求項15】
少なくとも1つの薬作用物質を送達する薬物送達デバイスを製造する方法であって:
該薬物送達デバイスの回路モジュールを組み立てる工程であって、該回路モジュールが:
バッテリ(414)、
バイス回路(416)、
該デバイス回路(416)の電圧供給を制御するカットアウト制御回路(402)、
該カットアウト制御回路(402)によって制御され、該バッテリ(414)を該デバイス回路(416)に可変的に接続するように構成されたスイッチ(412)
複数のピンを有する外部ポート(404)
を備え、該複数のピンのうちの電源ピンは、供給電力入力に電気的に接続され、該カットアウト制御回路(402)は、該供給電力入力に供給電圧が接続されたときに、該スイッチ(412)を入れるように構成される、組み立てる工程と;
該スイッチ(412)を閉じることによって該バッテリ(414)を該デバイス回路(416)に接続する工程と;
該薬物送達デバイスの機能性を試験する工程と;
該スイッチ(412)を開くことによって該デバイス回路(416)から該バッテリ(414)を切断する工程とを含む、上記方法。
【請求項16】
スイッチ(412)を開くことによってデバイス回路(416)からバッテリ(414)を切断する工程は、カットアウト制御回路(402)のカットアウト入力に起動信号を印加することを含む、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、一般にバッテリ切断回路に関し、詳細には、薬剤を送達する医療デバイス用のバッテリ切断回路に関する。
【背景技術】
【0002】
医療デバイスの中には、純粋に機械的なもの、たとえば注射ペンもある。また、電子部材をすでに含んでいるデバイスもある。しかし、電子部材はまた、たとえばより容易な使用を可能にすること、デバイスの機能の制御、したがって安全性の増大、デバイスの用途に関する情報の記憶などのために、ある程度純粋に機械的なデバイスの一部となる。
【0003】
別個のリザーバから1つまたはそれ以上の薬作用物質を送達するために、様々なデバイスが存在する。そのような薬作用物質は、1つまたはそれ以上の薬剤を含むことができる。そのような医療デバイスは、使用者が薬作用物質(複数可)を自動または手動で送達するための用量設定機構を含む。
【0004】
医療デバイスは、注射器、たとえば手持ち式の注射器、特にペン型の注射器、すなわち、1つまたはそれ以上の多用量カートリッジからの注射による薬用製品の投与を提供する種類の注射器とすることができる。具体的には、本発明は、使用者が用量を設定できるそのような注射器に関する。
【0005】
薬作用物質(複数可)は、独立した(単一の薬物化合物)または事前に混合された(ともに配合された複数の薬物化合物)の薬作用物質(複数可)を収容する1つまたはそれ以上の複数用量リザーバ、容器、またはパッケージ内に収容することができる。
【0006】
特定の病状では、1つまたはそれ以上の異なる薬剤を使用する治療が必要とされる。いくつかの薬物化合物は、最適の治療用量を送達するために、互いに特有の関係で送達する必要がある。本特許出願は、それだけに限定されるものではないが、安定性、治療成果の低下、および有毒性などの理由で、組み合わせ治療が望ましいが単一の配合では可能でない場合に特定の利益をもたらす。
【0007】
たとえば、場合によっては、長時間作用性のインスリン(第1の薬剤または1次薬剤と呼ばれることもある)を、GLP−1またはGLP−1類似体などのグルカゴン様ペプチド−1(第2の薬物または2次薬剤と呼ばれることもある)とともに用いることで、糖尿病患者を治療することが有益であろう。
【0008】
したがって、単一の注射で2つ以上の薬剤を送達するデバイス、または薬物送達デバイスの複雑な物理的操作なしで使用者が簡単に実行できる送達工程を提供することが必要とされている。提案する薬物送達デバイスは、2つ以上の活性の薬作用物質に対する別個の収納容器またはカートリッジ保持器を提供する。次いで、これらの活性の薬作用物質は、単一の送達手順中に、組み合わせることができ、かつ/または患者へ送達することができる。これらの活性の物質は、組み合わせ用量でともに投与することができ、または別法として、これらの活性の物質は、次々に順次組み合わせることができる。
【0009】
薬物送達デバイスはまた、薬剤の数量を変動させる機会を可能にする。たとえば、1つの流体数量は、注射デバイスの特性を変化させること(たとえば、使用者が変動できる用量を設定すること、またはデバイスの「固定」用量を変化させること)によって、変動させることができる。第2の薬剤数量は、様々な2次薬物を収容するパッケージを製造することによって、変化させることができ、各変種は、異なる体積および/または濃度の第2の活性の物質を収容する。
【0010】
薬物送達デバイスは、単一の投薬インターフェースを有することができる。このインターフェースは、少なくとも1つの薬作用物質を収容する薬剤の1次リザーバおよび2次リザーバと流体連通するように構成することができる。薬物投薬インターフェースは、2つ以上の薬剤をシステムから退出させて患者へ送達することを可能にするタイプの出口とすることができる。
【0011】
別個のリザーバからの化合物の組み合わせは、両頭針アセンブリを介して身体へ送達することができる。これにより、使用者の観点から、標準的なニードル・アセンブリを使用する現在利用可能な注射デバイスに密接に整合する薬物送達を達成する組み合わせ薬物注射システムが提供される。1つの可能な送達手順は、以下の工程を含むことができる:
1.電気機械式の注射デバイスの遠位端に投薬インターフェースを取り付ける。投薬インターフェースは、第1および第2の近位針を備える。第1および第2の針は、それぞれ1次化合物を収容する第1のリザーバおよび2次化合物を収容する第2のリザーバに穿孔する。
2.投薬インターフェースの遠位端に両頭針アセンブリなどの用量投薬器を取り付ける。このようにして、ニードル・アセンブリの近位端は、1次化合物および2次化合物の両方と流体連通する。
3.たとえばグラフィカル・ユーザ・インターフェース(GUI)を介して、注射デバイスからの1次化合物の所望の用量をダイヤル選択/設定する。
4.使用者が1次化合物の用量を設定した後、マイクロコントローラ制御式の制御ユニットは、2次化合物の用量を決定または演算することができ、好ましくは、すでに記憶されている治療用量プロファイルに基づいて、この第2の用量を決定または演算することができる。次いで、この演算された薬剤の組み合わせが、使用者によって注射される。治療用量プロファイルは、使用者によって選択可能とすることができる。別法として、使用者は、2次化合物の所望の用量をダイヤル選択または設定することができる。
5.場合により、第2の用量が設定された後、デバイスは、防護された状態で配置することができる。この任意選択の防護状態は、制御パネル上の「OK」または「防護」ボタンを押下および/または保持することによって達成することができる。防護状態は、組み合わせ用量を投薬するためにデバイスを使用できる所定の期間にわたって提供することができる。
6.次いで、使用者は、用量投薬器(たとえば、両頭針アセンブリ)の遠位端を所望の注射部位へ挿入または適用する。1次化合物と2次化合物(場合によっては、第3の薬剤)の組み合わせの用量は、注射ユーザ・インターフェース(たとえば、注射ボタン)を起動することによって投与される。
【0012】
両方の薬剤を、1つの注射針または用量投薬器を介して、1つの注射工程で送達することができる。これにより、2つの別個の注射を投与することと比較すると、使用者の工程が低減されるという点で、使用者に好都合な利益が与えられる。
【0013】
薬物送達デバイスは、バッテリによって提供される電気によって電力供給される。薬物送達デバイスは、ディスプレイと、ユーザ・インターフェースと、電子制御システムと、注射機構を駆動する1つまたはそれ以上のモータとを備えることができる。上記その他の電子部材または(サブ)アセンブリは電力を必要とし、その電力はバッテリによって提供することができる。いくつかの薬物送達デバイスでは、バッテリは、製造中に薬物送達デバイス内に事前に組み立てられ、バッテリによって提供される電力を使用して、製造した薬物送達デバイスを試験することができる。試験が完了した後、薬物送達デバイスの電源は切られるが、バッテリは取り外されない。薬物送達デバイスが出荷され、販売業者で保管され、小売業者で販売され、顧客によって購入されてから、最後に再び電源が投入されるときには、1年以上が経過していることがある。その間、薬物送達デバイスの制御回路は、低電力状態にあるにもかかわらず、バッテリが深い放電状態に到達するのに十分なエネルギーを消費することがある。これは、バッテリの長期間の機能性にとって好ましくなく、たとえば、バッテリの容量損失を招くことがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
したがって、本発明の目的は、製造から薬物送達デバイスが顧客によって起動されるまでに放電される薬物送達デバイスの電気エネルギーの量を低減させる機構を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この目的は、電子デバイスのデバイス回路をバッテリに可変的に接続するように構成されたスイッチと、スイッチに接続され、供給電力入力(supply power input)およびカットアウト起動入力(cutout activation input)を備えるカットアウト制御回路とを備え、カットアウト制御回路が、供給電力入力に供給電圧が接続されたときにスイッチを入れるように構成される装置によって解決される。
【0016】
この解決策には、第1の用途に対してデバイスを準備するために使用者が必要とする動作の数が低減されるというさらなる利点がある。
【0017】
スイッチは、薬物送達デバイスのデバイス回路がバッテリに接続される画成された点を提供する。開状態で漏れ電流の低いスイッチを使用し、製造および工場試験後にスイッチを開くことによって、薬物送達デバイスをシェルフ・モード(shelf mode)にすることができ、シェルフ・モードでは、スイッチがない場合より少ない電流がバッテリから放電される。スイッチの閉状態は、スイッチの両極が電気的に接続され、すなわちスイッチが入った状態に対応する。スイッチの開状態は、スイッチの両極が電気的に切断され、すなわちスイッチが切られた状態に対応する。薬物送達デバイスは、スイッチが切られるとシェルフ・モードになる。
【0018】
電子デバイスのデバイス回路は、カットアウト制御回路を除いて、電子デバイスの回路の主要部材からなる。言い換えれば、電子デバイスのデバイス回路は、スイッチを制御する論理回路を除いて、電子デバイスの回路の主要部材からなる。動作の際に大量の電流を消費する回路のあらゆる部材は、制御回路によって別個に切り換えることができる。具体的には、デバイス回路は、薬物送達デバイスが使用者によって充電器に初めて接続された後にデバイスの動作全体を制御する回路を構成する。以下、デバイス回路を電子デバイスの動作回路と呼ぶ。
【0019】
スイッチは、電気スイッチ、電子スイッチ、たとえばトランジスタ、または機械スイッチとすることができる。スイッチは、マイクロヒューズを備えることができる。スイッチは、2極スイッチとすることができる。
【0020】
バッテリは、具体的には、再充電可能バッテリ、たとえばNiMH(ニッケル金属水素)バッテリ、リチウムイオン・バッテリ、リチウムポリマー・バッテリなどとすることができる。それでもなおバッテリ電力を供給する必要のある論理回路は、外部供給電圧との接続が検出された後にスイッチを閉じるカットアウト制御回路のみである。カットアウト制御回路は、少数の機能しか実行しないため、バッテリに接続されたときの動作回路より大幅に少ないエネルギーしか、バッテリから使わないように実装することができる。
【0021】
外部供給電圧が検出されたということは、薬物送達デバイスが外部充電器に接続されたことを示し、その後、薬物送達デバイスは顧客によって受けられて動作に入り、それによってシェルフ・モードを離れることができることを信号で通知する。
【0022】
好ましい実施形態は、カットアウト制御回路が、カットアウト起動入力で起動信号が検出されたときにスイッチを切るように構成されることを特徴とする。
【0023】
起動信号は、高圧または低圧のいずれかに対応する電圧レベルとすることができる。具体的には、高圧レベルは、電子デバイスの供給電圧の電圧レベルに対応することができ、低圧レベルは、電子デバイスの接地ノードの電圧レベルに対応することができる。したがって、高圧レベルは、たとえば5Vとすることができ、低圧レベルは0Vとすることができる。
【0024】
起動信号はまた、通信インターフェースから受けるコマンドとすることができる。このコマンドは、アナログまたはデジタル信号とすることができ、シリアルまたはパラレルで通信することができる。
【0025】
別の好ましい実施形態は、カットアウト起動入力がデバイス回路によって制御され、カットアウト制御回路は、対応する制御コマンドがデバイス回路によって受けられたときにスイッチを切るように構成されることを特徴とする。こうして、外部起動信号を必要とすることなく、シェルフ・モードを内部で起動することができる。
【0026】
好ましい実施形態は、カットアウト制御回路が供給電力入力からバッテリに充電電力を供給するように構成されることを特徴とする。バッテリに充電するための電気を、カットアウト制御回路を通って流すことによって、カットアウト制御回路内で外部充電器との接続を検出する簡単で効果的な機構を実装することができる。
【0027】
さらに好ましい実施形態は、スイッチの第1の接点がバッテリに接続されることを特徴とする。
【0028】
別の好ましい実施形態は、スイッチの第2の接点が電子デバイスのデバイス回路の供給電圧ノードに接続され、電子デバイスが、少なくとも1つの薬作用物質を送達する薬物送達デバイスであることを特徴とする。
【0029】
さらに好ましい実施形態は、スイッチが電子スイッチであることを特徴とする。
【0030】
さらに好ましい実施形態は、スイッチがトランジスタであることを特徴とする。具体的には、トランジスタは、漏れ電流が特に低いトランジスタとすることができる。
【0031】
好ましい実施形態は、装置が、バッテリによって電力供給されるモータを備え、スイッチは、スイッチが入ったときにバッテリがモータのモータ電源に電気的に接続され、かつスイッチが切られたときにバッテリがモータのモータ電源に電気的に接続されるように配置されることを特徴とする。モータは、電気モータとすることができる。モータは、具体的には、第1のカートリッジまたは第2のカートリッジから、たとえばそれぞれのカートリッジ内で動く止め具を動かすことによって、流体を推進させるように構成することができる。バッテリをモータ電源に電気的に接続させるということは、電力がモータにとって利用可能になることを意味する。
【0032】
さらに好ましい実施形態は、装置が、独立したデバイス・モジュールをさらに備え、独立したデバイス・モジュールをバッテリに可変的に接続するように構成された独立した電源スイッチを備え、デバイス回路が、独立したモータ電源スイッチを制御するように構成されることを特徴とする。
【0033】
独立したデバイス・モジュールは、モータなど、電力を必要とする回路または何らかの他の構成要素とすることができる。独立したデバイス・モジュールは、回路の主要部材からなるデバイス回路から別個に切り換えられることが有利な任意の構成要素とすることができる。
【0034】
独立したデバイス・モジュールがモータである例示的なケースでは、この実施形態によって、モータ電源の一部としてさらなるスイッチが含まれ、デバイスの動作全体を制御する回路によって制御される。したがって、デバイスの動作全体を制御する回路に電力供給されず、したがってモータ電源がバッテリに接続されないため、モータ電源はシェルフ・モードでバッテリから切断される。
【0035】
デバイスの動作全体を制御する回路によって制御される別個のスイッチを介してバッテリをモータ電源に電気的に接続させることによって、モータによって引き込まれる大きな電流は、2つのスイッチではなく単一のスイッチを通って流れ、スイッチ抵抗による電圧降下を低減させる。
【0036】
別の好ましい実施形態は、装置が、複数のピンを有する外部ポートをさらに備え、複数のピンのうちの電源ピンが、供給電力入力に電気的に接続されることを特徴とする。外部ポートは、コネクタ、具体的には充電器コネクタを受けるように構成されたポートとすることができる。同様に、コネクタは、ポートに接続されるように構成される。外部ポートは、たとえばUSBポートとすることができる。外部ポートのいずれかまたはすべてのピンには、コネクタの対応する接点が接触することができる。
【0037】
電源ピンを除いて、複数のピンのうちの任意のさらなるピンは、カットアウト制御回路またはデバイス回路のいずれかのさらなるそれぞれの入力に接続することができる。電源ピンは、薬物送達デバイスのバッテリを充電するために供給電力入力を介してバッテリまたはバッテリ充電回路への電気接続を提供するように構成することができる。複数のピンのすべてのピンに、コネクタの対応するピンが接触するように構成する必要はない。
【0038】
さらに別の好ましい実施形態では、複数のピンはカットアウト起動ピンを含み、カットアウト起動ピンは、カットアウト起動入力に電気的に接続される。外部ポート内のピンをカットアウト起動入力に電気的に接続させることによって、カットアウト起動ピンを介してカットアウト起動入力に所望の電圧レベルを印加することが可能になる。したがって、シェルフ・モードは、外部ポートに接続されたコネクタを用いて起動することができる。顧客によって使用される充電器のコネクタは、外部ポートのカットアウト起動ピンに接続されないように構成され、実際には、製造および試験のみで使用される工場コネクタが、カットアウト起動ピンに接続されるように構成されることが可能である。それによって、シェルフ・モードは、工場コネクタのみによって起動することができ、充電器のコネクタによって起動することはできない。
【0039】
さらに好ましい実施形態では、外部ポートは、充電コネクタを受けるように構成され、充電コネクタは、少なくとも2つの接点を備え、カットアウト起動ピンは、充電コネクタの少なくとも1つの接点から電気的に分離される。それによって、外部ポートに接続された充電コネクタを通って伝送される何らかの信号を用いて誤ってシェルフ・モードに入ることが防止される。そのような状況は、電気的な動作不良があるとき、すなわち充電コネクタが不規則な電圧レベルを有し、意図せずにデバイスがシェルフ・モードに入ったときに生じることがある。この場合、顧客は、デバイスが動作不良を起こしていると考えて、補修のためにデバイスを戻すことができる。このような状況はまた、第3者が何らかの方法でこのシェルフ・モードの機能性を知り、充電コネクタを通じてシェルフ・モード信号自体を印加することによってデバイスを故意に改変しようとしたときに生じることがある。
【0040】
しかし、同じく外部ポートに接続されるように構成された異なるタイプのコネクタ、たとえば工場コネクタが、カットアウト起動ピンに電気的に接続されるように構成された接点を備え、それによってこの異なるタイプのコネクタを通って伝送される信号を用いてシェルフ・モードの起動を可能にすることも可能である。
【0041】
例示的な実施形態では、本発明による装置を備える少なくとも1つの薬作用物質を送達する薬物送達デバイスが提供され、スイッチが切られたときの薬物送達デバイスの総電力消費が、カットアウト制御回路の電力消費に基づいて決定される。
【0042】
これは、スイッチが切られたときの薬物送達デバイスの総電力消費が、カットアウト制御回路の電力消費に実質上等しいことを意味することができる。言い換えれば、スイッチが切られたとき、薬物送達デバイスの他の構成要素は、無視できないほどの量の電力を消費しない。
【0043】
これはまた、スイッチが切られたときの薬物送達デバイスの総電力消費が、カットアウト制御回路の電力消費に、別の実質上一定の電力消費を足した値に実質上等しいことも意味することができる。これはたとえば、モータ電源スイッチを備える例示的な実施形態の場合に当てはまることがあり、スイッチが切られたときの薬物送達デバイスの総電力消費は、カットアウト制御回路の電力消費に、モータ電源スイッチの電力消費を足した値に実質上等しい。
【0044】
消費される電力は、薬物送達デバイスのバッテリによって提供される。それによってスイッチを切り、したがってシェルフ・モードに入ることで、薬物送達デバイスの総電力消費をカットアウト制御回路の電力消費まで低減させる。カットアウト制御回路の電力消費は、カットアウト制御回路の簡単さおよび比較的小さい寸法(チップ寸法または構成要素数に関して)、ならびに低い電力消費のためのこれらの構成要素の選択のため、非常に低い。
【0045】
また、スイッチが切られたときの薬物送達デバイスの総電力消費は、カットアウト制御回路の電力消費に等しくすることができる。これは、スイッチが切られたとき、薬物送達デバイスの他の構成要素は、(望ましくない)漏れ電流を除いて、いかなるバッテリ電力も消費しないことを意味する。
【0046】
本発明の目的は、少なくとも1つの薬作用物質を送達する薬物送達デバイス用の充電コネクタによってさらに解決され、この薬物送達デバイスは、本発明による装置を備え、この充電コネクタは、薬物送達デバイスの外部ポートに接続されるように構成され、電源ピンに充電電力を供給するように構成され、カットアウト起動入力へカットアウト起動信号を伝送するように構成される。充電電力は、DC電力として供給することができる。充電コネクタは、AC電圧ソケットに接続されるように構成された充電器の一部とすることができる。充電器は、AC電圧ソケットからのAC電圧レベルを充電に適した電圧レベルに変換する変圧器またはスイッチ・モード電源をさらに備えることができる。充電器は、電源ピンを介して薬物送達デバイスを充電するためにAC電圧をDC電圧に変換する整流器をさらに備えることができる。
【0047】
本発明の目的は、少なくとも1つの薬作用物質を送達する薬物送達デバイスを製造する方法によってさらに解決され、この方法は、薬物送達デバイスの回路モジュールを組み立てる工程であって、回路モジュールが、バッテリ、少なくとも1つの薬物の送達を制御するデバイス回路、デバイス回路の電圧供給を制御するカットアウト制御回路、カットアウト制御回路によって制御され、バッテリをデバイス回路に可変的に接続するように構成されたスイッチを備える、組み立てる工程と、スイッチを閉じることによってバッテリをデバイス回路に接続する工程と、薬物送達デバイスの機能性を試験する工程と、スイッチを開くことによってデバイス回路からバッテリを切断する工程とを含む。
【0048】
回路モジュールと、回路モジュールが備える要素とを、任意の順序で組み立てることができる。回路モジュールと、回路モジュールが備える要素とが組み立てられた後、スイッチが閉じられ、それによってデバイス回路にバッテリから電力を供給し、デバイス回路と薬物送達デバイスの両方を全体として動作可能とする。スイッチが閉じられ、電力が供給されたとき、薬物送達デバイスを試験することができる。この製造試験は、実際の動作のシミュレーション、たとえばユーザ・インターフェースに対するシミュレートされた使用者入力下における薬物送達デバイスの動作の試験、ならびに専用の試験インターフェースを使用できる試験ルーチンを含むことができる。たとえば、専用の試験ルーチンは、薬物送達デバイスのマイクロコントローラ上で実行することができ、専用の試験ルーチンの試験結果をさらに出力することができる。マイクロコントローラは、具体的には、デバイス回路の一部とすることができる。試験の完了後、スイッチを開き、それによってデバイス回路からの電力を切り、薬物送達デバイスをシェルフ・モードにする。これは、具体的には、カットアウト制御回路のカットアウト起動入力を直接接触させることによって、または薬物送達デバイスの外部ポートのカットアウト起動ピンを介して接触させることによって、カットアウト制御回路のカットアウト起動入力に有効レベルの電圧を印加することによって行うことができる。
【0049】
別の好ましい実施形態では、スイッチを開くことによってデバイス回路からバッテリを切断する工程は、カットアウト制御回路のカットアウト入力に起動信号を印加することを含む。
【0050】
本発明の様々な態様の上記その他の利点は、添付の図面を適宜参照しながら以下の詳細な説明を読むことによって、当業者には明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0051】
図1】デバイスのエンド・キャップが除去された送達デバイスの斜視図である。
図2】カートリッジを示す送達デバイス遠位端の斜視図である。
図3】1つのカートリッジ保持器が開位置にある、図1または図2に示す送達デバイスの斜視図である。
図4図1に示す送達デバイスの遠位端上に着脱可能に取り付けられた投薬インターフェースおよび用量投薬器を示す図である。
図5図1に示す送達デバイスの遠位端上に取り付けられた、図4に示す投薬インターフェースおよび用量投薬器を示す図である。
図6】送達デバイスの遠位端上に取り付けることができるニードル・アセンブリの1つの配置を示す図である。
図7図4に示す投薬インターフェースの斜視図である。
図8図4に示す投薬インターフェースの別の斜視図である。
図9図4に示す投薬インターフェースの横断面図である。
図10図4に示す投薬インターフェースの分解図である。
図11図1に示すデバイスなどの薬物送達デバイス上へ取り付けられた投薬インターフェースおよびニードル・アセンブリの横断面図である。
図12図4に示す薬物送達デバイスを動作させる制御ユニットの機能説明のブロック図である。
図13図4に示す薬物送達デバイスのプリント回路基板アセンブリを示す図である。
図14】本発明による例示的な装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
図1に示す薬物送達デバイスは、近位端16から遠位端15まで延びる本体14を備える。遠位端15には、着脱可能なエンド・キャップまたはカバー18が設けられる。このエンド・キャップ18と本体14の遠位端15は、スナップ嵌めまたはフォーム・フィット接続を提供するようにともに作用し、その結果、カバー18が本体14の遠位端15上へ摺動された後、キャップと本体外面20との間のこの摩擦嵌めにより、カバーが意図せずに本体から落下するのを防止する。
【0053】
本体14は、マイクロコントローラ制御ユニット、電気機械ドライブ・トレーン、および少なくとも2つの薬剤リザーバを収容する。エンド・キャップまたはカバー18がデバイス10から取り外されたとき(図1に示す)、本体14の遠位端15に投薬インターフェース200が取り付けられ、このインターフェースに用量投薬器(たとえば、ニードル・アセンブリ)が取り付けられる。薬物送達デバイス10は、両頭針アセンブリなどの単一のニードル・アセンブリを通じて、演算された用量の第2の薬剤(2次薬物化合物)と可変用量の第1の薬剤(1次薬物化合物)とを投与するために使用することができる。
【0054】
ドライブ・トレーンは、それぞれ第1および第2の薬剤の用量を排出するために、各カートリッジの栓に圧力を及ぼすことができる。たとえば、ピストンロッドを用いて、単一の用量の薬剤に対して所定の量だけカートリッジの栓を前方へ押すことができる。カートリッジが空になると、ピストンロッドは、本体14内側に完全に後退させられ、その結果、空のカートリッジを取り外すことができ、新しいカートリッジを挿入することができる。
【0055】
本体14の近位端付近には、制御パネル領域60が設けられる。好ましくは、この制御パネル領域60は、デジタル・ディスプレイ80を複数のヒューマン・インターフェース要素とともに備え、使用者は、これらの要素を操作して、組み合わせ用量を設定および注射することができる。この配置では、制御パネル領域は、第1の用量設定ボタン62と、第2の用量設定ボタン64と、「OK」という記号で示す第3のボタン66とを備える。さらに、本体の最近位端に沿って、注射ボタン74も設けられる(図1の斜視図では見えない)。
【0056】
カートリッジ・ホルダ40は、本体14に着脱可能に取り付けることができ、少なくとも2つのカートリッジ保持器50および52を収容することができる。各保持器は、ガラス・カートリッジなどの1つの薬剤リザーバを収容するように構成される。好ましくは、各カートリッジは、異なる薬剤を収容する。
【0057】
さらに、カートリッジ・ホルダ40の遠位端では、図1に示す薬物送達デバイスは、投薬インターフェース200を含む。図4に関連して説明するように、1つの配置では、この投薬インターフェース200は主外側本体212を含み、外側本体212は、カートリッジ・ハウジング40の遠位端42に着脱可能に取り付けられる。図1に見られるように、投薬インターフェース200の遠位端214は、好ましくは、ニードル・ハブ216を備える。このニードル・ハブ216は、従来のペン型の注射ニードル・アセンブリなどの用量投薬器を薬物送達デバイス10に着脱可能に取り付けることを可能にするように構成することができる。
【0058】
デバイスに電源が投入された後、図1に示すデジタル・ディスプレイ80が照明され、特定のデバイス情報、好ましくはカートリッジ・ホルダ40内に収容されている薬剤に関連する情報を使用者に提供する。たとえば、1次薬剤(薬物A)と2次薬剤(薬物B)の両方に関連する特定の情報が使用者に提供される。
【0059】
図3に示すように、第1のカートリッジ保持器50および第2のカートリッジ保持器52は、ヒンジ式カートリッジ保持器とすることができる。これらのヒンジ式保持器により、使用者は、カートリッジにアクセスすることが可能になる。図3は、第1のヒンジ式カートリッジ保持器50が開位置にある、図1に示すカートリッジ・ホルダ40の斜視図を示す。図3は、第1の保持器50を開き、それによって第1のカートリッジ90へのアクセスを有することによって、使用者が第1のカートリッジ90にどのようにアクセスできるかを示す。
【0060】
図1に関して論じたときに上述したように、投薬インターフェース200は、カートリッジ・ホルダ40の遠位端に連結される。図4は、カートリッジ・ホルダ40の遠位端に接続されていない投薬インターフェース200の平面図を示す。インターフェース200とともに使用できる用量投薬器またはニードル・アセンブリも示されており、外側の保護キャップ520内に設けられる。
【0061】
図5では、図4に示す投薬インターフェース200は、カートリッジ・ホルダ40に連結された状態で示されている。投薬インターフェース200とカートリッジ・ホルダ40との間の軸方向取付け手段(axial attachment means)は、スナップ・ロック、スナップ嵌め、スナップ・リング、鍵付きスロット、およびそのような接続の組み合わせを含めて、当業者には知られている任意の軸方向取付け手段とすることができる。投薬インターフェースとカートリッジ・ホルダとの間の接続または取付けはまた、特有のハブが整合する薬物送達デバイスのみに取り付け可能であることを確実にする、コネクタ、止め具、スプライン、リブ、溝、ピップ、クリップ、および同様の設計特性などの追加の特性(図示せず)を含むことができる。そのような追加の特性により、適当でない2次カートリッジを整合しない注射デバイスへ挿入することが防止されるはずである。
【0062】
図5はまた、ニードル・アセンブリ500と、投薬インターフェース200の遠位端に連結された保護カバー520とを示し、保護カバー520は、インターフェース200のニードル・ハブ上へねじ込むことができる。図6は、図5の投薬インターフェース200上に取り付けられた両頭針アセンブリ502の横断面図を示す。
【0063】
図6に示すニードル・アセンブリ500は、両頭針506およびハブ501を備える。両頭針またはカニューレ506は、ニードル・ハブ501内に固定して取り付けられる。このニードル・ハブ501は円形のディスク状要素を備え、この要素は、その周辺部に沿って垂下する円周スリーブ503を有する。このハブ部材501の内壁に沿って、ねじ山504が設けられる。このねじ山504により、ニードル・ハブ501を投薬インターフェース200上へねじ込むことが可能になり、投薬インターフェース200は、1つの好ましい配置では、遠位ハブに沿って対応する外側のねじ山を備える。ハブ要素501の中心部分には、突起502が設けられる。この突起502は、スリーブ部材の反対方向にハブから突出する。突起502およびニードル・ハブ501を通って中心に、両頭針506が取り付けられる。この両頭針506は、両頭針の第1または遠位の穿孔端505が、注射部位(たとえば、使用者の皮膚)を穿孔する注射部材を形成するように取り付けられる。
【0064】
同様に、ニードル・アセンブリ500の第2または近位の穿孔端508は、円形ディスクの反対側から突出し、その結果、スリーブ503によって同心円状に取り囲まれる。1つのニードル・アセンブリ配置では、第2または近位の穿孔端508は、スリーブ503より短くすることができ、その結果、このスリーブは裏面スリーブの尖った端部をある程度保護する。図4および図5に示すニードル・カバー・キャップ520は、ハブ501の外面503の周りに、フォーム・フィットを提供する。
【0065】
図4〜11を次に参照して、このインターフェース200の1つの好ましい配置について次に論じる。この1つの好ましい配置では、このインターフェース200は:
a.主外側本体210と、
b.第1の内側本体220と、
c.第2の内側本体230と、
d.第1の穿孔針240と、
e.第2の穿孔針250と、
f.バルブ封止260と、
g.セプタム270とを備える。
【0066】
主外側本体210は、本体近位端212および本体遠位端214を備える。外側本体210の近位端212では、投薬インターフェース200をカートリッジ・ホルダ40の遠位端に取り付けることが可能になるように、接続部材が構成される。好ましくは、接続部材は、投薬インターフェース200をカートリッジ・ホルダ40に着脱可能に接続することが可能になるように構成される。1つの好ましいインターフェース配置では、インターフェース200の近位端は、上方へ延びる壁218が少なくとも1つの凹部を有するように構成される。たとえば、図8から見ることができるように、上方へ延びる壁218は、少なくとも第1の凹部217および第2の凹部219を備える。
【0067】
好ましくは、第1の凹部217および第2の凹部219は、この主外側本体壁内に位置し、薬物送達デバイス10のカートリッジ・ハウジング40の遠位端付近に位置する外方へ突出する部材と協働する。たとえば、カートリッジ・ハウジングのこの外方へ突出する部材48は、図4および図5に見ることができる。カートリッジ・ハウジングの反対側には、第2の類似の突出部材が設けられる。したがって、インターフェース200をカートリッジ・ハウジング40の遠位端の上へ軸方向に摺動させると、外方へ突出する部材は、第1の凹部217および第2の凹部219と協働して、干渉嵌め、フォーム・フィット、またはスナップ・ロックを形成する。別法として、当業者には理解されるように、投薬インターフェースとカートリッジ・ハウジング40を軸方向に連結することを可能にする任意の他の類似の接続機構も、同様に使用することができる。
【0068】
主外側本体210およびカートリッジ・ホルダ40の遠位端は、軸方向に係合するスナップ・ロックまたはスナップ嵌め配置を形成するように作用し、この配置を、カートリッジ・ハウジングの遠位端上へ軸方向に摺動させることができる。1つの代替の配置では、投薬インターフェース200は、投薬インターフェースの意図しない相互使用を防止するために、コーディング機能を備えることができる。すなわち、ハブの内側本体は、1つまたはそれ以上の投薬インターフェースの意図しない相互使用を防止するように、幾何学的に構成することができる。
【0069】
投薬インターフェース200の主外側本体210の遠位端には、取付具ハブが設けられる。そのような取付具ハブは、ニードル・アセンブリに解放可能に接続されるように構成することができる。単なる一例として、この接続手段216は外側のねじ山を備えることができ、外側のねじ山は、図6に示すニードル・アセンブリ500などのニードル・アセンブリのニードル・ハブの内壁表面に沿って設けられる内側のねじ山に係合する。スナップ・ロック、ねじ山を通じて解放されたスナップ・ロック、バヨネット・ロック、フォーム・フィット、または他の類似の接続配置など、代替の解放可能なコネクタを設けることもできる。
【0070】
投薬インターフェース200は、第1の内側本体220をさらに備える。この内側本体の特定の詳細を、図8〜11に示す。好ましくは、この第1の内側本体220は、主外側本体210の延びる壁218の内面215に連結される。より好ましくは、この第1の内側本体220は、外側本体210の内面に対するリブおよび溝のフォーム・フィット配置を用いて連結される。たとえば、図9から見ることができるように、主外側本体210の延びる壁218は、第1のリブ213aおよび第2のリブ213bを備える。この第1のリブ213aを、図10にも示す。これらのリブ213aおよび213bは、外側本体210の壁218の内面215に沿って位置し、第1の内側本体220の協働する溝224aおよび224bとのフォーム・フィットまたはスナップ・ロック係合を作成する。好ましい配置では、これらの協働する溝224aおよび224bは、第1の内側本体220の外面222に沿って設けられる。
【0071】
さらに、図8〜10に見られるように、第1の内側本体220の近位端付近の近位表面226は、少なくとも近位に位置する第1の穿孔針240が近位穿孔端部分244を含むように構成することができる。同様に、第1の内側本体220は、近位に位置する第2の穿孔針250が近位穿孔端部分254を含むように構成される。第1の針240および第2の針250は、第1の内側本体220の近位表面226上にしっかりと取り付けられる。
【0072】
好ましくは、この投薬インターフェース200は、バルブ配置をさらに備える。そのようなバルブ配置は、第1および第2のリザーバ内にそれぞれ収容されている第1および第2の薬剤の相互汚染を防止するように構築することができる。好ましいバルブ配置はまた、第1および第2の薬剤の逆流および相互汚染を防止するように構成することができる。
【0073】
1つの好ましいシステムでは、投薬インターフェース200は、バルブ封止260の形態のバルブ配置を含む。そのようなバルブ封止260は、保持チャンバ280を形成するように第2の内側本体230によって画成される空胴231内に設けることができる。好ましくは、空胴231は、第2の内側本体230の上面に沿って位置する。このバルブ封止は、第1の流体溝264と第2の流体溝266の両方を画成する上面を含む。たとえば、図9は、第1の内側本体220と第2の内側本体230との間に着座させたバルブ封止260の位置を示す。注射工程中、この封止バルブ260は、第1の経路内の1次薬剤が第2の経路内の2次薬剤へ拡散するのを防止しながら、第2の経路内の2次薬剤が第1の経路内の1次薬剤へ拡散するのも防止するのに役立つ。好ましくは、この封止バルブ260は、第1の逆止めバルブ262および第2の逆止めバルブ268を備える。したがって、第1の逆止めバルブ262は、第1の流体経路264、たとえば封止バルブ260内の溝に沿って移動する流体が、この経路264内へ戻るのを防止する。同様に、第2の逆止めバルブ268は、第2の流体経路266に沿って移動する流体が、この経路266内へ戻るのを防止する。
【0074】
それとともに、第1の溝264および第2の溝266は、それぞれ逆止めバルブ262および268の方へ収束し、次いで出力流体経路または保持チャンバ280をもたらす。この保持チャンバ280は、穿孔可能なセプタム270とともに第1の逆止めバルブと第2の逆止めバルブ268の両方を有する第2の内側本体の遠位端によって画成された内側チャンバによって画成される。図示のように、この穿孔可能なセプタム270は、第2の内側本体230の遠位端部分と、主外側本体210のニードル・ハブによって画成される内面との間に位置する。
【0075】
保持チャンバ280は、インターフェース200の出口ポートで終端する。この出口ポート290は、好ましくは、インターフェース200のニードル・ハブ内で中心に位置し、穿孔可能な封止270を固定の位置で維持するのを助ける。したがって、両頭針アセンブリがインターフェースのニードル・ハブに取り付けられたとき(図6に示す両頭針など)、出力流体経路によって、どちらの薬剤も、取り付けられたニードル・アセンブリと流体連通することが可能になる。
【0076】
ハブ・インターフェース200は、第2の内側本体230をさらに備える。図9から見ることができるように、この第2の内側本体230は、凹部を画成する上面を有し、バルブ封止260は、この凹部内に位置する。したがって、図9に示すようにインターフェース200が組み立てられたとき、第2の内側本体230は、外側本体210の遠位端と第1の内側本体220との間に位置する。それとともに、第2の内側本体230と主外側本体は、セプタム270を定位置で保持する。内側本体230の遠位端はまた、バルブ封止の第1の溝264と第2の溝266の両方と流体連通するように構成できる空胴または保持チャンバを形成することができる。
【0077】
主外側本体210を薬物送達デバイスの遠位端の上へ軸方向に摺動させることで、投薬インターフェース200がこの多目的なデバイスに取り付けられる。このようにして、第1のカートリッジの1次薬剤および第2のカートリッジの2次薬剤をそれぞれ有する第1の針240と第2の針250との間に、流動的な連通を得ることができる。
【0078】
図11は、図1に示す薬物送達デバイス10のカートリッジ・ホルダ40の遠位端42上へ取り付けられた後の投薬インターフェース200を示す。また、このインターフェースの遠位端には、両頭針500が取り付けられる。カートリッジ・ホルダ40は、第1の薬剤を収容する第1のカートリッジと、第2の薬剤を収容する第2のカートリッジとを有するところを示す。
【0079】
インターフェース200が第1にカートリッジ・ホルダ40の遠位端の上へ取り付けられたとき、第1の穿孔針240の近位穿孔端244は、第1のカートリッジ90のセプタムに穿孔し、それによって第1のカートリッジ90の1次薬剤92と流体連通した状態になる。第1の穿孔針240の遠位端もまた、バルブ封止260によって画成される第1の流体経路溝264と流体連通する。
【0080】
同様に、第2の穿孔針250の近位穿孔端254は、第2のカートリッジ100のセプタムに穿孔し、それによって第2のカートリッジ100の2次薬剤102と流体連通した状態になる。この第2の穿孔針250の遠位端もまた、バルブ封止260によって画成される第2の流体経路溝266と流体連通する。
【0081】
図11は、薬物送達デバイス10の本体14の遠位端15に連結されたそのような投薬インターフェース200の好ましい配置を示す。好ましくは、そのような投薬インターフェース200は、薬物送達デバイス10のカートリッジ・ホルダ40に着脱可能に連結される。
【0082】
図11に示すように、投薬インターフェース200は、カートリッジ・ハウジング40の遠位端に連結される。このカートリッジ・ホルダ40は、1次薬剤92を収容する第1のカートリッジ90と、2次薬剤102を収容する第2のカートリッジ100とを収容するところを示す。カートリッジ・ハウジング40に連結された後、投薬インターフェース200は本質的に、第1のカートリッジ90および第2のカートリッジ100から共通の保持チャンバ280への流動的連通経路を提供する機構を提供する。この保持チャンバ280は、用量投薬器と流体連通するところを示す。ここで、図示のように、この用量投薬器は両頭針アセンブリ500を備える。図示のように、両頭針アセンブリの近位端は、チャンバ280と流体連通する。
【0083】
1つの好ましい配置では、投薬インターフェースは、1つの向きだけで本体に取り付けられるように、すなわち1方向だけに嵌るように構成される。したがって、図11に示すように、投薬インターフェース200がカートリッジ・ホルダ40に取り付けられた後、第1のカートリッジ90の1次薬剤92との流動的な連通には1次針240しか使用することができなくなり、インターフェース200は、ホルダ40に再び取り付けられないようになっているはずであり、その結果、第2のカートリッジ100の2次薬剤102との流動的な連通のために、次に1次針240を使用することはできない。そのような1方向の接続機構は、2つの薬剤92および102間の潜在的な相互汚染を低減させるのに役立つことができる。
【0084】
図12は、図1に示す薬物送達デバイスを動作および制御するための制御ユニットの機能ブロック図を示す。図13は、図12に示す制御ユニットの特定の部分を備えることができるプリント回路基板(PCB)またはプリント回路基板アセンブリ(PCBA)350の1つの配置を示す。
【0085】
図12図13の両方を次に参照すると、制御ユニット300がマイクロコントローラ302を備えることを見ることができる。そのようなマイクロコントローラは、FreescaleのMCF51JMというマイクロコントローラを含むことができる。マイクロコントローラは、薬物送達デバイス10に対する電子システムを制御するために使用される。マイクロコントローラは、内部のアナログ−デジタル変換器と、汎用デジタル入出力ラインとを含む。マイクロコントローラは、デジタル・パルス幅変調(PWM)信号を出力することができる。マイクロコントローラは、内部USBモジュールを含む。1つの配置では、ON−SemiのNUP3115などのUSB保護回路を実装することができる。そのような実装形態では、実際のUSB通信は、マイクロコントローラ302上に設けることができる。
【0086】
制御ユニットは、マイクロコントローラ302および他の回路要素に連結された電力管理モジュール304をさらに備える。電力管理モジュール304は、バッテリ306などの主電源から供給電圧を受け、この供給電圧を、制御ユニット300の他の回路構成要素によって必要とされる複数の電圧に調節する。1つの好ましい制御ユニット配置では、スイッチ・モード調節(National SemiconductorのLM2735を用いる)を使用してバッテリ電圧を6Vまで上昇させ、線形の調節によって、制御ユニット300によって必要とされる他の供給電圧を生成する。
【0087】
バッテリ306は、制御ユニット300に電力を提供し、好ましくは、単一のリチウムイオンまたはリチウムポリマー電池によって供給される。この電池は、過熱、過充電、および過剰な放電から保護するための安全回路を収容するバッテリ・パック内にカプセル化することができる。バッテリ・パックはまた、場合により、残りのバッテリ充電の改善された推定を得るために、クーロン計数技術を収容することができる。
【0088】
バッテリ充電器308は、バッテリ306に連結することができる。1つのそのようなバッテリ充電器は、他の支持ソフトウェアおよびハードウェア・モジュールとともに、Freescale SemiconductorのMC34674またはMC34675に基づくことができる。代替手段として、Texas Instruments(TI)のBQ24150を使用することもできる。1つの好ましい配置では、バッテリ充電器308は、薬物送達デバイス10への外部の有線接続からエネルギーを取得し、それを使用してバッテリ306を充電する。バッテリ充電器308はまた、バッテリ電圧および充電電流を監視してバッテリ充電を制御するために使用することもできる。バッテリ充電器308はまた、シリアル・バスを介してマイクロコントローラ302との双方向通信を有するように構成することができる。同様に、バッテリ306の充電状態をマイクロコントローラ302へ通信することができる。バッテリ充電器の充電電流もまた、マイクロコントローラ302によって設定することができる。
【0089】
制御ユニットはまた、USBコネクタ310を備えることができる。有線通信のために、またデバイスへ電力を供給するために、マイクロUSB−ABコネクタまたは特注設計のコネクタを使用することができる。
【0090】
制御ユニットはまた、USBインターフェース312を備えることができる。このインターフェース312は、マイクロコントローラ302の外部に位置することができる。USBインターフェース312は、USBマスタおよび/またはUSBデバイス能力を有することができる。USBインターフェース312はまた、USBの持ち運び用の機能性を提供することができる。マイクロコントローラの外部に位置するUSBインターフェース312はまた、データ・ラインおよびVBUSライン上で過渡電圧抑制を提供する。
【0091】
代替実施形態では、外部のブルートゥースインターフェース314を設けることもできる。ブルートゥースインターフェース314は、好ましくは、マイクロコントローラ302の外部に位置し、データ・インターフェースを使用してこのコントローラ302と通信する。
【0092】
好ましくは、制御ユニットは、複数のスイッチ316をさらに備える。図示の配置では、制御ユニット300は、8つのスイッチ316を備えることができ、これらのスイッチは、デバイス全体にわたって分散させることができる。これらのスイッチ316は、少なくとも以下の内容を検出および/または確認するために使用することができる:
a.投薬インターフェース200が薬物送達デバイス10に適切に取り付けられたかどうか;
b.着脱可能なキャップ18が薬物送達デバイス10の本体20に適切に取り付けられたかどうか;
c.第1のカートリッジ90に対するカートリッジ・ホルダ40の第1のカートリッジ保持器50が適切に閉じられたかどうか;
d.第2のカートリッジ100に対するカートリッジ・ホルダ40の第2のカートリッジ保持器52が適切に閉じられたかどうか;
e.第1のカートリッジ90の存在を検出すること;
f.第2のカートリッジ100の存在を検出すること;
g.第1のカートリッジ90内の止め具94の位置を決定すること;および
h.第2のカートリッジ100内の止め具104の位置を決定すること。
【0093】
これらのスイッチ316は、マイクロコントローラ302上のデジタル入力、たとえば汎用デジタル入力に接続される。好ましくは、これらのデジタル入力は、必要な入力ラインの数を低減させるために、多重化することができる。スイッチ状態の変化に確実に適時に応答するために、マイクロコントローラ302上で割込みラインを適宜使用することもできる。
【0094】
さらに、より詳細に上述したように、制御ユニットはまた、複数のヒューマン・インターフェース要素または押しボタン318に動作可能に連結することもできる。1つの好ましい配置では、制御ユニット300は、8つの押しボタン318を備え、これらのボタンは、以下の機能に対する使用者入力のためにデバイス上で使用される:
a.用量ダイヤル・アップ;
b.用量ダイヤル・ダウン;
c.音響レベル;
d.用量;
e.排出;
f.呼び水;
g.戻る;および
h.OK。
【0095】
これらのボタン318は、マイクロコントローラ上のデジタル入力、たとえば汎用デジタル入力に接続される。この場合も、これらのデジタル入力は、必要な入力ラインの数を低減させるために、多重化することができる。スイッチ状態の変化に確実に適時に応答するために、マイクロコントローラ上で割込みラインが適宜使用される。例示的な実施形態では、1つまたはそれ以上のボタンの機能は、タッチ・スクリーンに置き換えることができる。
【0096】
別の例示的な実施形態では、8つのボタンのそれぞれが存在する必要はない。たとえば、「用量」ボタンによってプライミングを行うことができ、したがって、「呼び水」ボタンは存在しないことがある。
【0097】
1つの形態では、制御ユニット300は、リアル・タイム・クロック320を備える。そのようなリアル・タイム・クロックは、EpsonのRX4045 SAを含むことができる。リアル・タイム・クロック320は、シリアル周辺インターフェースなどを使用して、マイクロコントローラ302と通信することができる。
【0098】
代替形態では、リアル・タイム・クロックは、マイクロコントローラの1つの中に収容される。
【0099】
デバイス内のデジタル・ディスプレイ・モジュール322は、好ましくは、LCDまたはOLED技術を使用し、使用者に視覚信号を提供する。ディスプレイ・モジュールは、ディスプレイ自体と、ディスプレイ・ドライバ集積回路とを組み込む。この回路は、シリアル周辺インターフェースまたはパラレル・バスを使用して、マイクロコントローラ302と通信する。
【0100】
制御ユニット300はまた、メモリ・デバイス、たとえば揮発性および不揮発性メモリを備える。揮発性メモリは、マイクロコントローラ302のワーキング・メモリとして、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、たとえば静的RAMまたは動的RAMなどとすることができる。不揮発性メモリは、読取り専用メモリ(ROM)、FLASHメモリ、またはEEPROM324などの電気的に消去可能でプログラム可能な読取り専用メモリ(EEPROM)とすることができる。そのようなEEPROMは、ON SemiconductorのCAT25128を含むことができる。代替手段として、AtmelのAT25640を使用することもできる。EEPROMは、システム・パラメータおよび履歴データを記憶するために使用することができる。このメモリ・デバイス324は、シリアル周辺インターフェース・バスを使用して、プロセッサ302と通信する。
【0101】
代替実施形態では、制御ユニット300は、第1の光学式リーダ326および第2の光学式リーダ328をさらに備える。そのような光学式リーダは、AvagoのADNS3550を含むことができる。これらの光学式リーダ326、328は、薬物送達デバイス10に対して任意選択とすることができ、上記のように、そのようなカートリッジが第1のカートリッジ保持器50または第2のカートリッジ保持器52内へ挿入されたときに、カートリッジから情報を読み取るために使用することができる。好ましくは、第1の光学式リーダは、第1のカートリッジ専用であり、第2の光学式リーダは、第2のカートリッジ専用である。光学式コンピュータ・マウスでの使用向けに設計された集積回路を使用して、薬物カートリッジ上の機械的特性を使用して位置する薬物カートリッジ上の静的2Dバーコードに照明し、そのバーコードが収容するデータを読み取ることができる。この集積回路は、シリアル周辺インターフェース・バスを使用して、マイクロコントローラ302と通信することができる。そのような回路は、たとえば回路が必要とされないときの電力消費を低減させるために、たとえばデータが読み取られていないときはカートリッジ照明を消すことによって、マイクロコントローラ302によって起動し、また停止状態にすることができる。
【0102】
前述のように、薬物送達デバイス10内に音響器330を設けることもできる。そのような音響器は、Star MicronicsのMZT03Aを含むことができる。出願人らの提案する音響器を使用して、使用者に可聴信号を提供することができる。音響器330は、マイクロコントローラ302からのパルス幅変調(PWM)出力によって駆動することができる。代替構成では、音響器は、多音のトーンまたはジングルを鳴らし、かつ記憶された音声コマンドを鳴らすことができ、使用者がデバイスからの情報を操作または回収するのを助けることを促す。
【0103】
制御ユニット300は、第1のモータ・ドライバ332および第2のモータ・ドライバ334をさらに備える。モータ・ドライブ回路は、FreescaleのMPC17533を含むことができ、マイクロコントローラ302によって制御される。たとえば、モータ・ドライブがステッパ・モータ・ドライブを構成する場合、このドライブは、汎用デジタル出力を使用して制御することができる。別法として、モータ・ドライブがブラシなしDCモータ・ドライブを構成する場合、このドライブは、パルス幅変調(PWM)デジタル出力を使用して制御することができる。これらの信号は、モータ巻線を通る電流を切り換える電力段を制御する。電力段は、連続する電気整流を必要とする。これはたとえば、デバイスの安全性を増大させ、誤った薬物の送達を低減させることができる。
【0104】
電力段は、ステッパ・モータでデュアルHブリッジからなることができ、またはブラシなしDCモータで3つの半ブリッジからなることができる。これらは、ディスクリートの半導体部材またはモノリシックの集積回路を使用して実装することができる。
【0105】
制御ユニット300は、それぞれ第1のモータ336および第2のモータ338をさらに備える。より詳細に後述するように、第1のモータ336は、第1のカートリッジ90内で止め具94を動かすために使用することができる。同様に、第2のモータ338は、第2のカートリッジ内で止め具104を動かすために使用することができる。これらのモータは、ステッパ・モータ、ブラシなしDCモータ、または任意の他のタイプの電気モータとすることができる。モータのタイプにより、使用されるモータ・ドライブ回路のタイプを決定することができる。デバイスに対する電子機器は、1つの剛性の主プリント回路基板アセンブリ、場合によっては必要に応じて追加のより小さい可撓性の区間を、たとえばモータ巻線およびスイッチへの接続のために実装することができる。
【0106】
PCBA350上に設けられるマイクロコントローラは、複数の特性を提供し、複数の計算を実施するためにプログラムされる。たとえば、おそらく最も重要なことに、マイクロコントローラは、特定の治療用量プロファイルを使用して、少なくとも部分的に1次薬剤の選択された用量に基づいて、少なくとも2次薬剤の用量を計算するように、アルゴリズムでプログラムされる。
【0107】
そのような計算の場合、コントローラはまた、投与すべき第2の薬剤の量を計算する際に、他の変数または用量特性を分析することもできる。たとえば、他の考慮すべき点には、以下の特性または要因の少なくとも1つまたはそれ以上を含むことができる:
a.最終の用量からの時間;
b.最終の用量寸法;
c.現在の用量寸法;
d.現在の血糖レベル;
e.血糖履歴;
f.最大および/または最小の許容可能な用量寸法;
g.時刻;
h.患者の健康状態;
i.運動量;ならびに
j.食事の摂取量。
【0108】
これらのパラメータはまた、第1の用量寸法と第2の用量寸法の両方の寸法を計算するために使用することもできる。
【0109】
1つの配置では、より詳細に後述するように、マイクロコントローラに動作可能に連結された1つまたはそれ以上のメモリ・デバイス内に、複数の異なる治療用量プロファイルを記憶することができる。代替の配置では、マイクロコントローラに動作可能に連結されたメモリ・デバイス内に、単一の治療用量プロファイルのみが記憶される。
【0110】
本明細書に提案する電気機械的薬物送達デバイスは、器用さまたは演算上の難題を有する患者にとって、特に有益である。そのようなプログラム可能なデバイスでは、単一の入力および関連する記憶された所定の治療プロファイルにより、使用者または患者がデバイスを使用するたびに、処方された用量を計算する必要がなくなる。さらに、単一の入力により、組み合わせ化合物の用量設定および投薬をより容易にすることが可能である。
【0111】
第2の薬剤の用量を演算することに加えて、マイクロコントローラは、複数の他のデバイス制御動作を達成するようにプログラムすることができる。たとえば、マイクロコントローラは、デバイスを監視し、デバイスが使用されていないときにはシステムの様々な要素を遮断して電気エネルギーを節約するようにプログラムすることができる。さらに、コントローラは、バッテリ306内に残っている電気エネルギーの量を監視するようにプログラムすることができる。1つの好ましい配置では、バッテリ内に残っている充電量をデジタル・ディスプレイ80上に示すことができ、残りのバッテリ充電量が所定の閾値レベルに到達したときには使用者に警告を与えることができる。さらに、デバイスは、次の用量を送達するのに十分な電力がバッテリ306内で利用可能であるか、またはその用量が投薬されるのを自動的に防止するかどうかを判定する機構を含むことができる。たとえば、そのような監視回路は、異なる負荷条件下でバッテリ電圧を検査して、用量が完了する可能性を予測することができる。好ましい構成では、通電されている(ただし動いていない)状態および通電されていない状態のモータを使用して、バッテリの充電を決定または推定することができる。
【0112】
好ましくは、薬物送達デバイス10は、データ・リンク(すなわち、無線または有線)を介して、デスクトップまたはラップトップ・コンピュータなどの様々な演算デバイスと通信するように構成される。たとえば、デバイスは、PCまたは他のデバイスと通信するためにUniversal Serial Bus(USB)を備えることができる。そのようなデータ・リンクは、複数の利点を提供することができる。たとえば、そのようなデータ・リンクは、使用者が特定の用量履歴情報に問い合わせることを可能にするために使用することができる。そのようなデータ・リンクはまた、医療従事者が、最大および最小用量、特定の治療プロファイルなど、特定の重要な用量設定パラメータを修正するために使用することもできる。デバイスはまた、無線データ・リンク、たとえばIRDAデータ・リンクまたはブルートゥースデータ・リンクを備えることができる。代替実施形態では、好ましいブルートゥースモジュールは、Cambridge Silicon Radio(CSR)のBlueコア6を含む。
【0113】
例示的な実施形態では、デバイスは、USB On−The−Go(USB OTG)能力を有する。USB OTGは、薬物送達デバイス10が全体として、USBホスト(たとえば、デスクトップまたはノートブック・コンピュータ)に対するスレーブの役割を満たし、かつ別のスレーブ・デバイス(たとえば、BGM)と対になったときにはホスト自体になることも可能にすることができる。
【0114】
たとえば、標準的なUSBは、マスタ/スレーブ・アーキテクチャを使用する。USBホストはプロトコル・マスタとして作用し、USB「デバイス」はスレーブとして作用する。ホストのみが、構成およびリンクを介してのデータ転送を予定することができる。デバイスは、データ転送を開始することができず、ホストによって与えられる要求に応答するだけである。出願人らの薬物送達デバイス10内でOTGを使用することで、薬物送達デバイスがマスタの役割とスレーブの役割との間を切り換わることができるという概念が導入される。USB OTGにより、出願人らのデバイス10は、あるときは「ホスト」(リンク・マスタとして作用)になり、かつ別のときには「周辺」(リンク・スレーブとして作用)になる。
【0115】
図14を参照すると、図1に示す薬物送達デバイスに対するバッテリ接続を切り換える装置が示されている。図14に関して参照する薬物送達デバイスの制御ユニットは、別段の指摘がない限り、図12に示すものに対応する。同様に、図14に関して参照する薬物送達デバイスのプリント回路基板アセンブリは、別段の指摘がない限り、図13に示すものに対応する。
【0116】
薬物送達デバイスのプリント回路基板上では、カットアウト制御回路402が外部ポート404に接続される。外部ポート404は、たとえば、追加の電源ライン、たとえばUSBポートなどのシリアル・データ電力を有するデータ・ポートとすることができる。このポートは、具体的には、たとえばシリアル・データ通信を可能にする特注のコネクタにすることができる。
【0117】
カットアウト制御回路402は、電力管理モジュール304内に備えられる。外部ポート404は、2つのデータ・ピン、電力入力ピン、接地ピン、およびバッテリ・カットアウト起動ピンを備える。外部ポート404は、コネクタを受けるように構成される。このコネクタは、薬物送達デバイスに対する充電器のコネクタとすることができるが、薬物送達デバイスに対する工場試験器用のコネクタとすることもできる。充電器は、工場試験器とは異なるコネクタのピンに接続することができる。
【0118】
電力入力ピンおよびバッテリ・カットアウト起動ピンは、電力入力ラインおよびカットアウト起動信号ラインを構成する1対の信号ライン406に接続される。電力入力ラインは、カットアウト制御回路402の供給電力入力に接続され、カットアウト起動信号ラインは、カットアウト制御回路402のカットアウト起動入力に接続される。
【0119】
どちらのデータ・ピンも、データ信号ライン408に接続され、データ信号ライン408はデバイス回路416に接続される。デバイス回路416は、マイクロコントローラ302と、電力管理モジュール304の他の構成要素と、薬物送達デバイスの残りの電子構成要素とを備える。
【0120】
さらに、接地ピンは、接地ライン410に接続され、接地ライン410は、デバイス回路416の接地ノードに接続される。
【0121】
カットアウト制御回路402は、薬物送達デバイスの再充電可能バッテリ414に接続される。このバッテリは、図12に示すバッテリ306とすることができる。この接続によって、カットアウト制御回路402は、一方では、電力入力ラインを介してポート404からの電力を受けていないときにその供給電圧を受ける。他方では、カットアウト制御回路は、バッテリ414および/またはバッテリ充電器に電力を供給し、それによってポート404に接続された充電器によって供給される電力からのバッテリ414の充電を可能にするように構成される。
【0122】
さらに、カットアウト制御回路402は、トランジスタ・スイッチ412に接続され、カットアウト制御回路402は、トランジスタ・スイッチ412のスイッチング動作を制御する。トランジスタ・スイッチ412は、バッテリ414をデバイス回路416の供給電圧ノードに接続する。トランジスタ・スイッチ412を入れると、バッテリ414からのDC供給電圧の形態で、デバイス回路416に電力が供給される。トランジスタ・スイッチ412を切ると、デバイス回路416は事実上、バッテリ414から電気的に切断される。トランジスタ・スイッチ412を通って流れる唯一の電流は、漏れ電流である。トランジスタ・スイッチは、最小の漏れ電流のみを有するように選択される。
【0123】
デバイス回路の1つまたはそれ以上の区間を設けることができ、これらの区間は、全体として独立したデバイス・モジュール420と示すことができ、たとえばモータからなることができ、デバイス回路416の制御下で、大きな電流を引き込むが、切り換える必要がある。この場合、これらの区間は、バッテリ414に直接接続されてデバイス回路416によって制御される独立した電源スイッチ418などの別個のスイッチを有することができ、デバイス回路416がバッテリから切断された場合、独立した電源スイッチ418によってバッテリ414から切断されるようなスイッチング配置を有する。独立した電源スイッチ418をバッテリに直接接続することで、主スイッチ412を通って流れるピーク電流を低減させ、その技術仕様を緩和させ、伝導状態における抵抗によるこのスイッチ両端の電圧降下を低減させる。2つ以上の独立したデバイス・モジュール420を設けることもでき、各デバイス・モジュール420は、独自の専用の独立した電源スイッチ418を有する。
【0124】
カットアウト制御回路402は、バッテリ414に常に接続される。したがって、トランジスタ・スイッチ412を切ると、バッテリ414から抜き出される電力は、カットアウト制御回路402から抜き出される電力と、トランジスタ・スイッチ412の漏れ電流に対応する電力と、大きな電流を引き込む独立したデバイス・モジュール420に接続されるあらゆる独立した電源スイッチ418の漏れ電流に対応する電力とを足した値のみからなる。カットアウト制御回路402は、非常に簡単な機能性のみを実施するため、以下に説明するように、カットアウト制御回路402の平均電力消費は非常に低い。
【0125】
薬物送達デバイス、具体的には薬物送達デバイスのPCBA350の組立て後、薬物送達デバイスの機能性が試験される。
【0126】
この試験手順はまた、以下の電子試験を含む。この時点で、バッテリ414は充電され、トランジスタ・スイッチ412を入れ、それによってデバイス回路416に電力を供給し、完全な機能性を可能にする。ポート404に、専用の工場コネクタが接続される。工場コネクタは、ポート404のすべてのピンに接続される。データ・ピンおよびデータ信号ライン408を介して、外部の試験制御ユニットがデバイス回路416と通信する。この通信の一部として、様々な試験情報がデバイス回路416へ送られ、デバイス回路416は引き続き試験を実行する。これらの試験は、内部で行われ、すなわちデバイス回路416内の構成要素を試験することも、外部で行われ、すなわちたとえばディスプレイ322および音響器330などのデバイス回路416の外側の構成要素に適切に関連することもある。これらの試験の結果はまた、再びデータ・ピンおよびデータ信号ライン408を介して受けられ、次いでポート404を介して外部の試験制御ユニットへさらに伝送される。
【0127】
試験の完了後、薬物送達デバイスはシェルフ・モードに入る。このため、5Vの有効電圧レベルが外部ポート404のカットアウト起動ピンに印加され、またカットアウト起動信号ラインを介して、カットアウト制御回路402のカットアウト起動入力に印加される。この信号を受けた後、カットアウト制御回路402は、トランジスタ・スイッチ412を切り、それによってデバイス回路416をバッテリ414から切断する。非活動状態では大量の電力を引き込まないカットアウト起動回路402、ならびにモータ336、338などの他の構成要素は、バッテリ414に接続されたままである。この状態は、薬物送達デバイスのシェルフ・モードであり、本質的にカットアウト起動回路402のみが、バッテリ414から電流を引き込む。
【0128】
次に、工場コネクタが外部ポート404から取り外される。薬物送達デバイスは、包装され、販売業者へ出荷され、販売業者で収納され、小売店へ出荷され、販売された後、消費者によって購入される。製造から顧客への送達までのこの期間を、シェルフ時間と呼ぶが、厳密には、その期間のすべてがシェルフ上で費やされるわけではない。シェルフ時間は、1年になることがある。その間、デバイス回路416はバッテリ414から実質上切断されるため、バッテリ414から電流はほとんど放散されず、電流は本質的に、トランジスタ・スイッチ412、あらゆる追加の独立した電源スイッチ418の漏れ電流、およびカットアウト制御回路402の電力消費のみからなり、カットアウト制御回路402の電力消費もまた、カットアウト制御回路402がシェルフ時間内でいかなるスイッチング動作も実行する必要がないため低い。
【0129】
シェルフ・モードは、顧客が充電コネクタを外部ポート404へ挿入すると終了する。充電コネクタは、電力入力ピンに対する接点を備え、それによって充電供給電圧が提供される。充電電圧は、1対の信号ライン406の電力入力ラインを介して、カットアウト制御回路402の電源入力に提供される。カットアウト制御回路402の供給電力入力で供給電圧が検出されると、カットアウト制御回路402はトランジスタ・スイッチ412を入れ、それによって供給電力入力とバッテリの両方からの電力をデバイス回路416へ提供する。供給電力入力からの供給電圧もまた、バッテリ414およびバッテリ充電器へ提供される。
【0130】
充電コネクタには、カットアウト起動ピンに対する対応する接点がない。したがって、充電コネクタは、シェルフ・モードを再起動することができない。それによって、トランジスタ・スイッチ412は入ったままになり、デバイス回路416には、バッテリ414からの電力が絶えず供給される。薬物送達デバイスがその動作寿命中により長い期間にわたって無効のままであるとは予期されないため、シェルフ・モードの再起動は必要ない。
【0131】
本明細書で使用する用語「薬物」または「薬剤」は、少なくとも1つの薬学的に活性な化合物を含む医薬製剤を意味し、
ここで、一実施形態において、薬学的に活性な化合物は、最大1500Daまでの分子量を有し、および/または、ペプチド、タンパク質、多糖類、ワクチン、DNA、RNA、酵素、抗体もしくはそのフラグメント、ホルモンもしくはオリゴヌクレオチド、または上述の薬学的に活性な化合物の混合物であり、
ここで、さらなる実施形態において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病、または糖尿病性網膜症などの糖尿病関連の合併症、深部静脈血栓塞栓症または肺血栓塞栓症などの血栓塞栓症、急性冠症候群(ACS)、狭心症、心筋梗塞、がん、黄斑変性症、炎症、枯草熱、アテローム性動脈硬化症および/または関節リウマチの処置および/または予防に有用であり、
ここで、さらなる実施形態において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病または糖尿病性網膜症などの糖尿病に関連する合併症の処置および/または予防のための少なくとも1つのペプチドを含み、
ここで、さらなる実施形態において、薬学的に活性な化合物は、少なくとも1つのヒトインスリンもしくはヒトインスリン類似体もしくは誘導体、グルカゴン様ペプチド(GLP−1)もしくはその類似体もしくは誘導体、またはエキセジン−3もしくはエキセジン−4もしくはエキセジン−3もしくはエキセジン−4の類似体もしくは誘導体を含む。
【0132】
インスリン類似体は、たとえば、Gly(A21),Arg(B31),Arg(B32)ヒトインスリン;Lys(B3),Glu(B29)ヒトインスリン;Lys(B28),Pro(B29)ヒトインスリン;Asp(B28)ヒトインスリン;B28位におけるプロリンがAsp、Lys、Leu、Val、またはAlaで置き換えられており、B29位において、LysがProで置き換えられていてもよいヒトインスリン;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28−B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリン、およびDes(B30)ヒトインスリンである。
【0133】
インスリン誘導体は、たとえば、B29−N−ミリストイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−パルミトイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−ミリストイルヒトインスリン;B29−N−パルミトイルヒトインスリン;B28−N−ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン;B28−N−パルミトイル−LysB28ProB29ヒトインスリン;B30−N−ミリストイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B30−N−パルミトイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29−N−(N−パルミトイル−Y−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(N−リトコリル−Y−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)−des(B30)ヒトインスリン、およびB29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンである。
【0134】
エキセンジン−4は、たとえば、H−His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−Met−Glu−Glu−Glu−Ala−Val−Arg−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Pro−Ser−NH2配列のペプチドであるエキセンジン−4(1−39)を意味する。
【0135】
エキセンジン−4誘導体は、たとえば、以下のリストの化合物:
H−(Lys)4−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)5−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);または
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
(ここで、基−Lys6−NH2が、エキセンジン−4誘導体のC−末端に結合していてもよい);
【0136】
または、以下の配列のエキセンジン−4誘導体:
H−(Lys)6−desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
desAsp28Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
H−desAsp28Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
desMet(O)14,Asp28Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Lys6−desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
H−desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(S1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2;
または前述のいずれか1つのエキセジン−4誘導体の薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物
から選択される。
【0137】
ホルモンは、たとえば、ゴナドトロピン(フォリトロピン、ルトロピン、コリオンゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロピン(ソマトロピン)、デスモプレシン、テルリプレシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、ロイプロレリン、ブセレリン、ナファレリン、ゴセレリンなどの、Rote Liste、2008年版、50章に列挙されている脳下垂体ホルモンまたは視床下部ホルモンまたは調節性活性ペプチドおよびそれらのアンタゴニストである。
【0138】
多糖類としては、たとえば、グルコサミノグリカン、ヒアルロン酸、ヘパリン、低分子量ヘパリン、もしくは超低分子量ヘパリン、またはそれらの誘導体、または上述の多糖類の硫酸化形態、たとえば、ポリ硫酸化形態、および/または、薬学的に許容されるそれらの塩がある。ポリ硫酸化低分子量ヘパリンの薬学的に許容される塩の例としては、エノキサパリンナトリウムがある。
【0139】
抗体は、基本構造を共有する免疫グロブリンとしても知られている球状血漿タンパク質(約150kDa)である。これらは、アミノ酸残基に付加された糖鎖を有するので、糖タンパク質である。各抗体の基本的な機能単位は免疫グロブリン(Ig)単量体(1つのIg単位のみを含む)であり、分泌型抗体はまた、IgAなどの2つのIg単位を有する二量体、硬骨魚のIgMのような4つのIg単位を有する四量体、または哺乳動物のIgMのように5つのIg単位を有する五量体でもあり得る。
【0140】
Ig単量体は、4つのポリペプチド鎖、すなわち、システイン残基間のジスルフィド結合によって結合された2つの同一の重鎖および2本の同一の軽鎖から構成される「Y」字型の分子である。それぞれの重鎖は約440アミノ酸長であり、それぞれの軽鎖は約220アミノ酸長である。重鎖および軽鎖はそれぞれ、これらの折り畳み構造を安定化させる鎖内ジスルフィド結合を含む。それぞれの鎖は、Igドメインと呼ばれる構造ドメインから構成される。これらのドメインは約70〜110個のアミノ酸を含み、そのサイズおよび機能に基づいて異なるカテゴリー(たとえば、可変すなわちV、および定常すなわちC)に分類される。これらは、2つのβシートが、保存されたシステインと他の荷電アミノ酸との間の相互作用によって一緒に保持される「サンドイッチ」形状を作り出す特徴的な免疫グロブリン折り畳み構造を有する。
【0141】
α、δ、ε、γおよびμで表される5種類の哺乳類Ig重鎖が存在する。存在する重鎖の種類により抗体のアイソタイプが定義され、これらの鎖はそれぞれ、IgA、IgD、IgE、IgGおよびIgM抗体中に見出される。
【0142】
異なる重鎖はサイズおよび組成が異なり、αおよびγは約450個のアミノ酸を含み、δは約500個のアミノ酸を含み、μおよびεは約550個のアミノ酸を有する。各重鎖は、2つの領域、すなわち定常領域(C)と可変領域(V)を有する。1つの種において、定常領域は、同じアイソタイプのすべての抗体で本質的に同一であるが、異なるアイソタイプの抗体では異なる。重鎖γ、α、およびδは、3つのタンデム型のIgドメインと、可撓性を加えるためのヒンジ領域とから構成される定常領域を有し、重鎖μおよびεは、4つの免疫グロブリン・ドメインから構成される定常領域を有する。重鎖の可変領域は、異なるB細胞によって産生された抗体では異なるが、単一B細胞またはB細胞クローンによって産生された抗体すべてについては同じである。各重鎖の可変領域は、約110アミノ酸長であり、単一のIgドメインから構成される。
【0143】
哺乳類では、λおよびκで表される2種類の免疫グロブリン軽鎖がある。軽鎖は2つの連続するドメイン、すなわち1つの定常ドメイン(CL)および1つの可変ドメイン(VL)を有する。軽鎖のおおよその長さは、211〜217個のアミノ酸である。各抗体は、常に同一である2本の軽鎖を有し、哺乳類の各抗体につき、軽鎖κまたはλの1つのタイプのみが存在する。
【0144】
すべての抗体の一般的な構造は非常に類似しているが、所与の抗体の固有の特性は、上記で詳述したように、可変(V)領域によって決定される。より具体的には、各軽鎖(VL)について3つおよび重鎖(HV)に3つの可変ループが、抗原との結合、すなわちその抗原特異性に関与する。これらのループは、相補性決定領域(CDR)と呼ばれる。VHドメインおよびVLドメインの両方からのCDRが抗原結合部位に寄与するので、最終的な抗原特異性を決定するのは重鎖と軽鎖の組合せであり、どちらか単独ではない。
【0145】
「抗体フラグメント」は、上記で定義した少なくとも1つの抗原結合フラグメントを含み、そのフラグメントが由来する完全抗体と本質的に同じ機能および特異性を示す。パパインによる限定的なタンパク質消化は、Igプロトタイプを3つのフラグメントに切断する。1つの完全なL鎖および約半分のH鎖をそれぞれが含む2つの同一のアミノ末端フラグメントが、抗原結合フラグメント(Fab)である。サイズが同等であるが、鎖間ジスルフィド結合を有する両方の重鎖の半分の位置でカルボキシル末端を含む第3のフラグメントは、結晶可能なフラグメント(Fc)である。Fcは、炭水化物、相補結合部位、およびFcR結合部位を含む。限定的なペプシン消化により、Fab片とH−H鎖間ジスルフィド結合を含むヒンジ領域の両方を含む単一のF(ab’)2フラグメントが得られる。F(ab’)2は、抗原結合に対して二価である。F(ab’)2のジスルフィド結合は、Fab’を得るために切断することができる。さらに、重鎖および軽鎖の可変領域は、縮合して単鎖可変フラグメント(scFv)を形成することもできる。
【0146】
薬学的に許容される塩は、たとえば、酸付加塩および塩基性塩である。酸付加塩としては、たとえば、HClまたはHBr塩がある。塩基性塩は、たとえば、アルカリまたはアルカリ土類金属、たとえば、Na+、またはK+、またはCa2+から選択されるカチオン、または、アンモニウムイオンN+(R1)(R2)(R3)(R4)(式中、R1〜R4は互いに独立に:水素、場合により置換されたC1〜C6アルキル基、場合により置換されたC2〜C6アルケニル基、場合により置換されたC6〜C10アリール基、または場合により置換されたC6〜C10ヘテロアリール基を意味する)を有する塩である。薬学的に許容される塩のさらなる例は、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」17版、Alfonso R.Gennaro(編)、Mark Publishing Company、Easton、Pa.、U.S.A.、1985およびEncyclopedia of Pharmaceutical Technologyに記載されている。
【0147】
薬学的に許容される溶媒和物は、たとえば、水和物である。
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