(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明の1つ以上の具体的実施形態について以下で記述する。これらの記述された実施形態は、単に本発明の一例にすぎない。さらに、これらの例示的実施形態の簡潔な記述を提供するために、明細書中では実際の実施の全ての特徴が記述されていない場合がある。任意のエンジニアリング又は設計プロジェクトの場合のように、このような実際の実施のいずれの開発においても、実施に応じて変動し得るシステム関連及びビジネス関連の制約条件に対する適合などの開発者の具体的最終目的を達成するためには、数多くの実施特定的な決定を下す必要がある、ということを認識すべきである。その上、このような開発努力は、複雑でかつ時間のかかるものである可能性があるが、それでも本開示の利益を有する当業者にとっては、設計、製作及び製造の日常的取組みであると考えられる、ということも認識すべきである。
【0007】
一部の構成においては、ディフューザにはその効率を高めるように構成された一連の羽根が含まれている。一部のディフューザは、三次元翼形羽根又は二次元カスケード型羽根を含んでいてよい。翼形羽根は、より大きい最大効率を提供するものの、サージ流れ及びチョーク流れ様式内での性能は低下する。対照的に、カスケード型羽根は、翼形羽根に比べサージ流れ及びチョーク流れ性能の増強を提供するが、最大効率は低減される結果となる。
【0008】
本開示の実施形態は、インペラからの流れ変動と整合するように特に構成された三次元非翼型ディフューザ羽根を利用することによって、ディフューザ効率を増大させ、サージ流れ及びチョーク流れの損失を低減させ得る。一部の実施形態では、各ディフューザ羽根は、テーパ状前縁、テーパ状後縁、及び前縁と後縁の間に延在する一定厚区分とを含む。一定厚区分の長さは、ディフューザ羽根の弦長のおよそ50%超であってよい。前縁の曲率半径、後縁の曲率半径及び弦長は、ディフューザ羽根のスパンに沿って変化するように構成されてよい。このようにして、ディフューザ羽根はインペラからの軸流変動を補償するように特に調整され得る。さらなる構成においては、ディフューザ羽根のキャンバ角を、スパンに沿って変動するように構成してもよい。他の実施形態では、羽根のスパンに沿ってディフューザ羽根の前縁及び/又は後縁の円周方向位置を変化させることができるようにする場合もある。このような調整は、特定のインペラの流動特性と一致するように調整され、それにより効率を増大させサージ流れとチョーク流れの損失を減少させる非翼形羽根構成を容易にすることができる。
【0009】
しかしながら、本明細書中で記述されている三次元ディフューザ羽根は、従来の5軸(例えば、x、y、z、回転及び傾斜)機械加工技術を用いた製造用として特に好適なものでないかもしれない。詳細には、ディフューザ羽根の複雑な三次元輪郭は、二次元断面形状の直線押出しが通常関与する従来の技術を用いて機械加工するのが困難な場合がある。したがって、以下でさらに詳述する通り、ディフューザ羽根は、ディフューザプレートから取外し可能なものとして設計され得、こうして取外し可能なディフューザ羽根をディフューザプレートと別個に機械加工することが可能になる。しかしながら、ディフューザプレートと別個に製造される取外し可能なディフューザ羽根を伴う開示された実施形態においては、取外し可能なディフューザ羽根は、機械加工の後にディフューザプレートに取付けられてよい。以下で記述される通り、一部の実施形態において、取外し可能なディフューザ羽根は、様々な締結装置及びダウエルピンを用いてディフューザプレートに取付けるように構成されてよい。他の実施形態において、取外し可能ディフューザ羽根は、ディフューザプレート上の溝内に挿入されているように構成されているタブ付き端部を有していてよい。さらに他の実施形態において、これらのタブ/溝実施形態を延長させてディフューザプレート内にスロットを含み入れてよく、取付け前にこのスロット内にタブ付きディフューザ羽根を滑り込ませることができる。
【0010】
図1は取外し可能な羽根を伴うディフューザを用いる圧縮機システム10の例示的実施形態の斜視図である。圧縮機システム10は一般に、様々な利用分野でガスを圧縮するように構成されている。例えば、圧縮機システム10は、自動車産業、エレクトロニクス産業、航空宇宙産業、石油・ガス産業、発電産業、石油化学工業などに関係する利用分野において使用可能である。さらに、圧縮機システム10は、一部の腐食性元素を含有する可能性のある埋立地ガスを圧縮するために利用することもできる。例えば、埋立地ガスは、炭酸、硫酸、二酸化炭素などを含有し得る。
【0011】
一般に、圧縮機システム10は、流入ガスの圧力を上昇させる(例えば圧縮する)ように構成されている1つ以上の遠心ガス圧縮機を含む。より具体的には、示されている実施形態は、Cameron of Houston、Texas製のTurbo−Air9000を含む。ただし、他の遠心圧縮機システムが、取外し可能な羽根を伴うディフューザを使用する場合もある。一部の実施形態において、圧縮機システム10は、およそ111kW(およそ150馬力(hp))〜およそ2240kW(およそ3000馬力(hp))の出力定格、およそ550〜およそ1030kPa(一平方インチあたりおよそ80〜150ポンド(psig))の吐出圧力そして毎分およそ17〜430立方メートル(およそ600〜15000立方フィート(cfm))の出力容量を含む。図示された実施形態は、取外し可能な羽根を伴うディフューザを使用できる数多くの圧縮機配置のうちの1つのみを含んでいるが、圧縮機システム10の他の実施形態は、他の様々な圧縮機配置及び動作パラメータを含んでいてよい。例えば、圧縮機システム10は、異なるタイプの圧縮機、より低い出力容量及び/又はより低い圧力差を有する利用分野に適したより低い馬力定格、より高い出力容量及び/又はより高い圧力差を有する利用分野に適したより高い馬力定格などを含む場合がある。
【0012】
図示された実施形態において、圧縮機システム10は、制御パネル12、駆動ユニット14、圧縮機ユニット16、中間冷却器18、潤滑システム20及び共通ベース22を含む。共通ベース22は一般に、圧縮機システム10の単純化された組立て及び設置を提供する。例えば、制御パネル12、駆動ユニット14、圧縮機ユニット16、中間冷却器18、及び潤滑システム20は、共通ベース22に結合される。こうして、予備組立てされかつ/又は現場で組立てされるモジュール式構成要素としての圧縮機システム10の設置及び組立てが可能となる。
【0013】
制御パネル12は、圧縮機システム10の動作を監視し調節するように構成された様々な装置及び制御機器を含む。例えば、一実施形態において、制御パネルは、システム出力を制御するためのスイッチ、及び/又は圧縮機システム10の動作パラメータを標示する数多くの装置(例えば液晶ディスプレー及び/又は発光ダイオード)を含む。他の実施形態において、制御パネル12は、高度な機能、例えばプログラマブル論理制御装置(PLC)などを含む。
【0014】
駆動ユニット14は、一般に、圧縮機システム10に原動力を提供するように構成された装置を含む。駆動ユニット14は、典型的には回転する駆動ユニットシャフトの形で、流入ガスを圧縮するために用いられるエネルギーを提供する目的で利用される。一般に、回転する駆動ユニットシャフトは、圧縮機ユニット16の内部メカニズムに結合され、駆動ユニットシャフトの回転は、流入ガスを圧縮するインペラの回転へと形を変える。図示されている実施形態において、駆動ユニット14は、駆動ユニットシャフトに回転トルクを提供するように構成されている電動機を含む。他の実施形態において、駆動ユニット14は、圧縮点火(例えばディーゼル)エンジン、火花点火(例えば内燃)エンジン、ガスタービンエンジンなどの他の原動装置を含んでいてよい。
【0015】
圧縮ユニット16は典型的には、駆動ユニットシャフトに結合されているギアボックス24を含む。ギアボックス24は一般に、駆動ユニット14からの原動力(例えば駆動ユニットシャフトの回転)を圧縮機段のインペラに分配するために利用される様々な機構を含む。例えば、システム10の動作中、駆動ユニットシャフトの回転は、内部歯車装置を介して、第1の圧縮機段26、第2の圧縮機段28そして第3の圧縮機段30の様々なインペラに送出される。図示されている実施形態において、ギアボックス24の内部歯車装置は典型的に、インペラに対して回転トルクを送出する駆動シャフトに結合されたブルギアを含む。
【0016】
このようなシステム(例えば駆動ユニット14が、インペラに回転トルクを送出する駆動シャフトに間接的に結合されている場合)は一般に、間接駆動システムと呼ばれるということが認識される。一部の実施形態において、間接駆動システムは、1つ以上のギア(例えばギアボックス24)、クラッチ、変速装置、ベルト駆動機構(例えばベルトと滑車)、又は他のあらゆる間接的結合技術を含み得る。しかしながら、圧縮機システム10の別の実施形態には、直接駆動システムが含まれていてよい。直接駆動システムを使用する実施形態において、ギアボックス24と駆動ユニット14は、本質的に圧縮機ユニットに一体化されて、駆動シャフトに直接トルクを提供してよい。例えば、直接駆動システムにおいて、原動装置(例えば電動機)は、駆動シャフトをとり囲み、こうして直接(例えば中間歯車装置なく)駆動シャフトにトルクを付与する。したがって、直接駆動システムを用いる実施形態においては、圧縮機ユニット16の各段において1つ以上の駆動シャフト及びインペラを駆動するために、多数の電動機を使用する可能性がある。
【0017】
ギアボックス24は、システム10の高い信頼性とメンテナンスの簡略化を提供する特徴を含んでいる。例えば、ギアボックス24は、性能を高めるために一体として鋳造された多段設計を含んでいてよい。換言すると、ギアボックス24は、典型的にシステムに付随する組立て及びメンテナンスの懸念を削減する上で一助となる3つのスクロールの全てを含む単一の鋳造物を含んでいてよい。さらに、ギアボックス24は、ギアボックス24の内部に配置された構成要素を容易に取出し点検するための水平に分割したカバーを含んでいてよい。
【0018】
以上で簡単に論述した通り、圧縮機ユニット16は一般に、直列に流入ガスを圧縮する1つ以上の段を含む。例えば、図示されている実施形態において、圧縮機ユニット16は、第1段圧縮機26、第2段圧縮機28及び第3段圧縮機30を含む3つの圧縮段(例えば3段圧縮機)を含む。圧縮機段26、28及び30の各々は、取外し可能な羽根を伴うガスインペラ及び付随するディフューザを包含するハウジングを含む遠心スクロールを含む。動作中、流入ガスは各々の圧縮機段26、28及び30内に連続的に移行してから、高圧で放出される。
【0019】
システム10の動作には、圧縮機入口32を介して矢印34の方向に第1段圧縮機26内にガスを引き込むことが含まれる。図示されている通り、圧縮機ユニット16は同様に案内羽根36をも含んでいる。案内羽根36は、ガスが第1の圧縮機段26に入るにつれてガスの流れを誘導するため他の機構と羽根を含む。例えば、案内羽根36は、第1の圧縮機段26のインペラと同じ方向で入口空気流に対して渦運動を付与し、こうして、流入ガスの圧縮を目的とするインペラにおける作業入力(work input)を削減する上で一助となる。
【0020】
ガスが圧縮機入口32を介してシステム10内に引き込まれた後、第1段圧縮機26は、圧縮を行ない、圧縮ガスを第1のダクト38を介して放出する。第1のダクト38は、圧縮ガスを、中間冷却器18の第1段40内に送る。第1の圧縮機段26から吐出された圧縮ガスは、第1段中間冷却器40を通って誘導され、第2のダクト42を介して中間冷却器18から放出される。
【0021】
一般に、中間冷却器18の各段は、圧縮ガスを冷却するための熱交換器システムを含む。一実施形態において中間冷却器18は、中間冷却器18内部の熱交換要素上を通過するにつれて圧縮ガスから熱を効果的に除去するウオータ・イン・チューブ(water−in−tube)設計を含む。ガス温度を低下させ後続する各圧縮段の効率を改善するため、各々の圧縮機段の後に、中間冷却器が具備される。例えば、図示された実施形態において、第2のダクト42は、圧縮ガスを第2の圧縮機段28及び中間冷却器18の第2段44の中に送り込んだ後、ガスを第3の圧縮機段30に送る。
【0022】
第3段30がガスを圧縮した後、圧縮ガスは圧縮機放出口46を介して放出される。図示された実施形態において、圧縮ガスは、中間冷却ステップ(例えば第3の中間冷却器段を通過すること)無く、第3段圧縮機30から放出口46まで送られる。しかしながら、圧縮機システム10の他の実施形態は、圧縮ガスが第3の圧縮機段30を退出する時にそれを冷却するように構成された第3の中間冷却器段又は類似の装置を含んでいてよい。さらに、所望の利用分野(例えば乾燥の利用分野)で使用するために圧縮ガスを効果的に送るように、追加のダクトを放出口46に結合してもよい。
【0023】
図2は、
図1の圧縮機システム10内の第1の圧縮機段26の例示的実施形態の断面図である。しかしながら、第1の圧縮機段26の構成要素は、単に圧縮機段26、28、及び30のいずれかを例証しているにすぎず、事実、単段圧縮機システム10内の構成要素を表わすものであり得る。
図2に示されている通り、第1の圧縮機段26は、なかでも、インペラ48、シールアセンブリ50、軸受アセンブリ52、軸受アセンブリ52内の2つの軸受54、及びピニオンシャフト56を含んでいてよい。一般に、シールアセンブリ50と軸受アセンブリ52は、ギアボックス24の内部に常在する。2つの軸受54は、インペラ48の回転を駆動するピニオンシャフト56のための支持を提供する。
【0024】
一部の実施形態において、
図1の駆動ユニット14により駆動される駆動シャフト58は、中心軸62を中心としてブルギア60を回転させるために使用されてよい。ブルギア60は、ピニオン噛合64を介して第1の圧縮機段26のピニオンシャフト56と噛合ってよい。事実上、ブルギア60は、ピニオン噛合64を介して第2及び第3の圧縮機段28、30と結びつけられた別のピニオンシャフトとも噛合っていてよい。中心軸62を中心とするブルギア60の回転は、ピニオンシャフト56を第1段の軸66を中心として回転させ、インペラ48を第1段の軸66を中心として回転させ得る。以上で論述した通り、ガスは矢印34で示されているように圧縮機入口32に進入してよい。インペラ48の回転は、ガスを圧縮させ、矢印68により示されているように半径方向に誘導する。圧縮ガスがスクロール70を通って退出するにつれて、圧縮ガスはディフューザ72を横断して誘導され、このディフューザがインペラ48からの高速流体流を高圧流に転換する(例えば、動的ヘッドを圧力ヘッドに転換)。
【0025】
図3は、
図1の圧縮機システム10の一部の構成要素を示す分解組立図である。詳細には、
図3は、圧縮機入口32から取外された第1の圧縮機段26の入口アセンブリ74と、図示されているピニオンシャフト56に取付けられているディフューザ48を中心にして半径方向に位置設定された取外し可能な羽根76を伴うディフューザ72とを示している。さらに、軸受アセンブリ52の軸受54も同様に示されている。以上で記述した通り、ピニオンシャフト56がディフューザ48を回転させるにつれて、入口アセンブリ74を通って進入するガスは、ディフューザ48によって圧縮され、第1の圧縮機段26の第1のダクト38を通して放出される。第1のダクト38を通って放出される前に、圧縮ガスは、ディフューザ72を横断して誘導される。
【0026】
図4は、加圧流体流を出力するように構成された遠心圧縮機システム10の構成要素の斜視図である。具体的には、遠心圧縮機システム10は、多数のブレード78を有するインペラ48を含む。外部源(例えば電動機、内燃機関など)によりインペラ48が回転駆動されるにつれて、ブレード78内に進入する圧縮可能流体は、インペラ48のまわりに配置されたディフューザ72に向かって加速される。一部の実施形態においては、ディフューザ72に直接隣接してシュラウド(図示せず)が位置づけされ、インペラ48からディフューザ72まで流体流を誘導するのに役立つ。ディフューザ72は、インペラ48からの高速流体流を高圧流に転換する(例えば動的ヘッドを圧力ヘッドに転換する)ように構成されている。
【0027】
本実施形態において、ディフューザ72は、環状構成でプレート80に結合されたディフューザ羽根76を含む。羽根76は、ディフューザ効率を増大させるように構成される。以下で詳述するように、各羽根76は、前縁区分、後縁区分及び前縁区分と後縁区分の間に延在する一定厚区分を含み、こうして非翼形羽根76を形成している。羽根76の特性は、インペラ48から吐出される流体流と特に整合する三次元配置を確立するように構成されている。インペラ出口流と一致するように三次元非翼形羽根76の輪郭を形成することにより、ディフューザ72の効率を、二次元カスケードディフューザに比べて増大させてよい。さらに、三次元翼型ディフューザと比べて、サージ流れ及びチョーク流れ損失が削減されるかもしれない。
【0028】
図5は、インペラ48から吐出される流体流を示す、ディフューザ72の部分的軸線方向図である。図示されている通り、各羽根76は、前縁82及び後縁84を含む。以下で詳述する通り、インペラ48からの流体流は前縁82から後縁84まで流れ、こうして動的圧力(すなわち流速)は静的圧力(すなわち加圧流体)へと転換させられる。本実施形態において、各々の羽根76の前縁82はプレート80の円周方向軸88との関係において一定の角度86をなして配向されている。円周方向軸88は、環状プレート80の曲率に従がう。したがって、角度86が0度の場合、プレート80の曲率に対し実質的に接線方向に配向された前縁82が結果としてもたらされるものと考えられる。一部の実施形態において、角度86は、およそ0〜60、5〜55、10〜50、15〜45、15〜40、15〜35又は約10〜30度であってよい。本実施形態において、各羽根76の角度86は、およそ17〜24度の間で変化し得る。しかしながら、代替的構成では、円周方向軸88との関係において異なる配向を有する羽根76が使用されてよい。
【0029】
図示されている通り、流体流90はインペラ48から円周方向88と半径方向92の両方に退出する。具体的には、流体流90は、円周方向軸88との関係において角度94で配向される。ここでわかるように、角度94は、いくつかある要因の中でも特にインペラ構成、インペラ回転速度及び/又は遠心圧縮機システムを通る流量に基づいて変化し得る。本構成においては、羽根76の角度は特に、インペラ48からの流体流90の方向と整合するように構成されている。ここでわかるように、前縁角度86と流体流角度94の差は、入射角として定義づけされ得る。本実施形態の羽根76は、入射角を実質的に削減して、遠心圧縮機システム10の効率を増大させるように構成されている。
【0030】
前述の通り、羽根76は、実質的に環状の配置でプレート80のまわりに配置されている。円周方向80に沿った羽根76の間の間隔どり96は、速度ヘッドから圧力ヘッドへの効率の良い転換を提供するように構成され得る。本構成では、羽根76間の間隔どり96は、実質的に等しい。しかしながら、変形実施形態では、不均等なブレード間隔を用いてもよい。
【0031】
各々の羽根76は、圧力表面98と吸引表面100を含む。ここでわかるように、流体が前縁82から後縁84まで流れるにつれて、高圧領域が圧力表面98に隣接して誘発され、比較的低圧の領域が吸引表面100に隣接して誘発される。これらの圧力領域はインペラ48からの流れの場に影響を及ぼし、それにより無翼ディフューザに比べて流れの安定性及び効率を増大させる。本実施形態において、各々の三次元非翼形羽根76は、インペラ48の流動特性と整合させて、サージ流れ及びチョーク流れ様式内での効率の増加及び損失の低下を提供するように、特に構成されている。
【0032】
図6は、ディフューザ羽根の断面形状を示す遠心圧縮機ディフューザ72の子午面図である。各々の羽根76は、プレート80とシュラウド(図示せず)の間に軸線方向102に沿って延在し、スパン104を形成する。具体的には、スパン104は、シュラウド側面上の羽根先端部106とプレート側面上の羽根根元108によって画定される。以下で詳述するように、弦長は、羽根76のスパン104に沿って変化するように構成されている。弦長は、羽根76に沿った特定の軸線方向位置における前縁82と後縁84の間の距離である。例えば、翼先端部106の弦長110は、羽根根元108の弦長112とは異なる可能性がある。羽根76の1つの軸線方向位置(すなわち軸線方向102に沿った位置)における弦長110は、その特定の軸線方向場所における流体流特性に基づいて選択されてよい。例えば、コンピュータモデリングによって、インペラ48からの流体速度が軸線方向102で変動することが決定されるかもしないい。したがって、各々の軸線方向位置についての弦長は、特に、流入流体速度に対応するように選択されてよい。このようにして、弦長が羽根76のスパン104に沿って実質的に一定にとどまっている構成に比べて、羽根76の効率を増大させることができる。
【0033】
さらに、前縁82及び/又は後縁84の円周方向位置(すなわち円周方向88に沿った位置)は、羽根76のスパン104に沿って変化するように構成されてよい。図示される通り、基準線114は、軸線方向102に沿って羽根先端部106の前縁82からプレート80まで延びている。スパン104に沿った前縁82の円周方向位置は、基準線114から可変的距離116だけオフセットされている。換言すると、前縁82は、円周方向88に一定であるのではなくむしろ可変的である。この構成により、スパン104に沿った羽根76の前縁82とインペラ48の間の可変的距離が確立される。例えば、インペラ48からの流体流のコンピュータシミュレーションに基づいて、スパン104に沿った各軸線方向位置について、特定の距離116を選択することができる。このようにして、一定距離116を用いる構成に比べて羽根76の効率を増大させることができる。本実施形態において、距離116は、羽根先端部106からの距離の増大に伴って増大する。変形実施形態では、前縁82がインペラ48に向かう方向に沿って基準線114を通過して延在する配置を含め、他の前縁断面形状が使用される可能性がある。
【0034】
同様にして、後縁84の円周方向位置も、羽根76のスパン104に沿って変化するように構成されてよい。図示されている通り、基準線118は、軸線方向102に沿ってプレート80から離れるように羽根根元108の後縁84から延びている。スパン104に沿った後縁84の円周方向位置は、基準線118から、可変的距離120だけオフセットされている。換言すると、後縁84は、円周方向88に一定であるのではなくむしろ可変的である。この構成により、スパン104に沿った羽根76の後縁84とインペラ48の間の可変的距離が確立される。例えば、インペラ48からの流体流のコンピュータシミュレーションに基づいて、スパン104に沿った各軸線方向位置について、特定の距離120を選択することができる。このようにして、一定距離120を用いる構成に比べて羽根76の効率を増大させることができる。本実施形態において、距離120は、羽根根元108からの距離の増大に伴って増大する。変形実施形態では、後縁84がインペラ48から離れる方向に沿って基準線118を通過して延在する配置を含め、他の後縁断面形状が使用される可能性がある。さらなる実施形態においては、前縁82の半径方向位置及び/又は後縁84の半径方向位置が、ディフューザ羽根76のスパン104に沿って変化し得る。
【0035】
図7は、
図6の線7−7に沿って切り取られた、ディフューザ羽根断面形状の上面図である。図示されている通り、羽根76は、テーパ状前縁区分122と、一定厚区分124と、テーパ状後縁区分126とを含む。一定厚区分124の厚み128は、前縁区分122と後縁区分126の間で実質的に一定である。一定厚区分124に起因して、羽根76の断面形状は、従来の翼とは整合しないものとなっている。換言すると、羽根76は、翼型ディフューザ羽根とみなされない場合がある。しかしながら、翼型ディフューザ羽根と同様、羽根76のパラメータは、特定のインペラ48からの三次元流体流と一致して流体速度を流体圧力へと効率良く転換するように、特に構成されてよい。
【0036】
例えば、前述の通り、羽根76の一つの軸線方向位置(軸線方向102に沿った位置)についての弦長は、その軸線方向場所における流動特性に基づいて選択されてよい。図示されているように、羽根先端部106の弦長110は、羽根76の先端部106におけるインペラ48からの流れに基づいて構成され得る。同様にして、テーパ状前縁区分122の長さ130は、対応する軸線方向場所における流動特性に基づいて選択されてよい。図示されているように、テーパ状前縁区分122は、一定厚区分124と前縁82の間に収束的幾何形状を確立する。ここでわかるように、テーパ状前縁区分122の基部132の所与の厚み128について、長さ130は前縁82と一定厚区分124の間の勾配を画定し得る。例えば、前縁区分122が長くなると、前縁82から一定厚区分124までの遷移はより漸進的なものとなり、一方区分122が短かくなると、遷移はより急激なものとなる可能性がある。
【0037】
さらに、一定厚区分124の長さ134及びテーパ状後縁区分126の長さ136は、特定の軸線方向部分における流動特性に基づいて選択されてよい。前縁区分122と同様、後縁区分126の長さ136は、後縁84と基部138の間の勾配を画定し得る。換言すると、後縁区分126の長さ136を調整することによって、後縁84のまわりに所望の流動特性を得ることができる。図示されている通り、テーパ状後縁区分126は、一定厚区分124と後縁の間の収束的幾何形状を確立する。一定厚区分124の長さ134は、所望の弦長110、所望の前縁区分長さ130及び所望の後縁区分長さ136を選択した結果として得ることができる。具体的には、長さ130及び136が選択された後の弦長110の残りの部分が、一定厚区分124の長さ134を画定する。一部の構成において、一定厚区分124の長さ134は、弦長110のおよそ50%、55%、60%、65%、70%、75%以上よりも大きい場合がある。以下で詳述する通り、一定厚区分124の長さ134と弦長110の間の比率は、スパン104全体を通して各々の横断面形状について実質的に等しいものであってよい。
【0038】
さらに、前縁82及び/又は後縁84は、テーパ状前縁区分122及び/又はテーパ状後縁区分126の先端部において湾曲した断面形状を含み得る。具体的には、前縁82の先端部は、流体流を前縁82のまわりに誘導するように構成された曲率半径140を有する湾曲した断面形状を含み得る。ここでわかるように、曲率半径140は、テーパ状前縁区分122の勾配に影響を及ぼし得る。例えば、所与の長さ130について、曲率半径140が大きくなると、前縁82と基部132の間により小さな勾配が確立され得、一方曲率半径が小さくなると確定される勾配は大きくなる可能性がある。同様にして、後縁84の先端部の曲率半径142は、後縁84の計算された流動特性に基づいて選択されてよい。一部の構成において、前縁82の曲率半径140は、後縁84の曲率半径142よりも大きいかもしれない。したがって、テーパ状後縁区分126の長さ136は、テーパ状前縁区分122の長さ130より大きい場合がある。
【0039】
ディフューザ72を通した流体流に影響を及ぼす別の羽根特性は、羽根76の反りである。図示されているように、反り曲線144は前縁82から後縁84まで延び、羽根断面形状の中心(すなわち圧力面98と吸引面100の間の中心線)を画定する。反り曲線144は、羽根76の湾曲した断面形状を示す。具体的には、前縁反り接線146は前縁82から延び、前縁82における反り曲線144との接線である。同様にして、後縁反り接線148は、後縁84から延び、後縁84における反り曲線144との接線である。接線146と接線148の間の交差点において反り角150が形成される。図示されている通り、羽根76の曲率が大きくなればなるほど、反り角150は大きくなる。したがって、反り角150は、羽根76の曲率又は反りの有効な測度を提供する。反り角150は、インペラ48からの流動特性に基づく動的ヘッドから圧力ヘッドへの効率の良い転換を提供するように選択されてよい。例えば、反り角150は、およそ0、5、10、15、20、25、30度超であってよい。
【0040】
反り角、前縁82の曲率半径140、後縁84の曲率半径142、テーパ状前縁区分122の長さ130、一定厚区分の長さ134、テーパ状後縁区分126の長さ136、及び/又は弦長110は、羽根76のスパン104に沿って変化し得る。具体的には、上述のパラメータの各々は、対応する軸線方向場所における計算上の流動特性に基づいて、各々の軸線方向断面について特定的に選択され得る。このようにして、二次元羽根(すなわち一定の横断面幾何形状をもつ羽根)に比べて増大した効率を提供する三次元羽根76(すなわち可変的横断面幾何形状をもつ羽根76)を構築することができる。さらに、以下で詳述する通り、このような羽根76を使用するディフューザ72は、広い動作流量範囲全体を通して効率を維持することができる。
【0041】
図8は、
図6の線8−8に沿って切り取られたディフューザ羽根76の横断面である。以上で論述した断面形状と同様に、この羽根区分は、テーパ状前縁区分122と、一定厚区分124とテーパ状後縁区分126とを含む。しかしながら、これらの区分の構成は、この区分に対応する軸線方向場所における流動特性と一致するように改変されている。例えば、この区分の弦長152は、羽根先端部106の弦長110から変化していてよい。同様に、一定厚区分124の厚み154は、
図7の区分の厚み128と異なるものであり得る。その上、テーパ状前縁区分122の長さ156、一定厚区分124の長さ156、及び/又はテーパ状後縁区分の長さ160は、この軸線方向場所における流動特性に基づいて変化してよい。ただし、一定厚区分124の長さ158と弦長152の比率は、長さ134と弦長110の比率と実質的に等しいものであってよい。換言すると、一定厚区分長対弦長比は、羽根76のスパン104全体を通して実質的に一定にとどまってよい。
【0042】
同様にして、前縁82の曲率半径162、後縁84の曲率半径164及び/又は反り角166は、図示されている区分と
図7に示されている区分の間で変化してもよい。例えば、前縁82の曲率半径162は、インペラ48からの流体流と前縁82の間の入射角を低減させるように、特に選択されてよい。前述の通り、インペラ48からの流体流の角度は、軸線方向102に沿って変化し得る。本実施形態は、各々の軸線方向位置(すなわち軸線方向102に沿った位置)における曲率半径162の選択を容易にすることから、入射角は、羽根76のスパン104に沿って実質的に削減され得、こうして、前縁82の曲率半径162がスパン104全体を通して実質的に一定にとどまる構成に比べて、羽根76の効率は増大する。さらに、インペラ48からの流体流の速度は軸線方向102に変動し得ることから、曲率半径162及び164、弦長152、反り角166又は他のパラメータを羽根76の各々の軸線方向区分について調整することにより、ディフューザ72全体の効率を容易に増大させることができる。
【0043】
図9は、
図6の線9−9に沿って切り取られたディフューザ羽根76の断面図である。
図8の区分と同様、この区分の断面形状は、対応する軸線方向場所における流動特性と整合するように構成されている。具体的には、この区分は、
図7及び/又は
図8に示された区分の対応するパラメータとは異なるものであり得る弦長163、一定厚区分124の厚み170、前縁区分122の長さ172、一定厚区分124の長さ174、及び後縁区分126の長さ176を含む。さらに、前縁82の曲率半径178、後縁84の曲率半径180、及び反り角182も同様に、この軸線方向場所における流動特性(例えば速度、入射角など)向けに特に構成されてよい。
【0044】
図10は、
図6の線10−10に沿って切り取られたディフューザ羽根76の断面図である。
図9の区分と同様、この区分の断面形状は、対応する軸線方向場所における流動特性と整合するように構成されている。具体的には、この区分は、
図7、
図8及び/又は
図9に示された区分の対応するパラメータとは異なるものであり得る弦長112、一定厚区分124の厚み184、前縁区分122の長さ186、一定厚区分124の長さ188、及び後縁区分126の長さ190を含む。さらに、前縁82の曲率半径192、後縁84の曲率半径194、及び反り角196も同様に、この軸線方向場所における流動特性(例えば速度、入射角など)向けに特に構成されてよい。
【0045】
一部の実施形態では、各々の軸線方向区分の断面形状は、軸線方向平板の半径流構成への二次元変換に基づいて選択されてよい。このような技術には、原初の直交座標系内で流れが均一でかつ整列しているものと仮定して、直交座標系内の直線平板断面形状を曲線座標系の半径方向平面に共形変換することが関与するかもしれない。変換された座標系において、流れは、対数螺旋渦流を表わす。ディフューザ羽根76の前縁82と後縁84が同じ対数螺旋曲線上に位置づけられている場合、ディフューザ羽根76は、流れの転向を一切行なわない。所望される流れの転向は、適切な反り角を選択することによって制御され得る。直交座標系内の流れの均一性という初期仮定は、インペラ48から発せられる実際の不均一な流れの場を関与させて、計算の精度を高めるために修正される場合がある。この技術を用いて、他のいくつかのパラメータの中でも特に前縁の曲率半径、後縁の曲率半径及び/又は反り角を選択し、羽根76の効率を増大させることができる。
【0046】
図11は、ディフューザ羽根76の一実施形態を使用し得る遠心圧縮機システム10についての効率と流量の関係を示すグラフである。図示されているように、水平軸198は、遠心圧縮機システム10を通る流量を表わし、垂直軸200は効率(例えば等エントロピ効率)を表わし、曲線202は、流量の関数としての遠心圧縮機システム10の効率を表わす。曲線202は、サージ流れ領域204、高効率動作領域206及びチョーク流れ領域208を含む。ここでわかるように、領域206は、遠心圧縮機システム10の正常な動作範囲を表わす。流量が高効率範囲より低くなった場合、遠心圧縮機システム10は、サージ流れ領域204に入り、この領域内では、ディフューザ羽根76上の流体流不足が遠心圧縮機システム10内で流れの失速をひき起こして圧縮機の効率を低下させる。逆に、ディフューザ72に過剰の流体流が通過した場合、ディフューザ72は閉塞し、こうして羽根76を通過しうる流体の量が制限される。
【0047】
ここでわかるように、動作の高効率化に向けて羽根76を構成することには、高効率動作領域206内の効率を増大させることと、サージ流れ領域204及びチョーク流れ領域208内での損失を低減させることが含まれる。前述の通り、三次元翼形羽根は、高効率動作領域内で高い効率を提供するが、サージ及びチョーク流れ領域内での性能は低減される。反対に二次元カスケード型ディフューザは、サージ流れ及びチョーク流れ領域内で損失を低減させるものの、高効率動作領域内での効率は削減される。本実施形態は、インペラ48の流動特性と整合するように各々の羽根76を輪郭どりし、一定厚区分124を含み入れることによって、高効率動作領域206内では効率の増大をそしてサージ流れ及びチョーク流れ領域204及び208については損失の低下を提供し得る。例えば、一部の実施形態において、本羽根構成は、二次元カスケード型ディフューザと実質的に同等のサージ流れ及びチョーク流れ性能を提供し、その一方で高効率動作領域内の効率をおよそ1.5%増大させることができる。
【0048】
ディフューザ羽根76は、典型的にモノブロックディフューザとして製造される。換言すると、ディフューザ羽根76とプレート80は全て一体として合わせてフライス加工される。しかしながら、上述の三次元翼形羽根76を使用すると、従来の5軸(例えばx、y、z、回転及び傾斜)機械加工技術を用いてフライス加工するのがさらに困難になる可能性がある。より具体的には、二次元ディフューザ羽根72の輪郭が複雑になればなるほど、実質的に均一な横断面形状をもつ二次元ディフューザ羽根に比べて機械加工が著しく困難になる。したがって、二次元ディフューザ羽根の機械加工には直線押出し加工しか必要とされないが、これは、本明細書中で記述されている三次元ディフューザ羽根76の場合に不可能であり得る。
【0049】
したがって、三次元ディフューザ羽根76は、ディフューザプレート80とは別個に機械加工され得、個々のディフューザ羽根76は、ディフューザ羽根76とディフューザプレート80が個別に機械された後、ディフューザプレート80に取付けられる。取外し可能な羽根76の使用は、ディフューザ羽根76の三次元形状の機械加工の問題を削減するのみならず、2つの機械加工済み表面(例えばディフューザ羽根76とディフューザハブ80)が遭遇する場所で作り出される凹形の隅であるフィレットの存在を削減又は削除する。フィレットの存在の削減又は削除は、空気力学上の理由から有利である。
【0050】
しかしながら、ディフューザ羽根76とディフューザプレート80を互いに別個に機械加工することで、ディフューザ羽根76はディフューザプレート80に別個に取付けられる結果となる。取外し可能なディフューザ羽根76は、任意の数の適切な締結技術を用いてディフューザプレート80に取付けられてよい。例えば、
図12は、ディフューザプレート80及び、締結装置210とダウエルピン212を介してディフューザプレート80に取付けられるように構成されたディフューザ羽根76の部分的分解組立斜視図である。図示されているように、一部の実施形態においては、各ディフューザ羽根76について、ディフューザプレート80は、ディフューザプレート80全体を貫通して延在する1つ以上の締結穴214を有していてよい。締結装置210(例えば、ネジ、ボルトなど)は、ディフューザプレート80の底面側216から、ディフューザ羽根76が取付けられるディフューザプレート80の上面側218まで、それぞれの締結穴214を通して挿入され得る。こうして、一部の実施形態では、締結装置210は締結穴214内部のネジ山と嵌合するように構成されていない場合がある。むしろ、締結装置210上のネジ山220の外径は、一般に締結穴214の内径よりも小さく、締結装置210がそれぞれの締結穴214の中を通過できるようになっていてよい。しかしながら、締結装置210のネジ山220は、ディフューザ羽根76の底面側224内に延在するそれぞれの締結穴222の内ネジと嵌合するように構成されている。
【0051】
図13は、
図12のディフューザ羽根76の底面図である。図示されているように、締結穴222は、ディフューザ羽根76の底面側224内に延在する。同様に図示されているように、1つ以上の整列穴226が、ディフューザ羽根76の底面側224内に延在していてよい。図示された実施形態において、整列穴226は、締結穴222群の相対する側(例えばディフューザ羽根76の前縁82に向かう側と後縁84に向かう側)に位置設定されている。しかしながら、他の実施形態では、整列穴226は、代案として締結穴222の間に位置設定されてよい。実際、締結穴222と整列穴226は、相互間で任意のパターンで位置設定されてよい。
【0052】
ここで
図12に戻ると、整列穴226は、ダウエルピン212と嵌合するように構成され得る。さらに、ダウエルピン212は同様に、ディフューザプレート80の上面側218にある整列穴228と嵌合するように構成されていてよい。ただし、締結穴214とは異なり、整列穴228はディフューザプレート80を貫通して延在しない。むしろ、整列穴228はディフューザプレート80の上面側218内に部分的に延在しているにすぎない。したがって、ダウエルピン212は、ディフューザプレート80との関係においてディフューザ羽根76を整列させるために使用され得る。より具体的には、ダウエルピン212も整列穴226、228も、一部の実施形態においてディフューザプレート80に直接ディフューザ羽根76を取付けるためのネジ山を含んでいない。むしろ、ダウエルピン212は、ディフューザ羽根76がディフューザプレート80との関係において所定の場所に確実にとどまるようにするために使用される。一部の実施形態において、ダウエルピン212は、平滑な円筒形シャフトであり得る。ただし、他の実施形態では、ダウエルピン212のために異なる幾何形状を使用してもよい。さらに、ダウエルピン212(ならびに本明細書で記述されている様々な締結装置)は全て互いに同じ形状のものでなくてもよい。例えば、一部の実施形態において、ディフューザ羽根76の前縁82側では比較的大きいダウエルピン212を使用し、一方ディフューザ羽根76の後縁84側では比較的小さいダウエルピン212を使用するか、又はその逆に使用して、ディフューザ羽根76の適切な配向を確保することもできる。
【0053】
一般に、ディフューザプレート80内の締結穴214及び整列穴228は、ディフューザ羽根76内の締結穴222及び整列穴226と整列して、締結装置210とダウエルピン212の挿入を容易にする。
図14は、
図12のディフューザプレート80の底面図である。図示されているように、各々のディフューザ羽根76について、ディフューザプレート80は、ディフューザプレート80を貫通して延在する1つ以上の締結穴214を有していてよい。さらに、一部の実施形態においては、各々の締結穴214は、
図12に示されている締結装置210のそれぞれの頭端部232を収容する皿穴のついた締結用陥凹230と結びつけられてよい。こうして、頭端部232は、表面216と同一平面で又はそれより下で、陥凹230の中に埋められてよい。
【0054】
ディフューザプレート80とディフューザ羽根76の締結穴214、222を通って延在する締結装置210は、ディフューザ羽根76がディフューザプレート80に対し直接取付けられた状態にとどまるようにし、その一方でディフューザプレート80とディフューザ羽根76の整列穴228、226を通って延在するダウエルピン212は、ディフューザプレート80との関係におけるディフューザ羽根76の整列を補助している。例えば、
図15は、所定の場所にある締結装置210とダウエルピン212とを示す、
図12のディフューザプレート80に取付けられたディフューザ羽根76の側面図である。
図12〜15には3つの締結装置210と2つのダウエルピン212を含むものとして示されているものの、各々のディフューザ羽根76について任意の適切な数の締結装置210及びダウエルピン212を使用してよい、ということを指摘しておくべきである。例えば、一部の実施形態では、1つのディフューザ羽根76につき最低1つの締結装置210と1つのダウエルピン212を使用し、1つの締結装置210がそれぞれのディフューザ羽根76をディフューザプレート80に取付け、1つのダウエルピン212がディフューザプレート80との関係におけるそれぞれのディフューザ羽根76の整列を補助することができる。しかしながら、他の実施形態では、
図12〜15で図示されているように、締結装置210及びダウエルピン212の各々を2つ以上使用してよい。例えば、一部の実施形態においては、1、2、3、4、5個以上の締結装置210及び1、2、3、4、5個以上のダウエルピンを使用してよい。さらに、一部の実施形態においては、ディフューザ羽根76とは別個のダウエルピン212を使用しなくてもよい。むしろ、ダウエルピン212は、ディフューザ羽根76の本体と一体化されていてよい。換言すると、ディフューザ羽根76は、ディフューザ羽根76の底面側224から延在するダウエルピン212を含んでいてよい。さらに、他の実施形態においては、ダウエルピン212は、ディフューザプレート80と直接一体化され(例えばディフューザプレートから機械加工され)ていてよい。その上、ディフューザプレート80とディフューザ羽根76の間の表面は、平坦であってもなくてもよい。換言すると、一部の実施形態においては、ディフューザプレート80とディフューザ羽根76の間の表面は、連結を容易にするため、楔嵌め区分(例えば雄/雌型、V字形、U字形など)を含んでいてよい。
【0055】
実際、
図12から
図15に図示されている実施形態は、使用可能な唯一の取付けタイプではない。例えば、
図16は、ディフューザプレート80及びディフューザプレート80に取付けるように構成されたタブ付きディフューザ羽根76の部分的分解組立斜視図である。より具体的には、ディフューザ羽根76は、ディフューザプレート80の上面側218で溝236と嵌合するように構成されたタブ234を含んでいる。タブ234は、フランジ又は唇状部とも呼ぶことができる。図示された実施形態において、タブ234と溝236は共に、楕円形状をしている。しかしながら、他の実施形態において、タブ236及び溝236は、他の形状、例えば短形、円形、三角形などを含み得る。
図12〜15に関して上述した実施形態とは対照的に、タブ234及び溝236の形状は、ディフューザプレート80との関係においてディフューザ羽根76を整列させ、こうして多数の締結装置及び/又はダウエルピンを用いる必要性をことごとく削減する。換言すると、タブ234と溝236は、表面218に沿って横方向の整列及び保持を提供する。
図16では対称であるものとして図示されているが、他の実施形態では、タブ234と溝236の形状は、ディフューザプレート80とのディフューザ羽根76の適切な配向を確保するため、非対称であってよい。換言すると、タブ234は、非対称的に整形され、考えられる1つの組立て配向で適切に整列された場合にのみ溝236内に嵌合されるようになっていてよい。
【0056】
実際、
図16に示されているように、タブ234をディフューザプレート80内のそれぞれの溝236の内部で軸線方向に保持するために、単一の締結装置238が使用されてよい。より具体的には、ディフューザ羽根76のタブ234は、タブ234を貫通する締結穴240を含んでいてよい。締結装置238(例えばネジ、ボルトなど)は、タブ234の上面側242からタブ234の底面側244まで、締結穴240を通って挿入され得る。一部の実施形態において、締結装置238は、締結穴240内部のネジ山と嵌合するように構成されていない。むしろ、締結装置238上のネジ山246の外径は、一般に、締結穴240の内径よりも小さく、締結装置が締結穴240内を通過できるようになっていてよい。しかしながら、締結装置238のネジ山246は、ディフューザプレート80内に延在しているもののディフューザプレート内を貫通して延在するわけではない締結穴248の内ネジと嵌合するように構成されている。
図17は、
図16のディフューザプレート80に取付けられたタブ付きディフューザ羽根76の側面図であり、ディフューザプレート80の溝236内で所定の場所にディフューザ羽根76のタブ234を保持する締結装置238を示す。タブ234と溝236の嵌合表面は、タブ234と溝236を共に保持する補助となるよう楔嵌めを作り上げるために、平坦であっても又は(例えば湾曲又は角付き、例えばV字形、U字形など)平坦でなくてもよい。
図16及び17では1つの締結装置238のみを含むものとして図示されているが、ディフューザプレート80の溝236内で所定の場所にディフューザ羽根76のタブ234を保持するために、実際は多数の締結装置238を使用することが可能である。例えば、使用される締結装置238の数は変更可能であり、1、2、3、4、5個以上の締結装置238を含み得る。
【0057】
図16及び17で図示した実施形態は、ディフューザ羽根76のタブ234が内部を摺動し得るスロットを使用するように拡大されてよい。例えば、
図18は、陥凹くぼみ250(例えばU字形くぼみ)を有するタブ付きディフューザ羽根76とディフューザプレート80の部分的分解組立斜視図である。そのため、ディフューザ羽根76のタブ234は、溝236により画定された容積内にディフューザプレート80の上面側218から延在する延長部分254(例えばU字形延長部分又は唇状部)により画定されたスロット252内に摺動するように構成されている。タブ234の陥凹くぼみ250は、タブ234が延長部分254により画定されたスロット252内に摺動した時点で延長部分254と当接してよい。例えば、
図19、
図18のディフューザプレート80の溝236の中に挿入されたタブ付きディフューザ羽根76の上面図である。
図18中で矢印256により示されているようにタブ付きディフューザ羽根76がひとたびディフューザプレート80の溝236内に挿入された時点で、タブ付きディフューザ羽根76を、矢印258により示されているように、延長部分254により画定されたスロット252内に摺動させてよい。より具体的には、ディフューザ羽根76のタブ236は、ディフューザプレート80の溝236と延長部分254の間のスロット252内に摺動し、こうして延長部分254がディフューザプレート80との関係におけるタブ付きディフューザ羽根76の軸線方向整列を補助するようになっていてよい。換言すると、延長部分254は、タブ付きディフューザ羽根76の、ディフューザプレート80の表面から離れるような軸線方向運動を阻止する。タブ付きディフューザ羽根76がひとたびスロット252内に摺動した時点で、ディフューザ羽根76のタブ234内の締結穴240は一般に、ディフューザプレート80内の締結穴248と整列し、こうして締結装置238が締結穴240、248内に挿入されて、ディフューザプレート80に対してタブ付きディフューザ羽根76を取付けるようになっていてよい。さらに、溝236の側面は、矢印260、262により図示されているようなタブ付きディフューザ羽根76の全体として半径方向の運動を阻止し得る。さらに、タブ付きディフューザ羽根76がひとたびスロット252内に摺動した時点で、タブ付きディフューザ羽根76に隣接する溝236内の空間内にインサート264が挿入されてよい。例えば、
図20は、
図18及び19のタブ付きディフューザ羽根76とディフューザプレート80の部分的分解組立斜視図であり、タブ付きディフューザ羽根76に隣接する溝236内の空間を満たすために用いられるインサート264を示す。図示されているように、締結装置266は、インサート264内の締結穴268を通ってディフューザプレート80内の締結穴270内へと挿入されて、インサート264をタブ付きディフューザ羽根76に隣接する溝236の内部にしっかりと固定することができる。したがって、インサート264は、ディフューザプレート80の表面218内の表面中断を削減し、こうして空気力学的性能を改善することができる。
【0058】
図12〜19に関連して上述された実施形態は、単なる一例にすぎず、限定的なものとして意図されていない。例えば、ディフューザプレート80の溝236内に嵌合するタブ付きディフューザ羽根76を含むものとして図示されているものの、逆の構成を使用することも可能である。換言すると、ディフューザプレート80は、ディフューザプレート80の表面から延在するタブを含んでいてよく、タブはディフューザ羽根76の底面内の陥凹溝と嵌合する。さらに、ディフューザプレート80に対し取外し可能なディフューザ羽根76を取付けるための他の締結技術を使用してもよい。例えば、一部の実施形態においては、取外し可能なディフューザ羽根76をディフューザプレート80に溶接又はろう付けしてもよい。しかしながら、これらの実施形態では、溶接は、取外し可能なディフューザ羽根76とディフューザプレート80の間にフィレット縁部を導くかもしれない。したがって、溶接によるフィレット形成を最小限におさえるための技術が利用される場合がある。例えば、一部の実施形態では、上述のものに類似したディフューザプレート80内の陥凹溝内に、取外し可能なディフューザ羽根76を挿入してよく、取外し可能なディフューザ羽根76と陥凹溝の間の空間内で溶接を行なって、溶接により作り出されるフィレット縁部を最小限におさえてもよい。
【0059】
本明細書で記述された取外し可能な三次元ディフューザ羽根76は、ディフューザ72の機械加工プロセスの複雑性を著しく低減させ得る。例えば、三次元ディフューザ羽根76とディフューザプレート80を単一のディフューザ72構成要素として機械加工することを求める代わりに、取外し可能なディフューザ羽根76として三次元ディフューザ羽根76を設計することで、ディフューザプレート80とは別個に個別ディフューザ羽根76の各々を機械加工することが可能になる。したがって、機械加工プロセス中に直面する唯一の複雑性は、個別の取外し可能な三次元ディフューザ羽根76についてのものである。さらに、本明細書中で記述された取付け技術は、ディフューザ羽根76とディフューザプレート80の当接縁部間のフィレット形成量も削減しながら、ディフューザプレート80に対する取外し可能な三次元ディフューザ羽根76の取付けを可能にする。フィレット形成の削減により、ディフューザ72の空気力学的効率は増強される。
なお、取外し可能な遠心圧縮機ディフューザ羽根を含むシステムは、取外し可能な遠心圧縮機ディフューザ羽根が、取外し可能な羽根のスパンに沿って変化する横断面形状を含んでもよい。
【0060】
本発明は様々な修正及び変形形態の対象となり得るものの、具体的実施形態が一例として図面中に示され、本明細書中で詳述されてきた。しかしながら、本発明は、開示されている特定の形態に限定されるよう意図されたものではないということを理解すべきである。むしろ、本発明は、以下の添付のクレームにより定義されている本発明の精神及び範囲内に入る全ての修正物、等価物及び代替物を網羅すべきものである。