(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6204432
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】光導波路及び統合された光導波路を有するソリッドステートライト
(51)【国際特許分類】
F21K 9/232 20160101AFI20170914BHJP
F21K 9/237 20160101ALI20170914BHJP
F21K 9/00 20160101ALI20170914BHJP
F21K 9/66 20160101ALI20170914BHJP
F21V 8/00 20060101ALI20170914BHJP
F21V 29/503 20150101ALI20170914BHJP
F21V 29/67 20150101ALI20170914BHJP
F21V 29/77 20150101ALI20170914BHJP
F21V 29/83 20150101ALI20170914BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20170914BHJP
【FI】
F21K9/232 100
F21K9/237
F21K9/00 100
F21K9/66
F21V8/00 320
F21V29/503
F21V29/67 200
F21V29/77
F21V29/83
F21Y115:10
【請求項の数】3
【外国語出願】
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-200349(P2015-200349)
(22)【出願日】2015年10月8日
(62)【分割の表示】特願2012-523645(P2012-523645)の分割
【原出願日】2010年7月27日
(65)【公開番号】特開2016-12573(P2016-12573A)
(43)【公開日】2016年1月21日
【審査請求日】2015年10月20日
(31)【優先権主張番号】12/535,203
(32)【優先日】2009年8月4日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100160716
【弁理士】
【氏名又は名称】遠藤 力
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(72)【発明者】
【氏名】レイモンド ピー.ジョンストン
(72)【発明者】
【氏名】マイケル エー.マイス
(72)【発明者】
【氏名】マーティン クリストファーセン
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン ダブリュ.リューク
(72)【発明者】
【氏名】ケイティ ビー.トンプスン
【審査官】
丸山 裕樹
(56)【参考文献】
【文献】
特表2008−510283(JP,A)
【文献】
特開2007−194132(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21K 9/23 − 9/238
F21V 29/50 − 29/83
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ライトであって、光導波路と、光源と接触して前記光源からの熱を伝導及び放散し、前記ライトを機能させる熱導波路と、を有するライトであって、
光源と、
前記光源に結合されて、前記光源からの光を受光及び分配する光導波路であって、前記光が前記光導波路の表面から出射するまで前記光が前記光導波路内で輸送される、光導波路と、
前記光導波路の少なくとも一部の体積内に存在して、前記光源からの熱伝導を提供して前記ライトを冷却する熱導波路であって、前記熱導波路は、前記光源からの熱を伝導するとともに前記熱を放散することができる固体物を備える、熱導波路と、を備え、
前記光導波路は、第1の表面、前記第1の表面の反対の第2の表面及び前記第1の表面と前記第2の表面との間の縁を有する材料を備え、前記光は、前記第1の表面又は前記第2の表面から出射し、前記ライトは、前記光導波路の内面に近接して空気の流れを提供し、
前記光源を前記光導波路の縁内の半球形又は他のタイプの窪み内に配置して、前記光を前記縁で前記光導波路に光学的に結合するライト。
【請求項2】
ライトであって、光導波路と、光源と接触して前記光源からの熱を伝導及び放散し、前記ライトを機能させる熱導波路と、を有するライトであって、
光源と、
第1の表面、前記第1の表面の反対の第2の表面及び前記第1の表面と前記第2の表面との間の縁を有する材料を備える光導波路であって、前記第2の表面は内部体積を形成し、前記光導波路は、前記光源に結合されて、前記第1の表面又は前記第2の表面を介して前記光源からの光を受光及び分配し、前記光が前記光導波路の前記第1の表面又は前記第2の表面から出射するまで前記光が前記光導波路内で輸送され、前記光源を前記光導波路の縁内の半球形又は他のタイプの窪み内に配置して、前記光を前記縁で前記光導波路に光学的に結合する、光導波路と、
前記内部体積内に少なくとも部分的に含まれ、前記光導波路の少なくとも一部の体積内に存在して、前記光源からの熱伝導を提供して前記ライトを冷却する熱導波路であって、前記熱導波路は、前記光源からの熱を伝導するとともに前記熱を放散することができる固体物を備える、熱導波路と、を備えるライト。
【請求項3】
ライトであって、光導波路と、光源と接触して前記光源からの熱を伝導及び放散し、前記ライトを機能させる熱導波路と、を有するライトであって、
光源と、
第1の表面、前記第1の表面の反対の第2の表面及び前記第1の表面と前記第2の表面との間の縁を有する材料を備える光導波路であって、前記第2の表面は内部体積を形成し、前記光導波路は、前記光源に結合されて、前記第1の表面又は前記第2の表面を介して前記光源からの光を受光及び分配し、前記光が前記光導波路の前記第1の表面又は前記第2の表面から出射するまで前記光が前記光導波路内で輸送され、前記光源を前記光導波路の縁に配置して、前記光を前記縁で前記光導波路に光学的に結合する、光導波路と、
前記内部体積内に少なくとも部分的に含まれ、前記光導波路の少なくとも一部の体積内に存在して、前記光源からの熱伝導を提供して前記ライトを冷却する熱導波路と、を備え、
前記光導波路は、前記光導波路を貫通する通気道を有するライト。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
照明のエネルギー効率は、産業界、消費者、及び建築上の照明用途において重要な検討事項となっている。ソリッドステートライト技術の進歩により、発光ダイオード(LED)は、蛍光灯と比較してエネルギー効率がより良好となっている。また、市場はエジソン電球、蛍光灯、及び高輝度放射光用の多数の確立された取付基部を有する。これらの用途タイプは、それらに特有の点光源の性質によりLEDに対して重大な技術的困難を有し、またLEDを比較的低い温度で作動させる必要がある。今日では、これらの問題に対処する、ファン、熱シンク、ヒートパイプ等を含む多数の解決法が存在している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
しかしながら、これらの手法は、複雑さ、コスト、効率損失、付加された故障モード、及び望ましくない形状因子の追加により用途が限定されている。魅力的な製造コスト及び設計にて光学的及び効率的利益を提供し得る解決法を見出す必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明と一致するライトは、光源と、光導波路と、熱導波路とを備える。光導波路は光源に結合されて、光源からの光を受光及び分配し、熱導波路は光導波路と統合されて、光源からの熱伝導を提供してライトを冷却する。
【図面の簡単な説明】
【0004】
添付の図面は、本明細書に組み込まれて本明細書の一部をなすものであって、説明文と併せて本明細書の利点と原理を説明するものである。これらの図面では、
【
図1】光導波路及び統合された熱導波路を有するソリッドステート光源を示す略図。
【
図2】光導波路シート及び同延の熱導波路を使用したソリッドステートライトの斜視図。
【
図4】光導波路シート及び二重の同延の熱導波路を使用したソリッドステートライトの斜視図。
【
図6】光を放射する外部部分と、冷却のための内部部分とを有する光導波路を使用したソリッドステートライトの断面側面図。
【
図9】能動冷却要素を有するソリッドステートライトの断面側面図。
【
図10】通気道を有する熱導波路を備えるソリッドステートライトの側面図。
【
図12】通気道を有する熱導波路を備えるソリッドステートライトの側面図。
【
図14】単一の開口を有する熱導波路を備えるソリッドステートライトの側面図。
【
図16】光抽出機構を有する光導波路140を図示する略図。
【
図17】冷却のための、又は抽出機構としての開口を有する光導波路を図示する略図。
【
図19】熱導波路用のフィンに結合する機構を形成する前の、熱拡散器(heat spreader)の上面図。
【発明を実施するための形態】
【0005】
図1は、電力回路12と、ソリッドステート光源14と、光導波路16及び統合された熱導波路18を含む熱光導波路とを有するライト10の構成要素を示す略図である。電力回路12は電源から電力を受容し、必要な電圧及び電流を提供してソリッドステート光源14を駆動し、ソリッドステート光源14は光導波路16に光学的に結合されている。詳細には、ソリッドステート光源14は光を光導波路16内へ注入し、光導波路16は光を受光及び分配する。光導波路16は、光注入、光輸送、及び光抽出ゾーン又は要素を含んで、光を分配する。熱導波路18は、光導波路16と統合されて、ソリッドステート光源14からの熱を伝導を介して引き込み、対流によって熱を放散してライト10を冷却し、また冷却のために面積及び体積の両方を効率的に利用する。熱導波路18は、熱獲得、熱拡散、及び熱放散ゾーン又は要素を含んで、ライトを冷却する。本実施形態は、光導波路と熱導波路とを統合することにより、上記に挙げたような現在のソリッドステートライトの概念の多数の限界を克服する。
【0006】
ソリッドステート光源14は、例えばLED、有機発光ダイオード(OLED)、又は他のソリッドステート光源を用いて実施することができる。所定の実施形態は、ソリッドステート光源からの均一に分配される光を提供することができる。代替的に、レンズを使用して、放射された光を集中させてもよい。例えば、所定の実施形態では、ライトは光錐又は光の幕を生成することができる。レンズは、冷却のために空気透過性を有してもよく、フレネルレンズ、プリズム構造、又は小型レンズ構造を含んでもよい。ソリッドステート光源は、装飾又は他の照明効果のために、様々な色の光を放射することができる。ソリッドステート光源14は電力回路12と電気的に接続され、電力回路12は、フレキシブル回路又は他の電気回路を含んでソリッドステート光源に電力を供給することができる。光源に電力を供給する電気回路は、調光回路及び電子装置を含んで、より所望される光の生成を補助する周波数偏移又は色偏移構成要素を制御することができ、そのような電子装置の例は、その全体が説明されるが如く参照により本明細書に組み込まれる「AC Illumination Apparatus with Amplitude Partitioning」と題され、2008年6月12日に出願された米国特許出願第12/137667号に記載されている。
【0007】
光導波路16は、例えばソリッドステート光源から光を受光し、かつ光を放射することが可能な透明又は半透明材料を用いて実施することができる。例えば、光導波路16は、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のポリアクリレート類、ポリスチレン、ガラス、又は比較的高い屈折率を有する任意の数の異なるプラスチック材料等の、光学的に好適な材料から形成されることが好ましい。光導波路は、例えば電球形、球形、円筒形、立方体形、シート形又は他の形状等の、多様な形状で構成されてもよい。更に、光導波路は、光周波数偏移発色団(chromaphore)を含み得るマトリクス材料を含んで、より所望される演色評価数を得ることができ、マトリックス安定化染料(matrix stabilized dye)の例は、その全体が説明されるが如く参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,387,458号に記載されている。
【0008】
熱導波路18は、ソリッドステート光源からの熱を伝導し、熱を放散することが可能な材料を用いて実施することができる。例えば、熱導波路は、好ましくは約1W/(m・K)〜1000W/(m・K)、より好ましくは10W/(m・K)〜1000W/(m・K)、最も好ましくは100W/(m・K)〜1000W/(m・K)の熱伝導率を有する材料を含む。熱導波路は、ソリッドステート光源からの熱を伝導を介して引き込み、対流によって熱を空気中に放散する。場合により、熱導波路の構成要素は、ヒートパイプを含んでもよい。熱導波路は光導波路と統合され、これは熱導波路がソリッドステート光源と直接又は間接的に十分接触して、ソリッドステート光源からの熱を伝導及び放散し、ライトを機能させることを意味する。例えば、熱導波路は、ソリッドステート光源からの熱を引き込んで光源の十分冷たい状態を維持し、光源を意図されるよう機能させることができる。熱導波路は、ソリッドステート光源と直接物理的に接触してもよく、又は、上部にソリッドステート光源がマウントされるリング若しくは他の構成要素等を介してソリッドステート光源と間接的に接触してもよい。熱導波路は、光導波路とも直接、又は他の構成要素を介して間接的に、物理的に接触してもよい。代替的に、熱導波路は、ソリッドステート光源からの熱を十分伝導してライトを機能させることができるならば、光導波路と物理的に接触している必要はない。したがって、熱導波路は光導波路の少なくとも一部、若しくは好ましくは主要な範囲に同延にて近接して存在し、又は内部体積を有する電球形、球形若しくは他の3次元形状の場合、光導波路の少なくとも一部若しくは好ましくは主要な体積内に存在する。
【0009】
熱導波路は、金属コーティング若しくは層、又は伝導性粒子等の熱伝導性向上材(thermal conductive enhancements)を含んで、ソリッドステート光源により生成された熱を熱導波路内へ及び熱導波路に沿って伝導することを補助してもよい。更に、熱導波路は、フィン及び微細構造等の対流性熱伝導性向上材を有して、対流性熱伝導係数を増大させてもよい。また熱導波路は光学的向上材(optical enhancement)を有して、光導波路からの光出力を向上させてもよい。例えば、熱導波路は、反射材料から形成され、又は白色塗料、研磨表面、若しくは薄い反射材料等の反射表面をその表面上に有するよう改良された材料から形成されてもよい。
【0010】
図2及び3はそれぞれ、光導波路シート24及び同延の熱導波路22を使用したソリッドステートライト20の斜視図及び側面図である。ライト20は、光導波路シート24に光学的に結合された複数のソリッドステート光源26を備える。例えば、ソリッドステート光源26は、光導波路シート24の縁内の半球形又は他のタイプの窪み内に配置され、またおそらく光学的に透明な接着剤を使用して固定されてもよい。光導波路シート24は、ソリッドステート光源26からの光を放射表面28を介して分配し、また、表面28全体に亘って実質的に均一な光の分配を提供するよう構成されてもよい。熱導波路22は光導波路24と十分に同延であり、かつ物理的に近接することにより光導波路24と統合されてソリッドステート光源26から熱を引き抜き、熱を放散して、ライト28の十分冷たい状態を維持してライト28を機能させる。
【0011】
図4及び5はそれぞれ、光導波路シート34と二重の同延の熱導波路32及び36とを使用したソリッドステートライト30の斜視図及び側面図である。ライト30は、光導波路シート34に光学的に結合された複数のソリッドステート光源38を備える。例えば、ソリッドステート光源38は、光導波路シート34の縁内の半球形又は他のタイプの窪み内に配置され、またおそらく光学的に透明な接着剤を使用して固定されてもよい。光導波路シート34は、ソリッドステート光源からの光を放射末端部40を介して分配し、また、末端部40からの光の実質的に均一な分配を提供するよう構成されてもよい。熱導波路32及び36は、光導波路34と十分に同延であり、かつ物理的に近接することにより光導波路34と統合されて、ソリッドステート光源38から熱を引き抜き、熱を放散して、ライト30の十分冷たい状態を維持してライト30を機能させる。
【0012】
ライト20及び30の場合、光導波路と同延の熱導波路は、平面形に加えて多様な形状で構成されることができる。例えば、ライト20及び30は、装飾又は他の照明効果のために円形、螺旋形、又は非平面形で形成されることができる。光導波路は、例えば、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のポリアクリレート類、ポリスチレン、ガラス、又は比較的高い屈折率を有する任意の数の異なるプラスチック材料から形成されることができる。同延の熱導波路は、例えば、光導波路上の金属コーティングとして形成されてもよい。
【0013】
図6は、光を放射するための外部部分と、冷却のための内部部分とを有する光導波路を使用したソリッドステートライト42の好ましい実施形態の断面側面図である。
図7及び8はそれぞれ、ライト42の上面図及び下面図である。ライト42は、熱導波路54と統合された光導波路52と、場合による熱拡散リング46上のソリッドステート光源とを備える。熱拡散リング46は、熱伝導により作動し、又は熱拡散リング46と関連したヒートパイプ若しくは熱サイホンを有してもよい。熱拡散リングは熱導波路に効率的に接続する要素を含み、前記要素の例としては、熱導波路に熱的に接続される屈曲フィン要素を含むリングが挙げられる。代替的に、ソリッドステート光源は、熱拡散リングを有さずに熱導波路に直接結合されてもよい。ソリッドステート光源の場合、ライト42は、例えば
図8に示すように、リング46の周囲に配置されたLED 48、50、66、68、70及び72を含むことができる。ソリッドステート光源は光導波路52に光学的に結合し、例えば光導波路52の縁内の半球形又は他のタイプの窪み内に配置され、またおそらく光学的に透明な接着剤を使用して固定されてもよい。
【0014】
基部44は、電源に接続するよう構成され、また電力回路を含んで、必要な電圧及び電流を電源から提供してソリッドステート光源を駆動することができる。基部44は、例えば、光電球ソケットと共に使用されるエジソン基部、又は従来の蛍光灯取付接続部と共に使用される基部を用いて実施することができる。通気道56及び58は、光導波路52と基部44との間に提供されて、通気道60を通した熱導波路54を横切る自由対流を提供する。
【0015】
例示的な実施形態では、熱導波路は、
図7に示すように、金属フィン54、62及び64を用いて実施される。フィンは、
図7及び8に示すように光導波路52と統合されてソリッドステート光源48、50、66、68、70、72からの熱を引き込み、空気の流れを介して熱を対流によって通気道60内に放散する。熱導波路は、場合によりヒートパイプ又は熱サイホンを含んでもよい。光導波路52は、例えば、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のポリアクリレート類、ポリスチレン、ガラス、又は比較的高い屈折率を有する任意の数の異なるプラスチック材料を用いて実施することができる。ライト42の外部部分は、ソリッドステート光源からの熱を分配及び放射するのに使用されることができ、ライト42の内部部分は、熱導波路及びソリッドステート光源の冷却に使用される。光導波路52は、
図6に示すような電球形又は他の形状で形成されてもよい。光導波路52の内部部分は、
図6に示した電球形のような所定の形状を有して内部体積を形成することができ、熱導波路は光導波路の内部体積と統合されて、ソリッドステート光源からの熱伝導を提供することができる。
【0016】
図9は、能動冷却要素88を有するソリッドステートライト74の断面側面図である。ライト74は、ライト42と同様の構造を有することができる。ライト74は、基部76と、光導波路84と、熱導波路86と、場合による熱拡散リング78上に配置されたLED80及び82等のソリッドステート光源とを備える。ファン等の能動冷却要素88は、自由対流に加えて、通気道87を通して空気を引き込んで冷却する。能動冷却要素88は、基部76を介して電源に結合されてもよく、ライト74の作動中に連続的に駆動されてもよく、又はライト74が所定の温度を超えた場合にのみ能動冷却要素88を作動させる(active)温度センサを含んでもよい。
【0017】
図10〜15は、光を放射するための外部部分と、統合された熱導波路による冷却のための内部部分とを有するソリッドステートライトの更なる構成を示す。これらは、上述したようなライト42と同様の様式で機能することができる。
図10及び11はそれぞれ、穿孔された通気道開口部を有するソリッドステートライト90の側面図及び上面図である。ライト90は、電源に接続するための基部92と、光を分配するための光導波路98と、光導波路98を通した通気道100と、光導波路98と関連した熱導波路と、を備える。熱導波路は、フィン102、リング94、及び基部92とリング94との間の穿孔部分96を含む。穿孔部分96は、通気道100を通した空気の流れを可能にする。熱導波路のフィン102は、リング94からの熱を伝導し、対流によって熱を通気道100内に放散する。
【0018】
図12及び13はそれぞれ、複数の開口を有する熱導波路を含むソリッドステートライト104の側面図及び上面図である。ライト104は、電源に接続するための基部106と、光を分配するための光導波路114と、光導波路114を通した通気道116と、光導波路114と関連した熱導波路と、を備える。熱導波路は、フィン118、リング108、及び基部106とリング108との間に複数の開口112を有する部分110を含む。開口112は、空気が通気道116を通って流れることを可能にする。熱導波路のフィン118は、リング108からの熱を伝導し、対流によって熱を通気道116内に放散する。
【0019】
図14及び15はそれぞれ、単一の開口を有する熱導波路を備えるソリッドステートライト120の側面図及び上面図である。ライト120は、電源に接続するための基部122と、光を分配するための光導波路130と、光導波路130を通した通気道132と、光導波路130と関連した熱導波路と、を備える。熱導波路は、フィン134、リング124、及び基部122とリング124との間に開口128を有する部分126を含む。開口128は、空気が通気道132を通って流れることを可能にする。熱導波路のフィン134は、リング124からの熱を伝導し、対流によって熱を通気道132内に放散する。
【0020】
図16〜18は、上述したソリッドステートライト用の光導波路のための、場合による様々な機構を示す。
図16は、光抽出機構142を有する光導波路140を図示する略図である。このような光抽出機構は、光導波路により放射される光をより大量に、又はより均一な光の分配を提供するように使用することができ、又は例えば特定の照明パターンのための光パターンの調整のような特定の光学的効果を提供することができる。抽出機構の例としては、光導波路の外面又は内面上に印刷され、又は別様に固着された光抽出材料のドット又は他の形状のパターンが挙げられる。抽出機構は、サンドブラスト又は他の技術による光導波路の外側の粗面化も含み得、また他の抽出機構は、例えば微細構造化プリズム又は小型レンズ等の、表面上に形成された微細構造化機構を含む。
【0021】
図17は、冷却用の開口146を有する光導波路144を図示する略図である。ソリッドステートライトが実質的に水平にマウントされた場合、例えば通気道60を通した、光導波路の内面に実質的に沿った空気の流れではなく、開口146が、光導波路を通して熱導波路を横切る空気の流れを提供して、対流によって冷却することができる。開口146は抽出機構としても機能することができる。
【0022】
図18は、反射層150を有する光導波路148を図示する略図である。光導波路148は、その内面上に反射層150を含むことができ、したがって光導波路148を通して分配された光の部分は、反射層150により反射され、光導波路の内面から放射されるのではなく外面152から放射される。反射層の例は、3M Companyから入手可能なEnhanced Specular Reflective(ESR)フィルム製品である。
【0023】
図19〜22は、熱導波路のフィンをマウントする際に使用される機構を有する熱拡散器160を示す。
図19は、熱導波路用のフィンに結合する機構を形成する前の、熱拡散器160の上面図である。
図20、21及び22はそれぞれ、機構を形成した後の、熱拡散器160の上面図、側面図及び斜視図である。熱拡散器160は、上述した熱拡散リング46と同様の様式で作動することができるが、冷却フィンをマウントして熱導波路と接続するための追加の機構を有する。
【0024】
図19に示すように、熱拡散器160は、リング部分162と、三角形の形状を有する部分164、166、168及び170とを有する。製造プロセスにおいて、熱拡散器160は、1枚の金属又は他の材料から形成されてもよい。例えば、スタンピングプロセスを用いて、1枚の金属から熱拡散器160を切り取り、
図20〜22に示すように、部分164、166、168及び170をリング部分162に対して実質的に直角に屈曲して、上方突出部を形成してもよい。
【0025】
ソリッドステート光源は、熱拡散リング46上にマウントされたLEDと同様の様式で、リング部分162上にマウントされてもよい。上述したフィン等の熱導波路の冷却フィンは、はんだ付け、導電性エポキシ、クリップを介して、又は他のやり方で部分164、166、168及び170に熱的に接続され得る。この様式で、マウント機構を有する熱拡散器160は、有効に熱導波路の一部となり、1枚の材料から容易に製造することができる。三角形の形状を有する4つの部分164、166、168及び170は、例示のみを目的として図示されている。より多数又は少数の機構を使用してもよく、また機構はそれらが接続される冷却フィンの構成に応じて様々な形状を有してもよい。