特許第6204464号(P6204464)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6204464
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】長さ調節可能なコンロッド
(51)【国際特許分類】
   F02B 75/32 20060101AFI20170914BHJP
   F02B 75/04 20060101ALI20170914BHJP
   F02D 15/02 20060101ALI20170914BHJP
   F16C 7/06 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
   F02B75/32 B
   F02B75/04
   F02D15/02 Z
   F16C7/06
【請求項の数】29
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-519170(P2015-519170)
(86)(22)【出願日】2013年7月1日
(65)【公表番号】特表2015-527518(P2015-527518A)
(43)【公表日】2015年9月17日
(86)【国際出願番号】EP2013063812
(87)【国際公開番号】WO2014005984
(87)【国際公開日】20140109
【審査請求日】2016年6月10日
(31)【優先権主張番号】A50262/2012
(32)【優先日】2012年7月3日
(33)【優先権主張国】AT
(31)【優先権主張番号】A50220/2013
(32)【優先日】2013年4月2日
(33)【優先権主張国】AT
(73)【特許権者】
【識別番号】597083976
【氏名又は名称】アー・ファウ・エル・リスト・ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】AVL LIST GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】メルデ‐ツッツァイ,ヘルムート
(72)【発明者】
【氏名】ヘードゥル,ベルンハルト
(72)【発明者】
【氏名】ツルク,アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】シェフマン,ヴォルフガング
【審査官】 瀬戸 康平
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第04140091(US,A)
【文献】 米国特許第06386153(US,B1)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0129778(US,A1)
【文献】 米国特許第05724863(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02B 75/04,75/32
F02D 15/02
F16C 7/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レシプロピストンエンジン用の、少なくとも第1および第2ロッド部分(2,4)を備える長さ調節可能なコンロッド(1)であって、前記二つのロッド部分(2,4)は一体で、および/又は、互いに対してテレスコピック状に、押すことが可能であり、前記第2ロッド部分(4)はガイドシリンダ(4a)を形成し、前記第1ロッド部分(2)には、前記ガイドシリンダ(4a)内において長手方向に押すことが可能なピストン部材(3)が形成され、少なくとも1つの第1オイルダクト(10)がその内部へと開口している高圧チャンバ(4b)が前記第1および第2ロッド部分(2,4)間に延出しているコンロッド(1)において、前記二つのロッド部分(2,4)は、ロック装置(32)によって少なくとも1つの位置において互いに固定可能であり、少なくとも1つのバルブ(6)が前記第1オイルダクト(10)に配設され、前記バルブ(6)は前記コンロッド(1)のコンロッドベアリング(30)の領域に設けられている、ことを特徴とする、コンロッド(1)。
【請求項2】
前記ロック装置(32)は、前記ピストン部材(3)の横セン孔(35)において前記コンロッド(1)の長手軸心(1a)に対して横方向に変位可能に配設された可動ストップ部材(33)を含む、請求項1に記載のコンロッド(1)。
【請求項3】
前記ストップ部材(33)は、前記コンロッド(1)の前記長手軸心(1a)上の法平面(τ)に対して傾斜した少なくとも1つのくさび面(37;37a,37b)を備え、前記ピストン部材(3)のカウンタ面(39)と協働する、請求項2に記載のコンロッド(1)。
【請求項4】
前記くさび面(37)は分割構成とされ、前記横セン孔(35)の軸心(35a)の方向において互いに隣接して配置された二つの平行な部分くさび面(37a,37b)を有し、これら二つの部分くさび面の間にはショルダ(37c)が形成されている、請求項3に記載のコンロッド(1)。
【請求項5】
共に前記横セン孔(35)の軸心(35a)の方向での測定で、前記くさび面(37)の軸心方向延出部(a)、又は、少なくとも1つの部分くさび面(37a,37b)および/又は前記カウンタ面(39)が、前記ピストン部材(3)の厚み(b)よりも低く、なるように構成されている、請求項3又は4に記載のコンロッド(1)。
【請求項6】
前記ストップ部材(33)は、ストップシリンダ(40)内に変位可能に取り付けられた、あるいは、それに接続された、ストップピストン(38)を含み、前記ストップピストン(38)と前記ストップシリンダ(40)との間に圧力チャンバ(42)が形成され、この圧力チャンバ(42)に、少なくとも1つの充填セン孔(43,43a,43b)を介してオイルを供給することができる、請求項2〜5のいずれか1項に記載のコンロッド(1)。
【請求項7】
前記圧力チャンバ(42)は、少なくとも1つの排出セン孔(44,44a,44b)に流れ接続可能である、請求項6に記載のコンロッド(1)。
【請求項8】
前記横セン孔(35)は、ロッド小端部(12)を含む前記コンロッド(1)の上側三分の一部分に設けられている、請求項2〜7のいずれか1項に記載のコンロッド(1)。
【請求項9】
前記横セン孔(35)の軸心(35a)は、前記コンロッド(1)の揺動平面(ε)に対して垂直に、配置されている、請求項2〜8のいずれか1項に記載のコンロッド(1)。
【請求項10】
前記横セン孔(35)の軸心(35a)は、前記コンロッド(1)の揺動平面(ε)に配置されている、請求項2〜8のいずれか1項に記載のコンロッド(1)。
【請求項11】
前記バルブは、第1位置と第2位置とを有し、前記第1オイルダクト(10)は前記第1位置において閉じられ、前記第1オイルダクト(10)は前記第2位置において開放される、請求項1〜10のいずれか1項に記載のコンロッド(1)。
【請求項12】
前記バルブは、バルブボール(61)と、受けセン孔(62)内において軸心方向に変位可能、かつ、復元バネ(64)によって前記バルブボール(61)と共に第1位置へと変位可能で、かつ、油圧によって前記復元バネ(64)の力に抗して第2位置へと変位可能な、シリンダピン(63)とを備えるボールバルブ(60)として構成されている、請求項1〜11のいずれか1項に記載のコンロッド(1)。
【請求項13】
前記バルブは、受けセン孔(7)内において軸心方向変位可能で、復元バネ(9)によって第1位置へと変位可能で、かつ、油圧によって前記復元バネ(9)の力に抗して第2位置へと変位可能なアクチュエータピストン(6a)を備えて構成されている、請求項1〜11のいずれか1項に記載のコンロッド(1)。
【請求項14】
前記第1オイルダクト(10)は、給排ダクトとして構成されている、請求項1〜13のいずれか1項に記載のコンロッド(1)。
【請求項15】
供給ダクトとして構成された第2オイルダクト(15)が前記高圧チャンバ(4b)内へと開口し、ここに前記高圧チャンバ(4b)の方向に開口する逆止バルブ(16)が設けられている、請求項1〜14のいずれか1項に記載のコンロッド(1)。
【請求項16】
イル供給ダクト(17)が受けセン孔(7,62)内へと開口している、請求項1〜15のいずれか1項に記載のコンロッド(1)。
【請求項17】
2オイル供給ダクト(15)は、前記制御バルブ(6)の受けセン孔(7)、または、オイル供給ダクト(17)から、延出する、請求項15又は16に記載のコンロッド(1)。
【請求項18】
けセン孔(7,62)は、前記コンロッド(1)の長手軸心(1a)に対して横方向のセン孔によって形成される、請求項12〜17のいずれか1項に記載のコンロッド(1)。
【請求項19】
少なくとも1つの充填セン孔(43)が、前記制御バルブ(6)のアクチュエータピストン(6a)によって制御可能であり、前記充填セン孔(43)は前記アクチュエータピストン(6a)の第2位置において作動状態となり、前記アクチュエータピストン(6a)の第1位置において閉じられる、請求項12〜18のいずれか1項に記載のコンロッド(1)。
【請求項20】
少なくとも1つの排出セン孔(44)が、前記制御バルブ(6)のアクチュエータピストン(6a)によって制御可能であり、当該排出セン孔(44)は前記アクチュエータピストン(6a)の第1位置において作動状態となり、前記アクチュエータピストン(6a)の第2位置において閉じられる、請求項12〜19のいずれか1項に記載のコンロッド(1)。
【請求項21】
オイル圧レベルは、シリンダピン(63)又はアクチュエータピストン(6a)の第1位置において、前記シリンダピン(63)又は前記アクチュエータピストン(6a)の第2位置においてよりも低い、請求項11〜21のいずれか1項に記載のコンロッド(1)。
【請求項22】
前記少なくとも1つの位置は前記コンロッド(1)の最小長に対応する請求項1に記載のコンロッド(1)。
【請求項23】
前記可動ストップ部材(33)は復元バネ(36)の力に抗して変位可能に配設された請求項2に記載のコンロッド(1)。
【請求項24】
前記ピストン部材(3)の前記カウンタ面(39)は、前記くさび面(37;37a,37b)に対して平行に配置された請求項3に記載のコンロッド(1)。
【請求項25】
共に前記横セン孔(35)の前記軸心(35a)の方向での測定で、前記くさび面(37)の軸心方向延出部(a)、又は、少なくとも1つの前記部分くさび面(37a,37b)および/又は前記カウンタ面(39)が、前記ピストン部材(3)の厚み(b)よりも、少なくとも1/4低く、なるように構成されている、請求項5に記載のコンロッド(1)。
【請求項26】
共に前記横セン孔(35)の前記軸心(35a)の方向での測定で、前記くさび面(37)の軸心方向延出部(a)、又は、少なくとも1つの前記部分くさび面(37a,37b)および/又は前記カウンタ面(39)が、前記ピストン部材(3)の厚み(b)よりも、少なくとも1/3低く、なるように構成されている、請求項5に記載のコンロッド(1)。
【請求項27】
前記横セン孔(35)の前記軸心(35a)は、前記コンロッド(1)の前記長手軸心(1a)に対して垂直に、配置されている、請求項9又は10に記載のコンロッド(1)。
【請求項28】
前記オイル供給ダクト(17)はコンロッドベアリング(30)に流れ接続されている請求項16に記載のコンロッド(1)。
【請求項29】
スロットルポイント(28)が前記オイル供給ダクト(17)に設けられている請求項16に記載のコンロッド(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レシプロピストンエンジン、特に、内燃エンジン用の長さ調節可能なコンロッドであって、少なくとも第1および第2ロッド部分を有し、これら二つのロッド部分は一体で、および/又は、互いに対してテレスコピック状に、押すことが可能であり、前記第2ピストン部分はガイドシリンダを形成し、前記第1ロッド部分には、前記ガイドシリンダ内において長手方向に押すことが可能なピストン部材が形成され、前記第1および第2ロッド部分間には、高圧チャンバが延出し、その内部へ少なくとも1つの第1オイルダクトが開口している。
【背景技術】
【0002】
独国特許出願公開第10151517号明細書(特許文献1)は、内燃エンジンにおいて可変圧縮比を作り出すための可変長のピストン−コンロッドアセンブリを記載し、これはそれら第1および第2部分の間に収納された長さ変更機構に接続された第1部分と第2部分とを有する。前記長さ変更機構は、円錐台状に形成されたバネワッシャと、当該バネワッシャの凹面に載置されたエラストママスとを有している。
【0003】
コンロッドの長さを調節するための各油圧式テレスコピック機を備えるその他のコンロッドは、下記に示す特許文献2〜特許文献9の明細書から知られている。
【0004】
圧縮を変化させることによって、低い圧縮比で最大負荷の運転が可能となり、高い比率での部分負荷とスタートの運転が可能となる。部分負荷範囲での燃費が改善され、スタート時には、より高い圧縮比での圧縮圧が増大され、高負荷時において低率でのピーク圧が低減されて、ノッキングが防止される。
【0005】
圧縮比を調節するために、偏心ピストンピン又はクランク軸の偏心クランクピンフィレット(面取り)を利用することが知られている。更に、圧縮比を変化させるために、シリンダブロック全体を持ち上げること、又は、クランクケース内にその偏心ベアリングを備えるクランク軸ベアリング全体を下げることも知られている。
【0006】
これらの提案はすべて高度な構造および制御を必要とするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】独国特許出願公開第10151517号明細書
【特許文献2】仏国特許出願公開第2857408号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第1243773号明細書
【特許文献4】国際公開第02/10568号
【特許文献5】独国特許出願公開第19835146号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第4370901号明細書
【特許文献7】米国特許出願公開第4195601号明細書
【特許文献8】米国特許出願公開第4124002号明細書
【特許文献9】米国特許出願公開第2134995号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、これらの欠点を回避し、圧縮比を変えるための簡単で信頼性の高い解決構成を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
これは、本発明に依れば、前記二つのロッド部分を、ロック装置によって、好ましくは、前記コンロッドの最小長に対応する、少なくとも1つの位置において互いに固定可能に構成することによって達成される。
【0010】
前記可変圧縮は、ロッド長が低負荷時には増加し、高負荷時には減少するように達成される。これにより、負荷に応じて圧縮比が上下する。その結果、低負荷時には高い圧縮比によって効率を高め、高負荷時にはピーク圧が過度に高くならなくなる。調節は、内燃エンジン内の油圧を介して行われる。
【0011】
前記ピストン部材は、高負荷相においてそのボトム位置から持ち上げることができ、これによって負圧と、それによる前記高圧チャンバ内での空洞化現象を引き起こす可能性がある。
【0012】
空洞化現象を避けるために、前記二つのロッド部分は、コンロッド最小長に対応する位置において、ロック装置によって互いに対して固定される。これは、前記ロック装置が好ましくは復元バネの力に抗して前記ピストン部材の横セン孔において前記コンロッドの軸心に対して横方向に変位可能に配設された可動ストップ部材を含む場合に特に有利である。前記ストップ部材は、前記コンロッド軸心上の法平面に対して傾斜した少なくとも1つのくさび面を備えることができ、このくさび面は、好ましくは、当該くさび面に対して平行に配置された前記ピストン部材のカウンタ面と協働し、ここで、好ましくは、前記くさび面は前記高圧チャンバに面する。
【0013】
好ましくは、前記ストップ部材は、シリンダ内に変位可能に取り付けられた、あるいは、それに接続された、ストップピストンとして構成され、前記ストップピストンと前記ストップシリンダとの間に圧力チャンバが形成され、この圧力チャンバに、少なくとも1つの充填セン孔を介してオイルを供給することができる。
【0014】
本発明の一好適実施例において、前記くさび面は分割構成とされ、前記横セン孔の軸心の方向において互いに隣接して配置された二つの平行な部分くさび面を有し、これら二つの部分くさび面の間にはショルダが形成される。前記ピストン部材は、ロック解除位置にある時、その対向面は前記第1部分くさび面に対して平行な前記第2部分くさび面上に位置し、その結果、慣性力による表面圧力を比較的低く抑えることが可能である。
【0015】
空間を節約し前記コンロッドを可能な限りコンパクトなものに構成するためには、共に前記横セン孔の軸心の方向での測定で、前記くさび面の軸心方向延出部、又は、少なくとも1つの一つの部分くさび表面および/又は前記カウンタ面が、前記ピストン部材の厚みよりも低く(好ましくは、少なくとも1/4、好ましくは、少なくとも1/3低い)なるように構成すると有利である。これによって、前記復元バネの寸法と、前記ストップピストンのピストン移動距離を非常に低く抑えることが可能となり、それによって、周囲のシリンダ面からそのそれぞれの安全な距離を維持することが可能となる。
【0016】
更に、前記圧力チャンバを少なくとも1つの排出セン孔に接続することができる。
【0017】
本発明の一変形構成において、前記横セン孔の軸心は、コンロッド・アイ軸心に対して垂直に配置される前記コンロッドの揺動平面に対して垂直に、好ましくは前記コンロッドの前記長手軸心に対して垂直に、配置される。これによって、前記揺動平面において周囲のシリンダに対して大きな自由空間を得ることが可能となる。
【0018】
例えばクランク軸の回転クランクウェブによって、もしも前記揺動平面に対して垂直な、即ち、前記コンロッド・アイの方向において、僅かな自由空間しかない場合は、前記横セン孔の軸心をコンロッドの揺動平面に、好ましくは、コンロッドの長手軸心に対して垂直に、配設することが有利でありうる。
【0019】
前記横セン孔は、好適には、前記コンロッドの小端部を含む前記コンロッドの上側三分の一部分に設けられる。これによって前記ストップ部材のサイズが特に小さなものとなる。
【0020】
圧縮率の変化の簡単な制御を可能にするために、少なくとも1つのバルブ、好ましくは、制御バルブ、が、前記第1オイルダクトに配設され、このバルブは、好ましくは、第1位置と第2位置とを有し、前記第1オイルダクトは前記第1位置において閉じられ、前記第1オイルダクトは前記第2位置において開放される。
【0021】
本発明の単純な実施例において、前記バルブは、バルブボールと、受けセン孔内において軸心方向に変位可能、かつ、復元バネによって前記バルブボールと共に第1位置へと変位可能で、かつ、油圧によって前記復元バネの力に抗して第2位置へと変位可能なピントンピンとを、備えるボールバルブとして構成される。
【0022】
あるいはそれに代えて、前記バルブを受けセン孔内において軸心方向変位可能で、復元バネによって第1位置へと変位可能で、かつ、
油圧によって前記復元バネの力に抗して前記第2位置へと変位可能なアクチュエータピストンを備える制御バルブとして構成し、好ましくは、前記第1オイルダクトが前記第1位置において閉じられ前記第2位置において開放されるように構成することも可能である。
【0023】
前記第1オイルダクトが給排ダクトとして構成され、好ましくは、供給ダクトとして構成された第2オイルダクトが前記高圧チャンバ内へと開口し、ここに前記高圧チャンバの方向に開口する逆止バルブが設けられることによって単純な制御が達成される。
【0024】
好ましくは前記コンロッドベアリングに流れ接続されたオイル供給ダクトが前記受けセン孔内へと開口し、特に好適には、スロットルポイントが前記オイル供給ダクトに設けられている。その結果、吸気中、前記第1ロッド部分の慣性力によって作り出される負圧波をコンロッドベアリング中のオイルに対して弱めることが可能となる。前記第2オイル供給ダクトは、前記制御バルブの前記受けセン孔、または、前記オイル供給ダクトから、延出するものとすることができる。
【0025】
製造の観点から単純な本発明の実施例において、前記受けセン孔は、前記コンロッドの長手軸心に対して横方向のセン孔によって形成される。前記バルブを前記コンロッドのコンロッド大端部の領域にもうけると特にコンパクトな構成を達成することが可能となる。
【0026】
前記充填セン孔を前記制御バルブの前記アクチュエータピストンによって制御可能とし、前記充填セン孔が前記アクチュエータピストンの第2位置において作動状態となり、前記アクチュエータピストンの第1位置において閉じられるように構成すれば、前記ストップ部材の簡単な制御が達成される。
【0027】
前記制御バルブの前記アクチュエータピストンを貫通する排出セン孔を制御可能とし、当該排出セン孔が前記アクチュエータピストンの前記第1位置において作動状態となり、前記アクチュエータピストンの前記第2位置において閉じられるように構成することが特に有利である。
【0028】
以下、図面を参照しながら本発明について更に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】第1実施例の本発明のコンロッドの、第1スイッチング位置における図2のI−I線に沿った断面図を示す。
図2】このコンロッドの図1のII−II線に沿った断面図を示す。
図3】ロック位置にあるこのコンロッドの図1のIII−III線に沿った断面図を示す。
図4】第2スイッチング位置にある時の、前記コンロッドの図1に類似の断面図を示す。
図5】ロック解除位置での第2スイッチング位置の図2に類似の前記コンロッドの長手方向一部断面図を示す。
図6】第2実施例の本発明のコンロッドの、ロック位置での第1スイッチング位置の図7のVI−VI線に沿った断面図を示す。
図7】このコンロッドの図6のVII−VII線に沿った断面図を示す。
図8】このコンロッドの図6のVIII−VIII線に沿った断面図を示す。
図9】このコンロッドの図6のIX−IX線に沿った断面図を示す。
図10】第3実施例の本発明のコンロッドの、ロック位置での第1スイッチング位置の図6に類似の断面図を示す。
図11】ロック解除位置の第2スイッチング位置のこのコンロッドを図示している。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下の実施例において機能的に同一の部分には同じ参照番号が付されている。
【0031】
前記図面は、それぞれ、内燃エンジンの分割型コンロッド1を図示している。円筒状ピストン部材3が上方の第1ロッド部分2内に押し込まれる。前記ピストン部材3の底部は、前記コンロッド1の下方第2ロッド部分4のガイドシリンダ4a内において遊びを有して載置され、前記二つのピストン部分2,4の少なくとも一つの位置において、前記ピストン部材3と第2ピストン部分4との間に高圧チャンバ4bが形成される。前記高圧チャンバ4bに隣接する面端部である前記ピストン部材3の圧力側下方面端部5に、モータオイルを供給することができる。オイルの供給と排出とは、第1オイルダクト10として機能するセン孔を介して行われる。オイルの供給、阻止、および排出は、圧力制御バルブ(詳細図示省略)によって、オイルポンプ(詳細図示省略)内の油圧を介して制御バルブ6によって制御される。アクチュエータ(図示せず)によって、前記オイルポンプの前記制御バルブ内のバネを高状態又は低状態にプリテンションする。前記コンロッド1の長手軸心は1aによって示されている。
【0032】
前記制御バルブ6は任意の構成のものとすることが可能である。以下二つの実施例について詳述する。図1図9に図示されているように、前記制御バルブ6は、受けセン孔7内において軸心方向に変位可能なアクチュエータピストン6aを備えて構成することができる。あるいはその別構成として、図10および図11に図示され、詳細には後述するように、前記制御バルブ6を、バルブボール61と受けセン孔62内において軸心方向に変位可能なシリンダピン63とを備えるボールバルブ60として構成することも可能である。
【0033】
図1および図2は、第1実施例のコンロッド1の、低圧縮比に関連する第1位置にある状態を図示し、図4および図5は高圧縮比に関連する第2位置にある状態を図示している。
【0034】
第1実施例による前記制御バルブ6の前記アクチュエータピストン6aは、内セン孔27を有するシリンダジャケット11を備えて構成され、復元バネ9と共に前記受けセン孔7内に配設されている。前記受けセン孔7は、第1ストップ8と第2ストップ24とを有する。前記第1ストップ8は、ロックネジ45と、前記アクチュエータピストン6aの面端部に形成された少なくとも1つの突起46とによって形成されている。
【0035】
前記アクチュエータピストン6aは、図4に図示されているように、低圧レベルにおいては、前記復元バネ9の力によって、前記第1ストップ8に対して、前記コンロッド1の長手軸心1aに対して横方向のセン孔によって形成されるその前記受けセン孔7内に押し込まれる。ここで、「前記長手軸心に対して横方向のセン孔」とは、前記長手軸心1aに対して垂直なセン孔と、前記長手軸心1aに対して特定の角度で傾斜したセン孔、との両方を含む。モータオイルは、前記ピストン3の面端部5の下方の第2オイルダクトに配設された逆止バルブ16(図示の実施例では小さなボール16aを有する)によって慣性力によって引き込まれる。前記アクチュエータピストン6aはそのシリンダジャケット11によって、給排開口部を形成する前記第1オイルダクト10をブロックしている。吸入されたオイルは、逃げることができず、圧縮できない。その結果、前記ピストン部材3が持ち上げられて、それによりコンロッド1が長くなる。これにより、通常の油圧と低油圧とにおいてより高い圧縮比を達成することが可能となる。
【0036】
前記オイルポンプの制御圧を増大させると、図1に図示されているように、前記アクチュエータピストン6aは、バネガイド25によって形成される前記第2ストップ24に対してモータオイルによってその受けセン孔7内で押される。この過程において前記復元バネ9が圧縮される。コンロッドベアリング30から前記面端部5へのモータオイル用の前記第1オイルダクト10の接続開口部10aが、前記アクチュエータピストン6aによって解放される。この位置において、燃焼チャンバ(詳細図示省略)からのガス圧が前記ピストン部材3全体を下方に押し、それによって低圧縮比が得られる。この過程において、前記ピストン部材3の前記面端部5が前記高圧チャンバ4bからのモータオイルを押す。
【0037】
モータオイル圧が制御圧よりも低い時の内燃エンジンの下方アイドリング範囲においてもより高い圧縮比を設定可能にすれば、低負荷範囲における燃費が改善され、低温スタート時に役立つので特に有利である。より長い時間に渡って高い圧縮比を維持するためには、前記ピストン部材3の面端部5の下方の前記高圧チャンバ4bからの前記ガイドシリンダ4aの遊びによる漏れ損失分を、前記チャンバにおいて再び補充しなければならない。これは、前記慣性力が前記逆止バルブ16(再充填バルブ)を介した前記アクチュエータピストン6aの内セン孔27からのモータオイルを前記面端部5の下方の前記高圧チャンバ4b内へと引き込むようにして行われる。その後の圧縮サイクルにおいて再び高圧が発生し、前記逆止バルブ16の前記小ボール16aによって前記高圧チャンバ4bからのオイルの逃げが防止される。このプロセスは、各運転サイクルにおいて繰り返される。もしも圧縮比を再び下げることが意図されるのであれば、前記オイルポンプの制御圧を増大させ、前記アクチュエータピストン6aが油圧によって前記第2ストップ24に対して押し付けられ、それによって、前記コンロッドベアリング30への接続開口部10aが開放される。前記ガス圧によって、ピストン部材3が下方に押され、再び、低い圧縮比が設定される。前記アクチュエータピストン6aは、油圧と、低油圧時のストップ8と高圧時のストップ24との間の前記復元バネ9とによって、前記受けセン孔7において前後に押される。
【0038】
前記アクチュエータピストン6aの受けセン孔7とその内セン孔27のオイルの供給は、オイル供給路17を介して行われる。それは、前記コンロッドベアリング30のコンロッドベアリングシェル20のベースセン孔18の溝19内に開口している。前記コンロッド1の前記溝19は、前記コンロッドベアリング30の底部シェルの溝(詳細図示省略)に流れ接続されている。
【0039】
前記溝19のオイルに対して、前記慣性力によって吸気中に作り出される負圧波を弱めるために、前記供給セン孔17にはスロットル28が設けられている。
【0040】
すべての実施例において、前記二つのロッド部分2,4は、前記コンロッド1の最小長に対応する位置において、本発明によるロック装置32によって固定することができる。このロック装置32は、この目的のために、ストップピストン38を備えるストップ部材33を有し、ここで前記ストップ部材33は、ストップ復元バネ36の力に抗して、前記ピストン部材3の横セン孔35内に変位可能に設けられている。前記ストップピストン38は、ストップシリンダ40内に変位可能に取り付けられ、少なくとも1つの充填セン孔43,43a,43bによってオイルを供給可能な圧力チャンバ42が、前記ストップピストン38とストップシリンダとの間に配設されている。参照番号40aは、前記ストップシリンダ40を閉じるためのネジプラグを示している。
【0041】
前記可動ストップ部材33は、前記高圧チャンバ4bに面するその底面に、前記コンロッド1の長手軸心1a上の法平面τに対して傾斜したくさび面37を備え、このくさび面は、自動ロックの傾斜よりも僅かに大きな傾斜を有している。高負荷での油圧増大の結果、前記くさび面37は、当該実施例においては、前記くさび面37に従ってくさび状に形成されるとともに、前記圧力チャンバ42から離間する前記ピストン部材3の対向面39に対して、そしてそれによって、前記高圧チャンバ4bの底部材41によって形成される制限ストップに対して、前記ストップピストン38を介して積極的に押し付ける。この端部位置において、本実施例においては前記ストップシリンダ40のベース面と、これに面する前記ストップピストン38の面端部とによって形成される前記圧力チャンバ42は、前記充填セン孔43,43a,43bを介して前記ストップピストン38によって、前記コンロッドベアリング30のオイル案内溝19,22に接続されている。前記制御バルブ6のアクチュエータピストン6aは、油圧によって、前記復元バネ9のバネガイド25の第2ストップ24に押し付けられる。前記アクチュエータピストン6aによって前記充填セン孔43が開放され、前記圧力チャンバ42から前記排出セン孔44を閉じる。参照番号40aはネジプラグを示している。
【0042】
低負荷の場合、油圧は減少する。この過程において、前記復元バネ9は、前記ネジプラグ45と前記アクチュエータピストン6aの面端部に形成された少なくとも1つの突起46とによって形成される第1ストップ8に対して、前記アクチュエータピストン6aを左側に押す。この位置において、それは前記充填セン孔43をブロックし、前記排出セン孔44を開放する。それにより、オイルは、前記圧力チャンバ42から前記セン孔44,44a,44bと、前記バネガイド25(又は前記バネディスク)の開口部47とを介してエンジンの無圧内部に到達する。この過程において、前記ストップ復元バネ36は再び伸長可能となって、図5に図示されているように、前記バネディスク36aが前記ピストン部材3上に位置するまで、前記バネディスク36aを介して可動ストップ部材33を図2において左側に押す。この位置において、前記くさび面37は、ピストン部材3から離れる方向に押され、ピストン部材3は、それが前記可動ストップ部材33のシリンダ部分48上に位置するまで、慣性力によって引き込まれるオイルによって持ち上げられる。これにより、コンロッド1が伸長し、より高い圧縮比が設定される。
【0043】
図10および図11に図示の実施例において、前記くさび面37は、分割構造を備え、前記横セン孔35の軸心35aの方向において連続して、かつ、前記対向面39に対して平行に、配置された二つの部分くさび面37a,37bを有し、ここで、これら二つの部分くさび面の間にはショルダ37cが形成されている。当該ショルダ37cは、前記二つの部分くさび面37a,37b間の低テンション移行を形成する。前記ピストン部材3は、図11においては、そのくさび面39が、前記第1部分くさび面37aに隣接する第2部分くさび面37b上に位置する状態で位置している。その結果、図11に図示されているロック解除位置において慣性力による過剰な面押しを避けることが可能である。もしも低圧縮の場合において前記ストップ部材33がピストン部材3をタイトに保持するならば、前記ストップ部材33は、一方においては前記くさび面37aと前記ピストン部材3との間において、そして、他方においてピストン部材3と前記高圧チャンバ4bのベース41との間において、摩擦接続が確立するまで、前記軸心方向(又は、前記横セン孔35の軸心35aの方向)において押す。高圧縮の場合には、前記ストップ部材33は、前記ストップ復元バネ36によって、前記セン孔40の前記ネジプラグ40aにまで押し上げられるか、もしくは、前記ストップ部材33は、前記バネディスク36aがピストン部材3上に位置するまで変位される。これにより、前記ピストン部材3は、油圧によって、前記くさび面37bに対して押し付けられる。
【0044】
もしも負荷が再び上昇すると、前記油圧回路の圧力制御バルブ(詳細図示省略)がサーボモータ(図示せず)によって調節されて、油圧が増大される。これにより、前記制御バルブ6のアクチュエータピストン6aは、再び右側に前記第2ストップ24に対して押し付けられる。これにより前記充填セン孔43が再び開放され、排出セン孔44が閉じられる。
【0045】
圧力が圧力チャンバ42内で上昇し、前記可動ストップ部材33は、前記くさび面37が、前記高圧チャンバ4bのベース41によって形成される前記制限ストップに対して再びピストン部材3を押し付ける。この位置においてコンロッド1は短くなり、高負荷に調節された低圧縮比が設定される。
【0046】
前記可動ストップ部材33の位置は、燃焼チャンバ近傍のピストン(図示せず)の下方において可能な限り高くなるように選択される。前記横セン孔35の軸心35aのアラインメントは、図1図5に図示されているように、コンロッド1の揺動平面εに対して直角に設定することができる。これにより、より低い位置においてよりも、前記ストップ部材33のひずみ(deflection)が低くなり、軸心35aのアラインメントが異なったものとなる。ピストン(詳細図示省略)のピストンスカートの底エッジが前記可動ストップ部材33よりも上方に位置する場合、図3図6および図7のライン49は可能な限り最小のシリンダセン孔を表している。前記可動ストップ部材33の位置が前記ピストン内に位置する場合、図3の円49は、可能な最小のピストンの内側輪郭を表すものとなる。ここで、前記揺動平面εは、コンロッド1の長手軸心1aを含むとともに、前記ロッド大端および小端部12,13の軸心12a,13aに対して垂直に延出する平面であると理解される。前記ロッド小端部12はピストン(詳細図示省略)に対する接続に使用され、前記ロッド大端部13はクランク軸(詳細図示省略)に対する接続に使用される。
【0047】
いくつかの場合、たとえば、クランクウェブ半径が比較的大きな短いストロークのレシプロエンジン、の場合においては、図6図9に図示されているように、前記横セン孔35の軸心35aを、前記コンロッド1の揺動平面εに配置すること有利でありうる。その結果、コンロッドを、コンロッド・アイ軸心の方向において比較的細長く配置することが可能となる。前記ストップ部材のひずみ(deflection)方向において前記コンロッド1の幅を可能な限り小さくするためには、共に、図6に図示の、前記横セン孔の軸心の方向での測定において、前記くさび面37,37aと対向面39の軸心方向の延出を、前記ピストン部材3の厚みbよりも低くする(たとえば、少なくとも1/4又は1/3低くする)ことが有利である。この変形構成においては、前記充填および排出セン孔43,44は、図8および図9に図示されているように、コンロッド1の長手軸心1aを通って延出するコンロッド1の揺動平面εの外側でその両側に配置されている。
【0048】
図10および図11は、前記制御バルブ6の第2の実施例の変形構成を図示し、この構成と図6図9に図示の実施例との違いは、前記制御バルブ6が、バルブボール61と、受けセン孔62内において軸心方向に変位可能で、かつ、復元バネ64によって前記バルブボール61と共に第1位置へと変位可能で、かつ、前記復元バネ64の力に抗して油圧によって第2位置へと変位可能な、シリンダピン63とを備えるボールバルブ60として構成されていることにある。その中において前記受けセン孔62へのステッチセン孔が位置する前記高圧チャンバ4bのベースから始まるポケットセン孔によって形成される前記第1オイルダクト10が、前記高圧チャンバ4bと受けセン孔62との間に位置している。前記ステッチセン孔は、その中に前記軸心方向に変位可能なシリンダピン63が配置されるとともに、前記バルブボール61に面するその端部に当該バルブボール61に対して作用するピン65を備える受けセン孔62内へと開口している。前記受けセン孔62(そして、第1オイルダクト10を介して前記高圧チャンバ4bも同様)は、モータオイルの供給のために、接続開口部10aとセン孔(単数又は複数)67とを介して前記コンロッドベアリング30に接続されている。
【0049】
低油圧の場合、前記復元バネ64が、前記バルブボール61と、前記ピン65を備える前記シリンダピン63とを、前記第1オイルダクト10と前記シリンダピン63のための受けセン孔62との交差部に対して押し付け、ピストン部材3の下方で前記高圧チャンバ4bをシールする(制御バルブ6の第1位置)。前記ピストン部材3は、慣性力によって持ち上げられ、前記バルブボール61は、バルブシートから持ち上げられ、その結果、オイルが高圧チャンバ4bに到達する。前記第1オイルダクト10に設けられた制限ストップ66が、バルブボール61が、第1オイルダクト10から離れることを防ぐ(前記制御バルブ6の第2位置)。油圧がその切り替え値を超えると、前記シリンダピン63が図10および図11において右側に押され、バルブボール61が排出開口部10aを高圧チャンバ4bから解放する。高圧のオイル(燃焼チャンバ圧の約20倍の圧力を有する)が前記セン孔67を介して充填セン孔43に到達し、そこからストップ部材33の圧力チャンバ42に到達し、ストップ部材33は、この圧力によって右側に押されて、前記ロッド部分2のピストンロッド3を摩擦係合によってしっかりと保持する。
【0050】
油圧が減少すると、前記復元バネ64が拡張してバルブボール61はそれが高圧チャンバ4bをシールする位置に到達する。各第2の下方ストローク中において前記ロッド部分2とピストンロッド3とが上方に引き上げられ、その結果、高圧チャンバ4bがオイルで満たされて高圧縮が得られる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6-7】
図8
図9
図10
図11